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やはり俺の新世界はまちがっている

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  1. 1 : : 2016/05/09(月) 16:23:29
    やっはろ~
    なんと、前代未聞。デスノートとやはり俺の青春ラブコメはまちがっているのコラボ作品ですっ!

    面白いかどうかはわかりませんが、よかったらみていってくださいな


    ※登場人物が8人を超える場合ってどうしたらいいんですかね

    ※今更ですが、キャラ崩壊注意です
  2. 2 : : 2016/05/09(月) 16:25:11
    期待
  3. 3 : : 2016/05/09(月) 16:41:35


    ……もしも、デスノートが八幡の元に落ちてきたら。




    ――――――――――――――――――――――――――


    よくある話だ。青春アニメなんかでは、1話目から主人公が遅刻するって始まり方が多いい。それは、少なからず現実性を出すためかもしれない。


    ……正直に言おう。


    時刻: 9:15


    おい、完全に遅刻じゃねえか。しかも、前作よりも遅いし。


    八幡「さて、いつも通り、支度するか」


    そう、俺ぐらいのやつになると、もはや遅刻ぐらいでは動揺したりしない。ほぼ毎日してるからな。


    なんて、自慢もくそもない自己解決をしつつ、準備をする。
    顔を洗い、歯をみがき、制服に着替える。
    リビングに行くと、最愛の我妹の朝食が用意されていた。


    朝食をいただき、戸締まりをして家を出る。


    自転車にまたがり、学校に向かう。


    ……帰りたい。





    八幡「……ん?なんだ?あれ」





    学校に向かう途中で、なにかが落ちていた。
    どうやら、ノートらしい。


    八幡「なんだ、これ……」


    ノートを拾い上げる。普通のノートと大差ない。唯一違う点といえば、黒く、表紙には……


    「……デスノート?」
  4. 4 : : 2016/05/09(月) 16:50:03
    八幡「……デスノート?」


    直訳で死のノート?なんだこれ。最近では、こんなもんが流行ってるのか?
    ちなみに、俺のときは名前を書くと好きな女の子と付き合えるっていうのがあって、クラスの女子の名前書いたのがバレてキモがられたってのは、また別の話だ。


    まあ、そんなことはおいといて、これどうすっかな。


    八幡「うお、やべ、こんなことしてる場合じゃなかった」


    そう、言うが早いか、デスノートとやらをバックに入れ、学校に向かった。


    学校につき、自転車を止める。
    上履きを履き、教室に向かう。
    案の定、授業は国語だったため、平塚先生に呼び出しをくらうのであった。


    ……いてーんだよな。
  5. 5 : : 2016/05/09(月) 18:39:08
    【昼休み in八幡ベストプライス】


    八幡「さて、と」


    平塚先生の指導、もとい鉄拳をなんとか耐えつつ昼休み。ベストプライスでのボッチ昼食となる。まあ、いつものことだからいいのだが。


    予め買っておいたパンを片手に、朝拾ったノートを見直す。


    やはり、黒いことと、白いインクのようなものでデスノートと書いてある以外は、特に変な点は見当たらない。


    興味本意で持ってきてしまったものの、本物なわけがないわけで、考えなくてはいけないのはむしろこれの処分方法かもしれない。


    などと、そんなことを思いながらページを開くと、何やらまた白いインクのようなもので何やら書いてあった。


    八幡「デスノート……使い方?」


    デスノートの、1ページ目に英語でびっしり使い方が書いてあった。


    幸い、英語はそこまで苦手ではないので、なんとか解読できた。
    訳すと、デスノートの使い方はこうだった。




    『1.このノートに名前を書かれた人間は死ぬ。

    2.書く人物の顔が頭に入っていないと効果はない。ゆえに、同姓同名の人物に一遍に効果は得られない。

    3.名前の後に人間界単位で40秒以内に死因を書くと、その通りになる。

    4.死因を書かなければ、全てが心臓麻痺となる。

    5.死因を書くと更に6分40秒、詳しい死の状況を記載する時間が与えられる。』




    八幡「……名前を書かれた人間は死ぬ!?」


    いや、まさか、そんなことがあるはずがない。ま、まったく、最近のは手が込んでいる。こんなもの、本物のはずが……。


    内心、焦りを覚えつつ、フェンスの奥に人がいるのが見えた。学校外にいて、散歩をしているらしいお爺さんがいた。


    ほんの出来心だった。


    お爺さんに近づき、話しかける。ちょ、別にコミュ症じゃないしっ。


    八幡「あ、あの、すいません……」


    お爺さん「あん?なんじゃ、学生さんか。誰かと思ったわい。なんじゃ、わしになんか用か?」


    八幡「いえ、あの……」


    ヤバイ、話しかけたものの、どうしよう。と、とにかくなんか言わないと。


    八幡「いえ、あの……い、今何時ですかね」


    お爺さん「おん?ちょっと待てよ……今は1時5分じゃ」


    八幡「あ、ありがとうございます。あ、あの、お爺さんお名前は?……」


    お爺さん「わしか?わしはな、“花笠 信之”というんじゃ」


    八幡「あ、ありがとうございます、花笠さん。お邪魔してすみません」


    花笠 信之「いいんじゃよ、ほなの」


    そういうと、お爺さんはまた散歩を始めた。俺は急ぎ足でベストプライスのポジションに戻り、ノートを開いた。
    胸ポケットに入っていたボールペンを取り出し、ノートにペンをはしらせる。



    『花笠 信之』



    大丈夫。こんなのデマに決まってる。確か、40秒後だよな。スマホを取り出し、詳しい時刻を確認する。幸い、お爺さんは足が悪いのか歩くスピードはおそい。



    37……38……39……



    心の中で数を数える。



    40秒。



    さあ、どうなるっ!?





    …………………





    八幡「なんだ、やっぱりデマ……」


    花笠「う、うぉぉぉぉ……」


    八幡「……っ!?……」


    お爺さんのうめき声が聞こえ、またフェンスにかけよる。


    八幡「じいさんっ!!おいじいさんっ!!!!」




    お爺さんは、返事をしなかった。



    ※なんでお爺さんの漢字がわかったかという点ですが、原作のように何個か候補を書いた。……ということにしましょうっ!
    後から気づきました。すみません。
  6. 6 : : 2016/05/09(月) 19:02:14
    俺は、不安のあまりそこから退散してきてしまった。教室にもどり、自分の席に座る。イヤホンを耳にいれ、音楽を流さずに考える。


    俺が、あのお爺さんを殺した……?
    い、いや、偶然だ。偶然に決まってる。結構歳いってたからな。たまたま心臓麻痺で死んでしまっただけかもしれない。


    本心ではわかっているのに、認めたくなかった。認めるのが怖かった。認められなかった。俺が人を殺したなんて。
    意味がわからない。なんの冗談だよ。
    午後の授業はまるで頭に入らなかった。


    授業が終り、各自それぞれにすごす。
    しかし、俺は席を立てなかった。なんなんだよ、これ。


    考えれば考えるほど怖くなる。


    由比ヶ浜「ヒッキーっ!部活いこっ!」


    俺が殺した?いや、そんなはずは……。
    由比ヶ浜「ヒッキー?」


    そもそも、なんでこんなもんが道端なんかに落ちてたんだ。
    由比ヶ浜「ヒッキーっ!!」


    もし、これが本物だとしたら誰のものなのか。また、誰がつくったのか。
    由比ヶ浜「ヒッキーってばぁっ!!!!」バンッ


    八幡「おうっ……な、なんだ、由比ヶ浜か」


    由比ヶ浜「なんだ、じゃないよっ!さっきから呼んでるのにっ!」


    八幡「わ、悪かった。部活だろ?早く行くぞ」


    由比ヶ浜「え、う、うん」


    部活、か……。雪ノ下や由比ヶ浜にこのノートのことを相談するか?


    ……いや、無理だ。そんなことはできない。
    どうするかなぁ……。
  7. 7 : : 2016/05/09(月) 19:23:00
    【奉仕部部室】


    ガラガラガラ


    由比ヶ浜「やっはろ~ゆきのんっ!」


    雪ノ下「こんにちは、由比ヶ浜さん」


    八幡「……うす」


    由比ヶ浜は毎度のように雪ノ下の隣の椅子にすわる。俺は長机を挟んで雪ノ下の向かいに座る。


    雪ノ下「お茶を入れるわ。由比ヶ浜さんも準備してくれる?」


    由比ヶ浜「わかった!お菓子も持ってきたんだよ~」


    雪ノ下「比企谷くんもいるかしら?」


    八幡「……頼む」


    紅茶を注がれたコップを出される。それを尻目に、カバンから本を取り出し読みはじめる。



    数十分くらいたっただろうか。もちろん本の内容なんて入ってくるわけがなかった。ただただ無意味に文章をつつってはページを捲る。
    面白くねえな……。


    そんなときだった。


    ガラガラガラ


    平塚先生「君たち、ちょっと厄介なことになってしまったんだが」


    雪ノ下「平塚先生……開けるときはノックを……」


    平塚先生「うむ、悪いな雪ノ下。だが、少々それどころではないんだ」


    由比ヶ浜「どうしたんですか?平塚先生」


    平塚先生「ああ、実はな……」





    平塚先生「学校のすぐそばで、老人が亡くなっていたんだ」





    八幡「……っ!?……」


    雪ノ下「それはまた……ご愁傷です。しかし、なぜ亡くなっていたんですか?」


    平塚先生「それがな、どうやら詳しい理由はわかっていないらしいんだ。当事者は健康診断したすぐ後だったらしく、いきなり倒れることは早々ないと思われるのだが……。とにかく、今は心臓麻痺ということで調査されている」


    由比ヶ浜「心臓麻痺?……ってことは事故だったってことじゃないんですか?」


    平塚先生「まあ、そうだろうな。だが、念のため生徒は皆下校させているんだ。君たちももう帰りたまえ」


    雪ノ下「わかりました。ではカギを」


    平塚先生「いや、ここで貰おう。職員室は今、それどこれではないからな」


    雪ノ下「そうですか、それではよろしくお願いします」


    俺はそれを聞いたとき、内心ドキドキしながらもいつもの比企谷八幡を演じつつ、支度を済ませ、教室から出ようとする。


    八幡「かえっていいんすよね?それじゃ」


    平塚先生「ああ」


    俺は一人でそそくさと駐輪場に向かった。心なしか、速足になってしまっていたかもしれない。
  8. 8 : : 2016/05/09(月) 19:57:33
    【比企谷家】


    八幡「……ただいま」


    小町「あ、お兄ちゃんお帰り~。って、どうしたの?目がどよーんとしてるよ?あ、それはいつものことか」


    八幡「……おう」


    小町「あー、んもー、どうしたの?お兄ちゃん」


    八幡「いや、別になんでもねえよ」


    小町「そお?まあいいけど。あんまり溜めすぎるとよくないからね~」


    八幡「……ああ」


    そう言い、部屋に行く。例のノートを取り出し、カバンを放る。椅子にすわり、机にむかう。ノートを開き、再度確認。



    『1.このノートに名前を書かれた人間は死ぬ』



    八幡「やっぱり、まちがってない。俺が、殺しちまったのか……」


    このノートは本物。心の中ではほとんど信じてきている。が、やはり認められなかった。





    リューク「そう、そのノートは本物だ。あのじいさんは、お前が殺したんだ」





    八幡「……っ!?……」


    リューク「キシシシ、まさか、こんなに早くノートを使うとはな~。お前、勇気あるな」


    八幡「な、お前、どっからっ!?」


    八幡「そもそも、お前誰だっ!」


    リューク「キシシシ、俺は死神リュークだ。よろしくな。そんで、そのノートの元持ち主でもある」


    死……神……!?なにいってんだこいつ。意味がわからん。


    リューク「そう驚くなって、そいつを使ったんだろ?なら、もはや何が出てこようが驚かないんじゃないか?」


    リューク「あ、それと勝手に話すが、俺はノートを持ってるお前にしか見えない。声も聴こえない。それと、俺はお前に危害は加えない」


    八幡「……何がどうなってんだか」


    俺が混乱するなか、死神のリュークとやらは、順をおって説明してくれた。


    まず、リュークは死神界というところの死神らしい。そして、このデスノートは元々リュークのものだそうだ。そして、この人間界にデスノートを持ってきたらしかった


    八幡「なるほど、なんとなくはわかった」


    八幡「正直、死のノートを見せられたんだ。死神がいてもおかしくないかもな」


    リューク「ああ、そうだな。物分かりが早くて助かるぜ」


    八幡「ああ、事情はわかった。だが1つ聞いていいか?」


    八幡「なんでリュークは、デスノートを人間界に持ってきたんだ?」


    リューク「あ?キシシシ、そんなの決まってんだろ」





    リューク「退屈だったからだ」




  9. 9 : : 2016/05/09(月) 21:15:06
    八幡「は?退屈だったから?そんな理由なのか?……」


    リューク「あ?そうだが?」


    なんだろ、信じられん。だが、このノートがある以上、信じるしかない。信じたくなんかないけどな。


    小町『お兄ちゃ~ん、ご飯だよ~』


    八幡「……お前、本当に誰にも見えないんだよな?」


    リューク「ああ、絶対見えない。安心しろ」


    安心しろといわれてもなぁ。こいつの存在自体が安心できないんだが……。


    小町『お兄ちゃ~んっ!!』


    八幡「とりあえず、飯食いにいくか」


    リビングに行き、最愛の我妹の夕食をいただく。


    夕食を食べ終わり、部屋に戻る。


    小町の反応的に、どうやら本当に俺以外のやつにリュークは見えないらしいな。


    リューク「おい八幡。一応言っておくが、俺が見えるのは、お前がデスノート所有者だからではなく、デスノートに触れたからだ。簡単に言うと、他の人間がそのデスノートに触れた場合、他のやつにも俺が見えるようになっちまうってことだ」


    そういうことは、早めに言えよ。もし小町が触りでもしたら、こんな化け物が見えるようになっちゃうだろ。


    八幡「……そういえば、聞きたいことがあったんだが」


    八幡「俺がデスノートを使ったことに対して、なんか見返りとか、そういうのはあるのか?」


    リューク「あん?なにもないぞ。俺はお前に危害を加えないし、デスノートを持ってるからってどうこうなるわけじゃない」


    八幡「……そう、なのか?」


    リューク「ああ、唯一、何かあるとするならば。お前が死ぬ際に、俺が俺のデスノートにお前の名前を書くってことくらいだな」


    八幡「お前のノートに、俺の名前を?」


    リューク「ああ、そうだ」





    リューク「デスノートを使った人間が、天国や地獄へ行けると思うな」





    リューク「キシシシ、どこへいくかは、死んでからのお楽しみだ」
  10. 10 : : 2016/05/09(月) 21:33:32
    死神リュークが来てから、1カ月近くが経った。俺は、あれから一度もデスノートを使ってはいない。


    たった一人、殺してしまったお爺さんの事件は、事故ということで終決した。


    俺は、何事もなかったかのように、日常を送っている。
  11. 11 : : 2016/05/09(月) 22:04:08
    リューク「なあ、八幡。俺は退屈だぞ。お前、あれからノート使ってくれないしよ。退屈しのぎさせろ」


    八幡「俺は人を殺したくないんだ。いくら俺が孤独こそ至高と思っていても、死んでほしくないやつもいるからな」


    リューク「ちぇ、つまんねーの」


    学校に向かう途中、周りに人がいないことを確認してからリュークの言葉に返答する。


    リューク「キシシシ、あんまりお前がデスノート使わないと、俺にだって考えがあるぞ」

    なにが、と聞こうとしたが、その前に学校についてしまった。人もたくさんいるし、流石に喋るのは危険だろう。
    もしかしたら、独り言いう可哀想な子とか思われちゃうかもしれないしな。


    教室に行き、席につく。


    リューク「なあおい、書いてくれればいいんだが。お前の妹の名前何ていうんだっけか」


    なんでそんなことを。
    そう思いつつ、机の上に“比企谷 小町”と書いた。


    リューク「あーそうだったそうだった。スッキリしたぜ」


    それいこう、リュークは話しかけてこなくなった。
  12. 12 : : 2016/05/10(火) 17:06:25
    【昼休み】


    午前中の授業が終わり、俺は人をそそくさとベストプライスへ向かう。


    ポジションにつき、昼食をいただく。
    なんら変わらない、同じ日常だ。


    リューク「なあ、お前いっつもここで一人だけど、なんでだ?お前、友達いないのか?」


    そうだった、こいつがいたんだったな。


    八幡「ああ、ぼっちで悪かったな。てか、お前だって友達いなそうじゃねえか」


    リューク「あん?お、俺にだって友達くらい……と、友達くらい……」


    いないのかよ。つうか、死神に友達とかあるのか?そもそも、友達とかつくれるくらいの数いるのか?


    などと、どうでもいい死神のことを考えていると……




    戸塚「はちま~ん、お~い!」




    ……天使が舞い降りた。


    八幡「おう」


    戸塚「うん。八幡はここでお昼?」


    八幡「ああ、まあな。戸塚は部活か?」


    戸塚「うん。お昼休みも練習しないとね」


    八幡「そうか。頑張れよ」


    戸塚「うん、ありがと!それじゃあね八幡」


    八幡「おう」


    そういうと、戸塚はテニスコートの方にはしっていってしまった。
    戸塚はやっぱり可愛いなぁ……。おっと、違う違う、あいつは男だ。


    リューク「なーんだ。八幡にだって、あの、何て言うの……彼女?とかいるじゃねえか」


    八幡「彼女じゃねえよ。そもそも戸塚は男だ」


    リューク「あん?そうなのか?人間には女みてえな男もいるのか。おもしろだな」


    八幡「いや、面白くねえよ」


    そう、面白くなどない。これは、恋なのだから。
    ……って、なにいってんだろ俺。言ってはいないけど。むしろイっちゃってる!だな。




    ――――――――――――――――――――――――――




    【放課後】


    午後の授業を乗りきり、放課後になる。
    さて、俺も部活に行くとしますかね。


    由比ヶ浜「ヒッキー!部活いこっ!」


    八幡「あ、ああ」


    だから、なんでこいつは毎回毎回俺のところにくるんだよ。なに、俺のこと好きなの?
  13. 13 : : 2016/05/10(火) 22:57:48
    【奉仕部部室】


    由比ヶ浜「やっはろ~ゆきのんっ!あ、いろはちゃんも来てるんだっ!」


    一色「はい、お邪魔してま~す」


    八幡「……うす」


    雪ノ下「こんにちは、由比ヶ浜さん。比企谷君」


    八幡「お、おう」


    珍しい。部室にきて雪ノ下が挨拶を返してくれた。なんだ、今日雨でも降るのか?傘持ってきてねえぞ?


    一色「……先輩?なんでそんなところでボーッと突っ立ってるんですか?座らないんですか?」


    雪ノ下「可哀想に。きっと座ることすらできないくらい膝が悪いのね」


    八幡「おい、俺を勝手に持病もちにするんじゃねえよ」


    雪ノ下「あら、心外だわ。持病もち谷君」


    八幡「なげえし、もはや無理矢理じゃねえか」


    そういいつつ、俺も指定の席に座る。




    ――――――――――――――――――――――――――




    雪ノ下「……さて、今日はもう終りにしましょうか」


    一色「そうですね~、時間も時間ですし」


    由比ヶ浜「あ、そういえばさ~、駅前に新しい喫茶店できたの知ってる?」


    一色「あ、知ってますよ!なんか、オシャレでいい感じだって話ですよね」


    由比ヶ浜「そうそう!……あ、あのさ、もしよかったら今から皆で行かない?」


    一色「あ~いいですね~。行きましょうかっ」


    由比ヶ浜「やったぁ。ゆきのんも行くよね?」


    雪ノ下「ええ、いいわ。たまにはそういうのも」


    あるよな~こういう女子トーク。だが、俺は毎回が外野なため、さっさと帰り支度をして帰るだけである。


    由比ヶ浜「それじゃあ、皆で行こ~。……って、ヒッキー!どこ行く気!!」


    八幡「え、いや、帰るんだけど」


    一色「何いってるんですか~。先輩も行くんですよ」


    え?なに、俺も誘われてたの?いや~てっきり俺は仲間外れかと思ったぜ。だが、行かん。なぜならそう、めんどくさいからだ。


    リューク「キシシシ。いいじゃねえか、女ばっかの中に一人だけ男っていう気まずい状況ででかけるのも」


    こいつ……。行かせる気全くないだろ。後で覚えとけよお前……。


    雪ノ下「あなた、なにしてるの。早く行くわよ」


    八幡「え、お、おう」


    ということで、されるがままに女子3人の中に1人だけ男という気まずい状況の中喫茶店に向かうのであった。





    リューク「キシシシ、俺的にも、そっちの方が都合がいいからな」





    リュークが何か言っているようだったが、女子3人のトークでかきけされてしまった。もちろん聞き直すわけにもいかないので、忘れることにした。
  14. 14 : : 2016/05/10(火) 23:17:00
    喫茶店は、噂の通りかなりオシャレな感じだった。
    外装は東洋風のような感じで、内装もそれに似合ったものだった。


    俺達は、そこで2時間ほど喋ったりコーヒー飲んだりくいもん食ったり、色々しながら過ごした。


    時間が7時半を過ぎた頃、雪ノ下の提案により解散となった。


    他のやつらと別れ、俺は自転車にまたがる。
    夜風がほどよく肌に触り心地がいい。


    八幡「すっかり遅くなっちまったな」


    リューク「ああ、そうだな。早く帰った方がいいぜ。お前の『最愛』の妹が待ってるからな」


    八幡「ああ、そうだな」


    風をきり、自宅に向かう。





    家につき、自転車をしまう。


    八幡「あれ?おかしいな。電気がついてない……」


    まあ、小町がなんかしてるのかもな。
    そう特に気にすることなく家に入った。







    八幡「うわ、なんだこの臭い……」







    家に入ったとたん、血生臭いというかなんというか、不吉な臭いがした。


    嫌な予感がする……。


    身体中に冷や汗が伝う。なんだ、この胸騒ぎは。


    八幡「おい、小町っ!!」




    ……返事はない。




    八幡「くそっ、いないのか!?いや、鍵が開いてるから帰ってきてるはずだがっ!!」


    嫌な予感がとまらない。靴を脱ぎ捨て、リビングにかけよる。扉をおもいっきり開いた。


    八幡「おい、小町っ!!」


    真っ暗で何も見えない。


    リビングの電気のスイッチを、手探りで探す。


    やっとの想いで探り当て、電気をつける。


    八幡「お、おい……こ、まち?……」


    そこには……









    比企谷 小町の死体が転がっていた。






  15. 15 : : 2016/05/11(水) 14:40:22
    八幡「おい、小町っ!!」


    かけより、体を持ち上げる。すると、ベチャッという音を響かせた。手を見ると、そこにはベットリと血がついていた。





    刺されてる……。





    その事実を確認してからは、あまり記憶が残っていない。
  16. 16 : : 2016/05/11(水) 14:46:37
    あまり記憶が残っていない。


    気がついたら、警察が来てきて、救急車が来ていた。
    両親もそばにいた。


    どうやら俺は、ちゃんと通報はできていたらしい。そんな曖昧な記憶しか残っていなかった。


    小町が死んでしまった。そのショックが大きすぎたようだった。
    ショックと、小町を殺されたという悔しさがや悲しさが込み上げてくる。







    そして密かに、小町を殺した犯人に対して、酷く恨みをもってしまった。






  17. 17 : : 2016/05/11(水) 15:09:38
    俺は、小町が死んでしまってから1週間、本当にゴミのような生活をおくった。


    学校にも行かず、食事もろくにしなかった。


    混乱が続く。いったい、だれが、なんのために小町を殺したんだ。


    後からわかったことだが、小町はどうやら強盗に殺されたらしかった。たまたま家に侵入した強盗が、小町の存在に気づいて殺したらしい。
    犯人は、いまだに捕まっていなかった。


    リューク「おい、なあ八幡。俺は退屈だぞ。外に出てみようぜ!なんかあるかもしれないぞ」


    返事をしなかった。どうでもよかったし、返す気力も残っていなかったからだ。


    リューク「おい、無視すんなよ。つまんねーな」


    そんなこと、どうでもよかった。今はただ、悔しさと、怒りと、悲しさだけがうずまいていた。


    リューク「なあ、そんなにお前の妹を殺したやつが憎いなら」





    リューク「殺しちまえばいいじゃねえか」





    八幡「……っ!?……」


    このときの俺は、冷静に判断ができなかったのかもしれない。


    俺は、それを聞くと同時に、警察署に電話をかけた。



    八幡「……もしもし、先日の強盗殺人事件の容疑者は……」



    警察の人が答えた。
    犯人は、事件を起こす前にも、民家で強盗をしていたらしい。


    その男の名は




    『久城 拓郎』




    年齢36歳。
    無職。
    現段階では、一番怪しい容疑者だった。
    写真も、ネットで探せばすぐに見つかった。


    だが、そんなことはどうでもいい。
    俺は一刻も早く、こいつを殺してやりたかった。





    殺したい。……殺したい。殺したい。殺したい殺したい殺したい殺したい殺したい殺したい殺したい殺したい殺したい殺したい殺したい殺したい殺したい殺したい殺したい殺したい殺したい殺したい殺したい殺したい殺したい殺したい殺したい殺したい殺したい殺したい殺したい殺したい殺したい殺したい殺したい。




    頭の中が、そのことでいっぱいになっていたときにはすでに、俺はデスノートを開き、ペンをはしらせていた。


    八幡「こんな、やつ……俺がぶっ殺してやるっ!!」






    『久城 拓郎』




    名前を殴り書き、時間を確認する。





    36……37……38……





    40秒。


    八幡「……フフ、フフフ」


    リューク「お、おい、八幡?」







    八幡「ハーッハッハッハッハ、ざまあみやがれっ!!!!小町のかたきだっ!!!!死んで当然だっ!!!!」







    このとき、八幡の心は壊れた。


    思えば、このときから歯車が狂い始めたのかもしれない。





    ――――――――――――――――――――――――――




    その日、とある裏路地で、心臓麻痺で亡くなっていた『久城 拓郎』の死体が発見された。
  18. 18 : : 2016/05/11(水) 15:24:06
    八幡は、ひとしきり笑い終わると、意外と冷静な顔になった。


    八幡「おい、リューク。容疑者ってことは、実際には犯人かどうかなんてわからないってことだよな」


    リューク「お、おう、そうだな。普通は、容疑者ってだけじゃあ犯人って断定はできないな」


    八幡「そうか。ならやっぱり……」





    八幡「怪しい犯罪者。いや、犯罪者なんだ。この世の犯罪者全員殺せば、小町のかたきが完全にうてると思わないか?」





    リューク「あ、ああ、まあそっちの方が確実だな」


    八幡「だよな。俺もそう思うぜ」



    決断してからは、行動が早かった。


    ネットを調べ、テレビでニュースを調べ、顔と名前を報道されている犯罪者たちを片っ端から裁いた。


    始めは、罪の重いものを。そして、だんだん罪の軽いものを。


    気づく頃には、数十ページ以上に犯罪者の名前をぎっしり書いた。


    そして、犯罪者を……人を殺すことに、なんとも思わない自分が出来上がっていた。





    ――――――――――――――――――――――――――





    小町が死んでから、早1ヶ月近くがたった。
    その間俺は、部屋にこもって犯罪者の名前を書き続けた。
    だが、流石に学校に行かなかったり、怪しい行動をすれば、怪しまれる可能性もある。


    なので、今日は久し振りに学校に当校することにした。
    もちろん、デスノートは持ってきていない。


    出来るだけ、妹を失ったということを重く受け止めているように。
    悲しんでいるように気をつけながら当校した。
  19. 19 : : 2016/05/11(水) 15:54:38
    【総武高校】


    由比ヶ浜「あ、ひ、ヒッキー。……お、おはようっ!」


    八幡「……ああ、長い間休んじまって悪かったな」


    由比ヶ浜「う、うんうん、全然平気だよっ」


    どうやらこの反応は、俺に何があったかは知っているようだな。


    八幡「あ、ああ、そうか……」


    由比ヶ浜「………」
    八幡「………」
    (気まずい……)


    八幡「と、とりあえず、教室行こうぜ。遅刻になっちまう」


    由比ヶ浜「え、あ、うん、そうだね」


    それから、俺達は一言も喋らずに教室に向かった。


    教室に入り、自分の席に座る。


    チャイムが鳴り、平塚先生が教室に入ってきた。


    平塚先生「おう、皆来ているようだな。……ん?ひ、比企谷!?お前、来ているのか!?……こ、コホン。よ、よしお前たち、今日も頑張りたまえ」


    なんだよ、来てるのかって。俺が学校に来るのはそんなに珍しいんですかね。


    葉山「………」



    午前中の授業が終わり、昼休み。


    しかし、なぜか俺はいつものベストプライスではなく、なぜか職員室にいた。
    平塚先生に呼び出されたためである。


    平塚先生「……それで、おい比企谷、お前大丈夫なのか?」


    八幡「大丈夫……と言ったら嘘になります。流石に、最愛の妹を失ったショックは大きいので」


    平塚先生「相変わらずお前は……いや、そうだな。それが普通だ」


    流石の平塚先生も、今は同情しているようだった。


    平塚先生「ま、まあとにかく、お前が学校にこれるようになってよかった。うん。よかったよかった」


    と、なんかうまくまるめられ、特に何もなく解放された。


    お昼を済まし、午後の授業との戦いが始まるのであった。
    ……帰りたい。
  20. 20 : : 2016/05/11(水) 23:41:21
    【放課後】


    授業が終わり、放課後になる。


    この後に部活があるのだが、特に何もなかったので省略する。
    唯一、なにかあったとしたら、雪ノ下や由比ヶ浜と凄く気まづかったってことくらいだ。だが、あえて二人とも小町のことには触れてはこなかった。


    部活が終わり、自転車で家に帰る。


    家につき、鍵をあけ、部屋に向かう。


    ……そうだったな。もうこの家には、小町はいないんだ。


    小町がいないため、両親が共働きのこの家は、ほとんどが俺一人の時間となるわけだ。


    つまり、犯罪者を裁ける時間が多いいということだ。


    部屋に入り、椅子に座る。


    デスノートを開き、パソコンを起動する。




    それからまた、数時間の間デスノートに名前を書き続けた。




    まったく、犯罪者というのはいくら裁いてもいなくならないものだな。
    まあ、俺がちょっとずつ消していけばいいのだが。


    ~数時間後~


    八幡「はぁ~……」


    少々息抜きをする。のびをし、買っておいたマッカンを飲む。


    リューク「なあ八幡。そういえばいい忘れてたんだがな」


    八幡「なんだ?」


    リューク「死神はな、お前のようにわざわざ調べたりしなくても、顔を見るだけで人間を殺すことができるんだ。なぜだと思う?」


    八幡「そんなこと、俺がわかるわけないだろ」


    リューク「実はな、死神の目は人間と違って特殊なつくりになってるんだ。死神は人間の顔を見ると、顔の上に殺すのに必要な名前と残りの寿命が見える」


    八幡「なるほど。だから死神は声をかけたり、わざわざ調べなくても殺したいやつを殺したいときに殺せるってことか」


    リューク「そういうことだ。そこで、なんだがな。実は元デスノート所有者は、デスノートを手にした人間を死神の目にしてやることができる。ただし、この死神の目の代金は……」





    リューク「残りの寿命の、半分だ」





    八幡「はぁ?いらねえよ、そんなもん。そんなもんなくたって俺平気だし」


    リューク「あん?なんだ?いらねえのか?まあいいが。まあ、欲しくなったらいってくれ。すぐにできるんでな」


    八幡「ああ、一応頭に入れておくくらいはしておくよ」


    そういうと、またデスノートに名前を書き始めた。
  21. 21 : : 2016/05/15(日) 02:16:18
    【日本警察 事件会議】


    局長「今回の会議の議題は他でもない。先日から急上昇している犯罪者の不可解な死についてだ」


    局長「詳しい話をすれば、全世界で犯罪者が心臓麻痺でなくなっているということだ。偶然とは思えないほどの数が亡くなっている。しかし、方法や原因はまったくもって不明だ」


    現在警察間で、いや、全世界でこの事件のことが取り上げられている。しかし、誰も何もわからないまま時間が過ぎていくのであった。


    ――――――――――――――――――――――――――


    葉山「………」


    先日から、犯罪者が大量に死んでいるらしい。しかし、それはすべて原因不明な心臓麻痺だそうだ。


    俺は、この事件には少し興味がある。父親の仕事柄、話を聞く程度だけど、俺の中で何かが騒ぐんだ。
    今回の事件には何かあると。


    俺なりに調べた結果、今回の犯人。……仮にそいつをキラとしよう。
    そのキラは、誰でも好きに殺しているようにみせて、実際にはいくつかの条件をクリアしない限り殺しはできないと推測できる。


    その条件とは、犯罪者の名前がわかっていること。それと、たぶん顔か写真が必要だとわかった。
    なぜなら、今まで殺された犯罪者を見る限り、殺されてもおかしくない犯罪者が何人かいる。しかし、その者達は、名前がわからなかったり報道されてなかったり。あるいは、間違っていたり。はたまた、顔や写真がわからなかったりすると殺されていないのだ。


    と、ここまではわかったものの、犯人にはまったく近づけそうにない。


    だが………





    葉山「犯人は……キラは、必ず俺が捕まえてみせるっ!!!!」




  22. 22 : : 2016/05/15(日) 16:05:36
    鈴木「………」


    俺は、警察官だ。今回のキラ事件により、ここ千葉県千葉市の調査担当になった一人だ。俺以外にも、3人の刑事がここの所属になった。


    そして今は、千葉県千葉市のキラ調査拠点……といっても、マンションの一角を拠点としているだけなのだが。そこで、会議……というよりは自己紹介のようなことをしている。


    佐々木「それじゃあまず、今回のキラ事件千葉県千葉市班班長の佐々木だ。よろしく頼む」


    佐々木先輩。彼は今までいくつもの事件に関わってきた、いいなればベテラン刑事だ。
    見た目は、40代後半から50代前半。少々白髪のはえた、身長170cmくらい。頼れる方だ。


    長田「今年で7年目になります。よろしくお願いします」


    同僚の長田さん。歳も俺とあまり変わらない。黒髪のロングで、眼鏡をかけている。頭が凄くいいが、体力に少々なんありだ。


    伊藤「こ、今年一年目です。今回のキラ事件がはじめての事件ですが、よ、よろしくお願いしますっ!!」


    新人刑事。茶色っぽい髮に、身長165cmくらいといったところだろう。年齢は20代前半くらい。正直、頼りにはあまりならないだろう。


    鈴木「今年7年目の鈴木 俊介です。よろしくお願いします」


    そして、自分だ。
    この四人で、この街にキラがいないか捜査する。キラが、どこにいるかわからない以上、全世界を隅々まで探す必要があるからだ。


    佐々木「さて、このメンバーで捜査するわけだが……正直なところ、どこにキラがいてもおかしくはない。まったく手掛かりがないのだからな。とにかく、自分達の足でひたすら犯人を捜すしかない。わかってると思うが、キラは人を殺せる。常に危険と隣り合わせということを忘れるなよ」


    佐々木「とりあえず、千葉市の西側から順々に捜査していくことにするぞ」


    地道で遠い道のりかもしれない。しかし、こうしていかなければ、キラにはたどり着けない。





    なぜなら、キラのしていることは正義でも何でもない。ただの殺人なのだから。



  23. 23 : : 2016/05/15(日) 16:31:10
    【千葉県 千葉市 西街中】


    伊藤「さ、佐々木先輩。西側から調査って……闇雲に地道に捜すってことですか?」


    佐々木「んなわけないだろ。そんなもん、一生かかったって見つかるわけがない。だからな、ちょっと頭を使うんだ」


    長田「キラの特徴や行動から、キラが本の少しでもしそうな事を考え、捜査する。説明すれば、キラは犯罪者を殺している。しかし、いくらキラでも、知らない犯罪者は殺せないだろう。つまり、調べなくてはいけないわけだ。しかし、自宅のパソコンを使うと、履歴なんかが残る可能性がある。だが、ネットカフェやそういったところなら、特定される可能性が少なくなる。と、考えるだろう。だから、そういった場所から捜すのだよ」


    伊藤「な、長田先輩……。見た目によらず、結構喋るんですね……」


    鈴木「彼女は、元々結構喋るぞ」


    伊藤「そ、そうなんすか……」


    佐々木「……さ、あそこが一件目だ。捜査するぞ」


    ――――――――――――――――――――――――――


    【2週間後】


    八幡「……やべえ、また遅刻した」


    まいったな、また遅刻しちまったぜ。長期間休んでたから、流石にヤバイのによ……。とりまいく支度するか。


    階段を降りて、準備し、台所に向かう。
    小町がいないため、朝食を自分で用意しないといけないのだ。
    手軽にパンをトースターで焼き、コーヒーを入れ、席に座る。最近では、できるだけよくニュースを見るようにしている。


    テレビをつけ、ニュースを眺めながらパンをむさぼる。


    女子アナ「……先日から相次いでいるキラ事件。昨日も、12人の犯罪者が心臓麻痺で亡くなりました。これに対し、警察は全世界で全力で調査にあっていますが、今だ何もわかっていないそうです……」


    リューク「キシシシ、おい八幡。もうすっかりキラとして有名になっちまったなぁ」


    八幡「みたいだな。別にキラになりたくて犯罪者を裁いてるわけじゃないんだけどな」


    リューク「だがよ~、犯罪者を謎の方法で裁く死神キラ、格好いいじゃねえか」


    八幡「それは否定しない。それに、元々俺は格好いいしな」


    リューク「まあ、デスノートはページが底尽きることはねえ。存分に使ってくれよ」


    八幡「流すなよ……。てか、やっぱりそうだよな。書いても書いてもページが無くならねえな~と思ってたが」


    リューク「まあ、無くなっちまったら、そこで死神の人生も終わっちまうからな。その点はしっかりしてんだよ」


    八幡「そうなのか」


    そんな、どうでもいい話をしつつ、食器を片付け、テレビを消し、戸締まりをして家を出た。


    一応、ニュースでキラの存在が知られているため、最近はデスノートの切れ端を持ち歩いている。


    自転車に乗り、学校に向かう。


    また平塚先生に殴られんのかな~……。
  24. 24 : : 2016/05/15(日) 16:50:46
    【昼休み 天気:雨】


    運の悪いことに、昼間は雨が降ってしまった。そのせいで、ベストプライスにはいけず教室で飯を食っている。


    「ねぇ~、知ってるぅ?キラがまた犯罪者殺したって」


    「そうそう、キラ様が今度は12人も裁いたって」


    「マジすごいよね~、あたしも犯罪犯して殺されないようにしないとぉ~笑」


    お前みたいなやつ殺してたら、ページがもったいねえよ。いや、無くならないんだけどさ。
    最近、教室でもキラの話で盛り上がっている。本当に、俺も有名になったものだな。


    戸部「隼人くぅ~ん、マジヤバくね?最近キラの話でもちきりじゃん?」


    葉山「そうだな。結構話題だな」


    戸部「っべー、マジヤバイっしょ!犯罪者ばんばん死んでんの」


    葉山「やめろよ、そういう言い方するの。不謹慎だろ」


    三浦「でも、おかしくない?ふつー人ってそんな簡単に殺せるもん?あーしはキラとか興味ないけど」


    葉山「そうか?俺は結構興味あるぞ。犯人を捕まえたいとも思うし」


    戸部「っべー、葉山くんそうなん?まあ、葉山くんだったら簡単に見つけられるかもしれねーし」


    葉山「あはは、そんなことないぞ。……かなり苦戦してるんだからボソッ」


    なんだ?葉山。キラとかそういうのに興味あんのか?意外だな。あいつはそういうことには興味ないと思ってたが。


    まあ、葉山が相手なら名前がわかる。もし脅威になっても、特に危険視することはないだろう。


    思えば、この判断があまかったのかもしれない……。

  25. 25 : : 2016/05/15(日) 17:14:39
    【放課後】


    由比ヶ浜「ヒッキー、部活いこっ!」


    八幡「お、おう」



    【奉仕部 部室】


    由比ヶ浜「やっはろーっ!」


    雪ノ下「こんにちは、由比ヶ浜さん」


    八幡「おう」


    いつもの定位置につく。鞄から本をだし、読み始める。


    由比ヶ浜「ゆきのーん、そういえばさ~、最近流行ってるキラ?って知ってる?」


    雪ノ下「一応話は聞いたことあるわ。なんでも、犯罪者が心臓麻痺で亡くなってるって話でしょう?」


    由比ヶ浜「そうそう、なんか不思議なのっ!凄いよね~、いや、いけないことなのはわかってるんだけど、どうやってやってるんだろうね」


    雪ノ下「さあ、わからないわね。離れた場所から、刑務所内にいる人間ですら心臓麻痺で殺すなんて、普通の人間にはできないわ」


    八幡「ほう、ユキペディアでもわからないことがあるんだな」


    雪ノ下「私にだって、わからないことはあるわ。例えば、なぜ比企谷君は目が腐ってるのか、とかね」


    八幡「おおきなお世話だ」


    由比ヶ浜「じゃあさ、ヒッキーはどうやってると思う?」


    八幡「あん?うーん、そうだなぁ……」


    ここで、変なことを言わない方がいいな。俺が疑われない程度に。かつ、俺が言ってもおかしくないようなことを。


    八幡「そうだな、方法はわからんが、例えば念じるだけで人を殺せるとしよう。そしたらどうだ?誰だって殺せるし、いつでも殺せる。ただ、それができるやつの精神は、既に神の領域にたしてるぞ」


    由比ヶ浜「そ、そんなことって……」


    雪ノ下「ありえないわ」


    八幡「まあ、だろうな」


    雪ノ下「ええ、それにもしそれが本当だとしたら……」






    雪ノ下「比企谷君はキラにはなれないわ」





    ……ドキッ。


    雪ノ下「だってあなた、優柔不断ですもの」


    八幡「……うっせえよ」


    あぶねえな。一瞬ドキッとしただろうが。


    この後は、何事もなく部活は終了した。


    リューク「キシシシ……」
  26. 26 : : 2016/05/21(土) 03:19:50
    【最終下校時刻】


    由比ヶ浜「じゃあね~、ヒッキー!」


    雪ノ下「さよなら、比企谷君」


    八幡「おう」


    校門の前で別れを告げ、自転車にまたがる。


    このまま家に向かう。……と思いきや、最近はこのままネットカフェに向かっている。
    家で犯罪者を検索すると特定される可能性があるらしいからな。



    【ネットカフェ】


    ここは、家からかなり離れたところにあるネットカフェだ。家の近くじゃ危ないからな。
    それに、ほぼ毎回場所を変えている。


    ここでは、犯罪者の名前を直接デスノートには書かず、メモなどに書いてから家で裁く。
    一応、念のためってことだ。


    パソコンで、犯罪者を調べ続けること3時間……。


    八幡「……さて、そろそろ帰るか」


    支度をして、店をでる。
    ちなみに、履歴なんかは可能な限り完璧に消している。
    それに加え、ゲームサイトやその他検索を残しておくことで疑われるのを防いでいる。


    いつ、なにが起こるかわからないのだからこれくらい当たり前だ。
    早く帰って裁いて寝よう。
    疲れたしな……。


    ――――――――――――――――――――――――――


    【八幡のいたネットカフェ】


    佐々木「警察です。実は、いろいろありまして………」


    佐々木さんがお店の方に事情を話す。対応してくれたのは、気の弱そうな若い女性だ。
    許可を得て、パソコンを調べる。
    ちなみに、ここまでで進展は一切ない。
    わざわざネットカフェまできて犯罪者を調べていく人なんてそうそういない。
    よって、いればすぐに見つかると思うのだが……。
    限りなく少ない可能性を信じながらパソコンにてをつけた。


    ~1時間半後~


    長田「佐々木先輩、ありました。犯罪者を調べた履歴です。しかも大量に」


    佐々木「なんだと!?でかしたぞっ!どれ、見せてみろ」


    そういうと、佐々木さんはパソコンを傾ける。長田さんの声で、俺と伊藤も近づく。


    伊藤「ホントだ……ものすごい数」


    長田「はい。しかも、履歴を削除した形跡があります。なんとか復元しましたが。かなり怪しいと思います」


    鈴木「店員さん、すみませんがここを使っていたのが誰かわかりますか?」


    店員「え、えっと……中年男性の方と、お若い女性の方と……あと、学生の方が一人」


    佐々木「その人たちの情報とかあるか?名前とか、電話番号とか、なんでもいいんだ」

    店員「すみません、そこまでは……」


    佐々木「そうか……だが、これは手掛かりになるかもしれない」


    ここでやっと、これといった手掛かりが見つかった。
    少しずつだが、確実に犯人に近づいているということなんだろうか。
  27. 27 : : 2016/05/21(土) 03:29:52
    八幡「ふぁ~……ねみぃ」


    部活が終わった後にネットカフェへ行って3時間……。
    現在の時刻は9時前。
    流石にこれが毎日だとこたえるな。


    リューク「なあ八幡。流石に疲れてきてるんじゃねえの?たまには休んだらどうだ?」


    八幡「あん?大丈夫だ。土日は家でおもいっきり休むからな。それに、やりたくてやってんだからいいだろ別に」


    リューク「まあいいが。まあ俺的には、デスノートを使ってもらった方が面白いんだけどな。それに……モグモグ最近じゃあリンゴくれるしなモグモグ」


    そう、今リュークはリンゴをかじっている。この間、たまたまあげたリンゴがおきにめしたらしい。リューク曰く、人間界のリンゴはジューシーだそうだ。


    リューク「モグモグしっかし、本当に人間界のリンゴはうめえな。ジューシーだモグモグ」


    まあ、リンゴをあげただけでおとなしくなるのだから、別にいいんだけどな。


    さて、そろそろ家だ。とっとと裁いて寝よう。


    ――――――――――――――――――――――――――


    葉山「くそっ!!……」


    キラのことを調べはじめてかは早数十日。いまだに、何もわかっていない。
    警察も何もつかめていないらしい。


    まったく、呆れてくる……警察の無能さも、自分の無能さにも。


    キラ……貴様は今、どこで何してる!?……。


  28. 28 : : 2016/05/21(土) 03:56:16
    【土曜日】


    八幡「……ねみぃ」


    朝10時。重たいからだを起こす。
    一階に下りて、朝御飯をむさぼりながらニュースをみる。


    ニュースキャスター「先日に引き続き、キラが犯罪者を…… 」


    うむ、今日もキラは健在みたいだな。
    最近では、キラを知らないものはいないくらいになっているらしい。
    キラ応援サイトとかもできてるくらいだ。
    いやー、俺も有名人だなーハッハッハ


    リューク「八幡。何ニヤけてるんだ?気持ち悪いぞ」


    八幡「……口裂け死神に言われたくねえよ」


    リューク「キシシシ、確かにな」


    それにしても、案外警察とかってチョロいんだな。
    今のところ、キラが俺だって疑うやつはいない。警察が訪ねて来たりってのもないし、怪しいところは一切ない。


    完璧だ……。今のところ落ち度はない。やっぱ俺って最強だろ。
    だが、1つだけ誤算があった。それは……


    八幡「それにしても……どうなってんだこりゃ」





    犯罪者の数が……激減している。





    犯罪者の数が……犯罪を犯す者が激減しているのだ。
    まあ確かに、キラなんて得たいの知れない犯罪者を殺すやつがいるなんてなったら、誰も犯罪をしなくなるに決まってい。
    だが……


    八幡「俺は、あくまで小町の敵をとりたくて犯罪者を裁いてるんだけどな……犯罪者減られたら困るんだよな……」


    リューク「いいじゃねえか。世界を人を殺して正すっていうのも。別次元のやつもやってるぞ」


    八幡「なんだよ別次元って……まあでも」


    確かに、犯罪者が減るのはいいことだ。
    もちろん、小町の敵はとる。
    だが、それ以外に世界を正すって目標も悪くないかもな。俺は元々優しくていいやつだし。嫌なやつが消えるならそれもいい。


    八幡「……よし、決めたぞリューク。俺は悪いやつを裁いて、いいやつだけの世界をつくる」


    リューク「そうか。まあ、八幡が何しようと俺は知ったこっちゃないが……ただ、八幡。もし悪いやつを裁いて、消して、いいやつだけにしちまったら」





    リューク「悪いやつ、お前だけになっちまうなぁ」





    八幡「あん?何いってんだリューク。悪いやつなんて俺一人だけいれば十分だ。……って、だれが悪いやつじゃ」


    リューク「キシシシ、まあ、いいが」


    悪いやつのいない世界。いいやつしかいない世界。……そんな、新世界。


    八幡「……なあ、リューク」


    リューク「ん?なんだ?」


    八幡「俺は、自分に問いた。世界は変わりません。自分は変われます。さて、どう変わるか……俺は、こう答えた」









    八幡「……新世界の神になる!!」










    リューク「……っ!?……」


    八幡「まあ、当面の目標はこれかな」


    リューク「……やっぱり、人間て……」





    リューク「おもしろっ!!」



  29. 29 : : 2016/06/05(日) 01:46:31
    キラの捜索が始まってから早一ヶ月半。
    いまだに、キラには一切近づけていなかった。
    世間では、キラを讃える声が増えている。
    そして、警察は無能と叩かれてもいる。しかし、しょうがないことかもしれない。これといった手がかりもほとんど見つからないのだから。


    今この瞬間にも、キラの犯罪は行われているかもしれないのに。


    鈴木「お疲れさまでした。じゃあ、俺はこれで」


    佐々木「おー、お疲れー。また明日な」


    千葉市キラ捜索本部を後にした俺は、自宅に向かって歩きだした。


    今日も歩きっぱなしだった。
    俺は一人暮しをしている。料理もあまり得意ではない。よって、ここ最近はコンビニにお世話になっている。


    【コンビニ】


    店員「……あざした~」


    最近のコンビニはすごい。意外と栄養バランスなども考えられて弁当がつくられている。一人暮らしとしては嬉しいものだ。


    念願の弁当もてにいれ、帰途につく。


    すると、途中でネットカフェの近くを通った。
    ふと、なんとなく気になったので入り口の方を見た。
    そしたら……


    鈴木「……ん、あれは!?」





    学生がでてきた。





    ――――――――――――――――――――――――――


    【ネットカフェ入り口】


    リューク「おい八幡。今日も随分と遅くなっちまったな」


    八幡「ああ、そうだな。早く帰って裁いて寝よう」


    リューク「お前、最近それしか言ってないよな」


    八幡「そうか?もっとバリエーションを増やすか」


    ――――――――――――――――――――――――――


    独り……言?なにか喋っているようだが、聞き取れない。


    俺の勘が、怪しいと告げている。


    俺は気になって、あの学生をつけることにした。
  30. 30 : : 2016/06/21(火) 20:37:13
    【比企谷家 帰途】


    八幡「それにしてもついてねえな。自転車がまさか壊れるなんてな」


    リューク「まあでも、今週中には直るんだしいいだろ」


    八幡「それはそうだが……」


    鈴木「……」


    やはり誰もいない。一人で喋っているのか?……。


    リューク「ん?……なんだ?」ウシロフリムキ


    鈴木「……っ!?……」カゲカクレ


    八幡「ん?、どうしたリューク」


    リューク「……なるほどなぁ」


    八幡「だからどうしたんだって……」


    リューク「おい八幡、あんまり喋らない方がいいぞ。黙って前向いて歩け」


    なんだよ。
    だが、一応言う通りにして黙って歩き出す。


    リューク「なあ八幡。喋らずに聞けよ。俺はお前の味方をするつもりはないが、自分が不愉快だから教えるぞ」


    何を急に……。どうしたんだ?


    視線だけで聞くと、





    リューク「誰かにつけられてるぞ」





    八幡「……っ!?……」


    なんだと!?つけられてる!?
    誰に、いつからだ?……。
    とりあえず警戒するべきだ。俺がキラだと疑われてる可能性がある……。


    家の方向ではない角を曲がり、少し進んだところで裏路地の様なところを曲がった。



    鈴木(曲がった……。裏路地に入ったな。いったいどこに向かってるんだ?)カドマガル


    鈴木「……っ!?……」


    八幡「……なんで俺のことつけてるんですか?警察呼びますよ」


    鈴木「い、いや、お、俺は……」


    鈴木(し、しまった……気付かれてた!?)


    八幡「……動揺したってことは、やっぱりつけてたんですね。あなた、いったい誰なんだよ」


    鈴木(ど、どうする……。ここで下手なことを言うと通報しかれない。し、仕方ない……ここは警察手帳を見せるしか……)


    鈴木「つ、つけていてすまない。俺は警察だ」ケイサツテチョウミセ


    八幡「なっ……」


    警察だと!?





    ……疑われたか!?





    八幡「け、警察が、俺になんかようっすかね」


    名前は……鈴木俊介か。
    いざってときは殺せるようにしないとな……。


    鈴木「い、いや、すまない。早く家に帰りなさいというつもりだっただけだ」


    嘘だ。まだ学生を注意する時間じゃない。しかも、早口に巻き上げるように。
    ……よし、情報を聞いてから……殺っておくしかない。


    八幡「いや、それうそっすよね。本当は何のようですか」

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131231

いろは。

@131231

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