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東方真紅魔郷〜The Carmesí Diablo

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  1. 1 : : 2015/07/20(月) 19:18:56

    〜注意書き〜

    ・スレ主東方にわか。

    ・文章力皆無。

    ・シリアス

    ・血の表現あり

    以上の事を理解した上で拝見お願いします
  2. 2 : : 2015/07/21(火) 00:42:41
    僕がアリス家にお世話になってから数ヶ月程経った頃。

    彼女は今日もいつも通り紅茶を片手に魔導書を繰っている、以前軽く捲った時は知らない字で書かれていて読めなかったのでそれをアリスに問おうと思ったが、字を読めなきゃこんな集中して読まないよねと自己完結したのでその疑問は心の中へとそっとしまった。

    僕は丁度いい温度になった紅茶をゆっくり啜る。
    紅茶の風味が鼻を抜けていく感覚をゆっくりと愉しむ、この紅茶は現世では飲んだことない味で、今僕の中ではこれが大ブームとなっている。

    アリスが無言で空のティーカップを差し出して来たのでティーカップの中へと熱々の紅茶を注ぐ、ティーカップに底まで見える程透き通ったオレンジ色の液体がなみなみと注がれ一筋の白い湯気が立ち上ると共に淹れたての紅茶の香りが鼻腔をくすぐる。

    アリスは無言でそれに口を付けゆっくりと紅茶を啜る。
    だが紅茶は淹れたて、当然の様に熱々なのでそれを飲んだアリスの口から「熱っ」という声が漏れる。 一瞬顔をビクッと揺らすが直ぐに平静を取り戻しふうふう吹き再度口を付ける。

    彼女の猫舌はいつ見てもほっこりするものだ。
    僕もティーカップに注がれた紅茶を二口で飲み干し一息つく。
    アリスが魔導書の読解に集中してる中、時計へと目を配り魔導書をパタリと閉じた。

    気がつけばもうお昼を迎えていた、アリスが席を立ち食事の準備を始める、そしてその瞬間を狙っていたかのように第三者の声が聞こえた。

    「おーすアリス、お邪魔するぜー」

    少女は箒をドア横に立てかけイスに腰掛ける。

    「いらっしゃい魔理沙」

    「こんにちは、魔理沙」

    アリスに続き魔理沙に挨拶をかわす。
    すると魔理沙は笑顔で応えてくれた。
    彼女には当初怪訝な目で見られていたが何時頃からか気軽に接してくれるようになった。

    軽く雑談をしているとアリスの料理がテーブルに並べられた。

    「相変わらずアリスの料理は美味そうだな」

    と魔理沙が感想を述べると満足そうな笑顔を浮かべ、

    「ありがとう、魔理沙」

    と答えていた
  3. 3 : : 2015/07/22(水) 10:21:15
    食事を終え後片付けの作業中、疑問を口にした。

    「そういえば、魔理沙は今日ここでご飯を食べにきたんだい?別に嫌じゃないんだけどさ、大好物のキノコがたらふく食べられる訳じゃないのに何で来たのかなーなんて」

    自分の語彙力の無さに呆れながらなんとか疑問を言葉にした。
    途端に魔理沙の表情に曇りがさす。

    「それが時期的にキノコが取れなくてさ、蓄えておいた食料も底をついて…まぁ実際のこと言うともう本当死にかけだったのよ」

    驚きのあまり皿を吹く手が止まる、買い物に出かけるという手段はないのかとツッコミたくなるがここはグッと堪える、あんまり騒ぐとアリスに怒られてしまう。
    (今僕と魔理沙が後片付けをしていて、アリスは読書中という状況)

    確かに今は春も終わり時期的には夏に近い、キノコは秋から春ぐらいまでとかだった気がするので確かに取れないのも納得だ。
    でも、何で買わないの!

    そんな僕の気持ちを汲み取ったかのように魔理沙が口を開いた。

    「最近金欠で何も買えなくて…本当やばかったよ」

    後片付けを終え魔理沙を見送ろうとした所で、誰もが予想だにしなかった出来事が起こる。

    空がが深紅へと染まる。
    いや、その言い方には語弊がある、正確に言えば赤い霧が空を塗り潰しているの方が正しいだろう。
    あまりの出来事に立ち尽くしてしまう。
    そして──ついに青々と輝いていた空は全て紅色へと変貌した。
    こっそり魔理沙の表情を伺うと、なんとまぁビックリ、獲物を狙う野獣の顔になっていた。
    箒に跨り空へと勢いよく飛翔する。

    多分これがこの幻想郷においての"異変"なのだろう。
    初めて見る異変という事もさながら、僕は直感的に感じた。
    同種が…僕と同じ者が居ると。

    僕も魔理沙と同じく空へと飛翔し、周りを見渡す。
    この異変の基点があるはずだと考え周りをを見渡すのだが、それらしき場所は見つからない。
    仕方ないので直感で感じ取った方角を頼りに飛ぶことにした。
  4. 4 : : 2015/07/23(木) 04:29:00


    門番を捩じ伏せ館内へと侵入する、扉を開けた中には誰も居ない。
    油断は出来ないが一先ず安堵の溜息を吐く。
    博麗霊夢がこの"紅魔館"に着いたのは数分前のこと、本来なら彼女が降り立った事を感知しすぐさまに警備などを配置してもおかしくないのだが玄関はもぬけの殻といった様子だ。

    彼女が降り立ったことに気づいていないのか、はたまた気づいているが警備を配置する程でもないと舐められているのか。
    そう考えた途端霊夢は怒気混じりの声で低く叫ぶ。

    「いいわ…そっちがその気ならやってやろうじゃない…!」

    絶対に後悔させてやると心に誓い館内の道を進む。
    おかしい、と気づくのにさほどの時間もかからなかった。
    彼女が門番を捩じ伏せ館に侵入した事に気付かないはずがない。
    あまりに出来過ぎていると考えた時だった、突如視界に一本のナイフが出現する。

    気を抜いてもいた訳でもなければ、元からそこに仕掛けられていたという訳でもない。
    ナイフが目の前にあると認識した途端ナイフが霊夢めがけ突き進む、それを顔を少し左に傾け避ける。

    ナイフが後方に飛んで行ったのを確認し、出てくるであろう相手を見据える。
    薄暗い影の中から1人の人間が姿を現す。
    金属を熔かした様に綺麗な銀髪が肩の所で三つ編みになっている。
    白色のフリルの付いたスカートが膝上で止まっている。
    トップスは純白のシャツが肩までをしっかり覆っている。
    それに重なる様にして少し暗めの紺布で身を包んでいる。

    「この館の主に用があるのだけれど、出してくれないかしら?」

    相手が誰でも御構い無しといった様子で霊夢は冷たく言い放つ。

    「ご心配なく、貴女はここで斃れるのでお嬢様様を拝する事は叶いません」

    「そう…あまりしたくなかったのだけれど、こうなったからには仕方ないわね」

    「そっちがその気なら力尽くでいこうじゃない」

    相手を睨み、相手もまた己を睨む。
    沈黙が数秒続き──破られる。
    戦いの火蓋が切って落とされた。
  5. 5 : : 2015/07/25(土) 08:22:26


    紅魔館の地へと降り立った少女は斃れている門番を無視し館内へと侵入する。
    何とかこの館に着けたものの、構造が分からないので取り敢えず進む。

    反対側の方から時折衝撃音が聞こえたりするので、そちらに行けば良かったなと後悔した。
    勿論戻る事を考えたがこの館は迷路の様に複雑な様でどこから来たかさえわからない。
    この館に来た事を若干後悔しながらも進むと上の階と地下の階へと続く階段があった。

    箒を垂直に立て、ゆっくりと傾いていき──地に触れる。
    地下の階段の方に倒れたのでそちらへ行くことに。
    外が暗いことも相まって、階段は結構薄暗いので視界が悪い。
    それでもしっかり一歩一歩踏みしめ進む、大きな扉が見えて来たのでゆっくりと押す。

    中は階段と同じく薄暗いが明かりが点いているのか、先より幾分明るい。
    それと共に中からむあっとカビ臭い臭いが鼻をつく。
    思わず「うっ」と声が漏れる、鼻を抑えながら更に扉を押す。
    ぼんやりと中の様子が見える、かなり広い。
    ここは何処なのか一点を集中して睨んでいると本の背表紙が見える、その隣もまたその隣もズラッと本が並んでいる。
    ここは図書館か。

    図書館の中へと足を踏み入れる、するとそこに火の玉が降る。
    咄嗟に横に扉それを躱し相手の場所を視認する為見渡す。
    薄っすら暗い図書館の中である場所だけ他に比べ明るみがある、そこに一人の少女がいた。
    服装は紫色の大きめのスカートの上に明るいピンク色の上着で覆っている。
    帽子は上着と同じく明るいピンク色でフリルになっており、三日月のオプションが付いている。

    少女が口を開く。

    「どうやら、鼠が一匹紛れ込んだみたいね」

    魔理沙の事を指しているのだろうその言葉は挑発か。

    「その鼠にやられる気分を後で教えてもらうとしよう」

    互いに光弾を発射する、光弾が激突しあい次々に爆発を起こす。

    二つの光が交錯した。
  6. 6 : : 2015/07/28(火) 02:08:28


    最小限の力でナイフを躱し、躱せないものはお祓い棒で弾く。
    戦況に変化はない、今の所互角か──否、私の方が押されている。
    何よりも厄介なのは時折自身の周りに数多のナイフが私に向けられている時があるのだ。

    どんなに反射神経が良かろうと流石に全部を避けきる事は出来ない。
    ナイフが頬を、足を掠めていく。
    傷口から血が一滴、一滴と垂れる。
    血が伝う感触は良いものではない、それを強引に手で拭う。

    ──まずは相手の能力を把握するところからね。
    地を勢いよく蹴り、相手に向かい突進する。
    相手は飄々とした表情を崩さずナイフを飛ばしてくる、お祓い棒でそれを叩き落とす、体を屈めスライディングの要領で地を滑り後から飛んできたナイフを躱す。
    相手の数歩前の所で再び立ち上がり相手の胸ぐらを掴む。

    「これでさっきみたいな手品は出来ないでしょう?諦めなさい、スペルカー──」

    カード、と言い切る前に相手は不敵な笑みを浮かべる。
    どういうことか、まだ何か隠しているのか、いやそんなはずはない。
    だがそんな思案する暇を与えてくれるほど相手も緩くない。
    そして再び霊夢の周りにナイフが出現する。

    ──馬鹿ね、そんな事すればあんただってタダじゃ──

    胸ぐらを掴んでいた手の方へ視線を向ける、いない。
    先程まで掴んでいた相手がいない、あまりの衝撃にほんの一時頭の中が真っ白に染まり、ナイフを避けるのが数瞬遅れた。

    思いっきり後ろへと体を屈めながら飛び退る、
    ナイフが霊夢の背中に突き刺さる。
    悲痛に顔を一瞬歪めるが直ぐに持ち直し、相手の場所を探る。
    相手はナイフが幾つも突き刺さった場所の更に先の場所で悠然と構えていた。
    右手には3本のナイフが指の間に挟まっていた。

    ──殺ろうと思えば殺れたというわけね。

    微かにだが、霊夢は高揚していた。
    ここまで戦いにおいて気持ちが昂ぶることは今までになかった。

    「あなたの能力を把握したわ…そう、あなたの能力は時を止める、それがあなたの能力でしょう?」

    「そう、ならば降参してくれるかしら?私も無抵抗の相手を傷つけるような真似はしないわ」

    「降参?バカね、あなたの能力の弱点を理解した、と言ってるのよ」

    その言葉に咲夜はピクリと眉を動かす。
    見た目では平静を装っているのだろうが、動揺している。
    その隙を見逃さず咲夜に肉薄し、下腹部に殴打を決める。
    肉が沈む、衝撃で咲夜は後方に吹き飛ばされる。

    「霊符・夢想封印!!」

    「くっ!そんな物…時を止められる私の前では無意味!!」

    彼女以外の全てが止まる。
    素早く立ち上がりナイフを一本霊夢へと投げる。
    ナイフは彼女に突き刺さる寸前の所で止まる。

    ──これで終わりね、スペルカードを使用して勝てると慢心したあなたの負けよ、博麗の巫女。

    心の中でそう告げその場から立ち去っていく。
    霊夢の放った夢想封印の色鮮やかな弾が微かに動いている。
    違和感を感じ取り背後を確認する。
    霊夢が放った夢想封印が咲夜に向け虹色の軌跡を描いて直進している。

    体を横に傾けるが避けきれず直撃する。
    爆発音と共に再び時が動き出す。
    霊夢の眼前にあるナイフをスペルカードを読む前に構えていたお祓い棒に当たり、カシャンという音を立てナイフは地に落ちる。
    霊夢は前方で咲夜が倒れているのを確認し、安堵の溜息を吐く
  7. 7 : : 2015/07/28(火) 02:08:59
    「私は一つの仮定をした。
    あなたの能力は時を止める、あなたとあなたが触れている物体以外の全てを止める」

    「あなたのナイフが私の目の前でいきなり動き出すのは、あなたがナイフを投げ、私に当たる直前に他の物体同様静止する」

    「私の夢想封印が時間停止された世界で止まらなかったのは、弾幕は原子で構成されていない光で出来ているからよ。
    光は観測者に関わらず「一定の速度」で動いているから。
    これでもし夢想封印も効かなかったらお手上げだったけどね、やっぱりあなたのは実体のある物しか止められないようね」

    「あなたの敗因は…能力に頼りすぎた…というところね」

    博麗霊夢はこの紅魔館の主であろう者の場所へと向かい始めた。
  8. 8 : : 2015/07/29(水) 00:42:15


    久々の出番キマシタワー。
    と思っていたのも束の間、デッカい館に突っ込みます。
    大きな破砕音を立てながら窓から突入する、最悪周りには誰も居ないようだ。
    目の前に大きな階段がある、下に行くか上に行くか、勿論下へ行く。
    地下って大抵なんかのイベントが起こりやすいじゃん?地下に眠る猛獣が暴れる的なやつ。
    好奇心に身を任せ下へと下っていく。
    扉が見えてきたので開けようとするが、鍵が掛かっていたのでピッキング(蹴り破る)と少々乱暴に開ける。
    扉の奥は如何やらこの館の一室らしい、照明がぼんやりと灯っているだけで他に光源は一切ない。
    それも当然、地下室だからここは。
    良く見れば周りには中身の綿が飛び出していたり、原型を留めていないぬいぐるみが散乱していた。

    そして部屋の中心に佇む少女に目を惹かれた、華奢な外見で、細い腕でぬいぐるみを抱いている。
    少女の目は人形の様な紅いガラス玉が嵌っている。
    何よりも驚いたのは少女の背中から翅が生えている、翅には色とりどりに輝く石の様な物が据え付けられていた。
    ──この子も妖怪か?それともまた別な何──

    「あなたは誰?この館の人じゃないよね?」

    途端少女が口を開き言葉を発する。

    「侵入者であるあなたを殺せばアイツは私を認めてくれるよね?そうすればこのお部屋から出る事が出来て色んなおもちゃで遊べるんだよね」

    背筋にぞくりと冷たい冷気が走り抜ける、言葉だけだと冗談に聞こえなくもないが、少女の表情を見ればわかる。
    目からは光が失われ、口角をゆっくりと上げ歪んだ笑顔を見せてくる。

    「禁忌 『レーヴァテイン』」

    少女の手に猛火が剣の形へと形成され少女の2倍以上もある大きな大剣が出来上がる。
    一気に室温が上昇し、部屋の湿気が消えていく。
    逃げたい、その一心であるが身を翻しドアノブに手を掛けた瞬間にあの猛火の大剣で真っ二つに両断されるのを想像に難くない。

    レーヴァテインは北欧神話で出てくる武具の名を冠す武器、アカメ風に言うなら『万物焼灼 レーヴァテイン』的な感じだろう。

    「出来るだけ長く楽しみたいから…直ぐには壊れないでねッ!」

    少女はその華奢な腕で燃え盛る大剣を右から薙ぐ、華奢というのは語弊だろう、細い剛腕で振るう大剣。
    ゴウッと唸りを上げ僕の身体へ迫る。足元を爆破させ大剣から距離を取る。
    レーヴァテインは灼熱に燃える大剣、振るだけで火の粉が撒き散らされ熱風が押し寄せてくる。
    ジジッと皮膚が焼ける音がする、そのまま連続してニ撃三撃と大剣を振るってくる少女の猛攻を辛うじて避けるがそろそろ間合いや爆破のタイミングを読まれきている、でもそれはこちらも同じこと。

    ──せめてこちらにもある程度のリーチがある武器が欲しい。

    苦戦を強いられながらも今だ火傷以外の傷は負っていない。
    互いにほぼ無傷のまま何分もの時間が過ぎていく。
    ついに均衡が破られる、少女は薙ぎ払いではなく突きを放ってくる。
    先程と同じ攻撃と読んだ僕は先と同じく爆破で後方へ飛ぶ、しかし今度は突きを放ってきているので必中。
    燃え盛る大剣が僕の腹を貫く、少女の顔を僕の身体から溢れる赤い液体の飛沫が赤く染める。
    下腹部にある胃や腸などの臓器が諸々が斬り裂かれ、猛火により一瞬に灰になっているだろう。
    上半身と下半身をギリギリの肉が繋ぎ止めている。
    爆破で壁際まで飛ぶ、着地体勢がうまく取れず地面に転がり落ちる形で着地する。
    熱い物が喉の奥まで込み上げてくるので吐き出す、口の中に鉄の臭いが充満する。
    先程まで白いカーペットが僕の血と彼女の大剣の炎により黒と赤の二色構成が出来上がる。

    「心臓と肺を残しておけばギリギリまで壊れないですむよね」

    少女の言葉が朧げに聞こえる、先の一撃で血を出し過ぎたのか、意識が少し遠い。
    ここで意識を失えば少女の拷問の果てに死ぬだろう、それだけは何としても避けるため頭を振り意識を立て直す。

    力を振り絞り立ち上がりる。
    武器が欲しい、それも結構長めのリーチがある直剣の類が欲しい。
    少女がその場に立ち止まりスッとこちらを見据えてくる。
    簡単に殺せるという余裕の表れなのか、それともおもちゃを壊さないように遊ぶ為に僕の方を注視してくる。
    その間を利用し部屋を見渡す、武器になりそうなものを探す。
    そしてそれを見つけた、少女の後方の壁際に一振りの剣が立てかけられていた。

    まず少女の足元を爆破し、煙を少女の周囲に起こす。気休め程度にしかならないだろう、だがここで死ぬ訳にはいかない。
    爆破を起こし自信を前方へ飛ばす、煙に突っ込んだ瞬間少女と目が合った気がする。
    何とか壁際に辿り付くことが出来たので直剣を握る。

    少女へと向き直り、剣を正中線上に構える。
    少女の方はと言うとギラリと凍てつく瞳でこちらを睨んでいた。
  9. 10 : : 2015/07/29(水) 07:44:47
    「最近のおもちゃって手品まで出来るんだね、本当にすごいね。」

    同時に走り出し剣を打ち合い、鍔迫り合いに持ち込む。
    眼前では燃え盛る炎が少女の姿を隠しこちらの剣を包み込んでいる。
    間近なのでジリジリと皮膚が焼けていく。
    剣の方は炎に包まれているため徐々に赤熱してきている。
    これ以上続けると刃が折れると判断し、壁を爆破させ飛び退く。
    少女は多分であるが、吸血鬼だろう。
    時々見えてくる口から八重歯が出ている。
    ──吸血鬼の弱点は…

    正直あの少女がもし吸血鬼出ないなら僕の死は免れない。

    血を流し過ぎたせいで今自分が座り込んでいるのか立っているのかすら分からなくなっきている。
    力を振り絞り剣を振るう。
    少女は僕の最期の悪足掻きに驚いたのか、中々反撃に出れない。
    再度少女の背後にある土壁を爆破していく。

    「逃げようとしても無駄だよ、ここは地下。」

    「クソッ…!」

    壁際まで追いやられ、嘆きの声が漏れる。
    途端に僕の視線が低くなり少女が高い位置に見える。
    少女は尚も笑顔を絶やさずジリジリとにじり寄ってくる。
  10. 11 : : 2015/08/11(火) 18:20:47
    追い詰められているがこの状況を切り抜ける手段が一つある、だがそれを行えば僕は人として最低のレッテルを貼られ、更には少女の怒りを買って半殺し──否、ズタズタに切り裂かれて無残な死を遂げるかもしれない。
    だが命が掛かってるのは今も同じ、背に腹は変えられぬ。

    炎の大剣の鋒が喉に突きつけられる、高温の炎が皮膚を焼いていく、喉元に激痛が走り、次第に感覚が遠ざかっていく。
    少女は何もしようとしない、限界にまで痛みつけた後に更にじっくりと甚振る算段を考えているに違いない。
    感じるのは冷たい壁の感触と熱い炎の熱気。
    少女を睨みつけ、真っ黒に焦げているだろう喉や口を動かし言葉を紡ぐ。

    「マヌケがッ!!僕に考える時間を与えた事を後悔させてやる!!」

    少女の服を睨み付ける、少女は眉をひそめる。
    瞬間目の前で爆発が起きる、少女を爆発したのではない、少女の"服"を爆破させたのだ。
    至近距離の為少なからずダメージを負ったものの突きつけられた大剣は宙を泳いでたのでその隙に少女との距離を取る。

    これで相手が戦闘不能になればよし、死ねば尚よし。
    そんな希望も一瞬にして砕かれる、煙が晴れ少女の姿が現れてくる。
    少女は眉間に青筋を立てていた、無論それは当たり前の事である。
    少女の身体は一糸纏わぬ、という状況。
    それは勿論僕が少女の服を爆破したので当たり前だ。

    思考を切り替え再度土壁を爆破する、少女が翅を羽ばたかせ肉薄してくる。
    少女は右手に握る大剣を乱暴に振り回す、それを紙一重で避けていく。
    そして間髪入れず僕の握る剣を相手の大剣に激突させ、攻撃を一時中断させる。
    少女はそこから大剣で斬り繋ぐのは無理と判断したのか、大剣から手を放し素手で殴りに掛かってくる。
    流石にこれには僕も予想外の事態、避ける事は敵わず少女の拳が僕の腹に叩き込まれる。

    しかも先程大剣で貫かれた箇所を殴られた、少女のスピードが上乗せされた一撃は予想以上の破壊力の為、土壁まで吹き飛ばされる。
    一瞬で昏倒し、今度こそ意識が飛びそうになった時に少女が口を開いた。

    「私の能力は『ありとあらゆるものを破壊する程度の能力』」

    意識が混濁していたのでハッキリとは聞き取れなかったが部分的に聞き取った内容では、"能力、破壊"という言葉だけは理解できた。

    「私の能力は曖昧でね…私の観点によって破壊出来る物とそうでない物が変わる」

    ──は?

    少女は僕の前に立ち見下ろす。
    その双眸からは途轍もない怒りを孕んでいるのが見て取れる。

    「前にそんな話を聞いたの…だから試してみたの、ここで雇ってる妖精メイドでね、結果から言えば話の通りだった」

    観点によって破壊出来るものとそうでないものが変わる…
    それは幾ら何でも強すぎだよ…。

    「前まで生物に関しては一切の破壊は不可能だった、でも漸く分かったの、何故不可能だったか。
    それは私が生物は破壊不可能だと信じきっていたから」

    「それでその後色々試してみたの、一番自分の好きな人形を破壊する事にしたよ、色々とね」

    「簡単に言えば、私が人形をとても大切だと思っていれば"破壊出来ない"、そして私が人をどうでも良いとか思っていると、破壊出来る」

    「だから私の能力に…弱点はない」

    少女はゆっくりと掌を上げる。
    何をするのか分からなかったが、危険だという事だけは理解出来た。
    咄嗟に剣で少女の手を貫こうとしたが、反対の手で容易く捕らわれる。

    「ざーんねんでした、大丈夫だよ、殺しはしないから…"殺し"は、ね?」

    その言葉に全身から血の気が引いていく感覚に襲われる。
    実際に大量出血で死に絶えかけているのかわからないが、頭の後ろである音が聞こえる。

    水音が聞こえる、どうやらこの館が建っていた湖畔の真下まで来られたようだ。

    少女は薄気味悪い笑みを浮かべながら開いた掌をキュッと握る。
    その時左目に激痛が走る。

    「グァァァァッ!!」

    少女が掌を握った時、左目の奥でパンと乾いた音がした。
    左手で目を抑える、そこでドロッとした液体に触れた。
    手を引き何か確認する、それは赤黒い液体が手にべっとりと付いていた。

    今気づけば左目の視界が真っ暗だ、
    この事から察するに多分僕の左目は、破壊された。
    今僕の目の前で悠然と立っている少女によって。

    出血多量によってか、横に倒れ込む。
    視界には笑みを浮かべ睨む少女と周りの赤黒く染まった壁とは別の、茶色の壁が見える。

    「ハァ…ッ…グゥッ…」

    それでも死ぬのだけは避けたい、だがこの少女に勝利しても僕の生存率はかなり低いだろう。

    土壁を睨み、爆破させる。
    先程より威力はかなり弱まっている、そこから一筋の液体がドバッとと出てくる。
    少女は状況を理解出来ず只々土壁をずっと注視していた。
  11. 12 : : 2015/08/22(土) 22:18:51
    更に土壁に幾つもの亀裂が走りそこから水が漏れ出す。
    何とか身を起こしドアの方へ歩み寄る。
    背後で大量の水が溢れているのを感じ取る、少女の方を見やると少女は脱力した様にペタンと床に座り込んでいた。

    吸血鬼の弱点、『流水を渡れない』
    どうやら少女は吸血鬼という仮定は合っていたようだ。

    「はっ…はっ…うぐ…ゲホッ、ガハッ…」

    この館の主が居るであろう場所まで向かいたい。
    何か引っかかるのだ、この場所この雰囲気、全てにおいて既視感を感じる。
    ほとんど思考も儘ならないまま進んで行く、こんな場所を知らないはず、なのに足は全てを知っているかのように歩みを進めていく。

    そこで新たな扉を見つける、扉の奥から寒気を誘発するオーラが発されているかの様に全身が冷気に包まれる。
    しかし、それはオーラによるものではなく自身の身体の限界だと察した。
    深紅の絨毯が近づく、それにより今しがた己の身体が地に傾いている事を理解する。

    そこで意識が途切れ、視界は闇に包まれる。


    目を開けると視界一杯に光が注ぎ込まれ思わず目を閉じる。明るさに慣れ目を開け、身体を起こし状況を確認する。
    床は真っ赤な絨毯で埋め尽くされ、壁はシミ一つない程端麗でカーテンの掛かった窓からは月が雲により見え隠れしていた。

    途端目の前にはメイド服を着こなした女性が姿を現す。

    「目を覚まされましたか、お嬢様があなたとの対談をご所望ですのでお嬢様の
    部屋へ連行します」

    「え?ちょっと状況を説明してくだ──」

    まるで画像をすり替えたの如し、目の前にメイドらしき人物に紫髪の女性と淡い水色の少女──更にこの幻想郷で大変長らくお世話になっている人物──アリスが佇んでいた。

    「お嬢様、彼を連れてまいりました」

    「御苦労様、咲夜…あなたも疲れているでしょう?部屋へ戻り休息を取りなさい。…これは命令よ」

    「はい、承知しました」

    女性メイド──咲夜の姿が消えた。
    ──これも能力か何か…?でも今はそっちに気を取られてる場合じゃない。

    「突然こんな所に連れられて来たらそれは驚くわよね、まぁいいわ。まずあなたの名前を聞かせてくれないかしら?」

    「はっはい!僕の名前は──」

    いきなり名前を聞かれたので驚きのあまり裏声で返事をしてしまう。

    「ハクヤ、です」

    「そう、ハクヤね。ハクヤ、あなたにはまず非礼を詫びなければならないのけれどその前に話を聞かせた方がいいわよね」

    「単刀直入に言うわ、ハクヤ」




















    「あなたは──死んだわ」



    To be continued…

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