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苗木「追憶の苗木誠」狛枝「希望・・・」

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  1. 1 : : 2015/06/11(木) 11:18:48
    どーもはじめまして!にゃぷうでーす!

    ssnoteでは初投稿です!
    シリーズものになります!

    ネタバレなどなど満載なのでそこのところよろしくです!

    ではではがんばります!
  2. 2 : : 2015/06/11(木) 11:24:17

    『僕は知っている・・・・』


    『誰が希望なのか・・・誰が絶望なのか』


    『僕が止めなくちゃいけない』


    『あの忌々しい学園での生活を知っている僕が』


    『今度こそ約束を守るんだ』


    『【彼女】との約束を』


    『それじゃあ行こうか』



    ウィィィィィィン。

    そんな音と共に僕の意識は薄れていき、視界がぐにゃぐにゃっと曲がって僕の意識は***へ消えていった。

  3. 3 : : 2015/06/11(木) 15:14:23

    「ここは・・・?」


    目を覚ました僕は見覚えの無い教室にいた。

    周りを見渡すと、鉄板で塞がれていた"窓"があった。

    僕が伏せていた机には、よだれが垂れてあった。

    それのほかに、何やらチラシのようなものがあった。

    そのチラシに目を通してみると、馬鹿げているような字でこう書いてあった。

    『オマエラ!ご入学おめでとうございます。にゅう学しきは体育かんで8時におこないますので、しゅう合してください』と。

    パッと時計を見ると8時を過ぎてしまっていた。
    (ってもう8時!急がなきゃ・・・)

    体育館に行く途中、何か違和感を感じた。

    違和感がした方を見ると、禍々しい感じの赤い扉があった。

    「もう、ここに来ることは無いことを祈るしかないな・・・・」

    (あれっ!?なんで1回は行ったことがあるみたいに・・・"ここに来たことなんて無い"はずなんだけどな・・・)

    でも、今はそれより体育館に行くことが先であると思った。

    こんな絶望的な学園で、僕は何を知っているのだろう。

    そんな考え事をしていると体育館へと続く扉の前にたどり着いた。

    (みんな・・・今度は助けるから)

    そんな思いを胸に、もう戻れない、あの場所への扉を開いた。
  4. 4 : : 2015/06/11(木) 23:37:35

    重く、何か寂しい感じがした。

    その扉の向こうにはみんながいた。


    "あの時と同じように"


    葉隠「お前もここの新入生か?」

    苗木「うん」

    山田「これで15人ですか。キリもいいしこんなもんですかね。」

    石丸「おい!きみぃ!」

    苗木「何・・・?」

    石丸「8時集合と知らされていただろう!」

    苗木「たしかにね・・」

    江ノ島「はぁ?こんな状況なんだから仕方ないでしょ。そー思わない?」

    苗木「うーん。まあ・・ね」

    不二咲「えっとぉ、君も教室で目を覚ましたのぉ。」

    苗木「うっうん。」

    大和田「ほんとにおかしい話だよなぁ」

    セレス「ここにいる全員か同じような状況で目を覚ました。妙ですわね。」

    桑田「もしかして誘拐とか?だったりしてな」

    朝日奈「きっと演出か何かだよ!特別な学校だしね!ね!」

    大神「どうだろうな、まずは状況を見てからだな」

    腐川「ひぃ!私を見てるう!」

    苗木「えっ・・・」

    十神「目障りなやつだな」

    霧切「・・・・・・何?」

    苗木「あっ、いやぁ、あははあはははは」

    舞園「あの、苗木君ですよね?中学一緒だった。」

    苗木「えっ?もしかして舞園さん?(いや、でも、舞園さんみたいな人が僕みたいなやつを覚えていてくれてるなんて・・・」

    舞園「声にでてますし、そんな風におもっていたんですかー?ショックです」

    苗木「い、いや、そんなつもりじゃ・・・」

    舞園「うふふ。冗談です。」

    苗木「おどかさないでよ」

    十神「いつまでじゃれあっている?そんなことより誰かどんな目的でこんな風な状況になっている?」

    苗木「正直ここにいる誰もが思ってるよね」

    葉隠「きっと、学園なりのレクリエーションだべ!俺の占いがそう言っているべ!」

    桑田「当たるのか?」

    葉隠「俺の占いは3割当たる!!」

    桑田「はぁ?」

    セレス「たった3割ですか・・・」

    苗木「でも、3割当たるってだけでもすごいと思うよ!」

    葉隠「まじか!じゃあ今度特別大サービスで占ってやるべ!まけにまけて10万だべ!」

    苗木「ははは。遠慮しておくよ・・・」
  5. 5 : : 2015/06/12(金) 07:57:11

    15人の生徒たちが、入学式前にはしゃぐようにしゃべっていた。

    そこであの耳鳴りがするほどの声で
    あのアナウンスが流れた

    "あの"忌々しい声で

    ???「あーマイクテス!マイクテス!」

    葉隠「ほおら!俺の占い当たってるべ!」

    霧切さんは"前"もこう言っていたような気がする。

    この時の霧切さんは、探偵としての経験と勘でそう言ったのかもしれない。


    霧切「そうじゃない」

    すると、教壇の中から、シロとクロの2色でデザインされたクマみたいなやつがでてきた。

    僕は、だんだん思い出してきた。

    少し誤差の影響で色々と忘れていたけどだいたい思い出した。

    だからこそ、僕は怒りを覚えた。あいつが、モノクマが僕たちを・・・。

    葉隠「ぬいぐるみ・・・だべか?」

    モノクマ「ぬいぐるみじゃないよ。モノクマだよ!この学園の学園長なのだ!」

    山田「ぬいぐるみが喋ったぁぁぁあ!!!?」

    苗木「・・・・・はやくしろよ」

    僕は小さな声でそう呟いた。

    モノクマ「あれ?どうしたんですか苗木君?はやくしろよって、何を早くするのかな?うぷぷぷぷ」

    苗木「・・・・・・・別に。ただ早くこの茶番を終わらせて欲しいだけ。」

    僕は爆発しそうな感情を抑えて、そう言い放った。

    モノクマ「茶番かぁ。うぷぷぷぷ。苗木君にはこういうのが茶番に感じるんだね。」

    苗木「・・・・・・・・・・」

    モノクマ「まあ、いいや。それでは、オマエラおはようございます。」

    石丸「おはようございます!」

    腐川「言わなくていいのよ!」

    モノクマ「オマエラみたいな才能あふれる生徒達は、この学園で一生暮らしていただくことにしました!」

    桑田「何を言ってんだよ!!」

    不二咲「そんな・・・」

    モノクマ「でも、僕はクマ世界一優しいクマなのでこの学園から脱出することができるルールを設けました!」

    十神「それはどんなルールだ?」

    モノクマ『人を殺すことだよ。』

    その言葉を聞いてみんなは驚きを隠せそうになかったみたいだ。

    モノクマ「殺し方は何でもいいから、コロシアイしちゃいなよ!YOUしちゃいなよ!」

    そんな時、大和田がモノクマを持ち上げて

    大和田「んだとごらぁ!変なことばっか言ってないで、こっから出しやがれや!」

    モノクマ「学園長への暴力は校則違反だよー!」

    モノクマがそう言うと、警報音を鳴らしだした。

    霧切「危ない!投げて!」

    大和田「あぁ?」

    霧切「いいから早く!」

    大和田は警報音を鳴らしているモノクマを天上向けて放り投げた。

    すると、モノクマは天上に到達する前に、爆発したのだった。

    大和田「なんだと・・・・」

    不二咲「あのぬいぐるみ死んじゃったの・・?」

    モノクマ「僕はあのくらいじゃ死なないよ!」

    山田「ぎゃぁああああああ!!でたぁ!!」

    モノクマ「今みたいに校則違反しちゃうと、グレートな体罰をやっちゃうからね!」

    モノクマ「オマエラ!ちゃんとコロシ合えよ!」

    そう言うとモノクマはどこかに消えていった。

    僕たちに不安と恐怖と絶望を残して ・・・・・
  6. 6 : : 2015/06/12(金) 07:57:44
    見て下さってるかたがたへ

    ちょくちょくの更新になるので、気長にお願いします
  7. 7 : : 2015/06/12(金) 09:28:10

    あの後、僕たちは一旦自室に向かうことにした。

    モノクマは僕たちにコロシアイをしろと言った。

    みんながみんなあんなことを受け入れる訳ではなかった。

    "僕は1度経験している"から、落ち着いていられる。

    僕がやらなくちゃいけないこと。

    それは・・・・・・・・・・・・・・

    『江ノ島盾子の計画を止めて、彼女を"死なせずに"この学園から脱出すること・・・。 』

    僕があの時の記憶を思い出していると、チャイムの音がした。
    確認してみると、舞園さんだった。

    舞園「苗木君。ちょっといいですか?」

    苗木「うん!今開けるね!」

    そうして、舞園さんを部屋に招き入れた。

    舞園さんは、僕に今から話す内容を石丸クンと一緒にみんなに伝えているらしい。

    学園を探索して、みんなで報告会をしようということだった。

    そのことを伝えたら、舞園さんはさっさと出ていってしまった。2人で15人全員に伝えるのだ。

    報告会まであと5時間あるが、できるだけ探索する時間は多いほうがいいしね。

    僕は、手伝ってあげればよかったと後悔した。

    でも、僕は報告会の時間まで、探索をするつもりはなかった。

    僕はこの学園を知っているのだから。

    まずはシャワールームの建て付けをどうにかしなくてはならない。

    なんで知っているのかモノクマに聞かれたらやっかいだしどうにかしておこう。

    あの時と同じように、ドアノブの建て付けが悪いことを知らないように、ドアを開けようとした。

    やはり、ドアは空かなかった。

    そこでモノクマは表れた、今回はドアの鍵を閉めていたが。

    モノクマ「苗木君。なんでドアが空かないかわかるかな?」

    苗木「いきなり現れてなんだよ…多分、鍵がかかってるからじゃないの?」

    モノクマ「シャワールームの個室に鍵がついてるのは女子の部屋だけだよ。なんと!君のシャワールームの個室はドアノブの建て付けが悪いのです!!!開けるのにコツがいるんだよ。前に押しながら上に上げる。」

    モノクマの言われたようにやるとドアは空いた。

    モノクマ「いやぁ。苗木君の個室だけが建て付け悪いだなんて、"超高校級の幸運"なのかなあ?」

    そんなことは前からわかってる。

    幸運だったらみんなを失うことなんてなかったかもしれない。

    もしかしたら不運でこの学園に入ったのかもしれない。

    それでも、仲間と絆を築けた、それだけで十分だった。

    それでも、僕は自分を信じてる。

    モノクマ「まあ、んなわけでがんばってねー」

    そういうとモノクマはどこかに消えた。


    報告会では出口が見つからず、不穏な空気になっていたがなんとかみんな気を保ってるみたいだ。

    それから約3日がたったが、出口に関する手がかりは見つからなかった。

    夜になり、モノクマが僕らを視聴覚室に集めた。

    動機の提示だ。

    DVDを見たみんなは

    「キャァァァァァ」「嘘だろ・・・」「そんな・・・」

    などの声があった。これを見て心配しない奴なんていないはず。

    十神クンや霧切さんでさえも少し表情がゆがんでいた。

    僕は周りを見渡せるほど落ち着いてDVDを見ている。


    知っていることだから・・・・。


    舞園「はやくここから出ないと・・・。こんなところにいるわけには・・・」

    舞園「いやぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあ」

    舞園さんは視聴覚室から飛び出した。

    でも僕はあえて追いかけなかった。

    僕がここで優しさをみせることで、彼女は殺人を起こしそうになるんだから。

    僕に罪を擦りつけるということで。

    彼女が落ち着いて僕の話を聞くようになってからでないと・・・・また起きてしまう。

    大神「舞園は大丈夫なのか?」

    十神「放っておけあんなやつ」

    朝日奈「ねぇ!あんた、なんでそんなこと言うの!かわいそうじゃん!」

    十神「あいつは耐えきれなくて逃げたしたんだ。つまりはそういうことだ」

    朝日奈「なんだとー!」

    苗木「まあまあ、舞園さんは僕がなんとかするから!」

    朝日奈「そう・・。苗木くんお願いね」

    十神「ふん。」







    あの惨劇が。・・・・・・。


  8. 8 : : 2015/06/12(金) 09:30:29

    『はーぁ。ホントがっかりだよ。希望の象徴の彼らをあんな風に監禁して、いい加減にして欲しいよ。"江ノ島盾子"』

    『希望の象徴と呼ばれる彼らを助けなきゃいけないね。でも、どうしようか。どうやってあの学園に入ろうか。おそらく食料を運搬するための通路があるのか・・・。』

    『でも、地下で育てているという可能性も・・・・。いや、運搬してるはず。地下でつくっていたとしても、何かはあるはず。』

    『だとすると、"彼ら"に会う必要があるみたいだ。僕は見てるだけで吐き気がするけどね・・・。』

    『それでも僕は、希望を助けるしかないね。僕は希望のためならどんなことでもするからね・・・。』

    第一部 完
  9. 9 : : 2015/06/12(金) 09:31:33
    第一部 無事終了しました!

    またがんばってソッコー更新したいです!


    豆腐メンタルの僕ですががんばります!
  10. 10 : : 2015/06/12(金) 09:37:18
    第二部



    僕が舞園さんのところに向かったのはあの騒動から1時間ぐらいたってからだった。

    舞園さんはとても怯えていた。

    僕は彼女の努力を知っている。

    彼女がどれだけの努力をしてあの場所に登りつめたか。

    その努力は水の泡になるかもしれないんだからこうなっても仕方が無いのかもしれない。

    舞園「どうして・・・あんな・・・あんな・・・」

    苗木「・・・・・舞園さん。」

    舞園「苗木・・・・くん・・・」

    前と違って落ち着いているようだった。

    でも、安心はできなかった。

    舞園さんには悪いが、僕に殺人の罪をなすりつけてまで外に出ようとした人だ。

    彼女が僕の話を、何の抵抗も無しに聞いてくれるとも限らない。

    前は感情のままに彼女を抑えようとした。

    絶対にここから出すと・・・。

    今思えば、彼女を落ち着かせるための言葉だったのかもしれない。

    それでも、あの時は本当に出すと誓っていた。

    それでも裏切った舞園さん・・・。

    そんな感情を押さえ込んで彼女に話しかけた。

    苗木「舞園さん・・大丈夫なの?」

    ここでの最善は彼女が殺人を犯さないようにすること。

    最低でも殺人未遂で終わればそれでいい。

    舞園「こんな・・・のが・・大丈夫じゃないじゃ無いですか!苗木君は・・・苗木君は私の味方でいてくれますよね・・・」

    そう言うと彼女は泣き出した。
    怒りと悲しみをぐちゃぐちゃに混ぜた感情を表に出しながら。

    本当ならば「僕は君の味方だよ。」とか「僕は君を見捨てたりなんかしない」と言うだろう。

    でもそれではダメなのだ。

    彼女と僕は1番信頼している関係であり、1番疑い合う関係でなければならないのだ。

    舞園さんは洞察力がすごいいいから、僕の考えていることや僕の行動がわかるのだろう。

    だからこそそういう関係じゃなきゃならないんだ。

    一度殺人を犯そうとした彼女だからこそね。
  11. 11 : : 2015/06/12(金) 09:40:23

    苗木「舞園さん。何で君は僕を味方だと決めつけていたの?僕は君を守るとか、君をここから出すなんて約束していないよ?」

    舞園「え・・・・・苗木・・・・く・・ん?」

    苗木「僕も舞園さんのことを味方だとは思ってはいたけど、やっぱり無理なのかもしれないね・・・。僕は信用されてないみたいだし。」

    舞園「違いますよ!苗木君!苗木までいなくならないで・・・。もう嫌なんです。いきなり、一緒にがんばってきた仲間があんな風に倒れてて・・・もう怖いんです!だから・・・だから・・・苗木君は1番信頼できるんです!だから・・・」

    苗木「だから僕は君を信頼してないんだって!」

    舞園さんはひどく怯えてしまったみたいだった。


    苗木「僕はこんな状況だからこそ信頼してはいけないと思ってるんだよ!でも・・・舞園さんは・・・僕を本当に信頼してくれてるんじゃないかって思ってきたんだ。」

    舞園「・・・・・・・・」

    苗木「今日の朝ね、変な夢を見たんだ。舞園さんが桑田クンを殺そうとする夢。でも、舞園さんは返り討ちにあって桑田クンに殺されちゃうんだ。それから、舞園さんを殺したクロを探すことになった夢。」

    舞園さんは黙り込んでいた。

    やっぱりこの段階で舞園さんは計画を少しはしていたみたいだった。

    苗木「だから、少し怖くなっちゃってさ。ただの夢なのにさ・・・ごめんね。」

    舞園「いいんですよ」

    舞園さんはそこで口を開いた。

    舞園「苗木君。私は苗木君と一緒にここから出ます。どんな困難が待ち受けていようと、私は1人で突っ走ろうとはしません。私、言いましたよね?苗木君の助手だって。」

    舞園「・・・・・苗木君、今は信じるしかないんですよね?こんな状況だからこそ、外にいる仲間を信じるしかないんですよね?だったら、今は"みんな"でここから出れるように頑張りましょうね!」

    僕は今驚きを隠せないでいた。

    彼女は本当に僕のことを信頼していた。

    馬鹿正直に僕のことを信じているとしか考えられない彼女がそこにはいた。

    ここで優しさを見せるべきか、突き離すべきか僕は悩んでいた。

    どうしたほうが今後、殺人を起こさないのか、僕にはわからなかった。

    だからこそ、僕は僕の感を信じることにした。彼女を信じることに決めた。

    例えその選択が、最悪な選択だったとしても、僕は今の彼女を信じることにした。

    苗木「うん。そうだね。今は信じるしかないのかな?僕みたいなやつでいいんだったら、僕は君の味方になるよ。そして、みんなでここから出ようね。」

    そう言うと彼女は嬉しそうに

    舞園「はい!!!!」

    そう言って、僕と彼女は教室を後にした。
  12. 12 : : 2015/06/12(金) 09:44:12

    その一件のあと、僕たちは部屋に戻った。

    舞園さんはとても元気そうに部屋に戻っていった。

    あんな映像を見せられて、精神状態がまずいはずなのに"信頼"っていうものは素晴らしいものみたいだね。

    でも、無理はしてたのかな。少し笑顔が引きつってたし。

    あとは、大神さんをどうにかしなければならない。

    大神さんは道場の門下生を人質にとられて、1番最初に殺人を起こすように指示を出されていたはずだ。

    だったら、大神さんを止めなきゃならない。

    安心するのはそれからだな。

    苗木「さて、いこうか」

    そう小さく呟いて僕は部屋を出て行った。



    ・・・・・・・・・・・・・・・



    『はぁ。ここに彼らはいるんだね。会うだけでもう絶望的だよ・・・。でも希望の象徴のためだからね。僕は喜んで踏み台になるよ。』

    『もう、僕は彼らとよりを戻すことはできないだろうね。"超高校級の絶望"となった彼らとはね。でも、今はそんなことは関係ない。希望のために僕は希望の象徴たちを助けるんだからね』

    そう呟いて、彼は荒廃した町へと足を踏み入れたのだった。・・・・・・・・・
  13. 13 : : 2015/06/12(金) 09:48:17
    部屋を出ると、朝日奈さんと大神さんが廊下を歩いていた。

    これはこれはGOODタイミングだね。

    第2のミッション開始しようか。

    苗木「大神さん。ちょっといいかな?」

    朝日奈「あー苗木だーおっすおっす!」

    苗木「やっやあ朝日奈さん。」

    大神「苗木よ。我に用があると言ったな。それはここではできない話なのか?」

    苗木「えっ?あ、あぁうん。できれば2人きりで話したいなー。」

    大神「そうか。ならば朝日奈よ、少しの間部屋で待っていてくれぬか?」

    朝日奈「えー。苗木ー!さくらちゃんに変なことしないでよー!」

    苗木「そんなことしないって!大神さんと朝日奈さんは何か約束でもしてるの?」

    大神「ああ。朝日奈が少し怖いと言うのでな。我が一緒に寝てあげるのだ」

    朝日奈「そうなんだよー。あんなDVD見せられたらさー!えっと、苗木は大丈夫だったの?あんなひどいDVD見せられて?」

    苗木「んー、大丈夫と言えば嘘にはなるけどそこまでかなー?」

    朝日奈「へー苗木って見かけによらず強いんだねー!まあ、いいや。じゃーねーさくらちゃん!苗木ー!さくらちゃんはまた後でねー!」

    苗木「大神さん。あんまり人がいないところに行きたいんだけどいいかな?」

    大神「構わないぞ」

    こうして僕らは、校舎1階の教室に来た。

    モノクマが聞いているのは仕方が無いから、少しごまかすしかないみたいだ。

    大神「・・・苗木よ。我に用があるのだったな。」

    苗木「うん。ただ君に聞きたいことがあったんだ。」

    苗木「基本的にね。ただモノクマにあんまり聞かれたくないことだから、少し近寄って欲しいんだ。」

    大神「いいだろう。」

    そう言って、大神さんは僕に近付いた。

    これから僕が聞くことは、大神さんが考えているようなことを聞くわけではないけどね。

    僕は小声で大神さんにこう言った。


    『大神さんは内通者なの?』


    それを聞いた大神さんは、驚いていた。

    ここではぐらかされてもしょうがないから追い打ちをかけよう。

    『大神さんは多分、黒幕にはいはいと従うような人じゃないと思うから、もしかして・・・黒幕に人質とかとられてるの?』

    大神さん。僕の予想外な行動をしないでね。

    それで、この計画はかなり狂っちゃうからね。

    『・・・・・・何故わかったのだ?』

    『こういうのには確実に内通者がいるかなぁ。って思って、みんなに内通者なの?って聞いて回ろうとして、たまたま大神さんが驚いた素振りを見せたからかな?』

    『そうか・・・・そうだ。我は黒幕に人質をとられて黒幕にある指令を出されていた。』

    『それってどんな?』

    『"誰かを殺せ"という命令だ。そうしなければ、人質を殺すということでな・・・』

    『・・・そっか。でも大神さんはその命令に何も疑問を持たないの?』

    『・・・我は迷っているのだ。命令に背くことで門下生を捨てるか、命令に従い皆を欺くか。』

    『大神さんは優しいんだね。』

    『何・・・?』

    『大神さんは他人のことを第一に考えている。だから、そんなに強いんだよね。』

    『苗木よ・・・・。』

    『大神さんが選択を迷うのは仕方が無いよ。こんな状況だもん、でもそんな大神さんなら間違った選択をしないと思う。』

    『大神さんは僕も頼りにしてるし、でも大神さん。1人で背負い込むことはないよ。友達を"信頼"するってことも必要だと思うよ。』


    『ピンポンパンポーン。夜10時になりました。食堂の鍵はロックされます。ではではいい夢を・・・』


    モノクマアナウンスで、僕らはもう夜時間だと気づいた。

    本当にタイミングが悪いけど、今は大神さんを信じるしかない。

    苗木「じゃあね。大神さん、僕は君を信じてるよ。返事は明日聞かせて欲しいな」

    そう言って、僕は大神さんに背を向けて歩き出した。

    今の彼女であれば殺人を犯すことはないだろう。

    前は自分自身で解決しようとしたけど、今回は"協力"という選択肢を与えた。

    朝日奈さんにこのことを告白して、きっと打ち解けるだろう。

    そんなふうに思いながら僕は部屋に戻った。
  14. 14 : : 2015/06/13(土) 12:07:12
    期待。
  15. 15 : : 2015/06/13(土) 13:51:47
    気がつけば期待
  16. 16 : : 2015/06/13(土) 15:33:40
    11の2,3,4行目苗木と舞園が言う台詞が
    逆になっていますよ。
  17. 17 : : 2015/06/13(土) 20:04:49
    あのさぁ・・・pixivでも同等の作品を見ているけど、作者さんでしょうか? それとも・・・
  18. 18 : : 2015/06/13(土) 20:39:00
    >>15
  19. 19 : : 2015/06/13(土) 20:39:35
    やべミス
  20. 20 : : 2015/06/13(土) 20:40:36
    >>16

    失礼しました!
    ミスです!
  21. 21 : : 2015/06/13(土) 20:41:43
    >>17

    はい!あっちで書いてるのも僕です!

    こっちはちょっとだけリメイクというかそんな感じです!
  22. 22 : : 2015/06/13(土) 20:49:58

    ???『はやく逃げなさい苗木君!』

    ???『逃げろ!苗木ぃ!』

    ???『苗木っち逃げるんだべ!』

    ???『苗木!逃げて・・・お願い!』

    ???『苗木!はやく逃げなさい!白夜様の命令を無視するんじゃないのよ!』

    (なんで………なんで………)


    ……………………………


    その時の僕の顔は多分、ぐちゃぐちゃだったのだろう。

    その時、涙は枯れ果てていた。

    みんなのことを思うと、涙が止まらない。

    絶望を殺すだけじゃダメだったんだ。

    "超高校級の絶望"の死は絶望というものを永遠にばら撒き続ける。

    だから、江ノ島盾子を殺してはならない。

    殺してしまったらまたあの悲劇を繰り返してしまう。

    僕の周りの人はみんな死んでしまった。

    舞園さん、戦刃さん、桑田クン、不二咲クン、大和田クン、石丸クン、山田クン、セレスさん、大神さんそして、江ノ島盾子。

    でも残った仲間も死んでしまった。

    葉隠クン、腐川さん、朝日奈さん、十神クン、霧切さん。みんな絶望に殺された。

    だから、絶望を止めなきゃならないんだ。

    僕が***になったとしても、みんなだけは助けなきゃならないんだ。


    僕は彼女と約束したんだ……。




    『盾子』を助けるって。



  23. 23 : : 2015/06/13(土) 21:04:28

    苗木「うん・・・・・えっ?」

    苗木「そうか・・・夢か」


    苗木「・・・・嫌な夢をみたな。」

    僕はベットの上でそう呟いた。もう7時か。

    それと同時にモノクマアナウンスが鳴り響いた。

    苗木「・・・シャワーでも浴びようか。」

    僕はシャワーを浴びた後、服を着替えて支度をして、食堂へと向かった。

    昨日もそうだったが、昨日石丸クンが僕の部屋に乗り込んで来て朝食会をやろうと提案してきた。

    僕としてはもう少しはやくてもいいのかなとは思った。

    だから、食堂へと向かったのだ。
  24. 24 : : 2015/06/13(土) 21:06:12

    食堂に着くと、何人かの生徒はもう席に座っていた。

    朝日奈さん、大神さん、不二咲クン、石丸クン、それと舞園さんがいた。

    舞園「苗木君おはようございます。」

    苗木「うん。おはよう 舞園さん。もう大丈夫なの?」

    舞園「はい!昨日は取り乱してすみませんでした。苗木君のおかげで、みんなと一緒に頑張ろうって気持ちが湧いてきました!外のみんなのことは気になりますが、今は大丈夫だと信じて、脱出できるように頑張ろうと思います!」

    苗木「そっか。僕も精一杯頑張るよ!よろしくね!舞園さん!」

    舞園「こちらこそよろしくお願いします!苗木君!」

    舞園さんは予想以上に立ち直っていたみたいだ。

    殺人を犯すつもりなんてない、そう感じさせるような感じが彼女にあると僕は感じた。

    本当だったら少しずつこうなるのかなって思ってたけど、彼女は僕が思っている以上に希望を持っていたみたいだ。

    そんな話をしていると、次々と食堂に人が入ってきた。

    大和田クン、江ノ島さんいや、戦刃さん、山田クン、セレスさん、桑田クン。

    そして、少したった後で、霧切さん、十神クン、葉隠クン、腐川さんが来て、15人全員がそろった。

    石丸クンが、みんなを仕切ってやっていた。

    この状況を見れば楽しい食事会かもしれない。でも、"アイツ"は現れた。

    モノクマ「オマエラ!グットモーニーング!」

    石丸「おはようございます!」

    苗木「・・・何の用?」

    モノクマ「苗木君つれないねー。僕はせっかくいい情報を教えてあげようと思ったのにー。」

    十神「その情報とはなんだ?」

    モノクマ「まーまーそう急かさないでよー十神ぼっちゃま。ちゃんと教えてあげるよ。」

    十神「ふん・・・」

    苗木「はやくしろよ・・・」

    モノクマ「はいはい。わかりましたよーまあ、内通者のことです!」

    桑田「内通者ぁ?」

    十神「やはり俺の読みは当たっていたか。」

    モノクマ「うぷぷぷぷ。僕は優しいからそれが誰だかも教えちゃいましょーう!その人物とは大神さくらさんでーす!」

    葉隠「オーガが内通者なんべか?」

    大神「・・・・・」

    セレス「無言ということは、yesということでいいのですかね」

    モノクマ「なーのーでー、煮るなり焼くなり殺すなり好きにしやがれー!あっあとーめんどくさいから3階まで解放しちゃうよー!ありもしない出口をみんなで協力して探してねー!それじゃぁばーいー」

    そう言ってモノクマは消えていった。

    僕たちに絶望?だけを残して。

    そんな時、朝日奈さんが真っ先に口を開いた。

    朝日奈「みんな!さくらちゃんを責めないで!さくらちゃんは人質をとられていただけなんだ!」

    十神「何故そんなことが言える?」

    朝日奈「昨日、さくらちゃんに話をされたんだ。悩みがあるって、でもさくらちゃんは本当に私たちのことを考えてくれていた!だから、さくらちゃんをみんな・・・責めないで・・・お願い」

    そこまで言うと朝日奈さんは涙を流した。

    大神「朝日奈・・・・」

    霧切「確かに、その話なら本当かもしれないけど、内通者だった人をそのまま野放しにはできないわね」

    十神「確かにな。その女の言っていることが本当だとしても、"内通者"であった以上は監視が必要だな」

    不二咲「僕も賛成かな。少し怖いし・・・」

    大神「我はそれでも構わない。皆がそれで我を信用してくれるのならな。」

    苗木「なら、こんなのはどうかな?大神さんを信じている人たちで大神さんを監視する。でもできるだけ2人で。簡単に言えば一緒にいるだけでいいと思うんだ!」

    舞園「苗木君に賛成です!それだと、嫌な人に無理やりっていうのもないですし、そこまでストレスにならないかと。」

    十神「ふん。まあ、愚民にしては上出来な考えだ。監視をするにせよ、俺はやらんつもりだったからな。」

    石丸「では、そういうことでいこうではないか!」

    その意見に賛成するものが多かった。

    葉隠クン、山田クン、腐川さんは少し反対の意思を持っているみたいだけど、逆らえないみたいだった。

    苗木「じゃあ大神さんは極力1人での行動は避けるようにだね!みんなにまた疑われちゃうと思うからね!」

    大神「わかった。」

    苗木「よし!みんなで、新しく行けるようになったところに行こう!2階と3階、行ける場所が多いから手分けしてね。みんなで頑張ろう!」

    「「「「「おー!」」」」」

    みんなとの絆が深くなったと僕は実感した。

    でも、江ノ島盾子はそれを壊しに来るだろう。諦めてはいけない。

    希望を持って前に進まないといけないんだ・・・。

    みんなが生き残るには・・・・・・・・・・・・・。

    僕ががんばらないといけないから。
  25. 25 : : 2015/06/13(土) 21:15:16


    狛枝『やあ、みんな久しぶりだね。』

    小泉『狛枝?なんで、あんたがここに?』

    西園寺『狛枝おにぃは私にふんずけられたいのかなー?』

    ソニア『狛枝さんが私たちのとこに来るなんて、考えられなかったぜよ!』

    左右田『はぁ、またソニアさんが・・』

    終里『おめぇ俺にぶっ潰されてーのか?』

    弍大『やめとけぃ!どうも、ワシらに攻撃する気は無いように見える。』

    田中『だが、俺たちの唯一の特異点だったお前が何故ここにいる?まさか、お前も目覚めたというのか?』

    九頭龍『はん、どーせいつも通りだろ。』

    ペコ『私にはわかりませんが』

    花村『狛枝君は僕に料理されたいのー?それとも・・・・』

    豚神『どうだろうね』

    澪田『うっひょー久しぶり過ぎてテンションがヤバイっすー!』

    罪木『どうしますー?カムクラさん』

    カムクラ『別に何でもいい。ああ、ツマラナイ』


    狛枝『僕も仲間に入れて欲しいんだ!絶望とは素晴らしいよ!絶望すればするほど、希望は輝くんだよ!君たちのようにね』

    狛枝『僕は絶望の素晴らしさを知った。そして、絶望すればするほどそれを乗り越えた時の希望は素晴らしいものになるんだよ!』

    九頭龍『ほんと、意味わかんねぇ』

    小泉『どうすんの?カムクラ?』

    カムクラ『別になんでもいいです。ツマラナイですから。』

    狛枝『そっか。ありがとう!日向クン!これからもよろしくね。』

    カムクラ『日向・・・その名前も久しぶりに聞きますね。まあいいです。あなたを歓迎しましょう』

    狛枝『・・・ありがとう。』

    君たちは彼らを助けてから助けるから。

    でも今は、彼らを助けることが最優先だね。

    カムクラクンも"おそらく"大丈夫みたいだし。

    もう戻れない。

    1度も失敗することができない。

    そんな現状でさえ僕は楽しんでいる。

    もし、彼らを助けたら僕は"超高校級の希望"になれるのかなぁ。

    そして、絶対的な希望は、新たな希望を産む。

    だからこそ、僕は希望の味方なんだよ。

    僕が超高校級の希望になるなんて、誰も望んでないね。

    だったら、彼にお願いするしかないね。

    それしか未来は無いみたいだし。

    "未来"では"超高校級の希望"だった彼にね。
  26. 26 : : 2015/06/13(土) 21:19:54
    あいどもーにゃぷうです!


    ちょっと指摘ありましたが、pixivでもほとんど同じやつ書いてます。


    こっちはpixivのやつと7割一緒3割違うぐらいでやっていきます!

    それと、その他わかりやすくなどちょくちょく修正入れてます。

    前、77期生の人たち誰だかよくわからんってことあったので笑

    これからがんばっていきますので、応援よろしくお願いしまーす!
  27. 27 : : 2015/06/13(土) 21:26:15



    ???『ねぇ。何をしてるの?』

    ???『なんでもいいだろ・・・。』

    ???『そんなこと言わずにさぁ。ねぇ?』

    ???『どっか行けよ』

    ???『別にそれでも構わないけど、君だけじゃ"それ"は完成しないでしょ?』

    ???『・・・・・・・・・・』

    ???『だったら僕にも手伝わしてよ。希望のためなら僕は何でもするよ?ゴミみたいな扱いをしても構わない。だから、"超高校級の希望"と呼ばれる君を手伝わしてよ!!!』

    ???『もう好きにすればいいさ』

    ???『ありがとう!!!絶望を許せないのは僕も同じさ!』

    ???『僕は絶望を憎んでるわけじゃない。』

    ???『・・・・・なんで?』

    ???『僕は、みんなを守れなかった僕自身を憎んでるんだよ。』

    ???『・・・・・・・・そう』

    ???『だから、今度は助けるんだ。僕が***になろうとね』

    ???『本気なんだね・・・・・・。』

    ???『うん。』

    ???『僕はどんな考えも受け入れるつもりだよ。君の考えならね・・・・・。』

    2人の幸運は希望を持って、絶望していた

    でも、諦めたわけではなくて、自己犠牲の精神で仲間を、かつての仲間を助けることにしたのだった。
  28. 28 : : 2015/06/13(土) 21:29:56

    大神さんが内通者だとわかったが、朝日奈さんのお陰であまり疑い深くならずにすんだ。

    そして、この早い時期だったのも幸運だった。

    "彼"の幸運が少し映ったのかな?

    僕は3階の担当だった。2人1組で回ることになっていた。

    何か怪しいことをしていたとしても、お互いに監視し合うような状態を作れば、少なくとも最悪の事態は起きないと思ったからだ。

    大神さんは朝日奈さんと不二咲クンと回っている。

    2人以上の監視が必要だと感じたのは、僕だけではなくて霧切さんも同じだったみたいだ。

    ちなみに、僕は舞園さんと回っている。ペアの決め方は、好きな人となるみたいな感じだった。

    舞園さんが、僕となろうと言ってくることはなんとなく予想していたが、桑田クンが舞園さんを誘った時に

    舞園「桑田クンがミュージシャンになろうとか適当に言ってるので嫌です。」

    と、ハッキリ嫌な理由を言っていた。

    そう言われた桑田クンはかなり落ち込んでいたみたいだった。

    そして、僕を睨んできた。

    桑田クン。

    君のせいで舞園さんが殺人を起こそうした部分もあるから、もう少し野球をやりなよ・・・・。

    3階には、物理室とその準備室。

    物理室には空気清浄機があった。

    モノクマがでてきて、タイムマシンがどうとかって言ってたけど

    "そういう類のもの"はもう使ってるんだよ。

    あと、美術室があった。

    山田クンが喜ぶと思うからはやく報告してあげたいな。

    あと、娯楽室があった。

    セレスさんのポーカーフェイスが少し崩れていたね。

    まあ、嬉しいだろう。

    あと物理室に山田クンのカメラがあった。

    あの時もそうだったな。

    ふと時計を見ると、もう12時になりそうな時間帯だった。

    舞園「苗木君。そろそろ行きましょうか。調べられるところはだいたい調べましたし」

    苗木「そうだね。お昼ぐらいに報告会するって言ってたからね、早く行かないと石丸クンに怒られちゃうよ」

    舞園「ふふ。そうですね、では戻りましょうか」

    苗木「うん!」

    この後、僕は災難に見舞われることになる・・・・。
  29. 29 : : 2015/06/13(土) 21:46:25

    僕らが食堂に着いた時にはもう、僕ら以外全員揃っていた。

    石丸「苗木君!舞園君!遅いじゃないか!」

    朝日奈「別にいいじゃん。昼ぐらいって言ってたし。」

    石丸「確かに、今は昼ぐらいだな。」

    石丸「僕が時間を決めていれば・・・・」

    不二咲「そんなきっちりやらなくてもいいと思うよぉ」

    セレス「こんな閉鎖環境ですからね」

    石丸「よし!全員揃ったから、第2回報告会を始める!何かわかったことはあるか?」

    「・・・・・・・・・・

    2階には図書室とプール、更衣室にはトレーニング器具があったみたいだ。

    それでも、出口は見つからなかった。

    それはそうだよ、出口なんてないんだもん。

    石丸「またもや、出口はないのか・・・」

    十神「ふん、だから友情ごっこなんかしてるとこうなるんだよ。これはゲームなんだ。」

    セレス「ゼロサムゲームですか。」

    十神「ふん。愚民共が何をしようと俺には勝てないと思うが、せいぜいやる気を出してくれよ?参加者がやる気が無かったらこっちもやる気を無くすからな」

    大和田「てめぇ、さっきから聞いてりゃふざけたことぬかしやがって!ぶっ潰されてーのかぁ?」

    十神「黙れプランクトン。ただただ怒鳴り散らす低脳など目障りなだけだ。」

    大和田「んだと!今すぐぶっ殺してやろうか?ああ!!」

    十神「ふん。やってみろプランクトン。殺される前に返り討ちにしてやるぞ」

    大和田「もーいい。ここでぶっ殺す!」

    はーあ、めんどくさいな。

    止めなきゃね。

    こんなことで殺人がもしかしたら起きる可能性もあるしね。

    不二咲クンが少し涙目になってるし・・・。

    あっでもその前に。

    ・・・・・・・・

    よしと、それじゃあ

    苗木「2人ともやめなよ!こんなところで喧嘩してたって意味ないし、もうやめよう!」

    大和田「あー!お前今綺麗事言ったな?俺に教えをこうっていうのか。ならおめーからぶっ飛ばしてやんよ!」

    もう辞めてよ、あんまし騒ぎにはしたくないのに・・・。

    無駄なことで不安感を煽らないでよ。

    まあ、大丈夫だけどね。

    大和田クンが僕を殴ろうと、殴りかかった瞬間大神さんが僕の前に立って、大和田クンのパンチを止めた。

    大神「大和田よ。いい加減にしたらどうだ?」

    大和田クンが周りを見渡すと、ほとんどの人が大和田クンに"恐怖の目線を向けていた。

    それに気がついた大和田クンは、我に返って、「すまねぇ」と呟いていた。

    大和田「お前らすまねぇ。ちょっと興奮し過ぎた、ちょっと部屋に戻るわ・・・」

    そう言って大和田クンは食堂から自分の部屋へ向かっていった。

    朝日奈「怖かったー!不二咲さん大丈夫?」

    不二咲「うん。もう大丈夫。」

    大神「苗木よ。怪我は無いか?」

    苗木「うん!大神さんこそ大丈夫?」

    大神「我は大丈夫だ。」

    苗木「そっか。よかった!」

    十神「苗木」

    苗木「何?十神クン」

    十神「お前はこいつらの中で唯一俺が認めているやつだ。その場その場で適切な対応をする、だが今回は少し無謀な行動だったな。」

    石丸「十神君!苗木は喧嘩を止めようとしたのだぞ!その言い方はなんだ!」

    十神「お前は何もわかってないな。」

    石丸「何のことだ!」

    十神「こいつは、自分が大和田を止められないことがわかっていた。だから、大神に止めてくれと頼んでから仲裁に入った。そういうことを言っているんだよ」

    江ノ島「はぁ?あんた何言ってんの?大神が大和田を止めたのはたまたまでしょ?」

    大神「いや、大和田と十神がもめていた時苗木に言われたのだ。苗木を大和田が殴ろうとしたら止めてくれと」

    江ノ島「まじで?」

    十神「だから、そういうところを評価はするが少し無謀だったと言っているんだ」

    苗木「十神クンが報告会にいるのは僕に興味があるからってこと?」

    十神「そうに決まっているだろ。そうでなければ、こんな仲良しごっこの場に来るはずが無い」

    朝日奈「まあ、もういいよー!それよりお腹空いたからご飯食べていい???」

    大神「朝日奈よ・・・」

    石丸「ふむ。朝日奈君の言う通りだな。それではお昼ご飯を食べようではないか!」

    石丸「大和田君の食事は僕が持っていこう!」

    ほんとこういう時の朝日奈さんは場の空気を和ませるよ。

    あとは大和田クンが心配だね。

    後で、話をしに行かなきゃいけない。

    彼が"強く"なれるかがこの計画の成功か失敗かを分けるほど重要だからね。

    さて、どうしようか・・・。

    彼を強くするには・・・・・。
  30. 30 : : 2015/06/13(土) 21:49:11
    狛枝『カムクラクン。これから何処に行くの?』

    カムクラ『希望々峰学園の地下ですね。』

    狛枝『何で?』

    カムクラ『君が僕らの仲間になるということは、僕らがやっていることを君にもやってもらうということ。そのためです。』

    狛枝『僕ってみんなに信頼されてるのかなぁ?そんな早くそういうことをさせてもらえるなんてさ』

    カムクラ『いいえ。僕の意志です。』

    狛枝『じゃあなぜ?』

    カムクラ『あなたはコロシアイ学園生活を止めにきたんじゃないんですか?』

    狛枝『結局、疑われているってことね。はあ、めんどくさいな。』

    カムクラ『そういうわけではありませんよ。ただ私がそう感じただけです。』

    狛枝『だったら、逆にそこに連れて行くのはダメなんじゃないの?』

    カムクラ『狛枝凪斗。やはりあなたはツマラナイ』

    狛枝『・・・・・は?』

    カムクラ『私も同じ考えだからですね。あなたと。』

    狛枝『ふーん。じゃあ君は希望の味方だと捉えていいのかな?』

    カムクラ『そういうことです』

    狛枝『以外だね。まさか君がね・・・。』

    カムクラ『それが"日向創"意志だからですかね』

    狛枝『わかったよ。結局のところ僕がどうにかしろってことでしょ?』

    カムクラ『だいたいはそうですが、僕もサポートしますよ』

    狛枝『・・・・・・・・わかった』

    2人の希望は絶望した荒野を進んでいった。

  31. 31 : : 2015/06/15(月) 14:26:47

    その日の午後は自由時間になっていた。

    寝る人もいれば、プールで泳ぐいたり、優雅に紅茶を飲んでいたり、読書したりなど人それぞれだ。

    僕にはやることがあった。

    大和田クンをどうにかしなくてはならない。

    前と同じならば、今日の夜に石丸クンと大和田クンが揉めるはずなのだが、大和田クンは前と違って少し落ち込んでいた。

    前と同じならば、簡単な話だ。

    トレーニングの場に石丸クンも呼べばいい。

    だから、そういう風に仕向けなきゃならないのだ。

    僕が向かっているのは石丸クンの部屋だ。

    彼なら、大和田クンをどうにかしてくれるだろうと思っている。

    もしあの場に石丸クンがいたとしたら、大和田クンは踏みとどまるはずなんだ。

    まあ、それは机上の空論でしかない。

    でも、踏みとどまらないとも言い切れない。

    舞園さんの時は、絶対に殺人を起こさないようにするのがポイントだった。

    舞園さんは自分の意思で桑田クンを殺そうとして、僕に罪を被せようとした。

    でも、大和田クンは不二咲クンへの嫉妬で不二咲クンを殺してしまった。

    あの時大和田クンは殺した時の記憶がないと言っていた。

    気がついたら不二咲クンを殺していたと言っていた。

    それは、理性をなくしてしまい、感情のままに人を殺した。みたいな感じだと思う。

    今みたいな状況で、犯人がわかりやすいのは衝動的な殺人ではなく計画的な殺人だったりする。

    複雑にすればするほど"天才"には犯人を特定しやすくなる。

    でも天才は、単純なものは逆にわかりずらいのだ。

    だから、今回、僕は慎重だった。

    大和田クンが感情的にならないように、理性を繋ぎとめておくものが必要だった。

    石丸クンならそれをやってくれるのだろう。

    僕の勝手な思い込みだけど、彼ならやってくれる気がするんだ。

    だから、僕は彼に頼むと決めたのだ。

    石丸クンの部屋のチャイムを鳴らすと、すぐに石丸クンは出てきた。

    石丸「やあ。苗木君!僕に何か用かね?」

    苗木「うん。少し話したいことがあるんだ。」

    石丸「そうか!なら部屋に入ってくれ!僕が相談にのろう」

    苗木「ありがとね。石丸クン」

    さあ、始めようか・・・。

    失敗ができない、もう戻れない戦いを。

    苗木「えっとね。石丸クン、大和田クンにご飯を持っていった時に何か話した?」

    石丸「いや、1人にして欲しいということであまり喋ってないな。でも夜の食事会には来ると言っていたぞ!」

    うーん、そっか。じゃあ作戦変更だね。

    苗木「えっと、石丸クン。僕、少し思ったんたけど、今日の大和田クンに少し違和感を感じたんだ。」

    石丸「なんだと!なら今すぐいかな」

    苗木「いや!待って!気のせいかもしれないし・・・。」

    石丸「む、早まり過ぎたか?これは失敬」

    苗木「んー何と言うか・・・大和田クン、悩んでるみたいだった。」

    石丸「悩みだと・・・?」

    苗木「今日みたいに感情的になったでしょ。多分あれが原因だと思う。でも、まだ確証ではないけど・・・。」

    石丸「・・・・・むむむ?」

    苗木「だからね、大和田クンが悩んでたとしたらこのままだともっと落ち込んじゃうかもしれない。だから、石丸クンに大和田クンの悩みを聞いてやって欲しいんだ!」

    石丸「それはいいんだが、なぜ僕なんだ?」

    苗木「石丸クンなら大和田クンの悩みを解決してくれるかなって思っただけ。勘だよ!勘・・・。」

    石丸「うん!頼まれた以上はやるつもりだ!任せてくれ!苗木君!」

    苗木「ありがとう!石丸クン!それと、大和田クンと接する時は悩みがあるのかって直で聞くよりは、男同士で腹の内まで語り合おう!とか言って色々聞いたほうがいいと思う。」

    苗木「石丸クンも隠し事しないで大和田クンと話し合ってみて!そうすればきっと大和田クンは心を開いてくれるよ!」

    石丸「いいアドバイスをありがとう!では行って来る!」

    苗木「石丸クン鍵閉めないと・・・。」

    石丸「そうだな!すまない、ハハハハハハ」

    そう言って、石丸クンは大和田クンの部屋に向かって行った。

    彼ならきっと"兄弟"になった彼なら、大和田クンと仲良くなるだろう。

    あとは、不二咲クンかな。

    彼とは仲良くなって、明日おそらくモノクマが動機を提示すると思うからそれまでに仲良くなって、石丸クンも呼ぶように誘導しないと・・・。

    苗木「みんな。絶対に助けるから・・」

    呟いたその言葉は、誰もいない廊下に響くことなく消えた。
  32. 32 : : 2015/06/15(月) 14:36:56

    不二咲クンと色々な話をしていたら、夜の食事会の時間となり一緒に食堂へ向かった。

    そこには肩を組み合う石丸クンと大和田クンがいた。

    大和田「おーう!苗木!色々とサンキューな!」

    石丸「苗木君!君の助言無しではやっていけなかったと思う!感謝しているよ!」

    朝日奈「ほんとむさ苦しいよねー」

    大和田「男の友情は女にはわかんないんだよ!」

    石丸「そうだな兄弟!」

    石丸大和田「「ハハハハハハハハハハハハ」」

    うん。計画通り!

    計画通り進み過ぎて少し怖いね。

    多分そろそろイレギュラーなやつがきてもおかしくはないな。
    気をもう一度引き締めるか。

    石丸「よし!全員揃ったか!それでは食べようではないか!いただきます!」

    「「「「「いただきまーす!」」」」」
    ・・・・・・・・・・・・・・

    みんながご飯を食べ終えた頃、モノクマアナウンスが流れた。

    モノクマ『えーオマエラ!至急体育館にお集まり下さい!』

    そのアナウンスが流れると、少し賑わっていた食事の場の雰囲気が変な空気になってしまった。

    みんなはすぐに体育館に向かった。

    体育館に行くと、何か封筒のようなものが落ちていて真ん中らへんにモノクマがいた。

    モノクマ「うぷぷぷぷ。オマエラ!自分の名前の書いた封筒を手にとって中身を見てみな!あっ見なかったやつはお仕置きね!」

    みんな渋々、封筒の中身を見た。

    やっぱり動機の入った封筒だった。

    『苗木誠は小学5年生までおねしょしていた』

    おねしょぐらいで人を殺すかよ・・・。

    たまたま十神君のやつが目に入ってしまった。
    それを見ると何か申し訳ない気持ちになった。

    (ごめん十神クン。絶対に誰にも言わないから・・・・・)

    モノクマ「えー。まあ、見ての通りそこに書いてあるのは、知られたくない思い出とか秘密です。明日までに殺人が起きなかったらこれを外の世界に公表しちゃいまーす!」

    モノクマ「てなわけで、知られたくない奴はやっちゃいなよー!んじゃねー!」

    モノクマはそう言うとすぐに消えていった。

    石丸「僕から一つ提案がある。みんなで秘密を公表し合わないか?そうすれば殺人なん」

    大和田「兄弟。ここで公表したからって、明日になったら世界にばらまかれるんだぞ・・・」

    苗木「ぶふぉふwwww」

    舞園「どうしたんですか?苗木君?大丈夫ですか?」

    苗木「うん。大丈夫・・・・wwwなはず・・・・」

    十神クン。まじでやばいと思うよ。
    僕の秘密が誰も興味を示さない感じだよ笑

    大和田「まあ、ということだ。俺はちょっと部屋に戻らせてもらうぜ・・・」

    石丸「兄弟!」

    大和田「明日の朝食会でな。兄弟」

    石丸「・・・・・兄弟」

    それを気にみんなが部屋に戻っていった。
    僕も部屋に戻ることにした。
    不二咲クンが大和田クンと話すタイミングがほとんどない以上は多分大丈夫だろう。

    不二咲「苗木君・・・えっと、ちょっといい?」

    苗木「うん。どうかした・・・?」

    不二咲「ちょっと僕の部屋に来て欲しいんだ・・・いい?」

    苗木「大丈夫だよ。何か用があるんだよね?」

    不二咲「うん。少し話があるんだ・・・」

    苗木「わかった。じゃあ先に行っててくれる?後でちゃんと行くから」

    不二咲「うん!待ってるよぉ!」

    不二咲クンは笑顔で手を振って体育館きら出て行った。

    不二咲クンが女の子なら僕は恋に落ちていただろう。
    そんなことよりは・・・・

    霧切「苗木君。ちょっといいかしら?」

    苗木「何?霧切さん?」

    霧切「あなた、本当に超高校級の幸運としてこの学校に来たの?」

    苗木「えっなんでそう思うの?」

    霧切「ただあなたの観察力が普通の人より凄いと思ったから」

    苗木「そっか。でも、僕は超高校級の幸運としてこの学校に来たんだよ!多分洞察力とかは、中学とかの時、人を観察してその人の癖とかなんかそういうのを探して、当てるのがマイブームな時があって・・・」

    言い訳が完全に変人だね。
    でも今はそれより、霧切さんが僕のことを疑ってるのをどうにかしなきゃいけないからね。

    霧切「・・・・・そう。わかったわ。じゃあね」

    霧切さん。
    僕は君の味方だから疑わないで。

    君に詮索みたいなことをされると、計画の成功率が下がるから・・・・。

    まあそれは置いておいて、不二咲クンが僕に相談しようとするのは予想外だったね。
    だとすれば誘導はかなりしやすくなる。

    もしこのミッションも成功したらあとはセレスさん、十神クン、戦刃さんを説得すれば9割がた作戦は完了だ。

    でも、その間に江ノ島盾子が何もしないとは限らないからね。

    早くしないと・・・・・・・・・。
  33. 33 : : 2015/06/15(月) 15:05:39
    僕は不二咲クンの部屋にお邪魔されてもらった。

    部屋は綺麗に片付けてあった

    さて、本題に入ろうか。

    苗木「それで、不二咲さん。話ってなに?」

    不二咲「うん。さっきモノクマに提示されたやつなんだけどね、その内容を苗木君だけには教えようかなって思ったんだ。」

    苗木「僕に?」

    不二咲「うん。苗木君はみんなの中で1番信頼できる人だと思ってるんだ!だから・・・・」

    苗木「そっか。そんなに信じてくれてるんだ・・・・ありがとう」

    不二咲「でも、僕はその信頼を裏切るかもしれない。それでも聞いて欲しいんだ!!!」

    苗木「・・・・・・わかった」

    不二咲「えっとね・・・・あのね・・・・"僕"はね・・・・・・えっと・・・・お・・・男の子なんだ!!!」

    苗木「えっ!?」

    不二咲「こんな格好してるけどね・・・男の子なんだぁ。えっと・・・やっぱり信じてないよね?だったら」

    苗木「不二咲さん!脱がなくても確認する方法ならあるよ!電子生徒手帳を起動させれば性別も表示されるし・・・あと、疑ってなんかないよ」

    不二咲「びっくりしないの?」

    苗木「えっと・思ったよりはびっくりとしとないかな・・・。もう受け入れている自分がいるみたい・・・。」

    不二咲「そっかぁ。苗木君は強いんだね。」

    苗木「そうかなぁ?」

    不二咲「うん。僕よりはずっとずっっと強いよ。僕は男の子なんだけど力が弱くて・・・みんなに『男のくせに』ってバカにされて、すごい辛かったんだ」

    不二咲「でも僕はこんな風に女の子らしくなることで、もう『男のくせに』とか言われなくなるって思ってた。今考えるとそれは逃げてるだけだった」

    不二咲「でも、それじゃダメだって最近思ってきて、モノクマのあれでやっと決心がついたんだ。僕は変わりたいんだ!」

    不二咲「力がないからって、努力をすることをしなかった自分から変わりたいんだ!」

    不二咲「もう逃げないって決めたんだ!みんなになんて言われようと・・・僕は!」

    僕は不二咲クンに近づいて軽く抱きしめた。

    そしてこう言った。
    苗木「逃げてた自分を認めて、変わろうとする不二咲クンは僕なんかより全然強いよ」

    不二咲「なえぎ・・く・・ん・・・。うっうっうぅぅ」

    苗木「僕を信じてくれてありがとう。僕は不二咲クンの味方だから。だから安心して?ね?」

    不二咲「嫌いにならない?」

    苗木「なるはずがないよ!勇気を出して秘密を打ち明けてくれた君を嫌いになるはずがないよ」

    不二咲「苗木君ありがとう。僕、苗木君に相談してよかった・・・・・」

    不二咲「あっあとさ・・苗木君・・」

    苗木「何?」

    不二咲「あのね、そろそろ・・離れて欲しいんだ・・あの・・」

    苗木「うわぁぁぁあ!!!ごめん不二咲さん!!!ごめん!!!本当にごめん!!!」

    不二咲「えへへ、全然いいよ。あと、不二咲"さん"じゃなくて、不二咲"クン"って呼んで欲しいな?」

    苗木「えっあぁうんうん。わかったよ。不二咲クン」

    不二咲「えへへ」

    不二咲「あとね苗木君。僕さぁ体も鍛えようと思うんだ。だから最初のうちは1人でやるのもなんだから・・さ」

    苗木「別に僕は構わないけど、僕よりは大和田クンとかのほうがいいじゃないかな?」

    不二咲「大和田クンかぁ。確かにねぇ、でも大丈夫かなぁ?今日結構参ってたみたいだけど・・」

    苗木「だったら石丸クンも呼んでさ、みんなでやろうよ!明日にでも」

    不二咲「うーん今日からできればやりたいんだよなぁ」
    時計を見るとまだ9時前を針は差していた。

    苗木「多分大丈夫だと思うし、一緒に行けばなんとかなるよ!」

    不二咲「そうだねぇ。あっでもトレーニングは苗木君は来なくても大丈夫だよ」

    苗木「僕だけ仲間はずれにしちゃうの?」

    不二咲「ううんそうじゃなくて、苗木君は僕の悩みを聞いてくれたし、だからゆっくり休んで欲しいんだ。」

    苗木「そっか。でも、石丸クンと大和田クンが両方行くんだったらそうさせてもらうよ」

    不二咲「えっ?どうして?」

    苗木「大和田クンともし2人きりになったら、大和田クンはもしかしたら。不二咲クンが言ってた通り参ってたみたいだし。信じたいのは山々なんだけど・・・」

    不二咲「そっかぁ。僕のことを心配してくれてるんだね。えへへ」

    苗木「それもそうだけど、大和田クンも心配だから」

    不二咲「苗木君は本当に優しいね」

    苗木「舞園さんもそう言ってたよ。僕はみんなが喜びそうなことをしたり、欲しそうなものをあげてるだけなんだけどなぁ」

    不二咲「でもそういう気配りが優しさに繋がるんだと思うよ?」

    苗木「うん。そうかなぁ?」

    不二咲「そうだよぉ!」
  34. 34 : : 2015/06/15(月) 15:09:30
    不二咲クンとそんな雑談をしながら大和田クンと石丸クンを無事誘うことに成功した。

    石丸クンが夜時間がうんたらかんたら言ってたけど、何とか丸く収められた。

    そして、不二咲クンと別れて僕は自分の部屋に戻った。

    部屋に戻ったらさっそうとベットの上にダイブした。

    苗木「今日は疲れたなぁ」

    それもそうだ。
    大和田クンをどうにかするのが今回の計画の要だから神経を使うのが当たり前だ。

    おそらく石丸クンがいれば安心だろう。

    でも、僕もあまり悠々としてられない。

    ここから僕が説得するのは戦刃さんなんだから。

    江ノ島盾子に勘ずかれないようにしなければならない。

    戦刃さんが残念だったとしても江ノ島さんは確実に仲裁に入ってくるはずだ。

    だとすれば、モノクマの仲裁もコントロールする必要がある。

    そんなのは無理くさい話だか、話は簡単だ。

    戦刃さんが残念なところを見せれば彼女は情報を守るためにでて来るだろう。

    ただそれだけだ。

    おそらく戦刃さんは江ノ島さんに従ってるだけだと思う。

    付け入る隙はそこなんだ。

    だからこそ、戦刃さんに僕を殺させないようにしなくてはならない。

    そうすれば、なんとかなる。

    江ノ島盾子を裏切れなんてことは無理だろうから、できるだけ誘導できるようにはしないといけない。

    江ノ島盾子が戦刃むくろを使って僕を殺そうとしても、感情が邪魔して僕を殺せなくすればいい。

    ただそれだけ。

    何回もシュミレーションはした。
    アルターエゴが残した"遺産"に協力してもらって。


    だから大丈夫。


    自分にそう言い聞かせて、僕は部屋を出たのだった・・・。

    僕の中にある"才能"を感じながら。
  35. 35 : : 2015/06/15(月) 15:12:33

    江ノ島と描かれたネームプレートの前に僕はいた。

    失敗はできない。

    大和田クンのは失敗したとしても、なんとか修正はできたはずだ。

    でもこれだけはそういうわけにはいかない。

    江ノ島さんが戦刃さんに殺せと命令すれば間違いなく戦刃さんは江ノ島さんの命令に従うだろう。

    だからこそ、江ノ島さんが僕を殺せという命令を出すように仕向けて、でも感情が邪魔して戦刃さんは僕を殺せなくすればいい。

    そして、江ノ島さんが戦刃を捨ててくれれば、後は"彼"が来るのを待つだけだ。

    だから、ここは失敗はできない。

    覚悟を決めてチャイムを鳴らそうとした瞬間

    ???「おやおや苗木君。こんな時間に私様に用があるなんて、草食系男子だと思ってたのに実は肉食系男子なのかなー?」

    僕は目を疑った。

    何でこいつがここにいるんだよ・・・お前が・・・なんでいるんだよ・・・

    ???「まあ、いいよー私苗木なら・・・・別に・・・・・・」

    苗木「・・・・・・・・・・・・・・」

    ???「つれないねー苗木。んーじゃあちょっとお話する?食堂でも行こうか?」

    苗木「君の部屋じゃダメなの?」

    ???「ごめんねー苗木ー。部屋で私をピーしたかったかもしんないけど、残念!ごめんなさいね下着やらなんやらが散らかってるからさぁ」

    苗木「そうか。なら僕の部屋はどう?」

    ???「おーおー苗木君誘ってるんですか?え?え?まあいいよー!でも苗木、私様は簡単には落ちないからなー覚悟しろよー」

    まさかこんなことになるとはね。予想外過ぎて呆れるよ。

    でも、こっちはこっちで好都合だ。

    問い詰めるよりは、こっちのほうが成功率高かもしれないし。

    そして僕は彼女を部屋に招き入れた。

    本当は殺したいくらい大嫌いな彼女を。

    でも、僕はこの時知る由もなかった。この選択が、僕にとって最大の危機になることを・・・・・・。
  36. 36 : : 2015/06/18(木) 00:21:37
    面白いけど誤字脱字が多いから気をつけてください
  37. 37 : : 2015/06/18(木) 10:55:54
    >>36

    ありがとうございます!

    以後がんばります(笑)
  38. 38 : : 2015/06/19(金) 11:27:35
    江ノ島盾子。

    彼女は超高校級の絶望。

    僕たちをこの学園に閉じ込めて、コロシアイをさせた張本人。

    本当は殺したいほどに憎んでいるけど、僕は知ってるんだ。

    彼女を殺してしまったら、また繰り返してしまう。

    あの悲劇を。

    だから、失敗できない…それだけ。

    『バタン』

    扉がしまり、彼女と2人っきりだった。

    どんな風に話そうかと考えていると、彼女のほうから話しかけてきた。

    江ノ島「苗木、あんた"どこまで"知ってるの?」

    苗木「何の話?何を知ってるってこと?」

    江ノ島「へぇ、あくまでもシラを切るってことね」

    苗木「まあ、君が"本当の"江ノ島盾子だってことはわかるよ」

    江ノ島「………ふーん」

    苗木「なんで戦刃さんと入れ替わってるの?いつか絶対バレると思うけどなぁ」

    江ノ島「あんた、"思い出した"ってことでいいんだね」

    苗木「………まあ、そんな感じかな」

    江ノ島「うぷぷ。何がきっかけなのかねぇ」

    苗木「………わからないけどね」

    江ノ島「どうするつもり?」

    苗木「このことはみんなには話さないよ」

    江ノ島「はぁ!?話さないって………苗木お前……」

    苗木「君のことを考えた訳じゃなくて、僕がそれを言ったって君が"仲間"って言っちゃえば僕は信用なくすだろうしね」

    江ノ島「なーんだ、わかってんじゃん……ツマンネ」

    苗木「僕は君の考えてることがよーくわかるからね(ニッコリ」

    江ノ島「うわっきもちわりぃ」

    江ノ島「苗木」

    苗木「何?江ノ島さん」

    江ノ島「私をここに呼んだ理由って何よ?話それたけどさぁ」

    苗木「んー本当はどうでもいいんだけどなぁ。知りたいのかな?」

    江ノ島「くっ!人間風情が私様に拷問だと……」

    苗木「江ノ島さんにとっては拷問なんだね………」

    江ノ島「んで、何?」

    苗木「簡単に言えば契約かな」

    江ノ島「………条件は?」

    苗木「僕は君に協力する。殺人を犯す以外だけどね」

    江ノ島「ふーん。まあ、残姉だけだとねあれだからな、いいよそれで私様は何すればいいの?」

    苗木「戦刃さんを殺さないってだけ」

    江ノ島「は?」

    苗木「僕は本気だよ」

    江ノ島「………よろしいでしょう。大神さんが亡き今、人手が足りませんからね」

    苗木「まだ死んでないからね!」

    江ノ島「わかっとるわ!んーまあその他連絡は残姉から聞いてちょ!」

    苗木「わかったよ。"戦刃さん"」

    江ノ島「………お前残姉いることも気づいてたのかよ」

    苗木「うん。雰囲気でね」

    戦刃「えっ!?気配消してたはずなんだけどなぁ」シュタッ

    江ノ島「………まあいいや残姉だし」

    戦刃「ええ!酷いよ盾子ちゃん!」

    江ノ島「ああ!うるさい残姉!まあ、またね苗木。お前との話面白かったようぷぷぷ」

    戦刃「またね。苗木くんおやすみ」

    苗木「またね」
  39. 39 : : 2015/06/22(月) 17:26:25
    『バタン』

    ・・・うまくいったのかな?

    それとも、彼女の手のひらの上だったのかな。

    どちらにせよ、僕は信じるしかないんだ。

    僕の"才能"を。


    苗木「ふぅ。かなり疲れたな」

    それもそのはずだろう。

    江ノ島盾子に交渉をするのは油断してない限りは難しい。

    それに加え、むくろもいた。

    (それをよくやり遂げたな僕は)

    不運の後には幸運が来るか・・・

    彼がよく言ってたな。

    彼はちゃんとやってるかな・・・
  40. 40 : : 2015/06/26(金) 08:22:28
    頑張ってください。期待してます。
  41. 41 : : 2015/06/28(日) 17:06:50
    最近更新できなくて申し訳ない・・・
  42. 42 : : 2015/06/28(日) 17:07:34
    pixivの追憶の苗木誠のほうも見てもらうと、こちらがより面白くなるかもしれません!
  43. 43 : : 2015/06/28(日) 17:09:17
    狛枝『カムクラクン?どうかした』

    カムクラ『いいえ、別に』

    狛枝『ふーん、そっか』


    僕たちは絶望たちによって荒廃した道をジープに乗って進んでいた。

    もう少しで希望ヶ峰学園に着くところまできた。

    このまま上手くいけばいいけどね。

    カムクラ『苗木誠は"どっち"なんですかね?』

    狛枝『彼は"超高校級の希望"だよ!彼が絶望であるはずがないよ!』

    カムクラ『・・・私にはそう思えませんけどね。映像を見る限りでは』

    狛枝『んー彼は彼なりの考えがあるんじゃないかな?』

    カムクラ『そうだといいですね』

    狛枝『そういえば日向クンはどうなったの?』

    カムクラ『正直答えたくは無いのですが・・・』

    狛枝『じゃあいいや・・・あっ!』

    カムクラ『見えてきましたね』

    狛枝『僕は頑張るよ!希望のためにね!』

    カムクラ『私は日向創のために』

    狛枝『日向クンのために?』

    カムクラ『こっちの話です』



    ・・・・・・・・・・・・・・


    カムクラ『ここから食料を運搬します。なのでここから入っていってください』

    狛枝『彼女には言ってるの?』

    カムクラ『いえ、言ってませんよ?』

    狛枝『大丈夫かなぁ?』

    カムクラ『彼女に僕の考えだと言えば大丈夫だと思いますよ』

    狛枝『うーん。大丈夫かな・・・まあ』

    カムクラ『それでは』

    狛枝『またね』


  44. 44 : : 2015/06/28(日) 17:11:51
    カムクラ『狛枝凪斗君はツマラナイ』

    カムクラ『私が興味をもつ対象は苗木誠だけ』

    カムクラ『彼だけは僕の予想を超える』

    カムクラ『本当にこれからが・・・』



    カムクラ『 "楽しみ" ですね』
  45. 45 : : 2015/07/01(水) 09:27:36
    ???『君は・・・だ・・・れ?』

    ???『私は私様だ。人間よ』

    ???『君・・・名前は?』

    ???『名前を聞くならまず自分から名乗りな!!』

    ???『あっごめん・・・僕は苗木誠!』

    ???『へぇ、苗木君というのですねぇ。なかなか面白い名前です』

    苗木『それで・・・君の名前は?』

    ???『ああ!私ねー。私は***っていうんだぜ!』

    あれ・・・思い出せない

    苗木『そっかあ。明日もここに来る?』

    ???『うぷぷ。来るに決まってんじゃん!苗木君に会いに』

    顔も思い出せないよ・・・

    苗木『もう!からかわないでよ!』

    ???『あはは!あんたほんとおもしろいね。じゃあ約束』

    苗木『何?』

    あれ、何か顔がぼやけて・・・

    ???『絶対に私を見捨てんなよ。苗木』

  46. 46 : : 2015/07/02(木) 10:34:18
    苗木「うわああああああああ!!」


    苗木「なんだよ・・・夢かよ」

    最近、変な夢を見ることが多くなったと思う。
    このコロシアイに戻ってきてからというもの、ろくなことがないな。

    それにしても、あの顔どこかでみたはずなんだよなぁ。

    ほんとうに誰だっけ?

    苗木「まあ、シャワーでも浴びよう」


  47. 47 : : 2015/07/02(木) 10:50:47
    シャワーを浴び終わり、僕は服を着替え食堂へと向かった。

    1番の心配は石丸クン、大和田クン、不二咲クンだ。

    彼らが何かを起こしていた場合、相当めんどくさくなる。

    ただでさえ、昨日のあれで精神すり減っているのにまたイレギュラーなことがあったら、倒れてしまうかもね。

    そう考えていたら、もう食堂についてしまった。

    まだ、約束の8時よりも30分前だ。

    来ているとして、石丸クン・・・それと戦刃さんかなぁ。

    石丸クンは言わずもがなだけど、戦刃さんの理由は

    僕に何かを伝えるため。

    霧切さんや十神クン、セレスさんがいる中で僕らが一緒の部屋にいたという事実が、後々僕を苦しめることになると思うから。

    江ノ島さんのことだから、部屋に戦刃さんが来なかった以上その可能性が高い。

    苗木「よし。がんばろうかな」

    そう呟きながら僕は食堂の中に入った。



  48. 48 : : 2015/07/02(木) 10:57:06
    僕は完全に思考を停止してしまっていた。

    普通ならありえない状況になっていた。

    そこにはモノクマの残骸が何個もあった。

    モノクマにも驚いたが、僕がもっと驚いたのが僕の目線の先にいるやつだった。

    本来ならここにいることは、何があってもありえないことだった。

    君は今、絶望でモノクマを支援するやつなんだから。

    だからこそ

    なんで君はここにいるんだよ。

    ???『ああ、ツマラナイ。全員ツマラナイ』

    ???『私が興味を持つ対象はあなただけですからね』

    カムクラ!!!

    カムクラ『苗木 誠』
  49. 49 : : 2015/07/14(火) 08:00:31
    最近全然更新できない

    すみません・・・
  50. 50 : : 2015/07/16(木) 11:05:19
    カムクラ「やあ。久しぶりですね苗木誠」

    苗木「・・・君は誰?」

    カムクラ「おやおや、そういえばそういうことでしたね」

    苗木「どういうこと?」

    苗木(何しに来たの?)ハンドサイン

    カムクラ「どうもこうも、口を滑らしてしまったのでしょう」

    カムクラ(狛枝凪斗と共にあなたのサポートにね)ハンドサイン

    傍から見ればおかしい会話だが、僕は情報をカムクラクンからもらっていた。

    狛枝クンも来てるってことは、あと少しなのかな?

    そして、タイミングとしては素晴らしいタイミングであいつは現れた。

    モノクマ「コラー!お前!なーにモノクマ壊してんだよ!」

    カムクラ「おや、これはこれはモノクマじゃないですか」

    モノクマ「ちょっとお前テンションおかし・・・」

    苗木「もしかして、君は内通者!?」

    モノクマ「あっ苗木君もいたんだね」

    苗木「気づいてよ・・・」

    モノクマ「内通者・・・まあ、内通者ってことにしときましょう」

    カムクラ「ふざけているのですか?あなたは」

    モノクマ「だーかーらー!・・・あっ!いいこと思いついたーっと」

    そう言うと、モノクマはどっかに消えていき


    モノクマ『アーアー!校内放送!校内放送!生徒のみなさんは至急!至急食堂へお越しください』

    モノクマ『来なかったやつはオシオキだからね!』


    ああ、そういうことね。

    カムクラクンは内通者役かぁ。

    モノクマも考えたんだろうけど、カムクラクンはこっちの味方だからさ。

    カムクラクンがここに来るのは予想外だけど、"超高校級の希望"の君なら江ノ島盾子であっても誘導は可能か。

    それより、狛枝クンがどこにいるかだよね。

    たぶん2階のトイレかな?

    そんなことを考えているとみんながぞろぞろと食堂へとやってきた。

    食堂に入った途端、「きゃあ!」「えっ!?」「モノクマが」などと騒ぎたてていた。

    最後に江ノ島・・・戦刃さんが入ってきたところでモノクマから説明が始まった。

    モノクマ「やーやーみなさん。お集まりいただきありがとうございます」

    桑田「おめーに言われたから来たんだよ!」

    葉隠「そーだべ!俺は早く寝たいべ!」

    モノクマ「・・・オシオキ」(ボソッ)

    桑田・葉隠「すみません」

    モノクマ「まあ、皆さんに集まってもらったのは他でもありません!」

    モノクマ「僕の兄弟たちをよくも壊しやがったなー!」

    不二咲「兄弟設定なんだ・・・」

    朝日奈「妹とかはいないのかな?」

    ???『らーぶらーぶ』

    大和田「んなことはどーだっていいんだよ!」

    十神「プランクトンの言う通りだな」

    大和田「誰がプランクトンだぁ?」

    十神「モノクマを壊したのは誰なのか。それがお前が呼び出した理由だろう?」

    大和田「スルーかよ!」

    モノクマ「まあ、それもあるし他にもあるけどねぇ」

    大神「なんだと?」

    モノクマ「とりあえず許さないからね!兄弟を殺した恨みここで晴らす!」



    モノクマ『苗木君!!!』
  51. 51 : : 2015/07/16(木) 11:12:30
    その瞬間、みんなの目線は僕へと向けられた。

    恐怖、心配、無関心、疑心。そんな感じて僕を見ていた。

    舞園さんは、僕のことをとても心配そうに見つめていた。

    モノクマ・・・君は1つ勘違いをしているよ。

    モノクマ「学園長である僕に危害を加えた生徒にオシオキです!」

    素直にカムクラクンを内通者だと言ってればよかったのに。

    僕にはきかないのに。

    モノクマ「召喚魔法を発動する!」

    君はどんな顔をするのかな?

    それを止めてしまったら。

    モノクマ「やれ!グングニルの槍!」

    至る所から槍が発射される。

    槍が発射する直前こんなことを考えた。

    今ではなんでこんなことを考えたのかはわからない。

    でもそう思ったんだ、そう思ってしまったんだ。


    『きみはどんな絶望をするのかな?』と
  52. 52 : : 2015/07/16(木) 11:45:29
    全ての槍が発射された後には、驚いたモノクマと折れていたり、曲がったりしていた槍が目に入った。

    その後、みんなの方を見ると全員が全員出ないけれど開いた口が塞がらないって感じだった。

    霧切さんは僕のことを観察していたみたい。

    十神クンは流石だという目でみていた。

    大神さんは驚いていたが、賞賛している感じで見ていた。

    そのほかの人はただただ驚いているだけだった。

    モノクマ「ねえ!苗木君!槍を壊したりしちゃダメでしょ!」

    苗木「だって刺さったら死んじゃうんだからそりゃぁね」

    モノクマ「そうだとしても、君は校則違反を犯したんだからバツを受けなきゃ・・・」

    苗木「あのさぁモノクマ。それだったら君は僕たちを絶望なんかさせられないよ?」

    モノクマ「ほえ?」

    苗木「邪魔だから僕を排除しようとしたんならさ、それはクズのやることだよ」

    モノクマ「えっと・・・苗木君?」

    苗木「僕たちを絶望させたいんだったら、ちゃんとした方法で来なよ」

    モノクマ「・・・・・・」

    苗木「君が絶望したいんだったらね」

    モノクマ「へー。君はほんとどっちなんだよ・・・」

    苗木「さあね。」

    モノクマ「・・・君はやっぱり」

    カムクラ「僕のことを忘れてはいませんか?」

    モノクマ「あっ!?忘れてた」

    カムクラ「やはりそうでしたか」

    モノクマ「まあ、みんなと仲良くしてよ」

    モノクマ「・・・それじゃ」


    モノクマはそう言うとどっかに消えていった。

    その後、カムクラクンはみんなから質問攻めにあっていた。

    僕も質問はされたけど、そこまでではなかった。

    カムクラクンは表情を変えずに対応していた。

    そんなこととかがあって、僕たちの絆は深まった気がした。

    あともう少し。

    霧切「苗木君。ちょっといい?」

    霧切さん。お願いだから僕を疑わないでね。

    苗木「どうかしたの?」

    霧切「ちょっと私の部屋に来てくれるかしら?」

    苗木「・・・いいよ!」

    霧切「わかった。それじゃ」

    苗木「えええ!?おいてくの?」

    霧切「鍵は空けとくから勝手に入ってきて」

    苗木「・・・待って霧切さん!」

    霧切「・・・」

    霧切さんはせっせと食堂から出ていった。

    まあ、あとで行ってみようかな。


    もう少し、もう少しでみんなを助けられる。

    そうしたら僕らは君たちの中から消えてしまうだろうけど。

    でも僕は君たちが生きてくれればそれでいい。



    苗木『さあ、最後のミッションを始めようっか』


    この時の僕はどうしようもなかった。

    あの事件が起こるまでは。




  53. 53 : : 2015/07/17(金) 11:12:25
    僕は1度自分の部屋に戻り、自分の頭を整理していた。

    計画は続行でいいだろう。

    狛枝クンがカムクラクンを連れてきたのか、それとも彼の意志なのか。

    聞いてみないことには謎のままだ。

    今カムクラクンはどこかで準備をしているのだろう。

    狛枝クンが一番どこにいるかが心配だが、彼もわかってるはずだから大丈夫だよね。

    自分の才能を信じるしかないってね。

    それじゃ、僕が今からやることを整理しよう。

    ○霧切さんの部屋に行く
    ○カムクラクンと話す
    ○狛枝クンを探す

    とりあえずはこの3つかな。

    一番厄介なのは霧切さんだ。

    あの時の目は完全に疑っているような感じだったからな。

    今回で信用を勝ち取れればいいけど、難しいかなぁ。

    最初に霧切さんのところに行こうかな、きっと待っているだろうし。

    出発だね。

    『ガチャッ』

    僕はドアを開けて廊下へと出ていった。


    『バタン』

  54. 54 : : 2015/07/17(金) 11:12:41
    苗木「よし。」

    僕は霧切さんの部屋の前にいた。

    ネームプレートにはしっかりと『キリギリキョウコ』と書かれている。

    鍵は空けていると言ってはいたけど流石に勝手に入るわけにはいかないよ。

    僕はチャイムを鳴らした。

    『ピンポーン』

    すぐに霧切さんから返事が来て

    霧切『どうぞ』

    と返ってきたので部屋の中に入った。

    苗木「お邪魔しまーす」

    部屋に入り、廊下らへんには霧切さんはいなかった。

    苗木「あれ?霧切さーん?」

    さっき返事ちゃんと来たんだけどなぁ。

    そして、僕が広い場所に出た瞬間



    誰かが僕を襲ってきた。
  55. 55 : : 2015/07/17(金) 11:14:11
    それは霧切さんだった。

    どこから持ち出したのかわからないけど、サバイバルナイフを持っていた。

    僕を狙ってそれを突き出した瞬間に、僕は後ろに下がって一気に前に出た。

    霧切さんの左足を払い、そのままの状態で霧切さんをうつ伏せに押さえ込んだ。

    左手で頭を、右手でナイフを持っている右手を、左足で左手を、右足で両足を押さえ込んだ。

    あんまり、手を踏みたくは無かったけど流石に命の危険だからね。

    僕は霧切さんに問いかける。

    こんなことをする理由を。

    苗木「霧切さん。なんのつもり?」

    霧切「別にあなたを試しただけと、言っては見るけど」

    苗木「本当にそうなら右手のナイフを離して」

    霧切「それはできない」

    苗木「そっか。無理矢理でもいいんだよ?」

    霧切「私からの条件は1つ。あなたが内通者ではないと証明して」

    苗木「僕が内通者じゃないかって?まあ、無理だよね」

    霧切「なら、あなたが知っていることを話して頂戴」

    苗木「うーん、知ってることね・・・僕が内通者ってこと?」

    霧切「あなた本気で言ってるの?」

    苗木「まあ、内通者とも言えるし内通者でないとも言える」

    霧切「意味がわからないのだけど」

    苗木「簡単に言えば僕は黒幕と契約を結んだってこと」

    霧切「じゃああなたは黒幕が誰だか知っているの?」

    苗木「知ってるよ」

    霧切「率直に問うわ。それは誰?」

    苗木「それは言えないね」

    霧切「ならあたしがあなたが内通者ってことをばらすわよ」

    苗木「別にいいんじゃないかなぁ」

    霧切「・・・は?」

    苗木「だって別に知られたところでどうでもいいし・・・」

    霧切「・・・契約って?」

    苗木「濁すけどいい?」

    霧切「ええ」

    苗木「黒幕はある人を殺さない。その人は僕以外の誰かを殺さない。僕が提示した条件はそれ」

    霧切「・・・」

    苗木「そしてそれの見返りは、誰かを殺さない範囲での協力。それが契約」

    霧切「その誰かは内通者でいいのね?」

    苗木「まあ、そう言うことで」

    霧切「あなたは全てを抱え込んでいるのね」

    苗木「そうかなぁ。誰も死なないようにがんばってるだけだよ」

    霧切「・・・そう」

    霧切さんはそう呟くと、ナイフを手から離した。

    僕はそのナイフを遠くに飛ばして、霧切さんを開放した。

    霧切「私も護身術とかは教えてもらってたけど、あなたのはどれにも当てはまらないわね」

    苗木「まあ、色々あってね」

    霧切「食堂のこともそうね」

    苗木「まあ、色々あってね」

    霧切「まあ、いいわあなたは言えないことが多いだろうし」

    苗木「・・・ごめんね」

    霧切「大丈夫。でも、何かあったら相談しに来てくれるかしら」

    苗木「いいけど・・・なんで?」

    霧切「まあ、この学園を知りたいから」

    苗木「わかった。それじゃ」

    霧切「ええ。また」

    そして、僕たちは別れた絆という絆はできなかったが、なんとか不安を取り除けた。

    あと2つもやることが残ってるよ。

    先に狛枝クンを見つけよう。

    まずは2階のトイレに行ってみようかな。

    そして僕は走り出した。



  56. 56 : : 2015/07/24(金) 14:53:30
    狛枝『さあて、こっちの準備は終わったしそろそろ彼が来る頃かなっと、来たみたいだね』

    苗木「狛枝クン。」

    狛枝「やあ、久しぶり!苗木クン!」

    僕は狛枝クンの胸ぐらをつかみ、こう言い放った。

    苗木「なんでカムクラクンがここに来た!君の差し金だろ!」

    狛枝「苗木クン?怒ってるならほら深呼吸、深呼吸」

    苗木「そんなことはどうでもいいから答えろ!」

    狛枝「僕はカムクラクンがこの学園にいることを今さっき知ったばかりなんだよ」

    狛枝「だからその理由を僕に聞いたところでどうしようもないと思うよ」

    苗木「カムクラクンの独断でか・・・」

    カムクラ「まあ、そういうことですね」

    苗木「来たんだカムクラクン」

    狛枝「カムクラクン久しぶりだ・・・」

    カムクラ「あなたとはさっき会ったでしょう。それで、僕にいろいろ聞きたいことがあるみたいで」

    苗木「なんで君はここに来た、僕が聞きたいのはそれだけ」

    カムクラ「強いていうのなら、私も協力するためですね」

    苗木「僕と狛枝クンだけでいいと思うんだけど?」

    カムクラ「"本物の"超高校級の希望が手伝ったほうがいいでしょう?」

    苗木「・・・・・・」

    カムクラ「自分でもわかるでしょう。自分は不完全だということに」

    苗木「うるさい」

    狛枝「あははは、2人ともここら辺で打ち切ろうそろそろモノクマも来そうな頃だし」

    カムクラ「まあ、それもそうですね」

    苗木「カムクラ。後で聞かせてもらう」

    カムクラ「何かはわかりませんがいいでしょう。だいたい予想はつきます」

    狛枝「・・・?」



    僕たちは二階の男子トイレを出たあと、別々に別れて散策した。

    でも僕とカムクラクンは違った。


    僕は問いたださなきゃならないことがあったからだ。

    僕の部屋で

    2人っきりで

    質問をした



    『君はどこまで知ってるの?』
  57. 57 : : 2015/07/24(金) 14:53:50
    苗木「ねぇ。カムクラクンはどこまで知ってるんだよ」

    カムクラ「どこまで知っていると聞かれると全部と言ったほうがいいのでしょうかね」

    苗木「・・・それは予測したからってことかな?」

    カムクラ「そういうことですね」

    苗木「君は作られた希望なんだ。才能を使わされるためだけにに作られたんだ。それはわかってるの?」

    カムクラ「まあ、理解はしてますよ」

    苗木「だったら!本物と偽物は逆だろ!僕が本物だ!」

    カムクラ「それは否定はしませんよ。でもあなたは」



    カムクラ「死んだ仲間の才能しか持ってないじゃないですか」


    もう抑えきれなくなっていた。

    この感情をどこに向ければいいのか。

    だから僕はカムクラクンに向けてしまった。

    この感情を。

    苗木「君に何がわかる!感情を失った君に何がわかる!」

    苗木「仲間を失って、僕に残ったのはなんだ!何もなかったんだよ!!!」

    苗木「だからみんなを忘れないために、みんなを消さないために・・・僕は・・・」

    カムクラ「そうですね。そういうところが似ていますよ」

    苗木「誰にだよ」

    カムクラ「彼女にね」

    苗木「僕が絶望だっていうのか?」

    カムクラ「似ているとしか私は言っていませんよ」

    苗木「・・・そうかよ」

    カムクラ「まあ、これからは協力しましょうか」

    苗木「・・・そうだね」

    カムクラ「それでは失礼しますね」

    苗木「うん」


    『バタン』


    苗木「なんであんなに・・・」

    僕は戸惑っていた。

    あんなに怒ることはなかっただろう。

    あんなに怒鳴ることはなかっただろう。

    どうしてなんだよ・・・



    ???『それは君が絶望だからだよ』

    苗木「・・・誰?」

    ???『ほかの誰でもないさ。ただ言えるのは君のことを一番知っているってことだけ』

    苗木「何を言ってるんだよ」

    ???『あはは!記憶がまだもどってないんだねぇ』

    苗木「記憶が戻ってない?そんなはずはないだろ!」

    ???『いやいや、まだ戻ってないでしょ?とゆうかまだ戻らないよ』

    苗木「なんでそんなことが言えるんだよ!」

    ???『君が一番知ってると思うよ』

    苗木「意味わかんないこと言うなよ!」

    ???『そろそろ時間だね』

    苗木「まて!まだ話が・・・」


    ぷつん



    ???『あーあ行ったちゃった』

    ???『ほーんと彼もやばいよね』

    ???『まさか自分のやったことを忘れさせるなんて』

    ???『"偽りの記憶"を入れてまで』

    ???『まあ、そっちの方が〇望に道溢れているしね』

    ???『それじゃあ、帰ってくるまで待ちますか』



    ???『超高校級の〇望さん』
  58. 58 : : 2015/07/28(火) 10:03:18
    最近テストゥとかだったりで忙しいです。

    がんばって更新します。

    すみません
  59. 59 : : 2015/07/29(水) 09:22:29
    僕は何の才能も無いと思っていた。

    "超高校級の幸運"なんて呼ばれたけどどっちかっていったら不運だった。

    江ノ島盾子を倒した時、"超高校級の希望"なんて呼ばれた。

    でも僕はみんなの希望にはなれなかったんだよ。

    僕は・・・僕は・・・・・・



    みんなを・・・・・・



    忘れないために・・・







    『才能』を・・・手に入れた
  60. 60 : : 2015/07/29(水) 09:22:47
    カムクラクンと別れたあと、僕は校内を探索していた。

    食堂に入ると、霧切さんと十神クンがいた。

    でも僕の目線はその先にあった。



    僕は見てしまったんだ。

    あの光景を。

    思い出してしまったんだ。

    絶望を。

    思い出したくない記憶を。

    どうして・・・





    『死体が発見されました!一定の捜査時間のあと、学級裁判を開きます!』

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