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このSSは性描写やグロテスクな表現を含みます。

勇者が旅立たなければ世界が崩壊するとかのフラグは立たないとオレは思うんだがどうだ妹よ

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  1. 1 : : 2015/02/01(日) 16:07:06





    妹「は?なに言ってんの」




    オレ「聞こえなかったか?もう一度言おう」




    オレ「勇者が旅立たなければ、世界が崩壊するとかいうフラグは立たないとオレは思うんだが」



    妹「……ごめん、アンタが何言ってるのかよく分からない。とうとう脳が腐りかけたのかしら」



    オレ「なんとかまだ大丈夫だ。多分」



    オレ「まあつまりだ。いわゆるロールプレイングゲームの類ってよくあると思うんだけど、結局は主人公が旅とかイベントに遭遇しなければ、世界には何も起こらないよな?」



    妹「……あんたね。いくら私が血の繋がってない暴力系オテンバ妹だからって、なめてんの?」



    オレ「あいや、別になめてるとかなめてないとか、そんなつもりはない」



    オレ「ただ単にだ。オレは疑問点を口にしたんだよ。だってそう思わないか?」



    妹「どうでもいい」



    オレ「うーん……」



    オレ「ああ、そうだ。よくRPGである部分を思い浮かべてくれたらいいんだよ」



    オレ「大概ああいう物語ってさ、最初から魔王とか世界にいるかもしれないけど、主人公16歳になるまで別に平和だったりするじゃん」



    妹「……」



    オレ「で、意気揚々と主人公が冒険に出発するだろ?そうしたらいつの間にか、逆に故郷が魔物にぶっ壊されたりするしさ」



    オレ「最終的には世界が崩壊したりするとか言うRPGもよくあるじゃないか」



    妹「……」



    オレ「だから、主人公は旅に出なけりゃいいと思うんだ。何もしなければ今の平和は続く。そうじゃないか?」



    妹「……」



  2. 2 : : 2015/02/01(日) 16:15:11




    オレ「だから、オレは、主人公や勇者は旅立つべきではないと思うわけだ」



    妹「……あっそ」



    妹「じゃあいいよ。私一人で行くから」



    オレ「待て待て待て、妹よ」



    妹「……なに」



    オレ「さっきのオレの話をどう思う?」



    妹「……知らないわよ。あんたが意気地なしっていう話でしょ」



    オレ「いや違うんだ。冷静になって考えてみろよ」



    妹「そんな話を妹にする時点で、あんたの頭のネジはぶっ飛んでると理解できてるから、冷静になる必要なんてないわ」



    オレ「まあ、まあ。落ち着け」



    妹「落ち着いてます」



    オレ「違う。お前は落ち着いてない」



    妹「あんたよりはマシ」



    オレ「確かに君が言うとおり、僕はまだ17歳の若い若い若輩者だ。しかし君よりは数日も早くこの世に生まれている。だから、落ち着いている」



    妹「……はぁ……」



    妹「なんなの?本当」



    オレ「い、いや、オレは冷静に今の現状をだな……」



    妹「お父さんとおばさん、殺されたんだよ?」



    オレ「……あ、いや……」



    妹「しかもさっき!!私の目の前で!!!」



    オレ「……」



  3. 3 : : 2015/02/01(日) 16:21:49




    オレ「……だから……落ち着けと……」




    妹「親殺されて落ち着いてる子供がどこにいるってのよ!!」



    妹「あんたなんか、【あいつら】の前で小便垂れてびびりまくってたくせに!!」



    オレ「……う」



    妹「……だから私は、ここから出て行く」



    妹「お父さんと……義理だけど優しくしてくれたおばさんの仇を……」



    妹「私は取る!!!」



    オレ「……」



    オレ「ん、んなこと言ったって……」



    オレ「どうやってあんな化物どもに立ち向かうってんだよ!!」



    妹「はぁ!?」



    オレ「オ、オレだって悔しいさ!!実の母さんが目の前で殺されたんだぞ!!」



    妹「……」



    オレ「だけど……だけどよ……!」



    オレ「あんな化物……!」



    妹「……」



    オレ「……オレだって……」



    オレ「くそ……!」



    妹「……」



    妹「……ごめん」



    妹「…………私も……冷静じゃなかった」



    オレ「……」



  4. 4 : : 2015/02/01(日) 16:38:16







    2040年、地球





    突如として訪れたそれは【魔神地球融合】と呼ばれた








    よくある設定かもしれないが、この地球という星の裏側には【2つの世界】が存在したらしい



    一つは【魔界】と呼ばれるもの。
    いわゆる魔人、モンスター、化物、妖怪、これら空想の生物が実際にその世界に居住していた。
    人間界で悪の所業を行ったモノたちがたどり着く場所、とも言われている


    もう一つは【神界】と呼ばれるもの。
    いわゆる神話の神々が住んでいると言われる世界である。
    ゼウス?とか、オーディンとか、なんか偉い人がたくさん住んでいたらしい
    魔界に堕ちた人物らの見張りとか監視を行い、その存在を封じ込めているのにどうしても必要な世界だったとさ





    その2つの世界が、いきなり地球と


    【融合】したのだ



    なんの前触れもなく。突然。



    以来この世には、魔族と神々が住んでいる世界となった……と思うでしょう?



    いやいや、実際は違うんです



    魔族というのは今まで地獄のような世界で暮らしていたらしく、地球の温度や酸素濃度にはすぐ適用されたんですが



    神々の連中は癒しの空間で時をお過ごしになっていたらしく、地球に融合した瞬間にその空気に耐えられず、皆消滅したらしいのです




    はい。ここまで言えばなんとなく分かりますかね



    魔族を押さえ込める手法・能力を持っているのは、【神々】だけ



    地球の軍事武器??


    はは、そんなものが魔族という連中に通じるはずがない


    という訳で地球は、たった1年にして








    【魔族】に支配される星へと、変わっていたのです





  5. 5 : : 2015/02/01(日) 16:45:33





    オレ「……あいつらには、銃も効かない。爆弾も効かない」



    妹「……」



    オレ「オレ達人類は、奴らの目を忍びながら暮らしていくしかない……」



    妹「……」



    オレ「……母さんとおじさんが庇ってくれなきゃあ……オレ達も魔族に殺されていただろう」



    妹「……」




    オレ「だから……な?妹よ」



    オレ「この家から食料を回収して、隠れ家に帰ろう」



    妹「……」



    オレ「母さんやおじさんを失ったことは、オレだって悔しい。死ぬほど悔しい」



    妹「……」



    オレ「……でも……」



    オレ「……今の人類は……奴等には勝てない」



    妹「そんなこと言ったってっ!!!」



    妹「何もしなければ、あいつらの好きにやられるだけじゃない!!!」



    オレ「……そんなことは分かってるさ」



    妹「……~~~ーーーっ!!」



    オレ「だけど……」



    オレ「今は……帰ろう」



    妹「う……うう……」



  6. 6 : : 2015/02/01(日) 17:24:34




    オレ「……さ。荷物、オレが持つから」



    妹「……うぅ……」



    オレ「……母さんとおじさんのお墓は、いつか作りに戻ってこよう」



    オレ「……な?」



    妹「……ふぅ……えっ……ええ……」



    オレ「……ほら、よしよし」



    妹「えええぇぇ……」



    オレ「……」






    魔族が何故、人間を襲うのか


    それは奴らの根幹にある、【憎悪】のせいだそうだ


    よく、悪い人が死んだ後は地獄へ行くという話があるけれども


    まさに、そんな人間たちが変形した姿が魔族となっているらしい


    「この世で悪事を働いてきた悪魔ども」からすると、人間が普通に生活してくるだけで嫉妬心が生まれるのだろう


    彼らは見境なく、人類を皆殺しにかかってきた


    とはいっても、今述べたことについてはあくまでの想像語りでしかない


    結果は「神のみぞ知る」ということだが、その神という存在が絶無された今、真相は誰にも分からないのだ


    とどのつまり、人間は【魔族】から逃れて生きていくしかない





    オレ「……」




    オレだって、そんな世界で生きていくことを希望していた訳じゃないけれど


    これはいわゆる、生命系の縮図なのだ


    弱者は強者に蝕まれる


    オレ達人類が、今まで牛や豚、鳥の肉を食べていたことと同じ


    ただ、それだけだ



  7. 7 : : 2015/02/01(日) 17:33:30




    妹「……う……ぅ……」



    オレ「……泣き止んだか?」



    妹「………うん」



    妹「ごめん……」



    オレ「……はは。いいよ」



    オレ「オレもいきなり、変な話して悪かった」



    オレ「さ、帰ろう」



    妹「……うん……」






    そう言って、オレは妹の手を握り、その家を後にした



    今オレ達は、一部の人類が100名程度で住んでいる隠れ家で生活をしている



    この国は「日本」と呼ばれており、世界の経済国の中での唯一の島国だと言っていい



    よって、アメリカ大陸やロシア、中国、ヨーロッパよりは魔族が寄り付いていないという情報が入っている



    だが今言った大国も、魔族に対しミサイル攻撃や最先端軍事技術を駆使したらしいが、魔族には全く通じず



    日本より先に、国民が全滅したとかなんとか



    そんな連中の襲来をいち早く知ることができた島国日本は



    早急に軍事シェルター等の設備を設置し、【魔族対策】をしたおかげで、生き残っている人類はまだ多いらしい







    オレ達がこうして、魔族が徘徊している街に食料を探しに来ているのでわかると思うが・・・圧倒的に足りないのだ。食料が



  8. 8 : : 2015/02/01(日) 17:38:25




    オレ、義理の妹、おじさん、母さんの4人は、その食料を探索するため、隠れ家を出て街へ食料を探しに来た



    だがその矢先



    魔族に見つかり、おじさんと母は殺された





    オレ「…………」



    妹「…………うう……」





    オレと妹は、その家の階段を静かに降りる



    そして、一階のリビングを見ないように玄関に出る



    リビングには、オレと妹を庇って魔族に立ち向かった、首のない両親の亡骸があるからだ



    お互い実の息子、娘ではないにしろ、彼らは最後の最後まで、肉親を守ろうとしてくれた



    オレはその両親の意思を継ぎ、守らなければならない






    妹「……あいつら……い、いる?」



    オレ「……いや、今外は誰も歩いてない」



    妹「……そっか……!」








    たった一人の、妹を








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Perusona

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