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この作品はオリジナルキャラクターを含みます。

苗木「オリロンパだって!?」江ノ島「お前に書けるのか!?」【オリロンパ】

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  1. 1 : : 2016/12/17(土) 17:24:41
    こんばんは!
    この作品はオリロンパを合作となります!
    オリキャラ要素を含むから注意してね!

    この俺のリバーシブルを見ろォオオオオオオオオオオ
    猿ーサァアアアアアアアッ!!

    ンーゴゴーwww!!!(がんばります!)

    以下、参加者様より挨拶です。


    こんばんは!

    イカれたメンバーを紹介するぜ!
    包茎のシャガル!以上だ!!

    サー○サさん見てるか?俺は書くぞ

    by風邪は不治の病さん


    このメッセージは削除されました。

    byベータさん


    サ○ルサさんに煽られたのでオリロンパ書きます!

    byたけのこまんじゅうさん


    いろんなハスブレロ。略してサールサさん。この世に巣食う邪悪なハスブレロを倒すため、俺たちは立ち上がった! 行って来ます母さん! 父さん! 妹! ハスブレロ!
    (俺たちのオリロンパが今始まる!)

    byDeさん


    リレー順は
    風邪は不治の病さん→ベータさん→
    たけのこまんじゅうさん→私→Deさん

    と、なっています!次レスより本編が始まります!
  2. 2 : : 2016/12/17(土) 17:31:03
    期待!

    ハスブレロwwww
  3. 3 : : 2016/12/17(土) 17:33:25

    天高く昇る複数の白煙。


    草臥れたビルが休暇を求めて倒壊する。


    暗澹たる表情の集合体、赤青黄を塗りつぶす黒信号が点滅する交差点。


    電信柱に怪鳥が止まる。


    誰もが口ずさむ切り裂きジャックのメロディー。


    歓喜を謳う第九は悲鳴。


    時計仕掛けの首吊り自殺、機械仕掛けの地縛霊。



    ここは、希望が絶望に屈服した世界──。



    モノクマ「殺し方は問いません。誰かを殺した生徒だけが、この学園から出られる!それだけの簡単なルールなのです!」 


    石丸「ほんと無理そういうの」


    朝日奈「正直言ってドン引き」


    苗木「こうさーん!やめよーう!」


    山田「お前に負けるなら悔いはないさ」


    葉隠「金返せ」


    モノクマ「うーん、これはお手上げ!!w」


    その後、なんやかんやでこまるたちと合流した苗木たちは


    絶望した世界のことなど、鳥取の天気と同じくらい気にせず暮らしていた。


    トリピー「おい!鳥取を馬鹿にするな!」


    苗木「誰キミ」


    トリピー「鳥取のゆるキャラ!トリピー!」


    苗木「ふーん……キミ、鳥取 ゆるキャラで検索したら予測に“怖い”って出てるよ」


    桑田「トリッピーに謝れ」


    トリピーは着ぐるみを脱いだ。中には大和田が入っていた。


    大和田「うぅ……ごめんな」シクシク


    苗木「あっ……こっちこそごめん」


    桑田「次があるよ、ゆるキャラランキング258位のトリピー」


    大和田クンのあだ名が258位になった。


    アナウンス『ピンポンパンポーン。オリロンパやるから苗木だけ来い』


    苗木「うわだっる」


    桑田「だるって言っちゃった」


    こまる「お兄ちゃんいきなよ。てかこの前私で抜いたでしょ」


    258位「ごめんそれ俺」


    霧切「行きなさいよ。私たちより濃いキャラなんていないし、少なくともここより楽出来るわよ」


    苗木「霧切さんは服を着てね」


    言われて、霧切はトリピーの着ぐるみを被った。


    258位「なるほど、これはいいわね」


    苗木「じゃ、行ってくるよ。どうせ中身のうっすーい、なんかのパクり、名前だけ変えたみたいなキャラしかいないんだろうなぁ。内容がないようって真顔で言えるんだろうなぁ」


    不二咲「安価とる?」


    苗木「ごちゃごちゃするしこれリレーだからいらない」


    不二咲「それもそうだね」


    不二咲はトリピーの着ぐるみを被った。


    アナウンス『あっ、なんか希望は前に進むんだ!みたいな雰囲気だけどたまに素が出ちゃう感じでお願いしまーす』


    苗木「はーい。じゃ、行ってきまーす!」


    258位の群れ「「Head care!!(今から急所を狙うからせいぜい注意しておくことだな)」」


    その後なんやかんやで苗木は、オリロンパが行われる舞台にいた。上手にオリロンパ出来るかな!?がんばれ♡がんばれ♡


    電信柱に怪鳥が止まる。


    怪鳥の名は、トリピー。
  4. 49 : : 2016/12/17(土) 18:39:49
    続きイィィィィィイ!!↑
    続きヲヲヲヲヲヲヲヲヲ!!!↑↑
  5. 50 : : 2016/12/17(土) 18:40:04
    オリロンパ馬鹿にした報いだなこりゃw
  6. 52 : : 2016/12/17(土) 18:50:18
    平凡という壁をぶち壊すような大胆不敵さはこのメンバーあってのことだと思います。
    できればそのまま突っ走ってほしい、というのが個人的な意見ですね。期待です!
  7. 53 : : 2016/12/17(土) 18:52:57
    >>52
    ありがとうございます!
    このまま突っ走ります(^o^)v
  8. 59 : : 2016/12/17(土) 19:49:25


    トリピー「グラッチェ〜♬グラッチェ〜♫」

    作詞作曲:フタナリスト


    トリピー「グラグラグラッチェ〜♬」


    テレレンレンっテレレンレンっ

    トリピー「え?」

    モニター『緊急ニュースです』

    トリピー「緊急ニュース?」

    怪しげなアナウンスと共に電源の入ったモニターを見ながら、僕はそう口に出した。

    モニター『ただいま、希望ヶ峰学園旧校舎に台風が近付いています。よって、アラシになるでしょう』

    トリピー「な、なんだって!?」

    モニター『台風の風速は1mm/1s、雨はにわか雨』

    トリピー「台風もアラシもザッコ!!!具体的には258位より下!!!!!!てかそれ、台風でもアラシでもないし!!」

    モニター『…トリピーを馬鹿にしてるようにしか思えない』

    モニターの電源は切れた。

    トリピー「僕は好き。でも、これ以上着ていたくない」


    ヌギヌギ


    苗木「ふう。「まずはオーソドックスに自己紹介から始めようと思う。僕の名前は苗木誠だ」

    苗木「王道も裸足で逃げ出す普通な男子高校生。何か特筆して一つ挙げるなら、人より少しだけ前向きな事かな」








    苗木「はい!ノルマ達成!この扉を開けば水を水で薄めたようなオリキャラ達がひしめく旧校舎での学園生活の始まりか!」カサッ

    手に持った紙の束。これから出会う15人のデータが書いてある。それに目を通す。

    苗木「まずティラノサウルス君、デカチン沢不多奈利さん、喪龍ガルシャマ…うっわ、恐竜多!!」

    苗木「なんだこれ…もう帰りたいんだけど。希望前に進めないんだけど……あ!」



    ゴソゴソ



    258位(苗木)「これで大丈夫な筈だ!みんな友達!!」


    みんなキモい!トリピーは258位!



    ヌギヌギ



    苗木「いや、駄目だろ。なんだこの青リンゴに発泡スチロール付けたようなデザインは。ダサい、ひっくり返そ」

    そう。トリピーの着ぐるみはリバーシブル。伊達に258位じゃない!!





    ゴソゴソ




    852位(苗木)「グラッチェ〜♬♬グラッチェ〜〜♫♫」


    バンッ


    僕は意気揚々と扉を開いた。
  9. 65 : : 2016/12/17(土) 19:53:23

    ???「うわああああああ!?!?!?!?!?」


    852位「扉を開けたらそこは絶叫だったッ!!!」バチーン‼︎


    ???「突如として闊歩する異界からの侵略!」バタッ


    852位「うわあ…」



    いきなり叫ばれたからビンタしちゃった…どうしよ…てか誰だこれ…


    うわ、よく見たら髪が黒髪と金髪で半分分かれてるし…



    ???「やってくれたな人の子よ…」


    852位「…田中クンのタイプだ、近寄らんとこ」



    ボクは扉をそっと閉じた。


    なんかブツブツ言ってたけど聞こえないふりをして、改めて言うけどボクは扉をそっと閉じた。


    しかしここはオリロンパ。一難去ってまた一難、ぶっちゃけアリエナイ。


    制服着ててもタフなのはプリキュアだけなんだよ。


    ボクはきぐるみ着てようがタフではない。



    ???「失礼ですが、ただ今グラッチェの歌を歌われていましたか?」


    852位「?」



    後ろから声がした。添乗員さんのような優しくも通りやすいシッカリとした声。


    ゆっくりと振り向くとそこには…


    黒髪ショートボブのまさに添乗員さんが立っていた。



    天条院「眼前に見えますグラッチェは親の仇、ここで消えていただきます」


    852位「好戦的な添乗員さんだ…」


    天条院「右手をご覧ください」


    852位「え?」クルッ


    天条院「スキありッ!」バッ‼︎


    258位「り、リバーシブルが解除されたッ!?」



    こいつ…只者じゃない!
  10. 69 : : 2016/12/17(土) 21:38:03
    色々な意味で最高の作品です!
    オリロンパの中で一番面白いまでありますね!!

    完結まで突っ走って下さい!!
  11. 92 : : 2016/12/17(土) 23:02:14
    fight.q
  12. 93 : : 2016/12/17(土) 23:22:14
    白と黒を基調としたチェックの制服姿から……

    一変ッ!!燃え盛るような橙色ッ!!!

    天条院「この力を発動させちまったなァ… もう生きて来週のジャンプは読ませねぇぜ。」

    苗木(田中枠が……二人だと……ッ!?)


    スラリと長い髪を逆立せ、橙色に燃えるようなオーラを纏い、立ち塞がるッ!!

    258位「フッ…残念ながら俺はマガジン派だぜ…」

    苗木「あ、ボクはビッグコミック派。」

    258位「渋っ!」

    天条院「フン…なら尚更貴様らとは相容れんなッッ!!」


    飛翔ッ!!その姿、まるでロケット弾ッ!!!


    ロケット弾はそのまま目標を追尾し……


    258位(標的)を吹ッ飛ばす!!


    258位「ぐぁああああアアアアアアアアッ!!」

    258位「この過酷溢れる世界に……救いを……」


    苗木「に…258位ぃぃいいいいいいいいッ!!」


    苗木「クッ……!!」

    苗木(クソッ! どうしてボクがこんな目に……ッ!!)


    その時、扉の外から怒号が上がる。。


    ??「ぁあ゛くぎょうはそこまでじゃああああああああっ!!」
  13. 94 : : 2016/12/17(土) 23:28:24
    >>69

    ありがとうございます!
    頑張って書き進めて参ります!
  14. 95 : : 2016/12/18(日) 00:01:46


    ハスブレロ「やあ」


    苗木「お前はハスブレロじゃないか! 久しぶり!」


    そう、何を隠そう僕とハスブレロは中学校以来の旧友なのだ。


    ハスブレロ「早速だが、君に言わなきゃいけないことがある……」


    苗木「言わなきゃ……いけない、こと?」


    苗木(告白かな?)


    ハスブレロ「君が連帯保証になった井上が夜逃げしてね……! 井上の借金、66兆円は君に支払ってもらうことになった」


    苗木「こここここ国家予算やないかーい!!!」


    苗木「ってか、井上って誰!!?」


    ハスブレロ「食道だ」


    苗木「確かに胃の上にあるけども!」


    食道「やあ」


    苗木「僕の食道がしゃべった!」


    僕はこのとき、感謝したんだ。ちっぽけなこの僕に、他人とは違う、誇れることが出来たって。


    ハスブレロ「感動の再会はもういいか? さっさと苗木の食道を連れていかなきゃいけないんでな」


    苗木「ぐぐっ……!」


    食道「助けてっ……苗木っ……!」


    苗木「うるさい! 元はと言えばお前が悪い!」


    食道「ええっ……!?」


    苗木「囀るな雑魚! お前はノーテンだ!」


    食道「ノ、ノーテン……」


    苗木「ああ! 能天気のノーテンだ!!!」


    ハスブレロ「そうだ。お前はノーテンだ」


    食道「ノーテン……それは、違う……この白はっ……!」


    苗木の食道が!!!

    なんと!

    なんと!

    白を剥いだ!


    ハスブレロ「まさかっ……牌の上に白いガムテープをっ……!?」


    食道「これはお前が俺の牌を覗いていた行為に対するその報いっ! 鬼殺しのロン! 天誅のロンロンロン!!」



    食道、圧倒的、ロンっ……!


    国士無双32000点っ……!



    ハスブレロ「まさか66兆円が完済されるとは……なんというギャンブル力!」


    会長「お前9900万年地下行き」


    ハスブレロ「待って! きっとちょもすが払ってくれる!」


    ちょもす「10万円優勝して手に入れたぞ!」


    ハスブレロ「ヤッタァ!」


    そのとき、喋ってる奴らは全員生活習慣病にかかって死んだ。糖尿病で年間100万人以上が苦しんでいる……その恐怖を、もう一度思い出した。


    ハスブレロ「」

    ちょもす「」

    食道「」

    会長「」


    天条院「う、うわ〜!? なんでみんな死んじゃったんですか〜〜!?」


    苗木「読者に媚びるな」

  15. 96 : : 2016/12/18(日) 00:34:39


    天条院「ふぇ~……怖い……」


    苗木「だから媚び……(ハッ、これは素だ……)」


    苗木「大丈夫?ボクがついてるからね。あと名前教えて」


    天条院「ありがとぉ……天条院だよ……」


    仁藤「僕も怖いなー、怖いなー!」チラッチラッ


    苗木「大丈夫?ボクがついてるからね。名前も教えてね」


    仁藤「おう。仁藤だ。ありがとな」


    苗木(突然野太い声……!?)


    苗木はくしゃくしゃにした紙の束、出会うべき15人のデータを見直した。


    苗木「仁藤さんはティラノサウルスかな?」


    メモ「ちゃうで」


    メモは裏返り、その真の姿を見せた。


    それはメモが高校時代、前の席に座る女の子に告白したとき以来に見せたものだった。


    ちなみにそれからというもの、メモに彼女が出来ることはなかった。


    メモ両面「「夫婦でやっとります」」


    苗木「なるほど、こっちが正しいのか」


    天条院 仗音(てんじょういん じょういん)


    超高校級の添乗員

    背は高く、身は細い。ショートボブの全体的に丸いシルエットをした髪型。くりくりとした大きなお目々。白シャツに黒いスーツは添乗員のたしなみ!
    おっぱいはCカップ!


    苗木「悪くない」ニヤリ


    苗木「そして仁藤さんは……」


    仁藤 星希(にとう せいき) 


    超高校級のふたなり

    背は普通、身は細い。見た目は可愛い女の子。股間にぶら下がる男の子。右に髪を流しており、全体的に大人びた風貌。希望ヶ峰学園に来る以前の高校の制服を着用。


    苗木「ふ、ふたなり!?!?」


    仁藤「大声で言うな!!」


    苗木「あっ……ごめん(冷静に考えれば、性器だもんなぁ……)」


    仁藤「ま、ふたなりなんだけどね。最初はコンプレックスだったけど、超高校級ならそれはそれでありみたいな?」


    苗木(学園はどうやって見つけてくるんだよ……)


    仁藤「あ、見る?」


    苗木「見たくない!!」


    上方「ごめん、ちょっと見せてくれる?」


    苗木「!?」


    仁藤「どうぞ♪」


    2人が隅に移動すると、仁藤さんがスカートを捲し上げ、眼鏡の男がそれを被るほどの至近距離でガン見していた。


    上方「おぉ……これが超高校級のふたなり!!凄い!!私の中のジャーナリストの血よ、騒いでくれてありがとう!!」



    上方 操(じょうほう みさお)


    超高校級のジャーナリスト

    背は高く、身は細い。髪は右側のみツンツンにセットされており、顔の右側にのみかかる前髪など、右側にこだわりがあるのだろうか?白のカッターシャツとネクタイがキマっている。


    苗木(確かにキマっちゃってるなぁ……) 
  16. 97 : : 2016/12/19(月) 02:05:28


    紙面「場所を弁えなよ!見るならふたなりのじゃなくて、あのガチムチのを見なよ!」

    ボサボサの髪をおデコと眼鏡で挟んだ少女が、2メートルはあろうタンクトップの男を指差す。

    善行寺「ワタシのイチモツかい?いや、空を見上げなさい」



    善行寺(ぜんぎょうじ) 明久(あきひさ)

    【超高校級の教祖】



    白いタンクトップとやわらかゴムパンツを着込んだガチムチ系男子。

    素晴らしき青空の会の教祖。

    善行寺「母は海でも大地でも無い。空です。我らは空神(そらがみ)様の子供なのです」

    紙面「神なんて居ないから!この世で信じられるのはお札だったり、契約書だって、つまり全部紙!」

    上方「超高校級のブロガーの紙面真理子さん、お久しぶりだね!!!」

    紙面「初めましてよ!あと、勝手に自己紹介しないでよ!」


    紙面(かみつら)真理子(まりこ)

    【超高校級のブロガー】


    上方「いや、私の情報網では知ってたから、僕にとっては書類ぶりなんだよ」

    紙面「はいぃ?何それキモい」

    仁藤さん(?)から未だに距離を取らない上方君を紙面さんは怪訝そうな顔をして睨む。

    上方「私は何でも知っている。いや、知る事になる」

    紙面「ふぅん、じゃあ今流行ってるドラゴンモンスターのカオデカマンダの努力値振りを答えてみなさい!」

    上方「…ドラゴンモンスター?」

    紙面「はぁ?ドラゴンモンスターをご存知で無い!?」

    上方「知らないよ。紙面さんはカオデカマンダ使ってるの?」

    紙面「ん、ああ、まあ、使ってるわよ」

    上方「どんな振り方してるの?」

    紙面「流行ってるのは慎重HD252振り、残りAだけど、私は意地っ張りのAS残りHかな」

    上方「ふぅーん。よし、じゃあ先程の質問に答えよう。『知っている』内容は『HD全振り残りA』だ」

    紙面「あ!私この人嫌い!」

    上方「ははは、ジャーナリストは聞き上手じゃないとね」

    紙面「男同士で床上手になってれば良いのに!!!」

    ワザとらしく笑う上方君に、向け紙面さんは激昂しながらそう言った。

    ???「やれやれ騒がしいのぉ」

    僕の肩より下で、そんな声が聞こえる。

    苗木「ん…」

    その(僕より小さな)少女はオレンジ色のぶかぶかなパーカーを制服の上から着ていた。

    被っているフードには巨大なネジが突き刺さっており、そのデザインはフランケンシュタインを彷彿させる。

    苗木「頭大丈夫?」

    螺子芽「え?いきなりそれ?喧嘩を売ってるのか?」

    苗木「いや!そうじゃなくて!ほら、頭に螺子が!」

    螺子芽「ああ、なるほろろろ」

    苗木「なるほろろろ?」

    螺子芽「すまぬすまぬ、ちょっと電波受信してな」

    苗木「で、電波?」

    螺子芽「自己紹介がまだだったの、奈衣の名前は螺子芽(ねじが)奈衣(ない)。【超高校級の電波少女】じゃ。ちなみにこの螺子は、パーカーのデザインなのですよ」


    螺子芽 奈衣

    【超高校級の電波少女】



    フードを外すと、右と左に螺子の先としめる部分が分かれていることに気付く。

    それと同時にフードで抑えられていた若干パーマがかかった長い茶髪が膨らむように姿を現わす。

    苗木「デザインだったんだね…あまりにもリアルだったから…。あと語尾変わった?」

    螺子芽「先程、そういう電波を受信したのでな」

    苗木「……頭大丈夫?」

    螺子芽「おい」
  17. 98 : : 2016/12/19(月) 02:05:52
    ???「…」


    苗木「…?」



    螺子芽さんと馬鹿みたいなやりとりをしていると、いつから来たのか半袖短パンの頭がボンバヘッ!な男がこちらを見ていた。


    ちなみに半袖シャツの色が黄緑、短パンが白だ。ダサい。



    苗木「えーと…?」


    ???「……初めまして、僕は蔵目寛太(くらめかんた)


    苗木「…どれどれ」ピラッ



    蔵目 寛太

    【超高校級の!!!】



    苗木「なんて???」


    蔵目「え?」


    苗木「いや、え?超高校級の?これなに?」


    蔵目「ああ、僕の超高校級についてだね。僕は言うなれば【超高校級のラブライバー】なんだ」


    苗木「は?」


    蔵目「え?」


    苗木「ああ待って、ストップ…
    まずボクの名前は苗木誠。【超高校級の幸運】だよ、よろしくね」


    蔵目「うん、よろしく」



    苗木「で、【超高校級のラブライバー】がなんで【超高校級の!!!】になるの?」


    蔵目「ああ……。苗木君は『ラブライブ!サンシャイン!!』って知ってる?」


    苗木「それなりに話題になってたからね、一応全話見たけど…」


    蔵目「!!!」カッ‼︎


    苗木「!?!?!?」



    見開かれたその目はッ!苗木をまっすぐに見つめていたァッ!!!



    蔵目「まさか僕以外にサンシャイン!!を見てる人にここで巡り会えるだなんて!」ガシッ


    苗木「え、えぇっ…ちょ、手を掴まないで…ちょっ」


    蔵目「苗木君は最終回どう思った!?意見を聞かせてほしいんだ!」


    苗木「え、ええっと…その…」


    蔵目「え?なに?まさか見てないのに『見た』とか言ったの?嘘ついたの?」


    苗木「いや見たよ!嘘ついてないよ!
    ただ「よかったなあ」ってなっただけっていうか…」


    蔵目「…」


    苗木「…」


    蔵目「……わかる」


    苗木「エッ」


    蔵目「サンシャイン!!は一部で『13話かけたプロローグ』って言われていて、最終回はまさにその事を大々的に誇示した素晴らしいものだったんだよ。なのに一部でミュージカル部分が否定されてて、そのせいで全体の評価が下がるという結果に…。僕から言わせれば、最終回を批判している人たちは知識が足りていないと思うんだよ。Aqoursのことを始動時から知っていれば、あの最終回にどれだけの価値があるかというのは明白だからね。苗木君はその点どう?Aqoursのこと始動時からは知らないようだけど…特にどの辺りを良かったって思った?」


    苗木「…???」


    蔵目「?」


    苗木「お、おう、逃げる」



    ボクは逃げた。
  18. 99 : : 2016/12/19(月) 02:06:26
    何やらちぐはぐになり始めた足を止め、ボクはしばし息をついた。

    苗木「ハァ…」

    苗木(この学園ならでは…って感じだけど…ボクが味わってきたものとは違う感じだな…)

    苗木(他にどんな人がいるんだろう…?)

    ??「おっと…」

    角際で誰かと肩がぶつかった。


    ??「ごめん…大丈夫かな?」

    苗木「あぁ…ゴメン。ボクの方こそ…」

    ??「キミは…やっぱりここの生徒なのかな?」

    苗木「うん。ボクは苗木誠。一応…【超高校級の幸運】なんだ。」

    ??「超高校級の幸運! そうなんだ…」

    伊都弾「僕の名前は伊都弾(イトヒキ) 輝弘(テルヒロ)
    【超高校級の演出家】なんだ!」

    伊都弾「よろしくね!」

    ベレー帽のつばを上げ、紳士的な笑みを浮かべる。


    一目見てまさに「演出家」もとい「芸術家」と直感させるその姿はまさに「絵になる」というものだった。

    伊都弾「ここのみんなは個性的だね。長く映画に携わってきた僕も初めてだよ。」

    苗木「やっと分かってくれる人がいた…」

    伊都弾「せっかくだから、他のみんなと顔合わせに行かない? 僕の方からも紹介するからさ。」

    苗木(いやぁ、なんか安心しちゃうな…)

    伊都弾「彼女は木乃子野(キノコノ) ほうし(ホウシ)さん。 【超高校級のボランティア】なんだって。」

    木乃子野「ご紹介に預かりましたぁ木乃子野と申します!」

    苗木「ボクは苗木誠。【超高校級の幸運】よろしくね。」

    木乃子野「よろしくお願いします。」

    木乃子野「この学園でも精いっぱいご奉仕させていただきますね!」


    伊都弾「ちょっと期待しちゃうね。」

    苗木「!?」

    顔から少し視線を落としていたボクは少しぎょっとした。

    伊都弾「フフ。冗談さ。」
  19. 101 : : 2016/12/21(水) 00:16:52


    ご奉仕。

    そういえばと思い、記憶の片隅にあった知識を広げてみると、武士がまだその権力を武によって保っていた時代の事を思い出す。

    彼らは主君のために働くことによって、対価を得ていた。それでは、木乃子野さんはどうなのだろう。


    苗木「ボランティアって無給だよね? 辛くないの?」


    木乃子野「ううん。ちゃんと対価は貰っているから」


    笑顔で彼女は答えた。


    苗木「なんでえ、24時間テレビと変わんないじゃないか!」


    僕が悪態をついても、それでも彼女は満足そうに微笑んだ。


    木乃子野「でも、大丈夫なんです。皆さん、本当に幸せそうでしたから……」


    体裁は保っていたが、彼女の顔に倒錯した感情論が見え隠れしているのを僕は見逃せなかった。

    こいつはまずい。

    僕は逃げるようにしてその場から離れた。

  20. 102 : : 2016/12/21(水) 00:17:05

    その際、ボクは盲目すぎた。

    注意が散漫だったから、ボクは誰かにぶつかった。

    それが女の子じゃないってことは、胸板の感触で理解したんだ。ホッとしたような、残念なことだけど……。


    盗見「おうっ、なんだなんだ。騒がしいな」


    苗木「ごめん!っと……キミは……」


    盗見「あっしは盗見(ぬすみ) 盗賊(とうぞく)と申しやす。才能は思い出せねえけど、へへ、仲良くしてくんなぁ」


    差し出された手と握手を交わすと、ボクはすぐにリストを開いた。


    盗見 盗賊(ぬすみ とうぞく)


    超高校級の???


    苗木(本当に……才能も書いてない)


    だが、その名前、そして


    口の回りを覆う半輪の髭。


    白地に青のボーダーTシャツ。


    極めつけは、唐草模様の頭巾……。


    苗木(どう見ても、これは……)


    盗見「おっと!」ペロン


    風間「ひゃっ!? 何……!?」


    苗木(!! 見えなかった!!いや、そんなことよりこいつ!!女の子のお尻を!!それもこの後ろ姿は絶対美人!!許せん!!)


    盗見「へへっ、つい手が滑りましてな。財布をケツポケに入れる時はチェーンを推薦しやすぜ」


    苗木「……!(財布を盗って……あの一瞬で!?やっぱり、この才能は……)」


    風間「もう!返すブヒ!」クルッ


    苗木「うわぶっさ」


    盗見「失敬失敬……」


    風間「今回は見逃すブヒが、次はないトンよ」


    風間(かざま) 瑞呑(みずの)


    超高校級の体育委員

    でかい太い。後ろ姿は何故か美人。前から見るとシルエットごと変化する不思議ちゃん。服装は白のジャージ。


    苗木「体育委員!?給食委員じゃなくて!?」


    風間「特技はマット運動ブヒ」


    苗木「横になれるから?」


    盗見「へへっ、マグロの競りですな」


    螺子芽「ピピー、ガー。UMA発見。種族名シュレック。応答せよシュレック」


    風間「揚げるぞお前ら」
  21. 103 : : 2016/12/22(木) 00:21:05


    僕は、キレる風間さんを盗見君へ押し付け先程ビンタを喰らわせた少年へ近付く。

    苗木「さっきは、御免、大丈夫?」

    ???「心配される程俺は軟弱では無い」

    苗木「そっか、良かった。僕の名前は苗木誠。君の名前は?」

    ???「お前にワザワザ語るほど俺も暇じゃない」

    苗木(トリピーの一件を完全に根に持っている!!)

    名前を聞く事は諦め、僕は書類に目を通す事にした。


    V・アダム・魂


    【超高校級の黒歴史】


    そこには今、目の前にいる彼の写真が貼られている。


    写真の中の彼も、襟を立てた黒いジャケットを黄金の林檎の描かれたシャツの上に羽織って、首にはいかにもな彫刻の施されたネックレスを付けていた。



    苗木「ブイ、アダム、タマシイ?」

    が、何より気になったのは名前。僕はその文字を読み上げる。

    アダム「違う!V(ヴィ)・アダム・(ソウル)だ!!!」

    若干キレ気味で彼は言う。

    苗木(語っちゃったよ!!!あと、ダサい!!!!)

    苗木「ご、ごめん!アダム君!!」

    アダム「フン、分かれば良い」スタスタ

    満足そうに頷いた後、興味を失ったのか彼は僕から離れていった。

    苗木「…なんだったんだ」

    盗見君と話し始めた、彼を横目で見ていると。

    伊都弾「やあ、僕だよ」

    何処から生えてきたか、そこに居た伊都弾君が僕へ声をかけてきた。

    苗木「唐突!何かな?」

    伊都弾「名前の後は超高校級の才能について気になるんじゃないかなって思って」

    苗木「な、何でそれを!?」

    伊都弾「え、普通そうでしょ」







    苗木「………確かに」

    伊都弾「彼の凄い所はね、彼の中二病発言は全て嘘では無いんだよ」

    苗木「嘘じゃない?どういう事?」

    伊都弾「見てれば分かるよ」

    アダム「なあ、盗見よ」

    盗見「へへっ、なんですかい?」

    アダム「もしかして、あのこ、俺の事が好きなんじゃないか?」

    そう言いながらアダム君は木乃子野さんを指差す。

    苗木(ああ!あるあるのやつだ!!…え、でも、これが本当になるの?)

    風間「………///」クルッ

    苗木「お前じゃねぇ!!」

    アダム「こっち向くんじゃねぇ!!!振り向きブスが!!!」

    風間「マット運動は得意ブヒよ」

    アダム「何故!今!!ここでそれを言う!しかも二回目だ!」

    風間「私を食べて」

    苗木「やっぱり給食委員じゃないか!!!」

    盗見「夜もマグロなんすかねぇ。アダムの旦那、ここは一口どうですか?」

    アダム「ふざけるな!お前ら俺の黒魔術で屠られたいか!!」

    苗木「黒魔術!?まさか、これも!!!」

    アダム「ハァァァァァァ!!!!!!!」ゴゴゴゴゴゴゴゴゴ

    盗見「うっ!お腹が痛いでさぁ…」

    苗木「ショボくない?!!」

    伊都弾「だから言ったでしょ?嘘ではないって…」

    風間「酷い…わ、酷いわタマちゃん…なんでこんな事を…」

    タマちゃん「タマちゃんだと!?何処をどう読んだらそうなる!?」

    風間「タマシイのタマ…ううっ」

    タマちゃん「それは魂ではなく、ソウルだ!!!ええい!!名前よ戻れ!!!」カッ


    (ピカーーッ)


    アダム「よし。これで…良い」ガクッ

    そう言うとアダム君は膝から崩れ落ちた。

    苗木「アダム君!大丈夫!?!?」

    アダム「ハァ…ハァ…反動だ…ハァ…ハァ…ゴホッゴホッ──ごはぁっ」

    咳き込んだ後、口から血を吐く。

    鮮血が体育館を汚す。

    苗木「まさか、お腹を痛くする黒魔術の!?」

    アダム「「」の前の名前を戻す…白魔術だ」

    苗木「反動重!!!!!!!!」


  22. 104 : : 2016/12/22(木) 00:22:05
    アダム「ヒューッ…ヒューッ…」


    苗木「しかもだいぶ重症!
    アダムクン!しっかりしてよ!まだキャラクター紹介パートだよ!?」


    風間「タ…タマちゃん!
    しっかりするブヒ!」


    アダム「…ぁ」


    タマちゃん「……ぁ………」


    苗木「風間ああああああっ!!!!!
    おまっ!おま!?!?!!!」


    風間「なんでそんなに怒られなきゃならないブヒか!?」


    苗木「ここまで死にかけてる原因お前だって気づけよ!?」


    風間「そんなあ」ブヒッ


    伊都弾「あははは…」


    苗木「笑ってないで何とかしないと!誰か治療できる人!」


    ???「少し見せて」



    横に気配を感じ、そちらを向く。


    そこには長い黒髪をポニーテル、黄色いスウェットに白を基調のパーカー姿の女の子がいた。


    少しつり目、ボクより背が…高い……?



    苗木「…君は?」


    ???「初めまして、私は自宮千遠(じきゅうちおん)


    苗木「えーと、ボクは苗木誠」


    伊都弾「僕は伊都弾輝弘」


    風間「風間瑞呑だブヒ」

    自宮「よろしくね」



    言い終わるや否や、タマちゃんの胸に耳を当てたかと思いきやすぐに離し、自宮さんはタマちゃんの肋骨あたりを軽く指で押し始めた。


    その無駄のない洗礼された動きに圧倒され、紙があることなんて忘れてしまっていたボクは自宮さんに質問をする。



    苗木「えーと…自宮さんの超高級は治療ができるタイプだったりするの?」


    自宮「治療なんて大それたことはできないよ。私はね、【超高級のアルバイト】なんだ」


    苗木「【超高級のアルバイト】…?」


    自宮「スーパーのレジ打ちからアブないクスリ運びまで、ありとあらゆる『アルバイト』を正規雇用よりも高い水準でこなしている……らしくて」


    苗木「アブないクスリ運び!?」


    風間「それ犯罪ブヒよ!」


    自宮「アブないだけあってね、給料も中々だったよ…
    ……っと、ここかな?」



    すると自宮さんは、丁度みぞおち辺りで指を止めた。



    苗木「…?
    そう言えば自宮さん何してるの?」


    自宮「秘孔をね、突こうとしてるの」


    苗木「え?」


    自宮「ハァッ!!!」ドッ‼︎


    タマちゃん「うぐぅッ!?」



    タマちゃんのみぞおちに自宮さんの細い指が食い込む!



    苗木「えぇっ!?」


    風間「ひ、ヒィッ!追い討ちブヒィ!!!」


    伊都弾「これは…?」


    自宮「前に秘孔を突いてお客様を元気にする、的なクリニックめいた所でバイトしてた時にね、覚えたんだ」


    苗木「秘孔を?」


    自宮「そう。ちなみにこれは『副作用を打ち消す秘孔』だよ」


    苗木「なんてピンポイントなんだ」


    アダム「クックックッ……
    貴様も黒魔術の使い手だったか…」


    苗木「復活はっや。つーかなんで名前まで戻ったんだよ」


    アダム「今回は素直に礼を言っておこうか、人の子よ」


    自宮「人の子じゃなくてね、自宮だよ」


    アダム「……ふっ、そうか…
    自宮、礼を言うぞ」


    自宮「どういたしまして、だからお給料ちょうだい」


    アダム「なッ!?」



    自宮 千遠
    【超高校級のアルバイト】

    お金にものすごくがめつい。
  23. 105 : : 2016/12/22(木) 00:22:38
    自宮「ねぇ~私はボランティアじゃないんだよ~?労働にはそれなりの対価を貰わなきゃ…」

    アダム「ぬぐぐぐぐ……」

    伊都弾「まぁ、あの二人はしばらくそっとしておこうか…」

    苗木「そ…そうだね…」

    伊都弾「さて、あと紹介してない人といえば……」

    ??「ウィイイイイイイイイッッス!」

    ??「どうも~!『KOU』で~す!」

    苗木「あれ? その挨拶まさか…!」

    ??「ここには『はじめまして』の人が多いですね~」

    苗木「スゴい!『KOU』さんじゃん!本物じゃん!」

    ??「おや?これはもしかすると…」

    伊都弾「やっぱり見たことくらいはあるよね。」

    伊都弾「彼は広告(コウコク) 暮史(ぐらし)さん。【超高校級のYoutuber】……ってあれ?」

    苗木「ゲームチャンネルいつも見てます! あとでサイン貰っていいですか!?」

    広告「いやぁ… サイン書くほどの事では…」

    実況放送の時とは想像もつかないほど遠慮がちに彼は答えた。

    広告「とりあえず…サインは置いておいて… あとは他にどんな人がいらっしゃるんですかねぇ?」

    苗木「あとは…えっと……」

    ??「………………」

    伊都弾「そのもう1人ならむこうに居るよ。」

    広告「麦わら帽子………」

    広告「ひょっとして超高校級の海賊だったり…??」

    苗木(違う「族」なら知ってるけど…)

    ??「………水辺からずいぶん遠ざかっちゃったなぁ…」

    広告「水辺って言いましたよ!やっぱり海賊……!?」

    ??「もう、なんなのよ?さっきから後ろで…」

    広告「しまった! 背後をとってしまった…!」

    伊都弾「まぁまぁ、落ち着いて。彼女は…」

    坂巻「坂巻(サカマキ) 瑠亜(ルア)。一応、【超高校級の釣り人】だよ。」

    苗木「釣り人…なるほどそれで…」

    広告「ネット上でエロネタなんかを使って…」

    坂巻「その『釣り』とはちがうの!魚釣りよ。」

    広告「あ、なんだ。そういう事だったんですね…」

    苗木「やっぱり、川釣りの方が好きなのかな?」

    坂巻「そうだね… 海も嫌いじゃないけど…渓流は静かだから。」

    坂巻「川のせせらぎを聞いてるととても落ち着くんだ……」

    坂巻「けどこっちに来てから釣りができる川も海もだいぶ遠くなっちゃったし…」

    坂巻「それにあたし…騒がしいの苦手で…この学園でやっていけるか…」

    苗木「まぁ、大丈夫だよ。きっと何とかなるって。」

    坂巻「そうかな…?」

    伊都弾「彼がそう言うと本当にそう聞こえるから不思議だね。」

    苗木「いやぁ、ボクなんてそんな…」
  24. 106 : : 2016/12/22(木) 15:17:07


    苗木「とりあえず全員と会話できたかな……」

    螺子芽「ほよほよほよ…」

    苗木(ん? なんだその声!?)

    苗木(いや、笑い方か!?)

    螺子芽「なんでグリモーワ達はこんな辺鄙なところに集められたのかのう」

    苗木(グリモーワ!? まぁ、グリモーワなんだろう)

    螺子芽「つけてる日記が賑わうわい」

    広告「いいからさっさと動画を作るぞ! って、カメラがね〜! ゼニゼニ!!」

    盗見「お前そのギャグ低学年にしか受けてねえんだから止めろや」

    伊都弾「ま、それはさておき、向こう側からの何かしらのアクションは期待するよね」

    風間「向こう側……?」

    伊都弾「黒幕さ、この事件の」



    突如、不気味なBGMが辺りに鳴り響く。

    ゴクリと唾を飲み込み、僕は拳を強く握りしめた。

    一体どうなる……?

  25. 107 : : 2016/12/22(木) 15:17:25


    一方その頃


    戦刃「盾子ちゃーん!会場のセッティング終わったよ!」


    江ノ島「お、お疲れ~!」シュッ


    戦刃「もう!労いの言葉と共にチャクラムを飛ばすのはやめてよ!」キンッ


    江ノ島「さて、そろそろ用意されたオリキャラの皆さんが登場かな?」


    ティラノサウルス「有給休暇取って来ました」


    デカチン沢不多奈利「あれ、最近翼生えました?」


    ティラノサウルス「そうなんですよねー。毛皮も買って、髪も染めたんですよ」


    デカチン沢不多奈利「昔とだいぶキャラ変わりましたね~」


    喪竜ガルシャマラ「お待たせ~」


    ティラノサウルス「おっ、あちらもリバーシブル……オシャレなさって」


    戦刃「こマ?」


    江ノ島「今回やばいでしょ。きっと苗木の奴は水を水で薄めたような~とか思ってそうだけど!!あいつ私のこと舐めすぎだから!!」


    戦刃「やばいね……うん……凄く……」


    タクシー「プップー」


    江ノ島「おっ、来た来た。本日の主役登場~!」


    ガチャ


    大和田「主役三銃士を連れてきたよ」


    江ノ島「主役三銃士?」


    大和田「前々から言われていたがダンロン3のアニメでついにゴリラとして覚醒した日向創」


    日向「うっす、よろしく」


    大和田「丸々1話使ったのに全く進展しない話の主人公、苗木こまる」


    こまる「がんばります、よろしく」


    大和田「ちなみに俺からすればダンロン3は面白かったぜ」


    江ノ島「あんた溶けてたね」


    大和田「おう。以上だ」


    江ノ島「2人じゃねぇか!!」ガスッ!!


    大和田「ぐあぁっ!!」ドサッ


    江ノ島「ま、言い訳はあの世で聞いてやるよ……」


    大和田「……っ!仕方ねえだろ!苗木がいねえんだ!」


    江ノ島「え、苗木が!?」


    大和田「そうだよ!俺がこっそり先回りして迎えにいったとき、あいつはすでにそこにはいなかった!」


    江ノ島「……ふむ。この件は少々厄介ですね」


    戦刃「……盾子ちゃん?」


    江ノ島「彼は今……どこにいるのですか?」

  26. 108 : : 2016/12/24(土) 03:44:20



    〜〜回想〜〜


    258位「グラッチェ〜♬グラッチェ〜♬」

    大和田「くそ!苗木が居ねえ!!」




    ───舞台は戻って────



    チリーンチリーン。

    甲高いベルの音が体育館に響く。

    ???「はーい、オマエラ集まったな」

    声の主はママチャリに乗りながら現れた。

    金色の髪のツインテールにウサギとリボンの髪飾り。流行りのブーツと流行りのスカート、流行りのシャツに流行りのジャケット。それら全てが今にも、はち切れてしまいそうな程ビチビチになっていた。

    紙面「からしを付けた肉まんの擬人化見たいなのが来たわね」

    アダム「控えめに言ってデブだ」

    蔵目「風間さんが2人!?」

    風間「どういう事ブヒ、1ミリも似てないブヒ」

    善行寺「その脂肪。我ら素晴らしき青空の会に入って筋肉に変えてみないか?」

    ???「何を言う。信用出来るのはカロリーと脂肪だけや」

    盗見「当然ママチャリで現れて、何者ですかい?」

    江ノ島?「ああ、しょーかい遅れてしもたな。私はこのコロシアイ生活の管理人を務めさせてもらう。江ノ島盾子や」デブーン

    苗木(明らかに超高校級の詐欺師君!!)

    豚子「ちなみに私は、黒幕の正体を知らない。雇われただけの存在や」

    自宮「え?時給いくらなの?」

    豚子「日給5万。三食昼寝付き」

    自宮「めちゃくちゃ良い条件じゃん!ブラックじゃなさそうだしね。ねぇ、代わってよ!」

    条件の良い仕事を奪おうとするあたり、お金にがめついのはやはり本当の様だ。

    豚子「……ちょっと、あんまりベラベラ喋られると用意してきた台本が台無しになるから静かにしといてよ」

    自宮「あ、うん。ごめん」

    豚子「コホン。まず私からお前らに3つの事を説明する」


  27. 109 : : 2016/12/24(土) 03:45:00


    豚子「1つ。これからお前らにはこの学園内で共同生活を送ってもらう。その共同生活に期限は無い」


    1.期限の無い学園内での共同生活。


    仁藤「じゃあ何?私達はこの学園から出れないって言いたいの?」

    豚子「話は最後まで聞くんや。いつの時代の女子もお喋りでいかんな」

    仁藤「両性類ですけど?」

    豚子「…………そうか」

    苗木(アドリブよっわ!)

    豚子「2つ。この学園から出れるのは、ちゅ…チチュ……秩序を乱した者のみとする」

    苗木(ここで噛むのかよ!)

    上方「秩序を乱す?それは一体どういう事だい」

    豚子「人を殺すって事や」

    豚子「誰にもバレずに…な」


    2.学園から出るには誰にもバレずに人を殺す事。


    豚子「3つ。このコロシアイ学園生活は、黒幕が死んだ時点で打ち切りとする。その時点で全員解放や」

    豚子「様は、黒幕以外の全員で生還したいなら、最初に黒幕を殺さないといけない。そして、黒幕は殺人を犯せない。これがこのコロシアイ学園生活のルール」


    3.黒幕が死んだ場合。その時点で共同生活は終了。黒幕は殺人を犯せない。


    豚子「以上や」


    坂巻「ちょっと待って下さい!人を殺す?釣り針の大きすぎる発言は感心しないよ」


    豚子「本当や。だってなぁ────」


    懐から何かを取り出そうとしながら、彼は口を動かしていた。

    だが、彼がこれ以上、ルールについて語る事は無かった。


    ザクッ!!


    何故なら彼の身体には巨大な槍が現在進行形で幾つも突き刺さっているからだ。


    豚子「…なん…で?…なんで、僕…が………」


    ザクッザクッザクッザクザクッ!!!!!!!!!!!





    ドサリっ。と音を立てて体育館の床に崩れ落ちた。


    まるでパレットに赤い絵の具を広げるかの様に、彼の血液は体育館の床を赤く染める。


    天条院「きゃあああああああ!!!!」

    盗見「どぇえええええええええ!?!?!?」

    皆が戸惑いを叫びに変える。

    蔵目「ぶーだよ!ぶっぶーだよ!!ぶっぶぶっぶーだよ!!!」ブクブクブク

    螺子芽「理解不能理解不能。またまたまたまたまたまたまた」グルッグルッ

    一部、思考がショートしたかのように泡を吹くものや、頭の螺子をいじる者も居た。


    恐怖を形にする事で気を紛らわせようとする。精神の防衛本能。

    身体を抱くように震える者や、裾を握りしめ歯をガチガチと鳴らす者。

    十人十色。各々が、各々の防衛本能を見せていた。

    苗木「………」

    伊都弾「あれ、苗木君は平気そうだけど、実はこういうの慣れてたりする?」

    僕と、彼を除いて。

    苗木「…慣れてないさ。今にも逃げ出しちゃいそうな程だよ」

    これは本当だった。

    だが、何故だろう。僕はこの惨状を許容出来た。


    「うぷぷ。うぷぷぷぷ」


    聞く者を不愉快にさせる様な笑い声が、壇上から聞こえる。


    モノクマ「ヤッホーーーーッ!!大変お待たせしました。やっぱり進行役は脂ぎった汚ギャルじゃなくてボクみたいにプリティーなマスコットじゃ無いとねー」


    モノクマ「僕はモノクマ。この学園の学園長なのですっ」


    誰も何も言えなかった。


    何か失言をすれば豚子()の様になってしまうのではないかという恐怖が口を縫い付けたからだ。



    モノクマ「あらぁ?反応0?悲しいなぁ。僕ってクマ界では話しかけやすいクマ1番だったんだよ?同時に最下位でもあったけどね」


    モノクマ「二位じゃダメなんですか?はい。だって二位が無いんですから。うぷぷ。どうかな?人気投票1位の苗木君」


    苗木「え?」


    ──ズキッ!


    苗木「ッ!!」

    突如、激しい頭痛が僕を襲う。

    まるで真っ赤な腕が頭蓋をする抜けて脳を直接シェイクするような。




    苗木(あのクマを…僕は知っている?)



    モノクマ「うぷぷ。君は、最後まで希望を前に進める事は出来るのかな?」


    クマは卑しく嗤う。


    僕を含んだ16人のコロシアイ学園生活が幕を開ける。



    その幕の色は、白か。赤か。それとも?







    苗木(あっ。あのクマ冒頭で見たわ)







    Chapter1
    絶対に死んではいけないコロシアイ学園生活

  28. 110 : : 2016/12/26(月) 00:23:43




    ◇◇◇



    とりあえず体育館でグロッキーになってるみんなをなだめ……るなんていうことはせず、ボクは廊下に出て江ノ島さんに連絡を取る。


    どうせこの件も江ノ島さんの仕業だろうし、豚神クンも生きてるみたいなオチだろうから。


    prrr…


    苗木「…」


    prrrr…


    苗木「……」


    prrrrr…


    苗木「…………出ない」



    繋がらない。


    ボクの電話にはどんな状況だろうとクソみたいに高いテンションで出てた江ノ島さんが電話に出ない、ということは…


    …。


    異常事態が起きてるのかもしれない。これは最早、ただのオリロンパコロシアイじゃないのかも…



    苗木「…どうしたものか」


    伊都弾「いたいた」



    なんてボヤーッと考えてると後ろから声。



    苗木「ああ、伊都弾クンか…
    どうしたの?他のみんなは?」


    伊都弾「みんな体育館で沈みきってる
    …で、誰とも会話できそうにないから君を探してたってわけ」


    苗木「ああ、ボクも平気そうだったからってこと?」


    伊都弾「そういう事になるね…」



    ボク個人としては『どうしてキミもケロッとしてるの?』と聞きたくてたまらなかったけど、それはまあ『演出家だから』とかいう適当な理由で都合をつけた。



    苗木「と言っても、ボクとなにを話すつもりだったの?今の段階で何か意見を出しても仕方ない気がするんだけど」


    伊都弾「…苗木君は僕らの中に今回の黒幕がいると思うかい?」


    苗木「…?」



    " ボクらの中に "黒幕?



    伊都弾「だって考えてごらんよ、豚子さんは『お前らの中に裏切り者がいて、そいつを殺すことができればこの生活は終了』って言ったよね?」


    苗木「うん…
    その発言を受けて、なおさら黒幕は別にいると思うんだけど」


    伊都弾「こう考えることはできない?
    『裏切り者が黒幕だから、黒幕が死ねばこの生活を続ける理由がなくなる』」

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著者情報
jun

シャガルT督

@jun

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