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苗木誠と舞園さやかのミッション

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  1. 1 : : 2013/12/08(日) 00:03:38
    苗木「…突然どうしたのさ…」

    桑田「いや、唐突に野球がやりたくなったんだよ。それに、今俺が野球が好きってみんな知らねえだろ?だからお前に言ってんだ」

    苗木「ふーん。まあ僕でいいなら練習相手になるよ」

    桑田「おうサンキュー。いつか恩返しすっからよ」

    桑田クンと植物庭園で野球練習した。

    2人「あ」

    ボールがモノクマフラワーの中に入った。

    桑田「チッ。ついてねえ」

    苗木「ごめん。へんなとこに投げちゃって」

    桑田「まあ仕方ないわな。帰るか」

    苗木「うん」


    廊下


    桑田「苗木、好きな人とかいんのか?」

    苗木「え!?どうしたの、急に…」

    桑田「なんとなくだよ」

    桑田(お前の事が好きな奴が沢山いるのは知ってっけど、お前自身はどう思ってるのか気になったんだけどな)

    苗木「うーん…そうだなあ…」

    桑田(ちなみにな、さやかちゃんにすら好かれてるお前に絶賛嫉妬中だ)

    苗木「…うーん…好きな人…か…」

    桑田「よけりゃ相談にでも乗るぞ?今日の借りもあるしな」

    苗木「そう?じゃあ…」
  2. 2 : : 2013/12/08(日) 00:08:57
    苗木「いく…江ノ島さんかな?」
  3. 3 : : 2013/12/08(日) 00:09:24
    期待してます。支援
  4. 4 : : 2013/12/08(日) 00:09:50
    桑田は舞園ちゃんって呼ぶ気がするべ!!
  5. 5 : : 2013/12/08(日) 00:14:45
    霧切さんだな
  6. 6 : : 2013/12/08(日) 00:17:25
    苗木「ボールを投げるのって難しいんだけど。どうすればいいの?」

    桑田「は?あ、ああ。えっと…だな」

    苗木「…ごめん。なんか違った?相談にのるって言うから…」

    桑田「ああいや!別にいい!いいか!ボールを上手く投げるには…!」

    桑田(コイツ天然なのか誤魔化したのか分からない)

    〜コーチ中〜

    苗木「へえ。分かった。今度からは意識してやってみるね」

    桑田「おう。また練習付き合えよ」

    苗木「うん。じゃ」

    僕は部屋に帰った。


    苗木部屋


    苗木(好きな人…か…)

    なんとなく誤魔化したけど、僕の好きな人って誰なんだろう…

    苗木「そういえば、真面目に考えた事無かったな…。舞園さんに関しても、ただ見てただけだったし…」

    苗木「僕は、誰が好きで、そのために何が出来るんだろう…」
  7. 7 : : 2013/12/08(日) 09:33:54
    翌日

    食堂


    舞園「おはようございます。苗木君」

    苗木「うん。おはよう」

    苗木(やっぱり舞園さんが好きなのかな。話しかけられると嬉しいし)

    舞園「ありがとうございます!」

    苗木「…え?…まさか、聞こえてた?」

    舞園「エスパーですから。バッチリ聞き取りました」

    聞かれてたか…

    霧切「どうかしたの?何か悩みでも?」

    苗木「あ、そういうわけじゃないけど…」

    舞園「苗木君は私の事が好きみたいです」

    苗木「ちょっ!まだ分からないんだって!」

    舞園「じゃあ私の事嫌いですか?」

    苗木「い…いや…そういうわけじゃ…ないけど…」

    霧切「苗木君。私の事は?」

    苗木「え!?え…と…嫌いではないよ?」

    霧切「…」

    苗木「ご…ごめん!じゃ僕部屋に帰るね!」

    僕は逃げるように帰った。
  8. 8 : : 2013/12/08(日) 09:48:37
    苗木部屋


    ピンポーン

    苗木「!」

    …霧切さんとかが…追ってきたとか?

    …ないよな

    ガチャ

    桑田「よ」

    大和田「邪魔するぜー」

    石丸「失礼するぞ!」

    十神「喜べ。来てやったぞ」

    山田「おはようございます!苗木誠殿!」

    不二咲「お…お邪魔します…」

    葉隠「よお苗木っち!」

    苗木「…あのさあ」

    苗木「何で男達が集まってるの?しかも何で不二咲さんが交じってんの?」

    不二咲「あ…ははは…」

    山田「僕達よりも、女の子が押しかけた方が良かったですかな?」

    苗木「い…いや…そういうワケじゃないよ。で、何か用?」

    桑田「作戦会議!」

    苗木「…は?」

    桑田「苗木の恋が成就するようにな!」

    苗木「…」

    苗木(そもそも誰が好きかも分からないのに…)

    桑田「で、苗木は誰が好きなんだ?」

    苗木「…」

    苗木(昨日言っておけば、みんなに暴露せずに済んだのかな…)

    苗木(…っていうか、僕の好きな人の事って頻繁に聞かれるなあ…)

    苗木(とにかく、言わないと…。逃げ道ないし…)
  9. 9 : : 2013/12/08(日) 10:22:04
    苗木「えっと…」

    苗木「舞園さん…なのかな?」

    桑田(チッ)

    苗木(なんかチッって感じで見られてる!)

    山田「まあアイドルですから。当然でしょうな」

    不二咲「うん!応援するよ!」

    十神「フッ。俺に任せておけ」

    大和田「苗木はもっと積極的になるべきだな」

    石丸「そうだ!何もしない限り何も始まらないぞ!」

    苗木「う…うん…」

    ピンポーン

    苗木「ん?はーい?」

    桑田(男子はここに全員いる…。尋ねて来たのは確実に女子だ…)

    大和田(舞園じゃね?)

    石丸(まさかそんな都合よく…)
  10. 10 : : 2013/12/08(日) 10:31:33
    苗木「あ、腐川さん。どしたの?」

    十神「…」隠れ

    腐川「び…白夜様を知らないかしら…」

    苗木「え?十神クンならここに…

    十神(言うな!図書館って言え!)

    苗木「…はいないよ。図書館じゃないかな?」

    腐川「図書館ね!分かったわ!」

    腐川さんは走り去った。

    苗木「ごめんごめん。ばれそうだった」

    十神「…ったく」

    苗木「十神クンが言ってくれなかったら、確実にばれてたね」

    桑田「十神、なんか言ったか?」

    十神「いや。言ってはいない」

    苗木「エスパーだからね」
  11. 11 : : 2013/12/08(日) 10:43:13
    桑田「その後」


    舞園「あ、苗木君」

    苗木「あ、や、えっと…ここんにちは」

    舞園「?どうかしました?」

    苗木「い…いや。何でもない何でも無い」

    舞園「これからお茶でも飲みましょうか?」

    苗木「あ、うん」


    桑田「…」


    音楽室


    苗木「あ、舞園さん」

    舞園「あら。こんにちは」

    苗木「音楽室…か。舞園さんの歌を聞きたいな」

    舞園「そうですか?じゃあ歌いましょうか?」

    苗木「え、いいの?」

    アカペラで歌った。


    桑田「…」


    植物庭園


    舞園「あれ、苗木君?」

    苗木「あ、舞園さん」

    舞園「苗木君もこういう所来るんですね」

    苗木「うん。ちょっと散歩しよっか」

    舞園「はい」


    桑田「…」
  12. 12 : : 2013/12/08(日) 10:52:32
    苗木部屋


    桑田「もう苗木1人でなんとかなんじゃね?8切ってからの10」

    山田「全く問題ありませんな。革命っ」

    十神「ああ。革命返し」

    大和田「俺らの助け全く要らないな。パス」

    石丸「だが…一度引き受けてしまったからには…。流す」

    苗木「…何やってんの?大富豪?」

    葉隠「あ、帰って来たべ。トリプル3」

    不二咲「ど…どうだった?トリプル5」

    苗木「うん。まあ…」

    桑田「もう苗木1人でいけるだろ。トリプル6」

    苗木「ええっ」

    山田「別に問題ないと思いますぞ。トリプル1」

    十神「心配ならこれを使え。暇つぶしに作っておいた。トリプル2」

    苗木「…紙?」

    十神「どうすれば舞園が振り向いてくれるかが書いてある」

    苗木「あ…ありがとう」

    大和田「流す」

    十神「トリプル13」

    大和田「流す」

    十神「8切り。ダブル9。上がりだ」

    大和田「くっ!ダブル11!」

    苗木「…」

    勝手に部屋を占領された…
  13. 13 : : 2013/12/08(日) 13:23:41
    江ノ島「あー。暇だなあ。誰かコロシアイしろよ」

    江ノ島「…ん?舞園と苗木が…」

    江ノ島「…なるほど。そういうことか。ちょっと邪魔してやろう。どんな絶望的な顔すっかな。楽しみ楽しみ。うぷぷ」


    ピンポンパンポーン

    モノクマ『校内放送校内放送。苗木君は、至急体育館まで来て下さい』

    苗木「…今度は何を企んでるんだ…」

    桑田「とりあえず俺達も行くか」

    モノクマ『駄目です。苗木君1人で来るように』

    桑田「…」

    苗木「じゃあ、行ってくる…」


    体育館


    それは始まった

    モノクマ「やあやあよく来たね!」

    苗木「…で、何の用だよ。僕だけって事は、動機の話じゃないのか?」

    モノクマ「その通りですよ!動機じゃありません。」

    苗木「じゃあ何?」

    モノクマ「君は、今後一切女の子に近づいてはいけません!」

    苗木「…」

    モノクマ「…おやあ?反応薄いね」

    苗木「…えっとさ、とりあえず理由聞いていい?」

    モノクマ「無いよ」

    苗木「…校則じゃないってことは、無視してもいいんだよな?」

    モノクマ「うん。校則には追加しないよ。だから苗木君が好きなようにしていいけど、何が起こるか分からないからね!」

    苗木「…」

    無闇に逆らうのは危険だな…

    苗木「分かったよ…」

    モノクマ「思ったより物わかりが良くて助かりますよ!あと、話すのも厳禁ですからね!」

    苗木「で、それを解除する方法はあるの?」

    モノクマ「ん?そういえば考えるの忘れてた。じゃあこうしましょうか!苗木君にのみ課せるミッションです!」

    モノクマ「君は、これから女子に話しかけること、近づくことを禁止します。それを解除するには…」

    モノクマ「君が一番好きな人を殺す事!」

    苗木「ッ!」

    モノクマ「好きな人を殺せば、他の女子と話す事が許されます!それからは自由に愛を育んでください!」

    苗木「な…なんだよそれ…」

    モノクマ「じゃーね!グッバイ!」

    早々に去って行った…
  14. 14 : : 2013/12/08(日) 14:04:22
    苗木部屋


    桑田「…ざけんな!」

    みんなに、さっきの出来事を話した。

    葉隠「あ、苗木はみんなに話しかけられないから、伝える事もできないべ」

    山田「ずっと無視し続けるんですな…。苦しい!」

    苗木「いや、伝える事は君たちがやってよ…」

    十神「苗木は舞園が好きだったな?」

    苗木「…うん…」

    十神「では、舞園を殺せば問題は解決だ」

    苗木「ええ!?」

    石丸「苗木君!殺しては駄目だ!モノクマの思う壺じゃないか!」

    大和田「例え舞園を殺したとしても、苗木は今までと同じ苗木じゃいられねえだろうな…」

    苗木「…」

    不二咲(僕はどっちに分類されるんだろう…。やっぱり男かな…)

    十神「ま、当分はこの部屋に引き籠もるのがいいな。部屋に女子が来たら即追い返せ」

    苗木「…うん…」

    ピンポーン

    全員「!!」

    苗木「僕でれないから…代わりに誰か出て!」

    桑田「お、おう!」

    ガチャ

    舞園「あら、桑田君?」

    桑田「ま、舞園ちゃん!」

    全員「!」

    舞園「ここ苗木君の部屋ですよね?苗木君は?」

    桑田「いや、ここにはいない…

    十神「待て桑田」

    桑田「あ?」

    十神「いい機会だ。事情を説明しとけ」

    桑田「お…おう」


    桑田「…ってわけだ」

    舞園「…そんな…」

    苗木「…」

    十神「舞園。みんなに知らせてこい」

    舞園「…はい…」

    ガチャ

    桑田「ふう…」

    十神「解除方法を知らせなかった事は誉めてやろう」

    桑田「別に嬉しくねえよ」

    葉隠「だがどうすんべ?ずっとこのままってワケにもいかねえべ」

    苗木「…」

    苗木「…どうしよう…」
  15. 15 : : 2013/12/08(日) 14:52:49
    桑田「とりあえず野球やろうぜ!」

    苗木「う…うん」

    桑田クンと野球練習した。

    カァン!!

    パク

    2人「あ」

    モノクマフラワーに食べられた…


    苗木部屋


    十神「…苗木。俺の言うこと聞いてたか?」

    苗木「え、何だっけ」

    十神「ここに引き籠もってろ」

    苗木「ああ、うん。そうだったね」

    葉隠「苗木っち!夕食持って来たべ!」

    苗木「え?」

    十神「食堂に行くと、必ず女子の近くに行く事になる。だから持って来させたんだ」

    苗木「あ、ありがとう」

    十神「用が無い時はできるだけ出るなよ」

    2人は出て行った…

    苗木「はあ…」

    夕食を終え、ベッドに倒れ込んだ。

    苗木(…これからずっと、舞園さんと話せないのかな…)

    短いため息をついて、僕は眠りに落ちた。
  16. 16 : : 2013/12/08(日) 17:27:47
    翌日

    モノクマ『オマエラ!…』

    苗木「…朝か…」

    …食堂に行った方がいいのかな…

    ガチャ

    石丸「苗木君!朝食だ!」

    苗木「あ、うん。ありがとう」

    自室で朝食を食べ、ベッドに座りこんだ。

    苗木(…いつまで続くんだ…)

    苗木(…別に破ってもいいんだよな…モノクマも言ってたし…)

    苗木「…て、何考えてんだ僕は!破っていいわけない!負けてたまるか!この程度に!」


    江ノ島「さてさて。苗木はいつまで耐えられるかな?」

    江ノ島「1週間くらい経てば、絶望してくれるかな?」

    江ノ島「あんたは、女子と会う気が無くても外に出る事はできないんだ。」

    江ノ島「みんなに迷惑をかけ続けている事にいつ気が付いて、いつ絶望し始めるか…。楽しみ楽しみ。うぷぷぷぷ」
  17. 17 : : 2013/12/08(日) 18:23:25
    舞園「…苗木君…」

    まさか、話せなくなるなんて…。こんな突然…

    勿論、これがあってもなくても、恋愛は許されない。

    元々私はアイドルなんだ。元々恋愛が出来たワケでもない。

    こんなモノクマの冗談レベルのおふざけで、苗木君と話すことすら許されないなんて…

    恋愛させろまではいかないけど、なんで近づく事も話すことも許されないんだろう…

    霧切「舞園さん、大丈夫?」

    舞園「…はい…。…ってわああ!!いつからそこに!?」

    霧切「鍵が開いてたわよ。それに堂々と入ってきたところよ…」

    舞園「え…??」

    霧切「苗木君と話せないのが辛いの?」

    舞園「…」

    霧切「モノクマは一体何が目的なんでしょうね…。こんなの、動機にすらならないのに…」

    舞園「…強いて言うならモノクマを刺したくなりました」

    霧切「やめなさい」

    舞園「…冗談…ですよ」

    霧切(恐らく冗談ではないでしょうね…。やれないけど、本気でやりたいとは思ったはず…)

    舞園「…はい。本気で刺したいと思いましたよ。私にはそんな勇気も力もありませんけど…」

    霧切「…考えてる事が分かった?」

    舞園「…エスパーですから」

    舞園「今日は、苗木君と話すどころか会ってすらいない…。もう耐えられませんよ…」

    霧切「…我慢よ。今は耐えなくちゃ。あなたが苗木君に無理矢理会おうとしたら、それこそ迷惑がかかってしまうわ」

    舞園「…分かってますよ」

    霧切「私がなんとかするから」

    舞園「…なんとかって…」

    霧切「苗木君の事は当分忘れた方がいいわ。会いたいと願うほど辛くなるから…」

    舞園「…」
  18. 18 : : 2013/12/08(日) 18:53:51
    苗木「はあ…外にでたい…」

    ずっとドアを開けていないせいか、気分の問題か、少し空気が悪くなってきた気がする。

    苗木「思いっきり走り回りたい…」

    苗木「舞園さんと話したい…」

    苗木「風呂に入りたい…」

    苗木「思いっきり遊びたい…」

    苗木「舞園さんと話したい…」

    苗木「…今すぐトイレに行きたい…」

    少しドアを開いて、誰も居ない事を確認した。

    苗木(…よし。トイレまで突っ走ろう)

    ガチャ

    苗木「!」

    女子トイレのドアが開いた!

    苗木(やばい!)

    猛ダッシュでトイレに駆け込んだ。

    朝日奈「?…全く。トイレのドアくらい静かに閉めなって…」

    苗木(…はあ…危なかった…。…そういえば、近づいたらいけないって、半径どれくらいなんだろう)

    そんなくだらないような重要のような事を考えながら、僕は部屋に猛ダッシュで帰った。

    苗木「はあ…!久しぶりに走った気がする!」

    気分的にものすごく運動した気になった。

    十神「苗木」

    苗木「うわ!?十神クン!?いつからそこに!?」

    十神「お前がトイレに行く前からだ。堂々と入ってきたじゃないか」

    苗木「え…?…えええ!?じ…じゃあ…あの独り言…」

    十神「聞こえていたが?」

    苗木「あああぁぁ…やっぱ聞こえてたかあ…」

    十神「そんなことより。苗木。モノクマが苗木に言ってきた台詞をもう一度言ってみろ」

    苗木「え?えっと…君は、これから女子に話しかけること、近づくことを禁止します。それを解除するには…君が一番好きな人を殺す事…」

    十神「なるほどな」

    苗木「…で、これがどうかしたの?」

    十神「穴を見つけている。モノクマが言ってないことなら、何をしてもいいんだからな」

    十神「例えばだ。話しかけられる事は禁止されていない。それから、話す以外…。例えば文字で伝える事も禁止されてない」

    苗木「…」

    十神「どうしても話したいことでもあるなら、文通でもすればいい。」

    十神「それと、少し強引だが、君が一番好きな人を殺すこと…。「君が」と「一番好きな人を殺すこと」で分ければ、苗木が葉隠の一番好きな人を殺すこと…と変える事もできないか?」

    苗木「ご…強引だね…。ってか何で葉隠クン?」

    十神「何となくだ。特に深い意味はない」

    十神「とにかくだ。苗木。モノクマの言った事に穴があれば、それは実行しても問題ないんだ。縛られていても諦めるな。モノクマの好きにさせるな。」

    苗木「…うん!」

    十神「じゃあな。」

    ガチャ

    苗木「…」
  19. 19 : : 2013/12/08(日) 21:12:39
    霧切「あら」

    十神「ん?」

    丁度、2人同時に部屋から出てきた。

    霧切「…苗木君の様子はどう?」

    十神「だいぶ参ってるようだ。舞園はどうだ?」

    霧切「こちらも同じ。早まらなければいいけどね…」

    十神「まあ、恐らく当分は大丈夫だろう。」

    霧切「手紙…ね」

    十神「ああ。長くて1週間だろうが、まだもつ」

    霧切「でも、いつまでも誤魔化しは通用しない。いつかは解除しなきゃ…」

    十神「黒幕を引きずり出せれば解決するんだがな」

    霧切「まあ無理でしょうね」

    十神「とりあえず、俺達に今出来ることはない」

    霧切「…モノクマと話し合ってみる?」

    十神「無駄だ」

    霧切「…黒幕は何が目的なのかしら…」

    十神「殺し合いの動機か…苗木の暴走か何かか…モノクマが直接殺す理由にする気か…今はなんとも言えんな…」

    霧切「そうね。考えても仕方ないわ」

    十神「解散だ。大和田!」

    大和田「なんだよ」

    十神「苗木に飯を持っていけ」

    大和田「今日の担当は俺か」

    十神「俺は用事があるんでな」

    大和田「チッ。わーったよ」

    霧切「十神君。用事って?」

    十神「何だ。俺のすることをいちいち貴様に報告しなければならないのか?」

    霧切「…」

    十神「じゃあな…」

    十神は去って行った。

    霧切「…あの2人が、いつまで大人しくいるか分からない。出来るだけ早めに手を打たなきゃ!」

    十神「…」

    聞こえたか聞こえなかったか分からない。

    十神はそのままどこかへ行ってしまった。
  20. 20 : : 2013/12/08(日) 22:30:56
    苗木部屋


    苗木「…ふう。出来た」

    とりあえず手紙を書いてみた。暇だし。

    苗木「…どうやって届けよう…」

    近づけないから置くしかないけど…

    試しに、自分の部屋のドアの下に手紙を入れてみた。

    苗木「うん。入る。じゃあこれを舞園さんのドアの下に入れればいいんだ」

    慎重にドアを開け、隣の舞園さんのドアの下に手紙を入れた。

    そして、速攻で戻った。

    苗木「…うん。そうだ。じっとしてるなんてよくない。とにかく色々やってみよう!」

    苗木「モノクマなんかに負けてたまるか!


    舞園部屋


    舞園「…」

    苗木君の事は忘れた方がいい…

    舞園「そんなの…無理ですよ…」

    もし忘れられるとしても、忘れたくない…

    舞園「…あれ?」

    ドアの下に手紙…?

    見てみると…

    舞園「苗木 誠より…」

    その文字を見た瞬間、すごい速さで手紙を開いた。

    舞園「…」

    舞園「…苗木…君…」

    舞園「…私も負けていられない…!」
  21. 21 : : 2013/12/09(月) 00:18:38
    江ノ島「うぷぷ。面白くなってきたきた。2人はどこまで耐える事ができるかな?」

    江ノ島「おっと。2人にすっかり気を取られたけど、舞園以外の女子も、少なからずダメージを受けているようだね」

    江ノ島「これからどうなるのかなー?楽しみ楽しみ。うぷぷ」


    食堂


    十神(…どうも縛りが甘い気がする…)

    十神(何故苗木が女子に近づいても、「何が起こるか分からない」で済ませているんだ?即おしおきとか言いそうだが…)

    十神(流石に実験するのは危険だし…)

    霧切「どうして「何が起こるか分からない」で済ませているのかしらね?」

    十神(貴様…!)

    舞園「どういう事ですか?」

    霧切「モノクマの性格上、苗木君が女子に話しかけたら即おしおきって言ってもおかしくないのに…」

    桑田「ひでー性格のあいつらしいな」

    葉隠「もしかすっと、実は苗木っちは別に何も起きないんじゃねえのか?」

    霧切「可能性はあるわね。低いけど…」

    葉隠「何でだべ?」

    十神「そんなことより、苗木をなんとかするのが先だ。解決策を早く出さなければな」

    セレス「珍しくやる気ですわね」

    十神「あいつが暴走しなければいいんだが」

    舞園「きっと大丈夫ですよ!」

    桑田(妙に元気だなあ)

    十神「ま、誰もあいつの心なんて分からないさ。内心、もう暴走寸前かもしれんぞ」

    十神「でだ。俺が出した結論は、黒幕を叩く事だ」

    葉隠「はあ!?いきなり!?」

    石丸「いくらなんでも…早すぎでは…」

    十神「だからどうした?むしろいいじゃないか。早すぎて何が悪い?」

    霧切「…確かに、黒幕を叩くのが一番手っ取り早い…。でも、一番難易度の高い方法でもあるわね…」

    キーンコーンカーンコーン

    モノクマ『えー校内放送です…』

    朝日奈「あ、もう食堂から出なきゃ」

    大神「…そうだな」
  22. 22 : : 2013/12/09(月) 16:26:18
    苗木部屋


    苗木「…」

    僕は今、さっき届いてたのに気付いた、舞園さんからの手紙を読んでいる。

    そして、読み終えるのと同時にメモ用紙を引っ張り出し、手紙を書き始めた。

    苗木「…よしっ」

    そして、速攻で出して速攻で戻る。

    苗木「ふう」

    ガチャ

    十神「飯だ」

    苗木「あ。ありがとう」

    十神「じゃあな」

    ガチャ

    苗木「もぐもぐ」もぐもぐ

    ピンポーン

    苗木「ん?はーい」

    ガチャ

    舞園「…こんばんは…」

    苗木「!舞…!」

    危ない…話しかけてない…まだセーフ…
  23. 23 : : 2013/12/09(月) 19:24:59
    舞園「すみません夜遅く…」

    苗木「い…」ブンブン

    音がするくらい顔を振った。

    …近づいちゃいけないって、半径どのくらいなんだろう…

    舞園「…苗木君…」

    苗木「…」

    舞園「…ごめんなさい。…おやすみなさい…」

    苗木「…」

    舞園さんは、そのまま部屋に帰っていった…

    苗木(…一体何だったんだろう…)

    しかし、そこに居てもすることはないので、部屋に戻って寝る事にした。

    苗木(…久しぶりに舞園さんと会えたな…)

    まあ大体30時間ぶりくらいなんだけど。

    …少し幸せな気分になれた。

    苗木「モノクマ…お前なんかに負けないからな…!」


    舞園部屋


    舞園「はあ…」

    久しぶりに…というか30時間ぶりくらいだけど…会えたけど…

    少し会ったらもっと会いたくなってきた…

    舞園「…何でこんな事に…」

    苗木君と話したい…

    触れたい…

    散歩したい…

    舞園「…」

    舞園「…負けない…」

    手紙の事を思い出した。

    あれを思い出すたび、読み返すたびに決心することができる…

    人よりちょっと前向きなのが移るのかな…

    舞園「負けるもんか!」
  24. 24 : : 2013/12/09(月) 21:27:18
    まだ?
  25. 25 : : 2013/12/09(月) 22:54:22
    モノクマ「うんうん。決心して決心して、我慢して耐えて、結局水の泡になった時の絶望はどれほどなんだろうね!」

    大神「…何が目的なのだ?」

    モノクマ「ん?そら勿論ただの邪魔だよ。ま、苗木君が舞園さんを殺すのもいいんだけど、それは最初から期待してないしね。ただじっと我慢した後に爆発して、今までの苦労が台無しになった絶望が見たいのもあるよ」

    大神「…ようするにただの暇つぶしか…」

    モノクマ「まあそうとも言うね!2人がどれくらい耐えられるかを見るのもいいんだけど、やっぱ飽きてきちゃうんだよね。お前、ちょっとあいつらを会わしてやりなよ!」

    大神「…よいのか?」

    モノクマ「駄目だよ?だから、出会った瞬間、苗木君にきついおしおきを喰らわしてやるわけ!あ、殺しはしないから」

    大神「…」

    モノクマ「人質の件、忘れたとは言わせないからね。ほら。行ってこーい」

    大神「…分かった」

    大神は歩き出した


    翌日

    苗木部屋


    苗木「朝か…!」

    とりあえず大きく伸び。

    苗木「…」

    何気なくドアの下を見た。

    手紙は無かった。

    苗木(あるわけなくても、ついつい見ちゃうんだよなあ…)

    苗木「ん?」

    机の上に何かメモが置いてある…

    『今日の12時 倉庫に行く事』

    苗木「…」

    苗木「…誰からだろう…。とりあえず、行かないワケにはいかないよな…」


    12時

    倉庫


    苗木「…誰もいないじゃないか…」

    イタズラ…?…いや、あの部屋には誰も入れないし、昨日の夜手紙書いたから、昨日の夜から今日の朝のいつかに置かれた…

    苗木「モノクマ!」

    モノクマ「ヘイ!呼ばれて参上モノクマ!」

    苗木「僕にメモを残したのはお前か?」

    モノクマ「ううん。ボクではないよ?全く、無条件にクマを疑うなんて!」

    苗木「だって、お前以外考えられないじゃないか!」

    ガチャ

    舞園「誰か居ますか…」

    苗木「?!舞園さん!?」

    舞園「苗木君!?」

    モノクマ「アーッハッハ!苗木君!」

    苗木「え?あ!!」

    モノクマ「女子に近づいた&話しかけましたね!ではおしおきでーす!あ、殺しはしないから」

    苗木「ちょ!何なの?!え!?」

    舞園「ご…ごめんなさい!!」

    モノクマ「おしおきターイム!」

    【苗木君がモノクマに逆らいました】

    【おしおきを開始します】
  26. 26 : : 2013/12/09(月) 23:52:06
    ガシャン!

    苗木「!?」

    何かで縛られた!

    そのまま椅子に巻き付けられて、身動きが取れなくなってしまった。

    モノクマ「ザ☆放置プレイ!」

    苗木「ちょっ!?」

    モノクマ「苗木君は今から24時間放置!」

    苗木「死ぬって!」

    モノクマ「じゃあね!」

    ガシャーーン!!

    いつのまにか別の部屋にいたのか、鉄格子が落ちた。

    苗木「…」

    苗木「…え?本当にこのまま24時間放置なの?」

    …死ぬ…


    舞園「な…苗木…君!」

    モノクマ「学園長の言いつけに逆らった罰だ!」

    苗木「何が学園長だ!これが学園長のする事なのか!」

    モノクマ「意味も無く叫ぶと体力を消費するよ!」

    苗木「くっ…!」

    モノクマ「アーッハッハ!じゃ、24時間持つといいね!」

    モノクマは去って行った…

    舞園「…苗木君…」

    …どうしてこんな事に…

    私は、部屋にあったメモ通りに来ただけなのに…

    苗木「舞園さん!」

    舞園「!」

    苗木「僕は負けないから!だから舞園さんも…!!」

    モノクマ『この状況でもミッションは続いているんだよ!罰則時間延ばすよ!?』

    苗木「いくらでも延ばせばいいよ!」

    舞園「苗木君…!」

    苗木「僕は負けないんだ!モノクマ!お前なんかに負けてたまるか!いくらでも罰則なんて受けて立つよ!」

    モノクマ『苗木君2日間放置!ちゃんと飯とかは届けるから心配すんな!』

    舞園「…頑張って…苗木君…」

    苗木「…」コク

    苗木君は黙って頷いた。

    舞園「…ごめんなさい…」

    私はおしおき部屋から出た。
  27. 27 : : 2013/12/10(火) 13:38:01
    舞園部屋


    舞園「…はあ…」

    一体何が…

    それに、あのメモは誰がどうやって置いたものだったんだろう…

    舞園「…」

    舞園「…苗木君…」

    苗木君は2日間の監禁だ。2日間は会うことすらできない…

    …耐えられない…

    今までずっと会ってなければ、もしかしたら耐えれたかもしれない…

    舞園「…」

    手紙…

    舞園「…負ける…もんか…」

    手紙の効果も薄れてきた気がする…

    ピンポーン

    ピンポーンピンポーン

    舞園「…誰ですか…」

    相手次第では追い返すかもしれない勢いで、私は出た。

    ガチャ

    舞園「はい」

    十神「苗木の事は聞いたぞ」

    舞園「…帰って下さい…」

    十神「舞園。モノクマに、この現状に負けている顔を見せるなよ。絶対に」

    舞園「…」

    ドアを閉めようとした。

    十神「何があっても平静を装え。モノクマに絶望している顔を見せるな」


    江ノ島「チッ!十神め…よけいな事を…!舞園の絶望してる顔が見れなくなったじゃねえかよ!」

    バキ!

    江ノ島「ん?」

    後ろから変な音がした。

    江ノ島「…んだよ」

    バキイ!!

    江ノ島「うわ!?」

    ドアから足が生えた!?

    …じゃなくて、ドアの向こうから蹴り破られたようだ。

    この足は見間違えるわけない。

    江ノ島「…オマエ、何のつもりだよ。仲間だろ?大神」

    大神「我は決めたのだ…!」

    大神「お前と戦うと!」

    江ノ島「へえ。ま、それも別にいいか。そうそれだよ。私が求めていたのは。自分の思い通りにいかない絶望!一旦希望に満ちた顔が絶望に変わる瞬間!それが私の求めている超絶望的な絶望だよ!」

    大神「我の希望は、決して絶望に変わりはしない!」

    江ノ島「ふん。言ってればいいよ。で、何?私と戦うって?」

    大神「そう言ったはずだ…!」

    江ノ島「私に勝てると思ってるワケ?馬鹿馬鹿しいにもほどがあるよ。私様に勝てる人間なんていないのよ!」

    大神「我は…全身全霊かけて、お前を差し違えてでも倒す!」

    江ノ島「でもまさか、こんな反乱してくるなんて、絶望的に予想外だよ」

    大神「ふん!」

    大神の岩石のような拳が飛んでくる。

    江ノ島「でも残念」

    江ノ島「全部私様のシナリオ通りなんだよね!!」


    ボシュン!

    大神「ぬ!」

    急に江ノ島から煙が吹き出した!そして、煙が晴れる頃には江ノ島の姿はなかった。

    大神「おのれ…!」

    大神は、二度ほど見回した後、出て行った…

    江ノ島「…うぷぷ!」

    すぐ近くで、江ノ島盾子が笑っている事にも気が付かず…

    江ノ島「シナリオ通り…なんだよねえ!」
  28. 28 : : 2013/12/10(火) 20:08:10
    食堂


    全員「!」ビクッ!

    大神「?」

    十神「黒幕の仲間が近づくな」

    大神「…」

    朝日奈「ちょっと十神!さくらちゃんがそんなわけ…!」

    十神「お前もさっきの放送を聞いただろう」

    大神(さっきの会話が放送されていたのか…。あれを聞かれたなら、我が黒幕の仲間だと皆知っているはずだ…。朝日奈も…)

    朝日奈「でも、さくらちゃんは、黒幕を裏切ったんじゃん!」

    十神「どうだかな。それも演技かもしれんぞ。もう黒幕の仲間はいないと、俺達に油断させる作戦かもしれないじゃないか」

    朝日奈「そんなわけない…!」

    大神「もういい朝日奈よ」

    朝日奈「さくらちゃん…?」

    大神「我は黒幕の仲間であった。お主だけには話そうと何度も思った。…だが言えなかった。許してくれ…」

    朝日奈「…」

    大神「さらばだ」

    朝日奈「さくらちゃん!!」

    大神は去って行った…

    霧切「…」


    モノクマ操作室


    江ノ島「よっと」

    バチン!

    舞園「いた…!」

    江ノ島は、舞園に思いっきりデコピンした。

    江ノ島「全く。学園長であるモノクマを操っている私に暴力をふっても校則違反だよ?」

    舞園「…」

    舞園は、包丁を持っていた。

    江ノ島「ふん。苗木が自分のせいで舞園が殺人を犯したって気付いたら、どう思うだろうね。うぷぷ」

    舞園「…」

    大神「舞園よ。下がっていろ」

    舞園「大神…さん?」

    江ノ島「うわ!また来た!」

    大神「お前の作戦は分かった。だがこれごときでは、我に全く影響なし!」

    江ノ島「ったくしつこいな」

    大神「舞園よ。危険だ。外に出ていろ」

    舞園「は…はい…」

    大神「…誤った判断をするな」

    舞園の持った包丁を見ながら言った。

    舞園「…はい…。すみません…」

    舞園は走り去った。

    江ノ島「たくもーめんどくせーな!ドアの修理もしなきゃなんねーのによ!」

    大神「…こい。決着をつけようではないか」

    江ノ島「へっ!やってやるよ!絶望タイムの始まりだぜえ!ヒャッハアア!!」
  29. 29 : : 2013/12/11(水) 18:36:32
    食堂


    舞園「はあ…はあ…」

    朝日奈「あ、舞園ちゃん…って何持ってるの!?」

    山田「ぼ…僕達を殺すつもりでしょうかね!?」

    舞園「違いますよ!…江ノ島さんを殺そうと…」

    朝日奈「なんで江ノ島ちゃんを!」

    舞園「江ノ島さんが黒幕だったんですよ!」

    全員「…!?」

    朝日奈「江ノ島ちゃん!」

    食堂に江ノ島がいないので、朝日奈は江ノ島の部屋に走って行った。

    舞園「あ!朝日奈さん!江ノ島さんは今情報処理室に!」


    江ノ島部屋


    ピンポーンピンポーンピンポーン

    ガチャ

    江ノ島「うるさいな!」

    舞園「あ…あれ?」

    朝日奈「江ノ島ちゃん!大丈夫だった!?」

    江ノ島「え?何が?」

    朝日奈「え?舞園ちゃんに殺されそうになったんじゃ…」

    江ノ島「え?えっと…あ!そうそう!いやーやばかったわ」

    舞園「えっと…今モノクマ操作室で大神さんと戦ってる江ノ島さんは…」

    江ノ島「え!?盾子ちゃんが戦ってるの!?」

    十神「…」

    江ノ島「…あ」

    霧切「…どうやら、あなたは江ノ島盾子ではないようね」

    江ノ島「え!?い…いや、私は江ノ島盾子だし!何言ってんの!?」

    霧切「…」

    江ノ島「私は江ノ島盾子だよ!江ノ島盾子なの!私は超高校級の軍…ギャルの江ノ島盾子だって!」

    十神「…女子共。江ノ島を捕らえろ」

    そのかけ声で、女子は江ノ島を捕まえようとする。

    …が

    江ノ島「よっと!」

    朝日奈「わ!」

    セレス「!?」

    軽い身のこなしで2人をかわし…

    舞園「わ!」

    朝日奈「ぎゃ!」

    セレス「キャアア!!」

    そのまま、近くにいた舞園を2人に投げつけた!

    桑田「お前、こんな強かったのか!?」

    山田「ギャルというのは恐ろしいですな…!」

    十神「いい加減気付け。そいつはギャルなんかじゃない。江ノ島の変装をした誰かだ」

    江ノ島「違う違う違う!私は江ノ島盾子だよ!!」

    腐川「白夜様に口答えしない!!」

    江ノ島「せいやっ!」

    腐川「きゃー」

    軽々と腐川は投げ飛ばされ…

    霧切「ッ!」

    霧切にぶつかった!

    葉隠「つえー!」

    不二咲(僕も行かないと怪しまれるかな…)

    大和田「こうなったら兄弟!俺達が捕らえるぞ!」

    石丸「うむ!丁度ロープを見つけたところだ!」

    江ノ島「…」

    石丸の持っていたロープを一瞬で奪い、一瞬で2人を拘束した。

    大和田「…てええ!?いつの間に!」

    江ノ島(盾子ちゃん…)

    そして、男性陣を押しのけ、江ノ島は走り去った。

    十神「追うぞ!」

    葉隠「もう見えないべ!」

    十神「恐らく…本物の江ノ島盾子のところだ!」
  30. 30 : : 2013/12/12(木) 15:21:45
    情報処理室


    舞園「ここです。この奥で…」

    ズガガガガガガガ!!パシ!シュ!ドゴオオ!!

    葉隠「おっ。分かりやすい戦闘音が聞こえるべ」

    十神「ドアも破壊されているな…見る事は出来るが…」

    朝日奈「…助けにはいけない…。私達は見ることしかできないの…?」

    十神「…待てよ。これは、今なら黒幕に目を付けられる事なく行動が出来るということか…」

    腐川「さすがです!」

    十神「よし。今の内に鍵の掛かってるドアの中を調べさせてもらおう」

    朝日奈「で、でも、いつかは黒幕に見つかって…」

    十神「ならいつやるんだ?」

    山田「今でしょ!!」

    全員「…」

    山田「すみません…。やれと言われた気がして…」

    十神「まあ山田の言うとおりだ。今しかチャンスはない。もっとも、一生ここで何も知らないまま暮らすのなら別だが?」

    朝日奈「…分かったよ…。やるよ…!」

    江ノ島?「そうはさせない…」

    全員「!」

    朝日奈「偽江ノ島!」

    江ノ島?「…」

    十神「あくまで江ノ島を貫くか…」

    葉隠「もうあっちでオーガと江ノ島っちが戦ってるから、変装の意味はないべ」

    江ノ島?「私は盾子ちゃんの計画を貫くよ」

    十神「ふん。既にばれているというのに貫くとはな…」

    江ノ島?「…」

    江ノ島「お姉ちゃん、正体バラしてもいいよ」

    江ノ島?「え…」

    江ノ島「その格好のままじゃ戦いにくいっしょ。そいつら全員倒してくれるなら、元の姿に戻んなよ」

    大神「ふん…。話している余裕があるのか…!」

    江ノ島「おっと!」

    大神の素早い正拳を軽々とかわした。

    江ノ島?「…」

    十神「どうするつもりだ?」

    江ノ島?「…分かった」

    偽江ノ島は、偽装を全て剥ぎ取った。

    …すると、中から別の人物が現れた。

    戦刃「…私の名前は戦刃むくろだよ」

    葉隠「あっはっは!服の上にあの偽装は暑かったろ!」

    山田「クッ…!着替えが見れないのは残念無念…!」

    桑田「おいお前は2次元限定じゃねえのか」

    戦刃「…ずっとこれ着てたワケじゃないよ。さっき着たんだよ」

    十神「俺達の方が先にここに辿り着くのはどう考えてもおかしいからな」

    江ノ島「お姉ちゃん!そいつら片付けといてね!」

    戦刃「うん」

    江ノ島(苗木は2日帰って来ない。つまり唯一の不安要素が消えた。私達の勝ちは決定しているんだ!)

    江ノ島(苗木は何故か私のシナリオ外の行動をする…。やっぱあいつは縛っておいて正解だったな)
  31. 31 : : 2013/12/12(木) 20:12:15
    大神「ぬ…!」

    江ノ島(だんだんコイツのパターンも読めてきた!)

    江ノ島(どうせ今ごろ、さっきより明らかに強くなってきている…!とか考えてんだろ!)

    江ノ島(もしや…戦いの中で成長している…!?とか考えてんだろうけど、んなわけねえだろうが。そんな簡単に成長できねえよ)

    江ノ島「おら!」

    大神「ぐ…!」

    江ノ島(反撃の余裕も出てきた!あともう少し分析できれば勝てるな!)

    江ノ島(超高校級の格闘家倒せるとか、私様最強すぎ〜!)


    朝日奈「うっ!」

    戦刃「…」

    桑田「おらああ!」

    桑田が隠し持っていた野球ボールを投げた!

    サッ

    …軽く避けられた!

    腐川「げふあ!」

    …そして後ろに居た腐川が喰らった…

    山田「くらえええ!ジャスティスハンマー!」

    山田がハンマーを振り下ろした!

    戦刃「…」

    …それをまた軽く避け、山田を攻撃して倒した。

    山田「ぐはぁ…」

    次々と戦刃を倒そうと襲いかかるが、ことごとく返り討ちにされてしまった。

    霧切「く…。一斉に襲っても倒せないなんて…」

    戦刃「数だけで戦力は埋まらないんだよ」

    戦刃「いくらいたって、駄目なんだ。みんなまとめて、最後には絶望するんだよ…」

    苗木「それは違うよ!」
  32. 32 : : 2013/12/12(木) 22:45:46
    全員「!?」

    戦刃「苗木君…?」

    苗木「…」

    舞園「あなたたちが争ってる隙に救出成功です!」

    戦刃(舞園さんに逃げられたのはボールを投げられた時…かな。一番注意引いた瞬間だし…)

    苗木「戦刃さん。僕達は絶望したりなんかしない。絶対に」

    戦刃「いくら逆らおうとしたところで、盾子ちゃんの計画を曲げることなんてできないよ」

    苗木「江ノ島さんが計画している事は知らないけど、それでも僕達は絶望なんかに負けないんだ」

    戦刃「…」

    戦刃(ごめん…苗木君)

    チャッ

    戦刃は、苗木に向かって銃を向け…

    苗木「うわ!ちょっとタンマ…ああ!?」

    ドン!

    撃った。

    苗木「いて!」

    …が、苗木は銃を出したことに驚いて、その場で転んで避けた。

    戦刃「…!」

    苗木「いてて…。っていうか舞園さん、大丈夫?」

    舞園「はい!」

    戦刃(今の…何…)

    苗木「銃なんて危ないなあ…。捨ててくれないかな?」

    戦刃「無理だよ…!」

    戦刃(一体何…。何で余裕なの…。これは本物の銃なのに…!)

    苗木「本物の銃でも当たらなきゃただのエアガンと同じじゃないか」

    戦刃「!?何も言ってな…!」

    苗木「エスパーだから」

    舞園「あ!私の真似!」

    苗木「結構この台詞気に入ってるんだよね」

    それと同時に、苗木は走った。

    戦刃「…!」

    戦刃は撃った。

    …つもりだった。

    戦刃(ジャム…!?)

    苗木「てい!」

    戦刃から銃を弾き落とし、即座に拾った。

    苗木「やっぱり、僕には才能があるのかもね…。最初はこんなの信じて無かったけど…。不運続きだったけど…」

    苗木「僕は間違い無く【超高校級の幸運】だったよ」
  33. 33 : : 2013/12/12(木) 23:00:21
    戦刃(おかしい…。私が弾詰まり程度で困惑するハズないのに…)

    苗木「…僕は幸運だから…。僕の都合のいい方向に上手く流れたのかな…」

    苗木「なんか…今思い返せば、肝心な時はちゃんと幸運だったんだよ。ちょっと考えたんだけど、普段不運なのは、運を溜めてる…とかそんな感じなのかな…。運を操って、ここ一番って時に大放出する。それが僕の才能なのかもしれないな…。多分だけど」

    戦刃「…生き残るのは運がいい人。どんなに強い人でも、運が強い人には勝てないよ…」

    苗木「それはすごい。僕はある意味最強なのかな。ははは」

    戦刃「ごめん盾子ちゃん。私は苗木君に勝つ自信がないよ…」


    江ノ島「役にたたねーな!全く残念なお姉ちゃんだよ!」

    大神「く…!」

    江ノ島「さっさとあんたを倒して、苗木をおしおきして、ドアの修理して、お姉ちゃんを何かで殺したいのに…!さっさと倒れなっての!」

    大神「例え我が倒れても、何度でも立ち上がるぞ!」

    江ノ島「しぶてーな!」

    さっきから、大神の攻撃が当たっていない。そして、江ノ島の攻撃ばかり当たっている。

    江ノ島「お前の行動はもう分析しきったんだよ!何をしようともう手遅れなんだよ!!」

    大神「一番やってはならないこと…それは諦める事だ」

    江ノ島「アーッハッハ!まあ、こんなのも悪くないわね!私の思い通りに運ばない事なんて、何年ぶりかしら!!」

    大神「我が倒れようとも、せめて貴様には一矢を報いる!」

    江ノ島「私を倒してみなよ!!アーッハッハ!!」
  34. 34 : : 2013/12/12(木) 23:57:28
    苗木「江ノ島さん!」

    江ノ島「チッ。苗木か!」

    戦刃「…ごめん盾子ちゃん。食い止められない」

    江ノ島「なら死ね!いや後で殺すから!お姉ちゃん!」

    戦刃「…それは…困るよ…」

    苗木「江ノ島さん!何でこんな事を!」

    江ノ島「あ?っと!おい大神!ちょっと止まれ!」

    苗木「何で…僕達にコロシアイなんてさせたの…」

    江ノ島「ああ、そういうことか。…ま、最初の計画と違うけど、まあいいよ。外の世界を見せてやるよ!」

    江ノ島が、何かのボタンを押した。

    すると、目の前のモノクマの状態を確認するらしき画面がパッと消えた。

    江ノ島「よく見ておけ!これが外の世界だ!おまえらが出たいって騒いでた、外の世界の映像だよ!」

    そして、画面は再び光った。

    そこに映っていたのは…

    苗木「…」

    苗木「…は?」

    モノクマが…世界を荒らしている…映像だった…

    江ノ島「これが外の世界だ!!っはは!どうだ!絶望したか!」

    苗木「…」

    葉隠「…なんか…絶望っていうか…通り超して意味分からん…」

    江ノ島「おまえらが出たいって騒いでた、外の世界は、とっくに破壊されつくして、世界は終わってんだよ!」

    苗木「…」

    江ノ島「外の世界は絶望にたたき込んだ!そのつもりだった!でも、まだ希望を捨てきれないしぶとい奴らもいんだよね」

    江ノ島「というわけで、ショータイム!オマエラ希望の象徴が、絶望に屈してコロシアイをする姿を見たら、どうなると思う!?」

    苗木「…絶望…する…」

    江ノ島「そのとーり!大正解!賞品とかないけどおめでとー!」

    江ノ島「最後にはみんなまとめて絶望するんだよ!」

    苗木「…」

    江ノ島「この世界には絶望しかない!絶望以外は存在しない!絶望以外は消し去ってやる!それが私達超高校級の絶望だよ!」

    苗木「…」

    江ノ島「さあオマエラ。こんな荒れきった世界に出たいのか!?全てが破壊され、荒らされ、汚れきった世界に行きたいのか!」

    全員「…」

    江ノ島「行きたいんなら勝手にしやがれ!誰も止めねーよ!誰を殺さなくても出れんだよ!まどーせすぐ死ぬけどな!」

    全員「…」

    江ノ島「…ったくめんどくせーな。このままだと全員立ち尽くすだけじゃねーか。っていうわけで…」

    江ノ島「ちょっとオマエラに投票してもらうよ」

    苗木「投票…?」

    江ノ島「そ。外に出るか…このまま学園の中で平和に暮らすか…ね」

    葉隠「そんなん…ここで暮らすに決まってるべ!」

    江ノ島「だよねー。だから、1つルールを設定するよ」
  35. 35 : : 2013/12/13(金) 00:13:45
    江ノ島「ここで暮らす方を1人でも選んだら、全員がここで暮らせる。逆に、外に出るには全員一致でなければならない」

    桑田「尚更ここで暮らす確率が高いじゃねえか…」

    江ノ島「最後まで聞きやがれ!!」

    桑田「はい…」

    江ノ島「ここで暮らす方を選んだ場合には、全員がのびのびと平和に、ずっとこの学園で過ごす事ができまーす」

    江ノ島「ただし…1人の生徒を犠牲に…ね」

    全員「犠牲!?」

    江ノ島「アーッハッハ!そうだよ!そしてその1人の生徒は…苗木!てめえだ!」

    苗木「え!?な…何で…!?」

    舞園「苗木君が何をしたって言うんですか!!」

    江ノ島「別に何もしてないよ?でも、苗木は私の唯一の不安要素なんだよねー。全員の前で暴露するのもなんなんだけど」

    戦刃「苗木君が幸運だから?」

    江ノ島「だからか分からないけど…とにかくだ!苗木!!お前が生き残る方法は、全員一致で外に出る事!!」
  36. 36 : : 2013/12/13(金) 18:54:31
    江ノ島「まあ外に出たら一瞬で死ぬけどな!」

    苗木「どっちにしても死ぬの!?」

    戦刃「…」

    江ノ島「その他大勢は、どっちにしても生きれるが、外に行ったら即死も同然。だから、苗木が生き残る方法はない!そして、おまえらは苗木を犠牲にすれば全員生きて自由にこの学園の中で暮らせんだよ!」

    江ノ島「そういうわけだから!はい投票開始するぞ!」

    桑田「ちょ!ちょっと待てよ!」

    山田「考える時間をくだされ!」

    江ノ島「残念!あげません!!」

    江ノ島「では、学校に残る場合は苗木に。外に出る場合は私に投票してください!投票タイムスタート!」

    苗木「みんな…!!」


    MONOKUMA VOTE

    ガーーーーーー…

    みんなの顔が描かれたルーレットが回る…

    ガーーーーーー……

    江ノ島「さあ…誰になるか…!」

    苗木「…」

    江ノ島(考える時間をあげちゃったら、みんな私に投票してきそうだし、考える時間さえなければ正当に苗木を…!)

    ガーーーーーー………

    戦刃「…」

    舞園「…」

    桑田「…」

    ガーーーーーー…………

    山田「…」

    十神「…」

    腐川「…」

    ガーーーーーー………

    霧切「…」

    大神「…」

    葉隠「…」

    ガーーーーーー……

    セレス「…」

    不二咲「…」

    朝日奈「…」

    ガーーーーーー…

    石丸「…」

    大和田「…」

    江ノ島「…」

    ガーーーーーー
  37. 37 : : 2013/12/13(金) 21:38:30
    江ノ島「…?」

    ガーーーーーー

    江ノ島「止まらない…?」

    ガーーーーーー

    江ノ島「!さてはおまえら!投票しなかったのか!?」

    苗木「正解っ」

    ガーーーーーー

    江ノ島「くっ…!てめえら全員おしおきしてやる!!」

    苗木「そんなの出来ないでしょ?」

    江ノ島「…チッ!」

    桑田「…本当に助かった…。苗木、どういうことだよ…」

    山田「投票しないと殺されるかと思いましたが…」

    苗木「それが罠だよ。意識したものかどうか分からないけど。江ノ島さんは、一度も「投票しなかったらおしおき」なんて言っていないんだ。縛られていない事なら何をしても構わないハズだ」

    江ノ島「くっそ…!私ってば人2倍くらいルールにはうるさすぎるからねー!だから、これにも逆らえないんだよね!」

    戦刃「…本当は世間に、ルール違反で勝った事を知らせたくないんだよね」

    苗木「え?」

    江ノ島「おい!」

    戦刃「…ごめん。口が滑った」

    江ノ島「後でおしおきすっから」

    戦刃「…」

    苗木「一体どういう事だよ?」

    江ノ島「…」

    苗木「江ノ島さん!」

    江ノ島「…はあ…。絶望的だわ…。お姉ちゃんの残念さがシナリオを大きく上回ってた…」

    江ノ島「わーったよ!私達の負けだよ!全部話してやるよ!」

    葉隠「開き直ったべ!」

    苗木「っていうか…潔いね…」

    戦刃「潔すぎると怪しまれるよ?」

    江ノ島「だーら余計な事言うんじゃねえっての!!」

    チャッ

    苗木「ッ!」

    苗木に銃を突きつけた。

    舞園「苗木君!!」

    江ノ島「分かってると思うが、誰かが動いたら苗木の頭が吹っ飛ぶぞ」

    苗木「…」

    江ノ島「もうルールとか関係無い。希望の象徴を…世界の唯一の希望を消してやる」

    苗木「え!?どのみち僕死ぬの!?」

    江ノ島「誰も最後まで何もしなければ、苗木はこっちの仲間に入れてやるよ」

    苗木「そんなの…!まだ死んだ方がマシだよ!」

    江ノ島「あらら。酷い言われようだわ…。私は結構傷ついたよ…」

    戦刃「盾子ちゃん…。計画は…」

    江ノ島「んなの関係あるか。希望を捨てきれない連中も、人類の希望が潰されれば折れるだろ」

    戦刃「果てしなく適当だね…。今までの準備は何だったの…」

    江ノ島「まあ私は飽きっぽいからね。それに、計画通りに行き過ぎるのも絶望的につまんないでしょ?」

    苗木「…君は本当に僕を撃ち殺すつもりなの?」

    江ノ島「できればそうしたくはないよ」

    舞園「じゃあ早く銃を下ろしてください!」

    江ノ島「できるワケないじゃん…!今から全てが最高の絶望を味わうんだからさ…!」

    苗木「は?」

    江ノ島「苗木を殺す事…。それは、ここに居る人達…それに、外にいる人達を絶望にたたき込む事を意味するんだよ」

    十神「一体…外の世界でなにが…」

    江ノ島「ふん。まあいいか。教えてあげるよ」

    江ノ島「人類史上最大最悪の絶望的事件の事を!」
  38. 38 : : 2013/12/14(土) 19:32:22


    苗木「…」

    全てを聞かされた…

    江ノ島「アーッハッハ!絶望したでしょ!」

    苗木「…ぃ…」

    江ノ島「ん?」

    苗木「しない…!僕達は絶望なんてしないんだ!!」

    江ノ島「…はあ。もう聞き飽きたよ」

    江ノ島「話すのにも飽きた。苗木。さよなら」

    苗木「…ッ!!」

    江ノ島は引き金を引いた。

    ガキン!

    苗木「…?」

    江ノ島「…ぷ…ぷぷぷ…!!アーッハッハ!騙された!元々弾入れてないんだよねー!!おもちゃ同然だよ!」

    苗木「…は?」

    江ノ島「元々おしおきで苗木を殺すつもりだったけど、回避されちゃってさ。それで、その瞬間…苗木が死ぬと思った瞬間、気付いたんだ。苗木が死んだら、私の完璧なシナリオを邪魔する奴がいなくなっちゃうんだよね!!」

    戦刃「盾子ちゃんは、自分の思い描くシナリオ通りに進む事がありすぎるから、それがつまらないらしいんだよ」

    江ノ島「だから、この銃の弾全て抜いておきましたー!!今は生かしておいてあげるから、精々私の邪魔をしてよね!」

    苗木「え…えっと…うん…」

    苗木(やっぱり江ノ島さんには敵わない…か)

    戦刃(…っていうか、盾子ちゃん…。苗木君を恐れて逃げた?…って、そんなわけないよね。自信過剰だし)
  39. 39 : : 2013/12/14(土) 20:58:38
    キーンコーンカーンコーン

    モノクマ『校内放送。夜10時になりました…』

    江ノ島「おっと。もうこんな時間かー」

    戦刃「…私達は何もしないから。みんな、安心して寝てきて」

    石丸「うむ!早寝早起きは基本だ!皆!今すぐ部屋に帰り、就寝しようではないか!」

    霧切「…そうね。今はそうしましょう」

    葉隠「だべ」

    みんなが情報処理室から出て行く…

    江ノ島「あ、そうだ。苗木」

    苗木「ん?」

    江ノ島「おしおきだ!」

    苗木「ええええ!?何で!?」

    江ノ島「まだミッションは続行中だ。女子に近づいた&話しかけたからおしおき!」

    苗木「まだ続いてたんだ!?」

    戦刃「…今回は諦めて」

    苗木「えええええ!!」

    江ノ島「おしおきターイム!!」


    【おしおきを開始します】

    【一本ノック】

    ビシュン!!

    どこからか野球ボールが飛んできた。

    カアアン!!

    それを江ノ島が打って…!

    ドカッッ!!!

    苗木に当たった!


    苗木「いっっっっったあああああああああ!!!」

    江ノ島「あっはっは!!いやーすっきりした!これからも、苗木がおしおきを受けるべき時が来たら、すぐに音と光で私に知らされて、遠慮無くおしおきを開始すっから!お楽しみに!」

    苗木「これ楽しめる人がいたらすごいよ!」

    江ノ島「あ」

    苗木「あ」

    ブー!ブー!

    サイレンが鳴り響き、赤いランプが点灯した。

    江ノ島「ってなわけでもう一丁!」

    苗木「えええええ!!」
  40. 40 : : 2013/12/14(土) 23:06:45
    翌日


    モノクマ『オマエラ!…』

    苗木「…はあ。まだ少し痛い…」


    食堂


    石丸「おはよう苗木君!」

    舞園「おはようございますっ。苗木君!」

    苗木「おはよー」

    どうやら、みんなに対して言うのはセーフらしい。

    十神「おい苗木。何故来た」

    十神が、恐らく苗木の部屋に持ってくる予定だった朝食を出した。

    苗木「いや、ミッションに怯えてずっと部屋にいるより、ミッションをこなしながら外で暮らした方がいいと思って」

    舞園「そうですよ!江ノ島さんの好きにさせちゃだめです!」

    葉隠「苗木っち!俺達と男の友情を深めるべ!」

    桑田「後でキャッチボールでもしようぜ!」

    苗木「ははは。うん」

    十神「ふん。死んでもしらんぞ」

    苗木「多分殺されないよ。江ノ島さんは、何だかんだで優しいところもあるし」

    江ノ島「苗木ーーーーーっ!」

    後ろから江ノ島が飛んできて、苗木に抱きついた。

    苗木「うわっ!?」

    舞園「ちょっと江ノ島さん!何してるんですか!!」

    ブー!ブー!

    赤いランプが点灯した。

    江ノ島「アーッハッハ!おしおきターイム!!」

    苗木「理不尽な!!」


    【おしおきを開始します】
  41. 41 : : 2013/12/14(土) 23:43:56
    【猛多亜最苦婁】

    苗木はバイクに縛り付けられ、そのまま発進した。

    そして、いろんな所を超スピードで走り回り、数秒後に急に止まった。


    舞園「苗木君!」

    舞園は、苗木を縛っているロープを解いた。

    江ノ島「あー何かちょっとスッキリした。さて、バイク片付けますか」

    十神「…たく。だから言ったものを…」

    葉隠「苗木っちーー!!」

    桑田「お前の事は忘れない…!」

    舞園「別に死んでないですよ!私、苗木君を保健室に連れて行きますね!」

    舞園は、目を回した苗木を連れて出て行った。

    霧切「…?」

    江ノ島「ん?あれ?」
  42. 42 : : 2013/12/15(日) 10:50:36
    保健室


    舞園「苗木君…大丈夫ですか…?」

    苗木「…」コク

    苗木は辛うじて頷けた。

    舞園「水持って来ましょうか?」

    再び苗木は頷いた。

    舞園「えーっと…水はどこに…」


    食堂


    霧切(おしおきが発動しない…?)

    江ノ島(故障…?もしくは…)

    2人(おしおき中からずっと近くに居れば引っかからない?)

    霧切(さっき舞園さんは、苗木君を繋いでいたロープを解き、そのまま保健室に連れて行ったし…)

    江ノ島(もしそうなら…舞園がずっっと苗木にくっつく事になる…。それはそれで面白そうだ!)

    霧切(もしそうなら、これは舞園さんに伝えておくべきね。…他の人達には知られずに。丁度今、みんな食堂に集まっているし…)

    江ノ島「じゃ、私は2人の様子でも見に行こうかな」

    霧切「あら奇遇ね。私もそう考えていたの」

    霧切(苗木君が江ノ島さんに近づかれてまたおしおきの可能性もあるしね)

    石丸「そうか?僕も行こうか?」

    2人「いやいい」

    石丸「…」

    江ノ島「霧切も来なくていいよ」

    霧切「いや、私は行くわよ」

    江ノ島「…まあいいか」

    2人は食堂を出た。
  43. 43 : : 2013/12/15(日) 11:20:52
    保健室


    苗木「ZZ…zz…」

    苗木はすっかり寝てしまった。

    舞園「…」

    舞園(今なら…)

    ガラッ!!

    江ノ島「苗木ーーーーーっ!!」

    江ノ島が苗木に飛びついた…!

    霧切「止めなさい」

    …が、霧切が江ノ島を止めた。

    舞園「あ、あら2人とも。どうしたんですか?」

    江ノ島「いやー。今回のミッション、初導入だったから、不具合もあるんだよね」

    舞園「不具合?」

    江ノ島「どうやら、おしおき中からずっと苗木の近くにいればセーフみたいなんだよ。一旦離れて近づくのはアウトだけど」

    舞園「え…?」

    江ノ島「まあそういうわけだから。後は好きにしなよ。ばいばーい」

    江ノ島は出て行った…

    舞園「す…好きにしなって…」

    霧切「…はあ…」

    霧切「まあそういうわけなのよ。苗木君を守ってあげてね。主に江ノ島さんから」

    舞園「はい!」

    霧切「じゃ、後は任せるわ」

    霧切も出て行った。

    ガラガラ…

    舞園「…」

    苗木「ZZzz…」

    舞園「…」

    舞園(今なら苗木君に…)

    舞園は顔を苗木に近づけた。


    食堂


    石丸「お、2人とも。苗木君はどうだったかね?」

    霧切「問題はないわ。今は舞園さんが看てくれてる」

    江ノ島「あれじゃあ苗木に近づけないなー。あーつまんない」

    セレス「あら?たしか、苗木君に近づいたら、音とランプで知らされるんですわね?」

    江ノ島「そういうわけだね」

    セレス「では、舞園さんだけが近くにいるのは危ないのではないでしょうか?」

    葉隠「そういえばそうだべ。じゃ俺が保健室で見張ってるべ」

    石丸「待て!風紀委員が見張るべきだ!」

    大和田「誰でもいいだろ」

    霧切「…いえ、見張りは舞園さんだけで十分よ」

    セレス「何故でしょう?」

    江ノ島「とにかく大丈夫なんだよ!全員、保健室に行くの禁止な!」
  44. 44 : : 2013/12/15(日) 12:53:11
    保健室


    苗木「ZZzz...」

    舞園「ZZzz...」


    食堂


    葉隠「まあ大丈夫ってんなら大丈夫だな」

    霧切「ええ。保健室には苗木君という名の病人が居るから行かないこと。それ以外なら自由よ」

    江ノ島「んじゃ解散。私は情報処理室のドアを直さなきゃなんないし」

    大神「…すまないな。我も手伝おう」

    大和田「あ、俺も手伝うぞ」

    3人は出て行った。

    葉隠「桑田っち。野球でもするべ」

    桑田「そうだな。んじゃ植物庭園にでも行くか」

    次々と、食堂から出て行く。

    霧切(江ノ島さん危険だし…保健室の前で見張っていようかしら…)
  45. 45 : : 2013/12/15(日) 15:51:59
    保健室


    苗木「ZZzz……ん…?」

    目が覚めた。

    苗木「保健室…?…ああそうか…舞園さんに運ばれて…」

    …その舞園さんが、ベッドの横の椅子でベッドに倒れて寝ていた。

    苗木「…」

    舞園さんを起こさないように起きる。

    苗木「ふう…。…あれ、そういえば何でおしおきが発動しないんだろう…?」

    現に今、舞園さんの近くに居る。

    モノクマ「お目覚めですか!」

    苗木「うわ!モノクマ!?」

    モノクマ「安心してよ。ボク自身は男って設定だから、誰が操作してもボクは苗木君に近づいて大丈夫なんだよ」

    苗木「いや…そこで驚いてるんじゃないけどね…。って、わざわざそう言うって事は、やっぱり君は江ノ島さんなの?少なくとも女子だよね?」

    モノクマ「正解!中々の探偵っぷりですね!」

    苗木「いや…普通に分かる事じゃん。…で、何か用なの?」

    モノクマ「ちょっと冷たいっ!舞園さんと2人きりの時間を削られて不服ですか?」

    苗木「そういうわけじゃないけど…」

    モノクマ「まあとっとと済ませるよ。今おしおきが発動しない理由。(略)というわけですよ」

    苗木「ふうん。わざわざそれを知らせてくれるなんて、何か企んでいるの?」

    モノクマ「いやいや!ボクの優しさですぞ?」

    苗木「…逆に怪しいんだよ…」

    モノクマ「まあそういうわけだから!じゃあ後はお好きなように!あ、ちなみに参考程度まで言うと、半径1M程度が近づいた判定だから!」

    苗木「上下するの?」

    モノクマ「まあ偶に。時と場合によって変化することがあるかもしれませんね。じゃあまったねー!」

    モノクマは去った。

    苗木「…」


    モノクマ操作室


    大神「何を考えておるのだ?」

    江ノ島「だから私様の優しさよ。私様の心は太平洋より広いのよ!」

    大和田(嘘くせーな。どうせ何か企んでんだろ)

    江ノ島(一旦できるだけ2人をくっつけて、その後に2人を切り離せば、かなり大きな絶望になるハズ!うぷぷ…!)
  46. 46 : : 2013/12/15(日) 17:45:16
    保健室


    舞園「ZZzz…ん…?…あれ…?」

    いつの間にか寝ていたようだ。

    苗木「あ、起きた」(独り言)

    舞園「苗木…君?」

    苗木君は頷いた。

    そういえば話せないんだっけ。

    苗木「…不具合…か」

    舞園「不具合?ああ、おしおき中からずっと近くにいれば大丈夫なんでしたね」

    苗木「え?知って…」コク

    何か言いかけて、慌てて頷いた。

    …どうやら言いかけならセーフ…なのかな?

    苗木「さてと…。これから食堂に行こうかな…」

    そう言いながら苗木君は立ち上がった。

    舞園(…あ。そういえば、朝ご飯もまだ食べていなかった…)

    ぐ〜…

    急に思い出したように、お腹が鳴った。

    舞園「…何か食べに行きましょうか」

    苗木「…」コク

    苗木君は頷いた。

    舞園(そういえば、私が起きる前から苗木君は起きてた…。それなのに行かなかったのは…)

    ガラッ


    廊下


    霧切「あら」

    苗木「ッ!」

    苗木君はすぐさま飛び退いた。

    舞園「…あ、霧切さんは近づけないんでしたね」

    霧切「…だからわざわざ遠くに居たのに」

    苗木「…」

    苗木君は、手を目の前で合わせて頭を下げた。

    舞園「…謝ってるみたいですね」

    霧切「…いいから食堂に行ってきなさい」

    苗木「…」コク

    苗木君は歩き出した。

    舞園「…」

    苗木(舞園さんから1M離れてなくてよかった…)
  47. 47 : : 2013/12/15(日) 22:04:59
    食堂


    戦刃「…こんにちは」

    舞園「戦刃さん。こんにちはっ」

    苗木「…」

    苗木は頭を下げた。

    舞園「私達、朝から何も食べてないんですよ…」

    戦刃「…あなたたちの分は冷蔵庫にあるハズだよ。」

    舞園「そうですか。分かりました」

    戦刃「…レーション、食べる?」

    舞園「あ…えっと、いただきますね」

    舞園は苗木の分も貰って渡した。

    戦刃「…もうすぐ昼だし、少し待ってみんなと食べたら?」

    舞園「うーん…。いえ、むしろ大勢集まると苗木君が危険ですし…」

    苗木「…」

    戦刃「そう。…って舞園さん。あなたは苗木君と離れないんだね」

    舞園「ま…まあ、江ノ島さんが危険ですしね!」

    戦刃「…そうだね」

    舞園と苗木は、朝食兼早い昼食を食べ、みんなが来る前に食堂を出た。

    戦刃(…盾子ちゃんは何を考えてるんだろう…)
  48. 48 : : 2013/12/15(日) 23:38:49
    情報処理室


    江ノ島「残念何も考えてませーん!」

    大和田「何かしら企んでるだろ…。絶対」

    大神「大和田よ。ペンキを取ってくれ」

    大和田「あ?ほいよ」

    江ノ島「いやーそれにしてもあの2人、良い感じにくっついてきたわー。そろそろ動いたろかなー」

    大和田「っつか江ノ島も直せよ!本来こっちが手伝う方だぞ!メインとサブのポジション逆になってんぞ!」

    江ノ島「私は他の奴らを監視しなきゃなんないからー」

    大和田「めんどくせーだけだろ」

    大神「大和田よ。江ノ島に言って聞き入れると思うか?」

    大和田「全く思わねえ」

    大神「ならば口より手を動かせ。早めに終わらせようぞ」

    大和田「そうだな。とっとと終わらせて昼食でも食べに行くか」

    江ノ島「そーだぞー。頑張れー」

    大和田「てめえ。少し黙れ」


    植物庭園


    桑田「そら!」

    ビシュン!

    葉隠「ほっ!」

    カキイン!

    桑田「おーっ上手くなったなー!」

    葉隠「へへっ」

    スポッ

    2人「あ」

    モノクマフラワーの中に入った。

    桑田「…そろそろ昼食でも食べに行くか」

    葉隠「…そうすんべ…」


    1F廊下


    苗木『だからもう一回くらいおしおきされてもいいから!』

    舞園「駄目です!絶対!」

    苗木『ならどうするの!?』

    舞園「行かないでください!」

    苗木『むりだって!!』

    苗木は、紙に字を書いて相手に伝える事にした。

    苗木『早く行かなきゃ!』

    舞園「駄目ですよ!だって…!…江ノ島さんが危険ですから!」

    苗木『危険でも行くしかないんだ!前に進むしかないんだ!』

    舞園「うう…!」

    苗木『ちょ!ごめん!そろそろ限界!』

    舞園「ええっ!?」

    苗木『トイレに行かせてよ!!』

    舞園「でも…!1M以上離れたら…!!」

    苗木「あ、そうだ。モノクマ!」

    モノクマ「うん?急にどうしたのさ。オマエラ専用トイレでも造ってほしいの?」

    舞園「はい!大至急!」

    苗木「違うよ!えっとさ、舞園さんは半径1M以上離れたら駄目なんでしょ?」

    モノクマ「駄目じゃないけど駄目だね」

    苗木「それって、壁貫通するの?」

    モノクマ「うーん…考えてなかった…。まあ今回はとりあえずOKで。めんどくさいし。じゃあねー!」

    モノクマは去った。

    舞園「あ!つまり、私が女子トイレに入ればいいんですね!?」

    苗木は頷いた。
  49. 49 : : 2013/12/16(月) 00:10:05
    男子トイレ


    苗木「…はあ…」

    …舞園さん、どうしたんだろう…。

    心配してくれているのはありがたいんだけど…

    それに、僕も舞園さんの近くに居られて幸せなんだけど…

    …舞園さん、何かあったのかな…

    あんなに気に掛けてくれるなんて…

    苗木「…」

    苗木「おーい!舞園さーん!出るよー!」

    壁の向こうで何か音がした。


    廊下


    舞園「…」

    苗木「…」

    そっと…少しずつ近づく…

    2人「…」

    …そして、ある程度近づいたらハイタッチした。

    舞園「…ふう。良かった。どうやらセーフだったようですね!」

    苗木は頷いた。

    舞園「江ノ島さんから守る為ですっ!」

    苗木は再び頷いた。

    そして苗木は、何かに気付いたような顔をすると、常備し始めた紙とペンを持って書いた。

    苗木『でも、寝る時とか風呂とかは離れなきゃならないよね』

    舞園「そうですよね…。さすがに…」

    苗木は少しホッとした。

    苗木(…って、ホッとしたって事は、僕は少しでもこの場合も一緒だと思っていたのか!?)

    舞園「一日経つごとに苗木君がおしおきされるなんて嫌ですし…」

    苗木(…やっぱり、舞園さんとは一緒に居られないんだなあ…。今回は運が良かったんだ。元々不具合だったんだし…)
  50. 50 : : 2013/12/16(月) 00:52:07
    …とりあえず、今晩は風呂に入らず同じ部屋で寝る事になった。

    苗木『って何で!?』

    …苗木は喋れないので、意見はほぼ全て無視されてしまった結果だ。

    舞園「とりあえずですよ。また明日考えます」

    苗木『とりあえずでとる行動じゃないよね!?明らかに!』

    舞園「だって、油断してると江ノ島さんに突撃されておしおきされちゃいますよ?」

    苗木(江ノ島さんを危険視しすぎじゃないかなあ…。でも、江ノ島さんをほっとくワケにもいかないってのがなあ…)

    舞園「まあ今日はあまり汗かいてませんし。1日くらいお風呂に入らなくても大丈夫でしょう」

    苗木(アイドルの台詞じゃないよな…)

    舞園「それに、別に私は苗木君と一緒に寝ても気にしませんから」

    苗木(だからそれアイドルの台詞じゃないって)

    苗木『一緒の部屋で。じゃないの?』

    舞園「ああそうでしたね」

    苗木(…一体何なんだろう…。何か…舞園さんって最初からこんなに世話好きな人だったっけ…?僕は嬉しいけど…)

    桑田「あれ、苗木に舞園。何してんだ?」

    学園から、桑田と葉隠が現れた。

    葉隠「昼食食べないんか?」

    舞園「あ、私達はもう食べました」

    苗木「僕が保健室で眼を覚ましたのがさっきで、朝ご飯もまだだったから。昼食兼ねてさっき食べたんだ」

    桑田「へえ。でもそんな早く食ってもつのか?」

    舞園「…まあ、苗木君が大勢の人が居る場所に行くのは危険ですから。特に江ノ島さんが」

    江ノ島「全くもう。人を危険物みたいに」

    …いつのまにか近くに江ノ島がいた。

    舞園&苗木「ッ!」

    2人は素早く飛び退いた。

    江ノ島「…マジで人を危険物みたいに…」

    舞園「実際そうじゃないですか!」

    霧切「江ノ島さん。早く食堂に行きましょうね」

    霧切が江ノ島を食堂へ引っ張っていった。

    霧切「じゃあね。ほら2人とも。早く入りなさい」

    桑田「おう」

    葉隠「あー腹減った」

    舞園「まあ、またお腹空いたら少し何か食べに来ましょうか」

    苗木は頷いた。
  51. 51 : : 2013/12/16(月) 18:02:16
    食堂


    江ノ島「桑田ー」

    桑田「ん?」

    江ノ島「今日舞園と苗木が一緒に寝るってさ」

    全員「!!!!???」

    桑田「苗木と…!!舞園ちゃんが!!!???」

    江ノ島「落ち着け。落ち着かせる気無いけど」

    葉隠「…まあいいんじゃね?」

    山田「そうですな」

    セレス「あら。てっきり発狂するかと思いましたが、意外と素直に受け入れていますわね」

    桑田「そ…そうか…。…ああそうだな…うん…。…まあ…いいんだよな…うん」

    霧切(…異常に物分かりが良いわね)

    十神(ま、苗木と舞園が仲良くなるきっかけにはなるな)

    大和田(苗木、頑張れよ)

    江ノ島「なんだー?男子共、何か企んでいるのかー?」

    石丸「何も企んでなど…いない…ぞ…!」

    江ノ島「まー監視カメラで見てたから知ってっけど」

    戦刃「え?何なの?」

    江ノ島「教えなーい」

    朝日奈「ええー。まさか、あの2人をくっつけようとしてるとか?」

    男子&江ノ島(鋭いっ!)
  52. 52 : : 2013/12/16(月) 21:10:28


    苗木部屋


    苗木「…」

    舞園「ZZzz…」

    苗木(なんでこんなことに…)


    数分前


    苗木『で、本当に僕の部屋で寝るつもりなの?』

    舞園「勿論です!江ノ島さんはマスターキーを持っているんですから、寝ている間も油断できません!」

    苗木『分かった。じゃ僕は床で寝るね』

    舞園「え?何でですか?」

    苗木『逆に聞きたいよ』

    舞園「ここは苗木君の部屋ですから。苗木君がベッドを使うのは当たり前じゃないですか」

    苗木『でも、舞園さんが床で寝るのは…』

    舞園「うーん…私は別に大丈夫ですけど…。じゃあ、2人ともベッドで寝ましょうか!」

    苗木「!?」

    舞園「その方が1M離れる心配が減りますし!ね!」

    苗木『もう少し警戒心を持とうよ』

    舞園「え?苗木君は、寝てる私に何かするつもりなんですか?」

    苗木は音がするほど勢いよく首を振った。

    舞園「なら大丈夫ですね。私は苗木君を信用しています!」

    苗木「…」

    苗木(悪い気はしない…けど)

    キーンコーンカーンコーン

    モノクマ『夜10時になりました…』

    舞園「というわけで、そろそろ寝ましょうか」

    苗木は少し考えてから、ゆっくり頷いた。





    苗木(…)

    舞園「ZZzz...」

    苗木(…ま、いっか。)

    苗木(おやすみ…)

  53. 53 : : 2013/12/17(火) 18:46:24
    翌日


    モノクマ『オマエラ!…』

    苗木「…朝か…」

    苗木「…あれ?」

    舞園さんが居なかった…

    苗木「舞園さん…?」


    食堂


    苗木「…」

    食堂にもいない…

    石丸「おーい!苗木君!」

    苗木「…え!?え!?何?!」

    大和田「何ボーッとしてんだよ。さっきからずっと呼んでんだぞ」

    苗木「ああ…うん。ごめん」

    苗木「…大和田クン。…舞園さん知らない?」

    大和田「舞園?」

    桑田「一緒に寝たんじゃねえのか!!」

    苗木「こ…声でかいね…。何かあったの…?」

    桑田「別にー!…で、舞園ちゃんがどうかしたのか?」

    苗木「う…うん。朝起きたら舞園さんが居なかったんだ。昨晩は一緒だったハズなんだけど…」

    山田「ちょっとした用事なのでは?」

    苗木「…うん…そうだね」

    苗木(そうだ。誰かの部屋に何か用があったとか、トイレとか、そんな小さな事だろう。気にしすぎなんだ)

    苗木「…ってあれ?…改めて見回すと…女子が誰一人居ないね」

    葉隠「逆に男子は全員居っけどな!」

    十神「皆勤賞だった者まで全員居ないとなると、何かあったな」

    山田「何かあった…と言いますと?」

    十神「知らん。女共だけで何か話でもしてるんじゃないのか」

    葉隠「そうだな!気にする事ないべ!」

    十神「腐川が消えて、むしろ俺は清々しいな」

    桑田「じゃ、先に朝飯食っとくか」

    石丸「むう…。欠席は許せんが…まあ仕方ないか…」

    大和田「ま、女は色々あんだろ。よっしゃ朝飯食おうぜ兄弟!」

    苗木(…うん。そうだよな…。殺人とか一瞬考えたけど…女子全員なんだし…。そんなわけないよな…)

    葉隠「まあ苗木っちも安心じゃねえか!おしおき受ける心配なくてよ!」

    苗木「う…うん。そうだね」

    そうして僕らは、男達で楽しく朝ご飯を食べた。

    …珍しく十神クンも混じっていた。
  54. 54 : : 2013/12/17(火) 22:25:58
    舞園部屋


    …舞園の部屋には、眠そうな女子達が集まっていた。

    セレス「…こんな朝早く起こすなんて、何事ですの?」

    舞園(はあ…何でこんな事で苗木君と離れなきゃならないんですか…)

    大神「我らを呼んだのは江ノ島であったな?」

    霧切「ええ」

    舞園「…一体何のご用でしょうか?」

    朝日奈「きっと、苗木と舞園ちゃんをくっつける為の作戦会議だよ!」

    セレス「…はあ。馬鹿以外何者でもありませんわね」

    不二咲(…何で僕も居るんだろう…。江ノ島さんは僕が男だって知っているハズなのに…)

    腐川(白夜様と居たいのに…!!)

    霧切「…それにしても江ノ島さん遅いわね」

    朝日奈「石丸じゃなくても遅刻は駄目だよね!」

    大神「しかも江ノ島は主催者だ」

    セレス「もう食堂にいるのでは?」

    戦刃「私達を呼んでおいて先に行くのはない………と思うよ」

    朝日奈「大変だ!全然説得力がないよ!」

    腐川「もう私達も食堂に行きましょうよ…!」

    腐川(白夜様に会いたいだけなのに…!!)

    霧切「…でも、江ノ島さんの言うことには無闇に逆らわない方がいいわ…」

    舞園「…はあ…」

    ぐ〜

    朝日奈「お腹空いた〜…」

    セレス「起きた直後ですものね」


    食堂


    ズガシャーン!!

    桑田「おらあ!」

    フォークを本気で投げた!

    ピシュン!

    パシッ!

    人差し指と中指だけで取った!

    江ノ島「ハッ!甘い甘い!どら焼きよりも甘すぎる!」

    山田「ふん!」

    椅子を投げつけた!

    江ノ島「よっ」

    バキイ!!

    蹴り飛ばした!

    江ノ島「ったく!邪魔すんな!」

    苗木「ごめんみんな!全力で邪魔して!!」

    大和田「おう!任せろ!」

    石丸「早く逃げたまえ!捕まるぞ!」

    苗木「う、うん!ありがとう!」

    苗木は、江ノ島に捕まらないように逃げた。

    江ノ島「あ!くっそ!待て!」

    葉隠「隙あり!模擬刀の先制攻撃だべ!」

    江ノ島「うっさい!」

    ガッ!

    振り下ろされる模擬刀を、片足を上げて止めた!

    葉隠「なっ…!」

    江ノ島「へっ!」

    葉隠(パンツ…)

    江ノ島「見たいんならいくらでも見せてやんよ!っと!」

    ドカッ!

    もう片方の足で、葉隠を蹴り飛ばして見事に着地。

    葉隠「うぎゃああ!」

    ドシャア!

    ふっ飛ばされ、椅子がいくつか壊れた。

    江ノ島「どけえてめえら!」

    入り口に居る大和田と石丸に向かって走る!

    大和田「来るぞ…!」

    石丸「恐れるなっ!僕達は最強の兄弟だ!」

    大和田「そうだな!行くぜええ!」

    ドガ!ズガ!ドドド!バキ!ドカ!

    石丸「ぐは…!」

    大和田「ぅぐ…!」

    江ノ島「あんたらが相手になるわけないっしょーが」

    大和田「まだ…だ!」

    正拳突きを受け流し、カウンター!

    バシ!

    大和田「うが…!!」

    江ノ島「先に行くよ」

    ガチャ

    大和田を越え、食堂の扉を開けて江ノ島は出て行った。

    大和田「に…逃げろ…苗木…!」

    葉隠「十神っち…頼んだべ…!」
  55. 55 : : 2013/12/19(木) 16:51:35
    廊下


    苗木「…で、どうするの…」

    十神「…苗木。お前、朝飯食ったか?」

    苗木「え?うん」

    十神「なら食堂に戻る必要もないな。それに今は監視カメラが使われていない。江ノ島が情報処理室に行かない限り大丈夫だ」

    苗木「でも、戦刃さんらへんが助けたり…」

    十神「ないな」

    苗木「え?何で?」

    十神「理由は2つ。江ノ島以外の女子が、お前が本気で嫌がる事をするとは思えない」

    苗木「何で?戦刃さんとか…」

    十神「もう一つ。女子共はある場所に集合している」

    苗木「ある場所?」

    十神「言う必要もないが、まあぶっちゃけるなら舞園の部屋だ」

    苗木「なんで?」

    十神「うるさい。ちょっとは自分で考えろ」

    苗木「いや無理だって」

    江ノ島「苗木ーーーー!!どーこーだーー!!!」

    苗木「…」

    十神「まあここなら見つからん。部屋の中に閉じこもっても、部屋を開けられてしまうから意味無いしな」

    ガチャ

    江ノ島「あれ、部屋にもいないか」

    苗木「…」

    江ノ島「チッ。苗木ー!出て来ないとお前の部屋を荒らすぞ!」

    苗木(うわっ!なんて嫌がらせ!!)

    江ノ島「ここに女子の写真とか私物とかばらまいて女子共をここに呼んでやろうかー!」

    苗木(ちょ!!やめて!変態扱いされる!!)

    十神(…耐えろ)

    江ノ島「…チッ。ここまで言っても出て来ねーか。しゃーない」

    苗木(…)

    江ノ島「じゃ呼んでこよ。すぐそこだし」

    ガチャ

    …出て行く音がした


    ガチャ

    苗木「早く回収しなきゃ!」

    僕はすぐさま飛び出した。

    十神「お、おい苗木!待て!」

    江ノ島「釣れたっ!」

    苗木「うわ!」

    男子トイレから出てきて、僕の部屋に向かうところで廊下に居た江ノ島さんに見つかった!

    十神「やはり罠か!」

    江ノ島「まーね。大声で言っておけば、苗木は回収に来ると思ったよ」

    苗木「まんまと引っ掛かった…」

    十神「…苗木」

    苗木「…ん?」

    十神「…走れ!」

    そういった直後、十神は苗木を誰も居ない方向へ突き飛ばした。

    苗木「わ!」

    江ノ島「逃がすか!」

    江ノ島も走り出した!

    十神「フッ」

    ベチャ

    江ノ島「…!?な…?!」

    数歩走ったところで、江ノ島の足は動かなくなった。

    十神「超強力瞬間接着剤だ。苗木はこれを塗ってある場所を知っている」

    苗木は、右に左に避けながら、走り去った。

    江ノ島「くっ!」
  56. 56 : : 2013/12/19(木) 17:35:15
    苗木部屋


    苗木「ふう…。回収回収っと」

    …僕の部屋には、女子達の写真とか私物とかが散乱していた。

    苗木「…っていうか江ノ島さんはどうやって入手したんだよ…」

    全部集め終わった。

    苗木「…けど…これどうしよう…。ランドリーにでも置いておこうかな…」

    ガチャ

    舞園「江ノ島さ…」

    苗木「…あ」

    舞園「…」

    苗木「…」

    今僕は、女子達の写真とか私物を手に持っている

    舞園「…失礼しました」

    ガチャ

    苗木「…あ!ちょ!舞園さん!」

    ブー!ブー!

    苗木「あああ!!?」

    ガチャ

    江ノ島「アーッハッハ!おしおきターイム!」

    苗木「ちょっ!?どうやって抜け出して…!」

    苗木「…」

    江ノ島さんは靴を履いてなかった。

    江ノ島「…視線上げろ」

    苗木「誤解されるようなこと言わないでよ。っていうか十神クンは?」

    江ノ島「ボコった」

    苗木「…ああ…」

    江ノ島「おしおきターイム」

    苗木「…ぁぁあああぁぁ…」


    【おしおきを開始します】
  57. 57 : : 2013/12/20(金) 17:48:00
    舞園部屋


    ガチャ

    舞園「…はあ…」

    朝日奈「あ、どうだった?」

    舞園「…江ノ島さんじゃなくて苗木君が居ました…」

    セレス「…さっきの警報はそれですか…」

    霧切「…江ノ島さんの仕業ね。2人とも苗木君の部屋に呼んだのよ」

    舞園「…」

    セレス「…元気がありませんわね?」

    大神「舞園よ。苗木がおしおきされたのは自分のせいだと責めているのではなかろうな?」

    舞園「…」

    霧切「悪いのは全部江ノ島さんよ。気にしない…ってのは無理かもしれないけど、自分を責めないようにね」

    舞園「…はい…」

    舞園(…それもそうだけど…私達の写真とかを持ってたのは一体…。苗木君が変態だったとは考えにくいし…)


    ズドオオオン!!

    苗木「うわああ!!」

    消防車が棒に突っ込み、棒に縛り付けられたまま火あぶりされていた苗木は、落ちた。

    江ノ島「エクストリームッ!あと何回おしおきできるかなー♪」

    苗木「いてて…。そういえば、なんで殺さないの?」

    苗木はまだ縛られている状態なので、おしおき続行中設定。

    江ノ島「いたぶる為だよ」

    苗木「は?」

    江ノ島「殺したらそれで終わりじゃない!あなたに、何度も何度も絶望を味わってもらうのよ!」

    苗木「…」

    江ノ島「じゃ!まったねー!」

    江ノ島は去った。

    苗木「…あ。ちょっと!江ノ島さん!?縄解いて!!」

    江ノ島「…」

    苗木「…」

    江ノ島は嫌な笑いをした。

    苗木(嫌な予感しかしない…)

    江ノ島「解いてあげるから、そのかわり…」
  58. 58 : : 2013/12/20(金) 18:59:03
    舞園部屋


    ガチャ

    江ノ島「悪い悪い」

    舞園「遅いですよ!」

    セレス「全く。主催者が一番遅いとは…」

    朝日奈「お腹空いたよ〜…。こんなに遅れるんなら先にご飯食べてくればよかった〜…」

    大神「…とにかく早く用件を」

    江ノ島「わーったよ。っつか別に朝飯食ってきてもよかったのに」

    戦刃「盾子ちゃんがすぐに集まれって言うから…」

    江ノ島「そんなこと言ったっけ?」

    朝日奈「言ったよ!」

    江ノ島「『朝ご飯食ってから』を伝え忘れたわ」

    セレス「明らかにわざとですわね」

    霧切「…いいから早く用件を言ってくれないかしら」

    江ノ島「あーはいはい。まぶっちゃけ言うと、苗木の事なんだけどさ?」

    舞園「…苗木君が…どうしたんですか?」

    江ノ島「…いや、やっぱ止めとこう。解散」

    全員「ぉぉぉぉおおおおおおおおおい!?!?」

    朝日奈「あんまりだよ!!あんまりだよ!!朝ご飯我慢してずっと待ってたのにそれ!?」

    セレス「…どうでもいい話でもいいからしてくれません?」

    江ノ島「今朝靴無くした」

    霧切「果てしなくどうでもいい話ね。…本当に靴履いてないし」

    江ノ島「舞園。行こに矢へ野ぎえなぐす舞」

    舞園「…は??」

    江ノ島「んじゃ」

    バタンッ

    …ドアが閉まった。

    全員「…」

    セレス「…何だったんですの?」

    大神「…本当に終わりのようだな」

    朝日奈「じゃあ食堂行こ!」

    不二咲「…最後の言葉…一体何だったんだろう…」

    みんなが部屋から出て行く。

    霧切「舞園さん」

    舞園「はい?」

    霧切「さっきの最後の言葉の意味だけど…」
  59. 59 : : 2013/12/20(金) 19:44:22
    苗木部屋


    ガチャ

    江ノ島「おっ。来たね。舞園」

    舞園「何の用です…か…!?」

    苗木「…」

    苗木は縛られたまま、江ノ島の膝の上で寝ていた。

    舞園「苗木君?!」

    江ノ島「別にここは苗木の部屋なんだし。居ても不思議じゃないっしょ?」

    舞園「いやいや!どう見ても不自然じゃないですか!」

    江ノ島「まあ今は苗木はどうでもいいんだ。それにしても、よくさっきの言葉がすぐに意味分かったね?」

    舞園「霧切さんが教えてくれました」

    舞園「行こに矢へ野ぎえなぐす舞…でしたね。全て平仮名にすると「いこにやへのぎえなぐすまい」更に逆から読むと」

    江ノ島「今すぐ苗木の部屋に来い…。速効で分かったのは正直驚いたよ。聞き取れない事もあるしね」

    舞園「…で、用件は何でしょう?」

    江ノ島「あははー。せっかちだなあ。まあいいや」

    江ノ島「舞園、見たでしょ?さっきこの部屋で苗木を」

    舞園「ッ!」

    江ノ島「で、苗木は何を持ってた?」

    舞園「…」

    江ノ島「知ってるハズだよね?苗木が何を持っていたか」

    舞園「知りません…よ…」

    江ノ島「それは違うよ!なんてね!」

    舞園「…誰の真似ですか」

    江ノ島「誰でもいいじゃん。で、あんたは苗木が何を持っていたか、知っている。そうでしょ?」

    舞園「…違う…。あれは何かの間違いです!」

    江ノ島「あんたは苗木の何を知ってるつもり?」

    江ノ島「中学が同じだからって、最近苗木と仲が良いからって、それで苗木の事を知ってるつもりなの?」

    舞園「そ…れは…」

    江ノ島「実は苗木には好きな人が居たりするんだけど、誰の事か分かるの?」

    舞園「わ…分かり…ま…す……よ…」

    江ノ島「ふーん。分かってるつもりなんだ?」

    舞園「つもりなんかじゃ!あり…ません…!」

    江ノ島「苗木が既に誰かに告白したのに?」

    舞園「…」

    舞園「…」

    舞園「…え…?」
  60. 60 : : 2013/12/20(金) 20:49:05
    舞園「…う…嘘…」

    江ノ島「スイッチオン」

    カチ

    江ノ島は、隠し持っていた録音機を再生した

    苗木『好きだよ。江ノ島さん』

    舞園「…ッ!!」

    江ノ島「ね?」

    舞園「そ…そんなの…!!」

    江ノ島「あとこれさ、編集できないんだよね。古いタイプで。あーやだやだ古いのって。音声偽装できないもん」

    舞園「そ…そんな…!!」

    舞園「苗木…君は…!」

    江ノ島「もう一回」

    舞園「や…!止め…!」

    苗木『好きだよ。江ノ島さん』

    舞園「…う…ぅ…や…止めて…!」

    苗木『好きだよ。江ノ島さん』

    江ノ島「何度でも流してあげるよ?苗木の声。あんたが長い間聞いてなかった苗木の声」

    舞園「止めて!!」

    苗木『好きだよ。江ノ島さん』

    苗木『好きだよ。江ノ島さん』

    好きだよ。江ノ島さん好きだよ。江ノ島さん好きだよ。江ノ島さん好きだよ。江ノ島さん

    舞園「止めて止めて止めて止めて止めて止めて止めて止めて止めて止めて止めて!!」

    江ノ島「苗木の事分かってんじゃなかったの?」

    舞園「こんなの偽物です!!苗木君は…!!苗木君…は!!」

    江ノ島「あんたが部屋で苗木の本当の一面を少し見たんじゃない?」

    舞園「違う…!違う…!違う違う違う!!」

    江ノ島「分かってるって言っておきながら、本当は苗木の事を何も分かってないんじゃないの?」

    江ノ島「苗木もさ、舞園さんと一緒にいるのは嫌だって言ってたんだよ?」

    舞園「…ッ!!」

    舞園「そ…そんな…」

    舞園「嘘…」

    舞園「嘘に…決まって…」

    江ノ島「聞いてみる?苗木の本音を」

    舞園「止め…て…!!」

    江ノ島「まあ聞かせても意味ないか。で、あんたはまだ苗木の事を知っているって言い張れる?」

    舞園「…」

    江ノ島「私の苗木にもう近づかないでよ」

    舞園「…そ…んな…」

    江ノ島「さてと。これで話は終わりだよ」

    江ノ島は立ち上がった。

    江ノ島「さようなら」

    ガチャ

    江ノ島は出て行った。

    …苗木を連れて。

    舞園「…」

    舞園「…」

    舞園「…」
  61. 61 : : 2013/12/21(土) 00:56:19
    数分前


    苗木「な…何?そのかわり…て。嫌な予感しかしないんだけど…」

    江ノ島「失礼な」

    苗木「だって仕方ないじゃん。…で、何なの?」

    江ノ島「私の事好きって言ってほしいんだ」

    苗木「はあ!?」

    江ノ島「別にいいじゃん!減るもんじゃないし!嘘でもいいから言ってよ!そうすれば解放するから!」

    苗木「…はあ。分かったよ」

    苗木「好きだよ。江ノ島さん」

    江ノ島「よっ」

    苗木「わ!…」

    苗木の顔にハンカチが当てられ、そして苗木は眠った。

    江ノ島「じゃ、少し寝ててね…。強力な睡眠薬だし、しばらく起きられないと思うけど」

    江ノ島「さてと。絶望タイム!」


    苗木「…う…ん?」

    苗木「…あれ…?ここ…は?」

    僕の部屋…?…ではないな…

    誰の部屋なんだ?

    苗木「いつっ。…まだ縛られてるのか…」

    長い間縛られているせいか、痛みが襲ってきた。

    苗木「…っていうか、言ったのに解放してないじゃないか…」

    …まあ江ノ島さんに期待するだけ無駄か…

    苗木「よっ…と」

    僕はベッドで寝てたようなので、両手が使えない状態で頑張ってベッドに座った。

    苗木「…鍵開いてるかな…。…開いてても扉が開けられないけど」

    ガチャ

    苗木「っ!」

    江ノ島「ん?苗木。起きたんだ」

    江ノ島さんが入ってきた。

    苗木「うん…。っていうかまさかここ、江ノ島さんの部屋?」

    江ノ島「そだよ。苗木の部屋開けられないし」

    苗木「マスターキー持ってるくせに…」

    江ノ島「細かい事は気にしなーい」

    苗木「…とにかく、早く縄解いてよ。ちゃんと言ったじゃん」

    江ノ島「いいけどいいの?」

    苗木「…え?」

    江ノ島「あんたのミッションの事、忘れたの?」

    苗木「あ」

    江ノ島「あー大丈夫大丈夫。今なら何してもおしおきされないから」

    苗木「え?何で?」

    江ノ島「まだおしおき続行中なんだよ」

    苗木「ええ?!まだ何かするつもり!?」

    江ノ島「違う違う。今回のおしおきは、縄を解いて終了なんだ。だから、縄を解かなきゃいつまでもおしおきは続くよ」

    苗木「あ、そうか。おしおき中はミッションが中断されるから…!」

    江ノ島「そういうこと」

    江ノ島「舞園に会いたい?」

    苗木「な…!何で知ってるの!?僕が舞園さんを…!」

    江ノ島「バレバレだっちゅーの。でもさ、今舞園に会ったら後悔するかもよ?」

    苗木「な…何でだよ…」

    江ノ島「今絶賛絶望中なんだよね」
  62. 62 : : 2013/12/21(土) 12:59:01
    舞園「…」


    苗木「舞園さんが…絶望中…?」

    江ノ島「そう。ほっといたら『超高校級の絶望』になりそうな勢いだよ」

    苗木「な…!?」

    江ノ島「まあ行きたければ行けばいいよ」

    ザシュッ

    苗木「ッ!」

    紐が切られた。

    江ノ島「どうぞご自由に」

    苗木(…喋れないのに会う意味が…?)

    苗木(!そうだ…!メモ帳!)

    苗木はすぐに持ち物を確認した…が

    苗木「…ない…!?」

    江ノ島「探し物はこれ?」

    苗木「ッ!」

    江ノ島がメモ帳を持っていた。

    苗木はそれを見た瞬間、江ノ島から取り返そうとしたが…

    江ノ島はすぐ苗木から1M以上離れた。

    江ノ島「ふん。こんなメモ帳。全部破いて燃やしてやろうか」

    苗木「…!」

    江ノ島「じゃ。じっくり内容を見てからちゃんと処分しとくから」

    苗木(ちょ!内容を見てから…って!!)

    ガチャ

    バタン

    江ノ島は出て行った。

    苗木「!」

    ガチャガチャ…ガチャ!

    鍵を掛けられていたので、開けるのが少し遅れた。

    苗木(江ノ島さんがいない…)

    苗木(…行く場所は大体見当付いてるけど…)

    苗木(行ったところで…何もできない…)

    苗木「…」

    苗木「舞園さん…」

    苗木は、舞園の部屋に歩き出した。

    苗木「絶望なんかしない…!」

    苗木「舞園さん!負けちゃ駄目だ!」
  63. 63 : : 2013/12/21(土) 16:14:55
    舞園部屋


    ピンポーンピンポーン

    苗木「…あれ?舞園さん!」

    ドアを叩いたりもしたが、何も反応がない。

    苗木「くっそ…!」

    苗木は自分の部屋に戻る事にした。


    苗木部屋


    ガチャガチャ

    苗木「…あれ?」

    ガチャガチャガチャ

    苗木(…開かない)

    苗木「あれ!?僕の部屋なのに!?あれ!?」

    ピンポーンピンポーンピンポーン

    苗木「あ…開かない…」

    江ノ島「明らかに舞園を尋ねるより長い時間試してるね」

    苗木「!江…!」

    江ノ島「ちょっと鍵掛けたんだよねー。マスターキーがないと開かないよ?」

    江ノ島は、自分の指先にマスターキーをぶら下げた。

    江ノ島「ほら。取ってみなよ」

    苗木「…」

    苗木(取って部屋を開けたい…けど…江ノ島さんに近づいたら…)

    江ノ島「ほらほらー」

    苗木「く…!」

    江ノ島「ま、無理だよね。自分をおしおきするなんて」

    苗木「…くっそ…!」

    苗木は走り出し、マスターキーを取った。

    江ノ島「な…!」

    ブー!ブー!

    苗木「…前にも言ったよね?」

    苗木「どんなおしおきでも受けて立つよ!」

    苗木「希望は前に進むんだ!!」


    【おしおきを開始します】
  64. 64 : : 2013/12/21(土) 17:27:49
    【素人ショベル】

    ズガガガガガガ!!!

    苗木「…」

    ショベルが、苗木を外したりかすめたり直撃したりした。

    苗木「…」

    江ノ島「…死んだかな…」

    江ノ島「…なら全部直撃させておけばよかったな…」

    苗木「…しん…で…な……い…」

    江ノ島「…」

    苗木「負けるわけには…!いかない…んだ…!」

    江ノ島「…」

    江ノ島「…へえ。すごい執念だね」

    苗木「当然だよ…!これくらいで…!」

    江ノ島「ま、そこまでして行きたいなら、そうしなよ」

    苗木「…うん」

    江ノ島「せいぜい絶望に飲まれないようにね」

    苗木「…努力するよ…」


    苗木部屋


    ガチャ

    苗木「…」

    怪我だらけの苗木が入ってきた。

    苗木(…舞園さん…)

    舞園「…」

    舞園はベッドで倒れていた。

    苗木「…」

    舞園「…ん…?」

    舞園は起き上がった。

    苗木(…何だ…。寝てたんだ…)

    舞園「…はれ?…苗木君…?」

    苗木「…」

    舞園「ははは…。いるわけ…ない…です…よね…」

    そして再び舞園は倒れた。

    苗木「…」

    苗木(舞園さん…?)

    舞園「ZZzz…」

    苗木「…寝るの早…」

    苗木「…」

    苗木は舞園に近づいた…

    ブー!ブー!

    苗木「…」


    【おしおきを開始します】
  65. 65 : : 2013/12/21(土) 18:09:23
    江ノ島「もう容赦しないから。どうせ中途半端にやっても死ぬ位弱ってるでしょ?」

    江ノ島「一気に死ね!」

    【補習】

    ガシャン!

    苗木「…」

    ガシャン!

    少しずつプレス機に近づいて行く…

    ガシャン!

    江ノ島「最高の絶望を味わえ」

    ガシャン!

    苗木「…」

    ガシャン!

    あと3回…

    ガシャン!

    あと2回…

    ガシャン!

    あと1回…



    苗木「…?」

    プレス機が止まった…

    江ノ島「え!?何で?!」


    霧切「油断しすぎよ。江ノ島盾子」

    江ノ島「ッ!」

    霧切「あなたは苗木君だけを見張りすぎなのよ。しかも情報処理室を使わずに。私達の行動を全く把握してなかったよね」

    朝日奈「不二咲ちゃんがウイルスをあのプレス機のコンピューターに感染させたみたいだよ。よく分からないけど」

    江ノ島「くっそ…!」

    霧切「さて、男共の方は上手くやってるかしら」

    大神「江ノ島。少しの間拘束させてもらう」

    江ノ島「あっはっは。絶望的だね」

    霧切「えらく余裕じゃない」

    江ノ島「んじゃ、私を拘束していいから、情報処理室に行きましょうか?」

    霧切「…そうね」


    苗木部屋


    舞園「…ZZzz…」

    苗木「…」

    舞園を揺すって起こした。

    舞園「…?」

    舞園は目を覚ました。

    舞園「…苗木…君?」

    苗木「…」

    舞園「…本当…に…?」

    苗木は頷いた。

    舞園「…何で…来たんですか…」

    舞園「あなたは…江ノ島さん…が…」

    苗木「?」

    舞園「…すみません…帰って…ください…」

    苗木「…」

    舞園「…う…ぅ…」

    舞園はまた倒れ込んでしまった。

    舞園「…もう…戻れません…」

    苗木「…」
  66. 66 : : 2013/12/21(土) 19:21:47
    苗木(…一体どうしちゃったんだよ…。舞園さん…)

    舞園「…あなたが好きな人は江ノ島さんなんだから、江ノ島さんの所に行けばいいじゃないですか…。見つかっちゃいますよ…」

    苗木(…は?え?…って…やっぱ考えてる事分かるの?)

    舞園「…エスパーですから。苗木君が好きな人が江ノ島さんだって事も知ってますよ」

    苗木(えええ!?ちょっと待って!?僕は誰が好きだって!?)

    舞園「江ノ島さんですよ!苗木君が…!そう言ったんじゃないですか!!」

    苗木(ええええ!?そんなの変だって!そんな事言ってない!)

    舞園「嘘…!だって…!」

    苗木(僕が好きなのは舞園さ…いや!何でも無い!ない!無い!)

    舞園「…」

    苗木(…考える事で会話するのって難しいんだよね…)

    舞園「…あなたが好きな人は?」

    苗木(舞園さん)

    苗木(ああいや!!何でも無いって!!あーもう何で考えちゃうんだろう!)

    舞園「…」
  67. 67 : : 2013/12/22(日) 01:37:28
    舞園(…本当…なの?)

    舞園(苗木君が…私の事を…)

    苗木「…」

    苗木(本当)

    苗木(ああいやいや!何でもないって!)

    舞園「じゃあ…あの録音は…」

    苗木(録音…?)

    舞園「苗木君が江ノ島さんに告白した音声が録音されてて…」

    苗木(あの時か!!)

    舞園「え?…心当たりあるんですか?」

    苗木(うん。あるよ。確かに僕は言った。っていうか言わされた)

    舞園「言わされた?!」

    苗木(うん…)

    舞園「そういう事…でしたか…」

    舞園「私…まんまと騙されて…」

    舞園「苗木君に冷たく当たって…」

    舞園「すみませんでした…。傷つきましたよね…」

    苗木(傷ついた)

    苗木(いや嘘嘘!そりゃあまあ多少はだけど…!そんなめっちゃ傷ついたわけでもないから!)

    舞園「…ふふ…」

    苗木(舞園さん?)

    舞園「あ、いや…。一生懸命誤魔化してるのがおかしくて…!」

    苗木(…ははは…)

    舞園「じゃあ、さっきは冷たくしてごめんなさい」

    苗木(うんっ)

    舞園「苗木君、ありがとうございました。ずっと誤解したまま過ごす所でした…。…って苗木君!その怪我どうしたんですか!?」

    舞園は、今初めて苗木の顔をちゃんと見た。

    苗木(おしおきで怪我した)

    苗木(いや、まあ…事故みたいなものだから!気にしないで!)

    苗木(江ノ島さんと舞園さんに近づいたから)

    舞園「え…!?」

    苗木(…はあ…やっぱり嘘つけないなあ…。マスターキーを貰うために江ノ島さんに近づいて…)

    舞園「じゃあ…!今苗木君が近づいているのも…!」

    苗木(おしおきされたよ。舞園さんに近づいて)

    苗木(いや、でも、途中でおしおき機が壊れちゃったから!気にしないで!)

    舞園「壊れたんですか…。それはまた幸運でしたね」

    苗木(僕の才能が働いたのか…それとも…)
  68. 68 : : 2013/12/22(日) 09:19:54
    食堂


    苗木「もう12時か…」

    舞園「もう…すごくお腹空きました…」

    江ノ島「あっはっは!いやーすごいね2人とも!」

    舞園「江ノ島さん!!」

    江ノ島「あっはっは!騙して悪かった!」

    舞園「全く反省してませんよね!」

    江ノ島「いやあでも残念だよ。あのまま絶望してくれればよかったのに」

    舞園「何がですか!全く…」

    桑田「あ、苗木」

    苗木「ん?」

    桑田「お前のミッション用と思われる機械を破壊したから、多分お前のミッションは解除されたと思うぞ」

    江ノ島「んな!?いつの間に!?」

    苗木「えっと…じゃあ、舞園さん」

    舞園「はい?」

    苗木「…」

    苗木「…本当だ。サイレンが鳴らない…」

    葉隠「いやー良かった!実際成功してたか不安だったんだべ!」

    苗木「えええ!?危なかった!!」
  69. 69 : : 2013/12/22(日) 09:50:01
    苗木部屋


    十神「さて。障害物が消えていよいよ本格始動する、『苗舞作戦』だが」

    葉隠「遂に始まったか…!」

    桑田「いやそんな名前一度も聞いた事ねえよ」

    十神「では、誰か作戦がある奴はいるか?」

    桑田「いきなりそこに行くのかよ。っていうか前回、十神が作戦を書いた紙を渡したんじゃなかったのか?」

    十神「ああ確かに渡した。だがあれでは不十分だと考えた」

    桑田「全然不十分じゃねえだろ。むしろあれが無くても成功しそうなんだしよ」

    十神「なら何て書いたか見せてやろうか?」

    桑田「…まあいいか。苗木」

    苗木「…あーはいはい。…今日は妙に真面目に会議してると思ったら、ババ抜きしてたんだね…」

    山田「ぐっはあああ!ババ抜いてしまったあああ!」

    桑田「おしいな。あと1枚だったが、残念だったな!」

    苗木「はい」

    桑田「おう。えっと…?」

    『作戦1;逆立ちしながら告白する』

    桑田「これなら無い方がマシだっつーの!!逆効果じゃねえか!」

    十神「不十分だろ?」

    桑田「てめえの頭がな」

    『作戦2;相手の好きな場所に連れていき、放置する』

    桑田「最後いらねえよ!!なんで放置すんだよ!」

    葉隠「無い方が全然マシだべ」

    桑田「次!」

    『作戦3;ダジャレ交じりに告白する』

    桑田「だからお前は本気で苗木助ける気あんのか!!」

    山田「すべった時の空しさはハンパ無いですぞ…!」

    桑田「次っ!」

    『作戦4;ラップ交じりに告白する』

    桑田「さっきと同じじゃねえか!!」

    山田「慣れてないラップを歌いながら告白するのは…きついですな…」

    『作戦5;何もしない』

    桑田「何かしろよ!!っつかこれが1番いい作戦っていう事実があんだが!?おい十神よお!!」

    十神「フッ。だから暇つぶしに作ったと言っただろう?」

    桑田「暇つぶしにしても悪すぎだろ!お前は苗木をどうしたいんだ!」

    『作戦6;まず自分の部屋に誘いこみます。そこから事前に持っていた包丁で相手を刺します。それが駄目ならシャワールームへ逃げ込みましょう。ただし、失敗すると相手の模擬刀による攻撃で怪我してしまうのでご注意を。そして、上手く逃げたとしても、ドアノブを壊してでも入って来る事があります。その時はもう逃げる事を諦め、後ろに「LEON」書きましょう』

    桑田「殺人計画じゃねえか!!っつか何で俺が犯人なんだよ!!」

    葉隠「すっげー細かいな。まるで…どこかで実際に起こった事をそのまま書いたみたいだべ…」

    桑田「ったく。次!…で最後か」

    『作戦7;告白する』

    桑田「ストレーーーーーート!!!!」

    桑田「逆に一周回って変化球だなおい!!」

    十神「暇つぶしだからな」

    桑田「こんなの作る位なら最初っから作るなよ!」

    不二咲「結局…いい案は浮かばないね…」

    十神「アガリ」

    桑田「あ!くそ!」

    苗木「…」
  70. 70 : : 2013/12/22(日) 11:35:35
    江ノ島「さて、いよいよ本格始動する『苗舞作戦』だけど」

    セレス「…そんな名前一度も聞いた事ありませんわ」

    朝日奈「で、どーするの?」

    舞園「…何か勝手に話が進められてる…」

    江ノ島「まストレートが一番だよ。うん。はい終わり」

    戦刃「…ざっくりにも程があるね…」

    大神「…具体的にどうするのだ?」

    江ノ島「まず苗木を呼びだし、苗木と2人になった所で告白。はいイチコロですよ」

    舞園「…はあ。出来たら苦労しませんよ…」

    セレス「そもそも告白する必要があるのですか?」

    江ノ島「え?心が通じ合えば告白する必要なんてないって?」

    セレス「…そうではなく、舞園さんは一度、うやむやに告白されたじゃありませんか」

    朝日奈「それがうやむや過ぎるから、ここでハッキリしておこうって話になったんだよね?」

    セレス「告白しても結果は分かりきっていますし、わざわざこんなことをする必要性が見当たりませんわ」

    江ノ島「…そして、苗木はきっとお前を探すハズだ。そこでひょっこり出てきて、唐突に告る」

    舞園「無理ですって!」

    セレス「…全く聞いてませんわね」

    霧切「…まあ結果が分かっているならまだ気持ちは楽だと思うし、したいならしたいでいいんじゃないかしら?」

    セレス「そうですわね。ほっときましょうか」

    江ノ島「舞園。お前は結果が分かっているっていう最大のハンデがあるし、難易度的にはかなり低いんだぞ」

    江ノ島「しかも、どんな形であれ必ず言わなきゃならないんだから、どんなシチュエーションであれ同じはずだよ?」

    舞園「…そう…ですよね…」

    江ノ島「というわけで、苗木をどっかの部屋に放置して、そこに設置されてるモニターに、逆立ちしてラップ交じりに告白する映像を流せば?」

    舞園「嫌ですよ!それならストレートの方がマシですよ!!」

    セレス「…心配ですわね」

    霧切「…下手すると苗木君と舞園さんの仲が悪くなりそうだから、しっかり見張らないとね…」

    舞園「…」
  71. 71 : : 2013/12/22(日) 17:28:30
    苗木「…で、最終結果がこれ?」

    『舞園を部屋に呼び、2人になって告る』

    葉隠「ま、初心に返るって事だな!」

    苗木「なんだよこれ。作戦の意味がないよ」

    桑田「ま、お前は作戦が無くてもいけるものを、わざわざ俺らが試行錯誤してやったんだ!頑張れよ!」

    苗木「…こんな作戦、無いのと同じだろうけど…まあ頑張るよ…」

    十神「よし。他人が乱入する確率の低い、夜に呼び出せ」

    石丸「僕らも全力でサポートする!頑張りたまえ!」

    苗木「う…うん」


    朝日奈「うん!これで完璧だよ!」

    舞園「…これ…ですか?」

    『苗木を部屋に呼び、2人になって告る』

    セレス「…あっても無くても同じような作戦ですわね…」

    江ノ島「これに文句をつけるなら、酷い方法を教えてやるけど?」

    舞園「…遠慮しておきます」

    朝日奈「とにかく、他人の乱入がない夜に、苗木を部屋に呼びだして、一気に告っちゃえば成功も同然だよ!」

    大神「同然というより、成功だな」

    戦刃「苗木君は、嘘をつけない心の中で舞園さんの事が好きって言ったわけだから、後悔することはまずないと思うよ」

    霧切「じゃあ舞園さん。頑張ってね」

    舞園「は…はい」
  72. 72 : : 2013/12/22(日) 19:03:45
    廊下


    苗木「あ」
    舞園「あ」

    2人が出会った。

    苗木「ま…舞園さん…」
    舞園「な…苗木くん…」

    苗木「えっと…さ」
    舞園「あの…」

    苗木「今夜、僕の部屋に来てくれないかな?」
    舞園「今夜、私の部屋に来てくれます…か?」

    「え??」

    苗木「ああうん分かった!舞園さんの部屋に行くから!」

    舞園「あ、いえ!私が苗木君の部屋に行きますよ!」

    苗木「え…ええと…」

    苗木(舞園さんの部屋に行きたいんだけどなあ…)

    舞園「…え?」

    舞園(苗木君の部屋に行きたい…)

    苗木「…え?」

    舞園「ああいや!何でもありませんから!では、お待ちしていますね!」

    苗木「あ、いや!舞園さんが僕の部屋に来てよ!ね!」

    苗木(告白するのは、自分の部屋の方が落ち着くし…)

    舞園「え…?告白…?」

    苗木(みんなと作戦会議までしたのに!)

    苗木「ああああいいやいや!!何でもない何でも無い!」

    舞園(まさか…苗木君もそうだったなんて…)

    苗木「え…?も…って…?」

    舞園「何でもないです!何でも無いです!」

    舞園「じ、じゃあ、今夜苗木君の部屋に行きますから!よろしくお願いします!それじゃ!!」

    舞園は逃げるように去って行った…

    苗木「あ!舞園さ…!」

    苗木「…」

    舞園(考えてる事が分かりませんように!!)

    舞園(今夜告白するつもりだったけど…されるのかな…)

    舞園(考えてる事が分かりませんように!!ああああああああああああああああああああああああああ!!)

    苗木(…舞園さん…)
  73. 73 : : 2013/12/22(日) 19:43:22
    今夜

    苗木部屋


    桑田「んじゃ、頑張れよ」

    苗木「うん…」

    大和田「押し切れ。いいな」

    苗木「う…うん…」

    男共は出て行った…

    苗木「…」

    苗木「…っはあ…」

    苗木(緊張で潰されそう…)

    苗木「…」

    苗木(…舞園さん…)


    霧切「…よしっ。台詞覚えた?」

    舞園「ま…まあ大体…」

    朝日奈「頑張ってね!」

    大神「大事なのは自分自身の気持ちだ。きっと苗木に届くだろう」

    舞園「…ありがとうございます」

    舞園は部屋を出て、苗木の部屋に向かった。


    ピンポーン

    苗木「ッ!」

    苗木はすぐに出た。

    ガチャ

    葉隠「よう苗木っち!大丈夫か?緊張で押しつぶされそうなお前に、このミレニアムストーンと呼ばれる、緊張を抑え…

    バタンッ

    苗木「…」

    苗木はベッドに倒れ込んだ。

    苗木「…っはあ…。なんかすごく体力使った気が…」

    苗木(…本当に舞園さんだったら、僕の体力は一瞬で無くなってたかな…)

    苗木(…うん。よしっ。少し緊張がほぐれたかも!)

    ピンポーン

    苗木「ッ!」

    恐る恐るドアを開く…

    舞園「…こんばんはっ!」

    苗木「あ…!ここんばんは!」
  74. 74 : : 2013/12/22(日) 22:57:19
    苗木「…」

    舞園「…」

    苗木「…」

    舞園「…」


    情報処理室


    桑田「…無言だな」

    葉隠「あいつらはテレパシーが使えるからな」

    不二咲「微妙に間違ってる気が…しなくもないかな…?」

    霧切「あら?先客のようね」

    セレス「もしや、あなた達も同じ作戦なのかしら?」

    大和田「ん?女共か」

    江ノ島「あーちょっとここに乱入してこようかな」

    全員「絶対駄目」


    苗木部屋


    舞園「あの…苗木君!」

    苗木「…。…え?あ、何?」

    舞園「えっと…エスパーですから、あなたが何を考えてるか…大体分かりますけど、やっぱり…直接話したいんです!」

    苗木「う…うん」

    苗木(駄目だ…!僕も勇気を出さないと…!)

    舞園「私は苗木君が…」

    舞園「えと…す…すす…」

    舞園「好きです!!!」

    苗木「…!」

    苗木「…うん。ありがとう…」

    苗木「僕もだよ。舞園さん」

    苗木「舞園さんが…好きだよ」
  75. 75 : : 2013/12/23(月) 23:14:43
    舞園「…」

    体が宙に浮いた感覚…

    全てが美しく見える感覚…

    …全てが希望で埋め尽くされた感覚…

    …言ってくれた…

    …聞く前から…分かっていた…

    でも…

    本人から聞くのは、想像以上に…想像を遥かに絶する…

    すごく…超…とても…

    舞園「嬉しい…です…!」

    苗木「うん。僕も嬉しいよ。舞園さんが言ってくれた事や、自分自身が言えた事も、とっても嬉しい」

    舞園「ありがとうございます…!苗木君…!とっても…!大好きです…!」

    苗木「僕もだよ…舞園さん」

    苗木「大好きだよ」
  76. 76 : : 2013/12/24(火) 18:06:56
    翌日

    食堂


    舞園「おはようございますっ苗木君!」

    苗木「あ、舞園さん。おはよう」

    桑田(昨日の夜以来舞園ちゃんに話しかけられなくなった…)

    十神「フッ。結局俺達のお陰だな」

    山田「僕達何かしましたっけ?」

    葉隠「色々作戦を考えたべ?」

    大和田「作戦というより…罰ゲームだったな」

    石丸「しかし、部屋に呼び出す作戦が効いたではないか!」

    不二咲「えっと…多分私達はほとんど意味無かったと思う…」

    霧切「ま、何にせよ結果が全てよ」

    朝日奈「うんうん!とにかく2人が仲良くなれて良かったよ!」

    セレス「一時はどうなることかと思いましたが」

    大神「…まあ我らの作戦などなくとも、あの2人なら問題なかっただろうな」

    腐川「…そもそもろくな作戦なんか無かったわよ…!江ノ島のせいで…!」

    江ノ島「あら?あんたらを集めて、あの2人の手助けをさせたのは誰だったかしら?」

    戦刃「盾子ちゃんだったね」

    江ノ島「その通りよ!私様に感謝しなさい!人間共!」

    苗木「で、食べ終わったら何処に行こうか?」

    舞園「うーん…苗木君と居れるなら何処でもいいですよ?」

    苗木「はは。じゃあ音楽室にでも行く?」

    舞園「そうですねっ」

    桑田(!舞園ちゃんの歌声が生で聞けるかも!)

    江ノ島(うぷぷ…!ボクが諦めたとでも思ったかな?2人の仲が最高に達した所で、また2人の仲を引き裂いてやるよ…!)

    江ノ島(最高の絶望の為に!うぷぷぷぷぷぷ!)

    苗木「じゃあそろそろ行こっか」

    舞園「そうですね♪」

    苗木と舞園は、一緒に食堂を出て行った。


    MISSION COMPLETE!


    END
  77. 77 : : 2013/12/24(火) 19:31:44
    面白かったです!乙!
  78. 78 : : 2013/12/24(火) 19:32:24
    ごめんなさい
    連投してしまいました…
  79. 79 : : 2014/01/04(土) 23:43:34
    面白いwwwwです(^ー^)ノ乙デス
  80. 80 : : 2014/01/04(土) 23:44:30
    ちなみに、スマホでやってマス
  81. 81 : : 2014/01/07(火) 23:08:44
    よかったよー
    乙です
    次回作期待

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