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進撃の調査劇団【千秋楽】~フランダースの犬~

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  1. 1 : : 2016/09/11(日) 20:55:19
    こんばんは。執筆を始めさせていただきます。

    いよいよ、この日がやってきました。

    調査劇団、最後の公演です。

    タイトルに“千秋楽”と付けましたが、厳密には少し意味が異なります。そこは許してほしいです(^_^;)※本来、千秋楽とは、同じ演目を行ってきた中での最終日の公演、という意味だそうです。

    今回の条件はこちら↓↓↓

    * 相変わらずの不定期更新

    * エルヴィンのキャラ?威厳??な、何の事やら…((汗

    * 『フランダースの犬』本来の感動だとかそういった物をぶち壊すのはゴメンだ、という方は、閲覧を控える事をおすすめします。

    …以上の条件でも構わないという方は、ぜひ劇場へ足を運んでいただけたらと思います。よろしくお願い致します。
  2. 2 : : 2016/09/11(日) 21:13:35
    <開演前、挨拶>


    エルヴィン「会場へお越しの皆さま、ご来場いただき、ありがとうございます」


    ナナバ「…エルヴィン…」


    エルヴィン「ナナバか。どうした、深刻な顔をして」


    ナナバ「…うん…エルヴィン、大丈夫なの?」


    エルヴィン「その事か…あれから、塩分を控えたり、充分な睡眠をとったりして、健康には気をつかってきたつもりだが」
    ※エルヴィンは以前の健康診断で、医者から血圧が高いと言われていました。


    ナナバ 「無理しなくていいからね。いざとなったら、座長代理の私がいるし…ミケも、いるから」


    エルヴィン「ミケ?ミケも気にしているのか」


    ナナバ「うん。ちょっと前に、『…俺もナレーターやってみたい…』ってボソッと言ってたんだ」


    エルヴィン「そうだったのか。しかし、ナレーター役は俺の役目だ。演技指導もな」


    エレン「エルヴィン座長!!!」


    エルヴィン「なんだ、エレン」


    エレン「この公演で…調査劇団の演目は、最後になるんですか!?」


    エルヴィン「その通りだ」


    エレン「桃太郎は!?」


    エルヴィン「……すまん。今回は、フランダースの犬だ」


    エレン「納得できません!!!ハンジさんも怒ってるんですよ、『ジャックと豆の木はいつやるんだ!?』って」


    エルヴィン「…すまん…これ以上公演を重ねると、俺の体力と血圧が…」


    ナナバ「エルヴィン…これ、みんなから差し入れ」


    エルヴィン「ああ、すまないな……これは?」


    ナナバ「漬け物、梅干し、カップラーメン、コンビニ弁当、塩せんべい、それにカツ丼…あ、カップラーメンは、ちゃんと汁まで飲んでね」


    エルヴィン「俺は屈しないぞなにがなんでもこの公演をやり遂げてみせる…」


    エレン「ううっ…桃太郎…」
  3. 3 : : 2016/09/11(日) 21:39:37
    <開演>


    エルヴィン「…昔むかし、ネロという名前の少年がいました。ネロは2歳の時に母親を亡くして以来、祖父のイェハン・ダースと2人で暮らしていました」


    リヴァイ カキカキカキ…


    エルヴィン「ネロは非常に絵の才能にあふれた少年でした」


    ペトラ父「や、どうもどうも、ペトラの父親です!今回は千秋楽公演という事で、出演させていただき非常に…」


    エルヴィン「…お父さん、もう公演は始まっていますので…」


    ペトラ父「アンタにお父さんと呼ばれる筋合いは無い!!!…オッホン、ネロ、今日も絵を描いているのかい…」


    エルヴィン「ネロは、絵を描くことも、名画を見る事も大好きでした」


    リヴァイ カキカキカキ…


    ペトラ父「いや~今回も素晴らしい…これは…これは……ドングリ?」


    リヴァイ「…いや…」


    ペトラ父「違うのか!こりゃあ失礼した、俺は芸術には疎くてな」


    エルヴィン「しかし、ネロの家は非常に貧しくて、絵の才能はなかなか認めてもらえませんでした」


    ペトラ父「ドングリじゃない…となると、これは…枯れ葉か?」


    リヴァイ「…いや…」


    ペトラ父「そうかぁ!でも、楽しみだ。この絵もまた、高く売れる」


    エルヴィン「えっ?」


    ペトラ父「ネロ、もといリヴァイ兵長さんの絵は、実に個性的かつ芸術的かつ非現実的でな。熱狂的なファンがいるんだ」


    エルヴィン「…そ、そうなのか…いったい、今は何を描いているんだ、リヴァイ?」


    ペトラ父「お、分かった!…腐ったリンゴだろ!?」


    リヴァイ「…今、描いているのは…」


    エルヴィン「うむ?」


    リヴァイ「…エルヴィンだ」


    エルヴィン「その絵をすぐにこっちに渡せ!!!」
  4. 4 : : 2016/09/12(月) 20:56:32
    エルヴィン「ある日、ネロとイェハンが町を歩いていると、一匹の犬が非常に弱った様子で道に横たわっていました」


    エレン「ワン!ワンワンワォン!!!」


    エルヴィン「エレン」


    エレン「はい?」


    エルヴィン「この犬は死にそうな位に弱っているんだ。今のはちょっと元気過ぎるぞ」


    エレン「…すみません…千秋楽で気合いを入れようとしてしまって…」


    エルヴィン「構わない。では、死にかけた感じで頼む」


    エレン「了解です……ううっ…く、苦しい…」


    ペトラ父「リヴァイ兵士長殿!今回の絵も、高く売れそうですねぇ!」


    リヴァイ「…どうだかな」


    エレン「ううっ…し、死ぬ…せ、せめて死ぬ前に、ステキな名前を付けてもらいたかった…例えば、パ…パトラッシュ、とか」


    ペトラ父「今度、個展を開かないかっていう話も出てるんですよ。いやぁ、さすが兵長さんだ」


    リヴァイ「周りが勝手に騒いでいるだけだ。俺には関係ない」


    エレン「そして最期は…名画の前でご主人様と2人で…」


    ペトラ父「さ、す、が!クールな所もイカしてますなぁ!自分の若い頃はそりゃあいきがってまして…」


    エレン「て、天国へ…」


    エルヴィン「ネロとイェハンは、この哀れな犬を…」


    ペトラ父「才能ってのは、時に恐ろしいもんですなぁ!」


    リヴァイ「…そうか?」


    エルヴィン「スルーしました」


    エレン「ちょ、ちょっと…待ってくださいよぉ!!!」


    リヴァイ「…なんだ、離せ。衣装が汚れるだろ」


    エレン「兵長!!!」


    リヴァイ「なんだ」


    エレン「今回の演目の題名は!?」


    リヴァイ「…あ?」


    エレン「まさか…知らずに!?」


    リヴァイ「バカ言え。理解してるに決まってるだろ」


    エレン「じゃあ、言ってみてくださいよ。オレも言いますから」


    リヴァイ「…構わん」


    エレン「いきますよ…せ~のっ…」


    エレン・リヴァイ「「フかラちンかダちー山スの犬!!!」」


    エレン「……………はいぃっ!?」


    ペトラ父「さすがリヴァイ兵士長殿…常人には理解出来ないセンスをお持ちだ…」
  5. 5 : : 2016/09/13(火) 21:33:55
    期待です!最後の公演になるのは少し寂しいですが、
    最後まで見届けようと思います!頑張ってください!
  6. 6 : : 2016/09/15(木) 08:01:33
    >>5 みかん♪
    ご来場、S席ご購入ありがとうございます。
    果たしてエレンは拾ってもらえるのか(笑)
    最後まで頑張ります。
  7. 7 : : 2016/09/15(木) 08:24:01
    エレン「そもそも…フランダースの犬なのに、その犬がネロに拾ってもらえないなんて、おかしいです!さあ兵長、オレを養って!」


    リヴァイ「……てめぇ…躾がかなり足りないようだな…」


    エレン「ええっ!?」


    ペトラ父「はあ~…これだから最近の若いもんは…」


    エレン「えっと…せめて、名前だけでも付けてください…オススメの名前はパトラッシュです」


    リヴァイ「…パトラッシュ…」


    エレン「良い名前だと思いませんか?」


    ペトラ父「パトラッシュか。確か、昔ペトラがまだ小さい頃に飼ってた犬の名前が、パトラッシュだったなぁ…」


    エレン「そうなんですか!偶然ですねぇ!」


    ペトラ父「俺はそん時、ペトラに聞いたんだ…『お父さんとパトラッシュ、どっちが好きだ?』って…」


    エレン「はあ…それで?」


    ペトラ父「そしたらペトラのやつ…『お父さんが大好き!!!』って言ってくれてなぁ…」


    エレン「はあ…よかったですね…」


    リヴァイ「」


    ペトラ父「ううっ…ペトラ…」


    エレン「とにかく、オレの名前はパトラッシュって事で…」


    ペトラ父「パトラッシュ……ペトラ…」


    リヴァイ「」


    エレン「OKですよn 「ペトラぁぁぁっ!!!」


    エレン「ええっ!?ペトラさんのお父さん、突然大泣きしちゃいましたよ!?」


    リヴァイ「…エレン」


    エレン「はい?」


    リヴァイ「お前の名前は今日から…」チラ。


    ペトラ父「グスッ…グスッ…ううっ…ペトラ…この劇場にいるんだったら…出てきてくれ…」ヒック。


    リヴァイ「玉三郎だ」


    エルヴィン「ステキな名前を付けてもらって、玉三郎はしっぽを振って喜びました」


    エレン「突然ナレーション入れるの、やめてくださいよ!!!」

  8. 8 : : 2016/09/15(木) 14:52:24
    ご無沙汰しております
    最後の公演、しかと見届けさせていただきます( ̄^ ̄)ゞ
  9. 9 : : 2016/09/17(土) 21:07:33
    >>8 進撃のMGSさん
    ご来場いただき、ありがとうございます。
    ご無沙汰しております。(^^)
    毎日更新出来ず申し訳ないです。最後まで調査劇団らしさを忘れず、(…かと言ってあまり羽目を外さず)
    頑張ります。この先もよろしくお願いします。
  10. 10 : : 2016/09/17(土) 21:21:24
    エレン「…と、とにかく、オレは玉三郎なんですね。よろしくお願いします…ワン!」


    リヴァイ「あ?誰が養うと言った」


    エレン「えっ」


    ペトラ父「ハァ…これだから最近の若者は…何かと他人を頼って…」


    エレン「す…すみません」


    ペトラ父「ただ若い、というだけでは世の中渡っていけないんだぞ。何か特技がなけりゃな」


    エレン「特技…ですか」


    ペトラ父「そうだ。ちなみに俺は、ペトラの大好物を1時間以内に作れるんだぞ!!!」ドヤァ!


    エレン「……………そうですか」


    リヴァイ「俺の特技は…」


    エレン「掃除…ですか?」


    リヴァイ「バカ言え。ただ掃除するだけなら、誰にでも出来るだろ」


    エレン「しかし、兵長の掃除はレベルが違うと言うか…」


    リヴァイ「特技は…台所周りの掃除、だ」※この設定は今作品オリジナルです


    エレン「兵長は食事の準備より、後片付けをよくやってらっしゃいますしね」


    リヴァイ「油汚れは…人類の敵、だ」


    ペトラ父「はっはっは、さすがは兵長さんだ。どうだ、エレンって言ったか…君も、特技は無いのか?」


    エレン「いや……特には」


    ペトラ父「そうだなぁ…ほれ、ここは大胆に、『巨人になれる!』とかいう特技でもあれば、養ってやらん事もないが」


    エレン「なれますけど」


    ペトラ父「そ~んなのムリ、ムリ!逆立ちしたって出来やしないさ!」


    エレン「…なれますけど」


    ペトラ父「はっはっは!!!なぁ、兵長さん!!!」


    エレン「…あの、だから…」


    リヴァイ「…エレン」


    エレン「はい?」


    リヴァイ「今から俺が言う条件を飲めば…てめぇを拾ってやらんでもない」


    エレン「ほ、本当ですか!?条件って、何なんですか!?」
  11. 11 : : 2016/09/21(水) 20:15:30
    リヴァイ「その条件とは…」


    エレン「…ごくり」


    リヴァイ「アロワ退治だ」


    エレン「…はい?」


    リヴァイ「俺の代わりに、アロワ退治に行って来い」


    エレン「…えっと…」


    ペトラ父「いやぁ、今年はうちが町内会長を務めてるんだが、ご近所からアロワを何とかしてくれ、と、前々から言われていてな」


    エレン「…アロワ…って確か、ネロの友達で、町で一番お金持ちの家の娘でしたよね」


    ペトラ父「そうだ」


    エレン「オレの持つイメージとしては…優しくて、おしとやかで、そんな人に迷惑をかける子には、とても…」


    リヴァイ「それはてめぇの思い込みだ」


    エレン「えっ」


    ペトラ父「アロワはなぁ…2体の巨人とつるんで、毎日毎日、道を踏み荒らしたり、農作物を荒らしたりしているんだ。確か、2体の巨人の名前は…」


    エレン「…ソニーと、ビーン…」


    ペトラ父「そうそう!そんな名前だったなぁ」


    エレン「…兵長」


    リヴァイ「なんだ」


    エレン「ハンジさn…アロワ退治、どうしても行かなくちゃダメですか」


    リヴァイ「当然だ。それがお前を養うために設けられた、唯一の条件だ」


    エレン「…そんな…」


    リヴァイ「そんなシケた顔するんじゃねぇよ。1人で行くのが不安なら、仲間を集めればいいだろ」


    エレン「仲間…ですか」


    リヴァイ「そうだ。ハンj…アロワも複数でかかれば、敵わない相手でもないだろ」


    エレン「仲間、か…」


    エルヴィン「玉三郎は、ネロとイェハンおじいさんに見送られて、アロワ退治へと出掛けていきました」
  12. 12 : : 2016/09/24(土) 21:19:43
    エレン「仲間、か…。なるべく戦闘能力に長けていて、それでいて頼りがいのある人がいいな。リヴァイ兵長も仲間になってもらえねぇかな…」


    ドンッ


    エレン「おっと…」


    「おお、これは失礼…」


    エレン「いえ、こちらこそ……って、あなたは!?」


    「ほっほっほ」


    エレン「ピ…ピクシス司令!?」


    ピクシス「久しぶりじゃのう、エレン。達者でやっとるかの」


    エレン「え、ええ…まあ…ピクシス司令、どうしてここに…」


    ピクシス「今回は、ほれ、千秋楽公演とかいう記念の回じゃろ。酒が振る舞われると思って来てみたんじゃが…」


    エルヴィン「…ピクシス司令」


    ピクシス「なんじゃの?」


    エルヴィン「司令は確か…アロワの父親役では…」


    ピクシス「はて、そうじゃったかの。最近忘れっぽくなってしまっての。アンカにもよく怒られるわい」


    エレン「えっと…ピクシス司令は、これからどうなさるおつもりですか?」


    ピクシス「とりあえず、酒が欲しいところじゃのう。ワシの懐にあったスキットルに入っていた酒も、どこかの新兵がブウゥ~っと盛大に吹いてしまったから、もう残り少ないしのぅ…」


    エレン「………あ」


    エルヴィン「ピクシス司令。このエレンこと玉三郎と共にアロワを退治すれば、好きなだけ酒が飲めますよ」


    ピクシス「ほっ!?」


    エレン「ええっ!?」


    ピクシス「それは良い事を聞いた。よし、エレンよ。共にアロワを退治しに行こうではないか」


    エレン「えっ…ああ、はい…」


    エルヴィン「玉三郎は、内心めんどくさいと思っています」


    エレン「勝手に人の心を読……いや、心にも無い事をナレーションしないでくださいよ!!!」


    ピクシス「ほっほっほ。良い良い。さあ、行くぞ」


    エレン「…はぁ…この先いったい、何が待っているんだろうか…」
  13. 13 : : 2016/09/25(日) 20:04:57
    「お~い、エレン!」


    エレン「あっ、あいつは…」


    コニー「遅いぞ。待ちくたびれたじゃないか!」


    エレン「コニー!!!よかった、ようやくまともな戦力に…」


    コニー「何をごちゃごちゃ言って……って…おい…」


    ピクシス「ほっほっほ」


    コニー「ひっ…お、おいエレン…お前がピクシス司令と一緒にいるように見えるのは、オレがバカだからじゃないよな?」


    エレン「ああ。マジで一緒にいる」


    コニー「…そうか…すげぇなお前…」


    ピクシス「そうかしこまるな、少年よ。ところでお主は何の役なのかな」


    コニー「えっ、あ、その…ネロとパトラッシュに牛乳を預ける、農家の役で…」


    エレン「オレはパトラッシュじゃない。玉三郎だ」


    コニー「へ?わけ分かんねぇ…」


    エレン「コニーがいない間に、色々あってな」


    コニー「エレンがそのパトラッシュで玉三郎なのか?だったら早くこの牛乳、持っていってくれよ。ネロと一緒に荷車を押すのが、お前の役目だろ」


    エレン「そうだったな…ネロは今、ここにはいないが」


    コニー「牛乳を預けさえすれば、オレの役目も終わるんだ。千秋楽で主役を張れなかったのは悔しいが、オレはこの一瞬でも、舞台の上で輝いてみせるぜ…なあ、ミカサ?」


    エレン「ミカサ!?」


    ミカサ「」


    エレン「お、おい…お前…」


    ミカサ「」


    エレン「…おい、コニー。ミカサはどうして、牛乳が入ったタンクに混じって、うずくまってるんだ?」


    コニー「ミカサは牛乳のタンクの役だってよ」


    エレン「はあ!?」


    ミカサ「」


    エレン「おいミカサ!!!黙ってねぇで説明しろ!!!」


    ミカサ「…タンクは喋らない」


    エレン「いいから!!!」


    ミカサ「…エレンがパトラッシュ役だと聞いて、私はネロ役を狙っていた…だけどネロはあのチ…リヴァイ兵士長がやる事になってしまった。私は他にエレンが演じるパトラッシュと、もっとも関わりが持てる役を探した…その結果、パトラッシュが運ぶ牛乳のタンクが適切だと判断した…ので、私は牛乳のタンクの役を全力で演じる…」


    エレン「ミカサ…前にもオズの魔法使いの公演で、靴役をやるとか言い張って…少しは真面目にできねぇのかよ!?」


    ミカサ「その言い方は、心外。他にもウェンディー役とか、アリス役もこなした…」


    エレン「そ、そりゃそうだけどよ…」


    ピクシス「ほっほっほ。若い者同士、仲が良いのは何よりじゃ。どうかな、ワシらと共に、アロワ退治に出てみんかの」


    コニー「アロワ退治!?」


    ミカサ「」
  14. 14 : : 2016/09/29(木) 21:03:50
    コニー「オレ…アロワって、ネロの友達で、町一番の金持ちの娘だけど、優しくて可愛い女の子だと思ってたんだけどよ…そいつを退治するってのか…エレン…」


    エレン「おいおい。そんな目でオレを見るなよ。オレだって最初はそういうイメージだったけど…どうやらハン…アロワは、2体の巨人と町の中を暴れ回ったり、農作物を荒らしたりする奴らしい」


    コニー「2体の…巨人!?」


    エレン「ソニーとビーンって名前らしい」


    ミカサ「…エレン。それは私たちだけでは、到底勝ち目は無い」


    コニー「そ、そうだ。だってオレたち、立体機動装置を付けてないんだぜ!?」


    ピクシス「ほっほっほ。無謀な挑戦…若いって、良いもんじゃのう」


    ミカサ「…司令も戦いに参加している」


    ピクシス「ほっほっほ。ワシは最近、腰痛がキツくてのう」


    コニー「オレたち3人プラス腰痛持ちのじいさんじゃ、勝てっこねぇよ…」


    ミカサ「…助っ人を呼ぶべき」


    エレン「助っ人か…できる事なら、リヴァイ兵長に参加して欲しいところなんだが…」


    コニー「頼みに行こうぜ!リヴァイ兵長だって人間なんだ。オレたちが必死に頼み込めば、分かってくれるはずだ!」


    エレン「…どうかな」


    ミカサ「このままでは勝算は無い。行こう、エレン」


    エレン「お、おう…ピクシス司令、行きますよ」


    ピクシス「了解じゃ。楽しい散歩になりそうじゃわい」
  15. 15 : : 2016/09/29(木) 21:21:50
    エルヴィン「玉三郎たちが旅を続ける一方、ネロに突然、悲劇が襲いかかるのです」


    ペトラ父「何か悪い事が起こるらしいですよ、兵長さん」


    リヴァイ「…知った事か。この紅茶を飲み終えるまでは、何もする気が起きねぇ」


    ペトラ父「なかなか良い香りでしょう、兵長さん」


    リヴァイ「ああ…悪くない」


    ペトラ父「この前、お中元でいただいた物でしてね…いやはや、貰い物じゃなきゃこんな高価な物、とても…」


    リヴァイ「…この香り、そしてほのかな苦み…悪くない」


    ペトラ父「気に入ってもらえて、何よりです」


    エルヴィン「リヴァイ…そろそろ話を進めても良いか」


    リヴァイ「…勝手にしろ」


    エルヴィン「じゃ、遠慮なく…ネロに襲いかかった悲劇…なんと、イェハンおじいさんが、病気で死んでしまったのです」


    ペトラ父「…へ?」


    エルヴィン「死んでしまったのです」


    ペトラ父「」


    エルヴィン「嗚呼っ、可哀想なネロ!」


    ペトラ父「…何を言っとるのかね、君は」


    エルヴィン「えっ」


    ペトラ父「俺が死ぬ?…なんで?」


    エルヴィン「あ、ですから…病気で…」


    ペトラ父「自慢じゃないが、俺は毎年の健康診断で、再検査になった事が一度も無いんだ」


    エルヴィン「それは…何よりで」


    ペトラ父「血圧、血糖値、レントゲン、その他、全く異常無し」


    リヴァイ「エルヴィンは血圧がアウトだったらしい」


    エルヴィン「余計な事は言わなくて良いぞ、リヴァイ」


    ペトラ父「俺は…せめて、ペトラの嫁姿を…いや、孫を…いや、ひ孫を見るまでは、死ねんのだよ!!!」


    エルヴィン「ですが、お父さん…」


    ペトラ父「あんたにお父さんと呼ばれる筋合いは無ぁぁぁい!!!」


    エルヴィン「……イェハンおじいさんは…死んだと思われていましたが、それは敵をあざむくためのワナで、実は生きていたのです」


    リヴァイ「イェハンじいさんに敵なんていねぇだろ。エルヴィンの奴、柄にも無く混乱してやがるな…」


  16. 16 : : 2016/10/01(土) 17:17:32
    どこかでモブリットを出して頂いてモブハン展開見たいです…←
    期待です!
  17. 17 : : 2016/10/01(土) 21:47:54
    >>16
    了解です(^^)
    皆さん察していると思いますが、ハンジさんはこの後出演する可能性がものすご~く高いです(笑)
    なので、モブリットも一緒に登場してもらおうと思います。
    モブリットも最初は黒子設定だったのに、ずいぶんと活躍するようになったなぁ。
  18. 18 : : 2016/10/01(土) 22:09:36
    エルヴィン「さて、ここはアロワの家です。町一番のお金持ちであるアロワは、今日も巨人たちと一緒に、仲良く過ごしていました」


    ハンジ「ソニー!」


    ソニー「あう♪」


    ハンジ「ビーン!」


    ビーン「あうあう♪」


    ハンジ「モ~ブリット~!」


    モブリット「…………あの、ハンジさん」


    ハンジ「こらこら!名前を呼ばれたらまず、返事をしないと」


    モブリット「あ、すみません…じゃなくてですね…」


    ハンジ「えっ、なあに?」


    モブリット「俺の言いたい事、分かりませんか?」


    ハンジ「?」


    ソニー「?」


    ビーン「?」


    モブリット「揃って首かしげないでくださいよ!!!」


    ハンジ「そんなに怒らないでよモブリット。エルヴィンみたいに血圧上がっちゃうよ」


    モブリット「大きなお世話です!!!それよりハンジさん、あなた…どうして巨人を舞台に上げたんですか!?」


    ハンジ「えっ、ダメ?」


    モブリット「ダメに決まってるでしょう!?死人出したいんですかアンタ!!!」


    ハンジ「ソニーとビーンはお利口さんだよ。観客のみんなだって、全然不安に思ってない…だよね、みんな?」


    「」


    モブリット「…誰1人うなずいてませんけど?」


    ハンジ「みんな素直じゃないなぁ」


    モブリット「分隊長、楽観的過ぎます!!!」


    ※この作品の中のソニー&ビーンは、とても大人しい性格になっています。安心してご鑑賞いただけます…(きっと)
  19. 19 : : 2016/10/07(金) 23:46:19
    お久しぶりです。執筆ご苦労様です。

    陰ながらいつも不自然に口角をあげながら見させてもらっております。

    これからも、体調にはお気をつけて執筆活動を続けてくださいな。

    劇団の皆さまも、最後の公演頑張ってください。

    長文失礼。
  20. 20 : : 2016/10/13(木) 20:41:10
    >>19 黒猫どーにゃつ。チョコ味@ニート最高さん
    ご来場いただき、ありがとうございます。どうにか復活いたしました。
    いやはや、健康は何よりの宝ですね…丈夫になりたいです。
    最後の公演、気合い入れて頑張ります。今後もよろしくお願いします。
  21. 21 : : 2016/10/13(木) 20:55:05
    エルヴィン「玉三郎たちは、ネロのもとへとやって来ました」


    エレン「リヴァイ兵長!!!」


    リヴァイ「チッ…なんだ騒々しい」


    エレン「オレたちと一緒に、アロワ退治に来てください!!!」


    リヴァイ「…あ?ふざけんなお断りだ」


    ミカサ「エレン…これ以上頼んでも無駄なんじゃ…」


    コニー「リヴァイ兵長!!!オレたちの何が不満だっていうんですか!?」


    エレン「」ヘイチョウ!!!


    ミカサ「」エレンエレンエレン


    ピクシス「」ホッホッホ


    コニー「」バカジャナイゾ!


    リヴァイ「…逆に、何に満足しろと言うんだ…」


    ペトラ父「お前たち、いい加減にしないか!兵長さんはこれから、忙しいんだ」


    エレン「忙しいって?」


    ペトラ父「絵だよ!絵を描かないといけないんだ。この1ヵ月で、4件も発注が来てるんだ。毎日徹夜なんだぞ…俺は寝るけどな」


    エレン「そ、そうだったんですか!?」


    リヴァイ「…そういう事になってるみたいだな」


    ペトラ父「兵長さんの熱烈なファンがいるんだ。価格も、こちらの言い値で構わないらしい」


    コニー「すっげぇな兵長!!!兵長の絵がそんなに有名だったなんて、オレ、全然知らなかったぜ!!!」


    ピクシス「ワシもじゃ…今度ワシの自画像でも…」


    ミカサ「…本当にそんな物好きがいるの…?」


    リヴァイ「あ?」


    ミカサ「本当はそんな発注なんて無くて…アロワ退治に行きたくないから、適当に言い訳してるだけかも…」


    ダダダダダ…!!!


    「そんな事は……」


    「「「「ないっっっっ!!!」」」」


    エレン「…あ、あなたたちは…!?」
  22. 22 : : 2016/10/13(木) 21:08:22
    エルド「さっきから聞いていれば…」


    オルオ「兵長に対して失礼な事を、ぬけぬけと…」


    ペトラ「もおっ、許せないんだから!!!」


    ?「そうだな…うん」


    エレン「あなたたちは、リヴァイ班の先輩方………ってあれぇっ!?」


    ピクシス「ほ、お主は…」


    ?「お疲れさまです、司令!」


    ピクシス「…誰じゃっけ???」


    ガクゥッ!!!


    「ミタビです!!!ミタビ・ヤルナッハ!!!駐屯兵団の精鋭部隊の1人ですよ」


    ピクシス「おお、そうじゃったの。ほっほっほ」


    リヴァイ「エルド。グンタはどうした」


    エルド「それが…グンタは…グンタは…」


    オルオ「…くっ…」


    ペトラ「ううっ…」


    エレン「グンタさん……まさか!?」


    エルド「風邪でお休みです」


    リヴァイ「チッ…手洗い、うがいを怠りやがったのか…」


    オルオ「グンタ本人に言わせれば、毎回欠かさずうがい、手洗いをしてたはずなのに…無念だ、と」


    ミタビ「それで、たまたま予定が空いていた自分が、急きょ舞台に…」


    ペトラ「グンタ…ちゃんと寝てなきゃダメよ…」


    エルド「熱が38度6分あったからな…」


    エレン「…グンタさん…お大事に…」


    エルヴィン「グンタはお空の上から、いつまでも仲間たちを見守っ」リヴァイ「俺の班員を勝手に殺すんじゃねぇクソが」
  23. 23 : : 2016/10/15(土) 22:21:50
    ペトラ「…とにかく、兵長は私たちが発注した絵を描き上げるのに忙しいの。アロワ退治は、あなたたちだけで行ってね」


    エレン「そ、そんな…」


    ピクシス「なに。愛と勇気で立ち向かえば、勝てない相手などいやしない」


    コニー「アイ?ユーキ?そんな名前の武器なんて聞いた事ねーぞ」


    ミタビ「申し訳ないんだが、リヴァイ兵長には絵を仕上げてもらわないと、困るんだ。グンタがな…血走った目で鼻水垂らしながら…『…へ、兵長に…俺の似顔絵を…頼む…がくっ…』…ってすがり付かれてるんだ。もし描いてもらえなかったら、呪われそうだ」


    エレン「グンタさんが必死過ぎる…」


    オルオ「それだけ兵長が描いてくださった絵は、貴重なんだよ。分かったか新兵」


    エレン「そんなに貴重なら、自分も、ぜひ」ペトラ「こらっ!」


    エレン「…えっ」


    ペトラ「エレン。あなたはもう、すでに描いてもらってるはずよ」


    エレン「えっ……えっと…いつ、ですか?まったく覚えがありませんが」


    エルド「ほら、あの時だよ。ハンジさんと俺たちで集まった時、黒板に…」


    エレン「…あ。オレを殺さずに重傷で済ます、と言っていた…」


    リヴァイ「俺の絵画人生の始まりのやつだな」


    エレン「そ、そんな大作でしたかアレ…なんか足が異様に太く描かれ」オルオ「兵長に失礼な事を抜かすなガキがぁ!!!」


    エレン「す、すみません…」※リヴァイ兵長の大作(笑)については、原作第25話をご覧ください


    エルヴィン「さあ、玉三郎たちよ。そろそろアロワ退治に行くぞ」


    コニー「出た。天の声」


    エルヴィン「…ナレーションだ」


    ピクシス「愛と勇気と…おっと、美貌も付け加えねばのう…」
  24. 24 : : 2016/10/16(日) 20:43:40
    エルヴィン「さて、いよいよ玉三郎たちは、アロワ一味のもとへとたどり着きました」


    エレン「たのもう!!!」


    ミカサ「エレン…目的は道場破りではない」


    ハンジ「やあエレン。よく来たね~」


    コニー「ひっ、きょ、巨人…2体も…」


    ミカサ「エレン、下がって…」


    エレン「いちいちしゃしゃり出るなよ!!!丸腰なのはお前も一緒だろ!」


    ピクシス「ぬぬ…いざ間近で見ると、恐ろしいのう…」


    ハンジ「みんな、なに怯えてるのさ。ソニーもビーンも、とっても良い子だよ」


    ソニー「あう」


    ビーン「あう」


    コニー「今…巨人が営業スマイルしたように見えたのは、オレがバカだからじゃ…」


    モブリット「ハンジさんっ!!!」


    ハンジ「どうしたのモブリット。顔真っ赤だよ?」


    エレン「あの、モブリットさん…この2体の巨人は…」


    モブリット「トロスト区掃討作戦の時に、生け捕りにしたやつだよ。今はなぜかハンジさんになついてるんだ」


    ピクシス「ほほう…のう、ハンジよ。巨人と戯れるのは良いが、ちと町の人々が迷惑しておるようじゃのう」


    ハンジ「ええっ、こんなにおとなしくて、良い子なのに…」


    ソニー「うう」


    ビーン「うう」


    コニー「巨人がしょぼんって…」


    ミカサ「エレン。どうやら、これ以上話しても無駄…不毛」


    エレン「あ、ああ…」


    コニー「マジか戦うのか!?エレンも巨人化か!?いっそ、劇場をぶっ壊すか!?」


    モブリット「観客の皆さんを危険にさらすようなまねは…」


    エルヴィン「ふふ…」


    エレン「団長…じゃなくて座長が、笑っている…」


    ハンジ「何なのさエルヴィン気持ち悪い」


    エルヴィン「エレン」


    エレン「…はい?」


    エルヴィン「巨人化はしなくて良いが、今から私が指示を出す」


    エレン「座長の指示のもと、戦うということですか」


    エルヴィン「そうだ」


    ミカサ「…エレン、私も加勢する。牛乳のタンクだって戦える」


    コニー「すっげぇ胸熱展開だな!!!」


    ピクシス「若いのう、ほっほ」


    エルヴィン「…俺が、長年言いたかった、このセリフ…」


    エレン「…ごくり」


    エルヴィン「エレン!」


    エレン「はい!!!」


    エルヴィン「はかいこうせんだ!!!」


    エレン「覚えてませんよそんな技!!!」


    エルヴィン「ちょっとトレーナー気分を出したくてな…」


    ミカサ「」


    ミカサ「…エレン…エルヴィン座長に、ほろびのうた…」


    エレン「知らねぇよそんな歌!」


    ミカサ「エルヴィン座長は…3レス後に…退場…する」


    エルヴィン「な…に…!?」





    …コソ。


    壁|ミケ「…スン…」
  25. 25 : : 2016/10/19(水) 21:47:42
    「いっぽうネロは、今日も大好きな絵を一生懸命描きあげていました」


    リヴァイ「」カキカキカキ。


    「いつか、ルーベンスのような画家になる事が、ネロの夢でした」


    リヴァイ「」カキカキカキ。


    「そして、聖母教会の中に飾られているという、ルーベンスの傑作、『キリスト降架』を見る事も、ネロの夢であり、憧れでもあったのです」


    リヴァイ「…?」


    エルヴィン「…リヴァイ」


    リヴァイ「どうしたエルヴィン。ノコノコ舞台に上がりやがって…てめぇは舞台袖でナレーションするんだろうが」


    エルヴィン「…確かに、そうなんだが…」


    リヴァイ「今、ネロの夢とか何とかナレーションしてたヤツ…エルヴィンじゃないよな?」


    エルヴィン「そう…だな…まったく、誰が勝手に…」


    リヴァイ「てめぇ…何をそんなにソワソワしてやがる…」


    エルヴィン「実はな……おや、ペトラのお父さんはどうした?」


    リヴァイ「気にするな。ペトラと舞台袖で話をして、すぐに戻るそうだ」


    エルヴィン「そうなのか……いや、実はさっき…」


    カクカクシカジカ。


    リヴァイ「…ほろびのうた?」


    エルヴィン「ああ。俺はこのスレを含め、あと3レス後に退場するらしいんだ…」


    リヴァイ「…突然のナレーター交代と、何か関係があるのか?」


    エルヴィン「分からない…退場、と言っていたが、どんな目に遭うのか…」


    リヴァイ「はっ。柄にも無く怯えてやがるのか」


    エルヴィン「そ、そ、そ…そんなここことは…」


    リヴァイ「落ち着け。このレスも、もうすぐ終わる」


    エルヴィン「はぁ…いったい、俺が何をしたと言うんだ…」


    リヴァイ「それを書き連ねてりゃ、100レスあっても足りねぇな」
  26. 26 : : 2016/10/23(日) 20:42:20
    「玉三郎と乳牛農家の人、そして牛乳タンクは、あらためてアロワと話し合う事にしました」


    ハンジ「…そうか…ソニーとビーンがかけっこしてた所は、実は人の行き交う道で…おやつにと食べた野菜や果物は、大切に育てていた農作物だったのか…」


    エレン「はい、その通りです」


    モブリット「まったく…全部ハンジさんの責任ですよ?」


    ハンジ「ああ…本当に申し訳ないと思っているよ…反省してる。これからこのモブリットと一緒に、一生かけて償っていくよ…」


    モブリット「そうそう一生……って俺を巻き込まないでくださいよ!!!」


    ハンジ「ソニーとビーンも反省してる…ね?」


    ソニー「あう…」


    ビーン「あうう…」


    コニー「巨人が人に向かって頭を下げている…」


    ピクシス「非常にレアな光景じゃのう…」


    「アロワは心入れ替え、これからは町の人たちのために尽くす事を誓ったのです」


    ミカサ「このナレーション…さっきから声が…」


    エレン「ああ。エルヴィン座長じゃないよな」


    コニー「エルヴィン座長はどうしたんだ!?ま、まさか、ほろびのうたが発動したのか!?」


    ミカサ「発動するまであと1レスある…誰かが故意に交代している…」


    ピクシス「はて、誰じゃろのう…」


    ハンジ「う~んこの声、どっかで聞いたような…」


    モブリット「ちょっと舞台袖を見て来ますね。おそらく、そこからナレーションしているようなので…」


    ハンジ「気をつけてね、モブリット」ダキッ


    モブリット「ちょ、ちょっと分隊長…くっつき過ぎです!!!」


    ピクシス「エエのう…ワシもアンカに抱きつきたいのう…」

  27. 27 : : 2016/10/23(日) 21:02:54
    リヴァイ「…チッ…」


    エルヴィン「」


    リヴァイ「おい…」


    エルヴィン「」


    リヴァイ「おいエルヴィン…」


    エルヴィン「どうしたリヴァイ」


    リヴァイ「いつまでそうやって、人の衣装の裾をつかんでるつもりだクソが」


    エルヴィン「ダメなのか」


    リヴァイ「あ?ならその行動が正当化できる理由を…」


    ペトラ父「まあまあ、兵長さん。そうカッカしなくても…」


    リヴァイ「…ハァ…」


    ペトラ父「ナレーターが交代したそうですね。さっき娘と舞台袖で話している時、バッタリ出くわしましてな」


    リヴァイ「その交代した奴というのは…」


    ペトラ父「や、名前を聞くのを忘れてしまって…なにせ、いきなり体のニオイを嗅いできて、鼻で笑ってきたものですから、ビックリしてしまって…」


    エルヴィン「…ミケ…」


    リヴァイ「あいつ…年甲斐も無く、何してやがる…」


    ミケ「アロワはネロと友達になり、玉三郎と一緒に、慎ましくも、毎日楽しく過ごしていました」


    リヴァイ「チッ…出番か…」


    ハンジ「リ~ヴァイ♪」


    リヴァイ「結局退治されなかったか…しぶとい野郎だ」


    エレン「えっと…とりあえず兵長…」


    リヴァイ「なんだ」


    エレン「楽しく…過ごしてみま…す?」


    コニー「ものすごく恐る恐る言ってるな」


    ミカサ「エレン…もし何かあれば、私が…」


    リヴァイ「乳牛農家と牛乳タンクは、もう出番は済んだだろ。さっさと引っ込めグズが」


    コニー「ええっ、オレまだ出演したいですよぉ…」


    ミカサ「…タンクはひとりでに動けない…」


    ピクシス「ほっほっほ。この娘、なかなかユニークじゃのう」


    エレン「エルヴィン座長…どうしてリヴァイ兵長の裾をつかんでるんですか?」


    エルヴィン「あ、いや…これは…」


    ミカサ「…そろそろ…」


    エルヴィン「!?」








    カパン!!!


    エレン「ざ、座長の足下の床が抜けた!?」


    エルヴィン「え…」


    ヒュゥゥゥ…











    ドサ。


    エレン「ざ…座長が…」


    「「「「落ちたぁ!?」」」」


    ミカサ ボソ…「…ざちょうはちからつきた…エレンはおおめに、25のけいけんちをもらった…」


    ミカサ …クスッ…


    エレン「ミカサ…なに1人で喋ってるんだ…?」
  28. 28 : : 2016/10/23(日) 21:09:26
    スレじゃなくてレスじゃないですかね…?
  29. 29 : : 2016/10/26(水) 13:25:57
    >>28
    ………(゜ロ゜)
    …そ、そうでした…
    ご指摘ありがとうございます。間違えたままで何日過ごしてたんだろう…
    は、恥ずかしい…σ( ̄∇ ̄;)
    ちょっくらエルヴィン座長と一緒に、落っこちて来ます……ボト。
  30. 30 : : 2016/10/29(土) 21:47:37









    エルヴィン「…ん…」


    エルヴィン「…ったた…」


    エルヴィン「…ここは……舞台の真下の階にある、倉庫か…」


    …ザワザワ…


    エルヴィン「…微かに、劇場の声が聞こえるな…まだ公演は続いているのか…」





    エルヴィン「こまめに片付けてはいるが、ここには色々と、過去の公演の道具が残っているな…おっ」


    …スッ


    エルヴィン「これは…第1回公演の時に使った、お母さんヤギのエプロンじゃないか…ヤギ耳も、カウベルも…懐かしいな」


    …カラン…


    エルヴィン「…思えば色々な事があったな…調査兵団の資金集めにと始めた劇団も、まさかここまで続く事になるとはな…」





    エルヴィン「観客の皆さんのおかげで、かなりの資金を集める事ができた…これなら、次の壁外調査も予定通り実施できるだろう…」


    …グッ…


    エルヴィン「人類は…これでまた1歩、前進する…必ず」





    …ガタン!


    エルヴィン「誰だ!?」

  31. 31 : : 2016/11/04(金) 21:18:20
    ナナバ「…エルヴィン…」


    エルヴィン「ナナバ…どうしてこんな所に」


    ナナバ「それはね…エルヴィン、君を待っていたんだ」


    エルヴィン「俺を?」


    ナナバ「エルヴィン…私は謝らなければいけない」


    エルヴィン「何だナナバ。いったい、何をしでかした」


    ナナバ「私は今まで公演を続けてきて…何度も、座長代理から、座長になり代わろうとした…エルヴィン、君を押しのけてでも」


    エルヴィン「なん…だと…」


    ナナバ「でも、それは間違いだった…この調査劇団の座長はエルヴィン・スミス…君以外に、あり得ないんだ…今ごろになってそれに気づくなんて…」


    エルヴィン「…ナナバ…」


    ナナバ「さっき、劇場の管理人さんから聞いたんだ…エルヴィンはこの劇場を借りるために、毎回一生懸命頭を下げて、劇場の中の掃除まで率先してやっていた事、演目を選ぶのも、毎回たくさんの童話を読んで、考えに考え抜いて選んでいた事…」


    エルヴィン「…それは劇団の長として、当然の…」


    ナナバ「簡単に言うけど、正直私には真似出来ない事だよ。なのに、軽々しく座長の座を狙うなんて…どうかしてた」


    エルヴィン「何を言っているんだナナバ。お前も座長代理として、立派に働いてくれた。ナレーターを務めてくれた事だってある。本当に感謝しているぞ、ナナバ」


    ナナバ「エルヴィン…」


    エルヴィン「…さあ、舞台へ戻ろう。ミケがナレーターを引き継いでいるらしいが…どう物語が進んでいるのか、見当もつかない」


    ナナバ「台本が存在しない…物語が、本来の筋書き通りとは限らない。それが、調査劇団、だもんね」


    エルヴィン「ああ」


    …ガタッ


    エルヴィン「…まだ誰かいるのか!?」


    …スッ


    エルヴィン「…お、お前は………誰だ?」


    ナナバ「エルヴィン…その反応はひどいと思うよ。ほら、彼も落ち込んでる」


    ?「」ズーン…。


    エルヴィン「彼も公演に出るのか?」


    ナナバ「あ、そうそう。ピクシス指令が、できれば出演させてやってほしいって…」


    エルヴィン「そうだったのか。俺の考えた配役の中に無かったから、驚いたが…何の役なんだ?」


    ナナバ「ラストシーンにちょこっとだけ出るんだよ」


    エルヴィン「それは期待…するべきなのか?」


    ナナバ「それは微妙…かな」


    ?「」ブツブツ。
  32. 32 : : 2016/11/12(土) 22:11:27
    <いっぽうその頃、劇場では…>


    ミケ「毎日を楽しく過ごしていたネロでしたが、ある日、アロワの家の風車に火を付けた、という、全く身に覚えの無い濡れ衣を着せられてしまうのです」


    エレン「なんか…一気に物語が軌道修正されましたね」


    リヴァイ「ミケの野郎…エルヴィンが落下してもお構い無しとは」


    ミカサ「いつ、いかなる時でも、冷静な判断を下す…それが兵士というもの…」


    コニー「まあ、団長っていうか座長も大丈夫だろ。調査劇団で死んだ奴はいないし」


    ハンジ「そうそう。現実を忘れて役に没頭するのも、調査劇団の醍醐味の1つだしね」


    ピクシス「ほっほっほ。これじゃから、探偵と役者は、3日やったらやめられんのう」


    コニー「何だよそれ。タンテイって、そんなにおもしろいのか?」


    ミカサ「コニー…相手は年上で上官。敬語を忘れてはダメ」


    コニー「おおっと、すまねぇ…じゃなくて、スミマセンでした、ピクシス指令!」


    ピクシス「ほっほっほ。良い良い」


    ミケ「ネロは放火の罪を着せられ、家を追い出されてしまいました」


    リヴァイ「…おい。下らん茶番をしている間に、物語が進行してるぞ」


    ハンジ「あ、ホントだ。じゃ、リヴァイ…頑張ってね~!」


    リヴァイ「あ?」


    ピクシス「外は寒いが、風邪引かんようにの」


    リヴァイ「ああ?」


    エレン「大変ですね兵長…心中、お察しします…」


    リヴァイ「チッ…」


    ミケ「玉三郎も、ネロと共に家を出ていきました」


    エレン「え」


    ミカサ「…ならば、私も…」


    ミケ「ネロと玉三郎、1人と1匹のみで、出ていきました」


    ミカサ「…そんな…」


    ハンジ「ミケったら、冗談が通じないんだから…」


    エレン「…へ、兵長…」


    リヴァイ「さっさと歩けグズが」


    エレン「…兵長…」


    リヴァイ「なんだ」


    エレン「へ…」


    リヴァイ「チッ…さっさと喋」エレン「へぇぇ~くしょ~い!!!」ズズ。


    リヴァイ「」


  33. 33 : : 2016/11/20(日) 21:06:20
    ミケ「ネロと玉三郎が、飢えと寒さに耐えながら向かった先は…聖母教会でした」


    スタスタスタスタ


    リヴァイ「…ペースを乱すんじゃねえぞ」


    エレン「す、すみません兵長」


    スタスタスタスタ


    ミケ「…カッット」


    リヴァイ&エレン「!?」


    ミケ「悪いが…ネロと玉三郎は、飢えと寒さでもうフラフラなんだ。元気に歩いてもらっては、困る…やり直してくれ」


    エレン「まさか、演技指導が入るなんて…」


    リヴァイ「チッ…クソが…」


    フラ…フラ…


    ミケ「雪が…町を、そしてネロと玉三郎の体さえも、白く染め始めていました」


    エレン「ううっ…さ、寒い…」


    リヴァイ「腹が減ってきやがった…ペトラが作った鍋が頭から離れねぇ…」


    エレン「寒い時期になると、ほぼ毎日鍋ですからね」


    リヴァイ「これは持論だが…鍋のシメはうどんが一番だと思う…」


    エレン「この前、おでんの玉子をめぐって、オルオさんとエルドさん、そしてグンタさんが決闘になりかけた事も、今となっては良い思い出ですね…」


    ミケ「余計な事はセリフに入れるな」


    エレン「す、すみません…ミケさん、なにげに厳しいな…」


    リヴァイ「チッ…エルヴィンの野郎、どこで油売ってやがるんだ…」





  34. 34 : : 2016/11/27(日) 20:40:23
    ミケ「」


    ミケ「…フッ…」


    ミケ(ナレーションも、なかなか苦労するものだな…舞台の上は何が起こるか予想もできない…まるで壁外だな)


    モブリット「…ミケ分隊長…」


    ミケ「…ああ、モブリットか…」


    モブリット「ああ、じゃありませんよ。エルヴィン座長が落下したからって、勝手にナレーターをやられては、困ります」


    ミケ「だって…」


    モブリット「だってもさってもありません」


    ミケ「…ところでモブリット。お前、俺がこの公演で何の役をする予定だったのか、知ってるか?」


    モブリット「え?えっと…すみません、そこまでは…」


    ミケ「俺はエルヴィンに、どうしても最後の公演で舞台に立ちたいと、頼みこんだんだ。最初は、もう演じる役が残っていないと、断られたんだが、そこを何とかと、俺も粘ったんだ…俺の“風車コレクション”の1つをやるから、と言って…」


    モブリット「ミケ分隊長は、“水戸黄門”の公演のあと、すっかり風車(かざぐるま)にハマってましたからね…」


    ミケ「そしたらエルヴィンは、しばらく考えた後、俺に役をくれたんだ」


    モブリット「良かったじゃないですか!今回の公演は、出たくても出られなかった人もいたんですから…」


    ミケ「…その役を聞いても、同じ事が言えるかな…」


    モブリット「え…まさか、ネロが愛用している、絵筆の役、とか?」


    ミケ「…それは俺のどの部位から連想した役なんだ?」


    モブリット「…い、いや…失言でした、忘れてください…」ハハハ。


    ミケ「その配役とは…」


    モブリット「…ま、まさか…」


    ミケ「アロワの家の…風車(ふうしゃ)の役だ」


    モブリット「…ふ…」


    ミケ「俺は全力で拒否した」


    モブリット「風車って…セリフ無いし…生き物でも無いし…あ、ミカサが牛乳のタンク役をやってますけど……あ」


    ミケ「…気づいたか」


    モブリット「その風車って…最後、放火されて焼失して…」


    ミケ「エルヴィンは演目の内容を、毎回理解して挑んでいるのか…」


    モブリット「非常に疑問ですね」


    タッタッタッタ


    エルヴィン「ミケ!!!」


    ミケ「…エルヴィン!?」


    エルヴィン「俺がいない間…ナレーターをやっていたそうだな…」


    ミケ「…勝手な事をして、すまないと思っている…しかし…」


    エルヴィン「風車の役は…」


    ミケ「…それは拒否する」


    エルヴィン「そうか…では、ミケ…君には最後に、ネロとパトラッシュもとい、玉三郎を天に導く天使の役を…」


    ミケ「イヤだ」


    エルヴィン「…もう、役は無いぞ」


    ミケ「…俺の風車(かざぐるま)、返せ」


    エルヴィン「イヤだ」


    ミケ「オレンジ色のは、レアなんだぞ」


    モブリット「……ハンジさんとこに戻ろ」トコトコ。





  35. 35 : : 2016/12/04(日) 19:45:38
    エルヴィン「あ~…ネロと玉三郎は、聖母教会にたどり着きました」


    エレン「エルヴィン座長!戻って来たんですね」


    リヴァイ「…それはいいが…あのデカイのは何だ」


    エレン「白い布がかけられていて……あ!何か、もぞもぞ動いてますよ」


    リヴァイ「何かいるのか」


    エルヴィン「何を不審がっているんだ。ネロがとても見たがっていた物だぞ」


    リヴァイ「チッ…そんな物がここにあるわけないだろ」


    エレン「えっ。ネロが見たがっている物って…ルーベンスの傑作、『キリスト降架』じゃ…」


    リヴァイ「…あ?」


    エルヴィン「『キリスト降架』だよな、リヴァイ?」


    リヴァイ「…エルヴィン…舞台から落ちて頭でも打ったか。そんなわけねぇだろ」


    エレン「えっ」


    エルヴィン「えっ」


    リヴァイ「この時期に、俺がぜひ拝んでおきたい物、それは別にある」


    エレン「何なんですか兵長。ものすごく気になるんですけど」


    リヴァイ「…ガキには関係ない事だ」


    エレン「し、しかしですね兵長…オレたちここで身を寄せ合って、天国に…」


    リヴァイ「野郎と馴れ合う趣味は無い」


    エレン「それはオレも同じですって!誤解を招くような事、言わないでくださいよ!」


    エルヴィン「リヴァイ…ネロは疲れてるんだぞ」


    リヴァイ「俺は疲れて無い」


    エレン「オレは疲れました!!!」


    リヴァイ「てめぇ…とにかく巨人をぶっ殺したいとか意気込んでたのは、ウソだったのか」


    エレン「それとこれとは、別です」


    エルヴィン「……お、そうだエレン」


    エレン「どうしました、座長」


    エルヴィン「すっかり忘れていたが…君に、良い物をあげよう」


    エレン「良い物?」


    エルヴィン「名づけて…『ガッツリンS』だ!!!」


    エレン「………はい?」


    エルヴィン「俺がハンジとこっそり開発していた、栄養ドリンクだ」


    リヴァイ「チッ、あのクソメガネ…また下らん事を…」


    エルヴィン「今度、商会に売り込もうと思ってな」


    エレン「怪しい商売始めないでくだs」「いい加減にしないかあぁぁっ!!!」


    バサァッ!!!


    エレン「あ…し、白い布の中から、何か出てきた!!!」


    エルヴィン「おい、まだ出るには早いぞ」


    ?「どれだけ待ったと思ってる!!!人をバカにするのも、いい加減にしろ!!!」


    リヴァイ「…誰だ?」


    エレン「…あ!!!この人は…」







  36. 36 : : 2016/12/11(日) 06:39:20
    期待です!!!!!!
  37. 37 : : 2016/12/11(日) 21:38:22
    >>36
    コ、コメントが…ある!!!
    ありがとう、みかん!!!何度かコメント制限してたかな、といった妄想に陥っていたよ。
    続きも頑張ります。
  38. 38 : : 2016/12/11(日) 21:59:16
    エレン「あの人は…えっと……あ、人間です!!!」


    ?「それはもういい!!!」


    リヴァイ「あいつは確か……駐屯兵団にいた…」


    ミタビ「隊長!!!」


    エレン「…隊長?」


    ミタビ「こんな所で何をやってるんですか、キッツ隊長!!!」


    キッツ「な、何って………キ、キリスト…」


    ミタビ「はあっ!?」


    リヴァイ「おい…落ち着け、ミタビ」


    キッツ「……に、似てると言われたんだ…その、ナナバとか言う調査兵に…」


    エレン「ナナバさんに!?」


    ナナバ「うん…実は、駐屯兵団からの出演者が少ないって、一部の駐屯兵団ファンから苦情が出ていてね…似てるだろ、ちょっと」


    リヴァイ「…似てる似てない以前に、比べる対象として並べちゃいけねぇと思う」


    エレン「駐屯兵団からなら、リコさんやあの、ピクシス司令の副官…」


    ピクシス「アンカかの」


    エレン「そ、そう…それに、イアンさんでも良かったのでは…」


    ナナバ「私もそう思ってたんだけど、なにせキッツ隊長ったら、私が他の人たちに出演依頼している間、柱の陰から捨て犬のような目でずーっと見つめてくるもんだから…」


    ピクシス「キッツよ…お主も出たいなら、そう言えば…」


    キッツ「わ、わ、わ…私はべ、別に…」


    ピクシス「相変わらず、小鹿のような男じゃのう」


    ナナバ「…バンビ…」


    キッツ「何か言ったか!?」


    ナナバ「いや、何も」


    エルヴィン「おいおい。ネロと玉三郎は、念願の『キリスト降架』の絵を見る事ができて、心安らかに天国に…」


    エレン「兵長。オレ、先に天国に行きます」


    ピクシス「ワシも行くぞ」


    ナナバ「私も行くよ」


    ミタビ「じゃあ…俺も」


    リヴァイ「チッ…仕方ねえ、俺が…」


    一同「「「「どうぞどうぞ!!!」」」」


    リヴァイ「………お前ら……」
  39. 39 : : 2016/12/18(日) 20:57:05
    「へ…兵長…」


    リヴァイ「…あ?」


    「や、やっとたどり着いた…」フラ…


    エレン「グ…グンタさん!?」


    リヴァイ「グンタ…風邪で熱があるんじゃなかったのか」


    グンタ「そ、そうだったん…ですけど…ロキソニンを飲みまくって…なんとか…」フラフラ


    リヴァイ「チッ。まだフラフラしてるじゃねぇか」


    ペトラ「グンタ!!!」


    タタタタ


    エルド「グンタ、どうして…」


    オルオ「フン…無茶するなんて、いつものお前らしくないな…もっとも俺の域に」ペトラ「寝てなきゃダメじゃないの!!!」


    ミタビ「………こりゃ、驚いたな」


    グンタ「お、俺は…何としても兵長と舞台に…こ、これは千秋楽だから…」フラ


    エルド「だからって…」


    ペトラ「これ以上ひどくなったら、どうするのよ!?」


    グンタ「う…すまない…」


    エルヴィン「かわいそうに思ったネロは、その場でグンタの似顔絵を描いてやることにしました」


    リヴァイ「……あ?」


    グンタ「ほ、本当ですか兵長…じ、自分は…う…」


    エルド「よかったな、グンタ!」


    ペトラ「ここまで必死に来た甲斐があったわね、グンタ」


    オルオ「フッ…所詮俺の域に」エレン「よかったですね、グンタさん!!!」


    グンタ「…ああ…これまでに無いほどの、幸福だ…」


    リヴァイ「…もう描くしかない流れになってやがる…」


    ペトラ父「兵長さん!」


    ペトラ「お父さん!?」


    ペトラ父「キャンバスを安く手に入れて来ました!」


    リヴァイ「…けっこうデカイな…」


    ペトラ父「可愛く、ぷりちーに描いてくださいよ、うちの娘を」


    ペトラ「お父さん…描くのは、このグンタの…」


    リヴァイ「…お前ら…」


    ペトラ「はい?」


    エルド「はっ?」


    オルオ「へ?」


    グンタ「…うう…」


    リヴァイ「なるべく4人で固まれ…描きづらくなる」


    ペトラ「…へ、兵長…それじゃあ…」


    エルド「俺たち、リヴァイ班の似顔絵を…」


    オルオ「描いてくれるんッスね…感激です!!!」


    エレン「あの…オレは…」


    リヴァイ「てめぇのは描いただろ」


    エレン「え…だから、あの黒板の絵は…」


    リヴァイ「おい…さっさと集まれグズが」


    リヴァイ班「「「「は~い!!!」」」」


    ミタビ「…なんか、こいつら見てると、イアンとリコに会いたくなってくるな…」


    ペトラ父「ペトラ…良い仲間を持ったなぁ…」ウンウン。
  40. 40 : : 2016/12/19(月) 23:03:52
    期待です
    覚えておられるかは分かりませんがお久しぶりです
  41. 41 : : 2016/12/25(日) 20:37:30
    >>40 東野鈴歌さん
    ご来場いただき、ありがとうございます。
    覚えてます覚えてますよ!!!
    鈴歌さんですよね。お久しぶりです。
    返信遅れて申し訳ないです。
  42. 42 : : 2016/12/25(日) 21:01:48
    カキカキカキカキ…


    リヴァイ「…描けたぞ」


    ペトラ「見せてください、兵長!!!」


    オルオ「ズルいぞペトラ!!!いくら俺の顔をいち早く拝」エルド「俺にも!!!」


    グンタ「…お、俺も…」


    リヴァイ「…ほらよ」


    ペトラ「わ、すご……」


    エルド「」


    グンタ「」


    オルオ「……い」


    エルヴィン「とても芸術的な出来ばえに、皆言葉を失ってしまいました」


    エレン「…えっと、自分にも、見せてください…」


    リヴァイ「…勝手にしろ」


    エレン「オレには、とても良く描けているように見えますよ。オルオさんの、ほうれい線とか」


    オルオ「こら新兵!!!俺のどこにそんな」コニー「お~~い、エレン!!!」


    エレン「コニー…そ、それに…今回出演予定の無かった同期の奴らまで…」


    ライナー「何とか間に合ったみたいだな」


    ベルトルト「よ、よかった…」


    ジャン「エレンのやつが犬っころの役やってるって聞いて、楽しみにして来たぜ」


    サシャ「お腹がすきましたね!!!館内販売のお弁当とか、ありませんかね」


    エレン「…ど、どうして、みんな…」


    クリスタ「そりゃ決まってるじゃないのエレン。フィナーレだからだよ。ね、ユミル」


    ユミル「そうそうクリスタ。このフィナーレが終わったら結婚してくれ」


    アニ「…来るのが早かったんじゃないのかい?」


    ベルトルト「そ、そう…かもね、はは…」


    ライナー「まあまあ。出番は少しでもあった方が良いぞ」


    ベルトルト「う、うん…そうとも、言うよね」


    コニー「どっちなんだよ、ベルトルト!」


    サシャ「それにしても、フィナーレってなんですかね!食事は何が出るんでしょうか…」


    ユミル「お前はそればっかりだな、芋女」


    クリスタ「こら、ユミル!」


    ミカサ「…エレン」


    エレン「ミカサ…それに…」


    アルミン「お疲れさま、エレン」


    エレン「アルミンも…これでみんな、集まったな」


    アルミン「うん。召集されたのは、僕たちだけじゃないみたいだけどね…」


    エレン「…どういう事だ?」


    「ハンジさ~~ん!!!」


    ハンジ「お、来た来た!!!マイスイートエンジェルたち~!」




  43. 43 : : 2017/01/01(日) 20:44:55
    ニファ「ハンジさん!よかった間に合って。私を差し置いてフィナーレとか、許しませんからねっ!」


    ハンジ「おお~ニファ。よしよし。待ってたよ」


    ケイジ「そしてニファがいる所、俺もいる!見てるかニファ!聞いてるか、ニファ!!!」


    ニファ「ハンジさ~ん!」スリスリ。


    髭ゴーグル「ケイジ…どうやら、聞こえてないし見えてもいないようだな」


    ケイジ「…こ、こんな事で俺はへこたれないぜ!」


    ハンジ「ケイジも髭ゴーグルも、よく来てくれたね!ハンジさん嬉しいよ!」


    モブリット「ハンジ班、全員揃いましたね」


    髭ゴーグル「フィナーレですから」


    ケイジ「ニファが来るって言うから」


    ニファ「ハンジさんがいるからっ!」キリッ


    ハンジ「ふふふ。みんな愛してるよ~」※ニファのキャラが原作と違いますが今シリーズのニファはハンジ大好きっ子なのです。


    リヴァイ「チッ…ずいぶんとにぎやかじゃねえか…」


    エルヴィン「…はっ!…あなたは…」


    ザックレー「今までご苦労だったな、エルヴィン」


    エルヴィン「い、いえ…総統。お忙しいなか、お越しいただきありがとうございます」


    ザックレー「…うむ…ちと暑いな」


    オルオ「…はっ!…あ、あれは…」


    オルオ母「よく頑張ったわね、オルオ」


    オルオ「母ちゃん!!!なんでいるんだよ!?」


    オルオ母「や~ねぇ。私だって、去年の新春公演で、サザエの母のフネ役で出演したじゃないの」


    エレン「…そういえば、オレの事、すごい誤解してたよな、この人…」※詳しくは、昨年の新春公演をご覧ください


    エルヴィン「…これで、みんな…」「待ってくれ」


    ミタビ「…お、お前は…リコ!」


    リコ「私も、オペラ座の怪人で出演してたからね…駆けつけさせてもらったよ」


    ミカサ「…こんなに集まると、舞台の上がごちゃついて、エレンが目立たない…ので…」


    エレン「何言いだすんだよミカサ!全員集合するのは、当然だろ。だってこれは…」


    「フィナーレなんだから!」




  44. 44 : : 2017/01/01(日) 21:31:39
    エルヴィン「…ご来場の観客の皆さまに、これから披露いたします、調査劇団オールスターズによる大合唱曲について、ご案内申し上げます。」


    エルヴィン「題名は、『輝け★君のストーリー』。原曲につきましては……諸事情により、伏せ字とさせていただきますが、ドラ●もんの作中に使用された、『ハッ●ー★ラッ●ー、バー●デー』を、調査劇団風にアレンジしたものとなっております。」


    エルヴィン「我々調査劇団は、毎回台本無しの、オールアドリブを基本とし、自由な物語展開を繰り広げてきました」


    エルヴィン「それは、生きること…皆さまの人生と同じ…それぞれの、あなただけの物語を、これからも楽しく、自由に輝かせてほしい…そんな願いを込めて、歌います」


    エルヴィン「それでは、調査劇団フィナーレを飾ります、最後の楽曲…心ゆくまで、お楽しみいただければ、幸いです……どうぞ」
  45. 45 : : 2017/01/01(日) 21:46:37
    『輝け★君のストーリー』


    ~♪


    この舞台でキミがえがく世界は
    キミにとって大切なたった1つのストーリー

    夢たずさえ世界中で1つの
    響く歌声とくべつな
    キミだけのハーモニー

    赤ずきんシンデレラピーターパン
    どれもみな気ままなストーリー

    ボクらひとりひとり輝くのさ
    それぞれがヒーローで主役

    Let's enjoy your story!Let's enjoy your story!
    キミが主役いつでも主役 ほら幕は上がってる

    Let's enjoy your story! Let's enjoy your story!
    シナリオなんか必要ないさ
    キミならば大丈夫
    This is your story!Now also your story!
    Shine your happy story!!!



    エレン「観客の皆さま…」


    ミカサ「今まで、応援していただき…」


    アルミン「ありがとうございます!!!」


    エルヴィン「どうか、皆さまの物語が…」


    「「「きらきらと、輝き続けることを、願っています!!!」」」









    …こうして、幕は降りてゆき、照明は灯され、観客たちはそれぞれの物語へと、再び歩み始めるのだった。






    <終幕>


  46. 46 : : 2017/01/01(日) 21:49:08
    ※…以上で……本当に以上で…終了とさせていただきます。
    皆さまには、どんな言葉に表そうとしても、感謝しきれないくらいです。
    本当に本当に、ありがとうございました。


    2017年1月1日 数珠繋ぎ
  47. 47 : : 2017/01/02(月) 13:54:28
    いきなり失礼します。前からこのシリーズをこっそり見させていただきました。このシリーズが終わってしまうのは悲しいです(T_T)でもこのシリーズが終わるだけであって数珠繋ぎさんがssを書くのをやめると言うわけではないんですよね...?これからのssも楽しみししています(^^)
  48. 48 : : 2017/01/08(日) 20:56:40
    >>47 ぞえさん
    最後までご鑑賞いただき、ありがとうございます。毎度返信が遅れまして、申し訳ありません。
    SS自体をやめるというわけではないですよ(^^)
    このあとは、執筆中のSSを進めていく予定です。これからもよろしくお願いします。
  49. 49 : : 2020/10/27(火) 10:13:14
    http://www.ssnote.net/users/homo
    ↑害悪登録ユーザー・提督のアカウント⚠️

    http://www.ssnote.net/groups/2536/archives/8
    ↑⚠️神威団・恋中騒動⚠️
    ⚠️提督とみかぱん謝罪⚠️

    ⚠️害悪登録ユーザー提督・にゃる・墓場⚠️
    ⚠️害悪グループ・神威団メンバー主犯格⚠️
    10 : 提督 : 2018/02/02(金) 13:30:50 このユーザーのレスのみ表示する
    みかぱん氏に代わり私が謝罪させていただきます
    今回は誠にすみませんでした。


    13 : 提督 : 2018/02/02(金) 13:59:46 このユーザーのレスのみ表示する
    >>12
    みかぱん氏がしくんだことに対しての謝罪でしたので
    現在みかぱん氏は謹慎中であり、代わりに謝罪をさせていただきました

    私自身の謝罪を忘れていました。すいません

    改めまして、今回は多大なるご迷惑をおかけし、誠にすみませんでした。
    今回の事に対し、カムイ団を解散したのも貴方への謝罪を含めてです
    あなたの心に深い傷を負わせてしまった事、本当にすみませんでした
    SS活動、頑張ってください。応援できるという立場ではございませんが、貴方のSSを陰ながら応援しています
    本当に今回はすみませんでした。




    ⚠️提督のサブ垢・墓場⚠️

    http://www.ssnote.net/users/taiyouakiyosi

    ⚠️害悪グループ・神威団メンバー主犯格⚠️

    56 : 墓場 : 2018/12/01(土) 23:53:40 このユーザーのレスのみ表示するこの書き込みをブックマークする
    ごめんなさい。


    58 : 墓場 : 2018/12/01(土) 23:54:10 このユーザーのレスのみ表示するこの書き込みをブックマークする
    ずっとここ見てました。
    怖くて怖くてたまらないんです。


    61 : 墓場 : 2018/12/01(土) 23:55:00 このユーザーのレスのみ表示するこの書き込みをブックマークする
    今までにしたことは謝りますし、近々このサイトからも消える予定なんです。
    お願いです、やめてください。


    65 : 墓場 : 2018/12/01(土) 23:56:26 このユーザーのレスのみ表示するこの書き込みをブックマークする
    元はといえば私の責任なんです。
    お願いです、許してください


    67 : 墓場 : 2018/12/01(土) 23:57:18 このユーザーのレスのみ表示するこの書き込みをブックマークする
    アカウントは消します。サブ垢もです。
    もう金輪際このサイトには関わりませんし、貴方に対しても何もいたしません。
    どうかお許しください…


    68 : 墓場 : 2018/12/01(土) 23:57:42 このユーザーのレスのみ表示するこの書き込みをブックマークする
    これは嘘じゃないです。
    本当にお願いします…



    79 : 墓場 : 2018/12/02(日) 00:01:54 このユーザーのレスのみ表示するこの書き込みをブックマークする
    ホントにやめてください…お願いします…


    85 : 墓場 : 2018/12/02(日) 00:04:18 このユーザーのレスのみ表示するこの書き込みをブックマークする
    それに関しては本当に申し訳ありません。
    若気の至りで、謎の万能感がそのころにはあったんです。
    お願いですから今回だけはお慈悲をください


    89 : 墓場 : 2018/12/02(日) 00:05:34 このユーザーのレスのみ表示するこの書き込みをブックマークする
    もう二度としませんから…
    お願いです、許してください…

    5 : 墓場 : 2018/12/02(日) 10:28:43 このユーザーのレスのみ表示する
    ストレス発散とは言え、他ユーザーを巻き込みストレス発散に利用したこと、それに加えて荒らしをしてしまったこと、皆様にご迷惑をおかけししたことを謝罪します。
    本当に申し訳ございませんでした。
    元はと言えば、私が方々に火種を撒き散らしたのが原因であり、自制の効かない状態であったのは否定できません。
    私としましては、今後このようなことがないようにアカウントを消し、そのままこのnoteを去ろうと思います。
    今までご迷惑をおかけした皆様、改めまして誠に申し訳ございませんでした。

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kaku

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