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日向「女子達から全力で逃げるッ!!」安価

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  1. 1 : : 2015/03/03(火) 18:16:44
    日向「はぁ……はぁ……」

    日向は息を潜めて隠れる。

    左右田「……行ったか?」

    日向「……まだ別の奴がいる可能性がある。静かにしていろ」

    日向(くそ……! なんで俺がこんな目に……!)


    【数分前】

    【レストラン】


    みんなが朝食をとっている中、モノクマが現れた。

    モノクマ「レディースアンドジェントルマーン! 盛り上がってるかーい!」

    左右田「帰れ」

    終里「うるへーお」

    十神「飯が不味くなる」

    モノクマ「……別に悲しくなんてないもんね!」

    モノミ「こらモノクマー! ミナサンの朝食を邪魔しないでくだちゃい!」

    モノクマ「モノミは放っておいて、早速本題に入っちゃうよ!」

    モノミ「……別に悲しくなんてないもんね!」

    モノクマ「強く生きるぞ妹よ!」

    モノミ「おー! ってなんでやねん!」

    左右田「オメーら絶対裏で打ち合わせしてんだろ!」

    モノクマ「えー、では恒例の、今回ボクが開催する楽しいコロシアイ修学旅行のイベントは……」

    左右田「恒例ってかイベントなんて初めてじゃねーか!」

    モノミ「どうせろくでもないことでちゅ!」

    モノクマ「名付けて、『ワクワクらぶらぶ☆日向創をとっ捕まえろ大作戦!』」

    日向「……は?」

    モノクマ「ルール説明ー。これから島の中の女子が追う側、日向クンが逃げる側の、まぁ分かりやすく言えば鬼ごっこが開始されます」

    モノクマ「ちなみに他の男子勢は、傍観でも日向クンに協力でも、むしろ女子側に協力でもオッケーだよ」

    モノクマ「女子の勝利条件は、勿論日向クンを捕まえる事。ちなみに、捕まえた人だけが勝利になるからね。同時の場合は、勝者は複数人出ることになるよ」

    モノクマ「日向クンの勝利条件は、この島のどこかに隠れる、愛しきボクを探して捕まえること!」

    モノクマ「どう、分かった?」

    ソニア「ルールは分かりましたが……」

    七海「それって、別に参加する必要ないよね?」

    終里「おえはんはひへーほ」

    狛枝「終里さん……少し食べるの休もうか」

    モノクマ「まぁそういうと思って、景品を用意してるからさ」

    モノクマ「『日向クンと1日デート券』数枚と『モノクマ特製カレー引換券』」

    「ッ!!」

    この場のほぼ全ての女子が反応した。

    日向「って、何で勝手に俺のデート券作ってんだよ!? そんなの欲しがる奴いないだろ!? ってかそれ、俺が勝ったらどうなるんだ!?」

    モノクマ「じゃ、今から10分後に開始アナウンスするからねー。アーディオーッス」

    モノクマは去って行った。

    日向「…………」

    澪田「あ、ちょっと澪田行くところ出来たから、ちょっと行ってくるっすー」

    小泉「あ、奇遇だね。私も」

    罪木「あ、そ、そうですねぇ!」

    女子達は、次々と出て行った。

    日向「どうしたんだろうな?」

    左右田「いやあれは絶対準備してンだろ」

    日向「さっきのか? いやあんなの欲しがるのは終里くらいだろ?」

    十神「どうだかな……」

    田中「特異点よ。貴様はこの闇の遊戯に何を思う?」

    日向「うーん、別に。まあ誰か来たらわざと捕まってやるかな」



    日向「前言撤回」

    放送が鳴ってレストランを降りると、あからさまな罠だらけだった。

    中には危険そうな罠も混じっている。

    狛枝「なるほど。弱らせてから捕まえようって魂胆だね」

    日向「何故普通に来ないんだ……明らかに怖いぞ……」

    十神「さて……この罠の大群。一歩あるけば粉々にされそうな勢いだぞ」

    狛枝「さ、どうする? 日向クン」

    >>2
  2. 2 : : 2015/03/03(火) 18:20:36
    レストランに立て籠もるんだ
  3. 3 : : 2015/03/03(火) 18:58:02
    お、2バージョン……!期待です
  4. 4 : : 2015/03/03(火) 20:28:56
    >>さっとんさん ありがとうございます
    2バージョンスタートッ
  5. 5 : : 2015/03/03(火) 21:04:10
    日向「……この罠を抜けるのは絶対に無理だ」

    花村「え……いやいやいや、諦めてどうすんのさ」

    日向「別に諦めるわけじゃないが、とりあえずレストランに籠もって作戦を立てよう。これだけの罠だ。女子達も簡単にはこっちに来れないだろ」

    狛枝「で、帰る途中で罠にかかると」

    日向「それなら、ここへ来る途中で発動するだろ。わざわざ帰るところに仕掛ける必要はない」


    【レストラン】


    九頭龍「お? ペコじゃねえか」

    辺古山「……男子組は全員居るようだな」

    弐大「なんじゃ……貴様も日向を狙っとるんかぁ?」

    辺古山「いや、私は特に日向を狙ってはいないぞ」

    日向「それは助かるな……」

    十神「本当だな?」

    辺古山「でなければ、私も外で日向を待ち構えている」

    田中「ふむ、正しいな」

    狛枝「恐らくさ、外の人達はボクらを分断させようとするはずだよね。守る人が多いと、日向クンを捕まえるのが大変だもん」

    九頭龍「あ? 俺は別に日向を守るなんざ言ってねえぞ?」

    日向「え……?」

    九頭龍「へっ。んな面倒なことやってられっか。オレは、わざわざ分かってる罠に突っ込む趣味はねえよ」

    左右田「そうだ! よく考えたら、日向のただのハーレムじゃねえか! 付き合ってられっか!」

    田中「俺様は常に孤独。孤高の存在だ。悪いが遊びには付き合ってられんな」

    日向「ちょ、ちょっと待ってくれよ! 九頭龍、左右田、田中!」

    花村「うーんぼくも昼食の支度したいなぁ」

    狛枝「じゃ、頑張ってね。日向クン」

    日向「狛枝、お前もなのか!?」

    花村「……うーんぼくも昼食の支度したいなぁ!」

    弐大「安心せい。ワシはいつまでもお前さんを守っちゃるぞ」

    十神「だが、相手は女子といえど、3人で大勢を相手にするのは分が悪いな……」

    日向「…………」

    >>6
    ・3人で行く
    ・男子達を説得する
    ・辺古山を仲間に引き入れる
  6. 6 : : 2015/03/03(火) 21:13:49
    辺古山を仲間にする
  7. 7 : : 2015/03/04(水) 18:35:20
    日向「辺古山、一緒に来てくれるか?」

    辺古山「構わんぞ」

    狛枝「うん、懸命な判断だね。辺古山さんなら警戒されずに情報収集が可能だ」

    辺古山「……ッ!」
    弐大「……ッ!」

    辺古山「伏せろ!」
    弐大「全員伏せろぉ!」

    2人がほぼ同時に言い、咄嗟に全員伏せた。その直後……

    ペシャ

    日向「……?」

    後ろから気の抜けた音が聞こえ、見てみると緑色のスライムのようなものが柱に付いていた。かなり大きく、人1人覆えるほどだ。

    辺古山「外から殺気を感じた……」

    弐大「ワシの第六感が感じた……。どうやら、外から撃たれたもののようじゃな」

    狛枝「……なるほど、これは粘着剤……あとではがすことは出来るけど、まともに受けたらしばらく身動き取れなくなるね。まあ位置関係的に日向クン狙いかな」

    日向「……恐ろしいな」

    辺古山「どうやら一筋縄にはいかないようだ。お前達はここに残っていろ。私がモノクマを探してこよう」

    日向「あ、ああ。助かるけど……気を付けろよ」

    辺古山「分かっている。へまはしない。では行ってくるぞ」

    辺古山は、窓から飛び降りた。

    九頭龍「……大丈夫かよアイツ」

    日向「まぁ辺古山だし、多分大丈夫じゃないか

    ドンドンドン……

    日向「ん……?」

    狛枝「階段を上る音だ……! 誰か来る!」

    日向「くっ……!」

    十神「逃げるぞ!」

    弐大「応!」

    日向「逃げるって、下に降りる道はまず間違い無く罠があるぞ!?」

    弐大「ちょっと揺れっが、まあ我慢じゃ! 根性見せい!」

    日向「え、ちょ!?」

    弐大は日向を抱え上げた。

    十神「行くぞ!」

    十神のかけ声を合図に、3人は窓から飛び降りた。

    日向「うわああぁぁ!!」

    それと同時に、罠だらけの部屋の1階から、小泉と西園寺が現れた。

    小泉「あれ……粘着弾は外してたか」

    西園寺「日向おにぃがいないよー?」

    九頭龍「日向なら窓から飛び降りて逃げたぞ。追うならさっさと行ってこい。オレらはただの傍観者だ」

    西園寺「ふーん。でもさぁ……」

    西園寺「あんたらを人質にしたら、日向おにぃも出て来るんじゃないかなぁ?」

    「…………」

    この場の全員が沈黙した。

    狛枝「……逃げよっか」

    左右田「……だな」

    ダッ!

    男子勢は一斉に走った。
  8. 8 : : 2015/03/04(水) 19:11:58
    日向「……まさか窓の下にも罠が仕掛けてあったとはな……」

    窓から降りた瞬間に爆発し、弐大と十神はもろに喰らって、弐大が盾になったおかげで日向は軽傷だったが吹き飛ばされた。

    日向「おかげで2人ともはぐれて……。1人じゃあいつらに勝てる気がしないぞ……」

    今はホテルの外だ。日向の隣にはホテルが建っていて、反対側にはロケットパンチマーケットが見える。そんな位置だ。

    日向「はぁ……」

    ズドーン!

    日向「は!?」

    小さな爆発音が聞こえた。その後に、様々な悲鳴が聞こえる。

    日向「……本気すぎるだろ!? え、これこんなサバイバルゲームだったのか!?」

    しばらく色々な音が鳴り響くと、ホテルから男子勢や女子勢が出てきた。

    その中から、1人日向に向かって走って来た人。

    日向「左右田!」

    左右田「ひ、日向! オイコラ! オメーのせいで、こっちはひでー目に……!」

    日向「これは俺のせいじゃない! どう考えてもモノクマのせいだろ!」

    日向「それよりも、なんでお前が逃げてるんだ? 傍観者じゃなかったのか?」

    左右田「あ、ああ。それがよォ……」

    日向「! まずい!」

    左右田「あ?」

    日向「女子が来た! 逃げるぞ!」

    左右田「あ! コラ! 俺を置いてくなよ!」


    【ロケットパンチマーケット】


    日向「はぁ……はぁ……」

    日向は息を潜めて隠れる。

    左右田「……行ったか?」

    日向「……まだ別の奴がいる可能性がある。静かにしていろ」

    日向(くそ……! なんで俺がこんな目に……!)

    左右田「っと、そうだ。それでさっきの話の続きだけどよォ……」

    …………

    辺古山は、どうやら女子勢に味方と思ってもらえなかったようで、早々に捕まってしまったようだ。相手が女子で、しかも多人数では対抗しづらかったんだろう。

    ホテル内に居たのは、小泉・西園寺・ソニアの3人。いずれも今は外。ホテルは無人だ。

    日向「人質か……厄介なところに目をつけたな……。これじゃあ誰も捕まっちゃだめなのか……」

    左右田「花村あたりが血迷わなけりゃいいけどな」

    日向「女子に追いかけられるって、これだけだとまるでラブコメっぽいけど、実際は全然違うよな」

    左右田「ああ。オレは一生のうちで、こんな辛い経験したくなかったぜ……」


    日向「……そろそろ声が聞こえなくなったな」

    左右田「で、どーすんだ? あのちっこいモノクマを見つけるのも大変だし、女子がいるから下手に動けねーぞ」

    日向「……他の島は封鎖されてるから、ジャバウォック公園は無視してこの島を重点的に調べよう」

    日向「問題は女子達だな……。そもそもあの武器はどこから持って来たんだ……? モノクマか……?」

    左右田「このスーパーにでもあんじゃね?」

    日向「……まあ一応調べてみるか」

    コッ

    日向「ッ!」

    静かなスーパーに、入り口から足音が響いた。

    日向(誰だ……!?)

    >>9が現れた。
  9. 9 : : 2015/03/04(水) 19:12:28
    罪木
  10. 10 : : 2015/03/04(水) 21:36:46
    罪木「日向さーん? いないんですかぁ? いなかったら返事をしてくださーい?」

    左右田「いやそれ返事出来ね……!

    左右田「あべしっ!?」

    日向(左右田のツッコミ癖が……!)

    罪木「左右田さーん? そこに居るんですねぇ? 日向さんがどこにいるか知りませんかぁ?」

    左右田「い、いや、知らねえよ? マジで! ホントホント全然知らねえ!」

    罪木「教えて下さい? 日向さんはどこにいるんですかぁ?」

    日向(お前嘘が下手すぎるだろ……!?)

    左右田「い、いやいやいや! マジで知らねえんだって! オイ、ちょっと待て! 何持ってやがンだ!? しまえよ危ねーだろ!?」

    罪木「教えてくれないと……ちょーっとだけ痛い思いしますよぉ?」

    罪木が、少しずつ左右田に近づいて行く。

    日向(今の内に……)

    日向は罪木からは見えない位置に動き、少しずつ出口に近づく。

    日向が罪木を見てみると、罪木は包丁を持って、フラフラした足取りで左右田に近づいていた。

    日向(もう少し……!)

    左右田「……ごめんなさいそこにいます」

    日向「左右田ァァアアアッ!!」

    罪木「あらぁ? こんなところにいたんですねぇ日向さん。うふふふふ」

    日向「ま……待て罪木! それ軽い傷じゃ済まない! 死ぬ! だからしまえ!」

    罪木「日向さんが抵抗しないため……仕方ないことなんですよぉ」

    日向「くっ……!」

    罪木を振り切り、店を飛び出す。

    罪木「あ! 逃がしません……! 絶対に!」

    罪木も、包丁を構えて走る。


    【第一の島】


    日向(こんなところ走ってたら、すぐに見つかる……! 隠れないと……!)

    >>11
    ・公園へ
    ・ホテルへ
    ・牧場へ
    ・このまま逃げ続ける
  11. 11 : : 2015/03/04(水) 21:48:37
    このまま逃げ続ける
  12. 12 : : 2015/03/04(水) 23:00:13
    日向(いや……冷静になれ。隠れたら袋のネズミだ。幸い、罪木はそこまで足は速くない。逃げ切れる!)

    日向(あとは出来るだけ目立たないルートを……)

    田中「む……!」

    西園寺「あー!」

    日向「田中! 西園寺!」

    田中「何故貴様がここにいる!? そして何故、あの保健委員は包丁を持って追ってきている!?」

    西園寺「チャンス! ゲロブタ! そっちちゃんと塞いどけよ!」

    罪木「うふふ……! 日向さん覚悟です……!」

    日向「挟み撃ちか!」

    田中「少々不味いな。仕方ない。我が0,1%だけ、本気を見せてくれよう……」

    田中「ハァァアア……!」

    日向「た、田中?」

    田中「混沌より生まれし闇の魔獣よ……契約に基づき、我が前にその姿を示せ……」

    田中「出でよ! 破壊神暗黒四天王!」

    田中から、4匹のハムスターが飛び出した。

    その4匹のハムスターは、同時に西園寺に飛び掛かる。

    西園寺「うわぁ!?」

    4匹のハムスターは小さい西園寺の行動を制限するのに十分だ。

    田中「ゆくぞ!」

    日向「あ、ああ!」



    日向「田中、どこに逃げるんだ?」

    田中「逃げる? この俺様が逃げるだと? ハッ! 笑わせてくれる! この制圧せし氷の覇王、田中眼蛇夢が敵前逃亡などあり得ぬ!」

    日向「え、いやだってさっき……」

    田中「これは逃亡ではなく、戦略的撤退だ! 殺さず手加減するのは骨が折れるからな。この世界の武具を調達する必要がある」

    日向「だけど、どこにあるんだよ? スーパーにもなかったぞ」

    田中「貴様の目は節穴か? 闇の武具の隠し場所……それはハッキリしているだろう」

    日向「え?」

    日向「……そうか、>>13だな」
  13. 13 : : 2015/03/05(木) 01:57:02
    牧場(の倉庫みたいな)
  14. 14 : : 2015/03/14(土) 20:47:17
    期待してまーすっ!
  15. 15 : : 2015/04/02(木) 01:04:44
    >>カノンさん 遅れましたがありがとうございまーすっ!
  16. 16 : : 2015/04/02(木) 02:08:28
    田中「ああ。この辺りで広いスペース……それもあまり人の目に入らぬところと言えば、あそこしかあるまい」

    日向「時間もそう無かったから、あまり遠くに隠したとも考えられない……か」

    田中「いざ行かん! 闇より生まれし次元の狭間へ! フハハハ!」


    【牧場】


    日向「……ッ!」

    牧場に来た途端、日向達は身を隠した。

    日向(見張りか……!)

    倉庫の前に、小泉が立っていた。

    小泉「もう、日寄子ちゃんったら。1人で行っちゃうなんてさ……。今は私達の番なのに……ブツブツ」

    田中(成る程、あの鬼共の中に螺旋が生まれているか)

    日向(すごく早くローテーションしてそうだな。ま、鬼っていうのはいいかもしれないけど)

    日向(それはそうと、小泉が邪魔で倉庫に行けないな……。二人がかりで力ずくでいけるか……?)

    田中(フン、愚かな。我らが闇より姿を表した時、その小さな鬼は必ず仲間を集めるぞ)

    日向(だよなぁ……。騒がれたら一発だよな……。あいつらに護衛を任せるからには、絶対誰かに知らせる方法を持ってるぞ……)

    田中(だが、あの場を護っているということは即ち、俺様の推測が的中しているということだな)

    日向(ああ。武器か何か、重要な物があるはずだ。見過ごせないな)

    田中(ならば我が破壊神暗黒四天王を……)

    田中(……ッッッッ!!!)

    日向(どうした?)

    田中(この田中眼蛇夢……一生の不覚……!!! 我が魔獣は、既に奴等に封印されてしまった……!!!)

    日向(……あ!! 身動きが取れるようになった西園寺に捕まってるのか!?)

    田中(奴等が力を解放すると非常にマズイ!! スマンが、俺様は行くぞ!!)

    日向(え、ちょっ……!)

    田中「うぉぉおおおお!!」

    田中は全速力で走って行った。

    小泉「……っ! 誰!?」

    日向(ヤベッ!)

    小泉がゆっくりと近づいて来る……。すぐに日向に気付くはずだ。

    日向(ヤバイけど……逆に言えばチャンスだ! 倉庫は開いてる!)

    日向(とりあえず、姿を見せずにあそこまで行くのは無理がある……。特攻か、気を逸らさせるか……! どうする……!)


    >>17
  17. 17 : : 2015/04/03(金) 01:05:12
    逸らす
  18. 18 : : 2015/04/03(金) 20:21:31
    日向(その辺に落ちてた小石を……)

    遠くに投げた。

    ガッ!

    小泉「!?」

    遠くの方で、柵に当たった。

    小泉は音がした方に向かって行く。

    日向(よし……!)

    音を立てないように、倉庫の中に入った。


    【倉庫】


    日向「うわ……」

    大きな兵器から小さな武器までよりどりみどり。

    日向「これもモノクマの仕業か……?」

    少し漁ってみた。その中で日向は、模擬刀と接着銃と、輪ゴムを見つけた。

    日向「残りは危なそうなものばかりだな……ん?」

    武器に埋もれて、スイッチがあった。

    その下に張り紙。

    『よく見つけたね! さあ押せ! それぞれの島にあるスイッチを押すと、次の島が解放されるよ! ボクは最後の島にいるから、頑張って愛しのボクを捕まえてねー! うぷぷぷぷ! さいなら!』

    日向「…………やってやる」

    日向「絶対捕まえてやる!」

    ポチッ

    日向「これでいいのか?」

    小泉「え、日向!? いつの間に!」

    日向「やばっ!」

    大声を出したせいで、小泉に気付かれてしまった。

    小泉「あ、逃がさないよ!」

    チャキッ

    小泉は日向に銃を向ける。

    日向「小泉……それ本物じゃないよな?」

    小泉「まさか。日向を殺すのが目的じゃないしね。ただの粘着弾だよ」

    日向「ああ、レストランに撃ち込まれたのと同じやつか」

    小泉「そう。で、日向は? 何を持っていこうとしたの?」

    日向「まあ色々な」

    小泉「じゃ、日向。悪いけど大人しくしてね」

    日向「そんなにモノクマの特製カレーが食いたいのか? 食い意地も程々にしろよな……」

    小泉「なっ……!」

    バババババババババ!

    日向「うわッ!!」

    粘着弾が日向の周りを飛ぶ。

    日向「お前……下手だなぁ……」

    小泉「う、うるさいなぁ!」

    日向「喰らえっ!」

    バババ!

    小泉「え……」

    小泉の両足と、銃を持ってる手に命中した。

    小泉「え、え!? 上手くない!?」

    日向「いや、実は俺が1番驚いてるんだが。まぁ運が良かったな」

    日向「じゃ、悪いな。小泉」

    日向は脱出した。


    【第一の島】


    日向「さてと……。次は第二の島だな……」

    日向「……ん」

    日向の目の前に、西園寺に追いかけられている>>19が現れた。
  19. 19 : : 2015/04/03(金) 21:27:55
    田中
  20. 20 : : 2015/04/05(日) 00:30:47
    西園寺「待てええ! ハムスター返せー!」

    田中「返せだと!? 破壊神暗黒四天王は我が契約した魔獣! 貴様に返す物など何もないわ!」

    日向「……なにやってんだ」

    西園寺「あ、そうだ! この辺には小泉おねぇが……って、あれ!? おねぇがいない!? で、なんで日向おにぃがいんの!?」

    西園寺「え、えっと……この場合どっちを追えば……」

    日向(……俺が言うのもなんだが、田中を追う意味がないよな)

    西園寺「えっと……とりあえず田中おにぃで!」

    日向(そっちかよ)

    西園寺が日向に背を向けて走る時。

    日向「喰らえっ」

    バババババ!

    粘着弾を数発撃つと、1発が西園寺の着物に当たった。

    西園寺「うわぁ! 何これ! キモッ!」

    どうやら着物は、一部がくっつくだけで動きづらくなるようだ。

    日向「田中、逃げるぞ!」

    田中「行くぞ!」

    西園寺「あ、待っ……!」

    西園寺の声を背に、二人は走る。


    【中央の島】


    田中「……なるほど、深い闇に隠されたスイッチか……」

    日向「それぞれの島にあるらしい。面倒臭いが、やるしかないな」

    日向「っと、そうだ。田中。自分の身はこれで守ってくれ。俺じゃなくても危険だからな」

    日向は田中に模擬刀を渡した。


    【第二の島】


    田中「さて……。スイッチとやらは何処にあるものか……」

    日向「とりあえず手当たり次第に見に行ってみるか?」

    田中「それは無謀というものだろう。第一の島では、この世の武具を探っていた時にその姿を表した。ならば、今回も何かの目的があると考えるのが妥当だろう」

    日向「まぁそうか。そうだな……」

    日向「そのヒントがあるとすれば……女子か……」

    田中「……だろうな」

    日向「まさかこっちから女子を探すことになるなんてな……。危険な罠でもなければいいんだが……」

    田中「例え運良く発見することが出来たとしても、だ。ヒントを持っているとは限らぬワケだが?」

    日向「それでも、ノーヒントで探し回るよりはマシだろ。行くぞ」

    田中「どのみち歩き回る事には変わらぬか……」

    日向「さてと……。女子がいそうなところか……。>>21に行ってみるか?」
  21. 21 : : 2015/04/05(日) 18:35:07
    遺跡
  22. 22 : : 2015/04/06(月) 18:04:16
    【遺跡】


    2人は、ゆっくりと遺跡を見る。そこにいたのは……

    日向(……七海とソニアか?)

    田中(……そのようだな)

    2人は遺跡の前で、うつむきながら話している。

    日向(なんでうつむいてるんだ?)

    田中(貴様、見えぬのか? あの手から溢れる邪悪なオーラ……。恐らくモノクマに手渡された機器だ)

    日向(田中……目良いな)

    日向(まあとにかく、あの2人で助かった。まともに話を聞いてくれそうだな)

    田中(そうだといいがな)

    2人はあえて、小細工無しに正面から行った。

    日向「七海、ソニア!」

    七海「……あ、日向くん! こっち来ちゃだめだよ!」

    日向「えっ?」

    危険を察知して、日向と田中はピタッと急停止。

    田中「どういうことだ? 何故我らの歩みを止めたのか、説明してもらおうか」

    ソニア「あのですね、日向さんがわたくし達の3メートル範囲内に入ると、警報が鳴る仕組みになっているのです」

    日向「は!?」

    七海「モノクマにセンサーを付けられてね。日向くんが私達に3メートル以上近づくと、警報が鳴るんだ」

    日向「すると、女子が集まってくるわけか……」

    七海「で、日向くんが引っ掛からないように2人で広い遺跡の前に居たんだよ」

    日向「なるほど。あ、そうだ。2人とも、どこかでスイッチを見なかったか? 次の島を開くのに必要なんだ」

    ソニア「スイッチですか? 見てませんね……」

    七海「私もだよ。それって大きいの? 小さいの?」

    日向「恐らく小さい。前回のは小さかった」

    七海「小さいスイッチかぁ。それなら隠す場所が沢山ありそうだけど……モノクマだからなぁ」

    日向「なにかしらゲーム性があるんだろうな……」

    田中「話を少し戻すが、そのセンサーとやらに引っ掛かった時、警報はどこから鳴る?」

    ソニア「それもセンサーのようです。自分では取り外せなくて悔しいのですが、センサーが日向さんを捉えると、警報が鳴り響いて、自然に日向さん争奪戦が起こる仕掛けのようですね」

    日向「…………」

    日向「……思ったんだが、2人がさっさと俺を捕まえてくれれば、これ終わるんじゃないか?」

    七海「あ」
    ソニア「あ」

    同時に言った。

    七海「そうだね。じゃあソニアさん、いっせーのーせで日向くんに飛び掛かろっか」

    ソニア「了解です!」

    日向「いや待て、了解するな。俺は抵抗しないから。普通に身動き取れなくしてくれればいいだろ」

    七海「そう? じゃあそれでいいか」

    2人が近づく。

    ビーッ! ビーッ! ビーッ! ビーッ!

    田中「クッ……! 耳を貫くような不快な音だ……!」

    しかも2人分。大きさは2倍だ。

    2人は日向の後ろに周り、紐を取りだして軽く縛った。

    日向「ほら、捕まったぞモノクマ!」

    終里「日向みっけ!」

    澪田「逃がさないっすよー!」

    2人が駆けつけてきた。

    日向「うわっ! お前ら、終わったから! 終わったって! 俺捕まったから!」

    モノクマ「残念でした!」

    日向「モノクマ!」

    モノクマが現れた。

    モノクマ「日向クンはまだ動けるっしょ? まだ抵抗出来るっしょ? これじゃあゲームが終わったとはいえませんなあ!」

    日向「なっ……!」

    モノクマ「ぶひゃひゃひゃ! そういうわけなんで、さいなら!」

    モノクマが去った。

    日向「くっ……!」

    七海「今解くね……!」

    日向「いや……そんな時間はない!」

    澪田と終里は既に3メートル圏内だ。ブザーが鳴りまくっている。

    日向「うるさいっ……!」

    終里「喰らええ! カレー!!」

    日向「俺カレーじゃな……うわっ!」

    終里の跳び蹴りを避ける。

    澪田「大人しくするっすー!」

    澪田がプラスチックバットを振り上げ、日向の頭目がけて振る。

    日向「……ッ!」

    ガッ!

    日向「……サ、サンキュー……田中」

    田中が模擬刀で日向を守った。

    田中「この借りは、いずれ返してもらおうか!」

    日向「あ、ああ! いつかな!」

    手を縛られたまま、日向は走り出す。

    澪田をなんとか追い返し、田中も後を追う。

    七海とソニアは、澪田と終里の足止めだ。

    日向「長くは持たないだろうな……! ……ん?」

    ダイナーの看板が、ライトのように輝いていた。

    田中「警報が鳴ったことを遠くに知らせるためか……! だがこれは好都合! そこにスイッチがある確率が高い!」

    日向「そうだな! よし、まず>>23に行こう!」
  23. 23 : : 2015/04/06(月) 21:40:45
  24. 24 : : 2015/04/11(土) 20:03:30
    【チャンドラービーチ】


    田中「ここから先を泳ぎ、一旦逃げ切るという手立てだな?」

    日向「ああ、そういうことだ!」

    田中「だが、普段着のままで泳ぐとなると、それほどスピードは出ぬであろうな」

    日向「それなんだよな……。終里とか普通に速そうだし……」

    辺古山「ん? その声は……日向と田中か?」

    日向「え?」

    ザバァッ

    海の方から、辺古山が現れた。

    日向「辺古山? お前、何してんだ?」

    辺古山「折角第二の島が解放されたのだからな。向こうまで泳いで行ってみたが……いくら泳いでもどこにも着かなかった。仕方なく戻って来たところだ」

    辺古山「それで。今警報が鳴っていたようだが、捕まりそうになっていたのか?」

    日向「ああ、そうだ。それで一旦隠れてるところなんだが……」

    辺古山「なるほど。海に逃げようと思ったわけだな? 恐らく無理だろう」

    日向「確かに、俺じゃあな……。辺古山、お願いできるか?」

    辺古山「ああ。出来る限りの強力はしよう」


    澪田「こっちから創ちゃんの声がしたっす!」

    終里「オレもこっちから日向の気配がしたぜ!」

    日向(何だこの2人こええ!)

    終里と澪田が現れた。

    澪田「あ! あれじゃないっすか!? 今マッハで泳いでるっす!」

    終里「ん? そうなのか? まあいいや! カレーの為だ! 覚悟しろ日向ぁ!」

    2人は海に飛び込んだ。

    田中「……フッ。まんまと我が幻術にかかったな!」

    日向「いやお前じゃないだろ……。さ、辺古山が時間稼ぎしてる間にいくぞ」

    マッハで泳いでいる辺古山を囮に、2人はダイナーへ向かった。


    【ダイナー】


    日向「……ッ!」

    田中「くっ……! 既に結界が張られていたか……!」

    ダイナーの前には、罪木・小泉・西園寺がいた。

    日向「俺達がここに来ると分かっていたみたいだな……」

    田中「妥当な判断ではあるな。俺達が来る場所といえば、ここしかない」

    日向「……仕方ない。>>25を呼ぼう。きっと助けてくれる」
  25. 25 : : 2015/04/11(土) 20:17:59
    十神
  26. 26 : : 2015/04/12(日) 18:40:51
    日向「……てわけだ」

    十神「なるほど。ただあいつらをどかせばいいわけだな?」

    日向「ああ。頼むぞ」

    十神「ああ、任せておけ」

    十神はダイナーへ向かった。


    十神「貴様ら。そこをどいてもらおうか?」

    小泉「あ、十神!」

    西園寺「捕まえろー!」

    西園寺と罪木が飛び掛かる。

    十神「フン、遅いな」

    それをギリギリでかわし、小泉の前に来た。

    西園寺「おねぇ!」

    小泉「任せて!」

    至近距離にいる十神を掴もうと、手を伸ばすが……

    スカッ

    小泉「あれっ?」

    それもまたギリギリで避ける。

    西園寺「ああーもう!」

    西園寺、罪木、小泉の捕獲行動を、次々と避けていく。

    十神「フッ。どいつもこいつも痩せている割に遅いな」

    小泉「痩せてる……? ってそうじゃなくて! なんで毎回ギリギリでかわすかなぁ!」

    西園寺「もうちょっとで……捕まえられそうなのに……!」

    粘着銃を使うまでもない近距離に行き、ギリギリでかわす事で3人を追わせ、徐々にダイナーから離れていく。

    日向「よし……いくぞ」

    田中「フッ……。十神か。あの身体能力……いつか我が破壊神暗黒四天王と手合わせ願いたいところだな」


    ダイナー前


    日向「さて……スイッチは……」

    看板に付いていたコードを辿ると、第一の島と同じスイッチを見つけた。

    日向「よし、これだな」

    ポチ

    日向「行くぞ、田中」

    田中「ああ。さっさとこの闇の遊戯を終わらせに行かねばな」


    第三の島


    左右田「よ、よォ。お2人さん」

    日向「あれ、左右田か? 早いな」

    田中「生きていたか」

    左右田「まぁ……な。なんとか……」

    日向「なあ左右田。この辺りで女子を見かけなかったか?」

    左右田「は? なんでオメーが女子を探してンだよ? 普通逆だろ?」

    日向「ま、色々と事情があるんだよ」

    左右田「……ま、まぁ別にいいけどよ。見てねーよ。全然。全く。本当に」

    日向「そ、そうか……」

    左右田「……あ、そうだ田中ァ! ほらこれやるよ! あっちでそのハムスターにエサやってこい!」

    【ひまわりの種】

    田中「これは……!」

    田中「フッ……。貴様にしては珍しく気が利くではないか。だが、ハムスターではない! 破壊神暗黒四天王だ!」

    左右田「そうかそうか、破壊神暗黒四天王に早くエサやってこいって」

    田中「むっ……? フン、まあ良い。では特異点よ、サラバだ!」

    日向「え、田中!?」

    田中は離脱した。

    左右田「よっしゃ、行くぞ日向!」

    左右田は日向の手を引っ張る。

    日向「うわっ! ちょ、ちょっと待て! 行くってどこに!?」

    左右田「え? あ、あぁ〜っと……行き当たりばったりだ!」

    日向「お前……!」

    日向(こいつ……明らかに何か隠してるな……。危険な感じしかしない……!)

    日向(どうする……。情報を引き出すか……素直に逃げようか……?)


    >>27
  27. 27 : : 2015/04/18(土) 17:41:22
    素直に逃げる
  28. 28 : : 2015/04/19(日) 17:43:04
    日向「あっ! ソニア!」

    左右田「え、マジか!? どこだどこだ!?」

    左右田の手が緩んだ。

    日向(隙あり!)

    バッ!

    左右田の手をふりほどき、日向は走る。

    左右田「あ! しまった! 日向ァ!」

    左右田「あー……ったく、なんて言い訳すりゃいいんだよォ……。だから無理っつったのに……」


    日向「はぁ……はぁ……」

    左右田が見えなくなった辺りで立ち止まる。

    日向「1人になったな……これじゃ危険だぞ……」

    日向「田中ー? いないのかー?」

    呼びかけてみるが、やはり返事はなし。

    日向「はぁ……」

    あてもなく歩き続ける。……すると

    西園寺「あ、日向おにぃ!」

    日向「やべっ、西園寺か!」

    前から西園寺が現れた。すかさず逃げようとすると……

    西園寺「日向おにぃ、ストップ! 田中おにぃがどうなってもいいの!?」

    日向「は!?」

    西園寺の近くの小泉が、縛られている田中を連れてきた。

    小泉「はぁ……。日寄子ちゃん、重いんだから少しは手伝ってよ……」

    日向「田中!?」

    西園寺「熱心にハムスターにエサやってたからさ、そろーりと近づいたらあっさり捕まってくれたよー」

    田中「……不覚……」

    西園寺「日向おにぃが捕まってくれないとさ、田中おにぃに何が起こるか分からないよ?」

    人を脅す顔をして、包丁を取りだした。マジだ。

    日向「お、おい西園寺! まさか……やる気か!?」

    西園寺「さあねー? 日向おにぃ次第だよー?」

    日向「くっ……!」

    田中「特異点よ……。貴様に心配などされる筋合い無いわ! さっさと逃げろ!」

    日向「そんなこと出来るか!」

    日向は粘着銃を構える。

    日向「…………」

    西園寺「…………」

    日向(……この状況で粘着銃って意味無くないか?)

    西園寺があの場から動かなくても、包丁は余裕で田中まで届く。最悪投げればいい。

    日向(くそ……! どうすれば……!?)

    ペシャッ

    日向「ッ!」

    日向の足から少し外れたところに、粘着弾がくっついた。

    小泉「あ、外しちゃったかー」

    西園寺「小泉おねぇ、頑張って!」

    日向「く……!」

    ペシャ! ペシャ!

    日向の周りに粘着弾が当たる。

    日向(迂闊に動くわけにはいかない……。相手は西園寺だ……。何するか分からない……)

    西園寺「潔く捕まれー!」

    ペシャ!

    日向「うわ!?」

    偶然か、粘着銃の銃口に粘着弾が命中した。

    日向(まずい……これじゃあ使えない……!)

    小泉「追い詰めた!」

    日向「……!?」

    日向の周りは粘着弾だらけで、一歩進めば靴が粘着してしまう。

    日向「これを狙ってたのか……!」

    小泉「え……? いや……ただ単にミスしただけ……あ、うん! そうだよ、これを狙ってたんだよ!」

    日向(ただのミスかよ……)

    とはいえまずい状況だ。相手が動かないことが確定してしまった。

    小泉「今度こそ……当たれ……!」

    小泉が日向に狙いを定める。

    日向「……!」

    その時日向は、小泉の後ろに人影が見えた。

    日向「>>29!」
  29. 29 : : 2015/04/19(日) 19:25:06
    狛枝
  30. 30 : : 2015/04/21(火) 21:44:42
    小泉「えっ……!?」

    狛枝「ここで見ててあげるからさ、頑張ってね、日向クン」

    日向「いや頑張ってね、じゃないだろ!? 助けてくれないのか!?」

    狛枝「うーん、出来れば自分の力で乗り越えて欲しいんだけどなぁ……。まあいいや。こんな遊び、絶望なんて感じないだろうしね」

    パン!

    大きな音が響き、小泉の足元に小さな穴が空いた。

    狛枝「ラスボス戦までなら、導いてあげるよ。どうせ最後はあれだろうしね」

    日向「っていうか狛枝!? お前……それ本物の銃じゃないよな!?」

    狛枝は粘着銃のようなおもちゃとは違う、重々しい銃を構えていた。

    狛枝「うーん、どうかなぁ。例え本物じゃなくても、そこそこの威力はありそうなんだけど」

    小泉「ちょっ……!? なんて危ないもの持ってるのよ!?」

    狛枝「あれ? 小泉さんはまだ手に入れてないみたいだね? この島に隠してあったよ? どうやら今回は、アイテムのパワーアップみたいだね」

    日向「っ! それ、どこにあったんだ!?」

    狛枝「病院の二階の事務室だよ。色々あったから、自分にあった装備を探してきたらどうかな?」

    日向「装備はいらないけどな……! サンキュー、狛枝!」

    日向は逃げた。

    小泉「あっ……!」

    西園寺「日向おにぃ! 田中おにぃがどうなっても……!」

    パン!

    西園寺「ひっ!?」

    西園寺の目の前を、弾丸が通り過ぎた。

    狛枝「あのさあ西園寺さん。もっと本気で日向クンを追い詰めてくれないかな? 脅してるだけだと、勝てないよ? いっそ罪木さんが大量発生すればいいのにな……」

    西園寺「な……なに言ってんの……気持ち悪い……!」

    狛枝「ああごめんごめん。そう言う意味じゃないんだけどさ。でも、君は本気で田中クンを傷つけるつもりはなかったよね?」

    西園寺「う……!」

    狛枝「日向クンの才能はまだ未知数だからね、これを機に開花してくれたら嬉しいな……! そのためにも、君たちには頑張って貰わないとね」

    小泉「あんた……どっちの味方なわけ?」

    狛枝「そんなのどっちでもいいよ。ほら、男子勢の立ち位置は自由でしょ?」

    小泉「…………」

    狛枝「ここで運悪く誰かと遭遇しなければ、日向クンは第三の島もあっという間にクリアだ。この調子だと、日向クンを捕まえることは不可能だよ?」

    西園寺「…………」


    【病院】


    日向「はぁ……はぁ……」

    日向は走って病院に入り、ホールの先のドアを開けようとした……。その時。

    「うふふふふ……!」

    日向「……ッ!」

    微かに、病室前の廊下から高い声が聞こえた。日向はドアを開けず、声を聞くことにした。


    罪木「あぁ、病院の薬品のにおいっていいですねぇ……! おまけに素敵な物も拾っちゃって……! これで……日向さんを一生看病されないと生きていけない体に……!」

    罪木「うふふふふ……!」


    日向「…………」

    日向(全力で行きたくない)

    日向(でも相手は1人だ……。これならゴリ押し出来るかもしれないが……センサーブザーもまだあるだろうし……武器も分からない状況だしな……)

    >>31
    ・特攻
    ・作戦を練る
  31. 31 : : 2015/04/22(水) 18:59:28
    作戦を練る
  32. 32 : : 2015/05/05(火) 01:49:39
    日向(いくら何でも特攻は危険だな……。少し作戦を練るか……)

    日向(目的地までは一方通行……。窓が開いてるかは分からないけど……どうせ二階だし、窓から行くのは難しいな……)

    日向(となると……やっぱ罪木の動きを止めるのがいいか……? いや、それだとダメだ……。近くを通るとブザーが鳴り響く可能性がある……)

    日向(罪木を外に誘い出すか……。俺自身がエサになることで外まで誘導し……そして動きを止めて、一気に事務室まで行く……。よし、これならいけそうだ……!)

    日向(あとは罪木の武器が飛び道具じゃないことを祈るだけだ……!)

    日向「……よし、行くぞ……!」

    バン!

    終里「あっ! ここにいたのか日向!」

    日向「……ッ!」

    突如入り口が開かれ、終里が現れた。

    罪木「日向さん……? そこにいるんですかぁ!?」

    バン!

    日向「ヤッベ……!!」

    終里の大声を聞きつけ、罪木も廊下から現れた。

    終里「へへ……! 覚悟しろよな日向ぁ……!」

    罪木「えへへぇ……! 大丈夫ですよぉ……! ちょっとだけ痛いだけですからねぇ……! 怖くないですよぉ……!」

    日向(最悪だ……! 最悪の2人だ……! この狭い部屋にこの2人が……!)

    粘着弾の残弾も多いわけじゃない。ここをなんとか突破して、武器を手に入れる必要がある。

    日向は壁に追い詰められた。2人はじりじりと近づいて来る。

    日向(じりじりとだけど……今すぐにでも飛び掛かってきそうで怖い……!)

    日向「…………」

    日向「くっ……!」

    ババババ!

    日向が撃った粘着弾は、終里の足元に当たった。

    終里「当たるかぁ!」

    それを合図のように、終里は日向に飛び掛かった!

    日向「くっ……!」

    粘着弾を撃ったことで終里を刺激して、飛び掛からせた。日向は終里の行動を読んで、終里の下を低いスライディングで抜ける!

    終里「なっ……!」

    あまりに低いために体勢を整えるのに一瞬時間がかかるハズだったが、さっき撃った粘着弾に日向の足がくっつき、それを支点にスムーズに起き上がり、病院の廊下に向かう!

    罪木「させませぇん!」

    バシュン!

    罪木が何かを撃った!

    日向「ッ!」

    日向の頭に何か固い物が直撃!

    一瞬目の前がぐらついたが、それでも廊下に入って扉を閉め、粘着弾で開かないように塞いだ。

    日向「はぁ……はぁ……」

    日向「……セーフ……か」

    頭が痛むが、日向は二階へ歩いて行った。


    終里「くっそー……! オレのカレーが……!」

    終里「ん、なんだこれ? こけしか?」

    日向に当たった何かは、少し大きなこけしだった。

    罪木「うゆぅ……。咄嗟だったので、こけし銃しか出せませんでしたぁ……。こっちの銃で、日向さんの足を撃ち抜いてしまえばよかったのに……」

    罪木は、狛枝が使ったものと同じような銃取りだした。

    終里「なんだそれ、本物か?」

    罪木「こんな私でも扱える程度なので……本物に限りなく近い別の物だと……思いますけど、どうなんでしょうねぇ? 専門外なのでよく分からないですよぉ」

    罪木「でも……足を貫くのに威力が強すぎても困りませんから……! ふふふふ……!」


    【事務室】


    日向「ここか……!」

    事務室は、一見何も変わらない。が、少しよく見てみると、色々な武器が見つかった。おもちゃのようなものが少なく、本格的な武器が多い。

    日向「これは……手榴弾……? こっちは銃に……模擬刀……だよな? 本物じゃないよな? 重さとか大きさとか妙にリアルなんだが……」

    試しに抜こうとしてみると、ちゃんと抜けて、光る刀身が見えた。

    日向「うわっ……本物だぞこれ……。危なすぎるだろ……」

    日向「さて……。スイッチを探すがてら、持っていく物も決めておくか……」


    >>33
    ・おもちゃ3つ
    ・おもちゃと武器を1つずつ
    ・武器2つ
  33. 33 : : 2015/05/05(火) 21:29:11
    おもちゃ3つ
  34. 34 : : 2015/05/06(水) 14:46:57
    日向(武器は危ないし……何より持ちにくそうなのが多いから、手頃なおもちゃを持っていくか……)

    強力粘着銃、マジックセット、警棒を手に入れた。

    日向(……これも十分危ない物だよな。ま、刀とかハンマーとかよりはコンパクトでいいか)

    マジで重火器とか大きな刃物とかもあるから、マシな方だ。

    日向「さて、スイッチは……これか」

    武器の山に埋もれていた。最初の島とほぼ同じシチュエーションだ。

    日向「さて……どうやって出るか……」

    普通に下りれば、終里と罪木が盛大に歓迎してくれるだろう。というか、もうすぐここに来てサプライズ大歓迎をしてくれるだろう。

    日向「やっぱ窓から下りるしかないか……」

    日向「…………」


    【第三の島】


    日向「……っと」

    事務室内に縛り付けておいた、頑丈で長いロープを伝って窓から外に出る。

    日向「よし、脱出成功」

    事務室は、旧粘着銃の残り少ない残弾全て使ってドアを固定した。破壊した方が早いレベルに。時間稼ぎと武器の封印の両方の役割を果たしてくれる。

    日向(……ま、終里に破壊されるかもしれないけどな)

    ロープの方は、地上からじゃギリギリ届かない程度のところで切っておいた。窓からの脱出は出来ても、侵入は難しくなっている。

    日向(……そこまで意味は無かったかもしれないな)

    日向は第四の島を目指す。


    【第四の島】


    日向「なんだ……今度は遊園地か……?」

    厄介だ。

    スイッチがアトラクション内にあるとすれば、出口に待ち伏せされたら終わる。遊園地のアトラクションは基本一方通行だ。

    日向「……ま、やっぱり女子探しから始まるわけだな……。前回は狛枝だったが……あいつ女子かよ」

    日向(そういえば、病院でブザーが鳴らなかったな……。あれは解除されたのか……?)

    終里の下を潜り抜けた時、明らかにブザー圏内のはずだった。

    日向(それならそれで有り難いけど……やっぱり不用意に近づくべきじゃないよな……)

    日向が考え事をしながら歩いていると。

    日向「……ん」

    少し遠くで、>>35>>36が走っている姿を見つけた。
  35. 35 : : 2015/05/07(木) 01:54:53
    七海
  36. 36 : : 2015/05/08(金) 14:18:47
    狛枝
  37. 37 : : 2015/05/09(土) 01:49:25
    日向「……七海? 狛枝? あいつらなにやってんだ?」

    どちらかが追いかけられているということでもなく、2人並んで走って来た。

    七海「あっ……日向くん……!」

    日向の前に着くなり、2人は息を整えつつ言った。

    狛枝「アハッ。見苦しくてごめんね……! 実はさ、ちょっと急いで日向クンに伝えたい事があってね……」

    日向「俺に? 何だ?」

    狛枝「うん。新しい島に行く度に、女子のみんなは新しい装備を手に入れるよね? それが今回、ちょっと厄介なんだ」

    七海「これなんだけど……」

    七海が取りだした物は、トランシーバーのようなものだった。

    日向「……まさか」

    狛枝「そう。女子のみんなはこれですぐに連絡を取り合う事が出来るんだよ。つまり、1人に見つかった時点で即アウト」

    七海「連携プレイが可能になっちゃったから、今回はかなりきつい……と思うよ」

    日向「…………」

    狛枝「まあちょっとは安心しても大丈夫だよ。こっちだって無策で来てるわけじゃないしね」

    日向「え?」

    狛枝は、古い携帯電話のような物を取りだした。

    狛枝「はい。むしろこれを渡すために来たようなもんだしね」

    日向「なんだこれ……携帯か?」

    狛枝「うん、どこからどう見ても携帯だね。早速使ってみてよ。既に電源が入ってるから、何か言ってみて」

    日向は携帯を耳に押しつけ、とりあえず言った。

    日向「あー」

    左右田『お、日向。聞こえるか?』

    日向「うわっ! 左右田……?」

    予想外の声が聞こえてびっくりした。

    十神『ほう、意外と使えるな』

    九頭龍『中々良い仕事すんじゃねーか。左右田』

    日向「お前ら……今どこにいるんだ?」

    左右田『あー、モノミの部屋だ。良い感じの通信機器がさっきの島にあったから、こっちの島に持ってきたんだよ』

    日向「モノミの部屋……?」

    モノミ『やっほー日向くん! あちしでちゅ!』

    日向「みんなまとめてそこにいるのか?」

    十神『ああ。居ないのは貴様と狛枝だけだ。どうやら狛枝は仕事を果たした用だな』

    左右田『さて日向。これから作戦をオメーに話すぞ? いいか?』

    日向「ああ」

    左右田『まず、ここが司令塔になる。基本的にオレらはここにいるから、日向は女子に見つからないように移動しろ』

    十神『司令塔とは言っても、ここには女子の動きを感知するモニターなども無い。俺達はただ作戦を伝えるだけだ』

    左右田『通信機も予備は持ってきてねえからな。本当は1人1台持って歩き回りゃ良かったんだが』

    九頭龍『どうせ安心してんだろ?』

    左右田『と、とにかくだ。日向。何も無いよりマシだろ? 勿論オレらも交代で見回りくらいはするからよォ。直接協力は厳しいが、何かあれば連絡してくれ。あと、着信音で気付かれるとマズい。通話は切るな。それでいいか?』

    日向「ああ。何も無いよりはるかにマシだ」

    十神『よし。早速だが、お前は今何処にいる?』

    日向「ん? えっと……>>38だ」


    ・ネズミー城
    ・ジェットコースター
    ・ドッキリハウス
    ・お化け屋敷
    ・入り口
  38. 38 : : 2015/05/09(土) 16:42:31
    ドッキリハウス
  39. 39 : : 2015/05/11(月) 23:35:49
    十神『ドッキリハウスか……。たしか、モノクマの機関車があったところだな?』

    九頭龍『ハウスっつーからには、建物があんだろ。スイッチがある確率が高いんじゃねーのか?』

    日向「まあ確かにスイッチがある確率は低くはないだろうけど……入り方が分からないな……」

    狛枝「そういえば日向クン。スイッチの場所って、毎回女子のみんなと何かしら関係があったんだよね?」

    日向「え? ああ」

    狛枝「今回は通信……。つまり、高い所にある可能性が高いんじゃないかな?」

    日向「高い所か……」

    九頭龍『あ? 高い所?』

    左右田『高い所っつったら……ネズミー城とかジェットコースターか?』

    七海「このドッキリハウスに至っては、高いのか低いのかすら分からないよね」

    日向「……ま、とりあえず入ってみるか。後のことは後で考えよう」

    狛枝「そうだね。まずは行動に移そうか。こんな茶番、とっとと終わらせないとね」

    日向「しっかし……これどうやって入るんだ?」

    狛枝「こんな時は……」

    狛枝「おーい、モノクマー!」

    モノクマ「呼ばれて飛び出てモノサイダー! なんちて!」

    ……モノクマが現れた。

    ……高い建物の上に。

    狛枝「あのさ、ドッキリハウスってどうやって入ればいいのかなー!?」

    距離的な問題で、大声で話さないと届かない。

    モノクマ「ドッキリハウスは、生徒全員が機関車に乗ることで中に入る事が出来るよー!」

    狛枝「つまり、今は入れないんだねー!?」

    モノクマ「その通りなのですー! うぷぷぷー! ではバイナラ!」

    モノクマは去って行った。

    狛枝「……てことみたいだよ?」

    日向「ああ。とりあえずここは後回しにするか」

    澪田「凪斗ちゃん見ーっけ! お!? 創ちゃんもいるじゃないっすかー! 澪田、超ラッキーす!」

    日向「ッ! 澪田!」

    狛枝の大声を聞きつけ、澪田が現れた!

    狛枝「いい聴力を持ってるんだね……!」

    日向「あんな大声出したら、誰でも分かるだろ! 逃げるぞ!」

    澪田「あ、もしもしこちら澪田唯吹! 創ちゃんをロックオンしたっす! え、場所? んーっと……なんか大きな汽車があるっすよ!」

    七海「これは……詰んだかな? 仲間を呼んでるよ?」

    狛枝「上手く伝わってるのかは分からないけどね」

    日向「とりあえず……狛枝。これを使え」

    日向は狛枝に粘着銃を渡した。

    狛枝「え? いいの?」

    日向「ああ。俺は警棒と……マジックセットでなんとかする」

    七海「…………」

    七海「ネタ武器?」

    日向「違う」


    終里「あ、いたぞ! 日向だ! 今オレの目の前にいる! 場所? だからオレの目の前だって!」

    狛枝「どうやらあのトランシーバー、あんまり上手く機能してないみたいだね」

    狛枝はトランシーバーに怒鳴っている終里の足に狙いを付け、粘着銃で固定した。

    日向「ああ。少し身を隠せばやり過ごせるかもしれないな。>>40に行こう」
  40. 40 : : 2015/05/11(月) 23:57:39
    ネズミー城
  41. 41 : : 2015/05/12(火) 23:48:35
    【ネズミー城】


    ガチャガチャ

    日向「あれ?」

    七海「どうしたの?」

    日向「いや……扉が開かないんだ。鍵がかかってるようだ」

    狛枝「うーん……今回の島は、行けないところも多いみたいだね」

    七海「しょうがない。別の所探そうか。いつまでもここに居たら、見つかっちゃうよ」

    日向「ああ……」

    3人は城を後にする。

    日向「……ん? ちょっと待ってくれ」

    日向は立ち止まって、道具を漁る。

    狛枝「何してるの?」

    日向「このマジックセットで……よし」

    カチャカチャ……

    カチャリ

    日向「開いたぞ」

    狛枝「へえ? 君にピッキングの才能があったの?」

    日向「ああ。俺は超高校級の鍵開け師だからな」

    七海「マジックセットってすごいね?」

    狛枝「タネも仕掛けもありません……って?」

    日向「ああ。タネも仕掛けも無い」

    マジックセットにあったのは、ネズミー城のカギだ。

    日向は扉に手を掛けて、開く。

    西園寺「あ!」

    小泉「いた!」

    日向「っ!」

    城に入るところを2人に見られた!

    西園寺「待てええ!」

    小泉「もしもし!? アタシだけど! 日向を発見したよ! ネズミー城に入っていった!」

    小泉「……あれ? この声……」


    西園寺「待てええ!」

    西園寺は、動きにくい靴で走って3人を追う。

    日向「…………」

    狛枝「日向クン、おかしいと思うよね?」

    日向「ああ……まあな」

    七海「どうかしたの?」

    日向「西園寺は粘着銃を持ってるハズなんだ。残弾が無くなったとしても、前の島に武器が山ほどあった……」

    狛枝「可能性としては、残弾が無くなって、かつ前の島で武器が手に入れられない状況になった」

    日向「…………」

    日向(……ああ、俺のせいか……)

    狛枝「あとは、精神的に使えない……そんなところかな?」

    日向「どういうことだ?」

    狛枝「例えば、あまりに強力な武器。ミサイルだとか、そういうものは日向クンに対しては使えない。日向クンを殺す事が目的じゃないからね」

    日向「ああ、なるほどな」

    狛枝「そうでなくても、あとは彼女の武器が刃物だったとして、怖くて使えないとかね。まあこの場合だとリーチ的に無理だけど」

    日向「…………」

    日向「……狛枝」

    狛枝「ん?」

    日向「お前……何かしたか?」

    狛枝「え? 何のことかな?」

    日向「西園寺に異変があったとすれば、お前に原因がありそうなものだろ。前の島で、西園寺達に何かした……てわけじゃないのか?」

    狛枝「っははは、察しがいいね。うん、何かしたって程でもないけど、ちょっと説教しただけだよ」

    七海「説教……?」

    狛枝「おーい! 西園寺さん、このままだと日向クンを捕まえる事は絶対に出来ないよー!」

    西園寺「……ッ」

    日向「狛枝! 何してるんだよ!」

    ダン!

    日向「っ!」

    突然日向の目の前を何かが通り過ぎ、壁に当たった。粘着弾だ。

    日向「……おい、狛枝」

    狛枝「うーん、やっぱり粘着銃かぁ。まだ日向クンを捕まえる気が足りないのかな……」

    日向「おい、狛枝! さっきから何してるんだよお前!」

    七海「狛枝くん……君はどっちの味方なの?」

    狛枝「ボクは勿論希望の……

    ダン! ダダダダダダダ!!

    狛枝「…………」

    日向「…………」

    狛枝に粘着弾が命中しまくり、あっという間に狛枝は身動きが取れなくなった。

    狛枝「はは、結構粘着力あるんだね、コレ」

    日向「何してるんだお前!? やけにあっさり捕まったな!?」

    西園寺「ハァ……ハァ……。日向おにぃ。逃げたら狛枝おにぃがどうなるか……分かってるよね……?」

    日向「あ……ああ。分かってるけど……」

    狛枝「分かってると思うけど、別にボクの事は気にしなくていいんだよ、日向クン。君まで捕まる必要はないんだから。最終ステージまで、頑張ってね」

    日向「…………」


    >>42
    狛枝を助ける
    狛枝を助けない
  42. 42 : : 2015/05/13(水) 10:49:56
    助ける
  43. 43 : : 2015/05/15(金) 00:44:01
    日向「……ったく、本当にお前は……!」

    日向が狛枝に近づく。

    七海「日向くん……」

    狛枝「…………」

    日向「狛枝、粘着銃借りるぞ」

    日向は、無理矢理狛枝から粘着銃を奪い返した。

    そしてそのまま西園寺の所まで歩いて行く。

    西園寺「な、何……? 投降したつもりなら、その銃捨ててよ……日向おにぃ……!」

    日向は全く反応せず、歩き続ける。

    西園寺「こ……来ないでってばぁ!」

    ダダダダダダダ!

    粘着銃を乱射し、いくつか日向に命中した。

    それすらもお構いなしに、日向は軽々と粘着弾を引きはがし、西園寺に近距離で狙いを定め、的確に動きを止めた。

    西園寺「……っ」

    そして西園寺は何も出来なくなった。

    狛枝「わあ。おみごとだね、日向クン」

    日向「こんなことで弾の無駄遣いはしたくないだろ、ったく。狛枝、もうあんな簡単に捕まるなよ」

    狛枝「いやあ、油断しちゃってね。ま、君の動きも見てみたい気持ちもあったけどね。それよりも、さっきの特攻はどうやったの?」

    日向「ああ、マジックセットに丁度よさそうなのがあったからな。自分に薄い膜を張って、ついた汚れを一瞬で消すってやつらしい」

    七海「へえ、マジックセットって万能なんだね」


    狛枝を無理矢理引きはがし、城の中をなるべく上に行くようにして進んでいく。

    狛枝「いやあ、まだヒリヒリするよ」

    日向「当たり前だろ。それくらい我慢しろよな」

    リリリリリリ

    日向「ん?」

    突然、高い音が響いた。

    七海「あ、トランシーバーの個別通信だ。もしもし?」

    七海「……今? ネズミー城の中だよ。うん、日向くんも一緒」

    七海「一応上を目指してるから、来てみればいいんじゃないかな? うん、またね」



    日向「なんだ?」

    七海「ソニアさんから。こっちに向かってるみたいだよ」

    狛枝「なるほど、ソニアさんは味方みたいだね?」

    日向「まあ、一度助けてもらったしな。俺からは何もしてないし何も出来ないけど」

    ソニア「ごきげんよう」

    日向「!?」
    七海「!?」
    狛枝「!?」

    いつの間にか、3人の後ろにソニアがいた。

    日向「ソ……ソニア……? 早いな……。さっきまでどこにいたんだ?」

    ソニア「すぐそこですよ。退屈でしたので、みなさんに出会えて良かったです」

    ソニア「ここは……ネズミー城の4階のようですね?」

    日向「ああ。最上階は何階なんだろうな……」

    七海「きっともうすぐだよ。さ、行こう」

    ソニアの登場で足を止めていた3人は、再び歩き出す。

    ……そして。

    罪木「日向さん……見つけましたよぉ……!」

    ……罪木に出会った。

    日向「罪木……!?」

    七海「……ラスボス感がすごいね」

    狛枝「……へぇ」

    罪木「なんで逃げるんですかぁ……? そんなに私の事が嫌いなんですかぁ……? 私がずっとずっと追いかけてるのに……どうして捕まってくれないんですかぁ? 大人しく捕まってくれていいじゃないですかぁ?」

    罪木はゆらゆら揺れながら銃を日向に向け、構えて歩いている。

    日向「あ、あのな。もう少し穏やかにいかないか……? お前の目的は、俺を殺す事じゃないだろ?」

    罪木「日向さんが全治一生の怪我をしてくれればいいんですよお。そして、私は一生全力であなたを看病するんですからねえ」

    日向「無茶苦茶にも程があるだろ……!?」

    七海「罪木さん、人にやられて嫌な事はしないようにしよう?」

    罪木「なら……やったらどうなるんですか? その人は報いを受けるんですか? やられた人に救いがあるんですか? 少しでも? なら私は何だったんですか?」

    罪木「あの人達はこんなことをされて嫌な気分にならない人だったんですか? あの人達にはやる権利があったんですか? でも私にはないんですか? 日向さんに迷惑なんですか?」

    日向「つ……罪木! 一旦落ち着けよ! そんな不安定な状態で銃なんか持ったら、本当に危ないだろ!?」

    罪木「わ……私は私は日向さんを一生看病しながら生きて行くんですよお……。そして、日向さんと一緒に過ごして、日向さんと一緒に死ぬんです……。他の人のところに行かないように私の日向さん……」

    日向(くっ……。罪木が道を塞いでる……! この道は一方通行……。突っ切るか戻るか……!)


    >>44
    突っ切る
    戻る
  44. 44 : : 2015/05/15(金) 10:10:27
    突っ切る


  45. 45 : : 2015/05/15(金) 22:25:08
    ソニア「この一方通行の廊下……。突っ切るのは難しそうですね……」

    日向「…………」

    七海「日向くん、ここは一旦戻って……」

    日向「いや……」

    日向は構えて走り出す。

    日向「突っ切る!」

    七海「えっ!?」

    ソニア「!?」

    狛枝「…………」

    罪木「……ッ!」

    ダン! ダダン!

    日向に向かって銃を撃つが、走っている日向の後を追うように着弾していく。

    日向「今度はこっちの番だ……!」

    日向は、走りつつ粘着銃を装備。そして動揺している罪木の横に滑り込みながら、粘着銃を連射する。

    ズダダダダ!

    罪木「ッ! ……ひゃぷっ!?」

    威力も粘着力も高い粘着弾は、罪木を壁に押しつけて固めた。

    日向「……ふう」

    七海「CONGRATULATIONッ」

    狛枝「まさか突っ切るとは、予想外だよ。それは罪木さんも同じだったみたいだね」

    狛枝「ま、日向クンが逃げようとしたらボクは全力で止めてたけど」

    日向「お前なぁ……。俺を殺したいのか?」

    狛枝「まさか。ただ日向クンを殺そうとなんて考えてないよ」

    七海「それはつまり、意味があれば日向くんを殺すって事?」

    狛枝「希望の為になれば、ね。別にいいんじゃない? 希望の踏み台になるんだからさ」

    日向(……やっぱコイツ西園寺のとこに置いてくればよかった)

    日向「……ん」

    突然、後ろから走ってくる音が聞こえた。

    小泉「あれ……。やけに静かだなぁ……。たしかこの辺じゃ……」

    日向「小泉っ!」

    小泉「あ、ソニアちゃん! と日向! あれ、蜜柑ちゃんは?」

    ソニア「小泉さん!」

    小泉「え、あれ、まさか……」

    狛枝「あー、なるほど。そういうことか」

    日向「え?」

    七海「逃げよう、日向くん!」

    日向「え、あ、ああ……?」

    狛枝、日向、七海の3人は走って廊下を突っ切った。

    小泉「ごめん……ソニアちゃん。失敗しちゃったね……」

    ソニア「いえ。罪木さんがやられた時点で破綻してましたから」

    ソニア「しかし、日向さんが特攻するとは意外でした。罪木さんから逃げた所を捕まえて挟み打ちにする作戦でしたのに……」



    小泉「もしもし!? アタシだけど! 日向を発見したよ! ネズミー城に入っていった!」

    九頭龍『ぐっ……!』

    ソニア『分かりました。すぐに向かいますね』

    小泉「……あれ? この声……九頭龍?」

    ソニア『はい。どうやら男子のみなさんは、お化け屋敷を拠点にしているようなので。全員に手傷を負わせ、連絡手段も壊したところです』

    小泉「そ、そうなんだ……。あれ、田中は?」

    ソニア『田中さんは、一番最初に眠って頂きました。わたくし、睡眠銃を持ってるので。近距離であまり動いてない人にしか当たらないですけど、味方として潜伏したので余裕でした』

    小泉「す、すごいね……。なんで急に仲間になるなんて……」

    ソニア『モノクマさんに、ちょっとした交換条件を出されてしまいまして。負けてしまいました』

    小泉「田中?」

    ソニア『えーっと……当たりです』

    小泉「うん、そうだよね。じゃあ、日向をよろしくね。トランシーバーは切らないでね」

    ソニア『はい。さりげなく場所を伝えますので。日向さんを押さえつけにきてください。罪木さんも一緒に行くので、挟み打ちにしましょう』

    小泉「ん、分かった」



    日向「ソニアが敵に回ったのか……」

    狛枝「ま、どう考えてもそうだね。よかった、小泉さんが来てくれて」

    七海「あのまま一緒に行動してたら、危険だったかもね……」

    狛枝「良いところで裏切ってたかもね。ソニアさんって結構頭が回るから」

    日向「ああ、注意しないとな。お前にも」

    狛枝「あはは。随分嫌われたものだね」

    日向「…………」

    日向(嫌っているというより……何を考えてるんだ……? 狛枝……)

    七海「あ。階段だよ。上にあがれそうだね」

    日向「ああ」

    3人は階段をあがっていく。

    日向(……思えば)

    日向(ソニアが敵に回って……いつの間にか左右田たちとも連絡が出来なくなって……)

    日向(もう、仲間はこの2人しかいないのか……)

    何を考えているのか分からない狛枝。一応女子である七海。

    日向(……ま、七海が信用できないワケじゃないが……)

    日向(…………)

    日向(いや……まだもう1人……)

    日向(辺古山……。七海のトランシーバーで連絡がとれるはず……)

    日向(でも、辺古山が今何処にいるのかも……どっち側なのかも分からない……。今、助けを求めて大丈夫か……?)


    辺古山と連絡を……>>46
    とる
    とらない
  46. 46 : : 2015/05/15(金) 23:24:47
    連絡をとる
  47. 47 : : 2015/05/17(日) 01:49:16
    日向「七海? 辺古山と連絡とれるか?」

    七海「え? うん。多分出来ると思うけど」

    日向「ちょっと辺古山と連絡させてくれ。いいか?」

    七海「うん。……はい」

    辺古山と個別会話状態のトランシーバーを渡される。

    日向「……もしもし、辺古山か?」

    辺古山『……日向? 日向か?』

    日向「ああ。今七海のを借りてる。お前今何処にいるんだ?」

    辺古山『……ネズミー城前あたりだが』

    日向「え、なんかすごく丁度良いな。今ネズミー城を上ってるところなんだが、助っ人を頼めるか?」

    辺古山『……ああ。分かった。今どの辺りだ?』

    日向「4階……から5階に上がる階段を上がってるとこだ」

    辺古山『なんだ? そこまで来れば、もう目的地まですぐじゃないのか?』

    日向「いやまあ……帰りのことも考えるとな……」

    辺古山『……まあいいだろう。とりあえず私は、上に上がっていけばいいんだな?』

    日向「ああ。宜しく頼む」



    狛枝「辺古山さんに助っ人を頼んだの?」

    日向「ああ。あいつなら助けてくれそうだしな」

    七海「さ、私達も頑張って上まで行こうか」

    日向「そうだな」

    階段を上がって5階。女子の姿は見当たらない。

    そして6階。

    七海「はぁ……。随分上ったね……」

    狛枝「そろそろ最上階だと思うんだけど……」

    日向「…………」

    3人が歩いて行くと、何か機械のようなものが見えた。

    日向「これは……」

    機械には、女子の名前にスイッチと、アンテナのようなものがあった。スイッチは全て光っている。

    日向「これは……」

    試しにスイッチを1つ押すと、そのスイッチの光が消えた。

    狛枝「大正解(ビンゴ)みたいだね。このスイッチで、トランシーバーのONとOFFの切り替えが出来るんだよ」

    日向「ってことは……この近くに次のスイッチが……」

    七海と辺古山以外のスイッチを押して、別のスイッチを探し始める。

    日向「よし、あったぞ」

    ポチ

    狛枝「いよいよ、第五の島だね」

    日向「ああ。次が最後の島だな」

    狛枝「うーん……それはどうなのかな……」

    日向「え?」

    狛枝「まあいいや。とりあえずさっさとここから出ようよ。入ってきたところと逆のところからね」

    日向「そうだな」


    ネズミー城5階
         4階


    辺古山「……ん? 日向か?」

    ネズミー城を下りる途中。辺古山と会った。

    日向「あ。辺古山。来てくれたんだな」

    辺古山「……ああ。一度引き受けてしまったからな。約束は守るさ」

    七海「どう? 下に誰もいなかった?」

    辺古山「ああ。誰も見なかったぞ」

    狛枝「誰も……かぁ。トランシーバーがあれば、日向くんを追いかけようとして人数が偏る事もあるだろうけど……さすがに1人もいないってのは極端だね?」

    辺古山「…………ああ」

    4人は下へ下りていく……


    ジャキンッ

    階段を下りた瞬間、複数の銃口を向けられる日向。

    西園寺「いっけー!」

    西園寺の一声で、一斉に弾が飛んでくる。

    日向「危なッ!」

    急いで階段を上る。

    日向(相手は……西園寺……小泉……澪田……罪木……ソニア……あと何もしてなかった終里だな。まああいつは銃を使うタイプでもないか……)

    日向「うわ……。女子全員集合してる……」

    狛枝「……これは相当めんどくさいことになったね……」

    日向「どうすれば切り抜けられる……? いっそ窓から……は無理だ……。くそ……」

    狛枝「じゃ、ボクが囮役になろうか?」

    日向「……狛枝?」

    狛枝「もう十分楽しんだよ。これで君に借りも返せるし、ボクは君が最終面に行くかどうかだけが気になるところだったんだ」

    日向「…………」

    狛枝「……はぁ。日向クン? そりゃあ囮役は誰でも何人でもでもいいんだけど、でも、誰も犠牲にしない、なんてのは無理だからね? 誰か1人、絶対に置いていくんだよ」

    狛枝「ほら。君の手で、囮役を選んでよ。良い囮役を……」

    ちょっとずつ、女子達が近づいて来る音も聞こえてくる……


    囮役に誰を選ぶ?>>48
  48. 48 : : 2015/05/17(日) 13:26:33
    七海
  49. 49 : : 2015/05/25(月) 22:09:35
    面白いです!
    期待!
  50. 50 : : 2015/05/28(木) 17:58:01
    >>カムクラさん ありがとうございます! 明日また更新予定です。
  51. 51 : : 2015/05/29(金) 22:50:05
    日向「……よし七海。頼んだぞ」

    七海「うん。任せてよ」

    辺古山「時間が無い。行くぞ」

    日向「ああ」

    七海を残し、日向・辺古山・狛枝は奥へ走る。


    西園寺「日向おにぃ覚悟ー!」

    女子軍団が一斉に現れた。

    小泉「あれ……? いない……?」

    ソニア「あ。あれは七海さんでしょうか」

    終里「……ん? っかしーな……日向のにおいもすんだけどな……」

    西園寺「……たしか七海おねぇはあっち側だったよね……?」

    罪木「捕まえて、日向さんの居場所を吐いてもらいましょうかねぇ……?」

    意志を固めた女子達が歩く。……と、七海は大きな声で棒読みで言った。

    七海「あーあ、残念だなー。日向くんを捕まえたと思ったのに、ネクタイしか取れなかったなー」

    そしてわざとらしくネクタイを掲げる。

    「……!?」

    女子一同、どよめき始めた。

    「これ……罠?」「千秋ちゃんもこっち側についたってことっすかね……?」「そもそもあれは偽物なんじゃない?」「いやまてよ……」

    終里「あのネクタイのあたりから……日向のにおいがすんぞ」

    このセリフが決め手となり、ほとんどが一斉に飛び掛かった。

    七海「マジックセット・トランプ」

    床一面にトランプ複数セットをばらまき、その上にネクタイを設置して逃げる。

    そして、何気に1番反応が速かった罪木がネクタイを取ろうとすると……

    罪木「ひゃ……!?」

    トランプで滑った。

    澪田「ひぃっ?!」
    西園寺「わあ!?」
    小泉「え……?!」

    そして次々に広範囲に厚くばらまかれたトランプで転ぶと同時に、罪木の盛大な転倒に巻き込まれた。

    その結果、終里とソニアを除いた女子は、それはもう複雑に絡み合った。

    罪木「す、すみませぇええん!」

    西園寺「ちょ、痛いからあまり動くなゲロブタ!」

    澪田「女子だけで絡まるっていう、百合コースまっしぐらな漫画的展開になってしまったっすねー!」

    小泉「何これどうなってんの……!? やけに複雑に絡んでない!? 身動きが全く取れないんだけど?!」

    ギャーギャー……


    日向「よっ……と」

    辺古山の身体能力を生かして、下までのロープを張った。日向達はロープを伝って、城の外壁から下りた。

    日向「ふぅ……かなり高いな……。やっぱり七海にはきつかったかもな」

    狛枝「誰も来る気配が無かったし、七海さんが上手くやってくれてるっぽいね」

    日向「しかし……俺のネクタイなんて何に使うんだ……?」

    狛枝「餌でしょ」

    日向「餌?」

    狛枝「それはそうと、いよいよ次は第5の島だね。一体何が待ち受けているのかな? わくわくするね」

    辺古山「……男子の様子は見てこなくても良いのか?」

    日向「ああ、そうだな……。ついでに見てくるか」

    狛枝「…………」

    狛枝「うん、いいよ。ボクが見に行ってくるからさ。二人とも先に次の島に行っててよ」

    日向「え? あ、ああ」

    辺古山「…………」

    辺古山「よし。では行くぞ、日向」

    日向「ああ」


    第5の島


    日向「これは……工場か?」

    辺古山「悪趣味なものだな」

    日向「……やばい。今回女子はまだいないから、ノーヒントになるのか……」

    辺古山「随分長く足止めをしたものだな」

    日向「ああ。まあじっくり探していくか……」

    日向達は歩き始める。

    辺古山「…………」

    辺古山「……日向」

    日向「ん? なんだ?」

    辺古山「実はな……私は人質を取られているんだ」

    日向「そう……かっ!?」

    さらっと意外なことを言ったので日向は遅れて驚いた。

    辺古山「女子勢にな。それで私は命令を受けている」

    辺古山「日向を捕らえろ、と」

    日向「……ッ!」

    日向は辺古山と距離を取る。

    日向「……なんで、それを俺に言うんだ?」

    辺古山「……まだ迷っているのかもしれんな。こんなことをして、あの方が知ったらどう思うのかと……」

    辺古山「だが……それでも、私はあの方をお守りする義務があるんだ」

    辺古山は竹刀を構えた。

    辺古山「……逃げろ。日向。私はお前を本気で捕まえる」

    日向「……仕方ない、分かったよ」

    日向「辺古山、サンキューな」

    辺古山「…………」

    辺古山は、眼を瞑ったまま竹刀を構えて固まった。

    日向「…………」


    一旦辺古山から離れ、スイッチと隠れる場所を探す。

    日向(この辺りに女子はいない……。辺古山と俺だけだ……)

    恐らく、どんなに隠れても確実に見つかる。なら最初からスイッチを探した方が良い。スイッチの見つかりそうな場所……

    日向は、>>52の中を探すことにした。
  52. 52 : : 2015/05/30(土) 17:39:06
    屋台
  53. 53 : : 2015/05/31(日) 00:08:21
    屋台通り


    日向「ここなら障害物も多いし、スイッチを隠すのに丁度良さそうなもんだけど……」

    日向が少し眺めていると、風が吹いた。その直後……

    屋台が真っ二つに斬れた。

    日向「……え?」

    日向が呆然としていると、真っ二つになった屋台が吹っ飛び、その奥から辺古山が現れた。

    日向「なっ……?!」

    辺古山「覚悟ッ!」

    シャッ!

    日向「……ッ!」

    見えないほどに速い、竹刀の一振り。避けると、服の肩の部分が少し斬れた。

    日向「くッ……!」

    辺古山「よくかわしたな。次は当てるぞ」

    辺古山が竹刀を構え直す。

    日向(ヤバイ……あいつ、目が本気だ……!)

    辺古山「安心しろ。殺したりはしない。身動きが取れない程度にするだけだ」

    日向「それみんな言ってるけど、十分危ないんだぞ。それで安心出来る人間がどこにいるんだよ」

    日向は警棒を取りだした。

    日向(辺古山相手に粘着銃は当たる気がしない……)

    日向(だが、あいつに俺の剣術が通用する気もしない……。粘着銃よりきついか……)

    だがそもそも、離れてもすぐに追いつかれる。使うのは無理だ。

    日向(そろそろネタが尽きるマジックセットも駆使するしかないな……)


    おばけやしき


    狛枝「へえ、ソニアさんが?」

    左右田「ああ。いきなり殴り込みに来やがってよォ。真っ先にオレを狙ってきたんだ……」

    左右田「きっと、オレに気があった証拠なんだよな! だからこそオレを意識して最初に……!」

    九頭龍「てめーはどこまでポジティブなんだコラ」

    左右田「べ、別にいいじゃねーか! 悪いのかよコラァ!」

    狛枝「それにしても、よく弐大クンまで気絶させたものだね。スタンガンを持ってたにしても、さ」

    弐大「ぬ……不覚じゃ……。油断している隙に後ろからな……」

    狛枝「後ろから? スタンガンを?」

    弐大「ああ……それで気絶させられたんじゃが……」

    九頭龍「いや、待て。ソニアが持ってたあのスタンガン……何かおかしくなかったか?」

    左右田「ああ。あのスタンガン……電気の部分が伸びるらしい」

    狛枝「伸びる?」

    左右田「あれはスタンガンというより、別の物だな。形状はスタンガンだが……電気の部分が剣のようになってる。よけられても当たるし、もろに喰らえば直接体の内部に電気が走る仕組みっぽい」

    狛枝「そこまで分かるなんて……さすがは超高校級のメカニックだね」

    左右田「へっ。まあな」

    十神「……さらっと言っているが、それは命に関わるほど危険な物ではないのか?」

    九頭龍「で、狛枝。日向の方はどうなってる? 連絡が出来なくなって困ってんだよ」

    狛枝「ああ。今ごろ辺古山さんと1対1で戦ってるんじゃないかな?」

    九頭龍「なっ……!? ペコ……山と!?」

    弐大「タイマンじゃとう!?」

    左右田「日向死ぬんじゃねーのか!?」

    狛枝「うーんどうかなぁ……。ボクは死ぬ事より、これで彼の才能が開花する事を狙ったんだけどなぁ……」

    九頭龍「こ……こうしちゃいられねー! 日向は第5の島だな!? 行くぞオラァ!」

    弐大「応ッ! 望むところじゃあ!」

    十神「日向は俺が導いてやる! 十神の名にかけて!」

    左右田「ケッ。結局女子に追いかけ回されてるだけの野郎じゃねーか。オレはそんな危ねーとこ行かねーぞ」

    狛枝「でも左右田クン。日向クンが捕まったらデートだよ?」

    左右田「待ってろ日向ぁ! テメーは女子に指一本触れさせやしねーぜ!」

    花村「えーっと……みんな行く感じ? 分かったよぼくも行くよ……」

    ぞろぞろと、男子勢が外に出て行く。

    狛枝「…………」

    狛枝「……さてと」



    狛枝は……>>54
    ・みんなについていった
    ・別の場所を目指した
    ・おばけやしきで待機した
  54. 54 : : 2015/05/31(日) 11:46:22
    みんなについてく
  55. 55 : : 2015/05/31(日) 14:14:16
    中央の島


    左右田「あれ、開いてねーじゃねーか?」

    第5の島への道は、閉ざされたままだった。

    九頭龍「どういうことだ? まだこの島は解放できてねーっつーことか?」

    弐大「いや……確かにこの奥から人の気配がする……。それに、かなり小さいが物音も聞こえんぞ」

    狛枝「弐大クンが言うなら間違いなさそうだね。でも困ったね……これじゃあ入れないよ」

    十神「島はスイッチを押すことで解放されるのだろう? 狛枝。スイッチの場所は分かるな?」

    狛枝「うん。ちょっと様子を見に行ってみようか?」

    九頭龍「チッ……めんどくせーな」


    第5の島


    ガッ! ガガガ! シャキィンシャキィン!

    竹刀を警棒で防ぎつつ、届かない攻撃は避ける。日向は防戦一方だ。

    日向(とは言っても……攻撃したところでカウンター喰らうだけだしな……)

    既に強烈な一撃を体験済みだ。

    辺古山「フン……。防ぎきっているとは、中々やるな。だがこのままだとジリ貧状態だぞ」

    日向「くっ……!」

    背を向けて走ったところで追いつかれる。防御をすると、すかさず攻撃を積み重ねられて体力を持っていかれる。

    さすがに超高校級だ。日向が一瞬でも敵うわけがない。

    辺古山「降参するか? 私は貴様を捕らえられればそれで良いのだ」

    日向「ここまで来て……そうあっさり降参するわけないだろ……!」

    辺古山「そうか……」

    再び、辺古山が動いた。

    日向「……!」

    スパァン!

    派手な音が鳴り響き、日向の警棒が弾き飛ばされた。

    日向「いっつ……ッ!」

    辺古山「これでもう貴様に勝ち目は無いぞ」

    日向「辺古山相手に、最初から勝つ事なんて期待してるわけないだろ……」

    辺古山「…………」

    日向「ただの、時間稼ぎだ」

    日向はポケットから物を取り出し、辺古山に投げつけた。

    パン!

    辺古山「!?」

    それは大きな音を立てて破裂したと同時に、大量の紙吹雪が飛び出した!

    辺古山「くっ……!」

    辺古山が一瞬ひるんだ隙に、日向は全力で逃げる!

    破裂音が無くなっても、未だに大量の紙吹雪で視界が遮られている。日向を見失い、辺古山は仕方なく後ろへ下がった。

    辺古山「……やられたな……逃げられたか……」


    日向「はぁ……はぁ……」

    ひとまず辺古山から離れ、一息つく。

    日向「何も無いところからクラッカーを鳴らす手品……あれでマジックセットは使い切ったか……」

    紙吹雪を仕込んだ時限爆弾だ。タイミング良く見せることで、あたかも何も無いところからクラッカーを鳴らしたように見せる手品。

    日向「あとは……粘着銃……。これはまだ残弾があるな……」

    警棒もはじき飛ばされた。持ちにくい銃で、近距離に対応出来るわけがない。もう見つかったら終わりだ。

    日向「……遠くから狙撃するしかないか……?」

    狙撃用じゃないが、強力な分遠くから撃っても当たる。

    日向「…………」

    日向「よし……行くか……」

    粘着銃を構えて歩き出す。


    ネズミー城

    外壁


    狛枝「あ。あったあった。ほら、このロープを伝って上まで行くんだよ」

    上の階と地上を繋いだロープ。下りる時に辺古山が張ったものだ。

    左右田「な、なんで外壁から? 正攻法じゃダメなのか?」

    狛枝「女子のみんなに合っちゃうかもしれないからね。こっちの方が安全でしょ?」

    九頭龍「別の方向で危険だな……」

    弐大「憤! 情けないのう! ならば、まずワシが最初に上っちゃるぞ!」

    そう言って弐大がロープに手を掛けると……

    ブチッ

    一瞬でロープが切れた。

    「…………」

    全員が黙る。

    弐大「ガ……ガッハッハ! ガーッハッハッハッハ!! スマン……」

    九頭龍「お、おう……。そんな急に落ち込むんじゃねーよ……」

    狛枝「仕方ないね。こうなったら正面から行こう」


    ネズミー城4階


    花村「おや、あれは?」

    九頭龍「あれは……」

    ソニア「それと……これがこうなってて……」

    終里「もうダメだなコリャ。ほどける気がしねー」

    西園寺「無責任な!」

    小泉「ちょっと……! 日寄子ちゃん暴れないでってば! ちょっと身動きするだけで痛いんだから!」

    澪田「本当に絡み具合が神がかってるっすよね! 澪田マジ全く動けないっす!」

    罪木「す、すみませへえぇん!」

    ……まだ女子が絡まっていた。

    九頭龍「……なんだありゃ」

    狛枝「誰も居ないと思ったら、そういうことだったんだね」

    花村「ぼくも混ぜて欲しいなぁ。なんちゃって」

    左右田「オメーが言うと冗談に聞こえねーから止めろ!」

    十神「どうやら、身動きが出来ないらしいな。ちょうどいい、さっさと二階に行くぞ」


    >>56
    女子を助ける
    助けない

    狛枝「え、ここで安価? え?」
  56. 56 : : 2015/05/31(日) 15:16:33
    助けない。
  57. 57 : : 2015/06/05(金) 01:01:54
    6階


    左右田「すんなりスルーしちまったけど大丈夫なのか……」

    狛枝「そうだね。みんなを一気に解放して日向クンを襲わせても良かったかな?」

    左右田「いやそう言う意味じゃねーよ危険なやつだな!」

    九頭龍「おい狛枝。スイッチはどこにあるんだよ?」

    狛枝「えーっとたしか……」

    十神「ん? これは何だ?」

    狛枝「ああ、そっちにあるのはトランシーバーのスイッチだね。それをOFFにすると、通信出来なくなるんだよ」

    十神「そうか。ならば触らない方がいいな」

    狛枝「あ、スイッチがあったよ」

    九頭龍「で、何かおかしいところはあるか?」

    狛枝「うーん……ちょっと一回押してみようか」

    ポチ

    弐大「これで次の島が開いたんじゃな?」

    狛枝「……そのはずだよね」

    左右田「ん? どうした?」

    狛枝「いや、このスイッチさ……。やっぱりOFFになってたみたいなんだよ。ほら、押したら少し沈んだままになったしね」

    九頭龍「……それで?」

    狛枝「いや、それだけだよ。でも……なんでOFFになったんだろうなって思ってね」

    左右田「んなこたぁどうでもいいだろうよ。さっさと行こうぜ!」

    弐大「応! パワー全開で走るぞおお!」

    男子勢は、城を出た。

    ソニアと終里を連れて。

    九頭龍「ついてくんなコラァ!!」

    左右田「つーか他のやつらどうした!」

    終里「あいつらはほどけねーから諦めた!」

    ソニア「わたくし達が捕まえます! お覚悟なさーい!」

    十神「くそっ、やむを得ん!」

    ガッ

    左右田「えっ」
    花村「えっ」

    十神「食い止めてこい!」

    左右田と花村を投げた!

    左右田「うわあああ!」

    ソニア「きゃああ!?」

    花村「取ってこーい!」

    終里「うおおおおお!」

    ソニアが左右田から逃げ、終里は花村が投げた肉を追いかけてった。

    十神「よし、これで一安心だな」

    左右田「ものすごく……複雑な気分だぜ……」

    花村「ンフフ、ぼくは満足だけどね」

    九頭龍「たく、くだらねーことやってねーで、さっさと行くぞ」

    狛枝「やけに急かすね? そんなに心配?」

    九頭龍「なっ……! てめえぶっ殺されてえのかコラ!」

    狛枝「ごめんごめん、冗談だって」

    九頭龍「チッ……クソが。オラ、行くんだろ。5の島によ」

    一行は第5の島へ。


    第5の島


    日向「くっ……!」

    辺古山「はっ!」

    ドゴオ!

    逃げる日向に当てようとして、ことごとく別の物を破壊してしまう。

    辺古山「大人しく捕まれ!」

    日向「ならまず竹刀を下ろせ!」

    ズドオオン!

    日向「そうじゃねーよ!」

    そろそろ日向の体力も尽きかけている。

    辺古山「そこだ!」

    ビュッ

    日向「ッ!」

    辺古山がすごい速さで竹刀を振ると、日向のズボンが少し切れた。

    日向「はぁ……ハァ……」

    辺古山「そろそろ降参するか?」

    日向「だから……誰がするかって……!」

    日向(とはいえきついな……。ここは一旦下がって……)

    日向(……ん?)

    辺古山の奥……モノクマ工場の手前あたりに……

    スイッチを見つけた!

    日向(……!)

    辺古山「私としては、降参してくれた方がありがたいのだがな」

    日向(まだ気付かれてないか……。あの距離……ギリギリ届く……のか……!? この疲労しきった体で……)

    日向(逃げるのもそろそろきつい……。体力がもうもたない……)

    日向「…………」


    >>58
    スイッチを押しに行く
    一旦下がる
  58. 58 : : 2015/06/05(金) 01:06:07
    押す!
  59. 59 : : 2015/06/08(月) 18:24:42
    日向(……いちかばちか!)

    もうほとんど残ってない体力で、辺古山の横を走る。

    辺古山「もう体力が尽きたか? 動きにキレが無いぞ」

    簡単に道を塞がれてしまった。

    日向(そこだ!)

    ダッ!

    辺古山「!?」

    体力が尽きたようにフラフラと走った後、隙を突いて全力疾走する。

    日向(とはいえ……体力が残ってないのは事実だ……!)

    一瞬困惑した辺古山だが、すぐに気を取り直して日向を追いかけた。

    日向「くっ……!」

    持っている粘着銃の後ろ側を外し、中の粘着液を無造作に辺古山にかける。

    辺古山「っ!」

    辺古山は一旦下がり、回避して再び日向を追いかける。

    日向(あまり時間は稼げないけど、これで……!)

    最後に、ほとんど空になった粘着銃を辺古山に投げつける。

    カァン!

    いい音が鳴って、銃は曲がって遠くに飛ばされた。

    辺古山「無駄だ」

    ガッ!

    日向「……ッ!」

    日向の足に強烈な痛みが走った。辺古山の竹刀が、日向の右足に当たった。

    急にバランスを崩し、日向はひざまずく。

    日向「……っハァ……はぁ……」

    辺古山「流石にもう限界のようだな」

    辺古山「日向、確保だ」

    手錠と、なんか長い縄を取りだした。

    辺古山「完璧に身動き取れなくしないと駄目らしくてな。少々痛むかもしれんが我慢してくれ」

    日向「…………」

    日向は全く抵抗が出来ない。

    カチャリ

    為す術も無く、手錠をはめられて……

    辺古山「……!」

    ドズン!

    さっきまで辺古山が居たところに、大岩の様な腕が降ってきた。

    弐大「ギリギリセーフかぁ?」

    日向「あぁ……サンキュー……」

    辺古山「……増援か」

    弐大の気配に気付いた辺古山は、既に遠くへ避けていた。

    狛枝「手錠、片手だけでよかったね。両手にはめられちゃったらかなりきついもんね?」

    日向「ま、今のままでも十分邪魔だけどな……」

    狛枝「さてと、これがスイッチかな?」

    ポチ

    狛枝がスイッチを押した。

    日向「…………」

    狛枝「ん、何?」

    日向「いや……どうでもいいんだが……苦労して押そうとしたスイッチを、あっさり他の人に押されるとな……」

    狛枝「君って意外と細かいんだね」

    九頭龍「おいペコ……山!」

    辺古山「……! ……九頭龍か……」

    十神「九頭龍、どうする気だ?」

    九頭龍「コイツはオレだけで十分だ。日向、さっさと決着つけてこいよ」

    日向「九頭龍……?」

    左右田「これからジャバウォック公園に行くんだよな! っしゃ、行くぞ日向!」

    弐大「九頭龍よ、お前さんだけだと不安じゃ。ワシも残るぞぉ」

    九頭龍「っせーよ! さっさと行けやボケ! オレが信用出来ねーってのか!」

    弐大「むっ……」

    十神「弐大。九頭龍がそう言っているんだ。素直に1人で行かせてやれ」

    弐大「お、応!」

    十神「行くぞ」

    狛枝「いざ、ラスボス戦だね」

    日向「よし……行くか」


    【中央の島】


    日向「最後の島が開いてるな……」

    狛枝「いよいよ、だね」

    弐大「ここにモノクマがいるんじゃな?」

    左右田「それを更に捕まえないといけねーんだろ? メンドクセー」

    花村「さあ、準備出来てるよ! この先には、モノクマしかいないんだから怖くないもんね!」

    十神「ああ、行くぞ。と言いたいところだが……日向。そのまま行く気か?」

    日向「え?」

    狛枝「ああ、そういえばボクら丸腰だったね。日向クンも辺古山さんとの戦いで武器を失っちゃったみたいだし……」

    日向「そう……だな。相手はモノクマ……準備に越したことはないか……」

    花村「でも、また武器があるところまで戻るの?」

    狛枝「病院と……弱い武器なら牧場の倉庫にもあったね?」

    日向「武器か……」


    >>60
    このまま行く
    全員で戻る
    日向1人で行き、残りは戻る
    3人ずつ分かれる(組み合わせ>>61
  60. 60 : : 2015/06/09(火) 19:47:19
    全員でもどる
  61. 61 : : 2015/06/11(木) 00:41:10
    日向「さすがに武器無しは無理だ。戻るぞ」

    狛枝「了解。病院だよね」

    花村「なんかもう歩き疲れたよ……」

    弐大「まだ準備段階じゃぞ! 気張らんかい!」

    十神「さっさと行くぞ」


    【第3の島】

    【病院】


    日向「いやー女子がいないと突破が楽だな」

    狛枝「本当だね。でも、この先で待ち構えてたりしてね」

    日向「っははは。まさか」


    【事務室】


    ソニア「…………」

    終里「…………」

    日向「…………」

    狛枝「…………」

    左右田「すぅ……」

    左右田「フラグの回収早すぎんだろ!!」

    ソニア「日向さんお覚悟です!」

    終里「うおおお日向ぁー!」

    終里が真っ正面から突っ走ってくる!

    日向「くっ……! まだ諦めてなかったのか……!」

    狛枝「終里さん、なんで君はそんな必死に日向クンを捕まえようとしてるのかな?」

    終里「あ? そんなの……」

    終里「……あり、そういや何でだっけ?」

    終里が止まった。

    ソニア「お、終里さん!?」

    左右田「いや、オメーはカレ……」

    日向「おおおっと手が滑ったあああ!」

    日向があからさまに左右田を殴り倒した!

    ゴッ!

    左右田「ぶべら!?」

    そして倒れた先にはソニア!

    ソニア「きゃあ!?」

    持ってた銃を反射的に使う!

    ズドン!

    左右田「おわああああ!?」

    間一髪回避!

    撃たれた弾は、積み上がった兵器の1つに命中!

    積み上がった兵器が崩れ落ちる!

    誤作動起こしてネット銃発射!

    ソニア「きゃ……!?」

    ネット銃はソニアをグルグル巻きにした!

    日向「…………」

    狛枝「…………」

    花村「これ……何ゴラスイッチ……?」

    日向「よし、武器を貰ってさっさと行くぞ」

    終里は状況をよく飲み込めていないので放置。

    日向(さて……今回の相手はモノクマ……。多少本気で武器を選ばないとな……)

    狛枝「ボク達は人数があるし、1人1つずつでいいかもしれないね」

    十神「そうだな。それぞれが最良だと思った武器を持っていくことにしよう」


    どんな武器を持っていく?>>62

    超強力粘着銃
    H&K P2000(拳銃)
    勇者の剣
    でっかい盾
    コショウ
    ジャスティスハンマー
    金箔の模擬刀
    終里
  62. 62 : : 2015/06/11(木) 16:10:16
    模擬刀で
  63. 63 : : 2015/06/16(火) 02:54:58
    日向「じゃ……これかな」

    十神「ほぅ、模擬刀か。悪くない選択だ」

    狛枝「金の塗料が付くみたいだね。新聞紙とかで包んだ方が良さそうだよ?」

    日向「え?」

    手を見ると、金の塗料が付いていた。

    日向「…………」

    左右田「あーあ。そりゃハズレ武器かもな」

    日向「……まあ、なんとかなるだろ」

    新聞紙に包んで持ち運ぶ。



    中央の島


    各自、武器を持って公園へ向かう。

    日向「よし……。今度こそ行くぞ」

    日向達は公園内に入った。その瞬間……聞き覚えのある声が響いた。


    ジャバウォック公園


    モノクマ『うぷぷぷ。よく来たねオマエラ!』

    左右田「放送か……!?」

    狛枝「そうみたいだけど……さてこれからどう動いてくるのかな……?」

    モノクマ『では……これからゲームを始めましょう!』

    ゴゴゴゴゴ……!

    モノクマが言うと、公園の像が沈み、代わりに何かが置いてあるだけになった。

    狛枝「……なるほどね」

    日向「な……! 」

    左右田「た、田中!?」

    日向「七海!」

    像の代わりに設置されたものは、拘束されて眠っている、田中と七海だった。

    モノクマ『二人には催眠ガスを吸わせてあるからね。当分は起きないよ。ルールは簡単!』

    モノクマ『この公園に仕掛けられた数々の罠を突破し、二人が持っているスイッチを押すこと!』

    モノクマ『見事達成すれば、ボクの持ってるブザーが鳴る仕組みだよ。それと、あまりにも時間が経つとボクが飽きるんで、適当に爆弾も仕掛けちゃいました!』

    モノクマ『そんじゃ、ボクの気が変わらない内に頑張ってねー』

    プツン……

    狛枝「なるほど……。ボクらは迂闊に動けないわけだね。でも、だからといってのんびりしてると、爆弾が爆発する可能性がある……と」

    弐大「実体が分からない分厄介じゃのう。罠とは姑息な……!」

    十神「中々嫌な仕掛けだな。さて、日向。お前ならどうする?」

    日向「…………」


    >>64
    時間がない! 突破だ!
    危険な罠かもしれない。慎重に進もう!
    >>65による第3の選択肢
  64. 64 : : 2015/06/16(火) 17:25:31
    突破だ!
    Breake
  65. 65 : : 2015/06/17(水) 23:22:40
    狛枝
  66. 66 : : 2015/06/23(火) 00:13:50
    続きはまだかな?
    超気になります!
  67. 68 : : 2015/07/04(土) 01:11:40
    日向「どうするって……そんなの決まってるだろ……!」

    ザッ!

    日向「突破だ!」

    日向はまっすぐ向かって行った。

    左右田「日向!?」

    ガシャン!

    突然地面に穴が開き、そこから設置型の機関銃が現れる。

    弐大「日向ぁ! 根性見せんかぁい!!」

    日向「うおおお!」

    ドドドドドドドド!!

    日向の後を、着弾した火花が追いかける。

    機関銃が止むと、今度は地面から槍が突き上げられ、空から槍の雨が降ってきた。

    日向「ぐっ……!!」

    偶然なのか、槍はかすりはするものの、日向を貫くことは無かった。

    狛枝「素晴らしい……素晴らしいよ日向クン……! 人に向けられる時の希望は、果てしなく大きいんだ……!」

    日向「田中ぁ! 七海ぃ!!」

    ッパァン!!

    日向「っぐ!」

    2人の間近まで来たとき、日向の足元で色とりどりの花火が炸裂した。

    日向「知るかぁああ!!」

    熱さに体力を奪われながら、日向は2人の元へ倒れ込んだ。

    十神「突破したか……!」

    弐大「ナイスファイトじゃあ日向ぁ! ガッハッハ!」

    日向「田中、七海……!」

    ほとんど地面を這いながら向かうと、田中と七海は黒い箱の傍で眠っていて、田中は青、七海は赤のスイッチを持っていた。

    日向「……こ、これは……? モノクマ! どういうことなんだ!?」

    日向が呼んでも、モノクマからの返事は無かった。

    日向(2つとも押したらいいのか……? それともどちらか1つ……?)

    日向(それにこの黒い箱は……これが爆弾か……?)

    黒い箱は、固定されているようで動く気配が無い。

    日向(まず2人を安全なところに……って、外は罠だらけで危険だ……)

    日向(とりあえずこのスイッチを……!)


    >>69
    青のスイッチを押す
    赤のスイッチを押す
    両方押す
  68. 69 : : 2015/07/04(土) 12:41:42

  69. 70 : : 2015/07/05(日) 01:50:52
    ポチ

    日向は赤のスイッチを押した。

    ビー! ビー!

    日向(ブザーの音……!)

    日向は音の方を向いた。その直後……

    ズドドドドンッ!

    日向「!?」

    日向達3人を囲むように、他の男子組の待機場所が爆発した。

    日向に近いところから爆発が始まり、どんどん広がるように次々と爆発していった。

    左右田「ぎゃああ!?」

    十神「落ち着け左右田!」

    狛枝「みんな、今はとにかく逃げるよ!」

    幸い直撃はしなかったようで、男子組は公園から出て行った。

    モノクマ「大当たりぃー! アーッハッハ! 悪運の強い人だね!」

    爆発が収まった頃、モノクマが現れた。

    日向「!」

    ビー! ビッ……!

    モノクマが手に持っていた小さな機械を壊すと、ブザーの音が止んだ。

    モノクマ「残念残念。青いスイッチを押したら、その場でキミたちが爆発する予定だったのにさ」

    日向「……そういうことか」

    モノクマ「さて、ボクを捕まえられるかな? そんなボロッボロのボロ雑巾のような体で! ぶひゃひゃひゃ!」

    日向「くっ……! 俺をボロ雑巾と一緒にするな!」

    日向は模擬刀を鞘から抜いて構えた。

    日向(みんなは逃げたから……もう武器はこれしか……)

    日向「……ん?」

    日向「……ちょ、ちょっと待て!? 何だお前その武器!?」

    モノクマ「えーっと、モーニングスターにハルバード、ドスにハジキにエクスカリバー……」

    モノクマは、どうやって支えているのか大量の武器を装備しまくっていた。

    モノクマ「覚悟!」

    日向「くっ……!」

    日向は後ろに下がる。

    ドゴォ!

    その瞬間、日向が居た場所にモーニングスターがめり込んだ。

    モノクマ「オラオラオラオラオラ!」

    小刀を振り回しながら日向に向かって走る。

    キィン!

    日向は模擬刀で受け止めた。

    モノクマ「ドラ焼きよりも数倍は甘いね!」

    日向「……!」

    ズドン!

    モノクマの拳銃が、日向の頬をかすめた。

    日向の頬から赤い液体が垂れる。

    モノクマ「オラァ!」

    ハルバードを大きく振り回す。

    日向は地面を蹴って、強く後ろに下がった。

    そして、勢い余ってそのまま尻餅をつく。

    日向「っつ……!」

    今までのダメージも重なり、日向はすぐには起き上がれなかった。

    モノクマ「もらった!」

    エクスカリバー(仮)を構えて振り下ろす。

    日向「くそ!」

    横に蹴って、エクスカリバー(らしきもの)をはじき飛ばす。

    モノクマ「まだま……どわぁ!?」

    日向「!?」

    ゴゴゴゴゴ……

    地面が急に大きく揺れた。

    そのおかげでモノクマはバランスを崩し、一旦距離を開ける事が出来た。

    日向「助かった……が……今のは何だ?」

    モノクマ「ああ、すっかり忘れてた。他の島と切り離された音だよ」

    日向「……え?」

    モノクマ「ほら、さっき爆発があったでしょ? あれ最終的に、島の橋を全部爆破する仕掛けなんだよね」

    日向「な……っ!?」

    モノクマ「キミにとっても好都合っしょ? ボクを捕まえれば勝ちなんだしさ」

    日向「…………」

    日向(無理な気がしてきた)

    日向(いや……諦めるのは早い……とにかく状況整理だ)

    日向(まず田中と七海……。あの2人が起きないと色々ときつい……。最終手段として人質にされるかもしれないからな……。それに、出来れば手伝って欲しい……)

    日向(そして……まだ残ってる、田中の青いスイッチ……。公園の中央が爆発するしくみなら、上手くモノクマを誘い込めば……)

    モノクマ「オラ! まだ勝負は始まったばかりだぜ!」

    モノクマはトライデントを投げつける。

    日向「ホントお前は……幾つ武器を持ってんだよ!」

    日向はトライデントを避けつつ、モノクマに向かって模擬刀を振り落とした。

    パシィ!

    モノクマは、素手で受け止めた。

    モノクマ「脆い!」

    シャ!

    日向「ッ!」

    モノクマの爪によって、模擬刀の先端が切れて短くなってしまった。

    モノクマ「グングニルの槍!」

    一閃。

    槍らしきものは、一瞬で日向の横を通り過ぎて見えなくなるまで飛んでいった。

    モノクマ「ねこだまし!」

    ペチンッ

    日向の目の前で手を叩いた。しかし上手く鳴らなかった。

    モノクマ「ぐえっ」

    隙を突かれ、モノクマは模擬刀に突かれる。モノクマは遠くまで気持ち良く吹っ飛んでいった。

    日向「はぁ……はぁ……」

    日向(まずいな……。モノクマの厄介さは知っていたが……真正面からこられてもきついとは……)

    普通に戦闘力が高かった。

    とにかくモノクマが吹っ飛んだ隙に、日向は……

    >>71
    田中と七海を起こした
    田中と七海をどこかへ運んだ
    隠れた
    追った
    落ちている武器を回収した
    ……など
  70. 71 : : 2015/07/05(日) 17:24:06
    起こした
  71. 72 : : 2015/07/05(日) 22:20:56
    日向「……おい、田中。七海」

    2人を起こしてみるが、全く起きる気配が無かった。

    そもそもさっきまで爆発音があったのに平気で寝ている時点で、生半可な事じゃ起きないのだろう。

    日向「おい起きろ! 田中! 七海!」

    今度は少し荒く。

    田中「……む」

    七海「う……ん?」

    日向「やっと起きたか……」

    田中「俺様は一体何を……」



    左右田「と、とにかくだ。日向。何も無いよりマシだろ? 勿論オレらも交代で見回りくらいはするからよォ。直接協力は厳しいが、何かあれば連絡してくれ。あと、着信音で気付かれるとマズい。通話は切るな。それでいいか?」

    日向『ああ。何も無いよりはるかにマシだ』

    田中「…………」

    田中(どうやら、まだ無事のようだな)

    お化け屋敷。日向はこの後すぐに使えなくなる携帯電話を手に入れた。

    田中(だが……やはりこの闇の遊戯……如何なる真実が混沌の中に隠されているというのか……)

    ソニア「……田中さん」

    男子組の味方だと言って潜伏していたソニア。

    田中「む?」

    ソニア「少しだけ、眠っていてください」

    プシッ

    田中「……ッ!?」

    近距離用睡眠銃が田中に当てられ、間もなく田中は意識が飛んだ。

    そしてソニアは睡眠銃を改造スタンガンに切り替え、左右田、弐大、十神、九頭龍、花村に華麗に当てて行く。男性勢はあっというまに全滅していった。

    ソニア「ふう。中々使いやすいスタンガンですね」

    小泉『もしもし!? アタシだけど! 日向を発見したよ! ネズミー城に入っていった!……』

    会話が終わると、ソニアはお化け屋敷を出て行った。

    ソニア「では、後で迎えに来ますね。田中さん」

    モノミ「…………」

    モノミ「ミ、ミナサン……大丈夫でちゅか……?」

    ソニアが出て行くと、今度はモノミが現れ、みんなの安否を確認する。

    モノミ「良かったでちゅ。死んでる人は誰もいないでちゅね」

    モノクマ「ですね」

    モノミ「…………ほわわっ! モノクマ!? 自然すぎて気が付かなかったでちゅ!」

    モノクマ「いやあ考えてみたら、日向クンが辿り着くまで暇なんですわ。というわけで、この子を貰ってくね!」

    モノミ「あー! 田中くんがー! 待てー!」

    モノクマは田中を掴まえて、どこかへ行ってしまった……。



    七海「私は……」



    小泉「何これどうなってんの……!? やけに複雑に絡んでない!? 身動きが全く取れないんだけど?!」

    ギャーギャー……

    七海「ふう。本当に上手くいったよ。実はあまり自信無かったけど」

    ネズミー城。七海は女子達の足止めに成功。

    七海「さてと、じゃあ私も日向くん達を追いかけないとね」

    6階。

    七海「えっと……みんなはどこから逃げたのかな……?」

    プシッ

    七海「ん……?」

    七海は後ろから催眠銃を当てられ、その場で眠った。

    モノクマ「うぷぷ。最終ステージへの伏線だよ」

    眠って倒れ込む際、七海は第5の島へのスイッチを押してしまった……




    日向「よし。2人とも起きたことだし、これで少しは楽になるな」

    七海「ところでさっきから気になってるんだけど……その手錠は?」

    日向「ああ、辺古山に付けられてな。まあ、片手だけだしあまり支障は無いからいいんだが……」

    田中「俺様は丸腰だ。武器と成り得そうな物というのは何も持ってはいない」

    七海「私も。持ってた物全部無くなっちゃってる」

    日向「じゃあ今あるのは……この模擬刀と……」

    七海「周りに落ちてる、みるからに危険そうな武器だね」

    七海は、丁度足元に落ちていたトライデントを拾う。

    日向「……!」

    日向は叫んだ。

    日向「避けろ!」

    ズンッ!

    さっきまで3人が居たところへ、モノクマが爪を立てて降ってきた。

    3人はほとんど同じ方向に跳んで避けたが、3人は大分離れていた。

    七海と田中の中間あたりに日向は居た。日向からすれば、2人は大体同じ距離離れている。

    モノクマ「おはようございます。 そしてさようなら!」

    ガッ

    田中「むっ……!」
    七海「あっ……!」

    田中と七海の足が、蔓に足を取られて動けなくなった。

    日向「なっ……これもお前の仕業か! モノクマ!」

    モノクマ「その通りぃ! せいや!」

    モノクマは2人に向かって複数の手裏剣を投げた。

    日向「!」

    2人は避ける事が出来ない。

    日向(助けないと……!)

    日向は模擬刀を構えて走った。

    日向(でも……どっちを……!?)

    2人を助ける時間は無い。1人すら怪しい。

    日向(俺は……)

    日向(>>73を助ける……!)
  72. 73 : : 2015/07/05(日) 22:25:42
    七海
  73. 74 : : 2015/07/07(火) 01:53:01
    日向「七海!」

    日向は走り出した。

    七海は小刀を持ってはいるが、到底防ぎ切れそうにない。

    日向(間に合え……!)

    七海の前に滑り込み、模擬刀を振り回す。

    キンッキンッと金属音が鳴り、手裏剣が降ってきた。

    日向「七海、大丈夫か!?」

    七海「う、うん。田中くんは!?」

    田中「フハハ! 我の事なら心配無用だ。この程度、簡単に凌いでやったわ!」

    田中は、手に2枚の手裏剣を持っていた。

    日向「……あれ、少なくないか?」

    田中「……ぐっ!?」

    田中は急に動きが止まる。

    モノクマ「凌いだっても、たったの2枚。残りの8枚は所々かすったようだね〜」

    田中「貴様……我の体に何をした……!?」

    モノクマ「別に。ただ手裏剣に痺れ薬を塗っておいただけですがな」

    日向「痺れ薬!?」

    モノクマ「ぶひゃひゃひゃ! これでもう動く事は出来ませんなあ! まああっちは全部弾かれちゃったみたいだけど!」

    日向は七海に絡みついていた蔓を切る。

    日向(田中もやられたか……。まずいな……)

    モノクマ「ドロン!」

    ボンッ!

    日向「……ッ! 煙玉……!?」

    モノクマを中心にあっという間に白い煙が広がって、視界が極端に狭くなってしまった。

    日向「ゲホッ! ゲホ……!」

    モノクマ「うぷぷぷ……!」

    日向「ぐっ……!」

    後ろからモノクマに浅く斬りつけられ、すぐにどこかへ消えてしまった。

    日向(モノクマには、俺がどこにいるのか分かるのか……!? 分が悪すぎる……!)

    モノクマ「いやっほう!」

    今度は堂々と正面から来たが、近づくまで見えないので反応が遅れ、またしても浅く斬りつけられた。

    日向「くそ……! やられてばかりでいてたまるか!」

    日向がそう意気込んでいると、徐々に煙が晴れていった。そんなに長く残るタイプでは無かったようだ。

    キン! カキィン!

    日向「ん……!?」

    金属音が後ろから聞こえて、日向は振り向いた。

    日向「なっ……! 七海!」

    モノクマの爪による攻撃を、七海が小刀でなんとか防いでいた。

    ガキィン!

    七海「……っ!」

    七海の小刀がモノクマの爪に弾かれた。

    日向「七海ぃ!」

    モノクマの爪が、七海に突き刺さろうとした時……!


    日向は……>>75

    モノクマに攻撃
    七海を庇う
  74. 75 : : 2015/07/07(火) 06:13:17
    七海を庇う
  75. 76 : : 2015/07/09(木) 00:05:23
    期待!!!
  76. 77 : : 2015/07/09(木) 01:16:42
    >>76 ありがとうございます!!!


    ガキィ!

    日向「ぐ……!」

    モノクマの爪は、模擬刀に防がれながらも少し日向に刺さった。

    日向「くそ!」

    モノクマ「ぐえ!」

    モノクマを蹴り飛ばす。

    日向「七海! 大丈夫か……!」

    ガチャンッ

    日向「え」

    七海「モノクマ、日向くん確保だよ」

    日向の片手だけに付けられていた手錠は、七海によって両手に付けられた。一気に手の自由が利かなくなる。

    日向「な……! 七海!?」

    モノクマ「なに、日向クン。このゲームの本来のルールを忘れちゃった〜?」

    日向「……ッ!」

    モノクマ「日向クンは、女子から逃げる事が目的なんだよ! それは七海さんだって例外じゃないんだ! アーッハッハッハ!」

    日向「そ……そんな……だって、七海は今まで……俺を助けてくれて……」

    日向が呟く。

    七海「それは違うよ!」

    七海は珍しく大きな声で言った。

    七海「私は今まで、日向くんを追う人がいたから日向くんを守ってただけ。あんなところで拘束しても、日向くんが危ないでしょ?」

    日向「…………」

    モノクマ「この隔離島なら、もう他の女子に日向くんが襲われる心配は無いんだよね」

    七海「そういうことだよ」

    日向「…………」

    日向(爆発によって隔離されたこの島に連れて来られたのか……? だとしたら……)

    七海「モノクマ。ロープくれる?」

    モノクマ「はいよ」

    モノクマは七海にロープを差し出した。

    日向(七海は最初から……自分1人を優勝者にするために……モノクマと……手を組んでいた……ってことか……)

    七海「日向くん。抵抗しないで、大人しく捕まってね」

    モノクマ「ま、抵抗っても、手がまともに使えないんだけどね!」

    日向の周りにロープ。日向は上半身を一本のロープに縛られ、完全に足しか抵抗が出来なくなった。

    七海「こんなものでいいの?」

    モノクマ「いや、あとは足を縛って逃げられなくしたらオッケーだよ」

    七海「うん、了解」

    日向「…………」

    モノクマ「うぷぷ。これで日向クンは敗北決定〜!」

    日向「…………」


    日向は……>>78

    抵抗した
    抵抗しなかった
  77. 78 : : 2015/07/09(木) 01:58:24
    した
  78. 79 : : 2015/07/12(日) 00:34:18
    日向「……悪い。七海」

    七海「え?」

    日向は、軽く七海を蹴った。衝撃はあまり強くなかったが、予想外だったのか、七海はバランスを崩して尻もちをついた。

    日向「ジャンP! サンD! マガG! チャンP!」

    ブチィッ

    カチャリ

    日向が叫んだ途端、日向を縛っていたロープが切れて、手錠も外れた。

    それと同時に日向は、迷いなくモノクマに向かって走り出した。

    七海「あ、あれって……」

    日向に張り付いていた4つの物体。

    田中の破壊神暗黒四天王だ。

    その内1匹が針金を持っていた。

    七海「田中くん……?」

    田中「……我が魔獣が急に騒ぎ出したのだ。特異点は今、ここで負けるべきではないと。決して俺様の意志ではない」

    七海「ああ、うん」

    田中は未だに動けないが話すことだけは出来た。

    破壊神暗黒四天王は、日向のロープを噛み千切り、針金を使って手錠を外してしまったのだった。

    日向「モノクマーッ!」

    モノクマ「小癪な!!」

    ガシャンッ!

    ミサイル砲発射用意!

    日向「行けえ! 破壊神暗黒四天王!!」

    一斉に4匹が飛び出す。

    そして、協力してモノクマの目を塞いだ。

    モノクマ「うわ!?」

    一瞬怯んだその隙に。

    カチャリッ

    モノクマの左手に手錠をする。

    モノクマ「……! しまっ……!」

    日向「オラァ!」

    開いている手錠を引く。

    モノクマを引き寄せ……

    カチャリッ

    右手にも手錠を掛けた。

    モノクマ「ボ……ボクは無実だ! 冤罪だ!」

    日向「そんなの……知るかよ!」

    最後にモノクマの丸い体と手錠の間に模擬刀を刺し、脱出出来ないようにした。

    ついでに落ちてた小刀も固定に使う。

    最後に、身動きの取れないモノクマの上に乗っかって、手で押さえつけた。

    日向「これで……文句ないだろ」

    モノクマ「ぐ……ぐぬぬぅ……!」

    日向「自爆は犯則だ。捕らえようがないからな。これで俺の勝ちだろ」

    七海「わあ……。勝ったんだ……」

    モノクマ『ピンポンパンポーン♪』

    モノクマの放送が聞こえる。

    モノクマ『ついに決着がつきました! 今回の優勝者は……!』

    モノクマ『不本意ながらも! 相当につまらないですが! 仕方なく! 日向クンに決まりましたぁ〜!』

    日向「……ふぅ」

    一気に体の力が抜ける。

    七海「おめでとう、日向くん」

    日向「ああ……ありがとう」

    モノクマ『ってなワケで……優勝賞品は、日向クンに渡されることになります!』

    日向「全力で嬉しくないな」

    七海「1人でデート? 中々すごい使い方だよね」

    日向「悲しすぎるからそんな使い方はしない」

    七海「ちなみに、田中くんとデート券もあるらしいよ」

    日向「ソニアにでもやるか……」

    モノクマ「日向クン、悪かったよ。もう降参するから、どいてくれないかな」

    未だに日向の下敷きになっているモノクマ。

    日向「……まあいいか」

    日向は立ち上がり、模擬刀を引き抜く。手錠は面倒臭いから取らなかった。

    モノクマ「はーあ。ツマンナイの。よりにもよって、日向クンが優勝しちゃうなんて……。精々1人デートでも愉しんでね……。はい賞品」

    日向「それは嫌だ。ってなんだこれ、多いな!?」

    モノクマから、手作り感満載のチケットを沢山貰う。

    七海「数枚(100枚)?」

    モノクマ「数枚って便利な言葉だよね! 曖昧に伝えられるんだし!」

    日向「曖昧にも伝わってない! どうするんだこれ……。全部捨てるか……」

    モノクマ『もちろんデート券は、例え奪われても有効となります。特製カレー引換券も同様です』

    日向「とりあえず、帰って全部燃やすか」

    七海「うん、それがいいよ」

    モノクマ「へー、勿体ないの? それがあれば、遊園地で1日無料で遊べるんだよ?(もともと無料だけど)」

    日向「…………」

    日向「そうだな……。お前に勝った記念に1枚だけ使ってみるか」

    モノクマ「べっ別に悔しくなんかないんだからね!」

    七海「ツンデレ女子系モノクマって可愛くないものだね」

    日向「女子モドキ系キモモノクマじゃないのか?」

    七海「語呂よくキモノクマじゃない?」

    日向「女子モドキ系ですらないな。適当に太陽系でいいか」

    七海「あと三世付けてみようか」

    【太陽系キモノクマ三世】

    日向「あとなんか適当な奴のセリフも付けてみるか」

    【太陽系キモノクマ三世「朕は便座カバーなり」】

    【太陽系キモノクマ三世「朕はヘッドホンなり」】

    【太陽系キモノクマ三世「朕はヘッドンホホなり」】

    【太陽系キモノクマ三世「朕は深海なり。助けて」】

    モノクマ「2人ともさっきからボクに対して冷たすぎない!?」

    日向「当たり前だろ! こんなことに巻き込まれて!」
  79. 80 : : 2015/07/12(日) 01:08:41
    とりあえずその場に収拾を付け、田中をなんとか起こして帰ることにした。

    モノクマ「島同士はまた頑張って連結させておくから」

    ということで、ちゃんと帰ることが出来た。

    日向「そういや七海。なんであの時裏切るフリなんてしたんだ?」

    七海「え? したっけ?」

    日向「だって、急に俺に手錠をして……」

    七海「ちゃんと説明したでしょ? 日向くんを捕まえる場所はあそこ以外に無いでしょ?」

    田中「日向を捕らえれば、この闇の遊戯は終焉の時を迎える……。そう考えたわけだな?」

    日向「なら、ロープは?」

    七海「ロープは自由にモノクマから貰えるルールなんだよ」

    日向「じゃあ……あの時俺に対して言った言葉は……」

    七海「え? あの時の言葉は、モノクマに言ったんだよ?」

    日向「…………」

    全部日向の勘違いでした


    【日向のコテージ】


    途中、男子組に賞賛されながら、日向は自分のコテージに戻って来た。

    日向「…………」

    日向の手には、デート券。

    日向(さて……これはどうするかな……?)

    >>81
    使う、ばらまく、焼き捨てる……etc
  80. 81 : : 2015/07/12(日) 03:21:35
    七海と使う
  81. 82 : : 2015/07/19(日) 02:42:16
    日向(……ま、大分世話になったしな……。多分、七海無しじゃ勝てなかった気がするし)

    日向はコテージを出る。

    日向「……まあ、断られたらそれまでだけどな……」


    【七海のコテージ】


    ピンポーン

    ガチャ

    七海「あれ、日向くん? どうしたの?」

    日向(……よく考えれば……っつか普通にコレデートに誘ってるんだよな……? あ、やばい……何も考えてなかった……)

    日向「あー……えっと、別に嫌じゃなければでいいんだが、折角コレ貰ったんだし、七海がいなければ勝てなかった気がするし、モノクマに、ちょっとこれに行ってみる気は無いか?」

    ノープランで行った結果、若干パニクって変な言葉になってしまった。

    七海「……?」

    七海「あっ」

    七海は理解した。

    七海「うん、日向くんが良いなら……。一緒に行ってもいい……かな?」

    日向「ああ。じゃなければ、俺はこうして良いに来たりしないだろ?」

    七海「ふふっ。確かにね。それで、いつ行こっか?」

    日向「そうだな……。別にいつでもいいんだけど……明日の朝、あそこで待ち合わせるか?」

    日向は指さし示す。

    七海「了解。頑張って起きるよ」

    日向「ああ、頑張ってくれ」

    2人は笑いながらそう言った。

    「…………」

    ……そんな2人を、陰で見守っている2つの目があった。

    ……1つ目や3つ目なら怖い。そんな話はしていない。


    【レストラン】


    左右田「左右田和一、帰還したぜ」

    十神「ご苦労。成果は?」

    左右田「日向の野郎が七海とデートの約束なんぞをしてやがった」

    九頭龍「七海と来たか……。まあ当然っちゃ当然だな」

    田中「して、どうするつもりだ?」

    左右田「んなの決まってんだろ?」

    十神「当然だ」

    左右田「ヤツらの空間をぶち壊す!」
    十神「2人をサポートする!」

    ほぼ同時に言った。

    九頭龍「静かに見守ってやれよ」

    左右田「そんな選択肢は!」
    十神「ない!」

    九頭龍「そこで息が合ってんじゃねーよ」

    狛枝「深刻なツッコミ役不足だね」

    九頭龍「るせー」

    花村「それにしても、意見が分かれちゃったね……」

    弐大「拳で語り合えい!」

    十神「よかろう!」

    左右田「よかねーよ! オレが潰されるだろうが!! 無駄に本格的なそのファイティングポーズ止めろ! オイ!」

    …………

    男子組の話し合い(物理)の結果……

    >>83に決まった。
  82. 83 : : 2015/07/19(日) 04:01:24
    モノクマの勝利!

    ドッキリハウスに強制送還
  83. 84 : : 2015/07/19(日) 18:09:46
    モノクマ「勝ったッ! 第3部完!」

    十神「待て、勝手に終わらせるな! これからが始まりだろう!」

    左右田「いきなり出てきて何の話だよ!」

    モノクマ「ぶっちゃけこの先はこのssの本来の目的と外れるんで、また新しく始めようかなっとね」

    九頭龍「それ以上メタな事言うんじゃねー! 黙れ!」

    モノクマ「だって、普通にデートしてもつまんないじゃん! そんなの眺めて何が楽しいんだよ! 左右田クンとかMなの!?」

    左右田「うっせー! 話飛びすぎだろ! 悲しくなるから止めろ!」

    十神「とりあえず、余計な事をされる前に取り押さえるぞ!」

    弐大「応ッ! かかれぃ!」

    モノクマ「身代わり!」

    左右田「ぎゃああああ!!」

    左右田が弐大のすごい力に捕まった。

    弐大「うお!? スマン左右田!」

    左右田「いいからとっとと離せ……ッ!! 死……ッ!!! ぐふっ……」

    花村「左右田くんが死んだ……!」

    十神「くっ……! 急いでモノクマを捕まえろ! 日向達が死んでしまうぞ!」

    モノクマ「ヴァカメ! 本気のボクを捕まえようなんざ1週間早いんだよ!」

    左右田「意外と近いな!」

    花村「うわっ! 左右田くんが復活した!」

    モノクマ「じゃ! まったねー! うぷぷぷ!」

    モノクマは去った。

    狛枝「……これはまずいね」

    十神「日向と七海の様子を見に行くぞ!」


    【七海のコテージ】


    七海「モノミちゃん、明日は何着ていった方がいいかな?」

    モノミ「そうでちゅねー。これなんかどうでちゅか?」

    七海「却下」

    悩む様子すら見せずに即答。

    七海「っていうか私の部屋にそんなのあったっけ?」

    モノミ「そもそもこの部屋に服自体が少ないので持ってきまちた」

    七海「センスがちょっとおかしいよね、モノミちゃん」

    モノミ「ガーン……」

    モノミ「そ、そうでちゅ。いっそ気合いを入れすぎないで、いつも通りの服で……」

    モノミ「……あれ? 千秋ちゃん?」

    いつの間にか、モノミは1人になっていた。

    モノミ「……あれぇー?」


    【日向コテージ】


    日向「さて……」

    日向「我ながら、ものすごく動揺してるな。頭が上手く回らない」

    日向「冷静に言ってるけど、本当に今頭が真っ白だからな」

    日向「さて、どうしたもんかな……。何も考えてないけ……」

    次の瞬間、日向はパッと消えてしまった。




    【次回予告】





    これより、☆サバイバルinドッキリハウス☆を開始いたします!
                                えぇ……
    バカか! もう一回言うぞ!バカか!
            どうしてこんなことに……         何も分からないことが分かった
     アーッハッハッハ!  強☆制☆送☆還            ヤベーなこりゃ……
            スーパーファイナルウルトラハイパーミラクルデッドスペシャルルーム
    日向くん!  食べ放題飲み放題      コイツ 完璧に 狙ってやがる……   殺す気か
       出口だ!    きゃー日向くんのえっち
      ワケが分からない                嫌な予感しかしないな……
     グングニルの槍!   聖剣エクスカリバー! コンティニュー?  リプレイ1回100円
    腹減ったな……   どう転んでも死ぬねコレ   動いた!?
     THE 誰得                         どうしてこうなりやがった

    To be continued...

    ※画面は開発中のものですらありません(恐らくこうなるかな程度)


    続きhttp://www.ssnote.net/archives/37353

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