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罪木のエプロン

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  1. 1 : : 2017/07/10(月) 23:52:39
    ・チームコトダ祭りの作品です
    ・参加チームは皆殺し。次峰です。
    ・ジャンルはサスペンス
    ・キーワードは支離滅裂

    『奴隷と愉快な仲間たち』

    Deさん (チームリーダー)
    あげぴよさん
    カラミティさん
    シャガルT督さん
    影さん

    『皆殺し』

    タオさん (チームリーダー)
    ノエルさん
    ししゃもんさん
    ライネルさん
    スカイさん

    『真山田組〜追放される空〜』

    ベータさん (チームリーダー)
    風邪は不治の病さん
    Ut4m4r0さん
    たけのこまんじゅうさん
    フレンさん


    ということでよろしくお願いします〜!
  2. 2 : : 2017/07/10(月) 23:53:50
    ソニア「少し帰るのが遅くなてしまいました!!夜道を1人で歩くというのは、怖いものですね……」


    時刻は23時を回る頃。


    1人の少女は、誰もいない"はず"の電灯もなく、月明かりで照らされただけのなにもない道を歩いていた。しっけた水の匂いが混じる空気を、一定のリズムで吸いながら歩を進める。いつもは友人と一緒に帰るのだが、頼まれごとをされてしまった彼女は、この夜遅くまで残ることになってしまったのだ。友人は全員危ないから、と好意で先に帰宅させたが、1人くらい一緒に帰ってもらえれば、と一抹の不安がある。


    ソニア「……?」


    おかしい。


    ソニア「……」


    こつ、こつ、こつ。


    すた、すた、すた。


    高価なヒールの足音に合わせるよう、何かの足音が聞こえる。

    二つの足音は、あたりに響いていた。


    ソニア「どちら様でしょうか」


    不気味に思い、そこで歩みをとめる。恐る恐る振り返るが、そこのにはなにもない。


    ソニア(……早く帰りましょう)


    こつこつこつ。

    すたすたすた。


    歩む速度が速くなる。だが、それに伴って何かの足音も速くなる。


    ソニア「……!!」


    身の危険を感じた。これは、誰かが自分を尾け回していると確信したから。


    恐怖と戦いながら、家の前にまで辿り着く。あぁ、大丈夫だ……と安心してから、また後ろを振り返った。


    ……しっかりと、こっちを見ている目。


    ソニア「ひっ!」



    玄関を開ける手が震えるのを必死に抑えながら、鍵を開けて中に入る。
    ドアにもたれながらその場にへたり込むと、いつの間にか荒くなっていた息を整えようと胸を抑える。



    そして、暗闇の中に、こちらをまじまじと見ていた目が溶け込んだ。
  3. 3 : : 2017/07/10(月) 23:54:31






    次の日の目覚めは最悪だった。

    昨晩の目が忘れられない。そのせいで、昨晩はあまり眠ることができなかった。

    ……あの、身の毛もよだつ目を持つのは、誰だったのか。

    その疑問でもんもんとさせられながら、ソニアは郵便受けに向かう。

    新聞、手紙、チラシ……日本の文化が好きな彼女には、どれも大切な情報源であり興味を惹かれるものばかりだ。

    だがその中の手紙は、差出人の名もなく明らかに怪しい。


    ソニア「もしかして、昨日の?」


    たった少しの興味。昨晩の目の正体、それが知りたいだけだった。手紙に手をかけ、封を開ける。中身は数枚の写真だったが、そのどれもが……


    ソニア「わ、わたくし……!?」


    普通の、友人と共に撮ったようなものではない。全て普通では撮れないような、着替え中の姿や寝ている姿などの、プライベートなものばかりだ。


    ソニア「どうしてこんな写真が!?一体誰が……」


    恐怖が、更に増す。どうしてたった少しの興味で封を開けてしまったのか、後悔と共にその手紙を握りしめた。

    そして、ふとこの撮影が可能である人の顔も浮かぶ。しかも、自分に好意を寄せてくれている人を。
    一瞬でもクラスメイトを疑ってしまった、自分への嫌悪感。だがその考えは、徐々に頭を蝕んでいく。


    ソニア(まさか。そんなことをするはずがありません、ですが……)


    ……自分1人では抱えきれない。そう決意した彼女は、制服に身を包み学校に向かう。


    信頼のできる、ある人に。
  4. 4 : : 2017/07/10(月) 23:55:11





    ソニア「罪木さん!」


    保健室に足を踏み入れる。保健室は清潔で、漂う薬品の匂いといくつかあるベットはしっかりと整えられていた。
    目当ては、保健委員である罪木蜜柑だ。
    保健委員である彼女なら、自分の気持ちを楽にしてくれるかもしれない。適切なアドバイスをくれるかもしれない。そういった理由で、彼女を選んだ。


    罪木「ソニアさん!一体どうしたんですか?」

    ソニア「実は、ですね……」


    夜道をつけられたこと、盗撮されていたこと。今まであったことの経緯を、全て話した。彼女なら大丈夫、と思いの全てをぶちまけた。


    罪木「ふゆぅ……大変でしたね。ここは私が見ているので、ゆっくり休んでください!」

    心底心配そうな顔をしながら、ベットを指さす。

    ソニア「いえ、大丈夫です!お気遣いありがとうございます!……それよりも、なんですが……罪木さんは、犯人の正体とかわかりますか?」

    罪木「犯人ですかぁ……やっぱり、左右田さんしか思いつきません」

    ソニア「……そうですか」

    そう言われ、左右田を疑う気持ちが1層強まった。信じたくないという拒否感。でも、どうしようもないこの疑惑は、1層彼女を追い詰めた。

    罪木「このままだとソニアさんも不安でしょうし、左右田さんにガツンと言えるような……そうですね、小泉さんに頼んでおきますぅ……左右田さんが本当にやったのか、それでわかるでしょうし、場合によっては説得もできるはずです……!」

    ソニア「ありがとうございます!やはり自分から左右田さんにいうのは、申し訳なくて……」

    罪木「げ、ゲロブタが提案なんてしてすみませぇん……でも、問題は先に解決した方がいいですし……今から小泉さんに頼みに行ってきますね……!ソニアさんはここで待っていてくださぁい!」

    何故かシャツのボタンを外し、脱ぎやすいようにしてから保健室を出ていった罪木は、たった数メートル先のところで転んでいた。

    ソニア「大丈夫ですか罪木さーん!?」
  5. 5 : : 2017/07/10(月) 23:55:34




    小泉「……なるほどね。ソニアちゃんがそんな目にあってたなんて……いいよ!アタシがガツンと言ってあげる!」

    全裸になって土下座しようとする罪木を説得してから、小泉はそう言った。

    罪木「本当ですかぁ……!ありがとうございます!」

    小泉「でも意外だな。蜜柑ちゃんとソニアちゃんってそんなに仲良かったっけ……ソニアちゃんは田中とかと一緒にいるイメージ強かったから」

    罪木「えへへ……実は、ソニアさんによく助けられたり話しかけて貰っているんですぅ……!こんな私に優しくしてくれて、話しかけてくれて……最近、一緒にお茶会もさせていただいたんです!その紅茶も美味しくて、自然と話が弾んで……」

    小泉「へー!そうだったんだ……!アタシが気づかなかっただけで仲良かったんだね!そっか、なら大切な友達を助けないとね!」

    罪木「……友達……はい!助けたい、です…!!」

    にっこりと、罪木は微笑んだ。


  6. 6 : : 2017/07/10(月) 23:56:38







    左右田「ソニアさん!!!ソニアさんもいらっしゃったんですね!!!!……で、急に呼び出してなんだよ、小泉」

    保健室には、左右田の前に立つように小泉がいる。その小泉に隠れるよう、罪木とソニアが左右田を見ていた。

    小泉「アンタを呼び出したのは他でもない……このコトよ!!」

    封筒にはいった数枚の写真を、左右田の目の前に突き出す。

    左右田「え!?なんだよこれ……!!!くれんのか!?そ、ソニアさんのあんなとこやこんなところが……!!!!小泉が撮ったのか!?……あ!ちが、違うんですソニアさん!これは思春期の男相応の反応っていうか……」

    小泉「……これ、アンタが撮ったんじゃないの?」

    左右田「はぁ!?撮れるわけねーだろ!オレが撮ったら犯罪だし、それでソニアさんに迷惑かける訳にはいかねーしな!」

    小泉「……昨晩なにしてた?」

    左右田「なんでそんなこと聞くんだよ?昨日の夜は七海に頼まれて一緒にゲーム作ってたな!」

    驚いたように目を見開く小泉。嘘をついている様子はなく、反応からして犯人は左右田ではないことは確実だった。

    ソニア「……ご、ごめんなさい……!!!」

    罪悪感。どうしようもない吐き気と、まだ犯人がわからないという不安。
    精一杯泣かないように、我慢した。

    左右田「そ、ソニアさん!?一体どうしたんですか……?」

    小泉「……あのね、左右田。ソニアちゃんは……ストーカーされてるみたいなの」

    左右田「す、ストーカー?こんな美しいソニアさんをストーカーするなんてちょっとわかるというか……じゃなくて!もしかしてその写真って……」

    小泉「うん。送り主も書いてないし、ストーカーので間違いないと思う。こんなの撮れるの左右田くらいしかいないじゃん、だから問い詰めに来たんだけど……その、ごめん」

    左右田「そんなこといい!それよりもソニアさんが変なやつに付け回されてるっつーほーが大変だろ!大丈夫ですかソニアさん!」

    ソニア「そうだ、さん」

    左右田はソニアに近づき心配そうに顔を見つめた。その顔は自分が疑われたのになにも気にしてない様子だった。

    小泉「左右田はさ、何か犯人の手がかりとか知らないの?例えば、カメラを作ってあげた……とか」

    左右田「……そういえば」


    向きを変える。


    ずっと困り顔をしていたヒトの前に立つ。


    ゆっくりと指さす。


    左右田「罪木」


    罪木「なんですかぁ?」


    左右田「オレ、オメェにさ……ちっちゃいカメラ、渡したよな?誰にも気づかれねぇような、ちっちゃいの」


    罪木「……」








    左右田「なぁ、オメェだろ。犯人」


  7. 7 : : 2017/07/10(月) 23:58:07



    罪木「……なんで……ひどいです……私はやってないですよぉ……!!!だって、ソニアさんにそんなことする理由がないじゃないですか!!!なんで!!!なんで私を疑うんですか!?ひどい!!!!ひどいひどいひどいひどい!!!!」

    掻き毟られる頭。

    ガリ、と嫌な音がする。


    小泉「……罪木ちゃん、言ってたよね」


    罪木「へ?」


    小泉「罪木ちゃんは、ソニアちゃんと最近仲がいいって。脱いで、土下座して頼もうとするくらいには」


    罪木「……」




    罪木の顔は、髪に隠れてわからない。
    小さく聞こえる笑い声。その声は、段々と、段々とあたりに響いていった。



    罪木「私が、私がやったんです!!!だってソニアさんはとっても優しい!とってもとってもとっても!!!だから……もっと、知りたくなっちゃったんですよね。私が見てない時の姿、しなやかで綺麗な身体。その無垢の裏には何があるのか」


    1歩、1歩とソニアに近づく。

    スタ、スタ。

    誰もが呆気に取られていた。嘘だろう、そんなはずはない。

    だが、近づかれるたび確信に変わっていく。

    俯いていた顔をあげ、まっすぐ前を見つめた。

    瞳が、向けられる。


    ソニア(この目は、あの時の……)


    暗闇の中、自分を見ていた目。そのものだった。
    何故、あんなに親身になってくれていたのに。彼女だけは絶対に違うと、信じていたのに。……いや、信じたかったのに。


    罪木「ソニアさぁん……私は、あなたのその怯えた顔も、私を信じられないという目も。全部全部全部全部!!!」


    鼻と鼻がくっつきそうなほど、顔を近づける。

    愛おしそうに、舐めるように、目を見つめた。


    罪木「ソニアさん……」


    恐怖と混乱で身体が動かない。


    まだ自分は、否定しようとしている。信じていた彼女が犯人のはずがない。嘘だ、演技だと。


    でも、どうしようもない確証。この目は、足音は。



    ソニア「……っ、ぁ……たすけ、て……」

  8. 8 : : 2017/07/10(月) 23:58:32


    漏れたその一言。


    左右田「……!おら!!!」


    その一言は、左右田を動かすには十分だった。


    罪木は抑えられ、ソニアから引き剥がされる。


    罪木「……!!!何するんですか!!邪魔しないでください!!」

    左右田「離すもんかよ!!一旦オメェは落ち着け!!」

    小泉「ソニアちゃん!?大丈夫!?」

    ソニア「は、……あぁ……」


    小泉に抱きしめられ、全体重をかけた。
    溜め込んでいた涙が溢れ出す。信じられないのに突きつけられる現実が、この涙を止めることを妨げてる。


    罪木「離して!!!いや!!!ソニアさん!ソニアさん!!!!!!」

    小泉「……ソニアちゃん。罪木ちゃんは、どうする?」

    ソニア「……」


    どうするか、なんて考えていなかった。


    左右田「こんなやつとっとと警察に突き出しましょう!これ以上ソニアさんが不安になる必要はないです!」

    小泉「そこまでしなくても、先生にいえば何かしら対処はしてくれるだろうし……縁を切ってもいいんじゃないかな」


    警察に出す、先生に言う、縁をきる。……どれも自分がしたいことではない。

    決して、彼女への恐怖心が消えることはないだろう。ずっと、彼女に怯え続けることになる。

    だけど、だからといって逃げたい訳でも彼女から背く訳にはいかない。そうしたら、きっと、ずっと後悔することになるから。

    自分がしたいのは、今まで通り……彼女と……。

    自然と抜けていた力が戻った。小泉から離れ、罪木と向き合う。


    ソニア「……わたくしは、罪木さんを、受け入れます。上に立つものとして、こういった行為も、きちんと認知せねばなりませんから。……罪木さんがしたことは、許せるかと言われたら……できません。けど、受け入れるくらいならわたくしにもできます」

    必死の決意。

    自分が望む、一番の願い。

    受け入れて、また罪木さんと共にお茶をする。

    それだけ、それだけでいい。


    罪木「ソニアさん……」

    罪木の身体から力が抜けていく。今まで抵抗していた手足は、ぴたりと動きを止めていた。

    左右田「ソニアさん……!やはり素晴らしいお方ですね!それでこそソニアさんです!」

    抵抗せず、落ち着いた罪木を確認してから手を離す。
    罪木はその場から動かない。じっと、ソニアを見つめているだけだった。

    小泉「ソニアちゃんったら甘いんだから!けど、ソニアちゃんらしいね」

    ソニア「わたくしらしい……?」

    小泉「うん。とっても……優しいから」

    優しい。そう言われて、なんとなく心が和らいだ。
    自分のした決断は悪くなかった。そう皇帝された気がしたから。


    ソニア「……罪木さん。わたくしは、あなたを受け入れます。ですが……もうつけましちゃダメですよ!よかったら、わたくしの家にも招待しますし……またお茶会も一緒にしたいです!」


    穢れのない笑顔。

    彼女にあるのは、罪木と以前のようにしたいという気持ち。


    ソニア「ですから……仲直りの握手、しましょう?」


    手を差し出す。


    罪木「……はい……!」


    手が握られる。






    二人の手は、しっかりと固く握られた。

  9. 9 : : 2017/07/10(月) 23:59:21


    罪木(……本当に、ソニアさんは完璧で何一つ汚れがありません)


    罪木(……汚せませんでした……この白を、私が少しでも、黒くできればよかったのに)


    罪木(でも、また……)


    目は、黒かった。
  10. 10 : : 2017/07/10(月) 23:59:43



    ソニア「罪木さん!いらっしゃって良かったです!」

    事件があった数日前のこと。保健室にいた罪木の前に、高価そうな紅茶と、美味しそうなお菓子がおかれる。

    お菓子は焼きたてのようで、香ばしいバターの香りが辺りに漂った。

    罪木「わぁ……!これ、ソニアさんが作ったんですかぁ?」

    ソニア「はい!罪木さんと一緒に頂きたくて……」

    罪木「そ、そんな……!ゲロブタのためにお手を煩わせてしまってすみませぇん!」

    ソニア「いえいえ!わたくしが罪木さんにしたくてやったことですから顔をあげてください!」

    罪木「ふゆぅぅ……あ"り"がと"う"ござい"ま"す"ぅ"……」

    ソニア「泣いたらせっかくのかわいいお顔が台無しですよ!……そうだ、罪木さんはなんの紅茶が好きですか?ダージリンにアールグレイ、たくさんの茶葉を用意して来たので好きなのを選んでください!」

    罪木「わ、私、紅茶に詳しくなくてぇ……そにの、おすすめのでお願いします……!決断力のないゲロブタですみません!!」

    ソニア「わたくしのおすすめですか、悩みますね……」


    二人の会話は、弾んでいく。

    淹れてもらった紅茶を飲みながら、考えた。

    この人のことをもっと、もっと知りたい。

    話すだけじゃ足りない。奥底まで、なにもかも。




    そんな気持ちは、一言一言会話をする度、強まっていくのだった。

    END
  11. 11 : : 2017/07/11(火) 00:03:24
    いやほんとぎりっっっっぎりの投稿ですみません!
    過去最高にギリギリだったと思います。ギリギリアウト?ですかね???なんとか投稿出来て良かったです!

    久しぶりにss書けて楽しかったです!書ききった達成感がすごいですね!ありがとうございました!

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3579

ノエルの葉っぱ

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