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イフ 〜if〜 第二次世界大戦

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  1. 1 : : 2017/03/13(月) 11:15:04
    「来島ァ!撤退命令だ!!」


    「なんだと!?俺たちの部隊はまだ1人も死んじゃいないぞ!どういうことだ!!」


    「後方部隊が一個師団丸ごと潰されたらしい!!もう銃弾も何も届かん!!」


    「…………くっ。仕方ない!!一時撤退だ!!」






    時は1943年。ミッドウェー海戦にて日本が大敗し、ジリジリと追い詰められ始めた頃。

    中国大陸では、快進撃が続いていた。

    1936年には南京が陥落。

    6年後の1942年、ついに北京も陥落。蔣介石とその残党はチベットまで追い詰められ、ゲリラ戦を繰り広げていたが、もはやそれにはほとんど意味は無

    かった。

    中国大陸には3個師団を置き、インフラ整備をしつつ、ゲリラを鎮圧する任務が課された。

    中国大陸での戦争で勝者となり、8年も日本本土へ帰っていない者たちには、本土へ帰るか、それともまだ国のために戦うか、の2択が出された。
  2. 2 : : 2017/03/14(火) 15:31:14
    半分ほどの兵が本土へと帰ったが、残りの半数は戦う方を選んだ。

    戦う者のほとんどは独身者であった。

    来島は周りが9分9厘独身者で、かつ一等兵程度の周りと比べ、かなり異質な部類に入った。

    まず3人の子供を持ち、階級は部隊長だが、その中でも一等敬意を払われていた第一部隊部隊長であった。

    そしてさらに、父は日清・日露戦争当時の近衛兵、母は皇族出身というサラブレッドだった。

    当初は来島は5年の前線勤務の予定だったのだが、彼の上司、加藤が引き止めたためさらに4年間、勤務を延長された。




    「どういう事ですか、加藤大隊長!!どうしたら一個師団が全滅などということになるのですか!!」


    「イギリスに不意を突かれた」


    「っ………なぜイギリスが今頃………?」


    「どうやらアメリカにそそのかされたようだ。いよいよ戦況がキツくなってきやがった。来年にはお前も本土へ帰っちまうしな」


    「…………。もう一度延長を頼みます!!」


    「ダメだ。さすがに2度は認められんだろう」


    「やってみなきゃわからないじゃないですか!!」


    「分かる。…………もういい。今日はもう下がれ」


    「………はい」

  3. 3 : : 2017/03/15(水) 10:10:35
    〜日本軍総司令部〜

    ー富士山山頂ー


    「申し上げます!!サイパン島にて交戦中だった3個師団の内、1個師団がイギリス軍によって壊滅しました!!」


    「な、なんだと!!?」「その情報は確かなのか!!?」


    「総司令。作戦変更は止むを得なくなりましたね」


    「…………当初の作戦通り行きなさい」


    「なっ………」


    全軍統帥権を委任されている、軍最高司令官のあまりの考えの無さに全員が言葉を失った。

    その時である。


    「総司令!!秘密兵器が出来上がりました!!」


    「ちょうどいい。皆さんにも見てもらいましょう」
  4. 4 : : 2017/03/16(木) 19:55:15
    〜長野県、山中〜

    「そ、総司令…………一体これは………?」


    「白戦というコードネームの戦闘機です。最近前線の方から零戦の品質が下がってきているという報告を受けたので、作らせました」


    「しかしそれは多少はしょうがないという結論に達したのでは?最近は鍛冶屋の数もいませんし、何より鉄が少ないのですから」


    「ええ。一度はそういう結論に達しました。しかし、何もしないよりかは、と考えたのです」


    「し、しかしこの戦闘機は小さすぎませんか?」


    そうである。白戦という名の戦闘機はあまりにも小さすぎた。零戦を2回りほど小さくしたぐらいの大きさである。

    人はおそらく乗ることができないであろう大きさであった。


    「当然です。この戦闘機には人は乗らないのですから」


    「なっ……………。で、でしたらどう動かすのですか!!」


    「この戦闘機にはプログラム装置があるので、目標を入力させればその地点へ特攻します」


    「し、しかしそれでは海軍などは潰せないのでは………?」


    「いいえ、これは海には使いません。陸に使うのです」
  5. 5 : : 2017/03/17(金) 10:23:21
    〜サイパン島〜

    「本日本部より緊急連絡があり、我々2個師団は本土へ帰還する事となった!!」


    「「「なんだと!!?」」」


    最前線であり、かつ陥されれば本土が危険ということで、サイパン島には戦闘体験者が多く送り込まれていた。

    その兵士達が思わず声を上げてしまった。


    「静粛に!!いいか、2度は言わん。今すぐ荷をまとめろ。本日中には完全撤退する」


    「今日いきなりですか!!?」


    「2度は言わんと言っただろう。さあ、今すぐ荷をまとめろ!!」


    それだけ言うと、北条軍司令官は壇上を降りた。




    「加藤大隊長!!撤退とはどういう事ですか!!」


    「…………?お前は聞いてるんじゃないのか?」


    「はっ?何の事ですか?」


    「どういう事だ………………?まあいい。ここでは理由を明かせん。本土へ帰ったら話が有るだろう」


    「い……言っている意味が分かりませんが!!?」


    加藤は完全にこれは黙殺した。



  6. 6 : : 2017/03/17(金) 13:12:05
    〜総理官邸〜

    「完全撤退は進んでいるな?小林軍総司令官」


    「はい。すでに千島列島からは続々と帰って来ております。太平洋上の島々も、明後日には完全撤退される見通しです」


    「そうか………。となると、最短で3日後には攻撃を開始できるな」


    「一応はできます。ただ、実験運用などもしなければならないので、1週間後から本格的に攻撃を開始します」


    「分かった。それについては君に全てを任せている。好きなようにしろ」


    「それではこれで失礼します、東條首相。準備もありますので」




    〜サイパン島〜

    「全く………どういうことだよ」
    「もう少し訳を話してくれてもいいんじゃないか?」
    「そうだそうだ」


    不満が溜まっていた。
  7. 7 : : 2017/03/18(土) 15:53:29
    ーーーーー1週間後ーー

    〜ワシントン〜

    「大統領、大変です!!戦闘機100台に奇襲され、太平洋の島々のほとんどは日本の手に渡りました!!」


    「な……なん………だと………?」


    「失礼します、大統領!!和平勧告が送られてきました!!」


    「み、見せろ!!」


    大統領は手紙を秘書の手からむしり取って読み始めた。


    ーー

    拝啓、米国大統領殿

    さて、あなたの国の元領土は我ら大日本によつて征服され、米国本土の生命も危ふくなつております。

    この辺りで講和を結ぶことは、我ら両国にとつて最善策であると考えます。

    次の条件をお飲みくだされば、日本軍は撤退いたします。

    1つ、 ハワイ島、サイパン島、フィリピンには例外として軍の駐屯を認めること。

    2つ、 すべての軍需物資を日本軍に引き渡すこと。

    3つ、 連合国から脱退すること。

    4つ、 米国国内で生産される作物と鉱物を優先的に日本国へ売ること。

    5つ、 矛先を変え、日本国、独国側に立ち、参戦すること。

    以上。

    この条件をお飲みいただけなくば、攻撃を再開いたします。

    ーーー

  8. 8 : : 2017/03/19(日) 14:14:38
    〜総理官邸〜

    「今回のこの講和、受諾してくれるといいですね」


    「ああ。だが、おそらく向こうは呑まんだろう」


    「……えっ?」


    「アメリカ………ひいてはヨーロッパの国々は、我々黄色人種を猿としか思っていない」


    「ああ………イエローモンキーですね。聞いたことがあります」


    「そうかね。私はその言葉を投げつけられたことがある。近衛内閣で外相をしていた時だった。アメリカ人に言われたよ」


    「イエローモンキー!!……と?」


    「ああ。話は戻るが、アメリカ人は自らの民族性に誇りを持っている。何としても黄色人種なんぞに負けてはならない、というね」


    「しかし、相手はあくまで国です。誇りよりも実利を見るのでは?」


    「……君は聞いたことがあるかね?『人間ならば誰にでも全てが見えるわけではない。多くの人は、みたいと欲する現実しか見ない』」


    「ユリウス・カエサル………でしたっけ?」


    「そうだ。アメリカの指導者はバカだ。現実を見るなんていうことは到底無理だろう」


    「そうかもしれませんが………」


    「まあ、もしもの話を始めたらキリがない。今は結果を待とう」

  9. 9 : : 2017/03/20(月) 17:14:02
    〜ワシントン〜

    「断固、戦うべきだ!!イエローモンキーなんぞに負けてはいけない!!」

    そうまくし立てているのは過激な説で知られるドランプである。


    「我々を守るのはもはやハワイ列島しかない。アメリカが焦土と化すのは目に見えている。外交戦を開始すべきだ」

    そう言っているのはその他の主だった重臣たちである。

    その議論は三日三晩続き、結局大統領は講和を結ばない方向へ傾いてきた。

    なぜならば、彼の妻は極右政党の幹部であった者の娘であるからだ。

    妻に毎晩日本人の愚劣性について語られ、だんだんと右傾化してしまったのである。

    そして4日後の朝、大統領は戦闘再開の決断を下した。。
  10. 10 : : 2017/03/21(火) 21:19:12
    〜総理官邸〜

    「東條首相!!アメリカから通達です!!」


    「なんと言ってきましたか?」


    「せ、戦闘再開………とだけしか………」


    「分かりました。……………小林総司令官に例のサインを出しなさい!!それから、来島部隊長、あれを3階級特進させ、一個師団を率いさせ、ロシアへ侵攻させてください!!」




    「……そういえば首相、前回の作戦時に、白戦は使いませんでしたね。なぜです?」


    「決まっているでしょう。一挙にカタをつけるためです。小林総司令官にはサインを出したら、白戦千台をアメリカ本土へ攻め込ませるよう言っておきました」


    「せ………千台!!?どこでそんなに大量の鉄が………それに何よりも、そんなに大量のもの飛ばすには優秀な人材が大量が必要なハズ………。どうやって?」


    「鉄はロシアからの横流しです。それと、優秀な人材は中国から集めました」


    「ろ…ロシア!?しかしさっき、進行させるようにと………」


    「あれは国際社会へのデモンストレーションです。ロシアが後退し、アメリカも風前の灯となれば、国際社会は一気に日独に有利に変わります」


    ーーー

  11. 11 : : 2017/03/26(日) 00:48:27
    ~ワシントン~

    「迎撃準備を取れ!!何が来るのやら分からん!!ハワイにはいま何個師団が駐屯してる!!」


    「5個師団ほどです!なにが来ようとも、絶対に撃退出来ます!!」


    ~ハワイ島~

    「な………なんだあの戦闘機は………?」


    「小さすぎる………それに、人が乗っていないぞ…………?」
  12. 12 : : 2017/08/04(金) 01:07:45
    こういうの始めてみた気がする
    歴史面白いから良いですね!
    頑張ってください
  13. 13 : : 2017/08/16(水) 17:04:12
    このまま葬り去りたかったんだがな……………
    まあ書くか。






    〜ワシントン〜

    大統領公邸

    駆け込んでくる大統領秘書。

    そして彼は、驚きの報告をした。

    「ハワイ駐留軍が総壊滅!!正体不明の航空艦隊が、沈めたはずの戦艦、ヤマトから飛び立ち、ハワイの軍隊その他を蹂躙しました!!」

    「な、何ぃ!!」

    「こちらへ早くもその航空艦隊は向かっております!!お逃げください!!!」

    「………………いいや…それは出来ん」

    「何故です!?あなたが死んでしまえば、アメリカは頭が無くなってしまうのですよ!?」

    「………ここまで戦争を推し進め………和平勧告も破り捨て………ハワイ島民を大勢殺した…………わしには、最後まで戦いを指揮する義務がある」

    そう言って、陸軍出身の大統領は死地へ向かった。
  14. 22 : : 2018/01/18(木) 17:08:52
    期待
  15. 41 : : 2019/03/22(金) 23:35:22
    「き、聞いてねえ………。なん、で、こんな兵、器…が………」

    男はがくりと膝をつき、地に倒れ伏した。

    アメリカ軍精鋭部隊:ハワイ駐屯部隊は白戦襲撃5分で壊滅、その歴史に幕を下ろした。


    〜長野県、山中:白戦制御部〜


    「ハワイ島制圧、完了しました」

    「10分か。想定より時間がかかったな」

    「ハッ。敵に精鋭部隊が紛れ込んでいたようで、殲滅に手間取ってしまったようです」

    「ふむ。それも想定しつつ、プログラムを組まねばな。本土は島どころではない数の精鋭が集結しておるだろうからな」

    報告会議である。

    なにせ、実戦投入が始めてなのである。本土侵攻前に会議はどうしても必要だった。

    「ハッ。プログラムの見直し、チューンアップを進めます」


    〜ロシア〜


    シベリア駐屯部隊:隊長幕舎


    「クソッ。俺たちはデモンストレーションのためにこんな所へ来たってのかよ………」

    「言うな、佐藤。これも作戦のうちなんだ。それに誰かはやらないといけない仕事だしな」

    「来島さんは優しすぎるんですよ………」

    おっさん二人が火鉢を囲んで愚痴を吐いていた。

    来島と佐藤副師団長である。

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著者情報
caesar0909

カエサル

@caesar0909

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