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希望⇆絶望 高速鉄道

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  1. 1 : : 2016/07/10(日) 23:59:51
    覆面レスラー2です。
    宜しくお願いします。

    ジャンルはミステリー

    キーワードは希望絶望です

    既プレイ済みの人には簡単で未プレイの方には難し過ぎる作りになっています
  2. 2 : : 2016/07/11(月) 00:07:14








    苗木「僕は引き摺って行くよ。舞園さんの死を。桑田君の死だって忘れやしない」

    霧切「そう。貴方は乗り越えるより大変な道を選ぶのね」

    そう言うと彼女は柔らかい表情になり、こう続けた。

    霧切「期待してるわ」






  3. 3 : : 2016/07/11(月) 00:13:56



    →→次の日


    真っ黒な画用紙に色が塗られていく様な感覚を味わいながら僕は目を覚ます。

    苗木「…んんッ…あぁ」

    ベッドの中で大きく伸びをする。

    おそらく時間はお昼。

    おそらくの理由は部屋に時計が無くて、朝の放送を聞いた後にもう一度寝たからだ。

    二度寝した理由は寝付けなかったから。

    苗木「……昨日あんな事があったなんて…」

    気怠い体を起こし、顔を洗い最低限の身だしなみを整える。

    苗木「………」

    扉を開ければ舞園さんが居て、また僕に微笑みかけてくれるんじゃないか。

    そんな淡い希望を、否。願望を抱きながら扉を開いた。

    だが、目に映るのは赤い絨毯のひかれた廊下のみ。

    苗木「……食堂に行くか」

    虚しい願望と、亡き女を想う(文字通りの妄想)に嫌気がさし、食堂に向け歩き出す。

    タッタッタッ

    苗木「…ん」

    俯いて廊下を歩く僕に駆け足で近付く音。

    僕はゆっくりと顔を上げる。

    朝日奈「苗木!!泳いで元気だそうよ!!」

    そこに居たのは超高校級のスイマーの朝日奈さんだった。

    僕の目の前でピタッと止まった彼女は満面の笑みでそう言った。

    苗木「僕は元気だよ。ただ、気持ちの整理がまだつかなくて…」

    朝日奈「そんな時は泳げばスッキリするから!ほら!行くよ!」グイッ

    苗木「ちょっ、引っ張らないで!」

    口ではそう言いながらも特に抵抗はせず、ほとんど引き摺られながら僕は更衣室前に向かった。






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    ◉更衣室前


    朝日奈「さくらちゃん!お待たせ!」

    あれだけ走ったのに息一つ切らしてない朝日奈さんは、更衣室の前で佇む大神さんへ向け嬉しそうに声をかけた。

    大神「ああ。む?後ろにいるのは苗木か。お主も泳ぐのか?」

    腕を組み、仁王立した状態で目だけを此方に向けた彼女は僕に気付くと一緒にプールに行くかどうかを聞いてきた。

    朝日奈「そうだよ!」

    僕への(・・・)質問に対し、朝日奈さんが元気な返事を返す。

    苗木(ああ、僕に選択権はないんだね…)

    大神「フッ。そうか、では苗木。プールでまた会おう」ピッ

    大神さんが扉の横にあるスキャナーに電子手帳をかざすと重厚そうな扉が開き、そのまま彼女は女子更衣室内に歩を進める。

    朝日奈「じゃ、プールでね!」

    朝日奈さんは僕に手を振ると、大神さんの開けた扉に続くようにして入っていった。

    ガシャンッ!

    扉が閉まると先程までとは違い静けさが辺りを包んだ。

    苗木「………」

    モノクマ「苗木君。覗くの?」

    包んだのは一瞬だけだった。

    苗木君「はぁ?!覗かないよ!」

    いきなり現れた事に対してではなく、その問いかけに対し全力で反応。

    自分で言うのもなんだが、オーバー過ぎて逆に恥ずかしい。

    モノクマ「そっかぁ、まあでも男のロマン持ってないししょうがないかぁ」

    苗木(男のロマン?…金銀財宝や一度は夢見るハーレムって奴か?)

    モノクマ「ま、そもそも無理なんだけどねー!!隙間なんて無いんだもん!」

    苗木「扉はロックがかかってて開ける事は出来ないしね」

    モノクマ「あ、言い忘れてたけど、女子が女子更衣室に入る時、童顔だろうと苗木君入っちゃダメだよ?」

    苗木「童顔は関係無いだろ!そもそも入らないし…」

    モノクマ「童貞」

    苗木「もっと関係無いだろ!?!?」

    モノクマ「ウププ。苗木君に限ってそんな事は無いだろうけど、一応校則に追加させてもらうよ」


    【生徒手帳】に新たな校則が追加されました。
    ・ロックの掛かった扉を壊してはいけない。
    ・異性の更衣室に後を付いて入ってはいけない。

    苗木「だからしないって!!!!!」

    モノクマの僕に対しての信用の無さが露見した1日だった。


  4. 4 : : 2016/07/11(月) 00:23:02


    →→次の日

    ◉食堂

    石丸「不二咲!!何だねそれは!!!」

    カップ麺を食べる大和田君と僕の横で菓子パンに手を付けていた不二咲さんに向け石丸君が若干声を荒げながらそう言った。

    不二咲「あ、これ?」

    手に持った菓子パンを指差しながら不二咲は首を捻る。

    石丸「うむ!!倉庫には無かったものだからな!」

    不二咲「購買部にあるモノモノマシーンから出てきたんだよ」

    石丸「モノモノマシーンだと?如何にも物騒な名前だ。マシーンという事は機械なのか…?」

    苗木「ただのガチャガチャだよ」

    腕を考えるの人のようにしながら熟考する石丸君と、何故かオロオロしだした不二咲さんへ助け舟を出す為、僕は会話に横入りする。

    石丸「ガチャガチャ?擬音か?」

    大和田「マジかよ…」

    僕と同じく偶然その場に居た大和田君が麺を啜るのをやめ、小さく言葉を漏らした。

    不二咲「ガチャガチャっていうのはね、お金。モノモノマシーンの場合はメダルを払って、機械の中にあるアイテムをランダムで手に入れるんだぁ」

    石丸「無人販売機という事だな!」

    苗木「中身は選べないけどね…」

    石丸「しかしメダルか…コンクールのものではダメなのだろう?」

    大和田「ったりめーだろ。てかそういうのはもっと大切にしろよ」

    不二咲「ゴメンね。僕もう1枚もなくて…」

    苗木「あ、僕1枚持ってるよ!」

    石丸「本当か!!」

    大和田「でかした!よし、一回回すか」

    そう言いながら購買部の方へ向かいだした大和田君を追う様に僕らは食堂を出た。

    苗木(僕食べ終わってない!!)






    Now Lording




    ◉廊下

    不二咲「でも、あの場面でメダル持ってるなんて流石超高校級の幸運だねっ」

    苗木「そんな大したものじゃないよ、普通に拾っただけだから」

    苗木(そもそもラーメンを完食出来なかった点では不運)

    石丸「何だと!?ネコババではないか!!」

    苗木「ちゃんとモノクマに確認したよ。どうやらワザと置いてるらしい。僕達がモノモノマシーンを使えるようにね」

    石丸「ふむ。早とちりをしてすまない」

    苗木「大丈夫だよ。それよりそろそろ購買部に着くよ、石丸君回してみる?」

    購買部に着いたので、メダルを差し出すようにしながら僕は訊いた。

    石丸「良いのか?」

    それに対し、石丸君は目を丸くしながら確認を取ってくる。

    苗木「僕がやってもくだらないのしか出ないと思うし…」

    ちなみに僕が引いて出たのは葉っぱのマークの付いたふんどしだった。

    石丸「分かった!見ててくれ、僕の一世一代の大勝負だ!!必ず素晴らしいものを出すと約束しよう!!」

    苗木「そんな大袈裟な…」

    石丸「おおおおおおおお!!!!!!!」ガチャガチャ


    パサァッ


    不二咲「あ、出てきたよ!」


    →『キャットドッグプレス』
    テレレレレー テレレッテッテン♫


    出てきたのは可愛らしい犬と猫が表紙に載った雑誌。

    石丸「成る程。動物か、この軟禁状態が続く生活では癒しになるかもしれないな!」ピラッ

    一世一代の大勝負で出てきたのが雑誌の事に触れない彼が、意気揚々と開いたのは袋綴じの表紙。

    写っていたのはセミヌードのアダルトなモデル。

    石丸「ふ、不純だ!!不潔だ!!!ぼっ、没収だ!!」バッ

    それを見た途端キャットドッグプレスを僕、大和田君、不二咲さんの視線から外すように上へ持ち上げた。

    大和田「あァ?オメーは保健の教科書も没収すんのかよ。今のはエロ本じゃなくて、保健の延長戦だろーが」

    噛み付くように大和田君が怒鳴る。

    石丸「教科書の延長戦だと!?…僕とした事が取り乱してしまっていたな。すまない」

    威圧に負けたわけでは無く。

    言葉に負けた彼はすごすごと雑誌を胸の前に戻し

    石丸「書物なら、教科書なら。僕は学ばねばならない!!」

    そう言いながら彼は改めてキャットドッグプレスを開き、(くだん)の袋綴じを開いた。

    石丸「………」


    バタンッ!


    苗木(鼻血を噴き出しながら失神した!!漫画みたいに!!!)

    大和田「兄弟?しっかりしろ!!!兄弟!!!!!」



    モノクマ『ピンポンパンポーン!』


    モノクマ『死体が発見されましたー!!』


    苗木「えっ!?」


    モノクマ『………』

    モノクマ『間違いましたぁーー!』


    大和田「趣味のワリィ悪戯してんじゃねぇぞ!!!」

    不二咲「ほっ」


    こうして僕のドタバタした1日は終わりを告げた。


  5. 5 : : 2016/07/11(月) 00:27:56


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    →→次の日

    ◉体育館

    モノクマ「動機のお時間ー!!」

    苗木「そんっな…」

    平和な日常を撃ち砕く様にモノクマはそう告げた。

    嫌な予感はしていた。モノクマが体育館に集める放送をした時から。

    モノクマ「今回の動機は知られたくない秘密。この名前の書かれた紙に書いてある秘密を今日中にコロシアイが無ければ世界中に拡めちゃいまーす!!!!」

    バッ!

    モノクマが手に持った封筒をばら撒く。

    全員そそくさと封筒を拾い。誰にも見られない様に各々から距離を取る。

    苗木「………」

    僕は自分の名前が書かれた紙を開いた。

    苗木「………」ゴクリッ

    そこに書かれていたのは!!

    『苗木君は小学校5年生までおねしょしていた』

    文面だけを見れば凄くくだらないことだった。

    苗木(何でこれを!?僕と僕の家族しか知らないのに…!!)

    だが、家族に危害が加えられている可能性が増したと考えると動機にはならないが、焦りは生む。

    苗木(でも、考えても仕方ない…か)

    バラされて問題が無い、とは言えないがそこはグッと飲み込む。

    苗木(一体他の人はどんな動機を与えられたんだ?)

    周りを見渡すと、青ざめた表情、もしくは怒りを露わにする人が多数居た。

    苗木(でも、バラされたくない秘密でコロシアイなんて起きるわけ…)


    起きるわけ無い。僕は自分に言い聞かせる様に何度も心の中で呟いた。




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    START


  6. 6 : : 2016/07/11(月) 00:44:17








    →→次の日


    モノクマ『ピンポンパンポーン!!』


    苗木「ん…?」


    放送の音で僕は目を覚ました。


    だが、それは7時に流れる朝の放送ではない。


    寝惚けたまま、その放送に耳を傾ける。


    モノクマ『死体が発見されました!!!!一定の捜査時間の後、学級裁判を開きまーす!!!!!』

    苗木「!!」

    その放送は僕の眠気を覚ますには十分過ぎるものだった。

    苗木「………」

    モノクマ「やっほーー!!!!!苗木君は寝坊助だなぁ!!!!!」

    苗木「うわぁ!!!!」

    突如現れたモノクマに驚き、ベッドから転がる様に下りる。

    モノクマ「んじゃ、モノクマファイルは置いとくよ。バイビー!!」

    そんな僕に見向きもせずモノクマはファイルをベッドの上に置くとそそくさと帰っていった。

    苗木「死語……、と、こんな事言ってる場合じゃなかった。モノクマファイルを見ないと…」

    僕はベッドに置かれたモノクマファイルを手に取り、開いた。

  7. 7 : : 2016/07/11(月) 00:44:56






    【モノクマファイル】

    被害者:朝日奈葵

    場所:更衣室前

    死亡時刻:PM10時〜AM2時

    死因:胸部を貫かれた事による心臓破裂






  8. 8 : : 2016/07/11(月) 00:56:42


    苗木「……」

    ダンッ!

    蹴破るように扉を開け、部屋を飛び出す。

    「苗木っち」

    出た直後声をかけられ、声の方へ目を向ける。

    苗木「葉隠君…」

    葉隠「なぁ…これってよぉ、マジなんだよな」

    葉隠君が青ざめた顔でモノクマファイルに目をやる。

    苗木「信じたくないけど、悪戯とは思えない…行かない事には何も始まらないよ」タッ

    葉隠「ああ…そうだな」タッ

    僕は葉隠君と共に、朝日奈さんの元へ向かった。







    Now Lording







    ◉1F→2F踊り場


    向かったのだが、辿り着けずに居た。

    何故なら


    霧切「………」

    2階のフロアへ続く階段の踊り場で上へ行くのを妨げるように霧切さんが立っていたからだ。

    踊り場には十神君を除いて全員集まっていた。

    セレス「あら苗木君」

    苗木「セレスさん。これはどういう状況?」

    セレス「私も今来ましたから何が何やら…」

    苗木「霧切さん。上がって良い?」

    素直に聞いてみる。

    霧切「貴方達は見ない方が良いわ」

    RPGのNPCの様に淡々と返事が返ってきた。

    苗木「でも捜査しないと…」

    十神「ハッキリ言ってやれ、朝日奈の死体があまりにも惨たらしいからと」

    二階から姿を現した十神君が吐き捨てるように言う。

    大神「貴様ぁ!!!!!」

    十神「八つ当たりをするな。真に責めるべきは俺では無く朝日奈を殺した犯人の筈だ。違うか?」

    大神「ぐっ、…朝日奈」

    憤りをどこにもぶつけることの出来ない大神さんは拳を強く握りながら、今は亡き親友の名前を呼んだ。

    苗木「………」

    苗木「僕も調べてみようと思う。だって仲間が殺されたんだから…」

    霧切「……そう。それが貴方の意思なら止めはしないわ」

    それに対して彼女は、すんなりと僕の捜査への参加を受け入れた。

    不二咲「ごめんね…僕は他の所を調べてみるよ」

    手を上げながら彼女は弱々しい声でそう言った。

    セレス「謝る事じゃありませんわ。適材適所。ここは苗木君達に任せて私達は他の所を調べましょう」

    山田「それに賛成ですぞ」

    葉隠「俺もそーさせてもらうべ…」

    石丸「すまない。ここは任せたぞ!!」

    腐川「………」

    それに続く様に、僕と霧切さん、大神さん大和田君を除いた全員が下の階へ降りていく。

    大和田「俺は見ちまったし、どうせ見張りだ。苗木、大神、覚悟しとけよ」

    苗木「うん」

    大神「無論だ」

    僕らは力強く頷いた。







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    大神さんと大和田君は先に上って行き、踊り場に残ったのは僕と霧切さんだけなった。

    苗木「…それで霧切さん。何か分かった事はある?」

    霧切「まだ調べ始めたばかりだけど、朝日奈さんの正確な死因は銃殺よ」

    苗木「銃殺……」

    霧切「それと、心臓破裂した後も十数発は撃ち込まれた筈よ、上半身はあまり原型を留めて無かったけれど身体に銃痕が幾つか残っていたわ」


    【霧切の証言】GET
    ・死因は銃殺。少なくとも十数発は撃たれた。霧切の調査によって発覚。


    苗木「そんな…誰がそんな事を」

    霧切「『誰が』より『どうやって』、がこの事件の鬼門になるわね」

    苗木「どういう事?」

    霧切「2つあるわ。1つはどうやって銃を用意したかという事、もう1つはどうやって朝日奈さんを更衣室前まで呼び出したかという事」

    苗木「普通に呼んだんじゃないかな?」

    霧切「動機を与えられた夜に?不自然過ぎるわ」

    苗木「確かにそうだね」

    霧切「まだこれしか分かってないから、私は捜査に戻るわ」クルッ

    苗木「ま、待ってよ。僕も行く!」タッ

    踵を返した霧切さんの後を追うように、僕は階段を上った。

  9. 9 : : 2016/07/11(月) 02:17:32


    ◉更衣室前

    階段を上り終え、更衣室の前になって最初に見たのは朝日奈(彼女)の死体と乾いた血の海。

    舞園さんの様な、眠っているように見える死体では無く。上半身をズタズタにされ、生前の面影が全く残っていない。

    それがフェクションではない事を、辺りに飛び散った血液と充満する鉄臭さが物語っていた。

    苗木「ウッぷ」

    臭いのせいでは無く、彼女の死を改めて突きつけられた事で吐き気が僕を襲う。

    霧切「無理しなくて良いのよ」

    そんな僕の背中に、そっと手を当てながら、彼女は言う。

    苗木「いや、仲間が殺されたのに指を咥えて見てるだけなんて出来ないよ。霧切さんありがとね」

    霧切「別に感謝されるような事はしてないわ」

    そう言うと彼女は僕の背中から手を離し、朝日奈さんの死体と向き合った。

    苗木(よし。僕も調査開始だ)

    ここで退くわけにはいかない。

    僕だけじゃない。皆の命がかかっているんだ!





    [捜査開始]





    苗木「あれ?」

    改めて朝日奈さんの死体と向き合った僕はある事に気付いた

    苗木「朝日奈さんは更衣室と反対の方を向いている?」

    霧切「そうね。死体を触った痕跡は無いし、身体の前面が上向いていて、頭が更衣室側だからそう考えるのが妥当ね」


    【朝日奈の死体の情報】GET
    ・若干の原型を留めている。男子更衣室前で頭を男子更衣室の扉に向け仰向けに倒れていた。

    苗木「朝日奈さんはプールを出た所を襲われたのかな?」

    霧切「さあ、調べてみない事には何も分からないわ」

    苗木「……だね」

    未だ朝日奈さんの死体を調べる霧切さんの邪魔にならぬ様、乾いた血の海を通り男子更衣室の中へ向かう。


    【血の海】GET
    ・広範囲で助走をつけても跳び越えるのは難しい。男子更衣室の前で円を作るように広がっている。


    捜査の時間中はロックが掛かっていないようで、近付いただけで扉は開いた。

  10. 10 : : 2016/07/13(水) 03:34:19


    ◉男子更衣室


    入って直ぐ、僕は更衣室の入り口に飛び散った血痕に気付く

    苗木「銃痕もだけど、これも霧切さんの言う銃殺の証拠…だよね」


    【男子更衣室の血痕】GET
    ・入口付近からプールの方に向け血痕が飛び散っている。


    苗木(ポスターやカーペット、前来た時と何も変わりは無い…か)

    その他にも何か無いかと辺りを見渡すが特に目ぼしい物は見つからなかった。

    そのままプールへ向かう扉に近付く。

    やはり自動で扉は開いた。



    ◉プール

    苗木「……」

    特に血痕などは無く。プールに張られた水が電灯の光を反射しているのみ。

    苗木「戻る…か」

    来た道を引き返し、更衣室前へ戻った。


  11. 11 : : 2016/07/13(水) 03:42:13


    ◉更衣室前

    大神「苗木よ。何か見つかったか?」

    乾いた血を出来る限り踏まない様にしながら男子更衣室から出て来る僕に、大神さんはそう尋ねてきた。

    苗木「ごめん、更衣室にあった血痕以外特に目ぼしいものは…」

    自分で言ってて乏しい捜査結果に何故か罪悪感を得ている僕は、弱々しい口調でそう言う。

    大神「謝る事では無い。朝日奈の為にも早く解決したいが、我はここを見張る事しか出来ぬ。その歯痒さ故に急いてしまっただけだ」

    苗木「うん。絶対に犯人を見つけようね」

    早く解決したいが全てでは無く、見張ってるだけが辛いという事を汲み取った僕は、その事に対して何も言わず。ただそう返事を返した。

    大和田「………」

    苗木「どうかした?」

    何か言いたげにしている大和田君に声をかける。

    大和田「俺には分からねぇ」

    苗木「何が?」

    大和田「犯人の考えてる事だよ。何で、何で女にこんな酷い仕打ちが出来んだよ…クソッ」

    大和田「動機は、知られたく無い秘密だろ?……ここまでするこたァねぇだろ」

    苗木「そうだよね…。そこまでして知られたくない秘密って何なんだろう」

    霧切「そこは学級裁判で明らかにするしか無いわね」

    苗木「うん。そうだね…!」

    大和田「ッたくよォ。十神の野郎は捜査結果共有しねーし、分からない事尽くしだ」

    ボヤくように大和田君は言う。

    苗木「…そういえば十神君は?」

    辺りを見渡すも既に十神君の姿はなかった。

    霧切「彼なら今は別の所を調べてるみたいよ。苗木君が来る前からある程度の捜査は終えていたようだし」

    苗木「そっか。…流石十神君だ、僕の捜査は無駄だったのかもしれないね」

    霧切「それは、貴方次第よ」

    苗木「僕次第?」

    霧切「あまり気にしなくて良いわ。それより他の所を調べるんでしょ?ここで喋っていても時間が流れていくだけよ」

    気にしなくて良いと言われても言われたからには当然気になる。

    だが的を得ているその発言に僕は素直に従う事にした。

    苗木「そうだね。そろそろ行くよ。皆、ここは任せたよ」

    大和田「おう!任せとけ!」

    大神「承知した」

    霧切「ええ」

    力強い返事とクールな返事に見送られるようにして、僕は階段を下り一階の調査へ向かった。



  12. 12 : : 2016/07/13(水) 03:49:04




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    ◉玄関ホール


    玄関ホールに入って直ぐ、僕に声をかける人物がいた。

    石丸「苗木君!落し物箱を見つけたぞ!!」

    苗木「落し物箱?」

    頭に疑問符を浮かべながら近付き、彼の指先に目を向ける。

    石丸「うむ!これの事なのだが」

    箱に差し込むように入っていたのは電子生徒手帳だった。

    苗木「電子生徒手帳が2つ…」

    そう呟きながら手を伸ばす。

    石丸「コラ!盗み見反対!!」

    超高校級の風紀委員らしく、プライバシーには厳しい様で、強い口調で僕を制止させようとする。

    苗木「盗み見…になっちゃうのか、でも僕の予測が正しければ、確認を取る相手は……もう居ない…」

    だけど捜査しないわけにもいかない。

    仮定を確定事項に変えるため手前にあった電子生徒手帳を手に取り電源をつける。

    ディスプレイに映されていた名前は


    『舞園さやか』


    苗木「これ、舞園さんのだ」

    石丸「舞園君のだと!?」

    苗木「そう。これは決して落し物入れなんかじゃないんだ」

    苗木「このコロシアイ学園生活で命を落とした生徒の電子生徒手帳を入れる為の箱…」



    【電子生徒手帳】GET
    ・亡くなった2人の生徒手帳。玄関ホールの端に置かれていた


    苗木「他に何か無かった?」

    石丸「うむ、これ以外に特に目ぼしいモノは無かったな」

    彼は顎に握り拳を添えながら考え込む。

    石丸「そういえば先程までセレス君達も校舎を調べていたな!彼女達なら何か知っているかもしれないぞ」

    苗木「ありがとう。ちなみに今何処にいるか分かる?」

    石丸「今は寄宿舎を捜査している筈だ」

    苗木「分かった。行ってみるよ」

    僕は舞園さんの電子生徒手帳を箱に戻すと、玄関ホールを後にした。



  13. 13 : : 2016/07/13(水) 04:02:56


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    ◉寄宿舎

    寄宿舎に入り、先ずは食堂から調べてみるかと意気込みながら踏み出した足は。

    山田「ふぅ。何もありませんでしたな」

    女子トイレの扉の中から出て来る山田君の姿によって止められた。

    苗木(山田君は女だった!?)

    なわけ(笑)

    セレス「あら苗木君。どうかなさいましたか?」

    苗木「うわっ!セレスさん!?」

    振り返ると食堂から出て来たセレスさんが、手にティーカップを持ったまま佇んでいた。

    セレス「あらあら、私の顔を見てそんな反応をする殿方を見るのは…私初めてで・す・わ」

    赤い双眼でジロリと睨まれると蛇に睨まれた蛙の様な気分になる。

    苗木「ご、ごめん」

    セレス「初めてというのは嘘ですが。私に搾り取られたカジノでは良く見る光景ですわ」フフフッ

    苗木(流石超高校級のギャンブラー!)

    セレス「…所でどうかなさったんですか?」

    苗木「えっと、何か分かった事ないかなと思って」

    セレス「あら、情報には対価が必要ですわ」

    苗木「対価って言っても…」

    僕が持っているのはモノモノマシーンで出て来た葉っぱマークの付いたふんどしだけ。

    そんな物を渡せば間違いなく怒られる。

    苗木「この裁判が終わったらゲームに付き合うとかじゃダメ?」

    彼女が超高校級のギャンブラーだという事は重々承知だし、渡り合えるとは思わないけれど、そう提案してみる。

    セレス「分かりましたわ。賭け金は1点100円で」

    それは意外な程にすんなりと受け入れられた。

    常軌を逸した賭け金と共に。

    苗木「待って!?それ多分麻雀でしょ!?洒落にならないって!!!」

    セレス「フフッ。こんな物を見つけた…いえ、見つからなかった。が正しいですわね」

    苗木「えええ?!話が進んでるよ!」

    セレス「一階の校舎にある女子トイレ、そこにある手洗い場の鏡が無くなっていましたわ」

    苗木「…女子トイレの鏡?」

    新たな情報を得て、僕は頭を切り替える。

    不二咲「う、うん。そこそこ大きな鏡なんだけど、スライドすれば外せるんだ」

    山田「拙者が男子トイレで実証しましたぞ」

    女子トイレから帰還した山田君と、セレスさんのゴスロリ衣装に隠れる様にちょこんっと立っている不二咲さんが会話に参加する。

    苗木「成る程、事件と無関係とは思えないね」


    【女子トイレの鏡】GET
    ・一階校舎の女子トイレの鏡が外されていた。
    ・鏡はズラすだけで取り外せる為特殊な道具は要らない。


    セレス「焼却炉なども調べましたが、特に目ぼしいものは無かったですわ」

    山田「食堂と、焼却炉以外は各個人で調べていましたが特に目ぼしいモノは見当たりませんでしたぞ」

    不二咲「食堂はボクとセレスさんだけだったけどね…」

    山田「……はい」



    ピンポーンパンポーン


    落ち込む山田君を他所に、聞き覚えのある音声が学園に設置されているスピーカーから流れる。


    モノクマ『えー、まもなく、学級裁判を開廷しまーす!!赤い扉の前に集まってねー!!遅れたらオシオキだよ!!!』


    セレス「来ましたわね」

    苗木「うん。行こう」

    気の抜けるようなチャイムの後、ウンザリするほど聞いたクマの声に嫌悪感を抱きながら、僕らは裁判場へ続く扉の前に向かった。


  14. 14 : : 2016/07/13(水) 04:03:42



    Now Loading





    ◉赤い扉の前

    扉の前に集まったのは僕含め12人の高校生。

    舞園さんの裁判の時よりも二人減った。

    見て取れる変化が、仲間の死という現実を改めて僕に突きつける。

    キィィィッ!

    僕らを飲み込む様に開かれた扉、中は裁判場へと続くエレベーター。

    全員が乗ったと同時に扉が閉まる。

    ゴゥンゴゥンと古い洗濯機の様な音を鳴らすそれが僕達を非日常へと誘う。


    苗木「………」


    始まるのか



    命懸けの裁判……



    命懸けの裏切り……



    命懸けの謎解き……



    命懸けの言い訳……



    命懸けの信頼……



    命懸けの騙し合い……





    命懸けの────学級裁判!!!!!



  15. 15 : : 2016/07/13(水) 04:11:12


    ────────────────────────


    コトダマ


    【モノクマファイル】

    被害者:朝日奈葵

    場所:更衣室前

    死亡時刻:PM10時〜AM2時

    死因:胸部を貫かれた事による心臓破裂


    【霧切の証言】
    ・死因は銃殺。少なくとも十数発は撃たれた。霧切の調査によって発覚。


    【朝日奈の死体の情報】
    ・若干の原型を留めている。男子更衣室前で頭を男子更衣室の扉に向け仰向けに倒れていた。


    【血の海】
    ・広範囲で助走をつけても跳び越えるのは難しい。男子更衣室の前で円を作るように広がっている。


    【男子更衣室の血痕】
    ・入口付近からプールの方に向け血痕が飛び散っている。


    【電子生徒手帳】
    ・亡くなった2人の生徒手帳。玄関ホールの端に置かれていた。


    【女子トイレの鏡】
    ・一階校舎の女子トイレの鏡が外されていた。
    ・鏡はズラすだけで取り外せる為特殊な道具は要らない。


    ─────────────────────────

  16. 17 : : 2016/07/16(土) 00:00:19


    [学級裁判]開廷!!



    モノクマ「ま・ず・!学級裁判の簡単な説明から始めちゃいましょう!学級裁判の結果はオマエラの投票により決定されます。正しいクロを指摘出来れば、クロだけがオシオキ。だけど…もし間違った人物をクロとした場合は…クロ以外の全員がオシオキされ、皆を欺いたクロだけが晴れて卒業となりまーす!」

    モノクマ「ウププ。超高校級のスイマーであるふ朝日奈葵さんを殺したのは一体誰なんでしょう!!」





    case1


    石丸「先ずは朝日奈君の死因をハッキリさせようではないか!」


    山田「むむ、それは心臓破裂で解決なのでは?」


    セレス「いいえ、それではダメですわ。凶器すら分かってませんもの」


    不二咲「…電子生徒手帳には胸部を貫かれた事による心臓破裂って書いてあるだけだもんね」


    腐川「そ、そんなの分かりっこないじゃない…!」


    葉隠「いーや、俺には分かるね。俺の割れた水晶が訴えてくるんだ!」


    腐川「はぁ?期待も何もしてないけど…言ってみなさいよ」


    葉隠「へっへーん!きっと朝日奈っちは抵抗する間も無く《槍で心臓を貫かれた》んだ!!!!」


    苗木「それは違うよ!」


    【霧切の証言> BREAK!!


  17. 18 : : 2016/07/16(土) 00:01:47


    山田「音速のロンパですぞ」

    石丸「340m/秒だな!」

    葉隠「んあ?どういう事だ?」

    首を傾げながら、葉隠君は僕の言葉を待つ。

    苗木「霧切さんが調べてくれたんだ。朝日奈さんの隠された死因をね」

    不二咲「隠された?どういう事?」

    苗木「モノクマによって伏せられていた本当の死因さ」

    モノクマ「酷いやい!僕を悪者に仕立て上げようとするなんて酷いやい!」

    モノクマは短い足をバタバタさせながら顔を赤くした。

    セレス「事実でしょう。それで隠された真実というのは?」

    苗木「うん。朝日奈さんの死因は銃殺だった。それも何十発も銃弾を撃ち込まれていたらしい」

    十神「ハッ、死体を触るのが趣味の女は違うな」

    霧切「別に趣味じゃないわ。誰かがしないといけない事を私がしただけ」

    大和田「つってもよ、銃なんてこの学園にあったのか?」

    大神「無かった筈だ」

    皆口々に銃について考え始めるも、その答えは出ない。

    十神「誰かが隠した、もしくは違う可能性もあるがな」

    苗木(違う可能性?)

    石丸「分かったぞ!!」

    そう言いながら挙手をする。

    モノクマ「はい。じゃあこの問題、石丸君どーぞ」

    石丸「モノモノマシーンだ。凶器はそれの中から手に入れられた物としか考えられない!」

    大和田「なるほどなァ、あの色んなモン出てくるガチャガチャならありえそうだ!」

    十神「いや、違うな」反論‼︎

    大和田「違う?お前、兄弟の推理にいちゃもん付けようってのか?」

    十神「お前らは一つ見落としをしている」

    十神「銃で朝日奈は数十発撃たれたんだろ?ならその薬莢はどうした」

    大和田「あァン?薬莢だと?」

    十神「銃の弾はな、実際に発射される弾頭とそれを加速させる火薬、火薬に火をつける為の火薬、ケースの役割をする薬莢の4つによって構成されている」

    十神「そして薬莢は弾頭と違い銃口から放たれず銃から排出され、その場に残る。と、まあこんな仕組みなわけだ」

    苗木「待って!薬莢が無かったとしても弾頭があるはずだよ!」

    十神「それが現場に無かったからこうして俺が言っているんだろう。おい霧切、現場に弾頭は残っていたか?」

    その言葉で視線が一斉に霧切さんの方へ集まった。

    霧切「いいえ…、確かに現場には無かったわ」

    苗木「!!」
  18. 19 : : 2016/07/16(土) 00:03:51


    十神「これが真実だ。それにその女の発言を鵜呑みにして良いのか?そいつが嘘を付いている可能性だってある」

    霧切「いいえ。確かに銃殺よ。あの傷のつき方は間違いなく」

    十神「お前の意見など聞いていない。薬莢が無い時点でお前の推理は成立しないんだからな」

    苗木「銃を隠している様に何処かに隠したんじゃないかな?」

    十神「弾頭は無理だ。身体を抜けたとしても、壁やらに撃ち込まれて残っている筈だ。取り出せずにな」

    十神「そもそも全員の部屋を調べさせてもらったが薬莢は無かった」

    大和田「オメェ、女の部屋にズカズカと無許可で踏み入ったのか!?」

    霧切「いえ、それはあり得ないわ。少なくとも私の部屋には鍵を掛けていた筈だもの」

    十神「おいモノクマ」

    鋭い目でモノクマを一瞥。

    モノクマ「十神君が緊急事態って言うもんだから…仕方なく解除したんだよ」

    十神「こういう事だ」

    不二咲「行ける所は僕達が隅々まで探したから無いと思うよぉ」

    十神「つまり銃では無いと立証されたな」

    霧切「無い、というのは他の証拠が出てきて立証される筈よ」

    不二咲「他の凶器なんてあったの…?」

    苗木「無い筈だよ。あったのなら最初の議論で出てきてる筈だし」

    十神「他の凶器があったとして処分すれば問題無い。焼却炉でな」

    苗木「!」

    十神「昨日の鍵当番は誰だ」

    セレス「私ですわ」

    十神「何か身の潔白を証明出来る事はあるか?」

    セレス「ありませんわね。ですが、昨日は珍しく早くに寝ましたわ」

    十神「グレーか」

    大神「十神よ。お主の証言が嘘の場合も辻褄が合う。故にお主もグレーだ」

    十神「何?」

    大神「部屋を見て回ったと言っていたが第1にしっかりと探した結果なのか」

    苗木「十神君の事だし流石に見落としとかは無いんじゃ無いかな…」

    十神「よく分かってるじゃないか。愚民にしては」

    苗木(一言余計だよ!)

    大神「お主が犯人だった場合。その証言が嘘の可能性もあるのだぞ」

    霧切「いや、その線は恐らくないわ。それなら誰かの部屋に薬莢を置いて見つけたフリをすれば良いもの」

    セレス「そうですね。葉隠君の部屋にでも置いておけば騙されそうですわ」

    葉隠「はぁ!?酷いべ!!何で俺っちの事信じるヤツがいねぇーんだ!!なあ!みんなは俺のこと信じてくれるよな!」







    全員「「「「「「「「「「「「「「………」」」」」」」」」」」」






    葉隠「アポ」

    十神「日頃の行いだ」

    大和田「オメェーも大概だがな」

    腐川「モロコシヘッドは黙っときなさいよ」

    大和田「アァン!?」

    苗木「待って、話が逸れかけてるよ!!」

  19. 20 : : 2016/07/16(土) 00:11:21


    case2



    十神「何度も言うが、銃に関する事は1つを除いて出てこなかった。霧切の証言以外はな!」


    霧切「いいえ。見つかってなくても銃しかありえないのよ」


    十神「何故だ?言ってみろ」


    霧切「傷の着き方。そして銃以外ならば必ず他の証拠が残る筈だもの」


    霧切「凶器は勿論、衣服に付着するであろう血、そんな服なかったし何かで覆ってても《床に血の跡がつく筈》よ」


    苗木「それに賛成だ!」


    【血の海>賛



    十神「何に賛成なんだ。床にはしっかりと血痕が残っていた筈だろう」

    苗木「十神君も見た通り、朝日奈さんの死体はかなり血を流していた」

    十神「ああ、まるで血の海のようだったな」

    苗木「返り血以外でも汚れはつく筈だよ。流れた血で靴が血にね」

    苗木「だけど、朝日奈さんの死体の周りにそんな不審な足跡なかった」

    霧切「身体があんなになるまで危害を加えたのなら。浮いてない限り痕跡が残る筈よ」

    腐川「な、長い凶器を使えばいいじゃ無い!それなら…数十回刺しても汚れないし…」

    霧切「そもそも、そんな重装備している人に近付くかしら?」

    腐川「それは《プールから出て来たところ襲えばいい》だけじゃない。…つまり!白夜様の推理は間違い無い!」


    苗木「それは違うよ!!」


    【朝日奈の死体の情報> BREAK‼︎



    苗木「朝日奈さんの倒れていた場所は男子更衣室の前なんだ」

    霧切「血痕から見ても間違いないでしょうね」

    不二咲「あっ」

    苗木「そう。不二咲さんの気付いた通り、朝日奈さんがプールの後に出て来るのは当然女子更衣室なんだ」

    霧切「そもそもの話だけれど、腕力だけであそこまで死体をグシャグシャに出来るとは思えないわ」

    十神「それが、貴様の銃を推す理由か。死体を触った結果以外の根拠が出てきた以上、一概に否定はできんな」


  20. 21 : : 2016/07/16(土) 00:13:17



    case3


    セレス「では、銃弾は何処にあったのですか?」


    十神「カーペットの下にも当然弾頭は無かった。そもそも通れば気付くしな」


    山田「掘り返すのは、十神白夜殿の話を聞く限り難しそうですぞ」


    石丸「ならば隠されている筈だ!!」


    霧切「おそらくそうね。無いのではなく、見つからなかっただけ」


    不二咲「そういえば…更衣室の扉は横にスライドされるタイプだったよね」


    大神「ああ、その通りだ」


    不二咲「きっと事件が起こった時、《男子更衣室の扉は閉まっていて》事件後は扉が開かれたから銃痕が無かったんだよ!」


    苗木「それは違うよ!!」


    【男子更衣室の血痕> BREAK‼︎



    不二咲「えっ…」

    苗木「更衣室の床に血痕があったんだ」

    山田「うっほ、突然のプロポーズですぞ!」

    苗木「いや…そうじゃなくて…」

    腐川「隙間から更衣室の中に流れた血なんじゃないの…」

    苗木「更衣室は覗き防止の為に隙間がない設計…なんだよな?」

    モノクマ「そうだね。覗きは男のロマンだけどそれはお風呂でね」

    苗木「そもそも、あんな風に飛び散る血痕は、扉の隙間から流れた血液では絶対に形作られない」

    十神「フン、苗木。それは弾丸が存在しない事を立証するようなものではないか?」

    苗木「いや、そういうわけじゃないけど…」

    霧切「いいえ銃よ。絶対にね」

    十神「薬莢、ましてや銃すら見つけてないのによくもまあそんな風に言えるな」

    霧切「いいえ。あったわ薬莢では無く。銃は」

    十神「…そこまで言うなら言ってみろ!一体どこにあるのか!!」

    霧切「更衣室前に合ったわよ。苗木君、ここまで言えば分かるわね?」

    苗木「………」

  21. 22 : : 2016/07/16(土) 00:14:08




    『閃きアナグラム』

















    〜ガトリング〜



  22. 23 : : 2016/07/16(土) 00:15:22


    苗木「上から吊るされていたガトリングガン、それしか考えられない!」

    霧切「そう。その通りよ」

    石丸「な、なんだと!?」

    山田「あれ…てっきりハリボテかと思ってましたぞ」

    十神「モノクマ。アレはお前以外に動かせるのか?」

    モノクマ「あれを使えるのは僕だけだよ。電気式だから取り外しても無理だね。あとあれクレーンゲームみたいに動かせるんだ。ウププ凄いでしょ〜」

    大神「おのれェエエエエエ!!!!!!!!!!!!!!!!」

    霧切「手を出しちゃダメよ大神さん。手を出したら貴女まで殺されてしまうわ───校則違反でね」

    十神「校則違反だと!?」

    霧切「そう。これがこの事件のトリック」

    苗木「犯人はモノクマなの?」

    霧切「これはトリック。犯人は別に居るはずよ」

    十神「くどいようだが弾頭はどうした」

    霧切「無いの証明は出来ないわ。見つかっていないだけ、でも凶器は確かに見つかった筈よ」

    十神「…成る程な。犯人は大神、貴様だ」

    納得したように頷いた後、十神君は大神さんを指差した。

    犯人と断定しながら。
  23. 24 : : 2016/07/20(水) 14:45:31


    大神「我が…朝日奈を殺したというのか?朝日奈を!!!!!!」

    十神「そうだ。愚民では汲み取れなかったか?」

    苗木「そんなわけないよ!だって、朝日奈さんと大神さんは親友だったんだよ!?」

    十神「親友だからこそ殺しやすかった。違うか?」

    大神「ならば問おう。何故我が犯人なのか」

    十神「校則違反を誘発させたんだ」

    石丸「意図的に起こしたというのか!?どうやって!!」

    十神「あの辺りで壊れた鍵付きの扉などどこにも無かった。なら考えられるのは1つ。新たに追加された更衣室に関する校則だ」

    苗木「『異性の更衣室に後を付いて入ってはいけない』だよね」

    山田「ですが、大神さくら殿は女性。校則違反を起こすのは不可能なのでは?」

    石丸「そうだな!大神君は女性だからな!!!」

    十神「異性の部屋に後を付いて入った場合に校則違反が起こる。これは異性の後を付いて入った場合と似てるようだが違う」

    セレス「なるほど…。後者は男性のみにしか適用されない」

    不二咲「そんな…!じゃあ、大神さんが?!」

    大神「違う!!我ではない!!!!我が朝日奈を殺すなど……断じて無いッ!!!」

    苗木「そうだよ!!大神さんが朝日奈さんを殺すなんて!!」

    セレス「そもそも、大神さんは男子の電子生徒手帳を持っていないのでは?」

    葉隠「まさか共犯者がいんのか!?」

    十神「フン。死んだ桑田の生徒手帳を使えば良いだろう」

    苗木「確かに、玄関ホールに合ったけど…」

    霧切「本当?」

    石丸「ああ!確かに僕も見たぞ!!!!」

    大和田「ダチの大神が上手いこと言って男子更衣室に誘導した……これなら辻褄が合うな」

    苗木「………」

    十神「ハッ、返す言葉も無いか」

    霧切「…何故、ここまで用意周到に犯行を行ったのに大神さんは男子トイレでは無く女子トイレから鏡を動かしたのかしら?」

    十神「そんな事は些細な事だ。何に使ったか分からんが、気が回らなかっただけじゃないのか?」

    十神「そもそも鏡が事件と関係あるとは限らないしな」

    霧切「…鏡の件を置いておくとしても、私は大神さんを犯人じゃないと思ってるわ」

    不二咲「何で…?」

    十神「親友だからっていうのは無しだ」

    霧切「当たり前よ。単純な話」

    霧切「大神さんがクロの場合、女子更衣室ではなく男子更衣室を開けた事になるわよね?」

    十神「ああ。男子更衣室の前は血の海だったからな」

    霧切「そんな不自然な状況で、朝日奈さんは易々と付いて行くのかしら?」
  24. 25 : : 2016/07/20(水) 14:47:19


    石丸「確かに!!大神君が男子更衣室の扉を開けるのは不自然だな!!!」

    腐川「…アンタみたいに、大神の事を男と思ってない限りね…」

    石丸「…あの件は失礼した」

    霧切「親友である事は朝日奈さんを殺しやすい様に見えるかもしれないけれど、そんな不自然な事、朝日奈さんが見逃すと思う?」

    大和田「確かにな」

    十神「…チッ」

    山田「振り出しに戻りましたな」

    葉隠「つまりオーガは犯人じゃねぇのか?」

    十神「クロがグレーになっただけだ」

    不二咲「結局、弾丸の行方も分からないままだしね…」

    霧切「いいえ。分かるわ」

    石丸「!?本当か!!」

    大和田「つっても、朝日奈が殺されてた場所は俺も見たがそんなもンなかったぞ」

    葉隠「やっぱり弾丸は消えたんだべ!!太古のアースパワーによって消されたんだ!!!!」

    霧切「違うわ、男子更衣室の扉とプールへ続く扉が開いてたのよ。それなら更衣室前に弾頭が残ってない理由に説明がいくわ」

    セレス「ですが、その場合更衣室、またはプールに弾頭が残るのでは?」

    霧切「ええ。その事については彼に聞きましょう」

    そう言いながら彼女は僕を指差した。

    苗木「無かった…筈だよ」

    霧切「そう。筈、無いの証明ほど難しいものは無い」

    苗木「でも、無いものは無かったよ?」

    霧切「無いのでは無く、見つからなかったのよ」

    苗木「えっ?」

    霧切「そして見つからなかったのは見えなかったから。苗木君、ここまで言えば分かるわね?」

    苗木「………」





    苗木「消えた…大きな鏡?」

    霧切「ええ。銃が凶器とした場合、校則違反がトリックの場合。それしか考えられないわ」

    霧切「きっと弾頭はめり込んでいる筈よ。プールの中に」

    十神「まさか!それを鏡で蓋をしたという事か…?そんな事──!!!」

    霧切「あり得たのよ。あり得たからこそ犯人は鏡を移動させたの」

    霧切「犯人にとって何方に転んでも良かったの。今回は犯人の都合の良い方に転んだだけ」























    霧切「そうでしょう?苗木君」


  25. 26 : : 2016/07/20(水) 14:49:23


    苗木「………僕?えっ、何で僕の名前が出てくるの?」


    霧切「それはね。私が貴方を犯人だと思っているから」


    霧切さんは、いつもと変わらぬ口調でそう言った。


    苗木「それは違うよ!!」

    苗木「そもそも、有り得ないじゃないか!もし朝日奈さんを僕が殺しちゃったとするよ」

    苗木「さっきまでの推理があってると仮定したら僕は血の海を越えないといけないんだ。だって靴に血の跡が残っちゃうからね」

    山田「靴にビニール袋を被せるというのはどうですかな?」

    苗木「それも無理だよ。だってそんな事したら通路にビニールから垂れた血の跡が残っちゃうじゃないか」

    不二咲「確かに無理だね…」

    霧切「…いえ、一つだけあるわ」

    苗木「何?」

    霧切「女子更衣室から出れば良いのよ」

    苗木「ははっ、何言ってるのかよく分からないよ。だって僕は男なんだよ?女子更衣室に入るなんてそんな事出来ないよ」

    霧切「それでトボけてるつもりなの。舞園さんの学生手帳を使ったんでしょう?」

    苗木「ぐっ…」

    霧切「その反応図星のようね」

    霧切「そもそも私は貴方のことが怪しいと思っていたわ」

    苗木「何で…?」

    霧切「何故、被害者が女性なのに女子更衣室を調べないのか。ってね」

    苗木「………」

    霧切「貴方は知っていたんでしょ?女子更衣室には何も無いって」

    苗木「……ははっ…流石だよ」

    セレス「あらあら、その発言。まるで自分が犯人と自供するようなものではありませんか?」

    苗木「ようなもの?違う違う」





    苗木「認めてるのさ、僕が朝日奈さんを殺した犯人だってね」


  26. 27 : : 2016/07/20(水) 14:50:41


    大神「貴様ッ!!よくも…よくも!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」

    苗木「大神さん、幾ら殴ったって構わないよ。僕は死ぬんだから」

    激怒する彼女と対称的に、僕は落ち着いた声色でそう言った。

    霧切「貴方は何で捜査に協力したの?」

    そこが引っかかっているのか、彼女は不思議そうにそう聞く。

    苗木「殺す気は無かったんだ。あれは…事故だった。でも、きっと僕が殺した事になる。怖くて言い出せなかった……。最後まで迷っていたんだよ」

    霧切「事故?」

    苗木「うん。昨日夜怖くなってさ、気晴らしに誰かと遊ぼうと思ったんだ」

    霧切「その相手が朝日奈さんというわけね」

    苗木「うん」

    石丸「校則を守りたまえ!!!!!」

    セレス「そうですわ」

    腐川「偶然昨日寝てただけで……ど、どーせアンタも…夜中出歩いてるんでしょ」

    セレス「うふふっ」

    霧切「それでどうやって朝日奈さんを誘い出したのかしら?」

    苗木「僕のバラされたくない秘密を見せたんだ」ピラッ

    僕はポケットに入れていた知られたくない秘密(動機の紙)を取り出す。

    【苗木誠は小学校5年生までおねしょをしていた】

    苗木「朝日奈さんはこれを見て、凄く笑ってたよ。子供みたいだって」

    山田「今でも子供みたいですがな」

    苗木「そしてそれで緊張がほぐれたのかこんな動機で人を殺すわけないって思ってくれたのかプールで泳ぐ事に付き合ってくれる事になったんだ」

    大神「………」

    苗木「だけど彼女は学生手帳を部屋に忘れてきていた。大神さんと来る癖でね。でも下に水着を着てるからって理由で僕の開けた男子更衣室からプールに行こうとした」

    苗木「その時。モノクマが更衣室の真ん中に現れてこう言ったんだ」

    苗木「“やっちゃいましたねー。いやそれともヤるつもりだったクマ?”」

    苗木「そう言いながら更衣室前のガトリングが動き出したんだ。僕は怖くなってプールの方へ逃げた…!」

    大神「朝日奈は、朝日奈はどうしたのだ!!」

    苗木「朝日奈さんはモノクマが現れた瞬間距離を取って更衣室前の方に逃げ出したよ」

    苗木「今でも憶えている。彼女の叫び声を。銃弾が放たれる音を…」

    苗木「そして、全てが終わった後、運良くプールの方へ飛んで来た弾頭を確認してから、舞園さんの生徒手帳を使って逃げ出したよ」
  27. 28 : : 2016/07/20(水) 14:53:25


    霧切「何で舞園さんの生徒手帳を持っていたのかしら」

    苗木「彼女の事を引き摺るって決めた後、玄関ホールから拝借したんだ。今は流石に戻したんだけど」

    十神「薬莢の処理はどうした」

    苗木「簡単な事だよ。君と同じさ

    十神「何?」

    苗木「モノクマに頼んで舞園さんの部屋に隠したんだ。念の為トイレのタンクの中にね」

    十神「なん…だと?」

    苗木「流石に調べなかったでしょ?まさか他人の部屋に隠すとは思えないもんね」

    苗木「女子トイレの鏡を選んだのも偽装工作の一種」



    苗木「これが…事件の真相だよ」

    不二咲「そんなっ」

    大神「………」

    苗木「僕は死ぬほど後悔したよ…だから、死んで償う事にする」

    苗木「…赦されるとは思わないけれど……。モノクマ、投票だ」


    モノクマ「はいはーい!!」









    霧切「待って!!」

    モノクマ「何だよ霧切さん。これからボクの素晴らしい前口上が入るのに、邪魔しないでよね!」

    霧切「もし、苗木君が故意では無く。事故で朝日奈さんが死んでしまった場合どうなるのかしら?」

    モノクマ「…あーあ、気付いちゃったか」

    モノクマ「うん。それはね当然朝日奈さんが校則違反を起こしたんだから朝日奈さんが犯人だよ」

    十神「違うな。実質殺したのはモノクマ、お前だ」

    モノクマ「ウププ。クマに噛み付くなんて十神君は馬鹿だなぁ」

    十神「何?」

    モノクマ「オシオキで桑田君を殺した僕はクロ?違うでしょ?僕は犯人じゃ無くて凶器。そう考えて貰って良いクマ」

    不二咲「それじゃあ、今回の事件のクロは…!」

    葉隠「朝日奈っちになるのか!?」

    十神「そんな簡単に結論付けるな。まだ演技だって可能性がある」

    十神君はジロリと僕を睨みつける。

    苗木「そうだよ…。全部演技の嘘さ」

    十神「…何を言っている。自白か?」

    苗木「自白でも、演技でも何でも良いよ。僕を殺してくれ、僕はクロだ」

    十神「……チッ。これだから温い環境で育った愚民は!自分の自殺の為に俺達を付き合わせるつもりか?」

    大和田「つまりどうすりゃ良いんだ?」

    十神「コイツは白だ。コイツの目はもう死んでいる。自責の念でなのかは知らんがな」

    石丸「つまり、事故だと言う事だな!!!」

    苗木「いや、僕に投票してよ。僕は死ぬしか無いんだって!!!!」

    霧切「苗木君。貴方は舞園さんや皆の死を引き摺って行くんでしょ?」

    苗木「……うん」

    霧切「なら前を向きなさい。死ぬしか無いなんて、その発言が1番朝日奈さんに失礼よ」

    苗木「ッ!!」

    大神「お主を殴ろうと、殺そうと朝日奈は帰って来ない」

    苗木「……」

    大神「ならばせめて、朝日奈の好きだったお前は生きろ。朝日奈もそれを望む筈だ」

    苗木「…ごめん、ごめん朝日奈さん…」ポロポロ

    僕は大粒の涙を流しながらその場で泣き崩れた。

  28. 29 : : 2016/07/20(水) 14:54:09



    モノクマ「さあ、投票の時間だよ。果たして投票の結果クロになるのは誰なのか!!」
















    VOTE




























    【朝日奈】【朝日奈】【朝日奈】





































    モノクマ「ハーズレ〜〜!!!!!!!!!!!」


  29. 31 : : 2016/07/20(水) 15:33:13


    大和田「あァ!?こりゃあどういう事だァ!!」

    石丸「事故のはずだろう!朝日奈君ではなく一体誰が犯人というのだ!!」

    苗木「クク…ふふ、アッハッハッハッハッ!!」

    ああ可笑しい。そんなの1人しか居ないじゃないか。

    不二咲「もしかして…もしかして苗木君が犯人なの!?」

    苗木「言わなくても分かるでしょ。僕だよ」

    腐川「そ…そんな」

    大神「苗木…貴様ァぁぁぁぁぁあ!!!!!!!!!!!!」

    獣のような咆哮をあげる彼女も何れ死ぬ。

    僕以外死ぬ。


    霧切「苗木君。貴方の…あの裁判のあとの言葉は嘘だったの?」

    苗木「ううん。僕が彼女の死を、舞園さんの死を引き摺っていくって言ったのは本心だよ」

    苗木「彼女の意思を継ぐって…誰かを殺してこの学園から出るって決めたんだ」

    霧切「!!!!」

    苗木「いやぁ、大きな鏡は気付くと思ってたんだけど、まさか誰も気付かないだなんて」

    霧切「確かに捜査では調べられなかったけれど、気付いた筈よ」

    苗木「ん?ああ、違う違う」

    苗木「大きな鏡、略して大神。洒落てるでしょ?」

    苗木「ま、どっちに転んでも良かったんだ。バレようと、バレまいと」

    十神「どうやって朝日奈を校則違反に導いた」

    苗木「入れてはいけないじゃなくて、入ってはいけないなんだ。手を引けば簡単でしょ?」

    苗木「あ(笑)朝日奈さんの好意は薄々気付いてたよ。誘い出すのは簡単だった」

    大神「……殺す!!!!」

    苗木「モノクマ」

    モノクマ「はいはーい!」

    大量のモノクマが現れ大神を拘束する。

    大神「離せェエエエエ!!!!!!!!」

    それに続く様に次々と生徒達を拘束していくモノクマ。


    生徒の絶叫が響く中、僕はニヤニヤとした顔で僕を見つめる玉座の上に座ったモノクマに近付いた。

  30. 32 : : 2016/07/20(水) 15:34:22


    モノクマ「なになに?愛の告白?」

    苗木「蠱毒…これが黒幕の君がしたかった事だよね」

    モノクマ「…さあ?」

    苗木「でも残念。僕は毒には成らない。僕が成るのは希望さ」

    モノクマ「ふっうーん!こううーん!どうでもいいー!!」

    モノクマ「これからはお楽しみの時間なんだからあっちいってよね」

    苗木「…言われなくてもそうするよ」

    モノクマ「それでは張り切っていきましょーー!!!!!!おっしおきタイムーーー!!!!!」


  31. 33 : : 2016/07/20(水) 15:35:01







    Now Loading







  32. 34 : : 2016/07/20(水) 15:35:51



    苗木誠の出て行った希望ヶ峰学園。

    そこに残っているのは長い黒髪を揺らす男ただ1人。


    「希望になる…か、凡人の様な言葉だ。だから貴方はツマラナイ」



    希望→絶望



    To Be Continued?




  33. 35 : : 2016/07/20(水) 15:36:16
    ありがとうございました。
  34. 36 : : 2016/07/20(水) 19:45:52
    お疲れ様でした!
  35. 37 : : 2020/10/26(月) 15:33:00
    http://www.ssnote.net/users/homo
    ↑害悪登録ユーザー・提督のアカウント⚠️

    http://www.ssnote.net/groups/2536/archives/8
    ↑⚠️神威団・恋中騒動⚠️
    ⚠️提督とみかぱん謝罪⚠️

    ⚠️害悪登録ユーザー提督・にゃる・墓場⚠️
    ⚠️害悪グループ・神威団メンバー主犯格⚠️
    10 : 提督 : 2018/02/02(金) 13:30:50 このユーザーのレスのみ表示する
    みかぱん氏に代わり私が謝罪させていただきます
    今回は誠にすみませんでした。


    13 : 提督 : 2018/02/02(金) 13:59:46 このユーザーのレスのみ表示する
    >>12
    みかぱん氏がしくんだことに対しての謝罪でしたので
    現在みかぱん氏は謹慎中であり、代わりに謝罪をさせていただきました

    私自身の謝罪を忘れていました。すいません

    改めまして、今回は多大なるご迷惑をおかけし、誠にすみませんでした。
    今回の事に対し、カムイ団を解散したのも貴方への謝罪を含めてです
    あなたの心に深い傷を負わせてしまった事、本当にすみませんでした
    SS活動、頑張ってください。応援できるという立場ではございませんが、貴方のSSを陰ながら応援しています
    本当に今回はすみませんでした。




    ⚠️提督のサブ垢・墓場⚠️

    http://www.ssnote.net/users/taiyouakiyosi

    ⚠️害悪グループ・神威団メンバー主犯格⚠️

    56 : 墓場 : 2018/12/01(土) 23:53:40 このユーザーのレスのみ表示するこの書き込みをブックマークする
    ごめんなさい。


    58 : 墓場 : 2018/12/01(土) 23:54:10 このユーザーのレスのみ表示するこの書き込みをブックマークする
    ずっとここ見てました。
    怖くて怖くてたまらないんです。


    61 : 墓場 : 2018/12/01(土) 23:55:00 このユーザーのレスのみ表示するこの書き込みをブックマークする
    今までにしたことは謝りますし、近々このサイトからも消える予定なんです。
    お願いです、やめてください。


    65 : 墓場 : 2018/12/01(土) 23:56:26 このユーザーのレスのみ表示するこの書き込みをブックマークする
    元はといえば私の責任なんです。
    お願いです、許してください


    67 : 墓場 : 2018/12/01(土) 23:57:18 このユーザーのレスのみ表示するこの書き込みをブックマークする
    アカウントは消します。サブ垢もです。
    もう金輪際このサイトには関わりませんし、貴方に対しても何もいたしません。
    どうかお許しください…


    68 : 墓場 : 2018/12/01(土) 23:57:42 このユーザーのレスのみ表示するこの書き込みをブックマークする
    これは嘘じゃないです。
    本当にお願いします…



    79 : 墓場 : 2018/12/02(日) 00:01:54 このユーザーのレスのみ表示するこの書き込みをブックマークする
    ホントにやめてください…お願いします…


    85 : 墓場 : 2018/12/02(日) 00:04:18 このユーザーのレスのみ表示するこの書き込みをブックマークする
    それに関しては本当に申し訳ありません。
    若気の至りで、謎の万能感がそのころにはあったんです。
    お願いですから今回だけはお慈悲をください


    89 : 墓場 : 2018/12/02(日) 00:05:34 このユーザーのレスのみ表示するこの書き込みをブックマークする
    もう二度としませんから…
    お願いです、許してください…

    5 : 墓場 : 2018/12/02(日) 10:28:43 このユーザーのレスのみ表示する
    ストレス発散とは言え、他ユーザーを巻き込みストレス発散に利用したこと、それに加えて荒らしをしてしまったこと、皆様にご迷惑をおかけししたことを謝罪します。
    本当に申し訳ございませんでした。
    元はと言えば、私が方々に火種を撒き散らしたのが原因であり、自制の効かない状態であったのは否定できません。
    私としましては、今後このようなことがないようにアカウントを消し、そのままこのnoteを去ろうと思います。
    今までご迷惑をおかけした皆様、改めまして誠に申し訳ございませんでした。

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