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苗木「女子のみんなから全力で逃げるッ!!」

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  1. 1 : : 2014/08/09(土) 12:24:43
    ゴクリ…

    苗木と桑田は息を呑み、真剣ににらみ合った。

    彼らの近くには、舞園が作ったケーキが置いてあった。

    そして…

    拳を固め…

    相手に突き出した。

    「「さいしょはグー!!」」

    「「ジャンケン…!!」」

    「「ポン!!」」

    桑田;パー 苗木;グー

    桑田「…!!」
    苗木「…!!」

    苗木が負けた。



    苗木(助かったぁ…)

    舞園「…桑田君、味はどうですか?」

    桑田「う…美味い…よ…うん…」

    舞園「そうですか…」

    舞園製ケーキには、江ノ島製「超高校級に白くて辛いわさび」がたっぷり入っていた。

    苗木(ジャンケンなんて滅多に勝ったことないけど…助かった…)

    ボクはこの隙に逃げた。

    江ノ島「チッ」


    霧切「苗木君、ちょっといいかしら」

    苗木「駄目。ごめん!」

    苗木はその場を走り去った。

    霧切「…」

    霧切が隠した片手には、手錠が握られていた。

    江ノ島「チッ」


    苗木部屋


    苗木「やばいよ!霧切さんまで敵にまわっちゃったよ!」

    葉隠「頑張れ!」

    苗木「無責任すぎるよ!」

    時は3分前に遡る…

    十神「僅か3分で何があった」

    苗木「黙って回想を見る!」
  2. 2 : : 2014/08/09(土) 12:25:27
    食堂


    舞園「みなさーん。ケーキはいかがですか?」

    桑田「マジか!やっふうう!」

    葉隠「丁度腹減ったとこだべ!」

    苗木「じゃあ、遠慮なく貰おうかな」

    江ノ島「みんなー。これ要るー?」

    苗木「ん?」

    江ノ島は、写真をばらまいた。

    それぞれが拾う。

    「…」

    …苗木が、江ノ島やこまるとイチャイチャしてる写真だった。

    苗木「…えっ!?ちょっ…!?」

    舞園「…苗木君?」

    苗木「い…いや…これ…!!」

    江ノ島「んじゃーアタシはこれもっとばらまいてくんねー」

    苗木「ちょっ…!待っ…!」

    止める間もなく、江ノ島はどこかへ行った。

    桑田「…ぅお!?舞園ちゃん!?なにしてんの!?」

    苗木「え?うわ!?」

    ケーキに、何か白いものが乗っかっていた。

    見た目的に違和感は無いけど…

    苗木「この臭いって…!?」

    舞園「あ、さっき江ノ島さんがこれを譲ってくれたんですよ」

    苗木「『超高校級に白くて辛いわさび』…!?」

    舞園「はいどうぞ、苗木君」

    苗木「いやいやいや…!」

    桑田「よかったな苗木」

    苗木「いやいやいや!」

    舞園「どうぞ食べてください?」

    苗木「そ…そうだ!ジャンケンして、勝った人が食べるってことで!桑田クン逃げないで!」

    桑田「あ!くそ!葉隠えええ!!」
  3. 3 : : 2014/08/09(土) 12:25:44


    苗木「…で、ジャンケンして今に至る…と」

    十神「…今に全女子群が敵になるぞ…」

    苗木「そ…そんなに許せないこと…?」

    葉隠「そもそも苗木っち!この写真は何だべ!?」

    苗木「それは…その…」

    苗木「…罰ゲーム…だよ…」

    「は?」

    苗木「前に、いきなり江ノ島さんが押しかけてきて…強制的に王様ゲームさせられて…運が悪くて何回も命令されて…」

    十神「…全て計画されたものだな」

    苗木「ああぁぁ…」

    山田「下手したら、マジで殺されかねませんぞ」

    苗木「ぁぁああああぁぁ…」

    桑田「誤解解けばいいだろうが」

    苗木「う…うん…」

    バアン!

    扉が蹴り開けられた!

    朝日奈「苗木!!ちょっといい!?」

    苗木「いや!無理!駄目!」

    朝日奈は露骨にバットを持って来た!

    大神「…朝日奈よ。それでは怪我では済まさんぞ…」

    苗木「大神さん!誤解なんだってば!分かって!」

    大神「…苗木よ」

    苗木「大神さん…!」

    大神「どんな理由があろうとも…あんな事をする輩は許せぬ…!」

    ゴゴゴゴゴ…!

    苗木「ダメだこれ!」

    十神「逃げるぞ!山田!葉隠!」

    山田「お任せあれ!」

    葉隠「やってやんべ!」

    山田「ふんっ!」

    ガァン!!

    山田が振り下ろしたハンマーを、大神は片手で受け止めた!

    山田「なぁ…!?」

    大神「ふっ…!」

    山田「なんのこれしき…!!」

    大神「…!!」

    山田は、全体重をハンマーにかける…!

    耐えきれず、大神は両手を使った!

    朝日奈「さくらちゃん!」

    葉隠「すまん朝日奈っち!」

    ガッ!

    朝日奈「っ!」

    朝日奈の注意が逸れた隙に、葉隠は朝日奈の両手を壁に押しつけた!

    十神「いくぞ苗木!」

    苗木「うん!」

    2人が足止めされている間に、2人は部屋を出て行った…
  4. 4 : : 2014/08/10(日) 11:12:00
    廊下


    苗木「うわっ!?」

    床一面、写真で覆われていた。

    大和田「…こりゃ回収は不可能だな」

    十神「ふん。暇な奴だ」

    石丸「まったく!滑って転んだら危ないじゃないか!」


    学園1F


    苗木「はぁ…はぁ…!」

    モノクマ「アーッハッハッハ!頑張ってるみたいだね!」

    十神「!」

    苗木「モノクマ…!!」

    走っている苗木達を遮るように、目の前にモノクマが現れた。

    モノクマ「ここで少しゲームをはじめよっか」

    モノクマ「ボクは希望ヶ峰学園6階に居ます。見事そこまで辿り着けた場合、苗木クンの誤解を解いてあげるよ!」

    苗木「…」

    モノクマ「どーすんの?やんの?やらんの?」

    苗木「…やるよ…!」

    モノクマ「んじゃ、待ってるねー」

    モノクマは去って行った…

    苗木「…」

    十神「さっさと行くぞ」

    苗木「うん…」

    大和田「要するによ、6階まで突っ走ればいいんじゃねえか?」

    十神「…そうもいかないようだな」

    石丸「む?」

    石丸「なんと!?2階へのシャッターが開いてないではないか!」

    ガラガラガラガラ…

    苗木「!」

    音を立てながら、シャッターが開いていく…

    十神「なるほど、何か条件を満たせば開くわけか。面白いじゃないか」

    苗木「今回は条件は無かったんだね」

    十神「行くぞ」

    苗木達は2階に上がった。


    2F
  5. 5 : : 2014/08/10(日) 19:42:38
    セレス「ごきげんよう」

    苗木「セレスさん…!」

    階段を上ってすぐ、セレスが現れた。

    十神「妨害に女子共を使うというか…」

    苗木「セレスさん!あの写真は誤解なんだってば!」

    セレス「ふふふ…。何か言いました?」

    苗木「ダメだ!やっぱり聞く耳持たない!」

    セレス「さて…ここは通しませんわ」

    十神「いや、通る」

    セレス「ならば仕方ありませんわね」

    チャッ

    …銃

    セレス「眠っていただきますわ」

    苗木「!」

    ダン!

    銃声が響いた。

    チッ

    苗木「…」

    苗木のアンテナに少しかすった…

    苗木(…殺される…!)

    逃げ道は…

    苗木(…プール…走ればギリギリ入れるか…?)

    十神「苗木。分かってると思うが、プールには入るな」

    苗木「え?何で?」

    十神「セレスのことだ。都合よく逃げ込めるわけがない。ま、苗木が罠にかかりたいっていうのなら別だが?」

    苗木「じゃあどうするの?」

    十神「さっきの通りだ。誰かを囮に使う」

    苗木「…で?」

    十神「セレスを捕まえ、次のシャッターを開ける方法を 聞き出す」

    苗木「…分かった」

    苗木「で、その囮役は?」

    十神「苗木だ」

    苗木「うん、じゃあ頼んだよ…って、えええええ!?」

    セレス「!?」

    苗木「何でボクなの!?てっきり大和田クンあたりかと!」

    十神「声が大きい。理由は簡単だ。お前が狙われているからだ」

    苗木「いやだからこそ逃げるべきでしょ!?ボク軽く殺されるよ!」

    十神「…苗木」

    苗木「…え?」

    十神「じゃあお前は、他の奴等を殺したいのか?」

    苗木「…」

    十神「一番囮に向いているお前が怖がっていると、他の奴等を危険に晒すんだぞ」

    苗木「…わかったよ」

    十神「よし」
  6. 6 : : 2014/08/10(日) 23:37:07
    苗木「…で、どうしたらいい?」

    十神「お前は何もしなくていい」

    苗木「え?」

    十神「大和田」

    大和田「ん?」

    十神「苗木を投げろ」

    大和田「おう」

    苗木「いやおうじゃないでしょ!?」

    ヒョイ

    っと、苗木は軽々と持ち上げられた。

    苗木「わあ!?ちょっ!タンマ!」

    ブン!

    苗木「うわあ!!」

    苗木はセレスの上に投げられた!

    セレス「!」

    ダダダダダダダ!

    苗木を追って、銃が連射される。

    …が、苗木には当たらなかった。

    苗木「…っと!」

    苗木はセレスの奥に着地。

    ダダダダダ!!

    その直後、苗木を狙って銃が撃ちまくられる!

    苗木「うわ!うわあ!」

    十神「よし!石丸!」

    石丸「うむ!」

    セレス「ッ!」

    こっそりセレスの後ろまで来ていた石丸が、セレスを押し倒した。

    セレス「くっ…!」

    ダン!

    石丸「…!」

    セレスは倒れたまま、石丸に向かって撃った。

    大和田「兄弟ッ!!」

    十神「あの至近距離…外す方が難しいな…」

    苗木「…!」

    ドサ…

    石丸は、セレスの上に倒れた。

    セレスは、石丸に押されて動けなくなった。

    十神「チャンスだ!大和田!これを使え!」

    十神は大和田に紐を渡した。

    大和田「どっから出したのかしらねーが、分かった!」


    十神「セレス確保」

    セレス「くっ…無念ですわ…」

    セレスが捕まったのと同時に、次のシャッターが開いた。

    大和田「兄弟ッ!兄弟ッ!返事をしろ!!」

    未だに石丸は倒れていた。

    セレス「…催眠銃ですわ。別に死んだ訳じゃありません」

    十神「石丸はここに置いてけ。荷物になる」

    大和田「んだとゴラァ!!兄弟が荷物だってのかぁ!?」

    十神「ああ。ならお前は、それを背負ったままいつも通り動けるのか?」

    大和田「やってやんよ…!!」

    苗木「ちょ…二人とも!」

    セレス「大和田君。石丸君は、少なくとも3時間は眠ったままですわ。ここで休ませてあげてくださいな。身の安全は保証しますわ」

    大和田「クッ…!」

    十神「いくぞ」

    苗木「…っていうか十神クン、さっきから命令しかしてなくない…?」

    十神「それの何が悪い。俺は司令塔だ」


    3F
  7. 7 : : 2014/08/11(月) 16:01:57
    階段を上ってすぐに娯楽室

    ドアが開いて

    無数のダーツ

    苗木「が飛んできたあああ!!」

    十神「戻るぞ!」

    ガガガガガガ!

    無数のダーツは、床や壁や天井を埋め尽くした。

    苗木「…」

    苗木達は、改めて3階へ。

    十神「なるほど、妨害に使うのは女子共だけじゃないって事か」

    苗木「罠かぁ…」

    大和田「…こりゃ刺さったらヤベーな…」

    苗木達は、次の階段へ向かう。

    苗木「…」

    罠を恐れて、少しずつ進む…

    ゴー!

    苗木「うわあ!」

    急に壁から火炎放射!

    十神「ッ!走れ!」

    十神の言うとおりに、すぐさまダッシュした。

    すると…

    ガシャン!

    苗木「…」

    さっきまでいたところに、鉄格子が現れた…

    大和田「あのままのっそり歩いてたら、捕まるところだったな…」

    苗木「いつの間にこんな罠を…」

    十神「いくぞ」

    苗木「あ、うん」

    美術室の前あたりまで来た時。

    ガー

    苗木「…ん?」

    大和田「なんだこの音

    ガーーー!

    苗木「…あれって…」

    十神「…厄介なのが現れたな…」

    台車に紐で縛り付けられて乗せられてる腐川が、すごい勢いでこっちに向かって来た。

    ガーーーーー!!!

    腐川「止めて止めて止めて止めて止めて止めて止め…!!あ、白夜様」

    苗木「急にすごい冷静になった!」

    腐川「あああああ!!白夜様あああ!!止めてくださいいいい!!」

    腐川を乗せた十神は、すごい勢いで十神に向かって行く!

    十神「断る」

    ヒョイ

    十神は避けた。

    腐川「ああああああああ!!」

    ガッッ!!

    美術室の入り口の横の壁に当たり、止まった。

    バリバリバリ!!

    苗木「!?」

    その瞬間、腐川はすごい電気を浴びた!

    大和田「…罠か?」

    十神「だな」

    苗木「うわあ…」

    十神「まずいな…逃げるぞ!」

    苗木「え?」

    ブチィ!

    苗木「え?」

    紐が切れた音がした。
  8. 8 : : 2014/08/12(火) 16:38:00
    ゴゴゴゴ…

    実際そんな音はしてないが、そんな雰囲気だ…

    苗木「腐川…さん…?」

    十神「逃げるぞ」

    苗木「え!?」

    ジェノサイダー「逃がすかあ!!」

    苗木「え!?」

    ジェノサイダーは、壁を蹴った!

    そして、すごい勢いで苗木達の方へ向かって来た!

    ジェノサイダー「ゲラゲラゲラ!!」

    苗木「どうするの!?ジェノサイダーから逃げられるとも思えないんだけど!?」

    十神「くっ…!」

    大和田「心配するな!俺にいい考えがある!」

    苗木「本当!?」

    大和田「ああ!」

    ガッ!

    大和田は、十神を掴んだ!

    大和田「こうすんだよ!!」

    ブン!

    十神「ぎゃあああああああ!!!!」

    十神は、ジェノサイダーに向かって投げられた!

    苗木「…」

    大和田「な?」

    苗木「う…うん…まあ…いいか…」

    十神「てめえらああああああああ!!!!」

    十神「ああああああああああああ!!!!」

    苗木「…」

    ガラガラガラ…

    シャッターが開いた…

    大和田「行くぞ」

    苗木「う、うん」


    4F
  9. 9 : : 2014/08/12(火) 16:53:51
    苗木「あ、ちょっと情報処理室見てみる?」

    大和田「そうだな」

    ガタガタガタ…

    苗木「あれ、開かない…」

    大和田「チッ。そう簡単にはいかねーか…」

    モノクマ「…」

    苗木「ッ!」

    大和田「!」

    後ろにモノクマがいた!

    大和田「てめえ!モノクマ!」

    モノクマ「ごめん!」

    苗木「え?」
    大和田「あ?」

    シャキィ!

    爪を出した。

    苗木「ちょっ…!!」

    シャッ!

    苗木と大和田は、モノクマの攻撃をかわした。

    大和田「んだコイツ!」

    苗木「モノクマ…っていうか、江ノ島さん…なんだよね…?」

    大和田「苗木!後ろ!」

    苗木「え?うわっ!」

    ガッ!

    苗木の後ろから攻撃してきたモノクマを、大和田が止めた。

    苗木「あ…ありがとう…」

    大和田「おう…しかしなんだこりゃ…」

    苗木「何かがおかしい気がする…」

    不二咲「…」

    苗木「…!」

    モノクマの後ろに、不二咲が現れた…

    苗木「不二咲さん…!」

    大和田「まさか…次の相手は不二咲か!?」

    不二咲「うん…ごめんね…出来るだけ痛くしないから…」

    バチィ…

    苗木「ちょっ…!」

    不二咲が持っていたのは、スタンガンだった。

    苗木「いやいやいやいや!!止めてっ!!」

    大和田「おい不二咲ぃ!どうしたんだよ!」

    不二咲「…ごめんねぇ…」

    不二咲「えっと…使い方はこれでいいのかな…」

    バチ…バチチ…

    苗木「やばいって…今までで一番危険じゃない!?」

    大和田「しかもモノクマも居るときた…。こりゃあマジで危ねえな…」

    苗木「…全力で逃げないと…」

    バチチチチッ…
  10. 10 : : 2014/08/13(水) 16:46:00
    大和田「おらあ!」

    ズドオン!!

    モノクマを蹴散らし、モノクマを爆発させ、不二咲から逃げる。

    大和田「で、どーすんだ!?」

    苗木「今までの流れだと、やっぱり捕まえなきゃ…だめかな…」

    大和田「不二咲相手ならなんとかなるかもしれねえが…1つ大きな問題がある」

    苗木「何?」

    大和田「捕まえる為の物がない」

    苗木「…」

    大和田「十神は下に置いてきちまったしなぁ…」

    苗木「今から追いついて来てくれないなぁ…」

    バリリリリ!!

    苗木「うわあ!」

    モノクマもスタンガンを両手に装備した。

    苗木「だから、これ誰が操作してるの!?」

    大和田「やっぱ江ノ島じゃね!?」

    不二咲「あ、違うんだよ。それ、人工知能プログラム。誰も操作してないよ」

    苗木「うぇ!?」

    大和田「誰も操作してなくてこの能力かよ…」

    苗木「もうモノクマだけでいいじゃん…」

    不二咲「まあ、声だけはモノクマを通して伝えられるんだよ」
    モノクマ「まあ、声だけはモノクマを通して伝えられるんだよ」

    苗木「へぇ」

    大和田「それは便利なのかよく分からないが…」

    苗木「ところで大和田クン。話を戻すけど、スタンガンを使うわけにはいかないかな…」

    大和田「なるほどな…スタンガンを奪うのか…」

    大和田「で、不二咲に使うと」

    苗木「う、うん…」

    苗木「っ!」

    一本道の廊下で、前後をモノクマに囲まれた。

    苗木「やばっ…」

    バチチチチ…!

    苗木「なんかさっきより電力上がってる気がするんだけど…!?」

    大和田「…苗木」

    苗木「…ん?」

    大和田「俺があっちに逃げる。お前は、反対側に逃げて、音楽室に逃げ込め」

    大和田「そして、隙を突いてスタンガンを奪え」

    苗木「なっ…!?そんなこと…!」

    大和田「やるしかねえんだ!このまま逃げ続けても意味が無いだろうが!」

    苗木「…分かったよ」

    苗木「絶対、生き延びててね!」

    大和田「おうよ!」

    苗木は、向かって来るモノクマを回避し、音楽室に逃げ込んだ。
  11. 11 : : 2014/08/14(木) 13:07:39
    面白い!
    期待!
  12. 12 : : 2014/08/14(木) 14:40:00
    >>11ありがとうございます!
    尚、執筆終了後に非表示にするので、ご了承ください。
  13. 13 : : 2014/08/14(木) 14:57:22
    音楽室


    苗木「はぁ…はぁ…」

    苗木(大和田クン…大丈夫かな…)

    苗木「…ん?」

    ステージの上に、何か光ってる物が…

    苗木「これ…」

    苗木「鍵…?」


    廊下


    バチチチチ!

    大和田「くっ…!」

    大和田(かわしてもかわしても次が来る…!)

    バチチチチ!


    苗木(大和田クン…)

    苗木は見つからないように、階段の場所まで移動した。

    そして苗木は鍵を使った。

    ガチャ

    ガラガラガラ…

    苗木(やった!)

    音をたて、シャッターが開いた。


    大和田「!?」

    飛んできたモノクマが、急に倒れ込んだ。

    不二咲「あ…あれ…?」

    大和田「電池切れか?」

    不二咲「電池切れなんてあり得ないんだけど…」

    大和田「…で、どうするんだ?」

    不二咲「…」

    不二咲「いくよ…!」

    大和田「そうか」

    不二咲は、スタンガンを大和田に向けて走った。

    …が、あっさり大和田に止められた。

    大和田「…不二咲。何があったんだ」

    不二咲「…」

    大和田「…チッ」

    ぽろ…

    不二咲はスタンガンを落とした。

    大和田「…」

    ガッ

    そしてそのスタンガンを空中で蹴った。

    大和田「なっ?!」

    ビリッ!

    大和田に電気がかすった。

    大和田「ッ!」

    不二咲「ごめん!」

    大和田が一瞬ひるんだ隙に、スタンガンを拾い、大和田に当てた。

    バリリリリリリ!!

    大和田「うおああああああああ!?」


    バリリリリリリ!!

    苗木「!?」

    苗木「大和田クン!?」

    苗木は大和田の様子を見に行った。

    苗木「…!?」

    大和田にスタンガンが当てられ、大和田は倒れた。

    苗木「大和…」

    苗木「…」

    助けに行こうとした…が…

    苗木(…)

    苗木(大丈夫…不二咲さんなら…少なくとも大和田クンを危険に晒したりしない…)

    苗木(既に危険だけど…)

    苗木(きっと、起こしに行ったら大和田クンに怒られるよね…)

    苗木(…)

    苗木(不二咲さんが気付く前に…ボクは早く上に行って…)

    苗木(これを…終わらせよう…)


    5F
  14. 14 : : 2014/08/17(日) 07:38:20
    苗木「…」

    苗木(ついに1人になっちゃったけど…)

    苗木(…うん。きっと大丈夫)

    舞園「待ってましたよ、苗木君」

    苗木「!」

    静かな廊下から、声が響いた。

    そして、舞園が現れた。

    苗木「舞園さん…」

    霧切「だけだと思った?」

    苗木「!?」

    霧切も現れた。

    苗木「舞園さんと…霧切さん…!?」

    舞園「ふふ…。苗木君、覚悟してくださいね?」

    霧切「分かってると思うけど、手加減は一切、しないわよ」

    苗木「くっ…!」

    苗木(流石に分が悪すぎる…)

    苗木(多分最強コンビだよ…この2人…武器もしっかり持ってるし…)

    苗木(それに対して…丸腰のボク1人?)

    苗木(無理にも程がある…)

    苗木(今逃げ込める場所といえば…下は不二咲さんがいるだろうし…教室だけか…)

    苗木(…ここよりはマシかな…)


    苗木(…プール…走ればギリギリ入れるか…?)

    十神「苗木。分かってると思うが、プールには入るな」

    苗木「え?何で?」

    十神「セレスのことだ。都合よく逃げ込めるわけがない。ま、苗木が罠にかかりたいっていうのなら別だが?」


    苗木(いや…思い出せ…霧切さんのことだ…それくらい想定済みのはず…)

    苗木(ここは…)

    苗木「正面突破だッ!」

    苗木は走り出した。
  15. 15 : : 2014/08/17(日) 15:15:47
    苗木(ひるむな…突っ切れ!)

    足に向かって包丁を振る舞園。

    対して霧切は、持っている手錠を構えようともしなかった。

    苗木は、包丁をかわして踏み、霧切の横を走り抜ける…!

    ガチャン!

    苗木「ッ!?」

    走り抜けようとしたとき、強い力に手首を引っ張られた。

    そのまま苗木は尻餅をついた。

    手首を見ると、右手だけに手錠がかけられていた。

    手錠の反対側は、霧切が握っていた。

    苗木「いつの間に…」

    霧切「舞園さんを避ける事に集中してたんでしょ?それに対して、構えようともしなかった私には、注意が疎かになっていたようね」

    霧切「右手の進路上に持ってくるだけで、簡単にかかったわ」

    苗木「くっ…」

    舞園「作戦成功ですね!」

    霧切「ええ」

    苗木(あっさり捕まった…)

    苗木(ボクは…ここで終わりなのか…)

    苗木(…)

    苗木(…いや…!)

    苗木(ここで諦めたりしないぞ…!)

    試しに、手錠を強く引っ張ってみた。

    苗木「ッ…!」

    しかし、苗木の手首に食い込むだけで、霧切の方は全然動かなかった。

    霧切「無駄よ。それに手錠というものは、鍵が無いと絶対に外れないわ」

    霧切は…相変わらず無表情だが…勝ち誇ったように、輪にかかっている鍵を回した。

    舞園「江ノ島さーん!苗木君捕まえましたよー!」

    苗木「まだ…まだぁ…!」

    ぎりぎり…

    更に強く引っ張った。

    霧切「…」

    霧切が、力に耐えきれず一歩前に出る程度だった。

    霧切「もう諦めなさい。苗木君」

    苗木「諦める…もんか…!」

    ぎりぎり……
  16. 16 : : 2014/08/19(火) 17:35:20
    苗木(よし…!)

    苗木は、右腕を霧切の方に振った。

    霧切「っ!」

    急に抵抗がなくなり、霧切は後ろに倒れた。

    苗木「っうわ!」

    手錠を掴んだまま霧切が倒れたので、苗木も巻き添えを喰らった…

    苗木「っと…!」

    反射的に、近くにあった舞園の手を掴んだ。

    舞園「っきゃ!?」

    霧切「…うっ…!」

    舞園は、霧切の上に思いっきり倒れた。

    苗木は、舞園の上に倒れた。

    苗木「あ…2人とも大丈夫!?」

    苗木は素早く起き上がりつつ、もう一度手錠を強く引っ張った。

    霧切「…!」

    力が出なかったのか、霧切は手錠を離した。

    苗木「やった!」

    舞園「あっ…!」

    今度は、舞園が手錠を掴んだ。

    …が、すぐに離してしまった。

    苗木「っとと…」

    バランスを立て直して、苗木は廊下を突き進む。

    舞園「あー…」

    霧切「仕方ないわね…追いましょう…」

    舞園「はい…」

    舞園と霧切が起き上がり、苗木を追いかけ始めた。
  17. 17 : : 2014/08/21(木) 14:42:27
    タッタッタ…

    ジャラジャラ…

    走る音と、手錠が揺れる音が重なる。

    苗木(うるさいけど…霧切さんの鍵を取らないと外れないんだよなぁ…)

    一旦、苗木は植物庭園に逃げ込んだ。


    植物庭園


    苗木「はぁ…はぁ…」

    モノクマフラワーの後ろで小さくなる。

    苗木(さて…どうしようかな…)

    未だに手錠は取れない。

    これはもう、取るのは諦めた方がいいだろう。

    ガチャ

    苗木「っ!」

    舞園「苗木君ー居ますかー?」

    舞園が現れた。

    舞園「居なかったら返事してくださーい」

    苗木「それ返事出来な…

    舞園「苗木君発見です!」

    苗木「ああ!?」

    苗木は思わず突っ込んでしまった。

    モノクマフラワーの裏に回り込んで来た舞園は、やっぱり包丁を装備していた。

    舞園「あんまり痛くしませんから、大人しくしてくださいね?」

    苗木「そんなの、包丁を輝かせながら言っても、全く説得力無いんだけど…」

    舞園が走り始めた。

    苗木「っ!」

    シャ!

    ガッ!

    包丁は横に振られ、モノクマフラワーに刺さった。

    舞園「あら?」

    苗木「危ない危ない…」

    結構深く刺さって、抜けそうも無い。

    苗木(あんなの受けたら…)

    舞園「よっ」

    抜けた。

    苗木「!?」

    苗木は、もう一度舞園から逃げるように走り出した。

    ガシャン!

    苗木「うわ!?」

    急に足が引っ張られて、苗木は倒れた。

    苗木「な…何これ…?!」

    動物を生け捕りにする為の罠だった。

    苗木(痛くはない…けど…これじゃあ身動きが…)

    舞園「苗木君確保…ですね」

    苗木「くっ…!」

    舞園「また暴れ出すと困るので、縛っちゃいますよー」

    またどこから取りだしたのか、長い縄と手錠を装備していた。

    苗木(まだ…何か…どうすれば…)

    苗木(何かが閃きそうなんだ…!)
  18. 18 : : 2014/08/23(土) 19:02:36
    この罠は、割と簡単に解除できる…だから舞園さんは、縛ろうとしている…

    考えろ…

    霧切さんは来ていない…

    考えろ…

    今なら隙を見て逃げ出せる…

    考えろ…!

    一旦目を逸らさせるんだ…!

    考えろ…!!

    舞園「あ」

    考えろ…!!!


    れ あ す だ け ん な た て と

    あれなんだ


    苗木「あ!あれ何だ!?」

    舞園「えっ?」

    舞園の注意が逸れた!

    苗木(今だッ!)

    罠を外し、逃げる!

    ガチャン!

    苗木「!?」

    舞園「ふふ…逃がしませんよ?」

    苗木(な…なんて手強い…)

    舞園の腕には、手錠がはめられていた。

    苗木「…ッ!!」

    苗木(これじゃあ…絶対逃げられない…!)

    苗木(鍵を持ってるのは…霧切さんだけ…)

    苗木「…」


    れ あ す だ け ん な た て と


    苗木(それなら…単純だ…)


    たすけて


    苗木「霧切さんッ!!助けてッ!!」

    苗木(霧切さんに来て貰えばいいんだ…!)

    舞園「!?」
  19. 19 : : 2014/08/29(金) 11:58:08
    ザッ…

    ガチャ

    霧切が現れ、舞園の方についている手錠を外した。

    その間、僅か0,2秒

    苗木「ッ!」

    苗木(予想以上…!)

    苗木は、そのまま逃げた。

    舞園「…はっ!?」

    あまりに一瞬の出来事で、舞園は一瞬ボーッとしていた。

    舞園「霧切さん!?何で!?」

    霧切「ちょっとね」

    舞園「…?」

    霧切「ほら、早く苗木君を追いかけましょう」

    舞園「は、はい…」

    ガシャン!

    舞園「わっ!?」

    舞園の足が罠にかかった。

    霧切「先に行くわよ」

    舞園「えっ!?ちょ…霧切さん!?」

    霧切「武道場よ。じゃあね」


    武道場


    苗木「はぁ…はぁ…」

    鎧の裏に隠れて、一息ついた。

    ガラガラ…

    苗木「…っ」

    武道場の入り口が開かれた。

    霧切「苗木君、出てきて。私はあなたの味方よ」

    苗木「…」

    霧切「ま、ここに隠れるところなんて無いわよね。鎧の裏にでもいるのかしら?」

    苗木「…」

    大人しく出てきた。

    霧切「舞園さんは、江ノ島さんに操られている」

    苗木「…えっ!?」

    霧切「いい?次に舞園さんに見つかったら、抵抗できないように手足を持っていかれるかもしれないわ」

    苗木「て…手足を持っていかれる…って…」

    霧切「6階への階段は、この階の一番奥…生物室に隠されているわ。寒いから気を付けて」

    舞園「霧切さんー?苗木君ー?」

    苗木「っ!」
    霧切「っ!」

    霧切「もう罠を取り外したのね…いい苗木君?鎧の裏なんかにいたら、逃げ場もなくやられるわ。私が隠してあげる。ロッカーに隠れなさい」

    苗木「う…うん…」

    苗木(…信じていいのか…?)
  20. 20 : : 2014/09/01(月) 19:50:10
    ー精神集中ー

    苗木(ロッカーに隠れること…それはつまり…)

    苗木(…鍵を掛けられると、開かなくなる事だ…)

    苗木(つまりそれは、霧切さんを疑うということ…)

    苗木(ただ、霧切さんを疑ってしまうと、次への階段の場所、霧切さんの今までの言葉を全て疑わなければならない…)

    苗木(今…ひとつひとつ考えてる時間はない…)

    霧 切 「 苗 木 君 … ? ど う し た の … ? 」

    苗木(早くしないと、すぐに舞園さんがここに来る…)

    苗木(まず、舞園さんとぶつかり合うのは避けたい…色々と危険だ…)

    苗木(次に、ロッカーに入ってしまったら霧切さんに閉じ込められてしまう危険性がある…)

    苗木(ただ…ここには、ロッカー以外の場所に隠れてもバレバレな場所しかない…見つけるまでもなく、数歩で見つかる…)

    苗木(外に出たら、舞園さんに見つかる…)

    苗木(今ボクに出来る最善の策は…)

    苗木「霧切さんッ!」

    霧切「!?」

    苗木は霧切の手を掴み、2人でロッカーに入った。

    苗木(…さ…流石に狭い…)

    ガラガラ…

    苗木「…ッ!」

    舞園が現れた。

    舞園は、近くを軽く調べ、次にロッカーを一つずつ調べた。

    ガチャ…バタン

    ガチャ…バタン

    苗木(…もう少し…)

    ガチャ…

    苗木達のロッカーを開けた。

    苗木(今だッ!)

    舞園「あっ…!」

    舞園が2人を見つけた時、霧切はロッカーを飛び出していた。

    苗木が霧切の背中を押して、舞園にぶつける。

    霧切「…!」

    また2人は倒れた。

    苗木「っと!」

    2人を越え、苗木は武道場を出て行く。

    苗木(罠かもしれないけど…向かう場所は一つだ!)

    苗木は廊下を走り抜けた。
  21. 21 : : 2014/09/08(月) 19:42:52
    ガガガガガ!!

    ジャキン!ジャキン!

    ズドオオオン!!

    ドゴオオン!!

    廊下には、罠が張られまくっていた。

    苗木(し…死ぬ…!!止まったら死ぬ!!)

    廊下を全速力で走り抜け、生物室に入る。


    生物室


    苗木「はぁ…はぁ…寒ッ…!」

    温度が異常に低い…

    苗木「それに…階段なんてどこに…?」

    ガチャ

    苗木「ッ!」

    扉が開いた。

    霧切「やはりここに来たわね」

    苗木「霧切さん…!舞園さんは…?」

    霧切「気絶してるわ。倒れたときに頭を打ったのよ」

    苗木「…」

    霧切「さてと」

    苗木「…!」



    ガコンッ

    苗木「…え?」

    霧切がスイッチを押すと、天井から階段が現れた。

    霧切「さあ、行きましょう」

    苗木「あ…うん」


    希望ヶ峰学園6F
  22. 22 : : 2014/09/19(金) 18:50:11
    6Fに来て、まず目の前にあったもの。

    それは赤い扉だった。

    苗木「これって…」

    霧切「…見覚えがあるわね…」

    希望ヶ峰学園1Fの扉と同じものだった。

    霧切「…ここで立ち止まっていてもしょうがないわ。入りましょう」

    苗木「う…うん」

    霧切が苗木の前に立ち、霧切は扉に手をかけた。

    ギイイィィ……


    霧切「…何か罠があるといけないわ。私が先に入るから、苗木君は後に続いて」

    苗木「えっ…!?」

    苗木が呼び止める暇もなく、霧切は、電気のついていない、暗い部屋に入っていった。

    苗木「霧ッ…!

    ガコン

    ヒュー…

    突如床が開き、霧切は落ちていった。

    苗木「…」

    霧切が落ちると、床はすぐに閉じた。

    苗木(生物室に落ちたのかな…いやでも…この下は生物室じゃない…)

    苗木(階段は、廊下と反対側に伸びてたから…この下は…生物室の壁の奥…)

    苗木(…希望ヶ峰学園の外?)

    江ノ島「うぷぷぷ…!」

    苗木「ッ!」

    扉の奥の暗い部屋に、江ノ島が立っていた。

    江ノ島「よくぞここまで辿り着いたわね!人間にしては、中々やるじゃない!」

    苗木「6Fまで来たぞ!これでいいんだよな!」

    江ノ島「もっちろん!まだだよ!」

    苗木「なっ…!」

    江ノ島「まだまだ楽しんでもらわないとね!アーッハッハッハ!!」

    パッ

    苗木「ッ!」

    突然、暗い部屋が明るくなった。

    その部屋は、所々に大きな柱や無駄な壁がある部屋だった。

    江ノ島「この時の為だけに作った部屋!この部屋の中で、私達から3レス分逃げる事!攻撃しても自ら捕まりに行ってもよし!とにかく逃げればいい!他にルールはない!」

    苗木「ちょっとまってツッコミどころが多い!!」

    江ノ島「苗木が完全に身動き取れなくなった時点でゲームオーバーだ!んじゃとっとと始めんぞ!準備はいいな!!」

    苗木「…ああもう!ここまで来たら、もうとにかくやってやる!!」
  23. 23 : : 2014/09/30(火) 23:44:21
    苗木は、走り出した。

    苗木(どうすれば早く終わる…?これは時間じゃなくてレス…すっごいメタな制限時間だけど…)

    苗木(とにかく長く生き延びるか…それか…)

    苗木(…ピンチになれば、そこで一旦区切られたりするかな…)

    苗木「…」

    苗木(いや!やっぱ無理だ!素直に逃げよう!)

    江ノ島「江ノ島トラップその1!」

    ポチ

    苗木「え?」

    シュタッ

    苗木「え?」

    上から何か…颯爽と降ってきた…

    戦刃「…」

    苗木「…え?」

    江ノ島「トラップ名;親方ー!空から女の子がー!」

    苗木「いやちょっと待って無茶すぎる!!」

    江ノ島「お姉ちゃん、やっちゃってー!」

    戦刃「…ごめん」

    戦刃は、苗木の背後に回り込んだ。

    苗木「ちょわあ!?」

    戦刃の殺気を感じ取って、苗木は反射的に戦刃から離れた。

    …が、戦刃は離れた苗木から離れず、一定の距離を保って追っていく。

    苗木(やばい…!今までの比じゃない…!!反則的に強い…!!)

    江ノ島「うぷぷ…!」

    苗木「くっ…!」

    フェイントをかけつつ全力疾走するが、振り切れない上に距離を狭まれている。

    苗木(…実力で勝てるわけない…)

    苗木(…なら…)

    苗木は、でっかい壁の後ろに隠れた。

    戦刃は、反対方向から回り込んできた。

    苗木「戦刃さん」

    苗木は小さい声で話しかけた。

    戦刃「…っ!?」

    不意に苗木から話しかけられて、戦刃はすごく驚いた。

    苗木「何でボクを捕まえようとしてるの?何か理由があるの?」

    戦刃「…ごめん」

    苗木「戦刃さん…」

    戦刃「…」

    苗木「じゃあ…えっと…これを終わらせるのに強力してくれたら、1回だけ戦刃さんの言うことを何でも聞いてあげるからさ…!」

    戦刃「…っ!」

    苗木「…って、駄目だよね…やっぱり…」
  24. 24 : : 2014/10/01(水) 00:07:07
    苗木は勝った、絶望なんて敵じゃない、苗木に叶うわけがない(理不尽奥義 フラグ乱立)
  25. 25 : : 2014/10/07(火) 21:08:11
    江ノ島「うぷぷ、さて。そろそろかな?」


    戦刃「…分かった」

    苗木「…えっ?」

    戦刃「…協力する」

    苗木「えっ?…えっ?」

    苗木(正直、ここまで上手くいくとは思わなかった…けど…)

    戦刃「…」

    苗木(…信じて大丈夫なのかな…?)

    戦刃「…盾子ちゃんを説得してくる…」

    苗木「え、ちょっと!?」

    戦刃は壁から少し顔を出し、様子を窺った。

    …そして、そのまま止まって1分ほど。

    苗木「…戦刃さん…?」

    …しばらくすると、戦刃は苗木に向き直った。

    苗木「…?」

    タッ

    苗木「…ッ!」

    戦刃は地面を蹴り、すばやく苗木に近づいた。

    反射的に、苗木は後ろに緊急回避。

    ガッ!

    苗木「うわッ!」

    尾を引いた、苗木の片腕についたままの手錠を掴まれた。

    そして、そのまま手錠を引っ張られる…

    苗木「なんてね」

    カチャリッ

    戦刃「…!?」

    苗木の手錠が外れた。

    力を入れすぎた戦刃は、そのまま後ろに倒れ込んだ。

    苗木(よしっ。霧切さんに貰っておいた鍵を、すぐに使わなくて正解だった!)

    苗木はそのまま逃げる…

    江ノ島「喰らええ!」

    ダダダダダダダ!!

    苗木「うわあ!?」

    逃げようとした方向から江ノ島が現れ、苗木に向かって銃を乱射した!

    苗木「うわ!うわぁ!待って!待って!!」

    苗木は必死に避けまくる。

    江ノ島「心配しなくていーって、粘着弾だし」

    苗木「え?」

    着弾したところを見てみると、何か変な物質が付いていた。

    苗木「うわ…」

    江ノ島「ヒャッハーーー!!」

    ダダダダダダダ!!

    苗木「うわあッ!!」

    江ノ島から逃げ、戦刃の横を通り抜け、全力疾走する!

    江ノ島「2番!」

    苗木「え?うわっ!!」

    ダダダダダダダダダダダダ!!!

    今度は前方から、誰かが機関銃で粘着弾を撃ってきた。

    苗木「くっ…!!」

    方向を変えて走る。

    既にいくらか粘着弾が付着してるが、体に付いてるだけなら問題ない。

    それに、下にある粘着弾を踏まなければ、足止めも喰らわない。

    江ノ島「5番!」

    バシャッ!

    苗木「危なっ!!」

    苗木の目の前から粘着液が飛んできて、足元が取られる前に回避した。

    苗木「はぁ…はぁ…うわっ!?」

    走った先には、大量の粘着弾がまき散らされていた。

    苗木(駄目だ…確実に捕まる…!)

    苗木(あと1レス…!!)
  26. 26 : : 2014/10/26(日) 12:30:20
    今や苗木の周りには、粘着液が張り巡らされていて、歩く隙間もない。

    粘着液の上を通れば、そのまま動けずに捕まる…

    そして何故か江ノ島と戦刃は、粘着液にかかる事無く、どんどん苗木の方へ近寄ってくる。

    苗木(な、何でかからないんだよ!?)

    苗木(あと1レスだけなんだ…持ちこたえよう…!!)

    江ノ島「1865番!」

    苗木「って何番まであるの!?うわっ!?」

    江ノ島達が来る方向とは逆方向の道が、粘着液で満たされて、地面が見えなくなった。

    苗木(そもそも、これはどうやってやってるんだ…?機械…?人…?)

    苗木(きっと、番号で場所と方法を指示しているはず…)

    江ノ島「4867番!」

    苗木「っ!」

    色々な場所から、何かが苗木に向かって投げられた。

    苗木「…ゴムボール…?」

    パァン!

    苗木「っ!?」

    空中で急に破裂し、破裂したボールから水が飛び出した。

    バシャア!

    中から出てきた水を、苗木は避けることも出来ずに被った。

    苗木「なにこれ…普通の水…?」

    パァン!パァン!

    次々と、空中で破裂していく。

    江ノ島「っははは!!水も滴るいい男って感じ!?」

    苗木(一体何が目的なんだ…?)

    江ノ島の方を見てみると、戦刃が銃で次々とボールを撃ち抜いていた。

    苗木(戦刃さんの仕業だった!!)

    江ノ島「さーてっクライマックスだ!」

    江ノ島が、苗木に向かって走った。

    苗木「えっ…!?」

    粘着液を踏みながら、江ノ島は苗木に向かって直進してきた。

    それを見て、苗木は後ずさりした。

    ペチャ

    苗木「あれ…?」

    粘着液を踏んだが、全然粘着していない…

    江ノ島「最初の方だけ本物を使えば、後の方でスライムを使っても分からないもんなんだよねー!」

    苗木「な…!?」

    江ノ島「ほらほら逃げろ逃げろー!ヒャッハーー!」

    苗木「うっ…全くもう!」

    苗木は、全速力で江ノ島から離れた。

    苗木(…え?重っ…)

    苗木の服が水を吸って、重くなっていた。

    江ノ島「そんな重い重りを持ったまま、いつまで逃げ切れるのか、見物だね!うぷぷぷ…!」

    苗木「この程度で…!」

    江ノ島「11037番!」

    苗木「うわああ!?」

    包丁が飛んできた!

    重い服を着ている上に歩きにくい苗木は、包丁を避けて転んでしまった。

    江ノ島「隙ありい!」

    苗木「…ッ!」

    江ノ島が、更にスピードを増して近づき、もうすぐ近くまで来ていた。

    苗木(終われ…終われ…!!)

    苗木(終われ…!!早く終われよ…!!あと1レスだけなんだ…!!)

    苗木「くっ…この…!!」

    苗木はパーカーを脱いで、江ノ島に叩きつけた。

    江ノ島「うわっ!」

    重いパーカーは、叩きつけると結構威力があり、そのまま江ノ島は倒れた。

    苗木「はぁ…はぁ…助かった…」

    戦刃「…助かってないよ」

    苗木「…」

    いつの間にか後ろに戦刃が居て、苗木の肩を掴んでいた。

    戦刃「ゲームオーバー…だね」
  27. 27 : : 2014/11/09(日) 18:13:28
    苗木「…っ!」

    苗木(全然気付かなかった…いつの間に後ろに…)

    江ノ島「残念、惜しかったね」

    江ノ島「さて…どうする?苗木」

    苗木「どうするって…」

    江ノ島「こっちとしては微妙なんだよねー。最初に”完全に身動きが取れなくなったらゲームオーバー”って言っちゃったわけだし、残念なお姉ちゃんは肩を掴んでるだけだしぃ?」

    苗木「!」

    戦刃「!」

    苗木は戦刃の手を振り払った。

    戦刃「…」

    江ノ島「はい、ゲーム終了。苗木の勝利となりましたー!わーいおめでとー!」

    苗木「…で、江ノ島さん」

    江ノ島「分かってる分かってる!ちゃーんと誤解は解いておくってば!わたしってぇ、有言実行するタイプなんだからさあ!」

    苗木「そんなこと本当に出来るの?」

    江ノ島「大丈夫大丈夫!江ノ島盾子ちゃんにお任せあれなのだー!」

    江ノ島「まあネタバレしてしまうとですね、今回の現象ですが。写真の効果もあるにはありますが、女子共が必死に苗木君を捕まえようとしていたのは、大半が別のある理由によるものなのです」

    苗木「ある理由…?」

    江ノ島「それが、今回私と交わしたある約束。”苗木クンを捕まえれば3日間独占してよい”というものです」

    苗木「はあ!?」

    戦刃「…」

    江ノ島「つまりだ!今まで散々テメーを追いかけ回していた奴等は全員!例外なく!苗木!テメーへの独占欲で動いていたわけなんだよ!」

    江ノ島「ヒャッハア!ここにきて衝撃の真実って奴だあ!」

    苗木「い…いやいや…ちょっと待ってよ!」

    江ノ島「はい…待ちます…質問タイムです…どうぞ…」

    苗木「え、あ、うん…」

    江ノ島「はい…質問タイム終了です…」

    苗木「ってちょっと?!早いよ!」

    江ノ島「時は金なり…もっと時間を大切にしましょう…。まあ、飽きただけなんですけどね…」

    江ノ島「つまり私様の一声でね、愚かな女子共は静まるのよ!分かったか人間よ!」

    苗木「う、うん。分かったからさ…」

    戦刃「…」

    江ノ島「お姉ちゃん残念だったねー!最後の最後で、苗木に抱きつきでもすれば勝ったかもしれないのにね!」

    江ノ島「ま、やっぱアンタは詰めが甘いんだよねー。だからこそ残姉ちゃんなんだけどさ!」

    江ノ島は、大声でそう言った後、苗木に小声で言った。

    江ノ島「残姉ちゃんも頑張ったわけだし、今度レーションでもあげてやってよ。それで元気になるから」

    苗木「え…うん…」

    江ノ島「さてとっ!じゃあ改造した学園も元に戻さないといけないし、女子共も静めないといけないし、さっさと下に降りよっかー」

    江ノ島は2人をつれて、下に降りていった。
  28. 28 : : 2014/12/02(火) 22:59:44
    体育館


    江ノ島の一声で、全員が体育館に集まった。

    みんな疲れ切っている様子だ。

    江ノ島「さてと。苗木は残念な事に、誰にも捕まらず、必死に逃げ切っちゃいましたー」

    江ノ島「まぁそういうわけだから、全員にこの写真を渡すね。もってけドロボー!」

    そういって江ノ島は、また写真をばらまいた。

    みんな急いで拾う。(特に女子勢の勢いがすごい)

    その写真は…

    苗木と江ノ島とこまるが、王様ゲームをしている写真だった。

    江ノ島「つーわけで、苗木は運悪く何度も私様に命令され続け、その結果があの写真なわけよ!分かったか人間共よ!」

    苗木「っていうかいつの間に撮ったのこの写真?!ちゃんと三人写ってるんだけど!?」

    江ノ島「隠しカメラを仕掛けることなど、私にとっては容易いのですよ。そのおかげで、苗木君のあんな写真やこんな写真が…」

    苗木「ってそれ犯罪じゃないか!いつの間にそんなもの仕掛けたんだよ!」

    江ノ島「じゃ、苗木。これやるから、焼くなり鑑賞するなり破くなりしなよ」

    といって、苗木は江ノ島に封筒を渡された。

    苗木「え?これって…」

    江ノ島「愚問だね」

    すぐさま、誰にも見えないように中を確認する。

    苗木「ちょっ…!ボクの写真が何枚も入ってるんだけど!?」

    江ノ島「中には、苗木の寝顔とか風呂の写真とか、無駄に技術を使って高画質で撮ってるよ!」

    苗木「本当に無駄だよ!何してるの!?馬鹿なの!?」

    江ノ島「じゃあアタシは帰って学園直してくるか。解散」

    苗木「え…ちょ…ちょっと江ノ島さん!」

    舞園「苗木君」

    苗木「え…?」

    苗木(何か…ものすごいオーラを感じる…)

    舞園「ちょっとその写真、見せてくれませんか?」

    苗木「い…いや…ちょっと…」

    セレス「わたくしにまず見せるべきですわよね?苗木君?」

    戦刃「…見たい」

    霧切「…隠しカメラの位置を把握する為に必要な資料よ。私に渡しなさい」

    苗木「え…ええっと…」

    十神「…逃げるぞ苗木。力ずくで奪ってくるぞ」

    苗木「う…うん…!!」

    苗木は逃げ出した!

    舞園「あっ…!!」

    セレス「うふふふ。逃がしませんわよ?」

    戦刃「…」

    葉隠「こ…こえーって!なんでこうなんだべ!」

    石丸「山田くんは脱落か?はっはっは!情けないな!」

    大和田「まぁあの体型じゃしゃーねーな!つかオレらも逃げる必要なくねえか!?」

    桑田「くっそ…なんで苗木だけ!」

    苗木「代われるなら代わってほしいよ!」

    十神「封筒を桑田に渡せばいいだろう」

    苗木「あ、そっか!はい」

    桑田「え」

    桑田の手に、封筒が渡った。

    直後、全てのオーラが桑田に向けられた。

    桑田「や…やっぱ…コレ…返すわ…」

    再び苗木の手に渡った。

    苗木「うわあああ!!」

    十神「落ち着け苗木。そもそもそれを見られたらまずいだろう。自分で保管しておけ。それくらい考えろ」

    苗木「ど、どうするのコレ!」

    十神「今回は目的がはっきりして、さっきよりよっぽど分かりやすいじゃないか。焼却炉に投げ捨てればいい」

    苗木「そっか!そういえば今、ゴミ捨て当番はボクだ!」

    十神「フッ…今までの人生の不幸続きの中、ようやく運が回ってきたようだな?」

    苗木「嫌味にしか聞こえないけど…とにかくこれを焼却炉に投げ捨てるまで…!!」

    苗木「女子のみんなから全力で逃げるッ!!」


    END
  29. 29 : : 2014/12/03(水) 02:38:36
    これはパート2ですね……(ゲス顔


    お疲れ様です。こっそり読んでました
  30. 30 : : 2018/11/14(水) 23:06:33
    期待!期待し過ぎて土下座なう☆

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