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このSSは性描写やグロテスクな表現を含みます。

この作品はオリジナルキャラクターを含みます。

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不倶戴天・永き復讐編後編

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  1. 1 : : 2016/12/16(金) 18:47:10
    この作品は【不倶戴天・永き復讐編前編】の続きです。
    まだ見ていない人はそちらから見てください。
    注意書きもそちらに記載してあります。
  2. 2 : : 2016/12/16(金) 21:13:37
    今回からセリフの前に名前を書きます。


    後編・碇 映姫

    私は走っていた、ここが何処かもわからずに
    私は逃げていた、あの化け物から、
    震えながら、泣きながら、怯えながら。

    お母さんを置いて行ってしまった、その罪悪感が映姫を襲う。

    お母さんはどうなってしまったのか、きっとあの八咫烏とかいう化け物に殺されるか、
    怖い思いをしているだろう。


    焼け野原の扇状地

    純狐「……………おい」

    八咫烏「なんでしょう?」

    純狐「嫦娥は何処にいる?」

    八咫烏(そうきたか………月とでもいえば諦めるか?嘘でもないし)

    八咫烏「奴は月へ行きました、月が奴の本拠地です」

    純狐「そうか…………ではお前にはもう用はない」

    ボシュ

    八咫烏「な!?」

    八咫烏の左腕が消えた、いや砂になったというべきか、
    ハリーポッターと賢者の石の終盤のクィレルみたいになっている。

    そこからどんどん広がり、体が砂になっていく、

    八咫烏「バカな!ありえなあぁぁ..........!!」

    やがて全身が砂になり、八咫烏は死んだ。
  3. 3 : : 2016/12/16(金) 23:17:05
    純狐は八咫烏の亡骸を砂に変え、
    月に向かって飛んだ。
    不倶戴天の敵、嫦娥を殺すために。


    月の都

    ? 「 八意様!」

    八意「どうしたのですか依姫?そんなに慌てて」

    依姫「地上からの侵略です!」

    八意「静か海防衛線で食い止めなさい」

    依姫「いえ、既に突破されています!死傷者すくなくとも200を越しています!」

    八意「そう、鏡月防衛線は?」

    依姫「現在交戦注意です」

    八意「相手はどれくらいの数?」

    依姫「ひ、一人です!」

    八意「!?」

    鏡月防衛線

    純狐「嫦娥はどこだぁ!?出てこい!」

    玉兎「だ、だめだ!攻撃が全く通らない!」

    純狐が手を振りかざす、その瞬間周りの玉兎達が砂に変わって土に崩れた、

    依姫「ここです!」

    八意「……………あれは!?」

    純狐の能力、それに八意はすぐに気がついた。







    純化する能力





    八意「あれは純化する能力、玉兎達にある僅かな穢れを純化して玉兎達の体を穢れで満たし、
    一瞬で死に至らしめる…………完全に穢れのない者しか奴に対抗できないのよ!」

    依姫「そんな………我々月の民でさえもほんの僅かながら穢れを持っているのに………」

    八意「…………依姫、この薬を飲みなさい

    そう言って八意は依姫に一つの丸薬を手渡した。

    依姫「…………これは?」

    八意「未来を見る薬…………だけど副作用で穢れが完全になくなる、だけどまだ未完成よ、
    効果時間は一時間だけ。」

    依姫「穢れが完全になくなる………」

    そうつぶやいて依姫はその薬を飲んだ。
  4. 4 : : 2016/12/16(金) 23:18:10
    訂正
    現在交戦注意 ×
    現在交戦中 ○
  5. 5 : : 2016/12/17(土) 00:50:09
    鏡月防衛線

    純化「嫦娥があぁぁぁぁ!!!」

    依姫「本当だ………あいつの攻撃を受けても砂にならない………
    だけど時間は少ない、」

    そう言って依姫は剣を空に掲げた、

    依姫「火雷神よ!七柱の兄弟を従え、この地に来たことを後悔させよ!」

    依姫の能力は、八百万の神を降ろす能力。

    豪炎が純狐を包む、

    純狐「この程度……!」

    純狐は結界を張り、炎をかき消した

    依姫「隙あり!」

    一瞬の隙だった、純狐が炎をかき消したその瞬間、
    純狐の腹部を依姫の剣が貫いた。

    血を流して純狐が倒れる。

    純狐「何故?何故傷が治らない!?」

    依姫「大禍津日、月の民が最も嫌う穢れをあなたの体に流しこんだ、どんな生物でも二十秒で死ぬ」

    純狐「そん………なあ!じょ……う……が………………あ…………………………」

    純狐の体を黒い霧が包んでいく、死の気配が強くなる。

    純狐「あ……………………………」

    純狐は生命寿命を迎えた、

    依姫「やっと息絶えたか…………レイセン!今回の損害を報告書にまとめなさ………………」

    じょう………があ………………………………

    依姫「!?」

    八意「何が起こって………?」

    嫦娥………………………………

    嫦娥があぁぁぁぁ!!!

    死んだはずの、穢れに包まれたはずの純狐が再び起き上がった、

    依姫「何故!?生きているの!?」

    八意「………純化したのね。自分の中にある嫦娥への怒りを、憎しみを、
    奴が嫦娥とどんな関係があろうと、その憎しみは純化した、奴は自分を捨ててでも嫦娥に復讐しようと
    している!」

    純狐の姿は先ほどとかなり変わっていた。
    黒かった髪は金髪に、あの膨大な妖力は神力に変わっていた。
    そしてその足元には、本来の純狐の亡骸が。

    八意「まさか自分を怒りだけで満たしてその怒りを神霊として一人歩きさせるとは…………」

    依姫「あの神力………たとえ八百万の神でも対抗できない………」

    今の純狐に昔の記憶はない、あるのは嫦娥に対する怒りと殺意と、憎悪のみ。

  6. 6 : : 2016/12/19(月) 17:09:49
    ???「あれ?どうなったんだ?」

    焼け野原の扇状地で目を覚ました神、諏訪子だ。

    諏訪子「純狐ちゃん!羿!映姫ちゃん…………?みんないない………?」

    いつの間にか焼け野原になっていた扇状地、

    神奈子「いたた………あらら?うちの護衛がみんないないんだけど………」

    諏訪子「私は知らないよ?ってうちの参謀はこんなところで…………おーい!おーきーろー………!?」

    その時、寝ていたと思われた諏訪の参謀が砂のように細かなものに変わって崩れた、

    諏訪子「…………これって八坂の神の参謀の八咫烏がやったの?」

    神奈子「いや、それは違う、あいつがやったのならこんな細かな砂にはならない。もっと粘土質の灰になるはずだ
  7. 7 : : 2016/12/19(月) 17:37:13
    諏訪子「じゃあこの焼け野原は…………」

    神奈子「それは間違いなくあいつだ、」

    諏訪子「羿達は…………………」

    神奈子「わからない、おそらく八咫烏に………」

    そのとき、諏訪子は足元にある見慣れた筆跡の手紙を見つけた。

    諏訪子「………これは!?私が書いた手紙!なんでここに?八坂の神に渡したんじゃ……」

    神奈子「ああ、その手紙は例の一騎打ちのことを羿が私に話しに来たときに持っていたものだな、何故ここに?」

    諏訪子「待って……………………………………

    そう言って諏訪子は灰を漁り始めた

    ……………あった!八坂の神!ここを!」

    神奈子「なんだ?………これは!?」

    そこには羿のものと思われる弓の破片が

    諏訪子「この弓の破片から初めて会ったときに感じた羿の神力と同じものが!」

    神奈子「しかしこれは羿がさっきの参謀のように………………」

    諏訪子「その可能性は低い、これはあんたの言っていた粘土質の灰だ、おそらく羿は八咫烏に……………」

    神奈子「まさか!?だが肝心の八咫烏は何処へ?」

    諏訪子「わからない…………だけど私の護衛とあんたの護衛、そして羿と純狐ちゃんと映姫ちゃんの捜索はお互いの国で続けよう、」

    神奈子「お互いではない、」

    諏訪子「羿が見つかるまで私の国とお前の国を合併して、諏訪大国として主導権を譲ろう、」

    諏訪子「え!?いいの?」

    神奈子「なにを言っている?お互い護衛は全滅、先に目覚めたのはお前だ、私の負けだよ、」

    諏訪子「八坂の神…………」

    神奈子「………神奈子だ、そう呼べ」

    諏訪子「神奈子………うん、よろしく」

    この一週間後、 祀神 八坂神奈子 洩矢諏訪子
    国名 諏訪大国が完成した。
    反対意見が一件もでなかったのはお互いの信仰の強さを示す何よりの証拠だった。


    そして国を挙げての 羿 純狐 映姫 八坂の参謀三名 八咫烏 諏訪の参謀二名の捜索が始まった。




  8. 8 : : 2016/12/19(月) 17:58:02
    諏訪の国

    映姫「………着いた」

    映姫は自力で諏訪の国まで帰っていた、しかしそこで力尽き、

    映姫「マズイですね………地蔵に戻りそう」

    羿が死んだいま、羿の神力と徳を持った者はこの世で映姫ただ一人となっていた、

    映姫「そうですね………一旦地蔵に戻って回復を狙いましょう…………」

    そう言って映姫は倒れた。

  9. 9 : : 2016/12/19(月) 18:12:05
    第弐話・発覚

    三週間後、

    参謀「洩矢様!」

    諏訪子「どうしたの?そんなに慌てて」

    参謀「映姫様らしき人物が発見されました!」

    諏訪子「なんだって!?」



    諏訪大国 西門

    諏訪子「こんな地蔵ここに無かったよね?」

    参謀「はい、確認されたのは昨日です。」

    諏訪子「………前に羿に聞いたことが本当なら」

    そう言って諏訪子は地蔵の頭に手を当て、神力を流しこんだ。

    地蔵の石でできたと思われる体に色が戻ってくる。

    地蔵はたちまち映姫に戻った。

    映姫「………あ………れ……?…………!?」

    意識がはっきりしたのか映姫が目を見開いた、

    映姫「諏訪子さん………………お父さんが……………お母さんが………………」

    諏訪子「何があったの!?羿は?純狐ちゃんは?」

    映姫「お父さんは…………殺されました」

    諏訪子「誰に?」

    映姫「八咫烏っていう化け物に」

    一騎打ちから実に1ヶ月、八咫烏の裏切りが発覚した。
  10. 10 : : 2016/12/19(月) 19:26:06
    第参話・国の再構成

    八咫烏の裏切り、羿、及び元両国の参謀の死亡が確認され、国は依然行方不明の容疑者八咫烏と誘拐、又は殺害されたと見られる純狐の捜索が
    始まった。

    それと同時期、諏訪子は一冊の本を読んでいた、それはこの時代のある筈がない中学校の教科書だった。

    諏訪子「なになに〜社会権?人々に人間らしい豊かな生活を保障……………今度はこれを導入しようかな〜」

    そう、まだ弥生時代終盤のこの世界で、高度な経済、技術、社会を諏訪大国が持っていたのは、諏訪子が未来から来たと思われる
    国語、数学、理科、社会(公民のみ)、英語、技術、家庭科、音楽、体育の9冊の中学校の教科書を拾っていたからだ、
    その全ての教科書の初版発行は…………2016年3月平成28年 第三新東京書籍発行

  11. 11 : : 2016/12/19(月) 20:45:17
    ざわざわ…………

    人々が注目するこの掲示板には………


    ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

    国民の皆さん、洩矢諏訪子です。今回は社会権という制度を導入することにしました。

    社会権とは、
    簡潔にまとめると【人々に人間らしい豊かな生活を保障する】ということです。

    ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

    人間らしい豊かな生活を保障?

    前回の自由権に続いて私たちの生活を助けるものばかり…………諏訪子様には感謝してもしきれませんね。

    八坂様の国と合併したときはどうなるかと思ったけどなぁ………どんどん豊かになっていくな…………


    諏訪子、人気爆発である。


    その頃 諏訪小学校では………

    先生「はーいプリント集めますよ〜」

    子供達「はーい」

    先生「角度はわかりましたか?」

    映姫「勘弁して…………」

    映姫は羿の死から立ち直り、純狐の帰りを待っている、

    そして4年の月日が流れる、

    どこからか流れ着いた9冊の教科書は大量に複製され、民間に教科書として、無料で配布されている。

    国会 内閣 裁判所が導入され、三権分立が成立、国民の意見を諏訪大社の意見箱に毎日改善点、修正点が提示され、
    国会議員の選出、関節民主制がとられ、水道、電気、ガスが通りライフラインの整備が整った。

    そんなとき…………

    参謀「洩矢様に面会を申し込んできた者がいますが…………」

    諏訪子「ん?別にいいよー」

    五分後

    諏訪子「はいはい〜君達が私に面会を申し込んだひと?」

    ?1「えぇ!?まだ子供じゃない!?」

    ?2「多分神様なんだよ、見た目で年齢を判断するなって父さんが言ってた」

    ?1「あんたはいつもそうやって父さんが父さんがって、ほんとバカシ……………バカファザコンね!」

    ?2「別にファザコンなんかじゃ…………」

    ?3「はいはい、とっとと要件を話しちゃうわよ、時間もそんなにないんだし、」

    ?3「すいません、諏訪子さん、要件というのが以前9冊の教科書を拾いませんでしたか?」

    諏訪子「あ、ああ、拾ったけど」

    ?2「それ、僕のなんです!返してもらえませんか?」

    諏訪子「返してと言われても………なにか証明できるものはある?」

    ?2「証明………………あ!じゃあ教科書の裏に名前が書いてあります!」

    諏訪子「!?……………じゃあ君の名前を聞いていい?」

    ?2「僕の名前は………………」

    三分後

    ?2「ありがとうございました!」

    諏訪子「いいんだよ、向こうに戻っても元気にね〜」

    ?3「このことは他言無用でお願いします、」

    諏訪子
  12. 12 : : 2016/12/19(月) 20:48:52
    「うん、バラしたりはしないさ」

    ?3「ありがとうございます」


    そう言って彼らは帰っていった。



    諏訪子「運命なのかな………にしてもあの二人、映姫ちゃんにそっくりだったなぁ…………」

    三人の訪問者を見送った諏訪子は楽しそうに話す三人のの背中を見て寂しそうに言った。

  13. 13 : : 2016/12/19(月) 21:03:35
    第四話・封印

    月面

    レイセン「最終防衛線、突破されました!」

    八意「もう7回目………しかも前回より三十分はやい到達ね………」

    純狐「嫦娥ああああああぁぁぁぁぁ!!!」

    八意「そろそろ損害が酷くて予算が下りないんだけど………」

    レイセン「いっそのこと封印でもできればなぁ…………」

    八意「それだ!」

    レイセン「え……方法あるんですか?」

    八意「呪術的な封印ではないわ………物理的に封印するの」

    レイセン「どうやるんですか?」

    八意「コールドスリープよ」

  14. 14 : : 2016/12/19(月) 21:44:40
    レイセン「コールドスリープって………」

    八意「物理的に凍らせて眠らせるの、成功すればこれから先、純狐対策の予算はコールドスリープ施設の維持費だけで済む」

    レイセン「ですが…………」

    八意「そう、問題はどうやって眠らせるか」

    レイセン「そうだ!偽物の月の都を用意するっていうのはどうですか?」

    八意「偽物の月の都?」

    レイセン「そうです、今回追い払うのに成功したら、次純狐が攻めてくるまでに用意できると思います!」

    八意「そうね、大体2ヶ月で用意できる計算になったわ、でもそれを実行するには今回の防衛を成功させないとね」

    バコン!
    ドアが破壊された

    レイセン「あ、来た」

    純狐「嫦娥をだせぇぇぇぇ!!」

    レイセン「あ、純狐こんにちは〜」

    八意「あら純狐、また懲りずにやって来たの?」

    純狐「何でそんなにフレンドリーなの!?って違う違う!嫦娥をだせぇぇぇぇ!!!」

    八意「まあまあ、今回は新しいのが出来たのよお試しになる?」

    純狐「はぁ!?同じ策に二度もハマる訳が………ってキャアアアアアアアアアアアァァァァァァァ………………………」

    レイセン「凄まじいですね、落とし穴」

    八意「ええ、純化対策もだいぶ完成に近ずいて来たわ、それに純狐も案外ここに攻めてくるの楽しんでいる節があると思うの」

    レイセン「まあ、次で終わりになるなら肩の荷がおりますね」

    八意「さあ!早速次の防衛の最終予算請求をしましょう!」

    レイセン「で、今回の純化封印カプセルは何年持つんですか?」

    八意「今回は10年持つわ、その代わり、サイズが前回の2倍になったけど」

    レイセン「偽物の月の都を建造するのはあと8年くらいあとですかねぇ………………」

    純狐の襲来を半ば楽しんでいる二人に職員達は呆れた表情を隠そうともしなかった。

  15. 15 : : 2016/12/19(月) 22:46:06
    第伍話・進路

    同時刻・諏訪中等学校

    教師「碇さん、家庭訪問のことですが………」

    映姫「ああ、はい実は…………私一人暮らしなんですよ………」

    教師「そうなんですか!?」

    映姫「一応保護者は諏訪子さんなんですが………」

    教師「諏訪子様!?」

    映姫「行きます?諏訪大社」

    教師「いえ………止めておきます」

    映姫は中学生になっていた、成績も良く、人望も厚く、友達も多い彼女だったが………

    身長・146cm

    小さい、というより小学生のときから容姿が一切変わっていない、何処の漫画家だよ、
    それは映姫が元地蔵なのが関係しており、年を取る速度が諏訪子と大差ない、
    どっかのスキマさんより「永遠の17歳」を名乗る資格がある、
    ………そんなことは置いといて

    プリントが配られた。

    ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


    進路希望調査


    進学・就職

    進学を選んだ場合

    区立・国立

    就職を選んだ場合

    どんな職業に就くか


    提出期限
    今月18日まで

    ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

    映姫「まあ、国立諏訪総合大学付属受けるんだけど…………」

    映姫は諏訪子のツテなしで国立諏訪総合大学(以下国総)から推薦を受けていた。
    学科は考古学

    人類が誕生する前の世界について研究すること……と言っているが、実際には母親の行方を探す
    ことが目的だった、考古学者になり、世界中と探し回って母親を探すのだ、
    諏訪子が最初に建てた大学である、国立諏訪総合大学、そこには千人近い学生が毎日講義を受けに来ている、
    しかし本来の目的は別にあった。






    諏訪子「どうだい?目撃情報はあった?」

    神奈子「いいや、全く」

    諏訪子「どうしたものか………」

    神奈子「あの八咫烏が核の力を使わずにそう何年も生きられるのか……………」

    諏訪子「私考えたんだけど…………もしかすると殺されたのは純狐ちゃんじゃなくて八咫烏の方なんじゃないかな?」

    神奈子「どういうことだ?」

    諏訪子「あの日、純狐ちゃんを最後に見たのは映姫ちゃんだ、だけど殺されたのは誰も確認してない、
    しかもここ数年八咫烏の核エネルギー反応はここから半径4万キロ圏内で観測されてない、
    今度は純狐ちゃんの捜索の方に力を入れてみて?」

    そう、この大学、いや、この施設の本来の目的は八咫烏と純狐の捜索、そのための人材を育てることにあった。

    神奈子「ああ、やってみよう…………しかし」

    諏訪子「なに?」

    神奈子「お前いつからこんな飛び抜けた技術を手に入れたんだ?政策だって誰も反対の余地がないような完璧なのを出してくるし…………」

    諏訪子「………まあ神奈子になら教えても問題ないかな?私の部屋に来て」

    諏訪子の部屋

    諏訪子「これを見て」

    神奈子「これは………お前が配布するといった教科書の原版か?」

    諏訪子「いや、正確には原版の複製だよ、裏を見てみて」

    神奈子「裏…………碇!?これは誰だ?」

    諏訪子「それは神奈子が良く知っている碇の子孫の持ち物だったんだよ」

    神奈子「どういうことだ?」

    諏訪子「つい先日きたんだよ、ここに、彼らは2016年………今から少なくとも2000年以上先の未来からきたんだ、
    彼らの名前は碇シンジと碇ユイ、それと惣流って女の子もいたね、」

    神奈子「未来から………」

    諏訪子「どうやら未来には時間を移動できる装置か、そんな能力を持った者が現れるんだろうね」

    神奈子「会いたいねぇ………碇ユイに碇シンジか…………」

    諏訪子「私達が信仰を失わなかったら2000年先の未来でも生きていられるかもね…………」

    神奈子「だな…………」

    諏訪子「んじゃ私は視察があるからお先に〜」

    神奈子「ああ、じゃあな」


    〜時間は一気に飛んで高校入試合格発表の日〜

    映姫「…………受かった」

    なんやかんやあった(本編ではバッサリカット作品が完結したら番外編を書く予定)が、
    無事、高校に入学出来たの映姫であった。
  16. 16 : : 2016/12/19(月) 23:09:52
    第六話・再会の兆し

    あれから7年の月日が流れた。(前回も言ったけどこの7年間は番外編で書きます)
    映姫は大学四年生になり、考古学者への道を順調に進んでいた。(身長は7年経ってもそのまま)
    そんなある日…………

    映姫「あれ………手紙が来てる」

    映姫は久々に自宅に帰っていた、ポストを確認すると諏訪子からの手紙が来ていた。

    映姫「どうしたんだろう………!?」

    映姫は手紙を見た瞬間、準備もせずに諏訪大社へ走っていった。

    映姫「諏訪子さん!」

    諏訪子「映姫ちゃん!早く!」

    映姫「どこに!?どこにいたんですか!?」

    諏訪子「ここから東へ400キロのところに純狐ちゃんのものと思われる神力が観測されたんだ!」

    映姫と諏訪子は神奈子を呼んですぐに準備を始めた。

    調査隊のメンバーは映姫と諏訪子と神奈子を含めた20人で構成された。

    諏訪子が調査隊に招集をかけていると諏訪子の部屋に神奈子が駆け込んできた

    神奈子「見つかったって!?」

    諏訪子「今から調査隊と一緒に調査しに行くところだよ、」

    神奈子「やっと真実が………」

    諏訪子「うん、見つけよう、純狐ちゃんを」


    その頃純狐は


    純狐「もうどれぐらい経ったかしら………怒りを純化したんだっけ、純化しちゃったせいで映姫ちゃんの顔も、羿さんの顔も、
    全然思い出せない、私のしたことは正しかったの?本当に嫦娥が全ての元凶なの?
    わからない……………………会いたいよぉ…………………羿さん…………映姫ちゃん…………」

    純狐は自分の怒りを純化した、しかし怒りという感情は時とともに風化していく、
    復讐心が薄れ、穴が空いた心に今度は孤独がやってきた。


  17. 17 : : 2016/12/19(月) 23:59:44
    第七話・再会

    400キロ東には広い平野があるらしい、しかしそこに行くまで最低でも2年旅をしなければならないらしい。
    今の見た目こそ現代と大差ない諏訪大国だが、一歩国の外に出れば道どころか獣道すらほとんどない
    山と森だけの世界が広がっていた。

    調査隊の編成が終わり、今日、やっと母さんに会いに行ける。長い一人暮らしが終わりを告げようとしていた。

    8月21日、諏訪調査隊は純狐捜索の為に出発した。


    暑い夏、鬱蒼とした森をひたすら歩く、

    涼しい秋、紅葉に色づいた山を登る、

    凍える冬、凍った沼地を歩く、

    暖かい春、桜の群生地を歩く、

    また来た夏、猛暑の中草原をひたすら歩く、

    また来た秋、紅葉は見られなかった、紅葉に色づく種類の木がなかったからだ、

    また来た冬、豪雪の山を登る……………

    諏訪大国からだいたい340キロ、この山を越えれば広い平野にたどり着く、
    映姫は雪山の中腹で意気揚々と昼食をとっていた。


    バアァァァン!(ジョジョの効果音って言った奴出てこい)


    そのとき、大きな爆発が起こった、
    調査隊の一人がガスコンロのガス缶を誤って爆破してしまった、幸いその隊員が火傷と軽い怪我で済んだが…………
    問題は今の爆破で雪崩が起きないか………
    案の定、大規模な雪崩が発生した。
    しかし諏訪子さんと神奈子さんが結界を貼り、雪崩は調査隊の休憩場所に来ることはなかった。

    改めて準備をして、東の平野へ向けて調査隊は歩き出した。

    秋…………純狐の神力が観測された場所へ着いた、そこには巨大な金属の塊があった。

    映姫「何………これ…………」

    諏訪子「確かにこれの中から純狐ちゃんの神力が出てる………神奈子!開けれる?」

    神奈子「やってみよう…………はあ!」

    神奈子は金属を錆びさせる術を使った、
    すると、蜘蛛の巣のようなヒビが入り、金属の塊は壊れた。

    純狐「……………誰?」

    映姫「!!」

    純狐「あなた………どこかで………?」

    諏訪子「どうやら記憶障害があるみたい」

    映姫「お、お母………さん?」

    純狐「え……?映姫なの?……………」

    映姫「そうだよ!お母さん!映姫だよ!忘れちゃったの!?」

    純狐「ごめんなさい………私、今まであなたの顔を忘れていた…………本当にごめなさい………………」

    映姫「いいの…………また会えたんだから……………」

    そう言って映姫は純狐に抱きついた。

    映姫「おかえりなさい、お母さん」

    純狐「………ただいま、映姫ちゃん」

  18. 18 : : 2016/12/20(火) 00:01:53
    純狐は怒りを純化しきっていなかった、自分の大切な家族のことは覚えていたのだ。

    不倶戴天・永き復讐編・完
  19. 19 : : 2016/12/20(火) 00:09:43
    不倶戴天・六分儀ゲンドウが幻想入り編に続きます

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