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エレン「兵長とカップについての話」

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  1. 1 : : 2017/04/25(火) 13:19:17
    オルオ「…」ズズ

    エレン「…」ジー

    エレン「…あの、オルオさん」

    オルオ「あぁ…?」

    オルオ「なんだ?手短に話してみろ」

    エレン「そのカップの持ち方、おかしくないですか?」

    オルオ「バッカ野郎!!!」ダン

    エレン「ぎゃっ」
  2. 2 : : 2017/04/25(火) 13:20:57
    オルオ「どこがおかしいってんだ?えぇ!?」

    エレン「いや、だってそんなとこ持ったら絶対熱いじゃないですか」

    オルオ「べ、別に熱くないんだが!?」

    エレン「いや、絶対熱いですって」

    エレン「何のために取っ手が付いてると思ってるんですか」

    オルオ「ぐっ…」
  3. 3 : : 2017/04/25(火) 13:21:54
    エレン「火傷しちゃいますよ」

    オルオ「…半分までしか注いでないから平気だ」

    エレン「えぇ…」

    エレン「すぐ冷めちゃうじゃないですか」

    エレン「…え、というかいつも飲み終わるのが早いのはそういう…?」

    オルオ「あーもーうっせぇな!」
  4. 4 : : 2017/04/25(火) 13:26:10
    オルオ「兵長がこの持ち方をしてるうちは俺もこの持ち方なんだよ!」

    エレン「え、あ、そういうことだったんですか?」

    オルオ「そうだよ!悪いか!?」

    エレン「いや、別に」

    オルオ「俺にケチつけるってこたぁ、兵長にもケチつけるってことだかんな!」

    オルオ「そこんとこ覚えとけよ、がきんちょ!」

    エレン「はぁ…」
  5. 5 : : 2017/04/25(火) 13:29:32
    エレン「ところで兵長は何でそんな持ち方を?」

    オルオ「はぁ?分からないのか?」

    エレン「はい…」

    オルオ「ま、お前程度じゃわからないだろうな」

    オルオ「何故ならまだお前が兵長の域まで達していないからだ」

    エレン「…」

    オルオ「兵長のことだ、さぞかし深い理由があるんだろう」ウンウン
  6. 6 : : 2017/04/25(火) 13:30:52
    エレン「取っ手を持つと小指が立って恥ずかしいから、とか…?」

    オルオ「は?ないない」

    オルオ「なんだその理由、小さすぎるだろ」

    エレン「…じゃあオルオさんはどういう理由だと思うんですか?」

    オルオ「ぅえっ?」
  7. 7 : : 2017/04/25(火) 13:31:44
    エレン「教えてくださいよ」

    エレン「オルオさんの考える、カップをそんな風に持つ、深い理由とやらを」

    オルオ「うぐ…」

    オルオ「そ、それは…」

    エレン「それは?」

    オルオ「あれだ…」

    エレン「あれ?」
  8. 8 : : 2017/04/25(火) 13:33:58
    オルオ「…」

    エレン「何ですか?」

    オルオ「…埃が入らねぇように手で押さえてる、とか」

    エレン「…!」

    エレン「成る程…!」
  9. 9 : : 2017/04/25(火) 13:34:26
    エレン「きっとそれだ」

    エレン「流石オルオさんですね!」

    オルオ「へっ、やめろよ」

    オルオ「誉めても何もでねぇぞ」
  10. 10 : : 2017/04/25(火) 13:34:55
    ワイワイ


    リヴァイ「…」

    ハンジ「…」

    リヴァイ「…」スイ

    ハンジ「ちょい待った」ガシ

    リヴァイ「…なんだ」
  11. 11 : : 2017/04/25(火) 13:35:36
    ハンジ「ねぇ、リヴァイ」

    ハンジ「昔は両手で包み込むように持ってたよね、ティーカップ」

    リヴァイ「…」

    リヴァイ「…さぁ、覚えてねぇな」
  12. 12 : : 2017/04/25(火) 13:37:14
    ハンジ「持ってたんだけど」

    リヴァイ「…」

    ハンジ「私が爆笑してから今の持ち方に変えたよね?」

    リヴァイ「…チッ」

    ハンジ「どうして取っ手を持たないんだい?」

    リヴァイ「…言いたくない」

    ハンジ「えぇ!?ねぇ、なんで?」
  13. 13 : : 2017/04/25(火) 13:38:32
    リヴァイ「…」

    ハンジ「なんでなんでなんで!?」

    リヴァイ「黙れ喧しい」

    ハンジ「教えてくれたら黙るよ」

    リヴァイ「…絶対また爆笑するだろうが」ボソ

    ハンジ「え?何だって?」
  14. 14 : : 2017/04/25(火) 13:40:05
    リヴァイ「兎に角この話は終了だ」

    ハンジ「エレンに言っちゃうよ?」

    リヴァイ「あ?」

    ハンジ「昔は両手でカップを持って、ふうふう冷ましながら飲んでたよ、って」

    リヴァイ「お前な…」

    ハンジ「」ニコニコ

    リヴァイ「………はぁ」
  15. 16 : : 2017/04/25(火) 13:51:06
    リヴァイ「思い出しちまうんだよ…」

    ハンジ「あれ、なんかシリアスな感じなの?」

    リヴァイ「まぁ、聞け」

    ハンジ「お?意外とノリノリ?」

    リヴァイ「…」

    ハンジ「うそうそ、ごめん、続きを話して」

    リヴァイ「…」

    リヴァイ「……俺はガキの頃、ティーカップで紅茶を飲むのが夢だった」

    リヴァイ「その行為に憧れていた」

    リヴァイ「どうしても叶えたくて、汚いこともした」

    ハンジ「ふむふむ」
  16. 17 : : 2017/04/25(火) 13:56:03
    リヴァイ「でだ、ある日漸くその2つを手にいれることが出来た」

    ハンジ「やったね」

    リヴァイ「あぁ、手にした瞬間のことは忘れられない」

    ハンジ(珍しく饒舌なリヴァイだなぁ)

    リヴァイ「…見よう真似で入れた安い紅茶だったが、俺は楽しみにしていた」

    ハンジ「ほうほう」

    リヴァイ「それで、さぁ飲もう、と取っ手を掴んだ瞬間…」

    リヴァイ「…」ギリ

    リヴァイ「取っ手が、取れた」

    ハンジ「おぅふ…」
  17. 18 : : 2017/04/25(火) 13:59:16
    リヴァイ「熱い紅茶が、俺にかかった」

    リヴァイ「だが、それも気にならないくらいに俺は放心していた…」

    リヴァイ「…」グッ

    リヴァイ「それからだ」

    リヴァイ「取っ手以外を掴むようになったのは」

    ハンジ「ええっと…」

    ハンジ「つまり、取っ手が取れたのがトラウマで?あんな持ち方?」

    リヴァイ「あぁ…」

    ハンジ「先に謝る、ごめんよ」
  18. 19 : : 2017/04/25(火) 13:59:50
    ハンジ「でも、も、むりっあはははは!」

    リヴァイ「…」

    ハンジ「いっ、意外と可愛いとこあるんだねっふはは」

    リヴァイ「…」
  19. 20 : : 2017/04/25(火) 14:00:16
    リヴァイ「やっぱり爆笑しやがったな…」

    ハンジ「だ、だって」

    ハンジ「ふっ…あはははっ!」

    リヴァイ「…チッ、それよりエレンに用があるんだろ?早く行くぞ」

    ハンジ「はぁ、はぁ…ちょ、待って待って」
  20. 21 : : 2017/04/25(火) 14:00:58
    ガチャッ


    リヴァイ「オイ、エレン」

    エレン「あ、兵長!?」ガタ

    オルオ「兵長!お疲れ様です!」ビシッ

    リヴァイ「あぁ」

    オルオ「何かご用でしょうか?」

    リヴァイ「ハンジが巨人化のことでエレンに聞きたいことがあるそうだ」

    エレン「あぁ、ハンジさんが…」

    ハンジ「やぁ、エレン」

    ハンジ「ん、ふふ…」

    エレン「?」
  21. 22 : : 2017/04/25(火) 14:01:28
    リヴァイ「オイ、いつまで笑ってやがる」ゲシッ

    ハンジ「ちょ、蹴るなよ」

    オルオ「どうかしたんですか?」

    ハンジ「はは、ちょっと面白いことがあってね」

    オルオ「はぁ…」

    ハンジ「後で教えてあげるよ」

    リヴァイ「やめろ」
  22. 23 : : 2017/04/25(火) 14:03:41
    終わり
    オルオさんが飲み方も真似してたら可愛いって話
  23. 24 : : 2017/04/25(火) 14:40:41
    面白すぎです。
  24. 25 : : 2017/04/25(火) 15:31:13
    爆笑しましたwww
  25. 26 : : 2018/03/22(木) 17:18:48
    取ってがとれとって

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著者情報
gorilla

名無しのぬん

@gorilla

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