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happiness and reality.

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  1. 1 : : 2015/08/22(土) 01:40:18
    こんばんは。
    他のssの続きが思い浮かばない時に、暇潰しやネタを考えようと思って、立てさせてもらいました。
    地の文ありの、1レス、2レス、3レスくらいのショートストーリーを、思いついたときに書いていこうかなぁ~、と思っています。
    登場人物は、登場する回数が多いであろう人物ですので、色んなキャラが登場します。
    全て原作やアニメ寄りにしようと思っています。

    登場キャラは、だいたい全員出すつもりなので、書いていません。

    *気まぐれな更新になると思いますので、定期的には上がりません。

    *色んなかぷに挑戦しようかな、と思っています。(しかし、作者の好みのかぷが多くなるかと)

    *シリアスとほのぼの系が主なジャンルになると思います。

    *カップリングやキャラのリクエストは、言ってくれれば考えます。
     

    タイトルの意味は、幸せと現実です。
  2. 2 : : 2015/08/22(土) 13:42:02
    happiness 1

    EreMika



    「おい、ミカサ。」

    ある日の夕方、ミカサは後ろから声をかけられた。

    夏の気配も次第に薄くなり、夕方にもなると涼しい風が吹き抜けた。

    太陽が沈みかけているオレンジ色の空を眺めながら、ミカサは立ち止まった。

    「何、エレン。」

    エレンというのは、ミカサの家族のような人物である。

    「もう夕方だぞ?蚊に刺されるし、冷えるかもしれないだろ。だから、もう戻れ。」

    ミカサは訓練所の外周を、一人で散歩していた。

    確かに寒いかもしれない。

    ミカサは寒さに弱い。

    「…うん、分かった。戻ろう。」

    ミカサは返事を返すと、エレンのほうに身体ごと向けた。

    「でも、エレン。私は温かい。寒くない。」

    「は?何言ってんだお前。寒いだろ。」

    エレンが冷たく返すが、ミカサはそれを、エレンの不器用な愛情表現だと分かっている。

    前にアルミンに聞いたからだ。

    「……ううん、エレンが巻いてくれたマフラーがあるから…とても温かい。」

    ミカサはそういって、普段あまり見せない微笑みを浮かべた。

    「…ふーん、そうか。…そんなに温かいか?俺のマフラー。」

    「うん…温かい。」

    そう言って、ミカサはマフラーをぎゅっと握りしめ、鼻辺りまでマフラーで覆った。

    「……そういや、もう飯食いに行こうぜ。いい時間だしよ。…ほら。」

    エレンはそう言って、ミカサに手を差し出した。

    ミカサはそれを、しっかりと受けとると、うん、と返す。

    「行こう。…一緒に。」




    End
  3. 3 : : 2015/08/22(土) 13:46:44
    happiness 2

    Levihan



    「おいクソメガネ、書類出てねぇぞ。」

    うん、知ってる。

    いつも同じ返事に、男は微かに苛立ちを見せる。


    「おいハンジ。夕食の時間だ。」

    ノックもそこそこに、昼間と同じ男が顔を覗かせる。

    「うん、知ってる。」


    「おい、そろそろ休め。ぶっ倒れたら元も子もねぇぞ。」

    ある日は身体を気遣って、顔を覗かす男。

    「うん、知ってる。」

    ハンジと呼ばれた女は、いつもと何の変哲もない返事をする。


    「おい、スープ溢してるぞ。」

    時には指摘したり。
    同じ低い声で、ハンジに声をかける。

    「うん、知ってる。後で拭くよ。」

    今回は少し違った。
    とはいえ、ただ、いつもの返事に一言付け加えただけだが。


    ハンジが熱心に今日の実験のレポートをまとめている時だった。

    コンコンッと乾いた音が響いたと思うと、ドアがキィ、と軋む音を立てて開いた。

    「おいハンジ、入るぞ。」

    適当に声をかける男に、ハンジはうん、と適当に返事を返す。

    部屋に侵入した男は、そのまま無言でハンジの座っている簡単な椅子の隣に立った。

    「…おいハンジ、好きだ。」




    「……うん、知ってる。」

    今回は少し返事を返すのが遅かった。

    それに付け加えて、少しばかり言葉が追加される。



    「私もだよ、リヴァイ。」



    End
  4. 6 : : 2015/08/23(日) 00:48:09
    reality 3

    Jean



    「ジャン、朝だよ。起きて。」

    朝。
    ジャンは同室の人に起こされた。

    「…ん、起きる…。」

    怠い身体を起こすと、眠気が去らない目で、ジャンは辺りを見渡した。

    小さな窓から床へと降り注ぐ朝日が、床に小さな日溜まりを作っていた。

    少し埃っぽい。

    覚めない目を擦ると、小さく呟いた。

    「…あいつが死んでから…もう…何日経った…。忘れろよ、いい加減さぁ…。」

    片手で右半分の前髪をかき上げながら、自身の髪の毛を握る。

    知らず知らずの内に、溜め息が漏れる。

    「どうしたの?ジャン。」

    あからさまに項垂れるジャンに、同室のアルミンが、綺麗な金髪を揺らして話しかけた。

    「あぁ、別に。なんでもねぇよ…。ただ、ちょっと……ちょっと、夢を見るだけだ。…あいつの…マルコの。」
  5. 7 : : 2015/08/23(日) 00:48:29



    「ジャン、憲兵団に入れたら、何しようか?」

    訓練も終わり、食堂で一息ついていたとき、ジャンは親友のマルコに問いかけられた。

    「そうだな、………とりあえずお前とシーナに買い物にでも行きたいかもな。」

    マルコは、ジャンの意外な答えに、少々驚いた。

    「…ジャンと一緒なら、何をしても楽しいんだろうなぁ。」

    マルコは斜め上を向き、嬉しそうに呟いた。

    「ったりめぇだろ?なんたって、お前の親友のジャンだからな!ははは!」

    ジャンがマルコの背中をバシバシと強めに叩きながら、わざと大声で返すと、マルコは嬉しそうに笑った。

    「痛いよジャン。でも、嬉しいよ。」
  6. 8 : : 2015/08/23(日) 00:48:45

    あれはいつの会話だったっけか。

    そんなことを思いながら、ジャンはベッドから降りた。

    大きな欠伸を一つ、伸びをすると、部屋の隅に置いてある棚から、自分の兵服を取り出して、着替えた。

    きらきらと降り注ぐ朝日が、ジャンの顔を照らす。

    それに目を細めると、ふぅ、と一つ、空気を吐き出した。


    「大丈夫だ、君は強い。」

    どこからか、あいつがそう言った気がした。



    End
  7. 11 : : 2015/08/23(日) 01:53:40
    happiness 4

    Mikasa


    「ミカサは嫉妬とかしないの?」



    午後から、同じ部屋の者が数人集まってちょっとしたお茶会を開くらしい。

    ミカサはそれに誘われた。

    興味はないが、午後から暇だし、一応同室なので行くことにした。

    話題は、女子会定番の、所謂恋ばな。

    ミカサは興味がなかったので、その空間に、なにをするでもなく、ただただ居座っているだけだった。

    そんな中、クリスタが気を使ったのか、ミカサに話しかけた。

    「…嫉妬?私が…誰に…?」

    嫉妬するような相手がいたっけ、身に覚えがない。

    「誰にって、エレンだよ。…なんか、ミカサってエレンのこと、いつも気にかけてるから…ね?皆。」

    クリスタが皆に問いかけると、口々に、確かに、という声が上がった。

    「…別に、嫉妬したりはしない。」

    ミカサは、いつもと変わらない無表情。

    「じゃあ、ミカサの前を、女の子と話ながら歩いてるエレンがいたら、どう?」

    一人が興味本意か、ミカサにシチュエーションを作って問いかける。

    そんなの、よくあることだ。

    エレンはだいたいの人とは仲が良い。

    別にそれを悪くなんて思っていない。

    エレンがそれで良ければ、なんでもいいのだ。

    エレンが過ちを犯そうものなら止めるだけ。それ以外は、好きなことをすればいい。ミカサ自身はそう思っていた。

    だから、思ったことを、そのまま形にした。


    「エレンが幸せなら…それでいい。でも、もしエレンが過ちを犯そうものなら、私は止める。ただ、それだけ。」


    End
  8. 12 : : 2015/08/23(日) 14:30:36
    reality 5

    Hans


    ある日の朝。
    ハンジはやたらと寒気を感じて、うっすらと目を開けた。

    上半身だけをむくりと起こすと、ゆっくりと辺りを確かめるかの様に見回す。

    まだ眠気の覚めない、トロンとした目を、右手でごしごしと擦った。

    ベッドから投げ出された薄い布団を、怠い体で引っ張り上げると、また横たわる。

    そして、寝足りない重い瞼を、体の思うままに閉じた。

    しかし、二度寝する気にはなれず、しばらく目を閉じたまま、ベッドに横たわっていた。

    ふと視線を窓まで這わすと、朝の澄みきった空を見上げる。

    既に低い位置に構えている朝日に、まだ薄紫の空が、幻想的に照らされる。

    思わず息を飲むと、怠いはずの体を、両手で支えながら起こす。

    さっきまでの怠さは、全く感じなかった。

    冷たい床に、そっと足を下ろすと、体がぶるりと震えた。

    くるまっていた布団を頭からすっぽりと被り、窓際までのそのそと足を動かす。

    冷たい窓に指先で触れると、思い切って窓を開けた。

    空の様に澄みきった外の空気が、ひんやりと床を這うようにして、部屋の中に侵入するのが分かった。


    朝の世界は、全てが澄みきっており、あの壁の外は、もう自由なんじゃないか、そう思った。


    End
  9. 17 : : 2015/08/26(水) 16:39:48
    reality 6

    Annie


    こんな世界嫌いだ。

    大っ嫌いだ。


    私には使命があるらしい。

    でも、それは最悪で。

    自分の同期であったエレン・イェーガーを誘拐しなくてはならないらしい。

    次の壁外調査に決行する。


    エレンを拐うだけなら、まだいいのだ。

    だが、彼女にとって一番辛いのが、エレンの誘拐時に殺すであろう人達への罪悪感だ。


    人々は私を悪魔と呼ぶのだろう。

    誰が。


    誰がこんなこと好きでやってるんだ。

    私だって、悪魔になんてなりたくなかった。

    こんなこと、やりたくなかった。

    平和に暮らして行きたかった。

    だが、これが私の使命だ。


    これが私の、この世に命を授けられた意味なのだ。


    あぁ、最悪だ。


    誰が代わりになってくれるなら代わりたい。

    だが、これは自分にしかこなせない。

    私がやるしかない。



    「アニ、そろそろだ。出発の準備は出来たか?」

    静かに響く、冷酷な声。

    あまりに冷たすぎて、私には耐えられないかもしれない。



    「あぁ…出来たよ。」



    人を殺めるということに対する悪魔の心も。



    End
  10. 18 : : 2015/08/27(木) 00:06:20
    happiness 7

    JeanSasha


    「お腹空きました…。何か…何か、食べるものは…。」

    日が沈みかけた頃。

    食堂にやって来たのは、腹を空かせたサシャ・ブラウスだった。

    「お前はどうしてそんなに腹が減るんだ?」

    常に腹を空かせているサシャに、怪訝そうな顔で問いかけるのは、サシャの同期である、ジャン・キルシュタイン。

    たまたま廊下で出会ったのだ。

    「何でって言われましても、減るものは減るじゃないですか…。仕方ないことですよ…。」

    サシャの言うことは最もだ。

    だが、彼が聞きたいのは、そういう答えじゃない。

    「…ちげぇよ。お前はなんでずっと食べもんを求めてんだよ。兵士なんだから、民衆の税金で、食料はあるじゃねぇか。ちょっとくらい我慢すりゃあいい話じゃねぇかよ。違うか?」

    ジャンの的確な問いに、サシャは戸惑う。

    「それは…。」


    「それは、食べ物があると安心するんです。…ほら、私、狩猟民族でしたから、ご飯は食べられない日だってあったんです。だから、食べ物があると安心してしまって…。」

    そこまで言うと、サシャは苦笑した。

    「…迷惑な話…ですけどね。」

    サシャは俯いた。

    「皆だってお腹が空いてるのは、痛いくらい分かります。私もそうなんですもん。…でも……自分のことばかり優先してしまう…それが、それが私なんです。自分勝手な私なんですよ。」

    最低だってことは分かってます、そう付け足して、俯いた顔を歪ませた。

    黙って聞いていたジャンは、サシャに手を貸してやりたくなる衝動を堪え、ぶっきらぼうを装って答えた。

    「…仕方ねぇなぁ。俺のん、ちょっとだけ譲ってやるよ。ちょっとだけだからな?」

    サシャが顔を上げる。

    「…ほ、本当ですか…?」

    笑顔は浮かべていないものの、その声には、嬉しさが滲み出ていた。

    「ありがとうございます!…ジャンって意外と優しいんですね。ふふふ。」
     
    可笑しく笑うサシャに、ジャンは怪訝そうな顔をする。

    「意外とってなんだ、意外とって。…ったく、一言余計だ馬鹿芋女。」

    ジャンは悪態をつくが、満更でもなさそうだ。


    「…ありがとうございます、ジャン。…分かってくれて、嬉しいです。」 

    もう一度礼を言うサシャの頬は、赤く染まる夕暮れよりも紅かったのかもしれない。


    End
  11. 19 : : 2015/08/29(土) 20:03:28
    happiness 8

    EreAnnie



    ある夏の夕方。

    訓練が一通り終わったエレンは、全身汗だくだった。

    べっとりとしていて気持ち悪い。

    しかし、まだ風呂は開いていない。

    そこで、汗だくの身体を乾かそうと思い、この建物で一番風当たりの良い所に来ていた。

    エレンの密かに気に入っている場所だ。

    その場所に行ってみると、先客が居るようだ。

    微かに溜め息をつく音が聞こえた。

    誰だろうと疑問に思い、エレンは物陰から覗いてみる。

    風に靡く金色の髪の毛を後ろでまとめている。

    この後ろ姿には見覚えがある。


    アニだった。

    「…アニか。」

    エレンがアニに向かって話しかける。

    アニはエレンをチラッと見ると、また前を向いた。

    「…何か用かい?」

    アニの背後に突っ立ったままのエレンに疑問を覚えたのか、アニのほうから話しかけた。

    「いや、別に。お前、こんなところで何してるんだよ。」

    アニは、もう一度エレンを見た。

    その目にはアニ独特の冷たさが入り雑じっていた。

    「別に。涼もうと思っただけだよ。」

    そうか、とエレンは相槌を打つと、アニの横に座った。

    「あんたは?何しに来たの?」

    アニが目線だけでエレンを眺めている。

    肘を膝につき、その手は顎に当てている。

    「俺も涼もうと思っただけだ。」

    「そうかい。」

    しばらく沈黙が続いた。

    珍しくもそれを破ったのはアニだった。

    「そろそろご飯の時間だね。私はもう行くよ。」

    「おう。」

    立ち上がったアニを見ているだけで、エレンはそこを動こうとしない。

    少し歩き始めたアニが立ち止まる。

    振り返らずに静かに言葉を発する。

    「あんたはどうするんだい?」

    「ん、あぁ。もう行くよ。」

    エレンはどこかの空間を見つめながらぶっきらぼうに答えた。

    「そうかい。」


    食堂へ向かうアニの姿は、どこか寂しそうだった。



    End
  12. 20 : : 2015/08/30(日) 20:41:10
    happiness&reality 9

    LeviHan



    「ねぇリヴァイ。」

    天気の良い午後。

    ハンジは読んでいた本を閉じて、隣にいたリヴァイに話しかけた。

    リヴァイはハンジを横目で見る。

    それを確認すると、ハンジは続けた。


    「これから壁外調査が終わったら、あの丘の木に、リボンを結んでいこうよ!」

    ハンジの突然の提案に、リヴァイは怪訝そうな顔をする。

    「何でだ。やる必要性が分からねぇ。」

    乗り気でないリヴァイに、ハンジは続ける。

    「何でって、今回も二人共生き残れたっていう記念だよ!」

    それだけじゃリヴァイが納得しないのを分かっていたのか、言葉を付け足す。

    「あと、その調査で犠牲になった兵士にお疲れ様って言うために?」

    「そんなもん、花を置いときゃいいだろ。」

    眉間に深い皺を刻んでいるリヴァイ。

    「ダメだよ!だって、お花は枯れちゃうし、風が吹いたら飛んでっちゃうだろ?」

    ハンジはどうしても引き下がらない。

    それを察したリヴァイは、深い溜め息を吐く。

    「チッ…仕方ねぇやつだな、てめぇは。」

    リヴァイの言葉を聞いたハンジの瞳は、みるみる内に、キラキラと輝き出す。

    「ありがとうっ、リヴァイ!」

  13. 21 : : 2015/08/30(日) 20:41:28

    "あの丘の木"というのは、調査兵団本部の、3階辺りから見える丘にある、大きな木のことである。

    いくつにも枝分かれした太い幹を大空に張り巡らしている。

    その木は、よく鳥と仲良くしていた。

    ハンジの部屋から、その木は良く見え、天気の良い非番の日は、その木の木陰で本を読んだりした。

    時にはリヴァイを連れていったりもしたし、自分の部下を連れていったこともある。

    風通しが良く、とても心地好いのである。

    そこにいると、不思議と巨人のこと、この世界のことは夢だと思える。

    ハンジはその場所がお気に入りだった。
  14. 22 : : 2015/08/30(日) 20:41:44


    今日は朝から壁外調査だった。

    たくさんの死者が出た。

    いや、出すぎた。

    緊急事態が起こり、たくさんの犠牲を出した上、今日の調査は断念し、昼の内に撤退命令が出された。


    沈んだ気分でリヴァイの部屋に押し掛けたハンジは、リヴァイに静かに話しかける。

    「……ねぇ、リヴァイ…。いこうよ。あの丘に。リボンを結びに行こう。」

    リヴァイの肩に顔を埋めるハンジは、その肩に額を擦り付けた。

    「…あぁ。」

    ◆◇◆◇

    丘の上に立派に立っている木の元へたどり着いたハンジは、馬から降りた。

    そして、その空気を胸いっぱいに吸うと、ふぅ、と吐き出した。

    そして、リヴァイのほうを振り返る。

    その表情は、いつものハンジの笑顔だった。

    「さて、リボンを結びましょうかなっと。」

    ハンジは用意したリボンを、胸ポケットから取り出した。

    リボンは二つ、白色と黄色だ。

    ハンジはその内の白いリボンをリヴァイに渡すと、大きな木に歩み寄った。

    そして、一番身近な幹に黄色いリボンを結ぶと、にこりと笑った。

    リヴァイはハンジがリボンを結んだ幹の、もう一つ隣の幹にリボンを結ぶ。

    「あ、そうだ。このリボンはね、私とリヴァイのシャツを切って作ったんだ。」

    リヴァイのいつも着ている服は、白色。

    ハンジはいつも黄色の服を着ていた。

    「俺の服をどっから漁ってきやがった。」

    「やだなぁ。人を変態みたいに言わないでくれよ。リヴァイのいらなくなった服をもらったことがあるだろ?あれだよ。」

    ハンジは頬を膨らました。


    「…もう少しここにいようか。」

    せっかくなので、少しその木の木陰で休むことにした。


    「この木をリボンでくるむことが出来たら、私達は無敵だね。」

    ハンジはリヴァイに笑いかけた。

    リヴァイはそれに、こくりと頷いた。

    「そうだな。俺らが寿命で死ぬ前に埋まるのか?」

    「さぁね。寿命で死ぬ前に、死んじゃうかもしれないけど…ね。」

    ハンジは寂しげに笑う。

    こんな世界じゃなかったら。

    何度思っただろうか。



    「リヴァイ。約束してね。これからどちらかが死んでも、リボンを結び続けてね。……私の分も。」



    End
  15. 23 : : 2015/09/26(土) 14:08:23
    reality 10

    Mikasa





    まただ、また死んだ。



    いくら殺そうと、いくら助けようと、仲間は次々死んでいく。



    嫌だ、嫌だ。



    私がどれだけがんばっても、皆は手の届かない、遠いところに行ってしまう。






    「__壮絶な戦死を遂げました…っ。」




    目の前で踞るアルミンが、嗚咽混じりにそう切り出した。




    まただ。




    私がいくら削ぎ殺そうと、奴等は私から幸せを奪っていく。



    End
  16. 24 : : 2015/10/12(月) 13:33:02
    happiness 11

    Petra&Hans




    こぽこぽこぽ…

    静かな午後の食堂に、ポットで紅茶を注ぐ音が響く。

    窓の外に立つ木の所為か、窓際の机が薄く、黄緑色に揺らいでいる。

    木漏れ日が綺麗だった。

    平和だ。

    何て平和なんだ。

    ペトラは紅茶を注いだカップを小さな皿に乗せ、ハンジの方へと机の上をスライドさせて移動させた。

    「ありがとう」

    ハンジがにこりと微笑んで礼を言う。

    「いえいえ。私が進んでやったことですから」

    ペトラも微笑むと、もう一つ、カップを手に取り、紅茶を注いだ。

    「にしてもさ、こうやって窓の外を眺めてみると平和だよね」

    そう言うとハンジは紅茶に口をつける。

    「はぁ、美味しい。美味しいよ、ペトラ」

    「ありがとうございます」

    ペトラもハンジの横に腰かけると、窓の外を眺めてみる。

    木漏れ日が窓から降り注ぎ、近くの地面に、机に、日溜まりを作る。

    開いている窓からはそよそよと心地好い風が、波を作って二人の頬を撫でる。

    「本当ですね。壁なんて無いみたいです」

    「ずっとこんなに平和だったらなぁ」

    ハンジが呟く。

    ペトラはハンジをちらりと盗み見る。

    ハンジは窓の外を眺めながら、その美しく平和な世界を夢見る様に、やわりと微笑んでいた。

    綺麗だ。

    ハンジはペトラの視線に気付くと、あははっと笑った。

    気付くと見惚れていたのか、じっと見つめていたらしい。

    何だか恥ずかしくなり、ペトラは慌てて紅茶を口に流し込む。

    「……っげほっ…ごほっ…。」

    慌てた所為か、紅茶が気管に入り、ペトラは咳き込む。

    口から紅茶が吹き出した。

    「わっ、大丈夫かい?!ペトラ」

    ペトラは口に手を当てながら、困ったように笑う。

    「ごほっ、大丈夫です。気管に入っちゃいました。」

    ハンジも苦笑すると、胸ポケットからハンカチを取り出して、ペトラが吹き出した紅茶を拭く。

    ペトラは慌ててハンジのてを掴む。

    「あ、い、いいですよハンジさんっ!私がこぼしたんで、私が拭きますよ!」

    ハンジは、あははと笑うと、いいよいいよ、と言う。

    「で、ですが……」

    「いいのいいの、このハンカチ、リヴァイのだから。あはは」

    ハンジの思わぬ言葉に、ペトラはぎょっとする。

    「な、尚更です!私が拭きますから!!」

    ハンジはそう?と言って手を止めた。

    ペトラは自分のハンカチで残りの溢れた紅茶を拭う。

    「ペトラといると、すっごく和むよ。妹みたいだ。」

    ハンジはペトラをわしゃわしゃと撫でる。

    「そ、そうですか?」

    ペトラははにかみながらも微笑むと、ハンジも微笑んだ。

    「さて、このハンカチ、リヴァイに返してくるよ。ちゃんと洗ってね。」

    ハンジはそう言って立ち上がると、カップを軽く水で洗い、食堂を後にした。


    一人になったペトラは、ハンジが出ていくのを見送ると、窓の外を見つめた。

    相変わらず木漏れ日がペトラに降り注ぐ。

    ペトラはそれに目を細めると、にこりと笑う。


    いつか私が、この世界を平和にしてやる、と。



    End
  17. 25 : : 2015/10/12(月) 17:01:36
    reality 12

    Mikasa





    __ねぇねぇ、昨日の話の続きをしようよ。



    幼い頃の記憶。

    淡く、霞んで見える。

    エレンとアルミン、そして私が、夕焼けの光る川沿いの道に座り込み、楽しげに話している。



    __そうだな。どこまでいった?



    __えーと、確か、人類が壁の中に逃げ込んだところまでだよ。



    __あぁ。そうだったな。



    私はエレンに貰った赤いマフラーに、鼻までを埋めると、ぼそりと呟く。



    __アルミンの話は面白い。とても楽しみ。







    懐かしい。


    いつからだろう。


    こんなに色の抜けた世界になってしまったのは。


    あんなに鮮やかに色付いていたのに、今じゃ白黒。


    付いている色と言えば、



    赤、赤、赤。



    私はこの世界で何を見いだしていたのだろう。


    何を生きる希望としていたのだろう。


    こんなに残酷なのに。


    弱肉強食なこんな世界。


    強いものが勝ち、弱いものは飢え、やがて消え行く。


    私はこの世界で、強くあれただろうか。


    End
  18. 26 : : 2023/07/22(土) 13:45:33
    http://www.ssnote.net/archives/90995
    ●トロのフリーアカウント(^ω^)●
    http://www.ssnote.net/archives/90991
    http://www.ssnote.net/groups/633/archives/3655
    http://www.ssnote.net/users/mikasaanti
    2 : 2021年11月6日 : 2021/10/31(日) 16:43:56 このユーザーのレスのみ表示する
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    oppai_jirou
    catlinlove

    sukebe_erotarou
    errenlove

    cherryboy
    momoyamanaoki
    16 : 2021年11月6日 : 2021/10/31(日) 19:01:59 このユーザーのレスのみ表示する
    ちょっと時間あったから3つだけ作った

    unko_chinchin
    shoheikingdom

    mikasatosex
    unko

    pantie_ero_sex
    unko

    http://www.ssnote.net/archives/90992
    アカウントの譲渡について
    http://www.ssnote.net/groups/633/archives/3654

    36 : 2021年11月6日 : 2021/10/13(水) 19:43:59 このユーザーのレスのみ表示する
    理想は登録ユーザーが20人ぐらい増えて、noteをカオスにしてくれて、管理人の手に負えなくなって最悪閉鎖に追い込まれたら嬉しいな

    22 : 2021年11月6日 : 2021/10/04(月) 20:37:51 このユーザーのレスのみ表示する
    以前未登録に垢あげた時は複数の他のユーザーに乗っ取られたりで面倒だったからね。

    46 : 2021年11月6日 : 2021/10/04(月) 20:45:59 このユーザーのレスのみ表示する
    ぶっちゃけグループ二個ぐらい潰した事あるからね

    52 : 2021年11月6日 : 2021/10/04(月) 20:48:34 このユーザーのレスのみ表示する
    一応、自分で名前つけてる未登録で、かつ「あ、コイツならもしかしたらnoteぶっ壊せるかも」て思った奴笑

    89 : 2021年11月6日 : 2021/10/04(月) 21:17:27 このユーザーのレスのみ表示する
    noteがよりカオスにって運営側の手に負えなくなって閉鎖されたら万々歳だからな、俺のning依存症を終わらせてくれ

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20030522a

ふらい

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