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ゴーストハンターはエレン・イェーガー 2*エレンチート+現パロ

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  1. 1 : : 2015/08/02(日) 20:13:26
    こんにちは!
    この作品は
    http://www.ssnete.net/archives/37137#bottom
    の続きです!

    よろです!
  2. 4 : : 2015/08/02(日) 20:20:23
    http://www.ssnote.net/archives/37137
    でしょ
  3. 5 : : 2015/08/02(日) 21:45:31
    名無しさん、ありがとうございます!

    <<4が正しいものです
  4. 8 : : 2015/08/03(月) 21:43:41
    前回までのあらすじ

    俺、落ちこぼれの高校生ことエレン・イェーガーは、エロ本を買った帰り道に、瀕死の吸血鬼を見つける。

    その吸血鬼、ヒストリア・レイスを助けるために彼女に血を吸わせた俺は、次に目覚めた時には吸血鬼になっていた。

    俺は、人間に戻るために、彼女を瀕死の状態までに追い込み、『ある部品』を奪ったヴァンパイアハンターから、そのある部品を取り返すことに決めた。

    そして今、そのヴァンパイアハンター達を捜索中だ。
  5. 9 : : 2015/08/04(火) 07:40:48
    エレン「吸血鬼か······」


    今も、自分が吸血鬼だということに実感が持てない。

    どれだけコンクリート片を拳一つで粉々にしても、自分が吸血鬼だということに実感が持てない。

    いや···『実感が持てない』のではなく、『実感を持ちたくない』の間違いだろう。

    俺は自分が化け物だということを認めたくないだけなんだ。

    そんなことを考えるだけ損なことだろう。


    エレン「でもな~、何か引っ掛かるんだよなぁ~」


    事が上手く運ばれ過ぎというか···何かが抜けている気がする。

    ヒストリアの言葉···


    『一人ずつ相手する限りに置いてうぬは確実に勝てる』


    この言葉が気になるんだよなぁ···。



    そして、俺が別れ道に差し掛かったその時だった。

    奴らは唐突に現れた。






               ・・・
    ヴァンパイアハンターの三人組は現れた。


    エレン「お、おい···これ、どうするんだよ···!」


    俺は三人を見渡す。

    ヒストリアから聞いた容姿とこいつらの容姿は一致している。

    まず、「ライナー」

    超巨漢の大男だ。

    身長は2mはあるだろう。

    シャツの上からでもはち切れんばかりの筋肉だ。

    そして、その両腕に二本の大剣を持っている。


    「おいおい、こいつはレイスじゃね~ぞ」


    そんな不機嫌そうな声が後ろからしてきた。

    俺は、後ろを振り向く。

    そして、俺の視界に入ってきた男···それが「ジャン」だろう。


    ライナー「■■■■■■■■■■■■」


    ジャンがそう言うと、ライナーは、訳のわからない言葉で何かを言った。

    俺は、もう一人の方を見る。

    あれは···


  6. 16 : : 2015/08/05(水) 07:19:31
    あれは···「アルミン」だろう。

    一見、穏やかで、優しい雰囲気の青年だ。

    だが、油断はできない。

    あのアルミンは、ヒストリアから『両腕』を奪っている

    ライナー、ジャンの二人の倍の『部品』をヒストリアから奪っている。


    アルミン「ライナー、現地での活動中は現地の言葉で話さないとダメだよ」


    ライナー「■■····そうだったな」



         ・・・・・・・・・・
    コイツ等···俺のことが眼中にない。

    存在を認めていない···!





    今、心で引っ掛かっていた"何か"が分かった。

    ヒストリアは、一人ずつなら勝てると言った。

    でも、だからと言って相手が一人ずつ襲いに来るとは限らないだろう······!

    だいたい、ヒストリア自身が三人がかりで負けたと言っていたじゃないか!


    エレン「ち、ちくしょう!」


    ジャンは、自身の三倍もある銀色の十字架をたずさえている。

    あの、アクセサリーの十字架を縮尺五十倍にした感じだ。

    そして、何よりも視線が凄まじい。

    視線で人を殺せるなら、俺はとっくにジャンの視線で殺されていただろう。

    だが、アルミンは一つも武器を持っていない。

    穏やかに、一歩ずつ近づいてくる。



  7. 17 : : 2015/08/05(水) 08:02:04
    エレン「う···ううう」


    どこかに逃げ道がないか、俺は必死に探した。

    下手に身動きができないから、目を動かして必死に探した。

    だけど、逃げ道なんて無かった。

    分かれ道の両方から、そして、さっきまで俺が歩いていた道から。

    ヴァンパイアハンター達は、俺を挟みうちにしていた。

    まさしく、袋のネズミだ。


    エレン「ど、どうしたら···」


    なぜだろう、どうしてだろう。

    一度はヒストリアのため、俺の命を捨てたはずなのに···どうして、こんなにも命が惜しい!


    ジャン「ていうか、あいつ···ヒストリア・レイスは眷属を作らなかったんじゃ無かったのか?」


    アルミン「どうだろうね、何か理由でもあったんじゃないの?」


    ライナー「大方、俺等に追い詰められたから···手足となって俺等と戦う奴が欲しかったんじゃないのか?」


    エレン「······っ」


    こいつ···てっきりパワーキャラかと思ってたが···俺の事情をピンポイントで当ててきた······。


    ジャン「じゃあ、何だ?ヒストリアの居場所はこのガキの身体に聞けば分かるってことか?」


    ライナー「そうだな」


    ヒストリアは、出掛ける寸前に


    『うまくいけば、今夜中にケリがつくじゃろうな』


    と、言っていたが、確かにケリがつきそうだった。

    俺の······二度目の死で。


    ジャン「まあ、ここは俺に任せろよ」


    ライナー「いや、俺がやろう、吸血鬼のことは俺が一番わかる」


    アルミン「別に僕がやってもいいんだけど?」


    エレン「お、おい!ちょっと待てよ!な、なに勝手に話を進めてるんだよ!······俺は、人なんだぞ!お前ら人殺しをするつもりか!」


    一瞬の沈黙が生じたのを見ると、俺の言葉は伝わったようだ。

    まぁ、それも無意味だったのだが。


    ライナー「じゃあ、全員でだな」


    ジャン「OK」


    アルミン「共闘は互いのスキルアップにもなるしね」


    ヴァンパイアハンター達は一斉に俺に向かって走ってきた。

    というか、ここは住宅街だぞ!?

    正気かよ···コイツら。

    いや、俺の方が正気ではなかったのかもしれない。

    たいした運動神経もない。

    喧嘩をしたことがあるわけでもない。

    格闘経験が有るわけでもない。

    そんな奴がなにヴァンパイアハンターとかに戦いを挑んでるんだよ!

    コンクリートを粉々に出来たからなんだ?

    すぐに手足が再生するからなんだ?

    コンクリートの壁をぶち抜けたからなんだ?

    ジャンプ力があるから、速く走れるからなんだってんだよ!


    エレン「うわあああああ!」


    俺は、うずくまった。

    これは、防御でも何でもない、ただの現実逃避だ。

    ············!

    ············、

    ············。

    いつまでたっても攻撃はこない。

    俺の余りにも馬鹿げた行動に呆れてしまってたのか?

    いや、それこそ馬鹿げた行動だろう。

    ヴァンパイアハンターがそんなことするわけがない。


    「はっはー」


    しばらくすると、そんな愉快な笑い声がした。

    上を見上げると、そこには眼鏡をかけたお姉さんがいた。


    お姉さん「全く、こんな住宅街の中で大剣や十字架とか降り下ろして、物騒な言葉とか吐いて···君たちは元気だね」


    お姉さん「何か良いことでもあったのかい?」


    そう言ったお姉さんは、ライナーの持っている大剣を右手の人差し指と中指と薬指で白刃どりをし、

    ジャンの持っていた巨大な十字架を左足で難なく受け止め、

    素早い動きのアルミンを、左手を突き出すだけで、動きを制していた。

  8. 18 : : 2015/08/05(水) 08:21:45
    そのお姉さんの名前は、ハンジと言うそうだ。

    まぁ、命の恩人にこんなことを言うのはなんだけど······。

    本当にチャラいお姉さんだ。

    服とかアロハだぜ?

    チャラくね?




    あの後、ヴァンパイアハンター達は何事もなかったかのように、呆気なく帰っていった。


    ハンジ「まあ、ヴァンパイアハンターも、一応プロフェッショナルだからね。話せば分かるんだよ」


    エレン「そんなもんか?······ハンジ」


    この時点でハンジさんと呼ぶ必要はないと思った。

    この大人にはさんを付けて呼ぶ必要がないと思った。


    ハンジ「じゃあ、帰ろっか」


    エレン「え、帰るって···どこに?」


    ハンジ「決まってるじゃん。あの、学習塾の廃墟だよ」


    エレン「でも、なんで知ってるんだ?」


    ハンジ「だって···あの吸血鬼ちゃんにあの場所を紹介したのは、私だもん」


    エレン「!」


    一気にコイツが敵だと言う可能性が高まった。

    警戒心も比例するかのように高まる。


    ハンジ「はっはー、そんなギラギラした目しちゃてさ。大丈夫、私は敵じゃないよ」


    見透かしたようなことを言う。

    本当にチャラいお姉さんだ。




    そんなわけで、学習塾跡への帰り道。

    ハンジとは、昔の漫画やアニメの話題で盛り上がった。

    ここで、さん付けは必要ないと確信した。

    そして、学習塾跡に着く。
  9. 19 : : 2015/08/05(水) 10:43:45
    期待( ´ ▽ ` )ノ
  10. 20 : : 2015/08/05(水) 21:32:41
    期待ありがとうございます!
  11. 22 : : 2015/08/06(木) 08:57:04
    ヒストリア「おお!戻ったか!···で、どうじゃった?」


    エレン「···」


    こいつ、自分のミスに気づいていない······。




    やめて、そんな輝いた瞳で見つめないで。

    俺、そろそろキレそうなんだから。

    だって、そうだろ?

    いきなり吸血鬼とさてよみがって、

    いきなりヴァンパイアハンターと戦えって言われて、

    あげくには死にそうになって。


    ヒストリア「む、後ろの奴は······見たことあるかの?」


    ハンジ「酷いなあ、その程度の認識か」


    エレン「ヒストリア、ほら、この学習塾跡を紹介してくれた人······だろ?」


    ハンジの言葉には確信が持てないので、疑問文で聞いた。


    ヒストリア「······おお、あの時のオバサンか」


    ハンジ「え、ええ、まあ、うんそうだよ」


    ハンジの方向から「ブチッ」と聞こえたが、聞こえなかったことにしよう。

    やっぱり、女って恐いんだよな。

    今も昔も。←ちなみに、この文はストーリーに関係ない。

  12. 23 : : 2015/08/06(木) 14:17:24
    閑話休題(話を本題に戻す)


    エレン「···と言うわけで、とりあえず、現状は最悪だ」


    ヒストリア「ふむ···奴等め、まだ手を組んでおったか。なんとまあねちっこい奴等じゃ。これだけ儂を追い込めば十分じゃろうに」


    エレン「それにしても、どうするんだ?今のままじゃ、俺みたいな高校生じゃ太刀打ち出来ないぞ」


    ヒストリア「じゃから、一人ずつ相手すればよい······」


    エレン「相手側が手を組んでるんじゃ、それも無理だろ」


    ヒストリア「うぐ······」


    俺が正論を言ったらヒストリアは黙った。




    というか、マジでどうすんだよ!

    俺、一生こんな体のまま生きていくのか!?

    嫌嫌嫌嫌、無理無理。

    そんなの嫌だってば。

    だいたい、ここに隠れてることも、その内バレるだろうし。

    そんな時、絶望的な雰囲気をぶち壊すくらいのお気楽な口調で割り込んで入ってきた


    ハンジ「それについては、問題ない。君達が寝ているときに私が
    『結界』を張っておいた」


    結界?バリアーみたいな物か?


    エレン「······な、なあ、どうしてお前はそんなに協力的なんだよ」


    そうだ。よく考えれば、こいつがヴァンパイアハンターじゃないなんてわからないだろ?

    じゃあ、下手に心を許すのは不味いか···。


    ハンジ「いや、私はヴァンパイアハンターじゃない」


    また、見透かしたようなことを言う。


    ハンジ「私の専門分野はもっと広い。手広くやらせてもらってるのさ」


    エレン「余計怪しくなった······そもそも、お前って誰なんだよ」


    ハンジ「私かい?···ある時は謎の放浪者、ある時は謎の風来坊、ある時は謎のラッキーガール、ある時は謎の美女、ある時は謎のお姉さんだ」


    全部謎だった。


    ハンジ「ある時は···女性の最低音源」


    エレン「ある時は······アルト?」


    ハンジ「ある時はある。ない時は無い」


    エレン「ただの開き直りになった······」


    ハンジ「まあ、私はゴーストハンターってことかな」


    エレン「ゴーストハンター?吸血鬼とか化け物みたいなものか?」


    ハンジ「化け物···そういう呼び方もいいね。私はゴーストと呼んでいるが」





  13. 24 : : 2015/08/06(木) 16:38:21
    なんですかこれすごく面白いです
  14. 26 : : 2015/08/07(金) 00:22:11
    またまた、閑話休題


    エレン「···で、結界とやらを張ってくれたことには感謝するけど」


    エレン「結局、現状は何も変わらないじゃないか!」


    ヒストリア「うぬはギャアギャアとうるさいのぉ·····ほれ、よく考えてみよ。このオバサンがどうしてここを紹介しただけでなく、」


    ヒストリア「うぬをピンチから救ってくれたんじゃ?···決まっておるじゃろう。うぬと儂の味方をしてくれるということじゃろう」


    おぉ、そうか。さっき、奴等の攻撃を難なく受け止めていたハンジなら味方になってくれれば頼もしい。

    だが、そんな浅はかな期待は無駄だった。


    ハンジ「私は、君達の味方はしないよ」


    エレン「え···」


    ハンジ「もちろん、ヴァンパイアハンターの味方もしない。いわば、中立の立場だね」


    エレン「中立···」


    ハンジ「まぁ、なんていうか···ゴーストハンターの中でも珍しいんだけど······私はねこの世界のバランスを保つ、バランサーをやっているんだよ」


    ヒストリア「じゃから、どういうことなのかさっぱりわからんぞ」


    ハンジ「まぁ、待ってよ。少し説明したら分かるから。待て待て」


    ハンジ「つまり、バランサーをやっている私には、ヴァンパイアハンター三人がかりで一人の人間を襲おうとしているのが、どうしてもバランスが取れていないと思ったから。だから、エレン君を助けた。そういうことだ」


    エレン「そりゃ···ありがたい話だな」


    ハンジ「これは貸しにしとくよ。事が解決したらジュースでも奢ってくれ」


    普通、ポジションが逆だろ。

    年上が年下に奢るもんだろ。


    ハンジ「とにかく、今も、三人vs一人じゃ、バランスが取れていない。だから、私が中立の立場に立って何とかしてあげよう」


    エレン「中立か···」


    ハンジ「そう、中立」


    ヒストリア「わが従僕よ、そんなに落ち込むな。最初から味方など期待してはならん。そもそも、こいつが敵だったらもう終わりじゃろう。中立なだけありがたいものじゃ」


    そうか···よく考えれば、裏を返せば、そういう理解の仕方もあるか。

    シビアだな。


    ハンジ「だいたい、レイス。君はどうして日本なんかに来たんだい?伝説の吸血鬼がこんなド田舎に。わざわざヴァンパイアハンターまで連れてきて」


    ヒストリア「観光じゃ。金閣寺とか富士山とか見たくての」


    嘘つけ!そんな理由でヴァンパイアハンターまで連れてこられてたまるか!


    ハンジ「話を戻すけどさ···まぁ、こっちも生活かかってるんで、無料って訳にもいかない。そうだね······いろいろ込みで二百万円でどうかな?」


    エレン「に、二百万!?」


    ヒストリア「おい、従僕。儂は人間の金銭なついての事情は全くといっていいほど知らん。その金額は用意できそうかの?」


    エレン「······人間に戻るためだ。それくらい関係ないさ」


    ハンジ「決まったみたいだね。はっはー、まいどありー。なんちゃって」


    最高にイラつくお姉さんキャラだ。

    底無しの明るさ。······わるくはないか。巨乳だし。

    それに、あの胸の揺れ具合を見ると、ノーブラだろう。

    ありがたやありがたや。


    ハンジ「あ、あと注意事項ね~。中立の立場と言っても、私が全部やるわけじゃないから。二人にはある程度のリスクは背負ってもらうよ」


    ヒストリア「大丈夫じゃ。儂も従僕も覚悟しておる」


    俺の覚悟は勝手に決めないでほしいな······だいたい、ヒストリアは今の状態じゃ戦うことすらできないんだから、俺がやるしかないんだぜ?

    ······俺の覚悟なのに。


    ハンジ「でも、料金を取る分、ちゃんと働くよ。一人vs一人の状態で戦えるようにしてあげる。安心して」


    エレン「とにかく、頼むぜ······俺の覚悟なのに」


    ヒストリア「どんだけ嫌なんじゃ···」
  15. 27 : : 2015/08/07(金) 09:27:41
    期待です( ´ ▽ ` )ノ
  16. 28 : : 2015/08/07(金) 21:38:33
    期待ありがとうございます。
  17. 29 : : 2015/08/07(金) 23:17:43
    それから俺達は朝(吸血鬼にとっての夜)が来る前に寝ることにした。

    いや、ハンジは仕事のために朝早く···まぁ、俺にとっては感覚的に夜遅くだが。とにかく出ていった。




    それからしばらくして、夕暮れに目が覚めた。

    夢は見なかかった。吸血鬼は夢を見ないんだろうか?

    まぁ、どうでもいい。今は事が上手く運ぶことを祈るだけだ。

    そんなことを無駄に考えていると、「やっほー、起きた?」

    と、明るい声が聞こえた。


    エレン「あぁ、でも、まだ日が出ているから、吸血鬼の時間帯じゃあ起きたのは早いほうなのか」


    ハンジ「人間の時間帯じゃ、かなりのお寝坊さんだけどね」


    エレン「あ、ヒストリアは?」


    ハンジ「気づかないのかい?君の体に抱きついてるよ」


    え······あ、本当だ。

    ···だから、これ、第三者が見たら犯罪的な絵だって。

    『男子高校生に抱きつかされている幼女!』

    新聞の第一面に大きく載るぞ。

    最悪だよ。
  18. 31 : : 2015/08/08(土) 18:19:39
    ヒストリアを床に寝かせた。

    ···いくら吸血鬼になって力が強くなったとはいえ、ヒストリアはあまりにも軽かった。

    ヒストリアをあんな姿にしたのはヴァンパイアハンターだけじゃない。

    俺だってその一人なんだ。

    一刻も早く、もとの姿に戻してあげなければ。

    俺にはその責任がある。


    ハンジ「はっはー、意気込み満々だね。そんなエレン君にいいお知らせがあるよ」


    エレン「見透かしたようなこと言うな。どうやったら俺の心を読めるんだ。······で、お知らせってなんだよ」


    ハンジ「今夜の九時に、君の通っている高校のグラウンドに君一人で行くんだ。分かったね?」


    エレン「······分かった」


    内容は説明されなくてもわかった。

    ハンジが勝負の場面を整えてくれたんだろう。




    とにかく、俺は勝つしかない。···勝つしかないんだ。

    そのために、もっと吸血鬼について知っておきたい。

    そのためにも、このお寝坊さん吸血鬼に起きてもらわなければ。

    (ちなみにハンジに聞いたら「教えてあげるから、お金ちょうだい」と言われた)

    とりあえず、幼女に触っても大丈夫そうな二の腕をゆする。


    ヒストリア「う~ん、あと五分···」


    エレン「反応が昨日と同じだろ」


    絵的に少し危ないが、肩をゆする。


    ヒストリア「う~ん···five minute please.」


    エレン「な、なんて言ってるんだ!?」


    ハンジ「五分ください、って言ってるんだよ。そんなこともわからないのかい?」


    エレン「ほっといてくれ!」


    もういい、書店とかで吸血鬼にまつわる本でも買おう。

    そっちの方がよっぽどマシだ。

    あ······家にも連絡入れないと。それと、携帯の充電も···って、考えてたらきりがない!

    一つずつだ。一つずつ。

    まず、書店に行こう。
  19. 33 : : 2015/08/09(日) 07:53:56
    期待ありがとうございます!

    前作でもそうでしたが、
    いつも投稿する文字+コメント×百文字 で行きます!
  20. 34 : : 2015/08/09(日) 08:10:52
    ほほぅ(=´∀`)人(´∀`=)ニヤニヤ
    期待です( ´ ▽ ` )ノ×100♡笑っ
  21. 35 : : 2015/08/09(日) 09:47:47
    そんなわけで、今夜九時に高校のグラウンドに行く前に、書店で吸血鬼について参考になる本を選ぶ事にした。

    今はその書店でオカルト系の吸血鬼にまつわる本を二冊ほど買った。

    そのまま学校のグラウンドに向かうつもりだ。

    そこら辺に座って本を読みたいところだが、時間もあまりないので、読み歩きをしている。

    夜でもよく見える眼は便利だけど、吸血鬼にはそんなものとは比べ物にならないような能力······いわば、スキルがあるようだ。


    エレン「物質創造スキルか···」


    物質創造スキル。その名の通り、物質を創造するスキル。

    まったく······エネルギー保存の法則はどこにいったんだ。

    あとは······


    エレン「いろいろあるけど、俺に使えそうなのはないな······」


    俺は本を読むのをやめて、少し歩くペースをあげた。

    そんな時だった。今はあまり会いたくないやつに声をかけられた。


    「もしかして、エレン君?」


    エレン「え···クリスタ?でも······なんでこんな時間にいるんだよ」


    クリスタ「···やっぱり、変かな?」


    エレン「い、いや別に変じゃないけど」


    クリスタ「フフッ、ありがと」


    不味いなぁ···、今は時間がないし、クリスタには悪いけど、はぐらかして別れよう。


    エレン「悪いけど、用事があるから。これで」


    俺は、後ろを振り向かずにズンズン歩く。


    クリスタ「ええ、ちょっと待ってよ。せっかく会ったんだから、お喋りでもしようよ」


    こいつ、何でついてくるんだよ···。時間がないんだって。


    エレン「お喋りって···なにについてお喋りするんだよ」


    クリスタ「そうだね······いじめってどうやったら無くなると思う?」


    エレン「いきなり重い!」


    クリスタ「そんなこと言っちゃだめだよ。重の道も一歩からって言うでしょ?」


    エレン「それを言うなら、千里の道も一歩から······あ」


    「重」って「千里」だ。

    こいつ、アドリブが上手い!


    エレン「ていうか···こんな夜中に外を、しかも女の子が歩いたら」


    エレン「吸血鬼に襲われちゃうぞ」


    俺は自分に対する皮肉のつもりでそう言った。

    これが意外なことに、かなり···いや、とても傷ついた。


    クリスタ「いや、実は期待しちゃったりして」


    クリスタは笑顔だった。無邪気で、無垢な笑顔。

    気づけば、俺は叫んでいた。

    抱えていた感情が爆発した。今まで我慢していた気持ちが。


    エレン「ふざっけんなよ!!」


    クリスタ「え···私、気にさわること言っちゃったかな······」


    わからなかった。どうして俺は怒っているんだろう。

    わからない、わからない、わからない。

    ············いや、ここで止めてしまってはだめだ。

    このままではクリスタが興味半分でこちら側に来てしまう。

    それだけはダメだ。


    エレン「いや、気にさわるのはお前だ。お前が気にくわない。」



  22. 36 : : 2015/08/09(日) 13:33:02
    おおー!エレクリの予感(=´∀`)人(´∀`=)わーい 期待です( ´ ▽ ` )ノ
  23. 37 : : 2015/08/10(月) 13:29:38
    クリスタ「え······?ど、どうしたの?エレン君、さっきまで私と楽しくお喋りしてたじゃない」


    エレン「楽しくなんかなかった。さっきも、この前も」


    クリスタの顔からは笑顔が段々と薄れてゆく。

    子猫を虐待している気分だ。つまり、最悪な気分。


    エレン「俺は、お前の家の財産が目当てだったんだ」


    クリスタ「私の家、そんなにお金持ちじゃないよっ!?」


    しまった。面白いことを言ってしまった。

    クソッ、うまくいかないなぁ···。


    エレン「ハッ······内申点稼ぎか何か知らないけどさぁ···俺みたいな落ちこぼれにつきまとうなよな。そっちは優越感を感じても、こっちはたまったもんじゃない」


    クリスタは少しの間、うつむき、そして正面を···俺を見つめた。


  24. 38 : : 2015/08/10(月) 15:26:37
    クリスタが何かを言う前に、俺はクリスタにとどめの一言を放った。


    エレン「人の携帯、勝手に扱ってんじゃねぇよ。ウザったい」


    そう言って、俺は自分の携帯のアドレス帳にある、クリスタ・レンズの名前を、クリスタに見せつけながら消却した。

    クリスタは何も言わずに、ただ俺を見据えている。










    泣くかもしれない。そう思った。

    女の子を泣かしたなんて、何年ぶりだろう。

    小学生の頃に一度だけあったかな。

    でも、クリスタは泣かなかった。

    ただ、


    クリスタ「ごめんね、そんなこと言わせて。じゃあ······またね」

     
    そう言って、走り去っていった。

    え············あいつ、今謝ったのか?

    言っていた側の俺でさえ、吐きそうな程気分が悪かったのに······。

    言われた側のあいつが謝ったのか?




    ···············まあ、これで少しは人間強度が強くなっただろう。

    これで、ヒストリアの手足を奪い返すこともできる。

    俺が今やるべきことは、ヴァンパイアハンターからヒストリアの手足を奪い返すことだ。

    そう、今はこれが大事。

    クリスタと、縁ができる前に縁切りができてよかった。

    そう、これで·········良かったんだ。

    早くグラウンドに向かおう。



  25. 39 : : 2015/08/11(火) 05:55:48
    エレン…でもその判断は間違ってるよ…俺みたいに後悔するぞ( ´ ▽ ` )ノ笑
    バッドエンドが見えてくる( ̄◇ ̄;)ガクガク まぁバッドエンドでも期待ですけどね(=´∀`)人(´∀`=)期待期待♪
  26. 40 : : 2015/08/11(火) 12:40:05
    レンさん。期待ありがとうございます

    PS 大丈夫です。これはssですよ?
  27. 41 : : 2015/08/11(火) 12:46:35
    学校に到着した。

    あのあと、マジで時間が無かった。

    だから、本気で走ったら凄い事になって、一瞬とまでは言わないが、数分でグラウンドに到着した。

    自分の体が自分の物じゃないみたいだ。

    まぁ、それでも俺は俺のままだが。




    校門を乗り越えて、グラウンドに急ぐ。

    到着したグラウンドには、あの巨漢が仁王立ちしていた。

    そう、ライナーだ。
  28. 42 : : 2015/08/11(火) 13:18:30
    期待(=´∀`)人(´∀`=)
  29. 43 : : 2015/08/11(火) 13:25:37
    エレン「よお······お待たせ」


    少し妙な挨拶になってしまった。

    なにせ、どんな感じに話しかければいいか分からなかったし。


    ライナー「■■■■■■■■■■■■■■」


    また、意味のわからない言葉を喋っている。


    エレン「何言っているかわかんねえよ」


    ライナー「■■······あぁ、現地の言葉で。だったな···」


    固く結んでいた口を重々しく開いて、ライナーは俺を見据えた。

    俺よりも遥かに高い身長で見下されているためか、威圧感を感じる。

    だが······俺は絶好のチャンスだと思った。

    ライナーはあの時の大きな大剣を持っていない。


    エレン「じゃあ、始めようぜ···」


    俺は、なんとなく思い付いた構えをとる。

    武道を習っている妹がとっていた構えだ。

  30. 44 : : 2015/08/11(火) 14:40:49
    おおー期待です!妹!?Σ( ̄。 ̄ノ)ノ
  31. 45 : : 2015/08/11(火) 15:32:29
    期待ありがとうございます!
    あ、はい、エレンには妹が二人いる設定です!
  32. 46 : : 2015/08/11(火) 19:04:17
    期待している
    放置だけはしないでくれよ?
  33. 47 : : 2015/08/11(火) 19:16:20
    なぬぅ!?初耳だっ!笑
    期待ぃ!楽しみで仕方がない(=´∀`)人(´∀`=)笑
  34. 48 : : 2015/08/11(火) 20:13:10
    期待ありがとうございます!

    放置は、事情がない限りしませんので!
  35. 49 : : 2015/08/11(火) 21:26:41
    ライナー「待て、一応この決闘のルールを確認しておこう。お互いに勘違いをしていると困る」


    エレン「あぁ、いいぜ」


    ライナー「俺が勝ったら、お前からレイスの居場所を教えてもらう」


    エレン「俺が勝ったら、お前からヒストリアの右足を返してもらう」


    エレン「それでいいな」


    ライナー「あぁ、問題ない」


    それが、戦闘開始の合図になった。

    そして、気が付くとライナーは俺の目の前まで来ていた。

    その瞬間だった。

    ライナーの右腕から繰り出された拳が、俺の左腕を爆散させた。

  36. 50 : : 2015/08/11(火) 21:34:02
    エレン「ひ、ひいいいいい!?」


    痛いとか、そういう問題じゃない。

    恐怖。圧倒的恐怖を植え付けられた。

    たったの、拳ひとつでだ。


    エレン「クッ···クソッ!」


    たまらず、後ろを向いて走り出した。

    慌てていたせいか、足がもつれてこけそうになる。

    反射的に左腕を支えにして、とどまる。

    ············あれ?左腕?
    ・・・・・
    左腕がある。









    そうだった。

    相手も化け物だったが、
    ・・・・・・・・
    俺も化け物だったんだ。


  37. 51 : : 2015/08/11(火) 21:45:51
    ーーー回想ーーー

    俺が書店に向かう前に、ヒストリアが俺にアドバイスをした。


    ヒストリア「ライナーは吸血鬼じゃ」


    エレン「え?人間じゃ······ないのか?」


    ヒストリア「何を言っておる。あのような体格の人間を、わが従僕は今までに見たことがあるのか?」


    エレン「いや、ない」


    ヒストリア「じゃろうの。······まぁ、わが従僕よ。特にこれといったアドバイスはないのじゃが···あの、ライナーに血を吸われぬようにな。」


    エレン「別に、すぐに再生するだけじゃないのか?」


    ヒストリア「いや、再生せぬ。流した血は再生しても、吸われた血は再生しない」


    ヒストリア「その場合、血を吸われるのは、存在力を吸われるのと変わらぬからの」


    エレン「でも、なんで吸血鬼が吸血鬼を狩っているんだよ。それって、仲間を裏切るってことじゃないのか?」


    ヒストリア「吸血鬼には、そのような概念はないの。それとも、人間は仲間同士で殺しあったりはせんのか?」


    エレン「それは······」


    ヒストリア「そうじゃろう。同じ者同士で争わないことなんてない。植物でさえ、木の中で養分の奪い合いじゃ」


    ーーー回想終了ーーー
  38. 55 : : 2015/08/12(水) 08:32:58
    すいません、弟のでやってみましたが、ひらけなかったので、コメントをいくつか非表示にさせてもらいます。
    本当にすいません
  39. 56 : : 2015/08/12(水) 08:42:53
    よく考えたら、
    次の作品を作ればよかったんでした。
    というわけで、
    http://www.ssnote.net/archives/38325
    次回作です。
    今後もよろです。

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