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モノクマ「暇だから、残姉の正体バラすね」

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  1. 1 : : 2016/11/16(水) 15:41:13
    コロシアイ起きていません
  2. 2 : : 2016/11/16(水) 15:50:00

    モノクマ「先に言っておくけど、絶望事件とかボクの正体とか記憶の事とか喋ったらグングニルだから」

    戦刃「えっ? そんな、私どうすれば。それにグングニルって何!?」

    モノクマ「じゃあ、明日バラすからアドリブで適当に頑張って。じゃあね」

    戦刃「あっ、待って、盾子ちゃん! グングニルって何!? ……行っちゃった、どうしよう」

    戦刃(あれ? でもこれって、うまくやれば私として苗木君と一緒にいられる?)

    戦刃(よし! 頑張ろう!)

    戦刃(でも本当に、グングニルって何だろう?)

    江ノ島(ん? なんか残姉が小さくガッツポーズしてる)

    江ノ島(また残念な事でも思い浮かんだのかな?)


    ~翌朝・体育館~

    モノクマ「新たな動機を発表します。実は大神さん以外にも内通者がいます!」

    苗木「な、なんだって!?」

    大神「我以外に誰が……」

    モノクマ「その内通者というのは、超高校級のギャル、江ノ島盾子さんです」

    不二咲「え、江ノ島さんがっ!?」

    大和田「マジかよ……」

    モノクマ「しかも! 彼女は本物の江ノ島盾子さんではありません」

    舞園「えっ?」

    モノクマ「その正体は超高校級の軍人、戦刃むくろさんなのです!」

    朝日奈「超高校級の……軍人?」

    山田「なんですとおぉぉっ!?」

    石丸「戦刃むくろだと……?」

    モノクマ「それじゃあ、後は皆に任せるね。じゃあね」

    霧切「本当なの? 江ノ島さん。いえ、戦刃さん」

    江ノ島「……」

    十神「沈黙は肯定と取るぞ」

    戦刃「モノクマの言う通り。私は、戦刃むくろ」

    葉隠「か、カツラだったんだべか?」

    腐川「大神といい、こいつといい、強い肩書きの奴ばかり内通者ね……」

    セレス「何故、江ノ島さんの変装を?」

    桑田「決まってんだろ! 江ノ島のフリして近づいて、俺達を殺す気だったんだろ!」

    苗木「ま、待ってよ。まずは話を聞いてからでも遅くないよ」

    苗木「戦刃さん、教えてくれない? どうして江ノ島さんのフリを?」

    戦刃(あぁ、苗木君はやっぱり優しい。だからこそ、頑張って乗り切ってみせる!)

    戦刃「……大神さんと同じで、人質を取られていた」

    戦刃「言う事を聞かないと、本物の盾子ちゃんが殺されちゃうから」

    十神「ちょっと待て、何故貴様にとって本物の江ノ島が人質になる」

    戦刃「色々あって苗字は違うけど、私と盾子ちゃんは双子の姉妹」

    舞園「ふ、双子だったんですか?」

    不二咲「じゃあ、あっちの写真の江ノ島さんは?」

    戦刃「あれが本物の盾子ちゃん。ちょっと化粧はしているけど、画像修正はやっていない」

    大神「なるほど。双子とはいえ、別人ならば写真と違和感があったのも道理か」

    戦刃「軍人の肩書きのままじゃ皆に警戒されるからって、盾子ちゃんの変装をさせられていたの」

    戦刃「それに盾子ちゃんが希望ヶ峰に入学するのはネットに載っていたから、いないのは拙いからってモノクマが」

    霧切「私達は初対面。誤魔化そうと思えば、見た目ぐらいは誤魔化せるものね」

    江ノ島(本物)(あれ? 残姉の割にまともな返しじゃん。絶望的につまんないですけど)

    苗木「じゃあ戦刃さんは、本物の江ノ島さんを守るために?」

    戦刃「そう。それと苗木君との約束を守るため」

    大和田「はぁ? 苗木との約束だぁ?」

    舞園「いつの間に二人だけで約束を!?」

    石丸「それはどんな約束だね?」

    戦刃「変装している時にしたの。私は苗木君を殺さない。その代わり、苗木君も私を殺さないでって約束」

    山田「しかし、何故現状でそれを守る必要があるのですかな?」

    戦刃「モノクマからの指示で、何かとコロシアイの邪魔をする苗木君を殺す命令を受けた」

    苗木「えっ、僕を?」

    戦刃「でも、苗木君との約束を破れないし、盾子ちゃんも守りたい」

    戦刃「だからモノクマに提案した。私の正体と内通者なのを明かしていいし、私は何も喋らないから、盾子ちゃんと苗木君を助けてって」

    セレス「では、あなたの正体を明かしたという事は、モノクマが提案を受けたのですね」

    戦刃「そう。誰かが私を殺そうとしても、一切の抵抗はしないという追加条件付で」

    戦刃「破ったらグングニルっていうのをされる。どんなのか分からないけど、多分危険なもの」

    葉隠「てことは、戦刃っちを殺そうとしても反撃されないんだべか?」

    腐川「チャ、チャンスよ。今なら、軍人なんて危険人物を排除できるわ」

    不二咲「で、でも、戦刃さんは江ノ島さんと苗木君を守るため、モノクマを裏切ったんでしょ?」

    不二咲「だったら別に殺さなくても」

    苗木「そうだよ! それに危険を犯してまで僕を守ろうとしてくれたんだ」

    苗木「今度は僕の番だ。戦刃さんは、僕が殺させない!」

    戦刃「苗木君……」
  3. 3 : : 2016/11/16(水) 15:50:37

    戦刃(やった、上手くいきそうだよ盾子ちゃん)

    江ノ島(へぇ、残姉の癖にやるじゃん)

    江ノ島(まさかこんな方法で、危険を回避しつつ、苗木と近づこうだなんてね)

    江ノ島(でも危険を完全に回避できるかは、まだ分からないよ?)

    十神「ふん。貴様程度が本当にそんな事ができるのか? 逆にそいつに守られるんじゃないのか?」

    桑田「超高校級の軍人だもんな」

    戦刃「私は別にそれでも構わない。苗木君をお姫様だっこして逃げる」

    苗木「いや、お姫様だっこはやめて」

    舞園「なんて羨ましい! 私も苗木君をお姫様だっこしたいです!」

    霧切「身長差を考えれば、別にできないことはないわね」

    セレス「苗木君は軽そうですから、割と簡単そうですわね」

    苗木「いや、だからやめてって!」

    十神「貴様ら! 論点はそこではない! そこの女、戦刃むくろをどうするかという事だ!」

    葉隠「ふん縛って監禁しておくべ!」

    腐川「どうせ反撃されないんだから、やっちゃえばいいのよ」

    桑田「よっしゃっ、俺がこの金属バットで」

    大和田「いやいや、ここでやったら誰がクロか丸分かりだろ」

    大神「というよりも、戦刃を殺したら黒幕の思惑通りになるのではないか?」

    朝日奈「どういう事?」

    石丸「そうか。モノクマが戦刃君の提案を呑んだのは、僕達が軍人という肩書きに恐怖し、彼女の殺害に及ぶ事なのだな」

    霧切「それが火種になって、コロシアイが起きればいいと思っているんでしょうね」

    苗木「だったらなおさら、戦刃さんは殺させないよ」

    戦刃「苗木君……」

    江ノ島(あ~あ、残姉ったら、あんなうっとりした表情しちゃって。舞園達、鬼の形相で睨んでるし)

    十神「ならばせめて監禁だ。見張りも必要だな」

    舞園「そこまでやりますか?」

    大和田「別にいいんじゃねぇの? 黒幕裏切ったんだから、そのままでも」

    山田「しかし、裏切ったフリをしている可能性も」

    不二咲「だったら、正体を明かしたり苗木君との約束を守る必要は無いんじゃないかな」

    セレス「そうですわね。少なくとも、正体は明かす必要はありませんわ」

    セレス「軍人などという、物騒な肩書きでは警戒されますもの」

    石丸「そんな警戒の中、誰かを殺すのは難しいな」

    朝日奈「だよね。それに多分、さくらちゃん辺りが見張りにつくだろうし」

    葉隠「まぁ、オーガくらいしか軍人に対抗できそうなのはいないべ」

    戦刃「見張りを付けられても構わない。私はそうされるだけの立場だから」

    苗木「そんな……」

    十神「随分と往生際がいいんだな」

    戦刃「自分の状況を冷静に分析しているだけ。でないと、戦場では生き残れないから」

    霧切「さすがは超高校級の軍人ね」

    大神「では、しばらくは我が戦刃の見張りをするという事で良いのか?」

    桑田「いいんじゃねぇの、それで」

    腐川「まぁ、いいんじゃない……」

    大和田「ここにきて殺すのも、モノクマの思惑通りみてぇで面白くねぇしな」

    戦刃「ありがとう。それと、今まで騙しててごめん」

    苗木「気にしなくていいよ。悪いのは江ノ島さんを人質にした黒幕なんだから」

    戦刃「苗木君、初対面の私の事を信じてくれてありがとう」

    苗木「当然だよ。それに変装していたとはいえ、僕達は仲間じゃないか」

    戦刃「だとしても、私を守るって言ってくれたのは嬉しい。お礼に護身術教えてあげようか?」

    苗木「いや、それは別にいいかな」

    戦刃「じゃあチューしてあげようか?」

    舞園「なんでそうなるんですかっ!」

    戦刃「盾子ちゃんならノリでそう言うと思って」

    セレス「あらあら、まだ江ノ島さんのフリが抜けていないんですか?」

    戦刃「じゃあ、えっと……ギュッ、ってしてあげようか?」

    霧切「軍人なんかに抱きしめられたら、繊細な苗木君の体が壊れるから止めなさい」

    戦刃「むぅ……。ちゃんと手加減するもん」

    朝日奈「ねぇ、なんかあの辺で稲妻が迸っているんだけど?」

    大神「全員、凄まじい気迫が漲っているな」

    葉隠「苗木っちの修羅場メンバーが増えたべ」

    桑田「なんであいつばっかり……」

    大和田「さて、巻き込まれる前に帰るか」

    不二咲「う、うん。そうだね」

    十神「付いて行けん」

    腐川「あっ、待ってください、白夜様」

    山田「ふむ、双子ですか。これを新しいネタにして……」

    石丸「むぅ……。いかなる理由があろうと替え玉は。いやしかし、人命が……」

    江ノ島(あれ? なんか受け入れられちゃった?)

    江ノ島(あ~あ、こいつらのことだから、大神の時のように時間と共に自然と受け入れちゃうんだろうな)

    江ノ島(残姉のくせにこの状況を切り抜けるなんて、絶望的いぃぃぃぃぃぃっ!)
  4. 4 : : 2016/11/16(水) 15:50:56

    ~その日の夜・江ノ島改め戦刃の部屋~

    モノクマ「いやぁ、あの状況を切り抜けるなんてやるねぇ」

    戦刃「それほどでも」

    モノクマ「褒めてない! 絶望的につまんないよ! せっかくコロシアイに発展するかと思ったのに」

    戦刃「そんな事言われても……」

    モノクマ「こうなったら残姉、いっそ誰か殺してこい!」

    戦刃「えぇ、無理だよ。しばらくは大神さんが傍にいるから」

    戦刃「それにやっと私として苗木君に近づけるのに」

    モノクマ「残姉さ、何のためにコロシアイ学園生活していると思ってんの?」

    戦刃「分かってるけど、もうここまでグダグダだから」

    モノクマ「そうだよねぇ。舞園の計画は桑田が爆睡して翌朝までメモに気づかず、狂い掛けた舞園が苗木の目の前で殺そうとしたから、あっさり阻止されて」

    戦刃「そういえば私も変な槍で殺そうとしたよね。足を滑らせた苗木君が、背中を押してくれたお陰で回避できたけど」

    モノクマ「変な槍じゃない! グングニル!」

    戦刃「あっ、あれがグングニルだったんだ」

    モノクマ「大和田の衝動的殺人も、苗木が忘れ物を取りに来たせいで阻止されちゃったし」

    モノクマ「セレスの計画も寝付けなかった苗木が葉隠を拉致るところを目撃して、皆を起こしてきちゃってバレちゃうし」

    モノクマ「大神が自殺しようとした時も、探索中に苗木が危ないからって先に毒薬全部処分しちゃっていて未遂に終わるし」

    戦刃「さすがは超高校級の幸運だね!」

    モノクマ「幸運なんてレベルじゃないっての!」

    戦刃「じゃあ運命? 私、苗木君に助けられるのが運命だったんだ……」

    モノクマ「何、運命の人見つけたみたいなうっとりした表情してんのさ、残姉のくせに!」

    戦刃「いいじゃん別に。それよりもさ」

    モノクマ「それよりも何?」

    戦刃「そろそろ倉庫のレーションが切れそうだから補充を」

    モノクマ「うるさーい! もう勝手にしろ、知らない! 補充はしとくけどね!」

    戦刃「ありがとう、盾子ちゃん」

    ~後日談~

    苗木「戦刃さんは割と早く皆に受け入れられた」

    苗木「誰も殺そうとしなかったのと、時折見せる残念な言動に皆が親近感を覚えたからだ」

    苗木「ここ最近は、朝日奈さんと競泳をやったり大神さんと組み手をやったりしている」

    苗木「他にも僕に絡んできたり、その関係で霧切さん達と口論をしたりも」

    苗木「こうして、僕らの奇妙な学園生活は新たな変化を受け入れた」

    ~操作室~

    江ノ島「あぁ、もう。ホントにグダグダだわ!」

    江ノ島「こうなったら仕方ない」

    江ノ島「新しい暇つぶしでも探そうっと」

    江ノ島「どんなのがいいかな?」

    江ノ島「そうだ、これにしよっと!」

     N G 行 動
  5. 5 : : 2016/11/16(水) 15:51:42
    END

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