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ベルトルト「想い人。」

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  1. 1 : : 2014/08/04(月) 01:36:07
    登録して改めて投稿しますね(*^_^*)
  2. 2 : : 2014/08/04(月) 01:43:24


    ある日の夕食時
    ─食堂─

    ガヤガヤ‥ザワザワ‥


    ジャン「…なぁ、どう思う?」

    マルコ「どう思うって…何が?」

    ジャン「だーから、あいつらだよ。」ユビサシ

    マルコ「あいつら?(チラ)…ライナーとベルトルト?」

    ジャン「あぁ。」

    マルコ「そうだな…。二人とも成績良いし、僕も負けないように」

    ジャン「違ぇよっそこじゃねぇ!あいつらの関係だよ!!」

    マルコ「関係?んー、仲良いよね。」

    ジャン「(ピク)…仲が良い?甘いぜマルコ。」チッチッチッ

    マルコ「は…甘いって?」(なんか面倒くさいな今日のジャン)

    ジャン「あいつらは‘仲良し’なんつー可愛いもんじゃないってことだ。」

    マルコ「…何が言いたいんだ。」

    ジャン「いいかマルコ…よく思い出せ…普段の奴らを…。」

    マルコ「普段のライナー達…。」

    ジャン「あの二人は大概…」

    マルコ「いつも一緒にいるな。」

    ジャン「そう!!あいつらはいっっっつもベッタリベタベタベタベタ一緒にいやがる!!」

    マルコ「同郷だっていうし、昔からそうだったんじゃないか?気の置けない仲っていうか…」

    ジャン「それじゃあアルミンや死に急ぎ野郎はどうだ?あいつらだって生まれは同じだろ?確かに仲は良い、が…互いに他の連中とも交流を深めている。」

    マルコ「まぁそうだね。ミカサもいるし。」

    ジャン「そうだよ羨ましい!!!!」

    マルコ「え」

    ジャン「だが!!ライナー達は違う!あいつらは決まって二人でいる!!何故だ!!?」

    マルコ「(今のはスルーでいいのか。)何となく言いたいことは分かってきたよ。確かに、エレン達に比べると親交は薄いかもしれないけど、ライナーは皆に慕われてるじゃないか。何というか、兄貴分って感じだろ?ライナーも皆とじゃれ合ったりして楽しそうだし。」

    ジャン「なら、もう片方は…?」

    マルコ「もう片…ベルトルト?」

    ジャン「あぁ。…なぁ、あいついつも何してんだ?」

    マルコ「何って…僕が見かけたことあるのは、読書してたり、ライナーと話していたり、眠ってたり、食事してたり、あっライナーに付き添って出掛けてたこともあったかな。あとはライナーの……」

    ジャン「……なぁ、マルコ」

    マルコ「よせよせまさか、そんな…気にしすぎじゃ」

    ジャン「マルコ…!俺は、現状を、正しく、認識する事に、長けてるんだ…ッ!!」

    マルコ「ッ!!じゃねーよ。」

    ジャン「明日、直接確認してみようと思う。」

    マルコ「確認って、何を!?」

    ジャン「おいおい…んなの決まってんだろ…不純同姓交遊についてだよ。」

    マルコ「本気か…?」

    ジャン「それに、あいつら女子の間でコソコソ話題になってるらしいしな…益々怪しい。」

    マルコ「女子は好きだよねそういうの。」 

    ジャン「とにかく!明日、本性を暴いてやる!!俺は…俺は真実を曝す!!」

    マルコ「一々大袈裟なんだよな。」

    ジャン「だからマルコ!!もし、もしも俺に何かあったら…代わりにあいつらの真実を」

    マルコ「ふざけろ一人でやれ。」

    …………
    ………
    ……

  3. 3 : : 2014/08/04(月) 01:51:21
     



    翌日
    ─訓練終了後─


    ジャン「よぉ、ベルトルト。」

    ベルトルト「ジャン?何か用かい?」

    ジャン「いや、まぁなんだ…たまには世間話でも、どうだ?」

    ベルトルト「世間話?」

    ジャン「あぁ。嫌か?…それとも何か用事でもあるか?例えば…ライナー、とか。」

    ベルトルト「ライナー?いや、別にないけど。」

    ジャン「そうか。じゃあ、部屋戻ろうぜ。」

    ベルトルト「うん。」(珍しいな)


  4. 4 : : 2014/08/04(月) 01:52:59
    ─男子寮─

    ベルトルト「それで、話って?」

    ジャン「ん、あぁ…。なぁベルトルト…単刀直入に聞く。素直に答えてくれ。お前がどう答えようと、俺はお前を軽蔑したりしない…そのままの答えを受け入れる。俺はただ真実が知りたいんだ、お前の…。」

    ベルトルト「真実…。」(なんだ…まさか何か感づかれたのか?いや、でも…それをわざわざ僕に言うか…?)

    ジャン「お前…」

    ベルトルト「…ッ…」(だけどもしそうだとしたら…その時は…)


    ジャン「 好きな奴いるのか? 」


    ベルトルト「……………はぇ?」

    ジャン「正直に答えろベルトルト!!いるのか!!?いないのか!!?」ガシッ

    ベルトルト「わっあッぃ、いるよっ!!!」

    ジャン「!!…いる、のか…?」

    ベルトルト「っ!!」(しまった!!なんか色々調子崩された!!)

    ジャン「そうか、いるのか…。」

    ベルトルト「なんだよ…話ってそれ…」

    ジャン「ど、どんな奴だっ?」

    ベルトルト「え、どんな…って…」

    ジャン「お前の好きな奴!どんな奴だよ!性格とか癖とか、あんだろ色々!」

    ベルトルト「そ、それはっ…!!」(赤面)

    ジャン「!!」(いつも物静かで感情なんか滅多に出さねえのに…本気、ってことか…それだけ…)

    ベルトルト「そんな事聞いて、どうするんだよ…。」

    ジャン「個人的に知りたいだけだ。悪いようにはしねぇ。…頼む、教えてくれ!!」

    ベルトルト「っ…………ハァ…わかったよ…但し、絶対に他言無用だからね?約束、してくれるね?」

    ジャン「あぁ!」

    ベルトルト「…んん…え、っとそうだな…その…その人は…強い、人だよ。それにすごく、優しい…。でもぶきっちょなところがあって…そんなところを支えてあげたいな、なんて…ね。」

    ジャン「強くて優しい不器用な……」
    ─……対人格闘技のライナー‥サシャにパンをあげるライナー‥誉めたつもりが逆にコニーを怒らせるライナー‥etc.etc.……─

    ジャン「な、なぁ、ちなみに…外見の特徴は?」

    ベルトルト「えっそ、そこまで!?」

    ジャン「頼む!!!」

    ベルトルト「……き…綺麗な金髪だよ…」

    ジャン「」

    ベルトルト「これ以上は、言えない。」

    ジャン「それ以上は、聞けない。」

    ベルトルト「話って、これだけ?」

    ジャン「あぁ……ベルトルト。」

    ベルトルト「まだ何かあるの?」

    ジャン「お前、本気で好きなのか?」

    ベルトルト「!……うん。好きだよ。ずっと…好きだったんだ。」

    ジャン「!!…そ、か……その、告白、とかは…しないのか?」

    ベルトルト「まさか。出来る訳ないよ。そんな勇気ないし、それに…」

    ジャン「…?」

    ベルトルト「すごく、幸せなんだ…今。」

    ジャン「!!」

    ベルトルト「その人がこの世界に存在してるだけでいい。同じ時間を過ごせてるだけでいい。欲張っちゃうと、少しだけ…少しだけでも長く、傍にいられたらなぁ、なんて…。」

    ジャン「ベルトルト…。」

    ベルトルト「…さっき、告白しないのか?ってジャンは言ったけど…告白って自分の想いを伝えることだよね?」

    ジャン「あ、あぁ…やっぱり、分かって欲しいからな…俺は、こんなに好きなんだって…。それにまぁ、あわよくば…って、な…。」

    ベルトルト「はは、ジャンは素直だね。」

    ジャン「う、うるせーなっ…いいだろ、別に。…後悔したくねぇんだよ…いつどうなるか分からねぇ、明日があるかさえ、保証されねぇ…だったら、好きなもんは好きだって、言ってから死にてぇんだよ。」

    ベルトルト「!…そうか…うん。…僕はね、僕は…その逆、かな。」

    ジャン「は?逆って、何だよ?」

    ベルトルト「んー…伝わらなくていいんだ。」

    ジャン「…え…」

    ベルトルト「伝わらなくていい。……どうか、伝わらないでほしい。どうか、知らないでいてほしい。…最後まで。」

    ジャン「な、んだよそれ…なんで」

    ベルトルト「その方が幸せだからだよ。その人にとって。」

    ジャン「だけど、それじゃ…」

    ベルトルト「言っただろ。僕はもう幸せをもらったんだ。その人が生まれてきてくれたから…僕は…。だから今度は、幸せにしたいんだよ。その為なら僕はきっと何だってするし…何もしないよ。

    こういうの、臆病者って言われるんだろうけど

    僕はそれでも構わない。」



    …………
    ………
    ……
  5. 5 : : 2014/08/04(月) 01:55:00
    次の日の朝
    ─食堂─

    マルコ「で、どうだったんだ?成果はあった?」

    ジャン「いや…。」

    マルコ「どうしたんだよ。昨日のテンションはどこいった?」

    ジャン「なぁマルコ…人の幸せって、なんだろうな。」

    マルコ「…ジャン?」

    ジャン「俺はさ、こんな性格だからよ…好きなら好きだって言っちまいてぇ……でもそれは俺の気持ちをぶつけてるだけで、そこに相手の気持ちだの、感情だのを思いやる考えは皆無だ。なんつーか、オナニーみたいだ。」

    マルコ「……」

    ジャン「マルコ…もし、もし相手の幸せの為に自分の意志を…気持ちを殺して、ただ傍にいたいだなんて言う馬鹿がいたら…そいつのこと臆病者だと思うか?」

    マルコ「…ジャンは、その馬鹿をどうしたいんだ?」

    ジャン「俺は…」

    マルコ「きっとジャンは間違ってないよ。」

    ジャン「!…ありがとな、マルコ。」



    ジャン「ベルトルトー!」

    ベルトルト「あ、おはようジャン。」

    ライナー「よう。」

    アニ「…」

    ジャン「おう。」チラッ

    ライナー「?」

    ジャン「ライナー!!」

    ライナー「(ビクッ)お、おう。」

    ジャン「お前、絶対幸せになれよ!!」

    ベル・ライ・アニ「……」ポカン

    ジャン「お前の為じゃねぇ!!お前を…お前の幸せを願ってる奴の為にだ!!」

    ベル・ライ・アニ「……」

    ジャン「わかったな!!」ダダッ

    ライナー「えっおい!」

    アニ「何あれ。」

    ライナー「ジャン…。」(クリスタ…やっぱり結婚しよ)

    ベルトルト「………っぶ」

    ライ・アニ「!!」

    ベルトルト「ッ…あっは、アッはははっ!!」

    ライナー「ベ、ベルトルト?」

    アニ「?」

    ベルトルト「あははっふ、あぁーもーっフフッはっ」

    ライナー「な、なんだ?どうした?」

    アニ「変な奴。」

    ベルトルト「何でもないよ、さっ行こうか!」

    ライナー「あ、あぁ。」

    なんか元気だなお前
    そう?いつも通りだよ
    気持ち悪い
    えっ?!
    アニ、お前なぁ…
    ……



    ─後日─

    「でね!2人を思って身を引いたんだって!!」
    「えー健気ーっ」
    「やードラマみたーいっ」キャッキャッ
    「でも意外だよね、なんか」
    「まさかだよねぇ」
    「 ジャンってベルトルトの事好きだったんだね 」
    キャー三角関係!!引き裂かれる愛!!
    「でもでも!ベルトルトもジャンの事好きだったみたいだよ?」ずっと好きだったってベルトルトがジャンに言ってるの男子が聞いたんだって!
    「やーっ!ライナーはぁ!?」うそっ二股!?キャーキャー


    その後、女子からの熱い視線が3人に注がれたのは言うまでもない。彼女達のフィルターにかけられた(身勝手な)恋の行方を知る者は誰もいない。



    Fin
  6. 6 : : 2014/08/11(月) 23:47:35

    ジャン…現状を正しく理解出来てませんでしたね(笑)
    みんなかわいい♪
    楽しませて頂きました。
  7. 7 : : 2014/08/12(火) 22:28:02
    それが、彼の良いところだと思っています(^-^)
    あ、かわいいですか??よかったです。
    楽しんでいただけて幸いです。
    コメントありがとうございました(っ´ω`c)

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kirin-tanuki

たぬこ

@kirin-tanuki

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