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アルミン「拝啓、愛する君__アニへ。」※シリアス注意

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  1. 1 : : 2016/06/24(金) 16:40:25

    人類が生存を可能にしたその後の、アルミンの昔話のようなものです!
    結構シリアスになっちゃいましたw

    アニちゃんほとんど出てきません!

    アルミンが何歳なのか、エレンやミカサはどうなったのか、その他の仲間達はどうなったのか…

    そのあたりはご想像におまかせします!

    どうでもいいけど大人になったアルミンって絶対かっこいいと思うんだよね(真顔)
  2. 2 : : 2016/06/24(金) 16:43:20




    拝啓 愛する君へ





    初めて出会ったのはいつだっけ?


    入団式のときだっけ?


    とにかく僕は、初めて君を見たその瞬間から恋に落ちていたんだと思う。



    君は、16歳にも満たない少女とは思えない、まるでこの世のすべてを知っているかのような表情をしていたね。



    吸い込まれるような瞳をした君にどうしようもなく惹かれてしまって。



    あぁ、思えばあれは僕の初恋だったなぁ。


    なにせ恋愛なんてしたこともなかったから、自分を上手くコントロールできずに恥ずかしいところたくさん見せちゃったよね…


    それでも君は、小さく微笑んでくれた。


    あの時の胸の高揚感は今でも鮮明に覚えてるよ。


  3. 3 : : 2016/06/24(金) 16:48:41

    そうやって会ったり、話したりする間に、君はどんどんよく笑うようになった。

    もしかしたら両思いだったのかな?今となってはわからないけど。



    ある日、君は突然笑わなくなったね。



    初めてあった時と全く同じ目をしてた。


    どうしたの?ってきくと、なんでもない、って答えて目を逸らすの繰り返し。


    あんなに寂しそうな顔をした君が目の前にいるのに、肩を抱いて話を聞いてあげることも出来ない自分が腹立たしくて仕方がなかったよ。



    思わず伸ばしかけてた手を押さえ込んだのはいい思い出だ。



  4. 4 : : 2016/06/25(土) 15:38:53



    エレンがリヴァイ班に配属されて初めての壁外調査の日。



    僕は情けないことに、早くも奇行種に捕まってしまってね。


    あぁここで僕は死ぬんだ、ってすぐ直感したよ。



    それは、金髪碧眼の女型の巨人。



    フードを摘んで僕の顔を見たその巨人は、一瞬だけ表情が変わった。


    本当に僅かな変化だったけど、僕にははっきりわかったよ。


    吸い込まれるような青い瞳と、どこか寂しそうな表情。




    君だって、すぐわかっちゃったんだよね。



    信じたくなかったよ。


    でも、頭の中ではあらゆる辻褄が合っちゃって。


    どうやったって信じるしかない。紛れもない真実だったんだから。



    リヴァイ班は全滅、他も多数の死者と負傷者を出して調査から帰ってきたその日。


    疲れきった体を休めなくちゃいけないのはわかってたんだけど、どうしても眠れなくてね。



    人類を滅ぼそうとするまさに張本人が君だなんて、頭では理解してるつもりでも、どこかでまだ希望を探してたよ。


    それでもどうにもならないって、やっと自分に言い聞かせたときのあの苦しみは、胸が張り裂けるなんてもんじゃあなかったな。


    声を押し殺して、ベッドの中で泣き叫んだよ。


    エレンにはよく男なら泣くなって言われてたけど、このときばかりは許して欲しいと思う。



    こんなにも愛しているのに、こんなにも想っているのに……


    世界は、神はなんと残酷なんだろうと、なにを恨むこともできぬまま、ただひたすらに絶望していたんだ。


    泣いて泣いて泣きまくって、だんだん窓の外が白んできたころ、ふっと何かが消えてしまったような感覚がした。


    それまで世界の終わりみたいな、渓谷に突き落とされたような気持ちだったのが、一瞬で消えたんだ。


    あのとき何が起きたのかは今もよくわからないよ。


    ただ、自分が選ぶべきものは何なのか
    がやっとわかったというか、なんというか。


    自分の青臭い色恋なんかより、人類の未来が大事だってやっと決心がついてね。


    それまで一体僕は何を考えていたのか、すべてが馬鹿馬鹿しくなってきちゃったんだ。


    いや、そう思い込むことにしただけだったのかもしれない。


    そうでもしなきゃ、正気でいられなかったからね。

  5. 5 : : 2016/06/25(土) 15:40:53


    真っ暗な地下への階段から見た君は、太陽の光と重なって、思わず綺麗で見惚れたなんてのは内緒。



    それと同時に、決して地下に足を踏み入れようとしない君を見たら、本当に最後なんだなって実感したよ。




    「いつからそんな目で私を見るようになったの?」



    君は言っていたね。


    よほど酷い顔をしていたんだろうな。


    そのままだと、君の手を引いて何処か遠くへ逃げてしまいたくなる、愛の言葉を零してしまいそうになる…


    人類の未来と、行き先のない恋心の狭間で揺さぶられていたら、どうしようもなく涙がせり上がってきそうで…


    必死にこらえた結果なんだよ。許してほしい。


    やっと普通の女の子になれた、


    まるでそう言いたいかのように晴れ晴れとした君の笑顔は、眩しすぎて直視できなかった。






    そんな、君の心からの笑顔を見たのはこれが最初で最後だったね。

  6. 6 : : 2016/06/25(土) 15:43:17



    君は、それを最後に2度と動かなくなったね。


    安らかな表情のまま。


    16歳未満の少女が背負うには重すぎる荷物をやっと下ろせて、
    少し微笑んでいるようにも見えた。



    生まれたときから、すべての重圧をその小さな背中に受け続けて。



    何も知らない僕が言うには、あまりにも無責任かもしれないけど




    ___なんて切ない人生だったんだ__。




    出来ることならば、僕が




    この手で、



    君を幸せに、笑顔にしてあげたかった。_____



  7. 7 : : 2016/06/25(土) 17:08:10




    あれから大分時間が経って、人類は生存を可能にしたよ。


    その間、巨人の研究も順調すぎるほど進み、巨人の硬化物質は無機物であると証明された。


    巨人の意志がない限り、硬化物質は決して融解しないとわかった。



    同時に、



    君が2度と目を覚まさないことも証明された。




    だからきっと、僕が君の顔を見るのは最期になるだろう。




    僕は、人類のため、世界のためにできることはすべてしたと思ってるんだ。



    だからこそ、あと十数年もの間



    心の拠り所なく生きる自信が、これっぽっちもないんだよね。




    僕はもう、空っぽなんだ。



    あらゆることをこなしてくる間に、

    心を何処かに置いてきてしまったみたいだ。


  8. 8 : : 2016/06/25(土) 17:09:53



    あぁ、今日も天気がいい。



    足の裏にはさらさらした白い砂があって、


    前を見渡せば燃えるように真っ赤な夕日と、それに染められた海。



    なんて素晴らしい世界なんだろうって、何回思ったかわからないよ。



    もうすぐ夕日が沈んでしまう。急いで書くね。




    とにかく僕は、これでこの美しい世界を見納めにしようと思うんだ。





    波の音が心地いい。





    あぁ、なんて素晴らしい……





    僕は本当に幸せ者だよ。


  9. 9 : : 2016/06/25(土) 17:11:45



    荒んだ世界ではあんなに終わりが怖かったのに、今は不思議と怖くない。





    君が近くにいるからかな。






    海よ、空よ、風よ、



    家族よ、友よ、





    愛する君よ、





    ありがとう。




    出逢えたことに心から感謝しているよ。














  10. 10 : : 2016/06/25(土) 17:12:22














    また何処かで巡り会うことを祈って。

















  11. 11 : : 2016/06/25(土) 17:14:15














    最後にひとつ。









































    愛しているよ、アニ___。





  12. 12 : : 2016/06/25(土) 17:16:20
    事前に書き溜めしていたものを投稿したので、完結が恐ろしく早いw

    人目に触れることなく他のssに埋もれるであろうこんな駄作を最後まで読んでくださった方、本当にありがとうございます。

    気が向いたらエピローグでも…
  13. 13 : : 2016/06/25(土) 20:29:40
    面白かったです!!
    アルミンが切ない…(´;ω;`)
    けど、アニが晴れ晴れとして笑ったと書いていたので、これがアニの幸せとアルミンも受け入れてくれたのかな…
    そんなことを感じました(違っていたらすみません…)
    けど、アルミンの今後が一番気になります…
    やっと外の世界に行けたのに、アルミンは空っぽ…
    果たして手紙は、
    遺書として書いたのかな…けど、
    『また何処かで巡り会うことを祈って』
    でアニに対する愛の手紙なのか…

    切なかったりして、悲しいお話のような、
    何処か嬉しいようなお話のような…
    けど、すごく面白かったです!
    (長文すみません…m(_ _)m)
    エピローグ是非書いてください!絶対に見ます!!
  14. 14 : : 2016/06/25(土) 23:57:16
    大変面白かったです!
    切なさが伝わってきて…(T ^ T)
    アルミンは何を思いこの手紙を書いたのでしょうか?
    誰にこの手紙は届くのでしょうか?
    それとも誰にも届かない?
    アルミンのこの後が気になります!
    エピローグに期待!!
  15. 15 : : 2016/06/26(日) 12:49:28
    あとから読み返すと文章力がひどいなw

    次からもうちょい頑張りマースw

    エピローグのリクエストいただいたので、また後日に書こうと思います!

    亀更新なので首を長くしてお待ちくださいm(_ _)m
  16. 16 : : 2016/06/26(日) 12:51:49
    少し遅れましたが、執筆お疲れ様でした(∩´∀`)∩
    エピローグ、期待です!
  17. 17 : : 2016/06/26(日) 12:56:40
    >>13 名無しさん
    ありがとうございます!細かいところはあえて明かさずに書いてみました!リクエストありがとうございます。エピローグ頑張ります!
  18. 18 : : 2016/06/26(日) 12:58:19
    >>14 u-mopさん
    コメントありがとうございます!
    アルミンのその後…さぁどうでしょう?笑 細かいところはエピローグで明かすつもりですので、是非読んでくださいね!
  19. 19 : : 2016/06/26(日) 12:59:43
    >>16 進撃のMGSさん
    コメント&期待ありがとうございます!エピローグも頑張るのでよろしくお願いします!

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amanatsu258

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