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このSSは性描写やグロテスクな表現を含みます。

この作品はオリジナルキャラクターを含みます。

続<東方×仮面ライダー>『Paradise of illusion lost』

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  1. 1 : : 2016/03/28(月) 14:04:15
    東方キャラクター×仮面ライダーな長編(予定)ssです

    注意事項としては

    ・前回参照

    ・仮面ライダー側の能力にオリジナルの展開有り

    ・仮面ライダー側のパロディ要素大有り

    ・執筆開始は4月以降(3月31日に十五話乗せちゃった)

    ・感想等のコメントはされたら嬉しいので下さい(切実)

    ・でも見栄えを重視したいので執筆終了までは非表示にします(終了後のレスにコピペしときます)

    ・青娥の文字直しました(誤:青蛾、正:青娥)

    ・最初の方のレスはあらすじ

    それでも付いて来てくれる方はファイナルフォームライドしますのでまた暫くお付き合いして頂けるようお願いします。
  2. 2 : : 2016/03/31(木) 21:51:17
    ~あらすじ~(簡単に補足してます。少々長いので要らないよ!な方は飛ばして下さい)

    ~前提設定~

    ある夜、幻想郷の住民達及び幻想郷の常識として存在していた外の世界から見た異能、摩訶不思議、超常現象、そう思われる物全てが失われてしまった。

    朝方、魂にも似た生命体が幻想郷に現れる

    それは失われたはずの物に近いとも遠い『仮面ライダー』と呼ばれる力を複数使えるのであった

    その存在が幻想郷で確認される少し前、幻想郷で大きな力や多大な影響力を持っていたと思われる少女達にも『仮面ライダー』になれる『ベルト』が与えられていた
  3. 3 : : 2016/03/31(木) 22:04:36
    ~妖夢、デンライナー組編~

    妖夢(仮面ライダー鎧武)、記憶の無い魂(ディケイド仮)と接触、力を借りて白玉楼の庭にて謎の生命体その一と戦闘:勝利する

    その後デンライナーに乗って現れたにとり(仮面ライダーアマゾン)、こころ(仮面ライダー電王)に出会い一人と一体は行動を共にする

    幽々子のベルトは戦国ドライバー(鎧武系統)という事以外詳細不明

    にとり達は魔法の森へ移動、そこで魔理沙(仮面ライダーフォーゼ)、アリス(仮面ライダーオーズ)と合流する

    魔法の森には突如魔化魍(仮面ライダー響の怪人)が大量発生していて、その駆除の為の作戦が決行される
  4. 4 : : 2016/03/31(木) 22:17:55
    ~事件の真相編~

    作戦はにとり、こころチーム、魔理沙、妖夢チーム、魂(タマと名付けられる)変身不可状態のアリスチームに分けられそれぞれ順調かに思えた

    アリスは『生きた』人形達を傷つけてしまった罪悪感に負われ、心に深い傷を持っていた

    タマはこの話を聞いてからただ『仮面ライダー』として人を救うだけではない何かを心に持ち始める

    そんな最中二人に『仮面ライダーカブト』が襲いかかる

    そこに『仮面ライダーディエンド』が加わり、タマは全てにおいて一歩及ばず戦闘:惨敗(上半身と下半身がバラバラになる重症)

    瀕死のタマにディエンドはこの事態の真実とも言えるタマの記憶をタマに与える

    最初タマは意味がわからなかったが次第にそれが元々タマはディエンドを動かす生命体と一つの存在だったこと、そしてこの事態は自分で引き起こしたことだったことを理解する

  5. 5 : : 2016/03/31(木) 22:32:20
    ~暗躍、真打編~

    タマの姿に自分の人形の姿を重ねたアリスは人形達への想いを涙にして訴える

    その願いが届いたのか散り散りに逃げてしまっていたはずの人形達がアリスの元へと戻り、人形達の期待と想いに答える為に戦うことをアリスは誓う

    それを見たカブトは早々に姿を消す

    アリスに追い詰められたディエンドは去り際に幻想郷の破壊を宣言し二体の巨大な『仮面ライダー』を召喚する

    召喚された『仮面ライダーコア(劇場版ライダー※サイズ動き共に原作との相違有り)』『仮面ライダーアーク(劇場版ライダー※同じく』主にコアにより森はほぼ壊滅状態、魔化魍もほぼ全て居なくなる

    アリスがアークを倒した後記憶を取り戻したタマが本来の力を発揮、しかし極度の瀕死状態からの復活と限界を超えた力でコアを倒した為ライダーの形を取れなくなりアリス達の前から姿を消す

    その後タマ達幻想郷に現れた魂の集合体『オネイロイ』のディエンドを乗っ取っていた物達は身体の主である青娥に追い出された

    それぞれの物語はまだ動き出したばかり

    ~あらすじ終わり~
  6. 6 : : 2016/03/31(木) 22:55:26
    気が付くと飛び出していた

    飛び出していたと言っても飛んだりはしなくて、走っていた

    向かう先は里の香霖堂

    あの人なら何かわかるかも知れない


    <第十五話『我らを狙う黒い影、世界の平和を守る為』>


    霊夢「・・・遠い」

    何故久しぶりに何から何まで自分の足で歩いただけでこんなにも道が長く感じるのか。霊夢の頭の中は既に目的を忘れてしまいそうになっていた。

    そのせいか、彼女は道中に潜む存在に気が付く事が出来なかった。

    霊夢「・・・遠い」

    数十歩進む度に延々と同じ台詞を言い続ける霊夢、その時計の歯車の一つのような繰り返される一連の行動は無限に続くかのようだった。彼女がそこを疑問に思うまでは。

    霊夢「・・・おかしい」

    霊夢「さっきからずっと同じ、変わらない景色、変わらない静けさ、でも」

    霊夢「私が一瞬立ち止まる度に感じる違和感」

    霊夢「すごくきな臭い」

    カシャン

    憶測でしかなかったが、ベルトに手をかけカードを差し込んでみる。霊夢はもうベルトの使い方に気づいていた。

    霊夢「後は・・・」

    少しカードを入れるのに手間取った瞬間、カードが消えた。

    霊夢「は?・・・」

    気配を感じ取って霊夢が背後を睨みつけると赤いカブトムシ頭が目に付いた。
    そしてその後ろからカードを受け取る青いしましまの頭が現れる。

    青いしましま頭「お宝いっただk・・・

    ???「・・・」スッ

    青いしましま頭「へぶぅ!」

    唐突の拳に余程慌てたのかに青いしましま頭の正体が現れる。

    青蛾である。

    ???「全く油断も隙もありゃしない、いや油断も隙あったから阻止出来たのかしら?」

    拳の主はバッタのような被り物をしていた。

    霊夢「・・・まさか」

    霊夢の言葉を聞いて待ってましたと言わんばかりに彼女はバッタの被り物を脱いだ。

    それは八雲紫

    紫「久しぶりに普通の出会い方をしたわね」

    霊夢「私もびっくりよ、まさかそんな被り物をして現れるなんて・・・」

    紫「『ばいく』っていうのもあるのよ?」

    霊夢「『ばいく』?」

    紫「まあそんなことより、厄介なことになったわね」

    霊夢「そりゃもう大変よ、結界がここ最近緩んだことすら無かったのにまるで結界をすり抜けて入ってきたみたいな、原因も何もかもがわからない」

    紫「私もこんなことになってるなんて全然気づかなくて、もしこれが誰かが意図的に幻想郷を混乱に・・・」

    霊夢「・・・でもおかしいのよ」

    紫「おかしい?」

    霊夢「もうスキマ、使えないでしょ?」

    紫「ええ」

    霊夢「私もそういうのとかは使えない、でも結界だけはまだピンピンしてるのよ?」

    紫「え?」

    紫「・・・あらほんと」

    霊夢「ただ混乱させたいならここまで出来るんだから結界をどうにかしててもおかしく無い・・・でも結界は全然傷ついてない」

    紫「でも、それなら話は早いでしょ?」

    霊夢「?」

    紫「狙いは場所じゃなくて妖怪や人・・・生命そのものに対する何かってことでしょうね・・・」
  7. 7 : : 2016/04/15(金) 20:35:50
    青娥「あうう・・・酷い・・・」

    霊夢「よく言うわあの死体をあんだけ使っt・・・居ないわね」

    紫「あの子はどうしたの?」

    青娥「私もよくわかんないわよ・・・朝から居なくなってて」

    霊夢「まさか・・・」

    紫「?・・・あっ」

    青娥「何何?何よ?」

    霊夢「幻想郷から外の世界に対する特異な物が無くなっていたとしたら」

    紫「生き返った死人だとか生命又は自然の摂理以外で動く存在はそのものが無くなってたりしても驚かないわね」

    青娥「え・・・え・・・じゃあ・・・じゃあ・・・じゃあぁ・・・」

    霊夢「まあ機能停止してたりしてそのまま腐って原型が無くなっててもおかしく無いって所ね」

    青娥「うわぁぁぁぁぁぁん!」シクシク

    霊夢(くっ・・・何故かすごく可哀想に見える)

    紫「んーやっぱりとんでも無いことに・・・そうねぇ」

    霊夢「?」

    紫「暫くこの三人で一緒に行動するのはどうかしら?」

    霊夢「んな・・・」

    紫「私だって信用出来ない所はあると思うわ・・・でもきっと目的さえ与えれば役に立つはず」

    霊夢「・・・全てことを終わらせられればこいつの言うお宝・・・多分ベルトのことでしょうけどそれも効力を失ってくれるかもしれないし、まあわかったわよ。でも今回だけ、今回だけだから」

    紫「じゃあ行きましょう」ガシッ

    青娥「あれ?・・・あらあら?あらー?」ズサササ

    ___________________________
  8. 8 : : 2016/04/21(木) 18:54:12
    早苗「ゆ゛る゛さ゛ん゛」

    にとり「ひゃー!かっこいい!」

    妖夢「・・・」

    魔理沙「・・・」

    アリス「帰っていい?」

    神奈子「もう暫くは付き合ってあげて・・・こっちも朝から早苗が盛り上がりっぱなしで大変だから」

    アリス「そんな事情知ったこっちゃないわよ!」

    諏訪子「まぁまぁ、今幻想郷で起こってる事について知る為には絶好の機会じゃないか・・・ね?」

    アリス「うぅ・・・」

    アリス達の目の前のある四角い箱のような物

    それは現代の外の世界でも古臭くなったブラウン管のテレビだった

    だが、それに繋がれているのはDVDプレイヤー

    そしてテレビの前には大量に積まれたDVDパッケージが置いてあるのだった

    アリス「まあそれはまだ『一応』強くなる為だとして割り切るとして」

    アリス「これは何?今までこの幻想郷でこんなもの見たことが無いわ」

    にとり「これは『仮面ライダーBLACK‐RX』太陽の力によって生まれ変わったBLACKで、特にバイオライダーやロボライダー等の二形態は・・・

    アリス「そういうことじゃなくてね!この機械!明らかに外から来た物でしょう!?」

    早苗「ああ・・・それは・・・」
  9. 9 : : 2016/04/28(木) 17:02:52
    早苗「この前助けた『かでんせいひん』?と『でぃーぶいでー』を運んでいた『とらっく』という乗り物に乗った人から貰ったんですよ!」

    アリス「・・・つまり?」

    にとり「まああれだよ、外からの人間さね」

    早苗「あてもなく彷徨っている所を私が介抱しまして」

    早苗「たまたま通りかかった河童さんにその人が大事なものだという『とらっく』を直して貰っている間に本当は商品なんですがって特別にこの『てれび』を使ってこの偉大なる悲しみと正義を背負った救世主達のご活躍を見ていたという訳です」

    にとり「で、直ったトラックで博麗の巫女の所に行く道を教えた後お礼にこれ全部貰った訳だ」

    アリス「それでその人間は今どうしてるの?」

    早苗「霊夢さんに話を聞いた所ちゃんと返してくれたそうです」

    アリス「ふーん」

    魔理沙「ん?てことは・・・」

    妖夢「私達のこの力は外からの物ということ?」

    にとり「そうとも言えるし、そうでも無いかもしれないんだよぁ」


    アリス「そうよ、だってこんなの作り物じゃない」


    魔理沙「え?」

    妖夢「え?」

    早苗「え?」

    にとり「そう、そこなんだよ・・・あれ皆?」


    魔理沙「は?」

    妖夢「そうなの・・・」

    早苗「いいいやそそそそそんな馬鹿な」


    にとり「この映像は加工したり特別な撮影方法をしていたり部分部分を別に撮っている所謂『映像作品』という奴だよ?」


    魔理沙「なん・・・だと、気付かなかった・・・」

    妖夢「よくできてますね・・・」

    早苗「あ・・・ああ・・・ああ・・・」チーン

    アリス「何よ、こんなチープな爆発とかたまに演技してるのバレバレな登場人物とかが居るでしょ・・・何で気がつかなかったのかしら」

    にとり「我々の撮影技術より新しい物に関して言えば高いからね。機材はこっちの方が上だけど」

    アイス「貴女は色々知ってそうね」

    にとり「まあこれを観てからこれに関する文献を外の人間とかが出没する場所に行って探したりしてかき集めていたからね」
  10. 10 : : 2016/04/28(木) 17:18:16
    アリス「今後の為にずっとこんなの見るだけじゃなくて色々話も聞きたいわね」

    にとり「今後!そう今後の話をしよう」パチン

    早苗「あうう・・・」

    にとり「そんな意気消沈してないで!まだ外の世界に居ないと決まったわけじゃないぞ!」

    早苗「!」パァァァ

    早苗「そ、そうです!夢は諦めなければ叶うんです!そう!願えば叶う!なんたって私は巫女!巫女なのですから」

    魔理沙(元に戻ってからは願わないで欲しい)

    にとり「そうそうその調子・・・で、あれを頼む」パチン

    早苗「へい!」スッ

    アリス「これは・・・」

    妖夢「新聞?」

    にとり「そう、さっきばらまかれた文々。新聞の号外だ」


    『各地に謎の生命体現る、人里でも被害増大』

    『幻想郷の力、失われる』

    『救世主現る!?』

    『仮面の人型が目撃される』

    早苗「情報がざっくばらんとしていますが大体は非常に幻想郷が危ない状況であること、そして・・・」

    にとり「その対処法に我々『仮面ライダー』が適していることがわかるはずだ」

    アリス「・・・」

    にとり「だから我々にはするべきことがあるのかもしれない、その中でこの世界を元に戻す方法を見つけよう」

    早苗「だから『でぃーぶいでー』を見て実行する予習をしていたのです」

    妖夢(楽しんでただけのような)

    魔理沙「そうか・・・「そう!」


    早苗「世界を救いましょう!今、私達の力で!」
  11. 11 : : 2016/04/28(木) 17:26:44
    魔理沙「仕方ない・・・のか?」

    アリス「戦えるなら戦うしかないでしょうね」

    早苗「人助け!怪人退治!楽しみですね!」

    妖夢「そういえばさっきからあの賑やかな仮面の人は・・・」

    諏訪子「あれなら今表で仮面達の制御する練習をやってるみたいだよ」

    にとり「やっぱりまだ完全には制御出来てないのか」

    アリス「もしかして急に性格が変わったりしてたのって仮面のせいなの?」

    にとり「多分・・・元になったと思われるライダーもそんな感じだったし、後々問題にならなければいいけど・・・」

    早苗「そんなことより!」

    早苗「新聞によると人里に目撃情報が多い怪物を倒しに行きましょう!」

    魔理沙「気が早いな」

    妖夢「でもここでじっとしてても仕方ないですし」

    妖夢(もうあのテンションに目の前で付き合わされたくないし)

    アリス「また・・・大変なことになりそう」

    早苗「善は急げ!さぁこころさんに頼んでデンライナーに乗りまっしょい!」

    ________________

    こころ「・・・」

    赤い仮面「・・・」

    こころ「・・・」ギュッ

    ____________________________
  12. 12 : : 2016/04/30(土) 10:01:50
    写真

    映っているのは微笑むメイドと、幼く見えるが何かとてつもない経験をした老人のようにも感じる表情をしている羽の生えた少女

    そしてそれを遠い存在のように想うような瞳で見つめるのは

    その写真に映るメイド、十六夜咲夜であった


    美鈴「そろそろ離れないとパチュリー様に感づかれてしまいますよ」

    咲夜「・・・ええ、そうね。また来たらお嬢様の様子を教えて頂戴」

    美鈴「様子も何も、振る舞い自体が変わった訳ではないから・・・ただ一つの言動を除けばですが」

    咲夜「そうね、元に戻った・・・と考えてもいいのかもね」

    美鈴「やめてくださいよ!私は・・・まだ皆と・・・こんなことまですることは私の手では出来な・・・

    咲夜「わかってる。あともう少しだから、待っててね」

    美鈴「また危ない方法で解決しようとしてるんじゃないですよね?」

    咲夜「大丈夫よ・・・それに私はお嬢様の従者なんだから。お嬢様の為ならなんだってするのが当然よ?」

    美鈴「・・・」

    咲夜「じゃあね」

    バサバサバサバサ

    カチャン

    『CIOCKUP』


    美鈴「はぁ」


    事の始まりは今朝にある
  13. 13 : : 2016/04/30(土) 22:01:58
    <第十六話『信じてた未来が崩れ去ろうとしてる』>


    いつものように手を組んで幼い容姿には似合わない優雅な装飾の施された椅子に座る少女

    いつものように朝食を運ぶメイド

    いつものように廊下を走り回り、無邪気にはしゃぐ少女

    いつものように本に囲まれる本の虫

    その横でいつものように微笑みながら佇む少女

    いつものように支度とトレーニング、花の世話をする門番

    いつもの光景

    しかし今日のそれは彼女の一言で終わりを告げた


    レミリア「ねぇ咲夜」

    咲夜「何でしょう」

    レミリア「良い事を思いついたの、皆をここに呼んで頂戴」

    咲夜「承知しました」

    咲夜(少し嫌な予感がするような・・・)
  14. 14 : : 2016/05/29(日) 10:57:39
    レミリア「皆集まってるわね」

    鳥や虫の声さえも静まり返るような沈黙

    レミリアから発せられる気迫はそれほどまでにこれから話すことの重要さを表していた

    レミリア「気づいてない無い者も居るかもしれないけど、一応言っておくわ」

    レミリア「これはこの幻想郷で言う『異変』よ」

    美鈴「そ、それは・・・どのような?」

    レミリア「まあ、貴女はわからなくても仕方ないのかもしれないけど・・・咲夜?」

    咲夜「はっ」

    レミリア「貴女なら気づいてるはずよ」

    咲夜「・・・それは、まさか私が時を・・・」

    レミリア「そう、そしてそれは私も・・・そこのフランも、パチュリーも同じなのよ」

    咲夜「!」

    レミリア「でもね、心配は要らないわ・・・力ならあるもの」

    豪華な装飾の施された椅子に座るレミリアが右手を上げて合図をする

    すると何者かが部屋に入って来た

    咲夜「ッ!」

    殺気を立たせ咲夜が警戒しているとレミリアが諭した

    レミリア「いいのよ咲夜、彼・・・彼女かしら?ともかくあれは私の客人よ」

    青い縦縞の頭にまた縦縞の身体を持つ奇妙な人型に咲夜は思考を巡らせた

    咲夜(人間・・・?でも、この姿は)

    レミリア「では本題に入りましょうか」

    レミリア「今日からこの紅魔館は・・・


    「幻想郷の完全なる掌握を目的として全面戦争をすることにしたわ」
  15. 15 : : 2016/05/29(日) 11:16:38
    美鈴「それって・・・」

    咲夜「お気は確かですか!?」

    レミリア「ええ、今日も私は冴えてるわ」

    咲夜「それに私達は今・・・能力が使えないのでは!?」

    咲夜の困惑した問いにレミリアは青い縦縞頭を手で差しながら落ち着いた口調で答えた

    レミリア「このディエンドが私達に力をくれたの、誰にも負けない・・・この世界を掌握する力を」

    咲夜が辺りを見渡すといつの間にか使用人は見たこともない怪人に変化していて、更にはレミリアもパチュリーもフランも美鈴もベルトの様な物を持っていた

    レミリア「後は貴女だけ」

    レミリア「朝起きたとき枕元にこういうのが無かったかしら?」

    咲夜(何故?どうして?私の枕元にはそんなもの無かったはず!?)

    ディエンド「・・・どうやら彼女は駄目らしい」

    レミリア「そう、残念ね。でもそれはそれとして目的に支障が出るのは避けたいわね」

    咲夜「ま、待って下さいレミリア様!どうされたのですか!?」

    レミリア「どうしたもこうしたも無いわよ、ただ以前の目的に近づくことが出来そうだからまたやろうってだけ」

    咲夜「ここで過ごした日々はどうなるのです!貴女もそうすればどうなるかわかって・・・


    「本当に残念ね、貴女がそんな態度を私に取るなんて」


    何かを感じ取り、咲夜が後ろに振り向くとディエンドと呼ばれた者と似た雰囲気を感じる目の大きいマスクの人型が今にも銃のような武器で咲夜を撃とうとしていた

    カキン
  16. 16 : : 2016/06/18(土) 16:06:10
    弾が放たれ、咲夜の頭を吹き飛ばし・・・はしなかった

    突如何かを体に巻きつけた赤いカブトムシが飛来し、目の大きいマスクの人型の武器を体当たりで吹き飛ばした

    その勢いで人型もカブトムシに突き飛ばされる

    ディエンド「カブトゼクターだと!?奴の差金か!」

    カブトゼクター「・・・」バタバタバタバタ

    咲夜「・・・何かを伝えようとしている?」

    マスクの人型「ッ!・・・咲夜・・・さん」

    咲夜「まさか美鈴!貴女なの!?」

    レミリア「さあ、早く・・・美鈴・・・いいえファイズ、やってしまいなさい」

    マスクを被った美鈴がよろよろと立ち上がる

    美鈴「身体が・・・私・・・私・・・!」

    咲夜「レミリア様!美鈴に何を・・・」

    ディエンド「やってるのは我々だ。無論方法なんて物は教えん」

    咲夜「くっ・・・」

    咲夜(私が・・・私に力があれば!)

    カブトゼクター「・・・」ブンッ

    カブトゼクターが体に巻きつけていた物を咲夜に向かって投げる

    反射的に咲夜がそれを掴むと、それは周りの人間が付けたベルトと似たような物に見えた

    咲夜「これが私の・・・」

    ディエンド「何をしている!お前らもそいつを取り押さえろ!」

    ディエンドが手を払うと周りの使用人が全員で咲夜を取り囲み襲おうとする

    カブトゼクター「・・・」ブゥゥゥン

    それをカブトゼクターが全て突き飛ばし、咲夜に合図を送るように小刻みに体を揺らした

    ディエンド「クソッ!!!」

    咲夜「・・・」パシッ

    咲夜が右手を差し伸べて合図に応えると、その掌にカブトゼクターが収まりに来る

    その瞬間、彼女の頭の中には自分に与えられた力の使い方が本を読むよりも早く理解出来た

    咲夜「・・・お嬢様が行っていました」

    レミリア「こんな時に何よ?」

    咲夜「『大半の生きる者の記憶の中で一番印象に残る瞬間には共通点がある』と」

    そして、自分が貫くべき思いと・・・記憶が彼女を満たした

    レミリア「それは・・・」

    ディエンド「やめろ!それ以上は・・・やめろぉ!目覚めさせるなぁぁぁぁぁぁぁぁ!」

    今にも起き上がった使用人達が飛びかかってくる最中、咲夜は天に人差し指を突き上げ涙を浮かべながらこう言った




    咲夜「それは『大切な者と共に過ごした時間である』・・・」





    「変身」
  17. 17 : : 2016/08/12(金) 22:21:47
    _____________
    ____________________

    美鈴「あの時の咲夜さんかっこよかったなぁ」

    美鈴「あの後もの凄い速さで取り囲んでいた使用人達を吹き飛ばしていって・・・それで窓から飛び出して・・・その後門番を任されていた私に・・・」

    咲夜「そんなぼうっとしてると怒られても知らないわよ」

    いつの間にか戻って来ていた咲夜がその表情に何とも言えない微笑みを浮かべながら美鈴に話しかける

    美鈴「うわっ、咲夜さん!?」

    咲夜「全部口に出てたわよ?色々と」

    美鈴「うう・・・あれ?そういえば」

    咲夜「何かしら?」

    美鈴「どうして私は信用してくださるので?私だって簡単に操られてしまう身なのに・・・」

    咲夜「心まではまだ操られてはいないでしょ?今は誰が信じられるのかわからないけど、わからないならわからないなりに私は私の中の貴女を信じてみたの」

    美鈴「それはどういう・・・」

    咲夜「要するに私の中の気持ち、貴女が私に接するその態度から私は貴女が信じられる存在だと信じたの」

    美鈴「それは・・・嬉しいですけど。本当にこれからどうするつもりなんですか?」

    咲夜「そう、その話で私は急いで戻ったのよ?有力な話をアイツに持ちかけられたわ」

    美鈴「アイツって・・・まさかあの青いしましまの!まさか!?アイツがこれをやったんですよ!」

    咲夜「確かに最後まで信用しようとは思わないわ・・・でもアイツが言ったのよ」

    美鈴「何ですか?」

    咲夜「『この事態を引き起こしたのは我々じゃない』って・・・」

    「まあ、要するにそういうことだ」

    物陰から青いシルエットが現れる

    ディエンド「この事件の犯人をやっつけにいこうじゃないか、ねぇ?」
    ________________
    ____________________


  18. 18 : : 2016/09/18(日) 12:01:44
    ~現在(タマ一行との戦闘後)~

    紅魔館の目の前で咲夜はフラフラと壁に手を付いた

    咲夜「ぐ・・・うぅ・・・」

    咲夜「ちょっと使いすぎたかしら・・・酔ったような感覚が・・・」

    咲夜「レミリア様は・・・どうなって・・・」

    バタッ

    ワー!サクヤサーン!

    イ、イマスグナントカシナイトレミリアサマガー!

    _____________________
    ________________________
    _____________

    ~アリス&早苗一行~

    早苗「もう夕刻ですが、新聞によればもう人里に複数体確認されてます!早く倒しにいかないとまた増える可能性が・・・」

    デンライナーを前に早苗が倒すべき「敵」の話を始めた

    こころ(赤の仮面)「洒落せぇ!俺もこの力をもっと使いたくてウズウズしてんだ。つまり片っ端から怪物を倒せば良いんだろ!?」

    早苗「と、いきたい所だったのですが・・・」

    アリス「何か問題が?」

    にとり「相手は「人間」だと思われる存在なんだよな・・・」

    魔理沙「へ?私達以外にも異変が影響してるってことか?」

    早苗「恐らく・・・その怪物の名は「ドーパント」普通の人間が「ガイアメモリ」という媒体を通して超人となった存在です」

    妖夢「それはもう人間ではないと判断して切り捨てても良いのでは?」

    にとり「それがそういう訳にはいかない」

    早苗「「ドーパント」は間違いなく普段は人間です。「ガイアメモリ」を使うまでは何の超人的な能力はありません・・・ですからあわよくば「ガイアメモリ」だけを破壊出来れば・・・」

    にとり「ダブルなら・・・」カチャ

    手元でガチャガチャとにとりはWの形をしたベルトを弄っている

    アリス「もしかしてそれがその怪物を倒すのに必要なライダーのベルトなの?」

    にとり「ああ・・・使い手を探す必要があるかもしれない・・・タマを見つけた時みたいに」

    こころ(赤の仮面)「ならさっさと乗っちまおうぜ。ほら、善は急げって言うんだろ?」

    早苗「はい!現場に急行して、ついでにそのダブルドライバーの使い手を探しましょう」

    魔理沙「どうにか私達で使えれば良いんだけどなぁ・・・既にベルトを持ってるとどうなるか試さずに使うのも危険な雰囲気がするからな・・・」

    アリス「もしそのドーパントとか言うのと対峙したらその時は足止めくらい私達でも出来るでしょう?今はそれで十分よ」

    魔理沙「対峙・・・退治・・・そういえば霊夢は今どうしてるんだろうな。こんな時に・・・」

    早苗「そうですね」

    諏訪子「ちょいと」

    会話の最中に諏訪子が早苗の方を叩いて物陰に引き寄せる

    早苗「は、はい?」

    早苗「なんですか諏訪子様」コソコソ

    諏訪子「早苗ぇ・・・なんで隠そうとするんだよ」コソコソ

    早苗「え・・・えーとなんのことでしょうか」コソコソ

    諏訪子「昔から知ってたでしょ、仮面ライダーもトラックも」コソコソ

    早苗「うっ・・・」

    諏訪子「もしかして、いざこっちで自分の憧れを目の前にして・・・仮面ライダーの世界を夢見すぎたから・・・起こっちゃったんじゃないのかな?「奇跡」が」

    早苗「・・・」

    諏訪子「今言いたくないのならそれで良いよ、それで解決しそうな話じゃないし・・・でもいつかは話さないといけないかもしれない」

    早苗「わかってます。必ず、この異変は私が解決してみせます」

    諏訪子「私も出来る範囲で手助けするよ」

    諏訪子が早苗の方をポンポンと叩くと、早苗達に魔理沙が少し遠くのデンライナーから声をかけた

    魔理沙「おーい出発するってよー、赤の仮面がやたらせっかちなんだよ。出てきて乗ってくれって言ってるぞー」

    早苗「はい!今行きます!」

    _________________
    _______________

    ~霊夢一行~

    紫「人里ってこんなに寂しい場所だったかしら」

    霊夢「多分皆引きこもってるのよ。つまり・・・」

    カツカツカツカツ

    ???「博麗神社の巫女さん?」

    霊夢「あら?人が出歩いてたのね」

    ???「何か事件でもあったので?」

    霊夢「ええ、重大なね」

    ???「へぇ、あんたが来たってことは何かを退治なさるつもりで?」

    霊夢「多分、そうなるでしょうね」

    霊夢(こいつ・・・)ガチャ

    ???「なる程ねぇ・・・あんたもそういうおもちゃ持ってんだ」

    紫「・・・」キュイーン


    青蛾「Zzz・・・」

    ???「あたくしもね、持ってんの、そういうおもちゃ」カチッ

    『マグマ』

  19. 19 : : 2016/11/10(木) 15:18:34
    <第十七話『また誰かが突然ドアを叩く』&『止まらない感じるこの予感は』>

    どんなに犬猿の仲と呼べる関係であっても、どんなに酷い仕打ちをされた関係であっても、どんなに恨みつらみを重ねる関係であっても

    世界の危機ともなれば皆手を取り合う

    そんな現在の幻想郷から少し先の時間で更に外へ出た世界でもこの異変は影響を与えていた

    と、推測するが今にして見ればそれこそが始まりという可能性もあるのかもしれない


    稗田阿求著『幻想郷の天変地異全集~夢の中の英雄大戦記録~』より


    _________________
    ______________________

    ???「真っ白ねぇ・・・」

    どこへ行っても先もわからず、上下さえも曖昧な白い空間に少女は独りだった

    ???「これもあの場所の一部なのかしら」

    しかし、何も無いという訳でも無く少女の視界には夥しい数の本を貯蔵する本棚が見えていた

    ???「溶解・・・洋灰・・・妖怪・・・」

    ???「こんなに沢山あったらそれはそれで不便な物ね。やっぱり時代はタブレットなのかしら?」

    ・・・リー・・・

    ???「何か突然飛び出してきたりしないでしょうね・・・」

    ・・・メ・・・お・・・

    ???「それともこれは私の深層心理とか・・・」


    「メリー!」

    メリー「ハッ・・・」

    ???「・・・やっぱり寝てた?」

    メリー「・・・ごめんなさい、最近ちょっとおかしいのよ私」

    ???「いつもじゃなくて?」

    メリー「もう!そんなこと言ってると今回の件だって協力してあげないんだから!」

    蓮子「ははは、冗談だってば」

    蓮子(否定はしないか・・・)

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danron-7kiseki

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