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喰種対策局愛知支部所属 第一分隊

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  1. 1 : : 2016/05/17(火) 05:54:10
    東京喰種のオリジナルストーリー、舞台は愛知でオリキャラのみ

    設定等は勝手に作っているところが多くあります


    ご了承ください
  2. 2 : : 2016/05/17(火) 07:43:50
    薄暗い路地をがむしゃらに走り続ける


    かためて置いてあるゴミ袋やゴミ箱に足を取られて転びつつも
    落した銃を拾い直ぐに尚走り出す


    「くそっ!くそっ!くそっ!」


    自分を追っている相手に向かってか、自分の不運に対してかも
    分からないまま悪態をつく


    右も左もわからないまま走り続けた先に待っているのは袋小路


    道を変えようと振り返ると既に俺を追っていたであろうソレが姿を現す


    自分の息は既に絶え絶えなのに対し


    相手は顔をすっぽりと覆うマスクを
    つけているのにも関わらず肩も微動だにしていない


    圧倒的な身体能力の差


    只の人間である自分と生態系において人間を捕食する存在


    身体能力の優劣など最初から決まっている


    「もう追いかけっこは終わりか?」


    口調からも余裕や退屈という心情が聞き取れる


    百均で売っていそうな変哲のない白色で無地のマスクの下の顔も
    恐らく自分を見下して嘲笑っているのだろう


    「何言ってんだ…誘い込んだに決まってるだろ」


    苦し紛れの嘘


    「そうなのか?じゃぁ始めよう」


    思いの外ノリは悪くなさそうな奴だ、と思ったりもしたが
    赫子を見てから即座に銃を構える


    相手のレートはS+の甲赫


    対してこちらの装備は支給された突撃銃と3マガジン分のQバレット


    それと手榴弾が一つ


    クインケならまだ勝てる可能性も数パーセントはあるが
    喰種に対しての効き目など気休め程度にしかないQバレット


    且つ相手がS+レートの甲赫という時点で射貫けない


    俗にいう無理ゲー


    手榴弾を使えばもしかしたらはあるが恐らくピンすら
    抜かせてもらえない


    顔を狙い引き金を引き続ける


    が、赫子に阻まれて弾は地面に落ちるだけ


    傷一つ付いていない


    距離は縮まる一方


    振りかぶられた赫子を見て死を覚悟した瞬間




    パン、という炸裂音の後に金属音が数回




    直ぐにそれが銃声と落ちた薬きょうの音と気づく


    呻き声を発してよろめく相手を見て即座に走り出し


    脇を抜けて袋小路を脱する


    「ッ隊長!」


    銃を構えた隊長を見て安堵するのも束の間


    「速く行け!逃げろ!」と言われて走り出す


    隊長の脇を通り抜けもと来た道を走っている途中



    思い出す



    すれ違った隊長の腹部の赤色の大きな染み


    どう見ても軽傷とは言えない大きさ


    自分だけを逃がした理由


    それら全てを察して立ち止まる


    戻って隊長と共に戦うべきか


    諦めてこのまま逃げるべきか


    隊長を諦めれば自分は恐らく助かる、が…


    一つの手段を思いつく


    直ぐに隊長のもとに走り出して袋小路に戻る





    そこで見たのは血だまりの上に立つ隊長


    背中からは大きく赫子が突き出しており
    立っているのではなく赫子に支えられるようにして
    持ち上げられているのだと気づく


    「あれ…戻ってきたんだ…?折角この人が命を懸けて
     逃がしてくれたのに…馬鹿だな…」


    銃を向けるが喰種は隊長を盾にして引き金が引けない


    「ッ…」


    隊長が無事なら隊長に弾幕を張ってもらい
    身動きを取れなくしたところで手榴弾を投げ込むという戦法が
    取れたがそれすらも出来なくなった


    「クソが…」


    「ん…諦めんの?」


    隊長の体を赫子に突き刺したまま近づいてくる


    「お前ら本当に面白くないよね…弱いし…頭数だけじゃん」


    「…」


    何も言い返す事が出来ない


    「そ…うでも…ない…」


    ぽつりと呟くようなかすれた声


    「お?まだ生きてたんだ…しぶといね…」


    「隊長…」


    隊長はまだ生きていた


    だが恐らくはもう数分の命


    「見届…けろ…最後の……命令だ…」


    「隊長…?」


    チャキン…と金属片が落ちたような音


    「お前!」


    焦ったような喰種の声


    「悪いがお前も一緒だ」


    喰種の首に手を回しガッチリとホールドする


    隊長の声には震えやかすれなどは既にない


    「くっそぉぉぉぉぉ!!」


    赫子で何度も背中を刺されてもなお拘束は緩まない





    「    」





    隊長が何かを呟いたと同時に爆音で声はかき消された


    辺りを見渡す


    砕けたコンクリートの土埃と鼻につく血の臭い


    辺り一面に散らばった大小さまざまな肉の塊





    そこにはもう隊長も喰種も存在していなかった





  3. 3 : : 2016/05/17(火) 09:11:06
    戦闘が終わり作戦本部で報告を済ませる


    分隊の中で生き残ったのは自分只一人


    それでも分隊が遭遇したのがS+レートで且つ装備は全員銃のみ
    だったのだから幸運なのだろう


    翌日の現場の状況から隊長に討伐報奨金と白単翼章の贈与
    殉職による二階級特進が認められた


    とはいえ自分の仕事はこれで終わりではなかった


    殉職した分隊員遺族への報告


    これが自分の仕事


    分隊員一人ずつ家に向かい殉職した事を伝える



    両親は目を伏せ



    妻はうつむいて肩を震わせ



    娘や息子は大声をあげて泣いた



    それを何度も繰り返した


    殉職した隊員の数だけ繰り返した


    遺族に対しての報告を終えオフィスに戻ると声をかけられた


    「サトウ…報告は終わったか?」


    「イズミさん…えぇ…終わりました」


    和泉準特等捜査官…32歳独身、性格良し、身長183cmと
    スタイル良し

    更にはルックスも兼ね備えている事等年上男性の魅力MAX
    なので年下の女性局員からのアプローチが凄いらしい

    戦い方も堅実で確実に戦闘で結果を出す事から多くの
    捜査官から信頼されており今年で特等もあり得るとの事らしい


    「相変わらず頭クルクルだなお前」


    「良いでしょう別に…髪型指定されてないですし…」


    スッキリと固めたオールバックを櫛で整えつつ封筒を手渡される


    「…」


    封筒には遺書の字


    「オオサワのだ」


    「隊長のですか…」


    「見てみろ」


    「…いいんですか…?…効力とか大丈夫ですかね」


    「問題ない…もう処理は済んでるしな」


    では…と中身を拝見する


    中身はとてもシンプルだった


    自分が殉職した場合遺産や討伐報奨金、保険金の5割は
    CCGアカデミーに寄付し3割は自分が幼少の頃育ててくれた
    施設に寄付すること


    残りの2割は自分の所属していた部隊の経費に回すというものだった


    大沢隊長は幼少時代を施設で凄しCCGアカデミーに入学
    奨学金制度を利用しながら過ごし優秀な成績で卒業


    CCGに入局して一人にしてしまうかもしれないからと
    家庭を持たずただ仕事に打ち込んでいた隊長らしいといえば
    らしい遺言だった


    「まぁこの遺書通りに寄付するとして…」


    「何か問題が…?」


    「最後だよ…最後の自分のいた部隊に2割って所」


    確かにそう書いてある


    「あぁ…でも自分以外は…」


    「そうだ、部隊で生き残ってるのはお前だけだろ?


     だから上ではどうするか決めかねてるんだよ…


     部隊は解散ってことにしてこの支部全体の資金に
     するかどうかってとこだろな」


    …成程


    「で、お前の意見が聞きたい訳だ…」


    「自分の…ですか…?」


    「そうだ…
     お前がもし部隊員を自分で補充、編成して装備も自分で
     選んで…


     とするならそのままお前の作る新しい部隊の経費として
     回してもいい


     ハッキリ言ってめちゃ金入るぞ」


    死亡退職金やら保険金やら討伐報奨金やらなんやらで
    これくらいだ…と金額を提示される


    「え…これで2割ですか…?」


    軽く引くレベルの金額


    「おう、あいつ上等捜査官だったろ?んでそこから二階級特進
     もあるから扱い的には特等なんだよな」


    「はぁ…」


    「んで、一応今日帰ってからゆっくり考えて
     明日答えを聞かせて欲しい…
     
     
     別に断って支部全体に金入れろって訳じゃない…
     アイツの金だ、アイツの遺志を尊重してやりたい」


    …隊長の遺志


    「わかりました、一度家で考えます」


    「おう、今日はもう上がっていいぞ……色々とキツかった
     だろうしな」


    「そう……ですね、失礼します」


    荷物を整理し支部を後にして家に戻る


    家に着いてからというものずっと遺言の事を考えていた


    例えばこのまま部隊を解散して支部に金を回したとしよう


    その後メリットはあるのだろうか


    恐らく目に見えたメリットはないと思う


    クインケを持たない部隊員は変わらず喰種に屠られるだろう


    なら…


    自分が部隊を編成したらどうだろう


    質の良い銃器を買い装備を整え人員は適当に割り振るのではなく
    選び抜いた人員を引き入れる


    隊長のように失うものを持たず


    死をも厭わない、死を受け入れて尚前に進む部隊


    それらを編成するべきではないだろうか


    見届けろ


    隊長の言葉を思い出す


    隊長が自分にさせたいのはこの事ではないのだろうか


    隊長のしたい事、言いたい事がハッキリと


    頭ではなく心で




    理解出来た




  4. 5 : : 2016/05/17(火) 10:57:01
    多分今年に入って初めての本気走り(マジダッシュ)


    喰種を判別するためのゲートをくぐり締まりかけたエレベーター
    に駆け込む


    まだつかないのかと足踏みをしながら階を数えて目的の階に着いた後また走り出す


    廊下を走り角を曲がり目的の部屋の扉を開けて一声




    「遅れてすみませんでした!!」




    恐る恐る顔を上げるとずらりと並んだ男性に気おされる


    「え…えっと…今日からこの部隊に配属になった…
     サワシロ…です…よろしくお願いします…」


    「沢城…だったな…」


    少し離れたデスクに座った男性に声をかけられる


    「は、はい」


    「一応遅刻した理由を聞こう」


    書類に目を通しつつも意識は私から逸らしてはいないというのが
    なんとなく理解できる


    「朝…近所の方から肉の腐ったようなにおいがする…と
     聞きまして調査を…」


    「…で?」


    「その悪臭の原因と思わしき家の庭に侵入して調べたところ
     家庭菜園の肥料用と思われる野菜などの食べ残しでした」


    「…成程な、だが一応電話で一言欲しかった」


    「で…ですよねぇ…」


    「社会人としてのマナーという点もあるがもしその悪臭の原因
     が喰種に殺された人間の部位などだった場合

     
     君は単独で喰種がいるかもしれない家に侵入したという事に
     なる…


     それは喰種捜査官としては色々と頂けないな…」


    「まぁ無断で家の敷地に侵入する時点で喰種捜査官以前に
     アウトだけどな」


    といつの間にか私の隣に立っていた男性に肩を抱かれる


    「これからはそういった調査を行う際は一言
     知らせろ…


     それとタチバナ…セクハラだぞ」


    私の肩を抱いている男性に向けて言ったのだろう


    「大丈夫だろ…セクハラってのは相手が嫌がらない限り
     セクハラではないからな…嫌じゃないだろ?」


    「嫌です」


    バッサリと切り捨てた


    「お…おう…」


    少しショックを受けたのだろう落ち込みながらも手を引っ込める


    「君結構キッパリ言うんだね…」


    「ハッキリNOと言えるのが取り柄ですから」


    「それ位にしておけ…今日初めて顔を合わせたんだ…


     自己紹介していこう」


    自己紹介されていく


    書類に目を通しながら私に質問をしていたのが佐藤さん


    身長は捜査官としては170cm程らしい、あまり高くはないが
    鍛えているのがハッキリわかるくらいには体格はいい


    クルクルなクセ毛が印象


    それで私の肩を抱いていたのが橘さん


    身長は185cmでウェーブのかかった茶髪
    顔はイケメンという奴だろう…
    性格でマイナス評価となっているが…


    アニメでいう主人公の相棒ポジションだろう


    他には後はモブだ、とバッサリ切り捨てられた


    後々ちゃんと全員と自己紹介は終わらせたが…


    「正直この部隊に来た以上名前は然程意味を持たない


     昨日自己紹介した人間が明日死ぬという事もあり得るからな」


    佐藤さんがキッパリと言い放つ


    「喰種捜査官は他の職業に比べて殉職率が比べ物にならない
     ぐらいに高い…


     その捜査官の中でも俺の部隊の殉職率は頭一つ…
     いや二つくらいは抜けてると思え」


    「事実この部隊設立してから初期で生き残ってるのは俺と
     佐藤だけ…後は入れ替わりを繰り返してる…」

    橘さんが補足する


    という事は私も誰かが殉職したから声がかかったのだろう


    「一応この部隊に来たからには俺たちがなんて呼ばれてるか
     は知ってるだろ?」


    橘さんが椅子に座って背伸びをしながら質問してくる


    「はい…」


    この分隊のあだ名


    身寄りを持たず


    死を受け入れて尚前に進む人間で構成された分隊


    分隊における戦績は白双翼章を二つ、白単翼章を五つ…


    と特等捜査官並の戦績をたたき出している


    内のいくつかの勲章は隊員が命の際に喰種を道連れにした
    『自爆』による勲章


    そこから喰種達が恐れて名づけたのだ


    『カミカゼ分隊』…と


    とはいえ自爆のみで支部…いや下手をすると日本トップクラスの
    分隊としてのし上がったわけではない


    喰種の討伐数も非常に多い


    個人で銀木犀賞を授与したのが二人


    木犀賞が三人


    と優秀な戦績


    金木犀賞を個人で取る特等捜査官は毎年いるが
    全員が一つの分隊に所属していると
    考えたら実に200体に迫る喰種を仕留めている計算になる


    クインケを殆ど用いずにこの戦績をたたき出すこの部隊は
    全国的に名を馳せている


    その部隊に私が所属する…


    そう考えると鳥肌が立つ


    「さてと…サワシロちゃん?」


    「何でしょう?」


    「これからもよろしくね?君とは長くやっていけそうだ」
  5. 7 : : 2016/05/23(月) 05:11:06
    「さて…沢城に誰か簡単でいいからいつも通りの手順で
     装備の説明をしてやってくれ」


    佐藤さんが教える甲斐性のある奴は?と聞くと全員が
    手を挙げる


    「お前らこの前鈴木がきた時には誰も手を挙げなかったくせに…
     

     …まぁ橘でいい、頼んだぞ」


    うっし、とガッツポーズする橘さんと舌打ちした後にはけていく
    隊員の皆さん


    「それじゃあ装備の説明するから付いて来て」


    道中でアカデミーの頃習った条例やらを言わされる


    よく覚えてるね等と言われ少し心が浮きつつも
    捜査官なら知っていて当たり前の事なので顔には出さない


    「ここだよ」


    見たこともないカードキーを通したのちに機械音と
    開錠したであろう音がする


    中に入って目を剥く


    あったのは隊員一人ずつの名前の入ったロッカーと
    更に奥にはコンクリートの壁がずっと続くとても広い射撃練習場


    「ここは俺達だけが使える射撃場なんだよね」


    とサラリととんでもないことを言う始末


    一体いくら税金が…と口から漏れるが


    「大丈夫だよ


     ここは元々死んでった隊員の遺産の一部で出来てるから


     現にここの管理者この支部じゃなくて佐藤だもん」


    と言われ言葉を失う


    この下手な海外の屋内射撃場よりも広大な射撃場を
    あの人が所有しているのかと思うと公務員とは何なのかと思う


    「さて?それじゃぁ装備の説明始めようか」


    一つのロッカーを開ける


    ロッカーの中には銃やタクティカルベスト等
    戦闘時に身に着ける装備がそろっていた


    「そうだな…タクティカルベストなんかは映画やら見てれば
     役割は知ってるだろうし…


     恐らく君が命を預けるであろう銃から入ろう」


    と立てかけてあった銃を手に取る


    「はい、確認して」


    と安全装置の操作など一通りの操作を行う


    「うん、まぁ大丈夫そうだね…」


    「ですが…この銃はアカデミーの頃教科書で見た銃とは
     違います…
     
     
     この部隊でのみ扱われている物でしょうか」


    と疑問を投げかけると


    「鋭いねぇ、正解」


    と言われる


    「君が教科書で見た銃はドイツの会社の物でこの銃はベルギー
     の会社だよ」


    「ベルギー…ですか…」


    「そう、ベルギーと言えばチョコレートってイメージが強い
     けど…


     この仕事してるとベルギーはファブリクナショナル…

     
     FN社のイメージかな…部隊ではこの銃を正式装備にしてるよ」


    「…?正式ではない装備もあるのですか?」


    「そう、まぁこれは佐藤が


     『どうせ戦うなら好きな銃を使えばいいだろ』
     
     
     って事でこの銃を使う奴もいれば…というか大半だけど…
     隊員の中にはわざわざ自費で銃買う奴もいる


     ロシアのAKとか…」


    「ですが…もしもの時に使い慣れていない銃を使うとなると
     不安では…」


    「まぁそこは個人で扱いを教えてもらうべきだね…


     知っていて損はないから…とはいってもこの部隊意外
     では紛争地域くらいでしか役に立たない知識だけどさ」


    ケラケラ笑うけど…結構適当…


    「ですが…やはり部隊内の予算は潤沢なんですね…」


    「この部隊の特徴だね


     死んでった奴らの遺産(いちぶ)を部隊内
     に回して優れた弾薬、銃器を中心に装備を整え


     多くの喰種を相手取り結果を出し続ける…


     他の部隊では予算的にも人員的にも無理な事だね」


    「…銃にお金をかける位ならクインケに回した方が
     いいからって事ですかね」


    「だね…まぁ佐藤はそこが嫌いなんだけどさ」


    「…といいますと?」


    「簡単な話さ、アカデミーで剣道やったよね?必修だったし」


    「えぇ」


    「例えば日本刀みたいな形のクインケがあったとすると
     扱うのは剣道なんかの知識でしょ?


     でももし扱うのが槍だったら?って考えてごらんよ


     槍術でも習う?って話


     実戦でもさ、もし自分の武器が壊れて近くにあったのが
     槍でした…とかほぼ詰みだよね」


    「その点では銃は扱いが楽だという事ですか」


    「そう、剣で人を殺せるには時間がかかる…喰種なら尚更さ


     でも銃なら一日あれば扱いは覚えれるし数日もあれば
     モノになる


     そうして一人一人が高い錬度で銃を扱えば死傷者も減るし
     結果も出せる

     
     多くの実戦を経て経験を積みその経験をもとに更に
     錬度を上げる…その繰り返し


     でもクインケだと扱えるのは一人だけ…そういった意味では
     クインケを持ってる隊員しか場合によっては生き残れない


     銃を扱う隊員はクインケ持ちを活かすための捨て駒
     ってのが今までのCCGのやり方だね…


     佐藤はソレを嫌ったのさ」
  6. 8 : : 2016/05/23(月) 08:39:30
    「…」


    一理ある……どころではない


    現に一般人が考えるクインケ持ちのイメージはバッサバッサと
    喰種をなぎ倒すエリート


    それに比べて銃を扱う下級捜査官は捨て駒やモブといったような
    認識


    だから捜査官になった人間は全員クインケを欲しがるし


    事実私もこの部隊を知るまではクインケを用いて戦場を生き抜く
    自分を想像していた


    「この部隊でもクインケを扱う奴はいる…とはいっても
     俺と佐藤だけなんだけど…


     基本的には銃で済むからな」


    「クインケ使うんですか?」


    「一応ね?


     使うレベルの喰種が少ないだけだよ」


    「やっぱりSレート(シングル)以上の喰種
     から…でしょうか?」


    「んー…まぁ基本的にはそうだけど場合によっては下手な
     シングルより強い無名もたまにいるんだよね…


     捜査官と遭遇したら逃げて…共食いを繰り返して
     レートが出る前に馬鹿みたいに強くなってる奴がいたし


     そこはまぁ経験で見極めてるかな」


    「レートだけじゃないって事ですか…」


    「うん、レートにこだわると死ぬから気を付けてね


     これ結構本気で言ってるから」


    「勉強になります」


    「さて…まぁ後は手榴弾やスタングレネード、Rc抑制剤を使った
     ガスグレネード…かなぁ


     …あ」


    「…?」


    「そうだそうだ…これ忘れてた」


    といくつかの小箱を置いていく


    「弾、これの説明忘れてた」


    「Qバレットですか?」


    「残念、違います…とはいっても似たような物だけど…」


    「…?」


    「簡単に言えば使ってる赫子の量が一般的なQバレットに
     比べて多いんだ…


     この部隊で一番の金食い虫」


    「はぁ…」


    箱から一発の弾薬を取り出す


    一般的な5.56mm弾だが弾丸が赤黒く光沢を帯びている


    見れば7.62mm弾等他の口径もいくつかあるようだ


    「数にも限りがあるから一度の実戦で使えるのは1マガジン
     位かな…

     
     一応シングル以上が現れるってのが予め分かってたら
     その限りではないよ」


    「効果あるんですか?」


    「うん、それはもうね…でもこれだけで戦うってのも
     予算だとか考えると厳しくてね…


     だからシングル以上が出たら俺や佐藤はクインケ使うんだ


     まぁそこは臨機応変にって奴」


    「そうですか…


     ちなみにクインケってどんな奴使うんですかね…?」


    「知りたい?」


    「はい、とても」


    橘さんが手首の腕時計をみると


    「んー、時間も時間だし少し早いけど昼食に行こうか…
     そこで話すよ」


    自分の時計を見ると確かに少し早いが昼食として問題ない時間


    「じゃぁ佐藤さんも呼びますか」


    「え?…呼ぶ?」


    「えぇ…クインケ等の話もするんですよね?


     なら佐藤さんも呼んで一緒に話した方が楽じゃないですか」


    「あぁ……うん……そうだね……」


    「…どうしました?」


    「いや、何でもないよ…行こうか…」


    何とも言えない顔をしながらオフィスに戻る橘さんに付いて行く


    来た道を戻りオフィスに戻ると何人かを残して
    皆さんはいなくなっていた


    「もう皆食堂に行ったか?」


    「あぁ」


    「今から沢城ちゃんとご飯行くけど来る?


     クインケの話聞きたいんだとさ」


    「……クインケか……まぁ構わんが」


    「よし、じゃあ食堂に「待て」…?」


    「ここの食堂も悪くはないが今は人が多い


     あそこに行くぞ」


    「あぁーあそこか…まぁ美味しいから俺はいいけど…


     沢城ちゃん委縮しないか?」


    委縮?


    「クインケの話が聞きたいんならあそこの方が都合がいいだろ」


    そういってスマホを取り出して少し弄っていると


    「よし、OKだそうだ…外に行くぞ、準備しろ」


    「は、はぁ…」
  7. 9 : : 2016/05/23(月) 08:51:13

    CCGを出て徒歩で約十分程の場所


    昼食に行く、あそこがいい…等と聞いていたから
    どこか行きつけの定食屋や食事処なのかと思えば着いたのは



    「……マンションですけど」



    ごく普通のマンション、結構高級そうな、普通のマンション



    「よし」


    エントランスに入り
    よくある部屋番号を押すインターホンを使うと男性の声が
    インターホン越しに聞こえてくる


    『はい』


    「佐藤です」


    『あいよ、今開ける』


    と扉のロックが外れて奥のエレベーターが開く


    中に入り目的の階で止まる


    エレベーターを出てある部屋で立ち止まってまた
    インターホンを押すと


    「よぉ、よく来たな」





    エプロン姿の男性が出て来た
  8. 10 : : 2016/05/23(月) 10:15:15

    部屋に上がるとリビングには茶碗やお箸等が四人分
    用意されており


    もうすぐ出来るから待っててくれ、とキッチンに入っていった
    のを見送って十分程時間が経っていた


    「あの…」


    「何だ?」


    「さっきの人…和泉特等ですよね…」


    「そうだな」


    「ご飯食べに行くってなって何でここなんですか!?」


    疑問が質問となって爆発する


    「だって和泉さんの作る飯美味いし…」


    一級品だぞ、って


    そんなことを聞いているんじゃない


    「まぁまぁ落ち着きなって…


     和泉さんの飯は本当に美味いしクインケの話聞きたいでしょ?


     なら特等捜査官である和泉さんの話聞いといて損はないって」


    橘さんに宥められて腰を下ろす


    「和泉特等とお知り合いだったんですね…」


    「まぁな、この部隊が出来る前から話したりはしていた」


    「俺はこの部隊が出来た時に初めて話したっけな…


     狙撃班だったから前線じゃ会わないから」


    「橘さん狙撃班だったんですか…イメージ通りですけど…」


    「よく言われる」


    「おう、出来たぞ…自信作だ」


    生姜焼きやきんぴらごぼう、ほうれん草のおひたしに
    豆腐のお味噌汁


    「…」


    言いようのない敗北感


    「な、負けたって思うだろ?」


    「レベル高過ぎじゃないですかね…」


    「和泉さんは完璧超人だからな」


    「褒めても何も出ねぇぞ…所詮家庭料理程度だしな


     さ…食ってくれ」


    「いただきます」


    「いただきまーす」


    「い、いただきます…」


    お味噌汁を一口


    「…美味しい」


    「やっぱ美味いですね和泉さんの味噌汁」


    「まぁな…それで?俺に話って何だよ?」


    「あぁ…その前に紹介しますがコイツは今日うちの部隊に
     来た沢城です」


    「よろしくお願いします」


    「おう、よろしく」


    「それでまぁ沢城ちゃんがクインケの事やらを聞きたい
     って事になったんで…


     どうせなら和泉さんの事も話してやってほしいなって」


    「それに俺の部隊である以上顔を合わせておいて
     損はないですから」


    「ほー、お前も上司らしくなったもんだな


     にしてもお前が人を連れてくるのなんて橘以来じゃないか?」


    「えぇ…まぁ…それなりに期待しているんで」


    「…他の隊員の方は来られないんですか?」


    橘さんに聞くと


    「……言っちゃなんだがここには俺や佐藤が認めた人間しか
     来れない」


    「…どうしてですか?」


    「呼んだって次の日に死なれたら嫌だろ」


    「…」


    「そういった点では君は期待していいだろう


     この二人に認められたんだ」


    「…」


    「話を戻そう…で…クインケだったか?


     俺のはCCGの方にあるんでここにはないが…


     槍だな」


    「槍ですか…」


    「あぁ、レートはS+で尾赫…『蜻蛉切』って呼ばれてる」


    「天下三名槍の?」


    御手杵、日本号、蜻蛉切からなる三本の槍


    その中の蜻蛉切は本多忠勝が使用していたとされる槍


    名前の由来は槍の穂先に当たった蜻蛉が真っ二つに切れた事から
    だったかな


    「そうだ、見た目も似てるからな」


    「S+…ご自分で討伐なされたんですか?」


    「あぁ、以来ずっと使ってる」


    「二等の時でしたっけ」


    「そうだ…もう10年近く前だな…」


    「二等でS+レートを仕留めたんですか?」


    「若かったし死に物狂いって奴だ


     それにお前の隣の奴等だって結果を出してる」


    「…?」


    「部隊内での二つの白双翼章、取ったのはそこの二人だぞ」


    「…そうなんですか?」


    「まぁね」


    「…」


    Vサインをしている橘さんに何も言わない佐藤さん


    「私はてっきり誰かが道連れにしたものだと…」


    「確かに道連れでシングルを討伐した隊員はいる…

     
     でもSSレート(ダブル)を討ったのは俺と橘だ」


    「……橘さんってすごかったんですね」


    「俺だけかよ!」


    「ははは…まぁその二人の実力は俺が保証する…


     東京に送り出しても恥ずかしくない人材であり部隊だ」


    「東京…」


    「あぁ…東京は『アオギリの樹』をはじめとしたいくつもの
     喰種組織がある

     
     アオギリの樹の『梟』は捜査官なら知っていて当たり前だが
     歴史上数少ないSSSレート(トリプル)


     事実『あんていく掃討戦』では多くの特等捜査官が
     重症を負い


     有名な『篠原特等』に至っては今も病院のベッドで昏睡状態
     だ…


     更に、最悪な事に梟は『二体』いると来たもんだ」


    「二体…」


    「それも二体ともがトリプル…ふざけてるだろ?」
  9. 14 : : 2016/09/15(木) 12:59:56
    「自分としては梟以上に本部の態度が気に食わないですね
     愛知以外の県にも優秀な捜査官及び部隊は存在します


     プライド…もあるとは思いますが応援要請すらないのは
     余りにも下らない」


    不機嫌そうに佐藤さんが言い捨て


    「仕方ないだろ、本部の人間が支部の人間に頭を下げるなんて
     まず考えられないし…


     ましてや向こうには『有馬特等』や『庭』出身のエリート
     さん達が多くいる


     支部の人間に出しゃばられても困るのさ」


    生姜焼きをかき込む橘さんが意見を述べる


    「それもそうだがそれ以上に梟が二体いると判ったことすらも
     和泉特等と親しい捜査官の口から聞いて初めて判明した事だ」


    「…?それが何かおかしいんですか?」


    「普通に考えておかしい、本部の捜査官では当たり前の知識
     であっただろう事が支部の人間は初耳なんだぞ?


     意図的に隠してたと思うのが普通だろ」


    「私達は…信用されてないって事ですかね?」


    「少なくともあちらさんは愛知を信用してないだろうね


     あれだ、刑事ドラマである所轄と本庁の関係みたいな」


    橘さんの補足でストンと理解が出来た


    「あぁ……納得しました」


    少なくとも信用はされていないのだろう


    「そこまでにしとけ、もし文句なんて言ってることが
     ばれたりしたら何言われるかわかったもんじゃない…


     愛知にも東京から流れてきたお偉いさんがいるからな


     ここから先はうちの領分の話をしよう」


    カチリ…と空気が引き締まる


    先程まで気楽に食べていた橘さんも箸を置いている


    「さて…『オペラ』の話なんだが…


     沢城君も流石に知ってるよな?」


    「見たことはありませんが…一応…」


    オペラは名古屋を中心として動く喰種集団


    マスクは個人個人で大きな違いはなく


    『白い無地のマスク』で統一されている


    オペラ座の怪人が付けているようなオペラマスクが
    多く用いられていることから『オペラ』と名付けたられた


    多くある喰種組織との違いは


    一人一人の喰種の能力が平均的に高い事


    梟のように突出した喰種がいない代わりに末端の喰種に
    至る全ての喰種が一定以上の強さを誇る


    故に名古屋にある他の喰種組織は彼らによって殲滅…
    若しくは解体された


    つまり


    『愛知支部』と『オペラ』の1対1の殴り合いなのが
    他県との大きな差だ


    「オペラは基本的にどいつもこいつも強くてな…


     だれか仕留めれば瓦解するとかないんだよ


     本当に…極論を言えば皆殺しにしないと住民の安全は確保
     できないんだよな」


    そう


    末端に至るまでが強いので最も強い誰かに和泉さんを充てて
    倒せばいいという作戦が通じない


    故に局地戦ではなく総力戦ともいえる戦いが多く起こる


    これが愛知支部の殉職者の多い原因だったりもする


    「最近なりを潜めてた彼らだが…


     ここしばらくの行方不明者の数を考えるとちょいと
     不穏でな


     何か仕掛けられる前に拠点の一つを潰したい」


    「…厳しいですね、うちの部隊はいつでも出れますが
     他が無理でしょう


     前の戦闘でも多くの被害が出ましたし…
     うちは一人殉職しただけでしたが…」


    佐藤さんはサラリと言ってのけたが…


    殉職したのは恐らく私の前任だろう


    「そこなんだよ…あちらさんに先手は取られたくないのに
     こっちはまだ準備不足って言うのがもどかしい」


    「…うちと和泉さんで出ますか?」


    「いける?」


    「いつでも」


    「流石だな、頼りになるよ」


    「敵の規模を知れるとありがたいのですが
     どれくらいでしょうか」


    「そこまで大きくない

     潰れた映画館と隣接したショッピングモール…
     相手の頭数も50は超えないだろう


     一応他の部隊で出れるところは声をかける


     ま、戦力的には前回の5割くらいじゃないか?」


    「それだけいればいいでしょう


     相手も全滅するまで向かってくる事は無いでしょうし…


     30程削れれば上々かと思いますが」


    「じゃぁ戻ったら準備しといてね」


    「了解しました」

    食事を再開


    「あの…凄く淡々と話されてましたけど…出撃が近々
     あるって事でいいんですよね…?」


    「そうだな…1週間以内にはあると
     思ってくれていい」


    「1週間…」


    「まぁ俺か佐藤に付いて来てれば死ぬ事は無いと思うよ」


    …こういう時は少し橘さんの気楽さが有難い


    言葉にすると調子づいてしまうだろうから言わないけど…
  10. 15 : : 2016/09/16(金) 08:32:13


    ---
    --



    局に戻り、デスクの上の荷物を整理する


    三人との食事はとても有意義なものだった


    和泉さん、橘さん、佐藤さん、それぞれの戦闘時の心構え
    から生き残るための思考を聞けた


    それだけでも自分が少し強くなれたような気がした


    目的であった筈のクインケのお披露目は作戦当日となった





    午後





    会議から帰ってきた佐藤さんから


    詳しい作戦の内容を聞く


    決行は5日後


    それまでは事務仕事の手を止め、トレーニングと
    射撃訓練に時間を費やすとの事らしい


    「書類は多くあると思うのですが…


     手を止めてもいいのでしょうか…?」


    「いい


     というより上司命令として言っておく


     作戦が終わるまで『書類には手を付けるな』」


    上司命令…と言われれば仕方ないが…


    そこまで強制するべきことなのだろうか…?


    佐藤さんが任務の場所など私と橘さんは既に知っている事を
    話している間橘さんが小声で話しかけてくる


    「アイツの考えでね、作戦が近くなるとこういった事務仕事は
     ストップさせるのさ…


     要は『切り替え』って事


     殉職の原因が残ってた書類の事を考えてて油断したとか
     笑い話にもなりゃしない


     生きてれば残業なりしてゆっくり取り組めばいい」





    「そうですね…


     なんか考え方が社畜じみてました」


    「ま、そのことを他の部隊とかの人間には言っちゃダメだよ


     この部隊だけの決まりだから


     他の部隊もそうすればいいのにねぇ?」


    「橘、沢城の射撃を見てやれ


     前衛後衛の割り振りを考える」


    「お?


     いいぜ、楽しみだねぇ…


     行こうか沢城ちゃん」



    「はい」


    ---
    --



    射撃場に入る


    シン、と静かで相変わらず広い


    「さて…じゃぁ最初は拳銃かな…


     酷かったら隊から外すとかないから気楽に撃っていいよ」


    ロッカーから拳銃を取り出し渡される


    手渡されたのはP226


    手に取り教科書で学んだ手順をこなす


    弾倉を抜き、遊底を軽く引いて薬室を覗き
    弾が入っていないことを確認する


    弾倉を挿入し、遊底を引ききり離す


    撃鉄を起こして、構える


    ターゲットは15m先の吊り下げられた人型の紙


    「…」


    パン、と鼓膜に火薬の炸裂音が響き
    手首に軽い衝撃が走る


    一拍遅れて薬莢が地面に落ちる音


    硝煙の香りが周囲に充満する


    「続けて」


    真剣な眼差しで私の構え方等を観察する橘さん


    「はい」


    パン…パン…パン…


    と続けざまに撃っていく


    10発撃ち終えたところでストップがかかる


    「ふむふむ」


    傍のボタンを押してターゲットの紙が引き寄せられてくる


    バラけてしまってはいるものの


    ちゃんと頭部の枠の中に納まっている


    「アカデミーの頃は射撃の成績どうだった?」


    「『優秀』の評価をもらえました」


    少し心が浮き立つ


    なんと言葉を掛けられるのか


    そう思っていたが


    「そっか…


     評価甘くなってるんだな~」


    と感慨深そうに言葉を漏らす橘さん


    『上手だね』とか『いい線行ってる』等と言われると思っていた
    自分の期待が打ち砕かれる


    「自分が……下手…という事でしょうか」


    怒りと少しの失意に声が震える


    「あ…怒った?


     いや~ごめんごめん、つい俺や佐藤の頃と比べちゃってね」


    申し訳なさそうに手を合わせるが、正直不愉快でしかない


    「じゃぁ…橘さんも撃ってください」


    ゴトリ、と拳銃を置く


    「う~ん……参ったな…


     とはいえ…そうだね、先輩の威厳って奴を
     見せつけてあげよう」


    橘さんが拳銃を手に取り構え、撃鉄を起こす


    「…」


    あれだけ私を馬鹿にしたのだからどれだけの物なのだろう


    そう考えていた矢先




    橘さんが文字通り身じろぎ一つせず動きを止める





    もし固定されたカメラで動画として撮影した場合


    静止画と勘違いされてもおかしくはない、そう感じてしまう


    心なしか、呼吸すらも止まっているかのように感じる



    動きがあったのは数秒


    パンパンパンパンパン


    と5発


    私が撃っていた時よりも遙かにハイペースで
    弾倉に残っていた残弾を撃ち切ってしまった


    「はい、お終い」


    ゴトリと拳銃を置くとボタンを押してターゲットを引き寄せる
  11. 16 : : 2016/10/11(火) 10:22:34
    更新はよ

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madao3051

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