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ベルトルト「ねえ、」

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  1. 1 : : 2015/12/03(木) 10:24:37
    24巻までのネタバレあり
    ものすごく間が空いて申し訳ない
    完結まではやっていくつもりです

    枠を私信で使用するのが憚られたので、私信に関してはこちらにて掲載します。

    御礼
    >>16筋力@心技体を極めし変態(^ω^)様
    期待の声が励みになります。完結まで楽しんで頂けると幸いです。

    >>22 >>31 空山 零句様
    予想外の展開とお褒め頂きありがとうございます。期待の声と共に、進撃の巨人のファンとしてはキャラブレが一番怖いので言葉がとても励みになります。完結まで楽しんで頂けると幸いです。





    ベルトルト「ねぇ、」










    ベルトルト「…アニ」

    アニ「……なに」

    ベルトルト「ごめん、今夜…話がしたい」

    アニ「…ライナーは」

    ベルトルト「一緒に行く。…ただ、」

    アニ「分かった、言わなくていい。…いつもの場所で」

    ベルトルト「…うん、ありがとう」
  2. 2 : : 2015/12/07(月) 14:54:55
    ザッザッ

    ベルトルト「ごめん、アニ。待たせた」

    アニ「別に。…ライナーは来ていないの?」

    ベルトルト「いや、居るよ。…ライナー」グイッ

    ライナー「ベルトルト、消灯時間過ぎているんだぞ。なんだってこんな時間に抜け出そうなんて…」

    アニ「…」

    ライナー「アニ?……おいおい、逢い引きするなら俺は邪魔だろ」

    ベルトルト「…」

    アニ「…」
  3. 3 : : 2015/12/07(月) 15:18:04
    ライナー「なんだお前ら、そんな怖い顔するなよ。邪魔なら退散するから、」ザッ
    ガシッ
    ベルトルト「待ってくれライナー。……最近、酷くなってるんだ」

    ライナー「おいベルトルト、離せ。俺は逢瀬を覗き見る趣味はないぞ」

    アニ「…はあ、状況は分かったよ。それで?」

    ベルトルト「……どうしよう」

    アニ「私に聞かれても。アンタ、昔から仲良かったんでしょ?」

    ベルトルト「そうだけど…。このままじゃ任務に支障が出てくる」

    アニ「…私に何か考えろって事かい?」

    ベルトルト「………ごめん。でも、僕だけじゃもう、」

    ライナー「なんだ、悩みごとか?だったらまず俺に相だ「ライナーは黙っててくれ」………」

    アニ「……と言ってもね。私が考え付く事なんてこのポンコツになってる頭に刺激与えるくらいしか思い付かないよ」

    ベルトルト「頭に刺激?どうやって?」

    アニ「こうするんだよ」
    ザッ、ビュン、バシィッ
    ライナー「ぐあッ」ドサッ
  4. 4 : : 2015/12/07(月) 15:30:20
    ベルトルト「ライナー!!ア、アニ、何をやってるんだ!」

    アニ「だから、私なりの頭を刺激する方法だよ」

    ベルトルト「だからって、ライナー白目向いてしまってるじゃないか!」

    ライナー「」チーン

    アニ「……だったら最初から私に相談するんじゃないよ。」プイッ

    ベルトルト「たった今実感したよ…」

    アニ「そうかい、だったらもういいでしょ。私は帰るよ」ザッ

    ベルトルト「待って!ライナーをこのままにして帰る気なのか?!」

    アニ「アンタが連れて帰ればいいじゃない。朝には気が付くよ」ザッザッザッ…

    ベルトルト「ほ、本当に帰った…。…ごめん、ライナー。意思のない僕じゃ君を連れて帰る以外にどうすることも出来そうにないよ…」

    ライナー「」
    ヨイショ、ズルズルズル…
  5. 6 : : 2016/04/05(火) 16:09:37
    ──朝

    ジャン「さぁて、今日の天気はどうだろうな」ヨッコイショ

    コニー「ぶっは、今日も芸術的な寝方してんなー。どうやったらこうなんだよ」

    ジャン「…」

    コニー「ジャン?どうしたんだよ。早く終わらせて起こさねぇと飯食いっぱぐれるぞ」

    ジャン「…いや、…なんかおかしくねぇか?」

    コニー「は?ベルトルトの寝相がおかしいのはいつものことだろ」

    ジャン「ベルトルトじゃねぇよ。ライナーだ」

    コニー「?……どこがだ?ベルトルトの寝相見た後じゃどこがおかしいかなんて分からねぇくらいには普通だぞ」

    ジャン「…なんつーか、いつもはもっとスカした寝方してねぇか?」

    コニー「わっかんねぇ」

    マルコ「寝方にスカしたなんてあるのか?…ん?ライナーまだ起きてないのか、珍しいな」ヒョコ

    ジャン「おう、マルコ。あいつら起きたのか?」

    マルコ「ああ、今エレンがアルミンを起こしてる。ほら、早く二人も起こさないと寝坊したら連帯で罰走させられるかもしれないぞ」

    コニー「うげ、朝っぱらから走りたくねぇよ。ジャンが早く寝相占いしねぇから出来なかったじゃねぇか。おい、ライナー!ベルトルト!早く起きろよ!」バシバシ

    ジャン「うるせぇ、ライナーがいつもと違うから悪ぃんだよ」

    ベルトルト「うっ、……朝?」

    ライナー「うー…、」モゾモゾ

    ジャン「なんだ?頭から毛布被りやがって、いつもなら声掛けりゃすぐ起きるのによ。おいライナー、さっさと起きろ」バシッ

    ライナー「うるさい。ねむい」

    ジャン「はあ?!テメェふざけんな!お前が起きねぇと俺らまで走らされるだろうが!」ゲシッ

    マルコ「ジャン!人の頭を蹴るんじゃない、怪我したらどうするんだ」

    エレン「うるせぇぞ、ジャン。何騒いでんだ。」

    ジャン「うるせぇ死に急ぎ野郎!マルコも文句は起きねぇライナーに言え!…ったく、俺は飯食いに行く。」

    コニー「あーオレも。飯抜き罰走なんて体持たねぇしな」

    マルコ「ハァ…、分かった。僕が起こしておくから、みんな先に行っておいてくれ」

    エレン「何なんだよ、ライナーがどうかしたのか?」

    マルコ「珍しく起きなくてね。大丈夫、僕が起こしておくからエレンもアルミン連れて先に行っててくれ。放っておくとアルミンもまた寝そうだから」

    エレン「ん?おいアルミン。寝るな、飯遅れるぞ」ポンポン

    アルミン「…うう、…大丈夫、起きてる。」ゴソゴソ

    ジャン「マルコも程々にして飯食いにこいよ。いくら昨日が行軍訓練で疲れ残ってるからって悪いのは起きない奴なんだからよ」

    マルコ「ああ、分かった。ありがとな、ジャン」

    エレン「悪い、マルコ。俺もアルミン連れていくからライナー達は頼むな」

    マルコ「すぐに行くから気にしないで行ってくれ。あ、出来ればサシャに食べられないよう取っておいてくれないか?」

    エレン「おう、お前達のは死守しとくから早めにこいよ」

    マルコ「ありがとう、頼むよ」

    ワイワイガヤガヤ…
  6. 8 : : 2016/04/05(火) 16:53:13
    マルコ「ベルトルトもほら、早く起きないとご飯食べる時間なくなるぞ」

    ベルトルト「ああ…、…あれ、みんなは?」

    マルコ「先に行ってもらったよ。みんな揃って遅れても大変だしね」

    ベルトルト「そうか、…ん?ライナーはまだ起きてなかったのか、珍しいな」

    マルコ「ああ、いつもだったら起きそびれても声を掛けたら目を覚ますんだけどね。もしかしたら昨日の疲れが残ってるのかもしれない」

    ライナー「…」グーグー

    ベルトルト「昨日…?ああ、行軍訓練だったから」

    マルコ「うん、…まあ、それでもここまで起きないのは初めてだけど…ライナー、もう朝だよ。早く起きないとサシャにご飯食べられてしまうよ」ユサユサ

    ライナー「ん…、あと5分…」

    マルコ「そんなに待てないよ。朝食の時間も長くないんだ」

    ライナー「訓練はまだだろ…、まだねる」

    ベルトルト(…?ここまでして起きないなんて…ライナーらしくない。なにか…)

    マルコ「そうはいかないだろ、今日の訓練は立体機動術と対人格闘術なんだ。食べないといくらライナーだって倒れるぞ」

    ライナー「りったい…?そんな訓練あったか、マルセル…」モゾ

    ベルトルト「っ?!」

    マルコ「マルセル?」

    ベルトルト「マルコ!も、もう時間もないことだし先に行っててくれ!ライナーは僕が起こしておくからっ、君だって行かないと食べそびれるだろ?」

    マルコ「え?あ、ああ、だけどライナーが起きないことには君だって食べに行けないだろ」

    ベルトルト「大丈夫だから。た…たまにライナーはこうやって寝起きが悪いときがあるんだ。僕は慣れてるから、君が朝食食べれなくなるのは申し訳ないし…」アセアセ

    マルコ「そうなのか?…まあ、そういうのなら先に行っておくよ。エレンに頼んでご飯取っておいて貰ってるけど、あまり遅いと教官に気付かれるかもしれないから早めに来てくれよ」

    ベルトルト「あ…ああ…!分かった、ありがとう。」

    ライナー「う、…んん…?」

    ベルトルト(!?ヤバい、ライナーが起きる…!)バサッ

    ライナー「?!…っ!」モゴモゴ

    マルコ「だ、大丈夫なのか?そんなに毛布押し付けてると息が…」

    ベルトルト「大丈夫だから!いつもやってることだ!早く行っててくれ!…君が行ってくれないとサシャにご飯食べられてしまうかもしれない…!」グググ

    マルコ「わ、分かった…けど、ええと、…気をつけてくれ」

    ベルトルト「ああ…大丈夫。…ちゃんとご飯確保しておいてくれ」

    ライナー「」グッタリ

    マルコ「ああ…、うん。じゃあ、頼むよ」

    トントントン タッタッタッ…
  7. 9 : : 2016/04/05(火) 17:47:05
    ベルトルト「………ライナー、」バサッ

    ライナー「」

    ベルトルト「……起きるんだ、ライナー」バシッ

    ライナー「ううっ、…なんだよ、いてぇよマルセル」

    ベルトルト「っ…いつまで寝ぼけてるんだ…!マルセルは、もう居ないだろ」ガシッ

    ライナー「なにす、…ああ?ベルトルト?お前が先に起きてるなんて珍し…」

    ベルトルト「…やめてくれよ。寝ぼけるのも、君がマルセルの事を悔いてるのも分かるけど、下手な事を言って全てが無意味になるとこだったんだぞ」

    ライナー「悔い…?ベルトルト、だよな?」

    ベルトルト「まだ寝ぼけてるのか。…もういいから、早く顔を洗って目を覚ましてくれ。そろそろ行かないとご飯を食べれなくなる」

    ライナー「……なんか、デカくなってないかお前?」

    ベルトルト「…は?……ライナー、なにを」

    ライナー「どこだよここ、家じゃない。マルセルも居ないってことは、まだ来てないのか?」

    ベルトルト「…っ」

    ライナー「ベルトルト?」

    ベルトルト「ライナー…、君は、今、……何歳だ?」

    ライナー「は?なに言ってんだよ。お前の一個上だって忘れたのか?ベルトルトが10歳になったばっかなんだから11歳に決まってるだろ」

    ベルトルト「……そ、そんな、…なんで」
  8. 11 : : 2021/02/07(日) 05:06:39
    ベルトルト「まさか…、昨日のアニの蹴りで…!?」

    ライナー「何言ってんだベルトルト?それより、なんでお前そんなにでかくなってるんだ?」

    ベルトルト「……とりあえず、君に現状を把握させないといけない…か」スクッ

    ライナー「??」

    ──数分後

    ベルトルト「これが今の僕らだ。ライナー、分かったかい?」

    ライナー「わ、わ、わかんねぇよ…なんで、マルセルが…それに、ここがあの悪魔の島なんて…」グズグズ

    ベルトルト「……だろうね。…分かった。ライナーは今日の訓練を休むと伝えておくよ。酷い風邪で寝込んでる事にしよう」ハァ

    ベルトルト「ただ…あまり休みすぎると成績に響く。昨日の今日だけど、アニにも話してどうにかしないと……」

    ライナー「うう…」グズグズ

    ベルトルト「……ライナー、僕が戻るまで今から言うことは絶対に守ってくれ」ガシッ

    ライナー「ヒッ、俺を…置いていくのか…?」グスッ

    ベルトルト「仕方ない。僕まで休んだら怪しまれるよ。もし万一僕らの正体が知られたら……故郷には帰れない」

    ライナー「……母さん…」

    ベルトルト「帰ろう。みんなで一緒に故郷に」

    ライナー「…ああ、…母さんに行ってきますも言えてない」

    ベルトルト「……守ってもらうことは一つだ。」


    「ずっと寝たフリをして誰とも会話しないでくれ」


    ──食堂

    ワイワイガヤガヤ

    マルコ「あ、やっと来た。大丈夫…あれ、ライナーは?」

    ベルトルト「ごめん…。ライナーは熱だったから教官に知らせて休ませたよ。…朝の様子が変なのもそれだったみたいだ」ガタッ

    マルコ「そうだったのか…。そうだ、朝食確保しておいたけど持っていこうか?」

    ベルトルト「イヤ…食欲無いみたいだからパンだけ訓練前に届けておくよ」ムンズ

    サシャ「じゃあ残りは頂いても大丈夫ですか!?」ガバッ

    マルコ「ウワッ!どこにいたんだよ、サシャ」ビックゥ

    サシャ「食べ物の話ならこの食堂内のどこからでも聞こえます!」クワッ

    マルコ「ああ、そう…。ベルトルト、ライナーの残りのご飯はサシャにあげていいのか?」

    ベルトルト「あ…ああ、うん。大丈夫」

    サシャ「あああああ!ありがとうございます!ありがとうございます!ライナーにも、あとで、お礼言っておきますね」モゴモゴ

    ベルトルト「僕が伝えておくよ。風邪が酷いみたいだから」カチャ モグモグ

    サシャ「そうなんですか?…ではお願いします」ガツガツガツ

    マルコ「サシャ…せめて座って食べなよ」ハァ
  9. 12 : : 2021/02/07(日) 05:14:18

    ──廊下

    ベルトルト「じゃあ、ライナーにパンを渡してくるよ」

    マルコ「僕も心配だから様子を見についていっていいかな?」

    ベルトルト「あ……どうだろう。ライナーの熱も高いみたいだし…もし風邪が君にうつったら、ライナーが落ち込むと思う」ダラダラ

    マルコ「ベルトルトはいいのか?なんてね。分かったよ、ライナーにはくれぐれも無理はしないようにって、伝えておいてくれ」

    ベルトルト「分かった。ありがとう」ホッ

    マルコ「じゃあ先に行くよ。ベルトルトも遅れないようにな!」タッタッタッ


    ──兵舎
    ギィ
    ライナー「!?…わ、わぁぁぁ!!」ダダダッ

    ベルトルト「な、ライナー!?」ガシッ

    ライナー「ベ、ベルトルト!よ、よかった…」スズリズリズリ

    ベルトルト「良くないだろ…!?今、何をしようとしていたんだ…!」グイッ

    ライナー「だって、悪魔の島なんだろ…?ここにいる奴ら片っ端から殺せば…俺らは帰れるんだ」グググ

    ベルトルト「…!今はその時じゃない!ここで安易に人を殺せば、僕達の事がバレてしまうかもしれないんだぞ…!」ギリギリギリ

    ライナー「あ、悪魔に怯えて隠れてろって言うのか!?」クワッ

    ベルトルト「違う!説明する時間もないんだよ…!……とにかく、大丈夫だから大人しく寝たフリをしていてくれ」ハァ

    ライナー「…!…分かった。お前のそんな剣幕、見たこともなかった。…だけど、必ず説明してくれ」フイッ

    ベルトルト「約束するよ。君が何も分からない状態は僕らにも好ましくない」パッ

    ライナー「お前、すごい力強くなったな。射撃の腕は随一だったけど、力はこんなになかった」

    ベルトルト「…僕はもう15だ。君も16なんだから、力も強くなってるよ」

    ライナー「本当か!?じゃあ、島の悪魔もイチコロ「だから!それはやめてくれって言っただろ!」…分かってるよ。」

    ベルトルト「…本当に時間がない。遅れたら昼に戻れないかもしれない。とりあえず、これを食べたら横になって待っててくれ」ヒョイ

    ライナー「…パン?お前、悪魔が作ったものを食べているのか?」ワナワナ

    ベルトルト「…悪魔の島だからね。じゃあ、もう行くよ。くれぐれもさっきみたいな真似はやめてくれよ」ビシッ

    ライナー「分かってるって。悪魔どもを殲滅する為なら何だって耐えてやるよ!」グッ

    ベルトルト「…そう、だね。……また後で」バタン タッタッタッ

    ライナー「そうだ…俺達は崇高な使命の為にここにいるんだ…!下らない事で全部パァになんてするもんか…!」ムシャムシャ


    ──訓練後

    ベルトルト(今日の訓練に対人戦闘があって良かった、アニと組んで今日も約束を取り付けられたし)

    ベルトルト(すごく嫌そうにしてたな…)クスッ

    アルミン「ベルトルト、今日危なかったね」タタタッ

    ベルトルト「…アルミン。ああ…本当にギリギリだった」ピクッ

    アルミン「あと数秒遅れてたらキース教官に見つかっていただろうね」クスクス

    ベルトルト「からかうのはやめてくれ…今思い出してもゾッとするんだ」ハァ

    エレン「アルミン!ベルトルト!何の話をしてるんだ?」タッタッタッ

    アルミン「エレン。今日の訓練開始直前の話だよ」

    エレン「ああ、あれか。ベルトルトにしては珍しい顔してた」

    アルミン「あの鬼気迫る顔は滅多に見れるものじゃないだろうね」クスクス

    ベルトルト「本当に、参るからやめてくれ…」ガックリ

    エレン「でも、ライナーの様子見てたんだろ?どうだ、大丈夫なのか?」

    ベルトルト「ああうん…、熱がかなり酷くて朦朧としてるみたいだ。もしかしたら…君達にも変なこと言うかもしれない」

    アルミン「ええ、大丈夫なの?医務室で診てもらった方がいいんじゃない?」

    ベルトルト「ラ、ライナーが下手に診せて休んだら成績に響くって言うんだ…。もう少し様子を見て判断するよ」タラリ

    エレン「具合も悪いってのにライナーはすごいな」キラキラ

    アルミン「それはあんまり褒められた事じゃないよ、エレン。でも…、気持ちは分かるからさ…ベルトルトがキツい時は僕が代わりに見ておくよ」

    ベルトルト「だっ、大丈夫だ…!僕はいつもライナーに迷惑を掛けているし、こういう時にしか返せないから…」アセアセ

    アルミン「そう?…君が言うのなら任せるけど、無理して君まで寝込むことになる前に頼ってくれていいからね?」ニコニコ

    ベルトルト「………うん、ありがとう」ニッコリ
  10. 13 : : 2021/02/07(日) 07:22:09
    ──兵舎

    ガチャ

    ジャン「あークソッ、サシャとコニーの奴…人のものを横取りしやがって…」

    マルコ「はははっ、二人とも言ってただろ。取ったもの勝ちだって」

    ジャン「俺には理解出来ねぇ、そもそも見つけたのは俺だ」

    マルコ「まあまあ、今度から気を付ければいいだろ?」

    ジャン「今度は絶対にアイツらには負けねぇ…!」

    マルコ「ジャン、その意気だ」

    マルコ「あ、そうだ。ライナーの具合はどうなんだろう」

    ライナー(…!)

    ジャン「さぁな、俺としちゃこのまま休み続けて上位圏外まで落ちてくれりゃ言うことねぇな」

    マルコ「ジャン、いくらなんでも言っていいことと悪いことがあるぞ」

    ジャン「へいへい、本当にお前は優等生だな」

    マルコ「からかうなよ」

    マルコ「ライナー、起きてるか?」トントントン ヒョコ

    ライナー(クソ…バレるんじゃないか…?)

    ジャン「マルコ、ほっとけよ。すぐに飯の時間だぞ」

    マルコ「うん、まだ寝てるみたいだ。後で夕食は運んでこようかな」トントントン

    ジャン「放っておけって。そんなことしたって点数にならねぇだろ」

    マルコ「点数は関係ないだろ。あのライナーが寝込んだままなんだ。心配はするよ」

    ジャン「俺は点数に関係ないならどうでもいいね」

    マルコ「またそういうことを…、あまり騒いでもライナーに悪い。もう食堂に行っておこう」

    ジャン「さっきから行くぞって言ってるだろ」

    マルコ「本当にああ言えばこう言うよな」

    ジャン「ハァ?そりゃ誰の事だよ」

    バタン スタスタスタ…

    ライナー「…やっと居なくなった…」ガバッ

    ライナー「まさか悪魔が心配してくるなんて…」

    ライナー「いや、あれが手なんだ。人を油断させた隙に……クソ、早く悪魔どもを裁かないと…!」ギュウウ

    ガチャ

    ライナー「!?」バサッ

    ベルトルト(…誰もいない。昼に戻った時は大人しく寝てたけど…)バタン

    ベルトルト「ライナー、起きているか?」トントントン

    ライナー「ベルトルト!」ガバッ

    ベルトルト「静かにしてくれっ、君は今病人なんだぞ」ヨイショ

    ライナー「あっああ、悪い。さっき、悪魔どもが入ってきたから…」

    ベルトルト「そうか…。でも、何もなかっただろう?」

    ライナー「悪魔が心配するフリして確認してきやがった…」

    ベルトルト(さっき居たのは、マルコかな)

    ライナー「もう一人いたが、そいつは悪魔らしく人を馬鹿にしたり蹴落とす事ばかり言ってた」

    ベルトルト(ああ、ジャンも一緒だったのか)

    ライナー「そいつはいいんだ。分かりやすかったから。でも、もう一人の悪魔は…アイツには気を付けないと…、人を油断させようとした。頭が回りそうだ」

    ベルトルト(………)

    ベルトルト「……僕も、夕飯の時間だから行ってくるけど…その後は就寝だからみんな戻ってくる」

    ライナー「!?」

    ベルトルト「ライナーはみんなが寝静まるまで寝たフリを続けてくれ。何があっても起きては駄目だ」

    ライナー「ベルトルト、お前が…殺されそうになってもか…?」

    ベルトルト「……その通りだ」

    ライナー「それが…俺達に課せられた使命なんだよな。…分かった」

    ベルトルト「…みんなが寝静まった後に抜け出してアニと落ち合うから、とにかくそれまでは大人しくしておいてくれ」ガシッ

    ライナー「アニと…!?わ、分かった。それまで何がなんでも動かない!」

    ベルトルト「…一応またパンを持ってくるけど、食べるのは抜け出した後にしてくれ。他のご飯は持ってきたらその場で食べないといけないから…お腹が空いても我慢してもらうことになる」

    ライナー「空腹ぐらい大義を成す為ならいくらでも我慢出来る」グッ

    ベルトルト「……分かった、すまない。じゃあ、行ってくる」スクッ

    ライナー「気を付けろよ、ベルトルト」

    ベルトルト「……ありがとう」トントントン スタスタスタ

    ガチャ バタン
  11. 14 : : 2021/02/07(日) 09:10:53
    ──兵舎、就寝前

    ワイワイガヤガヤ

    マルコ「でも良かったのか?ライナー、今日パンしか食べてないだろ?」

    ベルトルト「うん、あんまり食べられないって言っていたから。食べれる時は食べるべきだけど、体力が戻って来たら自然と食べれるようになるはずだ」

    マルコ「そうだね、まだ寝込んでるみたいだし…無理させるのも良くないか」チラ

    エレン「ライナーはまだ具合悪いのか?」

    ベルトルト「ああ、夕食前に少し話したけどまだ辛いみたいだ」

    マルコ「あの後起きたのか。ジャンの発言聞かれてなければいいけど…」

    ジャン「なんだよ、マルコ。ライナーがあのくらいで凹んだりする奴かよ」

    コニー「なんだ?またジャンは余計なこと言ったのかよ」

    ジャン「うるせぇ!余計なことじゃなく本心だ。それはそうと、コニー…今日はよくもやってくれたな」

    コニー「ハァ?あれはお前が悪いで解決しただろ」

    ジャン「誰が納得したって言ったんだよ!」

    アルミン「まあまあ、事情は聞いただけだけど教官達がどこを見ているか、それに沿って動くのがいいと思うよ」

    コニー「横取りしてもなんも言われなかったから俺が正しいんだな!」

    ジャン「人としてどうかって言ってんだよ!」

    マルコ「ジャン、お前だけはそれを言っちゃいけないだろ」

    エレン「いっつも点数にならねぇ事は平気でサボる癖に自分は嫌なのかよ」

    ジャン「ハアア?!俺がやってる事に横からゴチャゴチャ言うんじゃねーよ!」ガシッ

    エレン「オイ!服が破けちゃうだろうが!」ガシッ

    コニー「まーた始まった。教官来るまでにやめろよー」

    マルコ「ジャン落ち着けよ!」

    アルミン「エレン!なんですぐに挑発するんだ!」

    ギャーギャー

    ベルトルト「…はははっ」

    ライナー(!?今、ベルトルトが笑った)

    マルコ「いい加減にするんだ!ライナーは具合が悪いんだぞ!」

    ベルトルト「!?」チラ

    ライナー「……」

    コニー「これで起きないってよっぽどキツいんだな」

    マルコ「二人とも時と場合を考えろよ。ライナーが苦しんでいるのにそれを気遣うことすら出来ないのか?」

    エレン「悪い、そうだよな。これじゃライナーもゆっくり休めねぇよな」

    ジャン「俺は関係ないって言っただろ。誰が寝込もうがどうでもいい」

    マルコ「ジャン!…ちょっと来い」グイッ

    ジャン「オ、オイオイ、服が伸びるだろうが!」ズルズル

    コニー「マルコを怒らせたんだから素直に謝りゃいいのに」

    ジャン「コニー!うるせぇぞ!」

    マルコ「ジャン!大人しくついてこい!」

    ガチャ バタン

    …………
  12. 15 : : 2021/02/07(日) 09:10:59
    アルミン「はぁ、エレンもエレンだよ。なんであんなにジャンに突っ掛かるの?」

    エレン「お前だって聞いてただろ。アイツは憲兵に入るためにここにいるんだ。内地で楽して暮らすために巨人を殺す技術を磨いてやがる…!」

    コニー「それはオレも変わんねーぞ」

    エレン「アイツは!それをさも当然に言うのが腹立つんだ!」

    アルミン「…仕方ないよ。それは5年前に壁を壊される前から変わらなかったことだ」

    エレン「……!誰かが、巨人を駆逐しねぇとどこにも逃げ場なんてねぇのに!またいつオレ達が見たように壁が壊されて巨人に食われるか分からねーんだぞ!?」

    ベルトルト「………」

    アルミン「それは…、多分分かってると思うよ。みんな」

    エレン「だったら、なんで!」

    アルミン「誰しもエレンみたいに強くなれないんだよ…。巨人と対峙して戦う勇気が出る人なんて、ほんの一握りだ。」

    アルミン「5年前、超大型巨人が出現してシガンシナだけじゃなくウォールマリアの壁も鎧の巨人に壊された…」

    エレン「オレの母さんも…巨人に、食われた…!」

    アルミン「僕のお爺ちゃんも領土縮小の影響で食われて死ぬと分かってる探索隊に志願して…帰ってこなかった」

    アルミン「でもさ、そんな理由を持つ人もまた一握りだ。大事な人達が変わらずいて、平和を享受してる人は実感なんて簡単には持てないよ」

    コニー「………」

    アルミン「どうしたって巨人と向き合いたくない人もいる。…分かるよ。怖くて怖くて堪らないんだ」

    ベルトルト「………」

    アルミン「それでもエレンは諦めないんだろ?外の世界に出ることを、巨人を倒すことを」

    エレン「当たり前だ…!アイツらは絶対に生かしてちゃいけねぇ…!」

    アルミン「だったら、いいじゃないか。誰が何を言おうと、君は君の目的を果たせばいい」

    ベルトルト「……」
    ライナー「……悪魔が」

    アルミン「えっ…?」

    ベルトルト「!?ラ、ライナーの寝言かな…?」アセアセ

    アルミン「あはは、こんな話してたからかな。うん…そうだね。巨人は悪魔だ」

    ベルトルト「っ……」

    エレン「オレは、相手が悪魔だろうが何だろうが全て駆逐する。それだけは絶対に決めたことなんだ」

    ライナー「……」

    アルミン「うん…ごめん。しんみりしちゃったね。そろそろ就寝の時間だし寝る準備しようか」

    コニー「じゃあジャンもマルコも戻ってくるだろうな。ジャンの奴、絶対八つ当たりしてくるからさっさと寝ようぜ」

    アルミン「そうだね。教官に見つかるまで八つ当たりをされるのは遠慮したい」

    ワイワイゴソゴソ

    ベルトルト「………」

    アルミン「ベルトルト?寝る準備しないの?」

    ベルトルト「っ!あ、ああ…うん、するよ。」トントントン

    アルミン「おやすみベルトルト」

    ベルトルト「……おやすみ」
  13. 16 : : 2021/02/07(日) 11:24:54
    期待
  14. 17 : : 2021/02/07(日) 22:40:44
    ──兵舎外、消灯後

    ザッザッ

    アニ「遅かったね」

    ベルトルト「ごめん。ジャンが中々寝なく「アニ!」…ライナー」

    アニ「!?なに、」

    ライナー「無事だったんだな!良かった…」ホッ

    アニ「……今度はどういうこと?」

    ベルトルト「……ライナーは、11歳以降の記憶が無くなってる」

    アニ「は…?それ、…継承すら覚えてないってこと?」

    ベルトルト「…多分」

    ライナー「継承?!俺が、9つの巨人を継承したのか!?ベルトルト!なんで言わなかったんだよ!」

    ベルトルト「…下手に言って巨人化されたら、どうにもならないからだよ」

    アニ「…どこまで伝えたの」

    ベルトルト「今、どこに居るかって事と、僕達の任務と…あとは、マルセルが居ないことだけ」

    ライナー「俺はどの巨人を「アンタは黙ってな」……」

    アニ「そう。…だったら、帰れるんじゃない?」

    ベルトルト「…え?」

    アニ「元々…マルセルが食われてから私らは引き返そうとしたでしょ。なのに、コイツが……」ギリッ

    ライナー「な、どういうことだよ!?」クルッ

    ベルトルト「……」スッ

    アニ「……島に着いて壁の破壊へと向かっている最中、現れた巨人に食われそうになったアンタを…マルセルが庇って食われた」

    ライナー「!?」

    アニ「誰よりも早く逃げたアンタを追って、私とベルトルトもその場から逃げ出した…。あの時、せめてその場で出てきた人間を確保すれば顎は失わずに済んだ…でも、これは…私もベルトルトも同じだ。…マルセルを見捨てたのは、みんな一緒」

    ベルトルト「……」

    アニ「だけど……!お前は顎の回収をしないどころか引き返そうとした私達を脅した!」ギュウウ

    ライナー「脅し…、俺、が?」

    ベルトルト「……みんなであのまま引き返せば、3人とも次の継承者に受け継がれる」

    ライナー「!!?」

    アニ「そう、自分の責任だけで済むと思うか?…だったよね。……私達はここに来るしかなかった」

    アニ「その時は、アンタが決めて進めたよ。だから従った。…そこに、私の責任はないなんて、今はもう言う気はない」

    アニ「ただ、あの時決めたアンタが居なければ、私達は戻ろうが進もうが関係ないと思わない…?」

    ベルトルト「座標の奪取もせず、戻るって言うの?」

    アニ「今まで!…私がどれだけ身を粉にして調べたと思っているのさ…!?」ギッ

    ベルトルト「……ごめん」

    アニ「前に言ったでしょ。王の元に辿り着くのは、限界だって」

    ベルトルト「…そう、だね」

    アニ「その時にも言った!この情報を持ってマーレに帰ろうって!……コイツが反対しなければ…!」

    ライナー「任務を、放棄するって…言うのか?」

    アニ「っ!何も知らないお前が言うな!!」

    ライナー「っ…」

    ベルトルト「ねぇ、アニ。故郷…マーレに帰るとしても、ライナーには経緯やここの事を教えた方がいいと思う」

    アニ「教えてどうするの?またあの時みたいに脅されるのを待つの?」

    ベルトルト「違うよ…帰るにしても、次の望月まで20日ほどある。…それまでに僕らの正体がバレたらおしまいだ。」

    アニ「…何食わぬ顔で過ごして去る必要は、あるね」

    ベルトルト「だからそれまでの間、ライナーが危険を晒さないように説明は、必要だと…思う」

    アニ「…へぇ、珍しく自分で考えてるね。大好きな相棒がこの状態だと本気になれるとでも?」

    ベルトルト「僕は…!……帰りたいだけだ。3人で、故郷に」

    アニ「……分かったよ。明日早速正体がバレました、なんてことにならないようにお互い補足しあってコイツの頭に叩き込もうか」ハァ

    ベルトルト「…ありがとう」

    アニ「これは、私達の安全のためでもあるからね」
  15. 18 : : 2021/02/07(日) 23:50:18
    ──数時間後

    ライナー「何でなんだよ!お前ら、悪魔に絆され…いや、洗脳でも受けたのか!?」

    アニ「ねえ、ライナーってここまで馬鹿だった?」

    ベルトルト「…体感しないと分からないこともあるよ。…僕らはずっとここの人達を悪魔だと叩き込まれたんだ」

    ライナー「悪魔だろ!」

    アニ「面倒になってきたんだけど。もう上っ面だけそれらしくさせたらいいんじゃない?」ハァ

    ベルトルト「……ライナー、君の認識が変わらないのは分かったよ。もうそれでいい」

    ライナー「ハ?…なぁ、お前ら、本当に俺の味方なのか?あの悪魔どもについたんじゃないよな?」

    アニ「っ…!次、同じことを言ったら私はアンタを殺す」ギリッ

    ベルトルト「アニ!……ライナー、そんなことをありえると思うのか?僕らは、あの日…沢山の人を殺したんだよ?そんな奴らが味方になると言って正体を明かしたところで…情報を吐かされて殺されるのがオチだ」

    ベルトルト「今日の消灯前にエレンが言ってただろ…。絶対に赦されないんだよ、僕らは」

    アニ「……」

    ライナー「でも…俺らを油断させようとしてくるような頭の回る奴がいるんだ。お前らだって騙されて「それも違う」も、…なんで、分かるんだよ」

    アニ「埒が明かないんだけど」

    ベルトルト「アニ、待ってくれ。……仲間は大事にするだろ」

    ライナー「…は?」

    ベルトルト「…ライナー、彼らにとって…僕らは仲間なんだ。…当然だろう?そうやって、僕らが欺いているんだから」

    ベルトルト「悪魔でも、仲間は大事にするよ。僕らに守りたいものがあるように。悪魔が仲間同士で殺しあっていたら、今頃壁の中には誰も居なかったはずだ」

    ベルトルト「いや…一人だけ、いるのかもね」

    アニ「……」

    ライナー「そう…か。そういうことか。アイツらにとって俺らが仲間だと錯覚してるから、あんなに優しくしてくるのか」

    ベルトルト「…だから、仲間のフリをするんだ。無事に故郷に帰れるまで…。ライナー、出来るか?」

    ライナー「ああ…ああ、もちろんだ。故郷に帰るため、アイツらを欺けばいいんだな?空腹を堪えるより簡単にやってやるよ…!」グッ

    ベルトルト「殺したくても、殺してはダメだ。……悪魔達は、仲間を殺されるととても怒るから」

    ライナー「分かった。時間が来るまで仲間の顔をしていればいいんだろ?悪魔のような残虐なことが出来るか少し不安だけどな」

    ベルトルト「……大丈夫だよ。悪魔は仲間には残虐な振る舞いをしない」

    ライナー「そうか…。俺は、お前達がどうやってここまで来たのか、知らない。…でも、悪魔どもを消したくても消せなくて苦しんでたんだよな。アイツらが狡猾でお前達ですら動くに動けなかった」

    ベルトルト「……」
    アニ「……」

    ライナー「その上でさっきの判断をしたのなら、俺は従う。一度マーレに戻って更に綿密に作戦を立てられるのなら、それでいい。…情報があるのなら、全滅して何も持ち帰れないよりずっとマシだ」グッ

    アニ「そう判断してくれると、私も助かるよ」

    ライナー「定期船に向かうまでの手立てはあるんだろ?」

    アニ「行きと同じで、巨人の生息圏外までは私とライナーで…ああそっか…ベルトルト、どうする?」

    ベルトルト「どこかでライナーが巨人を制御出来るか、試さないといけないね……もうすぐ、休暇の日がある。……その時に人に見られないようなところで確かめよう」

    アニ「私も行くべき?」

    ベルトルト「…いや、…うん、制御出来なかった時を考えて来てほしい。ただし、三人で出るんじゃなく、アニとは目的地の近くで落ち合おう」

    アニ「分かったよ。確かに、アンタの巨人じゃ見られるからね」

    ベルトルト「……すまない」

    アニ「いいや?今日のアンタはすごく頼りになった。いつもは何だったんだって、言うくらいに」

    ベルトルト「!!…あ、そ…それなら、良かったよ」カァァ

    アニ(ほとんど皮肉だったつもりなんだけど…)

    ライナー「作戦はそれでいいな。だいぶ夜も更けたし戻って寝ないと。少しでも鋭気を養わないと悪魔どもの前で気は抜けないぞ」

    ベルトルト「そうだね、そろそろ帰ろう」

    アニ「じゃあ、場所が決まったら私に伝えて。まだ休みまでに対人格闘術もあるし」

    ベルトルト「ああ、分かった。じゃあ行こう」
  16. 19 : : 2021/02/09(火) 19:46:41
    ──兵舎への帰り道
    ザクザクザク
    アニ「じゃあ、私こっちだから」

    ベルトルト「ああ、戻る時は気をつけて」

    ライナー「アニなら大丈夫だろうが、何かあったら助けに行くからな」

    アニ「…どうも」

    ザクザクザク

    ライナー「……なぁ、ベルトルト」

    ベルトルト「何?」

    ライナー「……その、寝る前の時間の時さ、悪魔どもが喧嘩してただろ」

    ベルトルト「……」

    ライナー「あの時…お前、本心から笑ってなかったか?」

    ベルトルト「……そう、聞こえたの?」

    ライナー「…まさか、…気になっただけだ」

    ベルトルト「そうか…」

    ライナー「…」

    ベルトルト「…」
  17. 20 : : 2021/02/09(火) 20:59:13
    ──朝、兵舎


    コニー「今日の寝相は…見なくても半分見えてるな」チラ

    ジャン「今日はまだマシみたいだな。上半身じゃなく足がベッドからぶら下がってるだけだ」

    ベルトルト「」スゥ…スゥ…

    コニー「上はどうなってんだ?」トントントン ヒョコ

    コニー「うおっ、腰から捩れてうつ伏せになってる…!腕もぐにゃぐにゃしてるし、…気持ち悪いな。これ」
    トントントン
    ジャン「今日は午後からドシャ振りなんだろうな。まあ、午後は座学だ。運がいい」ヒョコ

    マルコ「ジャン、ライナーの様子はどうだ?」

    ジャン「ああ?…今日もよく眠ってる」

    マルコ「そうか、ベルトルトを先に起こして夜中の様子を聞いてみるか。…ベルトルト、起きてくれ」トントントン ユサユサ

    ベルトルト「う…ハッ、…おはよう」

    マルコ「あれ、珍しいね。起きてすぐ寝惚けてないベルトルトなんて。おはよう、ライナーは大丈夫だった?」

    ベルトルト「あ、ああ、昨日は大人しく寝て起こされることもなかったよ。ライナーを僕が起こすから、君達は自分の準備をしてくれ。遅ければ朝食も先に行っていいから」

    マルコ「分かった。ジャンとコニーは…もう降りてるか。もしライナーが起きなかったら手伝うから」トントントン

    ベルトルト「ああ、ありがとうマルコ」

    ワイワイガヤガヤ

    ベルトルト「ライナー、起きてくれ」

    ライナー「フゴッ!?…おはようベルトルト。お前早起きになったのか…?」フワァ

    ベルトルト「気を抜かないでくれ。君は今ここがどこか分かるか?」ヒソ

    ライナー「!?そ、そうだったな…!」ガバッ

    ベルトルト「昨日話した通りに頼む」

    ライナー「任せろ」

    ベルトルト「とりあえず今から朝食だから、顔を洗いに行こう。僕についてきてくれ」

    トントントン

    コニー「おっ!ライナー元気になったのか?」

    エレン「ライナー!昨日はずっと寝込んでたみたいだが今日は元気そうだな!」

    マルコ「本当だ。今日は訓練も出れそうだね。立体機動訓練を休んだのを取り戻すのは大変かもしれないけど、君なら大丈夫だろう」

    ライナー「あ、ああ…心配かけたな」

    ベルトルト「ライナー、急ごう」
    ガチャ バタン
  18. 21 : : 2021/02/09(火) 20:59:38
    ベルトルト「さっき話しかけてきた坊主の人はコニー、次に話しかけてきた黒髪の人はエレン、最後に声をかけてきたのはマルコ。逐一名前は教えていくから覚えてくれ」

    ライナー「コニー、エレン、マルコ…分かった。覚えた」

    ベルトルト「君は…彼らに尊敬されたり頼られることが多い。だから、怯えたりしないよう気をつけてくれ」

    ライナー「俺が…尊敬…?悪魔にか?」

    ベルトルト「悪魔としてじゃなく、仲間として、だ」

    ライナー「そうか…。…俺達が無事に戻れなかったら、母さんも悲しむし…父さんと一緒に暮らせなくなる」

    ベルトルト「そうだね…。そういえば、君が家族の話をするのなんて久しぶりに聞いたな」

    ライナー「そうなのか?今までの俺は何の話をしていたんだ?」

    ベルトルト「……ここに入ってからは訓練の話がほとんどだったよ」

    ライナー「俺、訓練もまだ良く分からないけど、大丈夫なのか?」

    ベルトルト「今日は馬術と座学だからどうにかなる。ただ…立体機動術はかなり大変だから…今日の訓練後からは教官に許可を貰って自主訓練をしていこう」

    ライナー「ああ、分かった。アニも誘うか?」

    ベルトルト「イヤ…アニとは知り合いじゃないことになっていると言っただろう?だから、君も人前でアニに気安く話し掛けないようにしてくれ」

    ライナー「そうか…。なぁ、ベルトルトってアニ好きなのか?」

    ベルトルト「えっ!?なっ…何を…!?」カァァ

    ライナー「やっぱりか、俺が協力してやってもいいぜ?」

    ベルトルト「ひ…必要ない。それに、故郷に帰るまでそんな話出来るはずがないだろ…」

    ライナー「それもそうか…分かった、早く帰れるように頑張ろうぜ!」

    ジャン「どこにだよ」

    ベルトルト「!?」
    ライナー「!?」

    ベルトルト「ジャ、ジャン、…おはよう。もしかしてうるさかった?」

    ジャン「いや?ライナーが今日もどうたら張り切ってる声しか聞こえなかったぜ?」

    ベルトルト「そ、そう…。廊下だと迷惑になるかもしれないね、ごめん」

    ジャン「ハァ?別に俺は謝れと…、…ライナー?」

    ライナー「!?な、なんだ?」

    ジャン「なんだよまだ具合悪いのか?へっ、それなら今日も休んだらどうだよ?」

    ライナー「いや、もう大丈夫だ」

    ジャン「そうかよ。あと数日休んでくれてりゃあ差もだいぶ縮まっただろうに、残念だな」

    ライナー「………」

    ベルトルト「ラ、ライナー。ご飯の時間に遅れたら大変だ…早く顔を洗いに行こう…!」

    ベルトルト「ジャンも、そんなこと言ってたらまたマルコに叱られるよ」

    ジャン「マ、マルコは関係ないだろ!たく、もう行く」スタスタスタ

    ライナー「…なんだアイツ。仲間にもあんな感じなのか?」

    ベルトルト「うん…、正直者と言うか…躊躇いもせず思ったことを言うから…。でも、悪い奴じゃないよ」

    ライナー「は?」

    ベルトルト「な、仲間に対しては…、それほど酷いことしてないよ」

    ライナー「そうか?……興味はねぇが、性格とか覚えとかないと万一の時に困るよな」

    ベルトルト「ああ、対応間違えると困るから、頭に入れておいてくれ」
  19. 22 : : 2021/02/10(水) 20:11:25
    面白いなぁ…この発想はなかった。
    この後どんな展開になるか気になります、期待
  20. 23 : : 2021/02/11(木) 13:35:49
    ──食堂

    ワイワイガヤガヤ

    サシャ「ライナー、ベルトルト、おはようございます」

    ベルトルト「おはよう、サシャ」

    ライナー「…おはよう」

    サシャ「ライナーの具合は良くなったんですか?」

    ベルトルト「ああ、今日は訓練にも出られそうだよ」

    サシャ「そうですか。ライナー、昨日はあなたの残したご飯を沢山貰いましたので、とても元気に過ごせました!」

    ライナー「は?…何の話だ?」

    サシャ「あれ?ベルトルト伝えてなかったんですか?」

    ベルトルト「あっ、ごめん。ライナーはほとんど寝てたから、伝えられてなかった」

    サシャ「でしたら改めて、昨日はご飯をくれてありがとうございます」

    ライナー「いや…別にいい」

    サシャ「ちなみに今日も食欲なくて残す予定なんてありますかね?」グフフ

    ライナー「……全部食べるつもりだ」

    サシャ「そうですか…」シュン

    サシャ「でも!食べられない時はいつでも言ってくださいね!」

    ライナー「ああ…分かった」

    サシャ「私も自分のご飯を食べてきます。では!」タタタッ

    ライナー「変な奴だな」

    サシャ「あの子はサシャって言って、とても食いしん坊なんだよ。教官の前で盗んだ芋を食べ出すほどにね」ヒソヒソ

    ライナー「……とんでもねぇ奴じゃねぇか」

    ベルトルト「うん…だから、今日は食事の時に寄ってくるかもしれない」

    ライナー「分けた方がいいのか?」

    ベルトルト「いや…君が食べられないなら分けていいけど、多分それをすると、今度はたかりに来るよ」

    ライナー「絶対に分けたら駄目だろ、それ」

    ベルトルト「ははは…」
  21. 24 : : 2021/02/11(木) 13:36:35

    ───

    ガヤガヤ

    ベルトルト「アルミン、ここの席いいかな?」

    アルミン「ベルトルト、うんどうぞ。ライナーも体調戻ったみたいだね、良かったよ」カチャ モグモグ

    ライナー「…ああ」ガタッ

    アルミン「?なんだかまだ調子よくなさそうだけど…」

    ベルトルト「そ、そうなんだ。でもこれ以上休むと成績に響くからって」カチャ

    エレン「そうなのか、ライナー?お前の能力はオレ達だけじゃなく、教官も認めてるだろ。そんなに無理しなくても休めばいいじゃねーか」カチャ モグモグ

    ライナー「エレン……、そうはいかないだろ。俺にもやるべきことがあるんだ」カチャ モグモグ

    エレン「ああ…お前も帰れなくなった故郷に帰るために頑張ってるんだもんな」

    ライナー「!?」

    ベルトルト「あ、ああ、ライナーは人一倍故郷に帰れなくなった事を悔しく思ってるから」

    アルミン「それで無理をして全てを台無しになるよりは、休むのも1つの方法だって君なら理解してるんじゃない?」

    ライナー「……」

    ベルトルト「うん…それでも動けるようになったら、落ち着かないみたいなんだ」

    アルミン「そっか……ふふ、なんだか今日は君達の雰囲気がいつもと違うね」

    ベルトルト「え!?」
    ライナー「…!?」

    エレン「たしかに、いつもはベルトルトの方が静かに飯食ってるもんな」

    ベルトルト「はは…ライナーの調子が戻るまでは、僕が手助けしないと。いつもは僕が世話をかけてるから」

    アルミン「昨日も言ってたね。そんなに気負わなくても、僕達もいるんだ。いつもライナーに世話になってるし、何かあれば手伝わせてよ」

    エレン「ああ!オレだってライナーに助けられて励まされてばっかだしな。お前になら、何でも手助けしてやりたいと思ってるぜ」

    ライナー「……」

    ベルトルト「二人とも、ありがとう。…何かあったら頼むことがあるかもしれないけど、その時はよろしくね」

    ミカサ「エレン」

    アルミン「あれ、ミカサ。今日は遅かったね」

    ミカサ「今日は、アニが起きなくて…みんなで起こしてた」ガタッ

    ベルトルト「!」
    ライナー「!」

    アルミン「え、珍しいね」

    ミカサ「そう、珍しい。だから、ミーナが心配してた」

    エレン「ライナーだけじゃなくアイツも具合悪いんじゃないか?」

    アルミン「風邪でも流行ってるのかな…」

    ミカサ「分からない。けど、起きたあとは…多分、いつも通りだった」

    エレン「ふーん、後で調子でも聞いてみるか」

    ミカサ「必要ない。エレンは、自分のことに、集中するべき」

    エレン「はあ!?どういう意味だ!オレを馬鹿にしてんのか!?」

    ミカサ「違う。あなたがアニを、気にかける必要が、ないと言うこと」

    アルミン「し、心配なら僕が聞いておくから。ミカサも、そんな言い方じゃ誤解されるよ」

    エレン「今の言い方のどこが馬鹿にしてないって言うんだよ!」バンッ

    ミカサ「……」

    ライナー「落ち着けよ、エレン」

    エレン「なんだよライナー。お前もミカサが正しいって言うのか…!?」

    ベルトルト「ライナー…」

    ライナー「よく分からんが…ミカサはお前を心配してんだろ?」

    アルミン「そう!そうなんだよ、ミカサはエレンを心配して…!」

    エレン「それはオレの実力がないからだろ!」

    ライナー「お前は、自分より実力が下の奴を馬鹿にするのかよ」

    エレン「ハア?そんなことするわけねーだろ」

    ライナー「だったら、ミカサもそういうことをする奴じゃないって分かるんじゃないのか?」

    エレン「……」

    ミカサ「ライナー、もういい。私が悪かった。エレン、ごめんなさい」

    エレン「……もういい。お前もその変な言い方やめろよ」

    ミカサ「……?」

    エレン「お前の言い方だと、オレが劣ってるから余計なことするなって言ってるようにしか、聞こえないんだよ」

    ミカサ「…ごめんなさい」

    エレン「だからもういいって、次からはもう少し分かりやすく言えよ」

    ミカサ「分かった。努力する」

    アルミン「良かった…ライナーもありがとう。君の言葉ならエレンも素直に言うこと聞くんだよね。今度その説得力のある話し方教えてくれない?」

    エレン「おいアルミン!お前も変な言い方するんじゃねーよ!」

    ワイワイガヤガヤ

    ベルトルト「……」
  22. 25 : : 2021/02/11(木) 15:12:13
    ──廊下

    ベルトルト「ねぇ、ライナー」

    ライナー「なんだ?」

    ベルトルト「君は、……彼らの事を知らないはずなのに、なんであんなこと言ったの?」

    ライナー「……エレンって、昨日の奴だろ」

    ベルトルト「昨日の…?」

    ライナー「言ってただろ、悪魔の癖に悪魔を駆逐するって」

    ベルトルト「……うん、言ってた」

    ライナー「アイツらは悪魔だ。だけど、…なんか、アイツは俺に似てる気がしたんだ」

    ライナー「俺も、いっつもドベでポルコにも馬鹿にされてた」

    ベルトルト「……」

    ライナー「悔しくて、頑張って、頑張って、頑張っても追い付けない」

    ライナー「どんなに頑張っても実力のある奴には届かなくて、俺だって、母さんの為にも戦士にならなきゃいけないのに何をしてもドベのまんまだ」

    ライナー「そうすると、お前たちの言葉も全部馬鹿にしてるように聞こえるんだよ。俺がドベだから、何をしてもドベなんだって」

    ベルトルト「そんなことは…」

    ライナー「分かってる。俺が今ここにいることが努力が報われた証だろ?」

    ベルトルト「………」

    ライナー「だから、アイツも同じなんだって分かるんだ。努力してもしても追い付かなくて、悔しくて、周りの言葉が全部馬鹿にしてるように聞こえる」

    ライナー「悪魔なのにな。アイツがそうやってもがいてるのが分かったから口を出さずにはいられなかったんだ」

    ベルトルト「そう、か…」

    ライナー「……仲間のフリをするつもりなら、悪いことじゃないだろ?」

    ベルトルト「…ああ、あの時は、いつものライナーみたいだった」

    ライナー「だって、俺は俺なんだ。そんなに大きく変わったりしねぇよ」

    ベルトルト「そう、だね…」

    ライナー「じゃあ行こうぜ。遅れたら怒られるんだろ?」

    ベルトルト「うん…ごめん。行こう」


    ──兵団内、外

    ライナー「訓練の場所分からねぇけど、どこでやるんだ?」

    ベルトルト「午前は馬術だから馬屋に行って自分の馬と一緒に整列するんだ」

    ライナー「それ、俺の馬がどれか分からなくないか?」

    ベルトルト「君の馬は僕の馬の隣に居るから大丈夫だよ」
  23. 26 : : 2021/02/11(木) 15:12:46
    ──馬屋

    ライナー「お、おお…良かった。暴れられたらどうしようかと思った」
    ブルルル

    ベルトルト「君は、君だって分かってるんだよ。馬は賢いから」

    クリスタ「おはよう、ライナー、ベルトルト。今日もライナーの馬はよく懐いてるね!」

    ベルトルト「クリスタ、おはよう」

    ライナー「…………」ポー

    クリスタ「ライナー?どうかしたの?」コテ

    ユミル「おいクリスタ。その筋肉男から離れろ」グイッ

    クリスタ「きゃっ!もう、ユミル!そんなこと言ったら失礼だよ!」

    ユミル「事実だ。見てみろよあの顔、明らかに発情してやがる」

    クリスタ「はつ…もう!ユミル本当に失礼だってば!」ポカポカ

    ユミル「ダハハハッ!こんなに可愛けりゃ発情する気持ちも分かるけどな」

    ライナー「……」ポー

    ベルトルト「…おはよう、ユミル」

    ユミル「はぁ?…いつもは何も言わずに突っ立ってるだけなのに珍しいな、ベルトルさん」

    ベルトルト「そ、…そんなことはないよ。挨拶は、してる」

    ユミル「だったら、聞こえるように言ってるのが珍しいんだよ。私からの返事なんか貰いたくねぇんだろ?」

    ベルトルト「……」

    クリスタ「もう!どうしてユミルはいつもそんなことばかり言うの!挨拶には挨拶で返すのが礼儀でしょ!」

    ユミル「へぇへぇ、おはよう、ベルトルさん。これでいいんだろ?」

    クリスタ「よくない!さっき失礼なこと言ったのも謝って!」

    ユミル「失礼なことなんて言ってねぇだろ?全部事実じゃねぇか」

    クリスタ「その言い方が失礼なの!」

    ユミル「あーわーったよ。めんどくさいから行こうぜ」グイッ

    クリスタ「あっ!まだ謝ってないでしょ!ライナー!ベルトルト!本当にごめんね!?」ズルズル

    ベルトルト「ううん、気にしないで」

    クリスタ「ありがとう!また後でね」

    ユミル「あんな奴らほっとけって」

    クリスタ「またそういうこと……」

    …………

    ベルトルト「……ライナー」ポン

    ライナー「ハッ!?…今、天使がいた」

    ベルトルト「それはただの人だよ」

    ライナー「あんなに可愛くて親切なのにか!?」

    ベルトルト「……この島の人間は、悪魔なんだろ?」

    ライナー「………」

    ベルトルト「とにかく、もうすぐ集合時間だ。早く行かないと」

    ライナー「そ、そうだな。また後でって言ってたから、また会えるよな」

    ベルトルト「………」
  24. 27 : : 2021/02/11(木) 19:04:04
    ──訓練場

    キース「時間だ。今から馬術の訓練を始める!」

    訓練兵「「「はっ!」」」

    キース「貴様らにもとっくに叩き込んでいるが、調査兵団の馬は通常の馬と大きく違う点がある」

    キース「分かるか、アルレルト!」

    アルミン「はっ!調査兵団が使用する馬は品種改良をしており、通常の馬の最高速度が60kmから70kmに対し兵団の馬は最高速度が75kmから80km!巡航速度は35km!尚且つ長時間の移動を継続して走行することが可能であります!」

    キース「その通りだ!お前たちが今扱っている馬よりも品質も値段も高い!」

    キース「だが、気を付けなければならないことがある。それはなんだ、ボット!」

    マルコ「はっ!馬の体力は向上していたとしても有限であります!最高速度を維持し続ければ、馬は本来可能な走行距離よりも短い距離しか移動出来なくなります!」

    キース「そうだ!馬の品質が高くても気を付けなければならないことだ!お前達の馬は通常の馬だ!それはより顕著に出ることだろう!」

    キース「本日の馬術の訓練は班毎に目標地点までに時間内に到着することだ!距離にして15kmとなる!自らで馬の調子を確認しながらの行程だ、馬の状態を無視して進めば今後、貴様らに馬を与えられることはないと思え!更に、誰かが遅れるようならば帰りが間に合わず飯抜きになるのを覚悟することだ。到着だけでなく、帰りの馬の体力がなければ同様の処罰になる!今まで学んだ知識を動員して訓練に励め!」

    訓練兵「「「はっ!」」」

    サシャ「ひぃ!ご飯抜き…!」ガタガタ

    キース「ブラウス、無駄口を叩くな!」

    サシャ「は、はっ!」

    キース「この訓練は個人だけでなく全体の管理能力を問うものである!自分の馬はもちろんのこと、足を引っ張らないよう班の仲間の状態に気を配るのが一番の課題だ!今から班の組み合わせを発表する!班長と副班長が決まり次第、報告しろ!」

    訓練兵「「「はっ!」」」
  25. 28 : : 2021/02/11(木) 19:06:02
    ───

    ベルトルト「今日の馬術は点数配分が多そうだ…」

    ユミル「全くクソッタレなメンツだな、オイ」

    クリスタ「みんな、協力して頑張ろうね!」

    ライナー「クリスタ…」ポー

    ダズ「お、俺も足手まといにはならないようにするさ…!」

    フランツ「ハンナ…君に何かあればすぐに駆けつけるからね…!」タソガレ

    ベルトルト(どうしよう…、勘の鋭いユミルがいるのも問題だけど、そもそもこのメンバーを纏めるのは今のライナーには難しそうだ…)

    ユミル「班長は…もちろんクリスタでいいよな?」

    クリスタ「えっ、駄目だよ!ライナーがいるのなら任せる方が班のためになるんだから!」

    ベルトルト「いや…、ライナーはまだ本調子じゃないから、出来れば班長は遠慮したいって、…ね、ライナー」ガシッ

    ライナー「はっ!あ、ああ…俺にみんなを率いて進むのは無理だ」

    ダズ「お前が無理なら誰だって無理だろ…」

    フランツ「ハンナ……」ハァ

    ユミル「ケッ、よくもまぁそんな嫌味を言えるよな」

    ユミル「まぁいい。異論がないのなら班長はクリスタだ」

    ユミル「副班長は…ライナーでいいか」

    ベルトルト「いや…、ごめん。副班長もライナー以外にしてくれ」

    ユミル「はぁ?いちいち口を挟むんじゃねぇよ。ライナーが駄目だってんならお前がやれよ」

    ベルトルト「クリスタが班長なんだ、フォローする立場の副班長は君がやったらいいだろう?」

    ユミル「やなこった。クリスタには好きに口出し出来るんだ。そんな面倒な立場になるくらいなら私は協力しねぇ」

    ベルトルト「じゃあ…」キョロ

    ダズ「お、俺は絶対に無理だからな…!」

    フランツ「ハンナがいないんじゃ、やる気にならないから遠慮するよ」

    ベルトルト「…」

    クリスタ「ライナーの調子が良くないのならベルトルトが班長になってまとめるでもいいんじゃないかな?」

    ベルトルト「えっ、いや…僕は」

    ユミル「駄目だ。班長はクリスタに決定したんだ。今更ひっくり返すのは私が許さねぇ。…さっきも言ったが、お前が副班長やれよ。これ以上時間かけるのも面倒だ」

    ベルトルト「…」

    ライナー「いいじゃねぇか、お前ならやれるだろ」

    ライナー「戦士候補生の頃はお前のが上だったんだしよ」コソ

    ユミル「…」

    ベルトルト「ライナー!…分かったよ。僕が副班長だ」

    ユミル「よし決まりだ。じゃあベルトルさん、報告頼むわ」ヒラヒラ

    ベルトルト「なっ、班長が行くべきだろ…!」

    ユミル「残念ながらクリスタは私の相手で忙しいんだ。お前だけでも事足りるだろ」

    クリスタ「駄目だよユミル!私が班長になったのなら私もちゃんと報告に行かなきゃ!」

    ユミル「……私は具合の悪いライナーと副班長が一緒に行けば、憂いなく報告出来るだろうと気を利かしたつもりだったんだがな」

    ライナー「俺が行くのか?」

    ベルトルト「!……分かった、ライナーと行ってくる」グイッ

    ライナー「ベルトルト!分かったから引っ張るな!」

    ユミル「頼むぜ、ベルトルさんよぉ」
  26. 29 : : 2021/02/11(木) 19:12:21
    ザッザッザッ
    カポッカポッカポッ

    ベルトルト「ライナー。ユミルには気をつけてくれ」

    ライナー「ユミル?クリスタに張り付いてる女だよな?」

    ベルトルト「彼女は勘が鋭いんだ。多分、君がいつもと何か違うことも察してる」

    ライナー「お、おいおい…それ、大丈夫なのか?」

    ベルトルト「彼女はクリスタに関することで迷惑を掛けなければ、基本的に無関心なんだ」

    ライナー「なんでだ?自分のことで怒るとかじゃないのか?」

    ベルトルト「分からない…。ただ、彼女はクリスタのために行動している節がある。言動はあんな風でもかなり出来るんだ」

    ライナー「…クリスタに話しかけても、駄目なのか?」

    ベルトルト「……ライナー…、ユミルにある意味弱味を握られているんだ。訓練に関すること以外は極力クリスタには近付かない方がいい」ハァ

    ライナー「そうか…」シュン

    ベルトルト「……きっとクリスタなら、あっちから君に話しかけて来ると思うよ」

    ライナー「そ、そうか!」パァ

    ベルトルト「ねぇ、ライナー。僕達の目的は分かってるよね?」

    ライナー「な、なんだよいきなり…当たり前だろ」

    ベルトルト「故郷にはクリスタは連れていけない」

    ライナー「!?」

    ベルトルト「分かってるのなら、線引きしてくれ」

    ライナー「わ、分かってるよ…そんなこと」

    ベルトルト「だったらいいんだ。…ごめん」

    ライナー「謝るなよ、俺が情けなかったんだろ。大丈夫だよ、故郷に帰るためなら、俺は何でも出来るって言っただろ?」

    ベルトルト「そう…だね、君は、そういうやつだ」

    ライナー「なんだそれ?」

    ベルトルト「なんでもないよ。…教官だ。報告の間は黙っていればいいから」

    ライナー「分かった」
  27. 30 : : 2021/02/11(木) 23:26:38
    ──訓練場

    キース「よし、全員準備は完了したな!開始位置は混乱を来さないよう班毎に指定してある!現時刻から時間を計測する。ダラダラと動いていればあっという間に減点されるぞ!心して掛かれ!」

    訓練兵「「「はっ!」」」バッ

    キース「では、訓練開始!」

    ザワザワ

    ベルトルト「ライナー、行こう」タタッ

    ライナー「おう。…アニはあっちの方か」

    ベルトルト「…人のことを気にしている場合じゃない。行き帰りの馬の様子も見ながら行くんだ。僕らでも下手すると間に合わない」

    ライナー「ああ、そうだな」

    タッタッタッ

    ベルトルト「あそこだ」

    ユミル「遅ぇよ、早い奴らはもう出発してるぞ」

    クリスタ「焦ってもいいことないよ!馬の調子次第で順位も変わるんだから」

    ベルトルト「ごめん、…うん、準備出来た。ライナーはいいか?」

    ライナー「ああ、大丈夫だ。いつでも出れる」

    ダズ「お前らみたいに上手くできないから、遅れたら悪いな」

    フランツ「…僕もいつでもいける。…道中ハンナの様子が見れるといいけど」

    ユミル「よし、出発するぞ。馬に異変があったらすぐに知らせろ。行くぞ!」

    ヒヒーン!パカッパカッ


    ──道中

    クリスタ「馬が疲れてきてる、一回休憩入れた方がいいかも」

    ユミル「分かった。オイ!休憩だ。馬に水を飲ませて様子を確認しろ」

    ヒヒーン!ドウドウ

    ダズ「おい、こんな早くに休憩入れて大丈夫か…?他の奴らは先に進んでるぜ」

    クリスタ「始めはみんな飛ばして距離を稼ごうとするから、あまり進みすぎると馬がバテちゃって後半進まなくなるよ」

    ユミル「オイオイ、ダズ、お前班長の指示に従えないってのか?」

    ダズ「そ、そうじゃねぇよ」ビクビク

    クリスタ「ライナー、ベルトルト、フランツの馬の調子はどう?大丈夫?」タタタッ

    ライナー「ああ、俺の馬も少し疲れてるみたいだが、休めば戻りそうだ」

    ベルトルト「僕の馬も、様子がおかしいところはないよ」

    フランツ「僕の馬も大丈夫だ。君から見ても大丈夫そうかな?」

    クリスタ「……うん!みんなまだ大丈夫みたい!」

    ユミル「クリスタの得意な馬術だ。こんなところでヘマなんてこかねぇよ」

    ライナー「…クリスタは馬が得意なのか?」ヒソヒソ

    ベルトルト「得意と言うか…懐かれるし、馬の機嫌とか調子を見るのが得意なんだ」ヒソヒソ

    ライナー「そうなのか…動物にもあの可憐さが分かるんだな」ヒソヒソ

    ユミル「おい、そこでいちゃいちゃしてる男ども。なんか文句でもあんのか?」

    ライナー「いちゃいちゃ…!?そんなことしてねぇだろ!」

    ユミル「はぁ?そんだけくっついてデキてねぇってんならお笑い草だ」

    ライナー「ふざけんな!」

    ベルトルト「ライナー!…ごめん、ユミル。大丈夫。体調を確認してただけだから」

    クリスタ「ユミル!なんでそんな言い方するの?ライナーは調子が悪いって聞いてるでしょ?」

    ユミル「あんだけわめく元気がありゃ問題ないだろ」

    ライナー「この…!」グッ

    クリスタ「ユミル!」

    ベルトルト「抑えて、ライナー。いつものことだろ?」ガシッ

    ライナー「は?いつもこんなこと……言われて我慢出来るかよ」

    ベルトルト「多分、彼女なりの冗談なんだよ」

    ユミル「いいや?本気で言ってるぜ?」

    クリスタ「ユミル!!…もう、馬も息が整ってきたから行くよ!ちょっとの休憩なのにすぐに誰かと喧嘩するんだから」

    ユミル「仲間の温かい交流ってやつだろ?そんなに怒るなよ、クリスタ」

    クリスタ「ユミルなんて知らない!ほらみんな、準備したら出発だよ」プイッ

    ユミル「そりゃないぜ、女神様よぉ!」

    クリスタ「女神って言わないで!」

    ライナー「いつもあんな感じなのか?」

    ダズ「なに言ってんだ、いつもあんな感じだろ」

    フランツ「彼女らの仲の良さは僕とハンナに匹敵するくらいだからね。あ、ライナーとベルトルトもだね」

    ベルトルト「それはすごく不本意だけど、準備出来たのなら、行こう!」
  28. 31 : : 2021/02/12(金) 14:28:42
    キャラ作り上手っ…期待
  29. 32 : : 2021/02/12(金) 20:00:50
    ──10km地点

    ユミル「ここまでは順調だな。いくつかの班は後ろでバテた馬の世話に必死こいてら」

    ベルトルト「うん…、ただ、この先はルートが複数ある。その前に一度経路選択で時間が必要だ」

    クリスタ「馬達も元気に走ってくれてるから、なるべく距離を稼いで分かれ道のところで一度休憩させよう」

    フランツ「了解だ。やっぱ成績上位者がいるとかなり楽になるね」

    ダズ「ああ、俺らはただ尻馬に乗ってれば良い成績を残せるぜ」

    クリスタ「そうだね!やっぱり判断力がある人がいると進みも違うよ」

    ユミル「なんてったって班長がクリスタなんだ。下手な成績になるわきゃねぇだろ」

    クリスタ「ユミル、私にそんな力はないよ。あなたとベルトルトが的確に指示をしてくれるから、こんなに余裕を残せてるんだよ」

    ライナー(……)

    ライナー(こいつらの練度は戦士候補生に比べりゃまだ下だ。だが、マーレの戦士と違って協調性が高い)

    ライナー(連携された数の力は強い。戦争だって結局は数の力に頼るところが大きい)

    ライナー(はなから能力のない奴を切り捨てるマーレに比べたら、卒団する頃にはそれなりの能力を持ってるんだろう)

    ライナー(情報は多いに越したことはない。たださえ俺は今までの情報が空になってる。短い時間だが情報を入れ直すためにもしっかり悪魔どもの生態を調べねぇと)

    ベルトルト「ライナー、大丈夫か?」

    ライナー「ああ、大丈夫だ。…全て自分で判断するんじゃないならついていける」

    ベルトルト「そうか、それならよかっ「ああそうだ」…」

    ユミル「なぁ、ライナー」

    ライナー「…なんだよ」

    ベルトルト「……」

    ユミル「あれはどうなったんだ?」

    ライナー「…?あれってなんだよ」

    ユミル「はぁ!?忘れたのかよ!お前ならすぐ分かるはずだぜ?」

    ベルトルト「!…ユミル、君は何を言っているんだ」

    ユミル「お前には関係ない。私がライナーと話したことを聞いてるだけだ」

    ベルトルト「……それは、この訓練の集中を妨げてまで聞くことなのか?」

    ユミル「…いいや?ただの私情だ。ちょっと思い出して聞いただけだよ。…なにそんなにムキになってんだ?」

    クリスタ「ユミル!訓練中にそんなことされたらみんな困っちゃうよ!聞くとしても終わった後にして!」

    ユミル「悪い悪い、ふと気になっただけなんだ。クリスタが訓練の邪魔って言うなら今は聞かねぇよ」

    ライナー「…」
    ベルトルト「…」
  30. 33 : : 2021/02/12(金) 20:44:04
    ──分岐地点

    クリスタ「ベルトルト、この先の経路はどうするの?」

    ベルトルト「この先は…3つある」バサッ

    ベルトルト「まず、距離が一番最短の経路だ。これは…前方に見える森を踏破して目標地点に向かう。…渡された地図には途中に川があるようだ」

    ベルトルト「もうひとつは森を迂回する経路だ。単純に森を避けていくからその分距離がある。ただ…見る限り水分補給出来そうなところが目標地点間近にしかない」

    ベルトルト「最後は森を迂回してそのまま目標地点から少し外れたところにある川に立ち寄ってから目標地点に向かう経路だ」

    ベルトルト「地図の距離を見る限り、2番目の経路はおすすめ出来ない」

    ユミル「最初に渡された水はもう空だからな。このまま無茶して進めば馬が使い物にならなくなる」

    ライナー「ああ…俺も2番目の経路は行きたくない」

    ダズ「だったら森を踏破するのか?下手したら3番目の経路より遅れるんじゃないか?」

    フランツ「馬を使用して森を越えるのなら一定以上の技量がいるだろうね…」

    ベルトルト「…うん、安全を取るなら3番目の経路だ」

    ユミル「…森を踏破するのも今までの訓練の経験がありゃ出来ると、教官方は判断したんじゃないのか?」

    クリスタ「……ライナーはどう思う?」

    ライナー「!…俺は、…3番目の経路がいいと思う」

    クリスタ「え、どうして?」

    ユミル「…」

    ライナー「…俺が本調子じゃないのもあるんだが…、手助けする余裕がないから安全を取った」

    クリスタ「そっか…」

    ユミル「全員の意見は揃ったぜ、クリスタ。…もう決めてんだろ」

    クリスタ「…うん。私は1番目の森を踏破する経路がいいと思ってるの」

    ベルトルト「!?」

    ダズ「お前らはともかく、俺はお荷物になるぞ!?」

    フランツ「僕も、あまり自信はないよ」

    クリスタ「うん…でも、やり方次第だと思うの」

    ユミル「…別に馬に乗ったまま踏破しろとは言われてねぇからな」

    ライナー「…なるほど。地図の森を見る限り徒歩での踏破だとしても3番目の経路よりは早いと判断したのか」

    ダズ「馬に乗ったままじゃないなら、まだマシだな」

    フランツ「道が険しい分僕らが乗らない方が馬の負担も軽減出来る…馬術は馬に跨がってやるだけじゃないってことだね」

    クリスタ「うん、…ライナーが3番目の経路を選んだから、少し自信はないけど…」

    ユミル「いいや、私はいけると思うぜ。この森なら目標地点までの最短距離はそんなに時間を食うことはない」

    ベルトルト「……分かった。馬のことならクリスタの方が良く分かってる。その上で判断をしたのなら、僕は従うよ」

    ユミル「ライナー、お前なら1番目を選ぶと思ったんだがな」

    ベルトルト「ユミル、ライナーの調子が良くないと分かっていて試したのか?」

    ユミル「なんだよ、ベルトルさん。いやに噛みつくじゃねぇか」

    クリスタ「ユミル!…ベルトルトも、私が意見が欲しかったから聞いただけなの。ライナーの体調を考えずに聞いてしまったのは私だよ。だから、ごめんなさい」

    ベルトルト「いや…っ、君が謝らなくて良い。…僕こそもっと考えるべきだった。ごめん」

    ライナー「いや、俺の意見がいつもと違ったんだ。だったら、それは俺が悪かった」

    ユミル「オイオイ、今から気合入れなきゃならねぇって時に謝り倒して空気悪くするんじゃねぇよ!」

    ベルトルト「す、すまない」

    ライナー「…」

    クリスタ「もうユミル!折角謝ってるのにそんなに言うことないでしょ!」

    ユミル「ダハハハ!クリスタには言ってねぇよ。このむさ苦しい図体で悄気てる奴らに言ったんだ」

    クリスタ「もっと悪いじゃない!」

    ダズ「ま、まあ…経路も決まったんだったら俺らも休もうぜ。この先はほとんど徒歩になるだろうしな」

    フランツ「そうだね。馬の負担を減らして更に時間を少しでも縮めるのなら僕らが体力を温存しないと」

    ユミル「そういうこった。下らねぇことに気を取られる暇があるなら、今やってる訓練に集中した方がよっぽどマシだ」

    ベルトルト「……」

    ライナー「ああ、そうだよな。経路も踏破の手立てもあるんだ。グタグダ悩んでも仕方ねぇ」

    クリスタ「もう、ユミルの言い方はいつも分かりにくいんだから」

    ユミル「はぁ?私は思ったことを思ったようにしか言ってないぜ?」

    クリスタ「それが分かりにくいの!」
  31. 34 : : 2021/02/13(土) 21:22:03
    ──道中、森の中

    ザクッザクッ

    ダズ「ヒィ、ヒィ…、ここ、獣道すらないじゃねぇか…!」

    ユミル「うるせぇ。ただ歩くお前と違って馬を連れていける道を作ってる私らのが大変なんだよ」

    ライナー「他の奴らは森を選ばなかったんだろうな…人が入った気配もない」

    ベルトルト「森を抜ける経路を選んだ班がいないと思えない。多分、近くまで来て進路を変えた班もいると思う」

    クリスタ「はぁ、はぁ…ご…ごめんね。…やっぱり、三番の経路が…良かった、よね…」

    フランツ「クリスタだけの…責任じゃない。…反対を…しなかった…僕らにも、責任はあるよ…。」

    ユミル「…さっきから、ごちゃごちゃうるせぇんだよ!今更文句を言うのなら入る前に引き返せってんだ!これだけ進んで今から引き返せば確実に私らの順位は下から数えた方が早くなる!」バキッ ガサガサ

    ユミル「こんだけ骨折って諦めるなんざ私が許さねぇからな!特に図体だけ立派な男ども!てめぇらの体は飾りなのか!?さっさと道を切り開いて少しでも早く到着する努力をしろ!」ザッザッ

    ベルトルト「そうだね、ごめん。…ダズとクリスタは疲労が激しいから少し休憩しててくれ。僕とライナー、フランツで道を切り開こう」

    フランツ「分かった。…ユミルも、隠してるけど疲労が溜まってるだろうね。休憩するように言ってくるよ」ザッザッザッ

    ダズ「も、もう歩けねぇ…」ドサッ

    ライナー「……」

    クリスタ「うん……ライナーもごめんなさい…。班長の私が足を引っ張っちゃって」トスッ

    ライナー「!?いや、…俺も、いつもより役に立ってないだろ。気にしないでいい。俺もお前もお互い様だ」

    クリスタ「でも、本当はあなたが班長になるべきだったのに…」

    ライナー「…俺には、向いてねぇよ」

    クリスタ「えっ?そんなことないよ!…あなたの強さはみんな知ってるよ。いつもあなたは困難があっても率先してみんなを導いてくれてるじゃない」

    ライナー「…」

    クリスタ「…ふふっ、ライナーも、そういうこと思うんだね」

    ライナー「…なに?」

    クリスタ「あっ、笑っちゃってごめんね?…ライナーがそんな弱気なことを言う姿なんて見たことなくて」

    クリスタ「…普段のあなたなら一人だって目標をこなすことが出来ると思うんだけど……でも、私達はみんなで協力して目的を達成することが出来るんだから。辛い時は誰かに頼ってもいいと思う」

    ライナー「……ありがとな、クリスタ」

    クリスタ「ううん!私の方こそ足手まといになってるのに偉そうなこと言っちゃった!」ブンブン

    ライナー「いや、…お前のその言葉で救われた奴はいると思うぜ」

    クリスタ「そんな「おい、ライナー!」こと」
    ザッザッ
    ユミル「テメェ、人が必死こいて進路を切り開いてるってのに私のクリスタにちょっかい出してんじゃねぇぞ!」

    ユミル「ベルトルさんも一応副班長だろうが!サボってる奴を見逃すんじゃねぇよ」

    ベルトルト「ご…ごめん」

    ライナー「俺が悪いんだ、ベルトルトを責めないでくれ。今行く。…クリスタ、お前ももっと自信持っていいと思うぞ」

    クリスタ「え?」

    ライナー「行こう、ベルトルト」ザッザッザッ

    ベルトルト「……ああ」チラ

    ユミル「…なんだよ」

    ベルトルト「いや…なんでもない」
    ザッザッザッ

    ユミル「…大丈夫か、クリスタ。アイツに変なこと言われなかったか?」

    クリスタ「うん。ライナーがそんなことするはずないよ」

    ユミル「ふん、どうだかな…」
  32. 35 : : 2021/02/13(土) 21:24:29
    ───

    ザクザクザク

    ユミル「目標地点まであとどのぐらいだ?」

    ベルトルト「光が奥に見える。もうすぐ森も抜けられそうだ。目標地点は…多分、1kmもないよ」

    クリスタ「思ったより川の水が多くて予備の水も確保出来たし、時間も三番の経路よりは早く着けるかな」

    ライナー「気は抜かないようにしねぇと、目標直前で何か起こったら今までの苦労が全部パァだ」

    クリスタ「そうだね…!気を付けないと」

    ダズ「うう、もう足が棒になりそうだ」

    クリスタ「ダズ、頑張って。もうすぐだよ、もし辛かったら私が荷物持とうか?」

    ユミル「クリスタ、お前だってそんな余裕はねぇだろ。ダズ、お前も情けねぇこと言ってたら置いてくからな」

    フランツ「置いていくと班長の成績に影響があるよ」

    ユミル「…チッ、たく。オラ、それを寄越せ」バッ

    ダズ「ギャッ、あ、ありがとな…」

    ユミル「礼を言う前にさっさとその使い物にならねぇ足を動かせ!」ゲシッ

    ダズ「いだっ!」

    クリスタ「ユミル!ユミルも大丈夫なの?無理するなら私が…」

    ユミル「お前と一緒にするんじゃねぇ。これは貸しだ。コイツには今後借りを返してもらうんだよ」

    ダズ「ひっ…」

    フランツ「ダズ、諦めよう。この訓練で成績を残せたらかなり結果が変わると思うよ」

    ダズ「くそ…、分かったよ。この借りは返すよ…」

    ユミル「そうこなくちゃな」

    クリスタ「ユミルったら、そんなことばっかりしてると嫌われちゃうよ!」

    ユミル「はぁ?構うこたねぇよ。嫌われようが何だろうが借りは借りだ」

    ライナー「…ベルトルト」スッ

    ベルトルト「どうしたの、ライナー」

    ライナー「……森に入る前、ユミルが言ってたことだが」

    ベルトルト「……僕も分からない。ずっと一緒にいるわけではないから、君が一人で話したことがあるのかもしれない」

    ライナー「…俺はユミルと仲が良かったのか?」

    ベルトルト「…いいや、仲がいいと言うほどの付き合いはなかったはずだ。ただ、君は責任感が強いから全体に対して良く気をかけていた」

    ライナー「俺が…?」

    ベルトルト「…暫くはユミルと二人きりにならないようにしよう。そこから僕らのことを知られると、まずい」

    ライナー「だよな…。分かった、お前と離れないよう気を付ける」

    ベルトルト「うん、それがいい。…森の出口だ」

    ライナー「後は騎乗して移動か」

    ベルトルト「ああ、もう一息だ。……みんな、森が終わるよ」

    ユミル「やっとだな。…他の班がどの辺まで進んでるか気になるな」

    クリスタ「だけど、森を踏破出来たし一度休むべきだよ」

    フランツ「そうだね。決して楽に行けたわけでもないし馬の様子も見ておかないと」

    ダズ「で、出口だ…!やっと、抜けられた…!」グスッ

    ユミル「…仕方ねぇ。ベルトルさん、抜けたらすぐ休憩取るぞ。残りは目標地点まで一直線だ」

    ベルトルト「そうだね、分かった」
  33. 36 : : 2021/02/18(木) 20:03:38
    ──訓練場

    ザッ
    クリスタ「レンズ班到着しました!」

    キース「ほう、一位通過が貴様らか」

    「「「はっ!」」」

    キース「馬を疎かにしてはいないだろうな。お前達にとって大事な足だ」

    ベルトルト「確認の結果、問題はなしとのことです」

    キース「フム、……だったらさっさと馬を休ませろ。貴様らと違って布団で惰眠を貪ることをしないのだからな」

    「「「はっ!」」」

    ───

    ユミル「無事昼飯の時間に余裕を持って帰還、と。流石はクリスタ!お前だったらやってくれると信じてたぜ!」ガバッ

    クリスタ「きゃ!ユミル、何を言ってるの?みんなの協力がなかったらこんなに良い成績残せなかったよ!」

    ダズ「俺も、まさかこんな結果になると思わなかったぜ…」

    フランツ「ハンナと会えなかったのは残念だけど、成績がかなり稼げたからね。クリスタ、君がいなかったらこんな結果にはならなかったと思うよ」

    クリスタ「そっ、そんな!ほとんどユミルやベルトルトがやってくれてたし…私が出来たことなんて…」

    ユミル「オイオイ、それ以上言うと嫌みになるぜ?まあ、副班長には少しばかり感謝してもいいとは思うけどな」

    ベルトルト「…僕は、やれることをやっただけだ。ユミルの言うように、クリスタが居なければ馬もこんなに調子良く進んでくれなかっただろうし」

    ユミル「ほらな?お前がみんなを助けてんだよ。少しは受け取ってやれよ」

    クリスタ「……うん。…ありがとうみんな」グスッ

    ユミル「なに泣いてんだよ。今から飯食って座学があんのに泣きべそかいてたら笑われるぞ」

    クリスタ「わ、分かってるよ…!」ゴシゴシ

    ライナー「……」ジッ

    ユミル「ああ?…テメェに見せてる涙じゃねぇぞ」

    ライナー「わ、分かってる…」

    クリスタ「もうユミル!私はみんなで頑張って辿り着けたから嬉しいんだよ!?」

    ユミル「なに言ってんだクリスタ、コイツは今日に関しては何も役に立っちゃいねぇよ」

    クリスタ「そんなことない!ライナーは私を励ましてくれたもの!」

    ユミル「ハァ?…おい、発情野郎。テメェ、マトモに手伝いもしないでクリスタ口説いてたってのか?」

    ライナー「ち、違う!俺は、クリスタが落ち込んでいたから」

    ユミル「クソ、あの時か!後でキッチリ話を聞かせてもらうぞ!」

    ライナー「変なことは何も言ってねぇ!」

    クリスタ「そうだよ!ライナーは励ましてくれたって言ったじゃない!」

    ユミル「こんなクソ野郎の話なんてクリスタが聞いたら真に受けちまうだろ。そうやって自分の物にしようとしてんだよ」

    ライナー「そんなつもりじゃねぇよ!」

    ベルトルト「ライナー、落ち着いて」

    ライナー「…」

    ユミル「ほらな?図星だから黙っただろ?」

    ライナー「ッオイ!」

    ベルトルト「ライナー!」

    ユミル「…ハッ、珍しくベルトルさんが怒ってるぜ?仲良しこよししてる奴が勝手に女漁りしてんだ、怒るのも当然だよな?」

    ベルトルト「…」

    クリスタ「ユミル!そんなこと言ったら誰だって怒るに決まってるよ!ライナーもベルトルトもごめんなさい!ほら、ユミルも謝って!」

    ユミル「私は正直に思ったことを言っただけだ」

    クリスタ「違うわ、いつもだったらそこまで言わないでしょ?」

    ユミル「…」

    クリスタ「…分かった。二人に謝るまであなたと話さない」

    ユミル「なっ、そりゃないぜ!私はいつもと同じように思ったことを言っただけだろ?」

    クリスタ「…」プイッ

    ユミル「……チッ、…悪かったな。誰かさんが動かないもんで疲れてあたったんだ」

    ベルトルト「…気にしてないよ。ライナーも、そうだろう?」

    ライナー「…ああ、俺が、いつもと違ったんだろ。だったら、俺が悪い」

    クリスタ「ライナーは体調が悪いって最初から言ってたじゃない!ベルトルトもしっかり副班長として動いてたわ!本当にごめんなさい、ユミルにはしっかり言っておくから」

    ユミル「謝ったんだからもういいだろ?お前はいいこちゃんし過ぎなんだよ」

    クリスタ「…そんなことない。元々はあなたが酷いことを言わなかったらこうなってなかったのよ!?」

    ユミル「あー…めんどくせぇ。分かったって、昼飯までゆっくり出来る時間があるんだ。もう行こうぜ」スタスタ カポッカポッ

    クリスタ「あっユミル!……ホントにもう。…ごめんなさい」

    ベルトルト「…さっき言ったように、気にしてないから」

    ライナー「ああ、俺も気にしてない」

    クリスタ「またちゃんと謝るように言っておくね」

    ユミル「オーイ、クリスタ!早く行くぞ!」

    クリスタ「ユミルったら…じゃあ、私は先に行くね」

    ライナー「おう、…またな」

    クリスタ「うん、またねっ」パタパタ パカッパカッ
  34. 37 : : 2021/03/14(日) 01:44:51
    ──食堂

    ライナー「ここ、いいか?」ガタッ

    クリスタ「ライナーにベルトルト。うん、どうぞ」

    ユミル「オイ、他に席が空いてんのになんでここに来るんだよ」

    ベルトルト「ごめん。ライナーが改めて礼を言いたいって」ガタッ

    ユミル「ケッ、それを口実にクリスタにちょっかいを出す気だろ」

    ライナー「クリスタだけじゃねぇよ。お前にも礼を言いたかったんだ」

    ユミル「ハァ?」

    ライナー「今日はお前が引っ張ってくれてたことくらい俺だって分かってる。お前のその言動はどうかと思うが、助かったのも事実だ。…助かった」

    ユミル「……気色悪いな。何を企んでやがる」

    ライナー「何も企んでねぇよ。礼を言いたいだけだって言っただろ」

    ユミル「…はーん、別に礼を言われることじゃねぇ。お前がどうしても借りを返したいってんなら、やるべきことは分かるだろ?」

    ライナー「は?」

    「「ユミル!」」

    クリスタ「お礼を言ってる人にまでそんなこと言っちゃ駄目だよ!」

    ベルトルト「…そ、そうだ。ライナーだって本調子じゃないと言っただろ」

    ユミル「いい子が揃ってうるせーな。…いや、ベルトルさんに関しては意味が違うか?」

    ベルトルト「な、…どういう意味だよ」

    ユミル「ハァ?お前の大好きな相方が他の女に弄ばれるのが我慢ならねーんだろ?別の意味でもあるのかよ?」

    ベルトルト「そ…そんなわけないじゃないか」

    ユミル「じゃあどういう意味だってんだよ?」

    クリスタ「もうユミル!なんであなたに感謝してくれる人にまでそんな態度なの?そんなんじゃみんなに嫌われちゃうよ!」

    ユミル「感謝で腹は膨らまねぇし、嫌われようが関係ないね。そもそもコイツらがベタベタつるんで礼を言うなんてなんか企みがあるに決まってるだろ」

    クリスタ「そんなことないよ!二人ともいい人じゃない!」

    ユミル「オイオイ、世の中がみんな善人だとでも思ってんのか?コイツらがわざわざ席を設けてまで礼を言いに来ることなんてなかっただろ」

    クリスタ「だって、二人とも優秀だから普段はこんなにあなたが手助けすることなんてなかったでしょ?」

    ライナー「!……」

    ベルトルト「く、クリスタ。もう、いいよ。…ありがとう」

    クリスタ「でも」

    ユミル「いいって言ってんだからもういいだろ。さっさと飯食わねぇと先に食べ始めたのに遅れるぞ」カチャ

    クリスタ「…うん」カチャ

    ベルトルト「…ライナー、僕らも食べないと遅れる」カチャ

    ライナー「あ、ああ…」カチャ

    ……………

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Shio-shio

汐々

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