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このSSは性描写やグロテスクな表現を含みます。

この作品はオリジナルキャラクターを含みます。

タイラントのび太ののびハザ攻略

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  1. 1 : : 2017/08/06(日) 10:51:15
    2004年7月28日
    …とある無人島にて。

    「…なんだこれ?」
    バカンスの最終日。
    のび太は森の奥に建物を発見した。
    「ここは無人島のはずじゃ…」
    不思議に思ったのび太は、いつものようにあの名を呼ぶ。
    「ドラえもーーーん!!!」
    …しかし返事はない。とはいえのび太は目の前の施設に興味があった。
    「ちょっと入ってみよう…」
    のび太は出入り口を発見し、ドアノブに手をかけた。
    「鍵が開いてる…ドラえもん!いるのー?」
    しかしその声は建物の中を反響するだけだ。
    「なんだろここ…」
    のび太が入った建物、そこは実験施設に見えた。
    「さてはドラえもん、僕達に秘密で何かやってるな…?」
    のび太は最初にはあった少しの恐怖も忘れ、ただただ好奇心だけで探索を始めた。
    そのうち、のび太はある部屋を見つける。
    「LEVEL4…?えむえふぶいえふえむ…よん。なんだこれ。」
    ドアノブはない、代わりに扉の横にパターン認識の機械が設置されていた。
    「適当にいじったらドラえもんに怒られるかな…まぁいいや!」
    ピッピッピッ、ピピッ。ガシュー
    「あっ、開いた」
    のび太が足を踏み入れた、その先は…
    「…」
    のび太にとっては訳の分からない機械がたくさん並んでいる部屋だった。
    その中央にガラス戸の四角の容器がある。
    中に入っているのは…
    緑の…栄養ドリンクのようなものだった。
    「Tーvirus…てぃー…ぶいあい…全然わかんなんや」
    (…スイッチはこれかな)
    スイッチを押すと、のび太の予想通り箱は開いた。
    「わー、効果はなんだろ」
    のび太はそれを一気に飲み干した。
  2. 2 : : 2017/08/06(日) 11:08:54
    「…よくわかんないけど、何かすごくなったんだろな」
    のび太は試しに壁を殴ってみた。
    ガイン!!
    「…いったった。」
    「力は変わってないような気がする。」
    この時ののび太は、この部屋が何たるかを知らなかった。
    当然、ここがタイラントを監禁しておけるほどの頑丈さを持っていることも。
    それを本気で殴って、拳を傷めないことの違和感など、のび太には分からないのだ。
    しかし流石ののび太も気づくことはある。
    「なんか眼鏡が…まさか」
    のび太はすぐさま眼鏡を外した。
    母親譲りの大きな目があらわになった。
    「やっぱり!これは目が良くなる薬だったんだ!」
    とは言え、眼鏡を置いていく訳にもいかないのでのび太は眼鏡を掛け直した。
    「…ドラえもんに見つかる前に帰ろう」
    のび太はみんなの所に戻った。
  3. 3 : : 2017/08/07(月) 01:12:23
    そして帰宅。
    どこでもドアでのび太の部屋に戻った一同は、それぞれの言葉を口にしながら、それぞれの場所へと帰っていった。
    「さてと…僕もママに声掛けてこよっと」
    そして例外ではなくのび太も、自らの母親の元へと向かった。
    階段を駆け下りる、久しぶりに見る顔を思い浮かべながら。
    そして廊下を曲がる、そして…
    「ママー!」
    台所に到着する。
    しかし返事はなかった。
    「ママ…?」
    彼の母親は唸り声をあげていた。
    「だいじょ…」
    心配の声をかけた、その時。
    ゴロン
    何かが転がった。
    「…」
    のび太の思考は停止した。
    そして数秒かけて、目の前の"それ"が何であるかに気づく。
    「う、うわぁあああああああああああ!!!!」
    腰が抜けてその場に崩れ落ちる。
    何が起きている?何故こうなった?のび太には何もわからなかった。
    ただ、目の前には彼の母親だったものがいた。
    それは混乱するのび太のことを息子とも認識せず、ただ、次の目標としてその腐りかけの瞳に映していた。
    「マ…マ…!」
    のび太は次に、これを夢だと思った。
    自分はまだ無人島にいるのだと、これは自分が母親を恋しく思う中に見た泡沫の夢だと。
    「早く覚めて…」
    のび太は自分の頬をつねったり、はたまた殴ってみたりするが…
    「…」
    ただただ痛い。
    しかしそれだけではない。
    目の前に起きていることも、母だったもの唸り声も、血と腐肉の臭いも、今座り込む床の感触も。
    全てがリアルだった。
    「夢じゃ…ない。」
    差し迫る母親、のび太はその顔を見てようやくそう気づいた。
    「あ、ああああああああああああああ!!!」
    のび太はその顔を殴りあげた。
    その瞬間。
    ドシャア!
    生々しい音を立てて目の前の怪物は動きを止めた。
    首から上が…無くなっていた。
    「…!?」
    涙に潤んだ目を擦る。
    その上で邪魔な眼鏡をとっぱらって投げ捨てた。
    「はぁ、はぁ…」
    のび太はその様子を見て、意外にも落ち着きを取り戻した。
    自分でも不思議だった。
    しかし理由はなんとなく分かっていた。
    「…」
    彼は今までにも、自らの命の危険や身辺の命の危険、はたまた地球規模の危機、問題に遭遇しては戦い、救ってきた。
    今の、現実でありながらあまりに非日常、非現実的な情景を見て、
    ドラえもんがいれば。
    と、頭の隅で考えていたのだろう。
    過呼吸も止まっていた。
    「ドラえもんを…みんなを探そう。」
    のび太は完全に落ち着きを取り戻し、辺りを見回した。
    すると最初に入ってくるのは、やはり…
    「ママ…パパ…」
    のび太は両親だったものに手を合わせて、深く祈った。
    そして小さく呟いた。
    「絶対…助けるから。何もなかった頃に戻って…一緒に生きよう。」
    屈めていた身を持ち上げ、のび太は次にまな板の上に置いてあるものに目をやった。
    「包丁…か。一応持っておこう。」
    のび太は包丁をリュックに詰めた。
    その他にも飲み物、食べ物、包帯など…この環境を生きていくための物を必死に考えて、詰めていった。
    「…よし。」
    そして十数分たった頃、遂に家の外に出た。
  4. 4 : : 2017/08/07(月) 11:05:50
    (ゾンビの体は腐っていたから僕の力でも倒せた。きっと生き残っている人はいるはず…!)
    のび太はそう考えていた。
    それが見当違いもいいところだと気づくのは、もう少し先の話だ。
    ガチャッ!
    玄関の扉を開けたその先に広がっていたのは、悪夢としか言えない光景だった。
    「…感染の方が早いってことか…?」
    のび太は先程別れたメンバーの家を回り始めた。
    「…無事でいてくれ…!」
    変わり果てた街を走るのび太。
    「…僕ってこんなに体力あったっけ…」
    静香の家に向かう途中、ふとそんな疑問が湧いてきた。
    さっきから走り続けているのに、全く息が切れない。
    「危機感って人を変えるんだな。」
    やはりどこかのび太はズレていて、馬鹿だった。
    (そういえば足もいつもより早い気がする…)
    そしてあっという間に静香の家についた。
    「静香ちゃん!無事!?」
    しかし返事はない。
    のび太は迷わず扉を開けた。
    「静香ちゃん!!」
    土足のまま家の中を見回す。そこで見つけたのは…
    「…!!」
    静香の母親だった、それも変わり果てた姿の…
    そしてそれは、のび太に気づき襲いかかってくる。
    「ごめんなさい…!」
    本人と静香、両方に向けた謝罪を放ってのび太はそれを蹴飛ばした。
    「ウガア!!」
    凄まじい勢いでそれは吹き飛ぶ。
    これには流石ののび太も違和感を感じた。
    「…あの薬…体の調子も良くなるのか?」
    そしてさらに気づく。
    「…飲んだ時より体に馴染んできてる…」
    先刻自分の母親を倒した時よりも更に、力が上がっていることに気がつく。
    「…飲んでおいて良かった…」
    そこではっと我にかえり、静香や他のメンバーとの合流を再開した。
    「…もし家にいたままだとしたら…もう助からないだろう。」
    無人島にいた3日の間にこの感染度合い。
    濃厚接触すればどうなるかは、流石ののび太にも分かった。
    「…だとしたら、避難するのは…」
    のび太は建物の隙間からはみ出す裏山を見た。
    「学校だ。」
    のび太は再び走り出した。
  5. 5 : : 2017/08/07(月) 11:18:52
    「…やっぱり…すごい足の早さだ。」
    のび太は短距離のトップアスリート並みの足の速さを維持し続けた。
    しかしこれでも浸透率は30%もいっていない。
    「…間に合わせる!」
    のび太は学校の校門に到着した。
    「鍵が中から掛けられてる…いつもは開いてるから…中に誰かいる!」
    校内に避難した誰かがいるという希望が湧いてきた。
    のび太は門を飛び越えてようと試みたが…
    「いった!」
    今の浸透率ではそこまでは無理だった。
    仕方がないので塀の方に回ってよじ登った。
    そして校庭を走る、そこである存在に気づく。
    「…犬?」
    無論ただの犬ではない。
    ゾンビとかした犬が扉に体当たりしているのが見えた。
    「壊されたら…中に入られる!」
    のび太は考えなしに走った。
    残り10数メートルのところで相手に気づかれる。
    「…あ、どうしよう。」
    とりあえず蹴飛ばしてみようと試みるが…
    「速い…!」
    今ののび太のスピードは、ゾンビ犬ケルベロスに勝るほどのものではない。
    それに自身より低い姿勢の相手に、完全に戦い方が分からないでいた。
    「このっ、このっ!」
    何度もけ飛ばそうとするが当たらない。
    そのうちに…
    「…!!?」
    足に噛みつかれてしまう。
    「…いた……」
    しかし噛み付かれた足の反対側を使って、相手を踏みつけることに成功する。
    「ギャイイン!!」
    調子の狂った鳴き声のようなものをあげてそれは絶命…いや、活動を停止した。
    のび太は一息ついて、自分の傷口を見る。
    「…もう薄く皮がはってる…それより、思ったよりも傷が浅いな…」
    ここで感覚、体力、防御力、回復力がそう上げされている事に気がつく。
    「あの薬…凄いな。みんなの分も探すんだった。」
    そう考えながらのび太は扉に手をかけた。
    ガチャ
  6. 6 : : 2017/08/07(月) 11:27:08
    「し、閉まってる…」
    かと言え中にいるであろう人に届くほどの声をあげては、隠れているゾンビに気づかれるかもしれない。
    そこでのび太は開いている窓を探し始めた。
    「全部…閉まってるか、割ってもダメだよな」
    そこで閃く。
    「2階より上なら…ゾンビ達は入れない!」
    のび太は壁をよじ登った。
    「僕がこんなこと出来るなんて…あれはなんの薬だったんだろう」
    Tーウイルスである。
    彼の今の浸透率は30.8%。
    人間の知能を合わせればそこら中のゾンビを蹂躙出来るほどの力。
    無論、のび太は使いこなせてはいないが。
    登りきったのび太は、ガラスの破片が刺さるのを恐れながらガラスを割った。
    「あれ、痛くないぞ」
    そしてのび太はとうとう、校内に侵入した。
    「…一階から探そう、どこ回ったかややこしくなるし。」
    のび太は自分の頭に自信がなかったので、わかりやすく一階から回ることにした。
    しかし…
    「シャッターが閉じてる?」
    もしもの時の防御手段にもなるだろう、破壊するわけにもいかない。
    とは言えスイッチなどは…
    「あ、2階側には付いてるんだった。」
    のび太は思い出してスイッチを押した。
    シャッターはゆっくりのぼる。
    これは押している間しか上がらないタイプであり、更に下げるのは手動だ。
    のび太は自分がギリギリくぐれるくらいだけシャッターをあげて一階の階段へ。
    そして手動でシャッターを下ろした。
    「よし」
    そしてのび太は一階の探索を始めた。
  7. 7 : : 2017/08/07(月) 11:32:58
    野比のび太

    小学生5年生(10)
    身長 140cm
    体重 ?

    視力 2.1
    握力 120kg
    100m 9.7秒

    Tーウイルス浸透率 31.0%

    武器 包丁(3000円/最近研いでない)
  8. 8 : : 2017/08/07(月) 11:40:41
    とりあえず教室を見て回るのび太。
    「…!」
    「…酷い」
    そこには山のような死体が。
    「…みんな、無事でいてよね…」
    のび太は不安を募らせながら進む。
    職員室、校長室、資料室など様々な所を見て回るが遭遇するのは死体とゾンビばかり。
    そして…
    「…そうだ、保健室だ。」
    あそこには手当ができるだけの道具と、水、簡易食料。
    そして数人休めるだけの広さと設備がある。
    「…あそこだ!」
    のび太は先程まで歩いていたのを、また走り出した。
    しかし当然の如くゾンビに遭遇する。
    「ワーッ!!」
    のび太は全力で殴り掛かる。結果は無論…

    ドシャッ…

    勝利だ。
    「…ふぅ」
    そしてのび太は保健室の扉の前に立ち…手をかける…
    「…!」
    そこで気がつく。
    もし人がいれば敵と思われ襲いかかってくるかもしれない。
    「危なかった…」
    のび太は扉をノックした。

    コンコン

    「…人間か?」
    聞き覚えのある声、ジャイアンだ。
    「ジャイアン?僕だよのび太だよ!」
    するとガラッと扉が開けられ…
    「早く入れ!」
    中に無理矢理引き込まれた。
  9. 9 : : 2017/08/07(月) 11:54:53
    広がる光景、見覚えのある人々…
    「みんな…」
    のび太は安堵の息を漏らした。
    「無事だったんだな」
    ジャイアンは言った。
    「…みんなこそ。あれからなにがあったの?」
    のび太の問いかけに対して、それぞれ答えだした。
    「俺は…家に帰るまでの道で奴らに会った。
    数がやばくて…まだ家に帰れてない。
    かぁちゃん無事だといいけど…」
    「…そうだね」
    「僕は…元々パパもママも旅行中だから…
    会えないのは寂しいけど多分…無事だと思う。
    ジャイアンと合流してそのまま学校に来たよ。」
    「そっか」
    「私は家に帰るまでの道にゾンビがたくさんいたから…一旦警察署に逃げ込んだわ。
    そこの人達も既に無事じゃ無かったけど…
    そこで銃を見つけたの。
    ほら、のび太さんの分もあるわ。」
    唯一、どこか落ち着いていて、戸惑いのない様子の静香に違和感を覚えた。
    そして同時に。
    (君のお母さんは…)
    のび太は言い出せなかった。
    「…うん」
    のび太は銃を受け取った。
    「…あの…皆さんは…」
    保健室の中には他にも人がいた。
    「…あなたは確か生徒会長の…」
    「…緑川聖奈よ、よろしくね。」
    少女は複雑な表情を浮かべた。
    「はい…よろしくお願いします。」
    「翁蛾健治だ。…」
    「よろしくお願いします」
    「…太郎だよ。山田太郎。…」
    全員複雑な表情で俯いた。
    それぞれの事情があると思い、のび太は突き詰めなかった。
    …最後に。
    その場の唯一の大人に話しかけた。
    「あの…こんにちは」
    「…ワシは何を言われてもお前らに協力などせんからな!救助隊が来るまでここを一歩も動く気は無い!!」
    「…はぁ、そうですか…」
    名前を聞くのはやめた。
  10. 10 : : 2017/08/07(月) 12:03:32
    のび太

    Tーウイルス浸透率 32.5%

    武器 包丁(出刃包丁)
    ハンドガン(M360J)
  11. 11 : : 2017/08/07(月) 16:10:55
    一通り挨拶を終えたのび太。
    するとこれからどうするかの話し合いが再開された。
    「この際だからのび太も戦力になってもらう。
    射撃の腕はいいもんな。」
    とジャイアン。
    内心
    (…薬のお陰で大分強いんだよ)
    と言いたかったがいつものことを考えるとのび太は反論出来なかった。
    「うん。」
    「じゃあ2人でペアを組もうか。丁度…偶数だしな。」
    その言葉を聞いたのび太ははっとした。
    先程の老人の言葉…
    (…このままじゃ誰か余る…!)
    のび太は真っ先に言おうとした。
    「僕しzー」
    「私はたけしさんと行くわ」
    「ええーー!」
    「じゃあスn…」
    「聖奈さん、一緒に行きましょう。」
    (終わった…)
    のび太は思った。
    何故ならもう2人…太郎と健治はその距離感的に無言でペアだと言わんばかりの勢いだったからである。
    「いいわよ。」
    (…)
    「あ、あの…」
    ダメ元で話しかけるも…
    「さっき言ったのが聞こえなかったのか!?」
    「あっ、ハイ、デスヨネー」
    のび太は1人になった。
  12. 12 : : 2017/08/07(月) 16:19:28
    (いくら薬で強化されてたって1人は不安だ…)
    しかし決まったことは仕方ない、のび太はハンドガンを握りしめた。
    (大丈夫…ここまでゾンビの群れを切り抜けて来たじゃないか。)
    のび太は気を取り直して出っぱ…
    「僕トイレ行きたい…」
    「…」
    「のび太行ってこいよ」
    「その理屈はおかしい」
    「なんだと!?のび太の癖に生意気だぞ!!」
    流石ののび太もそれを押し付けられるのは耐え難い。
    だって彼のペアは既に決まっているのだから。
    のび太は視線の向きを変えて呟く。
    「…健治くんだっけ?」
    「…あ、ああ」
    「ペア…だったよね?」
    「お、おう」
    「太郎くん、トイレ行きたいって。」
    「チッ、しゃあねぇな。ほら行くぞ。」
    のび太はいつに無く強気だった。
    …概ねTーウイルスの影響だろう。
    「じゃあ僕も出発するよ。このトランシーバーを持ってけばいいんだね?」
    「あぁ、周波数覚えてるか?」
    「うん、メモしたよ。」
    「…のび太の場合その方がいいかもな。」
    そうして全員解散した。
    いや、唯一金田だけはそこに留まっていたが…
  13. 13 : : 2017/08/07(月) 16:21:09
    T-ウイルス浸透率 33.0%

    武器 包丁、ハンドガン
  14. 14 : : 2017/08/07(月) 16:41:45
    「しかし聖奈さんを真っ先に選ぶあたりスネ夫は…」
    長年の付き合いで、2番目にスネ夫を選ぼうとしたのび太の立場がない。
    「全く…」
    のび太はため息をつきながら進んだ。
    「一階は僕とスネ夫、聖奈さんが回ってるのか…二階は…まぁジャイアンなら平気か。
    太郎と健治はトイレ出たよね?」
    のび太はぼやきながらさらに進む。
    「…さっきここ回ったんだよなぁ、南棟に行くか。」
    のび太は思い出したように方向転換した。
    いや、実際さっきまで忘れていたのだ。
    「端から行こう。すると最初は…あの倉庫だ。」
    のび太は倉庫に走って向かった。
    しかしついた先の倉庫は変な置物しかない。
    「…よく分からない。」
    のび太は隣の美術室へ。
    「…ここも何もな…」
    そこでのび太は驚きの光景を目にした。
    「…何この数…!?」
    しかもそれらは今にも廊下に飛び出しそうな勢いである。
    全てのゾンビが廊下で不規則に動き回られては対処のしようがなくなる。
    「ここにいるうちに…倒すか!」
    のび太は応援をスネ夫と聖奈に要請した、しかし両方返事がない。
    「…ま、まじで…」
    のび太は1人で15体のゾンビを相手することになった。
    (銃は取っておきだ…とりあえず殴る!)
    1対1の時のようにはいかないのは分かっていながら、とりあえず距離を詰める。
    しかし殴るほどいちいち距離を詰めていては他のゾンビに攻撃されることに気づく。
    仕方がないので…
    のび太は手当り次第そこら辺の物を投げ始めた。
    名作の模造品の石膏…様々な道具…それらを投げていく。
    コントロールは酷いものだが、大きさも大きさなので流石に当たる。
    当たりどころがよく、首の骨が折れたゾンビ達は倒れるが、それ以外はもはや効果なしだ。
    「っ…!」
    のび太は後ろの適当に掴んだ。
    それは粘土のように思われたが…
    「かたっ」
    何かが中に入っていた。
    「…石?丁度いいや!」
    のび太はそれも投げた。
    それは勢いよく…実に投速250kmという凄まじいスピードでゾンビの頭にぶつかり、その首を後ろに曲げた。

    ゴキッ!

    その要領でのび太は投球を再開、ばらけたゾンビは拳で粉砕。
    そして遂に15体全てのゾンビを討伐したのだった。
    「これで息切れしないのがすごいよ…」
    そしてのび太はすさんな現場を眺めた。
    「…僕一人でやったんだ。あの薬は凄いなぁ」
    すると視界にキラッとしたものが入る。
    「なんだあれ…」
    それは青く輝いていた。
    駆け寄り拾い上げる、それは宝石のように見えた。
    「…なんだろこれ…」
    その周りには粘土が付着していた。
    「さっき投げた時の?硬かったのはこれか」
    のび太はそれをポケットにいれた。
  15. 15 : : 2017/08/07(月) 16:55:38
    その時、スネ夫の悲鳴がのび太の耳に入った。
    「…資料室だ!」
    のび太は優れた5感を発揮して現場に急行した。
    スネ夫だけが悲鳴をあげているということは、一緒にいた聖奈は既に?
    のび太はそんなことも考えながら進む。
    そして資料室に到着した。
    中では銃声が響いている。
    「スネ夫!!」
    「の、のび太!!」
    「動くなよー…」
    のび太は拳銃の1発目を使った。
    弾丸は見事ゾンビの脳天を撃ち抜いた。
    「…ふぅ」
    「あ、ありがと…」
    スネ夫は錯乱の中でも感謝の言葉だけは言った。
    「…聖奈さんは?」
    「僕としたことが…はぐれちゃって。」
    のび太は安心半分、不安半分の気持ちになった。
    少なくともスネ夫は彼女の死の現場を見てはいない。
    とは言え安全の保障がされたわけではないからだ。
    「…弾は?」
    のび太は質問を変えた。
    「さっきの相手に全部使っちゃって…」
    「…スネ夫はジャイアン達と合流してくれ。
    その方が安全だと思う…」
    「の、のび太は?」
    「…僕が聖奈さんを見つける。」
    最初は2人で捜索しようと考えたが、弾数を聞いてのび太の気は変わった。
    「…そ、そうだ。」
    スネ夫がふと呟いた。
    「なに?」
    「この学校…今までなかった物とか…そう、仕掛けとかが増えてるんだ。気をつけろよ」
    「仕掛け?」
    「あえて解けるようなヒントがどこかにある金庫とか…色々」
    それではっとする。
    「もしかしてこの宝石も、なにかに使えるかな?こんなもの、普通学校にないよね。」
    「…あぁ、確かに。」
    「そういうのはスネ夫が1番得意そうだから任せるよ。…あげるわけじゃないぞ。」
    「分かってるって…この非常時に宝石コレクションしてる場合じゃないってことくらい。」
    「はは。…じゃあ。」
    のび太は自分のリボルバーから弾を1発引き抜いた。
    「これ」
    「な、なんだよ弾1発って…自決用?」
    「違うよ、もしもの時のための護身用。他に武器ないんでしょ?」
    「…ああ、うん。」
    「僕はあげた分抜いても四発ある。減った1発もさっき使ったのが初めてだ。
    大丈夫。」
    「…そ、そうか。もしかしてその腰の包丁で?」
    「まぁ…後は普通に逃げたりね。」
    「…のび太、逃げ足は速いからな。」
    冗談を言い合っていたのび太達だか…
    「…っと、そろそろ聖奈さんを探さなきゃ。」
    立ち上がるのび太に対して…
    「いいんだな?」
    スネ夫は言った。
    「言っただろ。」
    のび太は資料室を飛び出した。
  16. 16 : : 2017/08/07(月) 17:14:38
    「聖奈さんは僕より頭のいい人だ…」
    だから、自分でもやっちゃいけないと分かること…つまりは、階数まで変えてややこしくするなんてことはしないとのび太は考えた。
    「でも一階で行ってないところなんて…」
    それで忘れていた存在に気がつく。
    「ある!家庭科室と…調理室。」
    のび太はその場へ向かう。
    まず家庭科室に行くが…
    「鍵がかかってる…この扉は外からしかかけられないから…つまり…つまり…」
    「うん、聖奈さんはいない。」
    次に調理室に向かった。
    何気に初めて足を踏み入れる場所だ。
    「聖奈さーん!」
    扉を開け名前を呼ぶ。
    しかし返事はない。
    そこでのび太は気づく、聖奈が声を出せなかった訳を…
    突如声に反応した虫のような巨大生物が襲いかかってきたのだ。
    「あ、あちゃー…」
    のび太はハンドガンを構えた。
    しかし標準を合わせるより先に机の影に隠れてしまう。
    「姿が…どこだ?」
    のび太は辺りを見回す、しかし見つけられない。
    銃を構えた、背後で…

    シャアアアアッ!!!

    鳴き声をあげのび太に虫が飛びかかった。
    「!!」
    振り返るのび太。
    何故か彼の目には、飛びかかる虫がスローモーションに見えた。
    のび太はここぞとばかりに拳を突き出した。

    ゴシャア

    虫は硬い甲殻を突き破って拳は貫通、柔らかい臓物に到達した。
    「危なかった…」
    念の為踏み潰す。
    「聖奈さん、いるんでしょー?もう大丈夫だよ」
    すると備品入れの中から聖奈が出てきた。
    「ごめんなさい…助けて頂いて…私怖くて動けなくて…」
    「気にしなくていいよ。」
    かなり気づかれした様子で、聖奈は再び座り込んだ。
    「…」
    のび太はその様子を無言で見守った。
    そして、ある種ことの元凶であるスネ夫に連絡を入れる。
    「スネ夫、聖奈さん見つけたぞ。ジャイアン達とは合流出来た?」
    「良かった…あ、うん。合流は出来たよ。」

    トランシーバーの向こうでは、
    「自分のせいではぐれておいて1人ピンチになったら絶叫とか有り得ねぇ!」
    と、ジャイアンが言った。

    (…珍しく意見が合ったな…ジャイアン。)
    のび太は少し笑った。
    「…聖奈さん、残弾数は?」
    「4発…」
    「僕と一緒だね。」
    「あの…スネ夫くんは…」
    「弾が無くなってしまったみたいだったのでジャイアン達と合流させました。呼び戻しますか?」
    「…あ、大丈夫です。
    のび太さんと行動したいです。見かけによらずお強いみたいで…」
    のび太は少し誇らしげになった。
    「そうですか、じゃあ…一階のまだ行けてない場所でも探索しますかね。」
    「はい。」
    のび太はペアを手に入れた。
  17. 17 : : 2017/08/07(月) 17:15:54
    のび太

    T-ウイルス浸透率 36.7%

    武器
    包丁
    ハンドガン(4/6)


    聖奈

    武器
    ハンドガン(4/6)
  18. 18 : : 2017/08/07(月) 17:29:51
    のび太と聖奈はバリケードを剥がしたりして残りの部屋を散策した…が。
    「なにもないですね…」
    「そうですね…」
    何も無い。あるのは死体だけだった。
    「あ…あの。」
    そこで聖奈が言う。
    「なんです?」
    「当然と言えば当然何ですけど…食べるものがないとゾンビも死ぬんですね。」
    そう言われて見ると、この部屋の死体は1度ゾンビになっていたであろうことが分かった。
    「きっと時間をかけて空気感染したから…自分が作ったバリケードのせいでここを出られなくなったんです…」
    のび太は流石生徒会長、と思った。
    のび太は何も考えていなかったのだ。
    「流石ですね聖奈さん…」
    「いえそんな…」
    「これで希望が見えたじゃないですか。
    数日…数週間…もっとかもしれませんけど。
    とにかくしばらくの間ここで生き残ることが出来れば、外のゾンビは自滅してくれる訳ですから。」
    「ポジティブですね…」
    「それだけが取り柄みたいなもんですから。
    まぁ…射撃は人より自信あるけど。
    今の怪力だって栄養ドリンクのおかげだし…」
    「え、栄養ドリンクで!?」
    「はい、なんか海外の栄養ドリンク…」
    「海外…?」
    「あ、いや、英語で書かれてただけかも…」
    「なんだろ…Monsterとかですか?」
    「もんすたー?」
    「あの…緑のやつです。」
    「そうそうそれです!」
    ここに世紀を代表するレベルの勘違いが生じた。
    のび太が飲んだのはT-ウイルス、聖奈が飲んだと思っているのはMonster。
    のび太が緑だと思っているのは中身、聖奈が緑だと思っているのは容器である。
    「へぇ…Monsterでそんなに元気出るなんて、きっと素質があったんですよ。」
    素質がある…と言えばある。
    だかそれは…抗体という面においてである。
    「そんなこと…てれちゃうなぁ」
    すっかり打ち解けた雰囲気の2人。
    下を探索し尽くしたことを報告して二階に進んだ。
  19. 19 : : 2017/08/07(月) 17:43:03
    意気投合して探索を始めるのび太と聖奈。
    しかし…
    「そう言えば2階の探索は完全に"終わってる"よ。ジャイアンに伝えとけって言われたの忘れてた。」
    (それを1時間探索させた後に言うな…!
    忘れてたで済まされないぞ…!!)
    のび太はいい加減、スネ夫に怒りを募らせていた。
    「あの…なんて?」
    ここで事実を伝えては聖奈を精神的に疲弊させると同時に、聖奈の中のスネ夫のイメージがさらに悪化するとのび太は考えた。
    (まぁ後者はいいけど…)
    「"今"、2階の探索が"終わった"ということで、残りは後でいいそうです。3階に行きましょう。」
    「あぁ、そうなんですね。」
    言葉の印象で気分は大分変わる。
    のび太の割には頭を働かせたのだ。
    そうこうして3階に行くのび太達。
    「さて…3階には何がありましたっけ。」
    「理科室とか…パソコン室とかですね。」
    「パソコン室は今ジャイアン達が行ってるみたいです。」
    「じゃあ私達は理科室ですね。」
    のび太達はジャイアン達がまだ行っていない理科室に向かった。
  20. 20 : : 2017/08/07(月) 17:49:04
    「理科室…、あれ、鍵しまってる」
    「準備室から入りましょう」
    「そうですね。」
    のび太達は理科準備室へ、すると…
    人がいた。
    しかも生きている様子の…
    しかし怪我をしていた。
    「だ、大丈夫ですか…!?」
    片方、聖奈はその男性を知らなかった。
    しかしもう片方、のび太にとっては毎日のよくに顔を合わせる存在。
    「安雄!」
    2人は駆け寄った。
    「酷い傷だ…ただのゾンビじゃないな、何にやられた、安雄!」
    「で、デカいカメ…」
    「でかい亀!?」
    「…ち…でか……かめ」
    そこで安雄は気を失った。
    「お、おい安雄!?」
    しかし聖奈が言う。
    「大丈夫、気を失っているだけです…私は治療します。」
    「僕は…でかい亀を探す。」
    「…お願いします。」
    のび太はでかい亀を探し始めた。
  21. 21 : : 2017/08/07(月) 18:02:43
    のび太は理科室に続く扉を、聖奈達が行ったあとで蹴破った。
    「さてと…でかい亀…でかい亀…」
    のび太が辺りを見回していると、何かヒタヒタとした足音のようなものが聞こえてきた。
    「…で、でかい亀の足音…?」
    のび太が銃を構えた時、それは飛来した。
    「うわっ!?」
    赤く大きな、棘のようなものが地面に刺さっていた。
    「とっさによけられたのは栄養ドリンク…モンスターのおかげだろな」
    のび太は発射された方向に目をやった。
    そこには…
    「なんだよあれ!」
    そう、亀ではない。
    巨大カメレ…
    「亀じゃなくて…トカゲじゃないか!」
    のび太は1発撃った。
    しかし…
    「デカすぎて効いてるんだか効いてないんだか… 」
    効果は今一つだった。
    更に、周囲に色を合わせていく…!

    ドンッ

    しかし躊躇いなくのび太は撃った。
    「…いや、いくら色変えてもその大きさじゃ見え見えだよ。」
    普通に考えてそうである。しかも今ののび太は視力がいい。
    …しかして弾丸が効かないことは変わらないのでは?
    否、今回のび太が狙ったのは…
    「君、目玉大きすぎだよー」
    全生物共通の弱点、目である。
    それに大きくひるむうちにもう片方の目も包丁で突き刺した。
    「これで見えないっと」
    のび太は通常のゾンビと違いよく目を動かす目の前の生物を見てピンと来ていたのだ。
    こいつは目を使っていると。
    「…しかっしこれパンチで倒せるのかな?」
    動きが適当になったところで一発入れて見る…と。

    シェエエエエ

    「…効いてる?」
    そして連続で殴り続けた。

    シェエエエ

    「ほっ!そらっ!」
    殴り続けた

    シェエエ

    「わーっ!だぁ!」
    殴り続けた

    シェエ

    「とおーっ!!」

    シェ

    「やあーっ!!!」



    「せいやーっ!!!!」



    斯くしてバイオゲラスは倒された。
  22. 22 : : 2017/08/08(火) 09:48:24
    のび太

    T-ウイルス浸透率 39.8%

    武器
    ハンドガン(2/6)
    包丁

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