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…死にたい

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  1. 1 : : 2017/04/04(火) 01:53:51
    おそ松の初SSです。
    十四松と一松のお話です。
    短編です、それでも良かったら、
    よろしくお願いします!
  2. 2 : : 2017/04/04(火) 01:59:54
    今日も暇な日常が訪れる。

    僕はいつものように片手に猫じゃらしを持ちながら、最近仲が良くなった猫と遊んでいた。

    いつも通りの日常。
    何一つ変わらない、この風景。

    僕と同じ顔が五つもあるこの風景をもう20数年見ていることになる。
    よく飽きないものだ…。

    いつも馬鹿なことを考えている、
    小学生みたいなおそ松兄さんは何回も読んだことがある漫画へと目を向け、

    痛い発言で見ているだけで吐き気がするクソ松…もとい、カラ松にぃさn…、いや、やっぱクソ松でいいや、クソ松は相変わらず自分の糞つまらない顔をジロジロ見て、キモいポーズを取っている。…あぁ、キモ…。

    兄弟の中で1番まともな四男のチョロ松兄さんは最近になって、焦り始めたのかタウンパークとかいうバイトの雑誌を熱心に眺めている。まぁ、本当に働く気があるのかどうかはよく分からないが…だって、シコ松だし…ヒヒッ…。

    その隣には携帯で女の子と連絡を取り合っているのだろうか、末っ子のトド松が座っている。もし、本当に女の子と連絡を取り合っているのだったら、後で皆でぶち殺すことになるが…。


    ふわぁ…ねむ…。
    に、しても…アイツ今日は居ないんだなぁ。


    にーいさーーん!!
    一松兄さーーーん!!
    やきうしよう!ねぇ、やきう!!

    居ないと思った瞬間コレだ。
    やはり奴は居たのだ。

    その証拠に僕の背中に誰かが飛び乗っている。
    そのせいで、さっきまで遊んでいた猫は外へと出て行ってしまった。

    「チッ…十四松…、
    猫…どっか行ったんだけど…。」

    「あ!!兄さんごめんね!!
    猫…どっか行っちゃったね…!」

    まぁ、いいけど…。
    と、一応言っておく。

    「っていうか、…どいてくんない?
    思いっす…。」

    ごめんねぇー!!!

    相変わらずの眩しい笑顔だ…。

    こんな眩しい十四松と、
    ゴミみたいな見ていると
    胸糞悪くなる僕、一松。

    同じ兄弟なのにこんなに違うんだな…。
    と、つくづく思う。

    「…で?野球したいの?」

    丁度、退屈していたところなので、
    十四松に答えてみた。

    「うん!やきうしたいの!!
    え!?兄さんしてくれるの!?」

    あぁ、うん…いいよ、別に。

    僕がそう言うと十四松はまたあの笑顔で笑った。

    わぁーい!!
    そうと決まればぁぁ!?
    ハッスルハッスル!!
    マッスルマッスル!!

    と、大声で支度を始めた。

    「兄さーーん!!
    準備おっけーすかっ!?!?」

    「…うん…いいよ。」

    僕と十四松は家から少し歩いたところにある、河川敷へと向かった。

    僕は結構、散歩に行くし、
    トッティーみたいにジムとかは行かないけど、一応身体は動かしている。

    なので、いつもはこういう近いところじゃなくて、もっと遠いところに行ってるから、この河川敷は久しぶり行くのだ。

    いつものように猫を探しながら、
    猫背で歩く。

    そんな僕の地味な雰囲気と異なり、
    十四松ときたらスキップしながら歩いている。

    「…ねぇ、成人済みの男がそんなことして、…お前、恥ずかしくない?」

    「え!?どこがぁ!?
    別に僕の勝手だと思うけどね!!
    他の人の目なんかどーでもいい!」ニパー

    ハッ…相変わらずの楽天家だことで…。

    「あ、そう…。
    僕はお前と一緒に居て、
    恥ずかしいんだけど?」

    「アッハハハ!言うねぇ、兄さん!」

    …ほんとはそんなこと思って無いくせに。

    え?

    何かが聞こえたような気がして、
    僕は立ち止まる。

    十四松?お前、さっきなんか言った?

    僕の立ち止まりと、声が聞こえたのか
    十四松は立ち止まった。

    「えー?何か聞こえましたぁ?
    僕、なーんも言ってないけど?」

    あいにく、顔があちらに向いているので
    十四松の表情が分からない。

    …はっきり言おう。
    多分…1番闇が深そうなのは…
    …十四松なのだ。

    僕はなんとかその場を誤魔化した。

    「あ、気のせいだった、…ごめん。
    …行こうか。」

    「うんうん!気のせい!!
    早くやきうしようー!!」

    そういう十四松に任せて、
    僕達は河川敷に着いた。

    いつものように僕はバットに縛り付けられ、思いっ切り振られる。

    この気分の悪さに吐き気をもよおしながらも、僕はドMなので悪い気はしない。
    いや、寧ろご褒美だ。

    「1195!1196!1197!!…」

    やっと2000回に到達したところで、
    僕達は帰ることにした。

    もう、クタクタだ…。

    「たっだいまぁー!!」

    「…ただいま。」

    お馴染みの和室の襖を開けると、
    ……誰も居なかった。

    「…え?皆、どこ?」

    「あっれぇ~!?皆どこだろね!!」

    ふと、卓袱台の上にある紙に目が行った。

    十四松を呼び、紙切れを見てみる。

    【ちょっと出掛けてきます、
    明日には帰ります。by家族一同】
  3. 3 : : 2017/04/04(火) 11:54:55

    …は?いや、なんで…?
    いや、僕達だけ置いていくってなに?
    え?新手の放置プレイ?笑えねぇよw

    っていうか、シコ松兄さんが居ないせいで何故か僕がツッコミ役になってるよ!
    ハッ…コレはやばい…。

    おい、これどうすんだよ…。

    もし一夜過ごすのに、違う奴だったら…

    おそ松兄さんなら…僕の金をかっさらって、パチンコや飲みに行くだろうし

    クソ松なら…チッ…考えたくもない…

    チョロ松兄さんなら…特に害はないし、
    一番の安全圏か…

    トド松なら…いや、コイツも害はない

    と、なると…十四松は…

    そう思い、チラリと十四松の顔を確認する。

    「へぇー、今日は一松兄さんと2人きりなのかぁ!!
    ま、なんとかなりまっする!」ニパー

    …大丈夫なのか?心配だ…

    でも僕は一応コイツの兄だ。
    しっかり見てやらないと…

    「十四松…?夜ご飯どうする?」

    「んーとね、出前とる!?!?」

    …いや、金がない。却下だ。

    「じゃあね!んーと、外食!!」

    だから、金がないってば…

    「ハァ…仕方ない、僕が作る。」

    「え!?兄さん、料理出来るんすか!?
    スッゲェ!!わぁーい!!
    兄さんのご飯!!!」

    十四松は余程嬉しかったのだろうか、
    家中を走り回っている。

    ここにチョロ松兄さんが居たなら、
    即怒っているのだろうが、今日は居ない。

    ハァ…よりによって十四松だよ…
    まったく…皆も理不尽だ…

    …僕みたいなゴミと一緒に一夜過ごすなんて、十四松が可哀想だ…

    僕はゴミ…いらないゴミ…、
    皆にとって要らない存在、
    死んでも皆は…

    「…さ…ん、にい…ん、兄さん!!
    聞いてますか!?!?」

    ハッ…と気が付くと、
    いつの間にか十四松は横に立っていた。

    ちょっと怒り気味なところを見ると、
    かなり呼んでいたのだと言うことが見てわかる。

    皆、十四松の表情は変わらないし、
    いつも笑っていると思っているが、
    僕だけはわかる。
    怒ってるとか悲しんでるとか…
    十四松の顔を見ると分かってしまう。

    「…ご、ごめん。なに…?」

    「あのね!なんのご飯作ってくれんだろって思って!」

    あぁ、そんなこと。
    ちょっと待ってて…

    僕はそう言い、冷蔵庫を開ける。

    「十四松…肉食べる?」

    「肉!?肉っすか!?
    食べたい!!
    食べたらホームラン打てる!絶対!!」

    十四松の喜ぶ顔を見ると、
    とても温かい気持ちになる。

    コレが何かは分からないけど…。

    「…じゃあ肉系の物…作る。
    十四松は風呂入ってきたら?
    …結構、汚れてる。」

    分かった!!
    と、素直に聞き、十四松は風呂へと入っていった。

    「…ふぅ、よし、仕方ない、やるか…」

    アレから30分ぐらい経って、
    ようやく出来上がった。

    料理はクソ松の次に上手い方なので、
    自信はある。
    十四松の口に合えばいいのだが…

    「…お待たせ。」

    意外にも十四松は大人しくリビングで待っていたようだ。
    …窓ガラスが割れているのは、気にしない。

    「こ、コレは……
    は、ハンバーグじゃないっすかぁ!!
    僕、ハンバーグ大好き!!
    ありがと、兄さん!!」

    「…ん。どう?美味しい?」

    十四松が口に入れたところを見て、
    僕は感想を聞いてみた。

    「ん、ん、ん、んっまぁ!!
    流石は兄さんですなぁ!!
    ほんま最高っすわぁ~!」

    「ほんまかいな…、嬉しいわぁ。」

    十四松のノリに合わせ、
    僕も反応した。

    そして、つられて僕も口に入れる。

    「…ヒヒッ…上出来。」

    んまぁ!んまぁ!
    と、絶賛している十四松を見て、
    自然と顔が綻ぶ。

    それからは2人で馬鹿な会話をしながら、
    ご飯を食べた。
  4. 4 : : 2017/04/04(火) 14:39:16

    十四松が布団の用意をしてくれると言うので、僕は風呂に行くことにした。

    いつもは銭湯だけど、
    どうせ2人だし別にいいよね。

    チャポン…と、湯船に浸かる。

    と、同時に…来てしまった。

    …鬱が…。

    …死にたい、死にたい、
    もうどうしよもなく死にたい。

    この状態の僕を助けてくれる人は居ないと思う。

    前にチョロ松兄さんにこの状態を見られ、
    自殺しようとしたところを止められたことがある。

    その時の僕は手が付けられないと言うことを知った。

    もし、ここで十四松が来たら、
    何をしてしまうのかが分からない。
    …怖い。

    でも、死にたい。死にたい。
    死にたくて仕方が無い。
    僕みたいなゴミ、生きててもしょうがない。
    うん…死のう。

    僕は風呂から出て、パジャマに着替え、
    台所へと向かった。

    確か包丁があったはず。
    それで、突き刺せば…ヒヒヒ…。

    僕は包丁を手にする。
    自らの肉体へと振り下ろそうとした瞬間、
    包丁が弾き飛ばされた。

    「…え?」

    ガシャンと音を鳴らしながら、
    包丁が床に落ちる。

    弾き飛ばされた方向の逆を見ると、
    今まで見たことがない、
    十四松の真顔が見えた。

    「…十四松?お前が…」

    「……。」

    十四松は黙って僕の顔を見ている。

    「お前が…邪魔したの?
    あと、ちょっとだったのにさぁ。
    あともうちょっとで…死ねたのに!!!」

    それでも黙っている、十四松が気に食わず
    胸ぐらに掴みかかった。

    「テメェ、十四松!!
    聞こえてんのか!?アァ!?」

    パンッ…と、右の頬に衝撃が走った。

    「は…?」

    今までずっと黙っていた十四松が口を開く。

    「…一松兄さん。
    兄さんって、バカなの?」

    いや、予想外すぎて、
    反応に困るやつだ。

    「なんで、死にたいなんて考えるの?」

    それでも十四松は喋るのを止めようとしない。

    「死んだらもう誰にも会えないんだよ?
    僕達にもう一生会えないってことなんだよ?
    悲しくないの?寂しくないの?」

    「…寂しくなんて、ない。」

    僕がそう答えると、
    そっか…と、十四松は俯く。

    やがて、静寂が訪れ、
    十四松の体が震えていることに気が付く。

    「え、十四松?どうかした?」

    「…僕、僕はね…、兄さん。
    …悲しいよ。」

    ビクッと体が反応するのが分かる。

    「僕はまだ兄さんと喋りたいし、
    笑いたいの…、ダメなのかなぁ…」ヒック…グスッ

    「十四松…お前…」

    僕はなんてことをしてしまったのだろうか…。

    自分なんて生きている意味がないと思っていた。

    生きていても誰の得にもならないし、
    死んでも誰も悲しまないと。

    しかし、どうにもそれは間違っていたらしい。

    …僕が死ぬことで、
    …泣いてくれる人はちゃんといた…。

    「…ごめん、ごめんな、十四松…」ギュッ

    僕は十四松を抱きしめる。
    泣かないで…と、言いながら、
    強く、強く…。

    「いっ、いったいよ!兄さん!!」

    「…ヒヒッ…ごめん。」

    十四松はようやく泣き止んだのか、
    またいつもの笑い顔に戻っていた。

    やっぱりお前はその方がいいよ。十四松…

    「…じゃあ、そろそろ寝る?」

    「あい!寝やしょう、兄さん!!」

    今夜は僕と十四松の2人だけだったけど、
    なんとか過ごせた。

    『おやすみ…。』

    僕達は深い眠りについた。
  5. 5 : : 2017/04/04(火) 16:58:25

    おそ松「あー、つっかれた!!
    全く、アイツら2人だけ置いていってほんとに大丈夫だったのかよ。」

    一夜が経ち、おそ松らは自宅へと帰って来た。
    おそ松はおそ松なりに、2人のことを心配しているようだ。

    チョロ松「大丈夫じゃない?
    一松、お前と違ってしっかりしてる方だし。」

    そんなおそ松の心配を気にせず、
    当然とばかりに毒舌を吐く。

    カラ松「フッ…俺もしっかりしているぞ。サンサンと降り注ぐあの太陽のようにな。」

    お馴染みのサングラスを掛け、
    いつもの決めポーズ。

    おそ松「ハァー!?しっかりしてますよ!
    だって長男だもん!!」

    チョロ松「はいはい、長男、長男。」

    カラ松「…え?」

    カラ松の話を聞いてくれず、
    2人で話を続けているところを見て、
    カラ松は戸惑うしかない。

    トド松「もー、クタクタだよ。
    ちょっと寝てくる~。」

    そう言ってトド松は2階の部屋へと行ってしまった。

    暫くして慌ただしい足音をならしながら、
    トド松は階段を降りてくる。

    トド松「皆!!ちょっと来て!!!」

    おそ松、カラ松、チョロ松『は?何(だ)?』

    トド松「良いから来てぇ!!」

    半ば無理やりに2階へと連れて行かれる一行。

    そこで目にしたのが…

    おそ松「ハハッ…マジかよ。」

    カラ松「oh…ブラザー…。」

    チョロ松「わぁ…凄いね。」


    最高に幸せそうな顔をして十四松と一緒に寝ている、一松だったとさ。
  6. 6 : : 2017/04/04(火) 16:58:50
    以上で終わりです。
    感想を聞かせて貰えると嬉しいです。
  7. 7 : : 2017/04/04(火) 17:00:39
    とてもよかったよ
    同じ、おそ松ファンとして楽しめました笑
    これからも期待!
  8. 8 : : 2017/04/04(火) 17:02:35
    >>7
    ありがとうございます!
    期待もありがと!!!
  9. 9 : : 2017/04/05(水) 21:12:36
    凄い!!最高!!!おそ松さんに関してはにわか程度の知識だけど最高!!!!
  10. 10 : : 2017/04/06(木) 00:35:49
    >>9
    それは良かった!!
    ありがとう!!
    お気に入りもありがとうございます!!
  11. 11 : : 2017/04/08(土) 16:34:13
    あんまりおそ松さん知らないけど、面白かった~(*´∀`*)
  12. 12 : : 2017/04/08(土) 18:20:39
    >>11
    知らないのに読んでくれてありがとう!
    お気に入りまでしてくれて、嬉しいです!
  13. 13 : : 2017/04/15(土) 01:41:17
    おもしろかったー( ´∀`)
    最後の自殺止めるのとか…十四松…Niceスペル心配ダァァァ
  14. 14 : : 2017/04/15(土) 10:09:51
    >>13
    面白いって言ってくれて嬉しいですー!
    スペル…?
  15. 15 : : 2018/12/04(火) 23:38:49
    十四松……………めっちゃいいやつですやん…

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