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エレン「オレの自由の翼」☆おまけ前編あり

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  1. 1 : : 2015/07/21(火) 08:23:55




    “人はひとりでは生きていけない”




    昔、母さんに教わった言葉だ


    まだオレに友達がいなかった頃ーー


    あの頃のオレは喧嘩しかしていなかった


    イライラするとすぐ口よりも手が先に出てしまった


    そんなオレにもはじめて友達と呼べる存在ができた

    アルミンっていう名前で、同い年とは思えないくらい頭が良い

    オレとは違って、暴力なんか振らない優しい奴だ



    オレはこいつが親友で本当に良かったと思うーー



    ーーーーーーーーーーーーーーーーー

    はじめまして、梅田茉莉です
    今回、初のss執筆に挑戦しております
    温かい目で見ていただけたら嬉しいです

    エレンの回想です
    エレンとアルミンの友情を詰めこもうと思っています
    シリアス注意
  2. 2 : : 2015/07/21(火) 09:19:44

    _________

     ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
     ̄ ̄
    843年


    エレン「だから、嫌だって言ってるだろ!」

    グリシャ「駄目だ。ついてきなさい」

    エレン「だってオレ、友達なんかいらねーもん」

    カルラ「エレン!このままじゃずっと独りぼっちのままよ!」

    エレン「別にいーもん…って、父さん離してよ!」

    グリシャ「ほら、エレンいいから来るんだ」


    別にオレには友達なんていらないんだ

    オレと気の合う奴なんてどうせいないのだから…


    グリシャ「こんにちは、グリシャ・イェーガーです」

    じいちゃん「先生、お待ちしておりました。どうぞ上がってください」

    アルミン「イェーガー先生!こんにちは!あれ、その子は…?」

    グリシャ「エレン、挨拶くらいしなさい」

    エレン「息子のエレン・イェーガーだ」

    アルミン「僕はアルミン・アルレルト。よ、よ、よろしくね」

    エレン「…ふん」プイ

    グリシャ「エレン!!」

    アルミン「(嫌われてるのかな…僕)」


    確か出会いはこんな感じだったかな…

    本当にオレは最低だった。


  3. 3 : : 2015/07/21(火) 11:37:02
    ______


    アルミン「ねぇエレン、今日はなにして遊ぶ?」

    エレン「木登り!」


    それからオレ達はなんだかんだで一緒に過ごすようになった。


    アルミン「えー、危なくないかな…」

    エレン「平気だって。いざとなったらオレが助けてやるし」

    アルミン「(うーん…信用できないけど)」

    エレン「ほら!早く登れよ!気持ちいいぞ!!」


    アルミン「うん!(エレンと一緒なら楽しいや!)」


    エレン「おい、そこ気を付けろ。ちょっと滑るからな」

    アルミン「ありがと…」

    エレン「ん…あの綺麗な色の鳥はなんだ…?」

    アルミン「えっとね、あれはカワセミっていう鳥だよ。くちばしが長いのが特徴なんだ。シガンシナで見られるのは珍しいかもね」

    エレン「へー…そういえばお前って妙に色々知ってるよな」

    アルミン「本読むのが好きだからかも」

    エレン「オレにも色々教えてくれよな!」

    アルミン「自分で読んで身につければいいだろ」

    エレン「オレ本読むの苦手だもん。アルミンに教えてもらうのがいいんだよ!」

    アルミン「ふっ…何それ。仕方ないなぁ。じゃあ明日は僕のお気に入りの図鑑を持ってきてあげるね」

    エレン「おう!」

  4. 4 : : 2015/07/21(火) 13:14:56
    ____


    アルミン「ハァ…ハァ…おまたせエレン。今日も本持ってきたよ」

    エレン「おー!……おい、顔どうしたんだよそれ」

    アルミン「え?あ…大丈夫だよこれくらい。慣れてるから」

    エレン「誰にやられたんだ?」

    アルミン「え。何する気?」

    エレン「決まってるだろ、やり返すんだ!」

    アルミン「無理だよ!相手の方が人数多いし、強いよ」

    エレン「ていうかなんでやられたんだよ」

    アルミン「この本…バレちゃって…」


    そう言いながらアルミンは本の表紙をみせる

    ボロボロになった表紙にアルミンは悲しそうな顔をした。


    アルミン「これはね……外の世界について書かれている唯一の本なんだ。おじいちゃんが隠し持っていたんだよ」


    エレン「『外の世界』?」


    アルミン「そう、外の世界!この壁の向こうの世界の事だよ」

  5. 5 : : 2015/07/22(水) 06:21:49

    エレン「見たい…」

    アルミン「じゃあ僕のお気に入りのページからね!」

    アルミンは興奮気味に語りだした


    アルミン「見て!これは『海』っていうんだ!海は壁の中の何倍も広いんだって」

    エレン「ふーん…」

    アルミン「しかもね、海は塩でできてるんだって!」

    エレン「ふーん……ぷっ」

    アルミン「何笑ってるの。僕真面目に話してるんだけど!」

    エレン「ごめんごめん!」


    だって、普段わりと大人びている奴なのに

    こんなにキラキラ輝かせた目をするから…


    よっぽどすごい世界なんだろうな…外の世界ってのは。


    アルミン「ねぇ…僕たちさ、いつか探検しようよ。周りの目なんて気にしないでさ」

    エレン「ああ!いつか…いや絶対見に行こうぜ!オレとお前の約束だ」


    オレは『海』とか『炎の水』だとか、別に見れなくてもかまわないんだ

    ただ…隣にお前がいてくれるだけで…

    それだけでいいんだ。

  6. 6 : : 2015/07/22(水) 07:20:50
    _____


    だけど、訓練兵に入ったオレはそれが矛盾していることに気づきだした―――


    エレン「アルミン!アルミン…!」

    アルミン「…エレン…ミカサ…また僕は…」

    ミカサ「アルミン、まだ起き上がってはダメ」

    アルミン「うん…二人がここまで運んでくれたんだろ?すまない…」

    エレン「アルミン…無茶するなよ!」

    アルミン「でも、調査兵団に入るならもっと頑張らなくちゃ」

    エレン「お前は技巧とかの方が向いてるぞ」

    アルミン「そうだけど!僕達は……」

    エレン「オレは巨人を駆逐しなければいけない。だから調査兵団に入るんだ」

    アルミン「(夢は忘れちゃったのかな…)」


    オレは『夢』を忘れたふりをしていた

    アルミンを調査兵団に入れないために…

    調査兵団に入って、アイツが危険な目に合うのが嫌だったからだ。


    危険な目に合うのはオレだけでいいんだ

    だからアルミン……『夢』なんて忘れちまえよ。

  7. 7 : : 2015/07/22(水) 17:02:31
    ______



    それなのにお前は―――


    アルミン「僕は…調査兵団に入る」

    エレン「は…?お前は技巧にすすむんじゃないのか?教官にも言われただろ」


    アルミン「もう決めたことなんだよエレン!僕は絶対に調査兵団に入るんだ!誰になんと言われようとね!!」



    すげぇ真剣な目だ

    本気なんだな……

    仕方ない…か。


    エレン「なんかお前…変わったよな…」

    アルミン「!」

    エレン「昔より強くなったよな」

    アルミン「ありがとう(変わったのは君だよ…エレン)」


    いじめられて、泣いてばっかだったあの頃のアルミンは

    もう過去なんだな…

    オレが居なくても、アルミンはもう平気なのか。


    アルミン「(エレン……どうして夢の話をしなくなったの?もう…僕は必要ないのか?僕が…足手まといだから……)」


    なんか親みたいな気分だな…

    成長した我が子を見守る親の。


    なぁ…一つだけ約束してくれよ。




    エレン「(死ぬなよ…アルミン)」

  8. 8 : : 2015/07/22(水) 17:27:47

    ______________


    そして最悪な日が訪れるーーーー

    超大型巨人に再び、壁を壊されるーーーー



    アルミン「……」ブルブル


    エレン「アルミン…大丈夫だ。この初陣で活躍すれば、スピード昇格間違いない!」


    ……何が『間違いない』だ

    本当はオレだって手が少し震えているのに。



    アルミン「エレン……ああ。間違いない!」


    良かった

    アルミン、少しは落ち着いたみてぇだな。


    アルミン「(足手まといには絶対ならない…絶対ならない…ならない!)」



    「34班、配置につけーー」


    エレン「よし!行くぞ皆」


    「おーー」


    エレン「(絶対に誰も死なせたくない)」



    そう思っていた


    けどこの世界は酷く残酷なんだーーー
  9. 9 : : 2015/07/22(水) 18:23:50


    オレは皆を死なせたくないくせに


    選択を間違えたんだ。


    オレの浅はかな行動のせいで……



    エレン「トーマスを返せぇぇ」ギュイーン


    「よせエレン、単騎行動は危険だ…!」


    「エレンをこのまま一人にするわけにはいかないでしょう?私たちも行くわよ」


    アルミン「(エレン…お願い…僕を置いていかないで)」 シュタタ…








    エレン「」 グッタリ


    アルミン「エ、レ、ン……嘘だよね?」



    オレのせいで



    「ぎゃあああ…やめてくれぇぇ」


    アルミン「ミリウス…!」


    オレのせいで


    「痛い痛い…!いやああああ」


    「やめてください!やめ…グブッ」



    アルミン「ミーナ!みんな……!」



    オレのせいで…!



    アルミン「(どうして……僕の体は動かないんだ)」



    エレン「アルミン……ハァ…ハァ…」



    オレは今まで何のために生きてたんだろうか。



  10. 10 : : 2015/07/22(水) 18:39:44





    巨人を駆逐するためか…?




    ミカサを守るためか…?




    あれ……本当になんだっけ……




    もういいや




    オレ……もうどうせ死んじまうんだからーーーー



  11. 12 : : 2015/07/22(水) 18:55:05
    ――――――――――
    ―――――
    ―――








    「…ン……レ………」




    ――――――――――
    ―――――
    ――




    「い……か………そ…の世……に……」




    ―――――――――――
    ――――――
    ―――





    「エレン……!う…はね……塩……き……てる……よ!」




    ――――――――――――
    ――――――
    ―――



    「 エ レ ン !」





    諦めていた瞬間


    『それ』が頭に流れ出す


    全部……全部……アイツの声だった。



    オレは一番大事なことを


    やっと思い出した……


  12. 14 : : 2015/07/22(水) 19:39:02


    …オレは



    アルミンに出会う前



    ずっと退屈だった。



    ただ飯を食って、喧嘩して、寝て、また食う



    そんな日々にうんざりしていたんだ。




    もっと



    知らない『世界』にオレを連れていってほしい



    オレが知らない世界を誰かーーー





    アルミン『僕はアルミン・アルレルト。よろしくね、エレン』





    ああ…



    見つけたよ





    エレン「お前が…教えてくれたから…オレはー」





    オレに生きる意味を教えてくれたーー



    知らない世界を教えてくれたーー



    夢を一緒にみてくれたーー



    オレの唯一無二の親友と呼べる存在。

  13. 15 : : 2015/07/22(水) 19:57:04



    アルミン「エレン!!早く!!」



    エレン「アルミン……お前に出会えて良かっ…」



    バクッ…




    アルミン「うわあああああああ」




    オレはずっと鳥に憧れていた



    翼があれば、どこにだって飛べるのだから……



    でもオレは見つけたんだ



    小さくて


    弱々しくて


    だけど


    とてもキラキラと綺麗な


    あの時みた鳥のような


    美しい色の『翼』をーーー






    アルミン……



    お前は………



  14. 16 : : 2015/07/22(水) 20:09:57









    オ レ の 自 由 の 翼 だ。









    ーTo be continuedー

  15. 17 : : 2015/07/22(水) 20:20:05

    ーあとがきー

    最後まで読んでくださり、ありがとうございました。
    初ssで不慣れな部分があり、読みにくかった方もいらっしゃると思います。すみません。

    期待のコメント、お気に入り…大変嬉しかったです!

    次回も読んでいただけたら嬉しいです☆

    ありがとうございました!


    【梅田茉莉】
  16. 18 : : 2015/07/22(水) 20:22:54
    乙カレー
  17. 19 : : 2015/07/22(水) 22:07:04
    お疲れ様でした!

    初めてとは思えないほど上手く、読みやすかったです。
    次回作も期待です。
  18. 20 : : 2015/07/23(木) 14:51:25

    【プロトタイプ】さん

    はじめまして、最後まで読んでくださりありがとうございます
    お気に入り登録まで…(*^.^*)

    『乙カレー』の評価嬉しすぎます
    ありがとうございました!


    【進撃のMGS】さん

    初の期待コメントで、とても嬉しかったです☆
    次回作の方も読んでくださりありがとうございました!

    進撃のMGSさんの作品もとても読みやすく、素敵な文章でした
    ありがとうございました!
  19. 21 : : 2015/07/24(金) 20:56:12

    〜ちょっとしたおまけ前編〜


    読んでくださった方に感謝の気持ちを込めて、おまけのお話を執筆したいと思います☆



    『数年後のエレンとアルミンのお話』です
  20. 22 : : 2015/07/24(金) 21:35:16

    ー数年後ー





    エレン「おおぉぉ…!」



    アルミン「すごい綺麗だ……想像以上だよ」



    エレン「……」



    ーーやっとオレ達はここまでたどり着くことができた。





    たどり着くまでに



    色んな悲しい事が起こったけど



    辛いとき、いつも静かに寄り添ってくれた



    大切な仲間たち。



    そしてオレの心と体を支えてくれた



    お前とミカサ。





    アルミン「ねぇ、エレン。改めてだけど……今、君に伝えたいことがあるんだ」



    アルミン「今日まで、僕の親友でいてくれてありがとう。たくさん迷惑もかけてきたけど、君のそばにいれることが嬉しかった」



    アルミン「僕はずっと……これからも君とずっと……一緒にいたい! もっと色んな場所を冒険したい」




    エレン「アルミン……」




    アルミン「昔は体も弱くて、君に守られてばっかりだったけど……」



    アルミン「頑張って、エレンに追いつきたくて……強くなったよ!」


  21. 23 : : 2015/07/24(金) 21:50:32



    エレン「……オレもさ、強くなりたかったんだよ」



    アルミン「え?」



    エレン「オレはお前みたいな優れた頭も、ミカサみたいな才能もなかったから」




    エレン「……今思えば、この巨人化できる能力があって、本当に良かったと思ってる」



    エレン「こんな体になっちまったけどな」ニカッ



    アルミン「エレン……」



    アルミン(無理して笑顔をつくってる……)

  22. 24 : : 2015/07/24(金) 22:05:50





    オレの体は変わってしまったーー




    もうオレは歳をとれないらしい




    一生、15歳の姿のまま生きることになるのだ。







    そしてオレはもう人間の寿命ではないらしい




    あと2000年は死なない事がわかった……



  23. 25 : : 2015/07/24(金) 22:24:15



    それを知ったときは



    ショックだった。



    でもウジウジ泣いていても仕方ない



    オレは自分の運命を受け入れたーー





    エレン「お前すごい成長したよな」



    アルミン「はは、エレンの身長……超しちゃったね……」



    エレン「ああ。なんかもう、可愛げがなくなっちまったな」



    アルミン「ミカサにも言われたんだけど」



    エレン「あいつ、アルミンの事自分の子どもかなんかだと思ってるからな」



    アルミン「いや、それエレンも同じだから!」



    エレン「とにかく、オレはお前の成長が見れて嬉しいよ。だからさ……悲しく思わないでくれよな」



    アルミン(……ごめんエレン。僕はこの現実がまだ受け止められないんだ)



    アルミン(このままだとエレンはいつか……孤独になってしまうから……)












  24. 26 : : 2015/07/24(金) 22:27:53








    そ れ が 恐 い ん だーー








    ーTo be continuedー



  25. 27 : : 2015/07/24(金) 22:34:12

    おまけを読んでくださったみなさん、ありがとうございました!
    次回のおまけはほんの少し長いです(笑)


    アルミン「星のような親友」

    http://www.ssnote.net/archives/37461

    ↑おまけの続きはこちらに執筆する予定です



    ありがとうございました!
  26. 28 : : 2015/07/24(金) 22:35:25
    お疲れ様でした!
    次のおまけも期待です!
  27. 29 : : 2015/07/24(金) 23:03:04

    【進撃のMGS】さん、さっそく読んでいただけて嬉しいです(*^.^*)

    おまけは次回で完結になります
    期待に応えられるよう、精一杯執筆しますね

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著者情報
Mari1126umeda

梅田 茉莉

@Mari1126umeda

この作品はシリーズ作品です

進撃シリアス短編 シリーズ

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