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エレン「祝ってやらねぇよ、バーカ」【ミカサ誕生日ss】

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  1. 1 : : 2015/01/16(金) 20:29:10

    大大大大大大大大大大大好きなミカサのお誕生日ssです

    コメントは執筆中だけ規制します

    おーえんしてちょうだい
  2. 2 : : 2015/01/16(金) 20:51:06
    もちろんでさぁ
  3. 3 : : 2015/01/16(金) 23:08:23
    応援だー!
  4. 4 : : 2015/01/17(土) 01:08:59
    応援&期待
  5. 5 : : 2015/01/17(土) 12:09:24
    おーえん!!おーえん!!
  6. 6 : : 2015/01/17(土) 22:02:32
    期待っ期待っ
  7. 7 : : 2015/01/17(土) 22:21:47
    皆さん期待&応援ありがとう。

    では書き始めます
  8. 8 : : 2015/01/17(土) 22:30:35


    エレン「誰がお前の誕生日なんか祝うかよ」


    エレン「俺は訓練で忙しいんだ。んなことしている暇はない」


    私の誕生日の、1ヶ月前のことだった。


    アルミンが私の誕生日についての話題を振ったとき、エレンに言われた。


    『訓練で忙しいんだ』


    嘘、アルミンの誕生日は二人で祝ったじゃない。


    二人で小さなケーキを作って、お祝いした。


    アルミンは笑顔で、喜んでくれた。


    その笑顔を見て、エレンも笑っていた。


    確かに、私の誕生日の次の日は訓練のテストがある。


    忙しい気持ちは・・・分かる。


    でも・・・誕生日だけは祝って欲しかった。


    今まで欠かさず祝ってくれた。


    今の私には・・・その権利がないということなのだろうか。


    そうなの、エレン?


    今にも湧き出そうな涙をグッと我慢する。


    涙を抑えることって、こんなにも辛いことだったんだ。


    辛い・・・

  9. 9 : : 2015/01/17(土) 22:36:29

    アルミン「ミカサ……」


    ミカサ「・・・」



    黙っている私に、優しい声をかけてくれるアルミン。


    優しくしないでいい、アルミンは優しすぎるから。


    ミカサ「大丈夫。」


    アルミン「良かった、あんまり気にしないでね」


    ミカサ「えぇ」


    アルミン「・・・」


    エレンは私のこと、嫌いになったらしい。


    嫌いなら、エレンの為にもあまり関わらないようにしよう。


    うん、それがいい。


    たまには・・・同室の子達と話でもしよう。
  10. 10 : : 2015/01/17(土) 22:45:11


    夕食とシャワーを済ませ、私は寮へ戻る。


    部屋には、アニがいた。


    普段、私はアニのことをあまり好ましく思っていない。


    しかし、今日はいつものように喧嘩腰ではなく、ごく普通の会話ができた。


    意外と、アニとは話がしやすかった。


    今まで私が警戒していただけで実は良い人だった。


    アニ「・・・なんで急に私に話しかけて来たんだい」


    ミカサ「たまには、同室の子と話でもしようかと」


    アニ「ふーん、大方あの死に急ぎ野郎と喧嘩でもしたかと思ったんだけど」


    ミカサ「・・・否定はできない」


    そう、否定はできないのだ。


    いや、アニの言ったことは当たっている。大当たりだ。


    私が、認めようとしないだけで。


    ショックでも理解しなければならないのに。
  11. 11 : : 2015/01/18(日) 17:49:08
    エレン
    ツンデレン

    期待!
  12. 12 : : 2015/01/18(日) 22:31:43

    アニはエスパーというものだろうか?


    人の心がはっきりとお見通しのように見えている。


    アニ「何、人のことジッと見てるの」


    ミカサ「!」


    ミカサ「い、いえ・・・」


    アニ「あんた、今日ちょっとおかしいよ。本調子じゃない」


    ミカサ「・・・」


    アニ「・・・エレンはそんなに影響するのか」


    私は


    やっぱり、エレンがいないとダメなようだ。


    エレンがいないと、このまま自分の力だけで生きていける気がしない。


    ミカサ「・・・」


    アニ「・・・はあ」


    溜め息までつかれてしまった。


    申し訳ない、アニ。ごめんなさい。


    ミカサ「・・・」


    アニ「話ぐらい、聞いてあげてもいいけど」


    ミカサ「・・・いい?」


    アニ「ん、いいよ」

  13. 13 : : 2015/01/23(金) 22:13:14


    ミカサ「エレン…が」


    アニ「うん」


    ミカサ「私の誕生日、祝ってやらないって」


    アニ「……はぁ?」


    ミカサ「アルミン、の、誕生日は祝ってくれた。けど、私の……」


    ミカサ「私の誕生日は嫌だ、って」


    アニ「はあ・・・?」


    ミカサ「・・・・・・」


    ミカサ「私は、家族としても祝われない……」


    マフラーを上に上げる。


    数年前、エレンが巻いてくれて、家族として受け入れてくれたマフラー。


    このマフラーで、どんなに救われたことか・・・

  14. 14 : : 2015/01/24(土) 08:08:43


    アニ「…そうか……」


    ミカサ「・・・」


    空気が変わってしまった。


    失態。せっかくアニと話していたのに。


    私のバカ。


    ミカサ「では・・・、アニ。ありがとう、お休みなさい」


    アニ「もう寝るのか」


    自分ばかりズルして……最低……。


    だんだん自分が嫌になってくる。
  15. 15 : : 2015/01/25(日) 22:51:11

    翌日……エレンに朝から避けられた。


    アルミンは、私の側に寄り添ってくれたけど・・・とても食欲がなく、大分残してしまった。


    その残りは、サシャが欲しがっていたのであげた。


    アルミン「・・・」


    アルミンは、さっきからエレンのいる方向を睨んでいる。


    エレンに向かってではなく、エレンのいる方向の床を睨んでいた。


    ・・・


    私が原因で、今まで築き上げてきた二人の絆を壊していいの?


    何年も、共に過ごしてきて築き上げてた二人の友情を。

    もう、何をすればいいのか分からない。


    分かっても、やりたくない。

  16. 16 : : 2015/01/25(日) 22:52:52



























    誕生日なんて・・・なくなればいいのに





















  17. 17 : : 2015/01/28(水) 23:08:58


    それから、15日ぐらい日は過ぎてしまった。


    あれから私は・・・訓練以外は引き込もってしまった。


    人を極端に避け、ベッドの隅で窓の向こう側を眺めていることが多かった。


    それと・・・


    体調が急に悪くなった。


    何もしていないのに、咳があり得ないほど出たり


    寝ている時に、全身に激しい痛みが走ったり。


    エレンの、あの言葉があんなにキツかったとは。


    体が・・・悲鳴をあげていた。

  18. 18 : : 2015/01/28(水) 23:15:03




    寒い。




    私は夢を見た。


    それは、カルラおばさんが生きていた頃。巨人がまだ、壁を壊す前の年。


    カルラおばさんは、かわいいケーキを作ってくれて、忙しい筈のイェーガー先生もアルミンも祝ってくれた。


    その時、私がろうそくの火を吹き消そうとしたとき……


    エレンは、10本のろうそくを消した。


    音を立てず、静かに。


    このあとエレンは、カルラおばさんにこっ酷く怒られていた。


    今、思えばあの頃からエレンは、私の誕生日が嫌いだったのかもしれない。


    本当はずっと、我慢させていたのかもしれない。




    そう思うと・・・急に金縛りが襲ってきた。



  19. 19 : : 2015/01/28(水) 23:19:26


    ミカサ「・・っ!、ううっ・・・」


    唸っても、目を開けようとしても動かない。


    まるで、催眠術にかかってしまったみたいに。



    ミカサ「う・・・ああっ・・・!」


    もがき、苦しむ。


    この度に、私は起こされる。


    クリスタ「ミカサ…ミカサ……!」


    ミカサ「ううう……いや…うあ… っ!」


    クリスタ「しっかりして!ミカサ!」


    意識は・・・途切れた。


  20. 20 : : 2015/01/30(金) 07:27:06


    ・・・


    どのぐらい、時間が経っただろうか。


    気がついたら、医務室のベッドの上にいた。


    薬品のキツい匂いが、鼻を擽る。


    ベッドの横には、アルミンが寝ていた。


    クゥ、クゥ、と寝息を立てている。かわいい。


    ミカサ「・・・」


    ミカサ「医務官は、どこ?」


    アルミン「ん・・・?」


    ミカサ「!」


    アルミン「ミカサ…?起きたんだね・・・」


    まだ半分寝ているけれど、アルミンは声を掛けてくれた。


    ミカサ「ごめんなさい、アルミン」


    アルミン「え、なんで?」


    ミカサ「・・・」


    アルミン「・・・ミカサは一昨日の夜、意識を無くしたんだ」


    ミカサ「2日間も、寝ていたの」


    アルミン「うん、エレンにお礼言っときなよ。2日間徹夜で看病してくれたんだ」


    アルミン「僕は、昼担当だったけどね」


    得意げに笑うアルミンに「ありがとう」というと照れ臭そうに笑った。

  21. 21 : : 2015/01/30(金) 23:14:49



    ミカサ「エレン、が・・・」


    アルミン「うん」


    アルミン「今日の夜さ、話してみたら?」


    ミカサ「しかし」


    アルミン「ん?」


    相手にしてくれるかどうか。


    エレンは、話す前にこの場を離れると思う。私の顔なんて見たくないだろう。


    話したくないだろう。


    ミカサ「・・・」


    アルミン「心配しないで」


    アルミン「僕が、ついてるから」


    優しく微笑んだ、アルミンの表情は


    まるで魔法のように私の心を和らげてくれた。


    アルミン、ありがとう・・・


    アルミン「ニヒヒッ!」

  22. 22 : : 2015/01/31(土) 08:12:27

    ミカサ「ふふ、その笑い方は怖い」


    アルミン「いや、ちょっとね・・・」


    ミカサ「アルミンありがとう」


    アルミン「いえいえ」


    それから夕方まで、アルミンと話をした。

    訓練兵になってから、こんなにゆったり話す機会がなかったから、とても楽しかった。


    アルミン「ミカサは、プレゼント何が欲しい?」


    ミカサ「え・・・」


    アルミン「贈らせてよ、一生に一度の15歳の誕生日だよ」


    ミカサ「う……」


    ミカサ「じゃあ、誕生日は一緒にいて欲しい」


    アルミン「それじゃあ、いつもの誕生日と同じ……」


    ミカサ「いい、一緒にいたい。お願い」


    こんなに頼み込んだのは、いつ以来だろう。


    ずっと、ずっと昔のような気がする。


  23. 23 : : 2015/01/31(土) 20:35:09

    アルミン「分かったよ、今年も一緒にいよう」


    アルミン「プレゼントは、僕が勝手に決めるから」


    ミカサ「ありがとう・・・」


    アルミン「いつも通りなのに」(苦笑)


  24. 24 : : 2015/02/02(月) 21:49:23

    そして、夜がやってきた。


    アルミンから、エレンに連絡はいってる筈だけど、全然来る気配がない。


    やっぱり、私は本気で嫌われているのかもしれない。


    アルミンにはどう答えたのだろう?


    エレンは私と一生、話もしたくないのだろうか。


    いつもは、分からなかったけど意外と一人で待っているのは寂しい。


    同室の人がいるということが、こんなに素晴らしいことなんて微塵も思ってなかった。考えもしなかった。


    ミカサ「・・・」


    私は座っている状態そのまま、眠りに墜ちた。




    「ミカサ!おい、ミカサ!!」




    ユラユラと体を揺すられ起きた真夜中2時ぐらい。月が大分傾いている。


    私を起こしてくれたのは、エレンだった。


    ミカサ「えれん・・・?」


    エレン「・・・おう」


    ミカサ「眠たいよ・・・」


    エレン「話があるんだろ、シャキッとしろよ」


    ミカサ「ちょっと待って欲しい・・・」


    エレン「・・・ああ」


    少し、ぎこちない会話だったけれども、普通に話せた。


    それが、何よりも嬉しかった。

  25. 25 : : 2015/02/04(水) 20:40:31

    少し、間が開いて目が覚めて来たとき、丁度エレンが話し掛けてきた。


    エレン「で、話って?」


    ミカサ「怒らないで・・・聞いてほしい」


    エレン「内容によるけどな」


    ミカサ「・・・」


    一瞬、話そうかどうか迷った。


    でも、折角エレンを呼び出したし、このまま、と言うわけにもいくまい。


    ミカサ「どうして……」


    ミカサ「どうして、誕生日を祝ってくれないの?」


    エレン「!」


    ミカサ「もうすぐでテストで、忙しい。でも、私だって」


    ミカサ「私だって、この世に生まれてきた日を、祝って欲しい」


    最後はもう、半泣きだった。


    伝えたい思いを伝えるということはこんなにも苦しくなるんだ。


    エレンは、どんな顔をしているのだろうか。


    知りたい、でも見る勇気がない。


    エレン「・・・そうか」


    エレン「ごめん」


    エレン「ごめんな、ミカサ」


    ミカサ「・・・」


    涙を流し、うつ向いている私の背中にエレンは優しく手を添えてくれた。


    エレンの体温が伝わってきて、暖かくて。


    私は嬉しさと悲しさの涙を抑えられなくなった。


    エレン「泣き止めよ」


    ミカサ「……ごめんなさい」


    エレン「ったく、世話の焼けるな」


    ぶっきらぼうだけど自分のシャツで私の涙をゴシゴシと拭いてくれた。


    少し、痛くて。でも、嬉しくて。

  26. 26 : : 2015/02/04(水) 20:47:08

    エレン「俺、ミカサのことちゃんと見てやれなかった」


    エレン「自分のことばっかりで、結局ミカサを泣かせちまって」


    ミカサ「・・・」


    エレン「最低だな」


    ミカサ「違う、そうじゃない」


    エレン「は?」


    ミカサ「エレンは最低なんかじゃない」


    エレン「・・・そうか?結構、お前やアルミンを無意識のうちに傷つけてたり、多いだろ」


    ミカサ「そうかもしれない。でも、エレンは」


    ミカサ「私を看病してくれた」


    ミカサ「アルミンに無理させないように夜中、徹夜で」


    ミカサ「そんな貴方の何処が最低だと言うの」


    エレン「・・・」


    ミカサ「だから……だから…」


    エレン「・・・ありがとう」


    ミカサ「!」


    エレン「ふわぁ~眠い」


    ミカサ「・・・一緒に、寝よう」


    エレン「へ?」


    ミカサ「久しぶりに、二人で寝よう」


  27. 27 : : 2015/02/04(水) 20:53:03


    エレン「えっ、いや、な・・・」


    ミカサ「嫌ならいいけど」


    エレン「あー、うー……」


    ミカサ「・・・」ションボリ


    エレン「・・・おう、寝ようぜ」


    ミカサ「……!本当に?」


    エレン「ああ」


    ミカサ「二人で寝るなんて久しぶり」


    エレン「んじゃ、お邪魔しまーす……ってお前足冷たッ!」


    ミカサ「いつもこう」


    エレン「マジかよ・・・靴下、履けよ」


    ミカサ「今日はいい。エレンがいるから」


    エレン「……あっそ」


    ミカサ「エレン、大好き・・・」


    エレン「ちょっ、背中に顔スリスリすんな!wwwくすぐったいwww」


    ミカサ「無理・・・暖かい」


    エレン「おま、wwwやめっwwwwww」


    ミカサ「エレン楽しそう」


    エレン「ミカサのせいだってwwww」

  28. 28 : : 2015/02/07(土) 22:20:29


    ミカサ「ねぇ、エレン」


    エレン「wwん?」


    ミカサ「誕生日、祝ってくれる?」


    エレン「?」


    エレン「当たり前だろ」


    ミカサ「何年、何十年経っても?」


    エレン「ああ」


    ミカサ「そう……」


    安心して、そのまま一言も話さずに私は眠りに落ちた。

    いつもより、暖かい布団でぐっすりと眠れて何よりエレンが隣にいたことがすごく嬉しかった。

    こんな時間が、毎日来たらいいのに。とつい思ってしまう。

  29. 29 : : 2015/02/10(火) 20:20:46
    そして、2月8日。


    私の誕生日は、訓練があって忙しいので今日祝って貰うことにした。


    アルミンは何故か無理矢理、私とエレンを街に出掛けさせた。


    三人で歩きたかった。


    エレン「もう・・・15歳か」


    ミカサ「うん。エレンと出会って6年ぐらい経った」


    エレン「早かったよなぁ」


    ミカサ「そう?私は長く感じた」


    エレンと出会って、アルミンと出会って。


    巨人が攻めてきて、おばさんが殺されて。


    開拓地で二年間過ごして三年目の訓練兵。


    その間に、色々なことがあった。


    エレン「よし、ミカサ。どこか行きたいところあるか?」


    ミカサ「・・・」


    特にない。

    ……と、いうか、どんなお店があるのかよく知らない。


    ミカサ「では・・・」


    エレン「おう」


    ミカサ「エレンのおすすめのところに行きたい」


    エレン「・・・そんなんでいいのか」


    ミカサ「うん、行きたい」


    エレン「……分かった。じゃあついてこい」


    エレンははぐれないように、私の手を握った。

    暖かい。

    この温もりが、私の幸せだと思った。

  30. 30 : : 2015/02/10(火) 20:31:03

    エレンおすすめ一軒目は・・・男の人がたくさんいた。


    皆、筋トレをしていて・・・


    筋肉が凄い人達ばかりだった。


    エレン「・・・こんな所、誕生日は嫌だろ?」


    ミカサ「いえ、びっくりした」


    トレーナー「さぁ、おめぇら!第39回筋トレ大会を行うぞ!」


    この場所のリーダーらしき人が出てきて、言った。


    エレン「参加する!」


    ミカサ「じゃあ、私も」


    エレン「申込みしてくるから、ちょっと待ってろ!」


    無邪気で可愛い。


    好きなことに関してはこんなに執着して、目がキラキラしてて。


    楽しい顔だな。


    私を含めて、女性の参加者は3人だった。


    男女混合でやるようだ。


    まず、初めに上体起こしで、30秒で何回できるか競うようだ。


    訓練兵として・・・ここは負けられない。


    結果、私が一位、エレンが三位だった。


    エレンが悔しがっていた。


    二回目、腕立て伏せ。


    こちらもルールは同様だ。
  31. 31 : : 2015/02/10(火) 20:39:14
    結果、私は一位、エレンは二位だった。


    エレンとの差は、たったの6回だけだった。


    危ない危ない。


    三回目、背筋。


    こちらは一分間らしい。


    結果、私はまた一位。エレンは四位だった。


    ラスト、肺活量。


    これは、顔を水の中に浸けておいて息を吸うまでのタイムを計る。


    時間は無制限らしい。


    結果、エレンが一位で私は二位だった。


    どうも私は、肺活量が少ないらしい。


    エレンは最後に私に勝てて、とても喜んでいる。


    エレン「いい汗掻いたな!」


    ミカサ「うん、気持ちよかった」


    エレン「なあ、腹減らないか?」


    ミカサ「・・・もう12時。運動もして、お腹空いた」


    エレン「おすすめの店!行こうぜ」


    エレンのおすすめの店は、お肉の店だった。


    肉を焼いたあの香りが漂い、食欲をそそる。
  32. 32 : : 2015/02/10(火) 20:49:04


    運ばれてきた料理は大きなステーキ。

    あまりの大きさに、一瞬、呆気にとられた。


    エレン「なあ、すげぇだろ!?」


    ミカサ「凄い・・・大きい」


    エレン「ほんじゃ、いただきます!」


    ミカサ「いただきます」


    エレンは凄い勢いで食べた。

    なんと、大きいステーキを15分で完食していた。私は食べきれなくて、半分エレンに食べて貰った。


    美味しそうに食べていて、とても私も心地好かった


    エレン「いっぱい食った・・・」


    定員「お会計2万円になりま~す」


    ミカサ「!」


    エレン「あ、はい」っ2万


    ミカサ「エレン、流石にそれはダメだ。半分出す!」


    エレン「いいって。奢らせろ」


    そう言い、エレンは本当に全部払った。


    お財布の中はすっからかんなのではないだろうか。


    ミカサ「エレン、ありがとう」


    エレン「ああ、いいよ。どうせ金なんて使い道ねぇし」


    ミカサ「私だって・・・」


    エレン「女は、何かと必要だろ?」


    そうでもない。私の場合は。


    エレン「だってよ、俺の貯金20万だぞ?」


    ミカサ「私は38万円」


    エレン「」


    ミカサ「三年間、貯めてきた」ドャアア


    エレン「・・・すげぇな、ミカサ」

  33. 33 : : 2015/02/10(火) 21:00:34

    エレン「少し休憩するかな・・・」


    エレンの案内で、小川が流れる公園へ来た。


    寒いので、公園には誰もいなかった。


    小川の水を、手で掬うと冷たい。


    エレン「ファ・・・眠いな」


    ミカサ「うん…」


    実は私も、凄く眠たい。


    お腹いっぱい食べたら、睡魔が襲ってきた。


    エレン「寝るかあ・・・」


    と、エレンが言ったその時。


    私はエレンの太股に頭を乗せた。


    何だか、柔らかいような、固いような・・・でも調度いい気持ちの良い固さだ。


    エレン「コラ、何してんだ」


    ミカサ「zzz……」


    私は眠った振りをする。


    ふむ、我ながら名演技だろう。


    エレン「・・・寝たのかよ」
  34. 34 : : 2015/02/10(火) 21:05:14

    私が寝たのを確認すると、エレンは頬をツンツンしてきた。


    何だか恥ずかしくて、頬を紅くしたけれども、エレンは気づかない。


    エレン「柔らか・・・」


    今度は引っ張ってきた。痛い・・・


    エレン「ムニムニしてるな」


    このまま、目を開けたら驚くだろうか。


    うん、絶対驚いて目を見開くだろうな、エレンのことだから。


    ミカサ「・・・」


    私は目を開けた。


    エレンはびっくりして、予想通り目を見開いた。


    そして暫くの間、固まっていた。


    ミカサ「エレン・・・?」
  35. 35 : : 2015/02/10(火) 21:09:12
    エレン「起きてたのかよ・・・」


    ミカサ「ふふ、ごめんなさい」


    エレン「ちぇ、次から気をつけるか」


    ミカサ「いえ、きっとエレンは二回目も騙される」


    エレン「何を~っ!」


    ミカサ「でも、しばらくこのままでいい・・・?」


    エレン「・・・ん」


    冗談のつもりだった。


    エレンの太股は本当に心地好い。安心できる。


    いつの間にか、二人とも眠りへとついていた。

  36. 36 : : 2015/02/10(火) 21:14:02


    目を覚ますと、辺りは真っ暗だ。


    急いでエレンを起こす。


    ミカサ「エレン、起きて」


    エレン「ぅ…ん……?」


    ミカサ「真っ暗」


    エレン「……どわあああ!!ヤッベェ、もう門限過ぎてる!!」


    ミカサ「大変」


    エレン「はははははははは・・・教官にクソ怒られる」


    ミカサ「もう、戻っても遅い。ゆっくり帰ろう」


    エレン「・・・開き直ったな」


    ミカサ「うん、悩んでいても仕方ないこと」


    夜の風は冷たかった。
  37. 37 : : 2015/02/10(火) 21:17:55

    宿舎に戻ると、やっぱり教官に怒られた。


    たまには、エレンと怒られるのも悪くない。


    教官の説教はいつも以上に長く、エレンも相当凝っていた。


    エレン「な、長かった・・・」


    ミカサ「ええ、とても」


    エレン「なんか食う気しねぇな・・・」


    そう言ってエレンは食堂の扉に手を掛けた。
  38. 38 : : 2015/02/10(火) 21:20:19



    アルミン「パッピーバースデー!ミカサ!」


    ミカサ「!!」


    エレン「!?」


    そこには、皆がいた。

    綺麗に飾りつけをしてあり、とても華やかな食堂

    小さくてかわいいケーキ

    そして、笑顔の仲間。


    ミカサ「凄い・・・」


    アルミン「へへっ、凄いでしょ!」


    エレン「本当にすげぇよ!!」


    ミカサ「感動…した・・・」

  39. 39 : : 2015/02/10(火) 21:22:39

    それから、教官に内緒でお酒を飲んだり、菓子を食べたりした。

    私はお酒が苦手なので、遠慮しておいた。


    エレン「ミカサ・・・」


    ミカサ「何?」


    エレン「ちょっと外、出ないか?」


    ミカサ「ええ、いいけど・・・」

  40. 40 : : 2015/02/10(火) 21:29:06


    外へ出た。


    皆、酔っているせいか気づかれなかった。


    エレン「あの・・・さ」


    ミカサ「うん」


    エレン「はい、これ!!」


    エレンは、小さな小包を渡してきた。


    ミカサ「これって・・・」


    エレン「プレゼント!用意してた、ずっと前から」


    ミカサ「・・・そう」


    エレン「1ヶ月前は、あんな酷いこと言ってごめん」


    エレン「それに、避けたりした」


    エレン「・・・誕生日、おめでとう」


    ミカサ「ふふ・・・明後日だけど」


    でも、とても嬉しい。

    嬉しい。嬉しい。


    ミカサ「開けていい?」


    エレン「……ああ」


    小包を開けた。

    その中には・・・

    綺麗なネックレスが入っていた。


    ミカサ「!」


    エレン「気にいってくれたか・・・?」


    ミカサ「ええ、とても」


    ミカサ「ありがとう、エレン」


    エレン「ミカサ、生まれてきてくれてありがとう。」


    エレン「ミカサがいてくれて助かってる」


    エレン「これからも、世話になること多いけど」


    エレン「よろしくな」


    ミカサ「・・・うん」


    今日の月は、いつも以上にとても明るかった。


    ~end~

  41. 41 : : 2015/03/25(水) 15:54:24
    遅れたけどミカサ誕生日おめでとう!!
  42. 42 : : 2015/04/03(金) 12:18:25
    感動
  43. 43 : : 2015/07/06(月) 19:57:30
    感動!
  44. 44 : : 2017/04/03(月) 12:30:20
    好きです(告白

    感動でしたぁ!!
  45. 45 : : 2017/04/04(火) 07:43:45
    ミカサ「お父さんお母さん、私は、この世界に生まれてよかったよぉぉ〜」
  46. 46 : : 2017/04/21(金) 22:19:52
    なにこれ!超感動!泣けてきたわ!キャラメルポップコーンが、びしょびしょになったわ
  47. 47 : : 2017/06/24(土) 13:05:11
    ( º дº)<キエェェェエエェェェ
    (・ω・ノノ゛☆パチパチ

    今回もものすごく良作でした。
    好き過ぎて発狂しました。( ´ิω´ิ )
    乙です
  48. 48 : : 2017/12/17(日) 06:56:09
    感動しました!(´A`。)グスン目から涙が...
  49. 49 : : 2017/12/17(日) 08:39:30
    良作
  50. 50 : : 2018/01/27(土) 13:14:38
    ミカサ「お父さん、お母さん、私は幸せだよ!」
  51. 51 : : 2018/04/21(土) 22:42:47
    最高涙もろ出まくり

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eremika1

MARIA

@eremika1

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