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私の仕えるお嬢様は。

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  1. 1 : : 2017/03/15(水) 21:17:40
    ※注意※


    ・設定崩壊、完全オリジナル

    ・女装とか何だとかに耐性の無い方は閲覧注意


    ・暇になったら更新するので遅い



    よろしくお願いします
  2. 3 : : 2017/03/16(木) 23:34:23
    「…」


    目の前に聳え立つのは、周りの景色にそぐわない大きな洋館であった。外壁には緑色の蔦が張り付き、その外壁は美しくも見慣れないレンガ造りで、小さめだけどバラ園まである始末。

    見るだけならいいけど、入ってみたいとは思えない。だって、普通の街中にこれを建てる人と相容れるとは思わないから。


    …でも、何を隠そうここは私の新しい勤務先。嫌でも入るしかないのだ。


    まぁ二、三日前にも一度来ているのだけど。


    そんなことを考えながら、細かな模様が付けられた金色の門を押して、玄関まで続くクリーム色の石畳アプローチを踏んでいく。



    そもそもに、何故私がここで働くことになったのかというと。


    もともとの私の職場は、町外れにあるこじんまりとした洋菓子のお店だった。


    店長の森嶋さんというお婆さんは、開業してからというもの40年も一人で店を切り盛りしていた。

    しかしここ数年腰を悪くしたためにアルバイトを募集することとなり、少しお金が要りようだった私は働いてみることにした。


    最初はクッキーもまともに焼けなかった私だが、それからは森嶋さんに教わって少しづつお菓子作りの腕を上げていった。でも森嶋さんの腰の容態は芳しくなく、つい一週間前に店先に立てなくなった。

    いくらきちんと火の通ったクッキーを焼けても、まだ半人前である私一人で店を続けられるわけも無く、洋菓子店は一時休業となった(個人的には森嶋さんがまだ店を続ける気ということに驚いたが)。



    そうしてアルバイトとはいえ職を失った私だが、森嶋さんにとある頼みごとをされる。


    内容は『姪の息子の様子が心配なので、見に行って欲しい』とのこと。


    姪夫婦の家は何でも新幹線で数時間かかるほどの遠くにあり、以前は年に数回通っていたが、腰を悪くしてから行けていないので心配らしい。

    『引き受けてくれれば、待遇のとてもいい職場に伝手があるから紹介する』と森嶋さんが言うので、まぁ見てくるだけならと店を続けられなくなった腰の悪いお婆さんに善行を働く気持ちで、行ってみたのである。




    …私は、森嶋さんが何故姪の息子をそんなにも気にかけるのか、『きっと子供も孫も居ないから唯一可愛がれる存在が心配なのだろう』くらいに思っていた。


    しかしそれは間違いだと知ることになる。

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