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入間「Ponasonicから声がかかった」(タイトル安価作品)

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  1. 1 : : 2017/04/07(金) 16:06:43
    タイトル安価作品です、皆様が>>2で人物、>>3でタイトルを決めていただきます。



    ご注意&ルール
    ・安価に参加出来る人は『登録ユーザー様且つss作品を1つ以上投稿している人』限定です。
    ・安価の連投は禁止。
    >>2の人物は複数でも可能、当然ながら>>2で選んだキャラクターを中心に使っていきます。
    ・1 2 3 V3キャラクター誰でもOK。
    ・当然ながら題名によってssのジャンルが変わります。
    ・投稿速度が低下する可能性があります。
    ・短編ssになる可能性大です。
    >>3に参加していただいた人の思うような作品にならない可能性がありますのでご了承ください。
    ・安価作品がお望みなら題名の後ろに『安価』と記載してください。


    以上です。
    それでは>>2で人物名、>>3で題名を決めていただきます。よろしくお願いします。
  2. 4 : : 2017/04/07(金) 16:15:37
    じゃ入間
  3. 5 : : 2017/04/07(金) 16:18:54
    「Panasonicから声がかかった」
  4. 6 : : 2017/04/07(金) 16:44:12
    >>4 >>5
    安価ご参加ありがとうございます。



    タイトル

    入間「Ponasonicから声がかかった」


    ※実在する企業様と一緒にすると最悪の場合本物の企業様の評判に関わってしまいますので一文字変えさせていただきます。



    次スレから開始します。
  5. 7 : : 2017/04/07(金) 18:51:48
    入間の研究室




    深夜3時
    日はとっくに暮れ、もうすぐ日が昇ってしまう時間帯。だが、彼女は休む暇もなく研究に没頭する。



    それが、彼女の趣味だから





    入間「ひゃっはっはっ!!出来たぜ!!童貞を殺すパンツ!!」

    入間「………今日はこれくらいにするか」

    入間「つかよ、いつになったら頼んだ部品来るんだよ!ネット販売とか役に立たねえな!ドローンで運んでこいや!」

    入間「あーあ、念のためポスト確認しておくか...」



    そう言うと入間は童貞を殺すパンツをおき、ポストへと向かった。



    ガチャ



    入間「おーい、部品いるかー?来てるんだったら返事しろー」

    入間「………………チッ」

    入間「今日も部品は来ないか...ったく..って、あ?」





    よく見ると1枚の封筒が中に入っている。見たことない封筒なため請求書ではないらしい。





    入間「封筒なんて古臭いて使うなー、ったく誰だよ」




    ポストから封筒を取り出しよく見ると青文字でこう書いてあった.....




    入間「Ponasonic?」





    聞き覚えのある会社名なため入間は封筒の中身を見て見た.....



    入間「…………………」


    入間「…………………」





    いつも長い文書などは読むのが面倒くさいため最原かキーボに読ませるが今回は違った。

    手紙から一切目を離さずにひたすら無言で黙読する、人生で初めてかもしれない。






    入間「………………………」




    入間「マジか」
  6. 8 : : 2017/04/07(金) 22:32:08
    めっちゃ期待!
  7. 9 : : 2017/04/08(土) 01:52:08
    >>8
    期待ありです、精一杯書きます!




    翌日



    最原「...眠い、まあでも昨日探偵の仕事を溜めてた分全部終わらせたから良いかな...」

    最原「それにしてもついてないなぁ...こんな日に」




    昨日


    最原の自宅



    最原「はぁ...ようやく仕事が片付いた...」

    最原「今日1日ずっと動きっぱなしだったなぁ...」

    最原「さて...明日は用事がないからゆっくり休めそうだ...」



    ピローーーーン




    最原「LINE?こんな時間に....」

    最原「あっ、高校の同級生のグループLINEだ...」



    携帯を覗き込む、そこにはかなりインパクトなコメントが来てた。




    inグループLINE


    美兎:明日重大発表があるから午前10時に俺様の研究室に来い!!来ないやつは俺が作った最新のメカでぶん殴る!!







    最原「……………」

    最原「来ないやつはぶん殴るとかどこかのガキ大将か...」





    星竜馬:わかった行く

    転子:把握しました!!男死も来るらしいので転子は女子の皆さんのボディガードを務めます!!

    夢野秘密子:んあー

    ごんた:ゴン太は行けるよ!!

    Kaede♪:午前10時ね!うん、行くよ!

    春川魔姫:行くけどくだらないことだったら殺すよ

    天海:参加するっすよ

    民俗学者 K:まあ変なことじゃないってことを祈るよ、ククク

    キーボ:ゴメン!僕は行けないよ!!明日は全国のコンビニを回って電池を万引きしなきゃいけないからね!!!

    宇宙に轟く百田解斗:俺は行けるぜ!久しぶりに会えるなー!

    宇宙に轟く百田解斗:ってかキーボ、万引きとかくだらねえことするなよな?

    キーボ:嫌だよ!!僕はもう正しい道を進むことをやめたんだ!!

    本物のキーボ:王馬君!また僕のなりきりですか!?いい加減にしてください!!

    キーボ:にしし...バレた?

    ごんた:えっ!?キーボ君が2人!?

    白銀つむぎ:いつものことだけどね...あっ、私もいけるよ!




    『キーボが本物のキーボを退会させました』




    キーボ:ゴン太!偽物は消えたよ!!

    宇宙に轟く百田解斗:またやりやがったな王馬!俺が後で呼んでおくわ

    キーボ:まあ万引きとか嘘だけどね

    転子:荒らさないでもらえますか?これだから男死は

    アンジー:神様がアンジーに行けと言っているから行くよ〜♪






    最原「凄い荒れっぷりだけど...みんな行くそうだし。僕だけ行かないって失礼だよね...」

    最原「よしっ」







    最原終一:僕も参加するよ

    美兎:返信がおせえんだよダサい原!!






    最原「こっちは疲れているんだ...」
  8. 10 : : 2017/04/08(土) 09:32:04
    期待です!頑張ってください!
  9. 11 : : 2017/04/08(土) 19:54:37
    >>10 期待ありです!精一杯頑張ります!!



    今日




    最原「しかも返信したら暴言吐かれるしさ...」

    春川「なにさっきからブツブツ言ってんの」

    最原「えっ、春川さん...いたの?」

    春川「は?殺すよ?」

    最原「…………………」

    春川「…………………」




    こ ろ す よ

    たったの4文字なのにそのたった4文字のせいで空気がズッシリと重くなった...。





    最原「ひ...久しぶりだね、春川さん」

    春川「うん、久しぶり」

    最原「仕事の方はどう?」

    春川「私がなんの職業か知っててその質問するんだ、アンタって結構黒いね」

    最原「えっ!?いやそういうわけでは...」




    こんな会話が成立しているのかどうかもわからない話を続けて歩いているといつの間にか目的地に着いた。




    春川「着いた、入間の研究室」

    最原「久しぶりだなぁ、ここ来るの」




    ガラガラ




    扉を開けてそこに待っていたのは......
  10. 12 : : 2017/04/09(日) 07:30:53
    入間「おせえぞ!!」



    腕を組んで仁王立ちをしている入間を中心にかつての同級生達が集まっていた。



    最原「あれ?午前の10時だよね、間に合ってるよ」

    入間「あぁああ!?それが天才への接し方かよ!?集合の10分前には目的地に着いたろって先生から学ばなかったか!?」

    春川「気分悪くなったから帰る」

    最原「春川さん、帰らなくても良いんじゃ...」

    入間「えっ...ちょっと待ってくれよぉ...そんな怒んなくても良いじゃねえかよぉ...」


    王馬「天才への接し方くらい最原ちゃんだって知っているよ!」

    入間「なに?」

    王馬「最原ちゃんは入間ちゃんのことを天才じゃなくてビッチのヤリマン女って思ってるから最原ちゃんはやらないだけだよ!!」

    最原「えっ!?」

    入間「ひぐぅ!!ひでぇよぉ...お前そんな風に俺のこと見てたのかよ...」

    最原「ち...ちが--」



    「キィエエエエエエエエエエイ!!!!!!!」



    そして合気道家の背負い投げを喰らった。



    茶柱「男死!いくら入間さんだからってそんな風な目で見てるとはいくらなんでも酷すぎます!」

    入間「そうだ!童貞分際でこの俺様を貶すだと!?1万年と2千年早いんだよ!」


    最原「春川さん、帰ろうか」

    入間「いや…本当に待ってくれよぉ...大切なことなんだよぉ...」
  11. 13 : : 2017/04/10(月) 00:25:09
    赤松「最原君、せっかく久しぶりにみんなで集まったのに帰るなんて言っちゃダメだよ」ムスッ

    最原「だ...大丈夫だよ、僕も春川さんも本当に帰ったりしないから」

    春川「私は本当に帰ろうとしてたけど」

    最原「えっ.......」

    王馬「けえれけえれ!!」

    キーボ「ちょっと王馬君!!!!」

    春川「うん、じゃあね」


    百田「おいハルマキ、なにそんなカリカリしてんだよ」

    春川「別にしてないよ、帰れって言われたから帰ろうとしただけ」

    百田「いやいや、王馬が日頃から嘘ついてるのを忘れたかよ...」

    春川「…………………」

    百田「なぁ、帰るなんて言うなよな」

    春川「…………………」


    春川「はぁ...わかったよ」


    百田「おー!さすがハルマキ!相変わらずノリが良いな!」

    王馬「百田ちゃんの時だけね」ボソッ

    春川「聞こえてるよ、アンタは後で殺す」

    王馬「わー!こわーい!!」




    入間「おいおい!!いつまで馴れ合いしてんだ!今日の主役を忘れてないか!?」


    王馬「あっ、入間ちゃんいたんだ」

    入間「ひぐぅ...俺様がお前らを呼んだんだぞ...忘れるなんてひどいよぉ....」

    天海「みんなと話すのも楽しいっすけど、やっぱり一番気になるのは入間さんの呼び出しっす」

    入間「そうだ!!今日は俺様から重大発表があるぜ!!!!」


    王馬「どうせキー坊ってガラクタに新機能追加しただけでしょ」

    キーボ「ガラクタじゃありませんー!しかも僕はなにも弄られていないです!」

    入間「そんなことじゃねえ!」


    夢野「んあ、もしやウチの魔法の強化装置とかか!?」

    入間「違えよ!!」


    百田「おっ!もしかして前に頼んだ宇宙へ行った気分になれるVRが完成したのか!?」

    入間「ち...違--」


    王馬「もしかしてキー坊と結婚--」


    入間「うるせぇえええええええ!!!!俺様に喋らせろぉおおおお!!!!」


    王馬「いや、今の君が一番うるさいから」


    入間「うぐぅ....」


    真空寺「まあどんな内容であれ一回静かにしようか、入間さん喋って良いヨ」





    入間「……………………」


    入間「実はな.....」



    入間「Ponasonicから声がかかった」


    最原「えっ、それって.....」


    入間「ああ...就職する...」




    一同「……………………」





    入間の発言で.....みんなが凍りついた。

    まるで時間が止まったように.....

    信じられなかったのだろう






    そして......





    一同「「えぇえええええええええ!!!!!?????」」



    一同は一斉に声を上げた。
  12. 14 : : 2017/04/10(月) 19:36:12
    王馬「Zzz.....」






    訂正、一名以外声を上げた。







    キーボ「うーん、聴覚機能に何かしらエラーがあったのかもしれません」

    白銀「これさ...夢だよね?」

    赤松「軽く抓ってみようかな......痛っ....」

    アンジー「にゃはは!今日は神ってるねーー!」

    茶柱「でも確かに...これは転子も一瞬夢かと思いました...入間さん、申し訳ないです」


    最原「入間さん、本当にPonasonicから声がかかったんだよね?」


    入間「嘘ついてどうすんだよ、今日は4月1日じゃねえぞ」


    百田「それで本当に...就職するのか?」


    入間「……………ああ、する」


    春川「でもなんで?あんなに就職を拒んでたアンタがいきなり」

    入間「気が変わった」


    王馬「だって入間ちゃん、あんなに『人の下で働くなんてただの社畜だ!俺様は雲のように自由に生きるぜ!!社畜なんてまっぴらごめんだ!!!!』って言ってどんな企業からの推薦も断ってたじゃん!!」


    入間「ひっ...一語一句間違わずに覚えてやがんのかよ...さっきまで寝てたくせによぉ...」

    天海「けど王馬君が言ったようにどうしていきなり就職するなんて言い始めるんすか?」

    入間「ケッ、仕方ねえな。特別に教えてやるよ」
  13. 15 : : 2017/04/11(火) 23:18:04
    ‪入間「これが昨日、俺様の中にポストに入ってたんだよ」‬

    ‪百田「おー、Ponasonic本社からの手紙じゃねえか...」‬


    ‪入間「んで、この内容が………」‬






    ‪入間美兎様‬


    ‪貴殿の魅力的な発明品にはいつも私達Ponasonicの従業員一同心から感激しております。‬
    ‪私達Panasonicの独立開発組織『BUSTER GEAR』への入社をお願いをしに参りました。‬
    ‪この『BUSTER GEAR』という組織のメンバーは入間様1人です、入間様が好きに作っていただいた発明品を私達Ponasonicの本部に提出していただくことで商品として取り扱います。‬
    ‪詳細は後日送りますのでご検討の方宜しくお願い致します。‬


    ‪Ponasonic






    春川「なるほどね、人の下につかないから社畜にはならないと」

    入間「入社金もでる!俺様は好きなもんを作ってりゃ金は入る!断る理由が見当たらねえんだな!!」

    王馬「これはいずれ泣きべそをかく羽目になりそうだね」ボソッ

    入間「あっ?なんか言ったか?」

    王馬「なんでもないよ!今日の晩飯なにかなーって言っただけ!」


    最原「それにしてもなんで突然Ponasonicから声がかかったんだろう、最近の入間さんの知名度なんて0に等しかったよね」

    入間「んなこと気にしてどうすんだよ!!どうでもいいだろうが!!」

    最原「あっ、うん。そうだね...」

    入間「それに俺様がいるのはPonasonicではなく『BUSTER GEAR』だ」

    赤松「とりあえず今日は入間さんの就職を祝して、どこか行こうか!みんな揃ってるし!」

    百田「おお良いな!お前も行くだろハルマキ!」

    春川「あっ、うん...行くよ」

    真空寺「この後コロンビアに行かなきゃ行けないんだけど...まあ少しは良いヨ」

    茶柱「女子の皆様が行くと言うのなら転子も行きます!ボディガードを...」

    白銀「知り合い同士に手を出すことはないんじゃないかな...」

    茶柱「夢野さんも行きますよね!?」

    夢野「んあー、面倒い」

    茶柱「えっ....」

    夢野「…と思っていたがうちの魔法でHPは全回復しておいたわい!うちも行くぞ」

    茶柱「きゃー!夢野さんー!!」


    百田「おーし!決まればとっとと行くぜーー!!」







    その後、入間さんの就職祝いをみんなでした。
    凄い楽しい時間だったし、特に大きな問題もおきなかった。
    些細な問題といえば王馬君がキーボ君の腕を引きちぎったとか、夢野さんのパンツを盗もうとしたアンテナ男子が茶柱さんに半殺しにされたとか、お化け屋敷で気絶した百田君が走ってきたゴン太君に踏み潰されて身体が凹んだとかその程度のことだ。




    本当に.....濃い時間だった。



    最原「春川さん」

    春川「なに?」

    最原「...来てよかったね」

    春川「……うん」





    入間美兎 Ponasonic就職決定!!!!
  14. 16 : : 2017/04/12(水) 00:46:09
    BUSTER GEARって害虫駆除用品みたいな響きだな
  15. 17 : : 2017/04/12(水) 23:38:32
    >>16 クソ笑いましたw





    Ponasonic本社






    入間「あー、やっとついたわ」

    社員「お待ちしてました、入間美兎様」

    入間「ようやく俺様の魅力に気づいてくれたPonasonic様の社員か」

    社員「前々から入間様の天才ぶりは耳に入っていましたよ、Panasonicの社員の何人が前々から入社願いを出していたのですがね...」

    入間「社畜は嫌だからな、天才の俺様には合わねえ」

    社員「それではお部屋までご案内します」

    入間「おーーーう」





    社内を歩いていると社員が1人1人「こんにちは!」と言ってくれる、いきなり王様にでもなった気分だった。
    エレベーターで17階まで行き、BUSTER GEARの部屋に案内された。




    社員「こちらでございます」

    入間「……おぅ」




    大したことのない部屋だな!!と言うのを準備していたがその言葉が口から出なかったのは訳がある。



    まず部屋が大きい。
    機材を作る部品は1つ1つ丁寧に箱にしまっており種類は数千個ある。




    入間「新入社員に随分とした対偶だな」

    社員「入間様は特別社員以上の扱いをしろと言われておりますので」

    社員「こちらのお部屋は全て入間様1人が使えるお部屋になっております」

    社員「常に換気をしてありオイルなどの匂いで部屋が臭くなる心配はありません」

    社員「また泊まりたいと思うこともあろうかと、入浴施設とベッドも用意させていただきました」

    入間「天才に申し分ない対応だな!ギャハハハハッ!!」

    社員「入間様のお仕事内容はいたって簡単です。新作を作る、それを21階の本部に提出する、それだけです」

    入間「21階まで行くのが面倒いがな...まあわかったよ」

    社員「ご不明な点がございましたら内線6番の本部までご連絡ください」

    入間「あいあい」

    社員「それでは失礼いたします」




    ガチャ




    入間「..............」

    入間「もう汗とオイルの匂いの研究室ともおさらばか.....」





    入間「おーーーーし!!!!!作るぜーーー!!!!!!!」
  16. 18 : : 2017/04/13(木) 18:25:49
    そして入間美兎のPonasonicの...BUSTER GEAR...としての活躍が始まった




    入間「大企業だけあって良いもん揃ってるな、これなら俺様の発想に追いつける発明品が作り放題だぜ!!」


    入間「………….………」


    入間「閃いた、作ってやるぜ」










    翌日


    ガチャ


    社員「お呼びでしょうか?」

    入間「1つ作った、『配達型ドローン』だ」

    社員「ほぅ...」





    『配達型ドローン』
    名の通り荷物を運べる腕が付いているドローン。ドローンだがかなりデカい。
    配達型と書いてあるだけテレビや冷蔵庫など重いものでも運べるだけの力がある、その気になれば人間を持ち上げること可能である。





    社員「凄いですね、これ...」

    入間「この程度で驚いてたら今後お前ショック死するぞ、天才を舐めんじゃねえ!!」

    社員「あなたに頼んで良かった」

    入間「設計図は後で一緒に渡しておく」

    入間「つーわけで俺は昨日から寝てねえんだ、1日働いたんだから1日寝る。だから絶対に入ってくるな」

    社員「ええ、ごゆっくり」
  17. 19 : : 2017/04/13(木) 22:38:12
    天海家


    AM 5:45





    天海「眠っ...コーヒー飲んで目覚ますかな...」




    天海蘭太郎の朝はいつも同じ
    起きたらいつも通りコーヒーを挽き、抽出す。この時の豆の香りが天海は好きだ。
    当然使うのは豆、粉は酸素に触れる部分が多いため劣化しやすいからだ。

    コーヒーを入れ終わったらいつも通り椅子に座り、今日の新聞を見ながらコーヒーを口に運ぶ。
    そう、いつも通りの朝...違うことといえば新聞の内容だけ。





    天海「んっ?これって」




    久しぶりにテーブルにコーヒーを置いた。気になる記事があったからだ。




    天海「BUSTER GEAR....」



    —————
    |毎朝新聞|
    —————



    『Ponasonicの独立開発組織 BUSTER GEARが新型の配達用ドローンを開発!!!!』


    3日前にPonasonic内で作られた独立組織 BUSTER GEARが早速新作のドローンを開発、量産は出来ていないためこのドローンの商品化はまだ先だがPonasonicの社長がこのドローンを絶賛、今後のBUSTER GEARへの活動に期待が高まる。








    天海「…………………」

    天海「ふっ……」



    天海はテーブルに置いたコーヒーを一気に飲み干した、新聞の記事に集中していたためコーヒーは少し冷めていた。





    天海「頑張ってるんすね、入間さん」





    そして天海は朝食の準備に取り掛かった。
  18. 20 : : 2017/04/14(金) 19:03:48
    Panasonic




    入間「………………」

    入間「ダメだ、ここのデザインが気に入らねえ...」



    ガチャ



    社員「失礼します」

    入間「今はゆっくり話してやる時間なんかねえぞ」

    社員「ご報告だけですので耳だけ貸していただければ幸いです」



    社員「前に発明した『配達型ドローン』の量産が決定いたしました」

    入間「当たり前のこと言ってんじゃねえよ!童貞が!!」

    社員「ええ、これだけを言いに来ました。それでは」



    ガチャ




    入間「………………」

    入間「やる気出てきたぜ」
  19. 21 : : 2017/04/14(金) 22:41:42
    と思いきや.....






    ドンドン!!




    扉を叩く音が研究室に響き渡った





    入間「天才の邪魔をすんじゃねえ!!!!」



    扉のノック音に負けないくらいの大声で扉の向こうの人物を怒鳴りつけた。



    「うっ…す、すいません!!」


    入間「んっ?」



    入間はボルトを机の上に置き、早歩きで扉に向かう。





    今の声に聞き覚えがあったからだ。






    ガチャン!!



    入間「おい!!」


    茶柱「入間さん!?出てきたんですか!?」

    夢野「邪魔したら悪いから帰ろうとしてたところじゃ」

    入間「天才の邪魔をしたことは変わりないがせめて一言かけろよな」

    茶柱「ま...まあ、確かに転子のノックは強すぎましたね...」

    入間「で、なんかようか?」


    夢野「BUSTER GEARとして頑張っているおぬしに.....」



    そう言いながら夢野は帽子をとり、なにかをブツブツと唱え始めた.....


    入間「なんだこれ?」

    茶柱「て...転子にもわかりません...」






    夢野はブツブツと呪文を唱えて続け.......




    そして...





    夢野「かーーーーーーーっ!!!!!!!!!!!」


    入間「ひっぃ!!!???」


    茶柱「夢野さん!?」



    帽子の穴から煙が一気に出てきて辺りが煙で何も見えなくなってしまった。



    そして段々と煙が晴れてくると………




    夢野「差し入れじゃ」



    いつの間にか入間の腕の中に大量のお菓子が入っていた


    入間「ひぐぅ!!!い...いつの間に....」

    茶柱「ゆ…夢野さん凄い!どうやってやったんですか?」

    夢野「魔法じゃ」


    入間「…………………」

    入間「礼は言わないぜ!!チビスケ!!」



    バタン!!!!!!



    夢野「今のが入間なりの礼の仕方じゃろうな」

    茶柱「はははっ...何年も一緒にいたらわかりますよね」

    夢野「魔法使ったから疲れたわい、帰るぞ転子」

    茶柱「はいっ!ボディガードはお任せください!!」






    研究室



    入間「ふぅ......」




    入間「」バリボリバリボリ




    とりあえず腹が減っていたのか、夢野から貰った大量のお菓子を速攻口の中に放り込んだ。




    入間「」ムシャムシャムシャムシャ


    入間「」ゴクン


    入間「………………」


    入間「うまっ」





    入間のやる気はより一層高まった。
  20. 22 : : 2017/04/14(金) 23:02:46
    かわいいやつめお前ら全員…!
  21. 23 : : 2017/04/15(土) 19:44:03
    >>22 V3の女キャラは最高です。あっいや、男キャラも当然最高です。





    夢野から差し入れを貰った翌日




    社員「お呼びでしょうか?」

    入間「出来たぜ!!入間美兎様渾身の発明品第2弾!!」

    社員「おお、それはいったい」



    入間「これだぜ!!」




    そう言うと入間は発明品を高々と上げた。
    消化器を長細くしたような見た目、この発明品の名は....


    入間「その名も...」

    入間『アルティメットウォータースラッシャー!!!!!』


    社員「ウォーターカッターのような見た目をしていますが...」

    入間「あぁああ!?テメエの目は節穴か!あんな三流商品と一緒にするんじゃねえ!!!!」

    社員「ウォーターカッターも十分優秀な商品です」

    入間「ああ、そうかそうか」





    『アルティメットウォータースラッシャー』
    簡単に言えばウォーターカッターの強化版、パソコンなどの機械制のスクラップを商品を楽々斬ってしまうほどのパワーがあり、3分もあれば木っ端微塵にすることも可能。
    持ち手の強化により反動が少ない。
    また生き物センサーを搭載しているため生物に向けた瞬間水が止まる仕様になっているので安全面の部分も配慮している。

    もう日本刀以下だなんて言わせない!!!!!!!





    社員「凄い...」


    入間「だーっひゃひゃひゃっ!!!!どうだ!俺様の力!!」

    社員「恐れ入りました...さっそく上の者に提出してきます」

    入間「んじゃ、俺はいつも通り...」

    社員「いつも通り???」



    いきなり入間は社員の胸ぐらを掴み、研究室の外に放り投げた。





    入間「寝る」



    バタン!!!!!!


    静かな廊下に音が響き渡る...




    社員「おやすみなさいませ」



    社員は扉の前で一礼して去っていった。
  22. 24 : : 2017/04/17(月) 00:33:47
    宇宙飛行士教育訓練所 『COSMO BABYLON』



    ここは将来宇宙飛行士となる者達が通う訓練所

    宇宙飛行士を目指し、知識を身につけ厳しい試験をクリアした者だけが通える場所、宇宙飛行士を目指している世界中のエリート達が毎年この学校に集まる。

    そしてそこには日本人も…







    PM 23:35


    寮 百田ルーム



    その日本人は、部屋に戻ってきた。


    その男、顔面蒼白。唇も色をなくしている。
    それほど今日はキツい訓練だった。



    バッグを机の上に置くと訓練服のままベッドに倒れこんだ。






    百田「だぁ〜...疲れたぜ」

    百田「だが…」

    百田「こんなんでへこたれてなんかいられねえ...」



    ベッドから飛び上がりそして...




    百田「そう!!!!!この百田解斗!!!!!!」



    百田「必ずや宇宙に行って地球以外の惑星の土を踏んでやるぞぉおおおおおお!!!!!!!!!」




    「シャーラップ!!」

    「モモタファック!!」

    「オーマタオマエカー!」




    百田「あっわりぃ、本当に」





    部屋の壁は決して薄くはないが百田の声はよく響く、なんと叫ぶことが出来ない。



    百田「シャワー浴びてねるか....」



    ピンポーン



    百田「あっ?誰だこんな時間に」


    百田「はーい!今出まーす!」



    ガチャ



    「百田解斗様ですか?」


    百田「えっ、あっ...はい」

    「お届け物でーす」

    百田「あっ、あざす...」

    「失礼いたしまーす」



    ガチャン



    百田「じいちゃんか?それともまたハルマキからか?」





    百田は誰から来たのかを確認するために名前を見てみた...




    そこには....





    百田「Ponasonic、BUSTER GEARから...」


    百田「入間だと!?」
  23. 25 : : 2017/04/17(月) 23:46:27
    ビリビリッ



    中からは手紙と......謎の機械





    百田「一体なんのつもりだ〜?あいつ...」



    『天才からの贈り物だぜ!!試しにドカンと撃てば良いもんが出てくるありがたい発明品だ!受け取れ童貞!!』



    百田「つか、なんだこの機械。あいつの新作ってのは間違いないが...」


    百田「気になるなぁ...良いもんって...」


    百田「おーし!ここは入間の野郎を信じて一発ドカンとぶちかましてやるか!!」



    そう言うと百田は機材を取り出し、試しに撃つ準備を始めた。





    百田「これで...準備完了」

    百田「おーし!!行くぜ!!」




    百田「発射!!!!」


    カチッ


    百田はその機械を........


    アルティメットウォータースラッシャーのボタンを押してしまった。




    ブシュウウウウウウウウウウウ!!!!!!!!!



    百田「ぬぉおおおおおおおお!!!!????」
  24. 26 : : 2017/04/20(木) 21:42:49
    BUSTER GEAR 研究室


    AM 0:00



    入間「ガァ〜…Zzz」





    天才 入間美兎は大きないびきをかいて寝ていた。
    約2日は発明品を夜も寝ずに作りに没頭していたのでそのぶんの疲れをこの睡眠で補うことにしている。




    入間「ガァ〜…グォ〜…Zzz」





    プルルルルルルルルルルッ!!!!!




    入間「んあっ!!!!????」



    突然電話が鳴り響いた、こんな夜中に電話がかかってくるなんて思いもしていなかった。




    プルルルルルルルルルルッ!!!!




    入間「あーっ!天才が気持ちよく眠っていたのによ!!どこの馬鹿だっ!こんな時間に!」




    暴言を吐きちらしながら自分の携帯の方へと向かう。



    プルルルルルルルルルルッ!!!!




    入間「しつけえな!!くだらねえ電話内容だったらミサイル作って頭にぶち込んでやる!!」




    ポチッ






    入間「もしもーし!?誰だ!?さっさと要件言って電話を切りやが---」


    百田『テメー!!!!どういうつもりだよ!!!!!!!!』


    入間「ひぃっ!!!!????」



    聞き慣れた声の主、電話相手は百田だった…。




    入間「なっ…なんだよぉ…」


    百田『なんだよじゃねえっ!!!!なんで説明書1つも商品に入れてねえんだ!!??』


    入間「えっ…えっ?」


    百田『オメェの新商品がよ!俺の寮に届いて来たんだけどよ!軽くぶっ放したら寮にでっけえ穴が出来ちまったじゃねえか!!!!!』


    入間「なにっ?」


    百田『あのよぉ、良い商品ってのは認めるぜ?でもよ、普通商品には取り扱い説明書ってもんが付いてくるもんだろうが』


    入間「いや、俺様の商品は必ず説明書がついてるはずだぜ!ちゃんと確認しろボケっ!!!!!」


    百田『ねえからこうやって夜中にもかかわらず電話してんだろうがぁああああああ!!!!!!!!』


    入間「ひぐぅ!!!………」


    百田『それによ、俺はこんな商品注文してねえし、なによりお前の研究室宛に来た荷物なんだから責任はお前にあるはずだろ!?』


    入間「ま…待ってくれ…お…俺様はお前に荷物なんて送ってねえぞ?」


    百田『はぁ?でも確かにお前の研究室宛だぜ?』


    入間「そもそも俺様はタダで発明品なんて送らねえ、俺様だって商売してんだぞ!!」


    百田『たっ…確かに俺は金なんて払ってねえし…おかしいな』
  25. 27 : : 2017/04/22(土) 23:05:11
    入間「とりあえず明日開発部に言いつけに行ってやるからそれで良いだろ?」

    百田『おし、わかった』

    入間「ったく…んじゃ切るぞ?」

    百田『おう、夜遅くに悪かったな』




    ポチッ




    入間「ちくしょう!あの童貞が!!俺様の貴重な睡眠時間を削りやがって!!」


    入間「確認くらいはいつかしてやるか、でも今日は寝る!!」


    入間「Zzz......」







    販売部作業場




    開発部社員「おい、お前」

    販売部社員「なんでしょうか?」

    開発部社員「先ほど、宇宙飛行士の教育をしているCOSMO BABYLONから我がPonasonicに連絡が入ってな」

    販売部社員「あぁ、あそこですか。なんでしょうか?」



    開発部社員「まだ販売を開始していないBUSTER GEARの新商品がある研修生の手元に渡ったと連絡があった」



    販売部社員「えっ?」

    開発部社員「何故売り飛ばした、あの新商品はまだ審査に通っていないのだぞ」

    販売部社員「お…お待ちを…私は身に覚えがございません」

    開発部社員「ならば他の社員がやったのだろう?」

    販売部社員「お待ちください、少し調べてきます」





    10分後



    各社員が何を売ったのかがわかる販売履歴を見ながらついに見つけた。






    販売部社員「…こいつか」

    開発部社員「見つけたか?」

    販売部社員「ええ、見つけました」

    開発部社員「ならば今すぐ呼び出せ、これはかなりの問題だ」

    販売部社員「…いえ、それはできません」

    開発部社員「…?……何故だ?」




    販売部社員「この社員は……今日の午前10時に退職しています……」




    開発部社員「なんだと!?」


    販売部社員「そしてこの社員は…最後にこんなメッセージを残しています…」

    開発部社員「メッセージ?」



    販売部社員「ええ、彼の作業机の上に赤文字で『DICE』と書いてあります」

    開発部社員「DICE……だと」

    販売部社員「はい」




    開発部社員「……………」

    開発部社員「やられたか…」

    販売部社員「そのようです……」















    「にしし…百田ちゃんびっくりしたかな?」
  26. 28 : : 2017/04/23(日) 22:17:40
    翌日

    AM 9:30



    入間「あー、昨日のことが気になって気持ちよく眠れなかったじゃねえか」


    入間「犯人見つけ出したらタダじゃおかねえ」


    入間「んじゃ、研究の続きでもやるか…」



    コンコン



    入間「あー?入れ」



    ガチャ



    社員「失礼いたします」

    入間「オメェか、なんかようか?」

    社員「実はちょっとした問題が起きまして…」

    入間「俺の発明品が勝手に発売されたってやつだろ?」

    社員「おや、知っていましたか」

    入間「天才はなんでもお見通しだ」

    社員「そのことでお話があります」

    入間「………………」



    社員「実は今回の騒動の件の犯人は我がPanasonicに潜伏した『DICE』のメンバーということが判明いたしました」


    入間「DICE……」





    聞き慣れた組織名

    その組織名を聞いた瞬間、奴の顔が脳内をよぎる。





    入間「チッ……」


    社員「そして…残念なお知らせがあります」


    入間「あ?残念なお知らせだと?」


    社員「実は…今回の騒動がきっかけで」









    社員「アルティメットウォータースラッシャーの販売は…中止となりました」





    入間「はぁあああああああああああ!!!!!????」
  27. 29 : : 2017/04/26(水) 16:19:35
    ‪考えもしていなかったこと、まさかの発明品の販売中止宣言‬







    ‪入間「意味わかんねえよ!!今回の件、俺様は被害者だろうが!!!!!」‬

    ‪社員「それは百も承知です、入間様は今回の騒動の被害者で間違いありません」‬



    ‪社員「しかしこの騒動、世間一般から見れば我がPonasonic社の責任なのです」‬


    ‪入間「………」‬


    ‪社員「COSMO BABYLONは国に認められた訓練施設、その施設を壊したことの責任はDISEと我々Ponasonicにあるのです」‬


    入間「………………」


    社員「入間様には大変申し訳ないのですが…上の者の命令ですので…」


    入間「いや、責任は…」





    入間「責任はDICEが取るべきだぜ」
  28. 30 : : 2017/04/26(水) 22:13:46
    DICEきたぁー!!
  29. 31 : : 2017/05/01(月) 10:38:55
    >>30 ‬‪あなた様のおかげで誤字に気づくことが出来ました、ありがとうございます。‬祝福します。







    ‪そう言い放つと入間は携帯を取り出し、電話帳を開いた。‬

    ‪王馬小吉という名前の横についている電話ボタンを押した。‬






    ‪プルルルルルルルルル‬





    ‪プルルルルルルルルル‬












    ‪プルルルルルルルルル‬





    ‪プルルルルルルルルル‬





    ‪プルルルルルルルルル‬




    ‪入間「…………………」‬



    ‪ガチャ‬



    ‪『はーい!悪い子のみんなー!今俺は電話に出ることが出来ないんだー!ピーの後に要件とお金を払---』‬



    ‪入間「留守電の真似なんてやめろ童貞が!」‬



    ‪『にしし、バレた?』‬



    ‪王馬『どうしたの入間ちゃん!入間ちゃんから電話かけてくるなんて珍しいね!』‬


    ‪入間「うるせえ!お前になんか電話かけたくなかったけどよ!話があんだ!」


    王馬『うわぁあああああああああん!!!!!!!電話かけたくないなんて酷いよぉおおおおおおお!!!!!!』


    入間「なんで俺様の天才的発明品を勝手に百田に送りやがった!!」


    王馬『あぁ…そのことね…』



    王馬『単なる暇つぶしだよ』
  30. 32 : : 2017/05/03(水) 01:04:34
    入間「テメエのクソどうでもいい暇つぶしに俺様を巻き込むんじゃねえ!!!!」


    王馬『なに言ってんの、入間ちゃんの暇つぶしにもなったでしょ』


    入間「ああ!!!???」


    王馬『BUSTER GEARでメカいじってばっかりじゃつまらないかなと思ってね』


    入間「つまらなくねえよ!!!!余計なことすんな!!!!」


    王馬『あっそ、まあいいや』


    入間「よくねえよ、お前には謝罪してもらうぞ」


    王馬『は?』


    入間「は?…じゃねえぞ!!!!!テメエの暇つぶしのせいで俺様が迷惑してんだ!『今回の騒動は我々DICEのせいです』ってPonasonic本社に言ってきやがれ!!!!」


    王馬『良いよ、謝罪だよね』


    入間「あぁ!本社の前でDICE全員土下座してもらうぞ!」


    王馬『嘘だよ、嫌だね』


    入間「はぁ?」


    王馬『大体、ポンコツ発明品1つ販売中止になったくらいでそんなに怒らないでよ』


    入間「ポ…ポンコツ…」


    王馬『あんな商品使う人なんてそうそういないよ!あははは!!!!!!』




    王馬の笑い声が聞こえる、その笑い声は聞き慣れていた人をあざ笑う声。
    しかし、今回の入間はその王馬にひるまなかった。



    入間「ポンコツって…もういっぺん行ってみやがれ!!!!!!」


    王馬『ポンコツはポンコツだよ!!!!』

    王馬『ポッ!ンッ!コッ!ツッ!』


    入間「ポンコツって言うからには…お前は俺様より良いもんが作れるのか?」


    王馬『う〜ん…』


    入間「俺様より良いもん作れねえ奴がよ!人の発明品を馬鹿にしてんじゃねえぞボケが!!!!!」





    王馬『入間ちゃんより良い発明品なら…』

    王馬『作れる自信あるよ』



    入間「………あ?」
  31. 33 : : 2017/05/06(土) 00:34:17
    聞き間違いか?


    いや、確かに言った。


    発明家の天才に向かって…



    入間「今何つった?」


    王馬『入間ちゃん耳悪いな〜!君より良い発明品作れるって言ったんだよ!!』


    入間「はぁ!!!!!????」


    王馬『うわっ、うるさっ』


    入間「今、確かに言ったな?俺様より良いもん作れるってな?」


    王馬『うん!確かに言っちゃった!』


    入間「ならよ〜……」






    入間「俺様と発明品で勝負してみるか?」


    王馬『え〜、面倒くさーい!やんないよ!』


    入間「だっひゃひゃひゃ!!!!!やっぱりお前は口だけか!さっきのは嘘ってことかよ!!」


    王馬『そうそう、嘘に決まってんじゃん。あんなの』


    入間「テメエの嘘はもう聞き飽きた、さっさとDICE全員で俺様のとこに土下座しにこい」


    王馬『ねえねえ、話を勝手に進めないでよ〜俺完全に流されてるじゃん』


    入間「テメエがクソみてえな嘘ばっかつくから俺様が続けてやってんだろうが!俺様より良い発明品作れるとかクソみてえな嘘つきやがってよ!」


    王馬『………は?』


    入間「なっ…はっ?じゃねえよ!!」


    王馬『嫌だな〜入間ちゃん…俺は…さ…』







    王馬『君と勝負しない…って言葉が嘘って言ってるんだよ』




    入間「なっ…なんだとぉ!!??」




    王馬の謎の言動、さすがの入間もこれには久しぶりに焦った。



    入間「ってことはよぉ!!??」


    王馬『うん、やるよ。君と勝負』


    入間「言ったな!?もう嘘は通用しねえぞ!?」


    王馬『嘘じゃないよ、その勝負で負けたらさ、俺は君のところまで謝りに行ってやるよ』


    入間「ほぅ……んで勝負の内容はどうすんだ?テメエに任せるぜ?」


    王馬『そうだなぁ…』


    王馬『1週間後にBUSTER GEARの研究所で発明品発表しあってさ、そこで白黒決めようよ』


    入間「なにっ?」


    王馬『えっ?嫌なの?』


    入間「あ…あぁ!!望むところだクソ野郎!!」


    王馬『審査員はそうだなぁ…Ponasonicの社員50人取っ捕まえてそいつらにジャッジしてもらおうかな?』


    入間「はっ…はぁ?」







    Ponasonicの社員がジャッジ。

    つまり表上入間の仲間達が審査員の圧倒的有利な勝負。

    発明品に関しては素人の王馬と天才の入間、それに加えて入間が圧倒的有利な状況。

    既に勝利は決まった。







    入間「良いんだな!?本当に良いんだな!?」


    王馬『もう〜、しつこいよ入間ちゃん!俺、もう嘘はやめたんだって!』


    王馬『あっ、でも1つ俺にハンデ欲しいんだけどいいかな?』


    入間「ハンデ???」


    王馬『そう、今のままじゃ入間ちゃんが圧倒的有利でしょ?だから俺にもハンデが欲しいわけ!』




    王馬『俺さ、素人だから…2人くらいDICEのメンバー借りて使っていいかな?』


    入間「テメエ…まさか…そいつら、天才の集---」

    王馬『いや、素人だよ』


    入間「なぁっ!?」


    王馬『ねえ、いいでしょ〜?』


    入間「あっ…ああ!好きにしやがれってんだ!!0に3かけたって0なんだよ0!!」


    王馬『やったー決まりー』


    王馬『あ…後1つ!!』


    入間「んだよ、まだハンデを増やすつもりか!?」


    王馬『俺が負けたらさ、君の目の前でDICE全員が土下座して今回の販売中止の責任は全て俺が持つよ』


    王馬『でさ…………入間ちゃんが負けた場合』


    入間「お…俺様が負けた場合?」





    王馬『BUSTER GEARは解散してもらうよ』
  32. 34 : : 2017/05/10(水) 23:53:45
    入間「……望むところだ」


    王馬『やったぁ!取引成立だね!1週間後、君の研究室で会おう!』


    入間「やってやるぞクソ童貞が!どんなに頑張ったってカスはカスだ!それを証明してやるよ!」


    王馬『え〜カスだなんて酷いなぁ〜』


    入間「俺様の獲物になりな!王馬!!」




    ブチッ




    長い長い通話が終わりずっと待っていた社員の方を振り向く

    その社員は表情を一切変えずに口を開いた。



    社員「なにか…ございましたか?」

    入間「あぁ…実はな」





    入間は王馬と約束したことを全て社員に話した。




    社員「なるほど、向こうも随分と大胆な作戦に出ましたね」

    入間「………………」

    社員「まあ、あなたが負けることはないでしょう」

    入間「……ったりめえだ」

    社員「ただし、仮に負けたらあなたはただの素人に負けたということになります。もし負けてしまったらDICEのリーダーの言う通りBUSTER GEARは解散してもらいますよ」


    入間「負けねえって言ってんだろうが」

    社員「その意気です、それでは私はこのことを社長に伝えてきます」




    そう言うと社長は一礼をしてそして早足で研究室を出て行った。




    入間「………………」


    入間「ふっ…ふふふふっ………」


    入間「だーひゃっひゃっひゃっ!!!!!!!!!」


    入間「あの野郎に…大恥をかかせてやるぜ」







    入間「この天才、入間美兎様がな!!!!!!!!」
  33. 35 : : 2017/06/02(金) 00:48:23

    AM 1:00



    既に本社の駐車場の明かりすら消えているこの時間帯にポツンと明かりがついている部屋があった。




    カンッ!カンッ!カンッ!





    入間「…………………」





    その部屋はBUSTER GEAR研究所だった。



    いつもの時間帯になら入間は爆睡しているがここ最近は違う、気合いが入りまくっているのだ。




    ジジジジジジジッ



    入間「…………………」




    気合いが入りまくっている理由は1つ…………











    王馬小吉を叩き潰すため。






  34. 36 : : 2017/06/08(木) 00:47:50
    入間「ぶっ殺してやるわ…本気で泣かせてやるぜ…」



    「なにぶつぶつ言ってんの」



    入間「ひぐぅ!!??」




    突如後方から声をかけられて即座に後ろを振り向くと知っている顔がいた。




    春川「アンタ、ビビりすぎだよ」

    入間「はぁ!?なんでテメエがここにいんだよ!?今何時だと思ってんだよ!」

    春川「夜の1時だね」

    入間「じゃあなんで!…てかどっから入ってきやがった!!」

    春川「そこの通気口」



    春川が指差した先には通気口の蓋が開いている。



    入間「普通に入ってきやがれ!!」

    春川「今何時だと思ってんの?開いてないよ」

    入間「日を改めろクソビッチ!!」

    春川「夜じゃないと仕事にならないから」

    入間「意味わかんね…って…なに?」



    入間「お前…今なんて言った?」



    春川「だから仕事だって言ったんだよ」


    入間「仕事って…はぁ!!!???」



    春川「うん、来たんだよ…」





    春川「アンタを殺すって依頼がね」
  35. 37 : : 2017/06/11(日) 09:55:48
    入間「ひぃい!!!!???」



    唐突の暗殺宣言、そういえば目の前のこいつは暗殺者だったと今になって思い出す。



    入間「いきなりひでぇじゃねえかよぉ…俺様がなにかしたのかよぉ…」

    春川「そんなの知らないよ、私は依頼が来たから殺すだけ」

    入間「テメエに殺せるのか!?友人をよ!!」

    春川「私、仕事の時は私情を持ち込まないから大丈夫」

    入間「誰が…誰が俺様を殺そうとしたんだ!?」

    春川「依頼者の名前は出さないのが暗殺者の掟だから」





    なにを言っても的確な回答が戻ってくる。
    春川は確実に俺様を殺そうとしている、そう入間は確信した。




    入間「ま…待て…まだ殺さないでくれよぉ…」

    春川「……………………」





    春川「なんてね、アンタを殺したりしないよ」





    入間「………………」


    入間「………………なに?」


    入間「………………今なんつった?」



    春川「だから、アンタを殺さないって言ったの」
  36. 38 : : 2017/06/21(水) 15:43:13
    入間「さっきから殺すって言ったり殺さないって言ったりどっちかはっきりしろ!!!」

    春川「じゃあ殺す」

    入間「ひぐぅ…」

    春川「やっぱ殺さない」

    入間「いい加減にしやがれ!!」



    入間「だいたい暗殺依頼が来てもないのに人を殺すってそれただの犯罪じゃねえか!!」


    春川「いや、暗殺依頼が来てるのは本当だよ」


    入間「えっ……」


    入間「じゃ…じゃあなんで殺さないんだ?」


    春川「気が進まないんだよね…やっぱり」


    入間「まあ、殺さないなら殺さないでいいけどよ」




    入間「なんでここに来たんだ?」
  37. 39 : : 2017/06/24(土) 22:17:19
    春川「いや、一応暗殺って設定だから」

    入間「へぇ〜」



    春川「それと………」




    春川は自分のポーチからあるものを取り出した。
    それは袋に入っており、中身が見えていない。



    春川「これ、あげる」

    入間「中、何入ってんだ?」

    春川「食べ物、気が向いたら食べな」

    入間「テメエ、毒とか仕込んでねえだろうな?」

    春川「は?殺すよ」

    入間「いっ…じょ…冗談だってぇ…本当にそんなこと思ってるわけねえだろぉ…」



    春川「………………」



    差し入れを渡した春川はなにも言わずに壁に寄りかかった。



    入間「なんだ、まだ俺様に用があんのか?」

    春川「うん、後少し」

    入間「なら勝手にしろ、ただ俺様の邪魔だけはするな。今忙しいんだ」



    春川「そんなに王馬に負けるのが怖い?」



    入間「……お前、なんでそのことを……」



    春川「私も今日知ったんだ」


    入間「どこで知りやがった、誰にも話してねえはずだ」

    春川「知ったのはアンタの暗殺依頼が来た時、依頼理由の欄に書いてあった」

    入間「あーっ、そうかよ…」


    入間「って…待て…ということは…」


    春川「そう」




    春川「入間美兎殺害の依頼を出したのは…」





    春川「秘密結社、DICE」
  38. 40 : : 2017/07/03(月) 00:45:47
    入間「………………」

    入間「あの雑魚野郎…汚ねえ手使いやがって」


    春川「まああいつらしいやりかたと言えばそうだけどね」


    入間「…ぜってぇ許さねえ、今度あの野郎の顔面にミサイルぶち込んでやる!ぶっ殺してやるぜ!!」


    春川「は?そんなことしたらアンタのこと本当に殺すよ」



    入間「な…なんでだよぉ…」



    春川「アンタまであいつと同じレベルに落ちてどうすんの?」


    入間「なに?」


    春川「あいつがこういうことをやるってことは…あいつはアンタとの対決に勝てる自信がないってことだよ」

    入間「!?」

    春川「あんたはあいつとの対決を正々堂々戦って勝てば良いんだよ」

    春川「あいつに土下座させたいんでしょ?」

    入間「あ…あぁ、当たり前だ!!」

    春川「なら、今度の対決で正々堂々潰すしかないね、嘘泣きじゃなくて本当に泣かせてやりな」

    入間「あぁ…任せておけ」







    春川「それにしても遅いね」



    春川はそう言うと腕に付けた時計に目をやった。



    入間「あ?なにがだよ」

    春川「私が到着してから20分……はぁ」

    入間「???」



    入間が再び春川に質問しようとした……


    その瞬間



    ドサッ!!!


    入間「はぁ!?なんだ!!??」



    春川が入り口に使用した排気口からなにか大きい物体が落ちた。




    入間「て…テメエは!?」



    その落ちた物体を入間はよく知っていた。




    赤松「いたたたたた……」


    入間「バカ松!!??」


    春川「やっときたね」
  39. 41 : : 2017/07/03(月) 23:48:27
    赤松「入間さん久しぶり!!」


    入間「おい春川、これどういうことだ」

    春川「連れてきてないよ、あいつがついてきただけ」

    入間「はぁ?マジでめちゃくちゃだなテメーら」



    赤松「はい!これ差し入れ!」

    入間「あ…あぁ」

    赤松「お菓子と後は…私のピアノCDも入っているんだ、良かったら聞いてね」

    入間「礼は一応言ってやる、だがなんでわざわざ俺様に?」

    赤松「えっ…だって入間さん、就職してから頑張っているっぽいし」

    赤松「それに………」




    赤松「今度王馬君と対決するんでしょ?」



    入間「………………」

    入間「春川、お前以外知らないんじゃなかったのか?」

    春川「あいつには教えておいた」

    入間「なんでだよ!?」

    春川「なんとなく」

    入間「…………………」







    入間「テメェマジでクソッタレ野郎だな!!このクソビッチ!!!!!!!!!」


    春川「は?殺すよ?」


    入間「ひぐぅ……」


    赤松「ほ…ほら、落ち着いて春川さん」
  40. 42 : : 2017/07/11(火) 00:06:28
    赤松「別に王馬君を応援しないってわけじゃないけど…」


    赤松「両方頑張ってほしいから…いい勝負にしようね!」


    入間「あっ…ああ」





    2人からの差入れ、突然の出来事に入間は偉そうな態度をとれずにいた。




    春川「よしっ、帰ろうか」

    赤松「えぇー!?私来てまだ30分も経ってないよ!?」

    春川「知らないよ、あんたが来るの遅いのがいけないんだし。それにこれ以上ここにいると他の従業員に見つかるよ」

    赤松「うっ…せっかく頑張って来たのに…」




    入間「おい、お前ら」




    赤松 春川「?」






    入間「ありがたく貰ってやる、ただ礼は言わないぜ」

    入間「対決は必ず勝つ」





    春川「それを聞けて安心した」

    赤松「ありがとう、ここまで頑張って来た甲斐があったよ」

    入間「…………………」





    赤松「よし、帰ろうか!よいしょっと!」



    そう言うと赤松は排気口に頭を突っ込んだ。



    春川「えっ…あんたが先に入るの?」

    赤松「痛っ!相変わらず狭いところだなぁ…」

    春川「頼むから…早くして」

    赤松「あはは、慣れなくてね」

    春川「アンタに慣れてもらったら困るよ」



    春川「じゃあ」

    赤松「またね!入間さん!」




    そう言うと2人は排気口の中に消えていった。
    途中途中赤松の悲鳴が聞こえていたがそれも5分たったら完全になくなり、また入間だけの静かな空間が戻って来た。





    入間「………………」




    入間「これは…………」



    入間「ますます気合いが入って来たな!!!」





    そう言うと入間は再び開発に戻った。


    ピアノのCDを聴きながら。
  41. 43 : : 2017/07/16(日) 00:51:38
    そして…………



    決戦の日がやってきた。







    PM 1:00







    約束の時間になり入間は実験室から出て対決の場所である玄関口へと向かった。




    とっておきの発明品を持って……






    入間「………………」





    入間が到着するとそこには既に王馬を始めとしたDICEのメンバーが集まっていた。




    王馬「やあ!面と向かって会うのは久しぶりだね!入間ちゃん!」

    入間「……………」

    王馬「えっ、どうしたの。怖い顔して」

    入間「うるせえ、それよりさっさと始めようぜ」

    王馬「あれぇ、入間ちゃん怒ってるの?カルシウム足りてないんじゃない?」

    入間「審査員は…約束通りだよな?」

    王馬「うん!しっかり準備しておいたよ!」




    そう言うと王馬は審査員と思われる方へと指を差した。



    王馬「全員合わせて50人!!」



    入間「…本当にPonasonicの従業員なんだろうな?」

    王馬「当たり前じゃん、Ponasonicの証である名札をみんなしっかりつけてるでしょ?」

    入間「お前の仲間が従業員のフリをしてるなんてことは----」


    社員「いいえ入間様、あれは間違いなく我が社の社員です、50人全員」


    入間「…………そうか」



    入間に付き添いの社員がそう言うのだから間違いはないのだろう。



    王馬「なになに、もしかして俺がイカサマとかしてると思ってるの?」

    入間「当たり前だろ、お前が天才の俺様に勝つためにはイカサマ以外にないだろうが」

    王馬「なに…随分と自信満々じゃん」

    入間「そっくりそのまま返すぜ、雑魚が」




    両者目線を外さず会話を続ける。




    王馬「俺が負けたらここにいるDICEの仲間と全員が君とPonasonic社員に土下座して今回の問題の責任を全て受け持つ」


    王馬「逆に君が負けたらBUSTER GEARは解散してもらうよ」


    王馬「それでOKだよね?」


    入間「間違いねえからさっさと始めろ。この1週間、テメエの泣き面をずっと想像していた。」


    入間「覚悟しておけ」


    王馬「ふ〜ん、まあどうでもいいけど」

    王馬「でもさ、漫画みたいにただの凡人が超エリートに勝つなんて展開になったら面白くない?」ニヤリ



    入間「………………」



    入間「……………ぷっ…」


    入間「だひゃひゃひゃひゃひゃ!!!!」




    入間は大声で笑った…


    それもPonasonic本社全体に響き渡るように…


    そして…



    入間「あるわけねえだろ」



    真顔で答えた。


    入間「いいか、本気でぶっ殺してやるぞ。なにせお前は俺様を殺そうとしたんだからな…」


    王馬「にしし、ハルマキちゃんから聞いたんだね」


    そう言うと王馬は目線を外し、発明品が入っている袋の方へ歩いていった。


    王馬「じゃあ…俺から発明品の発表をしようか」

    入間「見せてみろよ、どんなガラクタを見せてくれるのか楽しみだぜ」


    王馬「」ゴソゴソ



    王馬は袋から発明品を取り出し…



    王馬「これが!!俺の発明品だよ!!!!」



    発明品を審査員50人に見えるように高く上げた。



    入間「!!」


    王馬「にしし……」
  42. 44 : : 2017/07/25(火) 20:44:04
    ‪社員「あ…あれは…」‬






    ‪そう、テレビなどで見たことある人もいるかもしれない。‬


    ‪あれが………‬





    ‪王馬「全自動卵割り機!!!!」‬




    ‪それがDICEが…王馬小吉が作ってきた発明品の名前であった。‬




    ‪入間「…………………………」‬


    ‪王馬「みんなアニメとかで見たことある人もいるでしょ?」‬


    ‪入間「…………………………」‬


    ‪王馬「だからさ!実際あったら面白いかなって思って作ってみたんだ!!」‬


    ‪入間「おい」‬


    ‪王馬「なに入間ちゃん!!??」‬


    ‪入間「これが…お前の発明品か?」‬


    ‪王馬「うん!凄いでしょ!?」‬


    入間「………………………」‬



    王馬「あはははっ!!俺の発明品が凄すぎて声も出ないのかな!?」

    王馬「これはもう勝ち確だよ!!」



    入間「………………っだらねえ」


    王馬「えっ?」


    入間「くだらねえって言ってんだよ!この能無し!!」





    入間の今の感情………それは怒り


    この1週間、入間は一時も休まずこの戦いのために全てを費やしてきた。

    己の全力を出し尽くしていた。

    それを、王馬の発明品を見て馬鹿馬鹿しくなったのだ。


    クソくだらないと…



    入間「こんなガラクタなら1時間で作れるわクソが!!」


    王馬「ガラクタだなんて酷いよぉ…死ぬ思いで考えて作ったのにぃ…」


    入間「どうせ素材も安いクソのものばっか使ってんだろ!?誰でも作れるわ!こんなの!」


    王馬「誰でも作れる………?」



    王馬「だからいいんじゃないか」ニヤリ





    入間「は…はぁ?」




    こいつ、遂に壊れたか?


    入間は本気でそう思った。
  43. 45 : : 2017/08/03(木) 00:43:22
    王馬「ほら、次は入間ちゃんの番だよ」

    入間「わかってるわ」


    入間「おい!俺様の発明品持ってこい!!」


    社員「はい、ただいま…」



    そう言うといつも入間についている社員はローラー付きの机を皆の前に持ってきた。
    その上には発明品を覆うように風呂敷がかけられている。





    王馬「さぁ!どんな発明品見せてくれるのかなぁ!!わくわく!!」

    入間「見てろ、テメエより何百倍も凄いものだ」



    入間が風呂敷を勢いよく掴み…………




    入間「これこそが……」






    入間「美貌で………」






    入間「天才の………」





    入間「「入間美兎様の発明品だぁああああああ!!!!!!!!!!!!!!!!!!」」






    勢いよく発明品にかかっている風呂敷を取った。








    王馬「おぉ!!これは!!??」





    超巨大なボディに煌びやかな外装、超高校級の発明家の名に恥じない発明品だった。






    入間「これこそが俺様の発明品!『グラビティオプション』だ!!!」
  44. 46 : : 2017/09/12(火) 01:16:34
    入間「見たか童貞!これが美貌と天才を持ち合わせた入間美兎様の発明品だ!!」



    王馬「第一印象、使えなさそう」


    入間「今の内にそうやってニヤニヤしておけ」


    社員「そ…それではこの発明品の説明をお願いします」


    入間「うるせえ!今説明してやるから黙っておけ!」


    社員「………申し訳ありません」


    入間「この発明品はな…」




    ガシャ ウィーーーーーン


    入間がパソコンで発明品を操作し


    『グラビティオプション』を動かし始めた。




    ブォオオオオオオオンン!!



    「「おおおおおおおお…」」


    王馬「へぇ」




    巨大な球型のボディが一部光り始めその周りに石や土が浮いている。なんとこの発明品は重力を操っているのだ。





    入間「この発明品は名前の通り重力を操れる装置だ!グラビティオプションを中心に半径10m以内では重力を自由自在に操れる!」


    社員「す……すごい」


    入間「まあ重くしすぎると人間の体に支障が出るかもしれないから俺様のような天才でないと制御できんがな」


    王馬「ははっ!」


    入間「あ?なに笑ってやがんだ?」


    王馬「いやぁ…すごい発明品だなぁ、と思って。こりゃ参ったなぁ…」


    入間「ふん!今更泣きついても遅えぞ!土下座の準備運動でもしておけ!」




    卵を割るだけの装置と重力を自由自在に操れる装置。勝負は決まったも同然だった。

    審査員のほとんども入間の発明品を見た瞬間どちらが勝ったのかほぼわかったはずだ。
  45. 47 : : 2017/09/29(金) 00:07:30
    王馬「よしっ、勝負は決まったようなものだし、さっさと審査してもらおうかな」


    入間「ああ、そうだな。お前は土下座の準備運動でもしとけ」


    王馬「はいはい、わかったよ」



    2人は自分の発明品の前に立つ、入間は勝利を確信したのか腕を組んで堂々としている。一方王馬は土下座の準備運動のためにその場で屈伸を始めた。



    審査員50名は左の手に白の旗、右の手に赤の旗を持って待機していた。




    社員「それでは、DICEの王馬さんの発明品が良かったと思う人は白の旗を、BUSTER GEARの入間さんが良かったと思う人は赤の旗をあげてください」



    社員「また平等に審査するため、私の合図で皆様一斉に旗を上げてもらいます」



    入間への付き添いの社員が審査員社員に詳しく説明を終えた後すぐに審査の準備に取り掛かった。





    入間「ふん、きっと一面真っ赤に染まるぞ〜」


    王馬「真っ白に染まらなくていいから白の方が多ければそれでいいや」




    2人はそれぞれの思いを心のうちに留めず口に出し、相手に聞こえるように言う。






    社員「それでは審査に入ります」




    社員「せーーーー….のっ!」






    次の瞬間、とても不思議な現象が起きた。






    バサッ!!



    審査員が一斉に同じ色の旗を上げる。



    入間「は?」


    王馬「え?」


    社員「おおっ…」







    誰が審査員が上げた色が白一面になると予想できたのだろうか。
  46. 48 : : 2017/09/30(土) 21:06:29
    入間「……………………………」



    社員「しょ…勝者DICEの王馬小吉さん!」




    王馬「やったーー!勝った!!」


    入間「………」


    王馬「はい!解散っ!BUSTER GEAR解散っ!!」


    入間「………ざけんな」


    王馬「えっ?」


    入間「ふざっけんじゃねえぞ!認めねえぞこんなの!!!」


    王馬「あれ、もしかして負け惜しみ?」


    入間「絶対あの審査員共てめえ仲間だろ!!」


    王馬「いや、さっき君の付き添いの社員さんが確認したよね?」


    入間「おいお前!」


    社員「確かにうちの社員です、これに関しては間違いありません」


    入間「チッ………」



    謎の負けを体験した不機嫌そうに歩きながら入間は審査員の方へ向かい1人の審査員の胸ぐらを掴んだ。



    入間「おいクソ審査員!!こいつから幾ら貰ったんだ!?」

    入間「それとも…お前…DICEのスパイか?王馬の命令で前々からPonasonicに潜入していたんだろ!!」


    王馬「ねえねえ、入間ちゃん」


    入間「なんだイカサマ勝ちした卑怯-------」

    王馬「恥ずかしくないの?」



    重みのある低い声。
    どんな言葉でも表現できないほどの無表情。

    いつものふざけておちゃらけている王馬小吉のものではなかった。



    入間「…………………」


    王馬「ねえ、審査員さん。素直に僕の勝ちだと思って白旗を上げたんだよね?」




    王馬は入間に胸ぐらを掴まれている審査員に問いかけた。



    審査員「間違いない、私はこの会社の社員」


    審査員は財布からPonasonicの社員の証を入間に見せつけた。


    審査員「そしてこの勝負、DICEの王馬小吉の圧勝だ」

    入間「あっ…圧勝!?どこをどう見たら圧勝なんだクソ野郎!!的確な理由言ったら認めてやるぞ」

    王馬「だって審査員さん、素直に言ってみな」



    審査員は一呼吸おいてから口を開いた。



    審査員「…私が王馬が勝ったと思った理由…それは……」

    入間 王馬「それは?」








    審査員「王馬の発明品の方が圧倒的に日常的に使いやすく我々にも作れると思ったからだ」
  47. 49 : : 2017/10/06(金) 00:02:59
    入間「はぁ!?誰が作りやすい作品で判断しろって言ったんだボケナス!!」


    王馬「え?誰が発明品の凄さ対決しようって言ったの?」


    入間「はっ?いや…なに勝手なこと…」

    王馬「普通に考えてさ、元超高校級の発明家である君と機械の発明に関して素人の俺が発明品の凄さで対決したら俺が負けるって低脳な君でもわかるよね?」

    入間「て…低脳ぅ……」

    王馬「それに俺にルールを作れって言ったの君だよね?自分の言ったことすらも覚えられないほどの低脳者なの?」

    入間「な…なんだよぉ…そこまで言わなくても良いじゃねえかよぉ…」




    一方的に罵倒され続け入間が完全に勢いを失ったが…


    社員「お待ちを…」


    王馬「はい、入間ちゃんに付き添いの社員さん!いつもお疲れ様!どうしたの?」


    社員「勝負というのはお互い正々堂々行うものです、圧倒的なハンデやイカサマなどがあっては成立しないものですよ」

    王馬「うーん…なにが言いたいのかな?」


    社員「はっきり言います、ルールを作ったのは確かにあなたですがそれを入間さんに伝えなかったのはフェアとは言わないのではないのでしょうか?」


    王馬「あー………」


    入間「そ…そうだ!!これはフェアじゃねえぞ!!お前は反則負けで俺様の勝ちだ!!」


    王馬「ははっ、まあその通りだね。でもね…」


    入間「言い訳するのか!?おい!!」


    王馬「まあ君がこれ以上ギャーすか反抗しないためにもネタあかしするけどさ」


    入間「ネタあかし??」


    王馬「実はね俺、この50人の審査員さん達には『発明品の審査をして』としか言ってないんだよね」

    入間「は?じゃあつまり…」


    王馬「そう、もしかしたら審査員さん達は『発明品の凄さ』でジャッジしたのかもしれないんだよ」


    入間「ちょ…ちょっと待て…」



    その言葉を聞いた瞬間に入間が再び動き出す。



    入間「それならおかしいぞ!!なんで俺様に1人も旗を上げてねえんだよ」


    王馬「うるさいなぁ…少し黙ってよ」


    入間「うぐぅ……」



    王馬「まあ、でも俺が勝つのは決まってたけどね」


    入間「……なんでだよ」


    王馬「なぜなら…」





    王馬「今日ここに集まった審査員の人達…」


    王馬「全員、開発部の人達なんだよね」
  48. 50 : : 2017/10/06(金) 01:03:25
    入間「なんだと?」


    社員「…………………」



    王馬「確かに一般的に『発明品の勝負』って言われたら『発明品の凄さ』で勝負するよね、でもこの50人は見方が違う、『自分達が効率よく作れ、かつ 売れるかどうか』という目線で見ているはずだよ」



    それを聞くと入間の付き添いの社員が審査員の元に寄る。



    社員「あなた達は本当に『発明品の作りやすさ』での勝負と王馬さんに言われてなかったのですか?」


    審査員A「あぁ、なにも言われておらん」

    審査員B「同じく」

    審査員C「間違いない」


    社員「そうですか……」



    入間「開発部の人間を使う…卑怯な奴だ」


    王馬「卑怯?卑怯じゃないよ、別に君が勝負する前に審査員をチェンジするって言えば変えられたんだよ?」


    入間「わかるかよ、開発部なんて」


    王馬「ええーー!?君この会社の社員なのに同じ社員の顔すら覚えてないのーー?ビックリーー!」


    入間「………………」


    王馬「それとね、ここの社員を審査員に使ったのはもう1つ面白い意味があってね…」

    入間「なに?」


    王馬「Ponasonicの社員である君とその敵である俺、審査員が社員なら…普通に考えてどっちを助けてどっちを叩き落とすよ」


    入間「?」


    王馬「普通は俺に負けさせて君を勝たせるよね、だってそうしたらこの会社がミスをしたことになっている事件が全部俺達が責任を受け持つことになるんだよ?」

    王馬「この会社にとってはこの上ない良い機会だよ、だってあの事件を全部無かったことに出来るんだもん」




    王馬は淡々と喋り始める、それを入間をはじめとする他の社員は黙って聞くことしかできなかった。



    王馬「仮に君がガラクタ同然の発明品を出したとして俺が審査員の心をグッと掴むような発明品を出したとしても俺が負けるはずなんだよ、だってそっちの方が都合がいいもん」



    入間「………なにが言いたい」



    王馬「ええーー!!??まだわからないの!?」




    王馬「仕方ないなぁ…はっきり言うとね…」






    話をそこで切ると王馬は先ほどまでのおちゃらけた感じとは全く違う暗いオーラが漂っていた。



    そして悪魔のような笑顔をして口を開いた。







    王馬「君はね…この会社に必要ないんだよ」
  49. 51 : : 2017/10/21(土) 02:02:30
    入間「ひっ…必要ないって……どういうことだよ……」

    王馬「あれ!?ついに日本語すらわからなくなったの!?さすが馬鹿でブスな入間ちゃんだね!」

    入間「ひぐぅ…そんなにいう必要ないだろうがよぉ……」

    王馬「いやいや、これじゃあ言い足りないくらいだよ!」


    王馬「だってさ!開発部の人全員が俺に旗を上げるってことは開発する人みんなが君を必要としてないんだよ!!」


    社員「そ…そんなことありません!入間さんは!!」

    王馬「そんなことあるよ、それじゃあ審査員…いや、開発部の人達に聞いてみようよ」


    審査員「………………」

    社員「開発部の皆さん………」

    審査員「はっきり言うと彼女に会社は合ってない」


    入間「!?」


    審査員「確かに彼女が作る発明品はどれも天才的だ、元超高校級の発明家に恥じないくらいな…しかし…」

    審査員「彼女の発明品は……単純に実現しにくいものが多い、設計図を見ても我々開発部は頭を悩まし、また部品が不足しているなんてしょっちゅうだ…。」

    審査員「そしてなにより…量産して売れるとは到底思えない、『凄い』ただそれだけだ」



    審査員が暗い顔をしながらそう答えると王馬は満面の笑みで口を開いた。


    王馬「だってよ、入間ちゃん」


    入間「ちょっと待ちやがれ!!」

    王馬「え?」


    先ほどまで落ち込んでいた入間がいきなり怒鳴り始め開発部の方へと歩みを進めた。


    社員「入間さん!ダメです!!」

    入間「さっきから聞いてりゃ好き放題ベラベラベラベラベラベラ喋りやがって!」

    入間「設計図を見てもわからねえ!?てめえらの頭が足りねえせいだろ!!」

    入間「部品が不足してる!?予め揃えておきやがれ!!」

    入間「実現しにくい!?実現不可能を可能にさせるのがプロじゃねえのか!このゆとりども!」


    審査員「そしてなにより気に入らないのが!!君のその傲慢卑劣極まりない態度だ!!!!」


    入間「ひぐっ………」

    王馬「……………………」


    社員「あなた!特別社員の入間さんにその言い方はないでしょう!!」

    審査員「黙れ入間の犬が!ここまで言ったからにはクビは覚悟の上!我々開発部の総意を私が代表して言わせてもらっただけだ!」

    審査員「解散だ!BUSTER GEARは解散だ!」



    審査員「今すぐこの会社を立ち去ってもらおう!」



    「そうだそうだ!」


    「出て行けー!」


    「メス狼ー!売女ー!」


    「発明だけ立派なドブネズミがー!」



    審査員が…開発部が次々と立ち上がて声を上げる、声を上げない社員などどこにもいない、この状況が入間の人望の無さを明確に表していた。




    入間「なんだよぉ…俺様は…招待されたから来ただけなのによぉ……」



    社員「お…落ち着いてください!!」



    王馬「うん、まあみんなとりあえず落ち着こうか」
  50. 52 : : 2017/10/22(日) 23:48:18
    王馬「ねぇ、入間ちゃん」

    王馬「これが現実だよ」


    入間「げ…現実だとぉ……」


    王馬「うん」



    一息置いて王馬は真顔のまま再度口を開いた。






    王馬「自分を美貌なんて思ってる奴ほどブスな奴はいない」



    入間「!」



    王馬「自分を天才なんて思ってる奴ほど馬鹿な奴はいない」



    入間「………………」



    床に座り込んでいる入間へと向かって王馬が足を進め、近くでヤンキー座りをし、入間の髪を掴んで無理やりこちらを向かせた。



    入間「ひぃ…な…なにすんだよぉ…」

    王馬「俺はね、この勝負に人生賭けてたの」

    入間「…………なに?」

    王馬「君がちゃちい茶番にしか思ってなかったこの勝負に…俺、いや俺達DICEの運命がかかっていたんだよ」

    入間「あ?どういうことだ?」

    王馬「……………」



    入間がいつもの調子に戻りそうになった瞬間に王馬は髪の毛を掴む力を強めた。



    ギュッ!!!



    入間「いっ!…」


    王馬「どっちが勝者でどっちが負け犬なのかわかっていないのかな?」



    王馬は笑っていたがその笑みをみて笑う者はきっといない………


    それほど悪どい笑みをしていた。



    王馬「話の続きをしようか」


    王馬「仮に…俺がこの場で負けていたら君たちに土下座するとこになっていたけど…」

    王馬「もし俺たちがここで土下座をしたら……俺たちがした悪戯と言う名の仕事の…責任を持ったらDICEは終わるんだよ」


    王馬「マスコミだってどこかに隠れてるわけだし俺たちに都合の悪い記事を書かれるに違いない」

    王馬「そうすればDICEの評判はガタ落ち、まあ元々評判なんかは売りにしてないけど…」

    王馬「構成員1万の俺の組織も統率が乱れて始めるに違いないさ」



    王馬「最悪の場合……………DICEは解散」


    入間「!?」



    王馬「ってのは嘘だよ」


    入間「………………」


    王馬「でも他は全部本当だよ」

    王馬「君はさ…そこまで考えてなかったよね」


    入間「…俺様は……物を作るためだけに…ここに来たんだ」


    社員「入間さん……」


    その言葉を聞いた瞬間、王馬は肩をガックシと落とした。


    王馬「まだ言う?企業で働くからには企業全体のことを考えなきゃいけないの!!」

    王馬「学生気分で乗り越えられるほど社会は甘くないよ!!」

    王馬「社会に出れば、超高校級の才能なんて3割も役に立たないんだよ!!!」


    入間「ぐっ………」
  51. 53 : : 2017/10/31(火) 00:47:32
    王馬「さて、帰ろっと」


    入間「待ちやがれ…俺様は…どうなるんだよ」

    王馬「当然君専用の部署は終わり、これからは特別社員…ではなく入りたての新人社員と同じ扱いだよ」

    王馬「どこの部署に配属されるかもわからないしね」

    入間「…………………」





    王馬「あっ!!そろそろ仕事の時間だ!!」


    王馬「じゃあね入間ちゃん!また電話してきてね!!」



    高らかに嘲笑いながら背を向ける王馬に入間はなにも言えなかった。
    将来を決めたこの勝負、入間の予想は全て覆された。きっと王馬は全て思い通りにいったのだろう。



    審査員「我々も仕事に戻るぞ、まだまだ仕事は残っている」

    審査員「残業になってしまう前に終わらせるぞ」



    「「はい!!」」



    審査員(開発部)もその場を離れて自分の働く場所へと足を運ぶ。


    その場に残ったのは入間と入間に付き添いの社員、そして審査員をやっていた開発部の代表のみとなった。




    入間「……………チッ」

    社員「入間……さん……」

    審査員「入間殿…いや、入間。社長にもこの勝負のことは伝えておいてある、明日には君の部署が発表されるだろう」


    入間「……………」


    入間はその審査員を強く睨んでいたがそんなことは気にも留めず審査員は話を続けた。


    審査員「BUSTER GEARの研究室に置いてある私物は今日中に撤去して社員寮に移すように、明日からは別の部署が使う」


    入間「…………」

    社員「入間さ…様、私も手伝いますので」

    審査員「その必要はない、君は既にこの女の付き添い人ではない。新人社員に付き添いなど必要あるか?」

    社員「で…でも私はこの人の付き添い人として派遣されて!」

    審査員「ならば派遣先に帰るがいい、君も既に必要ない人間だ」

    社員「そんな…」



    容赦のない開発部代表の指示に数十秒沈黙が続いていたが………






    それも終わりを告げた。



    入間「やってられるかクソがぁあああああああ!!!!!!!!」


    審査員 社員「!?」


    入間「やめてやるわこんなクソ会社!!頼まれた部署を剥奪された俺様がこんなところに居座る理由なんてもうねえ!!」

    入間「さっさと潰れちまえよ」



    そう言うと入間は会社と反対方向へと走っていった。

    ただひたすら真っ直ぐ走っていった。



    社員「入間さん!どこにいくんですか!?」

    入間「帰る!!二度と戻らん!!」





    段々と遠くへ行ってしまう入間を付き添いの社員は見つめることしか出来なかった。




    社員「ど……どうしよう……」
  52. 54 : : 2017/10/31(火) 12:29:56
    美兎かわいそ
    今のとこキャラdisにしか見えないぞ
  53. 55 : : 2017/11/06(月) 22:52:25
    >>54
    間違いありませんね………。





    社員「………………」


    ダッ!



    入間の付き添いだった社員は追いかけるために走った。
    しかし追いかけているのは付き添っていた入間ではない、違う方の超高校級。



    ひたすら走った



    そして10分後、ようやく彼の背中が見えてきた。







    社員「王馬君!!!!」


    王馬「あれぇ?白銀ちゃんどうしたの!?」

    王馬「じゃなくて…今はponasonicへ派遣されたモブ社員さんかな?」


    白銀「はぁ…はぁ…はぁ…」



    付き添いだった社員は息を整えるとコスプレという名の変装を解除し、青髪のロングヘアとメガネというありのままの姿に戻った。



    王馬「君、二次元じゃないと変装出来ないんじゃなかったの?それとも克服した!?」

    白銀「あれは『社畜万歳』ってアニメのモブキャラのコスプレだよ!現実世界の人間の真似はコスプレじゃない!!」

    白銀「というかそんなことより!どうして入間さんにあんなことしたの!?」

    王馬「どうしてって、俺は俺のやるべきことをやっただけだよ」

    白銀「君に負けろとまでは言わないけどさ……許してあげても良かったんじゃない?」

    王馬「甘いね〜白銀ちゃんは。そうやってみんな甘やかすから入間ちゃんが成長しないんだよ」

    白銀「甘やかしじゃないよ…みんな入間さんのことを思って……」

    王馬「……思った結果、あの会社の開発部からは嫌われましたけど?」

    白銀「………………………」



    白銀は言い返す言葉を失った、自分がやったことは正しいと思っていたが結果が正しくなかったのだ。



    王馬「白銀ちゃんこそ何してるのさ!」

    白銀「私は派遣されて入間さんを支えようと…」

    王馬「本当に…俺のクラスの同級生達はみんな甘ちゃんだね〜」


    白銀「えっ?」



    王馬「君がどうやってここに派遣されたか、誰の差し金なのか…」


    王馬「俺知ってるよ」


    白銀「………………………」
  54. 56 : : 2017/11/13(月) 00:04:07
    そして午後10:00



    入間宅前



    入間「あー!やっぱりここが一番落ち着くなー!やめてせいせいしたわ!」

    入間「さてさて今度はどんな発明してやろうか!だひゃひゃひゃ!!!!」


    ガチャリ


    春川「おかえり」

    入間「おう!ただいま〜---」


    入間「って…なんでお前がいるんだよぉおおおお!!!!????」


    春川「殺しにきたよ、今度こそね」

    入間「や…冗談だよな?なっ?」

    春川「ゴメン、今日は本気」

    入間「冗談って言ってくれよぉ………」

    春川「……………」

    入間「な…なんだ?黙っちまいやがって」

    春川「アンタさ……」



    春川「なんかないの?」

    入間「は?」

    春川「ここにノコノコ戻ってきてさ……悔しくないの?」

    入間「…………っせえよ」

    春川「悔しいんだね、やっぱり」

    入間「………………」

    春川「格下だと思っていた王馬に負けて、社員からも裏切られて、とっておきの発明品をダメ出しされて」

    入間「………………」

    春川「ノコノコ帰ってきたアンタを殺そうかと思ったけど、もう少し様子見してみようかな」


    入間「………あのよぉ」


    春川「なに?」



    入間はスーーゥッと大きく息を吸って…帰ってきてからずっと気になっていることを言葉として発した。






    入間「どうやって俺様の家に入ってきたんだよ!!!!」






    春川「扉が勝手に開いてたんだよ、だから入った」

    入間「は?」

    春川「本当は窓ガラスでもぶち破って入ろうかと思ったけど扉が開いててラッキーだったね」

    入間「いや待て待て、なんで扉が開いてんだよ。俺様はちゃんと戸締りしていったぞ?」


    春川「私よりも先に先着がいたみたい」

    入間「………………………」



    入間「なに?」




    入間は春川の言った言葉の意味を理解できなかったが、次の瞬間すぐに理解することができた。



    春川「聞いてないでアンタも早く出てきなよ」


    春川が後方に向かってそう言うと壁の横から人影が出てきた。



    入間「ん?」



    「久しぶりね、入間さん」



    入間「………なんでお前がここにいるんだよ」







    入間「この冷酷メイド野郎!!!!」


    東条「冷酷という言葉は拒否させてもらうわ」
  55. 57 : : 2017/11/13(月) 00:29:28
    入間「どうやって入って来やがった!!」

    東条「合鍵を作っておいたのよ、こういう時のために」

    入間「勝手に人様の家の合鍵を作ってんじゃ---」

    入間「なに?」




    入間は東条の言ったことが突っかかりお得意のツッコミを中断して疑問をぶつけた。




    入間「なんだ?こういう時のためにって」

    東条「…………………」



    東条「実は今仕えている主人の命令であなたの家に来ることになったのよ」

    入間「ご主人?誰だそれ!!教えやがれ!!」

    東条「それは出来ないわ、『名前を教えるな』とご主人様から直々に言われているもの」

    入間「チッ………」


    春川「玄関前で話すのもなんだからリビング行こうか」

    東条「そうね、立ち話では会話も弾まないわ」

    入間「確認のために言っておくけどここ俺様の家だからな」




    そして3人は入間宅のリビングに向かいリビングのソファに腰をかけた。





    東条「それで、あなた…これからどうするつもりなの?」

    入間「どうするつもりって………」

    東条「教えていただけるかしら?」

    春川「まあ脅してもしょうがないしね、何言っても殺さないから正直に言ってみな」


    入間「………………………」






    入間「俺様は…………………」












    翌日



    天海家


    AM 5:50





    太陽がこの地を照らし始めた頃には天海蘭太郎の1日は既に始まっている。
    いつも通りコーヒーを沸かし、お気に入りのコップに入れ、椅子に腰をかけて片手に新聞を持ちながらコーヒーを嗜む。
    テレビはつけない、朝の小鳥のさえずりや風の吹く音などの自然音をこの時間帯の天海は好む。

    コーヒーの味を少し嗜んだ後は新聞の内容に集中する。





    —————
    |毎朝新聞|
    —————



    『Ponasonicの新星 BUSTER GEAR 早くも解散』


    「Ponasonicの新組織、BUSTER GEARが早くも消える。世間で話題の謎の組織DICEによる策略により希望ヶ峰学園の卒業生である入間美兎の組織 BUSTER GEARは解散した。
    そのためBUSTER GEARが開発した超大型宅配ドローンやアルティメットウォータースラッシャーなどの商品は販売停止となった。Ponasonicの社長はこのことを悔やんでいたが一部のPonasonicの社員は入間に振り回されていたということもありこの事件を喜ぶ者もおり 一部の部署の士気が向上したとの報告もあった。BUSTER GEARを失ったPonasonicの今後の活躍に注目である」





    天海「……………………」


    天海「……………はぁ……」



    天海は軽くため息をついた後、コーヒーを机の上に置き……



    天海「王馬君何してるんすか……」


    天海「結局ふりだしっすね……」




    独り言を言い始めた。
  56. 58 : : 2017/11/14(火) 00:44:30
    天海「…………………」




    天海は新聞を机の上に置いてコーヒーを再び手に取ったが口には含まなかった。
    今の天海蘭太郎はひたすら自分がしてきたことについて考えていた、この新聞を見る限り…自分がしてきたことは間違ったとしか考えられない。




    天海「……………」









    天海「大失敗………っすね」





    そう言うとコーヒーを一気に口に含み椅子から立ち上がった。


    と、その時。



    「もう支度ですか?まだ早い気がしますが」



    天海「戻ってたんすね」


    天海「東条さん」



    今だけの天海専用のメイド、東条斬美であった。



    東条「ご主人様の言う通りに入間さんのお家に伺い、そして入間さんの考えを聞いてきましたわ」

    天海「ご苦労様っす」

    天海「後、出来ればそのご主人様って言うのやめてほしいっすね〜、俺たち同級生っすよ〜」

    東条「そうはいきません、お金まで払ってまで私を雇っている以上は例え同級生であってもご主人様はご主人様です」

    天海「固いっすね〜」

    東条「メイドですもの」


    天海「……で、入間さんは大丈夫なんすか?」

    東条「………………………」






    東条は答えを発する短時間黙っていたが天海にはその短時間が物凄く長く感じた。
    ここで東条が残念な結果を報告すれば自分のやってきたことが全て無意味になってしまうからだ。


    そして東条はゆっくり口を開いた。









    東条「ご安心ください、入間さんは大丈夫です」




    天海の激しく聞こえていた心臓の鼓動音は、その言葉を聞いた瞬間徐々に小さくなっていった。
  57. 59 : : 2017/11/24(金) 20:46:07
    数週間後





    Ponasonic本社



    AM 7:00




    一般社員「あー…眠いなぁ…」

    一般社員「って…そんなこと言ってられないな、仕事に集中して早く出世しなくては!」




    なんの変哲も無い一般社員はPonasonic本社へ向けて歩を進める
    そして入口に入ろうとした…その時




    一般社員「ん?なんだこれ」



    入口の手前に2つそれなりの大きさの箱が置いてあるのに気づいた。



    一般社員「宅配の人が置き忘れたのか?」

    一般社員「…いや、この箱…入口が空いている….誰かが置き忘れたんだな」

    一般社員「しかし…一体何が入っているんだ、気になるな」





    一般社員は箱の中身が気になって空いている隙間から中身を覗いてみると……。





    一般社員「こ…これは!!!」
  58. 60 : : 2017/11/29(水) 00:09:52
    そしてさらに2週間後……




    天海家



    AM5:50





    日が明けるのが遅くなったせいか今日の天海宅全体の雰囲気がいつもより暗く感じたので電気をつけることにした。
    いつも通りコーヒーを入れて……と思ったが既に入っていた。




    東条「おはようございます、ご主人様」

    天海「あぁ…おはようっす、東条さん」

    東条「モーニングコーヒーを入れておきました。温度はご主人様お気に入りのミディアム84.7℃で調整してあります、砂糖とミルクも念のためご用意していますのでご自由にどうぞ」

    天海「いや〜何からなにまで申し訳ないっす」

    東条「メイドですもの」




    天海を迎えたのは朝から静かな笑みをしたメイドの東条斬美だった、彼女はコーヒーを出すと天海が毎朝目を通すことが習慣付いている『毎朝新聞』を持ってきた。




    東条「今日の新聞でございます、ご主人様がお気に召すような記事には付箋を貼っておりますのでよろしければご活用くださいませ」

    天海「それは嬉しいっすね、まあ暇があれば全部読むんすけどね」

    東条「今日は非常に興味深い記事がありましたよ」

    天海「楽しみっす」




    まず新聞をめくり、それが終わったら新聞を片手で持ちもう1つの手でコーヒーを持つ。
    これにて準備は万端。
    天海は今日の新聞の記事に目を移す。




    —————
    |毎朝新聞|
    —————



    『Ponasonic 過去最大クオリティの商品販売開始』


    Ponasonicが本日から宅配型小型ドローンと電自動軽量車椅子の販売を開始。宅配型小型ドローンは小型なわりにパワーは人間の力を大きく上回る力を持っており小型なのでこれからの社会で貢献できる商品である。
    一方電自動小型車椅子は電自動掃除機などのようにセンサーで障害物や人を察知し、1番安全なルートへと勝手に動いてくれる商品、少子高齢化社会の現在で活躍していきやすいだろう。
    しかし上記2つとも開発費や設計などが複雑だという疑問があったがPonasonicの開発部部長によると「我々が量産出来やすいように上手くコスト削減、そして設計などがされておりPonasonicなら量産は容易い」と発言している。
    10人もの専門家が実際に2つの商品を視察しに行ったところ口を揃えて高評価と言っていた。
    これからはPonasonicの黄金時代が来るのではないかと言われている。








    天海「なるほ………ど」

    東条「如何でしたか?」

    天海「…………………」




    コーヒー口に含み、それを飲み込んだ後に天海は口を開いた。




    天海「素晴らしい記事だったっすよ」



    笑顔でそう答えた。
  59. 61 : : 2017/12/01(金) 23:27:21
    ピンポーーーーン



    天海「あれ、お客さんっすか?」

    東条「私が出てきましょう」



    東条「もしもし…」


    東条「あら、何の用ですか?」


    東条「なるほど、今開けるから少し待って」







    東条「お客様を連れてきました」


    最原「やあ天海くん」

    天海「あれ、最原君っすか。久しぶりっすね」

    最原「うん、久しぶりだね。今日は少し聞きたいことがあって来たんだ」

    天海「聞きたいこと……っすか」

    最原「うん」


    天海「東条さん、最原君にもコーヒーを入れてやってほしいな」

    東条「既に準備はしています、最原君のお気に入りの温度である85.1°まで温めている最中です」

    最原「いや、悪いよそんなの!そんな長居するつもりはないからさ」

    天海「別にいいっすよ、コーヒーくらいご馳走させてほしいっすね」

    最原「あっ……じゃあお言葉に甘えて」



    最原「でね、その聞きたいことって言うのは入間さんのことなんだ」

    天海「入間さんのことっすか?」

    最原「うん」



    最原「結構前にさ入間さんがPonasonicに誘われたよね?」

    天海「ええ、確かに」

    最原「それってとっても不自然なことだと思うんだよね」

    天海「えっ?そうっすか?」

    最原「だって僕たちが学生時代の就活時に入間さんはスカウトされた企業を全て断っているんだよ?」

    最原「それにただ断っただけじゃない、スカウトしにきた企業の社長に『三流』とか『ゴミ量産部隊』とか『へっぽこ』だとか散々な罵声の言葉をぶつけていたんだ」

    天海「懐かしいっすね〜、そんなこともあったっす」

    最原「当然どの企業も大激怒、Ponasonicだってその中にいたはずだよ」

    最原「そのPonasonicが再び入間さんをスカウト、これってとっても不自然じゃないかな?」

    天海「…………」

    最原「Ponasonicの経営状態は極めて優秀、売り上げだって右肩上がりだ、そのPonasonicが散々な罵声を浴びせた入間さんをなんの意図もなく欲しがるかな?」

    天海「人間の心変わりって怖いっすね〜、いや本当に」

    最原「違う、これは自然な心変わりじゃない、心変わりさせたんだよ」





    最原「君がね」


    天海「………………」




    天海は最原の強気な発言を聞いてなにも答えなかったが、表情は少しニヤけていた。
    それは天海自身も気づいていた。
  60. 62 : : 2017/12/03(日) 23:46:28
    最原「天海君、君は入間さんが発明品を作るたびに入間さんの自宅を訪ねていたよね?」

    天海「ええ、そうっすよ。彼女の発明品は毎度毎度楽しませてもらってるっす」

    最原「そしてその時に入間さんが作った発明品の情報を入手して、その発明品の情報を…Ponasonicに提供していたんだよね?」


    天海「………」


    天海「えっと…どこからその情報を?」


    最原「こう見えても探偵だからね、情報網はたくさんあるんだ」


    最原「人間、いずれ欲を出したくなるものだよ。Ponasonicの社長は入間さんの魅力的な発明品を君に見せつけられたせいで入間さん自身に魅力を持ち続け……」

    最原「そして……」


    天海「入間さんを再びスカウトしに行った」


    最原「その通りだよ」






    シーーーーンという空耳が聞こえる中、天海と最原はお互いの顔を真剣に見つめ合っていた。その不思議な光景をメイドの東条も真剣な表情で見つめていた。





    そして




    天海「いや〜、やっぱり最原君には敵わないっすね〜」



    天海は笑ってそう答えた。




    最原「入間さんの元へまたPonasonicがスカウトしにくるのもおかしいと思ってたんだよね、でもこれでスッキリした」


    最原「入間さんを特別社員扱いさせたのも君の策略だよね」

    天海「そうっす、普通のスカウトじゃ彼女は納得しないっすよ」


    最原「でもどうしてそこまで…入間さんを?」


    天海「特に深い理由はないっす、ただ……」




    ヘラヘラと笑っていた天海が再び真剣な顔つきに表情を変えて口を開いた。





    天海「同級生を…見捨てられなかったんすよ」

    天海「入間さんだけ就職していないし、これから先も仕事をするとも思えない」

    天海「そう思うと心配だったんす」


    最原「それで…その協力者として東条さんを雇ったんだね」

    東条「ええ、私も天海君からこの話を聞いたわ。私自身も入間さんが心配だったし、天海君の考えに賛同してメイドになったのよ」

    天海「いやー、今思うと東条さんを色々とコキ使ってしまって…申し訳ないっす」

    東条「いいのよ、それがメイドの役目よ」



    最原「あはは、2人とも友達想いだね」


    天海「何言ってんすか、友達想いなのは最原君もっすよ」

    最原「え?」


    天海「わざわざこんなことを調べたのって、入間さんが上手い話に騙されていないか確認するためっすよね?」

    天海「ちょっとやそっと気になったくらいじゃ探偵としての情報網まで使って徹底的に調べてたりしないっすよ」




    最原「あ…あはは、やっぱり天海君は鋭いね、流石だよ」


    天海「そんなに必死なら誰でもわかるっすよ」




    にこやかな表情で最原と天海はコーヒーを口の中に入れる、それを静かな笑顔で東条は見つめていた。



    そして天海がコーヒーを飲み終わると椅子から立ち上がり…



    天海「まっ、誰かさんのおかげでまた入間さんはフリーターに戻ってしまったっすけどね」


    最原「あっ……」





    天海は自分の家の扉を開けてベランダへ出た後で……



    天海「ねっ、王馬君?」

    最原「えっ?」




    天海がそう言うとベランダに生えてる草むらの中から男性の姿が出てきた。




    王馬「にしし、やっぱりバレてたか」

    天海「うちの家監視カメラたくさんあるんですぐに見つかるっすよ」

    王馬「うぐ…お金持ち恐るべしだなぁ……」


    最原「王馬君!!??」

    王馬「やあ最原ちゃん!!久しぶりだね!!」

    最原「まさかこんなところで会うなんて……」


    天海「それと、もう1人いるよね」

    最原「え?」


    王馬「あーあ、バレてるって〜」



    再び草むらの中から人の姿が出てきた。



    「いたた…初めてこんなところ入ったよ」

    天海「イキのいい草っすからね、それと久しぶりっす」


    最原「赤松さん!!??」

    赤松「やあ、最原君」



    赤松は苦笑いをしながら最原へ手を振った。
  61. 63 : : 2017/12/04(月) 23:54:45
    天海「王馬君なら俺の家の監視カメラくらいすぐ見つけられたはずっす」

    天海「何故わざわざ見つかるような真似したんすか?」


    王馬「ひ み つ ♪」

    天海「答えなきゃ通報するっすよ、映像バッチリ残ってるんで」

    王馬「あー!!わかったわかった!!話す話す!」


    王馬「最原ちゃんの後を赤松ちゃんとつけてたらさ、なんか天海ちゃんの家に入って面白そうなこと話してるから混ぜて欲しかっただけだよ!!」

    最原「なに後つけてるんだよ!!」

    最原「…って赤松さんまでなにしてるの!?」

    赤松「いやぁ…たまたま最原君が通りかかったから何してるのか気になってね」


    天海「まっ、言い分はわかったんで中には入っていいっすよ」

    王馬「やったー!!俺も仲間入り!!」

    赤松「お邪魔しまーす」

    最原「本当に…僕の同級生はキャラが濃いな…」

    東条「ふふ、お互い様よ」




    そして東条は王馬と赤松の飲み物を用意した後、再び最原達は話し合うことにした。


    今さっきまで最原と天海が話していた内容を赤松と王馬にも説明した。




    王馬「なるほどなるほど、それはそれは友達想いなことだね」

    赤松「やっぱりクラスメイトのことは心配だよね、この前春川さんと会いに行った時もなんか顔色悪かったから心配だったよ」


    天海「……じゃあ、王馬君に質問しようかな」


    王馬「うん!なになに!?」


    天海「なんで入間さんを退社させるような真似したんすか?」

    王馬「あぁ…それね」



    王馬「俺が言うのもなんだけど……」











    王馬「俺は入間ちゃんのためにやったんだよ」
  62. 64 : : 2017/12/05(火) 00:25:48
    天海「えっ?」


    最原「な……何言ってるんだよ!あんなのが彼女のためになるわけないだろ!」



    天海と最原が驚きの表情をしている中、王馬は珍しくも真剣な表情を見せていた。



    王馬「いやいや、これわりとガチだよ」



    王馬「はっきり言って俺は天海ちゃんや最原ちゃんのやっていることは正しいとは思えないよ」

    王馬「いや正しいと言えば正しいのかもしれないけど入間ちゃんのためにはならないと思うな」


    天海「………それは何故?」


    王馬「入間ちゃんは一度Ponasonicのスカウトを学生時代に蹴ってるでしょ?」

    最原「そうだけど…」

    王馬「つまり入間ちゃんはPonasonicと自分は合わないと思ったから蹴ったわけだよ」

    天海「………………」

    王馬「そう、この時点で入間ちゃんはPonasonicでは張り合わないとわかっていたはずだよ」

    王馬「それを入間ちゃんに都合のいい条件を出して入間ちゃんの気を引き、一度蹴ったPonasonicに入社した」


    王馬「つまり、彼女は騙されたんだ。合わないとわかっていた職場に入ってしまったんだよ」

    最原「そ…それでもわざわざ退社させるのは!」

    王馬「俺は入間ちゃんがPonasonicに入社してから退社させる方法しか考えてなかったよ、彼女みたいなタイプがあの職場でやっていけるとは到底思えなかったからね」

    天海「………………」

    王馬「はっきり言って、やりがいのない仕事をするのはニートやフリーターよりキツいよ。達成感というものが感じられず金を稼ぐことを1番に考えてしまうからね」

    王馬「実際開発部からは嫌われていたってのは……………」






    王馬「白銀ちゃんから聞いていたよね、天海ちゃん?」

    最原「えっ?」


    天海「あぁ……さすがにそれはバレてたっすか」

    王馬「お金払ってまで白銀ちゃんをPonasonicに派遣するのなんて天海ちゃんくらいだからね」

    王馬「んで、俺はあの行動をした。これが真実」


    最原「…………王馬君、君は」

    最原「君も入間ちゃんを心配していたんだね…」




    王馬「まっ!全部嘘だけどね!!!」



    最原「はぁ!!??」

    赤松「いや、きっとその嘘こそが嘘だよ。最原君」

    最原「えっ?」


    赤松「さっきの説明は本当に思っていないと出来ないこと、王馬君の目はいつも以上に真剣だったし」

    赤松「きっと…王馬君も入間さんのために動いていたんだよ」

    赤松「そうだよね?王馬君?」


    王馬「にしし、まあこの話をどう受けるかは君達に任せるよ」


    天海「俺は信じるっすよ」


    東条「私もよ、あんなことは王馬君だからこそ考えつくことよ」


    王馬「えぇー?なんだよ〜、みんなもっと嘘か本当か迷ってほしいよ〜」


    最原「そうだね、今日くらいは…信じてみようかな」

    王馬「………………」





    王馬「最原ちゃんさ、DICEに入ってみない?」

    最原「えっ、いきなりなんだよ?」

    王馬「えっ、なに間に受けてんの?嘘に決まってるじゃん」

    最原「なっ…なんだよもう!!!」

    王馬「にしし、そう簡単に信じてはいけないよ」
  63. 65 : : 2017/12/08(金) 01:22:39
    その割には入間満喫してたような…?
  64. 66 : : 2017/12/08(金) 11:12:45
    ↑いや社員からクソ嫌われてたし王馬いなくてもいずれ躓いてたろ
  65. 67 : : 2017/12/16(土) 20:14:02
    >>65 >>66
    まあ王馬君の言ったことが嘘なのか本当なのか……
    それは読者様のご想像にお任せします。





    最原「これからどうしようか」

    王馬「えっ?これからって?」

    最原「いや、君のおかげで無職になった入間さんだよ」

    東条「彼女なら心配いらないわ」

    最原「えっ?」

    赤松「東条さん…なんで言い切れるの?」

    東条「この前、話してきたからよ」


    王馬「ええっ!?なんで誘わないの!?」

    東条「春川さんを使って入間さんを殺そうとした人はとてもじゃないけど呼べないわね」

    王馬「あー、やっぱりかぁ……」




    赤松「いやいやちょっと待ってよ!!」

    最原「入間さんを殺害しようとしたって……」


    王馬「ちょ…ちょっとした茶目っ気だよぉ…」


    赤松「えー?本当に?」


    東条「…まあ本当でしょうね」

    最原「えっ?」



    東条はその場から立ち上がると自分のカバンを持ってきてその中から一枚の紙切れを出した。



    その紙にはこう書いてあった。






    春川魔姫に告げる



    入間美兎を暗殺せよ byDICE





    まっ!嘘だけどね!!
    人殺しは良くないよハルマキちゃん!
    悪いことするならもっと良い方法があると思うけどな!!良ければ俺が教えてあげるよ!!





    最原「………なんだこれ……」

    王馬「だから茶目っ気だって言ったじゃん!!」

    赤松「あっ…これが理由で春川さんがPonasonicに潜入したんだ」

    東条「なんにせよ、何もなくて良かったわ。これで本当に春川さんが入間さんを殺していたら私があなたを殺すところだったわ」

    王馬「ママ、ごめんなさい」

    東条「ママはやめなさい」





    天海「まあ話題を戻すけど入間さんなら問題ないっすよ」

    最原「問題ないと言える理由が知りたいな」

    天海「まあ理由を話すと………」






    天海「彼女は彼女なりの道を自分自身で見つけることが出来たからっす」
  66. 68 : : 2017/12/24(日) 07:19:30
    天海と最原達の会談が終了してから1時間 とある空港にて



    入間「………………………」


    入間は空港の中にいた。
    左手に大きなキャリーバッグ 右手に飛行機のチケットを握りしめて。




    入間「あばよ、奴隷と社畜の国 日本」


    そう独り言を言い放すと飛行機の搭載エリアへ足を進めようとした…その時



    「入間さーーーーーーん!!!!!」



    騒がしい空港内で一際目立つ声を発して入間の方へ向かってくる人がいた。
    その人物とは


    入間「コスプレ野郎!?なんでここにいやがる!!」

    白銀「はぁ…はぁ…そ、それはこっちの台詞だよ、なんでいきなり海外に行くとか言い出すの?」

    入間「なんだ、東条から聞いたのか?」

    白銀「そうだよ」


    白銀「今日新聞に載ってたPonasonicの発明品、製作者入間さんだよね?」

    入間「…あまりデケえ声で言うな」

    白銀「Ponasonicの社員さん、凄い喜んでいたよ。今なら入間さん、きっとPonasonicに戻れると思う」

    入間「…それを伝えに来たってことか?」

    白銀「う…うん」



    入間「まあ俺様の出した結論から言うとあんな所に戻るつもりはねえ、あの発明品はケジメのためにただ送っただけだ」

    白銀「そ…そうなんだ」

    入間「それに俺様には道が見えた、当分日本には戻ってこねえ」


    入間「あばよ、白銀」
  67. 69 : : 2017/12/27(水) 17:12:27
    入間が白銀に背を向け、搭乗口に行こうとしたその時…



    「入間さーーーーーーん!!!!!」



    再び後ろから声が聞こえた。



    赤松「いたいた!間に合ったぁ…」

    最原「天海君…こうなることを知っていたならもっと早く言ってほしかったよ」

    天海「話に盛り上がってたもんで、申し訳ないっす」


    入間「なんだバカ松にダサい原、天海。オメエ達も天才の出発の見送りに来たのか?」

    最原「な…何が天才の見送りだ!!クラスメイトに心配ばっかかけて!!!」

    入間「ひぐぅ!!………なんだよぉ、なんでそんなにキレてんだよぉ……」


    赤松「最原君、ドードー…」

    最原「いや、馬じゃないんだよ」

    白銀「ちょ…ちょっと!2人でギャグやってる場合!?」

    天海「ははっ、白銀さんも来てたんすね」

    白銀「天海君のおかげで一時期入間さんの近くにいたから、心配になって」

    入間「俺様の近くに?何言ってやがる?」

    白銀「あぁいやいや!!気にしないで!!」








    その頃、入間がいる地点から少し離れた場所にて




    王馬「ねーー!東条ちゃん!!俺にも入間ちゃんに会わせてよー!!」

    東条「今の自分の立場を考えなさい、あなたが言ったって彼女が気を悪くするだけよ」

    王馬「会ーいーたーいー!!!!!」

    東条「それ以上喋るなら口に粘着液付けるわよ?」

    王馬「ごめんなさい、ママ」

    東条「だからママはやめなさい」



    暴れまくる王馬を抑えている東条の姿が有った。








    入間「それで、てめえら3人も俺様を止めに来たのか?」

    天海「とんでもないっす、寧ろ逆っすよ」

    入間「?」

    赤松「入間さんと会えなくなるのは残念だけど……私は応援してるよ!!」

    入間「バカ松……」

    最原「辛くなったら、いつでも僕たちのグループチャットに連絡してね。みんな全力で相談に乗るよ」

    入間「ダサい原………」

    白銀「わ…私も相談に乗るよ!!」

    入間「コスプレ………」


    白銀(コスプレって最早名前すらないんだけど…)



    天海「この便だと…行き先はアメリカっすか?」

    入間「ああ、前に少し発明品関係で世話になった場所だ」

    天海「そうっすか、まあいつでも日本に戻ってきてもらって構わないっすよ」

    入間「悪いな当分は戻らねえつもりだ、俺様が上手くやればな」



    そう言うと入間は荷物を持って皆に背を向けた。



    天海「頑張って」

    入間「言われるまでもねえ」

    天海「…………………」

    入間「天海」

    天海「ん、なんすか?」



    入間「春川と東条には礼を言っておいてくれ」




    天海「………………わかったっす」


    入間「まあ、てめえらの顔見たら心のモヤモヤが減った気がする」


    入間「感謝しておくぜ」



    赤松「入間さん……」

    最原「ふふっ………」




    入間は再び皆の方へと振り返り





    入間「あばよ俺様の奴隷ども!!いずれ俺様が会いに行ってやるからその日まで俺様のこと忘れずに待っておけ!!」



    それを言うとまたまた背を向け、今度こそ搭乗口に向けて歩き始めた。

    再び振り返ることをせずに、人混みの中に消えて行った。






    春川「まっ、あいつらしい感謝の仕方だね」

    赤松「ええっ春川さん!?いつの間にいたの!?」

    春川「ずっと上で見ててさっき降りてきた」

    最原「心配なら直接会ってくれば良かったのに」

    春川「別に、そんなんじゃないから」



    王馬「じゃあなんでこんなところにいるのかなハルマキちゃん!!」

    春川「次その呼び方したら殺すから」

    東条「無事に行ったようね」

    天海「ええ、お2人のおかげで」

    春川「私はなにもしてないよ」

    東条「決めたのは入間さん自身よ」


    天海「せっかくこんなに集まったし、みんなで食事でもどうっすか?」

    赤松「あっいいね!私お腹すいたよ」

    最原「僕もこの後予定ないから行くよ」

    白銀「この後の予定は………あっ、特にないや!私も行こうかな」

    春川「私がいて不快になる奴がいなければ、行ってもいいけど」

    王馬「やったー!!!天海ちゃんのご馳走になりまーーーす!!!」

    天海「奢ってもらう気満々っすか…まあいいっすけど」

    東条「ご主人様、ご一緒してもよろしいのでしょうか?」

    天海「ああ、入間さんがいなくなったからもうメイドやめていいっすよ。そういう約束っすしね」

    東条「そう……じゃあご一緒させてもらうわ、天海君」
  68. 70 : : 2017/12/27(水) 17:16:32
    そして一同は空港からレストランに移動し…





    王馬「それじゃあ!!入間ちゃんの新たな船出を祝してかんぱーい!!!!!!」

    春川「アンタが言うのは納得できない」

    東条「同意よ」

    王馬「うわぁあああああああああん!!!!!!!!差別ほど虚しいものはないよぉおおおおおお!!!!!!!!」


    天海「それじゃあ、改めて………」


    天海「乾杯っ!」











    飛行機内



    入間「…………………………」



    入間「もう無様な真似はしねえ」



    入間「あいつらから学んじまったものを忘れずに伝説になってやる」






    入間「これから!!!入間美兎伝説が始まるぜぇええええええええ!!!!!!!!」





















    キャビンアテンダント「お客様、他のお客様のご迷惑になります。お静かにお願いします」


    入間「ひぐぅ…申し訳なかったよぉ………」


















    あとがき

    今回のssには『最原達が社会人』『全員クラスメイトで仲良し』『現実の世界』などのパラレル設定をたくさん追加してしまい申し訳ありませんでした。
    タイトルと登場人物の安価が来た時にどう設定にするか迷いましてこんな風になりました。

    完結が遅くなってしまいすいません、それでも最後まで読んでくれた方がいらっしゃいましたら本当にありがとうございました!!!




    余談ですがPonasonic……ではなくPanasonicのソーラーアークが東海道新幹線の米原ー名古屋の間にあります。
    上りは左側 下りは右側に見えますのでぜひ見てみてください、立派すぎて度肝抜かれますw
  69. 71 : : 2017/12/29(金) 12:45:49
    面白かったです!
    キャラが生き生きとしていて一切の不快感なく最後まで楽しめました。お疲れ様でした(^-^)
  70. 72 : : 2019/11/01(金) 15:19:02
    どっかで調子乗って失敗するかとは思ってたが入間悪いことしてないのに嵌められててかわいそう
    こんなん悪意しかないのに王馬がさも正しいことのように説教垂れてんのもな
    特に革新的でもない卵割り機のほうが勝つのもわからん、開発部の嫉妬としか
    態度悪くても企業にとっては特別扱いするほど価値があったからあの待遇が許されてたんだろうに

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