ssnote

x

新規登録する

作品にスターを付けるにはユーザー登録が必要です! 今ならすぐに登録可能!

日向「え!?ここ希望ヶ峰学園なの!?」

    • Good
    • 37

loupe をクリックすると、その人の書き込みとそれに関連した書き込みだけが表示されます。

▼一番下へ

表示を元に戻す

  1. 1 : : 2014/10/29(水) 08:06:01
    初ssです。

    ※キャラ崩壊

    ※設定の変更・ねつ造注意

    ※ダンガンロンパシリーズのネタバレ等注意

    ※その他もろもろ注意

    でお願いします。
  2. 2 : : 2014/10/29(水) 08:07:14


    俺の名前は日向創

    どこにでもいる普通の高校生だ

    いや、正確にはまだ高校生じゃないな

    今日は小高高校の入学式。

    ここから俺の高校生活がスタートするんだ

    俺は未来に期待を膨らませて門をくぐった……




    その瞬間!?



    日向「なんだ……!?このフィールドの違和感は……!?」


    俺の意識は暗闇へと落ちていった


  3. 3 : : 2014/10/29(水) 08:08:46




    日向「は!?」



    目が覚めるとそこは何もない空間だった

    いや、あった

    目の前には大きな扉があった


    日向「いったい何なんだ?とりあえず扉を開けてみるか……」


    大丈夫だよな?

    おそるおそる俺はその扉を開けてみた

    まず目に入ったのは黒板だった

    ここは教室か……





    ?「あれ!?日向君!?」


    ?「日向!?」


    ?「日向さん!?」


    ?「お前さんは日向!?」


    ?「なんで、日向のヤローがここに!?」






    超高校級のみんな「「「「「「「「え!?」」」」」」」」」




    七海「え」



    日向「え」


  4. 4 : : 2014/10/29(水) 08:10:54


    弐大「がっはっは!!まさか、おまえさんがここにくるとはのう!!知っているやつがいるとは思わなかったぞ!!」



    日向「お前、弐大じゃないか!!久しぶりだな!!確か最後に出会ったのは……」


    弐大「おう!!あの試合以来じゃったな!!あのときは敵同士だったが……」


    日向「おまえの率いるチームにはやっぱり勝てなかったよなあ……」


    左右田「おい、待て日向!!そこのおっさんと知り合いなのかよ!?」


    日向「おまえ!!左右田じゃないか!?どうしておまえもここに……!?」


    左右田「そりゃ、こっちのセリフだっての!!なんでおまえがここにいるんだよ!!つーか、そこのおっさんと知り合いなのかよ!!」


    日向「おっさんじゃなくて弐大だよ」


    弐大「おう!!ワシの名は弐大猫丸じゃあああああああああ!!」


    左右田「ああ、俺は左右田和一…じゃなくてだなぁ!!!」





    ソニア「日向さん!!!!!」(抱きつき)




    日向「ってソニア……!?なんでおまえも……って、急に抱きつくなよ!?」



    ソニア「会いたかったです!!日向さん!!これは運命ですね……ああ、さながらドラマのような展開!!さすが、日向さんですね!!」



    左右田「日向テメェー!!この人……いやこのお方とどういう関係だコラァー!!場合によっちゃソウルフレンドのおまえでもゆるさねぇぞ!!」



    日向「いや、どういう関係も何も…」


  5. 5 : : 2014/10/29(水) 08:13:59

    小泉「ふーん、アタシも気になるわね。その娘との関係」


    日向「小泉…!?なんで小泉がここにいるんだ…!?」


    小泉「そんなことはどうでもいいのよ日向……」ポキポキ


    日向「小泉さん?どうして腕をポキポキならしているのでしょうか……?」


    小泉「問答無用!!」


    ソニア「ケンカはおやめなさ~い!!」


    日向「誰のせいだと思ってんだよ!!」


    罪木「うぅ……うう」ポロポロ


    日向「今度はなんなんだ……って罪木かおまえ!?何泣いてるんだ……!?誰にやられた!?」


    罪木「うゆぅ…日向さんにはもう心に決めた方がいたんですね……私の今までの努力は無駄だったんですね……!!」


    日向「違う、聞いてくれ!!ソニアとは一日だけあったことがあるだけで……何も!!」


    罪木「一日……!?たった一日に私の思いはぁぁぁぁあああああああーーー!!!!!」



    小泉「日向」



    あっ、俺死んだ



    花村「おっと、きれいなお嬢さん方といえど、ぼくの嫁は傷つけさせないよ!!」


    日向「花村ァ!?……って嫁じゃないぞ俺は!!」
  6. 6 : : 2014/10/29(水) 08:14:56


    花村「何をいってるんだい?日向くーん!!
       君は立派に花村の味を学んだじゃないか!!」


    小泉「味……!?学んだ……!?あんたまさか男にも手を出していたなんて…!!」



    日向「それは違うぞ……!!花村の実家の店でバイトしたことがあるだけだって……!!」


    花村「うちはいつでも君をうけいれる準備は整っているんだよ!!さぁ、一緒にぼくとお店を開くんだ!!」


    日向「だから、それは前に断っただろ!!」


    ソニア「そんな日向さんがBLだったなんて……!!」


    日向「違う!!ソニア!!いや、ほかにもいろんな誤解が生じてるけど、それは違うぞ!!」





    ソニア「アリですね!!」

    日向「アリなのかよ!!?」


  7. 7 : : 2014/10/29(水) 08:16:58

    十神「落ち着け!!愚民ども!!」


    左右田「なんだ、おまえいきなり……」


    十神「おまえたちが日向と知り合いなのはわかった……だが、このままでは日向も落ち着いて話せないだろう?まずは日向の話をきこう」


    日向「やっとまともに場をとりもってくれるやつが……ありがとう……!!」


    十神「ふん、俺とおまえの仲だろう?さあ、日向とりあえず落ち着いてこいつらに説明しろ」


    日向「ああ、そうだな……ところでひとついいか?」


    十神「なんだ?」


    日向「ええと、おまえ名前なんだっけか……?」




    十神「え」


    日向「え」


  8. 8 : : 2014/10/29(水) 08:18:49


    十神「ちょっとまて!?……忘れたのか?俺のことを!!」



    日向「忘れたっていうか…初対面だよな…?
       いや、まてよ?」


    十神「そんな、日向クン……ボクのことを……!!」


    日向「チキンとビーフ……どっち派だ?」


    十神「なぜ選択肢にポークがないッ!!……は!?」


    日向「まさか、おまえは……!!」





    十神「……」


    日向「……」





    十神「俺の名は十神白夜、超高校級の御曹司だ!!
       忘れたとは言わせんぞ、日向!!」



    日向「だよな、と、十神……!!はっはっは、俺が忘れるわけないだろ!?ただ、久しぶりだから、一瞬誰かと思ってだな……」アセアセ


    十神「まったく仕方のないやつだな……ま、まあ体型とか違うしな!!うん、前会ったときと少し体型とか違うからな、うん……」アセアセ





    左右田「なんかいまのやりとり白々しくねぇか?」


    弐大「確かに、なんじゃったんじゃ今のは?」


  9. 9 : : 2014/10/29(水) 08:22:41


    十神「と、とにかくだ!!ここにいる数名は日向にいろいろ聞きたいことがあるだろうし、日向も聞きたいことがあるだろう……まずは落ち着いて話そう」



    と、十神のおかげでなんとかなったな


    しかし、なんだこの状況は?


    落ち着いてはみたもののさっぱりだな


    というかここはどこなんだろう?





    澪田「ふぅー、よく寝たッス!!!」


    九頭龍「この状況で寝てられるとかお前なにもんだよ?」




    澪田「おやおや、なーんか変な雰囲気……って、ハジメちゃん!!!」(抱きつき)


  10. 10 : : 2014/10/29(水) 08:23:53

    日向「!?」


    小泉・罪木「!?」


    ソニア「oh……」


    十神「日向……お前一体何股してるんだよ!?」


    日向「いや、違うから!!俺は女の子と付き合ったことないから!!」


    左右田「日向テメー!!この状況でよくもそんな嘘を!!
    ソウルフレンドの俺に黙って……!!何人も女たぶらかしてんじゃねーぞ!!」


    弐大「さすがに見損なったのう……」


    花村「さすが、ぼくの嫁」



    日向「いや、違うんだって……!!」


    澪田「何が違うんすか?創ちゃんと唯吹の仲じゃないっすか!!」

    日向「バンドメンバーだろ!!バンドのメンバーだろ!!」


  11. 11 : : 2014/10/29(水) 08:25:06

    小泉「もしかして、あんたバンドって本気だったの!?
       じゃあ、あなたが……」


    澪田「その様子からすると、真昼ちゃんっすね!!
       自分、澪田唯吹っすよ!!」


    日向「まだ、はじまってもいないバンドだけどな…」


    澪田「なぁーにいってんすか!!一緒に武道館、めざそうぜ!!」


    日向「いや、さすがにそこまでは……」



    ゲシッ!!



    日向「いって!!」


    西園寺「……」


    日向「西園寺!?なぜ、おまえがここに!?」


    西園寺「……」ゲシッ!!ゲシッ!!


    日向「痛ッ……!!?執拗に足の小指をねらってくるんじゃない!?」


  12. 12 : : 2014/10/29(水) 08:27:08

    西園寺「……う、うぅ」ゲシッ!!ゲシッ!! ポロポロ


    日向「」


    小泉「日向、今度という今度は問答無用でいいわよね?」


    ソニア「日向さん見損ないました、こんな小さな女の子まで……!!」


    左右田「日向!!」


    弐大「日向!!」



    日向「違う!西園寺も、違うんだって!!俺はそもそも彼女なんていないし、いたことないんだって!?」


    十神「待て!!おまえたち、落ち着けといっただろう!!」


    澪田「あれっ!?これもしかして唯吹のせいっすか……?」



    日向「頼む、話をきいてくれよ!!」


  13. 13 : : 2014/10/29(水) 08:30:41

    九頭龍「待ちな!!」


    小泉「なによ、今度はなんなのよ!?」


    辺古山「十神や九頭龍のいうとおりだ、まずは日向の話をきこう」


    田中「その通りだな、このままでは一般人といえど、俺様の魔眼を使わねばならないところだ!!」


    日向「九頭龍、辺古山……それに田中!!」


    左右田「やっぱり、そいつらも知り合いなのかよ!!?」


    田中「ふっ、特異点よ……おまえが複数の女共と契りを交わすような、不貞な輩とは考えられん、俺様の右腕であるおまえがそのようなやつではないはずだ!!」


    九頭龍「こいつが何言ってんのかはあんまりよくわかんねーが、日向はそんなやつじゃねーよ……少し頭に血が上りすぎだぜ、おまえら?」


    辺古山「まぁ、そういうことだ……この場にいるほとんどの人間が日向と面識があることには驚いたが、日向という男を知っているならなおさらだ、おまえたちはこいつがそんな男だと思っているのか……?」


  14. 14 : : 2014/10/29(水) 08:33:04


    左右田「確かに、そうだよな。日向、すまねぇ……」

    弐大「ぬっ、そうじゃワシとしたことが、勢いとはいえ、日向を疑ってしまうとはな……この通りだ!!すまん、日向!!」


    日向「いや、俺はだいじょうぶだから頭をあげてくれよ?」


    小泉「わかったわよ!!でも、納得のいく説明をしてくれるんでしょうね……!?日向…!?」


    日向「わかった、俺も正直なにがなんだかわからないが、ひとつずつ話していくことにするか」


    日向「というか、そういえば、まだ話してないやつが何人かいたな」


    左右田「もうここまできたら、全員おまえの知り合いでもおどろかねぇよ……」


  15. 15 : : 2014/10/29(水) 08:34:58

    罪木「ふゆぅ…まだライバルが増えるんですかぁ…?」


    日向「ええっと、あ……終里!!」


    終里「よう、日向!!あいかわらずおもしれーな!!おまえ!!」


    日向「見てないで、おまえも止めてくれよ!!」


    終里「ん、わりーな……なんか見てたほうがおもしろかったんで!!」


    罪木(とりあえずライバルじゃなさそうですね……)ホッ…

    終里「しかし、久しぶりだな……また今度家に泊まりにこいよ」



    小泉「家!?」

    罪木「泊まり!?」


  16. 16 : : 2014/10/29(水) 08:37:41
    日向「違う!!こいつの兄弟たちと友達で、泊まりにいったんだ!!泊まった部屋ももちろん別だ!!」

    終里「まっ、そういことだな。またうめー料理くわせてくれよ!!」

    日向「まぁ、あんな簡単な料理でいいならな…。元は花村から教えてもらったものだし。」

    花村「日向くんのお役にたてて何よりだよ!!」

    日向「ああ、俺もバイトは楽しかったよ。いい経験をさせてもらった。ところで、あとここには何人いるんだ?」

    十神「おまえを入れてここには16人の人間がいることになるな。つまり、あと2人だ」
  17. 17 : : 2014/10/29(水) 08:39:14
    日向「そうか、俺の話は長くなりそうだし、まずは先にあいさつさせてもらうか。」

    左右田「どうせ、残りも日向の知り合いだろ?」

    終里「おう、七海。おまえも日向の知り合いなのか?」

    七海「えっと、私は…」

    日向「ん…?いや、今度こそ初対面だな。はじめまして、日向創だ。」

    七海「うん、さすがにもう名前は覚えたよ。私は七海千秋…だよ。」

    日向「そうか、よろしくな!七海。」

    弐大「何ぃ!!!!!!日向の知り合いじゃないじゃとぉ!!!!」

    澪田「この流れでびっくりっすよ!!逆にレアかも!!!」

    花村「そんな馬鹿な!!!」

    田中「特異点が…敗れただと…!!」

    左右田「いや、自分で言っておいてなんだが、知り合いじゃないやつぐらいいるだろ…。」
  18. 18 : : 2014/10/29(水) 08:41:08
    ソニア「いいえ、私と日向さんは知り合いなんてもんじゃありません、私たちは…!!」

    左右田「!?」

    日向「もうやめてくれ!!頼むからこれ以上話をややこしくしないでくれ!!」

    西園寺「へぇ、そこのオタクっぽい女ははおにぃの毒牙にかからなかったんだぁ。よかったねぇ。」

    日向「西園寺、毒牙って、おまえなぁ…。」
  19. 20 : : 2014/10/29(水) 08:44:24

    西園寺「冷静に考えたら、私が泣く必要なんてないよねー。
        おにぃがクズだっただけなんだもーん。」

    日向「違う、俺はただ…。だって、俺は普通で平凡な男だ。
       だから…」

    西園寺「だから、わたしから逃げたっての!?このウソつき!!」

    日向「そうだな、おまえには返す言葉ないよ。
       俺は才能のないうえにクズな男だ…」

    小泉「日向…その娘となにがあったの?」

    日向「それは…」「そのとおりだよ日向クン!!」

    日向「なっ、おまえは!!」

    狛枝「そうだよ、ボクさ!!」

    日向「狛枝!!おまえなのか!?」
  20. 21 : : 2014/10/29(水) 08:46:06
    狛枝「そうだよ、そしてここは希望ヶ峰学園だよ。君の言うとおり、君のような才能のない平凡で退屈な男がいるようなところじゃないんだ!!わかったらさっさと…」

    日向「狛枝ァ!!!!!!!」(抱きつき)

    狛枝「え!?」

    左右田「え!?」

    九頭龍「え!?」

    花村「やっぱりホモじゃないか!!(歓喜)」

    罪木「えぇー!!今度は日向さんから抱きつくんですかぁ!!」

    小泉「もう頭痛い、あんた本当になんなのよ!!」
  21. 22 : : 2014/10/29(水) 08:47:41
    十神「日向…おまえ…。」

    日向「うるさい黙れ!!今、俺は狛枝とはなしてんだよ!!」ドン!!!!!

    弐大「(日向の雰囲気が変わりおった!!これはあのときの!!)」ビクッ

    九頭龍「(ちっ、なんて迫力だよ!!変わってねぇな!!)」
    ビクッ

    辺古山「(日向に限ってないと思うが、万が一のことがあったら、坊ちゃんをお守りしなくては…)」スッ

    小泉「何よ、なんでキレてんのよいきなり!!」

    狛枝「うっ、日向クン、離してくれ!!」

    日向「離すかよ!!おまえなあ!!俺がどれだけ心配したと思ってんだよ!!畜生!!」
  22. 23 : : 2014/10/29(水) 08:49:52

    狛枝「やめてくれ、変な目で見られてるよ!!それに、ボクは君が嫌いなんだ!!」

    日向「おまえが嫌いでも俺は好きだ!!!」ドン!!!!!!!!

    狛枝「あいかわらず、君は人の話をきかないな!!」

    田中(あれ?俺の知ってる特異点じゃないぞ?)

    九頭龍(迫力は変わってねぇが、こんなやつだっけ?こいつ?)

    ウサミ「あのーみなさん…?」

    日向「うるさいな!!ぬいぐるみはだまってろよ!!」

  23. 24 : : 2014/10/29(水) 08:53:41
    狛枝「え!?いや、ぬいぐるみが喋ってるのはおかしいよ!!
       ボクよりそっちに注目してよ!!てか、落ち着いてよ。」

    日向「確かに、狛枝の言うとおりだな。なんでぬいぐるみが喋ってんだ?」

    狛枝「急に落ち着きすぎだよ!!びっくりしたよ!!」

    日向「えっ、っていうかここ希望ヶ峰学園なの!?」

    狛枝「遅いよ!!!!!!」

    日向「まずいぞ!学校間違えた!!」

    狛枝「間違えすぎでしょ!!!!」




    七海(うわぁ…ウサミちゃんこれ大丈夫かなぁ)

    ウサミ(うぅ、不安でちゅ。)
  24. 30 : : 2014/10/31(金) 23:06:02
    どうなってんだよ一体…!!
    どうして、俺に縁のあるやつらばかりここにいるんだ!?

    だが、俺は今ここにいるみんなよりも、
    ここが希望ヶ峰学園であるということに驚きを隠せないでいた。

    学校を間違えただと…!!
    ありえない!!

    さっきはノリで言ったが、さすがに間違えるはずがない。

    ウサミ「なにやらハプニングがあったようでちゅが!!
        これから希望ヶ峰学園、修学旅行を始めまちゅ!!」

    左右田「いきなり出てきてなんなんだよ!!
        ってか、入学式はどこいったんだよ!!」

    正直、みんなが何をいっているのかほとんど耳に入らなかった。

    ―――希望ヶ峰学園

    その言葉が頭の中でうずまいている。

    そういえば、いつのまにか教室がなくなっている。

    田中「なんだと!!どういうことだ!?」

    辺古山「私たちは希望ヶ峰学園にいたのではないのか!?」

    さっきまでの空気を全て吹き飛ばすように青い空、白い雲が現れる。
    そして、太陽がうっとうしいほどに輝いていた…。

    そこで、俺の思考は停止した…。
  25. 31 : : 2014/10/31(金) 23:10:00
    十神「…と、なんかシリアスめいた空気が作りだされたわけだが…。」

    左右田「日向のせいで時間がかかったが、ようやく全員の顔と名前を把握できたな…。」

    九頭龍「で、事情を話すとか言ってた日向が気絶してんのかよ…。」

    西園寺「こいつ、完全にのびてんねぇ~!!メンタル弱いなぁ、あいかわらず!!」ツンツン

    日向「」

    小泉「日寄子ちゃんだっけ…?とりあえず、木の棒でつつくのはやめにしない?」

    西園寺「えぇ~なんでダメなの~?お似合いだよ、この変態クズには…。」ツンツン

    罪木「日向さんはメンタルは弱くないし、クズじゃないですぅ!!」

    辺古山「変態は訂正しないのか…」

    罪木「そうですねぇ、日向さんは変態ですね…いい意味で!!」

    左右田「いい意味ってなんだよ!?」

    小泉「ふーん、アタシも今のうちに蹴っとくかな…」ゲシゲシ

    西園寺「わぁい!!おねぇが仲間に加わったね!!」ツンツン

    左右田「なに加わってんだよ!!やめろよ!!」
  26. 32 : : 2014/10/31(金) 23:24:59
    澪田「いやぁ、唯吹もハジメちゃんが、まさかこんなにお盛んだったとは…。」

    ソニア「英雄色を好む…ですね!!さすがは、将来ノヴォセリックの王になるお方!!」

    田中「ふっ、この世界を統べる覇王たるこの俺様の右腕だ…。一国の主ぐらい至極当然よ!!」

    左右田「おまえは日本人だろ!!日本語で話せ!!日本語で!!」

    ソニア「左右田さん!!そういった偏った考えが、お国を滅ぼしてしまうのです!!」

    左右田「え!?今の発言だけで、国崩壊レベルなんすかぁ!?
    …ってか、日向のヤロー、将来王様かよ!?ふざけんな!!」
  27. 36 : : 2014/11/02(日) 10:27:50
    狛枝「あ、ちょっと、いいかな?」

    七海「なぁに?狛枝君…」

    狛枝「確かに、日向クンのことはみんなが気になるとは思うんだけど、また状況が変わったんだよね。改めて確認するまでもないかもしれないけれど、ボクらは希望ヶ峰学園にいたと思ったら、この、どこかもわからない南の島にいた。」

    弐大「あれには驚いたのぉ…。まるで魔法としかいいようがなかったぞ…。」

    辺古山「にわかには信じがたいのだが、ウサミと名乗る謎の生物が我々をこの島につれてきたというのか?」

    九頭龍「瞬間移動なんて信じたくねぇけど…。なんにせよ人間技じゃねぇ拉致り方だ!!いや、実際に人間じゃねぇんだけどよ…。」

    西園寺「拉致とか…。やっぱあんたヤクザなんだねぇ~!!」
    ツンツン

    九頭龍「うるせぇ!!今のは別に関係ねぇだろ!!つーか、まだ日向をつついてんのかテメェは!!」

    終里「小泉!!腰のひねりが甘いぜ!!そんなんじゃ日向は倒せねぇ!!」ドカッ!!

    小泉「ふん!!こうかしら、赤音ちゃん!!」バキッ!!

    左右田「だーーーーぁ!!蹴り方教わってんじゃねぇよ!!つーか、日向はもう倒れてんだよ!!」

    澪田「やめたげてよぉーー!!」

    花村「日向くんのライフはもうゼロよ!!」

    左右田「おまえらも遊んでんじゃねぇぞ!!!!」

    七海「(なんだろ…圧倒的にツッコミが足りない…と思うよ。)」
  28. 37 : : 2014/11/02(日) 10:31:02
    日向「」

    罪木「はわぁ!!もうやめてくださいよ!!冗談でも日向さんをいじめるのはだめですぅ!!」

    西園寺「はっ、なんで邪魔すんのさ!!ゲロブタ!!」

    罪木「ゲロブタ…!?」

    西園寺「お似合いでしょ?あんたのことはそう呼ぶことにしたから!!」

    罪木「かまいません…ですが、日向さんに危害を加えることだけは許しません!!小泉さんも!!」

    小泉「…悪かったわ。アタシもちょっと悪ふざけがすぎた…。でもさ、どうしてそこまでこいつに固執するの?こいつに入れ込んでも無駄よ…。こいつは最低のふぬけ野郎よ!!」

    罪木「それでも私の心は変わりません!
    例え…日向さんが悪人だったとしても!!」

    小泉「!?…あんた、そこまで日向のことが好きだっていうの!?」

    罪木「でも、安心しました。ここには私以上に日向さんを愛せる人はいません!!私が、私が一番日向さんを愛しているんですってことでいいですよね?」

    西園寺「なによ…こいつ、なんなのよ!?」
  29. 38 : : 2014/11/02(日) 10:32:34
    小泉「そう、わかったわ…。狛枝!!」

    狛枝「おっと、何かな?」

    小泉「この島がどんなもんか探索したいでしょ、今のアタシたちには情報が少ないわ。」

    狛枝「あれぇ?いきなり建設的な意見だね?どうしたの?」

    小泉「別に、建設的ならいいでしょ。二人一組で島を探索しましょう。寝てる日向には十神…、あんたが付き添いなさい。」

    十神「この俺に命令するとはな、だが異論はない。俺もそうしようと思っていたところだ。お前たちは頭を冷やしてくるといい」

    小泉「ええ、そうさせてもらうわ。狛枝、あんたはアタシと来なさい。」

    狛枝「理由を教えてくれるかな?」

    小泉「アタシはあんたに聞きたいことがある…。そして、あんたも私にね。」

    狛枝「なるほど…いいんじゃないかな?まっ、お手柔らかに頼むよ。」

    左右田「ちょっと待て!!勝手にきめてんじゃねぇぞ!!俺も狛枝に聞きたいことがあるっての!!」

    狛枝「でも、ボクは左右田クンに聞きたいことはないかな。」

    左右田「くっ…テメェー!!」
  30. 39 : : 2014/11/02(日) 10:34:32
    九頭龍「まぁ、いいじゃねぇか。島を調べないわけにもいかねぇんだしよ。それに誰が相手でも聞きたいことはほとんど変わらないはずだ。」

    澪田「輝々ちゃん!!猫丸ちゃんがいないっす!!」

    花村「うーん、さっきのキャットファイトはどうやら彼の腸に一番ダメージを与えたようだねぇ。
    つまり、お花摘みさッ!!!!!!」

    >クソじゃぁああああああああああああああああああああああああ

    西園寺「うわぁ・・・・・」

    澪田「ハジメちゃんは心配っすけど…白夜ちゃんにまかせるっす!!」

    花村「嫁入り前の大事な身体なんだから大事にあつかってよね!!」
  31. 40 : : 2014/11/02(日) 10:35:57
    終里「まっ、オレは一人でいいぜ、弐大のおっさんはあとで拾っとくからよ!!」

    田中「ふむ、ではゆくのだ!!皆のもの!!!!!!散!!!!!」


    シ―ン・・・・・


    田中「ん?どうした、なぜ散らばらぬ…」

    左右田「いや、ノリでいったのかわからねぇが、まだほとんど組み合わせつくってねぇだろ…。」

    田中「ぐ…、貴様!!この俺を愚弄するというのか!!貴様らの魂どうしが融合することは簡単なことだが、俺様の魂は特異点しか交わることのできない厄介な代物だ…。故にだな…!!」

    九頭龍「ひょっとして、こいつ日向以外で自分が組めそうなやついないっていいたいんじゃないか…?」
         
    田中「ぐ…!!!ぬわぁんだとぉ…!!」

    左右田「さては図星かよ…、おい。」

    澪田「はーい、二人組つくってー!!」

    田中「やめろぉおおおお!!禍々しき呪文をとなえるなぁああああ!!!!」

    七海「(話が進まないなぁ…)」

    なんやかんやあって、ペアを組んだり組まなかったりで、それぞれ島のあちこちへと散らばっていった。
  32. 41 : : 2014/11/04(火) 14:08:31
    十神&罪木ペアwith日向(状態:気絶)

    日向「」

    十神「おまえは行かないのか…」

    罪木「日向さんを置いていけるわけないじゃないですか…。それに私は保健委員ですから、日向さんを看病しなくっちゃ。」

    十神「それはそうだな…だが、おまえも少し頭を冷やしたほうがいいな…。おまえは日向に執着し過ぎだ…。」

    罪木「好きな人に執着して何が悪いんですか?日向さんは私に愛を教えてくれた…!!初めて私は人を愛することを知ったんですぅ!!」

    十神「ふん、それはたいそうなことだが、周りが全く見えないそれは愛と呼べるのか?」

    罪木「日向さんは優しいから他の人にも愛を振りまいてしまうけど、それなら私が一番日向さんを愛せばいいんです。周りなんて関係ありません!!」

    十神「俺の発言の意図を全く理解していないな…。しかし、日向のやつはいったいおまえに何をしたんだ。さすがにここまで好かれるというのは疑問を感じるのだが…。」


    罪木「教えるわけないじゃないですかぁ、これは二人だけの愛のメモリーなんですからあ!!そういう十神さんも、本当に日向さんと知り合いなんですが、さっきは、少しおかしかったですよね?」


    十神「ちっ、まあいい。日向の看病を続けていろ。」


    罪木「はい、言われなくても…大丈夫ですよ。」



    十神「(だが、なんにせよこのメンバーでやっていくには、メンバーの日向との関係性が重要だな。まったく日向め、こんな厄介なやつらと知り合いとはな…)」

  33. 42 : : 2014/11/04(火) 14:15:18
    田中&左右田&九頭龍トリオ

    左右田「結局、こいつを引き受けることになっちまったな…。」

    九頭龍「まぁ、いいじゃねぇか。しかし、最初に二人一組なんて言いだしたのは小泉のヤローだが、あいつよほど狛枝となんか話したかったみてぇだな。」

    左右田「つーか、俺もききたいんだけどよぉ、日向のあの狛枝に対する態度はなんなんだよ…。あきらかに他のやつらと対応が違いすぎだろ…。」

    九頭龍「左右田は狛枝のこと日向から聞いたことあったか?」

    左右田「いや、たぶんないな。」

    田中「俺様もあの男については知らんな…実に不可解な男よ…。」

    左右田「狛枝のほうも日向の対応にはどんびきしてたみたいだがな。あいつらいったいどんな関係なんだよ…。」

    九頭龍「にしても広い島だな、あきらかに日本じゃねぇのは確かだが…。」

    左右田「ったく、日向に会えたのはともかく、どうしていきなりこんなことに巻き込まれなくちゃなんねーんだよってな。」

    田中「日向か…、我が右腕にこんなにも眷族がいたことは驚きだが、いったいいつどこで契約してきたのやらな。」

    左右田「眷族っておまえ、友達のことか?おまえなぁ、もっとわかりやすく話せよ…。」

    九頭龍「おまえ、そいつの言葉理解してんじゃねーか。案外、おまえもそいつの眷族ってやつなんじゃねぇのか?」

    左右田「そういうおまえも理解してんじゃねぇか、ったく」

    田中「ふん、雑種に俺様の言葉が理解できるとはな…。だが、やつとは友などというぬるい関係ではない!!やつは、この田中眼蛇夢の右腕たる男よ!!」

    左右田「うるせーよ、めんどくせーな…。ってか九頭龍って極道なんだよな…。いっちゃ悪いが、日向のやつは普通のやつだぜ…?なんで、極道のおまえと知り合いなんだよ?」

    九頭龍「あ~、その話は日向のヤローに口止めされてるんでな…。」

    左右田「オイオイ、なんかヤバい匂いしかしねーんだが、大丈夫かよ…。」

    田中「貴様…!!何かあったときはただではすまさんぞ!!
    この覇王たる俺様と破壊神暗黒四天王がな!!」バーン!!

    左右田「って、うわっ、マフラーからハムスターがでてきた!?」

    田中「これぞエビルス・フォースアイズ!!この布陣からは誰も逃れられはせんのだ!!」ズバーン!!

    九頭龍「心配しなくても、ダチである日向になんにもしねーよ…。」

    田中「その言葉、今は信じておくとするか…。だが、俺様にはこの最強の布陣があることを忘れるなよ!!」

    左右田「へいへ~い。覚えときますよっと。」

  34. 43 : : 2014/11/04(火) 14:19:30
    終里&弐大ペア

    終里「おい、弐大…大丈夫か?」

    弐大「すまんのぉ…あの空気に耐えられんかった…」

    終里「あいつら日向のこと大好きすぎるよな、まったく。まっ、みてるだけならおもしろいんだけどな」

    弐大「おまえさんは違うようじゃのぉ…」

    終里「オレか?ん~、日向のことは別に嫌いじゃねぇけど、あいつらほどじゃあねぇよ。何回かうちに来たことがあるとかぐらいだしな。」

    弐大「たしか、おまえさんの兄弟の友達だったんじゃったな…。」

    終里「そういうおっさんは日向とはどんな関係なんだ?」

    弐大「ワシか?ワシがマネージャーをしていたチームと日向の所属していたチームで試合があってな、敵のワシから見てもなかなかいい選手じゃったよ…。」

    終里「へぇ、あいつなんかスポーツやってたのかよ?」

    弐大「うむ、バスケじゃ!!」

    終里「へぇ、んで日向のチームと弐大のチームどっちが勝ったんだ?」

    弐大「ワシのチームが勝った…。じゃが、日向の率いるチームもいいチームじゃった。ワシ個人が奴に興味があって話しかけたんじゃよ。それが知り合ったきっかけじゃ…。」

    終里「そうか、じゃあ、あいつって超高校級のバスケ選手なのか?」

    弐大「いや、いい選手じゃったが、さすがに超高校級のレベルではなかったのう。とはいえ、本格的に鍛えたらいいセンいってるんじゃないかと思うぞ!!…にしても、そういやあいつの才能ってなんなんじゃ?」

    終里「ん~…日向の才能ねぇ…。まっ、本人に聞けば一発だろ!!それより、オレはメシをさがすぜ!!」ダッシュ!!

    弐大「コラ、おまえさん勝手に行くな!!」
  35. 44 : : 2014/11/04(火) 14:22:44
    辺古山&ソニアペア

    ソニア「そういえば、辺古山さんってもしかして…ジャパニーズ忍者ですか!!」

    辺古山「いや、私は剣道家だ…。というか忍者は日本にしかいないぞ…。」

    ソニア「アイエエエ!!ニンジャジャナイ!?ニンジャジャナイ…ナンデ!?」

    辺古山「なに!?どうしたソニア!!いきなりなんなんだ!!」

    ソニア「あっ、いえ、なんでもありません…。何か言わなくてはならないような気がして…。」

    辺古山「そ、そうか…。ところでおまえは日向とはどういう関係なのだ?」

    ソニア「よくぞ、きいてくださいました!!あれはきくも涙…語るも涙の物語なのです!日向さんとの出会いはまさにドラマのような展開でした!!そして二人は恋に落ちたのです!!」

    辺古山「しかし、あの様子だと日向は複数の女性と関係を持っているようだったが…。」

    ソニア「甘いですね辺古山さん!!主人公が複数の女性と関係を持っているなど、ドラマの世界では常識です!!そこから繰り広げられる彼をめぐる女の戦い!!ワクワクいたしますね!!」

    ソニア「ドロドロの昼ドラ展開待ったなしです!!」バーン!!

    辺古山「いや、それはドラマの話なんだろう…?」

    ソニア「そういう辺古山さんは日向さんとは…?」

    辺古山「私か?旅の途中でたまたま出会ったことがあるのだ…。」

    ソニア「旅ですか!!すごいです!!武者修行ってやつですね!!」

    辺古山「まぁ、そんなところだ…。」

    ソニア「ワオ!!すごいです!!ぜひ修行の内容もゆっくりお聞かせ願いたいです!!」

    辺古山「そのうちな…、今は島の探索が先だ、この先にいってみよう。」

    ソニア「はい!!」
  36. 45 : : 2014/11/04(火) 14:25:05
    花村&澪田ペア

    花村「いやぁ、これはあれだね。日向クンが好きな女の子どうし仲良く頑張りましょう♪って感じのハーレム展開は望めそうにないかな?」

    澪田「うーん、創ちゃんったら、あんなに何人もの女の子を落としているとはっ…!!あなどれないっすね!!」

    花村「そう、女の子だけじゃなくて!!ボクもさ!!日向くんはボクの嫁だからね!!」

    澪田「輝々ちゃんさすがっすね!!でもでも、凪斗ちゃんがいちばん創ちゃんの心をつかんじゃってる様子っすよね!!」

    花村「うーん、まさか日向くんのほうから狛枝くんにアプローチするなんてねぇ…。まぁ、だからといってこのぼくが横からかっさらうだけだけどね!!」

    澪田「スゲーっす!!そこにシビれるあこがれるゥ!!」

    花村「まあ、嫌がってるのに無理やりってのはボクのポリシーには反するけどね!!ここは正々堂々と勝負したいところだよ!!」

    澪田「そこは紳士なんすねぇ。ところで、輝々ちゃんは、ハジメちゃんとの出会いはどのようにして…?」

    花村「うーん、さっきも少し話に出たけれど、日向くんがぼくのお店を手伝ってくれたことがあってね…。そんなわけで、うちは日向クンの嫁入りには大歓迎ってことさ!!」てる~ん!!

    澪田「うっひゃー!!創ちゃん引く手あまたっすねぇ~!!唯吹もバンドメンバーお願いしてるんですけどねぇ~!!」

    花村「日向くん大人気で競争率高いのに、ぼく満足!!」

    澪田「たっはっー!!唯吹もハジメちゃんが競争率高いってのに、なんだかワクワクしてきたぞー!!」
  37. 46 : : 2014/11/04(火) 14:27:07
    西園寺&七海ペア

    西園寺「ふぅ、根暗女とペアかぁ…。どうせなら小泉おねぇと組みたかったのになぁ…。」

    七海「あはは…ごめんね?私は西園寺さんといっしょで嬉しい…と思うよ?」

    西園寺「ってか、あんたは日向おにぃと知り合いじゃないんだ?まぁ、あいつと知り合いだからってなんの得にもならないんだけどね~。」

    七海「うん、私だけってのも何かありそうだよね…。仲間はずれなんてなんだか少しさみしいけれど、ゲームなら重要キャラ間違いなしですな…!」ビシッ!

    西園寺「はぁ、でもあんな平凡なおにぃが希望ヶ峰学園にいるっていうのが意外っていうか、意味わかんないよねぇ~。」

    七海「本人も驚いてたみたいだよね?」

    西園寺「案外、おにぃがこの騒動の黒幕なんじゃない?」

    七海「日向クンが自分で自分の知り合いを集めて、自分で修羅場を展開して楽しんでるってこと?」

    西園寺「どうやったかは知らないけれど、最低なおにぃのことだからねぇ。小泉おねぇはよくわからないけど、罪木やソニアは男を見る目がないよね~。まあ、どっちもむかつくからいいんだけど…。」

    七海「西園寺さんはやけに日向クンを嫌うよね…?何かあったのかな…?」

    西園寺「なんにもないよ~。七海おねぇってば、あいつとわたしがなにか関係があるなんて、何バカなこと考えてるのかなぁ~?」

    七海「うーん、じゃあ西園寺さんは私と同じで日向クンと初対面なんだね…?よかった仲間はずれじゃなかったよ…!!」

    西園寺「う…。まあ、なんでもいいでしょ!!ほら、早くいこうよ!!」

    七海「・・・・・・・・・・・。」

    西園寺「七海おねぇ?何、どうしたのかたまっちゃって?」

    七海「ううん、ごめん、ちょっとぼーっとしちゃった…。すぐに行くよ…。」

    西園寺「まったく、もう…。やりづらいなぁ…。」
  38. 47 : : 2014/11/04(火) 14:31:52
    小泉&狛枝ペア

    狛枝「まったく、ようやく希望ヶ峰学園に入学できるかと思ったらこんなことになっちゃって、本当についてないよね…。」

    小泉「ついてないか…確かにいきなりこんなことに巻き込まれたうえに、日向のこともあって…ついてないどころじゃないわね…。」

    狛枝「それで、ボクにききたいことって何かな?」

    小泉「そうね、単刀直入に言うわ。あんたと日向の関係についてよ!」

    狛枝「やっぱり、そのことか。とはいってもボクは才能のない彼に一方的につきまとわれて困っているとしか言えないんだけどな…」

    小泉「そう、じゃあ質問を変えるわ。あんたは日向のことが好きか…嫌いか?」

    狛枝「その質問になんの意味があるのかな?誤解のないように言っておくけど、そういった趣味はないからねボクは…。」

    小泉「いいから、答えてちょうだい!!」




    狛枝「……もちろん、嫌いにきまってるよ。」



    小泉「ふーん、わかったわ。とりあえずはね」

    狛枝「そういう小泉さんは日向クンのことはどう思ってるのかな?」

    小泉「へ!?アタシが日向のことを…!?」

    狛枝「参考までにと思ってね…。今のボクらが置かれている状況に日向クンが関係していないはずがない…。本人が自覚していようと、無自覚であろうともね。」

    小泉「アタシは日向のことは…その…別に…っていうかアタシのことはいいでしょ!!アタシのことは!!」

    狛枝「うん、なんとなく今のでわかったよ…。とりあえずはね…。じゃあ、これからよろしくね小泉さん…」


    小泉「はあ、よろしくね…狛枝…」
  39. 56 : : 2014/11/07(金) 17:44:49
    ん、ここはどこだ…?
    俺はどうなったんだ?

    十神「ようやく、目が覚めたか…。」

    罪木「日向さん!!」(抱きつき)

    日向「うわっ、罪木!!いったい何があったんだよ…これ!?」

    十神「ウサミとかいう自称希望ヶ峰学園の教師のやつに、いきなり南国の島に連れて来られたようだ。」

    日向「さっきのぬいぐるみが教師だって!?それに、ここが南国の島って!?希望ヶ峰学園はどうなったんだ!?」

    十神「俺たちにもわからない。だが、ウサミのいうことを信じるのであればこの島はその修学旅行先なのではないか。」

    日向「っていうか、希望ヶ峰学園ってだけでもおかしいんだよ!!俺は小高高校に入学したはずだぞ!!学校を間違えるなんてさすがにありえないぞ!!」



    十神「何だと!?おまえは希望ヶ峰学園に入学したわけではないというわけか…そこは俺たちと違うな…。おまえを除く俺達15人はみんな希望ヶ峰学園の入学式のために学園の門をくぐろうとした…。そこで目眩におそわれ気がついたら…」

    日向「身体が縮んでしまっていたというわけだな…。」

    十神「違うわ!!この圧倒的肉体をみろ!!どこも縮んでなどいない!!」バーン!!

    罪木「あまり肥満気味だと、健康に悪いですよ…ダイエットをおすすめしますぅ。」

    十神「必要ないな!!この肉体こそが俺が俺である証拠なのだからな!!」ズバーン!!

    日向「そ、その、俺が悪かった…。つまり、気が付いたらみんなあの教室にいたんだな…。」

    罪木「そうですね、日向さんが来るまでは出口を探したりしていたんですが、どこからも出られませんでした。」

    十神「ああ、そしてあのウサミがやってきて、教室がなくなったかと思ったら、この島に来ていたというわけだ…。」

    日向「そうか、それで他のみんなはどうしたんだ…?」

    十神「この島を手分けして探索しているところだ。俺と罪木は気絶したおまえのために残ったというわけだ…。」
  40. 57 : : 2014/11/07(金) 17:47:09
    日向「ああ、そうだったのか…。ありがとうな、
       十神、罪木!!」

    罪木「(ありがとうな罪木…ありがとうな罪木…!!)
        こちらこそありがとうございますぅ!!」バーン!!

    十神「なぁ、日向…。いったいこいつと何があったんだ…。俺はさっきからお前と二人きりになりたいのか、こいつから何度か注射器による攻撃を受けているのだが…」

    日向「ちょ…何やってんだ罪木!!やめろよ…!!」

    十神「俺の肉の鎧があったからよかったものの、危なかったぞ!ちゃんと躾けておけ!!」

    罪木「うぅ…すみません…。日向さんが近くにいると思ったら舞い上がってしまって…十神さんも申し訳ありませんでした…。」

    日向「悪いな十神…。なんか罪木が迷惑かけたみたいで、ちょっと行きすぎるところはあるけれど悪いやつじゃないんだ…。今度からはちゃんと言っておくからさ…。」

    十神「いや、もういい…。だが、おまえも厄介なやつらと関係があるな。」




    罪木「ハァハァ…日向さんにこれから躾けてもらえるなんて…ハァハァ…////////」

    日向「(無視)ところで、ここはどこだ?俺って砂浜で倒れたような気がするんだが…。」



    十神「ここは、おまえ用のコテージだ…。島にはホテルがあって、俺たち16人にそれぞれ個室が設けてある…。衣食住については問題はないようだ…。花村と澪田がマーケットなどで食糧を発見している。だが、俺たち以外に誰も人にあっていないようだ…。しかし、この広い島でそんなことがありえるのか…。」

    日向「そうか…これって本当に修学旅行なのかな…ってか俺は他校の生徒なんだけれども…。」

    十神「それなんだが、本当におまえは希望ヶ峰学園の生徒ではないんだな…?」

    日向「当たり前だろ?希望ヶ峰学園は完全スカウト制じゃないか…。俺にはなんの才能もない…。そんな人間が希望ヶ峰学園に入学できるわけないだろう…?」

    十神「そうか…だが、そんなに自分を卑下するなよ…。おまえはこの俺が認めた男だ…!胸をはっていい。」

    罪木「そうです!!日向さんは私に愛を教えてくれました!!日向さんはすごい人です…!!」



    日向「俺が…すごい…?」
  41. 58 : : 2014/11/07(金) 17:47:42





    ズキッ!!







  42. 59 : : 2014/11/07(金) 17:49:02



    日向「!?…ぐあああああああああああ!!」





    罪木「!?…どうしたんですか!?日向さん!!まさか、西園寺さんにつつかれたり、小泉さんや終里さんに蹴られたりしたせいで…!?」

    日向「あいつら、気絶してる俺にそんなことしてたのかよ!?…いや違う、なんか今急に頭が痛くなって…。」


    十神「無理もないな…いきなりこんなことになったのだ…。どこか身体に異常が出てもおかしくはない…。」

    罪木「あの…、大丈夫ですか!?他にはどこか痛むところはありませんか!?」

    日向「大丈夫…もう痛くないみたいだ…。」

    罪木「よかったですぅ…。日向さんにまたお会いすることができたのに、日向さんに何かあったら…私は…私は…。」


    日向「心配かけてすまない…。だけど、俺はすごくなんかないよ…。平凡でどこにでもいるような男なんだよ。」


    十神「やけにこだわるな…そんなに平凡なことがおまえにとって大切なのか…?」

    日向「こだわるも何も、みんなだって知ってる通り、俺は普通だろ?なんか、平凡な俺みたいなのがみんなみたいな才能のある奴らからすごいとか言われたりすると、気遅れするっていうかさ…。」


    十神「嫌味のつもりで言ったのではないのだがな…。」

    罪木「そうです…!!私は日向さんに救われたんです!!日向さんは私にとってはすごい人なんですよ…?」

    日向「俺は…でも…」


    十神「…罪木、もうやめてやれ。日向、体調が悪くないのであれば、もうすぐ島の中央にあった公園に集合になっている、行けそうか?」

    日向「ああ、大丈夫だ…。状況も把握したいしな…。」

    罪木「うゆぅ…無理はしないでくださいねぇ…日向さん…。」

    日向「わかってるって…、それじゃあ少ししたら行こうか…。」


    罪木「はい…!!」


    十神「(日向のやつ…どうしたのだろうな…。日向について他のやつらからもいろいろときいてみる必要がありそうだな…。)」
  43. 60 : : 2014/11/10(月) 09:33:09
    ―ジャバウォック公園―

    澪田「あっ、ハジメちゃーん!!目が覚めたんすねぇ!!」

    日向「ああ、みんな心配かけてすまないな…。」

    狛枝「本当だよ…みんなにいらない心配かけてさぁ…。」

    日向「狛枝…やっぱり狛枝なんだな…あれは夢じゃなかったんだな!!!」

    狛枝「ちょ!!また抱きつく気!?ボクにはそんな趣味はないってば!!」ビクッ!!

    日向「いや、俺にもないって!!さっきはおまえがいたことに驚いてテンションがあがってしまったが、今は落ち着いている。大丈夫だ。」

    狛枝「なんにせよ…ボクは君と馴れ合うつもりはないからさ…なるべく、ボクのそばに寄らないでくれるかな…?」

    日向「なっ、どうしてそんな悲しいこというんだよ!!俺たち、幼馴染じゃないか!!」

    澪田「えっ!?ハジメちゃんと凪斗ちゃんって幼馴染だったんすか!?」

    日向「ああ!!狛枝は俺の幼馴染兼親友だよ!!なあ、狛枝!!」

    狛枝「たまたま、近くにいただけだって!!勘違いしないでくれるかな…?」

    日向「でも、俺達ずっとクラス一緒だったよな!!」

    狛枝「そうだよ…!!ようやく希望ヶ峰学園に入学できて、絶対に君は来ないと思っていたのに、なんで君までここにいるのさ!?」

    日向「それは、わからないんだよなぁ。俺は小高高校に進学したはずなのになぁ…。」

    左右田「なんか、一周まわって狛枝って日向のことがけっこう好きそうに見えてきたな…。」
  44. 61 : : 2014/11/10(月) 09:34:28
    花村「これは、狛枝くん…ツンデレってやつですかな…?」

    狛枝「ぐ……ほら、君がいると本当に余計なことばかりおこるんだよ…!!」

    日向「でも、俺は楽しいぞ、狛枝!!」

    狛枝「ボクは楽しくないんだよ!!全然!!」

    ウサミ「あのぉ…ミナサン…そろそろいいでちょうか?」

    辺古山「そういえば、私たちはウサミに呼び出されていたのだったな…。」

    ウサミ「はい…もう忘れられてると思ってたでちゅ…」

    左右田「おい、教師だがなんだか知らないけどなあ…。俺たちをさっさと元の場所に戻しやがれっての!!」

    ウサミ「待ってくだちゃい!!これは、ミナサンに必要なイベントなんでちゅ!!ミナサンにはまずこれをお配りしまちゅ!!」

    そういうとウサミは俺たちに小型の電子機器を配ってきた。

    日向「これは、なんだ?」

    ウサミ「はい、これはミナサンの電子生徒手帳でちゅ!!重要なものなのでしっかりなくさないようにしてくだちゃいね!!」

    九頭龍「自分の名前に、他のやつらの名前もあるな…。」

    ウサミ「はい!!今からミナサンには生徒どうしで希望のカケラを集めてもらいまちゅ!!らーぶらーぶ!!」

    ソニア「希望のカケラ…ですか?」

    ウサミ「はいっ、希望のカケラは生徒どうしの絆の証でちゅ!!ミナサンでらーぶらーぶして、絆を深めてもらおうというのが今回の修学旅行の目的でちゅ!!」

    七海「6つ分の枠があるみたいだけど、ひとつだけもう埋まっているね…。」

    ウサミ「ミナサン、お互い自己紹介はすんだようでちゅからね!!もう、みんなお互いにひとつは希望のカケラを集めたことになりまちゅ!!」

    日向「ん…ちょっと待ってくれ…これは絆の証なんだろ!?なんで俺と狛枝のカケラがまだ1つしかないんだ!?」
  45. 62 : : 2014/11/10(月) 09:40:06
    ウサミ「へ…!?」

    日向「…ってことは、狛枝と俺はまだこんなレベルだったってことなのか!?」

    狛枝「ふーん、わかりやすくていいね。ボクと日向クンの距離感なんてこんなものってことだよね…。まっ、これからもこのカケラが埋まることなんてないけどさ…。」




    日向「なんてこった…。」

    狛枝「落ち込んだってしょうがないよ日向クン、この電子生徒手帳が証明してくれているんだからさあ…。」





    日向「つまり、狛枝とはまだ絆を深めることができる余地があるってことだな!!」

    狛枝「へ…!?」

    日向「正直、狛枝との絆はもう限界点を突破していると思っていたが、こうしちゃいられねぇ!!狛枝、俺と友情を深めようぜ!!」


    狛枝「なんなんだい君は!?正直、どんびきだよ!!」

    九頭龍「おいおい、日向…さすがに狛枝が好きすぎなんじゃねぇか…?」

    弐大「おまえさん、狛枝が絡むと途端におかしくなるのぅ…。」

    花村「やっぱり、一番のライバルは狛枝くんなんだね!?」

    ソニア「そんな…!!ハードな展開すぎてソニア感激です!!」

    左右田「そこ、感激なんですか!?ソニアさん!?」


    日向「悪い…なんか狛枝と一緒にいると理性が保てなくてな…。」

    左右田「おまえ、それ一種の病気だぞ!?」

    罪木「ふゆぅ!!病気は治さなくてはいけませぇん!!日向さんには24時間、私がしっかり面倒見ますぅ!!」

    ソニア「あら、日向さん独占は我が国の法律で禁じられています!!独占禁止法です!!」

    九頭龍「おまえの国は、いったいなんでそんな法律つくったんだよ…。いや、冗談なんだろうけども…」

    ソニア「冗談ではございません!!ただいま王女権限で国会に法案を提出しているところです!!」

    九頭龍「権力の無駄遣いだろ!?どんなご乱心だテメーは!?国民が大混乱するだろ!?」

    ソニア「すみません、さすがに冗談ですよ!!ですが、わたくしはそれぐらいの覚悟はあります!!」バーン!!

    九頭龍「結局、冗談になってねぇじゃねぇか、それ…」

  46. 63 : : 2014/11/10(月) 09:42:08


    ウサミ「まぁ、ともかく…ミナサンに親睦を深めてもらうのが今回の修学旅行の目的でちゅ!!」



    日向「って、待ってくれ!!俺はそもそも希望ヶ峰学園の生徒じゃないぞ!!俺は小高高校に入学したんだ!!」


    左右田「狛枝のことより、それを先に聞けよ…。」


    西園寺「日向おにぃは、なんの才能もない凡人だよねぇ…どうして、こいつが希望ヶ峰学園にいるのかな?」


    ウサミ「いえ、日向クンはちゃんと希望ヶ峰学園の生徒です!!あちしが保障します!!」

    日向「だったら、俺はいったい何の才能でこの学園に選ばれたっていうんだよ!?」

    弐大「確かに、日向の才能ってなんなんじゃ?」

    終里「さっき、オレらでもちょっと話題に出たけど、日向の才能ってなんなんだ?」


    ウサミ「そ…それは…。」
  47. 69 : : 2014/11/15(土) 10:20:46








    うぷ…うぷぷぷぷぷぷぷぷぷぷ!!
  48. 70 : : 2014/11/15(土) 10:22:24

    ウサミ「えっ、なんでちゅか…これ…。」

    突然、明るかった空が暗くなった…。
    そして、そこには…


    モノクマ「やぁやぁ…みなさま大変長らくお待たせいたしました!!」


    ウサミ「うわぁ…!!あんたなんなんでちゅかあ!?」

    田中「何奴だ!?奇怪な奴が現れたぞ!?」

    モノクマ「ボクはモノクマ!!この希望ヶ峰学園の学園長なのだぁーーーーー!!」

    小泉「はっ、学園長!?こいつが…?」

    ウサミ「やいやい!!いきなりなんなんでちゅか!?」

    モノクマ「うるさいなぁ…。おまえだけじゃ荷が重そうだから、ボクが代わりに来てやったってのにさぁ!!」

    ウサミ「はぁ!?」

    モノクマ「うん、今からこいつじゃなくてボクがこの修学旅行をしきることにしたから、よろしくね!!」

    ウサミ「はぁ!?何をいってるんでちゅか!?こんなのきいてまちぇんよ!!」

    モノクマ「うるさいなぁ!!まったくおまえはさぁ、ボクに逆らうなんて…オシオキが必要みたいだね」
    うぷぷぷぷぷ

    ウサミ「はぅ!!なんでちゅか~やめて~」

    モノクマ「こら、おとなしくしろ!!木の棒が上手くささらないだろ!!」ボカスカ!!

    ウサミ「うぎゃああああああああああああああ!!」
    ドカバキ!!



    俺たちの見ているまえで、モノクマとウサミが
    取っ組み合いを始めた…。

    いきなりのことに思考が追いつかない俺たちはそれを見ていることしかできなった。


  49. 71 : : 2014/11/15(土) 10:23:37

    モノクマ「ふぅ…完成したね…。ようやく、ボクの妹らしくなったよ…。」



    モノミ「はっ、なんでちゅか、この姿は!?いつのまにか名前も変わってるし!!」

    モノクマ「今日からおまえはボクの妹、モノミとしてうまれかわったのだよ!!だーはっはっはっはっは!!」

    モノミ「そんな!!力も使えなくなってまちゅ!!」


    モノクマ「うん、オマエの教師権限はボクが奪ったからねぇ…さぁて、モノミのことは放っておいて、オマエラにはこの修学旅行でやってもらいたいことがあります!!もちろん、それを達成するまではここから出られないよー!!」


    辺古山「くっ…なんだ何が起こっている!?」

    弐大「おまえさん、いきなり出てきてなんじゃあああ!!」



    モノクマ「もう、だからボクは学園長だっていってるでしょ!!物覚えが悪いなあ…まったく。」




    狛枝「もしかして…ボクたちにコロシアイをさせるつもりじゃあ…!?」

    モノミ「そんな!!そんなぶっそうなことはさせまちぇんよ!!この島は暴力とかコロシとかそんな物騒なことからは無縁の世界なんでちゅ!!」
  50. 72 : : 2014/11/15(土) 10:25:13


    モノクマ「コロシアイ?いやあ、現代っ子はすぐコロスとか言って怖いなあホント…。ボクがそんなことさせると思う?やだなぁ…。」


    日向「じゃあ、俺たちに一体何をさせたいんだよ!?」

    モノクマ「そう、オマエだよ!!日向クン!!」

    日向「は!?」



    モノクマ「え~、楽しい修学旅行ですが、基本的にオマエラどうしで絆を深めあうのはいっこうにかまいません!!ただし、特別ルールを設けます!!」

    小泉「特別ルールですって!?」

    モノクマ「うん、そうだよ…。オマエラの大好きな日向創クン…。人によっては愛してやまない彼だけど、彼は本来であれば希望ヶ峰学園にいるような存在じゃないって本人も思ってるよね…?ところが、どっこい!!なんと日向クンにはちゃーんと才能があるのでした…!!」


    日向「ちょっと待ってくれ!!俺に才能がないことは自分でもよくわかってるんだ!!それに、希望ヶ峰学園はスカウト制なんだろ!?俺はスカウトされた覚えはまったくないぞ!?」




    モノクマ「うぷぷぷぷぷぷぷ。でもさぁ、隠された才能とかって誰しも持ってたりするんじゃない?自分が気付いていないだけでさ…。よかったね…日向クン、君にも才能あるってさ!!ボクが保障するんだから間違いないよ!!」



    日向「ウサミもおまえも何言ってるんだ!?俺は普通の高校生なんだよ!!ここにいるみんなとは違うんだよ!!だいたい、そんなに言うなら俺の才能はなんだって言うんだ!?」

  51. 73 : : 2014/11/15(土) 10:26:45



    モノクマ「はい、それです!!【特別ルール】だよ!!
    日向創クンの才能がわかった人から、この修学旅行を終了して、希望ヶ峰学園に帰ることができます!!」




    日向「はっ!?なんだそりゃ!?」

    モノミ「ちょっと!?何いってるんでちゅか!?あんたは!?」

    モノクマ「うるさいなぁ…オマエは黙っててよ…。まあ、オマエにとっても悪いようにはしないしさぁ…。」

    モノミ「あんた、一体何者なんでちゅか?」




    モノクマ「ボクはモノクマだって、さっきから言ってるじゃん…。頭悪いなぁ…。
    あっ、でもさ【特別ルールその2】でもいいよね…。ボクの正体がわかってしまった人もこの修学旅行を終了することができます!!まぁ、ボクがそんなヘマをするとは思わないんですけどね♪」

    九頭龍「おまえの正体だぁ…!?」

    澪田「えっ、そんなのわかるわけないっすよ!!」



    モノクマ「うぷぷぷぷぷぷぷ、混乱してる…。混乱してる…。まあ、でもさ…ボクの正体なんてオマケみたいなものだよ…。そんなに気にしなくてもいいからね。」

    日向「ちょっとまてよ!!そもそもおまえら何者なんだよ!?誰がおまえらを操ってるっていうんだ!?」

    モノクマ「うーん…まあ、そういうのはどうでもいいじゃん…。アイアムモノクマ!!中の人なんていないからねぇ…!!」


    日向「ふざけるなよ!!ちゃんと俺の質問に答えろよ!!」

  52. 74 : : 2014/11/15(土) 10:28:29

    モノクマ「ああ、それとさ…大事なことなんだけども…
    実は君たちは希望ヶ峰学園に入学してけっこう時間がたってるんだよね~♪入学式からいきなり修学旅行じゃなくて、これは本当に修学旅行なの!!」

    罪木「え!?まだ、入学式さえ始まってないんですよ!?」

    左右田「すぐばれるような嘘ついてんじゃねぇーぞ!!」


    モノクマ「嘘!?ちがうよ、ボクは嘘なんかつきませんよ…。あのねぇ、オマエラは希望ヶ峰学園に入学してからの記憶を失ってるんだよ!!」

    弐大「はぁ!?記憶喪失じゃとぉ!?そろいもそろって都合よく記憶を失うわけないじゃろ!!」


    モノクマ「いやぁ、偶然なわけないよね…ね、モノミ?」

    モノミ「どうして、そこであちしに振るんでちゅか!?」

    モノクマ「あっ、自分がモノミって認めたな!!いいことだ…妹よ…」

    モノミ「あっ…しまったでちゅ…あちしはウサミ……あちしはウサミ…」ブツブツ…

    モノクマ「んもう…あきらめが悪いなあ…オマエはうまれかわったの!!」

    日向「ちょっと待てよ!!記憶の話はどうなったんだよ!?」


    モノクマ「あっ、ごめんごめん…うん、記憶を奪ったのはそこにいるモノミなんだよね…」

    モノミ「はわわ!?なんてこというんでちゅか!?あちしはミナサンの記憶を奪ってなんか…」


    モノクマ「あ、嘘をついたな!!今のオマエは嘘をつくと鼻が伸びるように改造したから、みんな一目瞭然だよね!!」



    モノミ「へ!?え!?違うんでちゅよこれは……ってなーんだ…鼻なんて伸びてまちぇんよ、あんたのほうが嘘ついてるんじゃないでちゅか………って、はわわ!?」アセアセ



    モノクマ「ああうそだぜ…だが、マヌケは見つかったようだな…」ゴゴゴゴゴゴ



    モノミ「エッ!?」
  53. 75 : : 2014/11/15(土) 10:31:24


    田中「では真実だというのか…!?我らの記憶を忘却の彼方へと消し去ったというのは…!!」

    モノクマ「はい、そうです!!ちなみにもうひとつ奪ってる記憶があるんだよね!!」

    ソニア「まだ、何かあるというのですか!?」



    モノクマ「うん、人それぞれに部分的にだけど、君たちと日向クンの大事な思い出を奪ったんだよ…!!もちろん中心人物の日向クン本人もそのことを忘れてますよ、はい!!」


    罪木「何いってるんですかぁ!!!私が日向さんとの大切な記憶を忘れるわけがないですよ!!」


    モノクマ「うん、全ては忘れてないけど、大事な部分だけ取り除いちゃったんだよね…!!だから、何を覚えていないのか、きっとわからないはずだよ…。」


    小泉「なんで、そんなことしたのよ!!それもあんたがやったっての!?」

    モノクマ「えぇ~…ボクの話きいてた?それもモノミが奪ったにきまってんじゃん!!」


    モノミ「ふぇ!?またあちしでちゅか!?」


    モノクマ「うん…はてさてモノミはオマエラの記憶を奪って何がしたいんだろーねぇ…」



    九頭龍「んなこと言って…テメェーらがグルなんじゃねぇのか!?あぁ!?」

    モノクマ「やだなぁ…そんなこわい声出しちゃってさぁ…まあ直に嫌でもわかると思うから…でも、よかったねぇ、日向クン…!!」

    日向「は!?何がだよ!?」



    モノクマ「君も忘れたんだろうけど…君にとって不都合だった記憶も彼らは忘れてくれたんじゃないかな…?過去の過ちとかさ…うぷぷぷぷ…何事もないように今はしゃべってるオマエラの関係も実はとんでもないことになってたりして…!!」

    日向「何がいいたいんだよ!!おまえは!!」


  54. 76 : : 2014/11/15(土) 10:34:56


    モノクマ「それだけ記憶って重要なんだよ…何を経験したか…誰を知っていて、誰を知らないか…誰を好きになったのか…そして…誰を嫌いになったのか…。」


    日向「!?」


    モノクマ「オマエラ、日向クンのこと好きみたいだけど、ホントのとこどうなんでしょーね…?実は奪われた記憶では日向クンのこと嫌いになってたりして…!!」

    日向「はぁ!?」

    モノクマ「日向クンは果たしてオマエラの大好きな日向クンのままなのかな…?」


    狛枝「ふーん、それで君の目的は?君自身はボクらの記憶を消してはいないって言ってるけれど…こんな状況の中で君はなにがしたいのかな?」




    モノクマ「ボクのしたいこと…?それなら簡単だよ!!オマエラに無事修学旅行を終えてもらうことだよ!!この修学旅行を通して、オマエラは失うものもあるかもしれない…でも、得られるものだってあるはずだよ!!そういったものに気づいて修学旅行を終えてくれればボクは満足なんだ!!」


    十神「修学旅行を無事終えることが目的だと…!?ならば、なぜ俺たちの記憶を消すなんてことをする!?なぜ、俺たちに混乱をさせるようなことをするというんだ!?」



    モノクマ「さぁ~てね、それは、これからの修学旅行できっとわかるはずだよ……ボクってかわいい子には旅をさせるタイプだしね~」

  55. 77 : : 2014/11/15(土) 10:35:50



    モノクマ「あっ、そうそう。ルールの補足なんだけど、残念ながら、日向クンは自分の才能を自分では思い出すことができません!!日向クンが先に修学旅行を終えちゃったら、みんな困っちゃうからね…!!だってルールがひとつ減っちゃうもんね…」



    日向「じゃあ、俺だけはおまえの正体がわかるまでは修学旅行を終えることができないっていうのか!?」



    モノクマ「う~ん、そうなっちゃうかな…。あっ、でもルールは後から追加されるかもしれないし、変更もあるかもしれないからさ…。そう悲観しなくていいよ!!必ずボクがこの修学旅行を無事に終わらせてみせるからね!!」



    日向「それじゃあ、おまえのさじ加減でなんでもありってことじゃないか!?」


    モノクマ「まあ悪いようにはしないからさ!!あっ…あとさ、こ
    れも言っておこうかな?」


    左右田「ちょっとまて!!今度はなんなんだよ!?」

  56. 78 : : 2014/11/15(土) 10:36:08








    モノクマ「この中にね、裏切り者がいます…」






  57. 79 : : 2014/11/15(土) 10:37:12


    終里「裏切り者だと…!?」

    モノクマ「うん、まあ、人間16人も集まれば、黒幕や裏切り者の一人や二人いて当たり前だよね…。」

    西園寺「これ以上、わけわかんないこと言わないでよ!!」



    モノクマ「ま、裏切り者っていっても基本的には無害だと思うから、そこまで気にしなくていいんじゃないかなぁ…。
    それよりも、日向クンの才能を見つけてあげなきゃね…。
    あっ、でもわかっても他の人にいっちゃいけませんよ。気づいた人から一人ずつだからね…。まっ、そもそもそんなことボクがゆるさないんだけどもね!!」



    日向「なんなんだよ!?…おまえは一体何がしたいんだ!?」


    モノクマ「ボクの目的はこの修学旅行を円滑にすすめることだよ…!!大丈夫!!ボクに任せておけば悪いようにはしないからさ!!」


  58. 80 : : 2014/11/15(土) 10:38:16
    そういうとモノクマはどこかへ去って行った。

    そんなモノクマの言葉を聞いて、
    俺たちは互いに互いを目で確認しあった。

    誰もかれも、その瞳には不安と困惑の色がうかんでいる。


    俺もそうだ…。
    自分に才能があるなんて、俺には信じられない…。


    俺は平凡だ。
    俺は平凡でいいんだ。
    才能なんて…欲しくないんだ…。


    なのに、俺には才能があるって言うのか…?


    超高校級の才能を持つみんなに囲まれながら、俺はひたすらにそのことを考えていた…。

  59. 81 : : 2014/11/15(土) 10:52:25




    【プロローグ】

    日向クンと15人の超高校級


    【END】



    修学旅行生:16人


    修学旅行卒業生:0人






  60. 82 : : 2014/11/19(水) 08:25:50
    【モノクマ劇場】

    モノクマ「うぷぷ…いきなり、ボクが出てきてびっくりした人もいるのかな?アイランドモードだと思った?
    残念!!単純でらーぶらーぶな展開にはならないんだな…これが!!」

    モノクマ「まあ、でもさ、コロシアイになっちゃうのもなんだかね…だってこのssはグロとかそういうのは含まない感じでやってくからね!!」

    モノクマ「しかし、日向クンもとんだ災難だよね…これからどうなっちゃうのかな?果たして、最初に日向クンの才能に気づくのは誰なんでしょうね?」

    モノクマ「あっ、でも、オマエラがもし、日向クンの才能に気づいても…そして、ボクの正体に気づいたとしても心に留めておいてね…ほら、ここで言ったら、みんな強制的に修学旅行が終了になって、話が終わっちゃうもんね…」

    モノクマ「でも、大丈夫!!ちゃーんと、答えあわせの機会はやってくるからさ!!そのときまでどれくらいかかるかはわからないけれど、気長に待っていただければ幸いです!!」

    モノクマ「さてと、それじゃあ、ボクは日向クンたちが何かを得てこの修学旅行を終えてくれることを心から願っております…まぁ、失うものもあるかもしれないけどね…うぷぷ…でも、そんなの等価交換だよね…」

    モノクマ「いつだって、人は何かを得るためには何かを捨てなくちゃいけないんだからさ!!」
  61. 83 : : 2014/11/19(水) 08:31:25





    【Chapter1】


    【START】

  62. 84 : : 2014/11/19(水) 08:32:38

    気付けば俺たちはそれぞれ自分たちのコテージに戻っていた。

    この突然の出来事に加えて、なれない土地にいきなり連れて来られた疲労も重なったため、詳しい話し合いについては明日にすることになった。

    モノクマ、そして今はモノミとなったウサミ
    修学旅行を終えるには、俺の才能かモノクマの正体を暴かなくてはならない。


    日向「電子生徒手帳を見た限りだと、教師役は生徒に干渉はできない…ただし、生徒が規則違反をした場合のみ介入する場合がある…か」


    モノクマのやつの言葉を信じるのであるば、俺たちにこの修学旅行を終えさせることが目的であって、危害を加えるつもりはないはずだ…。


    日向「本当に俺たちに何がさせたいんだよ…あいつは…」


    俺は希望ヶ峰学園に入れるような資格は持っていない…。
    自分が平凡であることは誰よりも知っているはずだ…。


    日向「俺はちゃんと、俺のことを覚えているんだよな?」


    モノクマはモノミが俺たちの記憶を消したと言っていた…。
    希望ヶ峰学園で過ごした記憶を…みんなと俺に関する記憶を…。


    日向「待てよ…希望ヶ峰学園は現役の高校生をスカウトしている…。俺はまだ高校生になる直前だったわけだ…。じゃあ、あいつらの言葉を信じるのであれば俺は小高高校に入学した後、希望ヶ峰学園にきたことになるのか?そして、そのことをすべて忘れている…いや、ありえないだろさすがに…」





    モノクマ「モノミを日向クンのコテージにシュゥゥゥゥゥゥゥゥゥーーーーーーーッ!!!」ドゴォ!!

    モノミ「超!!エキサイティン!!、ってグバアアアアアアアアアアア!!」バキィ!!



    日向「うわあ!?なんだおまえら!!」


    モノクマ「いやあ、ごめんねおやすみ中のところ、ちょっと妹がかわいすぎたものでね…ボクの妹がこんなにかわいいわけがない!!」

    モノミ「うぐぅ…かわいい妹をシュゥゥゥーーーッしないでくだちゃいよ…。」ボロッ…


    日向「なんなんだよ…ってかおい!!扉壊すなよ!!」

    モノクマ「ごめんごめん、すぐに戻しておくからさ!!それじゃバイビー!!」
  63. 85 : : 2014/11/19(水) 08:33:44

    モノミ「うぅ…ひどいでちゅ…」


    日向「おいおい、何があったんだよ…」


    モノミ「モノクマのやつの好きにはさせまいと決闘を挑んだはいいでんちゅが…」


    日向「返り討ちにあったわけか…」

    モノミ「うう…情けないでちゅ…」

    日向「ま、まぁ災難だったな…まあ少し休んでいけよ…ききたいこともあるし…」

    モノミ「うぅ…日向クン…日向クンは優しいでちゅね…それにひきかえモノクマときたら…」プンスカ


    日向「なぁ、おまえらって本当はグルだったりしないよな?」

    モノミ「なっ、そんなわけありまちぇんよ!!ミナサンも見ていたように、あちしはこの体を改造されてしまったんでちゅよ…よよよよよ」グスグス


    日向「でも、おまえ…俺たちの記憶奪ったっていうの否定しなかったじゃないか…」


    モノミ「ドキッ!!いいえぇ…そんなことありまちぇんてばぁ」


    日向「はぁ…口を割るつもりはないってか…」


    モノミ「ごめんでちゅ…でも、ホントにミナサンに危ないことは絶対にないので、安心してくだちゃい!!仮にモノクマが何かしてきても、あちしが守りまちゅからね!!」


    日向「そ…そうか…ところで、もう一度確認したいんだけど、本当に俺って希望ヶ峰学園に入学したのか?それどころか、小高高校にさえ入学できたのか俺は?」


    モノミ「はい…日向さんはちゃんと希望ヶ峰学園に入学しまちたよ…」


    日向「だとすると、俺は少なくとも2年間くらいの記憶を奪われたってことなのかよ…」


    モノミ「うぅ…それは…その…」アセアセ


    日向「じゃあ、小高高校に入学して、俺は自分の才能に気づいた、もしくは発見されたってことなのか…?」


    モノミ「うぅ…それも…その」アセアセ


  64. 86 : : 2014/11/19(水) 08:35:27

    日向「はぁ…それも言えないのか…でも、急に実は才能があったなんていわれてもなぁ…俺は…」


    モノミ「あのぅ…日向クン」


    日向「ん、なんだよ?」


    モノミ「日向クンは本当は才能がほしかったんでちゅか?それとも才能なんてなかったほうがよかったんでちゅか?」


    日向「って言っても、自分の才能があったとしてもそれが何かわからないじゃなあ…なんともいえないだろ…」


    モノミ「そうでちゅか…でも、才能があったとしてもなかったとしても日向クンは日向クンでちゅよ…ここにいるみんなだって、きっとそう思ってまちゅからね」


    日向「なんなんだよ?その励ましは…」


    モノミ「あちしは日向クンのいいところをちゃーんとわかってまちゅからね…」エッヘン!!


    日向「はぁ…結局何も話してはくれないんだな…」

    モノミ「それは、すみまちぇん…」


    日向「まぁ、いいよ…なんだかわからないけれども、少しだけ元気が出たしな…」

    モノミ「それはよかったでちゅ!!」


    日向「じゃあ、今日は遅いしもう寝ようかな…扉破壊されてるけど…モノミもお休みな…」

    モノミ「あ…その…日向クン…申し上げにくいんでちゅが…泊めてもらえまちぇんか?」


    日向「え!?自分の寝床で寝ればいいじゃないか?」


    モノミ「うぅ…それがモノクマが入れてくれなくて…あっ、でも先生にへんなことしちゃダメでちゅからね!!あくまで教師と生徒の関係でちゅからね!!」アワアワ

    日向「ああ…うん。まあ、今日はとりあえず、いいぞ。じゃあモノミはどこで寝るんだ?」

    モノミ「あちしはソファをお借りしまちゅので…」


    日向「ああ、じゃあお休み…」


    そうして、俺たちは眠りについた…。


  65. 91 : : 2014/11/21(金) 11:42:19

    澪田「ハジメちゃーーーーーん!!!朝っすよーーー!!」


    ん、もう朝か…早いもんだな…まだ眠いな…すぐには起きられないぞ…。


    澪田「あれれ、ドアがないっすねぇ、無用心っすよー。まぁ、せっかくだから唯吹は侵入しちゃうっすけどね!!」


    おいおい、勝手に入るなよ…って、なんかいやな予感がするぞ…。


    澪田「ぎゃああああああああああ!!モノミがいるぅううううううううううううう!!」ズギャーン!!


    田中「ぬぅわぁんだ!?騒がしいぞ!?」

    左右田「おいおい、どうしたってんだよ!?」


    あっ、これ、もしや、やばいのか…


    モノミ「う、うーん…なんでちゅか?」

    澪田「あわわわわわ…なんでモノミがここにいるんすか!?まさか、ハジメちゃんはモノミとできてただと…!?」ブクブク

    田中「何ぃ!?日向、おまえ…同族ではなく異界の生物へ愛をささげるというのか!?」

    左右田「ああ…なんかとんでもないことになってんな、オイ…」


    日向「いや、それは違うぞ!!モノミが寝床がないから一晩泊めただけだ!!…っていうかさすがにモノミは恋愛対象にはならないぞ!!」


    澪田「じゃあ、唯吹は対象に入る感じっすか!?対象年齢を間違えちゃう感じっすか?」

    日向「いや、なんでそういう方向に話がいくんだよ!?」

    澪田「えっ、唯吹はお嫌いなんすか!?やっぱりソニアちゃんや、蜜柑ちゃんがいいんすねぇ!?そうなんすねぇ!?」

    日向「落ち着け!!澪田!!」

    左右田「てめぇ!!やっぱソニアさん狙いかよ!!阻止だ!!阻止!!」

    日向「頼むからおまえまでそっち側に行かないでくれよ!?」
  66. 92 : : 2014/11/21(金) 11:44:52


    モノミ「ミナサン、落ち着いてくだちゃい!!日向クンとあちしは別になんにも関係はありまちぇんよ!!大事な生徒に手を出すなんてことは絶対にありまちぇんから!!」


    田中「ふむ、まあさすがに昨日今日でどうなるわけでもなかろう…その言霊、しかと心に刻み付けておこう」

    日向「田中…おまえはわかってくれるんだな…!!だが、時間があればどうにかなるってわけでもないからな…!!」

    田中「少し悪戯がすぎたかな…何、案ずるな、おまえのことを疑ったりはせん」

    左右田「あっ、テメーひとりだけいい子ぶりやがって、こんちくしょー!!」


    日向「左右田、おまえに疑われるなんてな…俺は悲しいぞ…」

    左右田「わ、悪かったって…オレも」


    澪田「ちぇ、唯吹のターンかと思ったんすけどねぇ…」

    左右田「おいおい、おまえもどこまで本気なんだよ!?」


    澪田「うーん、唯吹はハジメちゃん次第っすね…!!まあ、ハジメちゃんが誰を選ぼうとハジメちゃんはバンドメンバーとして唯吹のそばにいることは確定なんすけどね!!」イエイ!!


    日向「ん、とりあえず着替えていいかな…俺は起きたばっかりだしな…」

    田中「今日はレストランで集合となっている、急げよ…」

    日向「ああっ、わかってる、すぐ行くよ」

    左右田「どうせなら一緒にいこうぜ…すぐ支度できんだろ?」


    日向「ああ、それじゃあ、少し待っていてくれ」


    モノミ「じゃあ、日向クン、お世話になりまちた」

    日向「ああ、じゃあな、モノクマに寝床返してもらえるといいな」

    モノミ「は~い、ではまた」


    そういうとモノミは去っていった。
    3人を待たせては悪い、俺もすぐに支度をすませよう。

  67. 93 : : 2014/11/21(金) 11:48:09
    ―レストラン―

    レストランにはもう全員集まっていた。俺たちが最後だったようだ。


    十神「これで全員そろったか…ムシャムシャ…日向たちも朝飯は用意ができているから…ムシャムシャ…食べながらでいいから俺の話を聞いてくれ…モグモグ」


    日向「おまえは、食べるか喋るかどっちかにしようぜ…」

    澪田「うわあ、白夜ちゃんすごいっすね~」

    左右田「朝からよくそんな入るな…」

    花村「まぁ、ぼくの料理だしね!!食いたくなくても食べたくなる、そんな魔法の料理さ!!」

    左右田「なんか、それ逆に怖いぞ…!?」

    日向「花村…ありがとな…用意させちまって」

    花村「いいよ、大丈夫さ!!ぼくにできるのはこれくらいだしね!!まあ、でも日向くんの料理も久しぶりに食べてみたいかな?」


    日向「花村に比べたら、俺のなんて普通の料理だぞ?」

    花村「いいや、普通でもいいんだよ…誰かにつくってもらった料理って、それだけで嬉しいもんなんだよ!!
    日向くんがそう教えてくれたんだしね…」

    日向「そうだっけか?まぁ、花村だけに任せるのは悪いからな、俺も手伝うよ」



    花村「うん、ありがとう!!ついでに君の体も味見させてくれると嬉しいな」てるーん!!

    日向「うん、それはお断りだ!!」


    十神「花村といちゃつくのもいいが、話してもいいか?」

    日向「おいおい、いちゃついてなんかいないぞ…」

    左右田「そうだぜ、日向…狛枝のやつが嫉妬しちゃうぜ」

    狛枝「は?ボクが嫉妬するわけないだろ!?左右田クンも変なことを言うなあ」反論!!

    左右田「うわっ、反応速度早っ…!?」

    辺古山「だが、先程から日向と花村のことをちらちらみているようだったが…食べる手も休めてな…」ニヤリ

    狛枝「ぐ…違うよ…日向クンが遅れてきたと思ったら、花村クンと話を始めるもんだから、いらついていただけさ…いつ話が始まるのかってね…」
  68. 94 : : 2014/11/21(金) 11:49:46

    七海「ふーん」

    西園寺「へぇ…」

    ソニア「ほぅ…」







    狛枝「だから違うっていってるでしょ!?なんで、みんなそんなに食いつくのさ!?」

    日向「狛枝ァ!!ごめんな!!!!大丈夫、おまえのことを忘れたことなんてないぞ!!レストランに入ってきて一番に目で確認したのもおまえだ!!」

    狛枝「ホント気持ち悪いな、君は!!なんなんだよ!?」

    日向「俺はおまえの親友だ!!」


    左右田「おいおい、ソウルフレンドのオレを忘れてもらっちゃ困るぜ!!」

    田中「日向よ…おまえが誰の右腕なのか、今一度契約を結ぶ必要がありそうだな」



    西園寺「あぁ…今度は男の修羅場かぁ…やってらんないね…」

    十神「本当に話がすすまないな…おまえらは…」ハァ

    日向「ご…ごめん、十神…おまえだって俺の親友だぞ!!」

    十神「そういうことじゃない!!ま、まぁ…そんなわかりきっていることはさておき本題にうつるぞ!!」テレテレ

    七海(まんざらでもないんだね…)




    十神「さて、モノミとなったウサミに加えて、さらに正体不明のモノクマも現れたわけだが…昨日少し考えたことがある…」

    九頭龍「ん…なんか思いついたのか?」

    十神「ああ、モノクマの正体はわからないが、やはり日向に関係しているのではないかとな…」

    日向「やっぱり、俺に関係しているのか…」
  69. 95 : : 2014/11/21(金) 11:54:02

    十神「モノミが俺たちの記憶を消したというのが正しくても、嘘だったとしても、七海を除けば俺たちは全員日向の関係者だ…モノミもモノクマも日向になんらかの関係があることは間違いないだろうな」

    日向「やっぱり、そうなるのか…」


    ソニア「モノクマさんは、モノミさんがわたくしたちの入学してからの記憶ならびに日向さんに関しての記憶を一部奪ったとおっしゃっていました…どちらも向こうにとってなんらかの都合があるにせよ…日向さんに関しての記憶を一部奪う…となると、やはり日向さんは無関係ではなさそうですね…」


    十神「改めて確認するまでもないが…俺たちの中心人物は日向だ…日向を中心に俺たちが集められた可能性は十分に考えられる…だが、まぁ俺たちがいたからこそ、日向がここに呼び込まれたという可能性もあるのだがな…」


    日向「俺がみんなの知り合いだったからか…?」

    十神「そういうことだな…ただ、どちらの場合でも七海のみ日向と面識がないことは気になっている…七海、本当におまえは日向とは面識がないのか?」


    七海「…うーん、そういわれても、私は日向クンとは初対面なんだよね…」

    終里「モグモグ…めずら…ムシャムシャ…しいよな…あ、おかわり!!!!」

    左右田「おまえも、食ってからしゃべれよ!!あと、まだ食べるのかよ!!」

    花村「へい、おまち!!」

    左右田「って対応早いな、オイ!!」

    花村「うん、朝からずっとだからね、もうタイミングはつかめてきたよ!!」


    十神「くっ、俺も重要な話でなければ、食を優先するのだが…」

    九頭龍「頼むから…おまえまで…そっちにいかないでくれ…」

    十神「わかっている…まあ以上のことから、モノミ、モノクマの目的はわからないが、やはり鍵となるのは日向というわけだ…やつの言っていた【特別ルール】を考えれば、当たり前の話なんだがな…」

    小泉「【特別ルール】か、日向の才能を当てろってやつね…」

    十神「ああ、おまえたちに聞きたいが日向の才能に心当たりのあるやつはいるか…?」
  70. 98 : : 2014/11/26(水) 00:04:03

    狛枝「いや、ないね…だって彼はどこにでもいる平凡な人間だからね…才能なんてあるはずないよ…」

    弐大「うーん、日向はわりといろいろできるやつじゃと思うのじゃが…超高校級の才能レベルのものは思いつかないのぅ…」

    西園寺「器用貧乏なだけだよねぇ~、結局は肝心なところで役に立たないしさぁ~」


    九頭龍「だが、なんつーかこう変な気迫があるんだよな…」

    十神「確かにそれは感じるな…だが、極道であるおまえも一目置くほどとはな…」

    九頭龍「まぁ、カタギだろうと、強い信念のあるやつはある…極道であってもないやつはない…それだけのことだ…」


    ソニア「もしかして、日向さんの才能は【超高校級の超高校級キラー】なんじゃないですか!?」

    十神「なるほどな…確かにここにいる超高校級はほとんど日向と親しい間柄だな…ありえるかもしれん…」


    日向「才能キラーって…それは才能なのか?」


    十神「ある意味恐ろしい才能だぞ…各分野で今後活躍すると期待されている人物たちと強いコネクションを複数も持っているのだ…これだけ多種多様な人間と交流できるのは一種の才能だろうな…」


    左右田「つーかさ、それもなんだけど…なんで日向の知り合いは超高校級ばっかりなんだ?まぁ、狛枝とか幼馴染は偶然一緒にいたで説明がつくかもしれないが、それ以外に関してはさすがにでき過ぎてるっていうか…」


    田中「ほう、雑種からそのような意見がでるとはな…」

    左右田「うっせーな!!勝手に人を見下してんじゃねーよ!!」

    ソニア「ですが、左右田さんの言うとおりですね…わたくしの場合は運命の出会いだったとしか言えませんが…」

    左右田「ソ、ソニアさーーん!?同意してくれるのは光栄ですが、運命ってなんですか!?」

    ソニア「ええ、運命です!!必然とも呼べるべき出会いでしょう!!」


    田中「そうだな…特異点と俺様の再会は前世より決まっていた!!その歴史はアカシックレコードに刻まれていたのだ!!そう、そのとき歴史は動いた!!」


    左右田「オイオイ、前世とかわけわかんねぇこと言ってんじゃねぇーぞ!!」
  71. 99 : : 2014/11/26(水) 00:07:03

    十神「だが、偶然では片付けられないか…俺たちはもしかして今日のこの日のために日向と出会っていた…もしくはそう仕組まれていたのかもしれないな…」

    九頭龍「仕組まれていたって…誰にだよ?」

    十神「普通に考えれば、モノクマやモノミの正体である人物となるな…だが、仮にそうであったとしても目的はさっぱりだが…」


    辺古山「だが、私と日向の出会いに不自然な点はなかったはずだ…仕組まれていたというのは考えづらいな…」

    西園寺「ていうかさ…日向おにぃが自分の才能思い出せば一発だよね!!こんなことにわたしたちを巻き込んでさ!!」


    十神「それなんだが、俺から提案がある…」

    弐大「ほぅ…なんじゃ?」


    十神「日向は自分で自分の才能を思い出せないとモノクマは言っていた…原理はわからないが、嘘をわざわざ言うとは考えにくいだろう…、だが、日向の才能に仮に気づいたとしても俺たちはひとりずつ気づいた順にしか脱出できない…それでは、日向が取り残されてしまうおそれがある…」


    日向「そういえば、俺だけはモノクマの正体に気づくしか脱出方法がないんだったな…」

    十神「だからこそ、俺はモノクマの正体に気づくべきだと考えている…日向を取り残すことなく、全員でこの修学旅行を終了するためにな…」


    西園寺「えぇ~、なんでよ!!気づいたら終わるんだから、それでいいじゃん!!」


    十神「修学旅行を終了できるとは言っているが、どんな形でかは不明瞭だ…、終えたところでまた何か要求されないとも限らない、しかもその場合先に終了した人間は、他の人間と交流ができない可能性が高い…」

    左右田「ん?…なんでだよ?」

    十神「なぜなら、修学旅行を終了したということは、そいつは日向の才能、もしくはモノクマの正体に気づいたということなのだからな…。おいそれと、まだ気づいていない人間に近づけたりはしないだろう…」

    弐大「確かに、あいつらの言っていることを全部鵜吞みにはできんのう…一人で卒業できたところでどうなるかわからん…」

    十神「そういうことだな…反対のものはかまわないが、全員で修学旅行を終える…これが俺の目的だ…」


    狛枝「うん、さすが超高校級の御曹司だね!!非常にわかりやすく理にかなっているよ…ただ、正直ボクとしては日向クンはどうでもいいけどね…」

    十神「狛枝…おまえはどうして日向を嫌う…?日向もおまえに対して、極端に好意を持ちすぎているが…おまえも日向を極端に嫌っている気がするぞ」
  72. 100 : : 2014/11/26(水) 00:10:40

    狛枝「別に…ボクは才能のある人間しか価値がないと思っているだけさ…まぁボクは幸運なんていうみんなに比べたらゴミみたいな才能だけど、日向クンにはそれさえない…そんな退屈な人間を気にかけるなんてみんなのほうがどうかと思うけどね…」


    小泉「狛枝…あんた…」


    弐大「おまえさん…言い過ぎじゃぞ!!才能があることがすべてはないじゃろう!!日向はその人柄があってみんなに好かれておる…日向の全てを肯定しろとは言わないが、全てを否定することはないじゃろう!!」

    狛枝「人柄ね…本当にそうなのかな?」

    弐大「なんじゃと!?」


    狛枝「だって、モノクマは言っていたじゃないか…ボクたちの日向クンへの記憶を一部消しているってね…きっと、その一部は大切な部分だよ…もしかしたら、日向クンの悪いところなんて全部見なくてもいいように改ざんされた記憶かも知れない…」


    十神「ならば、逆に言えば、おまえが日向をとことん嫌っているのも、日向のいい部分を全て見ることができないように改ざんされている恐れがあるということでいいな…?」


    狛枝「おっと…そうくるんだね…まぁ、否定はできないかもね…なにせ彼との付き合いはこの中では一番長いみたいだからね…不本意だけど…ね…」

    十神「ふん、他のものもそうだが、日向とおまえたちの関係性は非常に重要だ…全員で共有できる部分は共有したほうがいいだろう…もしくはリーダーの俺だけに伝えろ!!」

    罪木「えっ、リーダーってなんのことですか!?」

    十神「言い忘れたが、俺がおまえたちのリーダーとしてこの修学旅行を導こう…安心しろ!!悪いようにはしない!!」


    日向「十神がリーダーをやってくれるのか!!期待してるぞ!!」


    十神「ああ期待していろ!!まぁ、俺に話せないにしても…だ…自分の中で日向との関係について整理しておいたほうがいいだろうな…【日向の才能】が何か気づく上でそれは重要な手がかりになるはずだ…」

    罪木「そんなの毎日確認してます!!日向さんとの大事な思い出なんですからねぇ!!」

    西園寺「まぁ、わたしは確認するまでもないけどね…リーダーも勝手にやりたければ、やれば?」


    十神「ふん、まあいい…長くなったが、一旦解散としようか…しばし、自由時間をとったのちに、再びこの島の探索へと移ろう。それと、日向…おまえだけは残ってくれ…おまえが今覚えている範囲で、あと話すことのできる範囲で構わない…全員との関係性を教えてほしい…」


    罪木「ちょっと…まってください!!それ、私も気になります!!」

    左右田「結局、いろいろあって日向からは何にも話は聞けてないんだぜ…全員で聞いてもいいだろ…」

    十神「そういえば、そうだったな…ならば、日向…簡単にでいい、全員にそれぞれの人間とおまえとの関係を教えてくれ」

    日向「そうだな…約束したし、ここからは俺が話すよ…」
  73. 103 : : 2014/12/01(月) 08:13:03

    日向「まずは、狛枝のことを3時間ぐらい話していいか?初めての出会いから全部覚えてるぜ…!!」

    狛枝「日向クンに任せてたら、あることないこと話しそうだから、仕方ないしボクから話すよ」

    終里「3時間って…日向おまえアホなのか?」

    日向「これでも短縮してるんだぞ!!」

    花村「短縮してそれなのぉ!?」


    狛枝「はいはい、いいから聞いてよ…日向クンとの出会いは、小学校1年のころだったね。そのときからボクはなぜか知らないけどずっとこの男につきまとわれてるのさ…」

    日向「つきまとうっていうか、中学ぐらいまでずっと同じクラスだったからなぁ…」

    狛枝「まぁ、どのみち高校生になってからボクは希望ヶ峰学園に入学することができた…なのにどうして君がここにいるんだろうね…ボクはやっぱり不運なのかな…?」

    日向「俺は嬉しいぞ!!おまえ、急にどっかにいなくなっちゃうしさ…」

    十神「急にいなくなっただと…?そういえば、久しぶりの再会という感じではあったな」

    狛枝「さすがに彼につきまとわれるのに嫌気がさしてね…引っ越すことにしたのさ…もちろん日向クンには黙ってね…」

    日向「いきなり、狛枝の家がなくなってるからびっくりしたぞ…ほんと」

    狛枝「やっと君から離れられたから、あのときだけはホッとしたよ…本当にね…でも、まさか捜索願を出されるとは思っていなかったけどね…」

    澪田「捜索願!?行方不明扱いだったんすか!?」

    日向「だって、急にいなくなるから何かあったのかと思ってな…事件性がないとかなんとか警察がいってたから結局自力で探すことにしたんだけどもな…!!だって、狛枝って昔から危ないことに巻き込まれやすいしな…友達としては心配もするさ」

    ソニア「ご自分で探そうとしたんですか…!?すごいですね!!」

    日向「結局見つからなかったけどな…今の今まで」

    狛枝「捜索願は風のうわさで知ったんだけでもね…遠くにいてもボクに迷惑をかけるんだからね…君は」
  74. 104 : : 2014/12/01(月) 08:14:57

    九頭龍「そういや危ないことってなんなんだよ?」

    日向「いろいろと事件に巻き込まれやすいんだよ…こいつ、誘拐されたこともあったな」

    辺古山「誘拐だと!?」

    狛枝「あのときは最悪だったよ…」

    弐大「そりゃあ…最悪じゃろうなぁ」

    狛枝「いや、誘拐自体はどうでもいいんだ…なぜか日向クンまで一緒に誘拐されたんだよ…」

    左右田「そこかよ!?…ってか日向オメェも巻き込まれてんのかよ!?」

    日向「うん」

    左右田「うん…じゃねぇだろ!?」

    狛枝「狭い空間に日向クンと二人っきりなんて、最悪だったよ…耐えがたい時間だった…」

    日向「でも、おまえといるとなんか知らないが、退屈しないから楽しいよな!!」

    左右田「誘拐とか、退屈しないとかってレベルじゃねぇぞ!!」

    狛枝「まったく、あんなに危ない目にあってるのに、なんでボクにつきまとうんだろうね?君は…」

    日向「俺は狛枝の友達だからな!!」

    狛枝「本当に君はそればっかりだね、うんざりするよ…まったく…」



    七海「でも、狛枝クン…心なしかなんだか嬉しそうだね!!」

    狛枝「は!?何いってるのかな…七海さん…いくら君でも聞き捨てならないなぁ…」

    七海「う~ん、気のせいかな…なんか少しうきうきしてるような気がするんだけど…」

    狛枝「本当に気のせいだよ、それは!!ボクの話聞いてた?」

    七海「なんでそんなに必死になって否定してるの?」

    狛枝「君が変なことを言うからだよ!!」

    七海「ふ~ん、まあいいや…」

    狛枝「ホントに勘弁してよね…」
  75. 105 : : 2014/12/01(月) 08:16:16

    左右田「まぁ…なんとなくは日向と狛枝の関係はわかったな…」

    小泉「初っ端から、わりととんでもない話だったけどもね…」

    日向「えっと、それじゃあ、次は誰の話にしようか?」


    十神「では、俺の話をしよう…」

    日向「え!?十神が話すのか?」

    十神「まぁ、おまえにばかり話させるのもあれだしな…俺との関係は俺から話す」

    九頭龍「御曹司のおまえと日向の関係って気になるな…」

    左右田「オレからしたら極道と関係あるってほうがやばいんだが…」

    九頭龍「るせぇな…!!今はオレの話じゃねぇんだから黙ってろ!!」

    十神「確かに俺は【超高校級の御曹司】だが、最初から御曹司だったというわけではない…十神家を真に継ぐためには他のライバルを蹴落とさなければならなかった」

    罪木「ライバルってどういうことですか?」

    十神「十神家はより優れた人間を跡取りにするために、無数の子孫をつくって競い合わせるのだ…俺はその中で戦い抜き、そして選ばれたというわけだ…」

    ソニア「ただ十神家の血をひくからというだけで、跡取りになれるわけではないのですね」

    十神「そういうことだ…だからこそ俺にも下積み時代があった…そのときは御曹司とは程遠い一般的な暮らしをしていた…日向とはそのときに出会ったというわけだ…」

    日向「ああ…えっと、そ、そうだったな…」

    十神「そのとき、日向には世話になったものだ…俺は他人を蹴落とす生き方をしなければならない…それは決められた宿命だ…だが、それとは無縁な世界で生きている日向であるからこそ、俺にとっては心を開ける存在となったのだ…」


    弐大「十神にとっては、貴重な存在だったというわけじゃな」

    十神「御曹司として正式に選ばれてからは、なかなか会えなくなってしまったが、元気そうでなによりだ…多忙から手紙を書くこともままならなかった…連絡をしなかったことを許してほしい」

    日向「別にかまわないさ…たよりがないってことは元気な証拠だからな!!」

    十神「まぁ、簡単に話すとこんなところか…それで次は誰の話にする?」
  76. 106 : : 2014/12/01(月) 08:18:47

    澪田「そろそろ女子のターンっすか?」

    十神「では、言いだしっぺのおまえでいいな」

    日向「澪田か…えっと澪田はな…」

    小泉「そういや、あんたバンドメンバーなんて本気なの?」

    日向「俺も半信半疑だったんだが、澪田にやろうって誘われてな」

    澪田「創ちゃんとは超~相性バツグンっすからね!!こうかはバツグンだ~!!」



    小泉「バンドってあんた…何の楽器で演奏するつもりよ…!?」

    澪田「ドラムっすよ!!唯吹の第一印象で決めました!!」

    小泉「まさか…本当とはね…だからこそ、納得がいかないんだけどもね…」

    日向「小泉…おまえは…」

    西園寺「そういえば澪田おねえは、小泉おねえのこと知ってたの?名前は知ってたみたいだったけど…」

    澪田「そうっすね…ハジメちゃんから少し聞いたことがあったんすよ!!え~っと確か…ってあれ真昼ちゃんとハジメちゃんってどんな関係だったけ?」

    日向「あれ、おまえ覚えてないのか?あれ、…っていうか澪田に話したっけ?俺?」

    澪田「おかしいっすねぇ…真昼ちゃんのこときいた覚えあったんすけど…ひとめで真昼ちゃんが真昼ちゃんだってわかったし…」

    日向「おかしいな…澪田に話した覚えはそういえば…なかったような気がするんだが…」

    十神「もしかすると、モノクマによる記憶消去、あるいは記憶操作かもしれないな…」


    澪田「え!?これがっすか?」


    十神「もちろん…ただのド忘れなんてこともなくはないだろうがな…俺たちがこうして記憶を照らし合わせているのも…俺たちがいったい何を忘れているのかの確認のためもある…もっとも忘れたということは、そもそも忘れたことに気がつかない可能性のほうが高いのだがな…」


    日向「今の時点じゃなんとも言えないか…澪田は小泉のことはともかく俺との出会いは覚えてるんだよな?」

    澪田「はい!!そりゃもちろんっす!!だって、唯吹が逆ナンしたんすから!!」


    ソニア「逆ナン!?」

    田中「なんだと!?そんなことが本当にありえるのか!?」


    澪田「いやぁ…街でたまたま見かけたんすけども、運命感じちゃったんすよねぇ~!!ハジメちゃんとは絶対楽しいことができるって…そんな感じがしたんすよ!!」

    日向「ああ…あのときはびっくりした…いきなり“唯吹とバンドやりませんか?”だもんな…」

    澪田「いやあ…唯吹の目に狂いはなかったすけどね…!!まぁ、でもまだ唯吹とハジメちゃんだけなんでまだまだメンバー募集中っすよぉ!!」

    花村「逆ナンだなんて…すんごい肉食系女子なんだね!!ぼくも驚いたよ…」てる~ん!!
  77. 107 : : 2014/12/01(月) 08:23:06

    澪田「さぁ~て、じゃあ次は真昼ちゃんいってみようか!!」

    小泉「唯吹ちゃんが指定するの!?」

    十神「まぁ…別に順番はどうでもいいだろう…」

    日向「ええっと…小泉との関係なんだけども…その…」


    小泉「悪いけど…アタシは日向との関係を話したくはないわ」

    日向「小泉…」

    小泉「確かに昔は知り合いではあった…でも、もう今は関係ないわ…」

    十神「どうしても言えないということか…」

    小泉「話せる部分でいいんでしょう…なら、悪いけど私は話せない…本当はもう会うつもりだってなかったの…」


    西園寺「あらら…小泉おねぇにずいぶん嫌われてるんだねえ~、まぁわたしもおんなじかな…日向おにぃのことは誰かに話すなんてごめんだよ!!」

    狛枝「へぇ…なんだか少し安心したよ…みんな盲目的に日向クンに好意をもってるのかと思ったからさ…」

    十神「そんなに話したくないということか…なら仕方がないか…だが、この先、それを話さないことで不都合が生じる場合もあるだろう…そのときは協力を頼むぞ」


    小泉「わかったわ…善処はする」

    西園寺「わたしは別に約束しないからね~」クスクス


    九頭龍「悪いんだが…オレも話せねぇ事情がある…」

    十神「九頭龍おまえもか!?」

    左右田「そういや昨日、日向との関係を聞こうとしたら、日向に口止めされてるっていってたな…」

    田中「日向に危害を加えんと契約を結んだが…いつ破棄せんとも限らん…話さないということはそれ相応の覚悟はあると見てよいのだろうな?」

    日向「まってくれ!!田中!!俺が九頭龍には口止めを頼んでいるんだ…九頭龍は悪くない!!」

    左右田「無理に聞くつもりはないが、いったい何を隠してるんだよ…」

    日向「すまない…俺にも事情があるんだ…」

    十神「小泉、西園寺に続いて九頭龍もか…」
  78. 108 : : 2014/12/01(月) 08:26:04

    左右田「…ったく、しょうがねぇな…まぁいい、次はオレが話すか…」

    日向「次は左右田か…えっと、左右田とは確か…」


    左右田「ああ、なんだか知らないがおまえが道でぶっ倒れてたのを助けたのがきっかけだったな…」

    日向「ああ、そうそう、なんか俺がぶっ倒れてったんだよな!!」


    終里「いや、ぶっ倒れてるって、なんだよ!?それ!?」

    弐大「日向はやっぱり普通の人生を送ってないのう…」


    左右田「ああ、あれは本当になんだったんだ…?おまえもよく覚えてないっていうしよぉ…」

    日向「ああ、倒れたショックだかで、何があったか忘れたんだよな…」

    左右田「で、まぁほっとくわけにもいかないから、オレが救急車を呼んだんだよ…それから見舞いやらなんやらしてるうちに打ち解けたっつ~感じだな」

    日向「助かったよ…あちこち骨折してたっぽいしな…」

    左右田「なんであんな満身創痍だったんだよ…事故にせよ、誰かに痛めつけられたにせよ、かなり驚いたぞ…まあ医者のいうには車に轢かれたとかなんとかって感じらしかったが…」

    日向「ほんと、なんであんな大けがしてたんだろうな…俺?」

    左右田「まぁ、なんだかんだあの出会いには感謝はしてるけども、最初は何者だと思ったぞ…あんなケガして道にぶっ倒れてるやつなんて、なんかとんでもないことに巻き込まれてそうじゃねぇか…」


    日向「まぁ…俺も昔から誘拐とかされてたしなぁ…」

    左右田「いや、だからなんでそんな普通に言うんだよ!?誘拐なんて普通されねぇーからな!?」

    弐大「やっぱし、普通の人生じゃないのう…」

    左右田「まぁ、俺はこいつが退院してからは適当に連絡取り合うぐらいだったな…学校が近かったってわけでもないしな…」

    澪田「聞けば聞くほど、ハジメちゃんっていろんなことに巻き込まれてるんすねぇ~」

    日向「おまえの場合はおまえ本人に巻き込まれたんだがな…」

    澪田「たっはーーーー!!そうでした!!」テヘリン!!

    左右田「俺はこんなところか…で、次は誰が話すんだ?」

    辺古山「ふむ、では私が話そう」


    左右田「辺古山か…おまえもなんか想像できないな…」
  79. 109 : : 2014/12/05(金) 18:39:52

    日向「辺古山は、そういえば剣の修行の旅の途中で出会ったんだよな…」

    ソニア「昨日、辺古山さんに聞いたとおりですね」

    辺古山「そうだったな…私に縁がある各地の道場をまわっている際に、日向とは出会ったのだ…だが、あのときは危なかったな」

    日向「ああ、あのときは助かったよ…ありがとう」

    澪田「ん?…何があったんすか…?」



    日向「実は不良にからまれているところを辺古山に助けてもらったんだよ…相手は5・6人ほどいたが一瞬だったな…」

    左右田「けど、それだけなら…日向が辺古山に助けられて終わりじゃねぇか…それだけの間柄ってわけじゃないんだろ?」

    辺古山「ああ、無論それだけではない…そのあと立ち寄った、私に縁のある人物がいた道場に偶然にも日向が通っていたのだ…そこで少しばかり稽古をつけてやったりもしたな…」

    田中「日向よ…貴様、剣の道も極めていたと言うのか!?」

    日向「全然極められなかったかよ…俺には剣の才能はなかったな」

    辺古山「だが、武道に対する姿勢は立派なものだったぞ…私も自分が剣を始めた頃のことを思い出した…指導にも熱が入ったものだ…」

    日向「ああ…鬼教官だったな…辺古山は…」


    辺古山「そういえば…もう剣道はやってはいないのか?」

    日向「ああ、せっかく教えてもらったのに、それほど長続きしなかったんだ…すまないな」

    辺古山「いや、一つの道を極めるということはそれほど大変なことだということだな…おまえはおまえの道を行くといい」

    日向「ああ…ありがとう」

    辺古山「私の話は、これぐらいだろうな…」
  80. 110 : : 2014/12/05(金) 18:44:00

    弐大「ふむ、ではワシが話すか…」

    日向「最初に少し話題に出たかも知れないが…弐大とはバスケの試合で出会ったんだったな…」

    弐大「うむ、互いに中学時代…ワシもマネージャーとしてはまだまだ頼りなかった時期じゃったなぁ…」

    日向「頼りないで、あんなに対戦相手の選手を鍛えあげられちゃ、こっちは勝ち目はまずないだろうな…」

    弐大「なあに…おまえさんのチームとて、すばらしかったぞ…そのあと、ワシも参考にさせてもらった部分もいくつかあった…そもそも、日向…おまえさんが気になってワシは声をかけたんじゃからな!!」

    終里「そういえば、昨日弐大がそんなこと言ってたな…」

    弐大「ああ、日向は試合中、よく周りを気にして冷静に動いていた…得点をとれる選手も大切じゃが、そういう選手も仲間には重要じゃあ!!ワシは試合中、とても興味をひかれたぞ!!」


    日向「人の顔色ばっかりうかがっているから自然とな…」

    弐大「そう悲観したものではないぞ!!誰かのために何かを考えようとする姿勢!!それも立派な才能のひとつじゃ!!」

    日向「…才能か…」

    弐大「日向…いや、すまん…悪気があっていったわけではないんじゃ…」

    日向「いや、もちろんわかってるよ…ただ、やっぱり俺にはバスケの才能もなかったなぁ…と思って…」

    辺古山「しかし、剣道にバスケ…いろいろとやっているなおまえは…」

    弐大「うむ、今もいい体格をしておる…!!トレーニングは怠っていないようじゃな!!」

    日向「まあ…習慣づいたのもあるからな…今でも一応は続けているんだ」

    弐大「うむ、いいことじゃ!!なんなら、今度はワシが直々に鍛えてやろう!!」

    日向「そうだな…超高校級のマネージャーが鍛えてくれるなんてなかなかないだろうからな…お願いしようかな」

    弐大「おう!!」
  81. 111 : : 2014/12/07(日) 05:57:13

    十神「さて、残りは誰だったかな?」

    七海「ええっと…終里さん、ソニアさん、田中君、花村君、罪木さんの5人かな?」



    ソニア「では、そろそろわたくしのお話と致しましょうか!!」

    日向「ええっと…ソニアはその…」


    ソニア「さあ、今から始まるのは一人の王女と一人の男性との恋の物語!!チャンネルはそのままでお願いします!!」

    罪木「ちょっと待ってくださ~い!!聞きずてならない単語がでてきたんですがぁ~!!」アセアセ

    ソニア「ええい!!控えおろう!!」

    罪木「ひぃ~!!ごめんなさ~い!!」ビクッ!!

    日向「ああ、えっとだな…ソニアは国の用事で日本に来ていたんだ…そのときソニアはボディガードたちの目をかいくぐって一人で街にくりだしたんだよ…」

    ソニア「だって、せっかくのあこがれの日本ですもの!!自由に街を巡りたいではないですか!!」

    日向「で、いろんなものに興味をひかれながら歩いていたソニアと俺がぶつかってしまったわけだ…」

    ソニア「ええ、まさにあれは運命の出会いでした…!!」

    罪木「うう…話を聞きたいような聞きたくないような…」

    日向「そこで俺は持っていたオレンジジュースをソニアの服にぶちまけてしまってな…」

    十神「なんだ…そのベタな展開は…!?」

    左右田「コラ!!おまえソニアさんに謝れ!!」

    ソニア「ええ、ですから着替えなくてはならないということもあり、日向さんに街を案内していただいたのです!!」

    日向「正直、血の気が引いたぞ…明らかに高い服だったからな…弁償なんて言われたらどうしようかと…」

    ソニア「いえ、わたくしの不注意ですもの…それよりもわたくしはあのとき日向さんに出会えて本当によかったと思っています…。たった一日でしたが、本当に…本当に楽しかったのです…!!」
  82. 112 : : 2014/12/07(日) 06:00:27

    日向「ソニア…」


    ソニア「一緒に過ごしたのは一日だけでしたが、想いはずっとでした…希望ヶ峰学園への入学も実は国からの反対もありました。日本国についての勉強かつ才能をさまざまな持つ人物たちとの交流…なんてもっともらしいことを言ってここに来ましたが…本当はあなたに会えることを期待していたんです…」


    日向「本当に…俺なんかのことをずっと想っていたというのか…!?」

    ソニア「はい…!!本当にあの日はまるで自分がドラマの主人公になったかのようでした…。そして、希望ヶ峰学園に来てから、あなたを探そうと思っていたら…あなたがそこにいるではありませんか…本当に運命を感じられずにはいられませんわ!!」

    日向「ソニア…だが、俺は…!!」







    罪木「ちょっと…待ってくださいよぉ!!」

    ソニア「罪木さん…!?」


    罪木「お願いですから…日向さんは…日向さんだけは私から奪わないでください…!!」

    日向「罪木!?…どうしたんだ!?」

    罪木「だって、私にはもう日向さんしかいないんです…!!日向さんがいたから、今の私が存在していられるんです!!だから、日向さんを奪われると言うことは私にとって“死”を意味するんです!!だから…だからぁ…!!奪わないでぇ!!」ドンッ!!

    ソニア「痛ッ!?」

    日向「罪木!?…ソニアを突き飛ばすなんて…なんてことするんだ!?」

    罪木「だって…だって、ソニアさんがあなたを奪おうとするから……私だってあなたをずっと探していたのに…!!私は…私はぁ!!」ダダッ!!



    日向「おい!?罪木!?どこへいくんだ!?」

    十神「ちっ…日向…追いかけてやれ!!」

    日向「十神…」

    十神「言ったはずだ…ちゃんと躾けておけと…なんにせよ…おまえが蒔いた種であることには違いないのだからな…!!」

    日向「わかった!!行ってくるよ!!」ダダッ!!
  83. 113 : : 2014/12/07(日) 06:02:24

    左右田「くそっ…ソニアさん!!大丈夫ですか!?」

    ソニア「わたくしは大丈夫です…ですが、罪木さん…あそこまで日向さんのことを…?」


    十神「おまえは悪くはないが…少し刺激し過ぎてしまったようだ…だが、罪木がああいう状態になるかもしれないことはなんとなくわかっていたのにな…俺のミスだ…」

    田中「いや、おまえだけがその十字架を背負うことはないだろう…俺様も動けなかった…奴の愛とはそこまで深く根強いものなのか…」

    ソニア「申し訳ありません!!わたくしがよく考えずに舞い上がってしまったから…!!」

    弐大「いや、ソニアのせいでもないじゃろうって…うっ、また腹の調子が…」グリュリュ…




    西園寺「ソニア…あんたも現実みたほうがいいんじゃない…?」

    九頭龍「西園寺?…なんだ、いきなり!?」

    西園寺「あんたはさ…王女さまってやつなんでしょ…?日向おにぃみたいな凡夫を国に連れて帰ってごらんよ…国は大混乱になるんじゃない…?」

    ソニア「確かにそうかもしれませんが…だけど、わたくしは…!!」

    西園寺「なんとかなると思ってる?あんたのいうドラマみたいにさ…?…でもさ、それはありえないよ…。そんなふうにはならないんだよ…そんなふうには…ね」

    ソニア「西園寺さん…!?どうして?どうして…そんなことをおっしゃるんですか!?」

    西園寺「さぁね…でも、これは警告みたいなもんだよ…あんたは日向おにぃのことを忘れたほうがいい…。これはホント…あんたのために言ってるんだよ…?」

    辺古山「もう、よさないか…!!おまえの言っていることは間違ってはいないかもしれないが、今いうことではないだろう!!」

    西園寺「なら…なにかあってから言えばいいの…?それじゃあ、手遅れなんじゃない?」

    辺古山「西園寺…おまえ…!!」

    十神「よせ!!…わかった、おまえたち頭を冷やせ!!まだ、話していない連中もいるが、それは後にする!!各自自由行動としよう…!!これからの方針についてはまとめ次第、今日中に連絡する!!それでいいな!!」

    西園寺「わかったよ…わたしは言うべきことは言ったしね…」



    辺古山「…」

    ソニア「…」

    十神(くっ…なんてことだ…こんな雰囲気になってしまうとは…だが、いつか起こるはずのことだ…!!早めに対処する必要があるのは変わらない…。だが、どうするか…)
  84. 114 : : 2014/12/07(日) 06:04:06










    罪木「う…うぅ…う…私…私は…」ポロポロ

    モノクマ「うぷぷ…どうしたのさ?そんなに泣いちゃってさぁ?」

    罪木「モ…モノクマさん!?」


    モノクマ「あらあら、可愛い顔が台無しだね…日向クンにでも泣かされたのかな…」

    罪木「違うんです…私が悪いんです…日向さんを奪われると思ったから…」



    モノクマ「君は…どうして彼にそんなに固執するのかな…?言っちゃあれだけどもさ…彼みたいな男っていっぱいいると思うよ…優しいだけで、あとはなんにもできないやつ…」

    罪木「そんなことありませんよ!!なにもできなくなんてありません!!少なくとも、私は日向さんのおかげで救われたんです!!それに優しいだけの人はいますが、私に優しくしてくれる人は日向さんしかいないんです!!」

    モノクマ「本当にそうかなぁ…?いるんじゃない、もっとさぁ」


    罪木「優しいふりをして、結局は何かを要求してきた人たちはいました。優しいふりをして、結局は私をいじめることが目的の人たちもいました。でも、ずっと私のことを優しさで包んでくれたのは日向さんだけなんですよ!!他にいないんですよぉ…!!」


    モノクマ「ずっと優しさで包んでくれた…?じゃあさ、なんで彼は君の前からいなくなったのかな?」


    罪木「そ…それは、何か事情があって…」

    モノクマ「うぷぷ…結局はそう信じたいだけじゃない…本当の日向クンなんてさ…君は知らないわけじゃん…日向クンは君を依存させただけさ…そんなの救ったって言わないよ」


    罪木「そんなことありませんよ!!本当に初めてなんですよ…こんなに人を愛せるなんて…」

    モノクマ「じゃあさ…君は自分のことは好き?愛してる?」


    罪木「え…!?そ、それは…嫌いですよ…だって、私ってうじうじしてるし、陰気だし…好きなわけないじゃないですか…でも、日向さんはそんな私にさえ優しくしてくれた…だから、日向さんのことが好きなんです!!」

    モノクマ「やっぱり、それは愛してるってことじゃないよ…」

    罪木「え…?」


    モノクマ「君は日向クンを愛しているって思えば、自分が救われると思いこみたいだけなんだよ…だから、もう周りを見なくなったんだ、自分さえもね。自分が例えどんなやつでも、愛されている自分は正しいって思いたいだけなんだよ…周りが本当は優しくても、そうじゃなくても、また裏切られるのが怖いから、考えるのをやめただけなんだ…」


    罪木「そんな!?私の“愛”をそんなふうに言わないでくださいよ!!」
  85. 115 : : 2014/12/07(日) 06:04:45







    モノクマ「自分さえも愛せない君が…誰かを愛せるの…?」







    罪木「え…?」




    モノクマ「もう一度、よく考えたら?時間はたっぷりあるんだしさぁ!!うぷぷぷぷ…君がこれからどうなっていくか…ボクは楽しみに待っているからね…」シュン!!
  86. 116 : : 2014/12/07(日) 06:06:26


    罪木「え…え!?ま…待ってくださいよぉ!?」



    日向「おい、罪木!?大丈夫か!?」

    罪木「ひ…日向さん!?」

    日向「今、モノクマがいたみたいだけど…何かされなかったか!?」

    罪木「い…いえ、大丈夫です!!」

    日向「本当に大丈夫か…?」

    罪木「ええ…やっぱり、日向さんは優しいですね…だから、私は日向さんが好きなんですよ…」


    日向「罪木…ありがとう…だけど…」

    罪木「いいんです…また、どこかにいかなければ…私はそれでいいんです…あなたのそばにいられれば…」

    日向「な…なぁ、罪木…ソニアに一緒に謝ろう…な?」

    罪木「ど…どうしてですか?だって、あの人は私からあなたを奪おうとしたんですよ!!」

    日向「罪木…約束したよな!!もう誰も傷つけないって…ソニアを突き飛ばしたことで、おまえも傷ついているはずだ…こんなことはもうやめよう!!」

    罪木「じゃあ…私のことだけを見てくれますか?」

    日向「つ…罪木?…だけど、俺は…」

    罪木「わかってます…私のことを好きじゃなくてもいいんです…あなたが私のそばにいれば…いいんです」


    日向「俺はおまえと違って才能なんてない…だから、俺は…」


    罪木「でも、モノクマさんが才能はちゃんとあるって言っていたじゃないですか…きっと見つかりますよ…私が見つけます…だから、そばに…いてください…じゃないと…怖いんです…私が私でなくなってしまいそうで…」


    日向「罪木…だが、俺はひどいやつだぞ…?モノクマは才能があるなんて言っていた…でも、きっとあるはずがないんだ…俺みたいな劣等感の塊みたいなやつが…今だって、罪木に何もしてやれない…俺はおまえに愛してもらう資格なんて…ないんだ…」

    罪木「いいえ、私はそれでも日向さんを愛しています…どんな日向さんでも…私は愛していますから…」



    日向「つ、罪木…?」ゾクッ…



    罪木(そう、この愛は間違ってなんかいない…こんな気持ちになったのは本当なんだもの…モノクマさんの言っていることに惑わされちゃダメ…私の愛は正しい…私は日向さんを愛しているの)
  87. 117 : : 2014/12/07(日) 06:09:16









    モノクマ「…モノミちゃん…なんの用かな?」

    モノミ「あんた、罪木さんを混乱させて…何が目的なんでちゅか!?…というか教師役は介入しないってルールじゃ…!!」

    モノクマ「えぇ…心外だよぉ…ボクの言っていること間違っている?それに、これは必要なことだからいいんだよ!!」

    モノミ「罪木さんの愛は本物でちゅよ!!なんで罪木さんの自信を崩すような真似するんでちゅか!?」


    モノクマ「あああぁ…それでも、教師なの?わかっていないなぁ…」ハァ…

    モノミ「え?」


    モノクマ「いいよ…やっぱりボクが出てきて正解だったよ…オマエには任せてられないってわかったしね…うぷぷ…楽しみだなぁ…彼女は希望か…それとも絶望なのか…」

    モノミ「あんたまさか…!?」

    モノクマ「うぷぷ…さぁて、モノミみたいなやつにかまっている暇はないんだよねぇ…ほら、ボク忙しいから!!」

    モノミ「逃がちまちぇんよ…!!あんたにミナサンを好きにはさえまちぇん!!」

    モノクマ「うぷぷぷぷ…じゃあ、罪木さんに…教えてあげれば?彼女に今大切なことをさ…オマエにそれがわかるのであればだけどね…!!」シュン!!

    モノミ「あっ…待てぇ!!」

    モノミ「…」

    モノミ「…大切なこと…でちゅか?」


  88. 118 : : 2014/12/07(日) 06:12:48


    十神「くっ…いきなり、こんなことになるとはな…俺はリーダー失格だ…その場しのぎで解散したはいいものの…あれではダメだ…このままでは…」

    九頭龍「どうした…御曹司ともあろうおまえがずいぶんと弱気じゃねぇか…」

    十神「九頭龍!?くっ…聞かれていたか…」

    九頭龍「あんなの誰にもどうしようもなかったぜ…気にするんじゃねぇよ」

    十神「日向が悪くないわけではなさそうだが…罪木自身にも問題はあるな…だが、そのことから目を背けてはいけない…!!このままにしてはいけないだろう…!!」

    九頭龍「わかってるって…オレも協力するぜ」

    十神「すまんな…九頭龍…」


    九頭龍「ああ、いいってことよ…ところで、聞きたいんだが…十神、今のおまえには日向がどう見える?」

    十神「ん?どういう意味だ?」

    九頭龍「あいつは妙なエネルギーや気迫はあるし、人望も厚い…だが、常にあいつは劣等感を持っている…才能がないってな」

    十神「そうだな…一見すると妙な自信があるようにも見えるが…日向は才能というものに尋常でないコンプレックスがあるようだな…」

    九頭龍「だから、才能があると一応は学園から認められている俺たちに囲まれて、あいつはきっと苦しいかもしれない…ましてや、自分を好いている女もいる…だが、邪魔をするんだろうな…その才能へのコンプレックスってやつがな…」

    十神「だが、才能が欲しいというわけでもなさそうだ…あいつは普通でいたいと願っている…いったいどういうことなんだ?」

    九頭龍「そこまではオレにもわからないな…」

    十神「にしても、俺たちは何の因果か、奴と親しい間柄だ…そう考えると、あいつは本当は俺たちのことをどう思っていたのだろうな…俺はあいつが才能にコンプレックスを持っていたとは思わなかった…。俺はこの島で日向と再会してからの様子でなんとなく気がついたが…おまえは知っていたのか?」

    九頭龍「そうだな…なんとなくは知っていたかもしれない」

    十神「なんとなく?」

    九頭龍「そこらへんが曖昧なんだよ…記憶をいじられたのかもな…」

    十神「そうか…澪田のやつも小泉のことを知っていたが、なぜ知っているのかを忘れていた…何かしらモノクマにとって不都合な記憶があったということなのだろうか…」



    九頭龍「かもしれないな…それで、日向から口止めはされてはいるが…ひとつ言っておこうと思う…オレが口止めされているのは、この16人の中に俺と日向の関係について言ってはいけないやつがいるからだ…」

    十神「なんだと!?」

    九頭龍「だから、言えない…言えば、日向の覚悟は無駄になるからだ…」

    十神「そういった事情があるわけか…だが、なぜ俺に話した?」

    九頭龍「オレなりのおまえへの協力だ…何も話さないわけにはいかないからな…だが、あの場には“そいつ”もいた…。だからオレもあいつも何も言えなかった。」

    十神「そういうことか…、感謝するぞ。深くは立ち入らないが、手伝えることがあれば言ってほしい…」



    九頭龍「ああ…ありがとな…」

    十神「しかし、これからどうすべきだろうか…」


    左右田「た…大変だ!!」

    九頭龍「なんだ!?左右田…どうしたんだよ!?」

    左右田「とにかく大変なんだ!!さっきソニアさんと会ったんだが、ソニアさんが罪木と決闘するって言いだして!!」

    九頭龍「は!?…なんで、そうなるんだよ!?」

    十神「まさか、罪木に対して怒っているのか!?いや、ソニアがそこまで冷静さを欠くとは思えないのだが…」

    左右田「オレも何がなんだかわかんねぇよ!!とにかく来てくれよ!!」

    十神「くっ…次から次へと…仕方ない、左右田!!案内しろ!!」

    左右田「ああ!!わかった!!」
  89. 119 : : 2014/12/07(日) 06:15:58

    ―砂浜―

    ソニア「罪木さん!!わたくしと勝負なさい!!」

    罪木「ど…どういうことなんですかぁ~!?」

    ソニア「ちょうど夕日も出ていますし、決闘にはうってつけのシチュエーションです!!」

    罪木「決闘なんてしないですよぉ!!突き飛ばしたのは…さっき謝罪したじゃないですか!!」

    ソニア「違います!!そんなことわたくしは気にしてはおりません!!」

    罪木「え!?」

    ソニア「わたくしは日向さんのことが好きです!!ですが、あなたも日向さんのことが好きです!!だから、どちらが日向さんをより愛しているか!!勝負です!!」

    罪木「どちらが日向さんを…愛しているか…?」


    日向「やめてくれ!!二人とも!!俺はそんな価値のある人間なんかじゃない!!おまえたちは間違っているんだ!!」

    ソニア「いいえ、間違ってなどおりません…」

    日向「だって、俺は才能がない…いや、そもそも才能があったって王女さまと釣り合うわけないじゃないか!!」

    ソニア「…………日向さん…申し訳ありませんが、少しだけ見守っていてください…確かにこれはあなたをめぐっての問題ですが、これはわたくしと罪木さんの意地をかけた勝負なんです!!」

    日向「ちょっと、待ってくれよ!!罪木も…やるなんて言わないよな…!?」

    罪木「やります…私が一番、日向さんを好きなんですから!!愛しているんですから!!」

    日向「罪木!?おまえまで…!!」





    左右田「待ってくださいよ!!ソニアさん!!」

    九頭龍「マジで…決闘なんてやんのかよ!?」

    ソニア「みなさんも止めないでください!!これは罪木さんとわたくしが解決すべきことなんです!!」

    十神「どうしても、やめないというのか…?」

    ソニア「はい!!」


    十神「くっ…ならば止めはしない…だが、見守らせてはもらう…何かあればいつでも止めに入るぞ…」

    ソニア「ええ、かまいません!!」

    日向「十神まで…何をいっているんだよ!?」

    十神「後腐れがないほうがいいだろう…(ソニアのやつ…頭に血がのぼっているわけではないな…何か考えがあるのか…?)」


    ソニア「大丈夫です…決闘といっても殴り合いなどではありませんから…どちらのほうが日向さんを愛しているか…それを認めさせたほうが勝ちです!!」
  90. 120 : : 2014/12/07(日) 06:18:22

    九頭龍「おいおい、どうジャッジするつもりだよ!?」

    ソニア「互いに認め、どちらかが先に諦めたら…それで勝敗は決定します…」


    左右田「そんなの互いが譲らなければ…一生決まらないじゃないですか!!」

    ソニア「罪木さん…いいですね…?では、あなたに質問します…あなたは日向さんを愛していますか?」


    罪木「もちろんです!!ソニアさんが例え日向さんのことが好きでも、私の方が絶対に好きです!!」


    ソニア「では、日向さんのどのようなところが好きですか?」

    罪木「それは、私に優しくしてくれることです!!日向さんだけが私に優しくしてくれるんです!!だから、私は日向さんを愛しています!!私にとっては日向さんだけなんです!!」












    ソニア「では…あなたはそんな自分を…愛していますか?」

    罪木「え…?」

    ソニア「どうなんですか…?」








    罪木(モ…モノクマさんとおんなじ質問!?ど…どうして…!?まさか、モノクマさんとソニアさんはつながっている?黒幕はソニアさん?いえ、なんでまたそれを私に聞くの?自分なんて嫌いでも、そんな私でも日向さんは優しくしてくれたじゃない?私が私を愛しているとか関係ないじゃない!?だってこれは日向さんをどれだけ愛しているかなんでしょ!?え…え!?なんで私が間違っているみたいになっているの!?どうして!?)







    ソニア「罪木さん…あなたと日向さんの間にどんなことがあったのか…それはわたくしにはわかりません。ですが、罪木さん…わたくしはあなたにもっと自分自身を愛してほしいと思っています!!」

    罪木「待ってください!!今…それは関係ないですよね!?これは日向さんをどれだけ愛しているかって話ですよね!?」

    ソニア「あ…これは日向さんにも言えることなんですけどね…?」

    日向「ソ…ソニア!?」


    ソニア「日向さんはきっと誰かのために頑張れる人なんです…。そこがいいところなんですけど、そのために日向さんは自分を犠牲にしすぎてしまいます…。全部自分で抱え込んでしまいます!!もっと自分を大切にしてください!!」ビシッ!!



    日向「え…え!?」

    ソニア「罪木さんもおんなじです!!日向さんがあなたを救ってくれたのは間違いないと思います!!でも、だったら今度は自分で自分を救ってあげないといけないと思います!!あなたという人間を動かしているのは他ならぬあなたなんですよ!!」

    罪木「そんな…無理ですよ…私は私を好きになんて…なれない…」

  91. 121 : : 2014/12/07(日) 06:20:16

    ソニア「大丈夫ですよ!!すぐには無理かもしれませんが…わたくしが手伝います!!わたくしとお友達になりましょう!!」

    罪木「え!?」

    ソニア「だって、おなじ人を好きになったんですよ!!きっと仲良くなれます!!」

    罪木「でも、日向さんは1人しかいないんですよ!?どっちかが奪うか取られるかしかないじゃないですか!!」

    ソニア「いいえ、例え日向さんが罪木さんを選んでもわたくしは友達でいられますよ!!…もちろん、できれば日向さんにはわたくしを選んでほしいんですが…」

    罪木「え…どうして…?なんで、そんなふうに笑っていられるんですか…?」


    ソニア「だって、わたくしは何よりも日向さんに幸せになってほしいんです!!それが、わたくしとの幸せでないのは残念ですが…わたくしはそう思っているんです」

    日向「ソニア…おまえは…」


    ソニア「忘れてしまいましたか…?こんなふうにわたくしを元気づけてくれたのは日向さんなんですよ?」

    日向「え!?…俺がこんなセリフ言えるはずないじゃないか!?」


    ソニア「いいえ、覚えています…例えあなたが忘れてしまっていても…!!あなたのおかげでわたくしは自分に自信が持てたのですから…でも、人は強くなるばかりではないですね…きっと、今の日向さんは理由はわかりませんが、ずいぶんと弱っておられるようです…だから、わたくしは日向さんを支えてあげないといけませんね!!今度はわたくしが日向さんを助ける番です!!」








    罪木「なんで…?」

    日向「罪木!?」
  92. 122 : : 2014/12/07(日) 06:23:06







    罪木「なんでよぉ!?私は間違ってるの!?間違ってないよ!!だって、ソニアさんは強いからそんなことが言えるだけで、私には…私には無理だよぉ!!私は日向さんに出会うまで…誰からも愛されなくて、いじめられて…どうでもいい存在で…そんな私は私なんて嫌いだよぉ!!だからこんな私には優しくしてくれる、愛をくれる日向さんが必要なんですよぉ!!そんなに強いなら、あなたには日向さんはいらないじゃないですかぁ!!」





    ソニア「いるとかいらないとかじゃなくて、わたくしは日向さんのそばにいて、一緒に笑って、泣いて、楽しんで、そんなふうになりたいんです…」


    罪木「やっぱり、おかしいよぉ…だって、私は間違ってるっていいたいんでしょぉ!?」



    ソニア「違いますよ…間違ってるなんてひとことも言っていないじゃないですか…あなたはちゃんと日向さんのことが好きですよ…でも、それを自分への言い訳にしちゃいけないんです…そこが間違っているんです!!」



    罪木「私が…日向さんへの愛を言い訳に…?」



    ソニア「愛がどんなものなのかって、正直わたくしもあんまりよくわかりません…人それぞれに愛の形はありますから…でも、罪木さんには日向さんへの“愛”を理由に、自分を見失ってほしくないんです!!罪木さんとは正々堂々、日向さんを巡って戦いたいですからね!!もちろん、敵とかじゃなくて、わたくしたちは戦友です!!おんなじ恋に立ち向かう戦友なのです!!」


    罪木「私と…ソニアさんが…!?」


    ソニア「はい!!弱っている日向さんを一緒に救ってあげなくてはいけません!!だって、好きな人には笑顔でいてもらいたいでしょう?」




    罪木(そういえば…私ってこの島で日向さんのことをちゃんと考えられていたのかな…?ちゃんと今の日向さんのことを見ることができていたの…?日向さんに愛してもらうことばかり考えて、本当は私はちゃんと日向さんのことを愛そうとはしていなかったっていうの…?)





    ソニア「罪木さん…顔をあげてください…それと、わたくしも実はそんなに強いわけじゃないんです、今だって西園寺さんに言われたことで、少し自信を失っていました…。でも、それでもわたくしはやっぱり諦めませんよ!!この決闘の勝敗は引き分けですね!!わたくしたちはどちらも比べる必要がないぐらい、日向さんを大切に思っています!!」ビシッ!!





    罪木「ソニアさん…もしかして、最初から決闘が目的じゃなくて、私のために…?」ジワァ…

    ソニア「いいえ、これはわたくしのためでもあります!!わたくしに本気でぶつかってきた罪木さんを見て思ったんです!!この想いを語りあえるのは罪木さんしかいないと…!!」

    罪木「私が…ですか?」
  93. 123 : : 2014/12/07(日) 06:24:38

    ソニア「ええ、だから一緒に頑張りましょう!!そこにいる才能がどうとかわけわかめなことを言っている日向さんを振り向かせるのです!!」


    日向「え…いや、その…」


    罪木「いいんですか?私なんかが友達なんて…?」

    ソニア「あなただから戦友になれると思いました!!あなたの日向さんへの愛はすごいですよ!!王女公認です!!」




    罪木「あ…あのぅ、さっきは生意気な口きいてすみませんでした…私なんかでよければ…その…」アセアセ…

    ソニア「何言ってるんですか!!むしろ、さっきみたいに敬語はやめてみませんか?わたくしたちは友達ですよ!!」

    罪木「ええ!?でも、ソニアさんも敬語じゃないですか!?」

    ソニア「あっ、わたくしは王女なので…」ニコリ

    罪木「それはずるいですよぉ~!!」






    十神(なるほど…さすがだな…力業ではあったが、それでも罪木の心を少しでも動かせた…おそらく日向だけでは罪木の心は完全には動かなかったんだろう…今の罪木に必要だったのは優しさを与える日向ではなく、共に意見をぶつけあえるソニアみたいな存在だったのだろうな…)

    十神(日向のように自分を肯定してくれる存在は必要だ…だが、同じ目線にたって時にはきっぱりと否定してやらなくてはならないこともある…まったくヒヤヒヤしたな…ソニアでなかったら罪木には通用しなかっただろう…)
  94. 124 : : 2014/12/07(日) 06:28:04




    九頭龍「ひとまず解決したようだな…」

    十神「では、ここからは男の時間だな…今回いいとこなしだった日向と、途中から気を失っていた左右田をなぐさめてやるとするか…」



    左右田「」死~ん

    九頭龍「左右田…哀れだな…(あまりにもソニアが日向のことを好きすぎてショックだったのか…)」

    日向「…」

    十神「行くぞ、日向…もうあいつらは大丈夫だろう…」



    日向「なぁ…十神…俺はどうしたらいいんだ…?」

    十神「考えろ…とにかく自分で考えるんだな…答えが出るまで…ひたすらな」

    日向「そうか…そう…だよな…逃げちゃいけないな…俺だって」

    九頭龍「罪木、ソニア!!日向を借りてくがいいか?」



    ソニア「はい!!今から罪木さんと日向さんについて語りあおうと思っていたので、日向さんをよろしくお願いします!!」

    罪木「はい!!日向さん!!今からソニアさんと日向さんのことを話してきます!!」

    日向「なんかおかしいと思うのは俺だけか?」

    十神「今、貴様に発言力はないな…貴様の発言力ゲージは限りなく0に近い」

    日向「うぅ…そうだな…」ショボン…


    罪木「あ、日向さん!!」

    日向「ん?…なんだ罪木?」

    罪木「そ、その、落ち込まないでください!!…だって、日向さんがいたから今の私がいるのは事実なんですよ?だから、私もちょっとづつでも頑張りたいと思います!!これから毎日よろしくお願いします!!」

    ソニア「わたくしもよろしくお願いします!!」




    日向「う…うん」タジタジ…

    九頭龍「おいおい…ますます大変だなぁ…日向」ニヤニヤ

    日向「ああ…だけどちゃんと立ち向かわないとな…」

    九頭龍「そういうことだ…腹ぁくくれよ!!」

    十神「では、少ししたら先程言ったとおりに、今後の方針についてみなに連絡しよう…それまでは日向は借りていくぞ!!」

    ソニア「はい、それでは行きましょうか!!罪木さん!!」

    罪木「はい!!」




    九頭龍(だが、これは…むしろさらに複雑になったな…さて、“あいつ”はどうするんだろうな…)
  95. 127 : : 2014/12/14(日) 01:14:48








    狛枝「ふぅ…まったく、どうしようもないね…日向クンは…」ハァ…

    七海「なになに?…どうしたのかな?」

    狛枝「う…うわぁ!?七海さん!?音もなく近づかないでよ!?」

    七海「ごめんね…でもさ…狛枝クンが少し気になってね…」


    狛枝「だからって…心臓に悪いよ…っていうかさ…君は平気なの?日向クンと面識のない君が【日向クンの才能】がなんなのかを当てるだなんて、ボクらよりも難しいんじゃないかな?まぁ、彼に才能があるとは思えないんだけどもね…」

    七海「う~ん、どうだろうね…まぁ、でも十神クンがいっていたみたいに、モノクマの正体に気が付けばいいんじゃないかな?」

    狛枝「まったく、みんな日向クンのことばかり考えてるから、あの十神クンでさえ君についてちゃんと考えないんだからさ…君のことなんてどうでもいいのかもね…だって、日向クンもそうだけど、君だって修学旅行を終える条件はボクたちより厳しいよね…?」

    七海「じゃあ…最初にそこに気が付いてくれた狛枝クンは優しいってことだね!!友達になろうよ!!」

    狛枝「簡単に言うね…ボクのようなみんなに劣ってるような存在が友達になれるわけないじゃないか…」

    七海「ふ~ん、変なところで日向クンと似てるね…」

    狛枝「はっ!?彼とボクが似てる!?…心外だな…どこがさ…!?」

    七海「う~ん、そうやって自分を卑下するところかな…なんか、日向クンって自分を普通、普通って言ってたし、みんなが褒めてもなんだか辛そうだしね…褒められたら素直に喜べばいいんじゃないかな?」
  96. 128 : : 2014/12/14(日) 01:15:33


    狛枝「そりゃあ、日向クンは自分がみんなより劣っていることを知っているからさ…だから、みんなにすごいと言われても惨めになるだけなんだよ…ボクはそれとは違うよ…!!ボクはみんなを心から尊敬しているんだ!!だってみんなは、希望の象徴なんだからね!!」

    七海「ふ~ん、やっぱり君が一番日向クンのことをよくわかってるんだね…私は日向クンが自分に劣等感を感じているなんてわからなかったよ…なんせ、初対面に近いからね…!!」

    狛枝「ぐ…!?何がいいたいのさ…」

    七海「う~ん、これは勘なんだけどさ…狛枝クンなんか無理してない?」

    狛枝「は…?ボクが何を無理してるって…?」

    七海「なんかさ…狛枝クンって条件反射のように日向クンを嫌いだ嫌いだって言ってるけどさ…本当に嫌いなら無視しちゃえばいいんじゃないかな?どうでもいい存在なら…まず、気にならないはずでしょ?」

    狛枝「本当に何が言いたいの?」

    七海「君はきっと、本当は日向クンのことをずっと気にかけてるんだなって…思ってね…」

    狛枝「そんなことないよ…状況が状況だからさ…一緒にこの島に閉じ込められて、あんなルールをモノクマに出されてしまった以上、無視できないからさ…これが普通の状況なら彼のことなんて眼中にないさ…」

    七海「ずいぶん、ムキになって否定するんだね…図星だった?」

    狛枝「…もう、やめよう…この話は…こんな話を続けるのなら…ボクはもう行くよ…」

    七海「ねぇ…狛枝クン…でも、これだけはいっておくよ…」

    狛枝「ん…何かな?」

    七海「自分の中で、本当の気持ちを整理したほうがいいと…思うよ…?後悔しないうちにね…?」

    狛枝「七海さん…君はいったい、本当に何がいいたいんだい?」

    七海「私にもよくわからないかな…でも、狛枝クンには後悔してほしくないんだ…たとえ、この先何があっても…ね…」

    狛枝「わかった…一応覚えておくよ…でも、今の発言で君に興味がわいてきたよ…君は何を隠してるのかな?」

    七海「狛枝クンも…何か隠してることを教えてくれたら…教えるのを考えようかな?」



    狛枝「ボクは何も隠していないさ…本当にね…」

    七海「うん…私も何も隠してないよ!!おそろいだね!!」




    狛枝「・・・・・・・・・・・・・」

    七海「・・・・・・・・・・・・・・?」キョトン



    狛枝「君は…本当におもしろいね…七海さん…」

    七海「そうかな…それほどでもないよ?」
  97. 129 : : 2014/12/14(日) 02:29:39

    ―十神のコテージー


    左右田「」死~ん

    九頭龍「あああ…そんなにショックだったのかこいつは…」

    十神「左右田も純情なやつだな…だが、ソニアは日向しか見ていない…可能性はないだろう…」

    九頭龍「ないとは思うが…これで日向と左右田の友情に亀裂が入ったりないよな?」


    日向「左右田はそんなやつじゃない…はずだ…」

    左右田「オイ!!そこは断言しとけよ!!」ガバッ!!

    十神「目覚めたか…」

    左右田「チクショー!!なんでおまえばっかモテるんだよ!!」


    日向「そ、それはわからないよ…俺は平凡な人間だし…」

    左右田「だぁ~!!それ、やめろっての!!正直な、テメェに才能があるとかないとかどうでもいいんだよ!!お前の才能が何かわからないと帰れないみたいだけどなぁ…!!そんなんでうじうじされたほうが困るんだよ!!」


    日向「なんだよ!!俺だって、本気で悩んでいるんだぞ!!」

    十神「だが、左右田の言う通りだ…確かに俺たちには才能があって、おまえにはどんな才能があるかはわからない…だが、所詮それは希望ヶ峰学園の基準だ!!俺はそんなものよりも大切なものをおまえは持っていると思っている!!」

    日向「なんだよ…それは?」

    十神「おまえが俺の友であり、俺をよく理解してくれるということだ…!!どんなに才能があるやつでも、この俺を理解できるやつなどそうはいないだろう…そして、おまえは俺の友達だ…たとえ、おまえでもおまえのことを悪くいうことは許さん!!」

    日向「十神…」

    左右田「日向…おまえはずっと何を悩んでるんだ…?ソニアさんも言っていたが…おまえ、何を苦しんでるんだ?」
  98. 130 : : 2014/12/14(日) 02:31:18

    十神「言いたくなければいいが、質問はさせてもらう…おまえは自分が平凡で普通だと言っている…だが、同時におまえは才能を欲しているようにも見える…本当はおまえはどうしたいんだ?」

    日向「俺は…俺は希望ヶ峰学園なんか…本当は来たくなかった…だって、やっぱり俺には才能なんてないと思うしな…」

    十神「それは…どういった考えからだ…?おまえは才能というもの…特別な人間を憎んでいるのか…?」

    日向「いや…そうじゃない…俺は…みんなも知っている通り、平凡な人間だ…だから、普通に生きたいんだ…」




    十神「なら、おまえはそんな自分が好きか…?楽しいのか…?」

    日向「え!?」

    十神「少し…意地悪だったかな…だが、おまえが普通を求めているにせよ…本当は才能を求めているにせよ…おまえは苦しそうだ…俺たちといることでおまえをもっと苦しめているのだとすれば、俺はそれを申し訳なく思う…」


    日向「そんな…十神が気にすることじゃない…俺が悪いんだ…俺は昔は自分も何か特別な人間になれると思っていた…でも、俺には何もなくて…だから、今度は普通に生きてみようって決めたんだ…だから、そう決めたすぐにこんなことになってしまって、俺にも才能があるなんて言われたから…混乱しているんだ…」


    九頭龍「才能か…だが、日向…才能ってものが必ずしも自分の欲しいものとは限らない…おまえはどんな才能を目指していたんだ?」

    日向「俺は、とにかく他人とは違う何かが欲しかった…自分には何もないと思ったから…」

    左右田「さみしいこというじゃねぇか…イヤ、薄情ともいうのか…この島にはこんなにおまえを知っている、おまえの友達や、おまえに恋してるやつがいる!!人に求められているのに、おまえは自分に何もないっていうのかよ!?おまえの言う普通ってなんだよ!?おまえは希望ヶ峰学園に選ばれたオレたちが嫌いなのかよ!!」

    日向「そうじゃない…!!そうじゃないんだ…ただ、どうしても…俺の手の届かないところにいるおまえたちを眺めるのは…辛いんだ…おまえたちのことを悪く言っているんじゃない…」

    左右田「そいつの全てを好きになるなんてことは無理だろうが…オレのメカニックの才能はオレ自身を証明しているもんでもある…おまえだって、それを褒めてくれたじゃねえか…それを…なんで?」

    九頭龍「どうしてそこまで思いつめてんだ…テメェ?オレにあったときは少なくとも…自分をそんなに追い詰めてなかったはずだ…」

    日向「お…俺は…俺は…」
  99. 131 : : 2014/12/14(日) 02:32:08

    十神「やめろ…どんなに気をつかおうが…日向にとっては聞かれたくないことだってあるだろう…感情を言葉にすることは難しい…日向はまだ自分が本当はどうしたいのかわかっていないのだろう…だから何も言えないんじゃないのか…今は…ただ見守ろう…日向を責めることが…問い詰めることが俺たちのしたいことではないはずだ…」



    九頭龍「…すまねぇ…少し言いすぎた…」

    左右田「オレもだ…おまえを苦しめたくていったんじゃないんだ…ただ、才能が嫌いって…オレも否定されてるのかと思っちまってな…」

    九頭龍「左右田…」

    左右田「悪い…オレはもう行くわ…日向…元気だせよ…」



    左右田はそういうと…十神のコテージを出て行った…。




    九頭龍「オイ!?左右田…くっ…わざとらしく出て行きやがって…オレも行くわ…あいつを一人にするのもなんだかな…十神…今後の方針についてはあとで聞く…オレも少し時間をつぶしてくる…日向…また、後でな…」

    十神「ああ…わかった…」




    そういうと九頭龍も…十神のコテージを出て行く…コテージの中は俺と十神の二人になった。



    十神「まったく、そういう九頭龍も…わざとらしいな…」

    日向「ごめん…なんか気を悪くさせたよな…俺も自分のコテージに戻るよ…」

    十神「いや、待て、せっかく二人だけになったんだ、もう少し話をしよう…日向…おまえに何があったかはこれ以上は聞かない…だが、日向おまえは自分のことが嫌いか…?」

    日向「え!?またその質問かよ?」

    十神「まあ…そうだ…ちなみに…俺は俺のことが嫌いだ…」

    日向「十神!?…なんで…!?いきなり、どうしたんだよ…!?」

    十神「やっと…おまえの知っている俺で話すことができそうだな…」

    日向「十神…いや、やっぱり…おまえは…」
  100. 132 : : 2014/12/14(日) 02:33:54

    十神「そうだ…俺は十神白夜じゃない…いや、他の誰でもないし、誰にもなれない…俺はそんな自分が未だに認められないし、嫌いなんだ…」

    日向「十神…いや…えっと…」

    十神「昔みたいに呼んでくれてかまわないぞ…ここには俺たち以外に誰もいないのだからな…」

    日向「ええと…じゃあ…久しぶりだな…“サギー”」

    十神「その呼びかた…本当に久しぶりだね…日向クン…でも、ボクが詐欺師だからってサギーはどうかと思うのだけれど…」



    そういうと十神の雰囲気が一気に変わった…。
    そう、この十神白夜は、本当は十神白夜じゃない…。
    正確には十神のふりをしてい別の人間だ…。
    彼は自分のことを”詐欺師”と言っている


    日向「いや、でも…詐欺師だからって、詐欺師ってよぶのは気が引けるじゃないか!!」


    十神「そういえば、昔話だけど…ある貧しい家にどろぼうが入ったんだ、でもその家は貧しすぎて盗むものが何もなかった…家の住人に同情したどろぼうは盗むどころか…自分が他で盗んだ金品を恵んであげたんだ…どろぼうはそうして家を後にしたんだけども…あろうことか…家の住人は、どろぼう!!どろぼう!!と自分を追いかけてきた…どろぼうは恩を仇で返された…と思った…だけど…」


    日向「ああ、それ知ってるよ…どろぼうに追いついた家の住人が、あなたにお礼をいいたいが、名前がわからないから“どろぼう”と呼ぶしかなかった…ってオチだろ?」

    十神「オチだけ言わないでよ…日向クン…まったく、君はひどいなぁ…」

    日向「なんかびっくりしたよ…あの質問でおまえだってわかったけど、全然知らないやつに変装してるからさ…」

    十神「そうだね…本物の十神クンには悪いけど…なんだかこの姿が落ち着くんだ…でも、ダメだね…ボクはどんなに頑張っても偽物のままさ…本物にはかなわない…」

    日向「そんなことないぞ…!!おまえは今まで立派に十神を演じていたじゃないか…!!おまえが本当は十神で、実は俺の知っている“サギー”じゃなかったのかなって思うくらい…」

    十神「だけど、ボクにはリーダーなんて無理だったみたいだ…王女であるソニア、そして極道である九頭龍…やはり本物は貫録が違った…あいつらには人をまとめる才能がある…!!ボクも自分がなりたい誰かになりたかったんだよ…!!」


  101. 133 : : 2014/12/14(日) 02:34:51

    日向「サギー…」

    十神「日向クン…ボクの才能はね…本当は才能じゃないんじゃないかって思うんだ…これは…才能じゃない…そう“呪い”だ…」


    日向「“呪い”だって!?」



    十神「ボクは誰かのふりをすることはできる…でも、本当はふりをすることができるんじゃなくて…そうしなくちゃ生きていけないだけなんだ…ボクには戸籍もない…本名も何もない…だから、自分がなりたい自分を演じるしか…できない…」


    日向「それが…“呪い”だっていうのか!?」

    十神「君は否定するかもしれないけど…ボクはこの“呪い”ともよべる才能に縛られて生きている…今もこんな生き方しかできないんだ…だからさ…君がうらやましいんだ…」


    日向「なんで…俺なんかをうらやましがるんだ…?」

    十神「ソニアさんも言っていた…君はね…きっと自分よりも誰かのために頑張れる人間なんだ…君がどんなに自分のことを嫌いでも…そこに嘘はないよ…だって、ボク自身も君に救われているんだ…!!」

    日向「俺が…おまえを救った?」

    十神「忘れたのかい?…“サギー”なんて安直な名前かもしれないけど…君はボクを見つけてくれた…こんな生き方でもいいって、それもひとつの生き方だって言ってくれたんだよ…!!」

    日向「俺が…そんなことを…!?」



    十神「そうだよ…君は言ってくれたんだ…“演じていれば…例えそれが嘘であろうと真実になる”ってね…」

    日向「俺が…本当に言ったのか?」

    十神「そうだよ…ボクは弱い…ボクは未だにこんな生き方しかできない…だから今のボクは嫌いだ…でも…ボクがボクを認められなくても…君はボクを見つけてくれた…こんな生き方でも頑張って生きてみようと思ったんだ!!」

    日向「自分のことが嫌いでも…おまえはそのままの自分を認めるっていうのか!?」
  102. 134 : : 2014/12/14(日) 02:35:21

    十神「うん…いつか自分を好きになれる…そんな日が来るかもしれないからね…日向クン…君だってそうさ!!君がどんなに自分のことを認められなくても…少なくともボクは君を信じている!!君が見つけてくれたボクがボクにとってのボクなんだ!!」

    日向「…」


    十神「だから…例え今は辛くても…自分をいつか好きになれるはずだよ…だって君はこんなにもみんなに好かれている…そんな君がくだらない人間のはずないじゃないか!!…やっぱり、君はボクの一番好きな君だよ!!」

    日向「俺には…そんなこと言ってもらう…資格なんてないよ…」

    十神「どんなに自分に嘘をついても…周りはごまかせないさ…」



    日向「…俺は…でも…」

    十神「今は何も言わなくていい…君がどんなに自分のことを嫌いになっても…君のいいところはボクが知っているよ…」

    日向「…ごめん…それでも…俺は…」

    十神「大丈夫さ…ボクも…頑張ってみようと思うんだ…自分のことを自分でちゃんと認められるように…ボクも罪木さんのことは言えないね…ボクも君の好きなボクを頼りに生きているんだ…」




    日向「…ありがとうな…」

    十神「どういたしまして…もうすこし、話そうか…君に話したいことがいっぱいあるんだ…」

    日向「ああ…つきあうよ」
  103. 135 : : 2014/12/14(日) 03:01:16







    左右田「…ちっ…こんなつもりじゃなかった…日向を傷つけたいわけじゃなかったのに…」

    九頭龍「なんだよ…おまえまで落ち込んでんのかよ…」

    左右田「九頭龍!?…ってオイ!!人のことつけてんじゃねぇよ!!」

    九頭龍「るせぇな…たまたま聞こえちまったんだよ…たまたま」

    左右田「…あのさ…オレ、日向にどういえばよかったのかな…?」

    九頭龍「あん?…なんだよ…?」

    左右田「なんつーかさ…オレはあいつの痛みをわかってやりたかったんだ…でもさ、誰にだって触れられたくないところはあるし…それに嫌われたらやじゃねぇか!!変なとこ突っ込んじまってよ…そんなことになったらオレは…」

    九頭龍「なんだよ…ビビリだな…」

    左右田「うるせぇ~な!!難しいんだよ…こういうのは…!!本気でぶつかっていいのか…どうなのかオレにはわかんねぇよ…」

    九頭龍「まぁ…オレも人のことは言えねぇよ…オレもビビリだからな…オレも日向になんて言っていいのかわからなかった…」

    左右田「極道のおまえもビビんのかよ…」

    九頭龍「オレは確かに極道だけどよ…だからってあいつにどうしてやればいいかなんてわかんね~よ…極道の生まれだっていっても…どうにもなんねぇことばっかりだぜ…」

    左右田「オレさ…怖いんだ…なんつ~か、日向はオレのこと裏切ったりしないと思う…でも、オレはあいつになんかしてやれることってあんのかなって…オレってメカをいじること以外なんにもできないからな…」

    九頭龍「オレなんざ…家が極道ってこと以外は特に何かできるってわけじゃねぇぞ…」

    左右田「いや、いい意味でおまえって極道っぽくないけどな…最初のときの組み合わせもそうだが、まさかおまえと一番絡むことになるなんて思わなかったし…おまえってなんか思ったよりも話しやすいし…」

    九頭龍「最初の組み合わせっていえば、田中のやつを仲間はずれにしちまったな…まっ、オレは極道にしちゃあ生温いやつだからな…今だに自分が“超高校級の極道”なんて呼ばれるのはなんか違和感あんだよ…」

    左右田「だけど…一緒にやっていくぶんには、そっちのほうがありがたいぜ…」

    九頭龍「まあ…人をビビらせるだけが極道じゃねぇからな…本物はずっしりとかまえてるもんだぜ…」

    左右田「オレにはよくわかんねぇけど…そういうもんなのか…」

    九頭龍「まぁ…よろしく頼むぜ…この島じゃ…別にオレの肩書きなんて関係ないしな…」

    左右田「ずいぶんフランクな極道だな…逆に何かあるんじゃねぇかと思っちまうぜ…」

    九頭龍「まぁ…疑うことは知ってた方がいいかもな…」ニヤリ

    左右田「マジかよ!?…オレに何かするつもりなのかよぉ!?」ブルブル

    九頭龍「んなわけねーよ…まぁ…信じたくなきゃいいがな…」

    左右田「オイ!!人のことからかってんじゃねぇーぞ!!」

    九頭龍「表情がころころ変わっておもしろい奴だな…」ニヤリ

    左右田「オレはおもしろくねぇんだよぉ!!」




    九頭龍「なぁ…左右田…日向のこと…なんとかしてやろーな…」

    左右田「あ…ああ…そりゃ、わかってんぜ…」

    九頭龍「ああ、改めてよろしくな…」
  104. 139 : : 2014/12/21(日) 05:38:32

    【翌朝】

    十神「昨日、みなに通達した通りパーティを開くことにした…これは親睦会でもあるが、日向だけでなく他の生徒たちどうしで互いを知るいい機会になるだろう。さっそく役割を分担してパーティの準備に取り掛かることにしよう」

    ソニア「モノミさんに確認したところ…ホテル隣の別館が使用可能なようですね…」

    罪木「ただ、かなり埃っぽいため掃除をしないといけないようですね」

    ソニア「それでは、わたくしたちは掃除をしましょうか…罪木さん!!」

    罪木「はい!!」



    澪田「あ…あれ!?…なんで仲良くなってるんすか!?」

    十神「昨日…ちょっとしたいざこざがあってな…だが、雨降って地固まるというやつだ…今はこの通りだ」

    田中「なんだと!?そのようなことが!?」

    終里「なんだ…テメェらバトったのか?」

    ソニア「はい!!歴史に残る名勝負でした!!」

    罪木「ソニアさんとはこれからも日向さんを巡って戦うことにしました!!」

    弐大「昨日のあの状態から…こんなふうになるとはの…心配しておったが、なんにせよ、よかったわい!!」




    西園寺「ふ~ん、昨日の私の忠告は無視ってわけ?」

    ソニア「いいえ、無視はしていません、ちゃんと昨日の忠告は覚えています!!ただ、それでもわたくしは覚悟を決めたのです!!」

    西園寺「…まぁ、勝手にすれば…別に私がどうなるってわけでもないしさ…」

    ソニア「はい!!」

    花村「う~ん、よかったよかった…仲がいいのが一番だからね…ん?中がいい…?なんだか自分で言ってて興奮してきたよ!!」てる~ん!!

    九頭龍「テメェはぶれねぇな…オイ」
  105. 140 : : 2014/12/21(日) 05:39:14

    狛枝「それで、全員で別館を掃除ってわけでもないんだよね…どうするの?」

    十神「パーティの料理については…花村と日向に任せることにした、それ以外の人間は手分けして別館を掃除する班と、マーケットから食糧、飲料などを運ぶ係などに振り分ける予定だ…俺は別館側で掃除を手伝いつつ、指示を出すことにしよう」


    狛枝「日向クンが料理…?大丈夫なの…花村クンの足をひっぱるとしか思えないんだけど…」


    花村「そんなことないよ!!まぁ…ボクは本来ならプロの料理人として他人に料理を任せることはないんだけど、量が量だからね…もちろん料理のほとんどはボクが担当するけど、雑用なんかもやってもらおうと思ってね。それに日向クンはボクの故郷でバイトをしていた経験もあるから、コンビネーションはばっちしさ!!」

    日向「久しぶりだから…ちょっと慣れるまで時間がかかるかもしれないけどな」

    終里「おっ…久しぶりに日向の料理も食えるってわけだな!!」




    狛枝「そう…まぁ花村クン本人がそういうなら止めはしないよ…」

    花村「うん、楽しみにしていてよ!!」

    十神「それで組み合わせだが、特に反対意見がなければ、花村、日向以外は男がマーケットからものを運んでくる係、女子が掃除係としたいと思っている」

    終里「オレは掃除よりも力仕事のほうがいいな…そっちにしてくれよ」

    十神「わかった、俺も別館組となるわけだし、そのほうがいいかもしれんな…」

    辺古山「うむ…だいたいそのような振り分けでいいのではないか?」

    西園寺「ちぇ…掃除か…めんどくさいなあ~、別に全員でやらなくてもいいんじゃないのぉ?」

    十神「それを全員が言えば…誰もやらなくなってしまう…そういうことだ」

    小泉「日寄子ちゃんも一緒にやりましょう?…ね?」

    西園寺「まぁ…小泉おねえがそういうなら…やってあげてもいいけど…」

    十神「では、決まりだな!!夕方には開始できるように各自頑張ってくれ…何かある場合は、さきほども言った通り、俺は別館にいる…それでは、作業に取り掛かることにしよう!!」
  106. 141 : : 2014/12/21(日) 05:39:36

    ―厨房―

    花村「う~ん、それなりに材料はそろっているみたいだね…」

    日向「この島…俺たち以外はいないのに…なんでいろいろと完備されているんだろうな?モノミやモノクマだけじゃ、管理が追いつかないだろうし…」

    花村「う~ん、そもそもモノクマ、モノミの存在からして非現実的だからね…なんとも言えないよ…」

    日向「確かにそうだな…しかし、あいつら俺たちの記憶を奪ったって言ってたけど…俺はずいぶんといろんなことを忘れている気がするな…」

    花村「どうしたの?」

    日向「昨日、ソニアや十神たちと話したんだが、俺はみんなと面識があることは覚えている…でも、みんなは俺が覚えていない出来ごとを覚えているみたいなんだ…」

    花村「そうなんだね…」

    日向「ソニアも十神も…俺を美化してるんじゃないのか…俺が二人のことを救ったなんて言うんだ…俺みたいな人間が…そんなことできるとは思わない…」

    花村「そんなことないと思うよ…ボクも日向くんは大事なことを知っている人だと思ってるよ」

    日向「でも…俺は弱い人間だ…実は才能があるなんてモノクマに言われたが、本当になんの才能もない人間なんだよ…俺は」

    花村「う~ん、強い人間や才能がある人間が偉いのかな?」

    日向「え?」

    花村「ぼくはね…ずっときれいで誰もに絶品なんて言われてるような料理をみんな求めていると思ってた…超高校級の料理人なんて呼ばれる前からも、料理っていうのは突き詰めれば、一流レストランで出るようなそんなものが最高なんだってね」

    日向「今は…違うのか?」





    花村「…やっぱり、日向くんはぼくとのことも忘れているのかもしれないね…だって、君がボクに教えてくれたんだ…世間一般の価値観なんかじゃない、ボクが一番できる最高の料理ってやつをね!!」

    日向「俺が…おまえに!?」
  107. 142 : : 2014/12/21(日) 05:39:58

    花村「もちろんゴージャスな料理だってなんだって、ちゃんと作れるようにはなりたい…でもね、料理ってのは誰かに食べてもらえる…自分がそのひとにとって作ってあげたいものこそ大切なんじゃないかってね…求めてなんかいない人にどんなに高くてめずらしい料理をふるまったところで、それは最高なんて言えやしない…本当にひとそれぞれなんだ…求めているものはね…」

    日向「花村…」

    花村「だから…世間一般で言われているすごい料理ってやつが最高だなんてボクは思わない…それと同じだよ…世間でどんなに評価されている人だって、そんなこと関係ない人は別に見向きもしないよ…ボクはね、君が才能があるから好きになったんじゃない…世間から他人から評価されてるから好きなんじゃない…ぼくにとって最高の人だから好きなのさ!!」

    日向「…」

    花村「どんなに上手い料理でも嫌いな人はいる…君のことを嫌っている人間も評価しない人間もいる…でも、君のことを好きな人間もいる…好き嫌いは誰でもあるさ…大切なのは、自分にとって相手がどんな人間であるかさ…誰かが嫌いだから嫌いなんじゃない…誰かが好きだから好きなんじゃない…ボクが好きだから、ぼくは君のことが好きなんだよ…そこに強いとか弱いって関係あるのかな?」

    日向「なんだか…昨日からみんなに励まされてばっかりだな…自分が情けない…」

    花村「たとえ情けなくても、きっと君のことを嫌いになったりなんかしないよ…情けないのはぼくも同じ…だって君がいなきゃ、こんな当たり前のことにも気がつかなかったんだからね…」

    日向「俺はそのことを覚えていない…ごめんな…」

    花村「大丈夫…ぼくが覚えているからね!!…さぁ、そろそろ取りかかろうか!!みんなにとって最高の料理を作ってやろうじゃないか!!」

    日向「ああ!!」






    花村「ところで、今のはぼくなりのプロポーズだったんだけど…嫁に来てくれるかい?」てる~ん!!

    日向「すまん、それは遠慮したい…」
  108. 143 : : 2014/12/21(日) 05:41:03

    ―マーケット―

    左右田「おっ、コーラもあるな!!じゃんじゃん運ぼうぜ!!」

    九頭龍「炭酸だめなやつもいるだろうから…ジュースも持ってくぞ…」

    左右田「なんだ…おまえのことだから酒はないのか…とか言うと思ってたのに…」

    九頭龍「テメェ!!オレらは未成年だぞ!!馬鹿抜かしてんじゃねぇ!!」ドーン!!

    左右田「そんなにすごむなよ…冗談だっての…」ブルブル

    九頭龍「本気でおびえてんじゃねぇよ…ちょっと傷つくだろ…」




    田中「貴様ら…なんだ!?何か昨日とはまとっているオーラが変化しているのだが…」

    左右田「ああ…まぁ昨日ちょっと話したから…少し打ち解けたのか…?」

    九頭龍「まあ…なんかしらねぇが…今んとここいつと一番つるんでる気がしてな…」


    田中「ぐ…俺様は孤高の覇王…貴様らのオーラごとき…は、はねのけてやる…!!」

    左右田「あ?何言ってんだおまえ…」

    九頭龍「ひょっとして、仲間はずれにされたのがショックだったんじゃねぇか?」

    田中「ぐ…ぐぉおおおおおおおおおおお!?」ズキッ!!

    左右田「図星かよ…」

    九頭龍「あのなぁ…」

    田中「お…俺様には四天王がいる…このようなことは慣れている…」シクシク…

    左右田「何つっ立ってんだ…おまえも手伝えよ…」

    田中「ん?」

    九頭龍「別に仲間はずれになんかしちゃいねぇよ…ワケわかんねぇこと言ってないで、運ぶの手伝え…」
  109. 144 : : 2014/12/21(日) 05:41:27

    田中「し…しょうがあるまい…この覇王の秘めたる力…!!存分に発揮しようではないか!!」ズバーン!!

    左右田「急に元気になったな…」

    九頭龍「さっさとやろうぜ…往復するとなると結構な量だしな」

    左右田「そういや…運びながらでいいんだが、田中って日向とどういう関係なんだ?」

    田中「俺と特異点か?」

    九頭龍「そういや、オレと小泉と西園寺はともかくとして、昨日は花村、終里、罪木、田中のことは聞けなかったしな…」

    左右田「まぁ…十神のやつがパーティ中に機会を設けるとは思うんだが、気になってな…」

    九頭龍「終里は、弟が日向と友達、花村は、自分の実家で日向がバイトしてたことがあるってのは、ちょっと覚えているが…罪木と田中に関してはなんにも聞いてなかったよな…」

    田中「そうか…俺様の伝説を聞くことを待ち焦がれていたと…!!」

    左右田「いや、そこまでではないんだが…」




    田中「では、話さない…」スタスタ…

    左右田「待てよ!!気になるから話せよ!!」ガビーン!!

    九頭龍「なんだ…田中にもいじられてんのか…オマエ…」

    左右田「うるせぇな!!人を勝手にいじられキャラにしてんじゃねぇ!!」

    九頭龍「いや、どう考えてもおまえはそのポジションだろ…」

    田中「では、雑種がどうしてもというので、俺様の伝説を語ってやることにするか…!!」バーン!!

    左右田「お…おう、頼むわ…」
  110. 145 : : 2014/12/29(月) 22:16:24

    田中「俺様たちの伝説の幕開けは…とある魔獣によって引き起こされたのだ…」

    九頭龍「魔獣って…動物のことか?」

    田中「俺様がいつものように…約束された地で必殺技を磨いていると…突然その魔獣が襲いかかってきたのだ…!!」

    左右田「必殺技…?公園でかめはめ波の練習でもしてたのか…?」

    田中「貴様らも…男に生まれたのであれば一度はやってみたいはずだろう!!」バーン!!

    左右田「今ので合ってるのかよ!?」ガビーン!!

    九頭龍「いや、やらないやつのほうが多いだろ…」

    田中「さて…突然の襲撃に驚いた俺様ではあったが、問題はない…魔獣を相手にする術は知っている…だが、その魔獣はどんな手をもってしても俺様には懐こうとはしなかった…」

    九頭龍「超高校級の飼育委員でもそういうことがあるのか…」

    田中「そして、その魔獣の使い手こそが…日向創であったのだ…俺様は敗北の意味を知った…だが、同時に俺様になびかないその魔獣とその使い手に興味が湧いた…今であれば、そのような些細なこと捨て置くのだろうが…当時は俺様もこの世に転生してから間もない時期であった…。俺様は使い手、日向創に魔獣とのことを詳しく聞いたのだ」

    九頭龍「要するに、飼い主である日向には懐いているペットが自分には懐かなかったから、納得がいかなくて、あがいたってところか…」

    田中「ふ…俺はなんとか魔獣の秘密を得ようと思ったが、別に秘密などはなかった…単純に魔獣は俺に慣れていなかっただけのこと…存外簡単に契約を結ぶことになってしまった…そして、そうしているうちに使い手である日向創が俺様の特異点であることに気付き始めたのだ!!」

    九頭龍「日向のペットを通じて日向と仲良くなったってことか…」

    左右田「あいつ動物飼ってたんだな…外で散歩してたってことは犬か?」

    田中「いや…猫だ…」

    九頭龍「猫なのかよ!?」
  111. 146 : : 2014/12/29(月) 22:16:39

    田中「俺様も驚いたが、相当の信頼関係があったのだろう…日向とあの猫はな…」

    左右田「そういや、その猫の名前はなんていうんだ…?」

    田中「やつの真名は…確か…ん…その…だな…」




    九頭龍「おいおい…思い出せないってのかよ…!?」

    田中「いや、そんなはずはない…なぜだ!?」

    左右田「さすがにこの話の流れで、猫の名前を知らないとか忘れているってのは不自然だな…とすると…」

    九頭龍「その猫の名前の記憶を田中は消されたってのか…?でも、なんのために…?」

    田中「ぐ…情けない…覇王たる俺様がこのようなことで、あいつの名前を忘れてしまうとは…」

    左右田「猫の名前ねぇ…そこに何か隠されてるってのか…?」

    九頭龍「思いがけないところで手がかりみたいなもんが出てきたな…後で十神のやつにも話してやろうぜ」

    田中「ぬぅ!!待て!!忘れたわけではないぞ!!今…今思い出す!!」

    左右田「無理すんなよ…無理やりには思い出せないようになってるんじゃないのか?こういうのは…」

    田中「そんな無理、俺様の道理で押し通す!!」バーン!!

    九頭龍「思い出せたらいいが、わざわざ忘れさせてるって可能性が高い…難しいだろうな」

    田中「ぐぅ…おのれぇ!!忌々しい!!」





    弐大「ん…なんの話をしとるんじゃ?おまえさんたち…」

    九頭龍「ま、まさか…猫丸って名前じゃ…」

    左右田「な…わけねーだろ!!」ガビーン!!

    弐大「確かにワシは猫丸じゃが…本当にどうしたんじゃ?」

    田中「ぬぅおおおおおおおおおおおおお!!」ジタバタ
  112. 147 : : 2014/12/30(火) 10:02:22

    ―ホテル別館―

    罪木「うぅ…すごい埃ですね…ソニアさんは大丈夫ですか?」

    ソニア「大丈夫です!!…十神さんが用意してくれたマスクもちゃんと着用していますしね!!」

    罪木「あと、あまりやたらなものに触れない方がいいですよ…どこから細菌が入ってしまうかわかりませんから…」

    ソニア「心配しすぎですよ…わたくしならへっちゃらです!!」

    罪木「ああ…ソニアさんってばぁ!!」



    澪田「な~んか…唯吹…疎外感感じちゃうっすねぇ~」

    辺古山「あいつらに何があったかは知らないが、急に仲良くなりすぎだな…」

    澪田「あっ…でもでも、唯吹も蜜柑ちゃんたちに特攻すれば…すぐに仲良くできるはずっす!!…ってわけでドーン!!」


    罪木「キャアアアア!?澪田さん!?」

    澪田「なんか楽しそうだから、仲間に入れるっす!!」

    ソニア「いいですよ!!」




    辺古山「澪田はすぐに友達ができるタイプだな…羨ましい限りだ」

    小泉「あら、辺古山さんはここにいたのね」

    辺古山「小泉か…西園寺と一緒ではなかったのか?」

    小泉「日寄子ちゃんは勝手にお菓子を取りに行っちゃったみたいね…アタシがお手洗いにいってる隙にね…」

    辺古山「そうか…」

    小泉「あのさ…昨日の日寄子ちゃんとのこと気にしてる?」
  113. 148 : : 2014/12/30(火) 10:03:02

    辺古山「気にならないといえば…嘘になるな…やはり」

    小泉「ごめんね…あの場って…なんか自分のことを話さなきゃいけない空気になってたんだけども…どうしても言いたくなくてさ…アタシも空気を悪くしちゃったから…」

    辺古山「おまえが謝ることはないだろう…別に他のものも何もかもを話したわけではないだろうしな…」

    小泉「辺古山さんもってこと?」

    辺古山「なんだ…?さぐりでも入れに来たのか?」

    小泉「ごめん…少し気になっただけ…それよりも、日寄子ちゃんのこと…日寄子ちゃん、あの後元気なかったみたいだからさ…」

    辺古山「昨日、ソニアに忠告といって、現実を見た方がいいと言った、その後か…?」

    小泉「うん…本当は日寄子ちゃん、…何か他に言いたいことがあったのかなって…なんとなくだけどね」

    辺古山「西園寺は日向との間に何かあったが、今はあまりいい関係ではない…そういったところか?…あいつと日向との間には間違いなく何かがあった…それもソニアにあんな忠告をするぐらいだ…恋愛がらみだろうな…だが、私も昨日は西園寺を止めるつもりだったのだが、あれでは火に油を注いだだけであったな…あいつは嫌がるかもしれないが、私からも西園寺と少し話してみることにしよう」

    小泉「ありがとう…きっと、日寄子ちゃんも少なからず気にしてると思うからさ…」

    辺古山「しかし、この島に来てから、日向という男がより一層わからなくなったな…あいつはまっすぐな男だと思っていたが、複数の女性と関係を持っていたようだしな…日向本人は別に手を出したという感覚はないのかもしれないが…」

    小泉「辺古山さんも…その複数の女性のうちの一人だよね?」

    辺古山「私か…それはないな…あいつは友ではあるが、そういった感情は一切ないな」

    小泉「これまた、バッサリね…」

    辺古山「…とはいえ、日向本人も好意を持たれていたという事実に気付いたのが、この島に来てからみたいだからな…なんにせよ…モテる男だな…」
  114. 149 : : 2014/12/30(火) 10:03:46

    小泉「本当に…なんであんな男がモテるのかしらね…不思議だわ」

    辺古山「おまえも少なからず、日向のことは知っていたのだろう?…ならわかるのではないか?」

    小泉「さぁね…アタシに何か話させようとしても無駄だよ…」

    辺古山「そうか…」

    小泉「まぁ…アタシのことを日向が黙っていてくれるとも限らないし…どうしても知りたければ日向にでも聞いてみれば?もしかしたら、何か聞けるかもね…」

    辺古山「そんなことはしない…だが、小泉…私にはおまえも何か苦しんでいるように思えるぞ…」

    小泉「!?…別に…アタシは苦しくなんてないわ…」

    辺古山「だが、もしよければ、私にも言ってくれ…力にはなろう…」

    小泉「そうね…覚えてはおくわ」






    ―マーケット―

    西園寺「おねぇから逃げてきちゃったけど…ちょっとお菓子を探しに行くだけだもんね!!仕方ないよね!!」

    十神「おい、おまえ何をしている…」

    西園寺「いっ!?豚足ちゃん!?」

    十神「!?…豚足ちゃんだと…もしや、俺のことか…!?」

    西園寺「見た目をよくとらえてるでしょ?…結構いいあだ名だと思うけど」

    十神「そうか…くくく…俺をそう呼ぶとはな…」

    西園寺「ちょ…何笑ってんのよ!!気持ち悪いなぁ~!!」

    十神「で…持ち場を離れていったい何をしているというのだ?おまえは別館の掃除のはずだが…」

    西園寺「別に少しぐらいいいじゃんか~!!お菓子が食べたくなったの!!…っていうか、豚足ちゃんもなんでここにいるのさ?」
  115. 150 : : 2014/12/30(火) 10:04:29


    十神「小腹がすいたものでな…あとはこちらのチームの進捗状況を確認しにきた…」

    西園寺「じゃあ、わたしとおんなじじゃーん!!人のこと言えないよね~」

    十神「それもそうだな…では、別館組のためにも何か持って行ってやるとするか…」

    西園寺「あんた、やけに素直なんだね~、御曹司っていうからさ、もっと“愚民が!!”とか言ってるイメージだったよ」

    十神「さぁな…これからもまた言うかもしれないな…」

    西園寺「ハァ~、これからもあんたみたいな奴らと生活しなくちゃいけないのか…、いつになったら帰れるっていうのさ…」

    十神「ああ、俺たちがいなくなったということは少なからず外でも騒ぎにはなっているはず…ここではネットもテレビもつながらないから、外の状況はわからないが…外部から何かしらの助けがあるだろうとも考えている…ただ…」

    西園寺「ただ…?」

    十神「あのモノクマが、それを許すとは考えづらい…わざわざこんな島に俺たちをさらってきたのだ…簡単に計画をつぶされないように、何か用意はしているだろうな…そして、あいつの目的は俺たちが無事に修学旅行を終えること…それに、そのための条件がわけがわからない…【日向の才能】か【あいつの正体】か…愉快犯だとしても、本当に何がしたいのかわからない…」

    西園寺「ふ~ん、確かにそうだね…結局わたしたちはモノクマのルールってやつに従うしかないってことなのかなぁ」

    十神「他に抜け道が用意されているとは、正直考えづらい…命を奪われるようなことはないのかもしれないが、依然として不安はぬぐえないだろうな…」

    西園寺「…しょうがないか…この島には小泉おねえもいるし、もう少しだけ我慢してもいいよ…」ハァ…

    十神「リーダーとして…必ず見つけよう…全員で卒業することができる道をな!!」

    西園寺「はいはい、頑張ってね…」


  116. 151 : : 2014/12/30(火) 10:05:12

    ―ホテル別館―

    みんなの頑張りもあって、ホテルでは無事パーティを開くことができた。

    終里「花村の料理も日向の料理もうめえなぁ!!」ガツガツ!!

    日向「持ってきたそばから食うなよ!!…あと、俺の料理と花村の料理どっちがどっちか本当にわかってるのか!?」

    終里「ああ!!うめぇのが花村の料理で、うめぇのが日向の料理だ!!」バーン!!

    日向「いや、おいしいって言ってくれるのは嬉しいんだけども…」

    十神「日向!!料理が足りんぞ、こちらにもちゃんとまわせ!!」

    日向「おまえも食ってばかりいないで手伝ってくれよ!!」ガビーン!!

    ソニア「日向さん、わたくしも給仕を手伝います!!」

    罪木「すみませ~ん!!私もやります!!日向さんたちにばかり負担をかけてすみません!!」

    十神「そうだな、そろそろ日向も少し休憩してもいいだろう…花村のやつも呼んで来い!!まだまだ料理はつくってあるのだろう?」

    日向「ああ…だが、おまえたちのせいですぐになくなりそうで不安なんだがな…」

    狛枝「日向クンの作った料理かな?…これ」

    日向「ああ、そうだけど…どうした?」

    狛枝「いや、本当に花村クンの家でバイトしただけのことはあると思ってね…まぁ、花村クンに比べたら数段も劣るんだけどもね…」

    弐大「なにぃ!?…狛枝が日向を褒めたじゃとぉおおおおおおおおおおお!?」ガビーン!!

    狛枝「おおげさだなぁ…食べられはするって言っただけだよ…」

    日向「こ、狛枝~!!」キラキラ

    狛枝「何眼を輝かせてんのさ!!やめてよ!!」ガビーン!!
  117. 152 : : 2014/12/30(火) 10:06:16

    花村「さすがぼくの嫁だね…日向クンの料理はおいしいよ!!」

    日向「花村…いつの間に!?」

    澪田「ちょっと、輝々ちゃん!!創ちゃんは、唯吹の嫁っすよぉ~!!」

    罪木「待ってください!!日向さんは渡しませ~ん!!」

    ソニア「よっしゃー!!全員で勝負いたしましょう!!」

    花村・澪田・罪木「「「了解(です)!!」」」」




    左右田「なんであの中に花村が入ってるんだよ…」

    田中「何も言うな…」

    九頭龍「なんだかんだ騒ぐのも楽しいが、これじゃあ今日は今後について話すって感じにはならないだろうな…」

    左右田「いいんじゃねぇか…確かにずっとここにいるってわけにもいかねぇけどさ…ここはそんなに危険はないみたいだし、焦って出る必要もないはずだ…」

    田中「雑種の言う通りだな…今はつかの間の平和を楽しむとしよう…」

    九頭龍「それもそうか…」






    西園寺「…」

    小泉「どうしたの?日寄子ちゃん?…だまってお菓子を食べにいったことなら、別に怒っていないよ?」

    西園寺「これさ…なんで和菓子があるのかなって思ってさ…」

    小泉「マーケットにあったんじゃないの?」

    西園寺「たぶん、なかったよ…さっき確認したから…」

    小泉「じゃあ…花村のやつが作ったんじゃないの?」
  118. 153 : : 2014/12/30(火) 10:07:22



    西園寺「…たぶん、これって…」

    小泉「日寄子ちゃん…?」

    辺古山「すまん…少しいいか?」

    西園寺「げ!?…何しに来たのさ!?」

    辺古山「すまん、昨日のことを謝罪しようと思ってな…おまえにも何か考えがあったのだろう…」

    西園寺「辺古山おねぇ…別に気にしてないよ…わたしはソニアに言いたいことがあっただけだしさ…」

    辺古山「そうか…それだけ言いたかった…邪魔したな…」





    小泉「よかったね、日寄子ちゃん」

    西園寺「まぁ…辺古山おねぇと争ってもしょうがないしね…」

    小泉「それで、どうしたの?」

    西園寺「ええっと…うんうん、別になんでもないよ…ただ、ちょっと考えたいことができただけ…」

    小泉「…そう…」
  119. 154 : : 2014/12/30(火) 10:09:31



    フッ…!!


    一同「!!?」

    そのとき、別館が停電した。
    今は夜だ…これでは、周囲の様子がまったくわからない!!





    澪田「みんな!?大丈夫っすか!?」

    花村「え!?なんで停電なんて起こるのさ!?」

    十神「落ち着け…俺が様子を見に行ってくる!!確か…ブレーカーが事務所のほうにあったはずだ!!」







    みながパニックになっている、早く対処しなくてはな…!!
    俺は周りに気をつけながら、ブレーカーへと急いだ…!!

    十神「確か…このあたりだったと思うんだが…」

    あたりは暗闇だ…ほとんどなにも見えない…。
    残してきたものも心配だ…この判断は合っていたのだろうか…。

    十神「迷っている場合ではないな…とにかく探さねば…」












    モノクマ「何をお探しかな?」

    十神「貴様は…モノクマ!?」

    モノクマ「うぷぷ…暗いね…これじゃあ、誰の顔もわからないよ…君が本当は何者かもこの暗闇の中じゃ関係ないね…」

    十神「やはり、俺の正体ぐらいなど知っているか…この停電は貴様がやったのか…!!」

    モノクマ「うぷぷ…まぁね…みんながボクだけ仲間はずれにするからさぁ~、あっモノミも仲間はずれか…まぁ、いいけどね…ちょっとは鬱憤を晴らすことができたよ…!!」

    十神「本当にそんなことが目的なのか…そうは思えないな!!」

    モノクマ「あらら、疑り深いねぇ~、十神クンは…いや、本当の名前はないんだっけ…君?」
  120. 155 : : 2014/12/30(火) 10:10:21

    十神「だから…どうした…確かに俺はずっと自分というものを探してきた!!…だが、俺はもう前に進むと決めたのだ!!」


    モノクマ「すばらしいね…君は希望にあふれているよ…日向クンと昨日何か話したから…そうなることができたのかな?」



    十神「ああ、日向のおかげだ…俺は決めたぞ!!誰が何と言おうと俺は俺だ!!いつか俺という存在を…、いやボクという存在をみんなに話せるように!!そう誓ったのだ!!」

    モノクマ「そっか…やっぱり君は大丈夫そうだね…まぁ、あんまり心配してなかったけどさ…」

    十神「なんだ!?…何のことを言っている!?」

    モノクマ「うぷぷ…さあね…でも一つの目的は達成されたかな…」

    十神「なんだと!?」








    モノクマ「卒業証書です!!十神白夜クン…改め、超高校級の詐欺師クン!!あなたは、このジャバウォック島からの卒業を認められました!!」

    十神「どういうことだ!?貴様…俺は【日向の才能】も【おまえの正体】もわかっていないぞ!!」

    モノクマ「うぷぷ…でもそんなのいいじゃん…卒業できるんだからさ…!!」

    十神「俺はみんなで卒業すると誓ったんだ!!…俺一人が先に行ってたまるものか!!」

    モノクマ「大丈夫!!一人じゃないよ、卒業者ならもう一人出たからね…!!」

    十神「何!?」



    モノクマ「資格がない生徒は卒業させられないよ…でもさ…君は【特別ルール3】をクリアしちゃったんだよね…!!」

    十神「何だと…!?【特別ルール3】だと…!?」



    モノクマ「うぷぷ…だからさ…君はもう大丈夫…この島にいる必要なんてないんだ!!…君は自分の本当の日常に戻るだけなんだからさ!!」

    十神「なんなんだ!!…おまえは!?おまえは一体何者なんだ!?」
  121. 156 : : 2014/12/30(火) 10:11:38


    モノクマ「ボクはモノクマ…君たちの学園長だよ!!……そしてボクは本当に君たちのことが大好きなんだ!!…だからね…君たちには修学旅行を無事に終えてもらいたくてね!!…だから、こうして頑張ってるんだ!!」

    十神「まるで…意味がわからんぞ!!」

    モノクマ「うぷぷ…大丈夫…君はもう自分の日常に戻れるからさ…後のことはボクに任せてゆっくりと休むといいさ…」



    十神「く…日向…みんな…すま…ない…」

    俺の意識はだんだんと消えて行った…
    最後に見たものは満足そうに笑うモノクマの姿だった…。











    パァッ!!


    左右田「電気がついたぞ!!」

    弐大「十神がブレーカーを上げてくれたのか!?」

    ソニア「あれ…日向さんがいません!?」

    九頭龍「なんだと!?…っておい花村のやつもいねぇじゃねぇか!!」

    狛枝「おかしいね…停電はわずかな時間だった…十神クンはともかく二人はどこへいったんだろう?」

    弐大「十神にはワシから知らせよう!!手分けして二人を探すんじゃ!!」

    七海「旧館の中にはまだいると思うんだけど…」

    田中「まだ遠くには行っていないはずだ!!…一応、誰かはここに残ったほうがいいな」

    ソニア「では、わたくしが残ります!!」

    罪木「一人で大丈夫ですか?…私も残ります!!」

    ソニア「いえ…大丈夫です!!…みなさんは手分けしてお二人を探してください!!」


    終里「わかった!!…行くぞ!!」

    田中「俺は厨房から探すとするか…」

    ソニア「みなさん…お気をつけて!!」

    罪木「やっぱり、私も残ります!!…ソニアさんだけじゃ心配ですし…!!」

    ソニア「お気づかいありがとうございます…それではよろしくお願いしますね」




    そういうと私とソニアさんを残してみなさんは散らばっていきました。
    広かったパーティ会場はいきなりに静かになってしまいました。
  122. 157 : : 2014/12/30(火) 10:13:58

    罪木「ソニアさん…すみません、勝手なことしてしまいましたか?」

    ソニア「いいえ、ありがとうございます…それに…これが最後になるかもしれませんし…」

    罪木「え…最後ってどういうことですか!?」





    ソニア「わたくし…実は少しズルをしたんです…違和感がありませんでしたか…?わたくしがどうしてあんな質問をしたのか…」

    罪木「“私が…私のことを好きか”…って質問ですか…確かに…私はソニアさんと会うすぐ前にモノクマさんに同じ質問をされました…ってことは、ソニアさんは…!?」

    ソニア「わたくしはモノクマさんではないですよ…ですが、わたくしはモノクマさんの力をお借りしました…罪木さんが今悩んでいること…わたくしがどうすれば罪木さんを救うことができるのか…モノクマさんに聞いたんです…!!」



    罪木「そうだったんですね…タイミングが良すぎる…とは思っていました…」

    ソニア「ですが、友達だと言ったことに嘘はありません!!わたくしは…あなたを助けたかった!!…あなたは日向さんを愛しているあまりに何かを見失っていた…それはわかっていました…ですが、どうしてあげるのが一番かわかりませんでした…そんなときにモノクマさんが背中を押してくれたのです…」

    罪木「モノクマさんが…?」

    ソニア「ええ…最初は戸惑いましたが…やるしかないと思いました…わたくしは罪木さんと友達になりたかったんです!!」


    罪木「ソニアさん…いいえ…あなたが私を救ってくれたのは本当ですよ…なんていうか…頭のもやもやが取れたみたいに今は気分がいいんです…私、自分から人にどうやって心を開いていいかなんてわからなかった…日向さんを愛することで…私は自分の心を肯定しようとしていました…」

    ソニア「ですが、これからのあなたは違います!!…そんなふうに考えなくても…ただ、日向さんのことが好きってだけでいいんですよ…」

    罪木「はい…!!私はもう大丈夫です…!!これからもくじけてしまうことがあるかもしれないけど…日向さんもソニアさんもいます…!!だから…!!」


  123. 158 : : 2014/12/30(火) 10:17:11

    モノクマ「残念だけど…ソニアさんはもう卒業なんだよね…」

    罪木「モノクマさん…!?」

    ソニア「やはり…そうですか…」

    モノクマ「君は…【特別ルール】を達成してしまったからね…仕方のないことだよ…達成してすぐに卒業させなかったのは…すぐにソニアさんがいなくなったら、ちょっと罪木さんが可哀そうだと思ったからね…」

    罪木「え…どういうことですか…!?」

    ソニア「ごめんなさい…罪木さん…気付いてしまったんです…わたくしは…」

    罪木「え…どうしたんですか…一体!?…何を…言ってるんですか!?」

    ソニア「でも…それは言ってはいけないことなんです…わたくしが気付いたことは…」

    罪木「ソニアさん!?…どうして!?」

    ソニア「それが…わたくしたちが無事にこの修学旅行を終える条件だからです…!!」

    モノクマ「うん、そういうことなんだ…だから…ごめんね、罪木さん…君は新しい一歩を踏み出せた…君ならソニアさんがいなくても…もう大丈夫だよ…!!」



    罪木「何いってるんですかぁ!?…せっかく、せっかくお友達になれたのに!!」

    ソニア「本当にごめんなさい…ですが、わたくしはあなたたちを見守っています…大丈夫…あなたなら日向さんを、みんなを救ってあげられるはずです…!!」

    罪木「日向さんを…みんなを救うって!?…どういうことですか!?」

    ソニア「ごめんなさい…そして、ありがとう…罪木さん…!!無責任なことを言ってすみません…日向さんたちのこと…よろしくお願いします!!」

    罪木「ソニアさん!?…ソニアさぁん!?」







    モノクマ「卒業証書!!ソニア・ネヴァーマインドさん…あなたは、このジャバウォック島からの卒業を認められました!!」





    モノクマさんがそういうと…ソニアさんは私の目の前で消えてしまいました…。

    まるで手品のようでした…ですが、もうどこにもソニアさんの姿を確認はできませんでした…。

    それからのことはよく覚えていません…。
    泣き崩れているところを私はみなさんに発見されました…。

    日向さんと花村さんは厨房の様子を見に行っていただけだったようです…。

    ですが、そのあと十神さんもどこにいるかわからないと気付いたみなさんは、また手分けして探しに行くことにしたようです…。

    私が薄れゆく意識の中で聞いたのは…モノクマさんの声でした…。








    モノクマ「えぇ…希望ヶ峰学園修学旅行委員会からお知らせします!!…卒業者が二人出たのでそれをお知らせします!!…卒業者は十神白夜クン、ならびにソニア・ネヴァーマインドさんです!!…みなさんも張り切ってこの島からの卒業を目指してください!!」



  124. 159 : : 2014/12/30(火) 10:22:00




    【Chapter1】

    君のみぞ知るセカイ


    【END】



    修学旅行生:14人


    修学旅行卒業生:2人




  125. 162 : : 2014/12/31(水) 12:00:49

    【モノクマ劇場】

    モノクマ「いやぁ…なんていうかさ…パクリって怖いよね…」

    モノクマ「オマージュとかリスペクトとかパロディとか言ったら…聞こえはいいかもしんないけどさ…結局は他人の力を借りてるだけとも言えるよね!!」

    モノクマ「でもさ、すぐにパクリだ~とかいう奴も怖いよね!!」

    モノクマ「このアイディアは先に自分が考えていたのに、あいつがパクったとか…ね…世の中オリジナルなんてほとんどないよ?…極論を言えば全部、何かと何かの組み合わせです!!…勝手に自分の考えていたことと他人のアイディアを結びつけて、文句いってるだけなんじゃない?本当は全然違うのにさ!!」

    モノクマ「でもね…真似るってことは大切なことだよ!!学ぶっていう言葉は真似びと語源が同じなんだ!!全てのことは他者の模倣から始まるんだよ!!子が親を見て育つようにね…」

    モノクマ「誰かと何かと似ている部分は絶対にどこかにあるよ…でもその中で自分だけが組み合わせたオリジナリティがあるから、おもしろいと思うんだよね…作品も人間もさ…うぷぷぷぷ…」

    モノクマ「一番怖いのは…真似ただけの人間が、それを自分自身のものだって思い込んでしまうことなんだよ」
  126. 163 : : 2014/12/31(水) 13:49:53





    【Chapter2】


    【START】
  127. 164 : : 2014/12/31(水) 13:50:37

    モノクマからのアナウンスがあってから、みんなは夜も遅いのでひとまず解散することにした…。
    罪木のそばには…女子たちが何人かついているそうだ…。

    俺もあいつのそばにいてやりたかったが、俺が今いてもあいつは辛いんじゃないだろうかと勝手な結論を出してしまっていた。実際、女子には止められたのだが…。

    罪木…俺は何もできなかった。
    おまえが悩んでいるときだって、俺は自分自身のことで精一杯だった。

    才能がないはずの俺…普通の俺が希望ヶ峰学園に入学していて、
    ここにきて実は才能があるなんて言われてしまった。

    だけど、その才能は何かわからない…。
    そして、それは自分で気付くことはできないらしい。

    そして、俺の才能が何かわかることが、ここから卒業するための条件の1つだ。

    十神…ソニア…
    二人は俺の才能がわかってしまったんだろうか…?

    この短い時間の中で…俺には気付かなかった…それに気付いたんだろうか?

    わからない…もうあいつらはいなくなってしまったから聞く事ができない…。

    なんだか明日になっていれば、あいつらにまた会えるような気もしている自分がいる。

    だけど、もうあいつらには会えない…それが事実だ。



    日向「…あいつらに何も返せないままだったな…」


    俺は一人コテージでつぶやく…。

    あいつらは俺がすごくなくても、才能がなくても認めてくれる…。
    でも、あいつらの知っている俺を俺は知らない…。



    日向「みんなとの大切な思い出は、ちゃんと…覚えていると思っていたんだけどな…」

    モノミ「どうちまちたか…?日向クン?」ヌッ!!

    日向「うわあ!?…いきなりびっくりさせんなよ!!」

    モノミ「あっ…コテージのドアはちゃんと直ってるんでちゅね…よかったでちゅ!!」
  128. 165 : : 2014/12/31(水) 13:51:29

    日向「ああ…っていうか…どうやって入ってきたんだよ…それに、今まで何してたんだ?」

    モノミ「うぅ…実はみなさんの中にも気付いた人はいるかもしれまちぇんが…この島はモノクマが来てから、2、3、4、5の島が封鎖されていたんでちゅ…見えないバリアみたいなもので…」

    日向「そうだったのか…1の島と中央の島しかほとんど行かなかったから知らなかったよ…途中気絶してたしな…っていうか、バリアってなんだ!?」

    モノミ「バリアはバリアでちゅ…モノクマは今…この島で様々な権限をもっていまちゅからね…ほとんどあいつの思い通りでちゅ…それで、どうしたらバリアが解けるか、ずっと試していたんでちゅが…さきほど2の島のバリアが開放されたみたいなんでちゅよ!!」

    日向「そうだったのか…もしかして、卒業者が出たことに関係しているのか…?」

    モノミ「アナウンスで言ってまちたね…十神クンとソニアさんがこの島から卒業したって…」

    日向「ああ…あいつら無事だといいんだが…!!」

    モノミ「モノクマの目的はわかりまちぇんが…お二人は安全だと思いまちゅ…」

    日向「どうしてそんなことがわかるんだよ…?」

    モノミ「ええっと…それは…」アセアセ

    日向「また、言えないってやつか…おまえはモノクマとは敵対してるみたいだし、俺たちにも協力してくれてもいいんじゃないか?」

    モノミ「協力はしたいんでちゅが…あちしにも話せないことがあるんでちゅ…本当にごめんなちゃい…」

    日向「いや…無理を言って悪かったよ、おまえにも事情があるんだろうしな…」

    モノミ「ありがとうございまちゅ…でも、みなさんのことは絶対に守りまちゅ!!」

    日向「ああ…だけど、考えようによっては卒業はできることは確かみたいだ…あとはみんなが卒業できればいいんだがな…」

    モノミ「なんだか自分は出られないみたいな言い方でちゅね…」

    日向「俺はみんなより条件が厳しいしな…それに狛枝のやつも言っていたが、自分に才能があるとは思えないんだ…やっぱりな…」
  129. 166 : : 2014/12/31(水) 13:52:49

    モノミ「日向クン…」

    日向「みんなに認められるのは嬉しい…十神もソニアも花村も…俺のことを励ましてくれた…だけどさ、やっぱり俺には何もないんじゃないかって…あいつらにどんなに才能があってもなくても構わないって言われても…ずっと俺の心にはそれが引っかかっているんだ…」

    モノミ「そうでちゅよね…簡単に割り切れる問題じゃないでちゅよね…」

    日向「なんか愚痴っぽくてごめんな…」

    モノミ「いいんでちゅよ…頼りないかもしれまちぇんが…あちしは先生でちゅ!!生徒の悩みはちゃんと聞きまちゅよ!!」

    日向「ありがとな…俺もうじうじしていられないな…罪木のことも助けてやらないといけないし…」

    モノミ「罪木さんですか…罪木さんはソニアさんのおかげで少し変われたんでちゅよね…?」

    日向「ああ、そうだな…俺はあいつに優しくすることはできても、それまでだった…っていっても、俺なんかが人の心配をするなんておこがましいのかもな…あいつはきっと本当は俺なんかよりもずっと強いよ…」

    モノミ「でちゅが、どんな人間も一人じゃ強くいられないはずでちゅよ…ソニアさんがいて、日向クンがいて、罪木さんは強くあろうとすることができるんじゃないでちゅか…?日向クンにもそういう大切な人がいるはずでちゅよ?」

    日向「そうだな…みんなが俺を支えてくれている…少しでも…俺もみんなに返していかないとな…」

    モノミ「はい、大丈夫でちゅ!!日向クンは本当にまっすぐで素直ないい子なんでちゅよ!!…」

    日向「なんだか…そんな言い方をされると照れるな…」

    モノミ「さて、今夜は帰りまちゅ…さすがにまたお世話になるのもあれでちゅしね…」

    日向「ああ…お休み、モノミ!!」

    モノミ「お休みでちゅ!!」


  130. 167 : : 2014/12/31(水) 13:55:28








    モノクマ「ありゃりゃ?…日向クンと逢引きですか?やらし~な、教師のくせしてさ…」

    モノミ「あんた…!!…十神クンとソニアさんは無事なんでちょうね!!」

    モノクマ「もちろんだよ…大切な生徒の安全はしっかり確認しているよ…ただ、もう二人はこの島に来ることはできないけどね…いや、必要ないというべきか…」

    モノミ「あんたのやろうとしていることが全くわかりまちぇん…本当に何をしようとしているんでちゅか!!」

    モノクマ「やれやれ、物覚えが悪いなぁ…ボクは大事な生徒たちに無事修学旅行を終えてもらおうってだけさ…」

    モノミ「なら、あの罪木さんへのゆさぶりもそのためだったと!?」

    モノクマ「そうだよ…彼女は自分の殻に籠っていた…彼女は自分の中での“常識”を絶対にくつがえすことはなかった…だから、一度壊してあげなくちゃいけなかったってわけさ…今までの自分を失って、新しい自分になるためにはね!!」

    モノミ「そのために、ソニアさんを動かしたと…」

    モノクマ「うん、彼女ならいい働きをしてくれると思ったんだよね…でも、ちょっとやりすぎたかな…ボク自信がソニアさんの卒業の助けをしてしまったみたいなものだったしね…まぁ、どっちみち彼女は卒業しても大丈夫だったしね…」

    モノミ「ソニアさんと十神クンは、あんたのいう【特別ルール】をクリアしたんでちゅか…?」

    モノクマ「そういうことさ…うぷぷ…さぁ、モノミちゃん…夜は冷えるよ…早く帰って眠ったらどう?」

    モノミ「モノクマ…あちしは絶対に生徒を守りまちゅ…あんたの好きにはさせまちぇんよ!!」

    モノクマ「いいんじゃない?…さて、次に卒業できるのはどの生徒でしょうかね?」

    モノミ「モノクマ…あんた本当になんなんでちゅか!?」

    モノクマ「ボクは…希望とは、そして絶望とは何か…見極めたいだけさ…うぷぷぷぷ…」

    モノミ「罪木さんのときもそんなようなことを言ってまちたけど…あんたみなさんを絶望にするつもりでちゅか!?」

    モノクマ「モノミちゃん…絶望って何かな?」

    モノミ「へ?」

  131. 168 : : 2014/12/31(水) 13:56:40

    モノクマ「どんな人間もさ…絶望はするじゃん…でさ、どんな人間も希望をもってるじゃん…じゃあさ、絶望になるってどういうことなのかな?」

    モノミ「そ、それは…悪に染まることでちゅよ!!…自分にも他人にも絶望して心が暴走している状態のことでちゅ!!」

    モノクマ「そうかぁ……でもさ…絶望がそのまま悪で、希望がそのまま善なのかな?…どんなに希望を抱こうともまた人は絶望するし…どんなに絶望したって人はまた希望を抱こうとする…その繰り返しだと思うんだよね…」

    モノミ「そ、それはそうでちゅけど…」

    モノクマ「なら、人はどうしたら絶望しなくなるのかな?」

    モノミ「そ、それは…」

    モノクマ「もしかしてさ、完全な希望も、完全な絶望もこの世にはないのかな…?…でもさ、だからこそボクは知りたいんだ…希望と絶望の正体をね!!」

    モノミ「それが…あんたの目的でちゅか!?」

    モノクマ「いいや、単なる探究心だよ…ずーっと、このことを考えてきたからね、でも未だに答えが出ないんだよね…ハァ…」

    モノミ「あんたはその探究心のためにみなさんを利用しようとしてるんでちゅか!?」

    モノクマ「さぁ…どうだろうね…うぷぷうぷぷぷぷ」シュン!!





    モノミ「あっ、待て!!」

    モノミ「モノクマ…あんたは本当に…何を考えているんでちゅか…?」


  132. 174 : : 2015/01/07(水) 20:49:15

    ―レストラン―

    日向「おはよう…」

    花村「あっ…おはよう、日向くん…今日は料理を手伝ってくれるんだよね?」

    日向「ああ…この前はお前にまかせっきりだったからな」

    花村「この島でぼくに出来ることなんて、それぐらいだしね…お安いごようさ!!」

    日向「やっぱり、まだ…誰もいないんだな…」

    花村「そうだね…みんなが揃う前にはご飯にできるようにしたかったからね…日向くんはまだ眠いかい?」

    日向「少しな…昨日はあんまり眠れなかったからな…」

    花村「そうだね…昨日はあんなことがあったばっかりだからね…」


    日向「…始めようか…ずっと話していたら、早起きした意味がなくなるしな」

    花村「うん…」


    俺たちは早速調理に取り掛かる…。
    朝だし軽いメニューがいいだろう…。
    花村は和食も洋食も作ってくれる…みんなのニーズになるべく応えたいそうだ…。


    この短期間でみんなの好みなんかも把握しようと頑張っているんだな…。
    そういった姿勢にはまったく頭があがらない。


    花村「ねぇ…日向くん…ごめんね…君もソニアさんのそばにいたかったんじゃない?…ぼくがあのとき厨房の様子を見に行くのに付き合わせたからさ…」

    日向「そんなこと気にしてないさ…それにもし何かあってからじゃ遅いしな…火の元を確認しに行くのはあたりまえだろ…」

    花村「あのときはぼくもパニックだからね…みんなに確認もせずに君を連れて行ってしまったから…いらない心配をかけちゃったね…」

    日向「おまえが気にすることじゃないって…」
  133. 175 : : 2015/01/07(水) 20:49:27

    花村「ありがとう…日向くん」

    日向「いいって…それにこの島からはいなくなったけど、十神もソニアもきっと無事だと思うんだ…根拠はないけどな」

    花村「そうだね…ぼくもそう信じているよ…」

    日向「みんなは…大丈夫かな?」

    花村「うん…特に罪木さんは心配だよ…せっかくソニアさんと仲良くなったばっかりだったからさ…」

    日向「思えば、十神にもソニアにも…いろいろと頼りっきりだったな…これからは俺もしっかりしないと…」

    花村「君がそんなに責任を感じることはないよ…」

    日向「でも、みんながこんなことに巻き込まれたのって、みんなが俺に関係していたからだろ?」

    花村「だとしても、君のせいじゃないって…」

    日向「だけど…」


    終里「なんだなんだ…男のくせにウジウジしてやがんな…」

    日向「終里!?」

    終里「おはよーさん…飯はまだか?」もぐもぐ

    花村「…って言ってるそばからつまみ食いしないでよ!!」てる~ん!!

    終里「腹減ったんだから仕方ねぇだろ!!…腹減ったときに食うのが一番健康的だぜ!!」ヒョイパク!!

    花村「もう…みんなの分は食べないでよね!!」

    終里「わかってるって…それより日向もちゃんと飯くえよ…そしたら元気になるぜ!!」

    花村「あのねぇ…そんな単純な話じゃないと思うよ…」

    終里「腹が減ってたら、気も滅入るだろ…人間メシが一番大事なんだって…食えば少しは元気になるぜ!!」



    日向「確かに…そうだな…ありがとう終里」

    終里「おう!!…難しいことはよくわかんねぇけど…やっぱメシ食うのが一番だぜ!!」

    日向「ああ…サンキューな!!」

    花村「確かに終里さんの言う通りだね…よしみんなを元気にするご飯を張り切って作るぞ~!!」

    日向「ああ!!」

    終里「んめぇ~!!」モグモグ

    花村「ああ!?…それはみんなの分だよ!!食べ過ぎだよぉ~!!」

    日向「これからは終里対策を考えないとな…」
  134. 176 : : 2015/01/07(水) 21:12:54

    澪田「おっ、いいにおいっすねぇ~!!」

    七海「おはよう」

    日向「おはよう、澪田、七海」

    澪田「創ちゃんも輝々ちゃんも朝から御苦労さまっす!!」

    七海「二人ともありがとね!!」

    花村「いやいや、なんのなんの…お礼はほっぺにチューでいいよ!!」てる~ん!!

    日向「こらこら…自重しろよ…」



    辺古山「おはよう…みな早いな」

    終里「おーっす、おはよーさん」

    七海「なんか、汗かいてるね…?…辺古山さん」

    辺古山「ああっ…少し探索がてら島のまわりを走ってきた…それで気付いたのだが…どうやら2の島には行けるようだな…」


    澪田「…っていうか、今までいけなかったんすか?」

    辺古山「ああ…探索を後回しにしたので気がつかなかったが、どうやらそのようだ…というより先に3・4・5の島に入れないことに気がついてな…そのあと2の島には入れることに気付いたのだ」

    日向「そういえば、モノミが昨日いっていたな…他の島にはバリアが張ってあるって…2の島も昨日の時点では入れなかったみたいだ…」

    辺古山「やはりそうか…卒業者が出たことに関係しているのかもしれないな…」

    終里「行けるところが増えたってのはいいな」




    澪田「…っていうか創ちゃん!!また、モノミと逢引きしてたんすか!?」

    日向「え」

    七海「また?」

    終里「逢引き?」

    澪田「やっぱし、モノミと創ちゃんはできてるんすか!?…そうなんすか!?」

    花村「え~!?そうだったのぉ!?」ガビーン!!

    日向「違う!!誤解だぞ!!…っていうかやっぱしってなんだよ!!」ガビーン!!

    終里「ん?…モノミって誰だっけか?」

    辺古山「確かにしばらく姿を見かけていないが…忘れるのが早すぎるだろう」ガビーン!!

    澪田「じゃあ、なんで夜にあってるんすかぁ~!!おかしいっすよぉ!!」ビシッ!!

    日向(くっ…何か反論の材料はないのか!?…っていうかなんで追い詰められてるんだ!?)
  135. 177 : : 2015/01/07(水) 21:27:14

    罪木「そ…そんな…日向さんが…ケモナーだったなんて!?」

    日向「罪木ぃ!?」ガビーン!!

    罪木「そんな…それじゃあ私はどうすればぁ…!!」



    日向「落ち着け!!…罪木、それは違うぞ!!」

    七海「ケモナーってなぁに?」

    澪田「千秋ちゃんは知らなくてもいいと思いまむ」



    田中「日向…あのウサギはやめておけ…もっといえば、あれはウサギじゃないぞ!!…他にいい魔物を紹介しよう…」ポンッ

    日向「さりげなく、俺をケモナーにするんじゃない!!」ガビーン!!

    田中「ところで…皆の者!!おはようございます!!」

    花村「うん、おはよう!!」

    日向「今更あいさつかよ…どっと疲れたぞ…」

    罪木「えへへ…ちょっと悪ノリしちゃいましたね」

    日向「罪木…その…もう大丈夫なのか?」

    罪木「はい、ご心配をおかけしてすみません…私はもう大丈夫ですよ!!」

    日向「そ、そうか…?無理はしなくていいんだぞ…?」

    罪木「無理なんかしていませんよ…私はソニアさんと約束しましたしね…」

    日向「約束…?」

    罪木「はい、よくわかりませんでしたが…日向さんをみなさんを救ってほしいと言われました」

    七海「私たちを…救う?」

    罪木「ソニアさんは何かに気付いたみたいです…ですが、それに気付いたからこそソニアさんはモノクマさんによってこの島から卒業させられたんだと思います」

    日向「ソニアは…【俺の才能】か【モノクマの正体】に気付いたのか…?」

    罪木「それは、わかりません…ですが私は誓いました!!…日向さんやみなさんのお役に立てるように頑張ろうって!!」
  136. 178 : : 2015/01/07(水) 21:28:27

    日向「罪木…」



    正直、罪木はもっと落ち込んでいると思っていた…。
    だけど、もう前を向いているんだな…。

    ソニア、おまえはすごいな…。

    罪木の元気な様子に嬉しい半面、複雑な感情の自分がいる…。
    俺はまだ前を向けていない…。

    俺は未だに混乱しぱなっしだ…。
    結局のところ、俺たちは自分たちの状況についてまだ何もわかっていない…。

    それに、俺はまだ…みんなに対してどう接すればいいのか…迷っていた。

    もし、才能なんて関係なかったら…俺たちが全員普通の高校生だったなら…、
    俺は…こんなふうな余計な感情に支配されることはないんだろうか…。




    罪木「日向さん…?」

    日向「うわぁ!?」ビクッ!!

    罪木「なんだか暗い顔をしていましたが…大丈夫ですか?」

    日向「大丈夫さ…心配かけてごめんな…」

    罪木「日向さんこそ無理しないでくださいね…体調が悪い時はいつでも私に言ってください!!」

    日向「ああ、ありがとう…」




    ズキッ…



    ほら、俺は…純粋に心配してくれている罪木にさえ…
    嫉妬なんて感情を抱いているんだ…。

    最低だな…俺は…。
  137. 179 : : 2015/01/07(水) 21:54:10

    終里「オラ!!」ドカッ!!

    日向「いてっ!!…何すんだ!?…終里!?」

    終里「まぁ~た、ウジウジオーラが出てたから、喝を入れたんだよ!!」

    日向「う…だからって叩くことないだろ!?」

    罪木「そうですよ!!…あんまり強く叩かないでください!!」

    終里「ちぇ~、わかったよ…」

    日向「まぁ…でもおかげで少し目が覚めたよ…ありがとな…」

    終里「おう!!」

    田中「ふっ…言霊よりも拳のほうが役に立つ場合もあるということだな…」

    花村「それじゃあ、まだみんな揃ってはいないけど、ご飯にしようか!!…もう終里さんは食べてるけどね」

    日向「俺たちも少し食べてから、また料理に取り掛かるとするか」

    花村「うん、そうだね」

    澪田「わ~い、ご飯の時間っすよぉ~!!」

    七海「うん、いただきま~す」

    罪木「日向さん、一緒に食べましょう」

    日向「ああ」

    花村「せっかくだし、みんなで食べようよ」

    田中「いいだろう!!その案、乗ってやる!!」ビシッ!!

    辺古山「なぜ、田中が偉そうなのだ?」

    田中「偉そうではなく、俺様は偉いのだ!!」ビシッ!!

    辺古山「意味がわからないぞ…」
  138. 180 : : 2015/01/13(火) 17:05:35

    ほどなくして、残りのメンバーも続々とレストランに集まってきた。
    話題はやはり昨日卒業した十神とソニアのことだった。




    西園寺「十神おにぃもソニアおねぇも偉そうなこと言っておいて抜け駆けするなんてね~」

    罪木「抜け駆けしたわけじゃないですよ!…あれは強制されたんです…」

    西園寺「十神おにぃはみんなで卒業するとか言っておいてこれだからね…信じる方が無理だよ」

    九頭龍「ならなおさら、十神の卒業は故意じゃなかったってことなんじゃないのか?」

    西園寺「口ではなんとでも言えるよ…御曹司だったんでしょ?…嘘の一つくらいなんでもないんじゃない?」




    ドンッ!!




    西園寺「何!?」ビクッ!!

    日向「十神のことを悪く言わないでくれ…西園寺…」

    西園寺「何よ…急に机たたかないでよ…」グス…

    日向「悪い…でも、十神の言葉にウソはない…あいつがみんなで卒業しようとしていたのは本当だ!!…だから今の言葉は取り消してくれ!!」

    西園寺「わかったよ…でも、どのみちあいつはもうここにはいないんだよ…?…いないやつのこと気にしてもしょうがないよ…ねぇ、おにぃ?」

    日向「西園寺…おまえ…」

    西園寺「わたしもいなくなったやつのことは、もう気にしないから…」スタスタ…

    左右田「どこいくんだよ?」

    西園寺「なんか…2の島にいけるようになったんでしょ?…だから行ってこようと思ってね…ここから出る手掛かりがあるかもしんないしね…」

    小泉「日寄子ちゃん…!!」
  139. 181 : : 2015/01/13(火) 17:06:26

    西園寺はそういうとレストランから出ていく、小泉もその後をおっていった。



    狛枝「あらら…バラバラだね…それじゃあ、ボクも行こうかな…」

    日向「狛枝…おまえまで!?」

    狛枝「じゃあね…日向クン」スタスタ…




    日向「狛枝…」

    罪木「うぅ…みなさん…バラバラです…」



    弐大「いいんじゃないかのぅ…」

    日向「弐大…?…何を言っているんだ!?」

    弐大「リーダーの十神がいなくなってしまった今ワシらには統制するものがいない…じゃが、無理に誰かが指揮をとればいいというものではない…」

    左右田「じゃあ、このままでいいってのか!?」

    弐大「いいや、このままじゃいかん…じゃが、焦ってまとまろうとしてもチームはチームとして成長などせんわい…それにチームとは様々なものがある…リーダーがチームを指揮するというものでなく、一人一人が独立して行動している形態だってある」

    田中「結局のところ、何がいいたいのだ?」

    弐大「そこにいる人間たちや状況によってチームは変化していくものじゃ、ワシらにとって一番いい形が何かはまだわからんわい…自分一人がリーダーとなり指揮を取る十神のやり方も方法の1つ……じゃが、それだけが方法ではない…ワシらはワシらのやり方を探っていけばいいわい」

    田中「だが、時が待ってくれるというのか?」

    弐大「チームという縛りがないことで暴走するやつも出てくるじゃろう…そういうやつにはもちろん目は光らせておくわい…じゃが、逆にチームという縛りによって、自分の良さを殺されてしまうやつもいる…単独行動が得意なやつを無理にくくりつけてもいかん…単純に一緒に行動することがチームではないということじゃ」

    終里「なんかおっさんの話は長いし、難しいぜ!…要は適当でいいってことだろ?」


    弐大「まぁ…乱暴に言えばそうかもしれんのう…さて、ワシらはワシらなりに探索するとするか…ペアを組むのも組まないのも自由ってことでいいんじゃないかのぅ!!」ガハハハ!!
  140. 182 : : 2015/01/13(火) 17:07:27

    日向「弐大…」

    弐大「日向、ワシと行くか?…トレーニングしてやる約束もしてたしのぅ!!」

    日向「そうだな…じゃあ、そうしようかな」

    終里「えぇ~、オレもトレーニングしてくれよ!!」

    弐大「今日は日向の番じゃ…おまえさんには後で付きあってやるわい」

    終里「約束だかんな!!」




    花村「あらら…日向くんをとられちゃったね…じゃあぼくはどの男の子にしようかな?」てる~ん!!

    田中「奇怪な目でこちらを見るでない!!」ガビーン!!

    左右田「ぎゃあああああああああ…何見てんだ~!!」ガビーン!!

    九頭龍「と…鳥肌がたってきたぜ…」ブルブル…

    澪田「ありゃりゃ~、輝々ちゃんったら浮気っすかぁ~!!」ツンツン

    花村「浮気するのも…いい男の条件ってことさ!!」

    澪田「さっすがっす!!」

    花村「それに…弐大くんなら今の日向くんを元気づけられるかもしれないしね…」ボソッ…

    澪田「ん?…今なんていったんすか?」

    花村「ううん、なんでもないさぁ!!…決めた~ボクは男の子3人と行くよ~!!」

    左右田「勝手に決めてんじゃねぇ~!!」ガビーン!!

    九頭龍「オイオイ…変な目で人のことを見るんじゃねぇぞ!!」ガビーン!!

    田中「なぜだ…覇王たる俺様があのような男に怖れを抱いているだと!?」ブルブル…



    七海「じゃあ、私たちはどうしよっか?」

    辺古山「それじゃあ適当に女子で分かれるか…」

    罪木「それでいいと思います!」

    澪田「うん、唯吹も賛成っす!!」

    終里「そうだな」



    弐大の提案もあって、俺たちは適当に分かれて2の島を探索することになった…。
  141. 183 : : 2015/01/13(火) 17:08:24

    ―2の島 遺跡―

    左右田「オイオイ…なんだよここは…」

    田中「これは…もしや!?」

    九頭龍「草木に囲まれちゃいるが…これは希望ヶ峰学園じゃねぇか!?」

    花村「なんで…こんな島に希望ヶ峰学園があるんだい!?」

    九頭龍「わからねぇ…いったいどうなってやがんだ!?」

    田中「おそらくだが、これは真の学園ではないだろう…」

    花村「そうだよね…希望ヶ峰学園がこんな南国にあるはずがないよ…」

    九頭龍「だが、これだけ似てるってのもな…ん?なんだこの文字…」

    花村「“未来”って書いてあるね…」

    田中「やはり似て非なるもののようだな…このような出で立ちの門はなかったはずだ…」

    花村「扉にはテンキーがついているね…これをパスすれば通れるのかな?」

    九頭龍「左右田…わかるか?」

    左右田「いや、調べるにしてもよ…なんか周りにトラップとかねぇよな…?」

    田中「見たところはなさそうだが…」

    左右田「こういうのは間違えたらやばいんじゃねぇか!?」

    九頭龍「んだよ…やらなきゃわかんねぇだろ?…ビビリだな」

    左右田「慎重っていえよ!!慎重って!!」ビシッ!!

    花村「まぁ…今無理して調べる必要もないよ…とりあえずみんなに報告しよう!」

    左右田「だな…それでいいぜ…」
  142. 184 : : 2015/01/13(火) 17:09:41

    ―図書館―

    七海「本がたくさんあるね…」

    辺古山「図書館だから当たり前といえば…当たり前だが…何か手掛かりはないものか…」

    七海「あっ…これ地図みたいだね…」

    辺古山「この島の地図か…やはり中央の島と5つの島から成り立っているようだな…」

    七海「この島はジャバウォック島っていうんだね…」

    辺古山「聞いたことがないな…」

    七海「ソニアさんがいてくれれば…わかったのかな…ここにある資料は日本語だけじゃないみたいだし」

    辺古山「言ってもしょうがないことだ…我々でも調べられる限りは調べよう…」

    七海「うん、そうだね…」






    狛枝「やぁ…君たちもここに来たんだね?」

    七海「狛枝くん!?」

    辺古山「おまえもここにいたのか…」

    狛枝「まぁね…何かいいものは見つかったかい?」

    七海「特には見つかってないかな…」

    辺古山「おまえのほうはどうだというのだ?」

    狛枝「ボクもさっぱりだね…様々な本はあるみたいだけど脱出の手がかりに直結するものはないよ…それになにしろこの図書館の本の量は膨大だからね…ひとつひとつ調べるなんてとてもできそうにないよ」

    辺古山「確かにそれはそうだな…」

    七海「結局この島にも手掛かりはないってことなのかな…」

    狛枝「ただモノクマがこの島を開放した理由は気になるね…ボクごときの言葉なんか忘れてもらってもかまわないけどさ…」

    七海「なら、やっぱりそれには意味があるってこと?」

    狛枝「さぁね…この2の島に何があるのかは正直わからないけどさ…」

    七海「教えてくれてありがとう…やっぱり狛枝くんは優しいね」

    狛枝「…まったく、君は…調子が狂っちゃうな…」スタスタ…

    辺古山「狛枝…どこへいく?」

    狛枝「他の所も見に行こうと思ってね…」スタスタ…



    七海「そうだね…ここにずっといてもしょうがないし、私たちも他に行こうか?」

    辺古山「ああ…そうだな…だが、今のはなんだ?」

    七海「今のは…って?」

    辺古山「狛枝はなぜかお前のことを苦手としていたようだが…」

    七海「そんなことないよ?…狛枝くんは私のお友達だよ?」

    辺古山「そうか…まぁいい…私たちも他を探索するとするか…」

    七海「うん」


  143. 185 : : 2015/01/13(火) 17:11:39

    ―ドラッグストア―

    罪木「すごいですね…この薬の量は…」

    澪田「唯吹にはどれがどれだかわかんないっすよ…」

    終里「オレもさっぱりだ…なんかわけわかんねぇのがいっぱいあるようにしか見えないな…」

    罪木「そうかもしれませんね…ですが、私も実物を見たことがないものまで揃えてありますね…この島はいったい何なんでしょう…?…無人なのに、ここまで様々な設備が充実しているなんて…」

    澪田「案外、魔法の力とかなんじゃないっすか?…ウサミも最初にバーンって唯吹たちをこの島に連れてきたし!!」

    罪木「魔法なんて本当に存在するんでしょうか?」

    澪田「う~ん、唯吹は頭よくないからわかんないけど、今まで起きたことってとんでもないことばかりっす。今もとんでもないことに巻き込まれてる最中だし…」

    終里「…だな…いいかげんワケわかんねぇよ…まぁ、この島っていつでもメシが食えるし、前いたところよりは幾分かマシだけどな…」

    罪木「そ、そんな!?…終里さんって…どんな環境にいたんですか!?」

    終里「あんまいいところじゃあないな…まぁ、今はオレも新体操のおかげで食えてるし…弟たちも飢えずにすんでいるしな…」

    澪田「ひょっとして、赤音ちゃんが食費とか全部稼いでるんすか?!」

    終里「ああ…まぁ、うちには働かない親がいるだけだ…その親も父親が突然違うやつになったり、母親が突然違うやつになったり、兄弟が増えたり、誰が誰と血がつながってんのかよくわかんねぇけどな…」

    罪木「さらっと、すごいこといいましたね…」


    終里「だが、まぁオレたちはなんとか生きてる…あいつらも心配だが、まぁなんとかやってんだろ」

    罪木「強いんですね…終里さんは…本当にうらやましいです…」

    終里「おう!!オレは強いんだ!!…今度バトるか?…おまえもソニアとバトったんだろ?」

    罪木「そんな殴り合いとかしたわけじゃないですよぉ!!?」ガビーン!!

    澪田「もし戦うときはBGMは唯吹が担当するっす!!」

    罪木「まず、止めてくださいってばぁ!!」ガビーン!!
  144. 186 : : 2015/01/13(火) 17:14:20

    ―ダイナー―

    西園寺「へぇ…こんなところがあるんだね…わたしってジャンクフードとかって好きじゃないんだけどなぁ…」

    小泉「ねぇ…日寄子ちゃん?…大丈夫?」

    西園寺「わたしを心配してくれるの?…ありがとね…でもさ、小泉おねぇも無理してない?…別に無理してわたしに付き合う必要ないよ?」

    小泉「無理なんてしてないよ…どうして?」

    西園寺「さぁ…なんとなくね…この島に来てからおねぇって笑ったところみたとこないし…いっつも曇った顔してるから…」

    小泉「日寄子ちゃん…」






    西園寺「あいつ?」

    小泉「え…?」

    西園寺「おねぇから笑顔を奪ったのは…」

    小泉「そ…それは…」

    西園寺「だとしたら…やっぱし最低だね…」





    小泉「ち、違うの…アタシがいけないの…アタシは日向のそばにいちゃいけないの…」

    西園寺「わたしはあいつっていっただけなのに、日向おにぃの名前が出てくるんだね…」

    小泉「そ…それは…」

    西園寺「ごめん…別にそんなつもりじゃないの…たださ…わたしもどうしたらいいかわかんないからさ…」

    小泉「日寄子ちゃん…?」

    西園寺「この島に来る前もよくわからなかった…でも、この島で日向おにぃに会ってから、もっとよくわかんなくなった…自分がどうしたいのか…」

    小泉「そうね…アタシも、もう一度あいつに会うなんて思わなかった…しかも、あいつの周りにはアタシの知らないあいつを知っている人がいっぱいいて…どうしたらいいかわかんなかった…」

    西園寺「小泉おねぇ…本当はね…わたしはソニアのことが羨ましかったんだ…」

    小泉「ソニアちゃんのことを…?」

    西園寺「わたしも…あれぐらい自分の意志を貫けばよかったのかなって…そうしたらさ…何か変わったのかって…お話みたいに、上手くいったのかなって…」

    小泉「日寄子ちゃん…」

    西園寺「愚痴はおしまい…おねぇ…なんか、ごめんね?」

    小泉「謝ることなんてないよ…アタシも少し心が楽になったから…」

    西園寺「わたしはわたしから逃げられない…わたしは西園寺日寄子だから…だから今はわたしを貫くよ…」

    小泉「日寄子ちゃん…」

    西園寺「気にしないで…おねぇ…わたしはきっと大丈夫だからさ…」
  145. 189 : : 2015/01/14(水) 22:02:55

    ―チャンドラービーチ―

    弐大「いやぁ…いい天気じゃのぅ!!」

    日向「特訓って何をするつもりだ?」

    弐大「うむ…もちろん肉弾戦じゃ!!…ワシにかかってこんかい!!」

    日向「ちょっと待て!!弐大に俺が勝てるはずないだろ!?」

    弐大「勝つ必要はない…ただ今のおまえさんの力量をみせてもらうというだけじゃ…!!…でないと、特訓のメニューも考えられんわい」

    日向「うぅ…どうすりゃいいんだ!?」

    弐大「自由にかかってこい…ワシからはしかけん…自由に打ち込んでこい!!」

    日向「こ…こうなったらやぶれかぶれだ!!!」



    俺は手あたり次第に弐大に拳を向ける!!
    だが、弐大はまるで紙のようにその身体をひねらす…。



    弐大「どうした、どうした!!…まるで当たらんわい!!…紙絵!!」ササッ!!

    日向「待て待て!!…その技はやばいって!!」ガビーン!!

    弐大「ふん…怖れていては何もできんわい!!」

    日向「そういうのは怖れたほうがいいんだって!!」ガビーン!!





    弐大「日向…おまえさん…やはり心に迷いがあるな…」

    日向「え!?」

    弐大「ふん…!!見ていればわかることじゃ…」

    日向「やっぱり…わかるのか…?」

    弐大「ああ…おまえさん…なんでもかんでも自分のせいにしてないかのぅ?」

  146. 190 : : 2015/01/14(水) 22:04:12

    日向「そ…それは…」

    弐大「この状況はおまえさんのせいではない…モノクマのせいじゃ…責任を感じる必要などない…」

    日向「でも…」



    弐大「馬ッ鹿も~ん!!!!!」ドカッ!!

    日向「ぐあああああああああああ!?」



    俺は弐大にふっとばされた…。
    もちろん、手加減はしてくれているのだろうが…痛いことには変わりない…。




    日向「何すんだよ!?」

    弐大「悩みがあるなら体を動かせ!!…頭で考えていても何も解決せんわい!!」

    日向「確かにそうだけど…ふっとばすのはやりすぎだろ…」

    弐大「何をいっておる…おまえさんこそ…あのときの覇気はどこへいったんじゃ…」

    日向「あのとき…?」

    弐大「ああ…ワシのチームに一矢報いろうと必死になっていたあの姿じゃ…今のおまえさんからはそれが感じられないな…」

    日向「そんなこと言われても…俺は…」

    弐大「まぁ…火事場の馬鹿力というやつかもしれんが…特訓もしていないやつがいきなりそんな力を出せるわけがない…あれは間違いなくおまえさんの力じゃったんじゃ…のぅ…日向…聞きたいんじゃが…」

    日向「なんだよ…?」

    弐大「おまえさん…なぜ…バスケをやめた?」

    日向「え…?」

    弐大「バスケを楽しもうとしながらも…おまえさんはどこか辛そうじゃった…気になってはいたんじゃ…そのことがずっとな…」
  147. 191 : : 2015/01/14(水) 22:07:26

    日向「それは…単純に才能がないと思ったんだ…このままバスケを続けていても…しょうがないって…」

    弐大「おまえは才能のためにスポーツをしていたとでもいうのか!!…そうじゃないじゃろ!!!」

    日向「それは…それは違う!!…楽しかったよ…けどさ…それだけじゃダメなんだよ!!」

    弐大「どうあっても…頂点を目指したかったというわけか…」

    日向「悪いか…俺みたいなのが…そんなふうに思っちゃ…」

    弐大「いいや…そんなことはない!!…誰もが最初から才能を持っているわけではないし、自らの才能に気づけるわけでもない…気付いたところでそれをちゃんと育てられるものもごくわずかじゃ…」

    日向「ああ…本当にな…」

    弐大「だからこそ…人は己の限界を求めて…挑戦をやめないんじゃ!!」

    日向「!?」

    弐大「登らなければ…結局は先に進めない…大切なのは登る意志じゃ…日向、おまえさんが望むなら、ワシと極めてみないか?」

    日向「極めるって何を?」

    弐大「モノクマのいう【日向の才能】なぞ、ワシはわからん…じゃが、ワシはそんなもの構わん!!…ワシがおまえさんの中の力を目覚めさせてやるわい!!…ワシらで世界を…いや宇宙を獲るのじゃあ!!!!!!」ドン!!!

    日向「オイオイ…!?…俺にはそんなすごい力なんてないぞ!?」

    弐大「それは誰が決めた…!?そんなことを決めつけているのは他でもないおまえ自身じゃないのか!!?」

    日向「そ…それは…」

    弐大「ワシについてこい…!!その根性ごとおまえさんを鍛え直してやるわい!!…あのときは敵どうしだったが、今からワシはおまえさんのマネージャーとなろうぞ!!」ドン!!

    日向「弐大…」

    弐大「さぁ…拳を打ち込んでこい!!」




    心が震えた…。
    やっぱり、俺はまだ才能を持つことを諦めきれないのかもしれない…。

    これからは普通に生きようと思った…。
    華やかな世界なんていらない…。
    そう心に決めたつもりだった…。


    でも…やっぱり俺は欲しいんだ。


    弐大なら、もしかしたら俺の…俺だけのものを見つけてくれるかもしれない…。





    日向「ああ!!…行くぞ!!…俺の拳をくらえ!!」ドン!!

    弐大「鉄塊!!」カキン!!

    日向「だから、その技はやばいっての!!…ってかてぇ!!おまえの体硬いぞ!!」ガビーン!!




    弐大「噴…!!…頑張れば空も飛べるはずじゃわい!!…げっぽ…」

    日向「言わせねぇぞ!!」ガビーン!!
  148. 192 : : 2015/01/27(火) 22:09:14

    ―レストラン―

    2の島をひととおり探索した俺たちは情報を交換し合った。
    狛枝、西園寺、小泉のやはりその場にはいなかった。

    日向「結局、脱出の手がかりはないのか…」

    左右田「ああ…図書館で七海と辺古山が見つけた地図によると、やっぱここは海に囲まれていやがる」

    辺古山「いつのまに、私たちをこんな島へと運んだというのだろうな…私たちは確かに希望ヶ峰学園にいたはずなのに…」

    花村「希望ヶ峰学園といえば、ぼくらの見つけたあの場所も気になるよ…見た目は希望ヶ峰学園そのものだった…ただ、本当に遺跡って感じだったけどね」

    九頭龍「あの中には何かあるに違いねぇ…だが、入るにはパスコードが必要みたいだったな…」

    日向「新情報はあったものの…進展はなしか…モノクマはどうしてこの2の島を開放したんだろうな?」

    田中「逆に言えば…なぜ他の島を封印する必要がある?」

    罪木「こうして、私たちに島を巡らせることに何か意味があるのでしょうか?」







    モノクマ「うぷぷ…そんじゃあお答えしちゃおっかな?」

    終里「うお!?…いきなりびっくりした!?」



    突如俺たちの前にモノクマが現れた



    モノクマ「やあやあ…人数が足りないみたいだけど仲間割れかな?」

    七海「それよりも…何しに来たの?」

    モノクマ「あらら…質問に質問で返すとは感心しませんな」

    九頭龍「オイ、テメェはいつまでこんなこと続けるつもりだ!?」

    モノクマ「いつまでって…君たちがルールをクリアするまでだよ…現に卒業者はちゃんと出ているんだから、ボクが嘘をついていないことは証明されたはずだよ?」

  149. 193 : : 2015/01/27(火) 22:09:41

    日向「モノクマ…ソニアと十神は無事なんだろうな?」

    モノクマ「もちろん、大切な生徒にボクは危害を加えたりなんかしません…ちゃんとお守りしていますよ!!」

    辺古山「それで…結局、何をしにきたのだ?」

    モノクマ「うんうん…島が一部工事中だってこと伝えるの忘れてたからさ…もう2の島の準備は終わったんだけどね」

    七海「その準備のために私たちの行動範囲を制限しているってこと?」

    モノクマ「まぁね…こっちにもいろいろと段取りがあるものでね…そいでもって、これを渡しに来ました!!」

    日向「なんだこれ?」



    モノクマが俺たちに手渡したのは小型の機械だった。



    七海「おぉ!!?…これは!?」

    モノクマ「ゲーマーの七海さんがやっぱり一番に反応するんだね…そうこれは携帯ゲーム機です!!」

    田中「随分といにしえの匂いが漂っているな…」

    モノクマ「まぁね…これはゲーム○―イだからね!!」

    七海「まだまだ単三電池が4ついる時代だったんだよね」

    日向「七海…?」ガビーン!!

    左右田「こんなの渡して、オレらに何をさせたいんだよ?」

    終里「ゲームなんてやったことねぇぞ?」

    モノクマ「まぁまぁ…そういわずに遊んでみてよ!!」

    七海「これってソフトはなんなのかな?」

    モノクマ「ソフトはボクのオリジナルのゲームでございます!!…うぷぷ、徹夜してつくったんだからちゃんとクリアしてよね?」

  150. 194 : : 2015/01/27(火) 22:10:17

    七海「自作ゲームか…クソゲー臭がすごいなぁ…」ガッカリ…

    モノクマ「失礼だな!!…そういうのはやってみてからいってよ!!」

    日向「あれ…俺のだけカートリッジがないぞ?」

    モノクマ「ああ…日向クンのにソフト差しとくの忘れてたよ…お詫びにほら2つソフトをあげよう!!」

    日向「いや、もらっても…」

    七海「いいなぁ~、クソゲーとはいえ、日向くんだけ2つなんて」

    モノクマ「あのさぁ…クソゲーのレッテル貼るのやめてくんない?」

    弐大「それで、このゲームをワシらにクリアさせてどうしろというんじゃ?」

    モノクマ「それはクリアしてからのお楽しみだよ!!…うぷぷぷぷぷぷぷぷ」シュン!!



    そう言い残すとモノクマは去っていった。



    日向「とりあえず…みんな自室に戻ってやってみるか?…携帯ゲームってことは1人用みたいだし」

    九頭龍「確かにな…だが、ちょっと待て…オレが言うのもなんなんだがよ…まだ、終里、花村、罪木、田中の4人は日向との関係を詳しく聞いてなかったんじゃねぇか?」

    罪木「うぅ…あのときはすみませ~ん!!」

    九頭龍「別に責めちゃいねぇよ…話せないオレが言うのもなんだがよ…実際どうなんだ?」

    澪田「そういえば、そうっすね…いろいろと事件が続いたから、すっかり忘れてたっす」

    田中「俺様に関しては、左右田と九頭龍には少し話しておいた」

    左右田「簡潔にまとめると、日向のペットを通じて仲良くなったんだと」

    日向「ペット…?」

    田中「すまぬ…日向、俺様ともあろう者がやつの真名を忘れてしまうとは…いや、忘れたわけではない!!これはモノクマによる魔力が故だ!!」
  151. 195 : : 2015/01/27(火) 22:10:52

    日向「ペットって…ああ、あいつのことか」

    田中「そうだ…日向、おまえの魔獣の名前…なんといったか?」

    日向「ええっと…あいつの名前は…って、あれ!?」

    左右田「やっぱり、おまえも思い出せないってのか…」

    九頭龍「どうやらモノクマやモノミがなんかしやがったって説が有力みたいだな…だが、なんのためにだ…?」

    澪田「創ちゃんのペットの名前をそんなに知られたくないんすかねぇ」




    花村「まさか!!!好きな人の名前とか…!!!?」

    罪木「そ…そんな!!?」ガビーン!!

    澪田「なるほど…じゃあペットの名前はイブキっすねぇ!!…や~ん、唯吹、創ちゃんに飼われちゃってるなんてぇ!!」

    日向「あのなぁ…もしかしたら、ナギトって名前かもしれないだろ?」

    左右田「やっぱりそうくるのかよ!?…おまえも少しは自重しろっての!!」ガビーン!!



    九頭龍「ここにいるやつの名前とは限らねぇ…ただ、なんかあんのは間違いなさそうだな」

    花村「う~ん、気になるところだね…」

    辺古山「田中の話はもういいだろう…花村は確か日向がおまえの実家でバイトしていたそうだな」

    花村「まぁね~、ぼくの実家の小粋な料理店に日向クンがお客としてやってきたのさ!!…それで、その後日向くんが料理の味に惚れ込んで、バイトさせてほしいって言ってきたんだよね!!」

    日向「ああ、いきなり…あんなこと言っておまえのお母さんを困らせて申し訳なかったな」

    花村「そうだね…最初はなんて失礼なやつ…ってぼくも思ってたけど、今ではいい出会いだったと思っているよ!!」

    七海「けっこう、強引に事をすすめたんだね…」

    花村「日向くんってば…ほんと強引なんだから、もぅ!!」てる~ん!!
  152. 196 : : 2015/01/27(火) 22:11:19

    辺古山「なぜ、そこまでして花村の家でバイトしたかったのだ?」

    日向「料理の味に惚れ込んだってのもあるけど、俺もこんな料理をつくれるようになりたいって思ったんだよ…食べている間、ずっとそう考えていたよ」

    弐大「おまえさん、本当にいろいろとやっておるのぅ!!」

    日向「まぁな…ただ、やっぱり花村のように上手くはいかないし、俺の作れるものなんてたかがしれてるけどな」

    花村「そんなことないさ、ぼくは君の料理好きだよ…それに。簡単にぼくを越えられちゃ、ぼくの立つ瀬がないしね」

    終里「オレもおまえの料理は好きだぜ!」

    日向「ありがとな」

    罪木「なんだか…日向さん、少しだけ元気が出ましたね!!よかったです!!」

    日向「だとすると、弐大のおかげかな…」

    弐大「ワシはなんにもしとらん…おまえさんの心はおまえさん次第じゃからな!!」

    花村「そうか…よかった」





    左右田「…」

    九頭龍「?…左右田、おまえ…何そんな怖い顔してんだよ?」

    左右田「え!?…オレ、そんな怖い顔してたか?」

    終里「もとからじゃねぇの?」

    左右田「失礼だなテメーは!!」ガビーン!!

    終里「なんだと!!…やんのか!!」

    左右田「すみません」

    九頭龍「よえ~…」

    左右田「うっせうっせ!!終里に勝てるはずないだろ!!」
  153. 197 : : 2015/01/27(火) 22:12:01

    終里「おうよ!!…オレはつえーぞ!!」

    弐大「いいや、まだまだじゃな」

    終里「なんだよ、おっさん!?」

    弐大「ワシの見たところ…まだまだ鍛え方が足りんわい…おまえさんも天狗にならんような」

    終里「なんだよ…人のことを山の神みたいにいいやがって…」

    辺古山「天狗は知っているのに、比喩はわからないのか…」

    終里「ちぇ…おっさん、じゃあこの後またトレーニングしてくれよ!!約束どおりにな!!」

    弐大「おう!!…じゃが、そのまえに終里のことを聞いておこうかの?」

    終里「ああ…日向とのカンケーってやつか…つっても、弟の友達で何度か家に遊びに来たってことぐらいだぞ…他のやつみたいになんかすげー出会い方とかは特にしてねぇよ」

    左右田「実際…日向と関係のあるオレたちがどうして集められたのか…日向がどうしてこんなに超高校級であるオレたちとつながりがあるのか…わからないことだらけだな…」



    辺古山「そういえば…ソニアと十神は気づいたのだろうか…【日向の才能】か【モノクマの正体】に…」

    九頭龍「オレたちと完全に同じ条件とは言えないだろうが…こんなに短時間でわかるものだったのか?」

    七海「う~ん、私もなんでここにいるんだろう?」

    日向「そういえば、七海とだけは初対面だったんだよな」

    澪田「千秋ちゃんだけってのも、よく考えるとおかしいっすよね…」

    辺古山「裏切り者……いや、忘れてくれ…」

    罪木「辺古山さん!?…七海さんを疑うんですか!?」

    七海「疑われてもしょうがないよ…あからさまに私の存在って怪しいと思うしね」

    田中「ふぅむ…だが、こうも考えられるかもしれんな…我らは差はあれど記憶を奪われている…七海…貴様は日向と実は知り合いだったのではないか?」
  154. 198 : : 2015/01/27(火) 22:12:44

    七海「私が…日向くんと?」

    左右田「オレたちと違って、日向と関係があったこと自体を忘れてるってことか?そうするとなんでもありだな…」

    澪田「そもそも部分的に都合よく記憶喪失ってのがおかしいんすけどね」

    田中「まぁ、根拠はない…だが、ない話ではないと言っておこう」

    七海「う~ん、どうなんだろ…」

    左右田「んじゃ…いろいろな話が出たけど、最後に罪木にも聞いてみるか…日向との関係を」





    日向「罪木か…」

    罪木「その、ごめんなさい…もう少しだけ待っていただけませんか?少し話しづらくて…きっといつかちゃんとお話しますので」

    九頭龍「じゃ、今は無理に聞くのはナシだな…オレも小泉も西園寺も話せてねぇんだ…テメェーだけじゃねぇんだから、申し訳なさそうにすんなって」

    罪木「ごめんなさい、ありがとうございます…九頭龍さん」

    花村「九頭龍くんはイケメンだね!!」

    九頭龍「ちゃかすなっての」

    罪木「日向さんも…その…」

    日向「ああ、わかってる…俺も罪木がいいっていうまでは何も話さないさ」

    罪木「ありがとうございます…いつか話せるように…私も頑張ります」




    一通り話し終えると、俺たちはモノクマの持ってきたゲームをそれぞれプレイすることになった。
    ゲーム自体をやったことのないやつもいるので、七海といっしょにやるやつも少なくないようだ。

    俺は今日の弐大とのトレーニングもあって疲れたことだし、自室に戻って休んでからやろうと思い、みんなとわかれた。

  155. 202 : : 2015/02/07(土) 01:27:23

    ―日向のコテージ―


    日向「しかし、ゲームかぁ…」

    自室に戻ってきた俺はゲームを片手に思案していた。
    よくよく考えれば別にこのゲームはやらなくてもいいんじゃないかと…。

    ただ、タイミングよく開放された2の島には何の手がかりもなかった。
    今はこれを頼るしかないのだろう。

    日向「とりあえず…1つやってみるか」

    俺はカートリッジを1つ選んで起動させた。

    日向「こんなの久しぶりにやるなぁ」

    狛枝ともこんなふうにゲームをやったような気がする。

    日向「ちょっと待て!?…これって!!」


    俺は驚いた
    画面にはドット絵ではあるものの、よく見知った人物がいたからだ。


    俺は意を決してゲームを始めることにした。
  156. 203 : : 2015/02/07(土) 01:28:17


    【GAME START】

    王女は生まれたときから王女です。

    その人生すべてを国に捧げなければならない。

    自由も、時間も、あるいは命さえも…

    わたくしはそれが当たり前だと思っている。
    わたくしが王女である以上、その運命から逃れることはできないのだ。
    自分には国民に対して絶対の責任があるのですから。

    ですが、ときどきその運命に抗いたくなる時もあります。
    これはあこがれの日本に来たときのことでした。


    わたくしはボディガードの隙を盗んで逃げだしました。
    あこがれの日本を自由に歩きたかったからです。

    もちろん、最初にやったのはスペイン坂を走ることでした。

    何もかもが新鮮でした。
    このまま自由になれると思っていました。

    絶対にそんなことは起こりえないのに…。

    そうこうしているうちに1つの事件が起きました。

    夢中になっていたわたくしは、とある男の子とぶつかってしまったのです。

    わたくしの服は、彼の持っていたオレンジジュースで汚れてしまいました。

    彼はこっちが申し訳なるくらいに、謝ってくれました。

    わたくしの不注意だったので、もちろん彼は悪くありません。
    ですが、このままお別れしてしまうのはなんだかもったいない気がしました。

    そこで、わたくしは彼にこの町を案内してもらうことにしたのです。

    彼はまさに平凡な青年という印象でした。
    わたくしが日本語を話せるということにも驚いていて、どんなことにも表情がころころ変わっておもしろかったことを覚えています。

    まっすぐで裏表のない彼は、いろんなところにわたくしを連れて行ってくれました。
    とても楽しい時間でした。

    ふと、彼がわたくしがなぜ日本に来たのか尋ねてきました。
    わたくしは王女であることがばれてしまうのはまずいと思い、観光目的だと言いました。
    あながちウソではないはずです。

    それに、なんとなく彼にはわたくしが王女であることを知ってほしくなかったのです。
    その瞳を王女としてのわたくしではなく、何物でもないわたくしに向けてほしかったのです。

    やがて別れの時間が近づいて行きました。
  157. 204 : : 2015/02/07(土) 01:28:48

    「わたくしは…自由がないんです」

    「自由がない?」

    「わたくしは自分のしたいこと、やりたいことを考えてはいけないんです…わたくしには大勢の人間に対して責任があるから…逃げ場なんてどこにも存在しないんです」

    こんなことだけを言っても意味がわからないと思います。
    でも、わたくしはもう止まりませんでした。
    今まで抱え込んでいたものが…あふれてきてしまいました。

    「わたくしは…本当は普通でいたかった…そうでありたかった!!」

    彼は真剣な顔でわたくしを見つめていました

    「ソニアはずっと頑張ってきたんだな…偉いな」

    「そんなことありません!!いつだって逃げたくて、逃げたくてしょうがなかったんです!!わたくしは…とても弱いんです!!」

    「そんなことないと思うぞ…少なくともソニアは辛くてもずっと何かを続けてきたんだろう?…ソニアはさ、きっと自分よりも他人のために頑張れる人間なんだな」

    「え?」

    「ソニアはちょっと頑張りすぎたから、今は弱ってるけど…頑張ってきた自分を否定なんかしなくていいと思うぞ?」

    「それは違います!!わたくしは頑張って当たり前なんです!!だって、そうしなくちゃいけないんですから!!」

    「例えそうだとしても、誰かにとって当たり前のことだったとしても、おまえが今まで頑張ったのは当たり前のことじゃないと思う…そうやって、誰かのために頑張れるってことなかなか真似できないことだよ」

    「でも…!!」

    「だけど、そうやってずっと自分を犠牲にしていたら疲れると思うんだ…だから、もっと自分を大切にしないとな」

    そういうと彼は優しく笑いました。

    嬉しかった。
    そんなことを言ってもらえたのは初めてだったから。
    なんだか…とても救われた気がしました。

    彼自身は何気なく言った言葉だったのかもしれない。
    それでも、その言葉は深く胸に響きました。

    「あなたは…すごいですね…」

    「…俺はすごくなんかないよ…ただ、自分にも言い聞かせているだけだ」

    「自分にも?」

    「俺も…きっと誰かにそんなふうに言ってほしいんだよ」

    そのときの彼の顔はなぜか忘れられませんでした。
    彼は視線の先で何をとらえていたのでしょうか?

    ただ、彼も何かを背負っていきているのだと思いました。

    「あの…わたくしと友達になっていただけませんか?」

    「え?」

    「いや…ですか?」

    「…俺なんかでよければ」

    「ありがとうございます!!」

    大切な友達ができました。
    その日のことは忘れません。

    残念ながらわたくしはやはり自由ではありません。
    逃げ出したわたくしは捕まってしまい、今までよりも厳しい監視の中で暮らすようになりました。

    でも、それでも…わたくしはわたくしのしたいことを、やりたいことを諦めたくないと思いました。

    わたくしを褒めてくれた彼のことを…
    わたくしを褒めてくれた彼に再び会いに行くために…


    【GAME END】
  158. 205 : : 2015/02/07(土) 01:29:40

    そこでゲームは終わってしまったようだ。


    日向「やっぱり…これはソニアと俺の出会いの記憶だ!!…でも、俺が覚えていない部分も記されているみたいだな…ソニアは俺のことをこんなふうに感じてくれていたのか…」

    だがやはり、俺はこんなふうにソニアを励ました記憶を思い出すことはできなかった。
    画面の中にいた俺の姿をしたキャラクターは、まるで俺ではない別の何かに感じられた。

    日向「…というか、モノクマはこのゲームを俺にさせて何が目的なんだ?」

    そういえば…他のみんなのゲームはどんな内容だったんだろう?
    これと同じだったのだろうか…それとも…?






    そのとき俺のコテージのドアが勢いよく開かれた!!
    …と思ったらドアは粉々になっていた。

    日向「また、俺のコテージのドアがぁ!?」ガビーン!!



    終里「日向…」

    日向「終里…?おまえ、なんだよ!!…なんで俺のコテージのドアを壊すんだよ!?」

    終里「決闘だ!!」

    日向「は?」

    終里「いいから俺と決闘しやがれ!!」

    日向「なんだよ!!いきなり入ってきて…決闘とか意味がわからないぞ!!」

    終里「とにかく気やがれ!!オレのほうが強いってことをわからせてやるッ!!」

    日向「いったい、どういうことなんだよ!!」


    終里を話をする余裕もないのか強引に俺を連れ出そうとする。仕方なく俺もそれに従った。
  159. 206 : : 2015/02/14(土) 08:06:44

    ―チャンドラービーチ―

    終里「ここにしようぜ」

    日向「待ってくれ、意味がわからない!!なんで俺とおまえが戦わなくちゃいけないんだ!!」

    終里「思い出したからだよ」

    日向「思い出した?」

    終里「オレとおまえの関係さ!!」

    日向「俺と終里の関係?…それって俺はおまえの弟の友達で…おまえの家に何度かいったことがあるってことだろ?」

    終里「そうだ……けど忘れてたんだよ、オレはおまえに勝たなくちゃいけないってことをな!!」

    日向「本当に待ってくれよ!!…さっきから言っている意味がまるでわからないぞ!!」

    そのとき、俺の頭にあのゲームのことが浮かんだ。

    日向「モノクマの渡したあのゲーム…あれから何かがわかったのか!?」

    終里「ああ、そうだ…そして思い出したんだよ!!おまえがオレの倒すべき相手だってことがな!!」

    突然、終里はオレを殴ろうとしてきた!!

    日向「やめろよ…終里!!やめてくれ!!」

    かろうじて、俺は終里の攻撃を回避した。

    終里「やっぱり反応してくるのか!!…なら、これならどうだよッ!!」



    終里は今度はとび蹴りを食らわせようとしてくる。
    俺は逃げるように、終里から距離をとった。



    日向「頼むから待ってくれよ!!…俺がおまえの弟の友達だったってのは…嘘の記憶だとでもいうのか!!だったら、俺とおまえは本当はどんな関係なんだよ!?」

    終里「うるせぇ…オレは弱くない…!!オレは強いんだ!!おまえよりも誰よりもッ!!」




    俺の声はもう終里には届いていなかった。
    終里の目ははっきりと告げていた。


    俺を敵として倒すと…!!


    俺は混乱していた…。
    俺が覚えていた終里と俺の関係は嘘だった?
    本当の関係はこんな険悪だったってことなのか?



    日向「やめろ!!…やめてくれ!!」

    終里「なんでだよ…なんで拳すら届かないんだよぉ!!!」



    まるで自分を責めるように叫ぶ終里
    俺はただただ混乱するも…自然と体は動き、終里の攻撃から身を守っていた。




    終里「なんで…なんで届かねぇんだよぉおおおおおおお!!!」

    終里の悲痛な叫びがビーチに響いた。
  160. 207 : : 2015/02/14(土) 08:10:50

    ―少し前の時間 終里・七海・罪木・澪田―


    七海「終里さんってこういうゲームやったことある?」

    終里「ゲーム自体やったことねぇよ…そんな高価なもん触ったこともねぇっての」

    七海「みんなのソフトはそれぞれ違う内容みたいだね…パッケージが違うだけかもしんないけど……終里さんもやってみる?」

    終里「めんどくせぇからパスしたいんだけどな……オレは早くおっさんとトレーニングしたいし」

    七海「まぁ、いつやってもよさそうだし、むしろやらなくてもいいかもね…どうせクソゲーだろうし」

    澪田「まだ、言ってたんすか!?」ガビーン!!

    罪木「でも、私もゲームなんて初めてですよ……存在だけは知ってましたけど」

    七海「じゃあ、結構みんなやったことないんだね…私がやり方を教えるよ!!…と言ってもゲームごとにやり方は違うと思うんだけどね」

    終里「なんかこのボタンをピコピコすればいいんだろ?」

    七海「うん、でもまずは起動させないとね?」

    罪木「私、ちょっと楽しみです!!」



    七海「まず、終里さんのソフトをやってみようか?」

    終里「おう、そんじゃあ、頼むぜ!!」

    七海「う~ん?……格闘ゲームか何かかな…これ?」

    終里「格闘ゲームねぇ…誰と誰がバトるってんだ?」

    七海「え?このキャラクターって!!?」

    罪木「操作キャラクターは終里さんで、相手のキャラクターは…日向さんに似てますよ!?」

    七海「似てるってレベルじゃないね…名前も書いてあるし、本人のことを指していると思うよ?」

    澪田「どういうことなんすか?」

    終里「オレと日向が対決?ゲームだろうとオレが負けるわけねぇじゃねぇか!!」

    澪田「でも創ちゃんもいろいろとスポーツやってたんすよね?…これはわからないっすよぉ!!」

    罪木「あのぅ…あくまでゲームなので本人の能力は関係ないと思うのですが…」

    七海「とりあえず…まず私がやってみてもいいかな?」

    終里「おぅ!!…日向なんかに負けんなよ!!」
  161. 208 : : 2015/02/14(土) 08:15:09






    七海「…!!?」YOU LOSE!!

    罪木「な…何度やっても日向さんに勝てない!?」

    終里「オイ、七海マジメにやってんのかよ!!」

    七海「やってるよ……たぶん、初めからこれ勝たせる気がないんだよ!!」

    罪木「どういうことですかぁ!!?」

    七海「最初からゲームがそうできてるんだよ!!……ゲームにはたまにあるんだよ、どうあがいても勝てないボスとか……イベントバトルだから負けるのが正規ルートだったりする……とかね」

    澪田「でも、絶対に勝てないゲームなんてゲームとしてどうなんすか!?」

    終里「オイ……なんでだよ……なんでオレが日向に勝てないんだよッ!?」

    罪木「落ち着いてください、終里さん!!これはゲームなんですよ!?」





    終里「オレが日向に絶対に勝てない?」





    罪木「終里さん…どうしたんですか!?」

    終里「そうだ……オレは日向のやつに……!!」




    澪田「赤音ちゃん!!?…どこにいくんすか!!」

    七海「もしかして…このゲームのせいで!?」

    罪木「なんて足の速さ……もう、見失ってしまうなんて!?」

    七海「おそらく、日向くんのところだよ!!探しに行こう!!」

    澪田「わかったっす!!手分けして探すっす!!」
  162. 209 : : 2015/02/14(土) 08:19:18

    ―図書館入口―

    辺古山「ふむ、もう一度来てみたが…やはり何も見つからなかったか」

    澪田「ペコちゃん!!赤音ちゃん見なかったすか!?もしくは創ちゃん!!」

    辺古山「急にどうしたというのだ?」

    澪田「モノクマちゃんから渡されたゲームをみんなでやったら赤音ちゃんが血相変えてどこかに行っちゃって!!」

    辺古山「どういうことだ!?いったいそのゲームはどんなゲームだったんだ!?」

    澪田「赤音ちゃんと創ちゃんが出てくるんすけど、こっちが操作する赤音ちゃんが絶対に創ちゃんに勝てないんすよ!!」

    辺古山「それで終里は日向のところに行ったのか!?」

    澪田「たぶん間違いないっす……」

    辺古山「わかった!!何かある前にすぐ探すぞ!!」

    澪田「唯吹も他の場所にいってみるっす!!このままじゃやばい気がするっすよ!!もしかしたらあのゲームが原因で赤音ちゃんは創ちゃんに勝負挑みに行ったのかも!!」

    辺古山「だとしたら、なおさら止めないといけないな!!」

    澪田「そうっすよ!!このままじゃ創ちゃんがやられちゃうっすよ!!」

    辺古山「………とにかく、最悪の事態になるまえに2人を見つけるぞ!!」

    澪田「はい!!」

    辺古山(まさかとは思うが日向……おまえは、あのときのように……!!とにかく急がなくては!!)


  163. 210 : : 2015/02/14(土) 08:30:48

    終里「なんで…だよ…おまえは…なんなんだよ!!なんでオレはおまえに勝てないんだよ!!…あのときよりもオレは強くなったのにッ…!!」

    終里の攻撃はまるで嵐のようだった……
    だが、俺の体はまるで当然のように、それをかわしていた

    俺はただただ混乱していた

    この状況に……終里の豹変ぶりに……そして、不自然なほどに終里の攻撃を回避している自分自身に……






    終里「どんなに強くなっても強くなっても強くなっても強くなっても強くなっても強くなっても強くなっても強くなっても強くなっても強くなっても強くなっても強くなっても強くなってもッ……!!これでもまだ届かないっていうのかよぉ!!!!!!!」



    日向「終里……!?」

    終里「オレは…オレはぁあああああああああああ!!!!!」

    日向「終里…もうやめてくれよ!!」

    終里「オレは…何が何でも勝たないといけないんだよぉおおおおおおおおおお!!……そうじゃなきゃ、オレの意味がなくなっちまう!!」

    日向「何のことを言ってるんだよ!?オレはおまえと戦ったことなんかないぞ!!……第一、俺がおまえに勝てるはずないだろ!!」

    終里「じゃあ、今のこの状況はなんなんだよ!!どうしておまえはオレの攻撃が避けられるんだ!!」

    日向「そ、それは……」


    俺にもわからない……この状況はただただ異常でしかない



    終里「オレは…オレはぁあああああああああああああああああ!!!!!」



    終里の動きはもはや攻撃というよりも、暴走といった様子だった

    どうしてこんなことになるんだ!?
    いったい……何が起こっているっていうんだよ!?


  164. 211 : : 2015/02/14(土) 08:41:02





    狛枝「そこまでだよ」

    日向「狛枝!?」


    終里「狛枝!?なんでおまえがしゃしゃり出てくんだよォ!?」

    狛枝「さぁね……これ以上やっても意味がないって思うからかな」

    終里「意味ならあるッ!!オレはこいつに勝って自分が強いってことを証明するんだよ!!」

    狛枝「この場はいったんやめにしないかな?お互いのためにもね…?」

    日向「狛枝……?」


    終里「そんなの関係ねぇんだよッ!!オレはこいつに勝ちたいんだよ!!こいつに勝って、今度こそ……今度こそオレが強いって証明するんだよ!!」



    弐大「やめるんじゃ…終里!!」

    終里「弐大!?…弐大までオレの邪魔すんのかよッ!?」

    弐大「少し落ち着いたらどうじゃ!!今のおまえさんは明らかにおかしいぞ!!」

    終里「オレは気づいただけだ!!おかしくなんてねぇよ!!」



    辺古山「ここにいたのか!!」

    終里「次から次へとッ!!よってたかってオレの邪魔をしやがって!!」

    弐大「すまんのぅ!!終里!!」

    終里「うっ!?……ちくしょ……」


    終里は弐大に気絶させられた
    終里は砂浜に倒れこんだ

    砂浜には静寂が訪れた
    だが、俺の鼓動はいつまでもやんでくれなかった

    頭の中はぐちゃぐちゃだった



    狛枝「それじゃ、悪いけど終里さんのことは弐大クンたちに任せようかな?」

    日向「いったい何が起こってるんだよ!?」

    狛枝「君はいったんボクと一緒に来てくれないかな?」

    日向「だけど!?こんな状態の終里を放っておいていいのか!?」

    狛枝「どの道……今君にはどうにもできないよ」



    そう言って、弐大たちを残して狛枝は俺にここから離れるように促した。

    俺はそれに従いつつも、やはり終里のことが頭から離れなかった。


    あいつと俺の間にいったい何があったんだろう…?
    俺は考えれば考えるほどわけがわからなくなっていった。
  165. 212 : : 2015/03/27(金) 18:41:21

    ―狛枝のコテージ―

    狛枝「いらっしゃい、適当にかけてね」

    日向「あ…ああ」

    狛枝「あれ、いつもボクを親友だっていう君なら、もっと喜びそうなものだけどね…ボクのコテージに来たっていうのに」

    日向「そりゃあ嬉しいが、今は何よりも終里のことが気になるからな」

    狛枝「終里さんのことか…」

    日向「それにどういう風の吹きまわしなんだ?おまえは俺のこと避けてたじゃないか…」

    狛枝「その自覚があるのに、ボクに執着し続ける君はメンタルが強いのかなんなのか…」

    日向「いいから答えてくれよ…今も頭の中がぐちゃぐちゃなんだ」

    狛枝「そうだね…君に言っておきたいことがあるんだよ」

    日向「言っておきたいこと?」

    狛枝「ああ、さっきの終里さんを圧倒していた君の動きについてね」

    日向「狛枝…おまえ、さっきの俺について何か知ってるのか?」
  166. 213 : : 2015/03/27(金) 18:43:19

    狛枝「詳しくはわからない…けれど、一度だけ似たような状態の君を見たことがある」

    日向「過去にも俺はさっきみたいになったのか!?」

    狛枝「やっぱり覚えてはいないんだね…ボクらが何度目かに誘拐されたとき…君はさっきみたいに超人的な身体能力を発揮した…そのおかげでボクたちは誘拐犯から逃げることができたんだよ」

    日向「なんだって!?…まったく覚えていないぞ!?」

    狛枝「思えば、あのときの君は様子がおかしかったし、忘れるのも無理はないのかもしれないね…けれど、これを【才能】と呼んでもいいのかな?…もし、モノクマが言っている【君の才能】ってやつがこれなら、なんだか釈然としないのだけれど…」


    日向「【才能】っていうより、“火事場の馬鹿力”ってことか?」

    狛枝「まぁ、むしろ“窮鼠猫を噛む”かもね?」


    日向「狛枝はそれで納得してるのか?…いくら極限状態だったからといっても、あんなふうに終里の攻撃を全部避けるなんてできるのかよ?」


    狛枝「さぁ…わからないよ…誘拐犯から逃げたあと、君の身体能力は普通に戻ってしまったからね…元々そういう能力があったから出来たというよりも、一瞬だけ能力が飛躍的に上がったという現象だった…ボクはあれを【才能】と呼べるかどうかはわからない…いや、むしろそう呼びたくはないね」


    日向「やっぱりおまえも俺には【才能】がないって思っているんだな」

    狛枝「君だってそう思っているんでしょ?」

    日向「ああ…さっきみたいのは、【才能】って感じじゃない…まるで誰かに無理やりやらされているような感じだった…まるで俺が俺じゃないみたいな」



    狛枝「やっぱり君は”希望ヶ峰学園”にはくるべきじゃなかったんだろうね」

    日向「そんなの…俺だって自分の意志で来たわけじゃないさ…気づいたらこうなっていて」

    狛枝「そうだね、君にとっては忌々しい“希望ヶ峰学園”だ…最も君が来たくなかった場所だったはずなのにね」

    日向「最初はただ学校を間違えたと思っていたんだがな」

    狛枝「本当にそうなら…なおさら理解しがたいよ、この状況は…」
  167. 214 : : 2015/03/27(金) 18:48:09

    日向「狛枝…おまえは“希望ヶ峰学園”に選ばれて嬉しかったのか?」

    狛枝「愚問だよ…“希望ヶ峰学園”には才能ある人間しかいないんだからね!!」


    日向「本当にそうなのか…?」


    狛枝「どうして疑うのかな?…ボクはこの世は才能がすべてだと思っているし、才能を持った希望ある生徒が集まる“希望ヶ峰学園”はすばらしいところだと思っているよ!!」



    日向「変わったな…おまえ」



    狛枝「君だって変わったじゃないか日向クン?…“希望ヶ峰学園”に“才能”にあこがれていたのは君の方だったはずだ」

    日向「昔のおまえは“希望ヶ峰学園”や“才能”を嫌っていたはずだったのにな」


    狛枝「人は変わっていくものだよ…ボクたちもそうだっただけさ」

    日向「狛枝…だったらおまえは俺に【才能】がないから嫌いなのか?」

    狛枝「さぁ、どうだろうね…ボクがそれを話す必要なんてないよ、さぁ…ボクからの情報提供はこれで終わりだよ…せいぜい終里さんに気をつけてね、日向クン?」

    日向「俺を嫌っているわりには、なんでこのことをわざわざ教えてくれたんだ?」

    狛枝「さぁね…ただの気まぐれかな?」


    日向「そっか…ありがとな、やっぱりおまえは親友だよ」

    狛枝「どうして今の流れでそんな言葉が出るのかな…?」





    日向「おまえは、俺に【才能】があってもなくても、俺のことが嫌いなんだろ?…だからだよ」




    狛枝「それって、どういう意味?」

    日向「さぁな…俺も教えてやらないさ…それじゃあ、俺はもう行くよ、ありがとう」


    狛枝「どこにいくつもりだい?」

    日向「このまま放ってはおけないだろ?…終里のことをどうするか考えないとな、何よりあいつと何があったのか確かめたいんだ…じゃあな、狛枝」

    そういうと、日向クンはボクのコテージから出て行ってしまった

    狛枝「まったく、君は不可解だよ…いっつもね」
  168. 219 : : 2015/04/04(土) 18:24:56

    ―レストラン―

    辺古山「…というわけで、今は弐大が終里のそばにいる…日向は狛枝といっしょにいるようだ」

    澪田「そうっすか…けど、まさかゲームと同じ通りになるなんて…」

    七海「終里さんの才能は【超高校級の新体操部】だよね?…喧嘩の才能じゃなかったにしても、日向くんが勝てるものなの?」

    罪木「お二人にケガはないんですか!?」

    辺古山「そこは大丈夫のようだ…日向からは攻撃をしなかったようだし、終里の攻撃は日向に当たらなかったようだ…」

    澪田「創ちゃんが赤音ちゃんの攻撃を全部避けたってことっすか!?」

    辺古山「…日向の強さの理由についてはわからないが、私たちはこのゲームにはうかつ触れない方がいいだろうな」

    七海「確かに…これのせいで終里さんはおかしくなった…私たちにも何か仕掛けられている気がする…と思う」

    澪田「せっかくの脱出の手がかりかと思ったんすけどねぇ…」

    辺古山「ここにいる者たちはいいが…他の者たちにも伝えたほうがいいだろうな」

    七海「左右田くん、田中くん、花村くん、九頭龍くん、小泉さん、西園寺さんの6人かな…まだ終里さんのことを知らないのは…」

    辺古山「ああ…終里のやつは今は意識を失ってはいるが、何をするかはわからない…こんな扱い方はしたくないが、私も終里のそばにいることにする…おまえたちは他の者たちへの連絡を頼む」

    罪木「はい、わかりました…けど、日向さんは大丈夫でしょうか…」

    辺古山「そうだな…あいつも自分が終里に勝つとは夢にも思わなかったそうだ…あいつのことも心配だが、今は終里のことが優先だな」

    罪木「日向さんにも会えたら、ゲームのこととか伝えておきます!」

    辺古山「弐大には私の方から言っておくとしよう…それでは、そっちのことは頼んだ!!」




    七海「私たちもみんなを探そうか?」

    罪木「そうですね」

    澪田「また、手分けしてみんなを探すっす!!」
  169. 220 : : 2015/04/04(土) 18:27:20

    ―ビーチハウス―

    弐大「待つんじゃ!!終里!!」

    終里「うるせぇ!!日向のやつを探して、今度こそオレが勝つんだ!!」

    弐大「なぜじゃ…なぜそんなにも日向に固執する!?」

    終里「弐大…あいつはおまえが思っているほど、普通のやつじゃねぇんだよ…見ただろあの強さ…あれが本当に【才能】がない人間なのかよ!?」

    弐大「モノクマの話では日向には【才能】があるといっていたが…もしや、あれが!?」

    終里「さぁな…どっちにしろ、前に戦った時よりも強くなっていやがったのは確かだ!!」

    弐大「今のおまえさんじゃどの道日向には勝てんじゃろう…少し頭を冷やしたらどうじゃ?」

    終里「弐大…おまえどっちの味方なんだよ!?」

    弐大「なんの話じゃ?」

    終里「弐大は日向のやつもトレーニングしてやったんだろ?…これからもそうするのか?」


    弐大「それは…あいつと約束したからな…あいつの【才能】を見つけてやると…」

    終里「そうか…なら、オレのトレーニングはもういい…」



    弐大「終里…!?何をいっているんじゃ!?」

    終里「うるせぇな!!おっさんにはわかんねぇよ!!オレから強さをとったら何が残るんだよ!?…あいつはオレより強い!!だから…ぜってぇーに勝つんだよ!!」


    弐大「何を言っているんじゃ!?…おまえさんには強さ以外にもいいところがたくさんあるぞ!!おまえさんはその強さを求めるためにずっと頑張ってきたんじゃろう!?…それだけの努力をしたってことは誇れることじゃ!!」


    終里「その努力がなんになるんだよ!?…結局あいつには届かなかったじゃねぇか…拳一つさえ…」

    弐大「終里…ワシはあいつとトレーニングをしたが、日向の動きはあのときとまったく違っておった…あの日向の動きはおそらく…本来の日向の動きではない!!何かが…何かがおかしいんじゃよ!!」

    終里「だから…なんだって言うんだよ!?…オレが負けたってことには変わりないだろ!?」


    弐大「終里!!やめんか!!」



    終里「もういい…おっさんの方が正しくて、オレの方が間違ってるのは…なんとなくわかってるんだよ…けど、この気持ちだけはどうにもなんねーんだよッ!!」

    弐大「終里!!理由を話してみろ…今のおまえさんは駄々をこねているだけじゃ!!」

    終里「それでも…オレが生きている意味をオレは取り戻さなきゃならないんだよ!!」ダダッ!!

    弐大「待て!!終里!!」







    九頭龍「待ちな!!」

    弐大「九頭龍!?…なんじゃ、後にしてくれんか!?終里の奴を追わなくちゃいけないんじゃ!!!」


    九頭龍「終里のことならひとまず大丈夫だ…辺古山のやつがいれば止められるだろう」

    弐大「じゃが…ワシにだって責任がある…ワシは終里と日向のマネージャーじゃ!!…その2人があんなことになってしまったんじゃ…ワシはどっちの味方でもある!!どっちも助けなくちゃいけないんじゃ!!」

    九頭龍「だからって…このままじゃ何も変わらないぜ…日向も終里も…おまえもな…」

    弐大「どういう意味じゃ?」

    九頭龍「日向は【才能】を…終里は【強さ】を求めている…おまえはそのサポートをしているが、なぜあの2人がそこまでそれに固執するかはわかっていないだろ?…このままただ突き進んでも何も変わんないぜ?」

    弐大「なら、おまえさんは知っているというのか?」




    九頭龍「日向の方ははっきりとはわからねぇが、なんとなくはわかる程度だ…だが、終里の方ならはっきりとわかる」

    弐大「なんじゃと!?」


    九頭龍「ここまで来た以上…オレも黙っているだけじゃいけないってことだな…終里があそこまで自分の【強さ】に固執した原因…元をただせばオレたちに原因があるんだよ」
  170. 221 : : 2015/04/04(土) 18:31:28


    ―遺跡前―

    終里「ちっ…あのヤロー…どこにいるんだよ!?」

    モノクマ「うぷぷぷぷぷ…終里さん…誰をお探しかな?」

    終里「テメェー、モノクマ!!今、オレは忙しいんだ!!邪魔すんじゃねぇ!!」

    モノクマ「日向クンとまた勝負するのかな?…無理だよ、君勝てっこないよ?」

    終里「確かに、オレの拳ひとつさえあいつには届かなかった…だが、オレはやるしかないんだよ!!あいつに勝たなきゃ…オレは弱いままだ…」

    モノクマ「そうだね…だって君は日向クンよりも誰よりも弱いもんね…」

    終里「なんだとッ!?…日向や弐大なんかはともかく…オレが誰よりも弱いだとッ!?」


    モノクマ「だって…弱いじゃん…今の君は捨て身になっているだけだもん…」

    終里「なんだとッ!?」






    モノクマ「自分が弱いって認められないなんて…君はなんて弱いんだろーね?」

    終里「オレが…弱い…だとッ!?」







    モノクマ「そうだよ…キミは日向クンよりも弱いんじゃない…自分の【弱さ】を認められないだけなんだよ…!!だから…そんなキミが仮に日向クンに勝ったとしても、強くなったわけじゃないよ?…君は弱いまんまだよ…ずっとね!!」

    終里「そんなはずないだろッ!?オレが弱いはず…ない…」


    モノクマ「うぷぷぷぷぷぷぷ…君は【強く】なりたいの?…それとも【弱い】自分から逃げ出したいの?」

    終里「オ…オレは…そ、そんなんじゃ…」
  171. 222 : : 2015/04/04(土) 18:32:48







    辺古山「そこまでだ…モノクマ!!」

    モノクマ「あらら…お早い登場だね」

    辺古山「まったく、どの口がそれを言うんだ…」

    終里「辺古山!?…おまえもオレを止めに来たのか!?」

    辺古山「そういうことだ…モノクマ…ここからは私の出番と言うことなのだろう?」

    モノクマ「なんのことでしょう?ボクにはさっぱりわかりませんね?」


    辺古山「本当にしらじらしいやつだ…ここは私に譲ってもらおう…おまえはここから去ることだな…」

    モノクマ「はいはい…もぅ、冗談通じないやつは怖いんだからなぁ…もぅ」シュン!!





    辺古山「やっといなくなったか…」

    終里「また、オレの邪魔をすんのかよ…!!どいつもこいつも!!」

    辺古山「少しおまえと話をしたいと思っていてな…」

    終里「オレはあいつを探さなきゃいけないんだよ!!そこをどけっ!!」

    辺古山「私が…おまえの家に来た借金取りと関係があるといってもか?」

    終里「なんだとッ!?」

    辺古山「おまえは知らなかっただろうが…おまえの親は“九頭龍組”と関係のある者から借金をしていたのだ…」

    終里「九頭龍…だとッ!?なんであいつの名前がここで出てくる!?」

    辺古山「関係ならあるさ…私と…そして日向にはな」






    ―ビーチハウス―

    九頭龍「日向は九頭龍組に所属していた時期があるんだよ」

    弐大「なんじゃって…!?もしや、それが隠していた日向とおまえさんの関係なのか!?」


    九頭龍「その通りだ…元をただせば…終里のやつを追い詰めたのは“九頭龍組”に他ならない…終里のやつは父親も母親もすぐに離婚や蒸発をしちまうようなやつらばっかりだった…そのろくでもない父親と母親の中に九頭龍組に借金をしたやつがいたんだよ」


    弐大「じゃが…なんでその話に日向が関わってくる!?あいつは関係ないじゃろ!?」


    九頭龍「もっとも、借金したのは“九頭龍組”の名を借りてそこらじゅうで勝手に金貸しの真似をしていたような末端のやつだった…だが、実際に“九頭龍組”の中枢が関与していなかったとしても、“おとしまえ”はつけなくちゃならねぇ…」


    弐大「じゃから…なんでそこで日向が関係してくるんじゃ!?」

    九頭龍「九頭龍組のボス…つまりオレの親父が命じたのさ…終里の元に借金を回収しに行けってな…それを命じられたのが…」

  172. 223 : : 2015/04/04(土) 18:35:47

    ―遺跡前―

    辺古山「おまえの元に来た借金取り…そいつの名前はいうまでもないだろう?」

    終里「日向だ!!」ギリッ…

    辺古山「そう…あいつは私たち“九頭龍組”の差し金だったのだ…おまえの家から借金を徴収するためのな」



    終里「テメェーと九頭龍と日向…そんなつながりがあったとはな…!!」

    辺古山「だが、日向はおまえから借金を徴収しなかった…日向はおまえの弟と仲良くなり、おまえの家で寝食を共にするまでになった…」


    終里「ああ…そうだ…あいつは初めからオレたちを騙してたんだよッ!!」

    辺古山「結果的にそうなってしまったな…すまないと思っている」

    終里「オレはなぜかそのことを忘れていた…だが、今はもうそれを思い出した!!オレはあいつを倒すべき相手だったってことをな!!」





    ―ビーチハウス―

    弐大「あいつが借金取りじゃった…あいつが終里を騙したから…終里の奴はあんなにも日向のことを憎んでいるのか…」

    九頭龍「いや、そうじゃない…日向はむしろオレたちの組の敵にまわった…あいつは終里たちを逃がすために九頭龍組と戦ったんだよ!!」



    弐大「なんじゃって!?…なおさらわからんぞ!?…守られた終里がなおさら日向を敵視する理由はないはずじゃろ!?」

    九頭龍「守られたからだよ…」

    弐大「え?」









    ―遺跡前―

    辺古山「皮肉なものだな…自分の任務を放棄し、九頭龍組を敵にまわしてさえ、おまえたち家族を守ったのに…おまえは日向を恨むのだな…」

    終里「ああ、そうだ…オレは間違っている!!…オレたち家族は日向に守られた…けど、オレが本来家族を守らなくちゃいけなかったんだよッ!!」

    辺古山「なんだ…自分でもそれが間違っていることはわかっているのか…」




    終里「オレは弟や妹を守るためにどんなことでもした…けれど、襲ってきた連中にまったく歯が立たなかった…そんな連中を日向は簡単に倒しちまったんだよッ!!」

    辺古山「おまえたちを襲ったのは“九頭龍組”の末端の者たちだ…あいつらを野放しにさせていたこと…我々にも責任がある」






    終里「あの時…オレがあいつらを守れなかった時…弟や妹たちのオレを見る目が変わったんだよ…弟や妹たちはオレだけじゃ自分たちを守りきれないと悟ったんだよ!!…日向はオレたちを守ってくれた…でも、あいつよりも強くなきゃ…家族にとってオレの意味なんてないんだよ!!」





    辺古山「弟や妹がおまえにそう言ったのか?おまえが意味のない存在だと…!!」




    終里「言われなくてもわかるんだよ…弱いオレはあいつらにとっていらないんだよッ!!…あいつらは何も言わないけど、オレはあいつらに認めてもらわなくちゃいけないだよ!!オレが強いってな!!もう、あいつらがおびえなくていいように!!オレが一番強いって証明しなくちゃいけないんだよッ!!」





    辺古山「本当に救いようのないバカだな…おまえは…」

    終里「なんだとッ!?」


    辺古山「おまえが強くても弱くても家族は家族だろう!!…だから、おまえの家族はおまえと一緒にいたんだろう!!…おまえの存在意義は【強さ】だけかっ!?…違うだろう!!おまえが家族を守りたいと願っていたように…家族だっておまえを守りたいと思っているはずだ!!」




    終里「おまえに…何がわかるッ!!」

    辺古山「わかるさ…私もそうだったからな…!!」

    終里「何…!?」



    辺古山「自分の存在はあの人を守るためのものでしかないと思っていた…自分はそのための【道具】でしかないと思っていた…」

    終里「【道具】だとっ!?」

    辺古山「おまえは…家族にとって…ただの【道具】なのか?…強いだけが価値の【道具】なのか!?」




    終里「オレは…オレはああああああああああああ!!!!」

    辺古山「ぶつけてこい…おまえの気持ちを!!…来い!!」
  173. 224 : : 2015/04/04(土) 18:37:23

    ―ビーチハウス―



    九頭龍「日向にとっては終里を守るための行動だった…だが、それは結果的に終里のトラウマになっちまったんだ…終里はショックから事件のことだけをすっかり忘れちまった…だが、その心に傷は残っていた…そして、あいつは強さに固執するようになったんだ…」


    弐大「“九頭龍組”が関係していることはわかった…じゃが、なんでそこまでおまえさんたちは終里のことに詳しいんじゃ?」



    九頭龍「今の日向は忘れちまってると思うが、あいつ自身が終里の弟たちに終里の様子を確かめたらしい…事件のことは忘れても終里のトラウマは深かった…家族がどんなに言っても自分の強さを求めることにしか目がいかなくなったんだよ…あれ以来どんなに危ない目にあってもあいつは家族の前で強さを証明しようとしつづけたらしい…」




    弐大「終里の執拗に強さを求める理由は…自分でも閉じ込めていた…日向に守られて何もできなかった自分の記憶から来ていたというのか…」


    九頭龍「終里は【超高校級】に認められて、生活も楽になった…けれど、終里にとってあの事件はそれだけ心に傷を残したんだよ!!…これは末端とはいえ組織を管理しきれていなかったオレたちの責任だ…」



    弐大「そこまでわかっていて…今までどうすることも出来なかったのか?」



    九頭龍「もちろん、オレたちだって手は尽くそうとしたさ…だが、結局はオレも日向も加害者側だ…陰ながら終里を支援しようとはした…けど、変わらなかったんだよ」


    九頭龍「あいつは事件のことを忘れているし、日向はあの事件のせいで九頭龍組にいられなくなったし…日向が組を抜けてからも、オレと日向が関係を持っているがばれて、強制的にオレ達は引きはがされた…終里のこともうやむやになって、オレ達の関係は途絶えてしまった…はずだった」



    弐大「その後…この島でその事件の関係者が集結したと…」

    九頭龍「どんな運命だと思ったぜ…オレに日向に終里…全員が希望ヶ峰学園に来るなんてな…だが、こうなった以上、あいつとのことを解決するチャンスだと思った…きっかけもあったしな…」




    弐大「きっかけ?」

    九頭龍「モノクマからもらったゲームだ…内容は、今オレが説明した一連の事件のことだった…モノクマにはオレ達の関係なんてお見通しってことらしいな」



    弐大「そうじゃったのか…」

    九頭龍「今、辺古山のやつが終里にあってるはずだ…」

    弐大「さっきも気になっておったが、なぜ辺古山のやつが?」





    九頭龍「あいつも…“九頭龍組”なのさ…そしてずっと、終里のことを陰から支えようとしていた…日向が九頭龍組から追放されてからもずっとな…」



  174. 225 : : 2015/04/04(土) 18:40:53

    ―遺跡前―

    終里「ちっ…こっちは素手なのに…竹刀は卑怯じゃねぇか!!」

    辺古山「私は剣道家だ…竹刀を使うのは当然だろう…」

    終里「素手でも勝ってやるよ!!」ブンッ!!

    辺古山「素早いな…!?足元を狙うとは…!!」



    終里「へへ…どうだ!!」

    辺古山「おまえは十分強い…竹刀とはいえ、私とここまでやりあえるやつなど、そうはいないぞ」

    終里「それでも…まだ足りないんだよ!!」

    辺古山「終里…強さとはなんだと思う?」

    終里「なんだよ急に…強さってのは誰よりも強いってことだろッ!?」

    辺古山「違うな…真の強さとは“心”にあると思っている」

    終里「“心”だとッ!?」




    辺古山「その通りだ…私も以前はおまえのようだった…誰よりも力があればいいと思っていた…だが、それだけでは駄目なんだよ…」


    終里「何がだよ!?…強ければみんなを守れるじゃねぇか!!」

    辺古山「それでは誰かを傷つけるだけだ…それは本当に強いことにはならない…ただ、外敵を遠ざけているだけでは強くはなれない」

    終里「じゃあ、オレの心は弱いってことなのかよ!?…だからオレは弱いっていうのか!?」

    辺古山「違うな…むしろおまえの心は強い、羨ましいくらいにな…ただ、おまえは強さが何かをはき違えているだけだ…」

    終里「何!?」





    辺古山「おまえはずっと誰よりも強くなることが強いことだと思っていた…己の中の本当の強さを見失っていた…だが、おまえは誰よりも守りきったではないか…おまえの家族を!!」



    終里「何いってんだ…あいつらを守ったのは日向だ!!オレは守れてなんかいやしない!!」



    辺古山「それはあの瞬間においてだけだ!!…そのあとたった一人で家族を支え続け、【超高校級の才能】のおかげで安定した暮らしができるようになるまで頑張ってきたのは他ならぬおまえのことだ!!…おまえの心は弱くない…決して折れてなんかいない!!…おまえはただ自分の中の強さを見失っていただけなんだ!!」



    終里「けど、それでも…オレは日向に勝ったことにならない…オレは弱いままじゃねぇか!!」


    辺古山「私は羨ましい…おまえはたった一人でも家族を守れるだけの【強さ】がある…【道具】としてしかあの人を守ることのできなかった私では到底敵わない強さだ…」


    終里「家族を守るのは当然のことだろ!?…そんなの強いって言わねぇぞ!!」

  175. 226 : : 2015/04/04(土) 18:46:34



    辺古山「私は…捨て子だ…私には本当の意味での家族は存在しない…」



    終里「え…」




    辺古山「私の家族は私を捨てたのだ…そして、私は“九頭龍組”に拾われた…家族を守ることが当然のことだとッ…!?それがどれほど大変なことだと自分でわかっているのかッ!!……おまえは他の誰にもできないことをずっと続けてきたんだ…!!そんなおまえが弱いはずないだろう!!」




    終里「…あ…あぁ…あ…」




    辺古山「おまえは強くない自分に価値がないとさえ感じていた…私もそうだった…あの人を守れない自分に価値なんてないと…そう教えられてきたはずだった…」




    終里「あ…う…うぁ」ポロポロ…




    辺古山「だけど…それは違ったんだ!!…私がそばにいるだけで…あの人にとって支えとなれていたんだ…!!そして、あの人がそばにいることが私にとっての支えでもある…!!」




    終里「あ…う…うぁ」ポロポロ…




    辺古山「おまえに弱さがあるとしたら…自分の強さを自分で認められないことだ!!!!…何度でも言う!!おまえは強い!!おまえはここにいる誰よりも強い存在だ!!」





    終里「違う…オレは泣いてない…!!泣くのは弱い奴のすることだ…」ポロポロ…




    辺古山「今は泣け…自分の弱い部分を他人に見せられるのも…強さだ…」




    終里「う…う…」




    うわあああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!





    辺古山「辛かったな…すまなかった…終里」







    自分がなんで泣いているのかわからなかった…
    ただ…辺古山がオレを抱きしめてくれて…オレは…なんかどうでもよくなって…温かった


    ああ、そうかオレが本当に欲しかったのは強さじゃないんだ…ずっと…これが…欲しかったんだ…

  176. 229 : : 2015/04/15(水) 19:02:08

    ―ビーチハウス―


    弐大「のう…九頭龍」

    九頭龍「なんだ?」

    弐大「終里とおまえさんたちの関係はわかった…しかし、なぜ日向は“九頭龍組”に入ったんじゃ?」


    九頭龍「当然の疑問だな…だが、悪いがそれは話せない…それに、それを含めて日向が“九頭龍組”にいたことは秘密にしておいてもらいたい」


    弐大「聞いてはいけないことじゃったか?」


    九頭龍「ああ、すまないが、まだ全部話すわけにはいかないんだよ…日向のやつがどれだけこのことを覚えているかわからないが、あいつの意見もちゃんと聞きたいんだよ…今回の終里の件はオレと辺古山だけで進めちまったからな」


    弐大「なら…なぜワシのところに先にきたんじゃ?」


    九頭龍「先に終里を探していたら、おまえに会ったのさ…終里は弐大と一緒にいるとは聞いていた…それに終里のことは辺古山本人がなんとかしたいって言っていたからな」


    弐大「そうじゃったのか…それならば、この件を秘密にするのはかまわん…じゃが、おまえさんの知る日向が才能に固執する理由…なんとなくでも知っているならそちらは聞いてはいけないか?」



    九頭龍「前に言っていた…あいつは自分に【才能】がなくちゃいけないってな」


    弐大「自分に【才能】がなくてはいけないじゃと?」


    九頭龍「その言葉の本当の意味はわからない…その言葉を聞いたときはオレは単にあいつが【才能】や特別を求めている程度に思っていた…だが、この島に来てあの【才能】に対する執着心は異常だと感じたな」


    弐大「ワシはあいつと約束をした…必ずあいつの才能を一緒に見つけてやるとな…ワシも最初はあいつに才能があるかどうかはわからなかった…少なくとも【超高校級のバスケ選手】ではなかったからな」


    弐大「じゃが、あいつの熱意は本物じゃ!!…例えそれが異常だったとしてもワシはあいつの力になりたいと思っておる」





    九頭龍「それもいいかもしれない…一緒に探してやるのもな…だが、止めてやるのもひとつの選択肢だ」

    弐大「なぜ止める必要がある?」


    九頭龍「あいつは今までの人生でどれだけ【才能】を求めてきたと思う?剣道にバスケ…あいつがいろいろやってたのはおそらく自分の【才能】を見つけたかったからだ…そんなあいつは最終的に希望ヶ峰学園を【才能】を諦めたんだ…この意味がわかるか?」


    弐大「あいつは何度も挫折してきた…そして、その結果普通を望んだ…ということか」




    九頭龍「もちろん…完全には諦めきれてなかった…だからこそ、おまえと約束したんだろうな」

    九頭龍「……けど、また見つからなかったらどうするんだ?…あいつは自分にはやっぱり何もないって思っちまうんじゃねぇのか?」




    弐大「じゃが、九頭龍…なら終里と戦ったあの日向の動きはなんじゃ?…それに“九頭龍組”を退けるくらい日向は強いんじゃろう?」

    九頭龍「だが、日向のやつは常に強いわけじゃないんだよ…基本的には日向はそこまで強くない、あんな常軌を逸脱した動きを見せるたのは本当に何度かだけだったんだ」



    弐大「自分では意識的にはできない動きというわけか」


    九頭龍「オレはこれを【才能】と呼んでいいのかわからない…いや、これはむしろ…」
  177. 230 : : 2015/04/15(水) 19:07:28


    弐大「むしろ…?」

    九頭龍「いや、今はやめておく…それにモノクマがオレたちに何もいってこない以上…これがモノクマの言う【日向の才能】じゃないんだろうな…オレたちをわざわざ【特別ルール】なんてもので縛ってるんだ…こんな簡単に露呈するわけないだろ」


    弐大「そうか…」


    九頭龍「日向は今戸惑っているはずだ…自分がいったいなんなのかってな…だからこそ、弐大…テメェーもあいつのマネージャーを続けるなら、そのへんはよく考えておいた方がいいだろう」




    弐大「そうじゃな…ワシはおまえさんの言う通り、あいつらの心まで支えてやる覚悟ができていなかった…じゃが、ワシの心は変わらん!!日向のことも終里のこともワシが面倒を見てやるわい!!覚悟完了じゃ!!!」


    九頭龍「ああ…オレもあいつらのことをなんとかしてやりたい…ありがとな、弐大」


    弐大「おう!!」




    九頭龍「ところで、弐大…おまえはモノクマから渡されたゲームはやったのか?」

    弐大「いや、ワシはゲームを普段やらないしのぅ…後回しにしておったわい」

    九頭龍「終里のこともある…うかつにあれをやらないほうがいいかもしれないな」

    弐大「おまえさんはもうやってしまったのじゃろう?…終里の件じゃったよな?」


    九頭龍「オレはセーフだったかもしれねぇが、他にどんなことを引き起こすかわかったもんじゃないからな…少なくともモノクマはオレたちのこと知り尽くしていると見ていいだろうな」


    弐大「うむ…そうじゃな、他の者ににも伝えておいた方がいいじゃろう」

    九頭龍「ああ、そうだな」



    九頭龍(もっとも、オレのもらったゲームの内容は終里のことじゃなかったんだけどな……オレたちのやるべきことはまだ終わっちゃいない…そうだよな、日向?)
  178. 233 : : 2015/04/21(火) 18:10:53


    ―ジャバウォック公園―


    澪田「あっ、真昼ちゃん!!」

    小泉「唯吹ちゃん?どうしたの?」


    澪田「真昼ちゃん、モノクマからゲームを渡されなかったっすか?」

    小泉「渡されたけど、それがどうしたの?」


    澪田「あれはやっちゃダメなやつみたいなんすよ!!あれをやったら赤音ちゃんおかしくなっちゃって、創ちゃんと決闘するって言いだして…」


    小泉「はっ!?赤音ちゃんと日向がなんで決闘することになるのよ?」


    澪田「よくわかんないっす、決闘自体は猫丸ちゃんやペコちゃんや凪斗ちゃんがとめてくれたんすけどね」


    小泉「……そうだったの……それで、とにかくゲームをやらなければいいってことなのね?」


    澪田「そうっす!!唯吹もやらないようにするので、お願いするっす!!」

    小泉「2の島にきて唯一の手掛かりだったんだけどね……まぁ、わかったわ……ところでさ?」

    澪田「なんすか?」






    小泉「アタシたちって……前にどこかで出会ったことない?」





    澪田「え?いや、真昼ちゃんとは初対面のはずっすけど……?」


    小泉「なんかひっかかるのよね、だって唯吹ちゃんはアタシのこと日向から聞いてたみたいのに、それを覚えてないって言うし…」

    澪田「そうなんすよね……でも、はっきりとは覚えてないんすよ」


    小泉「それに、日向のやつさ……バンドって本気なの?」


    澪田「本気っすよ!!」

    小泉「あいつに音楽の【才能】なんてないと思うんだけど……」
  179. 234 : : 2015/04/21(火) 18:12:05

    澪田「確かにそうかもしれないっすね…でも…」

    小泉「でも?」

    澪田「唯吹は創ちゃんと一緒に音楽を楽しむのが目的っす……唯吹に【才能】があるからやってるわけじゃなくって、やりたいから一緒にやろうって、そう考えてるから」


    小泉「……そう」


    澪田「【才能】があるからとか、【実績】があるからとかでやらされてる音楽なんて辛いだけっす……唯吹も創ちゃんもやりたいようにやるだけっす……お手本を真似したり、誰かから強制されたりしたわけじゃない……これは唯吹たちの音楽っすからね」




    小泉「……羨ましいわね」

    澪田「真昼ちゃん?」

    小泉「……なんでもないわ……今のは忘れて」

    澪田「まぁ、真昼ちゃんがそういうなら、そうするっすけど……」




    小泉「とにかく、ゲームの件はわかったわ、ありがとう」

    澪田「もし、日寄子ちゃんが知らなかったら、このことを伝えておいてくださいっす!」

    小泉「わかったわ」

    澪田「それじゃあ、唯吹は他のみんなにも伝えてくるっす!バイバイっす!!」ビュン!!

    澪田「キーーーン!!!!」ビューン!!






    小泉「行っちゃったか……それにしても、すごい走り方ね」


    小泉「……羨ましいか……どの口が言うってのよね、ホントにさ……」
  180. 235 : : 2015/04/21(火) 18:15:35

    ―遺跡前―


    辺古山「落ち着いたか?」

    終里「うぅ……ほんと、みっともないとこ見せちまったな」

    辺古山「かまわないさ……私たちにも責任がある」



    終里「そんなことねーよ、結局はオレが一人で抱え込んで苦しんでただけのことだった……日向はオレたちを守ってくれただけだったのに……オレは自分の弱い部分を認めることが怖かったんだ」



    辺古山「弱い部分は誰しもある……それでもみんなそれを受け入れて、強いふりをして生きて行かなくちゃならない……だが、弱いことを誰かに見せられることも強さだ……そうやって支え合っていくのがきっと家族なんだろう」



    終里「そうだな……あいつらに、家族に心配かけたくなくて、がむしゃらに強くなろうとしていた……けど、オレはあいつらのことを見ているようでちゃんと見ていなかったんだな」



    辺古山「これからやっていけばいい……まだまだ時間はあるからな」


    終里「そうだな……とにかく、まずは日向や弐大のやつに謝らなくちゃな」






    日向「終里……ここにいたのか!!」

    終里「日向!?」

    辺古山「噂をすればというやつだな」




    日向「終里、もう大丈夫なのか?」


    終里「ああ、辺古山のおかげでな……悪かった、日向!!急にあんな乱暴なマネしちまって!!」


    日向「確かに驚いたけど、もう大丈夫だよ……それよりも、いったいどうして俺と戦うなんていったんだ?」


    終里「日向……おまえはあの日のことを覚えてるか?」


    日向「あの日?」


    終里「“九頭龍組”が……オレの家に来たときのことだ」

  181. 236 : : 2015/04/21(火) 18:17:10


    日向「え……なんのことだ?」



    終里「おまえ、覚えてないのか!?」


    日向「そもそもなんでそこで九頭龍の名前が出てくるんだよ?」


    辺古山「日向おまえ、自分が“九頭龍組”に所属していたことを覚えていないのか!?」


    日向「ちょっと待て…俺が“九頭龍組”に所属してたって……なんの話だよ!?」


    辺古山「ちょっと待ってくれ!?それなら、なぜおまえは坊ちゃんに、“九頭龍組”との関係を口止めしてもらっていることを知っていたんだ!?それじゃあ、つじつまが合わないぞ!?」


    日向「そ、それは……」





    ぐらっ……






    終里「おい!!日向、しっかりしろ!?」

    辺古山「日向!?大丈夫か!?」




    あれ、俺もしかして倒れているのか?

    やばい、意識が…………


  182. 237 : : 2015/04/21(火) 18:23:40

    ―日向のコテージ―


    日向「あれ…?俺どうなって?」

    七海「気がついたみたいだね……?大丈夫?」

    日向「七海か……ここは俺のコテージか……」


    七海「終里さんと辺古山さんが運んでくれたみたいだよ?扉開いてたみたいだしね?」


    日向「そういや、終里に壊されたんだったな……」



    七海「罪木さんの言うには疲労がたまってたんじゃないかって、日向くん終里さんと無茶なバトル繰り広げたんでしょ?」


    日向「それで倒れたのか?いや、なんかもっと別な何かがあったような……っていうか、終里と辺古山はどうしたんだ!?」


    七海「終里さんはもう大丈夫みたい……弐大くんに謝りにいってるらしいよ」


    日向「それじゃあ、辺古山は?」

    七海「罪木さんと一緒に薬を取りにいっているよ?」


    日向「そうか……なんがか迷惑かけちまったな」

    七海「そんなことないよ……あっ、そういえば日向くんはもうモノクマから渡されたゲームやっちゃったの?」


    日向「ああ、2つのうち1つだけな……終里が俺のコテージにくる直前にクリアしたんだ」


    七海「そっか……終里さんはあのゲームがきっかけでおかしくなっちゃったから、みんなにも注意を呼び掛けてたんだよ、けど、その様子じゃ大丈夫みたいだね?どんな内容だったの?」



    日向「ソニアと俺が出会ったときのことみたいだった……俺が覚えていないこともゲームの内容にあったんだ、けど特に意味はわからなかったな……モノクマがなぜあれをやらせたかったのかまではな……」



    七海「そうだったんだ……確かにそれだけじゃわからないね?」
  183. 238 : : 2015/04/21(火) 18:25:11


    辺古山「目覚めたか……日向!!」

    罪木「日向さん!!よかったです!!」



    日向「罪木に辺古山か!……心配かけちまったな」


    辺古山「かまわないさ……驚きはしたがな……気分はどうだ?」


    日向「大丈夫だと思う……あのときは体に急に力が入らなくなっちまったんだけど……今はなんともないよ」


    罪木「それでも無理はしないでくださいね?日向さんが終里さんと決闘したって聞いて私本当に心配で心配で……!!」


    日向「心配かけて悪かったよ……ありがとう罪木」


    罪木「とにかく今日はゆっくり休んでくださいね……よろしければ、あの、私がつきっきりで看病しますので!!」


    日向「いや、少し寝れば大丈夫だよ……っていうか、もう大丈夫だから」


    罪木「ダメです!!自分で診察しちゃダメなんですよ!!なので、私がそばにいます!!」バーン!!



    日向「いや…その…」


    辺古山「やれやれ……お熱いことだな」


    七海「ごちそうさま」


    日向「ちょ!?やめてくれよ二人とも!!」ガビーン!!



    辺古山「さて、悪いが罪木と七海は席をはずしてもらえないだろうか?……日向とすぐに話したいことがある」


    罪木「なっ……まさか、辺古山さんもライバル!?」ビクッ!!


    辺古山「安心しろ……私は日向に恋愛感情はいっさいない!!」ビシッ!!


    日向(そう言いきられるのもなんだかなぁ……)

  184. 239 : : 2015/04/21(火) 18:28:55


    辺古山「すまないが、重要な話なのでな……お願いだ」


    罪木「そういうことでしたら……もし、日向さんの容体が悪くなった時はすぐに呼んでください!コテージで待機しているので」


    七海「私も何か手伝えることがあったら呼んでね?」


    辺古山「ああ……ありがとう」





    日向「それで話って?」

    辺古山「まずは終里のことから話すとするか……そして“九頭竜組”のこともな」





    日向「終里と俺にそんなことがあったのか……だが、本当にその部分は俺も覚えていないぞ?終里も事件のことを最初は忘れていたみたいだったが……」



    辺古山「終里の場合はトラウマからの回避のために一時的に忘れていたという理由がある……だが、おまえは忘れる理由がないはずだ……おまえは終里の件で確かに苦しんでいたのだから」



    辺古山「単刀直入に言おう……日向、おまえの記憶はどこからどこまでだ?」



    日向「え?」


    辺古山「おまえは小高高校というところに入学した……そこから急にあの教室へとたどりついたのだな?」


    日向「そうだけど……それが?」



    辺古山「希望ヶ峰学園は全国の高校生の中から、世間的に何かを成し遂げた【超高校級の才能】を持った高校生をスカウトする……つまり、私たちは希望ヶ峰学園に来る前の高校生活のことは少なくとも覚えているはずだ」



    日向「それに比べて……俺は小高高校に入学するまえ、つまり高校生になる前の記憶までしか持っていないってことになるんだよな?」




    辺古山「そうだ……だが、おまえが坊ちゃん、【九頭龍冬彦】に出会ったのは、おまえが【小高高校に入学してから後】のことだ」


  185. 240 : : 2015/04/21(火) 18:31:50


    日向「え…!?」



    辺古山「私に出会ったのは、おまえが高校生になる前の話だ……だが、坊ちゃんは違う、おまえが高校生になってからだ……これは、どういうことだ?」



    日向「ちょっと待ってくれ……!?どういうことなんだ!?」



    辺古山「少なくとも坊ちゃんとおまえが知り合いであること自体が、おまえが小高高校に入学してから時間がたっているということを証明しているということだ!!」



    日向「じゃあ、やっぱり……俺は小高高校にはもう入学していて、希望ヶ峰学園にスカウトされていたってことなのか?」



    辺古山「そこまではわからない……だが、私たちの記憶が奪われているということ、私たちがすでに希望ヶ峰学園に入学しているということ、そして、この修学旅行が真の意味での修学旅行であること……これらのことは本当にモノクマの言っていた通りなのかもしれんな」



    辺古山「それに終里とおまえが出会えたのは、九頭龍組の指令があってのことだ……おまえが何度か終里の家に泊まったことがあるという記憶、それも時系列から考えれば、坊ちゃんとの出会いのあとになる……つまり、【終里赤音との出会い】も、おまえが【小高高校に入学した後】だったということだ」



    日向「俺は小高高校の門をくぐろうとしたら、意識を失い、あの教室にたどり着いた……なのに、小高高校に入学した後に出会ったはずの九頭龍や終里のことを断片的には覚えていたことになる……!!?」



    辺古山「もっと言えば、なぜおまえはそのことに違和感を持たない?人間、自分の過去のことを全て正確に覚えているなんてことは無理だろうが……【九頭龍組への所属】【終里赤音の事件】この2つのことを出来事としても覚えていないのは異常だ……」



    日向「俺の記憶……一体どうなってるんだよ!!?」


    辺古山「結局、おまえの【記憶】が私たちよりも数倍も不確かで断片的であることしか今はわからない……だが、逆に言えば、その断片的で抜け落ちた【記憶】こそが重要になるはずだ……」

  186. 241 : : 2015/04/21(火) 18:35:15


    日向「辺古山は覚えていたんだよな?終里の事件のことを……」


    辺古山「あぁ……私のゲームの内容は【終里の事件】のことだった……そのゲームをやってわかったよ、モノクマが私たちのことはなんでも知っているということ……そして、私に終里のことを解決させようとしていることもな」



    日向「モノクマが!?」



    辺古山「それに、罪木が言っていたのだが、ソニアを罪木に仕向けたのはモノクマだ……ソニアはモノクマから情報を聞きだし、罪木を説得したのだ……もちろん、ソニアの罪木を思う気持ちは本物だったのだろうがな」



    日向「結果的に、罪木は立ち直ることができたけど……でも、それが、モノクマの目的なのか?」




    辺古山「今回で言えば、前回のソニアの役は私だったということだ……ずっと気にかけていた終里の心に向き合うことができたことには感謝している……だが、モノクマはなぜそれを知っている?何が目的なのだ?それがわからない……」




    日向「モノクマの目的は【修学旅行を無事に終えること】だって言っていた……それって、本当はどう意味なんだろう?」



    辺古山「まったく、わからないことだらけだな……」



    日向「その……俺の記憶の話がおまえの言いたかったことなのか?」



    辺古山「いや、一番伝えたいことは別にある……」

  187. 242 : : 2015/04/22(水) 20:45:44

    日向「何だよ?」


    辺古山「おまえが剣道を始めたのは、自分の【才能】を探すためだったな?」



    日向「ああ、今までいろいろやってきたのはそのためだよ……俺は本当はみんなみたいに希望ヶ峰学園に入れるくらいの【才能】がずっと欲しかったんだ」


    辺古山「確かに、おまえは【才能】に固執していたな……だが、そもそも【才能】とはなんだと思う?」


    日向「それは、誰よりも何かの分野で優れていることなんじゃないのか?」




    辺古山「それもそうかもしれないが、私の思うに【才能】とは誰かにとって都合のいいものだと考えている」


    日向「え?」



    辺古山「希望ヶ峰学園が私たちを集めたのは将来、この国を代表する人材を育てるため……言い方を変えれば私たちは誰かにとって都合のいい存在ということだ……何かに秀でていることは魅力的かつ、人を動かす力がある……希望ヶ峰学園にとっても利益のある存在だから私たちはスカウトされたのだ」


    日向「そうだ、俺はそんなみんなにあこがれているんだよ……モノクマは俺に【才能】があるって言っていたけど、本当かどうかわからない……でも、俺も本当はみんなみたいな【才能】が欲しいんだ」



    辺古山「だが、強い力は単純に【才能】と呼ばれないこともある……私の剣道家としての才能の使い方、それは坊ちゃんを守るため力だ……では、私に倒される側は私をなんと呼ぶのだろうか?」


    日向「どういう意味だ?」



    辺古山「私のことを【悪魔】と呼んで怖れる人間もいるということだ……自分にとって都合の悪い力を素直に【才能】と褒めるやつはいない……努力によって成功した人間に対して【才能】だからだと皮肉で言うことはあるかもしれないがな……」



    辺古山「【才能】と言えば聞こえはいいが、立場によってそれの見方も変わってくる……強い力はときとして人に牙をむき、怖れられる……」


    辺古山「それでも、私は剣を振ることはやめないだろうな……それが私の存在意義であり、私が私である証なのだ」



    日向「辺古山……」





    辺古山「……と以前の私ならそこで思考停止していただろうな」

    日向「え?」
  188. 243 : : 2015/04/22(水) 21:01:09



    辺古山「私たちは【才能】を持つかわりに、その【才能】に縛り付けられる……剣道ができるやつは剣道をしなくてはいけない、せっかくの力だからそれを活かさなくちゃいけないと誰もがそう思うからだ」




    辺古山「私も自分の力を活かさないという選択肢はない、剣を振るうことのできない私は【道具】以下だからな」



    辺古山「だが、こんな私の考え方を変えた男がいる……日向、おまえのことだ」


    日向「俺が!?」





    辺古山「おまえは自分を【道具】だと思っていた私に違う道を示した……それは【家族】だ」




    日向「【家族】?」





    辺古山「家族というものがどういうものか知らなかった私に、おまえは教えてくれた……“九頭龍組”が私にとっての家族であるとな」


    辺古山「私はこれからも剣を持ち、あの方を守り続ける……だが、私が守るのは剣でだけではない……私はあの方の心に寄り添い、守ると誓った」


    日向「家族だからか?」


    辺古山「そうだ……そして、お前もだ日向」



    日向「俺も!?」



    辺古山「短い時とはいえ、おまえも“九頭龍組”に所属していた……おまえもいうなれば私たちの家族だ」



    辺古山「もっとも、おまえは裏稼業に完全に足を突っ込む前にやめてしまったがな……だが、それが正解だろう……坊ちゃんもおまえを巻き込みたいとは思っていなかった」



    辺古山「今のおまえは思い出せないだろうが、覚えておいてほしい……私たちがおまえの【家族】であるということをな」



    日向「【家族】か……」
  189. 244 : : 2015/04/22(水) 21:19:41


    辺古山「……日向、おまえの力がいったい何なのか私にもわからない……だが、おまえは誰かにとって都合よく利用されてはいけない、それはただの【道具】でしかないのだ……そして、それは自分自身をも苦しめる【呪い】となってしまうだろう」



    日向「【呪い】だって…!?」



    辺古山「おまえのあの力、あれは【呪い】のようなものだと私は思っている……あれはいずれ己自身さえも呑み込んでしまうほど危険なものだ」



    日向「なんで……俺にそんな力があるんだよ!?こんな自分でもどうしようもできないような、わけのわからない力が……!!」


    辺古山「それはわからない……あれが危険な力であることも事実……だが、その力が終里たちを守ったのも事実なのだ」


    日向「だけど……これのせいで終里はトラウマを持ってしまったんだろ!?……だから、あんなことになったんだろ!?」


    辺古山「確かにトラウマにはなってしまった……だが、終里はそれを乗り越えたのだ!!あいつは自分の心と向き合った……おまえも今一度自分のことを考えてみるんだ!!おまえがどうしたいのかを!!」


    日向「俺が……どうしたいか……」


    辺古山「そして、怖れるな!!決して、誰かに惑わされるな!!誰かの真似だけをするな!!誰かの真似をして何かをしたところで、それは本当のおまえじゃない!!」


    辺古山「おまえは自分では何も考えられない【道具】なんかじゃないだろう?自分自身で望んで、自分自身で考えるんだ!!」



    日向「自分がどうしたいか……自分が何が欲しいのか……全部自分と向き合ってみろってことか……」



    辺古山「だが、道に迷ったとき私たちがいることを忘れるな……私たちはおまえの家族であり、おまえの味方だ!!」



    日向「……俺、本当は怖いんだ!!……終里と戦ったときのあの力、自分ではどうしようもなかった……あの力が誰かを傷つけてしまうんじゃないかって!!」


    辺古山「どんな力を持っていたとしても【才能】を持っていたとしても、どんな【呪い】を背負っていたとしても、おまえはおまえで、私たちの家族だ!!……それだけは変わらないんだ、それを忘れるなよ?」



    日向「ああ……ありがとう」



    辺古山「あと、できれば早く九頭龍組のことを私たちのことを思い出してほしい……忘れられるのは結構さみしいものだからな」


    日向「わかった、頑張って思い出すよ」
  190. 247 : : 2015/04/23(木) 20:24:41

    ―日向のコテージ前―


    狛枝「……」


    罪木「あれ?狛枝さん?」

    七海「あっ、やっぱり近くにいた」


    狛枝「やっぱりって何かな!?」ガビーン!!

    七海「日向くんが倒れたから心配して見に来たのかなって?」

    狛枝「なんでそうなるのかな?たまたま近くにいただけだけど」


    七海「でも、終里さんと日向くんが決闘したときも近くにいたんでしょ?あれも通りすがりなの?」

    狛枝「キミはいったい何が目的なんだい?」

    七海「狛枝くんの目的を教えてくれたら教えてあげよっかな?」



    狛枝「また、そういう態度とるんだねキミは」

    七海「お互いさまじゃない?」



    罪木(ふぇええええ!?なんですかこの空気は!?)ガビーン!!







    左右田「なんか七海と狛枝のやつ仲いいな」


    田中「そうか、俺様には禍々しき混沌とした世界が具現化されているように思えるのだが……」

    左右田「しかし、日向のやつ大丈夫なのか……倒れたって聞いたから来たけども」

    田中「うむ、早く安否を確認したいところだ」



    左右田「でもよぉ……日向のやつ、終里と互角に戦ったのか……あいつそんな強いやつには見えなかったんだが……」

    田中「ふっ、能ある鷹は爪を隠すという呪文を知らないのか?」


    左右田「呪文じゃなくてことわざだろ!?……にしてもオレ、日向の親友だと思ってたけど、結構知らないことばっかりだな」

  191. 248 : : 2015/04/23(木) 20:28:34


    田中「急にどうした、左右田よ?」


    左右田「いやさ、日向って何者なんだ?この島に来て久しぶりにあいつにあったけど、オレあいつのことがよくわからなくなってきたよ」


    田中「特異点は特異点だ、それ以上でも以下でもない」


    左右田「……なら、いいんだけどな」





    七海「あれ、二人ともどうしたの?」


    狛枝「左右田クンに田中クンか」


    左右田「日向のやつが倒れたって聞いたからな、今あいつはどうしてんだ?」


    罪木「疲労がたまっていたみたいですね……今さっき目を覚ましました、今のところ大丈夫だと思います」


    七海「なんか辺古山さんが話したいことがあるらしくて今は二人でいるよ?今は邪魔しないであげてね?」


    狛枝「辺古山さんか……終里さんのことは辺古山さんが解決したって聞いたけど、結局なんで終里さんが暴走したかとかよくわからないんだよね」


    左右田「そもそも、なんで日向と終里が決闘なんてしたんだよ……なんか置いてけぼりだぜ」


    七海「私たちが知らなくていいこともあるんじゃないかな?終里さんも知られたくないことかもしれないし」


    左右田「なんか決闘するやつ多くないか?」


    罪木「うぅ……なんかすみません」


    狛枝「次は左右田クンの番かもね?なんならボクと決闘でもするかい?」

    左右田「冗談でもそういうこというのやめろよ!!?」ガビーン!!

  192. 249 : : 2015/04/23(木) 20:30:03

    七海「ところで、二人はあのゲームはまだやってないよね?」


    左右田「罪木のやつにやるなって言われたからな……けど、やるなって言われるとやりたくなるよな」


    七海「うん、せっかくのゲームなのにさぁ……クソゲー確定だったけども」


    田中「藪をつついて蛇を出すという名セリフもあるからな……俺様も結界をはることにしよう」


    左右田「だから、名ゼリフじゃなくって、ことわざだろ!!」ガビーン!!




    七海「狛枝くんも私の言った通りやらないでよね?」

    狛枝「ああ、わかってるさ、もちろんね」








    辺古山「なんだおまえたち?……まさか、聞き耳でも立てていたのか?」


    左右田「そんなことしねーよ、日向が心配だから来たんだよ」


    辺古山「そうか、私の話はもう終わったから入ってもいいぞ」


    田中「では、いざ参らん!!」ドーン!!


    左右田「人の部屋に入るだけなのにいちいちうるさいやつだな」



    七海「狛枝くんはいかないの?」

    狛枝「ボクはいいよ、ただ近くにいただけだしね」





    七海「ふ~ん」


    辺古山「ほう」


    左右田「へぇ」


    田中「ふむ」


    罪木「はい」





    狛枝「だから、なんなんのかな!?みんなのその反応は!?」ガビーン!!

  193. 250 : : 2015/04/26(日) 21:35:56


    ―チャンドラービーチ―


    終里「弐大……本当にすまなかった!!」

    弐大「終里……」



    終里「弱い自分に振り回されて、自分を見失っていた……もうトレーニングしなくていいとかひどいこと言った!!本当にゴメン!!」



    弐大「いいんじゃよ……ワシが導いてやることができなかったのは残念じゃが、おまえさんが立ち直ることが一番じゃからな!!辺古山には感謝せんとのぅ!!」



    終里「あいつはオレの知らないところでもオレを心配してくれてたみたいなんだ……オレ、今までそういう人たちに迷惑ばかりかけて気づかないでいたのかな?」



    弐大「噴!!迷惑なんてかけてなんぼじゃわい……生きている限り迷惑なんてかけてしまうのは当たり前じゃ、じゃが、それに踏ん反りかえってはいかん!!自分が迷惑をかけた分、相手からのも受け止めてやらんとのぅ!!」



    終里「そうだな……オレ、この島から帰ったら家族ともっと話してみるよ!!今、話したいことがいっぱいあるんだ!!今まで言えなかったことも、あいつらに今まで言わせてあげられなかったことも全部な!!」




    弐大「本当にいい顔をするようになったのぅ……にしても、ワシもマネージャーとしてまだまだ精進が足りんわい」

    終里「急にどうしたんだよ!?」

  194. 251 : : 2015/04/26(日) 21:37:36


    弐大「おまえさんにトレーニングはもういいと言われたとき、正直ワシは心が折れそうになった……本当のことを言うとどうしていいかわからなくなったんじゃ」




    弐大「じゃが、選手がつまづいたときに、目標を諦めてしまいそうなときに……本当はワシだけはぶれてはいけないんじゃ……」



    弐大「おまえさんたちが自分を信じられなくなったときこそ、ワシはおまえさんたちを信じられなくちゃいけないんじゃ……今回のことでそのことを思い知ったわい」






    終里「じゃ、弐大が諦めそうになったら、オレが諦めなきゃカンペキだな!!」

    弐大「ガハハハハ!!言うようになったな!!」





    弐大「終里……おまえはこれからなんのために強くなりたい?」



    終里「まだわかんねぇな……けど、まずは、辺古山に言われた通り、オレはオレの弱さと向き合ってみるよ」





    弐大「そうか、わかった!!……それじゃあトレーニングするか!!」

    終里「おう!!よろしく頼むぜ!!」



  195. 252 : : 2015/04/27(月) 19:18:44

    ―図書館前―


    九頭龍「ペコ……日向のやつは大丈夫だったか?」


    辺古山「ええ、ですが……九頭龍組にいたときのことは忘れていたようです」


    九頭龍「そうか、ソニアのこともそうだったが、あいつの記憶はオレらが思った以上に欠落しているみたいだな」


    辺古山「とにかく、終里のことがひとまずは解決することができてよかったです……正直もう無理なのではないかと思っていましたから」


    九頭龍「そうだな……でもまだ終わっちゃいないよな」


    辺古山「そうですね……」







    九頭龍「オレたちはあいつらにとっちゃ【裏切り者】だ」


    九頭龍「いや、そうでなかったとしても、まだ、あいつのことが残っている、そして日向のことも……」





    辺古山「坊ちゃん、申し訳ありません……おそらく私は……」


    九頭龍「そうか……ペコ、終里のことありがとな」


    辺古山「あとのことはお任せします……もう時間でしょう」






    モノクマ「なんだ、もうわかってたんだ?」


    辺古山「前回、おまえはソニアを動かして罪木を説得させた……そのソニアが卒業したのだ、次は私の番だろう?私は【日向の才能】も【おまえの正体】もわからないがな」


    モノクマ「ボクのお手伝いをしてくれているキミたちだから言うけど、実は【特別ルール】には3つ目があるんだよね」


    九頭龍「あん!?3つ目のルールだと!?オレらも聞いてないぞ!?」


    モノクマ「まぁ言ってないしね」


  196. 253 : : 2015/04/27(月) 19:21:48

    辺古山「それで、それはなんなのだ?」


    モノクマ「うぷぷ……せっかくの【隠しルール】だもん、それは“裏切り者”のキミたちでも教えないよ」


    辺古山「だが、逆に言えば私は“それ”を満たしたということか……」


    九頭龍「ペコ……あとのことは任せろ、ここからはオレの番だしな」


    辺古山「坊ちゃん……はい!!お願いします!!」






    辺古山「さぁ、覚悟は出来ている……さっさとしろ、モノクマ!!」




    モノクマ「うぷぷぷぷぷぷぷぷぷ……幸せだなぁ、ボクは青春しているときが一番幸せなんだ!!おっけ~!!まかせてよ!!」








    モノクマ「卒業証書!!辺古山ペコさん!!あなたはこのジャバウォック島からの卒業を認められました!!」









    辺古山「また必ずお会いしましょう……ご健闘をお祈りします!!坊ちゃん!!」


    九頭龍「ああ、必ずだ……!!」


    辺古山「はい!!約束ですよ!!」











    九頭龍「いっちまったか……」


    モノクマ「あらら、意外と冷静だね……大切な彼女が目の前で消えたってのにさ」


    九頭龍「あいつはあいつの仕事をした、オレはこれからオレの仕事をするだけだ……それに、例えそばにいなくても、無事ならそれでいい」




    モノクマ「まぁ、安全は保障してるけども、ボクのことをそこまで信じてくれるなんて嬉しいな~」


    九頭龍「ちっ……テメェーの本当の目的はわからねぇが、利害は一致している……もう少しだけつきあってやるよ」


    モノクマ「うぷぷぷぷぷ……よろしくね!!」










    西園寺(辺古山のやつが消えた!?……それにあいつら【裏切り者】って……あいつらが【裏切り者】でモノクマの仲間だったの!?)


    西園寺(と、とにかく……見つかる前にどっかに行かなきゃ!!)

  197. 254 : : 2015/04/27(月) 19:25:11


    ―チャンドラービーチ―


    終里「やっぱりかなわねぇか……おっさんは強いな!!」


    弐大「おまえも、以前よりも動きが鋭くなった!!今までは猪突猛進だったのにな!いい傾向じゃわい!!」



    終里「ちょとつ?」ポカン…

    弐大「う~ん、頭も鍛えないといかんのぅ」


    終里「あっ、今バカにされたのはわかったぞ!!」

    弐大「ガハハハ!!」

    終里「ったく、笑うなよな」




    弐大「じゃが、おまえさんが羨ましいわい、おまえさんはまだまだ伸びる!!間違いないわい!!」


    終里「けど、一人だけじゃ無理だろうな……頼りにしてるぜ?弐大?」


    弐大「おまえさん……本当に成長したのぅ」


    終里「だとしたら、辺古山や弐大のおかげだな……ありがとな、弐大!!」




    弐大「ワシはなんもしとらん……ワシはおまえさんが強さに固執する理由もわからずに、ただ鍛えることしか考えていなかった」


    終里「んなことねーよ、弐大はオレのことにいつだって真剣に向き合ってくれたんだ……何もしてないなんてことないぜ?」


    弐大「そうか……感謝するぞ、終里」


    終里「なんでおっさんがオレに感謝するんだよ?」






    弐大「選手を支えるのがマネージャーじゃが、マネージャーもまた選手に支えられているんじゃ……ワシもまたおまえという存在に助けられているんじゃ」




    終里「オレ迷惑かけただけでなんにもしてねーけど?」


    弐大「さっきもいったじゃろ、迷惑かけられてなんぼじゃ……そうやってワシもマネージャーとして成長しているんじゃ」




    終里「そっか、オレばっか成長させてもらってると思ったけど、そうじゃないんだな」


    弐大「ああ、そういうことじゃ……さて、今日はこれくらいにしておこうかのぅ」


    終里「そんじゃ、飯くいにいくか!!」



    弐大「ワシはもう少しここで風にあたるとするか……あとから向かうから先に行っていてくれ」

    終里「ああ、またな!!」



  198. 255 : : 2015/04/27(月) 19:28:09


    弐大「終里……本当に成長したな……」





    モノクマ「そうだね……本当によかったです!!」ヌッ!!

    弐大「モノクマ!?何をしに来た!?」



    モノクマ「ひどいなぁ、その反応……ちょっとボクとお話ししようよ!!」


    弐大「なんなんじゃ、いったい!?」


    モノクマ「ねぇ、弐大クンは今回置いてけぼりにされたと思っちゃった?」


    弐大「終里のことか……まぁ、少しな」


    弐大「ワシが解決してやりたかったところもあるが、結果的に終里が前を向けたのならそれでいいわい」






    モノクマ「そっか……これでキミも前を向いて歩けるよね?」


    弐大「何の話じゃ?」


    モノクマ「ボクもキミと同じだよ……この島にいるみんなのために頑張ってるんだ……これってキミと同じマネージャーみたいなものかもね?」


    弐大「モノクマ……おまえワシらのためにこんなことをしてるというのか!?」




    モノクマ「うん、そうだよ!!ボクの目的はキミたちが無事に修学旅行を終えることだからね……んでさ、せっかくの修学旅行なんだもん、やっぱり何か学びを修めてほしいもんね!!」




    弐大「ますます、おまえさんの目的がわからんわい……それなら、なぜこんな島にワシらを閉じ込める必要がある?」



    モノクマ「それがルールだから」

    弐大「ルール?」




    モノクマ「ボクも決められたルールに従わなくちゃいけないんだよ……それにこの島にはキミたちしかいないから、ボクとしてもやりやすいしね」



    モノクマ「この島に来た以上、ボクも従わなくちゃいけない【未来機関】のルールにね」




    弐大「【未来機関】じゃとッ!?なんじゃそれは!?」



  199. 256 : : 2015/04/27(月) 19:33:24


    モノクマ「モノミちゃんたちの属する組織だよ……オマエラをこの島に閉じ込めたやつらのことさ」


    弐大「おまえさんは……【未来機関】というやつじゃないということか!?」


    モノクマ「ボクはモノクマ、オンリーワンな存在だよ!!さてと……キミにこれを渡そう!!」


    弐大「なんじゃ!?」






    モノクマ「卒業証書!!弐大猫丸クン!!あなたはこのジャバウォック島からの卒業を認められました!!」






    弐大「なんじゃと!?なんでワシが!!?」


    モノクマ「キミはもうこの島にいる必要がないんだよ……だって認められたからね!!」



    弐大「そんなわけにはいかんわい!!ワシは終里の日向の、みなのマネージャーじゃ!!あいつらより先にここを出るわけにはいかんわい!!!!!!!」



    モノクマ「終里さんはもう大丈夫だよ……それに、日向クンのことはキミは気にしなくてもいいよ」


    弐大「日向はまだ一人で迷いの中で戦っている!!ワシはあいつのそばでそれを支えたいんじゃ!!そう決めたんじゃ!!」



    モノクマ「その必要はないよ……あんなやつに時間を割かなくていいよ、これ以上ね」



    弐大「あんなやつ……じゃと!!?日向を!!あいつを!!バカにするなあああああああああああ!!!!!!!!」




    モノクマ「日向クンなんかと付き合ってもいいことなんて一つもないよ?もう、あんなやつのこと忘れちゃえば?」


    弐大「おまえさん、いったい何が目的なんじゃ!!?なぜ、日向をそんなに嫌う!!?」




    モノクマ「日向クンはキミたちとは別だからだよ、ボクはオマエラのことは大好きだけど、日向クンだけは別なんだよ……」




    モノクマ「だって……アイツは存在しちゃいけないからね」





    弐大「なぜじゃ!?日向が何をしたというんじゃ!!日向になんの恨みがある!?」




    モノクマ「ボクはアイツのやったことを許すわけにはいかないんだ……大丈夫、悪いようにはしない……だから、キミは安心して卒業してね?」







    弐大「ぐっ……意識が……遠のいていく!!?」








    モノクマ「大丈夫、ボクなんかがおこがましいかもしれないけど、マネージャー業は引き継ぐよ!!」



    モノクマ「日向クン以外のね……うぷぷぷぷぷぷぷぷぷぷぷぷぷぷぷぷぷぷぷ」







    弐大(日向……!!気を付けてくれ!!!……頼む……どうか、無事で……!!)

  200. 257 : : 2015/04/27(月) 19:36:03

    ―狛枝のコテージ―



    狛枝「さて、ボクに配布されたゲームをやってみたけど……これはどう解釈すればいいのかな?」


    狛枝「それに、こっそり図書館で見つけたメモ……気になるよね?」





    【メモ】


    ①この島にキミたちを閉じ込めたのは【未来機関】という組織である



    ②モノミは【未来機関】の一員である



    ③七海千秋は【未来機関】の一員である









    狛枝「ねぇ……これはどういうことなんだろうね?七海さん?」









    モノクマ「えぇ、希望ヶ峰学園修学旅行委員からのお知らせです!!また、卒業者が二人出ました!!」



    モノクマ「卒業者は辺古山ペコさんと、弐大猫丸クンです!!オマエラもはりきってこの島からの卒業を目指してください!!」






  201. 258 : : 2015/04/27(月) 19:37:49



    【Chapter2】


    世紀末才能伝 モノクマ!


    【END】



    修学旅行生:12人


    修学旅行卒業生:4人

  202. 259 : : 2015/05/06(水) 20:48:25

    ―???―


    モノミ「もう4人もこの島から卒業したんでちゅね……でちゅが、このままでいいんでちょうか?」


    モノミ「モノクマはあちしたちが考えていた方法と違うやり方で事を進めていまちゅ……だけど、アイツはあちしたちの思った以上の結果を出しているみたいでちゅ」


    モノミ「けれど、あのやり方は危険でちゅ……生徒たちを信じていないわけじゃないでちゅが、もし、この島で取り返しのつかないことになってしまったとしたら……」


    モノミ「【ミナサン】もどこかで見ているんでちゅよね?本当にあちしは役立たずで申し訳ないでちゅ……」


    モノミ「けれど、何があってもあちしはここにいる生徒たちを、そして日向クンを守りまちゅ!!あちしにとっても日向クンは大切な人なんでちゅから!!」


    モノミ「でも……なんだか不安なんでちゅ、あちしたちの知らないところで【よくないこと】が起こっている気がしてしまうんでちゅ」


    モノミ「あちしたちは本当は間違っているんでちょうか?こうやって彼らを閉じ込めたことも、そして……彼らと日向クンを再び引き合わせてしまったことも……」



    モノミ「いいえ、あちしたちは誓ったはずでちゅよね?たとえ、誰が何と言おうと……あちしたちだけは諦めちゃいけないんでちゅ!!」







    モノクマ「やだなぁ~、もう独り言とか怖いよ~!!」


    モノミ「ゲゲッ!!?モノクマ、いつから聞いていたんでちゅか!!?」


    モノクマ「さぁね、それにしてもオマエ、今回のチャプターは後半全然出番なかったね?どこで何してたのさ?」


    モノミ「チャプターとかわけのわかんないこと言わないでくだちゃい!!」


    モノクマ「まぁ、いいけどね……オマエ以外にもよくわかんないことしてるやついるしさぁ」


    モノミ「な、なんのことでちゅか!!?」


    モノクマ「いやいや、こっちの話ですよ」




    モノミ「そうだ!!アンタにいいたいことがあるんでちゅ!!罪木さんの件といい、終里さんの件といい、危なすぎまちゅ!!一歩間違えれば……取り返しのつかないことになりまちゅよ!?」


    モノクマ「そうかもしれないね……けどさ、痛いところに触れないと痛いのは治んないじゃん」


    モノミ「もしかしたら、彼女たちが絶望に染まってしまう可能性だってあったんでちゅよ!!?」


    モノクマ「けど、彼女たちはそれに打ち勝ってみせた……まだ成長の途中だけどもね」


    モノミ「こんなやり方をこれからも続けるつもりなんでちゅか!!?」



    モノクマ「そうだよ、これしか方法はないと思ってるよ……それに信じているんだ!!ボクは彼らが絶対絶望なんかに負けないってね!!うぷぷぷぷぷぷぷぷぷぷ!!!!!」
  203. 260 : : 2015/05/06(水) 20:50:40


    モノミ「と、とにかく危ないことはやめてくだちゃい!!」


    モノクマ「やめてどうするのさ?ただただ楽しいイベントを消化していくだけの修学旅行を続けていくのかい?それになんの意味があるのかな?楽しかったことが彼らを成長させてくれるのかな?」


    モノミ「そ……それは……」


    モノクマ「楽しいことも必要だけど、彼らに必要なのは【試練】だよ……自分だけじゃどうにもできない絶望を乗り越えたときこそ、彼らの希望が輝くのさ!!」


    モノミ「アンタは希望と絶望の正体を知りたいと言っていまちた……もし、アンタのその探究心なんかのせいでミナサンに何かがあったとしたら、あちしは絶対にゆるちまちぇん!!」


    モノクマ「やだなぁ、 ボクがまるで彼らで実験してるみたいに言わないでよ……彼らはかけがえのない存在なんだからさ~、あっ、でも違うやつもいるかもね」


    モノミ「え?」


    モノクマ「いないほうがいい人間もこの世にはいるってことだよ」


    モノミ「そ、そんな人は一人もいまちぇんよ!!!なに言ってるんでちゅか!!?」


    モノクマ「ボクはいると思うよ?存在しちゃいけない存在っていうのもさ……まず、ボク自体がそうだし、オマエもそうじゃん、だって本来のオマエは……」


    モノミ「アンタ……あちしのことまで知ってるんでちゅか!!?」


    モノクマ「まぁね、でもさ好きか嫌いかで言えば、ボクはオマエのこと好きだよ……っていうか、むしろボクが嫌いなやつなんて一人しかいないしね」


    モノミ「その一人って……まさか!!?」


    モノクマ「まぁ、それはいいや……それよりも自分のお仲間の行動に注意したほうがいいんじゃない?」


    モノミ「お仲間って……!?」



    モノクマ「超高校級の生徒の中に紛れ込んでいるオマエと同じ【未来機関】のメンバーだよ……気をつけたほうがいいと思うよ?」



    モノミ「何がいいたいんでちゅか!!?」


    モノクマ「とにかく、忠告はしたよ……じゃあね、モノミちゃん!!」





    モノミ「あっ、待ってくだちゃい!!まだ聞きたいことが……!!」



    モノミ「…………」


    モノミ「あちしは本当に無力でちゅね、頭も悪いし、力だってない……本当に何をやってもダメでちゅ……」


    モノミ「けど……あきらめまちぇん!!あちしに残された時間ももうそんなに残っていないはずでちゅから……」



    モノミ「【ミナサン】!!……どうか、あちしを見守っていてくだちゃい!!【ミナサン】がかなえてくれたあちしの願いを……【ミナサン】がくれたあちしのチャンスを絶対に無駄にはしまちぇん!!」



    モノミ「ただ……それだけでちゅ」
  204. 261 : : 2015/05/16(土) 01:15:53

    【モノクマ劇場】

    モノクマ「言葉ってなんだろうね?」


    モノクマ「ボクたちは日常で言葉を使っているよね?言葉を使って相手に自分の意見を伝えたり、相手の意見を聞いたりしているよね?」


    モノクマ「言葉は時に誰かを救い、誰かを傷つける……自分が本当に伝えたかった意味が相手に間違って伝わることもあるんだよね」



    モノクマ「誰かの言葉を頼りに生きている人もいれば、誰かの言葉のせいで心が壊れてしまった人もいる……」


    モノクマ「何気なく放った一言が思いがけない形で大事な意味を持ってしまったり、重要な意味を込めて言った一言がスル―されてしまったりもする……」


    モノクマ「ボクたちは言葉を操っているはずなのに、いつのまにか言葉に操られているよね」




    モノクマ「あっ……もしかして、ボクの発した言葉によって、オマエラに何か影響を与えちゃったかな?それだったらごめんね!……ボクは言いたいことを言っているだけだから、オマエラに何か伝えたいわけじゃないからね!!」


    モノクマ「ボクは自分の言葉に責任を持たないよ、だから何かあってもボクを責めないでね?……オマエラが受け取ってしまった時点で、それはオマエラのものになったんだからさ!」


    モノクマ「オマエラだって自分の言葉に完全に責任持って生きているわけじゃないでしょ?他人の言うことなんてそんなもんだよ……人は嘘をつく動物だしね!!誰かの言葉なんて、一番あてになんないんだよね~」


    モノクマ「誰の言葉を支えにするか……誰の言葉が自分を傷つけるか……本当に決めてるのはオマエラ自身なんじゃない?」


    モノクマ「でも、こんなにめんどくさいのに、ボクたちは言葉を使わないと意思の疎通ができないんだよね……難儀なものですねぇ」


    モノクマ「誰かの言葉は時に重たいし、軽い……誰かの言葉は時に冷たいし、温かい……おんなじ言葉でも相手との関係によって違った意味に聞こえたり、時と共に歪んでとらえ方が変わってしまったりする」



    モノクマ「厄介なのは言葉なのかな?……それに意味を見出そうとしてしまう人の心なのかな?」



    モノクマ「でも、言葉を怖れて言葉を発せなければ……何も始まらないんだよね、ホントにさ」






  205. 262 : : 2015/05/16(土) 01:18:35





    【Chapter3】


    【START】
  206. 263 : : 2015/05/22(金) 19:40:01

    ―花村のコテージ―


    花村「お母ちゃん……元気にしてるかなぁ……」


    この島に来てから何日が経った
    あいかわらずぼくたちは何に巻き込まれたのかわかっていない


    花村「いつになったら帰れるんだろうな……」


    モノクマの言うには、この島から出るにはルールがある


    1つは【日向くんの才能】が何かを当てること
    もう1つは【モノクマの正体】が何かを当てることだ


    モノクマの正体をつきとめることによって全員で卒業することを目標に掲げた十神くんが卒業し、ついでソニアさんもこの島から卒業した


    そして、ぼくの知らないうちに弐大くんと辺古山さんもこの島から卒業したようだった


    疲労から気絶してしまった日向くんに消化にいい料理を運んだときに、ちょっとだけ話を聞いた


    日向くんと終里さんが少しの間、険悪なムードになってしまったこと

    その原因がモノクマから渡されたゲームによって引き起こされたこと

    日向くんと終里さんを中心として起こったその事件を、辺古山さんが解決したこと



    花村「けれど、卒業した4人は【日向くんの才能】に気づいたのかな?それとも【モノクマの正体】に気づいたのかな?」


    思えば、この島に来てから、驚く事ばかりだ


    日向くんにこんなにも友達がいたこと、そして、その友達が全員【超高校級の才能】を持っていて、この修学旅行に巻き込まれたこと


    それぞれ関係の違いはあれど、浅からぬ縁のようだ
    未だにどんな関係なのか詳しくわからない人も中にはいるのだけれども……


    ぼくが日向くんと最初に出会ったときは、どんな感じだっただったっけ?


    必死にぼくの母に頭を下げて、バイトをさせてほしいと懇願する彼の姿を思い出す

  207. 264 : : 2015/05/22(金) 19:41:06


    そして、すこしのあいだ……彼は住み込みでうちの店で働くことになった
    最初はうっとうしく思ったが、不思議なことに彼はぼくらの生活に溶け込んで行った


    花村「そういえば……日向くんはどんな家庭で育ったんだろう?」


    短い間とはいえ、ぼくの家で生活していたけれど、彼は家族のことについては一度も話さなかった気がする
    そのあたり、幼馴染の狛枝くんなら詳しいのかもしれないけど、あの様子だと話してはくれないだろう


    花村「日向くん……大丈夫かな?」


    十神くんとソニアさんがこの島から卒業したときも、日向くんは落ちこんでいた


    今回は弐大くんと辺古山さんが卒業した
    また、何か思いつめていないといいんだけれど……真面目な彼には無理な話かもしれない


    この島に来てから気づいたけど、日向くんは才能に対して特別な感情を持っているらしい
    ぼくたちの中で、自信なさげに、申し訳なさそうにしている彼を見るのは正直辛い


    花村「ぼくも何かしてあげられないかな?友達として……」


    日向くんの心を軽くしてあげるにはどうすればいいんだろう
    何も思いつかない……ぼくじゃ力不足かもしれないなぁ


    花村「弐大くんとトレーニングしてきたあとは、少し元気を取り戻していたように思ったけど……その弐大くんもいなくなっちゃったしなぁ」


    一人で考えていても、やっぱりダメみたいだ
    明日、誰かに相談してみるのもいいかもしれない





    花村「この機に、日向くんの話題を理由に女子にお近づきになるのもいいかもしれないしね!!もちろん男子もだよ!!!!」てる~ん!!!




    うん、やっぱり、ぼくはこうでないと!!
    よ~し、明日もパクパクいっちゃうよ~!!!



  208. 265 : : 2015/05/23(土) 09:14:59

    ―小泉のコテージ―

    小泉「…………」


    なんなんだろう、この感情は……?
    出口のない迷路の中を、この感情はさまよい続けている


    あのゲームをやってから、さらにその感情は膨れ上がっていった


    日向創……


    あいつとアタシの関係
    アタシとあいつの関係


    もう一度会いたいと思った
    でも、もう二度と会ってはいけないとも思った


    最初に集められた教室では……再会の驚きが強かった

    それに、なんだか知らないうちにいろんな女の子に手を出しているみたいで、なんだか今まで思っていた感情よりも怒りのほうが優先されたんだと思う

    でも、今は戸惑いの方が大きい


    小泉「本当に、よりによって……なんで【超高校級の才能】をもつみんなと、それもアタシと同期の人間と日向が知り合いなのよ……!!」


    それよりも何よりも、日向本人も希望ヶ峰学園の生徒で、アタシたちと同期である……可能性があることに本当に驚いた……こんな形で日向に再会するとは本当に思っても見なかった


    モノクマが現れて、日向に【超高校級の才能】があると告げられてから、ますますアタシはあいつとどう接していいかわからなくなった……結局あいつを避けることで今日までなんとかやりすごしている


    小泉「日向のやつは今、アタシのことどう思ってるんだろう?」


    正直、それを聞くのは怖い


    今のアタシの状態で、あいつとどんな言葉を交わせばいいのかわからない


    アタシもあいつには申し訳ないと思っている部分もあるけど、今は【あの時】と状況が全然違う
    それに、アタシの知らないところで【超高校級の才能】をもつみんなと知り合っているのは正直腹が立っている


    小泉「なんで、あんたが【超高校級の才能】のあるみんなと知り合いで、自分も希望ヶ峰学園に来てんのよ?本当にワケがわかんないわよ!!」
  209. 266 : : 2015/05/23(土) 09:17:10

    イライラして、つい怒鳴ってしまう

    今は夜だというのに……
    寝ている他のみんなに申し訳ない……


    アタシもワケがわからないけど、きっとアタシ以上に日向本人だってこの状況はワケがわからないんだろう



    でも、アタシにだって他にもワケがわからないことがたくさんある



    それは【  】のことだ……
    【  】が何を考えているのかがわからない


    そもそも、なんで【  】までここにいるのかがわからない


    【  】も【超高校級の才能】を持っていたからと言ってしまえば、それまでだが……
    やはり、誰かに仕組まれているとしか考えられない


    それとなくさぐりを入れてみたが、【  】がアタシのことについてどれだけ覚えているのかはわからない


    もしかしたら、隠しているだけなのかもしれないが……


    小泉「今日はもう寝ましょう……」


    明日、【  】と話してみようか?
    いや、やっぱりやめておいた方がいいかもしれない……


    アタシの中でたまっていく、この感情をどうすればいいのかわからないけれど、もう少しだけ、今のまま様子を見たいと思う


    それが単なる、逃げだとわかっていても……
    今のアタシには他に何もできないから

  210. 267 : : 2015/06/06(土) 12:47:43

    ―2の島 遺跡―


    日向「……」

    終里「夜更けになんでこんなとこに一人でいんだよ?」


    日向「終里!!?なんでここに?」

    終里「散歩だよ……寝付けなくてな」


    日向「そっか……」

    終里「ああ……」


    日向「なぁ、終里?」

    終里「なぁ、日向?」


    日向「なんだよ?」

    終里「そっちこそ、なんだよ?」



    日向「ええっと、じゃあ、俺から言うよ……その、ごめん!!!!」

    終里「え?急にどうしたんだよ?」



    日向「辺古山から聞いたんだ、おまえの心に深い傷を残してしまったのは俺のせいだったって!!……だから、ごめん!!」

    終里「なにかと思えば……むしろ、急に勝負を挑んだオレの方が謝るべきだろ?オレのほうこそ悪かったな、日向」


    日向「そんな、今回のことだって俺が暴走したから行けないんだ……全部俺が!!」


  211. 268 : : 2015/06/06(土) 12:49:59


    終里「やめとけ」


    ゴツン!!


    日向「いてっ!!?なにすんだよ!?」


    終里「また、おまえがウジウジしてからな……全部おまえのせいじゃねぇよ、オレの心が弱かったせいもあるんだ、オレたち家族はおまえに守ってもらったんだ……むしろ、オレの方が喧嘩をいきなりふっかけたんだから謝らなくちゃいけないし、おまえに礼を言わなくちゃいけねぇよ」



    日向「終里……」

    終里「それと、これはオレの勘なんだけど……おまえ、まだ全部自分のせいとか、ここにいるやつらに対して申し訳ないとか思ってんだろ?」


    日向「そ、それは……だって、そうだろ?俺はなんか変な力は持ってるけど、本当はなんの才能もない人間だし、きっとここにいるみんなが巻き込まれたのだって、俺のせいに決まってるんだ……それに俺、みんなによくしてもらっているのに、何も思い出せないし、何も返せてないんだ……」


    終里「んなことねーよ」

    日向「え?」


    終里「少なくともオレはそんなこと思っちゃいねぇっての!!おまえが原因だろうが、巻き込んだのはモノクマとかモノミとかだろ?それに、ここから卒業したやつらだって、おまえのこと恨んだりなんてしてねーと思うぞ!」

    日向「そんな、何を根拠に?」

    終里「まぁ、なんとなくだけどな!!」

    日向「なんだよ、それ!?」



    終里「でもよ、オレよりもおまえのほうが十神やソニア、弐大や辺古山と付き合いは長いんだろ?この島でも何も話さなかったわけじゃないなら、あいつらがおまえをどう思ってるなんておまえのほうがわかってるはずだぜ?」



    終里「ああ、そうだ……少なくとも弐大のおっさんについては証拠があるぜ!!」


    日向「証拠?」

    終里「これを見ろよ、弐大のコテージからパクってきたんだ!!」


    日向「おまえ、勝手に入ったのかよ!!?」ガビーン!!
  212. 269 : : 2015/06/06(土) 12:58:58

    終里「なんか意味ありげにドアが開いてたもんでな……」

    日向「そーいや、俺のコテージのドアをおまえに壊されたままだったな」


    終里「悪かったって……後で直すの手伝うっての……それよりもこれを見ろよ」

    日向「これは、なんだ?」


    終里「弐大のおっさんの特訓メニューだ……オレとおまえがメインだが、この島にいる他のやつらについてもいろいろと考えてたみたいだぜ?」

    日向「弐大……」


    終里「弐大のやつが言ってた……マネージャーとして選手を成長させるばかりじゃなく、選手もマネージャーを成長させてくれるってな」

    終里「……弐大はオレたちのことをずっと考えていてくれたんだ、ここからいなくなってもその想いは消えねぇんだよ」



    日向「すごいな……1通りだけじゃない……ずっと先のことまで考えていろんなプランを立ててる……」


    終里「弐大はもうここにはいないけど、オレはこれで特訓を続けるつもりだ……辺古山と弐大が教えてくれたオレの弱さと強さに向き合いたいからな!!」

    日向「強いんだな……終里は……」




    終里「違う……オレはずっと自分の弱さに向き合わなかっただけだ……弱くなりたくなくて、弱さを見せたくなくて、強さばかり求めたんだ……オレは今やっとそのことに気づかされたばっかりなんだよ」



    終里「おまえに才能があるかとかどうかとか、おまえが喧嘩が強いのか弱いのかははっきりわかんねぇけどさ……弱いとか、才能がないとかは悪いことじゃねぇと思ったんだよ……」


    日向「でも、才能があって強かった方がいろいろできるんじゃないか?」


    終里「才能があってもできねぇことはできねぇよ……できねぇことばっかりだよ、それに、今回のことでさ……いいとか悪いとか、弱いとか強いとか全部きっちりとは分けられないと思ったんだよ」
  213. 270 : : 2015/06/06(土) 13:00:50



    終里「オレもまだ自分の【強さ】が何かよくわかんねぇ、もしかしたら今のオレは難しく考えすぎて、昔よりも弱くなっちまったかもしんねぇ……でも、今の自分は嫌いじゃない……だから、それでいい」


    終里「あいつらが、辺古山と弐大が教えてくれた今のオレが好きだから……オレはオレを受け入れて生きていきたいんだよ」



    日向「やっぱり……おまえは強いな……羨ましいよ」


    終里「何言ってんだ?オレだっておまえが羨ましいぜ?」


    日向「え?」


    終里「オレは結局、そんなには強くないし、一人じゃなんにもできねぇ馬鹿だ……でも、おまえはここにいるみんなに信じてもらえるぐらい大した人間なんだ……大切だって思ってもらえる人間なんだ」


    終里「それに、オレだっておまえのこと結構気に入ってんだぜ?あの記憶を思い出してからは、なんかおまえに勝つことばかり考えてたけど、気にいってんのは本当だ……短い間だけど一緒に過ごした……【家族】だしな」


    日向「家族か……辺古山にもそう言われたっけな……」

    終里「そっか、辺古山のやつも言ってたんだな」

    日向「あぁ、でも、俺はほとんど覚えていないんだ、本当に申し訳ないよ……」




    終里「でもよ、それって例え忘れても、なくならないってことだよな?」


    日向「え?」


    終里「おまえがどんなに自分のことをみんなのことを忘れても、ちゃんと覚えていてくれるやつがいるんだ……おまえを大切に思ってくれるやつが確かにいるんだ」


    終里「おまえがそれを見失っても、忘れても……その事実だけは変わらないってことなんじゃねぇのか?」



    日向「俺がどんなに忘れても……」

    終里「ああ、決してなくならない……それってすげぇんことなんじゃねぇか?」




  214. 273 : : 2015/07/16(木) 09:17:13

    終里の言葉は、俺の胸に響いた。

    あやふやな記憶と自分の中にある謎の能力に対する不安、そして消えることのない劣等感
    少しだが、それが和らいだ気がした。


    この島に来てからずっと思っていたことだが、自分よりもみんなの方が自分のことを知っていて、大切にしてくれているみたいだ。


    だからこそ、違和感もある。俺みたいな人間がなぜ、こんなにもみんなに好かれているのか。
    人によっては、俺が心の支えにまでなっているやつがいるくらいだ。


    そんな俺のために、罪木はソニアとぶつかった。
    ソニアのおかげでなんとかなったものの、原因である俺は何もできていない。


    こんな俺のせいで、終里は暴走した。
    辺古山が止めてくれなかったら、どうなっていただろう。
    やはり、原因である俺はなにもできていない。





    終里「なんだ、またうじうじしてんのか?殴るぞ?」


    日向「やめろって!!そう何度も殴られたらたまったもんじゃないぞ!!」ガビーン!!


    終里「しょうがねぇ、今日は勘弁してやるか……それで、オレは明日から自主トレしようと思ってんだが、日向はどうする?なんなら一緒にやろうぜ?」


    日向「そうだな……でも、明日は花村と飯を作る約束があるから、早朝は無理だな」


    終里「そうか、まぁ、気が向いたら誘うぜ、んじゃ、日向、おやすみな!!」


    日向「ああ、おやすみ」


    終里「ああ、それと……あんま考えすぎんなよ、考えてもどうしようもないことも多いからな」


    そういうと、終里は去っていった。
    終里はなかなかどうして的確なことを言ってくるもんだ。



    日向「まったく……本当に世話になりっぱなしだな、俺は」



    といっても、考えるなというのは俺にとっては無理な話だった。
  215. 274 : : 2015/07/16(木) 09:17:55

    ―ホテル―


    田中「くっ!!貴様、俺のコマでありながら、裏切るというのか!!」


    七海「ふっふっふ、俗に言うダブルスパイってやつだよ!!そのコマは最初から奪うために与えてやったのだよ!!」


    田中「貴様ァ!!!!!!図ったな!!」


    七海「さぁ、このフィールドは絶望で埋め尽くされたよ?希望なんてカケラすらないよ?」


    田中「いいや、まだそこに一筋の希望がある!!」


    七海「そんなちっぽけな希望でどうしようっていうの?」


    田中「俺は信じるだけだ、例えかつての仲間が絶望に染まろうとも!!必ず貴様から奪い返して見せる!!」


    七海「いいよ、かかっておいで!!」







    日向「なにやってんだ?二人とも……」


    七海「オセロだよ?私が黒で、田中くんが白」


    田中「角を全部とったのに、負けるとか……どういうことだ!!?説明しろ七海ィ!?」ビシッ!!


    七海「くっくっく、とらせてあげたにすぎないよ……この私がな!!」


    田中「くっ、みせかけの希望にまんまと騙されたと言う訳かッ!!」


    日向(テンション高いな……)


    まだ電気がついていたのが気になって来たものの、明らかにさっきの終里との会話と雰囲気が違いすぎて、俺は空気になじめなかった。


    ……っていうか、こいつら寝ないのか?


  216. 275 : : 2015/07/16(木) 09:18:43

    七海「日向くんもやる?」


    田中「やめておけ、日向……この女、手加減というものを知らないぞ!!」


    日向「さすがは【超高校級のゲーマー】だな……こういうのも得意ってわけか」


    七海「まぁ、オセロは得意中の得意だからね、家族の中でも負けたことないよ」


    日向「へぇ、そうなのか」


    七海「それで、日向くんもどう?」


    日向「じゃあ、少しだけ……」








    日向「嘘だろぉ……」


    七海「うん、見事に全部真っ黒にしたよ!!」ビシッ!!


    田中「やばい(やばい)」


    日向「我ながら、無謀な勝負を挑んでしまったな……」


    田中「だから言っただろうがッ!!」


    日向「うん、おまえの言うとおりだったよ……」


    七海「さて、もう一回やる?」



    モノミ「こらぁ!!夜更かしはいけまちぇんよぉ!!」


    日向「モノミか……なんか久しぶりだな」


    モノミ「確かにそうだけど……でも今は、そんなことはどうでもいいんでちゅ、重要なことじゃないんでちゅ!!」アセアセ…


    七海「えぇ~、でももうすこしだけ遊びたいよ?」
  217. 276 : : 2015/07/16(木) 09:20:07


    モノミ「ここまで、あちしと生徒たちで意識の差があるとは思わなかったでちゅ……!!」ガビーン!!


    日向「そんなおおげさに言わなくっても……」


    七海「これじゃ、私……オセロをやめたくなくなってきちゃうよ……」


    田中「いや、なんでそうなる!!?」ガビーン!!


    七海「やめろって言われると逆にね?」





    モノミ「もぅ、いつからミナサンは不良になったんでちゅかぁ!!」プンスカ


    日向「そうだな、モノミも言ってるし、今日は寝ることにするか」


    七海「そう言えば、眠いなぁ……おやすみ」


    田中「待て!!ここで寝るな!!」ガビーン!!


    七海「……」ZZZZZZZZZZZZ


    日向「寝付き早いな!!?」ガビーン!!


    田中「仕方あるまい……俺たちで連れて行く他あるまいな」


    モノミ「鍵なら特別にあちしが開けてあげまちゅ!!あと、七海さんに不埒なことをしたらゆるちまちぇんよ!!」


    田中「だが、俺様の身体はけがれている……常人では近づく事すらできないくらいにな!!……どうやら、日向!!おまえが背負うしかないようだな」


    日向「おまえ、俺に押しつけようとしてるだけだろ……」


    仕方ない、田中はやるつもりはないみたいだし、七海は俺がおぶっていくしかないか……。


    日向「じゃあ、七海……すまんが背負うぞ?」


    七海「ん……ん~」ZZZZZZZZZ



  218. 277 : : 2015/08/11(火) 10:48:13


    田中「では、いこうか!!眠り姫を守るのだ!!日向よ!!」

    日向「あいかわらず、いちいちおおげさだな……でも、なんかこうしてると……なんか……」




    なんか、前にも……こんなことが……あったような?
    あれは、確か……




    田中「日向、どうかしたのか?」


    日向「いや、なんでもない……なんか前にも七海とこんなことがあったような気がして」


    田中「ほう、そうか……やはり七海千秋もおまえとなんらかの関わりがあったのかもしれないな」


    日向「そう……なのかな?」


    田中「俺達の記憶はそこにいるモノミやモノクマに左右されているらしいからな……結局のところ今の俺達の記憶や感情は何の根拠にもならないということだ」


    モノミ「ええっと……それは……」アセアセ


    日向「だから、俺が七海とも面識がある可能性があるってことか?」


    田中「まぁ、覚えていない以上、この説にも根拠はないのだがな……」


    この島にいる人間はみんな俺と少なからず縁がある。
    だが、その中で七海だけは例外だ。


    田中「なんにせよ、気をつけたほうがいい……何を企んでいるとも限らんのだからな」


    モノミ「企むってそんな……!!?七海さんはミナサンの仲間なんでちゅよ!!!」


    田中「仲間か……」


    日向「た、田中……どうしたんだ?」


    田中「この島にいる俺達の関係は果たして仲間と呼べるのだろうか……」


    モノミ「もちろん仲間でちゅよ!!卒業というおんなじ目標に向かう仲間でちゅ!!」


  219. 278 : : 2015/08/11(火) 10:51:02

    田中「だが、現状……ほとんど話したことのないどうしの者、互いに嫌い合っている者もいるが、それでも仲間と呼んでもいいのか?」


    モノミ「そ、それは……その……」アセアセ…



    田中「い、いや、すまん、今のは俺様の意地が悪かったな……モノミよ、日向も忘れてくれ」


    モノミ「は、はい……わかりまちた……」


    日向「あ、ああ……」




    田中の言いたいことはなんとなくわかった。


    俺達は決して一枚岩ではない。


    七海以外は俺と関係があるが、俺と関係があるだけで、全員が全員仲がいいというわけじゃない。


    俺だって未だに狛枝との関係は微妙だし、小泉と西園寺とはまともに話しもできていない。



    けれど、ここで思考を停止させたら、今までと一緒なだけだ。


    この島から脱出するためにも、俺にできることをやらなくちゃいけない。



    そんなことを考えていると、七海のコテージに着いた。


    モノミにカギを開けてもらい、七海をベッドまで運び、俺達はそれぞれ自分のコテージに戻った。


    最後の別れのあいさつ以外は会話はまるでなかった。


    一人、俺と田中を交互に見ながら、オロオロしているモノミがなんだか印象的だった。


    モノミ……なんか、ごめんな。










  220. 279 : : 2015/08/11(火) 10:52:30

    翌朝、俺達は新たに3の島にいけるということがわかり、手分けして脱出の手がかりを探すことにした。





    ―ライブハウス―


    澪田「我が世の春が来たーーーーーーーーーーーー!!!!!!!!」ズギャーン!!


    日向「テンション高いな!!?」ガビーン!!


    澪田「いや、そうっすよ!!今の唯吹は水を得た魚、そして、まな板の上の鯉っすよ!!!」


    日向「後半は意味がわからないぞ!!?」ガビーン!!


    澪田「さーて、そういやこの島にきてから、全然練習してないっすね~、創ちゃんも一緒に練習してくっすか?」


    日向「い、いや、悪いけど、脱出の手がかりを早く見つけたいから探索に戻るよ」


    澪田「そうっすか……残念っす……」ショボン…


    日向「時間が空いたら、練習に参加させてくれよ」


    澪田「わかったっす!!」


    俺はライブハウスから出て、次の場所に向かうことに向かうことにした。












    澪田「…………かくれんぼはおしまいでいいんじゃないっすか?」


    狛枝「あれ?どうしてバレたのかな?」


    澪田「唯吹は音には敏感っすからね!!少し物音を立てただけもわかるっすよ!!そしてお肌も敏感っす!!うはwwwwwww誰得wwwwww情報wwwwwwww」


    狛枝「はぁ、それで……なんでわざわざボクなんかに声をかけてくれたのかな?」


    澪田「いやぁ、凪斗ちゃん、あんまり創ちゃんをストーキングはよくないっすよ?」


    狛枝「ス、ストーカーなんてしてないよ……たまたま近くにいただけだって」アセアセ…


  221. 280 : : 2015/08/11(火) 10:54:58



    澪田「ふーん、まぁ……唯吹は別にいいっすけどねぇ」


    狛枝「何か言いたそうだね?」


    澪田「いや、別になんでもないっすよ?」


    狛枝「そう……それよりもキミに聞きたいことがあるんだけど、昨日キミ小泉さんに何か言った?」


    澪田「真昼ちゃんになら、モノクマちゃんに渡されたゲームの件でお話したっすけど、それがどうしたんすか?」


    狛枝「いや、そうか……ありがとう、なんだか小泉さんの様子がおかしいなと思ってね、少し気になっていたんだ」


    澪田「え!?真昼ちゃん大丈夫なんすか!?」


    狛枝「いや、体調が悪いとかじゃないんだ……ただ、様子がおかしいというか、なんか不機嫌そうだったからさ」


    澪田「そうっすか……でも、なんで真昼ちゃんの機嫌が悪そうって件を唯吹に聞こうと思ったんすか?」


    狛枝「小泉さんは今、日向クンと関わらないようにしているみたいだし、だとすると小泉さんがうろ覚えだけど覚えていたキミが関係しているのかな……と思ってね」


    澪田「真昼ちゃんと唯吹が前にも会ってるとかいう話っすか?けど、実際に会うのはこの島で初めてっすけど……」


    狛枝「……本当にそうなのかな?ボクらは記憶を失っているだけらしいし、実際には会ったことがあるんじゃないかな?」


    澪田「だとしても、唯吹は覚えてないっすね……」


    狛枝「そうか……ありがとう、練習の邪魔してごめんね?ボクはもういくことにするよ」


    澪田「あっ、待って凪斗ちゃん!!」


    狛枝「ん、何かな?」


    澪田「なんで、凪斗ちゃんが真昼ちゃんのことそんなに気にするんすか?」


    狛枝「そうだね、強いていうなら…………小泉さんもボクとおなじように日向クンのことを嫌いだからかな?」




    澪田「ちょっと意味がわかんないっすね……」


    狛枝「それじゃあ、今度こそボクはいくよ……」





    澪田「…………」


    澪田「なんだかんだ言って……凪斗ちゃんも真昼ちゃんも、創ちゃん中心で物事を考えてるんじゃないっすか」


    澪田「いや、それを言うなら、他のみんなだって、【私】だっておんなじか……ほんと、罪な男っすね……創ちゃんは……」



  222. 281 : : 2015/08/11(火) 10:56:46

    ―病院―


    罪木「我が世の春が来ました~!!!!!!!!!!」ズギャーン!!


    日向「このノリさっきも見たぞ!!?」ガビーン!!


    罪木「ふっふっふ、今の私は水を得た魚、そして水魚の交わりです!!!!」


    日向「今回は意味は間違ってないけど、おんなじ意味の言葉が連続してるぞ!?」ガビーン!!


    罪木「これで、安心してケガや病気の治療ができますね!!」





    左右田「まず、病気やケガをしたくねーよ……」


    日向「左右田もここにいたのか」


    左右田「さっき、電気街を見てきたんだが……役に立ちそうなものはなくてな、仕方なく他の場所に行くことにしたんだよ」


    日向「電気街か……あとで俺も言ってみることにするよ」


    左右田「しかし、病院と言えば、懐かしいな……」


    日向「ああ、そういや俺、左右田に助けられて入院生活を送った時期があったな……」


    罪木「日向さん……どうしてそんな大けがを?」


    日向「前にも言ったけど、よく覚えていないんだ……」


    罪木「交通事故だったら、そのときのショックで忘れてしまったのかもしれませんね……」


    日向「そうなのかな……まぁ、むしろ車にひかれる瞬間なんて覚えていたくはないけどな……」


    左右田「ったく、ホントに気をつけろよな……もっと自分の身体を大切にしたほうがいいぞ?」


    日向「ああ、悪い悪い……」


    左右田「何度も誘拐されたとか言ってるしよ……もっと気をつけたほうがいいぞ、おまえ……まぁ、今回の場合、オレたち全員誘拐されたようなものだけどな……」


    罪木「あんまり危険がないので、ついつい忘れがちなんですが……そうでしたね」


  223. 282 : : 2015/08/11(火) 10:59:37

    日向「この病院もやっぱり俺達以外の人間はいないな……」


    罪木「やっぱり、変ですよね……これだけ大きい島なのに、私たち以外誰もいないなんて……」


    左右田「施設も充実してるし、ちゃんと機能しているが、管理してる人間もいやしない……変なんてもんじゃないな……」


    日向「脱出方法もそうだけど、この島がなんなのかも知っておいたほうがいいかもしれないな……日本とどれくらい離れているかも具体的にはわからないしな」


    左右田「けど、ソニアさんたちはこの島から脱出したんだよな……どうやって脱出したんだよ?」


    日向「そういえば、俺もみんなが卒業した瞬間は見たことがなかったな……」


    罪木「脱出といっても、本当に魔法のように消えてしまったとしか言えないです……あのときはソニアさんがいなくなってしまって気が動転してはいましたが……」


    日向「やっぱり心配だな、モノクマは無事だって言っていたけど……」


    罪木「そうですね……けれど、私はきっとまた会えると思います」


    左右田「そうだな……またソニアさんに会いてぇなぁ……」ハァ…




    日向「ソニアだけじゃない……十神、辺古山、弐大……全員にもう一度会うんだ!!そのためにも、がんばらなくちゃな!!……じゃあ、俺は左右田の言っていた電気街に行ってみるよ」



    左右田「おう、そうか……オレは来たばかりだし、もう少しここにいるよ」



    罪木「私ももう少し病院の中を調べたいと思います」


    日向「ああ、じゃあな!!」









    左右田「なんか、日向のやつ妙に張り切ってやがるな」


    罪木「そうですね……やっぱり責任を感じているのかもしれません」


    左右田「なんのだよ?」


    罪木「私たちは七海さん以外は日向さんとなにかしら関係があります。だから、この島に閉じ込められているのは自分のせいだって、日向さんは考えているんじゃないでしょうか?」


    左右田「悪いのは俺達を閉じ込めてるモノクマやモノミだろうが……」


    罪木「それでも、私も日向さんと同じ立場だったら、自分のせいだって思ってしまうと思います」


    左右田「んなこと気にしねーってのに、それよりもオレが気になるのは……」


    罪木「え、なんですか?」


    左右田「いや、なんでもない……オレは適当に中を調べたら行くわ」



    罪木「そうですか……私は時間がかかると思うので、気にせず行ってください」


    左右田「ああ、わかった……んじゃ病室のほうでも覗いて見るかな?」







    罪木(ソニアさん……あなたは私なら日向さんを、みんなを救えるって言ってました……けれど、未だに私にいったい何ができるのかわかりません……)


    罪木(私はどうしたらいいんでしょうか?……ソニアさん……)


  224. 283 : : 2015/08/22(土) 08:05:30

    ―電気街―

    日向「ここが電気街か……」


    左右田の話では役に立つものはなかったみたいだが……


    日向「やっぱり、パソコンもネットにつながっていないか……」


    簡単に外と連絡をとらせてくれるとはさすがに思わっていなかったが、案の定ダメだった。


    日向「他には……」


    ……とそこで、俺は気づいた。
    地面にうずくまっている彼女のことを……


    日向「七海!!?どうしたんだ!?大丈夫か!?」


    七海「……キミ……は……」


    日向「顔色が悪いぞ!?すぐに罪木を呼んでくるよ!!」


    七海「大丈夫……少し目眩がしただけだから……」


    日向「無理するなよ、動けるなら一緒に罪木のいる病院までいこう!」


    七海「ううん、大丈夫……もう、大丈夫だから……」


    日向「七海……」


    七海「うん、大丈夫……心配かけてごめんね?」



    日向「本当に大丈夫なのか?無理はしないでくれよ?」


    七海「本当に大丈夫だってば……ありがとうね」


    やはり、無理をしているように思える。
    けれど、七海はそれ以上追及するなといわんばかりに、七海はかたくなに自分の不調を否定したので、それ以上俺は何も言えなかった。

  225. 284 : : 2015/08/22(土) 08:08:27


    七海「ねぇ……質問があるんだけど、いいかな?」


    日向「え、唐突になんだよ?」


    七海「ごめん、せっかくだから今のうちに聞いておきたいんだ……大事な質問だから……」



    七海はまっすぐな目で俺に問いかけてきた。











    七海「キミは……この島から出たら【小高高校】と【希望ヶ峰学園】どっちを選ぶ?」



    日向「え?」









    大事な質問と言われ、身構えていたが……その質問は俺にとって予想外の質問だった。
    じゃあ、何を予想していたのかと言えば、特に何も思いついていなかったのだが……。



    日向「なんでそんなことを急に聞くんだ?」


    七海「とにかく、大事なことなの……今の本当の気持ちを聞かせて?」


    七海は俺から視線をそらさない。
    どうやら、彼女にとってこれは本当に重要な質問らしい。




    俺は……




    日向「俺は小高高校に入学する直前までしか覚えていないからな……そもそも自分が希望ヶ峰学園に入学できているらしいってのが、まだ信じられないし……」


    七海「今のキミの気持ちでいいよ?」


    日向「今の俺の気持ちか……それなら、小高高校でちゃんと過ごしたいな。実際はすでに過ごしていたのかもしれないけどさ……」


    七海「じゃあ、その後……もし、希望ヶ峰学園にスカウトされたら、そっちに行く?」


    日向「そもそもスカウトされないだろうな」


    七海「どうして?」



    日向「俺が一番よく知っているからだよ……俺は何の才能もない人間だからさ、そもそも俺がみんなとここにいるのだって本当はおかしいんだよ」

  226. 285 : : 2015/08/22(土) 08:10:53

    そう、何度も考えたけれどやっぱりおかしい。


    俺は普通に生きると決めて、普通の高校に行くことに決めた。

    でも、本当は自分だけのものが欲しかった。
    自分に絶対的な自信が欲しかった。


    弐大は俺の心を揺さぶった。
    俺はまた目指したいと思った。


    でも、目指したいと思っただけで、今の俺自身に【特別な才能】なんてまるっきり感じられない。


    あるとすれば……そう、終里と戦ったときのあの動き。

    でも、あれも一瞬のことだ。
    たぶん今やったら、俺は終里に瞬殺されることだろう。


    モノクマは【特別ルール】に【俺の才能】が何かを当てることを指定した。


    けれど、俺自身が俺の才能なんて実感できない。



    辺古山の言葉が思い出される。
    おまえの力は【呪い】のようなものかもしれない…と。



    十神……いや、サギーの言葉を思い出す。
    詐欺師の才能、他人に化けることができる【才能】……それイコール他人に化けなくては生きていけない【呪い】だと、あいつはそんなようなことを言っていた。




    【呪い】と【才能】は不可分なのか?
    だとしたら、狛枝は否定したが、俺の中にある、この【呪い】は……。







    七海「えいっ!」ポカッ!


    日向「いてぇ!?」ビクッ!


    七海「もう、こっちが質問している最中なのに考え込まないでよ?」


    日向「ご、ごめん……」



  227. 286 : : 2015/08/22(土) 08:13:52

    七海「そっか……でも、キミが戸惑っているのは、すごくよくわかったよ」


    日向「そうだな、結局、今のところ何一つわかっていないからな」




    七海「私は今までのことで、少しだけわかったことがあるよ?」


    日向「え、なんだよ?」



    七海「キミは自分をすごく卑下しているってこと……それと、すぐに自虐的な考え方になることかな?」


    日向「ごめん、聞いていて気持ちのいいものじゃないよな?」


    七海「……まぁ、ずっとその調子だと困るけどさ……そうやって自分と向かいあうってことは大切だと思うよ?」


    日向「自分と向き合う?」


    七海「うん、今のキミは、今すぐ解決はできないかもしれないけど、自分の悩みが何かわかってる状態なんだよ……自分がなんで苦しいのか、そもそも苦しんでいることにすら気づいていない状況よりはずっと健全だと思うよ?」


    日向「そう……なのかな?」


    七海「自分のことって、自分が一番知っているようで、自分が一番知らないんじゃないかな?でも、今のキミは自分の悩みと向き合えているからさ」


    日向「でも、俺はみんなに迷惑をかけてばっかりで……この島にみんなが連れて来られたのだって、俺のせいだと思うし……」


    七海「自分のことで悩んでいるんだから、他のみんなのことまで無理に気にしなくていいんじゃない?いい機会だからさ、もっと自分と向かいあってみるといいと思うよ?」


    日向「けど、自分のことばっか考えていていいのかな?」


    七海「自分のことも解決できないうちに他人のことを気にかけたって中途半端な結果に終わるだけだよ……それよりも逆に自分からみんなに頼っちゃえば?」



    日向「そ、そんなことしたら……」


    七海「全然迷惑じゃありませんので、以下レス不要です!」ビシッ!!


    日向「え!?なんだって!?」

  228. 287 : : 2015/08/22(土) 08:17:50


    七海「とにかく迷ったら即行動!!……人生の基本ルールだよ?私はキミのことをよく知らないけど、キミのことを知っている他のみんななら何かいい意見をくれるかもしれないよ?」


    日向「……なんだか、質問されたと思ったら、いつのまにか慰められていたな……ありがとう、七海」


    七海「まぁ、昨日おぶってもらった借りは返せたかな?」


    日向「十分すぎるさ」


    七海「なら、あとでお釣りでもちょうだいね?」


    日向「ああ、考えておくよ」





    そういうと七海は別の場所に向かうといって、電気街を離れて行った。

    話しているうちにすっかり忘れてしまっていたが、体調はもう大丈夫なようだった。

    だが、一応あとで罪木に伝えておいたほうがいいだろうな。



    あと、なんだろう……?
    七海本人とこんなに長い時間話すのはこれが初めてだが……なんだか言い表せない不自然さがあったような気がする。


    それが何かは具体的にはわからなかったが、うずくまっていた七海の様子のこともあって、何かが俺の中でひっかかった。




    【小高高校】と【希望ヶ峰学園】
    俺は結局、どっちの生徒なんだ?


    俺はここから出ることばかり考えていたけれど、確かに、ここから出られたとしたら俺はどうなっているんだろう?



    日向「この島から出られたときに……何かわかるのかな?」



    そうだったとしても、今は何もわからない。
    だが、ここは七海の言う通り、誰かに自分の今の悩みを相談してみてもいいかもしれない。


    思考に一応の結論を出すと、俺は電気街から離れ他のところを探索することにした。



  229. 290 : : 2015/09/02(水) 14:25:52

    ―映画館―


    小泉「映画館なんてあるのね」


    西園寺「ほんとよくわかんない島だな~」


    小泉「入ってみましょうか」





    小泉「中は結構広いわね……」


    西園寺「座席もあるし、ちょっと休んで行こうか?」


    小泉「そうね……」





    西園寺「……」


    小泉「……」






    西園寺「あのさ、小泉おねぇ」


    小泉「なに、日寄子ちゃん?」


    西園寺「ちゃんとご飯たべてる?」


    小泉「食べてるわよ……おせっかいなやつもいるしね」


    西園寺「おせっかいなやつ?」


    小泉「モノミがたまに差し入れをくれたりするのよ……何者かはわからないけど、彼女なりにアタシのことを心配してくれているのかもね」


    西園寺「そっか……モノミか」


    小泉「アタシ……みんなに迷惑かけてばかりだよね。協調性もないしさ」


    西園寺「それを言ったら、わたしもそうだよ……それにあいつらそんなに気にしてないと思うよ?日向おにぃのことばっか気にしてるんだろうし」



    小泉「日向か……」


  230. 291 : : 2015/09/02(水) 14:26:43


    西園寺「ごめん……日向おにぃの名前だすべきじゃなかったね」


    小泉「いいのよ、この島に集められたみんな日向と知り合いなんだもの……日向の話題を避ける方が難しいでしょうね」


    西園寺「ねぇ、そのさ……おねぇはさ、日向おにぃと何があったの?」


    小泉「……それは」


    西園寺「ごめん、やっぱり話したくないよね」


    小泉「……ごめんね」





    西園寺「わたしはさ……ある日、いきなり日向おにぃが目の前に現れたの」


    小泉「日寄子ちゃん……?」


    西園寺「おにぃは平凡で、馬鹿で、情けなくて、馬鹿で、優柔不断で、どうしようもなくて馬鹿だった」


    小泉(3回馬鹿っていった……)


    西園寺「でも、いつもわたしの欲しい言葉をかけてくれたの」


    小泉「そうなんだ……ほんと、あいつらしいわね」


    西園寺「それで、ある日急にいなくなったの。現れたのも急だったら、いなくなるのも突然だった……わたしに何も言わずにさ」


    小泉「……」


    西園寺「わたしにとっては元の生活に戻るだけのはずだったんだけれど、なんだか日々が物足りなくなったの」


    西園寺「最初からいなかった人間がいなくなっただけなのにさ……」



    小泉「そうだったんだ……」



  231. 292 : : 2015/09/02(水) 14:29:08


    西園寺「だからさ、本当はおにぃなんてどうでもいいはずだったんだ……いなくなったやつのことなんて気にしないつもりだったんだけどさ」


    西園寺「なんで、こんなタイミングでまた現れるんだろうね、ほんとにさ……」


    小泉「そうね、アタシもこんなタイミングでまた会うことになるなんて思ってもみなかった」



    西園寺「…………約束も破ったくせに」


    小泉「約束って?」


    西園寺「もういいの、どうせあいつにとってはどうでもいいことだったんだろうし」


    小泉「そっか……」




    西園寺「ごめん、おねぇの気持ちを軽くしてあげたかったんだけど……わたしのことばっかり話してるし、わたしじゃ力不足だね」


    小泉「そんなことないよ、そう思ってくれるだけでも嬉しい……ありがとう、日寄子ちゃん」


    西園寺「うん、わたしも……聞いてくれてありがとう」







    西園寺(このままじゃおねぇはいずれ壊れちゃうよ……ずっと辛い顔したまんまだ)



    西園寺(だから、なんとしてもここから出なくちゃ……でも、どうやって?)



    西園寺(そうだ……九頭龍、あいつは裏切り者だった。あいつに接触すれば何かわかるかもしれない)



    西園寺(早く二人でここから出るんだ……おねぇのために!!)


  232. 293 : : 2015/09/07(月) 18:02:27

    ―モーテルー


    日向「ここは、なんだ?」


    九頭龍「宿泊施設みたいだな、1の島にあるコテージよりも簡素なつくりだがな」


    日向「九頭龍か、ここにいたんだな」


    九頭龍「なんだ?オレのこと探してたのか?」


    日向「いや、そういうわけじゃないよ」


    九頭龍「なぁ、日向。記憶は戻ってはいないようだが、ペコから九頭龍組に所属していたころの話は聞いたんだよな?」


    日向「あ、ああ……まったくピンとこないけどな」


    九頭龍「……っていっても、おまえは居候みたいなもんだったけどな、終里の家に借金を取りにいった件がおまえの九頭龍組での最初で最後の仕事だったわけだ」


    日向「そうだったのか……」


    九頭龍「あれにしたって、ボスである親父が、おまえが“九頭龍組”にいることをいいことだとは思っていなかったからこそ、おまえには極道は向いていないことをわからせるために行かせたんだけどな?実はペコのやつは心配しておまえのこと監視してたんだぜ?」


    日向「それは辺古山から聞いてなかったな、そうだったのか……」


    九頭龍「想定外だったのは、おまえが思いのほか終里たちと仲良くなってしまったことと……九頭龍組の末端のやつらが勝手に終里の家に行ったことの2つだったな」


    九頭龍「終里たち家族が襲われたのはちょうどペコが近くにいないときだった。終里とおまえの様子を隠れて見ていたからこそ、ペコは終里のトラウマの原因を作ってしまったことに責任を感じていたんだろうな。それに、家族を必死に守るあまりに我を見失っていた終里に自分を重ねていたのかもしれないな」


    日向「そんな事情があったのか……」


    九頭龍「だが、今回のことで終里のことは解決することができた。本当によかったよ」

  233. 294 : : 2015/09/07(月) 18:05:56

    日向「今回も俺が直接的な原因だったのに、何もできなかったな。罪木のことも終里のことも本来だったら俺がなんとかするべきだったのに……」


    九頭龍「自分でケリをつけなきゃ、納得がいかなかったか?」


    日向「そういうわけじゃないよ……ただ自分が情けないんだ」


    日向「俺がみんなと出会ったせいで、この島に閉じ込められて……しかも、俺は罪木や終里の心を気づかないうちに傷つけて、そのことすら忘れて今も大切なことを思い出せないままなんだ」


    日向「だから、辛くて情けなくて……そんな自分が嫌なんだよ」


    九頭龍「おまえだけのせいじゃない……っていってもおまえは悩むんだろうな」


    日向「……」


    九頭龍「日向、今おまえ救われたがっている……だけど、オレじゃ悲しいが、おまえの心を完全に救ってやることなんてできやしない」


    日向「そんなことないさ……こんな愚痴を聞いてくれるだけでありがたいよ」


    九頭龍「でもさ、オレが今おまえのことを簡単に救ってやることができないように……人を救うってことはそう簡単にできるもんじゃねぇんだよ。むしろ、普通はできなくて当たり前なんだよ」


    日向「それじゃあ、やっぱり俺には何もできないのかな……?あいつらに迷惑かけたのに、俺は何も返してやれないのかな?」





    九頭龍「…………なぁ、日向。人と人って簡単にわかりあえると思うか?」


    日向「……それはすごく難しいだろうな」


    九頭龍「そうだな。正直、人と人なんて、互いにわかりあった気になって生きているにすぎないんだって、オレも思うよ……オレとペコはずっと一緒にいたが、それでも互いを完全に理解しているなんてことはないだろうな」


    日向「そうだよな……幼いころからずっと一緒にいたって、わからないことだってたくさんあるな……」


    九頭龍「でもよ……難しいからこそ、人は人に手を差し伸べる続けるんじゃねぇのか?」


    日向「え?」
  234. 295 : : 2015/09/07(月) 18:09:00


    九頭龍「どんなに時代が進んでも、どんなに便利なものができても、人間関係ってやつだけは簡単にはなっちゃくれないんだ、これから先、人間が人間である限り、ずっと複雑なまんまだと思うぜ」



    九頭龍「でも、複雑だからこそ……オレらはいっつももがいて生きてんじゃねぇのか?」



    九頭龍「それに、おまえが差し伸べた手は、ちゃんと届いてると思うぜ?罪木だって、終里だっておまえのこと責めたりしてないだろ?あいつらもおまえと出会えてよかったって思ってるはずだぜ?」


    日向「九頭龍……」




    九頭龍「ちょっと、臭いセリフいっちまったな……」


    日向「いや、おまえの言葉重かったよ……心に響いた」


    九頭龍「オレがこんなセリフ言ったなんて、他のやつらには言わないでくれよ?」


    日向「いいセリフだったと思うけどなぁ」











    日向「九頭龍……俺はさ、みんなのそばにいてもいいのかな?俺のせいでこんなことになってるのに」


    九頭龍「いいにきまってんだろ?テメェーのせいでここにいるかどうかなんて本当はわかんないじゃねぇか……もっとそこらへんは適当でいいんだよ」


    日向「でも……」


    九頭龍「あっ、最初からオレらに出会ってなきゃ、オレらに迷惑かけなかったのにとかもナシな」


    日向「おまえ、エスパーかよ!!?」


    九頭龍「今のおまえはわかりやすすぎるんだよ……おまえはもっとわかりづらいやつだと思ってたんだけどな」


    日向「そうなのか?」


    九頭龍「ああ、正直、何考えてるかわかんないって感じだったな……実際、この島にきて初めて知ることばかりだったよ。おまえが異常なまでに才能に執着して、自分を追い込んでいることもな」


    日向「俺は覚えてないけど、そのへんのことは話していなかったんだな」


    九頭龍「まぁ、なんとなくは知ってたんだけどな。おまえはいつも、ペコやオレのことを羨ましがっていたからな」


    日向「羨ましいか……確かに俺は今だってみんなのことが羨ましいよ」
  235. 296 : : 2015/09/07(月) 18:11:55


    九頭龍「なぁ、もし、おまえが罪木や終里と出会っていなかったら、あいつらは今よりも幸せだったと思うか?」


    日向「そう、なんじゃないかな?俺がいなければ、こんなことにはならなかったんだし……」


    九頭龍「そうは言い切れないんじゃないか?もしかしたら、とんでもないやつに出会って影響を受けて、ひどいことになっていたかもしれないとも考えられるぞ?」


    日向「そんなこと、考えたくもないな……」


    九頭龍「だろ?こんなもしもの話なんてなんの意味もないんだよ。起こることはもう起きちまったんだ」


    九頭龍「オレもよく、自分が極道じゃなくて普通の家に生まれていたらどうだったんだろうなとか考えるんだが、そんなのなんの意味もないんだよ」


    九頭龍「オレは正直、極道の才能なんて自分にはないと思っている。ただ、九頭龍組に生まれたから【超高校級の極道】を名乗ることができるだけで、九頭龍組を差し引いたオレには本当はなんの力もねぇんだよ」


    九頭龍「でも、オレは九頭龍冬彦だ。もしものことなんて考えてもしょうがねぇんだ」


    九頭龍「おまえも日向創なんだ。もしも、なんてそこにはない。オレは九頭龍冬彦として、日向創に出会えてよかったと思ってんだからな、そのことは覚えとけよ?」



    日向「九頭龍、なんかおまえカッコいいな……」


    九頭龍「オレもさ、今よりももっとすごい才能が欲しいって思ったり、九頭龍組っていう自分じゃない、なんのしがらみもない普通の自分になりたいって思ったりしたこともあったからな……少しだけど、おまえの気持ちがわかるような気がするんだ」


    日向「おまえがそんなこと考えてたなんて知らなかったよ。もっと自分に自信を持ってるのかと思ってた」



    九頭龍「才能があったって、自分に自信のないやつはたくさんいると思うぞ?逆に突出した才能がなくても、自分に自信のあるやつもいるしな。そういった意味では、オレはこの島にいる誰よりも、おまえにシンパシーを感じるな」


    日向「自分に自信がないものどうしってことでか?」


    九頭龍「そういうことだな。自信がないものどうし頑張ろうぜ?」


    日向「ああ、そうだな……ありがとう九頭龍」


    九頭龍「いいってことよ。ちったぁ気持ちも軽くなったか?」


    日向「ああ、だいぶ心が楽になったよ」

  236. 297 : : 2015/09/24(木) 13:21:51

    日向のコテージ―


    なりゆきではあったが、七海のアドバイスの通り九頭龍に愚痴を聞いてもらって幾分か楽になった。
    だが、案の定というべきか、今回も脱出の手がかりは見つからなかった。


    レストランで各自が探索の結果を報告しあったが、みんなも似たような結果だったらしい。
    みんなといっても、そこに狛枝と小泉と西園寺の3人はいなかった。


    田中の言っていた昨日の言葉を思い出す……。
    やはり、俺たちはチームとしてはまだまだだ。


    リーダーである十神(サギー)がいなくなり、その後のチームのあり方について一番考えていてくれた弐大もいなくなってしまった。


    ただ、そんな状況のなかでも、七海をはじめとする何名かが3人に会って情報を共有しにいくと言ってくれた。


    この島に来てから、俺は小泉と西園寺とはほとんど話すことができていない。
    狛枝とは何度か話すことはあったが、やはりどこか距離を感じる。



    九頭龍の言葉を思い出す。
    人と人との関係は複雑だ。いつの時代も簡単にはいかないことばかりだ。
    でも、俺はこのままでいいなんて思わない。
    なんとか、3人とちゃんと話をしたい。


    狛枝は本気で俺のことを嫌っているとは思わない。
    あいつが急に俺の前からいなくなったことも何か理由があるはずなんだ。


    西園寺のことは、正直記憶がはっきりとしていない。
    辺古山の言っていた通り、俺の記憶には矛盾がある。
    だが、小高高校入学前出会った人物だけは別のようだ。



    狛枝、辺古山、弐大はそれに該当する。
    思えば、サギー、花村、ソニアの覚えている内容を俺は覚えていなかった。
    それに対して、狛枝や弐大のことはほとんど覚えていた。九頭龍のことを除けば、辺古山のことも比較的覚えていたように思う。


    そして、小泉……。
    あいつのことは……。


    終里「おぅ!!約束通りコテージのドア直すの手伝いにきたぜ!!」


    日向「終里か、あがってくれ」


    澪田「唯吹もいるっすよ!!」


    日向「澪田か?どうしたんだ、俺に何か用か?」


    澪田「えぇ~、用事がなかったら創ちゃんに会っちゃダメなんすか?」


    日向「そういうわけじゃないけど……」


    澪田「唯吹もお手伝いするっすよ!!」


    終里「……ってわけらしいから、3人でやることにしようぜ!!」


    日向「ああ、じゃあ頼むよ」



    一人で考えているだけじゃしょうがないな。
    ドアを直したら、他のみんなにもいろいろ聞いて見ることにしよう。
  237. 298 : : 2015/09/24(木) 13:23:33




    澪田「しっかし、創ちゃんドア壊されてばっかりっすねぇ」


    日向「そう考えると、このドアも3代目か……」


    終里「モノクマにも壊されたんだったな、なんか呪われてんじゃねぇの?」


    日向「2回目に壊したおまえが言うなよ……」


    終里「わりぃな!!」


    澪田「どうせなら名前をつけてみたらどうっすか?」


    日向「え!?ドアにか!!?」ガビーン!!


    澪田「頑丈で誰にも壊されないことを願って、いい名前をつけるっす!!」


    日向「ええっと……そうだな。じゃあ、ドアえもんって名前にしよう」


    終里「【えもん】はどっから来たんだよ!!?」ガビーン!!


    日向「いや、なんとなくな」


    澪田「創ちゃんって、ネーミングセンスひどいっすよね……っていうか危険な香りがするっす」


    日向「まぁ、なんでもいいじゃないか。このドアがしっかりと出入り口の役割を果たしてくれればな」


    終里「もうすぐ、取り付けが終わるぞ」


    日向「これが終わったら、なんか食べにいくか」


    澪田「いいっすね!!」


    終里「じゃあ、早く取り付けて、飯だ!!」







    罪木「た、大変です!!!!!!!!!!」バァンッ!!!


    バキィ!!


    日向・澪田・終里「「「ド、ドアえもーーーーーーーん!!!?」」」ガビーン!!





    罪木「ああああああああ!!!?も、申し訳ございませ~ん!!」ガビーン!!


    日向「罪木、そんなに慌ててどうしたんだよ!?」


    罪木「その、ドアのことはすみません!!と、とにかく、大変なんです!!来てください!!」


    澪田「どういうことすか?」


    終里「よくわかんねぇけど、とにかくいってみようぜ!」
  238. 299 : : 2015/09/24(木) 13:28:57

    ―レストラン―


    日向「どうしたんだ?何があったんだよ?」


    花村「それが、なんていうか……」





    ???「創ちゃん!!!!!!!!!!」




    日向「えっ!!?」


    終里「お?」


    日向「えっ!?澪田か、今の?」


    澪田「いや、唯吹じゃないっすよ!?」


    日向「じゃあ、誰が……」




    小泉「創ちゃん、どうしたの?」


    日向「こ、小泉!?」ビクッ!!



    小泉「何驚いてるの?アタシの顔に何かついてる?」



    日向「い、いや……その……」


    小泉「蜜柑ちゃん、創ちゃん連れてきてくれてありがとうね!!アタシ、創ちゃんに会いたかったの!!」


    罪木「えっと、は、はい……」


    レストランは異様な空気に包まれていた。
    それもそのはずだ。
    今まで、俺には近づこうとしなかった小泉の態度が激変していたからだ。



    花村「なんていうか、日向くん以外に対しては変わりないみたいなんだけど……ほんとにどうしちゃったんだろ?」



    小泉「創ちゃん!!一緒にご飯食べよ!!」


    日向「え、うん……」


    終里「そうだな、飯にするか!花村、飯ィ!!」


    花村「え、いや……この状況をそのままにしておくのは……」


    終里「まぁ、食べながら話を聞いて見ようぜ!!」



    澪田「そういえば、他のみんなはどこっすか?」


    罪木「花村さんが昼食の準備をされていたところに、たまたま私と小泉さんが来たんです。そうしたら、小泉さんの様子がいつもと違っていて……」


    澪田「つまり、他のみんなとはまだ会ってないってことっすね」


    日向「どういうことだ、澪田?」


    澪田「いや、真昼ちゃんだけなんすかね?こんな感じになってるの……」


    日向「なんだって!?」


    小泉「ねぇねぇ、何話してるかよくわかんないけど、早くご飯にしようよ!!」


    日向「小泉、おまえ……」




    なんだろう、さっきから胸が痛む。


    この小泉は笑顔だ。この島で再会してから、あいつの笑顔なんて見たことがなかった。


    それがこんな形で見ることになるなんて……。


    あいつの笑顔を見るなんて、いつ以来のことなんだろうな。


    俺が思い出す、記憶の中の小泉は、いつも……泣いている。

  239. 300 : : 2015/09/24(木) 13:32:37

    小泉「あ……」


    日向「え!?」


    罪木「小泉さん!!?」


    終里「小泉!?大丈夫か!?」




    小泉は急にふらついてその場に倒れてしまった。


    罪木「小泉さん!?しっかりしてください!!」









    ―病院―

    日向「罪木、小泉は大丈夫そうか?」


    罪木「ええ、気を失っているだけのようです。外から見た限りでは他に異常は見られません」


    花村「異常なのは、さっきの日向くんに対する態度だけってことか……」



    日向「……」


    花村「あっ、そのごめんね……。気を悪くさせるつもりはなかったんだ」


    日向「いや、そんなことはないよ。こっちも気を使わせて悪いな。だが、いったい何が起こってるんだ?」


    終里「オレんときみたいにあのゲームでもやったのか?」


    澪田「でも、真昼ちゃんには唯吹っから、ちゃんと伝えたっすよ!あのゲームはやらないほうがいいって!」


    花村「まぁ、勝手にやってしまったってこともあるかもね……。注意したところで、絶対にやらないなんて保障はないんだし」


    日向「考えられる可能性としては、モノクマか……」


    終里「こういうときには真っ先に現れそうなもんなのに、そういや来ないな」



    罪木「ですが、こちらはモノクマさんの居場所はわかりませんもんね。ただ、モノクマさんよりも、今は他のみなさんを探した方がいいかもしれません。私も澪田さんとおなじく、他のみなさんのことが気になります」


    花村「確かに、小泉さんを除けば、ぼくたちは問題ないけど……他のみんなに何か起こってるかもしれないね」


    日向「手分けして探すことにしよう、罪木は小泉のことを頼む」


    罪木「わかりました。私は小泉さんのそばにいます」


    日向「なら、他の4人でここにいない6人を探すことにしよう」


    終里「わかった、任せな!!」





    日向(小泉、いったいどうしちゃったんだ?確かに、俺はおまえと昔みたいに話がしたいと思っていたけど、なんの脈絡もなくこんなに変わってしまうなんて……)



    日向(今ここにいないのは、狛枝、西園寺、田中、左右田、七海、九頭龍の6人か……。何事もなければいいんだけど)






  240. 304 : : 2015/10/05(月) 08:51:45


    ―電気街―


    日向「お~い!!誰かいないか!!」


    俺は電気街に来ていた。
    みんなを探すことになってから、七海の様子がおかしかったことを思い出したからだ。


    日向「さすがにおなじ場所にはいないか……」




    七海はおろかその場には誰もいなかった。




    日向「ん?なんだあれ……?」


    俺はパソコンに何かが映し出されているのに気がついた。
    さっき来た時にはあんな画面ではなかったはずだ。


    そこに映っていたのは……。
    無数の0と1だった。


    日向「なんだこれ?」


    壊れているのかと思ったが、どうやら勝手に動いているようだ。
    遠隔操作でもされているのだろうか?


    では、誰がなんのために、こんな画面を映し出しているのだろう?






    日向「あれ!?……なんでだ!?読めるぞ!?」




    突然、さっきまではわけがわからなかったはずの0と1が
    俺の頭の中で文字として読めるようになっていた。





    日向「未来機関への報告書……未来機関?」




    初めて聞いた単語だ。
    だが、何か重要な単語であるような気がする。


  241. 305 : : 2015/10/05(月) 08:57:21




    とにかく、内容を確認してみよう。






    日向「予定通り、超高校級の生徒たち【13人】を、一部の記憶を操作してこの島に閉じ込めることに成功した」








    え?13人だって!?







    ちょっと、待ってくれ……!?
    俺たちは確かに16人だったはずだ。
    これでは、3人も足りていない。


    日向「超高校級の生徒は13人……。だったら、3人はそうじゃないっていうのか!?いったい、誰のことなんだよ!?」


    もちろん、この情報が正しいかどうかはわからない。
    だが、なぜ今こんな情報がここに表示されているのか?


    そして、本来の俺はこれを読めないはずだ。
    つまり、これは誰にでも読まれていい文章じゃないはずなのだ。







    ……とにかく、情報の整理はあとにしよう。
    まだ、文章は続いている。






    日向「我々、未来機関は予定通り計画を実行したが……思わぬアクシデントが発生した。それはモノクマだ」



    日向「モノクマは……未来機関であるウサミを“モノミ”へと変化させ、ウサミの能力を奪った」



    日向「モノクマは、我々が考案した【希望のカケラ】を集めて16人全員の絆を育て上げるという方法ではなく、生徒を個人個人で卒業させていっているようだ」










    我々、未来機関とあるが、この文章は未来機関の誰かが書いたってことなのだろうか。


    そして、ウサミであったモノミもその【未来機関】のメンバーらしい。

    つまり、この状況は、モノミは1人でやったわけじゃなく、何人かの人間が関与してるってことか。

    それじゃあ、本当に俺たちを閉じ込めたのはモノミたちで、記憶を奪ったのもモノミたちだったんだな……。



    だが、俺たちも知っているように、今はモノクマがこの島での権限を握っている。
    つまり、モノミたち【未来機関】の計画は計画通りにはいっていないということだ。


    ここにきて【希望のカケラ】という単語を思い出した。
    モノミが俺たちに集めさせようとしていたものだ。



    それがなんなのかはよくわからないままだが、それは絆の証らしい。

    全員の絆を深めることが修学旅行の目的だとモノミは言っていた。

  242. 306 : : 2015/10/05(月) 09:06:34





    日向「それに対し、モノクマは未来機関のやり方とは違っているようだ」



    ん?何かひっかかるな……。
    やり方が違うってことは、目的は同じってことなのか?



    だったら、ここに書いてあることを信じれば、モノクマも未来機関も……目的は俺たちの絆を深めることなのか!?


    だが、モノクマには別の思惑もありそうだ。





    日向「なんだかこんがらがってきたな……」




    この島がなんであるか。

    未来機関とは一体何なのか。

    モノクマは何者なのか。

    俺たちはなぜ集められたのか。

    モノクマのいう俺の才能はなんなのか。

    なぜ、ここにいる七海を除く超高校級の生徒は俺と少なからず縁があるのか。



    とにかく、謎が多すぎる。




    さらに読み進めてみようと思ったが、どうやらこれで終わりのようだった。






    謎は残ったが、わかったこともある。





    ここにいる閉じ込められた【超高校級の生徒】は13人であること。16人のうち3人は同じようにこの島に閉じ込められたが、【超高校級の生徒ではない】ということ。


    モノミは未来機関であり、未来機関という組織が俺たちを閉じ込め記憶を一部の奪ったということ。


    モノクマの存在は未来機関にとっても予想外であるということ。






    まとめるとこんなところだろうか。


    特に、最初の内容が衝撃的だった。


    超高校級の生徒じゃない3人って、いったい誰のことなんだ?









    ……とそのとき、俺は最後の一文を見逃していたことに気がついた。



    そして、それは今までの内容よりも、もっとも衝撃的だった。
  243. 307 : : 2015/10/05(月) 09:07:52















    「以上で最初の報告を終了する。引き続き1の島の自室より報告していく予定である」








    未来機関No.7七海千秋より、未来機関No.5 不二咲千尋への報告














  244. 310 : : 2015/10/13(火) 23:22:06






    日向「七海が……未来機関!!?」





    確かに、この島に来てから唯一知らなかったのはあいつだけだった。それは、俺以外の15人の中で唯一違う点だった。
    納得がいかないでもないが……。




    日向「なら、超高校級じゃない3人のうち1人は七海ってことか……。いや、断定はできないけど……」



    でも、それも気になるけど……。
    今、もっと気になるのは……。



    日向「不二咲……千尋?」



    なんだか聞いたことのある名前だ……。


    そうだ。確か、不二咲千尋は【超高校級のプログラマー】として期待されている人物だ。


    いや、違う……。
    そんなんじゃなくて、不二咲って名前を、どっかで聞いたことがあるんだ。




    でも、ダメだ……。
    やっぱり、思い出せない。


    本当に俺の記憶は、全然役に立たないな。










    西園寺「お、おにぃ!!?」


    日向「西園寺!?」


    西園寺「な、なんで……ここに!!?」




    思案にふけっていると、いつのまにか西園寺がいた。




    日向「西園寺……よかった。探してたんだよ!」



    俺は西園寺に近づこうとした。








    西園寺「来ないで!!!」



    日向「え?」


    西園寺は俺を拒絶し、後ろへと下がった。


    日向(え……西園寺……震えてる!?)



    西園寺「やめて!!近づかないで……」


    西園寺の様子は明らかに今までと違った。
    今までの拒絶とは違う……。


    明らかに西園寺は怯えていた。


    何に……?


    そんなの、一人しかいない……。




    日向(俺に……怯えている!?)



    西園寺「騙されてたんだ……あんたは最初からわたしを……」


    日向「西園寺?」






    西園寺「わたしを殺すつもりだったんだ!!!」








    殺す……?


    俺が……西園寺を……!?





    日向「待ってくれ、いっている意味が全然わからない!!」





  245. 311 : : 2015/10/13(火) 23:32:45






    西園寺「だって、あんたは【極道】だったんでしょ!!?」


    日向「え!!?」




    西園寺「聞いちゃったんだよ……あんたと九頭龍がモーテルの前で話してるの!!」



    そ、そんな……!!?
    あのときの会話が聞かれていたのか!!?




    西園寺「そうだよね……気づくべきだった。九頭龍と関係があるって時点で答えはなんとなくわかるのにね。……それでも、ちょっとした知り合い程度なのかと思ってたけど、隠すって時点で怪しいに決まってるじゃん」




    西園寺「それでも、おにぃが、そうだなんて思えなかったし、信じたくなかったよ……」




    俺は思い出せてはいないが、俺は【九頭龍組】に所属していた時期があったと九頭龍本人が言っていた。



    だが、それがなぜ俺が西園寺を殺すことにつながるんだ……?






    日向「西園寺、正直のところ……俺はちゃんと思い出せていないんだ。俺が【九頭龍組】に所属していたかどうかってこともだ……」



    西園寺「覚えてるかどうかなんてどうでもいいよ……。確かに、あのとき、おにぃはわたしを殺そうとしていたんでしょ!!?最初からそのためにわたしに近づいたんでしょ!!?」




    日向「だから、なんで俺がおまえを殺すなんてことになってんだよ!!?」







    西園寺「しらばっくれないでよ!!わたしを殺すように依頼されたんでしょ!!わたしのことが邪魔な西園寺家のやつらに!!」




    日向「え……?」





    西園寺「全部ウソだったんだね……。過ごした日々も、交わした約束も……全部!!!」




    西園寺はその場で泣きだした。


    俺がもう何を言っても西園寺は聞く耳を持たなかった。




    日向「西園寺……俺は……!!」


    西園寺「……こ、来ないでよ!!」ビクッ!!





    西園寺は、泣きながら後ずさる。



    西園寺の目は物語っていた。



    その感じている恐怖の強さを、抱いている不安の大きさを……。



    それたった一言で表すとすれば、まさしく【絶望】というのだろう。



    そして、その原因はやはり俺なんだ……。



  246. 314 : : 2015/10/18(日) 13:20:39






    九頭龍「待ってくれ!!西園寺!!」


    西園寺「今度は九頭龍!!?こっち来ないでよ!!?」


    九頭龍「日向は本当に自分が【九頭龍組】だったってことを覚えちゃいねぇんだ!!だから、責めるなら、オレを責めろ!!」


    西園寺「しゃしゃりでてこないでよ!!!!【裏切り者】のくせに!!」



    九頭龍「なんだと!!?」


    日向「【裏切り者】……って九頭龍が!!?」


    西園寺「九頭龍と辺古山がモノクマと話してるところみたんだよ……!!!九頭龍も日向おにぃも、ここにいる誰もかれも……みんな信用できないよ!!!!!!」




    日向「ごめん、西園寺……。おまえのことを苦しめてごめん!!記憶がほとんどないから思い出せないけど、おまえが苦しんでるのは、きっと全部俺のせいだ……。本当にごめん……!!」



    西園寺「おにぃ……お願いだからさ。もう、そんな優しいふりなんてしないで、気遣うような顔しないで……」


    西園寺「……これ以上、耳触りのよさそうな言葉なんて吐かないで」



    西園寺「それに思い出さなくてもいいよ。もう、わたしたちの約束も思い出も無意味になったんだからさ」




    九頭龍「さ、西園寺……。おまえ、そこまで……」




    西園寺「バイバイ」






    西園寺は遠くへと走り去った。


    追おうと思えば、追えたはずだったのに、俺も九頭龍も追うことができなかった。





  247. 315 : : 2015/10/18(日) 13:28:42



    九頭龍「すまねぇ、日向……。オレの責任だ。こんなタイミングであいつに全部バレちまうなんてな」


    日向「九頭龍……。【裏切り者】っておまえのことだったのか……?」


    九頭龍「ああ、オレとペコは【裏切り者】だ……。とはいっても、オレらはソニアの役割とそう違わないかったんだがな」


    日向「どういうことだ?」


    九頭龍「【裏切り者】といっても、前からモノクマとつながりがあるわけじゃねぇんだ」



    九頭龍「これから、超高校級の生徒たちには試練が待ち構えている。そのときにサポートしてやってほしいって頼まれたのさ。だから、この島に来るまでは、あいつに会ったことはないし、あいつの正体も目的ももちろん知らない」



    九頭龍「知っていることもおまえたちとはそんなに違わない。ただ、何かが起こる前に、ちょっとした情報と指示を与えられるだけだ」


    日向「何かっていうのは……つまり……」


    九頭龍「終里がおまえと決闘したあと、オレは弐大のところに、ペコは終里のところに行くように指示を受けた。前にも言った通り、ペコは終里と少なからず因縁があったしな」


    日向「じゃあ、ソニアも【裏切り者】だったってことか?」


    九頭龍「厳密に言うと違うらしいな。罪木の件は俺たちもその場にいたが、いきなり起こっただろ?ソニアの奴は、ソニアが罪木に決闘をしかける直前にモノクマに指示を受けたらしい」


    九頭龍「罪木が不安定になったのは、ソニアが日向とのエピソードを語ったことが引き金だった。あれはモノクマも予想していなかったタイミングだったということだ」



    日向「そうだったのか……」



    ん、待てよ?



    日向「……ってことは、逆に言えば、終里の件はモノクマの計画通りに起こったことなのか!?」



    九頭龍「ペコを用意していたんだから、だいたいは計画通りだったってことなんだろうな。モノクマがオレらにゲームを配った時点で何かは起こるとは思っていたんだがな」



    日向「モノクマのやつ、自分で終里を暴走させておいて、辺古山に解決させたのか……!!」



    モノクマは手段はともかくとして、俺たちの絆を深めさせようとしているってことか……。七海の報告書に書いてあったことは正しかったようだ。
  248. 316 : : 2015/10/18(日) 13:39:20



    それなら、もしかして……。



    日向「なぁ、九頭龍……。もしかして、今回は西園寺だっていうのか……。そして、その解決に用意されたのは……!!」



    九頭龍「そう、オレだ……。もっとも、この有り様だがな」



    九頭龍「オレとおまえの関係を隠したのは、他ならぬ西園寺に知られないようにするためだ。今思えば、隠さずに上手いこと嘘をついておいたほうが怪しまれなかったんだろうけどな」



    九頭龍「隠すことだって卑怯だとは思ったが、オレたちの関係に嘘はつきたくなかった。変なところで意地を張っちまったよ。結局バレちまった今、もうそんなこといってもしょうがないんだけどな」



    九頭龍「もしもの話なんてしたって意味ないのに、また、しちまってるな……。ほんと、どうしようもねぇ」



    モノクマが言っていた、俺たちの中にいる【裏切り者】。
    それがこんな形でわかるとは思わなかった。



    日向「そうだったのか……。ソニアも辺古山も九頭龍も、俺たちの知らないところで頑張ってくれていたんだな」


    九頭龍「こっからが本当のオレの役目だったはずなのにな……ホント自分が情けないぜ」



    日向「……なぁ、九頭龍」


    九頭龍「どうした?」


    日向「おまえ言ったよな?人と人とが分かり合うことは簡単じゃないって、でも、だからこそ人は人に手を差し伸べ続けるって……」


    九頭龍「日向……?」


    日向「諦めちゃいけない。今、一番苦しんでいるのは西園寺なんだ。それに、俺ももう、何も出来ない自分でいたくないんだ」


    日向「九頭龍、西園寺と俺と九頭龍組の間に何があったのか、教えてくれないか?本当は自分で思い出せたらいいんだけど、今の俺の記憶だけじゃ全然役に立たないみたいなんだ……」


    九頭龍「そうだな、この件はおまえを抜きにしちゃ、やっぱダメだよな……。ああ、わかった!オレの知っていることを話すよ」


    九頭龍「だが、日向……。一ついいか?」


    日向「どうしたんだ?」


    九頭龍「おまえは西園寺とのことをほとんど覚えていないなら、なぜ、オレに口止めしていることは覚えていたんだ?」


    日向「……ごめん、自分でもよくわからないみたいだ。ただ、あのとき俺も西園寺には伝わらないようにしないといけないと思ったんだ。俺が口をはさんだことでむしろ逆効果だったかもしれないが、とっさにな」


    九頭龍「そうか……。ペコも言っていたが、おまえは小高高校に入学した以降の記憶は失っているのにも関わらず、高校に入った後に知り合ったオレのことを覚えている。いろいろとわけがわからないな……」


    日向「小高高校入学後のことはほとんど忘れているけど、みんなと知り合いであることや、ちょっとしたことは覚えているみたいなんだ……」


    思い返してみると、俺の記憶は随分と都合のいい部分がはぎとられている気がする。誰にとって都合がいいのか、それはもちろんモノクマだろう。


    本当に妙な気分だ。
    まるで、記憶の方に自分が操られでもしているみたいで気持ちが悪い。



    日向「ただ、西園寺のことを聞きたいが、あいつを放っておくわけにもいかない……。今、俺たちがいったら逆効果だから、誰かに様子を見ていてもらった方がいいんじゃないかな?」


    九頭龍「そうだな……。なら、七海あたりに頼むとするか」


    日向「いや、七海は……」


    九頭龍「なんだよ、まずいのか?」


    日向「とにかく、誰かを探そう……。七海については、他のみんなを探しながら話すよ」


    九頭龍「ああ、わかったよ」








    未来機関であると判明した七海。


    なぜか、俺に殺されると怯えていた西園寺。




    まだ、いろいろと整理は追いついていないが、悠長なことは言っていられない。



    俺と九頭龍は電気街を離れ、他のみんなを探すことにした。
  249. 320 : : 2015/10/27(火) 19:41:33

    ―図書館―


    七海「ここにいたんだね、探したよ」


    狛枝「七海さんか……」


    七海「こんなところで一人でたそがれているなんて、彼を見てなくていいのかな?」


    狛枝「まだ言うのかい?ボクはたまたま日向クンの近くにいただけであって、他意はないよ」


    七海「あれ?私、日向くんなんて一言もいってないけど」





    狛枝「……それで、なんのようなんだい?」


    七海「うん、じゃあ今度はちゃんと言うけど、キミに質問。キミは日向くんのこと好き?嫌い?」


    狛枝「何かと思えば、何度も言っているじゃないか。嫌いにきまっているさ」


    七海「じゃあさ、なんで日向くんのことが嫌いなのかな?」


    狛枝「それは、うっとうしくボクにつきまとってくるからね……。それだけだよ」


    七海「ふ~ん、才能がないから日向くんのことを嫌いってわけじゃあないんだね」


    狛枝「……何が言いたいの?」




    七海「キミはさ、日向くんのことを口では嫌いだ嫌いだって言っているけど、【どうでもいい】とは絶対に言わないんだよね。あと、キミは才能を基準に人を判断しているのに、日向くんだけは特別なんだ」


    七海「いや、あるいは……才能の有無だけで人を判断しているということすらウソなのかもしれない」




    狛枝「だからさ……、何が言いたいの?」


    七海「キミって昔は【才能】や【希望ヶ峰学園】のこと嫌ってたんでしょ?もしかして、今も変わってないんじゃない?」




    狛枝「……誰から聞いたのさ?」


    七海「否定はしないんだね?」


    狛枝「……」





    七海「はっきり言うね。キミの目的は日向くんを【才能】や【希望ヶ峰学園】から……そして、【自分】から遠ざけること……。違うかな?」





    狛枝「……」


    七海「だんまりか……。まぁいいよ、沈黙は肯定と取らせてもらうからね」


    狛枝「遠ざけるも何も、彼にはもともと【才能】なんてない……。【希望ヶ峰学園】に入学できるわけがないじゃないか。まぁ、ボク自身が彼のそばにいるのはごめんだから、【自分】の近くから遠ざけているってのは間違っていないけど」


    七海「そうだね、日向くん自体にキミの考えるような【才能】はないかもしれないね」


    狛枝「ほら、やっぱりそうじゃないか……」






    七海「でも、他人や世間に認められるような【才能】なんてなくっても、【希望ヶ峰学園】に入学できる方法はあるよね?」


    狛枝「そ、それは……!?」ビクッ!!


    七海「キミは最初から気づいていたんじゃないのかな?モノクマの言っていた【日向くんの才能】ってなんなのかさ?」


    狛枝「まさか……!!?だって、そんなはずは……!!?」


  250. 321 : : 2015/10/27(火) 19:45:32


    七海「私も、キミと同じだよ。日向くんを【希望ヶ峰学園】なんかに行かせたくなかった。まぁ、キミと違ったのは、自分から遠ざける理由がなかったことかな?」



    狛枝「七海さん……キミは一体何を……!!?」



    七海「でもさ……。よく考えてみてよ?どんな理由があったにせよさ……。嫌いだなんて言われて日向クンが傷ついていないと思う?どんな理由があったにせよ。突然、自分の前から姿を消されて……傷つかなかったと思う?」




    狛枝「え……?」




    七海「傷ついていたにきまってるじゃない!!」


    狛枝「!!?」




    七海「私は……ずっと見てきた。日向くんが苦しんでいるのを、ずっと見てきた!!でも、それでも日向くんはキミのことを嫌いにならなかった……」



    七海「本当はずっと傷ついていたはずなのに……。なんにも言わなかった……。言ってくれなかった」




    狛枝「ちょっと待ってくれ!!キミは日向くんと面識はないんだろ!?」


    七海「私も大事な記憶を消されていたんだ。そして、やっと思い出せたんだよ」


    狛枝「キ、キミが未来機関だったってことをかい……?」


    七海「ああ、あのメモを見たんだね。でも、自分が未来機関だってことは最初から覚えていたよ。忘れていたのはこの気持ち……」


    七海「ねぇ、狛枝くん……。前にいったよね?後悔しないように自分の気持ちを整理したほうがいいってさ?」






    七海「でも、もう手遅れだよ……」






    七海「狛枝くん、私はあなたを……。いや、【あなたたち】のことを許さない!!」




    狛枝「なんだ……!!?身体が動かない!!?」ビクッ!!




    七海「狛枝くんさ……、あのゲームやったよね?やらないでって、いったのにさぁ」


    狛枝「まさか……あのときの日向クンもキミが……!!!?」


    七海「人の忠告はちゃんと聞いた方がいいよ……?狛枝くん……?」









    七海「でも、もう手遅れだね?」



    狛枝「あ……え……」







  251. 322 : : 2015/10/27(火) 19:53:30

    ボクは日向クンを嫌いにならなくちゃいけない。


    ボクは日向クンを嫌いにならなくちゃいけない。


    ボクは日向クンを嫌いにならなくちゃいけない。


    違う。


    ボクは日向クンを嫌いにならなくちゃいけない。


    ボクは日向クンを嫌いにならなくちゃいけない。


    ボクは日向クンを嫌いにならなくちゃいけない。


    日向クンはうっとうしい。


    ボクは日向クンが嫌いだ。


    ボクは日向クンが嫌いだ。


    ボクは日向クンが嫌いだ。


    ボクは日向クンが嫌いだ。


    ごめん。


    ボクは日向クンが嫌いだ。


    ボクは日向クンが嫌いだ。


    ボクは日向クンが嫌いだ。


    嫌だ。


    ボクは日向クンが嫌いだ。


    痛い。


    ボクは日向クンが嫌いだ。


    ボクは日向クンが嫌いだ。


    ボクは日向クンが嫌いだ。


    会いたい。


    ボクは日向クンが嫌いだ。



    ボクは日向クンが嫌いだ。



    ボクは日向クンが嫌いだ。









    本当はどっちだったっけ?









  252. 323 : : 2015/10/27(火) 19:55:52









    澪田「図書館では静かにって学校で習わなかったんすかねぇ?」






    七海「なんで、あなたがここに!!?」ビクッ!!



    澪田「図書館でうるさくしたら、そりゃあ目立つっすよねぇ?物音に敏感な唯吹じゃなくっても気づくっすよ」


    七海「邪魔しないで……!!」


    澪田「よくわかんないけど、今の千秋ちゃんはおかしくなってるだけっす。いったん落ち着いたほうがいいっすよ?」


    七海「私はおかしくないよ!!おかしくなんてない!!」




    澪田「じゃあ、凪斗ちゃんをどうこうしたところで……創ちゃんは救われんのかよ?」



    七海「そ、それは……!!?」ビクッ!!


    澪田「創ちゃんの大好きな凪斗ちゃんが傷ついたら、創ちゃんはもっと傷つくんじゃないっすか?」


    七海「…………」


    澪田「落ち着いたっすか?」


    七海「ごめん……、この場は退かせてもらうよ……」



    七海「狛枝くんも……ごめん」



    狛枝「いや、ボクは……その……」




    七海「じゃあね……二人とも……」


  253. 324 : : 2015/10/27(火) 20:05:57


    七海さんは図書館から出て行ってしまった。


    追いかけることはできなかった。


    ボクにはそんな余裕はなかったし、たぶんだけど、澪田さんがそうさせなかっただろう。





    澪田「……」



    狛枝「澪田さん……その……」









    澪田「やっべwwwwwwwww」


    狛枝「は?」








    澪田「唯吹ってばwwwwwチョーかっこよくないっすか!!!?wwwwww唯吹の好感度あがりまくりっしょ!!?wwwwwwwww常識的に考えて!!wwwwwwwww」ズギャーン!!


    狛枝「……」ポカーン……


    澪田「これはもう、トリプルだな!!トリプルJKだな!!」


    澪田「JK(常識的に考えて)、JK(女子高生の唯吹に)、JK(次回もご期待ください)!!」


    狛枝「いや、言ってる意味がわからないよ!!?」ガビーン!!





    澪田「凪斗ちゃん、落ち着いたっすか?」


    狛枝「え?」


    狛枝(まさか、ボクを落ちつかせるために……わざとふざけてみせたのか?)




    澪田「まぁ、なんかとんでもないところに居合わせちゃったし、唯吹も何が何なのか実はよくわかってないんだけど……。これからのことは、これからじっくりと考えるっすよ!!」


    狛枝「澪田さん……」


    澪田「あっ……」


    狛枝「え、何?」


    澪田「じっくりと考えるも……JKだ!!?」ガビーン!!


    狛枝「それはもういいって!!?」ガビーン!!



    澪田「まぁ、千秋ちゃんはともかく……凪斗ちゃんはおかしくなってはいないみたいっすね」


    狛枝「どういうこと?」


    澪田「実は、真昼ちゃんが今の千秋ちゃんみたく、おかしくなっちゃってて……」


    狛枝「え、小泉さんが!!?」


    澪田「さっきの千秋ちゃんとはまた違うんすけど、なぜか創ちゃん大好き人間になっちゃってて……」


    狛枝「ど、どういうこと!?」


    澪田「真昼ちゃんは今、気絶しちゃって、病院で蜜柑ちゃんがついてあげてるっす。そんで、創ちゃんと、輝々ちゃんと、赤音ちゃんと唯吹の4人で、あの場にいなかった人を探してたとこだったんすよ」


    狛枝「そうだったのか……。それで小泉さんは大丈夫なのかい?」


    澪田「蜜柑ちゃんいわく、体調には問題ないみたいっすね。でも、創ちゃんへの態度が急変した原因が未だに不明なんすよ」


    狛枝「そうか、そうだったのか……。それじゃあ、ボクは病院に行ってみてもいいかな?」


    澪田「じゃあ、唯吹もついてこうかな。いったん真昼ちゃんの様子を確認したいし」



    狛枝「ごめん、それじゃあお願いするよ……そ、それと……」


    澪田「ん?」



    狛枝「さっきはありがとう……。助けてくれて……」



    澪田「どういたしましてっす!!」






    澪田さんが現れたおかげで、ボクは七海さんから解放された。


    だけど、七海さんは一体何者なんだろう?


    未来機関というだけでなく、七海さんには何か秘密があるらしい。


    そして、記憶とやらを取り戻した七海さんは、どうやらボクのことが気に食わないらしい。いや、彼女は【あなたたち】といっていた。




    だとすると、彼女の怒りはボク以外にも向けられていると考えていいだろう。




    ボクは疑問を抱えつつも、澪田さんとともに罪木さんと小泉さんのいる病院へと向かうことにした。


  254. 325 : : 2015/11/08(日) 14:14:45





    懐かしい音楽が聞こえる。


    アタシが好きだった音楽。


    アイツの指から奏でられる音楽。




    アイツの頑張る姿に勇気づけられた。


    アイツの見ているものにアタシも興味を持った。





    ずっと、おんなじキモチを共有していると思っていた。


    おんなじものを見て、おんなじように笑っていられると思っていた。







    でも、違ったんだ。







    アイツのアタシを見る目が忘れられない。


    あのときの顔が忘れられない。






    大丈夫だと笑いながら泣いていた、あいつの顔が今もこの目に焼き付いている。


    うれし涙のはずがない。


    アタシが壊してしまった。








    なのに、アンタは……。


    どうしてそんな顔で今笑っているの?





  255. 326 : : 2015/11/08(日) 14:17:13

    ―病院―



    小泉「……」


    小泉「ここは……」







    罪木「気がつきましたか?」


    小泉「蜜柑ちゃん……」


    罪木「急に倒れてしまったので、ここに連れてきたんです。体調はどうですか?」


    小泉「よくわからないけど、なんだかもやもやしてるわね……」


    罪木「そうですか……、もう少し休まれたほうがいいかもしれませんね」







    小泉「ねぇ、蜜柑ちゃんってさ、創ちゃんのこと好きなんだよね?」


    罪木「え!!?いや、そ、それはそうなんですけど……。どうしたんですか、急に?」


    小泉「この島に来た最初は異常なまでに愛を叫んでたのに、今は落ち着いているのね」



    罪木「……ソニアさんに教えてもらったんです。私は日向さんのことが好きですけど、彼への愛を言い訳に周りが見えなくなるのはよくないって」



    罪木「だから今、私は本当に日向さんのために何ができるかを考えているんです。……未だに何ができるかわからないんですけどね」




    小泉「そう……。ほんと羨ましいわね……」


    罪木「え?」





    小泉「ねぇ、どうしてアタシじゃないのかしらね?」


    罪木「え?」




    小泉「アタシとあなたたち何が違うの?どうしてアタシだけ拒絶されなきゃならなかったのよ?」


    罪木「小泉さん?」






    小泉「どうしてアイツはあんな目でアタシを見るのよ!!!!」


    罪木「小泉さん……!!落ち着いて!!」





    小泉「何も変わらないわよ、何も違わないわよ!!アタシだって……おんなじただの人間よ!!!」


    罪木「何を言って……!!?」




    小泉「なんでアタシはダメで、あなたたちは創ちゃんのそばにいていいのよ!!?」




    私は小泉さんに肩をつかまれる。
    小泉さんの目はもはや私を見ていなかった。


    焦点のあっていない目で、必死に叫び続ける。


    私は軽率だったと思った。


    急に、日向さんのことを“創ちゃん”と呼び始めた小泉さんに、むこうからふってきたとはいえ日向さんの話をするべきではなかった。


    そして気づく。
    今の小泉さんは、ソニアさんに叱ってもらう前の私と同じだと……。


    今の小泉さんには、きっと日向さんしか見えていないんだ。



    どうすればいい?
    こんなとき、ソニアさんならどうしただろう?



    どうしたら小泉さんの心を癒してあげることができるのだろう?

  256. 327 : : 2015/11/08(日) 14:20:43





    七海「ストーップ!!」


    小泉「!!?」ガクン…


    罪木「え?」




    突如現れた七海さんの声と共に、小泉さんがまた気を失った。

    私はあわてて、小泉さんを支える。

    支えきれず、私は床に尻をつけてしまった。




    罪木「え!!?小泉さん!!?」


    七海「大丈夫、眠っているだけだから……。私が眠らせた」





    罪木「え、何を言って……」


    七海「ごめん、小泉さんがこうなったのは私の責任なの……」



    罪木「七海さんが小泉さんを!!?」




    七海「彼女には……、いえ彼女たちには本当に申し訳ないことをしたと思ってる。焦っていたとはいえ、私は急ぎすぎてしまったから」


    罪木「何を言って……」


    七海「今からここに狛枝くんと澪田さんが来る……。狛枝くんなら小泉さんをなんとかしてくれるはずだから」



    罪木「え、なんで狛枝さんが?」







    七海「だって、小泉さんと狛枝くんは……幼馴染だから」


    罪木「え……それって!!?」ビクッ!!



    七海「私は西園寺さんのところにいく。ごめんね、小泉さんのことよろしくお願いします」


    罪木「七海さん……あなたは一体?」




    七海「ごめん、今は話している時間はないんだ……。とにかくお願いね!」


    罪木「あっ、七海さん!!」



    七海さんの姿はもう見えなくなっていました。
    残されたのは床に座ったままの私と、気を失い私に支えられている小泉さんのみ。


    七海さんはいったい何者なんだろう?




    そして、小泉さんと狛枝さんが幼馴染ってことは……

    つまり、それって……



  257. 331 : : 2015/11/28(土) 08:12:15


    ―少し前の時間 映画館 小泉・西園寺―




    西園寺「おねぇ……。とにかく他のところに行こうか?」


    小泉「そうね……」








    フッ……





    西園寺「何!?停電!?」ビクッ!!


    小泉「日寄子ちゃん!!ドアが、ドアが開かない!!」


    西園寺「え!?」





    そのときスクリーンに何かが映し出された。


    小泉「映画?もしかして、映画が始まるの?」


    西園寺「映画なんて見てる場合じゃないのに……。ここから出ないと!!」


    だが、初めは脱出を試みようとしていたわたしもおねぇも映画から目が離せなくなっていた。

    なぜなら、その映画には日向おにぃが映っていたからだ。





    西園寺「な、なんでおにぃが!?」


    小泉「な、なんで日向が!!?」





    スクリーンに映し出されたのは、わたしが日向おにぃと初めてあった日のことだった。









    そのときの、わたしは絶体絶命のピンチだった。


    大勢の男に囲まれていた、男たちの手にはナイフが握られている。


    怖くて声も出せなかった。


    頭の中で理解できたのは、こいつらが西園寺家の誰かに頼まれて、わたしを殺そうとしているんだということだった。


    わたしは才能に恵まれていた。
    でも、環境には恵まれていなかった。


    わたしの周りにいるのは、わたしが西園寺家で一番、舞いが上手いということを妬んで、足を引っ張ろうとしているゲス野郎ばかりだった。



    そいつらは、わたしの存在が疎ましくてたまらないんだろう。





    ああ、ろくな死に方じゃなかったな……。


    わたしは諦めて目を閉じていた。






    だが、いつになっても身体に予想していた痛みはこなかった。



    ふと、目を開けると一人の少年がわたしのことを見ていた。
    周りには倒れている男たち……。


    理解するのに時間がかかったが、どうやらこいつがわたしのことを助けてくれたらしい。


    名前は日向創。


    どう見ても強そうには見えないんだけど……。
    他にこの状況を説明しようがなかった。




    「なんでわたしを助けたのよ……。傷だらけになってまで……」


    「泣いてるやつがいたら、助けるのが当たり前だろ?」



    単純なセリフだった。


    だが、単純なことにわたしは目の前の男に心を奪われてしまったのだった。

  258. 332 : : 2015/11/28(土) 08:13:57


    わたしはその後、何度か日向おにぃと会った。
    わたしがまた会いたいと願ったからだ。



    時間が経つにつれて冷めると思っていたこの気持ちは冷めなかった。
    まるで、夢の中にでもいるみたいな日々。
    いつまでも、この夢が覚めないでほしかった。




    けれど、そんなのを、あのゲス野郎どもが許すはずもない。
    まるでいいエサを見つけたといわんばかりに、わたしが日向おにぃと会っていることを追求してきた。



    家を大きくすることしか考えていないゲスどもは、わたしを政略的な結婚につかいたがっていた。
    わたしは存在を妬まれるか、利用されるかしかないのだ。



    わたしの価値は誰よりも上手く踊れるということ。
    その価値が誰かにとっては利用価値のあるもので、誰かにとっては邪魔でしかないのだ。


    1番のわたしを引きずり降ろそうとしているゲス。
    1番のわたしを利用しようとしているゲス。



    でも、わたしには、そんなことに抗える力もなかった。
    だって、わたしには踊ることしかできないのだから。



    わたしは自分だけで着物を着ることもできない。
    わたしは自分だけで生きていくことなんてとてもできない。



    ゲスどもを恨んでも、わたしはゲスどもに生かされているのも事実だったのだ。
    わたしは、わたしのことを何一つ選べないのだ。


    けれど、わたしは日向おにぃに会いに行った。

    おにぃといる時間は、お父さんといるときみたいに温かかったから。
    その温もりをわたしは日向おにぃに求めていたんだ。








    でも、おにぃはある日突然現れなくなった。


    口約束で毎回会っていた以上、わたしにおにぃを探す術はなかった。

    いつか来るんじゃないかって……、わたしは最後にあったときの約束を信じて、待ち合わせ場所で待ち続けた。


    でも、来なかった。



    今日こそはと思って待っていても。


    明日なら来てくれると待っていても。


    いつまでたっても、おにぃは“またここで会おう”と言った約束を守らなかった。


    おにぃは、わたしに温かい気持ちをくれた。

    でも、そのもらった温かい気持ちの何倍もの穴が、わたしの心にぽっかりと空いた。

  259. 333 : : 2015/11/28(土) 08:15:04








    西園寺「やめ……てよ……!!」


    西園寺「勝手に人の心覗かないでよ……」


    西園寺「なんなのよ、この映画!!?誰が作ったのよ!!」



    西園寺「出てきてよ!!どうせモノクマでしょ!!あんたがこの映画を上映してるんでしょ!!出てきなさいよ!!」




    小泉「……あ……あ……」


    西園寺「こ、小泉おねぇ……!!?どうしたの!!?」




    映画に夢中になっていたわたしは、ようやく隣にいた小泉おねぇの異変に気がついた。



    小泉「ごめんなさい……。ごめんなさい……」


    西園寺「なんで、おねぇが謝るの?悪いのはこんな悪趣味なことしてるやるでしょ!?」


    小泉「アタシは……、アタシが……全部悪いんだ……」


    西園寺「おねぇ!!しっかりしてよ!!おねぇ!!」




    小泉おねぇにはもうわたしの声なんて届いていなかった。
    やっぱり、わたしはなんにもできない……。
    わたしは踊る以外は能無しなんだ……!!


    悔しい……。



  260. 334 : : 2015/11/28(土) 08:19:08



    それでも、わたしたちの悲鳴なんて知ったことかと、映画は続く。





    そこには日向おにぃの笑う姿が映っていた。


    そして、その隣にいるのは……。





    西園寺「辺古山と九頭龍!?」






    日向おにぃは九頭龍の家にいた。


    スクリーンは楽しそうな3人の姿を映し出す。




    そこで場面が変わる。





    そこには、わたしのよく知っているゲスどもの姿があった。
    ゲスどもは、わたしを襲ったやつらと会話していた。


    「西園寺日寄子にケガをさせろ」


    「殺してもかまわない。その場合、報酬は、はずませてもらう」


    「頼みますよ、九頭龍組のみなさん……」


    会話内容はだいたいこうだった。



    西園寺家が、裏稼業の人間とつながりがあったのはなんとなく知ってはいた。

    だが、よりにもよって……、わたしを襲ってきた人間は九頭龍組だった。




    そこで、わたしは気づいてしまった。


    日向おにぃは、九頭龍と辺古山と一緒の九頭龍組にいた。



    もしかして、最初にわたしを助けたのも……全部お芝居だった?


    もしかして、わたしの気持ちも、約束も……、




    全部、全部、全部、全部、全部、全部、全部、全部、全部
    全部、全部、全部、全部、全部、全部、全部、全部、全部
    全部、全部、全部、全部、全部、全部、全部、全部、全部
    全部、全部、全部、全部、全部、全部、全部、全部、全部
    全部、全部、全部、全部、全部、全部、全部、全部、全部
    全部、全部、全部、全部、全部、全部、全部、全部、全部
    全部、全部、全部、全部、全部、全部、全部、全部、全部








    ウソ………?









    映画は唐突に終わった。


    わたしは現実に引き戻された。


    気がつくと隣に小泉おねぇがいなかった。


    そして、映画館のドアはいつのまにか開いていた。


    西園寺「おねぇ!!待って、おねぇ!!」


    わたしはおねぇがどこかへ行ってしまったと思って、映画館から飛び出した。







    おねぇを探している間も、私は必死に自分が考えた可能性を否定した。

    あの映画が真実とは限らない!!
    あれはモノクマの嫌がらせだと自分に言い聞かせた。




    なんだかんだ言っても、わたしは日向おにぃを信じたかったんだと思う。

    わたしは結局のところ、日向おにぃを嫌いになりきれていなかった。



    でも、見てしまった。


    モーテルの前で九頭龍と日向おにぃが話しているのを……。


    日向おにぃは元・九頭龍組だった。





    ああ、なんだ……。


    結局のところ、日向おにぃもあのゲスどもとおんなじだったんだ。

    わたしは踊らされていたに過ぎなかったんだ。




    わたしはその場から逃げ出した。
    もう何もかも信じられなかった。


    わたしの心には、襲われたときの恐怖がよみがえっていた。
    その恐怖は瞬く間に広がって、わたしの心を支配した。

  261. 335 : : 2015/12/03(木) 07:36:08

    ―病院―


    澪田「蜜柑ちゃんと真昼ちゃん、なんで床に座ってるんすか!?」


    罪木「えっと、これは……」


    狛枝「手を貸すよ」


    罪木「あ、ありがとうございます」



    私は狛枝さんの手を借りて、小泉さんをベッドへと運びもどしました。



    狛枝「もしかして、何かあったのかな?」



    私は今までのいきさつをお二人に話しました。




    狛枝「そう、七海さんがボクたちより先に……。それにしても、七海さんは小泉さんも操ることができるのか」


    罪木「え、操るって……?」


    狛枝「原理はわからないけど、七海さんはモノクマから渡されたゲームをやったことのある人間を操られるんだと思う……。ボクもそうだったからね」


    罪木「ちょ、どういうことなんですかぁ!?」


    私は先程、図書館であったことの説明を受けました。


    罪木「そ、そんなことが……」


    狛枝「七海さんはおそらくモノクマに近い存在なんじゃないかって思っている」


    罪木「え、七海さんが!!?」


    狛枝「まだわからないけどね。ただ、終里さんと日向クンを戦わせたのは七海さんだと思う」


    罪木「え、でも……」


    澪田「唯吹も考えたくないけど、あのとき赤音ちゃんにゲームを見せていたのは……確かに千秋ちゃんだった」


    罪木「あ……」



    そういえば、私もあのとき一緒にいたんでした。
    確かに、言われてみれば、引き金を引いたのは確かに七海さんでした。終里さんにゲームを見せていたのは、確かに七海さんです。
    けれど、それが意図的なものだとは思ってはいませんでした。



    狛枝「ボクもあのゲームをやった。だから操られた……。そして、おそらく日向クンもあのゲームをやっていたんだろうね。そして、終里さんとの決闘のときに七海さんは日向クンを操ったんだ」


    狛枝「日向クンは自分の意志とは関係なく、終里さんの攻撃を避けることが出来ていた。それは、七海さんの操作によるものだったんじゃないだろうかってね」


    罪木「ちょっとまってください!現実に考えてそんなことできるはずないし……、なんで七海さんがそんなことをする必要があるんですか!?」


    狛枝「ねぇ、罪木さん?ソニアさんは誰に言われてキミを助けたんだったっけ?」


    罪木「それは……モノクマさんにいろいろ聞いたって言っていました」


    狛枝「それとおなじなんじゃないかな?モノクマは終里さんのために、七海さんに日向クンを操らせたんじゃないかな?最終的に終里さんの件を解決したのは辺古山さんだけど、終里さんは以前よりも成長したみたいだ。それがモノクマの目的なんじゃないかな?」


    罪木「え!?それじゃあ、七海さんはモノクマさんの仲間ってことですか!?」


    狛枝「そう、ボクは彼女こそがモノクマの言っていた【裏切り者】だと思う。そして、きっと今回も……」


    罪木「今回もって……」


    狛枝「今、この島で起こっていることはおそらく彼女が引き起こしていることだと思う。小泉さんがおかしくなったことも彼女が関わっているんじゃないかな?」


    狛枝「ただ、今回の場合は七海さん自身もなんだか様子がおかしいみたいだけどね」


    罪木「そういえば、七海さん、西園寺さんのところに行くって!」


    澪田「日寄子ちゃんにも何かしたってことっすか!?」



    狛枝「今回の場合は人数が多すぎる気がするね……。なんだか、ずいぶんと無計画なんじゃないかな?それにモノクマが未だに現れていないことも気になるしね」
  262. 336 : : 2015/12/03(木) 07:39:23


    澪田「凪斗ちゃん……蜜柑ちゃんと一緒に真昼ちゃんのそばにいてもらっていいっすか?」


    狛枝「キミはどうするんだい?」


    澪田「唯吹は……、日寄子ちゃんのところに行ってみるっす。それに千秋ちゃんのこともみんなに伝えたほうがいいと思うし……」


    狛枝「そう、でも一人で大丈夫かい?」


    澪田「でも、凪斗ちゃん……、真昼ちゃんのそばにいたいみたいだしね」


    狛枝「え?」


    澪田「さっきから真昼ちゃんを心配してるのバレバレっすよ?」


    狛枝「……キミにはかなわないね」


    澪田「えっへん!」


    狛枝「それじゃあお願いしてもいいかな?罪木さんの話を聞いて、小泉さんのほうにも罪木さんの他にも誰かついていたほうがいいんじゃないかとは思っていたんだ」


    澪田「素直に心配だって言えばいいのに」


    狛枝「と、とにかく……、そういうことだから!!」



    澪田「おっけーっす!!」



    そういうと澪田さんは病院から出て行ってしまった。




    狛枝「……」


    罪木「……あの」


    狛枝「ねぇ、罪木さん」


    罪木「え、はい!?」



    狛枝「小泉さんは日向クンのことを“創ちゃん”って呼んでいたんだよね?」


    罪木「え、はい……。そうですけど……」


    狛枝「そっか……、もしかしたらボクらが知らなかっただけで、心の中ではずっとそう呼んでいたのかもしれないね……」



    狛枝さんが何を考えているのか、私にはわからなかった。


    彼はただただ切なそうに眠る小泉さんを見つめていた。


    私は、小泉さんと狛枝さんが幼馴染だったということについて聞いてみたかったが、今はよしておくことにした。



    狛枝さんと小泉さんの間には何があるんだろう?



    私もただただ、そんな狛枝さんと小泉さんを眺めていることしかできませんでした。



  263. 337 : : 2015/12/05(土) 00:03:39

    ―ダイナー―


    左右田「ああ、なんつうか……、どうすっかな」


    田中「こんなところで何をしている?」


    左右田「うぉ!!?びっくりさせんなよ!?」ビクッ!!


    田中「もうそろそろ、花村のやつが我々への供物を錬成し終えるころなのではないか?」


    左右田「普通に昼食をつくってるって言えよ……」


    田中「どうした、元気がないな。いつものうっとうしいくらいのツッコミがないな」


    左右田「そこだけなんで、普通の言葉で話すんだよ……」ハァ…


    田中「本当に元気がないようだな、何かあったのか?」


    左右田「いや、なんつーか……」


    田中「話しづらいことなのか?」


    左右田「いいや、この際だから言っちまうか……。聞いてくれるか?」


    田中「よかろう!!耳の穴をかっぽじって話すがいい!!」


    左右田「耳の穴をかっぽじるのはおまえのほうだ!!馬鹿!!」ガビーン!!


    田中「よしよし、調子が戻ってきたようだな」


    左右田「おまえって……、まぁいいや。ソニアさんと罪木が喧嘩して、仲直りしたの知ってんだろ?」


    田中「ああ、最初はどうなるかと思ったが、本当によかった」


    左右田「その後さ、十神と日向と九頭龍とちょっと話したんだ。日向のやつ超高校級の才能を持つオレらと一緒にいると辛いって、今自分に才能があるかどうか不確かな状態だし、とにかく才能にコンプレックスがあるみたいなんだよ」


    田中「そうか……」



    左右田「んで、オレらを嫉妬や羨望のまなざしで見てきて、申し訳なさそうな謝るからさ。なんだかオレ自身を否定された気になったんだ。オレのメカニックの才能は、オレの個性でもある……。だから、ついキレちまって……」


    田中「そうだな、俺様もこの能力が自己の証明だと思っている」


    左右田「この島に来る前にあったときに出会ったときはあんな感じじゃなかったんだよな。オレの作ったメカとかも褒めてくれてさ。もっといろいろ見せてほしいとか言われて……。入院していて暇そうにしていた日向のちょっとした楽しみにでもなればいいと思って、いろいろ持ってきてやったりしたもんだよ……」


    左右田「なのに、なんでかな?あいつが才能にあこがれていて、才能のない自分を嫌っているとかそんなの知らなくってさ……。才能があるオレたちを見て羨ましいと思うと同時に、辛かったなんて知らなくってさ……。本当はあいつオレと一緒にいて、入院していたときも傷ついてたのかなって思ったら、怖くなったんだよ」


    田中「怖くなった……?」


    左右田「あいつを傷つけるんじゃないかって、怖くなったんだ。オレが余計なこと言ったり、やったりしたら……オレ、日向に嫌われるんじゃないかって……」


    左右田「そのあと、九頭龍と、日向のことなんとかしてやろうって約束したんだけどさ……。やっぱり、怖かったんだよ。オレのせいで日向が傷ついてるかもしれないって考えたら、耐えられなかった」


    田中「そうだったのか……」


    左右田「けどさ、他のみんなは違うんだよな……。オレだけなんだ」


    田中「……何が、おまえだけなんだ?」


    左右田「弐大とトレーニングにいったあとの日向は、少し元気を取り戻していた。あんとき、花村も気をつかってたみたいだった」


    左右田「さっきレストランに集合したとき、日向と九頭龍は一緒に来た。日向はちょっとだけ元気になっていたと思う。九頭龍がきっと何か言ってやったんだと思う」


    左右田「オレだけ何もできてない。あいつに何もしてやれない。あいつに何をしてやったらいいかわからない。それどころか、オレってあいつにとって必要な存在なのかな?いなくてもいいんじゃないか……?」


    田中「なんだと……」ピクッ
  264. 338 : : 2015/12/05(土) 00:05:08



    左右田「だって、あいつにはあんなに支えてくれる友達がいっぱいいる。罪木だって、ソニアさんだってあいつのことが好きで、あいつのことを思いやってくれている。それならさ……、オレってあいつにとって必要なのか?」



    田中「やめろ……」



    左右田「日向は、モノクマが現れてから……、ずっとあんなふうに、申し訳なさそうな目で見てくんだよ!!あの目がたまらなくキツいんだよ!!」


    左右田「でも、そういうのをみんなだったら、なんとかしてあげられるんだよ!!オレはあいつに何もしてやれないどころか苦しめているのにだ!!」





    田中「やめろと言っている……!!」





    左右田「オレは日向にとって邪魔なだけの存在なんだよ!!!」








    バシッ!!!







    左右田「いてぇ!!テメェー、何殴ってんだ!!!」


    田中「言ったのか……?」


    左右田「は?」


    田中「日向がおまえのことをいらないと言ったのか!?そうじゃないだろう!?おまえが勝手に決めているだけだ!!」


    左右田「でも、オレはなんにもできてねーんだよ!!あいつにとって、オレなんていらないんだよ!!」


    田中「それを言うなら……、俺だって何もできていない……!!」


    左右田「え?」


    田中「おまえはみんなと言ったが、そこに俺の名前はなかっただろう?俺だって現状、何もできていない!!何をしていいかわからないんだよ!!」


    左右田「おまえ……」


    田中「日向にとってどうするのが最善かなんて、俺様の方が知りたいぐらいだ!!俺はあいつの支えにすらなってやれていない!!」



    左右田「田中……」


    田中「だが、俺は諦めない。俺は日向の味方だからだ!!」


    左右田「味方ってなんだよ……?」



    田中「……俺様は正直にいうと、仲間や友達といった言葉が大嫌いなのだ」


    左右田「はぁ!?なんでだよ!?」


    田中「いつだってその基準が曖昧だからだよ……。場合によっては仲間や友達といったグループの中には嫌いな人間や苦手な人間だって含まれる。この島にいる俺様たちの状況だって、そうじゃないか?」


    左右田「そ、それは……」


    田中「俺様はな……、昔才能を評価されて、動物たちを保護する機関の仲間に入れてもらったのだ」


    田中「初めはよかった、俺様にも仲間とよべる人たちができたと喜んだ。だがな……、あいつらは所詮俺の技術を盗むのが目的なだけだったのだ……」



    左右田「え……?」



    田中「俺様は貴様らにとって難解な言葉を話すだろう……?やつらにもその姿勢を崩さなかった……。やつらはどうやらうっとうしく思っていたようだな。俺様は実は仲間に煙たがられていたんだよ。俺様が知らなかっただけでな……。そういう状態でも【仲間】と呼ぶには呼べてしまうんだよ」


    田中「そして、俺様から必要な情報を得られたら、あとは用済みだ。俺様の居場所はもうあそこにはなかった」


    左右田「おまえ……」


    田中「人の言葉を話すものはいつか裏切る……。俺様はずっとそう思っていた。だが、日向は違ったんだ」


    左右田「日向が……違う?」



    田中「ああ、あいつは俺様のことを【味方】と呼んでくれたんだ。嬉しかったさ……。あいつは俺様とあいつの関係を単純な仲間や友達では終わらせなかったんだ。本当に……嬉しかったんだ……!!」



    田中「友達や仲間と言う言葉を、おまえたちが使うことはもちろん否定しないさ……。だけど、特別だと思ったんだ!!信じられると思ったんだ!!俺様にとってあいつが【特異点】であると、そう感じたんだ!!」

  265. 339 : : 2015/12/05(土) 00:06:43


    田中「だから俺様は諦めないぞ……!!諦めてたまるものか……!!」


    田中「俺様のしたことで、たとえ日向を傷つけることになったとしても、それでも諦めない!!」


    田中「なぜなら、俺様はあいつの【味方】なのだからな!!」


    左右田「田中……、おまえ……」





    田中「そして、左右田……、俺はおまえに話しかけてもらったときも嬉しかった」


    左右田「え?」


    田中「たとえ、本意ではなかったとしても……、最初の組み合わせのときから、おまえは俺と共にいてくれた。一緒にいるだけで、どんなに心強かったことか……。おまえは知らないんだろうな」


    左右田「オレのこと……、そんなふうに思っていてくれたのか?」


    田中「こ、こんなことを話すのは今だけだ……。この話は九頭龍にも内密にしろ!!いいな!!」アセアセ…


    左右田「何照れてんだよ……、って、もしかしてオレだけに話してくれたのか……」


    田中「今のところ、おまえだけだな……」



    左右田「そっか……、オレだけか……。はは……」



    田中「なぁ、左右田……、日向には他にも友達がいると言っていたな。だから、おまえはいらないと……」





    田中「でもな……。俺様がおまえだけに話したいことがあるように……。日向にだって、おまえにだけ話したいことがあるんじゃないのか?」



    左右田「え……?」


    田中「日向に友達はたくさんいても、おまえとまるっきり同じ関係の友達は存在しない。おまえと日向だからこそ、話せる話があるんじゃないのか……?」



    左右田「そんなふうに考えたこともなかったよ……」



    左右田「結局、オレは拗ねてただけだったんだな……。日向がオレのこと見てくれないって」


    田中「まさにその通りだな」


    左右田「少しはオブラートに包んで言ってくれよ!!?」ガビーン!!


    田中「いや、まさにその通りだったからな」


    田中「そのせいで、俺様も余計なことまで話してしまったかもしれないぞ……。今、顔が灼熱地獄だ!!」


    左右田「表現が怖すぎるだろ!!?普通に恥ずかしいっていえよ!!」ガビーン!!


    田中「ふっ、どうやら完全に調子を取り戻したみたいだな」


    左右田「ああ、迷惑かけたな……」


    田中「まったくだ!!覇王自らの手をわずらわせるとは、贅沢なやつだ……!!」


    左右田「ったく、口の減らないやつだな……」


    田中「ふんっ……、何とでも言うがいい」




    左右田「ありがとな……、田中……」


    田中「これに懲りたら、二度と自分がいらない存在などと口にするなよ……」


    左右田「ああ、ありがとな……」


    田中「ありがとうじゃない……、ちゃんと誓うまで許さんぞ!!」ズイッ!!


    左右田「わかったって、誓うから!!誓うから!!だから、急に顔をアップにすんな!!」ガビーン!!

  266. 340 : : 2015/12/05(土) 19:43:02
    田中と左右田のコンビやっぱいいなぁ
  267. 341 : : 2015/12/16(水) 13:05:55
    >>340

    この2人は共通点がけっこう多いと思います。

    2人とも不器用で、淋しがり屋なんじゃないかなと。

    そして、原作でも、もっと絡んでほしかった2人ですね。
  268. 342 : : 2015/12/16(水) 13:07:52

    ―ジャバウォック公園―





    西園寺「どこ……?どこにいるの、おねぇ?」








    終里「おっ、西園寺じゃねーか?」




    西園寺「終里おねぇ!?こ、小泉おねぇのこと知らない!!?」



    終里「小泉なら病院にいるけど……」



    西園寺「病院!?まさかケガしたの!!?」



    終里「いや、違うぞ。そうじゃなくって……」


    西園寺「日向おにぃのやつが小泉おねぇを襲ったの!!?それとも、九頭龍!!?」


    終里「オイ!!何わけわかんねーこと言ってんだおまえ!!」


    西園寺「だって、あいつら【極道】なんでしょ!!?平気で人を傷つけるようなやつらなんだよ!!」


    終里「西園寺……、おまえ……!!」




    西園寺「とにかく病院に行かないと!!おねぇを守らないと!!」




    終里「聞け!!西園寺!!」



    西園寺「何よ!!?怒鳴らないでよ!!」ビクッ!!



    終里「とにかく、落ち着けよ。西園寺」



    西園寺「お、終里おねぇもわたしに暴力を振るうの!!?や、やめてよぉ!!」ビクッ!!




    終里「……」




    西園寺「ちょっと……、黙らないでよ!!なんとか言ってよ!!」




    終里「……」





    西園寺「ち、近づかないで!!だ、誰か助けて!!」







    ぎゅっ……








    西園寺「え?」


    終里「落ち着いたかよ……?泣き虫め……」




    わたしは気がつくと終里おねぇに抱きしめられていた。




    西園寺「ちょ!!?離して!!離せ!!」ジタバタ!!


    終里「やだね。おまえが落ち着くまで離してやるかよ」


    西園寺「……」



    終里おねぇの力にわたしが敵うはずもなかった。

    わたしは最初はふりほどこうとしたが、無駄だとわかっておとなしく従った。




    終里「おっ、落ち着いたな。こうしてやると弟や妹も、泣きやんだんだよなぁ」


    西園寺「わたしを子ども扱いしないでよ……!!」


    終里「……してねぇよ。でも、おまえ泣いてるからさ」





    終里「それに、泣いてたオレもこうしてもらったら安心できたからな……」


    西園寺「終里おねぇでも泣くことあるんだ……」


    終里「ああ泣いたぜ。つい、最近な……。そんで自分が弱いなぁと思った」


    終里「ホントに自分が情けなくてさ。オレ一人じゃなんにもできないんだなって感じたよ」



    一人じゃなんにもできない。

    そう、わたしも一人じゃなんにもできない。

    ただ、踊ることしか価値のないわたしに他のことはできない。



    終里おねぇもおんなじなんだ……。


    わたしは終里おねぇに少しだけ共感していた。



  269. 343 : : 2015/12/16(水) 13:10:12



    終里「だからさ……、誰かにもっと頼ることにしたよ。オレは」



    西園寺「は……?」



    終里「オレはできることもできないことも全部一人でやろうとしてきたからさ……。これからはそうすることにしたんだ」



    西園寺「なにいってんのよ!!他人なんて信用できるわけないじゃん!!そんなの自分じゃ何もできないやつのいいわけだよ!」






    終里「じゃあ、小泉のことも信用してないのか?」



    西園寺「え……」



    終里「人は一人じゃ生きていけねぇよ。なんでもできるやつでも淋しいもんは淋しいだろ?」



    終里「おまえはそばにいて楽しかったから、小泉と一緒にいたんだろ?だったら、そんなこと言うもんじゃないぜ?」



    西園寺「終里おねぇ、いつからそんなに賢くなったのよ……」


    終里「あっ、おまえ、オレのこと馬鹿にしてやがんな!!?」


    西園寺「そういうわけじゃないけど……」


    終里「んでさ……、何があったんだ?話してみろよ」


    西園寺「そ、そのまえに離してくんない?もう、騒がないからさ」


    終里「おっと、わりぃ」




    悔しいけど……わたしの心はさっきよりも落ち着いていた。


    わたしは映画館でみたことを終里おねぇに話した。

    わたしの記憶がスクリーンに映っていたこと。

    そしてわたしの知らない記憶もそこには映し出されていたこと。

    小泉おねぇが映画を見て急にどこかに行ってしまったこと。

    映画館から出た後、九頭龍と日向おにぃの会話を聞いてしまったこと。



    終里おねぇは、ただじっとわたしの話を聞いていてくれた。





    西園寺「これが今までわたしの見たことだよ……」


    西園寺「日向おにぃはずっと私のことを騙していたんだよ。もう、信じられないよ……」


    終里「なるほどな。でもさ、よくわかんないんだが、なんでそこで日向のやつが信用できなくなるんだ?」


    西園寺「は?わたしの話を聞いてたの?日向おにぃは九頭龍組だったんじゃない!!わたしのこと騙してたんだよ!!」


    終里「でも、最初におまえを助けたのは日向だよな?」


    西園寺「そ、それは……わたしの油断を誘って近づくためだったんだよ!!」


    終里「なんのためにだ?おまえを倒すのに、おまえと仲良くなる必要あんのか?」


    西園寺「でも、そ、その……」





    終里「おまえ、日向の何を見ていたんだよ?」


    西園寺「え?」


    終里「確かにあいつが九頭龍組だったのは、オレも驚いたが……、それだけであいつがおまえを殺そうとしていたなんてことにはならねぇだろ?」


    終里「誰も日向がおまえを殺すなんて言ってないだろ?オレは映画を見てないからわからねぇが、映画の中で見せられたことと、おまえの知っている日向……どっちを信じるんだよ?」


    終里「……っていうかさ、日向にちゃんといろいろと確かめたのか?」


    西園寺「だって、日向おにぃは突然わたしの前から姿を消したんだよ!!そんなやつの言葉なんて信じられないよ!!」


    終里「その理由、ちゃんと日向に聞いたのか?」



    西園寺「だって……でも……!!」



    終里「なんだ、ちゃんと確かめてないんじゃねーか」
  270. 344 : : 2015/12/16(水) 13:12:30






    西園寺「だって……、怖いよ……」





    終里「怖いって何がだよ……?」



    西園寺「だって、わたしは日向おにぃのこと信じてたの!!ずっとずっと、おにぃが現れてくれるのを!!また、わたしに会いにきてくれるのを待っていたの!!」



    西園寺「でも、おにぃは来なかった……。この島で再会してからも、おにぃはわたしのことなんて気にする暇もないぐらい他のやつと一緒にいてさ……」



    西園寺「おにぃに嫌われてるんだって思ったら、怖かったんだよ!!おにぃの口からはっきりと……、わたしのことなんてどうでもいいなんて言われたくないんだよ!!確かめたくなんてないよ!!」



    西園寺「もう、これ以上……、誰かを信じて裏切られるのは……、疲れちゃったんだよ……!!!」



    西園寺「いつか……、裏切られるのなら……、初めから出会わなければよかったんだよ!!」






    終里「それがおまえの本音なのか……?」




    西園寺「そうだよ……。もう、わたしは日向おにぃのことは忘れるの。もう、どうでもいいの……。確かめなくてもわかるもん。これで終わりにする」




    終里「後悔しないな……?」




    西園寺「え……?」ビクッ!!






    終里「それで、本当に後悔しないならオレはもう何もいえねぇ。結局、これはおまえと日向の問題だからな。決めるのはおまえだ」



    終里「あいつのことを本当に嫌いになったのなら、それもいいんじゃないか?みんな仲良しってわけにもいかないだろ。なら、今まで通り距離をおけば、いいと思うぜ?それでおまえが納得するならな」




    西園寺「何よその言い方!!文句があるなら言ってよ!!」



    終里「文句なんかねーよ。どこに行ったって、嫌いなやつ、苦手なやつは1人か2人は出来ちまうもんだ。そういうやつとの付き合い方として、おまえがそうするんだったら、それでいいって言っているだけだ」





    終里「ただ、言わせてくれ……」




    西園寺「な、なによ……」







    終里「自分の期待を裏切られたから裏切る。自分の心に少しでも疑いが生まれたから、誰も信じない。そんなこと続けてたらな、おまえ……、いつか【ひとりぼっち】になるぞ?」








    西園寺「え……?」ゾクッ…







    終里「おまえのやってることってそういうことだろ?おまえは相手に嫌われるのが怖いから、自分から先に嫌いになればいいって思ってるんだ……」



    西園寺「そ、そんなこと……!!?」



    終里「そうすれば、おまえは嫌われたかどうかを、ずっとあやふやなままにできるからな」


    終里「けど、そんなやつと友達になりたいやつなんているのか?だから、このままじゃおまえは【ひとりぼっち】になる」




    西園寺「そ、そんな……、い、いやだよ!!ひとりぼっちは……いや……だよ……!!」








    終里「なぁ、なんで日向の周りってあんなに人が集まるんだと思う?」


    西園寺「え……?」


    終里「あいつって結構うじうじしてるし、いっつも申し訳なさそうにしてるけどさ。たぶん、一生懸命だからあいつの周りには人が集まるんだとオレは思う」




    西園寺「一生懸命?」




    終里「ああ、なんつーか上手くいえないんだが……、うじうじはしてるんだが、ちゃんと向き合おうとしてんだよな。誰と話すにも、何かをやるのにも、あいつはたぶん妥協とかはしてないんだと思う」


    終里「一生懸命なあいつの姿を見てたら、こっちもそれにちゃんと応えてやらないといけないって思う。日向ってやつは周りにそういうふうに思わせるやつなんだろうな」



    終里「だから、おまえがちゃんとあいつに向き合えば、あいつだって、きっと応えてくれると思う。おまえだって知ってるだろ?」


  271. 345 : : 2015/12/16(水) 13:18:06






    西園寺「……わたしは……」






    終里「で、どうする?」





    西園寺「え……?」




    終里「オレはおまえにオレの思ってることを言葉で伝えることしかできねぇ。どうしたいか決めるのは他でもないおまえだ」



    終里「そこから先はおまえが決めるんだ、西園寺!」




    西園寺「わたしが決める……?」





    終里「ああ、オレに言われたからとかじゃなくって、自分で決めなくちゃ意味がねーだろ?」






    わたしは、今まで自分は踊ってさえいればいいと思っていた。



    誰かに利用されていたとしても、疎まれていたとしても、踊っている間は、わたしはわたしでいられる。

    踊っていられる自分には価値がある。

    それ以外のことは考える必要なんてないと思っていた。



    でも、終里おねぇに言われて気がついた。


    わたしはわたしのことを自分で決めていかなくちゃいけない。


    いいや、本当はいつだってそうしたかったんだ。




    日向おにぃに最初に助けられてから、また会いたいと思ったのだって、自分で決めたんだ!


    わたしは自分の足で歩いているんだ!!



    わたしは踊らされてるばかりじゃない!!



    誰かに踊らされるんじゃなくって、自分で自分のしたいようにやるんだ!!










    西園寺「わたし……、ちゃんと確かめるよ……!」



    終里「西園寺……」





    西園寺「わたしは日向おにぃから逃げたかっただけなんだよね……。怖くなって、おにぃを自分から遠ざけたんだ……」


    西園寺「日向おにぃがどうして九頭龍組にいるのかとか、なんでわたしと会う約束をやぶったのかとか……確かめるのが怖かった……」


    西園寺「確かめて自分が傷つくのを怖れて、拒絶して、日向おにぃのこと嫌いになろうって思っちゃったんだよ……。終里おねぇの言う通りだね」







    終里「それがおまえの本音だったわけだな……」




    西園寺「でも、わたし……、ちゃんと日向おにぃや九頭龍に聞いてみるよ。まだ、怖いけど……、このまま向きあえないことのほうが、もっと怖いって気づいたから……」


    終里「そっか……」


    西園寺「ごめん、ありがとうね。迷惑かけてさ……。でも、まさか、終里おねぇに諭されるとは思ってもみなかったよ」



    終里「さ、さとされる……?」キョトン…


    西園寺「はぁ~、ただの頭からっぽな野生児女かと思ってたんだけどなぁ~」



    終里「んだとッ!!頭からっぽのほうが夢つめこめんだぞ!!」ドーン!!



    西園寺「ああ、もう……、一気に発言が馬鹿っぽくなったなぁ」



    終里「あ~あ、さっきまで泣いていたやつが、もうオレのこと馬鹿にしてら」


    西園寺「うっさいな!!泣いてないってば!!」


    終里「泣くぞ、すぐ泣くぞ、絶対泣くぞ、ほら泣くぞ!!」


    西園寺「うっさい!!いいかげんにしろ!!」





    終里「悪い、悪い。でも、もう本当に涙はひっこんだな」


    西園寺「うん、泣かないよ。日向おにぃたちとちゃんと話さなきゃ……、泣いてなんかいられないよ」



    終里「へへっ、いい顔になったじゃねーか」

  272. 346 : : 2015/12/16(水) 13:21:24








    花村「あらら、どうやらぼくの出る幕はなかったみたいだね」



    西園寺「は、花村!!?あんた、まさか盗み聞きしてたの!!?」ビクッ!!



    花村「いやいや、今来たばっかりだよ。でも、西園寺さんの顔を見るに、もう大丈夫そうだね」



    終里「そういや、花村。日向と九頭龍見なかったか?これから用があるんだが」


    西園寺「え!!?い、今すぐ会いに行くの!?」ビクッ!!



    終里「早いほうがいいだろ?」


    西園寺「で、でも……、ちょっと心の準備っていうか……」アセアセ…


    終里「大丈夫だっての!!オレも一緒にいてやるしさ!!」


    西園寺「ああ、もう……、わかったよ!!」



    花村「日向くんと九頭龍くんならちょうどいいね。実はぼくは彼らに言われて西園寺さんを探していたんだよ」


    西園寺「え?どういうこと?」


    花村「聞けば、西園寺さんの様子が尋常じゃなかったらしいからね」


    花村「でも、原因である自分たちが不用意に近づけば、西園寺さんをまた傷つけてしまうかもしれない。そう考えた二人は、たまたま出会ったぼくに、西園寺さんの様子を確認してくるように頼んだのさ」



    西園寺「そうだったんだ……」



    終里「ほら、あいつらだっておまえのこと心配してくれてんだ。嫌われてるだなんてことないんじゃねーか?」


    西園寺「う、うん……」


    花村「とにかく、大丈夫そうなら、二人のいるところに案内するよ」


    西園寺「あっ、でもちょっと待って!!小泉おねぇ、今どうしてるのかな?」


    終里「さっきもいったが、今は眠っている。心配なら顔だけでも見に行くか?」


    西園寺「うん、悪いけど……、先に小泉おねぇに会っておきたい」



    花村「おっけ~。それじゃあ、先に病院に行くことにしようか」



    西園寺「うん、ありがとね……。花村……」


    花村「ありがとうか……」


    西園寺「な、なによ……!?なんかおかしいこと言った?」


    花村「いやいや、なんでもないよ。本当にいい顔になったと思ってさ」


    西園寺「うっさい!!人の顔ジロジロみんな!!この豚がッ!!」


    花村「い、いや~ん♪」


    終里「こ、こいつ……、喜んでるぞ!!?」ビクッ!!



    花村(うふふ、本当によかったね。西園寺さん……)


    終里「しかも、にやけてるぞ!!?」ガビーン!!






    西園寺「ああ、もう!!とっとと行こうってば!!」





    花村「ごめんごめん、行くよ!」


    終里「おう、わかってるっての!!」




  273. 347 : : 2015/12/21(月) 20:37:40


    ―病院―


    終里「小泉は大丈夫か?」


    罪木「終里さんに花村さん、それに西園寺さんも!!?」


    狛枝「どうやら、七海さんや澪田さんとは入れ違いになったみたいだね」


    西園寺「七海おねぇや澪田おねぇがどうしたの?」


    狛枝「詳しく話すと長くなるんだけど、キミを探していたみたいだよ」


    西園寺「そうなんだ……」


    罪木「西園寺さん、そ、その大丈夫なんですか?」


    西園寺「大丈夫って何がよ?」


    罪木「小泉さんも、精神的にまいっていたみたいだし、西園寺も、もしかしたらと思って……」


    西園寺「わたしは大丈夫だっての……。いや、もう大丈夫になったよ……」


    罪木「よかったです……!!私、心配で心配で!!でも、小泉さんのそばから離れるわけにもいかないし……」






    西園寺「ふん、わたしの心配なんてしなくていいっての……。でも、こ、小泉おねぇのそばにいてくれて……あ、ありがとう……」






    罪木「ひ、ひぇえええええええええええええええ!!!?」ビクッ!!



    西園寺「な、なによ!!?」ビクッ!!



    罪木「西園寺さんが私なんかにお礼を!!?こちらこそ、ありがとうございますぅ!!!」フカブカ


    西園寺「なんであんたが頭下げんのよ!?おかしいでしょ!?」



    終里「そりゃあ、今までのおまえの態度を考えたら、なぁ?」


    西園寺「うっさいなぁ!!終里おねぇは黙ってて!!」




    終里「これからもちゃんと言っとけよ?ありがとうって誰かに言うことは、簡単なようで、ちゃんとできないことだからな」


    西園寺「ときどき別人みたいなこと言うよね……、終里おねぇは……」


    花村「とにかくよかった。西園寺さんが元気になったみたいでね」


    西園寺「うん、でも……おねぇは……」


    花村「そうだね。小泉さんのことは心配だよ。でも、彼女が元気がないからって、君まで笑っちゃいけないなんてことはないさ。そうやって、自分を苦しめてはいけないよ?」



    西園寺「あんたもただの変態じゃなかったんだね……」



    花村「ぼくはやさしい変態なんだよ!!」ビシッ!!


    終里「どっちみち変態なのかよ!?」


    西園寺「罪木、おねぇは大丈夫なの?」


    罪木「体調には問題ありません。問題があるとすれば、精神的なものですね……」


    私と狛枝さんは西園寺さんたちに、今まであったこと説明しました。

    ですが、狛枝さんが小泉さんと幼馴染だったということは言えませんでした。

    それが狛枝さんと小泉さんにとって、言っていいことなのかどうか私には判断できなかったからです。




    終里「七海がモノミの仲間で【未来機関】!?」


    花村「それでもって、モノクマの言っていた【裏切り者】!?」


    西園寺「小泉おねぇとわたしに映画を見せたのは……、七海おねぇ!!?」




    狛枝「いろいろ整理はつかないけど、七海さんがいろいろなカギを握っているみたいだね……」


    狛枝「七海さんがどういう意図で行動しているのか、未来機関という組織は何か、モノクマとどれだけのつながりがあるのか、わからないことだらけだ。やっぱり本人にちゃんと確かめたほうがいいね」




    西園寺「七海おねぇのやつのことも気になるけど、小泉おねぇが日向おにぃに対してそこまで変っちゃうなんて……」


    花村「小泉さんと日向くんの間に何があったのか、西園寺さんも知らないんだよね?」



    西園寺「うん、わたしも知らない。小泉おねぇは話したがらなかったから……」



    狛枝「……そっか」



    罪木「あ、あのぅ、そういえば……、左右田さんと田中さんは大丈夫なんでしょうか?」



    花村「ああ、それなら問題ないよ。西園寺さんを探す途中で見つけたんだ。少ししたらこっちに来るってさ」

  274. 348 : : 2015/12/21(月) 20:41:31




    グゥー……




    狛枝「え、誰のお腹の音?」ビクッ!!



    終里「すまん、オレだ。さすがに限界だわ……」グゥー…


    花村「そういえば、昼食がまだだったんだよね。小泉さんの分もレストランからもってこよっか」


    罪木「ここにいないみなさんも、まだですよね?私たちだけ先にいただいていいんでしょうか……?」


    花村「それなら大丈夫!レストランに用意はしてあるからね。みんなには、ぼくから伝えにいくよ」



    西園寺「え!?みんな、ご飯食べてなかったの!!?」


    終里「ああ、おまえも食ってないだろ?罪木や小泉の分もここに持ってくるから、一緒に運ぶの手伝えよ」


    狛枝「ボクも手伝うよ。あっ、ボクのぶんはないかな?」


    花村「そんなことないよ。ちゃんと、人数分用意してあるって!!」


    狛枝「さすがは超高校級の料理人だね!」


    花村「ノンノン!シェフと呼んでよ。そのほうがほら、アーバンな香りがするでしょ?」


    狛枝「さすが超高校級のシェフ!!」



    西園寺(みんな、ご飯も食べずにわたしのこと探してくれてたんだ……)




    終里「ん、どうした、西園寺……?」



    西園寺「う、うぅ……うぅ……」グスッ…


    終里「ちょ!!?おまえ、何泣いてんだ!!?腹が空きすぎてるのか!!?」ビクッ!!


    西園寺「ち゛、違うよ……!!そ、そ゛んなんじゃないよぉ!!」グスッ…


    終里「ったく、さっそく泣きやがって……」


    西園寺「だって、みんなが……、ご飯も食べずに私たちのこと探してるなんて思わなくで……!!」グスッ…


    花村「そうだね。だから腹ぺこだよ。さぁ、ぼくのご飯を食べて、元気を出そう!!食後のデザートだってあるしね!」



    西園寺「ふん、洋菓子だったら、許さないからね!!」グスッ…


    花村「心配ナッシングさ!!和菓子もちゃんとあるからね!!」ビシッ!!


    終里「おっしゃ!!オレが一番ノリだぜ!!早くこないと全部オレのもんだぞ!!」バビューン!!



    花村「ちょ!!待ってよ!!全部食べないでよ!!?」ガビーン!!




    狛枝「あらら、じゃあボクたちも行こうか」


    西園寺「う、うん……」グスッ…




    罪木「うふふふ……」


    西園寺「笑うな、ゲロ豚!!口内炎できろ!!」


    罪木「な、なんで私だけ!!?」ガビーン!!



  275. 349 : : 2015/12/22(火) 04:47:14

    ―モーテル―


    日向「西園寺のやつ元気になったらしいな……」


    九頭龍「ああ、花村の言うには、小泉に会ってからこっちに来るってよ」


    日向「ああ、本当に良かったよ……」


    九頭龍「ああ、本当にな。だが、あとひと仕事ある。あいつにちゃんと伝えなくちゃいけない。なぜ、おまえが九頭龍組にいたのかをな」


    日向「本当にもどかしいよ。俺はほとんど何も思い出せないし……、結局、西園寺を助けたのも終里だったって言うじゃないか。あんなに、あいつのことをなんとかしようって言っていたのにな」


    九頭龍「それを言ったら、オレも今んところなんにもしてねーよ。それどころか、オレはモノクマが事件を起こすことを知りながら、それをただただ待っていただけだ」


    九頭龍「ペコが終里のことを助けられたから、オレにもできると思ってた。でも、そういうのより前にさ。終里が暴走したってことは、西園寺もそうなるってことを考えてなかった」


    九頭龍「いや、考えてはいたけど……、考えが足りなかった。実際にあんな西園寺を見て、オレは何も言えなかった。何もできなかったんだ……」


    日向「九頭龍……」


    九頭龍「情けねぇのはオレも同じだ。本当にあいつのことを思うなら、モノクマの指示なんかまってないで、自分でなんとかしろって話だよな……」



    九頭龍「隠していたことだって、ちゃんと伝えるべきだった」


    九頭龍「オレはあいつのことをなんとかしたいと思う反面、知られないままでいれば、あいつを傷つけなくてすむなんて、心のどこかでまだ思っていやがったんだよ……。本当に自分に嫌気がさすぜ」


    九頭龍「おまえが九頭龍組にいたってことを西園寺に隠しとおすってことが、おまえの覚悟だと思っていた。その覚悟を尊重するつもりだった。でも、本当にあいつのためを思うなら全部話してやるべきだったんだよな……」


    日向「九頭龍、そんなに自分を責めないでくれ」


    九頭龍「……悪いな。すぐ愚痴っぽくなっちまうな」



    日向「それはいいさ。俺のほうがさんざんうじうじしてるしな。けど、こんなうじうじしてた俺がやっと何かしようって、動こうって決められたのはおまえのおかげなんだぞ?」


    九頭龍「日向……?」


    日向「おまえが俺の話を聞いてくれたから、俺に俺の忘れていた九頭龍組でのことを話してくれたから、俺は自分にできることをしようと思ったんだ」


    日向「おまえがいなきゃ、俺は動くことすらできなかったと思う……。だから、本当に感謝してるよ、九頭龍」


    九頭龍「へっ、お互い様だぜ……」


    九頭龍「強がってはいたが、ペコがいなくなって……、やっぱり一人で秘密を抱えてるのは辛かった。だから、タイミングは最悪だったが、おまえにちゃんと話すことができてよかったよ……」


  276. 350 : : 2015/12/22(火) 04:52:48






    西園寺「日向おにぃ……、九頭龍……」


    終里「よっ、おまえらもちゃんと飯食ったか?」




    日向「ああ、花村が伝えにきてくれたから、俺たちもレストランで済ませてきたよ」


    九頭龍「終里、おまえも来たんだな」


    終里「思えば、辺古山とは話したが、九頭龍とは話してなかったしな。オレも混ぜてもらうぜ?西園寺にも許可とってるしな」




    西園寺「うん、その……まずは、日向おにぃ、九頭龍おにぃも……ごめんなさい!!」

    日向「そ、そんな……西園寺、頭を上げてくれ!」




    西園寺「わたし、ひどいこと言ったからさ。だから、ちゃんと謝りたいんだ……。本当にごめんね!!」


    九頭龍「……いいや、許してほしいのはこっちのほうだ。判断を誤ったせいで、おまえのことをより傷つけてしまったのはオレだろうからな」



    西園寺「九頭龍おにぃ……。聞かせてくれる?なぜ、日向おにぃが九頭龍組に入ったのかを……」


    九頭龍「ああ、本当はもっと早く話すべきだった。聞いてくれるか?」


    西園寺「うん、お願い……!!」





    九頭龍「先に言っておくと、日向はこの島に来てオレらに関しての記憶をいろいろとモノクマに操作されている。だから、日向にはオレから今さっき伝えておいたばかりだ」


    西園寺「そういえば、日向おにぃもそんなこと言っていたね……」



    九頭龍「だから、日向本人に聞いてもこの件は情報としてしか持っていないことをわかってほしい。自分で体験したことだが、日向は体験したってことを思い出せないからな」



    西園寺「うん、わかった」






    九頭龍「日向がなぜ九頭龍組に入ったか……。きっかけは、ペコが連れてきたからなんだ」


    終里「辺古山のやつが!?」


    九頭龍「ああ、そのとき日向はオレらの組の下っ端に囲まれていた。こいつらは西園寺の暗殺を依頼されていた奴だ」


    西園寺「え!?」


    九頭龍「日向は目をつけられていたんだ……。西園寺を助けたことによってな……」


    西園寺「そ、そんな……!!?」


    九頭龍「あいつらは正確には九頭龍組じゃない。オレらとつながりがなかったわけじゃないんだがな。だからといって、オレらが責任逃れするつもりはないが、あいつらは金目当てで西園寺家の一部に、西園寺日寄子の暗殺を依頼されていたらしい」


    九頭龍「オレたち【極道】は殺し屋とは違う。西園寺家もデカい家だが、九頭龍組本家にそんなことはさすがに頼めるはずもない。だから、話に食いつきそうな奴を選んだんだ」



    九頭龍「そして、おまえは襲われて、日向はおまえを助けた。そこから、日向はおまえになんどか会って、おまえを護衛することにしたらしい」




    西園寺「え……!?そんなこと一言も……」



    九頭龍「おまえにもボディガードがいないわけじゃないだろうが、そいつらはあまり熱心とは言えなかったらしいな。日向は一人で自分に会いに来ると言ったおまえの身を案じて、おまえを守ろうと誓ったんだ」



    西園寺「日向おにぃはずっと、わたしを守ろうとしてくれていたの……!?」






    九頭龍「そして、ある日のことだ。日向はおまえとの約束の場所に行く途中で、おまえをねらう暗殺者たちに囲まれた」



    西園寺「まさか……、わたしと会う約束を破ったのは……!!」


    九頭龍「行かなかったんじゃない。行けなかったんだ……!!」




    西園寺「ひ、日向おにぃ……」


    日向「……」
  277. 351 : : 2015/12/22(火) 05:01:33



    九頭龍「だが、日向は暗殺者どもに勝った。初めておまえを守った時のようにな……。だが、そこから事態はややこしくなる」




    終里「何があったってんだ?」




    九頭龍「これはペコから聞いた話だ。九頭龍組も不穏な動きをしている連中のことに気づいていないわけではなかった。だから、ペコを初めとする九頭龍組の何人かを調査に向かわせたんだ」


    九頭龍「そこで辺古山が見たのは、ただ一人ぼーっと空を見上げていた日向だった。その身体には傷一つなく、周りには日向を襲ったと思われる連中が一人残らず気絶していた」



    九頭龍「そして、日向は辺古山を見つけると……、ペコに襲いかかってきたらしい」


    終里「なんだって!?」


    九頭龍「まぁ、ペコが本気で日向を相手にするまえに、すぐに日向は力つきて倒れたそうだ。やがて、ペコは日向が昔の知り合いであったことに気がつき、後始末を別の者に任せ、日向を九頭龍組に連れて帰った」


    日向「終里は知っていると思うけど、俺は窮地に立たされると、そんなふうに力を発揮するみたいなんだ……。それが一体なんなのかわからないんだけどな……」



    九頭龍「ペコは日向の力の危険性を誰よりも知っていたんだ。実際にその身で体験しているからな」





    九頭龍「そして、オレはペコが日向を九頭龍組に連れてきたことで、初めてあいつに会うことになる。当時はとても驚いたのを覚えている」


    九頭龍「ペコは基本的に他人に興味を示さない。そんなペコが突然知らないやつを連れてきたからな。本当に何事かと思ったぜ……」


    日向「辺古山は、俺が目覚めたときに、また暴走するのを怖れて、自分がそばにいたほうがいいと考えて連れて来てくれたらしい。本当に頭が上がらないよ……」


    九頭龍「幸い、目覚めたとき日向は普通だった。ペコのことは覚えていたし、事情もペコから説明したらしい」


    九頭龍「日向も、また自身の力の暴走を怖れた。そこで、ペコのやつが……、自分が力の使い方を教えると提案したんだ。だから、日向は九頭龍組に居候することになった」


    九頭龍「立場はあやふやだったが、ペコが一目置いていると知って、親父がしばらくの居候の件は許可したため、周りは何も言わなかった」



    九頭龍「文句を言ったとすれば、オレぐらいだな。いきなりわけわかんねぇーやつが家に来たからなぁ。さすがに黙っていられなかった。まぁ、日向とはすぐ仲良くなっちまったんだがな……」


    西園寺「それで日向おにぃは、九頭龍組にいたのか……。あれ、でも、それならただの居候じゃん?それにわたしに隠す理由もないっていうか……」




    九頭龍「……九頭龍組に居候してからの日向の大きな目的は2つあった。1つは、自分の力の制御のために辺古山と鍛錬すること……。そしてもう1つが……」





    九頭龍「西園寺を守ることだった……」



    西園寺「え……?」




    九頭龍「日向は、西園寺を守るために……、九頭龍組に残る決意をしたんだ」



    西園寺「どうして……!?なんで、九頭龍組に入ることがわたしを守ることになるのよ!?」





  278. 352 : : 2015/12/22(火) 05:18:04




    九頭龍「おまえを疎ましく思っていた西園寺家の人間は諦めていなかったんだ」


    九頭龍「九頭龍組のほうでもちろん圧力はかけたが、あいつらは往生際が悪かった。他でもいろんな人間を雇ったようだな」


    九頭龍「オレらも深入りするわけにはいかない。言っちゃ悪いが、そこまでする理由はこっちにはなかったからな。下っ端どもの落とし前をつけられれば、それでよかった」



    九頭龍「だが、日向は九頭龍組の情報網を頼りに、おまえを陰ながら守っていたんだ」



    九頭龍「日向はおまえを守り戦い続けることを選択した。日向は西園寺が襲われなくなるまで、戦い続けることを覚悟したんだ」



    西園寺「日向おにぃ……、本当なの!?」


    日向「悪い……。初めに言ったように俺自身は覚えていないんだ……」



    西園寺「でも、だったらさ……!!会いに来てくれてもよかったのに!!わたしのそばでわたしを守ってくれればよかったのに!!」



    九頭龍「日向は、自分の力がいつかおまえを傷つけるかもしれないことを怖れていたんだ……」



    西園寺「え……?」


    九頭龍「何年ぶりかとはいえ、顔見知りであった辺古山を日向は一度襲った。日向は自分が自分でなくなることを怖れていたんだ」




    九頭龍「なにより、そんな姿をおまえに見られたくなかったんだよ……!!」



    西園寺「そ、そんな……!!?」




    九頭龍「幸いなことに、西園寺家内部でも動きがあった。ようやく西園寺日寄子を守るために、西園寺の本家はおまえを守る体制を整え始めた。分家の者たちもしかるべき処分を受けたらしい」



    西園寺「そんなこと、わたし全然知らなかった……」




    九頭龍「日向の戦いは終わった。オレらの家に来てからの日向は、顔が割れないように変装していたため、詳しい身分がばれることはなかったようだ」



    九頭龍「日向はそれでも、今まで世話になった義理立てから、九頭龍組に残ることを選択しようとしていた。そこで、親父は日向にある指令を出した」



    終里「もしかして……、それって……」



    九頭龍「そう、おまえの家に借金を取りにいくことだ。実際には、借金なんてほとんどどうでもよくって、日向に指令を突き付け、断らせるためだった」


    九頭龍「だが、日向はそれを受けた。そのあとのことは……、終里が一番よく知っているはずだ」


    終里「日向はオレたち家族を守るために、九頭龍組と戦った……」



    九頭龍「正確には、九頭龍組の末端の奴らだった。……とはいえ、日向は九頭龍組の指令に逆らったことになる」


    九頭龍「日向はやはり、極道であることよりも……、人を救う道を選んだんだ」


    九頭龍「親父もオレもペコも、むしろ日向を九頭龍組をやめさせるための口実ができたから、それは問題なかったし、気にしてはいなかったさ……」


    九頭龍「問題があるとすれば、終里、テメェーの心に傷をつくってしまったことだ……」




    九頭龍「すまなかった、終里……。今一度、わびさせてくれ!!」


    九頭龍「そして、西園寺……。話せない理由があったとはいえ、今までおまえを苦しめて本当にすまなかった!!」





    西園寺「ちょっと、九頭龍……、土下座なんてやめてよ!!」


    終里「そうだ、頭あげろよ……。男がそうやすやすと下げるもんじゃねぇぞ!!」



    九頭龍「ここで詫びねぇで、いつ詫びるってんだよ……。許してもらおうとは思っちゃいねぇ……。ただ、これはオレが詫びたいだけだ……。本当にすまなかった……!!」

  279. 353 : : 2015/12/22(火) 05:36:18

    日向「俺もすまなかった……。約束をやぶって西園寺を傷つけて、あまつさえそれを忘れたままでいる」


    日向「終里のことも未だに思い出せないままだ。本当にすまない……」





    終里「ああ、もう!!男2人でそろって頭なんか下げてんじゃねー!!」


    終里「だいたい、オレのことはオレの心も弱かったんだ。詫びなら昨日きいた、オレのことはもうそんな気にしなくていいんだっての!!」



    日向「それでも、すまなかった……。全部思い出したら、もう一度ちゃんと謝りたいと思う」






    西園寺「ねぇ、日向おにぃ……」


    西園寺「日向おにぃは思い出せていないのかもしれない。でも、わたしが今ここでこうして無事でいること。それは日向おにぃのおかげでもあるんだよね……」


    西園寺「巻き込んでしまったのはわたしのほうなのに、わたしなんかのために……、ありがとう」



    日向「それでも、俺は約束を破ってしまったから……」



    西園寺「そうだね、約束を破ったことはともかく、やっぱり、会いに来てほしかった。それに、わたしのためとはいえ、そんな危ないことしないでほしかったよ……。わたしにもちゃんと話してほしかった」


    日向「やっぱり、そうか……、簡単には許してくれないよな……」





    西園寺「だ、だから!!もう一度約束して……?ちゃんと全部思い出して、あのとき約束した場所でもう一度、今度こそわたしに会いに来てよ……!!」


    日向「西園寺……!」



    西園寺「そしたら、許したげる……!!破ったら、今度こそ許してあげないからね?」


    日向「ああ、誓うよ……!」





    西園寺「九頭龍おにぃ、頭あげてよ……」


    西園寺「あんたらに迷惑かけたのはわたしの家のやつらのせいでもある……」


    西園寺「ちゃんと話してほしかったのは確かだけど、経緯はどうあれ、わたしのために黙っていてくれたんでしょ?わたしに余計な心配をかけないように……」


    西園寺「だから、ありがとう……」




    九頭龍「……くっ」ジワッ…


    西園寺「あれ?もしかして、泣いてるの?」


    九頭龍「うるせぇ!!ちゃかすんじゃねー!!」ジワッ…


    西園寺「案外、泣き虫なんだね?」




    終里「九頭龍もおまえにだけは言われたくねぇだろーなぁ」


    西園寺「うっさいな!!今回はわたし泣いてないもん!!」


    終里「そうだな。でもよ、やっぱ大丈夫だったろ?心配することなんてなかったんだよ」


    西園寺「うん、そうだね……。わたしが臆病すぎたんだね……」


    終里「おまえはあの映画のせいで、怖い思いをしたんだ……。無理もねぇよ……」


    西園寺「うん、ありがとね……」





    九頭龍(こんなふうに終里や西園寺と話せるようになる日が来るなんてな……)


    九頭龍(ペコ、見ているか……?オレ自身がなんとかすることはできなかった。だが、日向は、西園寺と終里と、またこうして関係を取り戻すことができた……)


    九頭龍(本当に……、よかった!!)




  280. 354 : : 2016/01/02(土) 11:44:09

    ―病院―


    左右田「おっ!!日向たちが来たぞ!」


    日向「ほとんどみんな集まってるみたいだな」


    田中「花村から事情は聞いたが、やはり七海千秋の行方はつかめなかった。俺様の目を持ってしても奴の居場所が見抜けないとは……、何か特殊な訓練を受けてきたに違いない!!」


    左右田「いちいち言うことがおおげさなんだよなぁ……」





    日向「ん、左右田……、なんか機嫌がいいな?」


    左右田「なんだよ、急に……」



    日向「いや、なんとなく、そう思ったんだ」


    左右田「へへへっ……、なんだよ、それ?」


    日向「うん。なんだか知らないけど、いい感じだな」





    田中「日向、昨夜はすまなかったな……。俺様もいろいろと言いすぎてしまった……」


    日向「いや、気にしてないよ。昨日は、モノミのほうが、なんか可哀そうだったよな……」


    田中「機会があれば、今一度、奴にも謝罪しておくことにしよう……」







    澪田「日寄子ちゃーーーーーん!!!!!!」ダイブッ!!


    西園寺「離れろ!!澪田おねぇ!!!」


    澪田「心配したんすよ!!唯吹一人でずっと探しまわってたのに、見つからないんだもの……。さびしかったすよぉ!!」


    西園寺「ああ、もう心配かけたのは謝るから、すぐに離れろってば!!」


    澪田「えぇ~、いけずぅ」


    西園寺「それに、近くでまだ小泉おねぇが寝てるんだから、あんまり騒がないでよね!!」


    澪田「うっ、ごめんなさい……」





    九頭龍「小泉はまだ目を覚まさないんだな……」


    罪木「疲れもたまっていたんだと思います……。今は寝かせておいてあげましょう……」


    花村「寝ている小泉さんと、行方のわからない七海さんを除けば……、全員がここに集まったってことだね」



    狛枝「モノクマとモノミの姿がいっこうに見えないけれどね……。モノミはともかく、ボクらに積極的に干渉しようとしていたモノクマが未だに姿を現さないのは、不気味だね」




    田中「いや、待て……、もうひとつ奇妙なことがあるのだが……」


    狛枝「え?何かな……?」





    田中「狛枝、おまえはなぜここにいる?」


    左右田「そういや、おまえ、どういう風の吹きまわしだ?今までは一人でいることのほうが多かったのに……」



    狛枝「そうだね……。ボクは単独行動が多かったから、気にするのも無理もないね」



    澪田「まぁまぁ、今はそんなこと気にしなくてもいいんじゃないっすか?」


    花村「そうだね。それよりもみんなで状況を整理したほうがいいよ」




    左右田「それも、そうだな……。悪いな、狛枝」


    田中「少し気になったものでな。気を悪くさせてしまって、すまない……」


    狛枝「気にしなくていいよ。それよりも花村クンの言う通り、状況を整理しようか?」


    澪田「それに賛成っす!!」





  281. 355 : : 2016/01/02(土) 11:49:25




    七海と小泉を除く、俺たち10人はそれぞれ情報を共有することにした。



    七海の発言から、小泉と西園寺が見せられた映画は、七海によるものであったということ。


    七海が、モノクマから渡されたゲームをやった人物を操ることができるかもしれないということ。



    七海とモノミは未来機関という組織の一員であり、未来機関は俺達をこの島に閉じ込めた組織であるということ。



    やはりというか、七海関連の情報が多かった。





    九頭龍の口からは、九頭龍と辺古山がモノクマと協力関係にあったということが語られた。


    最初はみんなも戸惑いの表情を見せたが、終里や西園寺が特に気にしないと言ったため、他のみんなもその事実を受け入れたようだった。



    今回の事件については、西園寺本人の口から説明があった。
    それに付随して、終里も自分が辺古山に救われたことを詳しく語り、罪木も改めてソニアとの間にあったことをみんなに語った。





    そして、俺はあの件をみんなに確認することにした。




    日向「俺からみんなに確認したいことがあるんだが……、いいかな?」


    田中「どうしたんだ?」


    日向「俺が七海とモノミが未来機関であると知ったのは、電気街でのことだったんだけど、実は他にもそこで知ったことがあったんだ」


    左右田「あそこには何もなかったはずだがなぁ……、んで、何を知ったんだ?」


    日向「俺達16人のうち、3人は超高校級の生徒……じゃないかもしれない」


    花村「えぇ!?どういうことなの!?」
  282. 356 : : 2016/01/02(土) 11:52:33





    日向「俺が電気街で七海が未来機関であることを知ったんだ。そこで、七海が未来機関に送っていた報告書を見つけたんだけど……、その文章の中に、【超高校級の生徒13人を、一部の記憶を操作してこの島に閉じ込めることに成功した】とあったんだ……」





    左右田「はぁ!!?それって、どういうことだよ!!?」




    日向「この島からすでに卒業したみんなを含めて、俺達は16人だ。その報告書には、残りの3人については特別な記述がなかったから、詳しいことはわからない。でも、そうするとあとの3人はいったいなんなんだろうって思ったんだ……」



    澪田「え、じゃあ……、カウントされていない3人は超高校級の生徒じゃないってことっすか!?」



    日向「たぶんだけど、そのうちの一人は七海なんじゃないかって思う。それで、あと2人のうちの1人は俺のことだと思う」



    左右田「けどよ。さんざん、モノクマのやつはおまえに才能があるって言っていたんだし、おまえが今更、超高校級の生徒じゃないってことはないんじゃないか?」



    西園寺「おにぃがわたしを最初に助けてくれたときは、一般人よりも喧嘩がかなり強いやつぐらいにしか思ってなかったんだけれど、話を聞けば、そんなレベルじゃないぐらい強かったわけだし……」



    日向「記憶のあったころはわからないが、今の俺は意識的に力を発揮できるわけじゃないからな……。終里と戦った時も、狛枝の推測では七海に操られていたかららしいし……」




    九頭龍「ペコと特訓したおかげで、おまえは以前よりも意識的にその力をコントロールできるようになったと自分でも言ってたな……。終里と出会ったころには、もう安定していたんじゃないか?だからこそ、オレらはおまえを九頭龍組から外に出してもいいと思ったわけだしな」



    花村「けれど、仮に3人のうちの2人が七海さんと日向くんだったとしても、あと1人いるんだよね?」



    終里「いったいどういうことだよ……」









    狛枝「あのさ、なんでその3人が超高校級の生徒じゃないってことで話が進んでいるのかな?」



    終里「は?そりゃあ、日向が見た報告書とやらにそう書いてあったからなんじゃねーのか?」


    狛枝「いや、そうは書いてないよね?日向クンの言葉を信じるならば、報告書のその文章からわかることは、【超高校級の生徒13人が、未来機関によって閉じ込められた】という事実だけだよね?」



    罪木「ええ、その通りですけれど……」




    狛枝「どこにも、【16人中の3人が超高校級の生徒じゃない】とは書かれていないよ。断定することはできないんじゃないかな?」



    左右田「なら、なんで13人って書いてるんだよ?それとも、報告書の内容が嘘だってのか?」



    狛枝「もちろん、書いていない以上……、カウントされていなかった3人が【超高校級の生徒ではない】という可能性は残っているんだけど、除外した理由は別にもあるんじゃないかな?」


    罪木「別に理由がある……ですか?」


    終里「それって、なんだよ?」


    狛枝「ボクは日向クンの話を聞いてこう思った。残りの3人は【未来機関に閉じ込められたわけじゃない】のかもしれないってね」


    日向「つまり……、閉じ込められたわけじゃないってことは、自分の意志でここに来たってことか?」


    狛枝「うん。七海さんがその3人のうちの1人ってのはボクも賛成だね。彼女は未来機関で、自分でここに来たんだろうから、閉じ込められたわけじゃないはずだ」


    狛枝「まぁ、そもそも、彼女が書いた報告書なんだから、自分のことをカウントはしないだろうけれどね」


    日向「なら、その書かれていない3人は、超高校級の生徒じゃないっていう可能性と、自分の意志でこの島に来たっていう可能性があるのか……」


    狛枝「結局は、そっちも断定できないんだけれどね。ただ、カウントされていない理由は、別にも考えることができるってことを言いたかっただけだよ」





    日向「すごいな、狛枝は……、俺は早とちりしてたから、そんな可能性には気づかなかったよ」


    西園寺「ねぇ、一応聞いておくけれど、残りの2人って九頭龍と辺古山じゃないよね?」


    九頭龍「さっきも言ったが、オレらはこの島に来てから、モノクマに協力することになったんだ。自分の意志でここに来たわけじゃねーよ」


    狛枝「ボクたちに希望ヶ峰学園で過ごした記憶がない以上、結局はそれもわからないんだけどね」


    罪木「自分の意志でここに来たとしても、そのことも忘れてるってことですか……」


    九頭龍「そう言われちまうと、違うとは言い切れねぇな……」


    左右田「まぁ、そこは確かめようがないし、今は考えなくていいんじゃないか?」



  283. 357 : : 2016/01/02(土) 11:53:59




    狛枝「そうだね。それよりも報告書には他には何か書いていなかったのかい?」


    日向「ああ、そうだ……。あの報告書は、不二咲千尋っていう人物にむけてのものだったらしい。最後にそう書いてあったんだ」




    左右田「オイオイ、不二咲千尋っていえば……、天才プログラマーじゃねぇか!!」


    田中「そこに名前があったということは、そいつも未来機関のメンバーだということか……」



    日向「ああ、報告書にはNo.5不二咲千尋への報告って書いてあった……」


    終里「ナンバー?」


    日向「ああ、七海のやつはNo.7って書いてあったな……」


    狛枝「そうなると、少なくとも……、あと未来機関は5人はいるってことだね。もっと多いかもしれないけれど……」


    終里「なんで5人って言えるんだ?」



    狛枝「それぞれにナンバーが与えられてるってことは、No.1・No.2・No.3・No.4・No.6の5人がいるはずだよ。まぁ、そのうちの1人はモノミかもしれないけれどね」


    終里「いや、七海は単純に名前に七っていう字が入ってるから、No.7なんじゃないのか?」




    狛枝「その理屈だと、不二咲千尋がNo.2で、九頭龍クンがNo.9になるね」


    九頭龍「なんでオレが勝手に組み込まれてんだよ!!?」


    終里「九頭龍!!?おまえも未来機関だったのか!!?」ガビーン!!



    九頭龍「ちげーよ!?名前に漢数字が入ってるだけだろ!!」ガビーン!!






    澪田「つまり、白夜ちゃんは、No.10だったわけか……」


    終里「よかったな九頭龍!十神よりも偉いぞ!!」


    九頭龍「だから、ちげーっていってんだろ……って、なんでオレが十神よりも偉いんだよ?」


    終里「だって、No.1が一番偉そうじゃねーか。それに近い数字のほうが偉いんじゃねーの?」


    狛枝「数字がそのまま組織での地位を表してるかどうかはわからないけれど、No.1の人物がリーダーってのはボクも同意かな」





    澪田「唯吹、やべぇことに気がついた!!和一ちゃんの名前に、1って数字が入ってるっす……」


    終里「テメェーが未来機関のリーダーだったのか!!?」ガビーン!!


    左右田「違うにきまってんだろ!!?もう、名前の数字の話からは離れろよ!!」ガビーン!!




    田中「そういや、おまえの真名はそんな響きだったな……」


    九頭龍「いつも左右田って呼んでるから、忘れそうになってたぜ」


    左右田「しまいには泣くぞ、オメェーら!!?」ガビーン!!



  284. 358 : : 2016/01/02(土) 12:00:10



    日向「あとは、モノクマもモノミも俺たちの絆を深めさせるためことが目的らしい……。モノミは俺達16人全員に【希望のカケラ】を集めさせることで……、モノクマのやり方についてはみんながよくわかってる通りだ」



    狛枝「【希望のカケラ】か、久しぶりに聞いたねその単語」



    花村「えっと、それってなんだったんだっけ?」



    狛枝「まだウサミだったころのモノミが、ボクらに集めさせたがっていたものだね。絆の証とも言っていたかな?」



    日向「モノミは、たぶん俺達全員の絆を深めさせたあと、全員をこの島から卒業させるつもりだったんだと思う。報告書には、モノクマはその方法と違って、今のところ個人個人で卒業させていっているとあった……」



    罪木「ソニアさん、十神さん、辺古山さん、弐大さんのようにですね……」



    狛枝「モノクマが起こした事件は、罪木さんや終里さん、西園寺さんがターゲットだったわけだけれど……、それとは別に、ボクらの卒業の条件にあの内容を設定した理由がよくわからないんだよね」



    九頭龍「それなんだが、特別ルールには3番目があるらしいぞ……。モノクマのやつが言ってたんだ。ペコはそれを満たしたから、この島から卒業できたらしい」



    狛枝「……ここに来て知らされていないルールとはね。もしかしたら、4人が卒業できた理由は、ほとんどその隠されたルールを満たしたからなんじゃないかな?」


    日向「確かにな……。十神や弐大が、【俺の才能】や【モノクマの正体】に気づいていたとは思えないし、ソニアのやつはモノクマからの接触があったらしいけれど……」



    罪木「それなんですけど、ソニアさんが何かに気づいたと言っていました……。そして、それを私たちに言わないことが修学旅行を終える条件だともおっしゃっていました……」


    左右田「じゃあ、ソニアさんは……、【日向の才能】か、【モノクマの正体】に気づいたってことなのか?」


    罪木「すみません。そこまでは、わかりません……」



    日向「3つ目の特別ルールか……。いったいなんなんだろうな……?そんなのがあるんだったら、最初に提示した2つのルールにはなんの意味があるんだよ……」


    狛枝「そこは情報が少なすぎて、何もわからないね。ただ、あの2つのルール以外でも卒業ができるっていうのは、重要な情報だね」




    狛枝「そして、辺古山さんがそれを満たしたというのも気になるところだ……。辺古山さんの近くで行動していた九頭龍クンは、そのルールの正体がわからないかな?」



    九頭龍「ソニアとペコだけなら、罪木と終里の件をそれぞれ解決したっていう共通点があるが……、それだと十神と弐大は違うからな……」



    狛枝「じゃあ、これも後回しにしたほうがよさそうだね」


    九頭龍「悪ぃが、そうするしかねーだろうな……」


  285. 359 : : 2016/01/02(土) 12:08:27



    狛枝「さて、だいたいは確認し終えたかな?」


    九頭龍「そうだな。それで、これからどうする?」





    狛枝「モノクマや七海さんの出方がわからない以上、こちらからは何もすることができない。何人かでまた七海さんやモノクマを探すしかないかな」


    西園寺「それなら、悪いけど……、わたしは小泉おねぇのそばにいたい」


    罪木「私も小泉さんに、何かあったときのためにそばにいたほうがいいでしょうね……」


    狛枝「男手が必要だろうから、ボクも残ることにするよ」



    澪田「まぁたまた、そんなこといっちゃって……、本当は真昼ちゃんが心配なだけなくせに」




    狛枝「……。それで、罪木さんを含む何人かは病院に残ることになるから、何かあったときのために、病院組以外はモーテルに泊まったほうがいいんじゃないかな?」


    澪田「いやん、無視っすか!!?」




    日向「モーテルなら病院に近いからな」



    田中「それなら、すぐに駆けつけることができるな!!何かあったときは、この俺様が助けてやろうぞ!!」


    澪田「眼蛇夢ちゃん!!かっくいーーー!!!!」



    左右田「病院とモーテルに分かれて泊まるんだったら、これが役に立つかもなぁ」ゴソゴソ



    西園寺「なにこれ?」



    左右田「カメラつきの通信機だよ。電気街で見つけたのをちょっといじったのさ。距離が遠すぎると使えないが、モーテルと病院ぐらいなら大丈夫だろう」


    狛枝「連絡を取り合う方法ができてよかったよ。さすがだね」


    左右田「へへっ、使い方は後で全員に教えるよ」


    花村「じゃあ、狛枝くん、罪木さん、西園寺さん以外の7人で、七海さんとモノクマを探しに行こうか!」


    澪田「了解っす!!」




    狛枝「ああ、それと……探索に行く前に一応確認しておきたいんだけれど、七海さんには注意した方がいい。特に、日向クンと終里さんはね」


    日向「どういうことだ?」


    狛枝「彼女はモノクマから渡されたゲームをプレイした人間を操ることが出来るみたいだからね」



    日向「狛枝の推測によれば、終里との決闘のときの俺は七海に操られていたんだったな……」


    狛枝「終里さん、西園寺さん、小泉さんの件でわかるように、肉体だけでなく、精神にも干渉することができるみたいだからね。ボクも澪田さんが助けてくれなかったら、どうなっていたかわからない……」



    花村「狛枝くん、忠告されたのにゲームをプレイしたんだね」


    狛枝「まさか、忠告してきた本人に痛い目を見せられるとは思わなかったけれどね」



    澪田「けど、唯吹と蜜柑ちゃんも、千秋ちゃんがゲームをしていたときにそばにいたのに、なんともないっすね?」


    狛枝「たぶん、誰のゲームをプレイしたかが重要なんじゃないかな?終里さんのゲームも直接プレイしたのは七海さんだったわけだけど、終里さんに影響があったわけだしね」



    澪田「ホント、なんでもアリっすよね……」



    狛枝「今のところ、こっちにできる対策はないからね。病院に残るボクと西園寺さん、そして小泉さんも……用心に越したことはないね」


    狛枝「ただ、彼女が目的もなく、むやみやたらに何かをするとは思わないから、そこまで不安にならなくてもいいと思うよ」


    罪木「そうですね。七海さんは小泉さんと西園寺さんの件を悔いていたようですし……」






    日向「もし、仮に……、俺のわけのわからない力でみんなを傷つけることになったら……」


    狛枝「モノクマもモノミもボクらに危害を加えることが目的じゃないんだ。そこは心配しなくてもいいんじゃないかな?」




    日向「狛枝……、ありがとうな」


    狛枝「……ま、わかったらさっさと探索に行ったら?」






    澪田「いやあ、ツンデレすな~」


    花村「ね~」



    狛枝「キミたちも早くいったらどうかな!?」ガビーン!!


  286. 360 : : 2016/01/14(木) 16:35:48

    ―モーテル―


    結局、夜まで探したが、七海は見つからなかった。

    仕方がないので、捜索はいったん打ち切って、狛枝、罪木、西園寺に加えて、終里が病院に……、残る俺、九頭龍、花村、左右田、田中、澪田はモーテルに泊まることにした。


    俺は花村と一緒に、左右田の作ってくれた通信機の前にいるところだ。




    日向「結局、夜になっても七海は見つからなかったな……。七海のやつ大丈夫かな?」


    花村「彼女が心配なのかい?」


    日向「ああ、俺たちをこの島に閉じ込めたことや、みんなに何かをしたことについてはいろいろと思うところはある。けれど、あいつが悪い奴には思えないんだ。それに、あいつが今、一人ぼっちなのかもしれないって考えたら、心配でさ」


    花村「そうだね。ちゃんとご飯食べてるといいんだけれど……」


    日向「確かに、七海も昼食を食べてなかったはずだからな……」


    花村「けれど、七海さんは、どうして狛枝くんを操ろうとしたのかな?そのへんの理由は狛枝くん言ってなかったよね?」


    日向「そういえば、そうだったな……。俺も七海が意味もなく、何かするとは思えないが、どうしてそんな行動を取ったんだろうな?結果的に、七海はこの島で行動しづらくなってしまったわけだし……」


    花村「七海さんは特に謎が多いよね。未来機関かつ、モノクマの協力者であったということがわかったけれど、彼女の目的はわからないままだよね」





    西園寺「んなの、今考えたってしょうがないじゃん。全部、七海やモノクマやモノミに聞くしかないでしょ」


    日向「あれ、西園寺?病院にいたんじゃないのか?」


    西園寺「夜食を運ぶついでに寄っただけだよ」


    日向「そうだったのか……。小泉の様子はどうだ?」



    西園寺「小泉おねぇは、まだ眠ってるままだよ……。罪木は大丈夫だって言ってるけれど、小泉おねぇが今どんな状態なのか、結局はわからないみたい……」


    花村「そっか……」



    西園寺「小泉おねぇに、もし何かあったら……、わたしは七海のやつを許さない」


    日向「西園寺……」



    西園寺「けれど、まずはあいつが何のためにこんなことをしたかを聞かないと、何も判断できない……。だから、今はただ小泉おねぇが目覚めるのを待つだけだよ」


    花村「そうだね、ぼくらはわからないことだらけだ。いろいろと確かめなきゃね」


    西園寺「そういうこと。じゃ、わたしは病院に戻るから……」



    西園寺「あっ、それと……、日向おにぃ」


    日向「ん?」



    西園寺「パーティのときと、今日の和菓子……、日向おにぃが用意してくれたんでしょ?」


    西園寺「その……、ありがと……」


    日向「西園寺……」


    西園寺「わ、わたし、もう行くから!!お、おやすみ!!!」ダダッ!!







    花村「照れちゃって、可愛いなぁ~」


    日向「なんだ、バレてたのか……」


    花村「けれど、西園寺さんが冷静で安心したよ。彼女が一番、七海さんを恨んでいるかもしれないと思っていたからね……」


    日向「そうだな……」
  287. 361 : : 2016/01/14(木) 16:37:45


    花村「それに、よかった……。日向くんの気持ちはちゃんと伝わっていたんだね」


    日向「些細なことだけどな……」





    花村「けれど、重要なことさ。言葉じゃなくても、真剣な気持ちはちゃんと伝わるものさ」


    花村「もしかしたら、料理は言葉以外での、気持ちの伝え方の1つなのかもしれないね」



    日向「そうなのかもな……」


    花村「料理といえば、この島から出たら……、みんなをうちの実家のお店に招待したいな!そんなに広いお店じゃないけどね」


    日向「けれど、料理は最高だ。みんな絶対満足してくれると思うぞ?」


    花村「うん、必ず満足させてみせるよ!!ぼくたちのテクニックでね!!」


    日向「ああ、楽しみにしてるよ!」



    花村「そんで、お母ちゃんに、日向くんはぼくの嫁だって紹介するんだ!!」ビシッ!!


    日向「そ、それはやめてくれよ!?」


    花村「まぁ、それはともかくお母ちゃんも日向くんに会いたいって言ってたからさ。絶対に君をまたうちの店に連れていくよ!」


    日向「そうだな。花村のお母さんにまた会いたいな。あの人は俺の料理の師匠でもあるわけだしな」


    花村「なんなら、名字を花村にしてみるのもいいんじゃないかな?」


    日向「そういうのはやめろっての……」


    日向「けれど、おまえのお母さんも心配してるよな……」


    花村「そうだね……。正直に言えば、今も不安なんだ……。モノクマの言うにはぼくらは希望ヶ峰学園に入学してからの記憶を失っている。この島の外はどうなっているのか、ぼくらには今知る術はないんだ……」


    日向「ごめん。不安に決まってるよな……」


    花村「いや、いいんだ。不安なのは、ぼくだけじゃない。みんな、何かしらの不安と戦っていると思うんだ……」


    花村「だから、ぼくのやることは、おいしいご飯をつくって、みんなの健康を保つこと!!」


    花村「それに、君をこの島に置いていくのは、納得できないからね!」


    日向「花村……」


    花村「あっ、そうだ!!この島から出たら、君のご家族にもごあいさつしたいな!!日向くんと結婚しましたってね!!」


    日向「おいおい、まだ、そんなこと言ってるのかよ……」


    花村「うふふ、ぼくだって諦めないよ!!」


    日向「おいおい、だいたい俺の家族って言えば……」








    日向「言えば……」


    花村「ど、どうしたの……?」






  288. 362 : : 2016/01/14(木) 16:41:19





    ―――――おにいちゃん―――――





    ―――――大丈夫、ワタシがおにいちゃんのことを守ってあげるカラ―――――






    ―――――ダカラ、安心してよ。ネェ……?―――――






    ―――――ダカラ、オネガイ。そんなメでワタシをミナイデ―――――




  289. 363 : : 2016/01/14(木) 16:44:52


    日向「え……!?」


    花村「ほ、本当にどうしたの?」




    日向「い、いや……、なんでもないよ。と、とにかくおまえとそういう関係になるのは遠慮させてくれ!」


    花村「ええ!?もう、いけずぅ!!」





    九頭龍「おう、交替の時間だぞ?」


    花村「あっ、九頭龍くん」


    九頭龍「ん?なんか日向顔色悪いぞ?大丈夫か?」


    日向「いや、なんでもないよ。大丈夫だ」


    九頭龍「そうか?まぁ、どのみち日向はもう休んでいいぞ?」


    日向「うん、ありがとう。そうさせてもらうよ」


    花村「ここは九頭龍くんとぼくで見ておくよ」


    日向「ああ、先にやすませてもらうよ。おまえたちも無理はするなよ?」


    九頭龍「おう、しっかり休めよ?今日もいろいろあったしな……」


    日向「ああ、お休み」




    花村「日向くん、どうしたんだろう。家族のこと、聞いちゃいけなかったのかな?」


    九頭龍「あいつの家族か……」


    花村「なにか知ってるの?」


    九頭龍「いや、オレもよくしらねぇな。けどよ、おかしいよな……?あいつ、オレの組に何日もいたんだ。家族がいるなら、心配しないはずがねぇ」


    花村「そのへんのこと、そのときは聞かなかったの?」


    九頭龍「聞いたはずだよな。普通、そういうのは最初に聞くよな?けれど、なんにも覚えちゃいねぇな……」



    花村「ぼくんちにも、住み込みでアルバイトしてたけれど……、そういえば、ぼく彼の家族のこと聞いたことないな」


    九頭龍「……今は本人も記憶の大半を失ってるわけだが、こうやって考えると、オレらって日向のことほとんど知らないんだよな」



    花村「そうだね。狛枝くんなら、知っているのかもしれないけれどね……」



    九頭龍「狛枝か……」

  290. 364 : : 2016/01/15(金) 00:31:31
    日向に妹が!?
  291. 365 : : 2016/01/27(水) 00:48:14
    面白いな~。ゲーム化せんかなかこれ
  292. 366 : : 2016/02/06(土) 00:08:08
    久々の神SSキタ~
    期待DAZE!
  293. 367 : : 2016/02/19(金) 12:53:49
    >>364

    実は、ものすごい遠まわしに伏線を張っています。
    遠まわしすぎて、今のところ伏線としては作用しないですね。


    >>365
    プレイヤーがストーリーの矛盾をロンパするゲームですね!!
    わかります!!


    >>366
    久々の更新で申しわけないんDAZE!
  294. 368 : : 2016/02/19(金) 12:56:44









    ???『うぷぷぷ……』








    九頭龍「なっ!!?」ビクッ!!



    雑音とともに、オレらの目の前のモニターにはアイツが映っていた。






    モノクマ『お久しぶりです。花村クン、九頭龍クン!!』



    九頭龍「おまえ、今までどこにいやがった!?」



    花村「……っていうか、なんで通信機に君が映るのさ!?」



    モノクマ『まぁまぁ、細かいことはいいじゃん。まぁ、今ボクが病院にいるからなんだけどさ』


    九頭龍「病院側の通信機を使ってるのか……!!」


    モノクマ『それはそうと、今回はいろいろ振り回してごめんね?』



    モノクマ『計画では九頭龍クンに西園寺さんと話してもらうはずだったんけれどねぇ……』




    モノクマ『まぁ、七海さんも悪意があったわけじゃないんだ。ボクがいなくなって焦っちゃったと思う……』






    花村「やっぱり、七海さんとモノクマは協力関係にあるってことか……」




    モノクマ『一時はどうなることかと思ったけれど、本当によかった。西園寺さんも自分の心と向き合うことができた』




    モノクマ『九頭龍クンも、日向クンとの秘密を守り続ける必要もなくなったんだ』




    モノクマ『九頭龍クンと辺古山さんは、日向創の異常な力についてよぉく知っているからね。2人がボクに味方してくれてよかったよ』






    九頭龍「あいつのことを異常なんて言うなよ……!!」



    モノクマ『いいや、彼は異常だよ。みんな、日向クンに気をつかってるだけなのかもしれないけれど、よく彼のことを怖れないよね。まぁ、実際にその異常な部分をその目で見たことがある人はほとんどいないし、よく理解できていないだけかもしれないね』



    モノクマ『九頭龍クンだって、彼の異常な力をみんなに受け入れられてもらえるかわからなかったからこそ、自分と日向クンの関係を、彼の秘密を守ろうとしたんでしょ?』




    花村「え、そうだったの?」



    九頭龍「……さぁな」




    モノクマ『彼は西園寺さんが日向クンを怖れてしまうことを避けたかったんだ。日向クンの異常な力について、伝え方を間違えてしまったら、西園寺さんは日向クンのことを受け入れることはなくなるだろうね』



    モノクマ『彼女は日向クンを怖れ、異常な力を怖れ、さらに心を奥底に閉じ込めてしまうんだろうね……』




    花村「そ、そんな……」



    モノクマ『でも、そうはならなかったんだ。終里さんが西園寺の心の味方になってくれたことと、九頭龍クンが頑張ったからだよ。いやぁ、本当によかったよかった!』



    花村「モノクマ……。きみは本当にぼくたちをどうしたんだい?きみのやっていることは、実はいいことなのかもしれない。けれど、こんなやり方を認めるわけにはいかないよ……」



    モノクマ『悪いけど、手段を選んでいられないんだよね。一刻も早くキミたちが希望であることを認めさせなくちゃ』



    花村「ど、どういうこと!?」




    モノクマ『特別ルールの3番目のこと、九頭龍クンから聞いたでしょ?つまり、そういうことだよ』









    モノクマ『特別ルール3は【希望であると認められること】だよ……』






    花村「それじゃあ、今まで卒業していったみんなは……!!」



    モノクマ『そう、彼らは希望であると認められたから卒業できたんだ』


    九頭龍「認められるって、誰にだよ!?テメェーがオレらのことを判断してるってのか?」



    モノクマ『違うよ、ボクなわけないじゃん……。ボクみたいな存在が、そんな怖れ多いことできないって……!!』




    花村「じゃあ、いったい誰が……!!」






    モノクマ『それはともかくとして、九頭龍クンに卒業証書を渡します!!』




    九頭龍「は!?」
  295. 369 : : 2016/02/19(金) 12:59:05







    モノクマ『画面越しで申し訳ないね。卒業証書はあとでちゃんと渡しますので!!』




    九頭龍「どういうことだ!?」






    モノクマ『キミは十神クンや弐大クンなんかのフォローにも回ってくれたし、本当にお疲れさまでした。よく頑張ったキミには、もう休んでもらったほうがいいと思ったんだ』




    九頭龍「ちょっと待てよ!!まだ、日向のことが解決してねぇーんだよ!あいつのことをなんとかしてやるまで、オレはこの島から出るわけにはいかねぇんだよ!!」




    モノクマ『あんなやつにこれ以上、キミたちが時間を割く必要はないよ。それにキミはもう十分に活躍したんだ』





    九頭龍「ま、待てよ……!!」







    モノクマ『卒業証書!!九頭龍冬彦クン!!あなたはこのジャバウォック島からの卒業を認められました!!』





    モノクマ『向こうで辺古山さんたちにも、よろしくね!!』






    ガチャッ……!!




    ツー…ツー…ツー…






    花村「通信が切られた……!!」


    九頭龍「ざけんな!!!オレは……まだ……!!」





    花村「九頭龍くんの身体が透けてる!?」


    九頭龍「花村、すまねぇ……。どうやらオレは、本当にここまでみたいだな……」




    花村「九頭龍くん……!?」




    九頭龍クンは、その場にどしっとあぐらをかいて座った。
    無駄な抵抗は無意味だと悟ったからこその行動なんだろう。





    九頭龍「花村、頼みがある……」




    花村「なにかな?」



    九頭龍「オレも含めてこの島にいる奴らはどいつもこいつも、一人で抱え込んじまう奴らばっかりだ……。だからこそ、あいつらを一人にしちゃいけねぇ」



    花村「う、うん……!!」



    九頭龍「花村、おまえもだ。おまえも……、一人で抱え込むなよ」



    花村「な、なんのこと……?」


    九頭龍「おまえはいろいろと、他のやつに気をつかいすぎなんだよ。なんつーか、そうあろうとし過ぎている気がすんだよ」



    花村「そ、そんなことないよ……」


    九頭龍「なら、いいが……、あんま頑張りすぎんなよ。ちょっと心配なんだ」


    花村「うん、ありがとう……」




    九頭龍くんの身体はもう、ほとんど消えかけていた。




    九頭龍「わりぃな……。最後までいてやれなくって……。他のやつらにもよろしく頼む」


    花村「うん、わかった……」


    九頭龍「ああ、一足先に失礼する!!またな!!」












    そう言い残すと、九頭龍くんは完全に消えてしまった……。
    その場には、通信の切れたモニターとぼくだけが残された。





    花村「ぼくが無理をしているか……」





    無理をしているかはともかく、彼はなかなか鋭いとぼくは思った。







  296. 370 : : 2016/02/19(金) 13:06:08

    ―病院―



    狛枝「……」





    ボクは未だに目を覚まさない小泉さんのベッドの前にいた。
    背もたれのない丸椅子に座って、彼女の寝顔を眺めていた。




    部屋には今、ボクと小泉さんしかいない。





    狛枝「最初のころ、二人でこの島を探索した時……、キミはボクに聞いたよね?ボクと日向クンの関係を……」




    狛枝「聞きたいのは当然だよね。ボクは、キミたちのそばから突然いなくなったんだからさ。こうして再会してしまった今、ボクが彼をどう思っているのかを知りたいのは当然だ……」





    狛枝「そして、ボクはキミに嫌いだと答えた……」





    狛枝「ボクは、キミたちに何も告げずにキミたちの元から去ったから、キミと日向クンの間に何があったのかはしらない。けれど、なんとなくは何があったのかわかるよ……。ボクたちの関係は……、いや、日向クンはもう限界だったんだと思う……」




    狛枝「そして、ボクも限界だったんだ。だから、ボクはキミたちから逃げたんだ……。あのときは、ああするしか方法が思いつかなかったんだよ……」



    狛枝「けれど、ボクは今どうすればいいのかわからないんだ。この島で再会した彼と過ごしているうちに、今までとは考え方が変わってきてしまったんだ」





    狛枝「だって、今の彼は、まるで……、まるで…………」






    ボクはそこでぐっと、言葉を飲み込んだ。






    狛枝「……いや、やっぱりこの先は言葉にしないよ。独りごとでも決して言わない。言ってしまったら……、言葉にしてしまったら、ボクの心は揺らいでしまう気がするんだ……」



    狛枝「小泉さん、本当にごめんね。キミがちゃんと目覚めたら、もう一度きちんと謝るよ……」



    狛枝「けれど、ボクらは、どうすればよかったんだろうね……。日向クンに対して、どう向き合えばよかったのかな?」





    狛枝「そして、今……、ボクらは彼と、どう向き合えばいいんだろうね?」





    彼女はもちろん答えない。



    これは独りごとにすぎないんだ。



    聞かれていないからこそ、ボクは話している。






    ボクのこの気持ちは、言葉に出してはいけない。


    ボクのこの気持ちは、なくさなければならない。


    ボクのこの決意は揺らいではいけない。





    決めたんだ……。







    たとえ、どんな手をつかってでも必ず……!!





    そう、決めたんだ……!!









  297. 371 : : 2016/02/19(金) 13:08:07

    ―病院、出入口前―


    終里「なんか、全然寝られる気がしないな……」



    西園寺「あれ、終里おねぇ。なんで、外にいるの?」


    終里「ああ、いや……、モーテルにいるやつらと寝る前に連絡するには、まだ少し時間があるだろ?なんか、そのまえに風に当たりたい気分だったんだよ」


    西園寺「ふ~ん、そっか……」


    終里「まぁ、でも、そろそろ戻るかな。夜食食って、とっとと寝よーぜ?」




    西園寺「あのさ……、終里おねぇ?」


    終里「ん、なんだ?」


    西園寺「お昼に、公園でわたしに言ってたことなんだけれど……、終里おねぇって普段もあんなこと考えていたの?」


    終里「あんなことって、どんなことだ?」


    西園寺「わたしが嫌われる前に、人を嫌っていたとかさ……。そんなことをしていれば、ひとりぼっちになるとかさ……」


    終里「ああ、あれか……。普段からあんなこと考えてるわけじゃねーよ。それに、あれはオレだけの言葉じゃねぇよ」


    西園寺「え?じゃあ、誰の言葉なの?」




    終里「弐大だよ……。あいつは、おまえがひとりぼっちにならないかどうか心配していたみたいなんだ」




    西園寺「え、弐大おにぃが……!?」


    終里「実際にあいつから何かを聞いたわけじゃない。あいつの部屋に1つのノートがあったんだ」


    終里「ノートにはいろんなことが書いてあった。あいつは日向やオレだけじゃない。この島のみんなのことを、しっかり見ていたんだ。あいつは、みんなの心や体を支えようといろいろと考えていたんだ。」


    西園寺「そうだったんだ……」


    終里「日向にも似たようなこと言ったけどよ……。オレらが気づいていないだけで、あいつはオレらのこと、ちゃんと考えていてくれていたんだ」


    終里「あいつがこの島からいなくなっても、その想いは消えないんだ」



    西園寺「……そっか」


    終里「けれど、オレがそのことに気がつけたのは、この島でおまえらと出会ったからだ……」




    終里「だから、みんなに出会えて本当によかった」



    西園寺「終里おねぇ……」





    終里「さて、病院の中に戻ろうぜ?」



    西園寺「うん、そうだね……」



  298. 372 : : 2016/02/19(金) 13:11:16



    ―病院・ロビー―







    モノクマ「さて……、次は……」







    終里「モノクマ……!?」ビクッ!!


    モノクマ「やべっ、見つかった!!?」




    西園寺「あんた今までどこにいたのよ!!」



    モノクマ「いやぁ、ボクにもいろいろと事情があるわけよ……。オマエラのためにフルタイムで働くのって結構辛いんだぜ?」


    モノクマ「ああ、ホントにシフト制とか、交代制にしてくんないかなぁ~。なんちゃって!!」





    西園寺「ふざけないでよ……!!あんた、七海を使って、小泉おねぇになにしたのよ!?」




    モノクマ「……キミと同じだよ。小泉さんは、自分と日向クンの間に何があったのかを再確認させられたのさ。あの映画は見る人によって内容が異なるんだよ」



    モノクマ「ちなみに渡したゲームも同じ仕様だよ。日向クンと自分たちの関係を再確認するためのね……」



    西園寺「そんなことして、なんになるってのよ!!とにかく、わたしは小泉おねぇのこと傷つけたこと許さない!!」


    モノクマ「ボクじゃなくってさ、日向クンにいってよ」



    西園寺「は?」




    モノクマ「いやさ、今回のことでよくわかったでしょ?日向創がどれだけ異質で異常で、歪んでるのかをさ」



    モノクマ「だんだんとあいつの本性がわかってきたでしょ?」



    西園寺「おにぃの本性……!?」





    モノクマ「日向創がキミたちと出会ったせいで、キミたちは苦しんでいるんだ。全部あいつのせいなんだよ」



    西園寺「そんなこと……」



    終里「んなことねぇ!!オレが弱かったのはオレのせいだ!!あいつのせいじゃねぇ!!」



    モノクマ「なにをいうのかなぁ?現に苦しんでたじゃん……」



    モノクマ「終里さんは、自己を顧みずに強さだけを追い求めていた。人に頼ることを頑なに否定して、無意識のうちにどんどんと自分を追い詰めていた」




    モノクマ「この島に来てからの西園寺さんは、小泉さんがいなきゃ、ひとりぼっちだった。日向くんに約束を破られたキミは、より一層人を信じなくなった。人を信じることが怖くなった。裏切られることが怖くなったんだ」




    西園寺「……そうだね。けれど、それはおにぃがきっかけだったってだけ。結局はわたしの心の問題ってことでしょ?全部、おにぃのせいにはできないよ……」




    終里「オレもだ。それはオレが意地はってただけだ……。あいつのせいじゃねぇ!!」




    モノクマ「きっかけってだけであいつの罪は十分さ……。ひとつのきっかけが、とりかえしのつかない大きな事態を巻き起こすことだってあるんだ……!!」



    西園寺「そうだとしても……、わたしはもうおにぃを許すことに決めたの!!」


    西園寺「もう、何かのせいにして、考えるのをやめて、泣いているだけなのはやめたの!!」


    西園寺「わたしがおにぃをどう思うかは、わたしがおにぃを見て決める!!だから、あんたがごちゃごちゃ言うな!!」



    終里「そういうことだな。それとも、テメェーは日向をどうあっても悪者にしたいのかよ……?」







    モノクマ「……」


    西園寺「……なによ、なんとか言いなさいよ!!」






    モノクマ「そうか、キミたちは進むことができたんだね」


    モノクマ「本当によかった……」




    西園寺「な、なによ、いきなり……!!?あんたなんなのよ!?」




    モノクマ「ボクはモノクマ……。そう、ボクはモノクマだよ。ボクは、モノクマなんだよ!!」




    西園寺「そんなこと聞いてるんじゃないっての!!本当に何がしたいのよ、あんたは!!」



  299. 373 : : 2016/02/19(金) 13:16:44



    モノクマ「さぁ、ボクは何がしたいんだろうね。うぷぷぷぷぷぷぷ、自分でもよくわかんなくなってきたなぁ……」



    終里「なんなんだ、おちょくってんのか……!!?」




    モノクマ「いえいえ、そんなつもりはございませんよ。それよりも、とっととすませようかな?」





    終里「なにをする気だ……!?」










    モノクマ「卒業証書、終里赤音さん!!あなたはこのジャバウォック島からの卒業を認められました!!」



    終里「なんだとッ!!?」






    モノクマ「キミに関しては、卒業までもう少し時間がかかると思っていたんだけれどね。いやぁ、よかったよかった!!」


    終里「ちょっと待て、オレが卒業ってどういうことだよ!?」


    モノクマ「この島から出られるってことさ。おめでとう!!キミは認められたんだ!!!」


    西園寺「認められたって誰に……!!?」


    西園寺「いや、それもそうだけど……、終里おねぇは、おにぃの才能わかったの!?もしかして、やっぱり、あの力がおにぃの才能だったっていうこと?」



    終里「おいおい、オレは何もしらねぇぞ!?」




    モノクマ「違うよ、【特別ルール3】だよ。終里さんは、希望であると認められたんだ!!」


    西園寺「九頭龍のいっていた、【特別ルール3】って……、じゃあ今までのみんなももしかして……!!?」


    モノクマ「そうだよ。十神クンも、ソニアさんも、弐大クンも、辺古山さんも、九頭龍クンも、終里さんも……、みんな希望って認められたんだ!!」


    モノクマ「まぁ、多少……、例外はあるけれどね……」


    西園寺「九頭龍もって、まさかあいつも!!?」


    モノクマ「うん、すでに彼はこの島から卒業したよ」



    西園寺「希望に認められたってなんなのよ!?誰がどう認めたってのさ……!?」



    モノクマ「もちろん偉い方の判断だよ。みんなを希望か絶望か判断することのできる、とっても偉い人たちだよ!!」



    モノクマ「そう、実はボクって中間管理職的なポジなんだよね」


    モノクマ「上には圧力をかけられ、下のフォローもしなくてはならない。本当にブラックすぎて、やめたくなりますよぉ……」




    モノクマ「まぁ、やめないんですけどね!!!」



    西園寺「あんたよりも偉い奴の決定って、いったい誰が……!!?」







    終里「なんだ……、意識がと、遠のいていく……!?」



    西園寺「終里おねぇ!?」





    気づけば、終里おねぇの身体が点滅していた。





    西園寺「終里おねぇの身体が……!!?」


    終里「ちっ、本当にここまでみたいだな……」


    西園寺「そんな、本当にいなくなっちゃうの……?」


  300. 374 : : 2016/02/19(金) 13:18:52




    終里「……わりぃな。けれど、ここから出たら、絶対にみんなを助けに行く!!十神や、ソニアや、弐大や、それに辺古山や九頭龍と一緒にだ!!」




    西園寺「でも……」




    終里「二度と会えなくなるわけじゃないんだろ、モノクマ……?」





    モノクマ「はい、西園寺さんがここから出ることができれば、また会えますよ」




    終里「なら、約束しようぜ。もう一度、必ず会うんだ」



    西園寺「約束か……」



    終里「ああ、絶対におまえにまた会うと誓うよ」



    西園寺「うん、わかった……。破ったらデコピンだからね!!!」



    終里「ああ、デコピンでもなんでもこいよ。まぁ、絶対に守るから心配ないけどな!!」



    終里「だから、そのときまで……、負けんなよ!!」



    西園寺「うん!!」





    モノクマ「……」







    終里おねぇはそう言い終えると完全に消えてしまった。




    終里おねぇが消えた後、モノクマはひとこともしゃべらずに、どこかへ行ってしまった。



    そして、もう何度目かの聞きなれた放送が流れた。








    モノクマ「えぇ、夜分に申し訳ございません。希望ヶ峰学園修学旅行委員からのお知らせです!!また、卒業者が二人出ました!!」





    モノクマ「卒業者は九頭龍冬彦クンと、終里赤音さんです!!オマエラもはりきってこの島からの卒業を目指してください!!」





  301. 375 : : 2016/02/19(金) 13:20:07






    【Chapter3】



    スパイラル ―絶望の絆―



    【END】






    修学旅行生:10人




    修学旅行卒業生:6人



  302. 376 : : 2016/02/19(金) 13:21:08


    10100001110110100100001101101000011000010111000001110100011001010111001000110011101000011101101100001101

    10100101101110011010010111010001101001011010010010100101111010011010010111101011101000011010000110100001101111011100000011100100110010111011111010100100110010001110010110101011101000011011110100001101

    1010000111011010101000111100010110100011110011101010001111000100101000011101101100001101

    10111101101001001011001111011000110011101011100110111001110101001100000010111000101000011010011110100011101100011010001110110000101111111100110100001101

    101111011010010010110011110110001100111010111001101110011101010011000010101101001011011011001000110000001011100010100001101001111010001110110110101111111100110100001101
  303. 377 : : 2016/02/19(金) 13:21:55










    七海「……」









  304. 378 : : 2016/02/19(金) 13:23:34











    【Fragment】



    【START】








  305. 379 : : 2016/02/19(金) 19:57:31
    その数字列はトラウマになる
    期待です!
  306. 380 : : 2016/02/21(日) 01:02:52
    >>379
    1011010011111100110000101101010010100100101000101010010011101010101001001010110010100100110010001010010010100110101001001011010010100100101101101010010010100100101001001101111010100100101110011010000110101010

    (期待ありがとうございます!)
  307. 381 : : 2016/02/21(日) 01:08:48

    ―モノミハウス―


    モノミ「……ここは?」


    七海「モノミちゃん、目が覚めた?」


    モノミ「あちし、いったい……?」


    七海「きっと疲れがたまっていたんだよ、倒れているところをわたしが発見したの」


    モノミ「ここって、あちしの家でちゅか!?……けれど、まだ4の島にはいけないはずじゃあ」


    七海「モノミちゃんが寝ている間に卒業者が出たの。最初は私のコテージで休ませていたのだけれど、ここに移動したほうがいいと思って……」



    モノミ「そ、卒業者っていったい誰が!?」


    七海「終里さんと九頭龍くんだよ。これで、私たちは10人になった」


    モノミ「そうだったんでちゅか……」


    七海「モノミちゃん?」


    モノミ「あちしは役立たずでちゅね……。あちしがいなくても、こうやって進んでいるんでちゅから……」





    七海「あっ、でも、ちなみにモノクマもいなかったよ」


    モノミ「え!?そうなんでちゅか!!?」



    七海「ついさっき、やっと姿を現して卒業者を卒業させたけれどね……。けれど、モノミちゃんが寝ている間、モノクマは何が起きても出て来なかった……」


    七海「いいや、たぶん……、そんな余裕もなかったんだろうね」


    モノミ「いったい何があったんでちょうか?」


    七海「案外、モノミちゃんと同じで疲れがたまっていたとか、そんなんじゃないかなぁ?」


    モノミ「そうなんでちょうか……?」


    七海「うんうん。ところで、モノミちゃんは体調は大丈夫?」


    モノミ「ええ、おかげさまで回復したと思いまちゅ。それで、その他の生徒の状況はどうなんでちゅか?」


    七海「うん、他のみんなは……」





    私は、モノミちゃんに他の生徒の様子をざっくりと伝えた。





    モノミ「そうでちゅか。西園寺さんが日向クンと和解できて本当によかったでちゅ。でも、小泉さんは……」


    七海「ごめんなさい……」


    モノミ「ど、どうして千秋ちゃんが謝るんでちゅか!?だって、やったのはモノクマ……」









    七海「私がやった」




    モノミ「え」




    七海「モノクマは昨日は現れなかったって、さっきいったでしょ?モノクマじゃなくて私がやったの」



    七海「もっと言えば、終里さんが暴走したのも私の仕業」


    七海「そのあと、用意したシナリオのために日向くんと終里さんを決闘させて、日向くんを操作して終里さんの攻撃を全て回避させていたのも私」






    モノミ「な、な……」


    モノミ「なんででちゅか!!?なんで、モノクマの手助けをするような真似を……!!?」




    七海「それは、私の目的のためにだよ……」



    モノミ「そんな、なぜ……!!?モノクマは、おそらく日向クンのことを完全に嫌っていまちゅ!!」



    モノミ「それに、日向クンを救いたいのは、未来機関も千秋ちゃんも同じはずでちゅよね……!?」



    モノミ「だからこそ、千秋ちゃんは未来機関に入ったんじゃ……」




    七海「……私の目的はモノクマと同じじゃない。けれど、未来機関とも同じじゃない」



    モノミ「狛枝クンでちゅか……?」



    七海「……」

  308. 382 : : 2016/02/21(日) 01:10:40


    モノミ「それとも……」



    七海「日向くんを助けたいのは私も一緒だよ」


    七海「けれど、やり方に関しては私はモノクマに賛成しているの。未来機関の【希望のカケラ】を集めることによって、全員の絆を深めるというやり方は、それぞれの問題の解決にはつながらない」


    七海「根っこが腐ったままであれば、いずれまた同じ結果を生むことになる」







    七海「仮に、未来機関の計画が成功して、みんなが深く絆で結ばれたとしても……、それは個々の抱える問題から目をそむけ、記憶を奪ったからにすぎない」






    七海「思い出せば、またデジャブのように繰り返す……」


  309. 383 : : 2016/02/21(日) 01:11:29






    七海「十神くんは、自分の才能を恨む」






    七海「ソニアさんは、自分の立場を呪う」






    七海「罪木さんは、自分の愛に酔い続ける」






    七海「弐大くんは、自分の行動を責め続ける」





    七海「辺古山さんは、自分の感情を押し殺す」





    七海「終里さんは、自分の心を否定し続ける」





    七海「九頭龍くんは、自分の選択を後悔する」





    七海「西園寺さんは、自分の友達すら遠ざけて孤独になる」







    モノミ「そ、それは……」




  310. 384 : : 2016/02/21(日) 01:12:17






    七海「狛枝くんは、自分の心に嘘をつき続ける」




    七海「小泉さんは、自分の過去に縛られ続ける」





    七海「左右田くんは、自分の心を完全に閉ざす」





    七海「澪田さんは、自分の存在を犠牲にする」





    七海「田中くんは、自分の言葉に支配される」





    七海「花村くんは、自分の感情に押しつぶされる」







    モノミ「やめて……」




  311. 385 : : 2016/02/21(日) 01:14:17










    七海「私は、自分の願いを永遠に叶えられなくなる」











    七海「そして、日向くんは、日向くんは自分の……、自分の……!!」









    モノミ「もうやめて……!!お願いだから……!!」







    モノミ「その先だけは……、その言葉の先だけは絶対に言わないで!!」







    モノミ「【それ】をなんとかするために、あちしたちがいるんじゃないでちゅか!!!!」








  312. 386 : : 2016/02/21(日) 01:15:44






    七海「……私たちの用意した計画なんて、その場しのぎにすぎないんだよ」





    七海「人の心の問題に明確な解決策は用意できない。けれど、私たちは妥協したにすぎない」






    モノミ「けれど、個人の力ではどうしようもないくらいに事態は発展していたんでちゅ……!!」



    モノミ「ミナサンは取り返しのつかないところまで行き詰っていた……!!だからこそ、記憶を奪ってまで、こうして、この島という舞台を用意したんでちゅ!!」




    モノミ「未来機関の判断は、決して妥協じゃありまちぇん!!すぐには解決につなげられくても、あちしたちはまず、目の前で起こっていることを、苦しんでいるミナサンを止めなくちゃいけなかったんでちゅ!!」




    モノミ「そうしなきゃ、全部【アイツら】の思うつぼだったじゃないでちゅか!!あのままじゃ、誰も救われなかったじゃないでちゅか!!」








    モノミ「だから……、だから……!!」





  313. 387 : : 2016/02/21(日) 01:18:03





    七海「ごめん……。みんなを救いたい気持ちは一緒だったよね……。私が無神経だった……」





    七海「自分の気持ちばかり押しつけて、モノミちゃんや未来機関のみんなのこと、考えてなかったね……」



    七海「みんなだって、辛いのに……」










    モノミ「……いいえ、だからこそ、七海さんだって辛いんでちゅ。あちしの前では、いい子でいる必要なんてないんでちゅよ?」



    モノミ「自分勝手な行動や、わがままな意見は相手のことを思うなら慎まなくちゃいけまちぇん……」




    モノミ「けれど、それを誰にもできなくなったら、言えなくなったら……、息苦しくて、どうにもならなくなってしまいまちゅ」




    モノミ「あちしだって、千秋ちゃんに我がままばかり言ってまちた。だから、あちしには遠慮せずに言っていいんでちゅよ……!!」





    七海「けれど、言っちゃいけない言葉もあったよね……。止めてくれてありがとう……」



    モノミ「いいえ、あちしなんて、そんなことぐらいしかできまちぇんから……」




    七海「それは違うよ?さっきも自分が役立たずなんて言っていたけれど、それは違う……」



    七海「あなたが日向くんやみんなのことを思うこと、思い続けること、信じ続けること。それはきっと、かならず日向くんやみんなの力になるはず……」



    七海「モノミちゃんが諦めないってことが、みんなを救う道につながっていると思うんだ」



    七海「そのことが私にとっても、すごく心強いの」


    七海「私はすぐに自分の感情に流されてしまいそうになるから……。だから、モノミちゃんのブレないところは本当に助かっているの」



    モノミ「千秋ちゃん……」






    七海「思えば、奇妙な縁だよね。モノミちゃんとこんな話ができる日がくるなんて夢にも思わなかった……」


    モノミ「そうでちゅね。あちしも自分の気持ちを、こんなふうにミナサンに伝えられる日がくるとは思っていまちぇんでちた……」



    七海「うん、本当に不思議な気分……」


  314. 388 : : 2016/02/21(日) 01:23:36




    モノミ「本当に、未来機関のミナサンのおかげでちた……!!」


    七海「なんで過去形なの?」




    モノミ「あちしには、もう、そんなに時間が残されていまちぇんから……」




    七海「……そんなふうに言わないでよ」



    モノミ「まぁ、こればっかりはどうにもならないと思いまちゅ。だって、今のこの状況自体が奇跡でちゅからね……」





    七海「……モノミちゃんと、私の願いが同時に叶うことは難しいかもしれない……」



    七海「……けれど、叶えたいね。私たちの願い」



    モノミ「いいえ、絶対に叶えてみせまちゅ!!」



    七海「うん、そうだね……」






    モノミ「……ええと、千秋ちゃんはこれからどうするんでちゅか?その、モノクマと千秋ちゃんの関係は未来機関のミナサンには、まだバレてないと思いまちゅけれど……」



    モノミ「千秋ちゃんの行動を全肯定できるわけではありまちぇんが、とりあえず、あちしからは言わないでおきまちゅ……」




    七海「いや、もうとっくにバレてると思うよ?この島のみんなにも、もうバレてるしね」



    モノミ「えぇ、どうして……!!?」



    七海「この島のみんなには自分からバラしたような感じかな……?まぁ、狛枝くんにバレて、狛枝くんがみんなにバラしたんだけどね」



    七海「本当に狛枝くんって怖ろしいよね。たった一言だけでも、瞬時に真実を見抜くんだもん」




    モノミ「じゃあ、未来機関のミナサンにはどうして……?」




    七海「狛枝くんよりも前に気づいた人がいるってことだと思うよ……?ある意味では狛枝くんよりも怖ろしい人……」



    モノミ「それって、もしかして……!!?」



    七海「いいえ。今、モノミちゃんが思い浮かべた人じゃないと思う。そもそも、私たちと違って、あの人には伝えられる手段がないはずだしね」



    七海「まぁ、状況から考えると候補はかなり絞られるんだよね」



    七海「……とか言っておいて、全然違うって可能性もあるんだろうけれど……」



    七海「けれど、まさか、こんな形で牙をむかれるとは思わなかったなぁ……」





    モノミ「ちょ、勝手に納得しないで、あちしにもわかるように説明してくだちゃい!!」ガビーン!!


    七海「えっとね。それを含めて、私からお願いしたいことがあるの」



    モノミ「え、なんでちゅか……?」



    七海「それはね……」




    私はモノミちゃんに、とあることを伝えた。



    今のうちに頼めることは、頼んでおかないといけない。



    意味合いは全然違うが、私に残された時間も少ないのだから……。
  315. 389 : : 2016/02/21(日) 01:25:18
    1010010111100001101001011110001010100101111010101100111011001110101100001110100010100100110011101100100111010100110000101010110110100100110011101010010010111111101001001110000110100001101000101010010111010001101001011101010110100101101010011010000110111100101001011101111010100101111100111010010110111001101001001100111011000100111000111011001010111100101001001111001010110011110011101100011110100111101000011010001100001101
    1010010011011110101001001011111110100001101000101100110010110101101100001101010110111100101100011011001010111101101001001100101110100100111010001010010011101011101001011100000010100101101001101010010111110011101001011110110110100001101111001010010111001001101001001100111011001000101011111100000010111000101001001111001010110011110011101100011110100111101000011010001100001101
    101001011011001110100101110111101010010111110011101001011100100110100100110011101011110011101000101001001110101010111110110000111010010010110111101001001111001010111111111001001011111010101001101000011010001100001101
    10100101111000011010010111100010101001011110101010100100110011101011000010110101110001111111011110100100110010111010010011101000101001001110101010100001101000101011011010101111110000001010100110111101101010101100111010111011101001001100111010110011110011101100111010101000101001001100111010111110111001011011111010111010101000011010001100001101
    11001001110101001100110111010111101001011101010110100101101000011010010110100100101001011110101110100100110011101011101011101111101111011111110010100001101000101010010011011110101001001011111110100100110011111010000110100010101001011100011110100101110101011010010111101001101001011011000010100100110011101100100110101100110011011101011110100100101000101010010011101010101000011010001100001101
  316. 390 : : 2016/02/21(日) 01:31:06


    ―モーテル―





    朝が来た。
    目覚めとともに、オレは昨日何が起きたかを思い出した。



    ここからは昨日の出来ごとのおさらいだ。











    昨日のモノクマの放送で、オレたちモーテル組は病院に向かうことにした。


    ただ、日向はかなりぐっすり寝ていたので、起こさないことにした。
    いろいろあって疲れているだろうし、今は寝かせておいてやりたかった。


    九頭龍と終里がこの島からいなくなって、モノクマやモノミを除けばオレたちは10人になった。



    そして、あのアナウンスを聞いて、病院のロビーには、疲れて寝ている日向、目を覚まさない小泉、居場所のわからない七海以外の7人が集まった。




    花村と田中と澪田、罪木と西園寺と狛枝、そしてオレだ。



    モーテル組は、花村は九頭龍の卒業に立ち会ったらしい。
    田中と澪田はオレと同じく、放送を聞いて部屋から飛び出してきた。
    そこで、廊下の通信機前にいた花村に出くわす。



    病院組では、西園寺が終里のそばにいたらしい。
    狛枝と罪木は、これまた放送を聞いて部屋から飛び出して来たらしい。
    二人は、ロビーの前で西園寺と合流した。



    そんなもんで、ちょうどそばにあった通信機を使って連絡を取った結果、オレたちは病院に集まることにした。





    罪木「えっと、その、あの……」





    集まったはいいが、オレたちは何から切りだしていいか、わからなくなっていた。




    みんなやっぱ疲れてんな。
    まぁ、もう夜だし、寝ようと思ってたところだし。


    通信機を用意したのは、こういう事態のときのためだが、これを活用する機会は正直来てほしくなかった。


    作ったのはちょっとした自己満足な部分もある。


    オレもなにかの役に立ちたかったからだ。



    それは今日、オレが田中にぶちまけた日向への感情からくるものだった。


    もっとも、あいつのおかげで、ずいぶん気持ちは楽になったのだが。



    オレがそんなことを考えていると、意外なやつが話し始めた。


  317. 391 : : 2016/02/21(日) 01:34:24




    花村「モノクマが言っていたんだけれど、【特別ルール3】の内容がわかったよ」





    意外と思ったのは、なんとなくこの場を仕切るのは、また狛枝だと思っていたからだ。



    オレと田中が少しツッコミをいれたが、狛枝はここにきて急に協力的になった。



    別に悪いことではないし、むしろこれはいい傾向なのかもしれないが、狛枝にいったい何があったのかが気になった。


    たぶん、田中も同じようなことを思っていたのだろう。



    狛枝はあの場において、まるでオレたちのリーダーみたいだった。



    七海という、情報と議題を提示し、全員の提案や疑問を上手くまとめ、今後の活動の方針を決定する。



    まるで、オレたちがまだ16人だったころの、十神みたいだった。




    狛枝は頼りになることがわかった。
    だが、頼りにしていいかはわからなかった。




    西園寺「【特別ルール3】か……。わたしも聞いたよ。終里おねぇも九頭龍おにぃも誰かに【希望として認められた】って言っていた」



    花村「そう、ぼくもそう聞いたよ」




    オレが余計なことを考えているうちに、話が進んでいた。
    あわてて、オレもそっちに集中することにする。



    罪木「誰かに希望として認められたって、誰にですか?」



    西園寺「わかんないけど、モノクマは自分よりも偉い存在だって言ってた。冗談みたいに、自分は中間管理職的な役割とか言ってたけれど、上司みたいな存在ってことなのかなぁ?」


    花村「その部分は、ぼくは聞いていなかったよ。モノクマも誰かの命令で動いているってことなのかなぁ?」



    田中「俺様たちに審判を下す、未知なる支配者か……」



    狛枝「逆に言えばさ……。ボクらはその人たちに認められてないってことだよね?」



    左右田「どういうことだよ?」


  318. 392 : : 2016/02/21(日) 01:39:08





    狛枝「新たに判明した【特別ルール3】における【希望】がいったい何を指しているかはともかく、卒業したみんなは【希望】であるってことがモノクマの口から判明した」






    狛枝「おそらく、今までに卒業した6人はそれに当てはまるんだと思う。【特別ルール1】と【特別ルール2】を満たしているとは到底思えない状況で、みんな卒業したとなると、そうとしか思えない」








    【特別ルール1】:日向の才能は何か?


    【特別ルール2】:モノクマの正体は誰か?



    みんなで話し合った結果、今までの卒業者がその答えにたどり着いたとは考えづらいという結論が出ていた。





    狛枝「だとすれば、未だに卒業できていないボクらはそう判断を下した誰かさんたちにとって、【希望でない】ということになるよね?」



    その通りだ。


    だが、これは今までのルールとは意味合いが違う。
    ルール1と2には、オレたちがどうするかという選択が与えられている。


    けれど、このルール3は、得体のしれない誰かに決められている。



    そこにオレたちの行動や選択は関係ない。




    見えない誰かに、オレたちは区別されている。




    そのなんだかわからない事実に、オレは恐怖を覚えた。





    狛枝「そして今回は、【希望でない】と判断されていたボクらの中から、九頭龍クンと終里さんは【希望】であると判断された。モノクマが卒業を言い渡したタイミングでは、卒業者はすでに【希望】だった」




    狛枝はわざわざ、【希望でない】という言葉を使っている。

    それはオレたちに気をつかっているんだろうか。




    そもそも、この話題において【希望】とい概念が何かわからないが、



    すぐに思いつく、その反対に位置するものは、何か?



    【希望でない】に値する単語は何か?












    ―――――絶望―――――








    ものすごく、マイナスな響きがする。





  319. 393 : : 2016/02/21(日) 01:43:14



    西園寺「じゃあさ、つまりわたしたちは【絶望】ってこと?」




    狛枝の表情がこわばった。

    たぶん、オレもおんなじような顔してんだろうな。





    左右田「なんだか気持ち悪いな。卒業者と残されてるオレたちの違いってなんだろうと考えたときに、納得はいかないまでも【特別ルール1】か【特別ルール2】を満たしたかどうかだと思っていのに……」




    左右田「実を言えば【特別ルール3】っていう、よくわかんねぇ概念でオレらは分別されてるってことなんだよな?」





    分別とは、我ながら自嘲的すぎる……。




    花村「あまりこういうことを言いたくないけれど、残されたぼくたちは、【よくないもの】と判断されてるみたいだね」



    花村も言葉をオブラートに包んだ。


    たぶん、こいつも言葉に発したくないんだ。


    この【特別ルール3】からは、得体のしれない誰かからの負の感情が読みとれる。


    あきらかに、暗いムードがオレたちにただよっていた。


  320. 394 : : 2016/02/21(日) 01:44:18





    狛枝「まぁ、ボクらが誰かにどういうふうに思われてるとかはわかんないけれど、卒業者の共通点はなんとなくわかっていたよね?」




    狛枝「ソニアさんは罪木さんの問題を解決した。辺古山さんは終里さんの問題を解決した。終里さんは西園寺さんの問題を解決した」




    狛枝「残る十神クン、弐大クン、九頭龍クンははっきりとはわからないけれどね……。なんとなく共通性があるような気はしているんだけどね。それをきっと名前も知らない誰かは【希望】と呼んでいるんじゃないかな?」
















    左右田「日向だ……」




    狛枝「え?」






    自分でもよくわからないうちにオレは口を開いていた。
    十神、弐大、九頭龍、その名前を聞いてオレの直観が働いた。






    左右田「あいつらは日向に影響を与えたんだ……。それも、たぶん日向にとっていい影響だ」







    狛枝の目が大きく開かれた。




    他のみんなも、驚いた反応をしていた。







  321. 395 : : 2016/02/21(日) 01:48:19






    オレは嫉妬していた。





    自分が無力な存在であると感じて、日向の力になってやれているやつを妬んだ。




    オレは日向にとって特別でありたいと感じていた。
    もちろん、男友達としてだ。





    だからこそ、オレの嫉妬は同性に向けられる。




    そう、オレが日向のことで嫉妬していた人物は、この島から卒業している。







    左右田「もしかしたら、ソニアさんも、辺古山も、終里も……、そうだったのかもしれない」





    ソニアさんと罪木が決闘したときに、ソニアさんは日向の身も案じていた。




    辺古山は、日向と二人きりで何かを話していた。
    それも辺古山がこの島から卒業する直前だ。




    終里に関しては、思い当たったものはなかった。
    ただ、終里が日向を励ましている場面は、容易に想像がついた。









    いや、待てよ……?





    そうすると、なんでこいつは卒業してないんだ?





    オレはその人物に視線を移そうとした……













    バッシーン!!








    左右田「ぐぇええええええええええええ!!?」ガビーン!!




    ……ところを、叩かれた。





    叩いた奴は、澪田だった。




  322. 396 : : 2016/02/21(日) 01:52:11





    左右田「なにすんだ、テメェー!!!?」ガビーン!!




    澪田「いやぁ。和一ちゃんって、実はもしかして賢い?」




    左右田「それは今までオレのことを馬鹿だと思ってたってことかテメェー!!?」ガビーン!!



    左右田「あと、なんで叩いた!!?」ガビーン!!







    澪田「蚊がいましたっす」メソラシ…




    左右田「うそつけ、目をそらすな!!」ガビーン!!




    澪田「ごめんっす。でも、意味深なことだけ言って、黙りこくるもんっすからねぇ」





    左右田「わ、悪い。一人で考え込んじまって……」



    オレは、自分の中にある嫉妬の部分は隠しながら、今頭に浮かんだ考察を述べた。



    田中は黙っていたが、なんとなく察してくれていた気がする。




    ただ、叩かれる直前に思ったことは、言わないことにした。








    狛枝「なるほど、そう言う意味か。結局、今までこの島で起こった個々人の問題のそのすべてに日向クンは関与している。なら、【特別ルール3】という要素に関しても、むしろ関係している可能性は高い」



    狛枝「ボクらはこの島に来る前から全員日向クンのことを知っていたわけだし、七海さんですら実は日向クンと関わりが深いみたいだしね……」





    罪木「ちょ、ちょっと待ってください!?七海さんは、日向さんと面識がなかったのでは……!?」




    狛枝「あれ、言ってなかったっけ?」



    澪田「言ってないっすよ?千秋ちゃんが凪斗ちゃんを操ろうとしたことは言ったけど、千秋ちゃんがそのとき何を言っていたのかは、唯吹と凪斗ちゃんと、千秋ちゃんしか知らないっす」



    狛枝「ああ、ごめん。そうだったね……」






    狛枝もオレたちに、図書館であったことを説明してくれた。






    花村「えっと……。狛枝くん、七海さんに恨まれてるの?」



    狛枝「そこに関してはわからないとしか言えないな……。ちなみにボク以外にも、七海さんの恨みを買っている人がいるみたいだけどね。もちろん日向クン以外で」





    罪木「あなたたちを許さない……ですか……」




  323. 397 : : 2016/02/21(日) 01:55:01





    左右田「七海のやつ、思っていたより感情的に、狛枝に接触してたんだな。なんつーか、あいつって飄々としていて、冷静なイメージが強いんだが……」




    西園寺「ただ、それはある意味、七海のやつのミスってわけだよね。そのせいで七海は、モノクマと自分の関係性をわたしたちに知られることになった」




    西園寺「もっとも、狛枝おにぃと澪田おねぇが、わたしたちに話さなければ、わたしたちは知らなかったままだったわけでもあるんだけれど……」



    田中「なぜ、急にそのようなことに至ったのだ……?俺様の知るかぎり、そのような兆しはなかったが……」






    罪木「もしかして、小泉さんと同じなのでは……?」




    西園寺「は、どういうこと?」




    罪木「七海さんの狛枝さんに対する行動を聞いて、小泉さんのこと思い出したんです」



    罪木「あのときの小泉さんからは、今までとはうってかわって日向さんへの並々ならぬ執着心を感じました……」




    狛枝「そう、今回は西園寺さんと、小泉さん、そして七海さんが感情を爆発させた……」



    西園寺「小泉おねぇとわたしは、あの映画が原因だった。あの映画を見せたのは、七海だった……。あっ、もしかして……!!」




    澪田「なにか気づいたんすか?」




    西園寺「さっき、モノクマが言っていたことを思い出したの。あの映画は見る人によって内容が異なるって、モノクマは言ってた。おねぇは、自分と日向おにぃとの間に何があったかを再確認させられていたみたい……」



    花村「なるほど、西園寺さんの見た映画の内容を聞いたけれど、その内容で小泉さんが取り乱す理由がわからなかった……。けれど、それなら納得できるね」




    狛枝「じゃあ、おなじように……、七海さんも自分と日向クンとの記憶を再確認したってことかな?」



    左右田「けれど、ゲームのときは、終里だけだったんだろ?……っていうか、自分で仕掛けた罠に自分でかかるもんなのか?」



    罪木「あのゲームや、その映画が何かはわかりませんが、映画の方は見ている人全員に作用するということだったんじゃないでしょうか?」



    西園寺「ゲームはその持ち主が対象で、映画は観賞した全ての人間に作用するか……。罪木おねぇのいうとおりかもね」



  324. 398 : : 2016/02/21(日) 01:57:38








    罪木「ふぇえええええええええええ!!!!?」ガビーン!!





    西園寺「は?わたし、何かおかしなこと言った?あんたの言ったことを、復唱しただけなんだけれど……?」




    罪木「ち、違います!!わ、私のことをつ、罪木おねぇって……!!」






    狛枝「ああ、そういえば……、そうだね」






    西園寺「や、やべぇええええええええ!!!!つ、つい……!!」ガビーン!!




    罪木「ろ、録音したかったですぅ……!!」





    西園寺「わ、忘れろぉおおおおおおおおおおおおおおお!!!!!!!」ガビーン!!







    澪田「キマシタワー!!」



    花村「タマリマセンワー!!」



    左右田「オメェーら、真面目にやれよ!!」ガビーン!!





    澪田「唯吹、ちょっとキマシタワーを建設してきますわー!!」


    花村「お手伝いしますわー!!」



    左右田「いいから落ち着けよ!!さっきから何言ってんだオメェーらは!!?」ガビーン!!



    澪田「すわわっ!!?」ビクッ!!





    話がどんどん横道にそれていっている。
    こいつら、わざとじゃないだろうな……?




    田中「一応、ここは病院で夜だ。落ち着け……」


    澪田「うっ、ごめんなさい……」


    花村「ごめん、乗るしかないと思って……」



    田中「特に、左右田。おまえの声はでかすぎるから落ち着け……」



    左右田「えぇ……(困惑)」





    なぜかオレが一番悪いみたいな感じになった。
    田中、あとで覚えてろよ!!




    ちなみにその間、西園寺は顔を真っ赤にしていて、罪木は少しうきうきしていた。


    つーか、おまえらもうるさくしたの謝れよ。


  325. 399 : : 2016/02/21(日) 02:03:03




    狛枝「話を戻そうか。……といっても結局はいろんなことの全てに日向クンが関係しているってことが、よりわかったってぐらいかもね。【特別ルール3】にしても、七海さんの暴走にしても、日向クンという要素を取り除くことはできないらしい」




    狛枝は特に気分を害した様子もなく、話を続けた。

    オレは騒がしくしたことに、少し罪悪感を感じていたので、ほっとした。





    狛枝「あと、モノクマは日向クンに対してものすごく詳しい人物であることは間違いないね。……七海さん、九頭龍クン、辺古山さん、それにソニアさんに的確に指示を出していた以上、モノクマも日向クンと無関係な存在ではないはずだ」



    狛枝「もしかしたら、モノミもそうかもね。そう仮定すれば、この島にいる全員が日向クンとなんらかの関係があるってことになるんだよね」



    狛枝「七海さんもボクらと同じように、この島に来る前から日向クンのことを知っていたとわかった以上、今はそう考えたほうがしっくりこないかな?」




    田中「モノミに関しては飛躍していると言えば、しているが……、否定できる材料も特にはないな」





    と、そこで場はまた静まった。





    【特別ルール3】に関しても、七海に関しても、オレたちは情報から推測することしかできない。



    今の情報からは、これぐらいが限界といったところだろうか。




    ただ、何も進展がなかったわけじゃない。

    少しずつだが、オレたちは真相に近づけている気がした。





    そのあとは、事務的な連絡が主だった。


    雑談などもしつつ、ひととおりの確認が終わると、今日のところは全員疲れているから解散しようということになった。



    確かに疲れているし、眠い。


    思えば、田中といろいろ話したのも今日の出来事だった。


    オレは、それがまるで遠い昔のような気がしていた。


    イベントが多すぎて、いつもよりも1日が長かったように感じる。





    そんなわけで、病院組を残し、オレと田中と花村と澪田はモーテルに帰ることにした。


    モーテルについてからは、特に会話もなく解散して、それぞれ自分の部屋に向かっっていった。



    疲れていたので、オレはすぐに眠れた。







    以上が、昨日、モノクマのアナウンス後に起こったことだった。

  326. 400 : : 2016/03/23(水) 15:38:16


    ―3の島―



    左右田「まだこんな時間か……。早く起きすぎたな」




    オレはモーテルを出て、適当に散歩することにした。


    昨日はいろいろありすぎて、まだ実感が持てないが、九頭龍も終里ももういない。


    オレは、この島で九頭龍とは一緒に行動することが多かった。


    そんな九頭龍がいなくなって、もっと自分は取り乱すもんかと思ったが、意外にもオレは落ち着いていた。



    いなくなったのが、田中だったらどうだっただろうか。
    ふと、オレはそんなことを考えてしまった。





    左右田「……ったく、んなこと考えてもしょうがないってのに」




    友達と友達を比べるなんて、よくないことだ。



    ただ、九頭龍が多少なりともモノクマと協力関係にあったことは事実だ。そして、それをオレに隠していたという事実が、オレの中で消化しきれていなかった。


    やっぱり、オレは頼れるような器じゃないのか……。
    日向にとっても、九頭龍にとっても……。


    そんな的外れなことを考えてしまう。


    田中に愚痴っても、オレはぐだぐだとまだ、そんなことを考えてしまっている。



    昨日、狛枝にはおおざっぱにまとめられたが、卒業している人間が日向にいい影響を与えているというオレの意見について。



    それは、今この島に残っているオレが日向に何もしてやれていないと思っていることから来る推理だ。


    それは、卒業したやつらに比べて、自分は劣っていると思っているということを意味する。少なくとも、オレはそう思ってしまっている。



    狛枝がおおざっぱにまとめたことも、澪田や花村がちゃちゃを入れてくれたことも、よかったのかもしれない。


    オレのこんな暗い気持ちをみんなに共有させても、いいことなんてないからな……。



    もしかしたら、あいつらも気をつかって、そうしてくれたのかもしれない。


    それか、オレのように考えたくなかったのかもしれない。



    左右田「ああ、やめだやめだ!!!」



    左右田「オレも、オレにできることを考えていかないといけない。前向きにいかないとな……」
  327. 401 : : 2016/03/23(水) 15:41:10




    狛枝「あれ?おはよう、左右田クン」


    左右田「狛枝じゃねーか。おはよう、早いな」


    狛枝「なんか早く目が覚めちゃってね」


    左右田「オレもそんなところだよ」







    狛枝「……」


    左右田「……」





    あ、あれ?
    そういえば、オレって狛枝と二人になったことないな……。


    な、何話したらいいんだ……?



    狛枝「あっ、そういえばキミに聞きたいことがあるんだった」


    左右田「な、なんだよ?」


    狛枝「キミがつくってくれた通信機のことだよ。少し気になることがあってさ」


    左右田「え、なにがだ?」


    狛枝「モノクマもモノミもさ。この島で瞬間移動のように移動できるよね?急に現れるし、急にいなくなるし」


    左右田「そ、そうだが……、それと通信機の話がいったい何の関係があるんだよ?」



    狛枝「いやさ……。なんで九頭龍クンの卒業の際だけわざわざ通信機を使ったのかなって……」


    左右田「そういえば、そうだな……。その場にいたのは、花村と九頭龍だけだったから詳しくはわからないが、九頭龍の卒業だけ、モニター越しだったんだよな」


    狛枝「通信機に3つ目があったってことはないよね?」


    左右田「ど、どういう意味だよ!?」


    狛枝「たとえば、モノクマは自分が病院にいるってことを印象づけたかったとかね」


    左右田「おいおい、実際に終里の卒業の際に、モノクマは病院にいたんだろ?ま、まぁ……、別の場所にいて瞬間移動したとかも考えられるけれど……」


    狛枝「正直、トリックもくそもないからね。モノクマって、なんでもできそうな気がするよ」


    狛枝「でも、だからこそ、なんでもできる中で、通信機をわざわざ使ったのかが気になったんだ」


    狛枝「瞬間移動のできるモノクマなら、モーテルで直に九頭龍クンに卒業を言い渡した後に、病院にいくことなんてたやすいはずだよね」


    左右田「……ひょっとして、おまえ通信機を作ったオレのことを疑ってるのか?」


    狛枝「……否定はできないね」


    左右田「オイオイ、おまえはオレらの中にモノクマがいるとでも思ってんのかよ!?」


    狛枝「それはわからない。モノクマは最初にボクら16人全員がいるときに現れたからね。ただ、だからといって、ボクらの中にモノクマがいないという証明にはならない。さっき言った通りにモノクマはなんでもありだからね」


    狛枝「そして、今まで起こったことから考えると、これからもボクらのうちの誰かがターゲットとなって、事件がおきると思っている。そして、それをまたボクらの中の誰かが解決すると思うんだよね」


    狛枝「ボクらのなかには、まだまだ、七海さんのような仕掛け人、あるいは、ソニアさんや、辺古山さんのような解決役の人がいると思うんだ」


    狛枝「案外、ボクらの中には何も知らないターゲットよりも……、そういった仕掛け人のほうが多いのかもしれないね?」


    オレは、ふと昨日の出来事を思いだした。

    西園寺や小泉のように、映画を見たわけじゃないが……、オレも昨日は少し荒れていた。


    そして、田中のおかげでオレは立ち直ることができた。


    だが、どうだろう?


    なぜ、田中はオレのいる場所がわかった?

    なぜ、田中はオレを助けてくれた?


    もしかすると、あいつもモノクマからオレのことを聞いたから、来てくれたんじゃないのか?



    ……いや、たとえそうだっとしても、田中がオレを助けてくれたことは事実なんだ。


    あいつの言葉に嘘はなかったと信じたい。


  328. 402 : : 2016/03/23(水) 15:43:26


    狛枝「左右田クン?どうしたの?」


    左右田「あっ、わりぃ。考えこんじまって……」



    狛枝「いや、いいよ。変なこといってごめんね。通信機のことは少し気になっただけなんだ。キミが通信機を作ったからといって、キミがモノクマだとか、そういうふうには思ってないよ。根拠も何もないからね」



    左右田「それはいいけどよ。じゃあ、実際のところおまえはどうなんだ?オレの視点じゃ、おまえだって、怪しいもんだがな」


    狛枝「……ボクを怪しむ根拠はあるのかな?」


    左右田「ここにきて、おまえは急に協力的になったよな?おまえは今まで一人で行動することが多いし、日向を嫌っていたはずなのに、どういう心境の変化だよ?」


    狛枝「なるほど。確かにキミや田中クンは戸惑っていたみたいだからね」


    左右田「実際よぉ。おまえは日向のことどう思ってんだ?」



    狛枝「どういう意味?」


    左右田「オレだって、いや、みんなだって、おまえが本気で日向のことが嫌いだなんて思ってないはずだ。たぶん、日向だってそう思っているはずだぞ?」


    左右田「それなのに、なんで四六時中、日向を嫌いだなんていってるんだよ?オレにとって、おまえは本当にそればっか言っているイメージしかないんだが……」


    狛枝「そうだね。ボクも異常だと思うよ……。四六時中そんなことばっか言っているやつなんて異常だよね。その考え方は正常だよ」


    左右田「な、なんだよ、それ……?はぐらかしているのか?」


    狛枝「ボクはさ。昨日、キミが言っていたことがずっと引っかかっていた」



    左右田「こ、今度は何だよ?」



    狛枝「卒業したみんなが、日向クンにいい影響を与えていたって話だよ。それならさ……」



  329. 403 : : 2016/03/23(水) 15:46:48






    狛枝「ボクってさ……、彼に悪い影響を与えているのかな?」



    左右田「え?」





    狛枝「今、残されているボクたちってさ。彼にとってよくない人間なのかな?」




    左右田「は?」








    狛枝「……いや、ごめん。まぁ、モノクマが通信機を使っていた件についても、【特別ルール3】についても、考えすぎかもしれないね」




    狛枝「それよりも、この流れなら新しい場所にいけるかもしれないね。みんなが起きたら、また新しくいけるようになった場所を含めて、七海さんを探そうか?」



    左右田「あ、ああ……」



    狛枝「それじゃあ、ボクはもういくね。散歩の邪魔してごめんね」





    左右田「あっ、ちょっと……、狛枝……!!」






    狛枝は早足でどこかへ行ってしまった。



    正直、オレは狛枝のことが苦手だ。


    こうやって話していても、何を考えているかわからないし、

    日向のことを嫌いだと公言している様子は、日向の友達として、やはり気分はよくない。




    だが、さっきの狛枝の発言。



    狛枝「今、残されているボクたちってさ。彼にとってよくない人間なのかな?」




    そういっていた狛枝は、ほんの一瞬だったが、確かに震えていた。


    狛枝もやはり、オレと同じようなことを考えていたのだろうか?


    オレは、狛枝という人間の本音を少しだけ見つけることができた気がした。






  330. 404 : : 2016/03/23(水) 15:52:23

    ―病院―


    狛枝「……さて、そろそろみんな起きているかな?」







    罪木「こ、狛枝さん!!?ど、どこにいっていたんですか!!?」


    狛枝「え!?どこって、ちょっと早起きしすぎたから、散歩にいっていたんだけれど……」




    罪木「そ、その!!小泉さんを見ませんでしたか……!!?」



    狛枝「え、いや、見てないけれど……」



    罪木「さっき起きて様子を確認しにいったら、いないんです!!目が覚めて、病院の中にいるかとも思ったんですが、どこにもいなくて……!!」


    狛枝「とにかく、落ち着いて。……昨日、最後に小泉さんを見たのはおそらく西園寺さんだよね?」


    罪木「は、はい。西園寺さんは小泉さんと同じ病室で眠ることにしましたから……!!」


    狛枝「西園寺さんはいまどこに?」


    罪木「まだ、小泉さんのいた病室で眠っています……。私が行ったら、小泉さんだけがいなかったんです!!」


    狛枝「ボクも、病室を確認せずに散歩に出たから、いつ小泉さんが目覚めたのかは、わからないな……」



    罪木「わ、私の責任です!!私が目を離していなければ……!!つきっきりで小泉さんのそばにいれば……!!」


    狛枝「落ち着いて、罪木さん。まだ、何かが起こったと決まったわけじゃないよ。それに、これはキミの責任じゃないし、誰の責任でもない」


    罪木「でも、私がずっと見ていれば……、こんなことには……!!」



    狛枝「いつ目覚めるかもわからない小泉さんに、寝ずにつきっきりでいたら、今度はキミが倒れてしまうよ。それこそ、本当に大事なときにキミの力を借りることができなくなる」



    狛枝「それよりも、ボクはこのことをモーテルのみんなにも伝えるよ。誰かが小泉さんを目撃しているかもしれないしね。キミは西園寺さんを起こして、もう一度病院内を探してくれ」


    罪木「は、はい!!わかりました!!」



    狛枝「あっ、それと……、西園寺さんには、さっきのように自分の責任がどうとかなんていわなくていいよ。西園寺さんがそのことでキミを責めることはないだろうし、今は小泉さんを早くみつけることが大切だ」


    罪木「は、はい!!」



    そういうと、罪木さんは、西園寺さんのいる病室へと向かった。




    罪木さんには落ち着くようにいったが、内心ボクも焦っていた。


    罪木さんの話では、小泉さんの状態は決してよくないとのことだった。


    日向クンを思って、心が暴走している。
    そんな小泉さんを、七海さんがなんらかの方法で無理やり気絶させたらしい。


    西園寺さんとは違い、小泉さんの問題は解決したわけじゃない。


    誰がどう考えても、今の小泉さんを一人にするのはまずいんだ!


    何かが起きる前に、彼女を探さないと……!





    とにかく、まず通信機を使ってみよう。



    ……と、そのとき通信機のモニターがついた。


    ちょうどいい。小泉さんのことを伝えよう。




    左右田「た、大変だ、狛枝!!お、落ち着いて聞いてくれ……!!!」


    狛枝「左右田クンか。さっきぶりだね……。どうしたの?」




    左右田クンの様子を見て、嫌な予感がした。
    そして、ボクは心の中で思ってしまった。



    【それ】が起きないでくれと、考えてしまった。







    左右田「日向のやつがいないんだ……!!」






    どうして、悪い予感ばかり当たってしまうのだろう。



    ああ、やっぱり、ボクは……、そうなんだ……。



  331. 405 : : 2016/03/23(水) 15:55:43


    ―モーテル―


    ボクは、罪木さんと西園寺さんに、日向クンの行方もわからないということを伝えた後、3人でモーテルへ行った。


    状況はこっちと似たようなものだった。
    誰も知らないうちに、日向クンは部屋からいなくなっていたらしい。


    左右田「調べたが、ドアのカギはかかっていなかったし、部屋の中も荒らされてるといった感じではないな……」



    罪木「小泉さんの病室も同じでした。ベッドが冷たかったので、いなくなってから時間はそれなりに経っていると思います」


    左右田「日向のほうもそうだな」


    西園寺「それって、わたしたちが寝ている間に、いなくなった……ってことだよね」


    田中「もしくは、連れ去られたか……」


    澪田「連れ去られたって誰にっすか?」


    花村「わからないけれど、モノクマやモノミかなぁ……?」


    狛枝「まだ、小泉さんも日向クンも連れ去られたと決まったわけじゃないよ。部屋からは何もわからない以上、手当たり次第探すしかない。手分けして、島を探すことにしよう」









    七海「その必要はないと……思うよ?」






    狛枝「なっ……!!?」ビクッ!!


    田中「七海!!?」



    そこに現れたのは、今探している2人のどちらでもない、行方不明のはずの彼女だった。



    七海「2人とも、今は4の島にいるよ。心配しなくても大丈夫だよ?」


    西園寺「あんたいったい今までどこにいたのよ!!」


    七海「さっきまでは、4の島のモノミちゃんの家にいたの。みんなが私たちを探しているときは、見つからないようにいろいろと移動してたかな?」


    狛枝「なんで二人とも、いきなり4の島にいるのかな?キミが連れて行ったの?」


  332. 406 : : 2016/03/23(水) 15:57:45






    七海「幼馴染の2人に仲間はずれにされたことが、そんなに不満……?それとも、不安なのかな……?」




    狛枝「なっ……!!?」ビクッ!!



    花村「ちょっと待って!?幼馴染の2人って、誰と誰のことを言っているの!?」


    七海「あれ、罪木さんには言ったはずだったんだけれど、みんなには伝わっていなかったんだね」



    七海「じゃあ、言うけど。日向くんと狛枝くんと小泉さんの3人はいわゆる幼馴染ってやつなんだよ」


    左右田「ま、マジかよ……!!?小泉も幼馴染なのか!!?」





    狛枝「……知っていたんだ?」


    七海「まぁね」




    西園寺「罪木、あんたも知っていたの?」


    罪木「ごめんなさい……。狛枝さんに断ってから、みなさんに伝えたほうがいいんじゃないかと思って……」



    西園寺「別に謝る必要はないよ……。でも、そっか……、幼馴染だったんだ……。小泉おねぇ……」




    田中「それで、なぜこのタイミングでおまえが現れる?いったい、何が目的だ……?」





    七海「……まぁ、みんなそれぞれに、私に聞きたいことはあると思うから、そろそろ教えてあげようと思って。教えてあげられないこともあるけれど、まぁ、ついておいでよ」



  333. 407 : : 2016/03/23(水) 16:03:53


    花村「これって、罠じゃないよね……?」


    田中「だが、どのみち七海からいろいろ聞かなくてはいけないのは確かだ……」


    澪田「けど、創ちゃんと真昼ちゃんは大丈夫なんすか……?」



    七海「さっき、いったとおり大丈夫だってば」


    西園寺「何いってんのよ。あんたが、わたしたちを映画館に閉じ込めて、無理やりあんな映画みせたんでしょ!!小泉おねぇがおかしくなったのは、あんたのせいでしょうが!!」



    七海「おかしくなってないよ。彼女は思い出しただけだよ」



    西園寺「思い出す……?」



    七海「みんなの記憶をいじったっていってたよね。小泉さんは、特別いろいろと忘れてもらわなくちゃいけなくってさ」



    七海「なんせ、幼馴染だから、特に日向くんのことを知っているからね」



    罪木「ちょっとまってください!!記憶をわざわざ忘れさせたのに、思い出させたっていうんですか?」



    西園寺「わたしたちをおちょくってんのかよ!!」



    七海「忘れさせたのは、未来機関で……、思い出させたのはモノクマだよ。それぞれ、やった人が違うから、こんなことになってしまったの。だから、いろいろと不具合が起こっている」



    狛枝「けれど、キミは未来機関の一人だ。それに、モノクマの命令で小泉さんを惑わせたのもキミだよね?キミはそのどっちにもかかわっているじゃないか……?いったい、キミは何がしたいんだい?」



    七海「狛枝クンには一番いってほしくないなぁ。その言葉……」



    狛枝「なんだって……!?」



    七海「まぁ、とにかく、ついてきてよ。行き先はジャバウォック公園だよ」





    左右田「……どうする?」



    田中「いくしかないようだな……。どのみち従わざるを得まい」


    澪田「千秋ちゃん、それって全員でいかなきゃダメっすか?」


    七海「かまわないけれど、みんなそれぞれに、私に聞きたいことあるでしょ?今回、私にそれ聞けるの最後になるから、来たほうがいいと思うよ?」



    澪田「は?それってどういう……?」




    七海「だって、私はもうこの島からの卒業が確定しているもの」


    花村「えぇ!!?」


    田中「なんだと!?どういうことだ!?」




    七海「知りたければ、おいでよ。まぁ、どのみち4の島には今いけないよ。モノクマが通さないだろうからね」



    七海「だから、選択肢は1つしかない」



    狛枝「元から、選ばせる気はなかったってことか……」





    七海「これが、この島での私の最後の見せ場になるのかな?」




    七海「だから、おいでよ。ね……?」



  334. 408 : : 2016/03/30(水) 15:19:50
    いつも楽しみにしています!
    頑張って下さい!!
  335. 409 : : 2016/04/04(月) 12:30:22
    >>408

    いつも、ありがとうございます!



    ちょっと、今後の展開が煩雑すぎて、書いては消し、書いては消しの繰り返しです。

    もうしばし、おまちくださいませ。
  336. 410 : : 2016/04/14(木) 16:38:16







    七海「私の最後の見せ場の前に、ここから少しだけ時間が巻き戻る」






    七海「これは、私が3の島に来てから、何を思って何をしたかの記録」





    七海「そして知ってしまった、真実の話」






  337. 411 : : 2016/04/14(木) 16:40:26

    ―3の島探索時 電気街―


    七海「……帰還命令か」



    3の島での行動が可能になり、私は電気街に来ていた。
    そこのパソコンに表示されていたのは、この島から出るようにという帰還命令。



    七海「私の裏切りが未来機関にバレたんだろうか……?けれど、こんな中途半端な状況でこんな命令が下るとは思えない」


    最初に報告書を提出したが、その返信は返ってこなかった。
    とはいえ、あれは最初で最後の報告書になった。


    なぜなら、私は未来機関のメンバーでありながら、この島に突然現れたモノクマに味方することに決めたのだから。



    七海「私はいろんな意味で裏切り者だなぁ。ここにいるみんなを裏切り、未来機関を裏切り、モノミちゃんも欺いている」



    ただ、この島に来てから、モノクマからもモノミちゃんからも接触はない。


    双方の身に何かあったのだろうか?



    そして、電気街のパソコンには私への帰還命令が表示されていた。

    今すぐというわけではないが、いずれ私はこの島から出て行かなくてはならないようだ。


    たとえ、拒否しても、むこうの判断は覆らないだろう。
    しょせん、私は下っ端であり、命令には逆らえない。



    未来機関のメンバーは私とモノミちゃんを除いて、超高校級の生徒で構成されている。



    私は【ある理由】と【ある人物】のおかげで、超高校級の生徒でないにも関わらず、未来機関に所属することができている。



    未来機関から命じられた、この島での私の任務内容。

    それは、この島にいる生徒たちが希望のカケラを集めることができるようにサポートすること。

    そして、万が一の事態がおこったときのために対処することだった。



    だが、この計画は穴だらけだ。
    というのも、十分に計画を練る時間がなかったからだ。



  338. 412 : : 2016/04/14(木) 16:43:15

    記憶を失う前のみんなは、そのほとんどが自暴自棄になっていた。

    ひどい人は、一人で生活することすら、ままならなくなっていた。


    ほうっておけば、取り返しのつかない事態になりかねない。



    私たち未来機関は、希望ヶ峰学園ですごした記憶を彼らから奪った。

    人によっては、それ以外の記憶にまで干渉する必要があった。


    記憶という大切なものを彼らから奪うことはためらわれたが、事態が事態であったため、そうせざるを得なかった。



    だから、その先の対応についてまで、念密な計画を練っているような時間はなかった。

    時間が経てば経つほど、彼らの社会的立場を守ることができなくなっていく。


    これだけ大人数の生徒が一度に消えるのだ。
    時間をかければかけるほど、周りに隠せなくなってしまう。


    さらに言えば、私たち未来機関は圧倒的に人手不足だった。
    目的を外部に公言することができない以上、むやみに人員を増やすわけにはいかなかったためだ。


    私たちのナンバーはそれぞれ機関に所属した順番を表している。


    つまり、私は7番目だった。


    私が知らされていないだけで、8番目、9番目、10番目がいるのかもしれないが、


    どのみち新参者かつ超高校級の生徒でないこ私には、知らされていない情報が多いように思えた。



    では、そんな私がなぜ、現場を任されているのか。

    それは、私が強く島にいくことを希望したことと、メンバーの役割分担の関係にあった。


    この島の外のことは、他のメンバーに任せてしまっている。

    どのみち、こんな大掛かりな計画を外部に隠すための、情報統制など私にはできないのだがら、しょうがないといえばしょうがない。


    だからこそ、生徒たちの監視とサポートの役割を持った私に【強制帰還命令】が出されているのはおかしかった。


    確かに、私はモノクマのほうについた。
    だが、完全に未来機関の目的に背いたというわけではない。


    目的を達成するための、手段を変えたというだけだ。
    非難される理由はあるが、この命令は納得がいかなかった。

  339. 413 : : 2016/04/14(木) 16:47:11


    記憶を消したことによって、現在は安定しているみんなに問題が生じた場合、最悪な展開を迎えることになるかもしれない。

    もし、いっせいにみんなが元のようになってしまったら、私とモノミちゃんでは対処しきれない。


    だからこそ、より具体的に1人ずつ正確に対処しているモノクマについたのだ。

    私がモノクマにつこうと思った決定的な要因は、記憶を消したにも関わらず、日向くんに出会った瞬間に不安定になった罪木さんに対処できたことだった。


    並々ならぬ問題を抱えたみんなに対して、自分なんかが何かできるのかという不安と重責に押しつぶされそうになっていた私にとって、その事実はとても大きかったのだ。


    たとえ、その方法について後で批判を受けようとも、私は後戻りすることはできなかった。


    モノクマがなぜここまで、いろいろな事情に詳しいのかはわからない。

    モノクマは異様に日向くんを嫌っているももちろんわかっている。
    その要素が、あとでとんでもない事実を引き起こすかもしれない。


    だが、そもそも、時間がないのだ。
    私たちは早急に結果を出さなくてはいけない。



    彼らが【希望】であると一刻も早く認めさせなければならないのだ。



    そこまで考えて、ある可能性に私は気づく。


    七海「もしかして、この命令を出したのは……、未来機関じゃない?」


    私をこの島から排除しようとしているということは、この命令を出した人物は私のことを邪魔だと思っているということだ。


    私を連れ戻した場合、この島での抑止力はモノミちゃんのみになってしまう。未来機関の判断としては、やはり考えにくいところがある。



    私を邪魔に思い、なおかつ強制帰還命令が出せるような人物。

    その存在は限られてくる。








    そのときだった。



    強制帰還命令の文章を映し出していた画面が突如切り替わる。



    そして、そこには新しい文章が映し出されたのだ。






    『とある計画について』




    七海「……?」





    そして、私は知ってしまった。




  340. 414 : : 2016/04/14(木) 16:49:10


    ―3の島探索時 映画館―


    私は日向くんと別れて、映画館に来た。


    日向くんには、私にとって重要な質問をした。
    その解答は、私の願っていたものだった。







    七海「絶対に日向くんを取り戻す!!」




    七海「そのためなら、なんでもする!!この島から連れ戻される前に、私のできることをやるんだ!!」





    後になって考えると、私は正気じゃなかった。


    私は、あの忌々しい計画内容を見てしまった。


    あの計画を見て、私の中をいろんな感情が駆け巡った。


    おそらく、私に強制帰還命令を出した人物の真の目的。
    それが、あの『計画』なんだろう。


    だとすると、モノクマの立場も怪しいものになってくる。
    いや、もしかするとモノクマの真の目的はあの『計画』なのかもしれない。




    けれど、もう本当に時間がない。


    みんなから孤立している、小泉さんと西園寺さん。
    そして、狛枝くん。




    このままではいけない。



    私たち未来機関の目的のためにも、日向くんを取り戻すためにも、私がいなくなる前に何か布石を打たなければならない。


    たとえ、あとでどんなに罵られようとも、
    彼らが自分と向きあえるように……。





    ああ、どうしてこうなってしまったんだろう。




    私は、ただもう一度キミに会いたかっただけなのに……。


    あのときのように、ただ何気ない日々をすごしたかっただけなのに……。





    七海「日向くん……」




    私は映画の上映を始めた。

  341. 415 : : 2016/04/14(木) 16:51:06


    私が2の島で下された命令は、終里さんにゲームをやらせること。もしくは、ゲームをしているところを見せるということだった。



    私は【超高校級のゲーマー】という嘘の肩書きもあり、自然な理由で終里さんにゲームを見せることができた。


    あのゲームを引き金に、終里さんは自分の中のトラウマを思い出した。

    自分の中にひっかかっている問題を認識することができたのだ。


    もちろん、私自身もその方法をいいものだとは思っていない。


    そして、ゲームをやった人物に対して、ある程度こちらから干渉し、操作することができるというのも、とんでもない話だと思っている。


    全ては、このふざけた環境にある、この島だからこそできる芸当なのだろう。



    あのゲームは最初から終里さんがターゲットだったが、今後万が一の事態が起きた場合にこちらから干渉できるようにモノクマは全員に配ったのだろう。
    つまり、もしものときの保険というわけだ。


    ただ、その操作権はなぜか私に与えられた。
    計画を練る側として、自分が操作できたほうがいろいろと都合がいいはずなのだが、なぜモノクマはそうしなかったのだろう。


    自分の手を汚すことをためらったのか、それとも彼らを操作することをためらったのか。
    モノクマの心情を私は察することはできなかった。


    ただ、言葉で聞いていても、終里さんの暴走に私自身も動揺していた。


    事前に説明を受けてはいたが、やはりあのゲームをみんなにやらせてはいけないと思った。


    だから、私はゲームの危険性をみんなに訴え、ゲームをプレイしないように忠告したのだ。

  342. 416 : : 2016/04/14(木) 16:53:06

    本当に私は情けないやつだ。


    目的のためなら、手段を選ばない覚悟はあったと自分では思っていたが、終里さんの暴走を目の当たりにして、私は偽善的な行動に走ったのだ。


    そのくせ、自分の立場は明かさず、保身に走った。


    私は、一貫性のない、どっちつかずの愚か者だ。



    そして、この映画も同じものだった。
    媒体が変わっただけで、効果はゲームとまったく同じだ。



    ただ、違う点は2つ。


    1つは、見ている人物に対応して内容が変わるというということと、

    そして、もう1つは見ている全員に効果が作用するということだった。


    焦っていた私は、事前に聞いていたにも関わらず、そのも1つ点を考慮できていなかった。



    まぁ、もともと私が本当に正気だったら、こんな島にまで来てはいないと思うんだが……。






    映画が始まった。



    そして、私は再び見ることになった。




    日向くんとの日々を、日向くんとの思い出を……。
    それは私にとって輝かしく、何よりも変えがたいものだった。



    そして、思いだした。




    そんな素敵な日々をくれた、日向くんから逃げ出した……


    そんな素敵な記憶をくれた、日向くんの心を追いつめた……




    狛枝くんと小泉さんに対する怒りを、私は思い出したのだ。








  343. 417 : : 2016/04/14(木) 16:57:01

    ―小泉気絶後 図書館―


    狛枝凪斗という人物とちゃんと話をすることができたのは、この島が初めてだった。


    日向くんと出会ったときは、日向くんから狛枝凪斗の名前を聞いたこともなかったし、小泉真昼の名前を聞いたこともなかった。


    その2人存在を知ることになったのは、未来機関に入ってからのことだった。


    私は、ただ話を聞いて、あったこともない人物に怒りを感じていたのだ。


    そして、私はこの島で狛枝凪斗に接触することにした。


    私は中立の立場として、彼らに対する個人的な感情や先入観は忘れることに努めた。
    自分でその人物に対して接することで、どんな人物か見極めたほうがいいという考えもあったからだ。


    だが、小泉真昼は日向創を避け、狛枝凪斗は心無い言葉ばかり言っている。


    最初のうちは、いろいろとフォローする予定だったのだが、彼らに対しての心象はどんどん悪くなっていった。


    それでもある程度事情を知っている身としては、単純な評価を下すことはよくないと私は考えた。


    だが、こころざし半ばで帰らなくてはいけない状況から、


    あの計画をしってしまったことから、


    そして映画を見て感情が吹き出てしまったことから、


    私から理性というものは消えた。




    私は心のままに、狛枝くんに感情をぶつけたのだ。
    そして、わからずやの彼に、もう一度日向くんの思い出を見せようとした。


    澪田さんが止めてくれなかったら、感情のおもむくままに、彼を操り、それこそ取り返しのつかないことをしてしまっていたかもしれない。





    澪田さんには、本当に感謝している。





    ただ、ここにきて澪田唯吹という人物が気になり始めた。


    彼女には私の知らない何かがあるような気がしてならなかった。







  344. 418 : : 2016/04/14(木) 17:00:53

    ―小泉暴走時 病院―


    冷静になってみると、本当に私はみんなに対してひどいことをしているという自覚がわいてきた。



    みんなのためとはいえ記憶を奪い、そして、みんなの抱える精神的問題の解決のために、再び思い出させている。



    小泉さんの暴走。
    日向くんへの尋常じゃない執着心。




    あの小泉さんは、さっきまで暴走していた私とどこが違うのだろう。


    自分だって、精神的問題を抱えているのに、他人のことを解決しようだなんておこがましいにもほどがある。


    ついさっき、彼に他人のことを気にするより、自分の悩みと向き合うことのほうが大切だなんて偉そうに説教したにも関わらず、私はこんなことを続けているのだ。


    問題を起こすことしかできず、モノクマの計画に従っているだけで、解決は他人任せ。

    そんな私にできたのは、映画を見たことで操ることが可能になった小泉さんの意識を失わせることだけだった。

    もし私が日向くんの幼馴染だったとしたら、彼女と同じ立場にいたとしたら、日向くんのことを解決できただろうか。こんなややこしい事態にならなかっただろうか。


    きっと、私も今の小泉さんのようになってしまうだけだろう。


    日向くんから逃げ続ける小泉さんをよくは思えないことは変わらないが、小泉さんの立場を考えると私に彼女を責める資格はなかった。



    それはそうと、罪木さんに、彼女が狛枝くんの幼馴染であることをばらしてしまった。自動的に、日向くんとの関係もばれてしまうことになる。


    私のしたことは許されることではないが、幼馴染であるという新事実も含め、今回のことでみんなが小泉さんを意識してくれるだろう。


    ここからいなくなる無責任な私の変わりに、誰かに小泉さんの心を癒して欲しかった。




    けれど、私がやっているのは、むやみやたらに周囲に種をまいているだけに過ぎない。


    それが、どんな種なのかも考えずに、どんな花を咲かせるかも知らずに、育てることだけは、他人任せにしているのだ。



    本当に自分が無能で情けない。

  345. 419 : : 2016/04/14(木) 17:05:32

    ―七海のコテージ―


    モノミちゃんを見つけた。
    モノミちゃんは、私のコテージ内で倒れていた。


    私は罪木さんの目の前で小泉さんを気絶させ、病院を出た後、西園寺さんを探していた。


    けれど、終里さんが西園寺さんのことを解決したことを知って、モノクマとモノミちゃんを探すことにしたのだった。




    モノミちゃんは私の部屋にいたので、すぐに見つかった。

    なぜ倒れているかはわからなかったが、どうやら寝ているだけのようだった。


    疲れがたまっていたからなのか、理由はわからない。




    だが、モノクマは見つからなかった。


    モノクマに何があったのだろうか。


    今回の私の行動に対して、モノクマが何もアクションを起こさないとは思えない。

    どこかでモノクマは私を止めているはずだろう。


    だが、モノクマはいまだに姿を現さない。




    誰かがモノクマやモノミちゃんの行動を妨害した?


    しかし、誰が、なんのために……?



    「誰が」の部分はなんとなくわかる。
    おそらく、私をこの島から排除しようとしている人間だ。
    そして、その正体もなんとなくだがわかっている。


    けれど、「なんのため」にがわからない。
    なんとなく、私を排除しようとしている【誰かさん】はモノクマとつながりがあるのかもしれないと予想していたのだだけれど……。そうだとしたら、つじつまが合わない気もする。

  346. 420 : : 2016/04/14(木) 17:13:18


    ここで私は【裏切り者】という言葉を思い出した。


    モノクマは最初に私たちの中に【裏切り者】がいるといっていた。


    だが、あの発言の時点では、私も【裏切り者】ではなかった。九頭龍くんでも辺古山さんのことを指しているわけでもないはずだ。


    ならば、まだいるんだろうか?
    この島に残っているみんなの中に、モノクマの言う【裏切り者】が。


    モノクマが現れる前から、モノクマの出現をしっていた人、あるいはモノクマ本人が……。


    そう考えると、モノクマはなぜあのときあんなことを言ったのだろう?

    方法はどうあれ、モノクマはみんなの精神的問題の解決を目的としている。


    【裏切り者】がいることを明かせば、みんなは疑心暗鬼になってしまい、下手をすれば互いを信じられなくなってしまうかもしれない。


    実際に、いろんな意味で【裏切り者】である私が言えたことではないのだけれど……。


    モノクマがあのときどんな意図で【裏切り者】といったのかやはりわからない。





    それと、今のみんなには結束がうまれつつあるようだ。
    それは、西園寺さんと日向くんが和解できたこと、そして狛枝くんが少なからず協力的になったことが大きい。


    彼らは病院で集まって話し合いを行なっていた。
    今は私やモノミちゃん、そしてモノクマを探しているのだろう。


    いまだに小泉さんという大きな問題が残っているが、いい方に向かってきているのは確かだった。


    いつ強制的に連れ戻されるかはわからないが、みんなには今のうちに話せることは話しておきたい。


    しかし、当初の目的がうまくいっている状態で、余計な情報をみんなに与えていいかどうかとも思った。


    知らないほうがうまくいくこともあるのではないだろうか?


    私は、これからの行動について悩んでいた。












    そこに、いきなり現れた。





    モノクマだった……。


  347. 421 : : 2016/04/14(木) 17:19:25




    モノクマ「お久しぶりです」



    七海「も、モノクマ!!?」ビクッ!!



    モノクマ「いやぁ、今回はごめんね。いろいろと大変だったでしょ?」



    七海「今までどこにいたの!?」



    モノクマ「う~ん、よくわからないんだよね。ボクもさっき目覚めたばかりで、ただ状況は把握しているよ」



    七海「今回は私の勝手な判断で行動してごめんなさい……」


    モノクマ「今回のキミの行動に関しては、ボクから責めることはないよ。むしろ、毎回いやな役目を任せてすまないと思っているぐらいだよ」


    モノクマ「それにキミは無能なんかじゃない。やさしく、そして強い意志があるキミだからこそ、この役割を任せることができるんだ」


    七海「ありがとう……」



    モノクマ「うぷぷぷぷぷ。ボクのほうが助かってるから、ありがとうって言われるのはなんか違う気もするなぁ」


    七海「それでね。どうしてもあなたに聞かなくちゃいけないことがあるの」


    モノクマ「ん?なにかな?」










    七海「カムクライズル計画ってなに……?」









    モノクマ「…………」










    モノクマ「……それをどこで知った?」



    七海「!!?」ビクッ!!



    それまでフランクな口調だったモノクマの声が、急に冷たく聞こえた。




    モノクマ「どこで知った?」



    七海「し、質問しているのはこっちだよ。ただ、電気街のパソコンに表示されたの」



    七海「人工的に【超高校級の希望】をつくるっていう計画……」



    モノクマ「知ってしまったのか……」



    七海「それって、どういうことなの……!!あなたは知っていたの!!?」



    七海「ねぇ、ねぇってば……!!!」




    モノクマ「……少し落ち着いて欲しい。ボクもわからないことがあるからね……。順をおって話を整理していこう」



    モノクマ「……まず、その計画書をパソコンに表示させたのは、彼女の仕業かもしれない」


    七海「彼女……?」


    モノクマ「実を言えば、ボクはキミが強制帰還命令を出されていることを知っている。それは、キミもわかっているだろうが、お偉いさん方からの命令だ。ただ……」


    七海「ただ……?」



    モノクマ「カムクライズル計画について、キミに教えたのは彼女だとにらんでいる。それに、日向創に同じ場所で、キミの未来機関への報告書が閲覧されている。おそらく、それも彼女の仕業だ」


    七海「えっ、日向くんがあの報告書を……!!?……って、それより、彼女っていうのは誰のこと……?」
  348. 422 : : 2016/04/14(木) 17:20:45


    モノクマ「現在の未来機関のリーダー的ポジションにいる人だよ……。そういえばキミはわかるだろう?」


    七海「……あなた未来機関の内情にも詳しいの?」


    モノクマ「ああ彼女とは、妙な因縁があるからな……」


    七海「気のせいかなんだか前と雰囲気が変わってない?素が出てるってこと?それとも……」


    モノクマ「ボクのことよりも、彼女のことだ。やはり、彼女が何を考えているのかはボクにも理解できない」




    七海「妹さんの考えていることは誰にもわからないよ」


    モノクマ「妹か……」








    七海「ねぇ、やっぱりさ。あなた違うよね?」


    モノクマ「なにが……?」





    七海「じゃあ、質問……、私がモノクマに協力の話を持ちかけられたときの最初の一言はなんだったでしょうか?」


    モノクマ「……そ、それは」

















    七海「あなた、モノクマじゃないでしょ?」








    モノクマ?「……やはり食えない女だ」







    七海「私やモノミちゃんが未来機関だってメモ書いたの、あなたでしょ?」




    モノクマ?「……そこまでわかっているのか」



    七海「勘だったんだけどね……。あたっているとは……」



    モノクマ?「まぁ、いい。おまえはもうすぐこの島からいなくなるんだ。なら、ボクの正体を見せても問題はないか……」



    モノクマ?「どのみちカムクライズルの名前が出た以上、事情を説明しないわけにはいかなくなった」




    ???「これが、ボクだ……」








    モノクマの姿が消え、かわりに【その人】が姿を現した。








    ……って、え?


  349. 423 : : 2016/04/14(木) 17:22:02






    七海「は……!?な、なんで……!!?」



    七海「な、なんで、あなたが現れるの……!!?だって、あなたは……!!?」





    ???「なんだ、正体まではわかっていなかったんだ。誰と間違えていたのかは知らないけれどね」






    七海「っていうか、口調はモノクマのまんまなんだ……」



    ???「そうクマ。キャラづくりは大切クマ!!」




    ???「……ってなにやらせるんだッ!!」ガビーン!!



    七海「あなたが勝手にやっただけでしょ!!?」ガビーン!!






    ???「わかっていると思うけど、オマエに指示を出していたモノクマとボクは【別】だよ。ここまできたら、おまえには真実を知ってもらう。たとえ、それがあいつの思惑通りでもね」


    七海「妹さんの思惑通りか……。あなたを私の前に引きずり出すためにカムクライズル計画を私に教えたってわけか……」




    ???「だが、そのまえにオマエの覚悟を問いたい」




    七海「覚悟……?」






    ???「日向創のために、奴らを敵にまわす覚悟があるかだ……!!」




    七海「やつらって……」



    ???「オマエを強制的にこの島から排除しようとしているやつらだ」




    ???「今、一度問う……」








    ???「【希望ヶ峰学園】を敵にまわす覚悟があるのか……?七海千秋……!!」ドンッ!!






    そして、私は大きな選択をせまられた。

  350. 424 : : 2016/04/15(金) 00:57:18
    最高に面白いです!

    続き楽しみにしてます!
  351. 425 : : 2016/04/15(金) 01:12:57
    期待です~!
  352. 426 : : 2016/04/15(金) 07:44:23
    すごく面白いです!
  353. 427 : : 2016/04/16(土) 20:07:01
    続きを期待してます!
  354. 428 : : 2016/04/27(水) 20:40:56
    +(0゚・ω・) + wktk!!
  355. 429 : : 2016/05/06(金) 19:18:19
    >>424
    >>425
    >>426
    >>427
    >>428

    ありがとうございます!!

    なんとか広げた風呂敷を上手くたたみたい今日このごろです。
  356. 430 : : 2016/05/06(金) 19:20:03

    ―ジャバウォック公園―


    左右田「なんじゃこりゃーーーーー!!?」



    オレたちが公園に集まると、そこには異様な光景があった。



    田中「円状に机が並んでいるな。これから裁判でもするかのか?」


    西園寺「こんな青空の下でなにすんのさ……」


    七海「雰囲気は大切だからね。それに、せっかくだからそれっぽいこともしないといけないと思ってね」


    花村(それっぽいことってなんだろう……?)


    七海「まぁ、とりあえず……、それぞれの名前の書いてある席についてください」


    田中「机が16あるな……。俺達が全員いたときから、この状況は想定されていたのか?」


    七海「まぁ、モノクマのことだから、そうなんじゃない?」


    七海「それじゃあ、席についたところで始めようか」


    七海「学級裁判をね」








    >>学級裁判開始!!<<






    左右田「いや、学級裁判ってなんだよ!?」


    七海「たいした意味はないよ。それっぽく言ってみただけ。まぁ、この場合私が裁判にかけられているようなものなのかな?」


    罪木「被告側が裁判の席を設けるんですか……(困惑)」



    七海「それはともかく、じゃあ質疑応答を始めようか」





    花村「はいはーい!!」



    七海「じゃあ、まず花村くん」



    花村「まずは、七海さんの年齢とスリーサイズを教えてもらおうかな?」


    左右田「なに聞いてんだオメェーは!!」ガビーン!!


    七海「おいおい、花村くん?私たちに年齢の話はタブーだぜ?忘れたのかい?」


    花村「あっ、調子こいてすいませんでした……」シュン…


    七海「あっ、スリーサイズは生徒手帳を見てね」


    花村「うひょーーーーーーー!!!!」



    左右田「なんで年齢のほうがダメなんだよ!?」ガビーン!!


    田中「左右田、それ以上はいけない」


    左右田「いや、なんでだよ!!?年齢ぐらいいいじゃねーか!!」ガビーン!!


    田中「それ以上は触れてはならない領域なのだ!!理解せよ!!」


    左右田「なんか納得がいかねーぞ……」





    澪田「え!?創ちゃんってば、胸囲91もあんの!!?」ガビーン!!


    左右田「で、オメェーは何に注目してんだ、こら!!」ガビーン!!


    七海「ふふふ、そうそう。日向くんって着やせするタイプなんだよね。見たことあるけど、思ったよりがっしりしてるんだよね」



    左右田「見たことあるんかーい!!」ガビーン!!






    罪木「ちょっとまってくださーーーーい!!!!!」反論!!



    七海「ほう。なにかな、罪木さん?」


    罪木「私は見たことがあるうえに【触ったこと】があります!!」


    花村「なん……だと……ッ!!?」



    七海「ぐあああああああああああああああ!!?」ビクッ!!





    >>Break!!<<



    左右田「なんか、ダメージ受けてるぞ!!?」ガビーン!!


    七海「ぐっ、やるね、罪木さん。だけど……、罪木さんのことだから、【医療行為】でのことに決まってる!!それ以上の意味は持っていないはずだ!!」


    罪木「ぐああああああああああああああああ!!?」ビクッ!!



    >>Break!!<<


    左右田「図星かよ!?」ガビーン!!



    西園寺「見たことも触ったこともねーよ!!ちくしょー!!!!」



    >>Break!!<<



    左右田「なんで、おまえまでダメージ受けてんだよ!!?」ガビーン!!






    狛枝「で、いつまで……、この茶番は続くのかな?」



    七海・罪木「「調子こいてすいませんでした……」」



    田中(俺の胸囲93には誰も触れてくれないのか……)ガッカリ…




  357. 431 : : 2016/05/06(金) 19:23:56

    狛枝「まぁ、緊張がほぐれたところで、ボクから質問させてもらっていいかな?」


    七海「うん、どうぞ」


    狛枝「まずは、キミの立場をはっきりさせておきたい。ボクらの持つ情報では、キミが【未来機関のNo.7】であり、【モノクマとも協力関係】にあるとわかっている。さっきキミもなんとなくは認めていたけれど、今一度確認しておきたい」


    七海「うん、狛枝くんの言うとおり。私は未来機関のメンバーで、モノクマにも協力しているよ」


    狛枝「それって、未来機関を裏切ったって、モノクマについたってことでいいのかな?」


    七海「どっちつかずってほうが正しいかな。私は自分の目的のために、未来機関とモノクマに協力しているの」


    狛枝「それじゃあ、キミの目的っていうのは?」


    七海「私の目的は、日向くんを取り戻すこと。ただそれだけだよ」


    左右田「ちょっとまてよ。それじゃあ、やっぱりおまえは日向と面識があるってことか!?」


    七海「うん、そうだよ。私は日向くんのことをこの島に来る前から知っている。みんなと同じでね……」


    花村「それじゃあ、【取り戻す】ってどういうことかな?きみは誰かに日向くんを奪われたの?」


    七海「そう、私は日向くんと過ごすはずだった大切な時間を奪われたの」


    西園寺「時間を奪われた?」


    七海「西園寺さんならわかってくれるんじゃないかな?私も日向くんと約束したことがあるの」


    七海「けれど、その約束は果たされることはなかった」



    七海「だって、【希望ヶ峰学園】が日向くんを連れていっちゃったからね……!!」



    狛枝「希望ヶ峰学園が……!!?」


    田中「なぜ、そこでその名が出てくるのだ!!?」


    七海「それを話す前に、日向くんがこの島に来る前の最後の記憶ってなんだったか覚えてる?」




    澪田「この島に来る前の最後の記憶……?」


    花村「確か、日向くんは高校の入学式に向かおうとしていたんだよね?」


    罪木「そうでしたね。私たちは希望ヶ峰学園の入学式に出席しようとしていたら、いつのまにかあの教室に閉じ込められていました……。ですが、日向さんだけは【希望ヶ峰学園】ではない、普通の高校の入学式だと言っていました」


    田中「だが、奴も同じように俺たちと同じ教室にいた……。モノクマの言うには、俺達はすでに希望ヶ峰学園で過ごしていたが、その記憶を奪われたと言っていた」


    左右田「その記憶を奪ったのは、モノミや七海の所属している【未来機関】なんだよな?そして、モノクマは、日向も希望ヶ峰学園の生徒であり、【超高校級の才能】があると言っていたよな?」


    左右田「ただ、日向にはその記憶はまったくないし、自分の才能もわからないようだがな」


    七海「そう、その通りだね」


    狛枝「いまさら、どうしてそんなことを聞いたんだい?日向クンの記憶については重要だとは思うけれど、そこからどうして、日向クンが希望ヶ峰学園に奪われたなんて話につながるんだい?」


    七海「日向くんは、【小高高校】に入ろうとして意識を失った」


    七海「じゃあ、その校門の先には誰がいたと思う?」



    狛枝「え……?」



    七海「私はそこで初めて日向くんに出会ったの」


    狛枝「キミは、まさか……!!」ビクッ!!


    七海「あの報告書の内容を知っているなら、私が希望ヶ峰学園の生徒でないことは、もうわかっているよね?私はみんなとは違う、普通の高校生なの」


    七海「そう。私は普通の高校生で、普通の高校である【小高高校】に通っていたの……」



    罪木「七海さんが日向さんと同じ高校に通っていた!!?」ビクッ!!


    左右田「マジかよ……!!?」ビクッ!!


    花村「それが、日向くんときみの関係だったのか……!!」



    七海「今でも忘れたことはないよ……。あの時、初めて彼と出会ったときのことを……」


  358. 432 : : 2016/05/06(金) 19:26:28


    俺の名前は日向創。


    どこにでもいる普通の高校生だ。


    いや、正確にはまだ高校生じゃないな。


    今日は小高高校の入学式。


    ここから俺の高校生活がスタートするんだ。


    俺は未来に期待を膨らませて、門をくぐった……。







    ???「きゃあ!!!?」ドカッ!!


    日向「うお!!?すみません!!大丈夫ですか!!?」ビクッ!!


    ???「う、うん。大丈夫……。よそ見しててごめんね」



    日向「い、いや……、こちらこそぶつかって悪かった!!」


    ???「だ、大丈夫だってば……」


    日向「ん?もしかして君も新入生なのか?」


    ???「う、うん。まぁね……。そういうあなたも?」


    日向「ああ、俺の名前は日向創。よろしくな!!もしかしたら、一緒のクラスになれるかもしれないな!!」


    ???「え?この学校クラス多いから、そんな偶然ないと思うんだけど……」


    日向「なら、一緒に確かめに行こうぜ!!」


    ???「えぇ!!?ちょっと待ってよ!!?」







    日向「おっ、俺は7組だ!!」


    ???「う、うそ……。私も7組だ」


    日向「君も7組か!!よろしくな!!!」


    ???「え、えぇ、うん……」


    日向「よし、じゃあ入学式に向かおうぜ!!」


    ???「あ、あのさ……」


    日向「ん?」


    ???「なんかさ。さっきから無駄にテンション高くない?」


    日向「そりゃあ、これから新しい生活が始まるんだ!!わくわくするに決まってるだろ!!」


    ???「わくわくねぇ……。学校なんてそんなつまらないことばっかだと思うけれど……」


    日向「でも、もうすでにおもしろいことが起きてるじゃないか」


    ???「へ?」


    日向「校門をくぐって初めて出会った人が、まさかの同じクラスだった。なんかおもしろいことが始まる気がしないか?」


    ???「私としては変な人に、入学早々からまれたって感想しかないんだけど……」


    日向「そういや、君の名前を聞いていなかったな……」


    ???「いや、人の話を聞いてよ……」


    日向「名前を教えてくれたら、聞いてやってもいいぞ」


    ???「はぁ、まだ入学式も始まってないのに疲れるなぁ……」


    日向「う……。ごめんな……。俺、うっとうしいか……?」


    ???「さぁてね。まぁ、いいや、さっさと入学式に向かおうよ」






    ???「それで、私の名前は…………」





  359. 433 : : 2016/05/06(金) 19:30:29




    七海「退屈だと思っていた高校生活が、彼のおかげでとっても楽しいものになったんだ……」




    七海「本当に楽しかった……!!気がつけば、学校で彼に会うのを毎日楽しみにしている自分がいたの」





    左右田「……七海、おまえ」



    罪木「七海さんも、日向さんのことが好きだったんですか……?」


    七海「どうかな?考えたことがないわけじゃないけれど、日向くんもそんなつもりはなかったみたいだし、あの時の私に恋愛感情があったかどうかはわかんないな」


    七海「私は彼との時間が楽しかったから、ただの友人でも満足だったよ。もっとも、あのまま何事もなく時間が経てば、この気持ちが恋心になっていたのかもしれないけれどね……」


    田中「何事もなければと言うのは、やはり……」



    七海「高校生活最初の1年目の夏休みが過ぎた後の、2学期が始まった時に私は初めて日向くんの【転校】をしったの」


    七海「結局、日向くんは半年ぐらいしか小高高校にいなかった」


    狛枝「もしかして、日向クンが転校した先って言うのは……!!?」


    七海「もちろん、希望ヶ峰学園だよ……」


    七海「私は日向くんに希望ヶ峰学園なんかにいってほしくなかった!!」


    七海「彼となら素敵な高校生活を過ごせると思っていた……!!」


    七海「けれど、私たちの高校生活はもう戻ってこないんだ……!!」


    七海「いっぱい一緒にやりたいことあったのにッ!!約束したことだってあったのに!!私の願いはもう叶わないんだ!!!」


    七海「だって、もう日向くんが小高高校から去ってから、2年も経ってるの!!最終学年になって、周りは自分の進路や夢に向かって進み始めているの……!!」


    七海「私だけが、このどうにもならない気持ちを抱えたままなの!!」


    七海「私の時間だけが、あのときからずっと止まったままなんだ……」



    花村「七海さん……」



    七海「何度も忘れようと思った。何度も彼のことを嫌いになろうとした……!!」


    七海「けれど、嫌いになれなかったよ……!!だって、私は彼と過ごした時間を否定したくなかった!!」


    西園寺「……あんた」


    七海「……そういえば、この島に来てまもないころ、西園寺さんと一緒にこの島を探索したことがあったね」


    西園寺「……それが、どうしたの?」


    七海「やけに日向くんを嫌うあなたを見て、あのとき思ったの」


    七海「ああ、私もあなたみたいに、日向くんを嫌いになれれば楽だなぁって……」


    七海「もっとも、あなたが心の底では日向くんを嫌っていないことは知っていたけれどね……」


    西園寺「……あんた、あのとき、そんなこと考えていたの!!?」ビクッ!!



    七海「嫌いになれたら、未来機関に入ることもなかったし、この島にくることだってなかったのになぁ……」



    七海「本当に、なんでこんなことになっちゃんたんだろう……」



    七海「私は、もう一度日向くんに会いたかっただけなのにね……」
  360. 434 : : 2016/05/10(火) 01:20:35
    kitaiです。
  361. 435 : : 2016/05/10(火) 20:58:32
    更新キタ━(゚∀゚)━!
    本当に面白いです!頑張ってください!!
  362. 436 : : 2016/05/28(土) 03:26:24
    >>434
    kanshaです。


    >>435
    ありがとうございます!!
  363. 437 : : 2016/05/28(土) 03:27:59

    左右田「日向と七海の間にそんな関係があったとはな……」


    花村「けれど、どうして日向くんは七海さんのことだけ忘れているんだろう?」


    花村「ぼくたちとのことも完全には覚えていないようだけれど、きみのことだけは全く覚えていないっていうのは気になるね」


    七海「……」


    狛枝「七海さん、それについてはどうなんだい?」


    七海「……日向くんの記憶が現在どうなっているかは、私にも完全には把握できていない。私は専門家じゃないしね」


    狛枝「ずいぶん、いい加減なんだね……。それとも、キミ以外に専門家がいるのかい?例えば、この中に……ね?」


    左右田「オイオイ!!?七海やモノミ以外にも、オレらの中に未来機関がいるってのかよ!?」


    狛枝「みんながそれぞれ本当に希望ヶ峰学園での記憶を失っているかどうかは証明する方法がない。現に、七海さんは記憶を奪われてはいなかった。この中に嘘をついている。もしくは、何かを隠している人はまだいるとボクは思っている……」


    西園寺「……当然と言えば、当然の考え方だね。例え、本当は希望ヶ峰学園で一緒に過ごしていた事実があるのだとしても、今のわたしたちはこの島で初めて出会った状態だものね」


    罪木「みなさんを疑いたくはないです……。けれど、実際に九頭龍さんや辺古山さんのような人や、七海さんのように未来機関の人もいましたしね」


    西園寺「意外だね。誰も疑いたくないとか断言すると思ったのに……」




    罪木「盲目的に誰かを信じてしまっている人間の危うさは、よくわかっているつもりですから……。けれど、完全に疑うつもりもありません」


    西園寺「なるほどね……」


    西園寺「わたしも、盲目的に誰かを疑うことはやめた。そのかわり、ちゃんと考えると決めた」



    西園寺「七海。あんたのこともちゃんと見極める。小泉おねぇのためにもね……!!」






    左右田「……な、なんか二人がかっこいいこと言ってんぞ!!?」ガビーン!!


    西園寺「うっさい!!かっこわるいあんたは黙ってろ!!」


    左右田「オレはかっこわるくねぇ!!わ、悪くないははずだ……。ね、願わくば……」


    花村「よ、弱気になりすぎでしょ!?」ガビーン!!



    狛枝「西園寺さんや罪木さんがしっかりと考えてくれていて頼もしいよ。それで、話を戻すけれど、キミが記憶の専門家じゃないなら、記憶の専門家とは一体誰のことなのかな?」


    七海「私の上司にあたる人だね。ちなみにこの中にはその人はいないよ?」


    狛枝「それじゃあ、この島のどこかにでも潜んでいるのかな?」


    七海「この島にもいないよ?この島には私たち16人、モノクマ・モノミ以外には誰もいないもの」


    狛枝「上司ね……。その人も超高校級の生徒なのかな?【記憶】を取り扱うことができるような才能を持つね……」


    七海「正解。未来機関の中ではNo.2の位置にいる」


    狛枝「そう……、No.2ね……」


    左右田「No.2か……。そういやよぉ、そのナンバーってなんなんだ?というか、そもそも未来機関ってどんな組織なんだよ?どんな理由があって、オレたちをこの島に閉じ込めてこんなことしてるんだ?」


    澪田「あと、千秋ちゃんと創ちゃんの関係、そして千秋ちゃんの動機はわかったけれど、千秋ちゃん自身が未来機関に属している理由がわかんないっすよね?どうやってその組織に入ったんすか?」



    七海「なかなか鋭い質問を投げかけてくるね……」


    左右田「おまえにも事情があるんだろうけれど……、オレたちはほとんど情報もなにもない状態だからな」


    七海「うん、わかっているよ……。私も出来る限りの範囲では答えたいと思う」




    七海「まずは、未来機関について……。未来機関は私の知る限りでは7人のメンバーで構成されている」


    花村「え!?たった7人!?」ビクッ!!


    澪田「そんな小規模な組織なんすか!!?」ビクッ!!
  364. 438 : : 2016/05/28(土) 03:30:31


    七海「誰でも組織に入れるわけじゃないし、今回のこの島でのことは秘密裏に行っていることだから、人手不足は仕方ないの」


    狛枝「7人か……。なら、ナンバーから察するにキミが一番新参者ってわけ?」


    七海「たぶんね。ちなみにナンバーは組織に入った順番をそのまま表しているの」


    七海「まぁ、もしかしたら私が知らないだけで、後続のナンバーを持つメンバーも実は存在しているのかもしれないけれどね」


    狛枝「なら、No.1がリーダーであり、少なくともキミは残りの6人については知っているということか……」


    七海「No.1がリーダーなのは間違っていないけれど、私はその顔を知らない」


    西園寺「は?自分の所属している組織の責任者が誰かわかんないの?」


    七海「その正体を知っているのは、未来機関の立ち上げ時にいた2人だけ。No.1本人と、No.2の二人だけってこと……。No.1からの伝達事項はNo.2を通じて私たちに伝えられるの」


    罪木「仲間にも正体を隠しているなんて……」




    澪田「な~んか一気に中二くさいハナシになってきたっすねぇ……」チラッ


    田中「なぜ俺を見る?」


    澪田「眼蛇夢ちゃん、そういうの好きそうだなって」



    田中「ふん、この俺様は孤高たる存在。俺様には関係のない話だ」フッ…







    澪田「で、本音は?」




    田中「大 好 物 だ !!」ドーン!!




    田中「もう一度いう!!」




    田中「大」



    田中「好」



    田中「物」



    田中「だ!!」ドーン!!





    澪田「やっぱ好きなんすねぇ~」



    左右田「余計なことに尺を使うんじゃねぇ!!!」ガビーン!!

  365. 439 : : 2016/05/28(土) 03:33:04


    西園寺「……にしても自分の素性を知られたくないとかずいぶんなやつなんだね。わたしだったら、そんな組織入りたくないよ……」


    七海「まぁ、私の場合知人がすでに組織にいたからこそ、入ることができたんだよね」



    狛枝「もしかして、その知人って不二咲千尋のこと……?」



    七海「うん。私はお兄ちゃんのおかげで、未来機関の存在、そして日向くんが希望ヶ峰学園にいることを知ったの」



    花村「え、今なんて!?」ビクッ!!


    七海「私が未来機関に入れたのは、不二咲千尋のおかげだって言ったの」


    花村「いや、そうじゃなくって!!【お兄ちゃん】って、え!!?」



    左右田「オイオイオイ!!七海は日向と同い年なんだろ!!?んで、日向がオレらと同じ77期生だとしたら、なんでその後に入った不二咲千尋がおまえの兄ちゃんなんだよ!!?」



    左右田「……っていうか、名字が違うだろーが!!」


    七海「左右田くん?年齢の話はタブーだって言ったよね?」


    左右田「いや、それとこれとは話が別だろ!!?」ガビーン!!





    七海「お兄ちゃんの希望ヶ峰学園への入学が遅れたのは、まぁ、よくある理由だよ」



    七海「それに、七海って私の本名じゃないんだ。私の本当の名字は不二咲っていうの」



    澪田「さらっと、すごいこと言われた!!?」ガビーン!!



    罪木「じゃあ、七海千秋という名前は偽名ってことですか……?どうして、偽名を……?」


    七海「私、不二咲って名字が嫌いだったの」


    七海「みんな不二咲って名前を聞けば、優秀なプログラマーである不二咲千尋のことを聞いてくる……。おまえは、あの不二咲千尋の妹かって、私に聞いてくるの……」



    七海「家族のみんなは、私をそうやって比べるような真似はしなかったけれど……、周囲から【不二咲千尋の妹】として見られていることが、私にとっては辛かった……」



    七海「……って話を日向くんにしたんだけど、そうしたら……」
  366. 440 : : 2016/05/28(土) 03:35:21





    日向「名字が嫌いか……。それって、遠まわしに下の名前で呼べって言ってるのか?」



    ???「ちょ、そういう話じゃなくって……!!」



    日向「だが、女子を下の名前で呼ぶのは恥ずかしいな……」




    ???「そ、そこは恥ずかしいんだ……!?」ガビーン!!






    日向「よしっ、俺がおまえにニックネームをつけよう!!」ドーン!!



    ???「えぇ!!?」ガビーン!!









    日向「俺たちは運命的な出会いをし、なおかつ同じクラスだった。よしっ!!【7組】だから、【ななみ】でどーだ!!」ズギャーン!!





    七海(不二咲)「どぇええええええええええ!!!?」ガビーン!!





    日向「よし、決まりだ!!クラスのみんなにも広めてくるぞ!!」ダダッ!!




    七海「ちょ!!なんて行動力!!?待ってよぉ!!」ダダッ!!










    七海「……その日から、クラスのみんなは私を七海と呼ぶようになったの」



    澪田「は、創ちゃんのネーミングセンスェ……」


    七海「けれど、私はこのニックネーム結構気に入ってたんだよね」


    七海「だって、【七海】って、私のことだけを指す言葉なんだからね」



    罪木「七海さん……」






    七海「もっとも、もし日向くんと結婚したのならば、不二咲って名字から本格的に逃れられるけれどね……!!」バーン!!


    罪木「ちょ、調子にのらないでくださぁい!!!?」ガビーン!!




    狛枝「名前の件はともかく、不二咲千尋のおかげでキミは未来機関に入ることができたということか」


    七海「うん、そして、私はちょうど7人目のメンバーだったんだ。ここまでいくと、なんか出来過ぎて怖くなってくるくらいだよね……」





    左右田「そういえば、終里のやつが、七海っていう名前だからNo.7なんじゃないかとか言っていたが……」


    花村「あながち間違いじゃなかったんだね……」



  367. 441 : : 2016/05/29(日) 23:13:10
    面白いの 続きが楽しみ
  368. 442 : : 2016/05/30(月) 14:41:41
    ずっと読んでいたいくらい面白いなこれ
  369. 443 : : 2016/06/02(木) 02:13:32
    続き早く読みたい
  370. 444 : : 2016/06/04(土) 02:16:01
    >>441

    >>442

    >>443


    ありがとうございます!!
    いろいろごちゃごちゃしてきて、自分でも話の展開についていけてない状態ですが、頑張ります。
  371. 445 : : 2016/06/04(土) 02:18:48

    狛枝「……未来機関に入ることができた理由はわかったけれど、それでもキミが入った動機がわからない」


    狛枝「だって、日向クンが希望ヶ峰学園にいるとして、彼に会うだけなら未来機関に入る必要なんてないよね……?」


    左右田「そういえば、そうだよな。それに日向のやつが希望ヶ峰学園に入学しているなら、ネットで調べれば簡単にわかるんじゃないか?」


    左右田「まぁ、まさか日向が希望ヶ峰学園に入学しているとは思わなかったにしてもだ……」


    左右田「それに、おまえの目的だったら……、不二咲千尋に教えてもらった時点で日向に連絡が取れるようにしてもらえばいい。そうすれば、なぜ日向がおまえに何も言わずに希望ヶ峰学園に入学したかも、わかるかもしれないしな……」


    左右田「そう考えると、狛枝の言う通り未来機関に入らなくてもおまえの目的は達成できるよな?まぁ、日向が小高高校に戻ってくるかどうかは別問題だが……」



    狛枝「もっと言えば……、やり方はどうあれボクたちの心の問題にキミが関わるメリットはないよね?」


    狛枝「未来機関に入った以上、ボクたちを助けることが義務づけられていたのだとしても、だったら、なおさらキミが組織に入るメリットはないはずだ……」