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ライナー「デート」

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  1. 1 : : 2016/11/23(水) 13:44:34
    ベルトルト「…もう一回言ってくれ」

    ライナー「だから、今週末の予定にはデートが入ってんだって」

    ベルトルト「僕の誘いを断る理由がそれか?もっとマシな言い訳考えたらどう」

    ライナー「俺が嘘ついてると思うか?」

    ベルトルト「思う」

    ライナー「おい」

    ベルトルト「もし仮に、仮にだよ?その話が本当だったとして」

    ベルトルト「相手は誰なんだ?」

    ライナー「ユミル」

    ベルトルト「もう一回聞いてあげるから他の名前挙げな」

    ライナー「おい」
  2. 2 : : 2016/11/23(水) 13:45:36
    ベルトルト「君、そんなに図書館嫌いだったっけ?」

    ライナー「いいや、あの落ち着いた雰囲気は好きだぜ。睡眠学習に持ってこいだ」

    ベルトルト「寝るなよ」

    ライナー「冗談。あー、読みかけのシリーズがあるから行きてえなあ」

    ベルトルト「じゃあ行こ」

    ライナー「また今度な」

    ベルトルト「もう茶番はいいから」

    ライナー「はっは、まいったな…」

    ベルトルト「…」


    ベルトルト「え、マジ?」

    ライナー「俺はいつでもマジだぜ」

    ベルトルト「そういうのもいいから」
  3. 3 : : 2016/11/23(水) 13:46:12
    ベルトルト「ほ、本気?ユミルと…」

    ライナー「今度の休みに出かける」コク

    ベルトルト「嘘だろ…いつものジョークかと思ってた…」

    ライナー「たち悪すぎだろ」

    ベルトルト「ユミルは冗談じゃ済まないよね」

    ライナー「だな」

    ベルトルト「…ならどうしてデートなんか」

    ライナー「いや実は、これには深ーいワケがあってだな…小一時間かかるけどいいか?」

    ベルトルト「君がそのくだりを口にする時は、決まってどうでもいい理由だから手短に話して」

    ライナー「罰ゲームでやられた」

    ベルトルト「単純明快」
  4. 4 : : 2016/11/23(水) 13:58:37
    ライナー「ほらこないだの、皆でポーカーやった時。覚えてないか?」

    ベルトルト「? いつの話?」

    ライナー「あ、お前居なかったわ」

    ベルトルト「サラッと傷つけようとするのやめて」

    ライナー「始めた時のメンバーは俺、エレン、それからコニーだ」

    ベルトルト「わざわざ教えてくれなくていいから」

    ベルトルト「というかその、随分偏ったメンバーだね…?」

    ライナー「負けたら嫌だからな、バカで揃えてみた。なんてな」ハッハッハ

    ベルトルト「ガチすぎ」

    ライナー「俺はいつでもマジだぜ」

    ベルトルト「アホすぎ」
  5. 5 : : 2016/11/23(水) 14:33:41
    ライナー「まあ、罰ゲーム賭けてたからな。必死にもなる」

    ベルトルト「その罰ゲームの内容がデート?」

    ライナー「そうだ。相手は勝った奴が指名する」

    ベルトルト「…なにか違和感があるな」

    ライナー「多分、その違和感の正体はミカサだと思うぜ」

    ベルトルト「ミカサ?なんで…あっ、もしかして」

    ライナー「そういうことだ。俺はミカサにデートのセッティングを頼まれて、2人をポーカーに誘った。ちなみにターゲットは…言わなくても分かるな?」

    ベルトルト「…」ゴクリ
  6. 6 : : 2016/11/23(水) 14:50:48

    ベルトルト「質問」スッ

    ライナー「ベルトルトくんどうぞ」

    ベルトルト「なんでまどろっこしい方法を取ったの?」

    ライナー「俺だって最初は直球で勝負した。けどエレンの奴、ミカサに全く興味を示さねえんだよ」

    ベルトルト「あー」

    ライナー「ただ勝負事は好きみたいだからな。ちょっと煽ったらすぐノッてきたぜ」

    ベルトルト「チョロいね」

    ライナー「むしろその後、ルール教えるのに苦労した」

    ベルトルト「ポーカーなんてカッコつけるからだよ。僕達子どもにはせいぜいババ抜きがお似合いだ」

    ライナー「大人よりでけえ奴が何言ってやがる」

    ベルトルト「もう一つ質問」スッ

    ライナー「沢山手を挙げるとは、感心だなベルトルト。いいぞ」

    ベルトルト「コニーをメンバーに入れたのは何のために?」

    ライナー「そこに居たからなんとなく」

    ベルトルト「なんとなく」
  7. 7 : : 2016/11/23(水) 14:53:12
    ライナー「戦局はもちろん俺の優勢」

    ベルトルト「だろうね。あの2人、手札が顔に書いてあるし」

    ライナー「ああ。超能力を得た気分だ」

    ベルトルト「楽しかった?」

    ライナー「んなわけあるかよ、バックにミカサがついてんだぜ?物理的に。冷や汗止まんねえよ」

    ベルトルト「見張られてたのか…」

    ライナー「天井からな」

    ベルトルト「バックじゃないじゃん!」
  8. 8 : : 2016/11/23(水) 15:40:24

    ライナー「で、ユミルが現れてな」

    ベルトルト「何が「で、」なのか分からないけど、うん」

    ライナー「面子見るなり、混ぜろって強引に割り込んできてよ」

    ベルトルト「勝てると確信した瞬間だろうね」

    ライナー「そうしたら他の奴らも集まってきてな」

    ベルトルト「それで結局君が負けたの?」

    ライナー「いや、イカサマがバレたユミルが強制的にビリ」

    ベルトルト「ユミル…」

    ライナー「俺は無事圧勝したんだが、それを妬まれて、ユミルと共謀したとでっち上げられて俺もビリ」

    ベルトルト「ライナー…」
  9. 9 : : 2016/11/23(水) 18:19:03
    ライナー「それから、ビリ同士仲良く罰ゲーム受けてこいっつう流れになったわけだ。よく分からんが」

    ベルトルト「ライナーには強く生きてほしい」

    ライナー「俺もそうありたい」

    ベルトルト「断ったら?」

    ライナー「皆が許さねえよ。せっかく面白いネタ手に入れたんだからな」

    ベルトルト「うーん…あ、ミカサの件はどうしたの?よく今まで生きてこれたね?」

    ライナー「それはな、首の皮一枚でなんとか繋がったよ。勝負をひっくり返された時はさすがに死を予感したが」

    ベルトルト「クエストはクリアしたんだ?」

    ライナー「ああ。デートなんてさっぱりだ、今度ミカサとデートしてきて参考までに聞かせてくれってエレンに泣きついたのさ」

    ベルトルト「彼の良心を利用したんだね」

    ライナー「俺を悪者扱いしないでくれ。むしろ恋のキューピットだぞ」

    ベルトルト「こんなムキムキのキューピットいてたまるか」
  10. 10 : : 2016/11/23(水) 18:27:41
    ベルトルト「ユミルのことだし…どうせ彼女も乗り気じゃないんだろ?二人で話合わせるだけで済ましたら?」

    ライナー「いや、当日偵察部隊がいる」

    ベルトルト「わざわざ後つけてくるの…?」

    ライナー「男嫌いと、男好きと噂される奴らが嫌々デートするんだぞ。どう思う?」

    ベルトルト「面白そう」

    ライナー「だろ」

    ベルトルト「君、男好きなの?」

    ライナー「親友に疑われるとは、俺もお終いだな」

    ベルトルト「スッ」

    ライナー「今、物理的な距離と共に心の距離も離れた音がするぜ。気のせいか」

    ベルトルト「答え合わせしたい?」

    ライナー「やめとく」
  11. 11 : : 2016/11/23(水) 18:40:44
    ベルトルト「あー…僕思うんだけどさ、ライナー、君ってかわいそうだ」

    ライナー「本当にそう思ってるか?」

    ベルトルト「疑心暗鬼に陥るなよ」

    ライナー「いっつもジョークばっかり飛ばしてるとな、見分けつかなくなってくんだよ」

    ベルトルト「相当危ないレベルまで落ちてるね。でも今までのが冗談で、同情する気持ちは本当だよ」

    ライナー「パンに誓って?」

    ベルトルト「どうして誓う対象がパンなんだ」

    ライナー「大事な食料源だぞ」

    ベルトルト「だったら肉のが偉大だ」

    ライナー「俺達には縁のない食い物だな」

    ベルトルト「うーん、じゃあ間をとって芋で」

    ライナー「わかった。芋に誓え」

    ベルトルト「うん、誓う」

    ライナー「よし」

    ベルトルト「(…何かがおかしい)」
  12. 12 : : 2016/11/23(水) 18:47:56
    ベルトルト「手伝えることがあるなら、手、貸そうか?」

    ライナー「なら当日代役を頼む」

    ベルトルト「どうやら僕の出番はないみたい」

    ライナー「薄情な奴め」

    ベルトルト「だって僕がそれを達成するには勇気と、金髪に白い肌と、筋トレと、ノコギリがいるじゃないか」

    ライナー「待て、筋トレまでは分かるが…最後のはなんだ」

    ベルトルト「身長を縮める道具」

    ライナー「お前のノコギリに対する認識間違ってるぞ」
  13. 13 : : 2016/11/23(水) 18:55:04
    ベルトルト「ところでデートプランは決まった?」

    ライナー「おう。まず、当日待ち合わせ場所の広場で落ち合うだろ?」

    ベルトルト「うんうん」

    ライナー「それから自由行動、解散、帰宅」

    ベルトルト「待って」

    ライナー「どうした」

    ベルトルト「おかしい」

    ライナー「今の話、笑うところか?」

    ベルトルト「そっちの意味じゃない」
  14. 14 : : 2016/11/23(水) 19:01:21
    ベルトルト「それ、デートプランじゃなくて遠足日程」

    ライナー「じゃあ遠足でいいぜもう」

    ベルトルト「投げやりになるなよ」

    ライナー「だってなあ…女の子だったらやる気出るぜ?そりゃ」

    ベルトルト「ユミルも女だよ。…多分」

    ライナー「…あいつがどこ行きたいか思いつくか?」

    ベルトルト「…」

    ベルトルト「………ケーキ屋?」

    ライナー「それは"女子"に有効なコースだろ…ユミルに効くか?」

    ベルトルト「いや、ワンチャン…ね?」

    ライナー「ね?って…甘い物嫌いなら地雷だぞ」

    ベルトルト「後をつけてる人達を楽しませることはできるよ」

    ライナー「俺は気まずい空気に包まれることになるな」

    ベルトルト「がんばって」

    ライナー「がんばらねえよ。なんで体張ったエンターテインメントをお送りしなきゃなんねーんだ」
  15. 15 : : 2016/11/23(水) 19:16:19
    ライナー「まあ…こういうのは出たとこ勝負だ。考えても始まらねえ」

    ベルトルト「要するに考えるのが面倒になった、と」

    ライナー「見てろよ、世界一つまらないデートにしてやる」

    ベルトルト「うん、まあ、応援してる」

    ライナー「…あー、クリスタと代わってくれって頼んだら了承してくんねえかなー」

    ベルトルト「君のその度胸は買うよ」
  16. 16 : : 2016/11/24(木) 00:12:49
    ベルトルト「そしてデート当日」

    ベルトルト「(…後でからかいたいわけじゃないけど)」

    ベルトルト「(気になって、来ちゃった)」コソッ


    ジャン「おお?お前も来たのか、ベルトルト」

    ベルトルト「えっ、あっ」ビクッ

    コニー「やっぱ気になるよな!」

    サシャ「分かりますその気持ち…今日は居心地悪そうな2人を眺めてにやにやしたいと思います!」

    ベルトルト「…(例の偵察部隊、っていうのはこの事か)」

    ベルトルト「(が、がんばれ、ライナー)」ゴクリ
  17. 17 : : 2016/11/24(木) 00:18:20
    ジャン「にしてもおせえなあ、ユミル。待ち合わせの時間とっくに過ぎてるじゃねーか」

    コニー「もしかしてドタキャンってやつ!?」

    ジャン「イカサマはするわ約束は破るわ…なんでもアリだな」

    サシャ「ライナー、待ちぼうけでかわいそうですね…どことなく悲しげな雰囲気が漂ってます」

    ベルトルト「(…いや、あれはユミルが現れなくてホッとしてるって顔だ)」


    ライナー「…ふぁーあ」


    コニー「あ、呑気にあくびしてる」

    サシャ「あれ?」

    ベルトルト「(ほら)」
  18. 18 : : 2016/11/24(木) 00:28:12
    コニー「ん?…おっ、ユミルだ!こっち向かってるぞ!」

    ジャン「シッ!声がでけえ!…奴め、やっとお出ましか」

    サシャ「これ以上ないくらいチンタラ歩ってますね」

    コニー「うっわ、めっちゃだるそー」

    ベルトルト「(…あれはさっきまで寝てたって顔だな)」



    ユミル「よお」ポリポリ

    ライナー「…おう」

    ユミル「…」

    ライナー「…」



    コニー「いや、なんか喋れよ!」ゲラゲラ

    ジャン「ぶふっ!あ、あいつら…早速気まずくなってやがる…!」プルプル

    サシャ「…ッ!ッ…!!」プルプル

    ベルトルト「…(やばい…ライナーにとって全く面白くない状況なのに、釣られて笑っちゃいそうだ…)」プルプル
  19. 19 : : 2016/11/24(木) 00:34:27
    ベルトルト「(そうだ、ぶっちゃけライナーとユミルは訓練生活の中で特にこれといった接点がない…!)」

    ベルトルト「(だから話題も…)」


    ユミル「…」

    ライナー「…」


    ベルトルト「ない!!」

    コニー「え!?」ビクッ

    サシャ「」ビクッ

    ベルトルト「…あっ、ご、ごめん」

    ジャン「急に大声出すなよ…」
  20. 20 : : 2016/11/24(木) 00:45:40
    ライナー「…とりあえず、何かしたいことあるか」

    ユミル「腹減った」

    ライナー「分かった。飯だな」

    ライナー「あー…希望は?」

    ユミル「肉」

    ライナー「それなら兵舎の食料庫で見かけたぜ。上官サマのものだけどな」

    ユミル「そーれ盗ってこい」

    ライナー「誰が犬だ」


    ベルトルト「(あっ、ちゃんと会話はできるみたいだ…!よかった)」

    サシャ「ベルトルト、食い入るように2人を見つめてますね」ヒソヒソ

    コニー「だな」ヒソヒソ

    サシャ「もしかして…」

    コニー「…はっ!」

    ジャン「なんだよ、どうした」

    サシャ・コニー「「ユラミイルナーが好き…?」」

    ジャン「絶妙にハモってねえぞ」
  21. 21 : : 2016/11/24(木) 10:40:22
    ライナー「要はガッツリしたものが食いたいんだな?」

    ユミル「ん」

    ライナー「…じゃあこっちだ」スタスタ


    サシャ「あっ、ちゃんとエスコートしてますね!」

    ジャン「あれでか…?あいつらの歩く間隔、1mは離れてるぞ」

    コニー「喧嘩中のカップル的な?」

    ジャン「赤の他人、って表現のがしっくりくる」

    ベルトルト「(…どこへ連れてく気だろう)」

    サシャ「むむ、お店の方に入っていきますよ!」

    ジャン「あれは…」

    サシャ「…なんというか」

    ベルトルト「(ム…ムードもクソもない、殺伐とした普通の飯屋だ!!)」

    コニー「あっここ、俺来たことあるぜ!」

    サシャ「おいしいですか?」

    コニー「うーん、量が多かった!」

    サシャ「ほほう…」ジュルリ

    ジャン「ヨダレしまえ、きったねえ」
  22. 22 : : 2016/11/24(木) 13:05:04
    サシャ「さーて、じゃ行きますか…」スッ

    ジャン「バカ、どこ行く気だ」

    サシャ「目の前に飯屋があるんですよ!?他にどこ行けと!?」

    ジャン「どこにも行かんでいい!!」

    コニー「えー、俺らも食い行こうぜ」

    ジャン「鉢合わせた時面倒だろ?ましてや、席を隣にでもされたら…」

    ベルトルト「…眼光鋭い二人組の、強烈な視線を浴びながら食事することになるね」

    ジャン「…(コイツ、ライナー居なくても喋るんだな…)」

    コニー「あー、そっかー。あいつら俺達のこと恨んでるだろなー」

    サシャ「じゃあ買い食いで済ませてあげますよ!仕方ないですねえまったく」ムシャムシャ

    ジャン「おま、いつの間に…」

    サシャ「ちなみにお代はジャン持ちです」

    ジャン「はあ?お前に金渡した覚えはねえぞ?」

    コニー「ついでに財布スられた記憶もないみたいだな!」ウシシ

    ジャン「あっこの!芋女が!」

    サシャ「フーッ…全額使い切らなかっただけありがたく思ってください」

    サシャ「ベルトルトも食べますか?」

    ベルトルト「えっ…あ、ありがとう」

    サシャ「じゃ半分こですね!」スッ

    ベルトルト「…(これが半…分…?)」
  23. 23 : : 2016/11/24(木) 14:36:11
    ライナー「うまかったか?」ガチャッ

    ユミル「ああ。ひとの金で食う飯は基本的にな」スタスタ


    ジャン「おい…出てくるの早くねえか?」

    サシャ「大丈夫です!私の食べきるスピードに比べたら屁でもありません!」

    ベルトルト「(なにが大丈夫なんだ)」

    コニー「放屁事件だけに、ってか?」ニヤ

    サシャ「なっ、あれは私関係ないですよ!」ムッカー

    ジャン「うるせえ静かにしろ!…あいつら、店入ってから30分も経ってねえぞ…こりゃあデートなんてもんじゃねえ、ただの昼飯だ」

    ベルトルト「…もしかしてこのまま帰っちゃうんじゃ」

    コニー「それなら心配することないぜ!夕方まで帰ってくんなって念を押したからな!」

    ベルトルト「…(この後どうなるのか、尚更心配だ)」

  24. 24 : : 2016/11/24(木) 14:49:00
    ベルトルト「(君は、本当にあの遠足日程をこなす気じゃないだろうな、ライナー…)」ゴクリ


    ライナー「…この後希望は」

    ユミル「帰る」

    ライナー「それにはまだ早い」

    ユミル「寝る」

    ライナー「お前、腹が満たされたからって眠くなってるだろ」

    ユミル「今すぐ寝ないと巨人が現れる気がする」

    ライナー「はあ、わかったよ…ついてこい」


    ベルトルト「!?」

    ジャン「!?」

    コニー「!?」

    サシャ「あっ、あの屋台美味しそう」
  25. 25 : : 2016/11/24(木) 15:25:40
    コニー「聞いたか?今の」

    ジャン「ああ、ばっちりとな…」

    サシャ「え?なんですか?何の話ですか?」

    ベルトルト「…えっと」

    コニー「これから寝に行くんだってよ、あいつら!」

    ベルトルト「」ブッ

    サシャ「寝るんですか!?」

    ジャン「声がでけえ、バカ!!」

    コニー「信じらんねえよなあ、ほんと」

    サシャ「ですねえ」

    ベルトルト「…ハッ(二人はバ…鈍いから気付いてない…?)」

    ジャン「もうさすがとしか言いようがねえな…あいつにゃ完敗だ」クスクス

    ベルトルト「(…こっちは何か察してるみたいだけど)」
  26. 26 : : 2016/11/24(木) 15:38:03
    サシャ「あれれ、どんどん商店街から離れていきますよ?」

    ジャン「そりゃお前、こんなとこに目的地があるわけねえだろ」フッ

    ベルトルト「…(まずい、この方角は…)」ダラダラ

    コニー「ベルトルト…なんで汗かいてんだよ…今冬だぞ」

    サシャ「あっ広い公園に出ましたね」

    コニー「ここで寝んのか?」

    ジャン「いんや、ゴールまであと少しってとこだな」

    ベルトルト「…」ダラダラ
  27. 27 : : 2016/11/24(木) 15:48:16
    コニー「ライナーがキョロキョロしだしたぞ!」

    サシャ「なにか探してるんですかね?」

    ジャン「裏通りまでの道順じゃねえか?くっくっく…」

    ベルトルト「…(頼むよ、ライナー…もう見てらんないよ…)」


    ライナー「…ま、ここでいいだろ」

    ライナー「来いユミル」

    ユミル「あぁ?」


    ベルトルト「!?」

    ジャン「ブフッ!げっほげほ…っ!ま、まじかよ?」プルプル

    コニー「寝る場所決めたみたいだな?」

    サシャ「あー、今日は天気も良くって奇跡的にあったかいですし、外で寝るのもいいかもしれませんねえ」ウンウン

    コニー「ぼっこぼこ日和ってやつか!」

    ベルトルト「そ、それを言うなら日向ぼっこ日和じゃないかな」
  28. 28 : : 2016/11/24(木) 15:55:59
    ライナー「芝生に俺の上着敷いてやるから、そこで寝とけ」

    ユミル「枕がねえ」

    ライナー「じゃあマフラーも貸してやるよ…ったく」スッ

    ユミル「こりゃどうも。嫌な温もりに関しては文句言わないどいてやるぜ、優しいからな」

    ライナー「温めてやったんだよ」

    ユミル「さいですか…うーん、寝るのにピッタリの天気だな。んじゃおやすみ」ゴロン

    ライナー「やれやれ…」


    サシャ「…本当に寝ちゃいましたね」

    コニー「だな」

    ジャン「なんだよ、何もねえのかよ…」チッ

    ベルトルト「(…疑ってごめん、ライナー)」

    サシャ「この後ライナーはどうするんですかね?」

    ジャン「律儀に待つ気なんじゃねえの?俺なら置いて帰るけどな」

    コニー「ジャンってモテなさそうだよな」

    ジャン「は!?今、関係ねえだろ!?」
  29. 29 : : 2016/11/24(木) 20:51:12
    コニー「ライナー、ユミルの隣に座ったまま動かなくなっちゃったな」

    サシャ「うーん…寝たのかもしれませんね…」

    ジャン「どこに、座ったまま目を見開いて寝る奴がいんだよ」

    サシャ「あそこです!」

    ベルトルト「(ただボーッとしてるだけじゃ…)」

    サシャ「あっ!ライナーが何かを取り出しました!」

    ジャン「…本だな」

    コニー「本格的に待つつもりかよ!ちぇっ、つまんねえ」

    サシャ「でも…遅刻しても怒らないし、ご飯は奢ってくれるし、眠いと言ったら寝かせてくれるし…」

    サシャ「要望は全部叶えてくれたわけですから、これはこれで良いデートかもしれません。ライナー、優しいですね!」

    ジャン「そうかあ?」

    サシャ「はい!ジャンよりずっと!」

    ジャン「唐突に俺をディスるなよ!」

    ベルトルト「…」
  30. 30 : : 2016/11/24(木) 20:59:03
    ベルトルト「(遅刻しても怒らないのは、デートの時間を減らしてくれたからで…)」

    ベルトルト「(ご飯を奢ったのは、ユミルがお金を出してくれるとは思えなかったから…)」

    ベルトルト「(あっさり寝かせたのは、1人の方が気楽だから)」

    ベルトルト「(…じゃないかな…言えないけど)」チラ

    サシャ「? なんですか?」

    ベルトルト「あっううん…なんでもないよ」

    ベルトルト「(…つまらないデートにするとか言ってたけど、一応女子から高評価を得られたし…良かったねライナー)」

    コニー「なあ、なんでベルトルトは満足そうな顔してんだ?」ヒソヒソ

    ジャン「…お前らの、ベルトルトがユミルかライナーを好きって推測…あながち間違いじゃねえのかもな」
  31. 31 : : 2016/11/24(木) 22:34:00
    サシャ「…はっ!どこからともなくボールが!しかもユミルの方向に!」



    ライナー「…おっと」バシッ

    ユミル「ぐう」スヤァ


    コニー「ナイスキャッチ!」

    ジャン「…犯人は近くで遊んでたガキか」

    サシャ「女の子のピンチを救うなんて、カッコいいですね!ユミル、起きてたら良かったのに」

    ジャン「へえ、お前の関心が食べ物以外に向くことってあるんだな」

    サシャ「な、なにを!私も女の子ですから!」フーッ

    コニー「おお?ライナーのやつ、そのままボール遊びに誘われてるぜ!」

    ベルトルト「(…言っちゃ悪いけど、強面なのに…物怖じしない子達だな)」

    サシャ「どうやらライナーの筋肉に興奮してるみたいですね?」

    ジャン「まあ、あのむさくるしさはなかなかいない逸材だしな」
  32. 32 : : 2016/11/24(木) 22:43:29
    サシャ「ライナーって子どもにも優しいんですねえ…」

    ベルトルト「まあ、可愛いものは基本的に好きみたい」

    ジャン「それ、危ない発言に聞こえるぜ」

    コニー「いいなー、ボール…俺も混ざりてえなー」ソワソワ

    ジャン「行ってこいよ、お前ならあの中に混ざっても違和感ねえし。中身も見た目も」

    コニー「…」

    コニー「それって俺をバカにしてんのか!?」

    ベルトルト「(タイムラグ長いな)」

    サシャ「そ、それより大変ですよ!柄の悪そうな人達がユミルに近づいてきてます!」

    ジャン「あー…あんな所で一人で無防備に寝っ転がってたら、追い剥ぎしてくださいつってるようなもんだしな」

    コニー「でも年は俺達と同じくらいじゃね?あんなの、ライナーの筋肉で一発だろ」

    サシャ「ライナーはユミルから離れたとこにいますよ!気づいてません!」

    ベルトルト「あの子達と遊ぶのに夢中みたいだね…た、助けに行く?」

  33. 33 : : 2016/11/24(木) 23:00:37
    サシャ「えっ、ライナーみたいに筋肉ないんですけど…いけますかね?」

    ベルトルト「…解決の手段は筋肉以外にもあるから安心していいよ」

    コニー「たとえば?」

    ベルトルト「は、話し合い…とか」

    コニー「えー、そんな上手くいくかよー!」

    サシャ「でも…喧嘩は良くないですよね!な、なんか作戦考えましょう!」

    ジャン「…いや、その必要は無さそうだ」
  34. 34 : : 2016/11/24(木) 23:02:45
    ライナー「そいつは俺の連れだ、他当たってくれ」

    チンピラA「ああ?」

    ライナー「金なら持ってねえぞ。お互い、兵士らしく慎ましい生活を送ってるんでな」

    チンピラB「げ、こいつら駐屯兵か…?」

    ライナー「今日はオフだからな、目立つ兵服は部屋に置いてきた。分かりにくくてすまん」

    チンピラC「厄介だな…どうする?」

    チンピラA「…行こうぜ」

    チンピラB「チッ」

    ユミル「( ˘ω˘ )スヤァ」



    コニー「お、おおー…」

    サシャ「カ…」

    サシャ「カッコいい…!!」パチパチ

    コニー「言うことねえな!」パチパチ

    ベルトルト「(あ、拍手してる)」

    サシャ「見ました!?今の!!」ガバッ

    ジャン「騒ぐな!当たり前だろ、隣にいたんだから…」

    サシャ「すごかったですね!ライナーが大人びて見えました!!」

    ジャン「でも、身分詐称だなありゃ」

    サシャ「もう!細かいことは言いっこナシですよ!」

    コニー「そうだそうだ!」

    ベルトルト「…向こうが勝手に勘違いしただけだから、セーフじゃないかな。ライナーは一応、事実しか述べてないし」

    コニー「そうだそうだ!」

    コニー「…詐称ってなんだ?」

    サシャ「さあ、わかりません!」

    ジャン「おい」
  35. 35 : : 2016/11/24(木) 23:14:04
    サシャ「あ、ライナーが定位置に戻りましたね」

    ベルトルト「放っておいたらまた危ないしね」

    ジャン「さながら番犬だな」

    コニー「…」

    コニー「暇だ!!」

    ベルトルト「えっ」

    コニー「ライナーはまた本読みだしちまったし…俺、ジッとしてるの耐えらんねー!」

    サシャ「私もお腹が空きました」

    ジャン「さっきたらふく食ってたじゃねーか」

    サシャ「あれは別腹です!」

    ジャン「は?」

    ジャン「まあ…このまま進展ないのにも飽きちまったなあ」

    ベルトルト「…それなら後は僕が見とくけど…三人とも、帰ってもいいよ」

    コニー「えっ本当か!!」

    サシャ「い、いいんですか?」

    ベルトルト「うん、ジッとするのは得意分野だから」

    ジャン「おお?悪いな。実は他の奴らに報告頼まれてたんだけどよ、いやあ代わってくれるとは!」

    ベルトルト「う、うん」

  36. 36 : : 2016/11/25(金) 13:17:43
    コニー「じゃ、またあとでなー!」

    サシャ「何食べに行きます?もちろんジャンの奢りで!」

    ジャン「いやなんでだよ!」

    ベルトルト「ば、ばいばい…」ハハ


    ベルトルト「…」

    ベルトルト「行ったか…」
  37. 37 : : 2016/11/25(金) 13:58:16
    ベルトルト「やあ」スタスタ

    ライナー「おお?来てたのか」

    ベルトルト「気になって、見に来たんだ。そしたら、なりゆきで偵察部隊とやらと一緒に回ることに…」

    ライナー「要するにずっと見てたのかよ…ったく、この野郎」ハハ

    ベルトルト「他の皆を追っ払ったんだから、それで勘弁してよ」

    ライナー「へえ、そいつは有能だな」

    ベルトルト「どうする?もう帰る?」

    ライナー「いや…鉢合わせたら何か言われるだろ。このまま夕方まで大人しく過ごしとく」

    ベルトルト「じゃあ僕も」ヨッコラセ

    ライナー「先帰ってていいぞ?」

    ベルトルト「たまには日向ぼっこも悪くないから」

    ライナー「そうか。同意見だ」
  38. 38 : : 2016/11/25(金) 23:06:26
    ライナー「…俺の遠足日程、どうだ?」

    ベルトルト「うーん酷かったね」

    ライナー「フッ、褒め言葉として受け取っとくぜ」

    ベルトルト「でもサシャからは高評価だったよ」

    ライナー「マジかよ。…それ、飯の配点がウエイトを占めてねえよな?」

    ベルトルト「君のこと優しいって褒めてた」

    ライナー「…昔聞いたことあるんだが、優しいって言われる奴はモテないらしいな」

    ベルトルト「ライナーって優しいよね」

    ライナー「バカ。俺のモテ期が遠のくだろ」

    ベルトルト「優しいよね」

    ライナー「お前…俺が彼女でも作ったら、"爆発しろ"とか言ってのけちゃうタイプだろ」

    ベルトルト「さすがにそこまでは言わないよ」

    ライナー「そうか」

    ベルトルト「犬のフン踏んじゃえ!とは思う」

    ライナー「口に出さないだけマシだな」
  39. 39 : : 2016/11/25(金) 23:21:15
    ベルトルト「ライナー、彼女作るの?」

    ライナー「そうだな。材料は何がいいか」

    ベルトルト「錬金術に手を出すんじゃなくてさ」

    ライナー「やっぱ粘土か?」

    ベルトルト「僕、紙粘土の手触り好き」

    ライナー「じゃあ紙粘土で」

    ベルトルト「作ってて発狂しない?あまりの虚しさに」

    ライナー「作る前からその感情に襲われてるぜ」

    ベルトルト「僕達が彼女を作るにはまだ早いってことかな」

    ライナー「かもな」

    ベルトルト「彼女作るのって難しいね…」
  40. 40 : : 2016/11/25(金) 23:27:33
    ライナー「作ったとしても俺、裁縫のスキルねえから服着せらんねえわ」

    ベルトルト「彼女素っ裸かよ」

    ライナー「歩くわいせつ罪だな」

    ベルトルト「もうちょっと優しくしてやれよ。彼女泣くぞ」

    ライナー「女心は難しいぜ…」

    ベルトルト「少なくとも服着せるだけで涙は止まるよ」

    ベルトルト「というか服も胴体と一緒に粘土で作ればいいんじゃ?」

    ライナー「365日同じ格好って、不潔じゃね?」

    ベルトルト「同じ服を365着持ってると思えばいいよ」

    ライナー「いやさすがにそこまでいらねえだろ」

    ベルトルト「日替わりでオシャレじゃん」

    ライナー「同じ格好だけどな」
  41. 41 : : 2016/11/25(金) 23:42:21
    ベルトルト「じゃあそれぞれ違う服を着た体を365体作って、首から下を日替わりにしよう」

    ライナー「どうしても日替わりにこだわるか」

    ベルトルト「ところでライナー、何の本読んでたの」

    ライナー「全く関係ねえ話題だな」

    ライナー「まあ、ただの本だ。何の変哲もないやつ」

    ベルトルト「せめてタイトルかジャンルを言ってよ…ちょっと見せて」スッ

    ライナー「あっ、おい」

    ベルトルト「…」

    ライナー「…返せ」パッ

    ベルトルト「…教科書だ。…学科の」

    ライナー「ああ、そうだぜ」ゴソゴソ

    ベルトルト「え、小説読んでたんじゃないの?こんなところで勉学に励んでたのか?君は」

    ライナー「…小説持ってきたつもりが、教科書と間違えてたんだ」

    ベルトルト「…嘘だろ?」

    ライナー「事実は小説よりも奇なり」

    ベルトルト「じゃあ、さっき真剣そうに本を読んでたのは…」

    ライナー「自分のミスに呆然としながら、暇を持て余して仕方なく教科書眺めてたんだ」

    ベルトルト「ごめん」

    ライナー「ああ?」

    ベルトルト「笑っていい?」

    ライナー「却下だ」
  42. 42 : : 2016/11/25(金) 23:49:24
    ベルトルト「子ども達のボール遊びに快く応じてたのもそれか…」

    ライナー「まあ、あいつらの可愛げに負けたのもあるけどな。ただあの時は人生で一番ボールに魅力を感じた瞬間だったぜ」

    ベルトルト「なんかさ」

    ライナー「なんだ?」

    ベルトルト「ユミルの肩、小刻みに揺れてない?」

    ライナー「…ほっとけ」

    ユミル「…くくっ…ダッハッハッ!ひー!」ゲラゲラ

    ベルトルト「無理そう」
  43. 43 : : 2016/11/26(土) 00:05:06
    ユミル「き、教科書が愛読書かよ…!ぶふっ」プルプル

    ライナー「実はな」ハァ

    ユミル「ダハハハッ!」

    ベルトルト「ついでに僕も笑っていい?」

    ライナー「だめだ」

    ライナー「いつから起きてたんだ、お前は…」

    ユミル「ついさっき。んー、寝るつもりなかったのに爆睡しちまったなー」

    ベルトルト「えっ、寝る気無かったの?」

    ユミル「そうだって言ってんだろ」

    ベルトルト「じ、じゃあなんで寝たいって言い出したんだ?」

    ユミル「こいつと過ごさなきゃならねえ時間を少しでも減らすためだよ」

    ベルトルト「ライナー、嫌われてるね」ヒソヒソ

    ライナー「俺も嫌いだから別にいい」ヒソヒソ

    ユミル「聞こえてんぜ」
  44. 44 : : 2016/11/26(土) 00:09:31
    ユミル「ったく、私を置いてってくれりゃあデートはおじゃんになったのに。どっかの誰かさんが生真面目に待つからさあ」

    ライナー「俺が言うのもなんだが、もし俺がいなかったら今頃危ない目に遭ってたぞ」

    ユミル「そら、てめーが早く私を置いてかねえからだよ。おかげで不用心に寝ちまった」

    ライナー「そうは言ってもお前も女だろ。何かあったら困る」

    ユミル「なにい?」

    ベルトルト「…ユミル「ドキッ」」

    ユミル「気色わりいこと口にしてんじゃねーよ」ゲシゲシ

    ベルトルト「ご、ごめん、ほんの出来心で」
  45. 45 : : 2016/11/26(土) 00:15:23
    ユミル「てか、なんでここにいるんだベルトルさん」

    ベルトルト「なりゆき…です」

    ユミル「は?」

    ライナー「見張り追っ払ってくれたらしいぞ」

    ユミル「マジ?じゃあ帰るしかねえじゃん」

    ライナー「まあ、いい頃合だしな」

    ユミル「よっと…ベルトルさん、恩に着るぜ!きっとすぐ忘れるけど!」ダハハ

    ベルトルト「は、はは…」

    ユミル「おら、立った立った。帰んぜ」

    ライナー「ん」スッ
  46. 46 : : 2016/11/26(土) 00:33:54
    ーーーーーー
    ーーー


    ベルトルト「…あのさ、ユミル的には何点だった?」テクテク

    ユミル「あ?」

    ベルトルト「ライナーとの遠足…じゃなくて、デートの評価」

    ユミル「あー…」

    ライナー「どうせマイナス100点とか言うんだろ?」

    ユミル「おっ、冴えてんじゃん」ニシシ

    ライナー「クリスタと代われよ…」

    ユミル「やだね。クリスタは渡さん」

    ライナー「ケチだな」

    ユミル「そういう問題じゃねえだろ、これ」
  47. 47 : : 2016/11/26(土) 00:36:16
    ベルトルト「じ、じゃあ一番良かったところは?」

    ユミル「飯がタダだった」

    ライナー「諦めろ、ベルトルト。こういう奴だ」

    ユミル「ベルトルさんは記者でも目指してんのか?さっきから質問ばっかだな」

    ベルトルト「ええと…その、感想聞いてこいって頼まれて…」

    ユミル「んなもん適当に答えときゃいいんだよ!どうせ真偽は分かりっこねえよ」

    ライナー「ベルトルトに"適当に"なんて頼んだら、なんて答え用意されるか分かんねえぞ。こいつ、程良い加減ってものを知らないからな」

    ベルトルト「じゃあ…「お互い目がハートマークだった」…うん、これでいいか…」ブツブツ

    ユミル「すまん、私が悪かった」
  48. 48 : : 2016/11/26(土) 09:52:24
    ベルトルト「それじゃライナーの感想も聞かせて」

    ライナー「んー…普通に飯食いに行っただけだしな…感想も何も」

    ユミル「ユミル様は素晴らしい人格者でありました」

    ライナー「それだけはぜってえ言わねえ」

    ユミル「チッ」

    ライナー「そうだな…思ったより気楽だったことは確かだな」

    ベルトルト「へえ?」

    ライナー「男といる感覚だった」

    ユミル「はなっから女子として もてなす気ゼロだもんな」

    ライナー「お前にはこれぐらいの待遇で十分だ」

    ユミル「クリスタに言いつけるぜ」

    ライナー「それだけは勘弁してくれ」
  49. 49 : : 2016/11/26(土) 10:04:56
    ベルトルト「あ…兵舎に着いた」

    ユミル「じゃあここでお別れだな。あばよ」

    ライナー「クリスタには良い男だったって言っとけよー」

    ユミル「言うかバーカ」

    ユミル「まあ、今日のデートは及第点だな…また飯奢りたいって言うんなら来てやらないこともないぜ」ニヤ

    ベルトルト「…えっ」

    ユミル「じゃあな」スタスタ

    ライナー「おー…」

    ベルトルト「…」

    ライナー「…」

    ベルトルト「…マイナス100点じゃなかったね」

    ライナー「…タダ飯に味をしめたのか…」

    ベルトルト「ユミルってすべての言動に裏がありそうで怖い」

    ライナー「わかる」

  50. 50 : : 2016/11/26(土) 10:06:47
    ーーーーーー
    ーーー


    ベルトルト「ライナー!今度こそ週末に図書館へ行こう!」

    ライナー「あー…悪いパス」

    ベルトルト「え、予定でも入ってるの」

    ライナー「デート」

    ベルトルト「…もう一回言ってくれ」

    ライナー「だから、今週末の予定にはデートが入ってんだって」

    ベルトルト「犬のフン踏んじゃえ」
  51. 51 : : 2016/11/26(土) 16:52:42
    終。

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akasa

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