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閑話休題のセンチメント

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  1. 1 : : 2017/04/06(木) 01:47:43

    こんばんは。


    書こうと思って書いていなかった、栄枯盛衰のセンチメントのサイドストーリーというか、そんな感じのものです。

    栄枯盛衰のセンチメント↓
    http://www.ssnote.net/archives/47199

    今日も今日とて自己満足で書いていこうと思います。

    それではいきましょう
  2. 2 : : 2017/04/06(木) 02:09:10


    日向「……七海?」

    欠如、喪失、空虚、様々な言葉を用いても言い表せない、心に空いた穴をなんと呼ぶべきか。

    七海千秋の消失は、思った以上に、俺の心に深刻なダメージを与えていた。

    アストロ・オンスロートを起動しないまま3日が過ぎ、同時に、それは俺の絶食期間でもある。

    俺は何も口に入れてないと言うのに空腹が体を蝕んでいくとは、なんとも皮肉な話だ。

    ……思えば、俺があの大会で負けたときもこんな調子だったかもしれない。

    前を向く──のはまだ難しいが、ここで終わりたくはない。

    こんなときに浮かぶのは、近くの肉屋のジューシーなメンチカツと、肉がたっぷりと入ったコロッケだ。あの店は注文が入ってから作ってくれるから、出来立て熱々の味を楽しむことが出来る。

    ひとまず、埋められる方の穴は埋めておくとして、俺は3日ぶりに外に出た。

    太陽の光が、衰弱した体を容赦なく痛め付ける。

    息を切らしながら歩いていくと、ようやく肉屋が目に入った。

    近所なはずなのに、予想以上に体力を消耗してしまった。まぁ、これも美味しく食べるためだと開き直り、肉屋の前に立って口を開いた。

    日向「おじちゃん、コロッケとメンチ1つずつ……」

    「あいよ……って!」

    日向「!」

    すると、いや、よく見なかった俺も悪いのだろうが、その声を発した人物は、おじちゃんではなく。

    日向「セレス……?」

    セレス「……!」

    セレスは顔を真っ赤にして、黙り込んだ。

    下唇と上唇を交互に噛むようにして、涙目になりながら俺に目を合わせてある。

    可愛いが、メンチとコロッケ……。

    「おい!たえちゃん!メンチとコロッケ出してあげな!それとその子にはコロッケ1つおまけ!」

    と、店の奥の方からそれを催促するおじちゃんの声が聞こえた。手の放せない作業をしているようだ。

    たえちゃん「は、はい……」

    たえちゃん、と呼ばれた人物は震えた手でメンチ1つ、コロッケ1つを取ると(おまけはくれなかった)値段を言った直後に再度口を開いた。

    たえちゃん「ちょっと話があるから……そこにいて」

    商品を受けとると、たえちゃんが猛スピードで店の奥に入っていき、しばらくすると、セレスティア・ルーデンベルクが肉屋の角、八百屋と挟まれた路地裏から姿を現した。

  3. 3 : : 2017/04/06(木) 02:24:28

    セレス「……」

    日向「……」

    気まずい沈黙。

    メンチとコロッケはセレスが支度をする間に食べ終わってしまったので、どうも間がもたない。

    だから、俺から沈黙を崩そう。

    日向「なぁ、話って……」

    セレス「……ここのお店は、餃子が完璧なんですの」

    日向「……?」

    セレス「その、餃子をよくここに買いに来るんですわ……。そうしたら、ここでアルバイトをすれば、帰りにバイト代とは別で餃子1パックを無料で渡してくださると言うのです」

    日向「……はぁ、なるほど」

    セレス「ですから、その、ここで見たことは、誰にも言わないこと……ですわ」

    日向「そんなこと言うならさ、口止め料とは言わないけど、さっきのおまけのコロッケとか……」

    セレス「……」ジロッ

    日向「……なーんて」ハハハ

    「お?そこの2人は……!」

    日向「!」

    新たに姿を現した人物は、口の端から端までにきなこ棒を詰め、それでも飽きたらず、両手いっぱいにきなこ棒を持って登場した。

    狛枝「偶然だね、どうしてここに?」

    日向「まずなんで喋れてるんだよ。それとその食べ方は危ないぞ」

    狛枝「ング……それもそうだね。この両手のきなこ棒は2人にプレゼントするよ」

    日向「……」

    いつかの光景が蘇る。

    正直、食べ飽きた。

    セレス「あら、では……」

    しかしセレスが2人分貰ってくれたので、難を逃れた。

    狛枝「それで、質問に答えてよ」

    狛枝がきなこの部分を食べきり、先端の赤い楊枝を何本も出現させながら言う。

    日向「あぁ、別に……たまたまさ」

    狛枝「ふぅん。ならさ、暇ってことでいいのかな?」

    セレス「私も、今日はもう何もありませんわね」

    狛枝「もう?何かあったの?」

    セレス「あ、いえ……」

    日向(……超高校級のギャンブラーも動揺するんだな)

    日向「っと、俺も暇だよ」

    狛枝「へぇ……じゃあさ、アストロ・オンスロートでもしない?」

    日向「!」

    セレス「あら、いいですわね。このメンバーでやるのも久しぶり……」

    日向「いや、俺は……」

    狛枝「いいじゃん日向クン。やろうよ」

    日向「……」

    断りきれず、俺は2人の後を着いていく。

    七海がログインしなくなって、何日経つ?

    最初は体調が悪いのかと思ったが、今は、もう。

    ……なんとなく、アストロ・オンスロートも敬遠していた。

  4. 4 : : 2017/04/06(木) 02:38:12

    過去の栄光と言うか、優勝してからというもの、俺と七海はずっと2人で、あの世界で文字通り無双してきたつもりだ。

    七海の消失は、俺の栄光の消失であり、あいつのいない世界で、俺は輝き方を知らない。

    日向(目指すところも、もうないし……)

    前を歩く2人にしたって、トップクラスの実力者であることに変わりはない。

    だから、こう、前みたいに燃えることもない、というか。

    狛枝「……ついたよ」

    日向「! おう」

    ここは、頻繁に利用していたネカフェだ。

    3人グループで、ひとつの部屋を借りた。

    日向「あと3人は?」

    狛枝「連絡つけておいた。苗木クンと霧切さんと戦刃さん」

    日向「ふーん、耐久力のあるバニッシャーいないのキツくないか?」

    狛枝「ま、なんとかなるよ」

    と、それぞれがアストロ・オンスロートを起動し、久しぶりに、本当に久しぶりに俺は、ダイブした。

  5. 5 : : 2017/04/06(木) 02:52:10


    一方、時は少し遡る。


    大門「あー、アストロ・オンスロートやりてぇ~」

    新月「あと1人足りないね……」

    蛇太郎「盾子お姉ちゃんもいないし、アテがないよ~」

    空木「うぅん、キャワイイお姉さんでも通りかかればいいんですが……」

    モナカ「あーー!キャワイイお姉さん!天才で希望に溢れた絶望的に優しいお姉さ~ん!」


    こまる「……」

    こまる「ねぇ、それって絶対私に言ってるよね……。手伝おうか?」

    空木「え!聞こえてしまいましたか!?」

    新月「すみません。決してそんなつもりはなかったのですが……お言葉に甘えさせてください」

    こまる(うわ、最近の子はたち悪いなぁ……)

    大門「ねーねー、アストロ・オンスロートは知ってる?」

    こまる「うん。お兄ちゃんがやってるし、たまにやらせてもらうよ!」

    大門「へー!じゃあお姉さん、一緒にやろ!」

    こまる「うん、まぁ暇だしいいかな……」

    新月「では、こちらへ。ネカフェの予約は済んでます」

    こまる「え、小学生だけで……?」

    新月「そこで、保護者のあなたが登場」

    こまる「なるほど……(って、私5児の母に見られるってこと!?見た目そんな年とってないと思うけど……)」

    無事受け付けを終え、私たちは5人でひとつの部屋を借りた。

    そして、アストロ・オンスロートを起動したところで、編成を考える。

    モナカ「モナカはオペレーターなのだ!」

    大門「俺ストライカー!」

    新月「僕はスナイパー」

    蛇太郎「ジャマー……」

    空木「ジャマー!」

    こまる「えっと、シーカー……しかやったことないかな」

    大門「うわ、つまんね」

    こまる「ダジャレじゃないよ!?」

    モナカ「ふーん。バニッシャーなしねー」

    大門「大丈夫大丈夫!なんとかなるって!」

    大門「それじゃ!試合開始ぃ!」
  6. 6 : : 2017/04/06(木) 03:07:29


    【未来都市】

    【天候:晴れ】


    《編成》
    シーカー
    シーカー
    ストライカー
    ジャマー
    スナイパー 

    《対戦相手の編成》
    ストライカー
    ジャマー
    ジャマー
    スナイパー
    シーカー


    日向「お互い変な編成だな」

    狛枝「バニッシャー無し同士なら、相手のバニッシャー崩す手段考えなくていいから楽だね」

    苗木「ジャマー2体かぁ……戦いにくいね」

    セレス「スナイパーさんが働いてくだされば、問題ありません」

    戦刃「大丈夫……必ず勝つから」

    霧切「相手のスナイパーを先に落としましょう。そうすれば動きやすいわ」

    日向「ジャマー放置?」

    セレス「シーカー2体でスナイパーを撹乱、ストライカーとジャマーで相手のジャマーを見つつ、スナイパーがどちらも狙えるという状況にしましょう」

    狛枝「未来都市は最近のアップデートで追加されたステージだけど、日向クンわかる?」

    日向「まぁ、地形くらいは。ギミックが怪しいな」

    苗木「動く床と、高速で飛行してる電車に注意だね。巨大でいびつな……頂上が玉ねぎみたいな形をしていて、塔の側面から帽子かけみたいな突起が幾つか出てるところが中心なのはわかるよね。立体感のあるステージだから、上とった方が有利だね」

    日向「なら初っぱな俺と苗木で崩しに行くか。戦刃が近接戦闘も出来るから、一人で上目指してればいいかな」

    戦刃「ん、それでいい」

    日向「じゃ、試合開始だ!」
  7. 7 : : 2017/04/06(木) 03:25:44


    ━━━━━━━━━━ 


    かつてドラえもんの映画で見たような、未来の都市がそこにあった。

    中心となる塔と、回りを囲むように宙を走る電車。

    塔から出た、空に向け反り返っている突起は、足場としては充分。それを登っていくのだと容易に理解する。

    さて、降り立った地上には特に何もなさそうで、地形自体は市街地とそう変わらない。ショッピングモールが塔なだけ。

    ただ、少し狭い。故に塔の天辺をとってしまえばかなり有利という情報は信憑性が高い。

    日向「よし……いくぞ」

    ゴォッ……

    予定通り、俺と苗木が高速移動で奴等の出鼻を挫かんと進む。

    狛枝から受け取ったボムが、それぞれの片手で機を狙っている。

    ──と、すぐに見つけた。

    地上にいるあれはストライカー、スナイパーか。

    他の機体は?

    セレス「塔を目指しています。どうやら、足の速いシーカーとジャマーを先に行かせ、ストライカーはスナイパーの護衛をしながら塔を目指す機体を挟み内にしようという腹ですわね。ストライカー、あれは剣というより……」

    ドリル。それも両方。

    あれでは物を持つことも出来ないだろうが、代わりに、一度攻撃をくらえば逃れることは不可能だろう。

    日向「なるほどな……。ボムのタイミング、セレスの指示で」

    セレス「承りましたわ」

    そして2人は、速度を保ったまま近づいていく。


  8. 8 : : 2017/05/01(月) 18:18:08


    モナカ「新月くんと大門くん!右から敵襲なのだ~!」

    新月「右!」

    大門「おうっ!」

    2人が振り向くと、2体のシーカーが視界に捉えられた。

    新月「シーカーか。狙いにくいところぶつけてきたな」

    大門「俺が両方ぶっ倒す!」

    ギュオン!

    言うが早いか、大門の乗るストライカーが飛行するシーカー2体に正面から直進した。

    新月「はぁ、正面からは重なるから余計狙いにくいよ」

    渋々、新月は移動する。あわよくば合流し、叩けるよう塔の方向に。

    日向「苗木、そっち見てるぞ」

    苗木「うん。援護お願い」

    さて、対峙する2体と1体。

    大門(どっちも片手を隠してる……。何か持ってるな)

    大門「新月、何持ってるかわかるか?」

    新月「見えないね。うまく隠してる」

    大門「ちっ、あいつらヒキョーだな!ぶっ潰す!」

    キュィイイイイン……!!

    両手のドリルが唸りをあげ、狙いを片方のシーカーに定めると、瞬間、蹴り飛ばされた空はストライカーに速度を与え瞬く間にその距離を詰めさせた。

    対して、何もしないシーカーではない。ないが、目前で螺旋を描く両手が提示する選択肢は、何にせよ回避を強要させる物だった。

    思考がスタートを切った時、初撃。ストライカーの左手が伸びた。

    回避し、片方のストライカーと合流することを嫌う動き。身を翻したシーカーは傷を負うことなく滞空する。

    二撃。シーカーはすでに選択を終え行動に移っていた。

    激しく回転し火花を散らすその腕は、そのまま横凪ぎに払われようとする。

    ──叶わぬとも知らずに。

    大門「!」

    大門の乗るストライカーから見える景色が目まぐるしく変化していく。

    大門「おい!なんで撃たねえんだよ!」

    新月「高速移動中のシーカーなんか撃てるの、世界ランカーくらいだぞ!」

    やがてうつ伏せに落下し、ひゃげたコンクリートから土の味を知ると、動きは止まった。止まったから、動かない。

    否、動かせない。

    日向「腕のドリルが仇になったな」

    誰が動かせるだろう。組み伏せているのは他の誰でもない、世界の頂点だと言うのに。

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namazun

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