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(七海の筆跡)赤松楓は■■■がしたい(赤松の筆跡)←何このタイトル!

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  1. 1 : : 2017/11/15(水) 20:36:48
    ◆注意事項◆
    本SSはテーマ「日記」にて秋のコトダ祭り参加作品となります。
    いろいろ凝った作品にしようと考えてましたが、いろんな理由で数多のネタがボツっていきましたのでなんかお砂糖を吐き散らかすだけにしときました。存分に吐き散らかしてください。
    設定としては才能育成計画一年目を想定。
    それでは、どうぞ。
  2. 2 : : 2017/11/15(水) 20:37:17
    【一ページ目】
    (七海の筆跡)えっと、このスペースってまえがきみたいな感じでいいのかな?

    (霧切の筆跡)そうね、最初のページから始めるのもなんだか味気ないし。

    (赤松の筆跡)まあ、私達三人での交換日記だから私達のやりたいようにやればいいんじゃないかな!

    (霧切の筆跡)交換日記と言っても三日間だけ、つまり一人一回分ずつだけ記述する形式ね。

    (七海の筆跡)なんでこうなったんだっけ?

    (霧切の筆跡)それ、口で言いなさいよ……まあ、ここに残しておくのも悪くないけれど。

    (赤松の筆跡)残しとくの!? 恥ずかしいよ!

    (七海の筆跡)……まあ、恥ずかしいけど。発案は赤松さんだったような。

    (赤松の筆跡)そうだけど!

    (霧切の筆跡)たしか、最初はいつもの雑談だったのよね。

    (赤松の筆跡)霧切さんはサラッと始めないでくれるかな!?

    (七海の筆跡)その中で、赤松さんが「最原くんにちゅーしたい!」って言い出したんだよね。

    (赤松の筆跡)やめて!? 事実だけどやめて!?

    (霧切の筆跡)防音の個室で良かったわね、赤松さん。

    (赤松の筆跡)……うん、それはホントに思う。
  3. 3 : : 2017/11/15(水) 20:37:34
    【二ページ目】
    (七海の筆跡)でも、どうすればちゅーの流れに持って行けるのか分からないって言うから。

    (霧切の筆跡)じゃあ私達で実演しましょうと。

    (七海の筆跡)だけど、幾らなんでも私達も見においでよ、なんてのは恥ずかしくてできないから。

    (霧切の筆跡)日記形式で私と七海さんで書いてから、赤松さんに渡して流れをだいたい把握してもらった上で実践してもらおうって流れになったのよね。

    (赤松の筆跡)ううー……。最原くんとちゅーしたかったんだもん……。

    (霧切の筆跡)まあ、気持ちは分からなくはないけれど。

    (七海の筆跡)ところでさ、霧切さん。赤松さんに見てもらわないといけないって事はまずは私か霧切さんのどっちかがやるんだよね? どっちからにする?

    (霧切の筆跡)あ、じゃあ私から行くわ。

    (七海の筆跡)おおー、さすが霧切さん。伊達にこの中で一番早く恋人作ったわけじゃないね。

    (霧切の筆跡)……言っておくけれど、告白して来たのは向こうよ。

    (七海の筆跡)あ、そうなんだね。私は、私の方から告白したっけ。

    (赤松の筆跡)え、何こっちじっと見てるの……。

    (赤松の筆跡)分かったよ、言うよ! 私のとこは

    (霧切の筆跡)ちょっとそこで区切らないでよ、気になるじゃない。

    (七海の筆跡)ほうほう、とうとうこらえきれなくなって「だって、滅茶苦茶恥ずかしいもん! 同時に告白したとか、なんかすごい恥ずかしいもん!」と叫びだしたね。

    (赤松の筆跡)書かないで!?
  4. 4 : : 2017/11/15(水) 20:37:52
    【三ページ目】
    (霧切の筆跡)……こうなってくると、なんだか私だけちゃんと苗木君に気持ちを伝えられていない気もしてくるわね。

    (七海の筆跡)苗木君なら霧切さんの気持ちはかなり伝わってる気もするかな。

    (霧切の筆跡)けれど、自分の言葉で言った記憶があまりないわ……。今回の私の目標、そこにしようかしら。

    (七海の筆跡)おー、じゃあ読むの楽しみにしてるね!

    (赤松の筆跡)あ、私も楽しみにしてるから!

    (霧切の筆跡)ええ、期待していて頂戴。

    (七海の筆跡)じゃあ……とりあえず、今日はここまでにしておこうか? この日記帳は霧切さんに渡しておく感じで。

    (赤松の筆跡)異議なし!

    (霧切の筆跡)じゃあ、預かっておくわね。
  5. 5 : : 2017/11/15(水) 20:38:46
    ――――
    ―――
    ――


    苗木(ボクの名前は苗木誠)

    苗木(どこにでもいるような普通の高校生……だったんだけど、今年からなんとあの希望ヶ峰学園に通う事になった)

    苗木(ボクが選ばれた理由は“超高校級の幸運”。その肩書きの意味するところは、単にクジで選ばれただけの普通の高校生、ってだけ)

    苗木(最初はこんなスゴい学園に馴染めるのか不安だったけど……)

    苗木(馴染むどころか、クラスメイトのみんなはボクにとってなくてはならない、大切な仲間と言えるくらいに大きな存在になった)

    苗木(中でも、特に大きな存在なのが……)

    苗木「……」

    霧切「……」

    苗木「……」

    霧切「……何?」

    苗木「いや、その……あはは」

    苗木(つい、見惚れちゃったなんて言えないよな……)

    霧切「ふう……よく分からない人ね」

    苗木(そう言って、ボクの隣で心底呆れたような表情を作っている彼女の名前は霧切響子さん)

    苗木(寮から学校までという短い距離ではあるものの、一緒に登校している現状からも察してもらえるかもしれないけど……ボクの、恋人だ)

    苗木(“超高校級の探偵”として入学、ボクらのクラスメイトになったその直後の彼女は……お世辞にも、愛想がいいとは言えないくらい、他人を拒絶しているようなところのある人だった)

    苗木(だけど、それは誤解だ)

    苗木(彼女の探偵であろうとする意志。それはクラスの内外問わず、困っている人がいたら助けを出そうとする、そんな優しさを持った人なんだ)

    苗木(そんなところを見ているうちに、だんだんボクは彼女に惹かれるようになっていった。彼女の支えになりたいと思うようになっていったんだ)

    苗木(そしてまあ……その、こ、告白して……OK貰って)

    苗木(今では、この学園に来れて本当に良かったって思ってる!)

    霧切「何ニヤニヤしてるのよ……」

    苗木「あ、いや……今が凄く幸せだなって」

    霧切「そ、そう」

    苗木「うん」

    苗木(本当に、幸せだ!)
  6. 6 : : 2017/11/15(水) 20:39:03
    苗木(朝イチの授業が終わって、ボクは迷わず霧切さんの席へ移動した)

    霧切「また?」

    苗木「またっていうか……まあ、こればっかりはお願いしたいかな」

    霧切「全く、仕方ないわね……それで? 今日はどこ?」

    苗木「あ、ここ……と、ここと、ここ」

    霧切「そこね。分かったわ」

    苗木(……何をしてるのかといえば、答えは至極単純)

    苗木(さすがに普通の高校に通っていたボクには、希望ヶ峰の授業のレベルは高すぎるわけで)

    苗木(分からないところを霧切さんに教えてもらいに来ている、ってだけだ)

    苗木(これが結構、分かりやすく教えてくれるから有り難い)

    苗木(……あ、そうだ)

    苗木「ねえ、霧切さん」

    霧切「何かしら?」

    苗木「いつも、ありがとね」

    霧切「……ベツに、このくらいお礼を言われるようなことじゃないわ」

    苗木「そんなことないよ、霧切さんが教えてくれなきゃたぶん、授業についていけてないよ、ボク」

    霧切「まあ、良くも悪くも“普通”だものね、貴方は」

    苗木「ひ、否定はしないけどさ……」

    苗木(恋人に対する評価として、それってボクはどう捉えたらいいんだ……?)
  7. 7 : : 2017/11/15(水) 20:39:14
    苗木(そんなこんなで、お昼休み)

    苗木「霧切さん」

    霧切「ええ、いつもありがとう」

    苗木「あはは、ボクも霧切さんが喜んでくれるの、嬉しいからね」

    苗木(いつものように、“二人分”のお弁当を持って霧切さんの席へと移動してきた)

    苗木(一緒にお昼ご飯を食べるようになったその当時、霧切さんは菓子パンを一つ二つ食べるだけで……それを見かねて、ボクが霧切さんの分も持ってくるようになったんだっけ)

    苗木(それまではボクも、自分のお弁当は作って持って来てたけど、冷凍食品をチンしてくるくらいだったのに、二人分作るようになったのがキッカケでいろいろ料理の研究したりして……)

    苗木(……普通に考えて、一人分より二人分の方が手を抜くような気はするけど。でもまあ、なんだかんだボクも楽しいからそこはいいんだ)

    霧切「本当に……ありがとう」

    苗木(そう言って、ふわりと微笑むその優しげな表情を見ると本当に、ボクは彼女に惚れて良かったと思える)
  8. 8 : : 2017/11/15(水) 20:39:36
    苗木(――放課後)

    苗木「うーん……!」

    苗木(軽く伸びをして体をほぐす。希望ヶ峰の生活は苦じゃないけど、どうしてもレベルが高い分、疲れるのは疲れる)

    霧切「お疲れかしら?」

    苗木「ん、まあ……特別疲れてるってわけじゃないけどね」

    霧切「そう」

    苗木「……? どうかした?」

    苗木(なんだか、珍しく霧切さんの目が泳いでる気がする。何というか、焦りと躊躇……みたいなものを感じられる)

    霧切「――苗木君」

    苗木(やがて、意を決したようにこちらに視線を定める。だけど、ちょっと表情は、硬い)

    苗木「うん、どうかした?」

    霧切「貴方の疲れを、少しでも癒したい……そう、思うの」

    苗木「え、うん……それは、嬉しいけど。じゃあ今度どこか遊びにでm」(ちゅっ

    苗木(――行く?)

    苗木(そう言いかけたボクの言葉を止めたのは、頬に当たる柔らかな感触で)

    苗木(…………)

    苗木(ええ!? なんか急にほっぺにキスされた!?)

    苗木(何が何だかよくわからないまま、今度はボクの全身が固まってしまっていると、ゆっくりと霧切さんはボクの頬から唇を離す)

    霧切「……どう、かしら。少しは、癒えたかしら?」

    苗木(――そんな言葉を漏らす彼女の頬は、わずかに紅潮していて)

    苗木「癒えた……なんてもんじゃないよ。もう、どこか遠くにすっ飛んで行ったかな」

    霧切「そう、それは何よりよ」

    苗木(そう言って、笑みを作る彼女は再び口を開く)

    霧切「好きよ。苗木君」

    苗木「……っ!」

    苗木(それは……その一言は)

    苗木「はは……このタイミングでそれは、ズルいなあ、霧切さん」

    霧切「そうかしら?」

    苗木「まったく、意地が悪いんだから……だけどさ」

    霧切「何?」

    苗木「ボクも、キミのことが大好きだよ」

    苗木(彼女をこれまでより愛おしいと思えるようになる、まさに魔法の一言だった)
  9. 9 : : 2017/11/15(水) 20:41:52
    【四ページ目】
    (霧切の筆跡)
    さて、それじゃあさっそく今日あった事を書いていくわね。
    まず、今朝の話から。
    朝、登校中に苗木君にものすごく凝視されたわ。さすがに照れたのだけれど、「顔、赤くなってないかしら……」なんて思っている間に、苗木君が笑みを浮かべていることに気が付いて。
    どうしたのか尋ねてみると、「今が凄く幸せだ」なんて言って……見ていなさい、これからもっと幸せにしてやるわ、なんて決意を固めてその日に望むことにしたわ。

    一時間目の授業が終わった頃、苗木君が今日の授業の分からなかったところを質問に来たわ。
    これ自体はいつものことだし、私としても彼の役に立てているのは結構幸せだったりするのだけれど。
    この日は突然、苗木君にお礼を言われた。歓喜と幸福で、心臓が爆発しそうなほど跳ね上がって……いったい苗木君は私をどうしたいのかしら。
  10. 10 : : 2017/11/15(水) 20:42:06
    【五ページ目】
    (霧切の筆跡)
    昼食時、いつものように苗木君がお弁当を持って私の席へやってくる。
    彼と付き合い始めるまでは最低限、空腹を満たせれば食事はなんでもいいと思っていたのだけれど……そんな私のために、彼が持って来てくれたお弁当。最初は市販の食品を詰めてきただけのものだったけれど、とてもおいしく感じられた。それから彼は私の分もお弁当を作って持って来てくれるようになったのよね。
    ……一応言っておくけれど、私も料理が出来ないわけじゃないわ。ただ、彼が作る方が、なんとなく、やっぱりおいしいと思えてしまうのよね。意外と料理の才能があるのかしら、彼?

    そして、放課後。なんだか、彼はお疲れの様子。彼はあくまで“超高校級の幸運”、やっぱり少し、この学園に慣れるのにも時間がかかるのかもしれない。そんな風にも思いつつ……もう、このタイミングしかないと思って。
    ちゅー、したわ。ほっぺにだけれど。
    それと……私の想いも、ちゃんと口にして伝えたわ。彼に……この気持ちの、少しでも伝わっていれば、嬉しいのだけれど。
  11. 11 : : 2017/11/15(水) 20:42:21
    【六ページ目】
    (霧切の筆跡)
    とりあえず、私の一日は以上ね。
    こう、なんというか、あえて文字にして綴っていると、彼の私への想い、彼への自分の想いが自分で思っていたよりも大きいことに気が付くわね。その日一日の出来事を反芻する事で、細やかなところに気が付けるというか。本当、彼を好きになって良かったと思うわ。

    さて、とりあえず後ろ二ページ分、空けておこうかしら。
    七海さん、赤松さん。何か私の内容で気が付いた事があったらコメントして頂戴ね。
    それじゃあ、私はひとまずここで筆を置く事にして……次は七海さん、お任せするわ。
  12. 12 : : 2017/11/15(水) 20:42:36
    【七ページ目】
    (霧切の筆跡)とりあえず、ここは七海さんのコメントスペースとしておくわ。

    (七海の筆跡)
    えーと、要するに感想書けばいいのかな? まあ簡略的に書くとしますかー。
    じゃあまずは朝のとこね。
    これ絶対苗木君、霧切さんのこと見たかっただけだよね、凝視って。だって苗木君って霧切さんの事、大好きじゃん。たぶんそれだけだよ、これ。
    で、次、授業終わりのとこだけど。苗木君が霧切さんをどうしたいのかって、そりゃもう惚れさせたいだけじゃない? だって苗木君って霧切さんの事、大好きじゃん。
    そんでお昼ご飯だけど、うん、とりあえず突っ込んどくね。いつも苗木君にお弁当作って来てもらってたんだね! ホント彼、霧切さんの事大好きだね!
    それから最後、放課後だけど……ふむ、ほっぺか。悪くない。いっそ、今回はほっぺにちゅー企画ってことで私もほっぺにしようかな? とか思っちゃったよ。赤松さんも、いきなり唇よりはほっぺの方がまだ軽そうだしね。
    とりあえず、私からは以上!
  13. 13 : : 2017/11/15(水) 20:42:50
    【八ページ目】
    (霧切の筆跡)こっちは赤松さんのコメントスペースね。適当に何か書いておいて頂戴。

    (赤松の筆跡)
    コメントか……えっと、じゃあとりあえず、七海さんのを参考にいろいろ書くね。
    朝のとこは、あれだよね。七海さんが書いてるみたいに、たぶん苗木君は霧切さん見たかっただけだと思うけど……でも逆に、それに気付くくらいには霧切さんも苗木君の事見てたってことだよね? 霧切さんもほんと苗木君の事好きだよね!
    それで授業終わり。苗木君にお礼言われてすごく嬉しかったのは伝わったけど、霧切さん、そういうのはもっと表に出して行こう! そうしたらたぶん、苗木君ももっと霧切さんの事好きになるんじゃないかな!
    で、お昼ご飯のとこは、苗木君が作ったお弁当の方が自分で作った料理よりおいしい、って書いてるけど……今度、苗木君にご飯作ってあげてごらん。たぶん苗木君も同じような感想言うよ!
    それで最後……ほっぺ、ほっぺか。今日七海さんからこの日記帳受け取ったとこだし、私の決行は明日だけど。明日最原くんのほっぺにちゅーか……。うん、悪くない! がんばる!
    とりあえず、私からも以上!
  14. 14 : : 2017/11/15(水) 20:43:10
    ――――
    ―――
    ――


    日向(俺の名前は日向創だ)

    日向(希望ヶ峰学園に憧れて……そして、希望ヶ峰学園に通う事ができるようになった、普通の高校生)

    日向(そう、俺は“普通の高校生”。何か才能を持っているわけじゃない。それでどうして希望ヶ峰学園に通う事が出来るようになったのかといえば、そのタネは単純で、予備学科に入学したってだけで)

    日向(結局、そんな手段で入学しても……自分の才能に対するコンプレックスは深まるばかりだった)

    日向(――そう、あの日までは)

    七海「……? どうかした?」

    日向「いや、何でもないさ」

    七海「そう? 何か考え込んでるみたいだったけど」

    日向「はは、大したことじゃないって」

    日向(隣に居るのは七海千秋。本科生……“超高校級のゲーマー”だ)

    日向(朝、まだ始業までは一時間ほどあるこの時間に俺が登校しているのは、この噴水の前で七海と会って一緒に過ごしたいからに他ならない)

    日向(俺は……いろいろあって(・・・・・・・)一時、悩んでいる時期があった)

    日向(どうすればいいのか。どうするのがいいのか。俺はどうしたいのか。学園はどうしたいのか)

    日向(考えれば考えるほど、だんだん分からなくなっていく……そんな悩みだ)

    日向(そんな時……七海は、単なる予備学科生の俺を気にかけてくれた)

    日向(今でも……思い出す。あの時、悩みに悩んで、憔悴すらしていた俺に七海は……)

    七海「そう? ならいいけど……じゃあ、一緒にゲームでもしよっか」

    日向「……ああ! 望むところだ!」

    日向(今と同じように、俺をゲームに誘ってくれたんだ。あれが俺と七海の出会い。その出会いが俺の……自分への“自信”に繋がる、ターニングポイントってやつだな)

    日向(なんせ、七海は……俺の“本当の欲求”を満たしてくれた、恩人でもあるんだから)

    七海「むー、ぼーっとしてるなあ」

    日向「あ、ああ……悪いな。それで、今日は何のゲームするんだ?」

    七海「まずは軽く、対戦しよっか」

    日向「七海が相手の時点で、軽くないと思うぞ……」

    七海「そっかな? ……えっと、ソフトは……定番のマリオブラザーズでもやろっか」

    日向「あれ、それって横スクロールアクションだよな……対戦ゲームするんじゃないのか?」

    七海「それはスーパーマリオブラザーズ。私が言ってるのはマリオブラザーズだよ」

    日向(どう違うんだ……)

    七海「……言っとくけど、全然別物だからね」

    日向(それから暫し、七海とマリオブラザーズで遊んだ。思ってたのとは全く違うゲームだったな)
  15. 15 : : 2017/11/15(水) 20:43:39
    日向(二時間目の授業を終えて……)

    日向「……あれ」

    日向(スマホを確認すると、新着メールがあった)

    日向(七海からのメールか)

    日向「中身は……なんだこれ」

    日向(『“じどう”“壺”“目的地はだいたい北” これらから連想されるゲームは? ヒントはオススメRPG!』)

    日向「いや、知らないぞそんなの……」

    日向(っと、次のが来たな)

    日向(『正解発表はお昼でーす。噴水の前で答え合わせだよ』……か)

    日向(……この遠回しな誘いも七海らしいな)

    日向(そう思って、ふと笑みを浮かべている自分に気が付く)

    日向(と、同時に)

    「…………」

    日向(クラスメイト達の……能面のような無言の表情が突き刺さる)

    日向(基本的に、予備学科の連中は“あの”希望ヶ峰学園に対して大きな希望を持って入学してきた連中だ。勿論、それは俺もだ)

    日向(だけどふたを開けてみれば、予備学科は学園にとって、希望ヶ峰学園の運営や研究の資金を調達するための手段でしかなく、教員たちもいるにはいるが、俺達にさしたる興味を示すことなく淡々と授業をするだけ)

    日向(それに対し、本科生たちのまばゆいばかりの優遇ぶり……失望とコンプレックスが生まれない方がおかしかった。そこまで含めて、俺も他のクラスメイトと一緒だった。唯一違うのは、俺は七海と出会えたってことだろう)

    日向(まあ……そんなわけで)

    日向(一人、教室で携帯眺めながらニヤついてる奴は目立つだろうと、俺も思う)

    日向(ともあれ、俺はメールに短く『わかった』とだけ返信をして携帯を仕舞い、次の授業に備えた)
  16. 16 : : 2017/11/15(水) 20:43:57
    日向(やって来た昼休み)

    日向(適当にパンを買い、噴水へとやって来ると、既に七海がゲームをしていた)

    七海「おっす、来たね」

    日向「ああ。っていうか、何だったんだ、あのメール? 全然分からなかったぞ」

    七海「えー、結構有名なゲームなんだけどな」

    日向「有名なゲームか……」

    七海「うん。……一部では」

    日向「一般的じゃないって事だよな、それ……」

    七海「うーん、どうなんだろ……?」

    日向「で、結局答えは何なんだ?」

    七海「里見の謎」

    日向「知らねえ……」

    七海「……やりたい?」

    日向「どんなゲームなんだ?」

    七海「うーん……控えめに言って……クソゲーかな」

    日向「控えめに言ってか」

    七海「うん」

    日向「オススメRPGとか言ってなかったか?」

    七海「パッケージにメーカーが『オススメRPG』って書いてるシールを貼っていたという伝説付き」

    日向「メーカーが貼っちゃったか……」

    七海「私としては、笑えるクソゲーって感じで嫌いじゃないんだけどね。少なくとも一見の価値はあると思ってるよ」

    日向「笑えるクソゲーねえ」

    七海「『拙者、高所恐怖症でござる!』とか言ってパーティから抜けた忍者の代わりに河童が仲間になったりする展開はさすがに笑う」

    日向「いや意味わかんないぞそれ!?」

    日向(なんて会話をしながら……それこそ、“笑えている”今)

    日向(それがあるのも、間違いなく七海のおかげで)

    日向(もしかするとあり得ていたかもしれない、“笑えない”未来にならなくて良かったと……)

    日向(俺は心からそう、七海に感謝しつつ、笑って、話をして……そんな昼食の時間を過ごした)
  17. 17 : : 2017/11/15(水) 20:44:16
    日向(放課後)

    日向(ウサミに許可を貰い、寮の七海の部屋へとやって来た)

    日向(と言っても……結構頻繁に来てるから、特別って感じも、あまりしないけどな)

    七海「よっす、来たね、日向君」

    日向「おう。それで、今日は何のゲームするんだ?」

    日向(七海の部屋に来た時はいつも、大抵家庭用ゲーム機で遊ぶ)

    日向(遊ぶゲームは対戦型だったり協力型だったり……場合によっては、一人用のゲームを何かの条件を決めてちょくちょくプレイヤー交代をして遊んだり、いろいろだ)

    日向(そんなわけで、俺はそう切り出した……んだが)

    七海「むむ……」

    日向「……? どうした?」

    日向(なんか、様子が変だ。これは……不機嫌、なのか?)

    七海「日向君」

    日向「ああ」

    七海「……女の子の部屋、だよ?」

    日向「……?」

    日向(突然、どうした?)

    七海「ここ、私の部屋だよ。何かこう……ドキドキとか、しない?」

    日向(……!? 突然、なんだ!?)

    七海「私は、しないわけじゃ、ないんだよ。男の子を……恋人を、部屋にあげてるんだからさ」

    日向「それは……まあ、なんというか。あれだな」

    日向(そりゃ、最初の内は七海の部屋に入るってだけでドキドキしたけど)

    日向「だんだん、慣れてきちゃったとこ、あるかもな」

    日向(だいたい……というか、確定で毎回単にゲームしてるだけだったしな……)

    七海「……よし」

    日向「?」

    七海「んっ」(ちゅっ
    日向「どうしt」

    日向「…………んんっ!?」

    日向(今のは……頬に、キス……? マ、マジか……!?)

    日向「な、ななm」
    七海「よし、満足!」

    日向「……え?」

    七海「さ、日向君。ゲームしよ?」

    日向「え、あ、いや……え?」

    日向(ななな、なんだ、これ!?)

    日向(ワケが分からないまま、けどそんな疑問をぶつける間もなく……)

    七海「今日遊ぶのは……今までとは一味違うよ」

    日向(そんな風に、今日遊ぶゲームの話題を出す七海)

    七海「なんせ、プレミア付いてるゲームだからね。私もアーカイブスで出たやつはやったけど、ちゃんとPS版が手に入ったから、これは是非やらないと」

    日向(……これは、訊くのは野暮ってもんか)

    日向「……はあ。で、プレミア付いてるって、なんてゲームなんだ?」

    七海「LSD」

    日向「……薬物?」

    七海「いやそういう名前のゲームでね……とりあえず日向君、はいこれ、コントローラー」

    日向「え。いやいきなり渡されても……コントローラー一つしかささってないって事は一人用か?」

    七海「うん。……ふふふ、私は一応既プレイだからね。日向君の反応を楽しませてもらうとするよ」

    日向「あ、ああ……分かったよ」

    日向(全く、七海はいつもこうだ)

    日向(いつもこう、マイペースで……会話していると、だんだんそのペースに引き込まれる)

    日向(だからこそ俺は、七海に救われたんだと)

    日向(胸を張って言える。これが、俺の“胸を張れること”になったんだ)
  18. 18 : : 2017/11/15(水) 20:44:38
    【九ページ目】
    (七海の筆跡)
    ふっふっふ。霧切さんから受け取ったこの日記帳、とりあえず『赤松楓はちゅーがしたい』とタイトルを付けておきました。
    で、とりあえずさらっと霧切さんの日記読んだけど、びっくりしちゃったよ。
    苗木君とどういう流れでちゅーしたのか簡略的に書くのかと思ってたら、しっかり一日の出来事書いてるんだもん……これは私も気合入れて書かないとね。
    えっと、まず朝だよね。朝は、えーと……日向君と二人で、噴水の前でゲームで対戦して遊んだよ。
    でも、なんだか日向君もいろいろ考える事多いみたいで……でも、前みたいな深刻そうな感じじゃないからちょっと安心してるんだよね。

    それで次は、授業の合間……二時間目の終わりくらいだね。
    日向君はどうしても予備学科だから、一緒には過ごせないけど……ちょっと、メールを送ってみたよ。どっちかから声をかけておかないと、お昼もなかなか時間が合わなくて一緒に食べられなかったりするから、その待ち合わせのメールだね。こういうメール、日向君からはあまり出してくれないんだよね……もっと気楽にいろいろお話して欲しいんだけどな。
  19. 19 : : 2017/11/15(水) 20:44:52
    【十ページ目】
    (七海の筆跡)
    さてさて、お次はお昼休み。日向君とゲームの話をしながらお昼ご飯を食べたよ。この時間は普通に会えるから、ちょっと幸せなんだよね。
    ただ……いつもの事なんだけど、私から話題振る事の方が多いのは、ちょっと気になってるかもしれない。あんまり、日向君って自分から自分の事話してくれないとこがあるっていうか。
    これからいろいろお話して、もっと日向君の事知っていけたらいいな。

    最後に放課後だね。今日は日向君を部屋に招待したよ。まあ、部屋に呼ぶのはいつもの事だし、だいたいゲームしてるんだけど……案の定、日向君もそのつもりだったみたいで。
    せっかく、ちゅーするつもり満々だったけど、「今日は何のゲームするんだ」なんて言われちゃうと、さ……。
    まあ、思いっきりちゅーしてやるしかないよね。してやりましたとも、ほっぺに。ちゅー。
    ビックリした顔されたけど……何か言われる前に、何事もなかったように普通に今日やるゲームの話題出してやりましたとも!
    これからは部屋に来るたび、ドキドキするといいー!
  20. 20 : : 2017/11/15(水) 20:45:01
    【十一ページ目】
    (七海の筆跡)
    なんて感じで、書く事はこのくらいかな?
    だいたいいつも、日向君にはゲームそのものか、あるいは私のゲームの話に付き合ってもらってばっかりで悪いかなーなんて思ってたりするけど……。これからは積極的に日向君の話を聞きたいね! これ、私の今後の課題!
    あと、ゲームばっかりしすぎて、割といちゃいちゃ感が無いのも課題だね! 課題多いね!

    あ、あと、私も霧切さんに倣って後ろ二ページ分、コメントコーナーにしておくね?
    何か気付いた事とかあったら書いておいてほしい……かも?
    それじゃ、あとは赤松さんに託した! 頑張れ赤松楓、世界を救うのはキミだ!
  21. 21 : : 2017/11/15(水) 20:45:14
    【十二ページ目】
    (七海の筆跡)コメントスペースだよ。こっちは……赤松さんにしておくね?

    (赤松の筆跡)
    世界は救わないよ!? 何を求められてるの……っていうか! タイトル何あれ、恥ずかしいじゃん! 思わず“ちゅー”の部分塗りつぶしちゃったよ……もう!
    それはさておき、コメントするね。
    まず朝だけど、実は私、ゲームってすごく疎いんだよね……ずっとピアノばっかり弾いてたからさ。最原くんも一緒にゲームで対戦したいとか、思うのかな? 何かオススメあったら教えて欲しいな!
    それで次はメールの話か。最原くんもあんまり自分からはメールしてこない方だし……返信は返信ですごい事務的なとこあってさ、なんかちょっと共感しちゃった……何かいい解決方法とかあるのかな?
    それでお昼ご飯のとこはお昼ご飯のとこで、これもちょっと共感! 最原くんもあんまり自分の事話してくれないんだよねー。うーん、もっといろいろ知りたいんだけどな。なんか、七海さんに親近感わいちゃった。
    で、最後だけど……部屋によくあげてるんだ……なんかそれだけで、すごい進んでる感じがする……すごい……。どうやったらそんな積極的になれるの?
    うーん、意見っていうか、いろいろ思った事書いただけになっちゃった。とりあえずこんな感じで、私からは以上!
  22. 22 : : 2017/11/15(水) 20:45:24
    【十三ページ目】
    (七海の筆跡)というわけで、こっちが霧切さんのコメントスペース。よろしくね。

    (霧切の筆跡)
    自分の分は終わっているから、私はあとは読んでコメントするだけね。ちょっと気が楽かもしれないわ。
    さて、それじゃあ朝の部分から。日向君は前は深刻な悩みを抱えていたような書き方だけれど、その話はちょっと初耳ね。まあ、解決しているようなら蒸し返したりはしないけれど。何か探偵として力になれる事があったら言って頂戴。
    それと次はメールね。日向君側からあまり送信してくれない、となると……突然メールをよく送って来てくれるようになるような手段なんてそうそうないわ。あまりこれも能動的とは言えないかもしれないけれど、いっそのこと事前に「明日の○時ごろにメールしてね」なんて約束しておくのも一つの手かもしれないわね。そういった約束を繰り返しているうちに、自分からメールを送るという事に対する壁を取り払えるかもしれないわ。
    次は昼休みね。これもいきなり自発的にいろいろ話すようになる、というのは難しいでしょうから、相手の事について質問をたくさんする、というのが大事なんじゃないかと思うわ。
    最後に放課後ね。……なかなか、いい方法を聞いたわ。部屋に呼んで、ちゅー。ドキドキさせたい時には悪くないわね……参考にさせてもらうわ。
    とりあえず、私からはこのくらいにしておくわね。
  23. 23 : : 2017/11/15(水) 20:45:41
    ――――
    ―――
    ――


    最原(僕は最原終一……これでも、探偵だ)

    最原(それも、あの希望ヶ峰学園に選ばれた……世間では“超高校級の探偵”って事になってる)

    最原(たまたま、マグレで事件を解決させただけの僕が超高校級なんて呼ばれて、凄い人たちと肩を並べるのは最初は少し不安があったけど……今では、なんとか同級生たちとも上手くやれてると思う)

    最原(しかも……まさか恋人まで出来るなんていう、予想もしてなかったイベントも起きたりして)

    最原(今は、その恋人を寮の外で待っている状態だ)

    最原(それっていうのも、一昨日急に、今日の祝日、デートに誘われたからで……)

    最原(……これ、僕らの初デートなんだよな。彼女の方から誘わせちゃったのは申し訳ない気持ちがある)

    最原(そんなこんなで待つ事しばし。彼女が……赤松さんがやって来た)

    赤松「あっ、最原くん……は、早いね!」

    最原「たまたまだよ。ちょっと早くに目が覚めちゃって、それで」

    赤松「……」

    最原「えっと……どうかした?」

    赤松「いやあ……それほど楽しみにしてくれてたのかーって。ちょっと嬉しくて」

    最原「そ……そんなの、勿論じゃないか!」

    最原(くっ……自分の恋人ながら、かわいすぎる)

    赤松「それにしても……なんか、新鮮だね」

    最原「う、うん、それは僕も思ってたよ。なんていうか、私服で会う事も少なかったし……」

    赤松「そうなんだよね。うーん、もうちょっと休日とかも一緒にあちこち行こうか」

    最原「えっと、いいの? 赤松さん、ピアノは……」

    赤松「ピアノはピアノで、勿論大事! でも、最原くんの事も大事なんだ」

    最原「……あっ、あ、ありがとう……」

    最原(笑顔でそんな事言われたら……照れるに決まってる……!)
  24. 24 : : 2017/11/15(水) 20:45:54
    最原(ひとまず移動しよう、という事になり……僕らは水族館にやって来た)

    赤松「実は……前々から来たかったんだよね」

    最原「水族館に?」

    赤松「うん」

    最原「へえ……どんな魚が好きなの?」

    赤松「魚じゃなくて……ペンギンだよ、ペンギン!」

    最原「ぺ、ぺんぎん?」

    赤松「うんうん! ペンギンってかわいいじゃない?」

    最原「まあ……それは分からなくもないけど」

    最原(ペンギン……か)

    赤松「あ、あとイルカショーとかも見たいよね!」

    最原「たしかに、そう考えると水族館って結構いろいろ遊べるんだね。ヒトデも触れるみたいだし」

    赤松「ひ、ヒトデ……触りたいの?」

    最原「まあ……触りたいか触りたくないかで言えば……触った事無いしね」

    赤松「うーん、私はヒトデは……いいかなあ」

    最原(ヒトデは興味持ってくれないか……)

    赤松「と、とりあえず、ペンギンは……あ、いた! 最原くん、ペンギンいたよ、なんかチャラい!」

    最原「あ、ホントだね。えっと……あれはマカロニペンギン……かな?」

    赤松「マカロニ……? お昼ご飯の話?」

    最原「いや、マカロニペンギン。ペンギンの種類の話だよ」

    赤松「へえ、そんなおいしそうな名前のペンギンもいるんだね……」

    最原(……おいしそう?)
  25. 25 : : 2017/11/15(水) 20:46:06
    最原(それから暫く水中生物を堪能した僕らは、水族館を出たあと昼食を摂る事にした)

    最原「何か食べたい物とか、ある?」

    赤松「うーん……グラタン!」

    最原「グラタンか、なんか意外なところからチョイスしてきた気がするな」

    赤松「そんなことないよ! マカロニだよ!」

    最原「マカロニ? ……ああ、ペンギン」

    赤松「そうそう、マカロニ」

    最原(……会話成り立ってるのかな、これ)

    赤松「とにかく、マカロニなんだよ!」

    最原(これ、僕が悪いのか……?)

    最原「えっと、それじゃあどこか、グラタンを食べられそうなお店探そうか」

    赤松「うん! そうしよう、それがいいよ!」

    最原(朝から赤松さん、テンション高めだけど……赤松さんも今日を楽しみにしてくれてたって事なのかな)

    最原(それにしては、なんか様子が変な気がするけど)

    赤松「それじゃあ、お店お店ー……」

    最原(きょろきょろし始めた……いやいや!)

    最原「スマホで検索すれば場所とかも出てくると思うけど」

    赤松「あ……そ、それもそうだね! うん、じゃあ行こう!」

    最原(本当にどうしたんだろ、赤松さん)

    最原(思いっきり僕が手にしてる“これ”にも気付いて無さそうだし……)
  26. 26 : : 2017/11/15(水) 20:46:21
    最原(昼食を終え、それからどうしようかと話が及び……)

    最原「……」

    赤松「……」

    最原(僕は今、どういうわけか寮の赤松さんの個室にいる)

    最原(いや……だって「部屋に来ない?」とか言われると……まあ、行くよそりゃ……)

    最原「……」

    赤松「……」

    最原(けど……)

    最原(何をどうすればいいんだ、これ……絶対赤松さんも何も考えてなかったよ……あの顔……)

    最原(……あ、そうだ)

    最原「ね、ねえ、赤松さん」

    赤松「ひゃ、ひゃい!? なな、な、何!?」

    最原「えっと……これなんだけど」

    最原(そう言って、僕は手にしていた紙袋を赤松さんに手渡した)

    赤松「え? 何これ……? っていうかいつの間に!?」

    最原「水族館で買って、それからずっと持ってたよ」

    赤松「え、嘘!? 全然気が付かなかった……」

    最原(それこそ嘘でしょ……結構大きい紙袋なのに……)

    赤松「それで……えっと、これは……?」

    最原「気に入ってくれるかな、って思って……それで」

    赤松「え、もしかして……ぷ、ぷぷ、ぷれぜんつ……?」

    最原(ぷれぜんつ……?)

    最原「まあ、うん。プレゼントだよ」

    赤松「あ、ああ、あ、あ、あり、ありがとう! えと……早速、あけてみるね……?」

    最原「うん、どうぞ」

    赤松「それでは失礼して……。……」

    最原「……」

    赤松「あ! かわいい! ペンギンのぬいぐるみだ!」

    最原「ペンギン、好きみたいだったから」

    赤松「だってかわいいじゃん!」

    最原「まあ、それは否定しないけど」

    赤松「んー……」

    最原(ふと、突然赤松さんがなにやら考え込みだした)

    赤松「んんー……」

    最原「……?」

    赤松「んんんー……!」

    最原(なんか考え込むというか、唸りだしたというか……)

    赤松「よし!」

    最原「え、っと、どうかしたの?」

    赤松「最原くん!」

    最原「う、うん。何?」

    赤松「これは今だよ! 今しかないんだよ!」

    最原「何が……?」

    赤松「えっとね、えっと……これは、お礼ってことで……!」

    最原「お礼……えtt」(ちゅっ

    最原「…………んんんっ!?」

    最原(赤松さんが、あか、あかか……あかままつさんが……僕のほっぺに、キスを……!?)

    赤松「…………」

    最原「…………」

    最原(……結局)

    最原(それから僕も、赤松さんも。数時間単位でフリーズし続け……)

    最原(我に返ったのは、もう完全に夕食時を逃した時間となっていたりした)

    最原(くっ、かわいいな赤松さん)
  27. 27 : : 2017/11/15(水) 20:46:41
    【十四ページ目】
    (赤松の筆跡)
    実はこの日記帳霧切さんに託して部屋に戻ってから気付いたんだけどさ。
    今日、私の担当の日、祝日じゃん! なんかすごい謀られた気分なんだけど! 二人みたいな学園生活の日常じゃなくて、なんか私だけ完全、休日のデートの様子書かなくちゃいけない流れじゃん!
    ……仕方ないし、書くけどさ!
    まずは朝だね。私はデートだから、待ち合わせだったよ。一応、五分前を心掛けて待ち合わせ場所に着いたんだけど、もう最原くんは来てて……なんか、楽しみにしてて貰えたのかなって、嬉しかったなあ。
    あ、それとそれと! 最原くんの私服、カッコよかった! なんか、なんかこう……カッコよかった!

    それでそれで、内容なんだけど、最原くんと水族館に行ったよ! ペンギンが見たくて!
    なんか最原くんはヒトデ触りたいとか言ってたけど……さすがにちょっとそれは、私には分からなかった。
    あ、ペンギンは見れたよ! 最原くんがマカロニだって言ってた! 自分では大した事無いように言うけど……実際、最原くんは物知りだと思ってるよ!
  28. 28 : : 2017/11/15(水) 20:46:52
    【十五ページ目】
    (赤松の筆跡)
    それから水族館で遊んだあと、お昼ご飯に行ったよ。マカロニグラタン、おいしかった!
    お店見つける時も最原くんがいろいろ引っ張ってくれて……やっぱり頼りになるんだよね。しかもさ、気配りも凄いんだよ! なんとデザートまで美味しいお店探してくれたからね! いやー、おいしかった。最原くんとのデートシチュエーションも含めて、おいしかったよ!
    水族館の感想とかも結構いろいろお話出来たし、今までで最高のお昼ご飯だったと断言できるくらいだよ!

    えっと、それで最後……なんだけど。
    はい、お部屋に呼んじゃいました! 七海さんを参考に!
    でねでね、気付かなかったんだけどね。最原くん、私に水族館でプレゼント買ってくれてたんだ! そのプレゼントのお礼って感じで……しちゃいました! ほっぺにちゅー!
    もうね、もう、しばらく幸せすぎて何が何だかよく分かんなかった!
    とりあえず最原くんの事がもっと好きになったのは確かだね!
  29. 29 : : 2017/11/15(水) 20:47:01
    【十六ページ目】
    (赤松の筆跡)
    とりあえず、私の書ける事はこんな感じかな。いやー、最初はどうなる事かと思ったけど……終わってみれば、ゼンブいい思い出だね!
    ただ、デートの間ちょくちょく変なこと口走ってたかも……最初からちゅーするつもりだったから、なんかテンパってたんだよね。最原くん、ごめんね?

    さてさて、私も後ろ二ページ、コメントスペースにして……それで、あとは霧切さんに渡せばいいのかな? じゃあ、私はこのくらいで! 
    こういうの、またやれたらいいなって思うし、何か思いついたらやろーね!
  30. 30 : : 2017/11/15(水) 20:47:17
    【十七ページ目】
    (赤松の筆跡)こっちは霧切さんのコメントスペース!

    (霧切の筆跡)
    爆発しろ


    【十八ページ目】
    (赤松の筆跡)こっちが七海さんのコメントスペースね!

    (七海の筆跡)
    爆発しろ



    赤松「……なんで!?」


    おしまい。
  31. 31 : : 2020/10/27(火) 14:20:04
    http://www.ssnote.net/users/homo
    ↑害悪登録ユーザー・提督のアカウント⚠️

    http://www.ssnote.net/groups/2536/archives/8
    ↑⚠️神威団・恋中騒動⚠️
    ⚠️提督とみかぱん謝罪⚠️

    ⚠️害悪登録ユーザー提督・にゃる・墓場⚠️
    ⚠️害悪グループ・神威団メンバー主犯格⚠️
    10 : 提督 : 2018/02/02(金) 13:30:50 このユーザーのレスのみ表示する
    みかぱん氏に代わり私が謝罪させていただきます
    今回は誠にすみませんでした。


    13 : 提督 : 2018/02/02(金) 13:59:46 このユーザーのレスのみ表示する
    >>12
    みかぱん氏がしくんだことに対しての謝罪でしたので
    現在みかぱん氏は謹慎中であり、代わりに謝罪をさせていただきました

    私自身の謝罪を忘れていました。すいません

    改めまして、今回は多大なるご迷惑をおかけし、誠にすみませんでした。
    今回の事に対し、カムイ団を解散したのも貴方への謝罪を含めてです
    あなたの心に深い傷を負わせてしまった事、本当にすみませんでした
    SS活動、頑張ってください。応援できるという立場ではございませんが、貴方のSSを陰ながら応援しています
    本当に今回はすみませんでした。




    ⚠️提督のサブ垢・墓場⚠️

    http://www.ssnote.net/users/taiyouakiyosi

    ⚠️害悪グループ・神威団メンバー主犯格⚠️

    56 : 墓場 : 2018/12/01(土) 23:53:40 このユーザーのレスのみ表示するこの書き込みをブックマークする
    ごめんなさい。


    58 : 墓場 : 2018/12/01(土) 23:54:10 このユーザーのレスのみ表示するこの書き込みをブックマークする
    ずっとここ見てました。
    怖くて怖くてたまらないんです。


    61 : 墓場 : 2018/12/01(土) 23:55:00 このユーザーのレスのみ表示するこの書き込みをブックマークする
    今までにしたことは謝りますし、近々このサイトからも消える予定なんです。
    お願いです、やめてください。


    65 : 墓場 : 2018/12/01(土) 23:56:26 このユーザーのレスのみ表示するこの書き込みをブックマークする
    元はといえば私の責任なんです。
    お願いです、許してください


    67 : 墓場 : 2018/12/01(土) 23:57:18 このユーザーのレスのみ表示するこの書き込みをブックマークする
    アカウントは消します。サブ垢もです。
    もう金輪際このサイトには関わりませんし、貴方に対しても何もいたしません。
    どうかお許しください…


    68 : 墓場 : 2018/12/01(土) 23:57:42 このユーザーのレスのみ表示するこの書き込みをブックマークする
    これは嘘じゃないです。
    本当にお願いします…



    79 : 墓場 : 2018/12/02(日) 00:01:54 このユーザーのレスのみ表示するこの書き込みをブックマークする
    ホントにやめてください…お願いします…


    85 : 墓場 : 2018/12/02(日) 00:04:18 このユーザーのレスのみ表示するこの書き込みをブックマークする
    それに関しては本当に申し訳ありません。
    若気の至りで、謎の万能感がそのころにはあったんです。
    お願いですから今回だけはお慈悲をください


    89 : 墓場 : 2018/12/02(日) 00:05:34 このユーザーのレスのみ表示するこの書き込みをブックマークする
    もう二度としませんから…
    お願いです、許してください…

    5 : 墓場 : 2018/12/02(日) 10:28:43 このユーザーのレスのみ表示する
    ストレス発散とは言え、他ユーザーを巻き込みストレス発散に利用したこと、それに加えて荒らしをしてしまったこと、皆様にご迷惑をおかけししたことを謝罪します。
    本当に申し訳ございませんでした。
    元はと言えば、私が方々に火種を撒き散らしたのが原因であり、自制の効かない状態であったのは否定できません。
    私としましては、今後このようなことがないようにアカウントを消し、そのままこのnoteを去ろうと思います。
    今までご迷惑をおかけした皆様、改めまして誠に申し訳ございませんでした。

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