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エレン「108年の囚人達」

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  1. 1 : : 2014/06/14(土) 20:10:16

    ~845年・シガンシナ区~











    カッッッッッッッッッッッッッ!!!!!!
















    ドオォォォォォォォォォォォォォォォォォォォンッ!!!!!!!!!
















    エレン「何だ!?今の音は!!」


    ミカサ「向こうから…!!」


    アルミン「あ…あぁ…」







    エレン「どうしたんだアルミン!?一体何が見えるってんだ!?」


    アルミン「馬鹿な…あそこは…」





















    アルミン「…あの“堀”は、深さ50メートルだぞっ!!!」





















    ガッ…





















    ヌッ…































    超大型巨人「」ゴゴゴゴゴゴ…


  2. 2 : : 2014/06/14(土) 20:10:49


















































  3. 3 : : 2014/06/14(土) 20:25:40


    今から100年程前、人間を捕食する巨人が突如として出現した。


    巨人の脅威から逃れるため、人類は深さ50メートル、幅50メートルの巨大な「堀」を作り上げた。


    堀の内側へと逃げ込んだ人類は、巨人の脅威から逃れることに成功した。
















    しかし、この日…

  4. 4 : : 2014/06/14(土) 20:25:58


















































  5. 5 : : 2014/06/14(土) 20:40:50


    超大型巨人「」ゴゴゴゴゴゴ…









    エレン「巨人…馬鹿な!?奴らはどんなにデカくても15メートルのはず!!」


    エレン「あの堀から顔を出すなんて、あるワケがねぇっ!!」


    アルミン「どうなってるんだ…?奴は堀の中から出現したって言うのか!?」


    ミカサ「…見て!」











    超大型巨人「」グッ…











    超大型巨人「」ググググググッ…!











    エレン「あいつ、堀を登る気だ!!」


    アルミン「だけど、あっちは堀の外側だ!!僕らを襲う気なら、内側に登るはずでは!?」











    超大型巨人「」グオッ…











    ミカサ「向こう側に登り切った…」

  6. 6 : : 2014/06/14(土) 20:55:19


    エレン「でけぇ…。堀から顔を出したってことは、60メートルくらいあるんじゃねぇか…?」


    アルミン「わざわざ外側に出て、何をする気なんだ?」











    超大型巨人「」グラァ…


    一同「!!」











    エレン「あいつ、こっちに倒れるぞ!!」


    アルミン「あの巨体じゃ、堀の端から端まで届いてしまう!!」











    超大型巨人「」グラァ…
















    超大型巨人「」バターンッ!!
















    ドオォォォォォォォォォォォォォォォォォォォンッ!!!!!!!!!!!


  7. 8 : : 2014/06/14(土) 21:10:22


    エレン「うあぁぁぁっ!!!すげぇ衝撃だっ!!!」


    アルミン「何という揺れ…!」


    ミカサ「…っ!」











    超大型巨人「」シュゥゥゥゥ…











    アルミン「動きが止まった…。まるで石のようになった…?」


    ミカサ「石化…?皮膚を硬質化させたの…?」


    エレン「…悠長なこと言ってる場合じゃなさそうだ」











    巨人「」ゾロゾロ…











    住民「巨人だっ!!巨人共が、デカブツを架け橋にしてこっちに入って来るぞ!!」


    住民「何てこった!!まさかこんな形で堀が突破されるなんて!!」


    住民「内地へ逃げろっ!!シガンシナはお仕舞だっ!!」


    住民達「うわあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!!!!!!」ダダダダダッ!!


  8. 9 : : 2014/06/14(土) 21:25:08

    巨人「」ゾロゾロ…











    アルミン「僕は…夢でも見ているのか…」


    ミカサ「アルミンっ!!私達も早く逃げないと!!」


    エレン「待て!まだ家に母さんが居るっ!!」ダッ!!


    ミカサ「エレンっ!!」











    巨人「」ゾロゾロ…











    エレン「…っ!」チラッ


    エレン(何で…突然こんなことになっちまったんだ…)


  9. 11 : : 2014/06/14(土) 21:40:06


    ~避難船・船内~



    アルミン「…」


    ミカサ「…」


    エレン「…クソッ!!」


    アルミン「エレン、落ち着いて。気持ちは分かるけど…」


    エレン「何で…母さんがどこにもいねぇんだよ…!」


    ミカサ「きっとおばさんも逃げてるはず。心配することはない…と思う」


    アルミン「そうだよエレン。きっと内地の避難先で会えるよ」







    エレン「クソ…クソォ…」


    ミカサ「エレン…」

  10. 12 : : 2014/06/14(土) 21:55:07

    避難民「お…おい!何だあれは!!」


    エレン「!?」


    アルミン「何だ…あの姿は…」


    ミカサ「…鎧!?」











    鎧の巨人「」ズゥゥゥン…











    避難民「シガンシナに、また変なのが出やがったぞ!!」


    避難民「だが、シガンシナとマリア領を繋ぐ“跳ね橋”はもう上がっちまった!」


    避難民「いくら巨人と言えど、あのサイズじゃ幅50メートルの堀をどうこうできるはずが…」











    鎧の巨人「」ググッ…











    鎧の巨人「」ダンッダンッ…
















    鎧の巨人「」ダダダダダッ!!!

  11. 13 : : 2014/06/14(土) 22:10:46

    エレン「走り出した!?」


    アルミン「何をする気だ!?」


    ミカサ「まさか…跳ぶ気!?」


    アルミン「馬鹿な!!いくら何でも、あの幅を跳び越えるほどの跳躍力なんて…」











    鎧の巨人「」ダンッ!!


    エレン「跳んだっ!!」











    鎧の巨人「」ヒュゥゥゥゥ…


    アルミン「そんな…馬鹿な…」
















    鎧の巨人「」ダーンッ!!!
















    ミカサ「跳び越えた…」


    避難民「ば…」


    避難民「馬鹿なっ!!本当に跳び越えやがった!!」


    避難民「出航急げっ!!早くしねぇと、あいつがこっちに来ちまう!!」
  12. 14 : : 2014/06/14(土) 22:25:50


    鎧の巨人「…」







    エレン「何だ…?跳び越えた途端動きが止まったぞ…?」


    アルミン「何だろう、ずっと足元を見てる。何かあるのかな?」







    鎧の巨人「…」







    ミカサ「随分と沈黙しているみたい。一体どうなっているの?」


    エレン「今のジャンプでガス欠…ってワケでもなさそうだけど…」








    鎧の巨人「…」スッ









    鎧の巨人「」キョロキョロ









    エレン「動き出した!」


    アルミン「何をしてるんだ…?」


    ミカサ「何かを探してる…?」

  13. 15 : : 2014/06/14(土) 22:40:27


    鎧の巨人「」ピクッ…









    鎧の巨人「」ドシンドシン









    エレン「あの方向は!!!」


    ミカサ「何で…それを見つけられるの…?」


    アルミン「あそこは…跳ね橋の操作レバーだ!!」









    鎧の巨人「」ドシンドシン









    鎧の巨人「」ガシッ!









    エレン「何でそれが分かるんだよ!?あいつにはもしかして知性があるのか!?」


    アルミン「堀をわざわざ跳び越えてまで跳ね橋を操作するなんて…」

  14. 16 : : 2014/06/14(土) 23:09:17


    鎧の巨人「」グググ…







    ゴゴゴゴゴゴ…







    跳ね橋「」ゴゴゴゴゴゴ…







    避難民「橋が下りる…」







    跳ね橋「」ガコンッ







    巨人「」ゾロゾロ…







    避難民「巨人が…跳ね橋を渡って入って来た…」


    避難民「もう終わりだっ!!シガンシナも、マリア領もお仕舞だっ!!」




    エレン「何で…何でこうなっちまうんだよ…」


    エレン「どうしてオレ達は奪われるっ!?」


    ミカサ「…」


    アルミン「もう…駄目なんだ…この世界は…」





















    アルミン「…無数の巨人に占領されるっ!!」

  15. 17 : : 2014/06/14(土) 23:22:46
    シガンシナ、及びマリアを突破された人類は、マリア領全域を放棄。
    人類の活動領域は、ローゼ領まで後退した。



    エレン、ミカサ、アルミンの3人は、ローゼ内地の避難所に辿り着くも、
    そこにカルラの姿は無く、グリシャ共々行方不明となっていた。



    両親が行方不明のまま2年間が経過。
    開拓地生活を経た後、エレンはミカサ、アルミンと共に訓練兵へと志願。



    3年の訓練課程を経て卒団式を終えた翌日、
    トロスト区にて超大型巨人が再び出現する。



    シガンシナと同じく巨人達の”架け橋”となった超大型により、堀の内側は再び地獄と化す。



    しかしエレンの中に眠っていた”力”により巨人達を退けることに成功。
    超大型の架け橋を破壊し、再びトロスト区に平穏をもたらした。



    エレンの処遇については紆余曲折を経て、調査兵団での監視下に置かれることが決定。
    仲間達と共に調査兵団へ入団することとなる。













    仲間の死、アニの正体、そして裏切り…

    様々な出来事を経て、時はストヘス区での戦いへと移る…
  16. 18 : : 2014/06/15(日) 20:00:24

    ~ストヘス区~



    女型の巨人「」ダッダッダッダッ!!


    エレン巨人「」ドシンドシンドシンッ!!









    ハンジ「女型を逃がすなっ!!何としても捕獲するんだっ!!」


    モブリット「しかし、あっちは堀の方向です。逃げ切れるとは思えませんが…」


    アルミン「いや…」


    モブリット「?」





    アルミン「5年前に出現した鎧の巨人は、驚異的な跳躍力で堀を跳び越えました」


    アルミン「女型の身体能力を考えれば、跳び越えるのも不可能ではないかと」


    ハンジ「エレン!!女型を堀に近付けるな!!何としても捕まえるんだっ!!」

  17. 19 : : 2014/06/15(日) 20:15:04


    エレン巨人「」ドシンドシンドシンッ!


    女型の巨人「」ダッダッダッダッ!









    ジャン「駄目だ…追いつけねぇぞっ!!」


    髭ゴーグル「ここであいつを逃がしてしまえば…」


    ケイジ「また兵が無駄死にになってしまう!!それだけは阻止しなければっ!!」









    女型の巨人「」ダッダッダッ…









    女型の巨人「」グッ…









    ハンジ「くっ…!跳ばれる…」


    ミカサ「させない」


    女型の巨人「!?」














    ズバアァァァァァァァァァァァァァァァッ!!!!

  18. 20 : : 2014/06/15(日) 20:30:30


    ジャン「ミカサっ!!」


    アルミン「跳ぶ瞬間に、腱を削いだ!!」









    女型の巨人「」グラァ…









    女型の巨人「」ヒュゥゥゥ…


    モブリット「落ちるっ!!」









    ガシッ!!









    女型の巨人「」プラーン…









    ジャン「あいつ、堀の内壁にしがみつきやがった!!」


    ハンジ「だが、どうやら勝負あったみたいだね。あの状態では、どうすることもできないはず」

  19. 21 : : 2014/06/15(日) 20:45:24


    アルミン「待ってください!!あれを!!」









    女型の巨人「」グググ…









    女型の巨人「」ガシッ…!









    ハンジ「堀を登ってる!?硬化した指先を堀の内壁に刺してるのか!?」


    モブリット「このままでは、また被害が増大する恐れが!!」


    ミカサ「させない」ヒュッ


    ハンジ「ミカサっ!!」







    スタッ…







    ミカサ「…」


    女型の巨人「…」

  20. 22 : : 2014/06/15(日) 20:59:50


    ミカサ「…あなたに陽の当たる世界は相応しくない。あなたを人間として扱う事も二度と無い」


    ミカサ「自ら犯した罪を悔いながら、暗い暗い堀の底で、闇に怯えて過ごせばいい」


    アルミン「ミカサ!何を!?」


    女型の巨人「…」グッ…
















    ミカサ「…落ちて、アニ」
















    ズバアァァァァァァァァァァァァァァァッ!!!!!











    ヒュゥゥゥゥゥゥゥ…











    アルミン「あぁっ!!」











    ドサッ…












    エレン巨人「…」


    エレン(アニ…)

  21. 23 : : 2014/06/15(日) 21:15:16


    ~翌日・調査兵団本部~


    エレン「…」


    アルミン「エレン、気分はどう?」


    エレン「大丈夫だ。一晩寝たらだいぶ体力は回復した」


    アルミン「一度の巨人化でも、これだけ体力を消費するんだね」


    エレン「でもアニは、巨大樹の森では連続して巨人化できた。オレとの違いは何なんだろうな」


    アルミン「強いて言うなら熟練度…かな。確証は無いけど」


    アルミン「でなければ、体力消費を抑える何かしらの方法があるとか?」





    エレン「…まぁ、考えても分かる事じゃねぇな。オレはオレの出来ることをやるよ」


    アルミン「そうだね」

  22. 24 : : 2014/06/15(日) 21:31:50


    ガチャ…


    エレン&アルミン「!」








    ミカサ「…」


    エレン「ミカサ…ようやく終わったのか」


    ハンジ「お待たせ。リヴァイの説教が長くてさー」


    リヴァイ「当然だ。このバカは、貴重な手掛かりをわざわざ堀の底に斬り落としてくれたんだからな」


    ミカサ「あぁしなければ、また女型が暴れて被害が増えていました。阻止するための最善策です」


    リヴァイ「本当にそう思ってたんなら構わねぇんだがな。そうじゃねぇだろ?」


    ミカサ「…」

  23. 25 : : 2014/06/15(日) 21:44:52


    リヴァイ「大方、森でエレンを掻っ攫われたことに対するウサ晴らしだろう?」


    ミカサ「…違います」


    リヴァイ「違わねぇ。お前はそういう奴だ」


    ミカサ「…」ジロッ…


    リヴァイ「とりあえずお前の処分は後だ。心しておけ」




    エレン「それでハンジさん、あの後女型は…アニはどうなったんですか?」


    ハンジ「うん、それについては今から話すよ」


    ハンジ「ミカサによって斬り落とされた女型の巨人は、堀の下で見つかったよ…」








    ハンジ「…そう、当然のごとく『硬質化』した状態でね」

  24. 26 : : 2014/06/15(日) 22:00:21


    アルミン「堀に落下した巨人達に起こる謎の硬質化現象、アニも例外ではなかったんですね」


    ハンジ「この謎の硬質化は、これまで堀に落下した数多くの巨人達に見られる現象だね」


    ハンジ「我々人間は何ともないのに、奴らはまるで石壁でも作れそうな材質で硬質化してしまう」


    ハンジ「シガンシナに出現した超大型が硬質化した理由も、おそらくそれに関連しているだろう」


    ハンジ「堀の底には一体どんな秘密が隠されているのか、現時点では全く分からないね」




    エレン「それじゃ、アニも一緒に硬質化して…?」


    ハンジ「ダメ元で女型のうなじを破壊して、中身のアニを取り出してみたんだけど…」


    ハンジ「…驚くべきことに、彼女は謎の水晶体の中にその身を潜めていた」


    アルミン「水晶体…!?」

  25. 27 : : 2014/06/15(日) 22:15:16


    ハンジ「うん。その材質は非常に硬く、我々の武器では傷一つ付けられなかったんだ」


    ハンジ「彼女は今もそこに閉じ籠ったまま、生きてるのか死んでるのかも分からない」


    ハンジ「この水晶体が謎の硬質化現象と関係があるかどうかは分からないけど…」




    ハンジ「…多大な犠牲を払った割には、敵について得られた情報は皆無。骨折り損とはこの事だね」


    リヴァイ「せめてこいつが勝手なマネをしなけりゃ、少しは結果が変わってたのかもしれねぇな」


    ミカサ「…」




    リヴァイ「…まぁ、終わった事をどうこう言うつもりはねぇ。結果なんざ、誰にも分かりはしなかった」


    リヴァイ「だが、今後も勝手なマネばかりするつもりなら、俺としても黙ってるワケにはいかねぇが?」


    ミカサ「…善処します」






    リヴァイ「てめぇらが背負ってるモンの重さを自覚しろ。それらはてめぇらが思うほど軽くはねぇ」


    エレン「…」


    アルミン「…」

  26. 28 : : 2014/06/15(日) 22:30:08

    ハンジ「まぁまぁ、一応捕獲には成功したんだ、これからの事はじっくり考えよう」


    ハンジ「ストヘス区の方は一応片付いたと言っていいね。後は、ミケ達のほうがどうなったか」


    エレン「アニの…人類の敵の炙り出し作戦ですか…」


    アルミン「他の仲間なんて、本当にいるんだろうか…?」


    ミカサ「訓練所でアニと親しげに話している人を見たことが無いけど…」


    ハンジ「あくまで可能性の段階だよ。念には念を、ね」





    ハンジ「鎧や超大型も同じように人間が変身したものだとしたら、それが潜んでいる可能性は高い」


    ハンジ「ましてやアニと同じように兵団に身を潜めているのだとしたら、アニとの繋がりも十分あり得る」


    ハンジ「アニの目的は分からないけど、あれだけ大掛かりな襲撃を単独で行ったとは考えにくい」


    ハンジ「兵団内に仲間がいて、そいつからあらかじめエレンの居場所を聞いていたとしたら…」







    アルミン「…やはり、調査兵団内に裏切り者が?」
  27. 29 : : 2014/06/15(日) 22:50:16


    エレン「正直、最初にアルミンがアニの正体について話した時、発想が飛躍しすぎだと思ったけど…」


    エレン「…今ならそうは思わねぇ。信じたくねぇけど、他に仲間がいても不思議はないかもしれねぇな」


    ハンジ「とりあえず、ミケ達は今ローゼ南方の平原地帯にいる。今のところ、動きはないようだけど」


    リヴァイ「伝令としてトーマを向かわせた。アニの件もそいつの口から伝わるだろう」


    リヴァイ「それを聞いて異様な反応を示す奴がいればグレー、もしくはクロだ。早急に取り押さえる」







    エレン「…」


    エレン(本当に…オレの仲間に人類の敵がいるのか…?)

  28. 30 : : 2014/06/16(月) 21:23:00

    ハンジ「それにしても、立て続けにこんな事ばかり起きるんじゃ、シガンシナ奪還は遠ざかるばかりだ」


    アルミン「そうですね。シガンシナへのルートも、先日のトロスト区襲撃で白紙になってしまった」


    ハンジ「再び超大型が出現し、”架け橋”を作ってしまった」


    ハンジ「ありったけの爆弾を使って、架け橋を破壊出来たのは幸いだった」


    ハンジ「しかし同時に、二度と巨人が進行できないように跳ね橋を破壊してしまったからね」


    ハンジ「跳ね橋の修復は容易ではない。しばらくトロスト区からの出発は無理だ」


    ハンジ「まぁ、シガンシナに辿り着いたとしても課題はまだあるよね」


    エレン「超大型の架け橋、ですね。あれを破壊しない事には、巨人の侵入を止められない」


    ハンジ「当初は橋を破壊すればいいと単純に考えていたけど、どうもそううまくはいきそうにない」


    ハンジ「堀の影響で硬質化した巨人は、想像を絶する硬度を誇っている」


    ハンジ「アニをうなじから取り出すのも相当苦労したよ」
  29. 31 : : 2014/06/16(月) 21:45:00
    ハンジ「刃はサッパリ通らないし、大砲で撃ってもほとんど効果なし」


    ハンジ「アニごと吹っ飛ばす覚悟で特製の発破をぶちかまして、ようやく取り出せたんだもんね」


    ハンジ「あの14メートル級サイズで相当量の火薬を使ってしまった」


    ハンジ「60メートル級の橋を破壊するためには、やはりトロスト区で用いた量の火薬でなければ…」




    アルミン「それだけの大荷物を持ってシガンシナまで行くと言うのは、かなり至難の業ですね」


    ミカサ「手ぶらで少数精鋭だけで向かうのであれば、夜でも馬を駆って行けると言うのに…」


    エレン「やっぱ現実は甘くねぇな…」







    リヴァイ「…これはあくまで仮説だが」


    ハンジ「リヴァイ?」











    リヴァイ「超大型はともかく、鎧と女型に共通する能力は何だ?」
  30. 32 : : 2014/06/16(月) 22:07:01

    エレン「え…?それは…」


    ハンジ「…硬質の皮膚!!」


    リヴァイ「そうだ。多少性質は違えど、奴らは堀の硬質化に匹敵する硬度の硬化能力を持っている」


    リヴァイ「それらは果たして、奴らのみが扱える能力なのか?」


    ハンジ「もしかして…」






    アルミン「エレンにも、硬質化能力が備わっている可能性が!?」


    エレン「そんな…まさか!」


    ミカサ「可能性はゼロではない。そもそも、エレン達の力について私達は無知だ」


    ミカサ「どんな力が眠っていようと不思議はないと思う」


    ハンジ「もしその通りなら、エレンには硬化能力以外にも何かしらの力が眠っている可能性があるね」
  31. 33 : : 2014/06/16(月) 22:26:35


    ハンジ「とりあえずは目先の事だ。エレンの硬化のコントロール、これを習得する事が最優先だ!」


    エレン「そんな…!まだ硬化できるって決まったわけじゃないですよ!!」


    ハンジ「やらないうちから決めつけたって仕方ないじゃないか!!」




    ハンジ「仮に硬化を操れるとしたら、同等の硬度を誇る超大型の橋だって拳で破壊できる!」


    ハンジ「エレン一人で破壊が事足りるなら、夜中に数人でシガンシナを目指すことだってできる!」


    ハンジ「橋の破壊!これが私達の最優先事項だよ!シガンシナ奪還に大きく近づけるっ!!」


    エレン「はぁ…」

  32. 34 : : 2014/06/16(月) 22:51:53


    リヴァイ「発想が飛躍し過ぎている。そう思ってるんだろう、エレン」


    エレン「まぁ…そうですね。不確定要素を二重にも三重にも上塗りした、突拍子もない発想だと…」


    リヴァイ「そう思うのも無理はねぇ。だが、思い出してみろ」


    リヴァイ「今まで、お前の想定内に事が進んだことがあるか?」


    リヴァイ「『大丈夫だろう』と楽観視して、何事もなく穏便に済んだ事があるか?」


    エレン「それは…」





    リヴァイ「敵は常に、俺達の想像の遥か上を行く。安易な思考に留まっていては何も変えられない」


    リヴァイ「勝利が欲しいなら、模索を辞めるな。可能性を諦めるな」


    リヴァイ「常に地ベタを這いつくばって探せ。底辺からでなければ、見えない景色も腐るほどある」


    エレン「兵長…」





    リヴァイ「…硬化実験はハンジに一任する。心してかかれ」


    ハンジ「了解だよ!」













    リヴァイ「さて…後は向こうがどう動くか、だな…」

  33. 35 : : 2014/06/17(火) 20:33:51


    ~ローゼ南方・とある民家~



    ライナー「…」


    ベルトルト「…」


    コニー「…」


    サシャ「…」


    クリスタ「…」


    ユミル「…なぁ、おかしいと思わねぇか?」


    ライナー「言うなユミル。それはここにいる全員が感じてる事だ」


    コニー「休暇ってわけでもねぇのに、装備もなしで丸二日ここに軟禁状態だ」


    サシャ「食事も薄味で少ないですし…」


    コニー「それについてはどうでもいい」

  34. 36 : : 2014/06/17(火) 20:45:36

    ユミル「上官共の私らを視る目も異常だ。常に鋭い視線で見張られてる感じだな」


    クリスタ「なんだか怖い…」


    コニー「この間の外界調査じゃ色々と異常事態が起きたってのに、何でこんなことしてんだ?」


    サシャ「さぁ…。上官方の意図が全く分かりません」





    ベルトルト「…」キョロキョロ…


    ユミル「さっきから随分と落ち着きがねぇな、ベルトルさん」


    ベルトルト「いや…僕は別に…」


    ユミル「あんた、もしかしてこの状況が何だか分かってるんじゃねぇのか?」


    ベルトルト「そんな、まさか…」
  35. 37 : : 2014/06/17(火) 21:05:31


    ユミル「不審と言えば、ライナーもだな。やたらここにいない面子を気にしてやがったな」


    ライナー「エレン達の事か?当然だろう、104期の中で呼ばれてないのはあいつらだけなんだからな」


    ユミル「“達”じゃねぇ、あんたが気にしてたのはエレンだけだ。まさかそっちの気ってワケでもあるまいし」


    ライナー「当たり前だ!さっきから一体何が言いたいんだ、ユミル!?」


    ユミル「別に。何もねぇならそれでいいよ。悪かったな」


    ライナー「…」








    ガチャ…








    ミケ「何事だ?」


    ナナバ「さっきから騒がしいね。新兵同士、仲良くやってくれるかな?」

  36. 38 : : 2014/06/17(火) 21:20:37

    ゲルガー「全員注目だ。さっき、内地から伝令が到着した」


    ライナー「伝令…?一体何を?」


    トーマ「新兵諸君、落ち着いて聞いてほしい」


    トーマ「昨日、内地で別行動していた調査兵の手によって、女型の巨人の捕獲に成功した」


    一同「!?」





    コニー「女型の巨人…!?この間外界で出たって言うヤバそうな奴か!?」


    サシャ「それを捕獲した…?そもそも、何でそいつが内地にいるんですか!?」


    クリスタ「それに、どうして私達に内緒でそんなことを…?」





    ベルトルト「…」オロオロ…


    ライナー「落ち着けベルトルト」ボソッ…


    ベルトルト「だけどライナー…」






    ユミル「」チラッ…
  37. 39 : : 2014/06/17(火) 21:35:18


    トーマ「その際、女型の巨人の正体を突き止めることにも成功した」


    トーマ「あろうことか、そいつは我々と同じく兵団に属する兵士だった」


    クリスタ「兵士…一体誰なんですか!?」


    ユミル「まさか調査兵団ってことはないですよね?」




    トーマ「名は明かせんが、所属はストヘス区の憲兵団。そのため、捕獲作戦も内地で行われた」


    トーマ「3日後、ストヘス区でそいつの処刑を執行する。以上が伝達事項だ」


    ナナバ「この際だから明かすけど、実は君達の中に女型の正体がいるんじゃないかと思ってね」


    ゲルガー「見た目が女巨人だからと言って、中身も女とは限らねぇからな」


    ユミル「ぶわっはっはっはっ!!仮にライナーやベルトルさんが女型だったら爆笑モンだな!!」





    ライナー「…」


    ベルトルト「…」





    ユミル「おい、何黙ってんだよ。冗談に決まってるだろうが」


    ライナー「あ、あぁそうだな、笑えん冗談だ」


    ベルトルト「う…うん、そうだね…」


    ユミル「…」

  38. 40 : : 2014/06/17(火) 21:50:19


    ナナバ「女型の正体を捕獲した以上、君達の容疑は晴れた。今この瞬間を持って自由の身だよ」


    ゲルガー「悪かったな、新兵共。今夜は飲ませてやるから許してくれや」


    サシャ「やっほーいっ!!もちろん食べ物もたくさん用意していただけるんですよねっ!?」


    ゲルガー「えっ…あっ…もちろん…だ?」チラ…


    ナナバ「こっち見ないでよ…」





    コニー「それじゃさっさと帰ろうぜ」


    クリスタ「帰ったらお風呂に入りたいな。ね、ユミル」


    ユミル「…」


    クリスタ「…ユミル?」






    ユミル「…そうだな。私も楽しみだ」


    クリスタ「…?」







    ライナー「ベルトルト」ボソッ…


    ベルトルト「うん…」








    ゾロゾロ…









    シーン…

  39. 41 : : 2014/06/17(火) 22:04:18




    ゲルガー「…さてと。見た感じでは大して変な反応した奴は居なかったな」


    ナナバ「どうだった、ミケ?」


    ミケ「2人…と1人。動揺の匂いと…よく分からん匂いだ」


    ナナバ「3人か。よく分からないってのが気になるね」


    ミケ「だがこれで尻尾の先程度は掴めたな。ほぼ間違いなく、ウチには女型の仲間がいる」











    ナナバ「後は手筈通りに…」

  40. 42 : : 2014/06/17(火) 22:20:38


    ~調査兵団本部~



    エレン「…」ズーン…


    ミカサ「…」


    アルミン「…」







    ハンジ「おぉぉぉ…」ズズズーン…








    モブリット「分隊長、露骨に落ち込み過ぎです」


    ハンジ「これが落ち込まずにいられるかよぉ…」


    エレン「すみません、ハンジさん。オレが硬化できなかったばっかりに…」


    ハンジ「ホントだよぉ!何でできないんだよぉ!!このバカエレンっ!!」


    エレン「すみませんっ!!」

  41. 43 : : 2014/06/17(火) 22:35:19

    アルミン「何か、足りない要素があるのか…」


    ミカサ「足りないのはハンジさんの頭。出来なかったことを全てエレンのせいにするなんて」


    ハンジ「足りない分は気合で補えっ!!意地でも硬化を成功させるんだよっ!!」


    モブリット「無茶苦茶ですよ…」





    ハンジ「さぁエレン、休憩は終わりだ。もう一度巨人化行くよ…」


    エレン「えぇっ!?さすがにまだ無理ですよ…」


    ハンジ「つべこべ言うなっ!!さっさと立て!!立つんだエレンっ!!」





    ミカサ「モブリットさん、許可をください。この奇行種を討伐する許可を…」ジャキッ


    モブリット「ははははは…」

  42. 44 : : 2014/06/17(火) 22:53:30

    ミケ「やかましいぞハンジ。少しは静かにできないのか?」


    ハンジ「ミケ!お帰り、収穫はあった?」


    ミケ「まぁ、な。エサはうまく撒けたつもりだ」


    ハンジ「ご苦労様。ひとまずこっちは終わりにしよう。エレン、お疲れ様」




    エレン「助かった…」


    ミカサ「命拾いしたか、奇行種め」


    アルミン「ミカサ怖いよ…」







    ミケ「それじゃ当初の手筈通りに…」


    ハンジ「さーて、何匹釣れるかな…」

  43. 45 : : 2014/06/18(水) 19:51:07


    ~翌日・ストヘス区~


    「…」コソコソ…






    (どこだ…?普通に考えりゃ、拘束するのは地下牢が定石だが…)


    (兵団管轄の施設内で拷問でも受けてるのか?それとも…)







    エルヴィン「こんなところで何をしているんだ?」


    「!?」







    エルヴィン「新兵か。一体何の用だ?」


    「いや…別に…」


    ハンジ「まさか、女型を助けに来た、とかじゃないだろうね?」


    「…」


    ハンジ「意外だなぁ。まさか君が来るとは思ってなかったよ…」













    ハンジ「…ユミル」

  44. 46 : : 2014/06/18(水) 20:02:10

    ユミル「こっちも、まさか団長達が待ち伏せているとは思いませんでしたよ」


    ハンジ「最初に君の名を聞いた時から、もしやとは思っていた。そのユミルという名は…」


    ユミル「そんなことより」


    ハンジ「…何だい?」







    ユミル「私は女型の仲間なんかじゃない。助けに来たんじゃなく、殺しに来たんですよ」


    ハンジ「なるほどね。そう言っておけば、この場で見つかっても正当な理由として十分だ」


    ユミル「信じるか信じないかはそちらの自由ですけどね。ただ…」







    ユミル「…あんたらの知りたいことは、向こうに隠れてる連中が答えてくれるんじゃないですかね?」


    エルヴィン「向こう?」

  45. 47 : : 2014/06/18(水) 20:14:09


    ドゴッ!!


    「ぐあっ!!」







    ドサッ…







    エルヴィン「…ほう」


    リヴァイ「こっちにもネズミが2匹居やがった。ミケの報告通りだな」




    ライナー「…」


    ベルトルト「…」




    ハンジ「まさか君達も女型を殺しに来た、って言うんじゃないだろうね?」


    ベルトルト「僕らは…」


    ライナー「誰だって、同期が敵の巨人だなんて信じられないでしょう!」


    ライナー「直接アニに会って、あいつの真意を確かめたいと思うのは…」


    ベルトルト「馬鹿っ!!それ以上は言うな!!」


    ライナー「あ…」

  46. 48 : : 2014/06/18(水) 20:27:19


    ハンジ「…ボロが出たね。君の口から直接アニの名を聞くとはね」


    ハンジ「私達は女型の正体がアニ・レオンハートだとは一言も言っていない」


    ハンジ「それなのに君の口からアニの名前が出るという事は、どう言う事なんだろうね?」


    ライナー「クソッ…!」


    ユミル「へぇ、あいつの正体はアニだったのか。意外と言えば意外だな」





    リヴァイ「おい、こいつもてめぇらの仲間か?」


    ライナー「いや…ユミルは違う。何故この場にいるのかも見当が付かない…」


    ベルトルト「隠れ家にいたときから、ずっと僕らの事をマークしていたのか…?」


    ユミル「あんたら、分かりやす過ぎるんだよ。もう少し動揺を抑える訓練を積んでおくんだったな」





    ハンジ「認めるね、ライナー、ベルトルト?君達二人がアニの仲間だという事を」


    ライナー「認めたら…どうなるんですか?」


    ハンジ「当然しかるべき処置をさせてもらうよ。この場から逃げようとは思わない事だね」








    調査兵達「」ザッ…!

  47. 49 : : 2014/06/18(水) 20:37:57


    ユミル「ほう、こいつはスゲェ人数だな。ハナからこうなることを見越してたってワケか」


    エレン「ライナー、ベルトルト、お前ら本当に…」


    ミカサ「関係ない。アニの仲間だと言うのなら削ぐだけ」


    アルミン「…」


    ライナー「エレン…」





    ハンジ「単刀直入に聞こう。君達の目的は何なんだ?」


    リヴァイ「女型の奴はエレンを執拗に追い回していた。てめぇの目的もエレンのケツか?」


    エレン「ちょっと兵長…」


    ユミル「うわっ、おいおいライナーさんよぉ、あんたやっぱりそっちの気が…」


    ベルトルト「こんな状況でふざけるな、ユミル!!」

  48. 50 : : 2014/06/18(水) 20:50:52


    ライナー「ただエレンのケツを欲していたと言えば、許してもらえるのか?」


    ハンジ「許す?勘違いしてもらっては困るねぇ」




    ハンジ「君達みたいな人類の敵を許すか許さないかなんて選択肢は、最初から用意していない」


    ハンジ「あるのは、『ただ処刑する』か『情報提供をしてもらった後処刑する』のどちらかだよ」


    ベルトルト「アニはまだ無事なんだろうな…」


    ハンジ「アニ?もちろんだよ、まだ必要な情報を得られてないからね」


    ハンジ「あの子、結構口が堅くてねぇ。こっちの質問にもなかなか答えてくれない」


    ハンジ「そうなれば当然、こちらとしてもそれなりの対応をしなければならなくなるよね」


    ライナー「おい…まさか…」

  49. 51 : : 2014/06/18(水) 21:02:05


    ハンジ「彼女、見かけによらずイイ声で鳴くんだよ。あれを聞いてるとこっちまでゾクゾクしちゃうね」


    ハンジ「あれはもう天賦の才だね。女型の能力が叫びというのも頷けるよ」


    ベルトルト「貴様…!!」




    ハンジ「え?何?私達何か悪いことしてる?」


    ベルトルト「アニに何をした…!?」


    ハンジ「言うまでもなく拷問だね。特定の相手から半強制的に情報を引き出すための画期的な方法だ」


    ハンジ「拷問を考えた人は本当に天才だね当初の目的もさることながら相手によっては拷問しているこちらまで快楽の境地へと導いてくれる爪を剥がすにしても指を潰すにしても片目を刳り抜くにしてもあの瞬間指先に伝わる何とも形容しがたい感触は本当に病みつきになってしまうよねそれに伴って相手の鳴き声がますます脳内を刺激してもういろいろな物質が分泌されてそれはもう異性とヤるのとは比べ物にならないほどの快楽を私に与えてくれるんだからさらに巨人化能力のおかげで痛めつけても痛めつけても再生してくれるんだからこれほどまで拷問に最適な人間はいないよね何度も何度も爪を剥がせるし指を潰せるしそうだ今度は君達でも試してみたいな睾丸を潰してもまた再生して生えてくるのかなせっかく専用の器具を手に入れたから早く試してみたいんだよ君達はどんな声で鳴いてくれるのかなアニみたいなエロイズム抜群の声もいいけど君達みたいな大の男が辞めてくれと懇願しながら泣き叫ぶ様もぜひ見てみたいねもういっそ君達の処刑を取りやめて一生私の拷問マシーンとして生かし続けておくのもアリだねそうだそうしよう私の方から上に取り合ってみるよ君達を処刑せずに生かしておこうとねそうすれば君達だって死なずに済んで万々歳だろやったーアニのあの声をずっと聴き続けられると思うとうれしくて仕方ないや同時に巨人についての研究もできるし一石二鳥いや三鳥以上だよもうどうしようかなうふふふふふふふふふふふふふふふふふふ…」







    ベルトルト「その口を閉じろっ!!!!!!」


    ハンジ「…」








    ベルトルト「本当に…本当に悪魔のような奴だ…」


    ベルトルト「僕らはこんな奴らを助けようとしていたのか!!ふざけるなっ!!!」


    ライナー「おいベルトルト!!」





    ユミル「助ける…なるほどね」


    エレン「どういうことだよ、助けるって…?」
  50. 52 : : 2014/06/18(水) 21:20:40


    ベルトルト「もう許さない…こうなったら、滅ぼされる前に滅ぼすだけだ!!」


    ライナー「待てベルトルト!!どちらにせよこの場はいったん退くべきだ!!」


    ハンジ「逃がさないよ!」




    ライナー「悪いが、そう言うわけにはいかない…」スッ…


    リヴァイ「…全員離れろっ!!!!」








    ガリッ!








    カッッッッッッッッッッッッッ!!!!!!











    ドオォォォォォォォォォォォォォォォォォォォンッ!!!!!!!!!



    一同「うわあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!!!!!!」













    鎧の巨人「」ズゥゥゥン…

  51. 53 : : 2014/06/18(水) 21:41:53

    エレン「なっ…」


    ハンジ「これが…鎧の巨人という奴か!?」


    ユミル「ほう、やはりライナーが鎧か。という事は…」









    鎧の巨人「」ヌッ


    ガシッ!!









    エレン「うわっ!?」


    ミカサ「エレンっ!!」


    アルミン「エレンが捕まった!!」


    エルヴィン「奴の腕を斬り落とせっ!!」


    リヴァイ「…ふっ!!」









    ズバアァァァァァァァァァァァァァァァッ!!!









    ボキッ…









    リヴァイ「チッ…刃が通らねぇか…」

  52. 54 : : 2014/06/18(水) 21:58:20

    エレン「この…離せ…」






    鎧の巨人「」グッ!!


    メキメキメキッ!!






    エレン「ぐあぁぁぁ…」







    エレン「」ガクンッ…







    ミカサ「エレンっ!!」


    ベルトルト「ライナーっ!!」スタッ


    鎧の巨人「」コクン







    鎧の巨人「」ドシンドシン







    ハンジ「逃がすなっ!!ヤツを追えっ!!」
  53. 55 : : 2014/06/18(水) 22:30:30


    ミケ「任せろ」


    ゲルガー「地の果てまで追ってやるぜ!!」


    ナナバ「私達を今まで出し抜いていたこと、後悔させてやるよ」


    ハンジ「頼んだよ!!」






    ミカサ「私もっ!!」


    リヴァイ「待て」


    ミカサ「何故ですか!?エレンが連れ去られたと言うのに黙って見ていろと!?」


    リヴァイ「だからこそ追跡部隊が動いたんだろうが。ミケ達に任せておけ」


    ミカサ「…無理です。エレンは私の手で救い出すっ!!」


    ユミル「まぁ待てよミカサ」


    ミカサ「ユミル、あなたも私の邪魔をすると言うの…?」








    ユミル「そうじゃねぇ。お前らは知る必要がある。何であいつらがエレンを必要としているのかをな」

  54. 56 : : 2014/06/18(水) 22:37:48


    エルヴィン「つまり君は、奴らの目的を知っていると?」


    ユミル「まぁ一応は。細かい事情までは知りませんが、さっきの『助ける』発言で見当はつきました」




    ユミル「それにしても、調査兵団は詰めが甘いですね」


    ユミル「アニの仲間だと言うのなら、あいつらも巨人化できる可能性があると思うべきでは?」


    ハンジ「油断していたわけじゃなかったんだけど、まさかアニを置いて逃走を図るとは思わなかった」


    ハンジ「私の言葉で頭に血を昇らせた二人と、そのまま交戦するとばかり思っていたから」




    アルミン「しかしまぁ、やってもいない拷問についてよくあそこまで狂った発言が出来ましたね」


    ユミル「へぇ、アニの拷問ってのは狂言だったのか」


    ハンジ「あんな水晶の中にいるアニに手出しなんかできないさ。奴らはそんな事知る由もないだろうけど」


    ユミル「違ぇねぇ」

  55. 57 : : 2014/06/18(水) 23:11:01

    エルヴィン「それより、そろそろ本題に入ってくれないか?」


    エルヴィン「奴らの目的、謎の『助ける』発言、こちらとしては分からない事だらけだ」


    ユミル「そうですね。できるだけ大勢に聞いてもらいたいので、話しは本部で構いませんか?」


    エルヴィン「いいだろう」





    ミカサ「エレン…」ギリ…


    アルミン「大丈夫だよミカサ。ミケ分隊長達を信じよう」











    リヴァイ「さて…一体奴らにどれだけの大義があるのか、聞かせてもらおうじゃねぇか…」

  56. 58 : : 2014/06/19(木) 20:58:30

    ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~



    エレン「」パチッ


    ライナー「よぉエレン、目が醒めたか」


    エレン「ここは!?」ガバッ!


    ライナー「トロスト区だ。まさか俺達がこんな場所に来ているとは思いもしないだろう」


    ベルトルト「とっくに外界に出てると思ってるだろうからね。尤も、ここなら外界は目と鼻の先だけど」





    エレン「お前ら…本当に巨人の仲間なんだな…」


    ライナー「勘違いするな、俺達は確かに巨人だが、あいつらとは仲間でも何でもない」


    ライナー「お前だって分かってるだろう?奴ら、巨人化した俺達を真っ先に食いに来るんだからな」


    エレン「それはそうだな…」

  57. 59 : : 2014/06/19(木) 21:15:02


    ベルトルト「ライナー、わざわざあの場から撤退する必要があったのか?アニがあそこで拷問されていたんだぞ」


    ベルトルト「僕らが巨人化して強引に突破すれば、アニを奪還することもできたはずでは?」


    エレン「心配には及ばねぇよ」


    ベルトルト「エレン?」





    エレン「アニは拷問なんてされちゃいない。あいつ、クソ硬ぇ水晶の中に閉じこもってやがるんだ」


    エレン「こっちが何をしようと、傷一つ付きやがらねぇ。そんな奴にどうやって拷問するってんだ」


    ライナー「やはりあれは狂言だったんだな」


    ベルトルト「ライナーは気付いていたのか?」


    ライナー「巨人化の恐れがある相手に対して、迂闊に拷問なんざできるワケが無い」


    ライナー「ヘタに外傷をつければ、それをきっかけに巨人化できることは皆知っている筈だからな」


    ライナー「大方、俺達に動揺と興奮を与えて、熱くなったところを制圧する作戦だったんだろう」


    ベルトルト「なるほど…。危うく僕は奴らの策略に乗せられるところだったよ」

  58. 60 : : 2014/06/19(木) 21:30:42


    エレン「それより、オレをこんな場所に連れて来てどうするつもりだ…?」


    エレン「返答次第によっては、この場でお前らをぶっ殺してもいいんだぞ…」スッ


    ライナー「待て。お前から故郷を奪ってしまった俺達への怒りも当然だが、今はまだ待ってくれ」


    ライナー「こんな状況になっちまった以上、お前には包み隠さずすべてを教えてやる」


    ライナー「その上で…無茶な頼みだとは重々承知しているが…」







    ライナー「…俺達の計画に協力してほしい」


    エレン「計画だって…?」


    ライナー「そうだ。この計画が成功すれば、この堀の内側に住む全人類を救う事が出来る」


    エレン「何だって!?それは本当なのか!?」







    ライナー「あぁ。もし成功すれば、“終わらない108年”に終止符を打つこともできる」


    エレン「『終わらない108年』…?一体それは何だ?」

  59. 61 : : 2014/06/19(木) 21:45:16


    ライナー「順を追って説明してやる。まず、この世に存在する巨人の発生源についてだ」


    ライナー「お前も疑問に思ったことがあるだろう。奴らが一体どこから来るのかという事を」


    エレン「あぁ、オレに限らずみんなが思ってるよ。発生源も、奴らの正体や目的もな」


    ライナー「奴らの正体は人間、発生源はこの堀の内側、目的は人間に戻る事。これが答えだ」


    エレン「は…ちょっ…待てよ!!そんな一気に言われても理解できるワケが…」


    ライナー「そいつは悪かったな。だが、これが真相だ。この世界でも一部の人間しか知らん事実だ」





    エレン「なんでそんな事をお前らが知ってんだよ…」


    エレン「それに!奴らの正体とか言われたって信じれるかよ!!人間ってどういうことだよ!?」


    ベルトルト「君は、この巨大な堀が本当に人の手で作られたと思うかい?」


    エレン「それは…100年以上前に、巨人から逃げるために人間が作ったとしか聞いたことねぇけど…」


    ベルトルト「その歴史は真っ赤な嘘さ。この堀は、『原始の巨人』によって作られたいわば牢獄。そう…」





    ベルトルト「…巨人の元となる人間達を閉じ込めておくためのね。堀の中に住む人間は、皆囚人さ」

  60. 62 : : 2014/06/19(木) 21:56:39


    エレン「原始の巨人…?それに、堀の内側が牢獄だって…?」


    ベルトルト「わざわざこの堀から出て危険な外界に出ていきたいと思う人間は少ない」


    ベルトルト「鍵や格子が無くたって、勝手に人類が内側に留まってくれる。画期的な牢獄だよ」


    ライナー「今外をうろつく巨人達は、かつてこの牢獄の中で巨人へと姿を変えられた人間達」


    ライナー「当然、今ここに住まう人間達もいずれはああなる」






    エレン「どうやって人間を巨人に変えるって言うんだよ…」


    ライナー「お前は知っているか?108年に一度起こる、大規模な日食を」


    エレン「いや…そんな日食があるのか?」


    ライナー「そうだ。人類巨人化の原因はその日食にある」






    ライナー「日食が発生すると、特殊な紫外線がこの地表に降り注ぐ」


    ライナー「その紫外線が最も強く降り注ぐのが、この堀の内側の範囲だ」


    ライナー「そしてその紫外線を浴び続けるとどうなるか…」


    エレン「まさか…」

  61. 63 : : 2014/06/19(木) 22:15:47


    ベルトルト「そう、人間が巨人となってしまう。明確な理由は不明なんだけどね」


    ライナー「原始の巨人の目的は、堀の外・内全ての人類を巨人に変える事」


    ライナー「奴は108年ごとに堀の中に人類を招き入れ、巨人を作り出しているんだ」


    エレン「本当にそんなことが…」






    エレン「けどよ!それじゃ108年ごとに外から人間がここに来てるんだろ!?」


    エレン「じゃあ何で誰も外の世界についての話をしねぇんだよ!!」


    ライナー「しないんじゃなく、できないんだ。誰もその事を覚えていないんだからな」


    エレン「覚えてない…!?馬鹿な!!」


    ライナー「正確には、忘れさせられたと言った方が正しいな」

  62. 64 : : 2014/06/19(木) 22:30:22

    ライナー「この堀の中では、日食の後にもう一つ、ある現象が起きるんだ」


    ベルトルト「堀の内側に誘い込まれた人間達が、一斉に記憶の改ざんを受ける現象…」


    ベルトルト「…通称、『レイスの叫び』と呼ばれる現象がね」


    エレン「記憶の改ざん…?」






    ベルトルト「日食が終わり、原始の巨人が新たな人類を堀の中に招き入れた後起こる現象」


    ベルトルト「どこからともなく悲鳴に似た声が響き渡る。その声を聴くと、人類の記憶は改ざんされてしまう」


    ライナー「『巨人の脅威から逃れるため、自分達が堀を作りこの中で生きることを決めた』とな」


    ライナー「当然、今まで過ごしてきた外界での記憶は消される」


    ライナー「先人達が残した文献なども全て消去される。外界についての情報は何も残らない」






    エレン「その叫びってのは、文献までも改ざんしちまうのか!?」


    ライナー「イヤ、さすがにそれは無理だ。文献の消去は人の手によって行われる」

  63. 65 : : 2014/06/19(木) 22:40:14


    エレン「は!?だって人間の記憶は改ざんされるのに、どうやってそんな事を!?」


    ベルトルト「居るんだよ。この堀の内側に、原始の巨人の仲間がね」


    ライナー「レイスの叫びを聞いても記憶の改ざんを受けない、一部の特殊な人間がな」


    エレン「なっ…」






    ライナー「そいつらは『特異点』と呼ばれる。主に王政府の人間達がそれにあたる」


    ライナー「特異点の連中は特殊な方法を用いて、巨人化することなくその身を保つ事が出来る」


    エレン「そんな奴らがいるってのかよ…」


    ライナー「お前も不思議に思っただろう?外の世界についての本などが厳しく規制されていることを」


    ライナー「それらはすべて王政府の指示によって規制されている。無意味に外界への興味を持たぬように」


    ベルトルト「当然だよね。外の情報が入り込んでくれば、これらの謎も知られてしまう恐れがある」


    ベルトルト「王政府が処分しきれなかった物から外界の本などが流通するんだろうけど、それらも規制の対象だ」

  64. 66 : : 2014/06/19(木) 22:50:32

    エレン「ちょっと待てよ!そんなに外の情報を警戒するなら、何で調査兵団なんて組織を作ったんだ?」


    ライナー「言うなれば『ガス抜き』だな」


    エレン「ガス抜き…?」






    ライナー「全てを堀の中に塞ぎ閉じ込めておけば、いずれその不満は募り爆発する」


    ライナー「そうならないように外界へ干渉する少数の人間を生み出す」


    ライナー「彼らが毎回無残な姿で帰還する度、残りの人間達は思うだろう」


    ライナー「『やはり外界は危険な場所だ。堀の内側に留まるのが一番』だと…」


    ベルトルト「調査兵団はあの体たらくで何の成果も上げられない。おまけに巨人によって勝手に減っていく」


    ベルトルト「まさに人類を堀の中に留めておくのにはうってつけの存在ってワケさ」






    エレン「何てこった…!調査兵団はハナから誰にも期待されちゃいなかったのか…」


    ライナー「それどころか、奴らの計画を進める上で恰好のコマに過ぎなかったというワケだな」

  65. 67 : : 2014/06/19(木) 23:02:26

    エレン「原始の巨人はともかく…何で王政府がそんな真似をするんだ!!」


    エレン「人類を巨人に変えて、一体何をしたいって言うんだよ!!」


    ライナー「奴らの目的は分からん。無意味に人類を巨人に変えて何がしたいのか…」


    「奴らだけの理想郷を作りたい。ただそれだけだ」


    エレン「!?」

















    ベルトルト「あなたは…」


    ライナー「ニックさん…」

  66. 68 : : 2014/06/20(金) 20:40:15

    ニック「久しぶりだな、お前達。計画は順調か?」


    ライナー「いえ…正直、あまり思わしくありませんね…」


    エレン「誰だよ、この人…?」


    ライナー「ニックさんだ。俺達の計画を聞き、賛同してくれた数少ない人物。そして…」





    ライナー「…さっき話した『特異点』でもある。この人は、堀の秘密を知っているんだ」


    エレン「なっ…!じゃあ!こいつも原始の巨人の仲間か!?」


    ニック「違う。私をあんな奴らと一緒にしないでもらおうか」


    ライナー「この人は、『終わらない108年』を終わらせようとずっと一人で戦ってきたんだ」


    ニック「特異点というのは長生きな生物でな。かれこれ、2000年以上『終わらない108年』を見て来た」


    エレン「2000年…!?」

  67. 69 : : 2014/06/20(金) 20:50:05


    ライナー「特異点はみんなそうだ。王政府の連中も、ずっと長い刻を生き続けている」


    ニック「何度も何度も止めようとした。しかし、それは叶わなかった…」


    ニック「きっと今回も無理だろう。運命の日はすぐそこまで迫っている」


    エレン「そう言えば…今年は人類が堀の中に逃げてから107年目…」


    ニック「正確には107年と10か月だ」


    エレン「それじゃ…もう日食の日になっちまうじゃねぇか!!」


    ニック「そうだ。もうじき、この堀の内側は地獄となる」






    ニック「全く…人間の消えた世界を支配して一体何になると言うのだろうな」


    ニック「特異点だけの理想郷。そんなものは、虚しいだけであるという事に奴らはまだ気づかんのか」


    エレン「どうしたらいい…」


    ニック「ん?」

  68. 71 : : 2014/06/20(金) 21:00:28


    エレン「どうしたらその地獄を止められる!?教えてくれっ!!」


    ニック「方法はある。しかし、現実的ではない」


    ニック「その2人だって、3年も前から阻止計画を企てているが、ほとんど進展がないのだからな」


    ライナー「…」


    ベルトルト「…」






    エレン「それでも!何も知らないままでいるのはもう嫌だ!!教えてくれっ!!」


    ニック「…よかろう。出来るか出来ないかは置いといて、お前にも知る権利はあるからな」


    ニック「まず人類を巨人化から救う方法はたった一つ。堀の中に身を潜めればいい」


    エレン「え…それだけ…」

  69. 72 : : 2014/06/20(金) 21:17:15
    ニック「それだけだ。この堀の底には特殊な鉱石が存在している」


    ニック「その鉱石は紫外線を吸収し、巨人化のエネルギーを無に帰す作用を持っている」


    ライナー「堀の底に落下した巨人が硬質化する理由はそれだ。巨人の力を吸収されちまうからな」


    ニック「一度巨人化した人間はその鉱石によって硬質化してしまい、元に戻ることはできない」




    ニック「しかし巨人化前であればその鉱石に守られ、日食が起こっても巨人化する事は無い」


    ニック「特異点である政府の連中も、この鉱石の力を何らかの方法で利用し巨人化から免れている」


    エレン「なら簡単じゃねぇか!!日食が起きたときに、皆で堀の底に行けば…」


    ベルトルト「言うのは簡単だよ、エレン。だけど君は、堀の底がどんな環境か知っているよね?」


    エレン「環境…そうか…」





    ベルトルト「日中は40度にも及ぶ高温、夜間は-20度を下回ることが日常茶飯事」


    ベルトルト「そんな過酷な環境下で、人間が生き続けることができると思うかい?」
  70. 73 : : 2014/06/20(金) 21:22:01

    エレン「だけど…日食の期間をどうにかやり過ごせば!!」


    ニック「無駄だ。あの特殊な日食は、約一か月にわたり地上に紫外線を降らせ続ける」


    ニック「一か月、そんな環境で人間が過ごしたとして、果たして何人が生き延びられると言うのだ?」


    エレン「それは…」





    ニック「現にその方法は実行済だ。過去に4度試みたが、全て失敗した」


    ニック「まぁ…巨人の増殖を阻止することが目的ならば、その方法が有用であることは間違いないがな」


    エレン「駄目だ…巨人化しないとしても、皆死んじまったら意味がねぇ!!」


    ニック「そう言う事だ。別の方法を模索しなければならぬのだよ」


    エレン「ちょっと待て…」





    エレン「お前ら!そう言えばオレに計画の協力をしてほしいって言ったよな!?あれはどういう意味だ?」


    ベルトルト「それは…」


    ライナー「まだあくまで可能性の段階の話なんだが…」











    ライナー「お前には、人類を救うある“素質”が眠っている可能性がある。俺達はそれに賭けているんだ」


    エレン「それは一体…?」

  71. 74 : : 2014/06/20(金) 21:30:40
    ニック「『巨人の支配者』となりうる"素質"。それこそが、巨人化もレイスの叫びも止められる唯一の可能性」


    ニック「私はこの2000年、ずっと探してきた。しかし一度たりとも、その"素質"を持つ者は現れなかった」


    ニック「エレンよ。お前が私に見せてくれるのは淡い希望か。それとも輝かしい未来か」


    ニック「どうか…今回こそ、人類に勝利をもたらしてほしいのだ…」


    エレン「ニックさん…」






    ライナー「本来なら俺達は、この堀の内側に住む人類を滅亡させることが目的だった」


    ライナー「でないと、増殖した巨人達によって故郷が滅ぼされてしまう恐れがあったからな」


    ベルトルト「正直、巨人化する運命を待つだけの人間達なんてただの害悪にしか過ぎない…」


    ベルトルト「滅んでしまおうが僕達には関係ない、そう思っていたんだけど…」






    ライナー「現実はそうじゃなかった。ニックさんのように運命に抗おうとする人も居た」


    ライナー「それに、堀の中の連中も、俺達と何ら変わりない普通の人間だった。お前も含めてな」
  72. 75 : : 2014/06/20(金) 21:40:53

    ライナー「だから俺達は決めたんだ。何があっても、この負のループを止めるんだと!!」


    ニック「放っておけば、いずれこやつらの故郷の人間もこの堀の内側に招かれる時が来てしまう」


    ニック「大切な人のために戦うと言う行動原理は、外界の人間達も同じという事なのだよ」


    ベルトルト「だけど…この堀の内側に巨人を招き入れてしまった、僕らの罪は消えることはない…」


    ライナー「この戦いが終わったら、然るべき報いはきっちり受けさせてもらうつもりだ」







    ライナー「でないと、俺は永遠にあの人から逃れられなくなっちまう…」


    エレン「あの人…?」

  73. 76 : : 2014/06/20(金) 21:55:37

    ライナー「俺がシガンシナの堀を突破したとき、着地した場所には女の人がいたんだ…」


    ライナー「跳んでる最中、その人の表情がはっきりと見えた」


    ライナー「絶望と、恐怖と、諦めと、様々な感情が入り混じった表情をしていた」






    ライナー「『このままでは踏んじまう!!』」






    ライナー「着地するよりずっと早く、そう確信した。不思議と分かったんだ」


    ライナー「そんな事を思ったところで、軌道は変えられない。向こうも動けない」


    ライナー「避けようが無かったんだ。もう、最悪の結果しか見えなかった」


    ライナー「それからの光景は、ゆっくりと流れるように俺の視界に入って来た」


    ライナー「1秒1秒が、1時間、1日、1週間、それほどまでに長く感じられた」









    ライナー「そして、俺は…俺は…」ガタガタ…
















    ライナー「…うあぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!!!」


    ベルトルト「ライナーっ!!」

  74. 77 : : 2014/06/20(金) 22:10:15


    ライナー「俺は…直接人を踏み殺してしまった…あの日からずっと…後悔と自責の念が…」


    ライナー「巨人を招き入れ、大惨事を引き起こした奴が言う事ではないかもしれん…だが…」


    ライナー「俺は…この身で直接人間を…殺してしまったんだ…」







    ライナー「それ以来俺は、あの人の残像に縛られ続けている。目を閉じると時折、瞼の裏に浮かぶんだ」


    ライナー「ちょうどお前によく似た瞳をした人だったよ。長い黒髪の、綺麗な女の人だ」


    エレン「オレに似た…?」







    ライナー「お前はあの人によく似ている。それこそ、親兄弟と疑ってしまうほどにな」


    ライナー「訓練所で初めて会った時は驚いた。あの人が、ここまで俺を追って来たのかと錯覚する程に」


    エレン「ちょっと待てよ…」







    エレン「お前…オレがあの日、シガンシナから逃げて来たことは知ってるよな…」


    エレン「オレの母さんと父さんが、いまだに行方不明だってのは知ってるよな…」

  75. 78 : : 2014/06/20(金) 22:25:23

    ライナー「あぁ、お前から直接その話を聞かされたな。俺達に直接の原因がある。すまない…」


    エレン「そうじゃねぇよ。お前がさっき言った人は、普通に考えりゃシガンシナから逃げてきた人だ」


    エレン「そしてオレに似た瞳…」


    ニック「もしや…!」


    ベルトルト「あぁ…そんな…」


    ライナー「一体どうしたと言うんだ…?」







    エレン「とぼけんなよライナー…。お前も気付いてんだろうがよ…」


    ライナー「イヤ、話が見えんぞ。一体何をそんなに憤っているんだ、エレン?」


    ベルトルト「ライナー!!これ以上エレンを刺激するなっ!!」







    エレン「とぼけりゃ許されると思ってんのか…」


    エレン「知らねぇフリしてりゃ無かった事になるのか!?あぁ!?」


    ライナー「何なんだ…?」


    ベルトルト「まさかライナー、君は…」


    ベルトルト「事実を受け入れられない余り、咄嗟に君の脳が事実に背を向けてしまったのか…」
  76. 79 : : 2014/06/20(金) 22:40:35

    ニック「なるほど。つまりエレンの母親はライナーによって…」


    ライナー「はっ…!俺は…そうか…」


    エレン「ようやく思い出したか…?ずいぶんと快適で都合のいい造りだな、お前の頭の中は…」


    エレン「そうやって今までも背を向けて来たのか…?自分達が引き起こした出来事に…」


    ライナー「違うっ!!俺は…」






    ベルトルト「やめてくれエレン!ライナーは病気なんだ!前から精神がおかしくなっているんだ!!」


    エレン「病気だから何だ。そんなんで許されるなら、憲兵も何もいらねぇよ…」


    ライナー「その通りだエレン!お前が正しい!!お前は俺達に復讐するための理由がある!!」


    ライナー「だが、さっきも言った通りまだ待ってくれ!!今は地獄を阻止することが先決なんだ!!」

















    エレン「ふ…ふっふ…」















    エレン「ふふっ…ふははは…」


    ライナー「エレン…?」

  77. 80 : : 2014/06/20(金) 22:55:35

    エレン「…ふっははははははははははははははははっ!!!!!!」


    ライナー「おいエレン!!」






    エレン「地獄を阻止だって?一体どの口がそんなこと言ってんだよ」


    エレン「堀の内側も外側もとっくに地獄だ。どっかの誰かさんのせいでな」


    エレン「それを今更阻止だって?ハッ、笑わせてくれるな」


    エレン「どうせ今までもずっと繰り返してきたんだ。あと二か月、何も変えられはしねぇよ…」


    エレン「だったら残された時間でオレがやるべきことは一つ…」











    エレン「…この人類の敵である害悪共に、それ相応の報いを与えてやることだ」

  78. 81 : : 2014/06/20(金) 23:05:06

    ニック「よせエレン!冷静になれ!そいつらがいなくなれば、地獄を阻止する事はほぼ不可能だ!!」


    エレン「なぁ…オレの母さんを踏みつぶした感想を聞かせてくれよ…」


    エレン「自責の念だ?笑わせんなよ。沢山いる人間の内の一人を殺した、くらいにしか思ってねぇんだろ」






    エレン「そうだ、お前らの故郷ってのはどこにある?堀の外側か?遠いのか?」


    エレン「是非連れてって欲しいよ。お前らの家族も当然、そこにいるんだよな」


    エレン「母親を巨人に殺される思いを味わわせるには、オレはうってつけだと思わねぇか?」







    エレン「オレだって巨人化できるんだからな。なるべく高く跳び上がって、思いっきり踏みつけてやりてぇな」


    エレン「出来るだけ細かく、原型も残らねぇほどグチャグチャに潰して、そしたらお前らどんな顔をする?」


    エレン「絶望か?恐怖か?諦めか?オレの母さんは一体どんな顔で最期を迎えたんだろうな」











    エレン「なぁライナー、教えてくれよ…」


    ライナー「…」

  79. 82 : : 2014/06/20(金) 23:15:26


    エレン「答えろ…さぁ早く…答えろって言ってんだろ…」











    バリッ…











    ライナー「何だ…?」


    ベルトルト「頭の中に、変な感じが…」


    ニック「私は何も感じないが…?」


    エレン「話を逸らすんじゃねぇよ…答えねぇなら…」











    バリバリッ…
  80. 83 : : 2014/06/20(金) 23:27:20


    ライナー「まただ!!」


    ベルトルト「この感覚、一体…まさか!?」


    ニック「むぅ…!?」


    エレン「答えねぇなら…」











    エレン「…とっととこの場で死に腐れっ!!この悪魔共がっ!!!!!!」
















    バリバリバリバリバリバリバリッ!!!!!!!
  81. 84 : : 2014/06/21(土) 19:32:54

    ライナー「う…おぉぉぉぉぉぉぉっ!!!!!!!」


    ベルトルト「何だコレは!?頭の中に直接何かが流れ込んでくる!?」


    ニック「一体どうしたと言うのだ、お前達!!」











    ドドドドドドドドドドドドドッ…


    ニック「!?」











    巨人達「」ドドドドドドドドドドドドドッ…











    ニック「何だ…?突然巨人が堀の外周に集まり出した…?」


    エレン「死に晒せっ!!このウジ虫共めっ!!」ジャキッ!!


    ライナー「やめろエレンっ!!」











    巨人達「ウアァァァッ!!!!」











    ニック「何だ…?堀の外の巨人達まで、怒りに震えている…?」


    ニック「まるで、今のエレンの感情に呼応するかのように…」

  82. 85 : : 2014/06/21(土) 19:45:23
    ベルトルト「くっ!!」ガシッ!!


    エレン「離せ腰巾着野郎っ!!お前もぶっ殺してやるからなっ!!」ジタバタッ!


    ベルトルト「ライナー!!これは…」


    ライナー「間違いないっ!!エレンはアタリだった…」







    ライナー「…この先の地獄を止められる唯一の"素質"を持った奴だった!!」


    ニック「何だと!?まさか本当にエレンが"素質"を持つ者だとは…」


    エレン「ワケ分かんねぇこと言ってんじゃねぇ!!とっととこの手を離せ!!」


    ベルトルト「くっ…!抑えつけていられるのもそろそろ限界だ…」


    「これ以上抑える必要はない」


    ベルトルト「!?」













    ズバアァァァァァァァァァァァァァァァッ!!!!


















    ボトッ…
  83. 86 : : 2014/06/21(土) 20:00:06


    ベルトルト「あ…」


    エレン「ようやく離しやがったか…って、え…?」


    ライナー「両腕が斬り落とされた…」


    ベルトルト「う…」











    ベルトルト「うわあぁぁぁっ!!腕がっ!!うわあぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!!!!」


    ライナー「落ち着けベルトルト!!」


    エレン「何でお前がここにいる…」











    エレン「…ミカサ」


    ミカサ「それは愚問というもの。エレンを助ける以外にここへ来る理由は無い」


    ライナー「くっ…!兵長達の命令に逆らって本当にミカサが来てしまうとは!!」


    リヴァイ「逆らう?違うな。そいつは俺の命令に忠実に従いここへ来た」スタッ


    ライナー「なっ…!?兵長まで!?」

  84. 87 : : 2014/06/21(土) 20:16:03

    ジャン「よぉライナー。俺達もいるぜ」


    コニー「ライナー!ベルトルト!」


    サシャ「おとなしくすれば悪いようにはされませんっ!!もうこんなことはやめてください!!」


    クリスタ「…」





    ユミル「悪いな二人共。そっちの目的はこっちで遂行しておく。あんたらはここでお役御免だ」


    ライナー「ユミル…やはりお前も俺達の目的を知っていたのか…」


    ユミル「まぁな。最近のあんたらの動きを見て薄々感付いてはいた。安心しろ、殺しはしねぇよ」


    ライナー「俺達の目的まで…」







    ライナー「だったら何も問題はないだろう!お互いに利害は一致しているんだ!!」


    リヴァイ「巨人共を堀の内側に誘い込んだ張本人が吐くセリフじゃねぇな、それは」


    リヴァイ「またいつ、シガンシナと同じ状況を作り出すかも分からん奴を放っておくと思うか?」

  85. 88 : : 2014/06/21(土) 20:30:22


    ライナー「シガンシナを襲撃した時は、まだ堀の内側の連中の事は知らなかったんだ!!」


    ライナー「巨人化する前に人間を滅ぼすしか方法が無いと思い込んでいたんだよ!!」


    リヴァイ「じゃあ何故先日、トロスト区を襲撃した?その時もまだ方法を知らなかったと?」


    ライナー「言っても信用してもらえないかもしれないが…」







    ライナー「…トロスト区を襲撃したのは、俺達ではない」


    一同「!?」







    エレン「何だって…!?ふざけんなよ!!お前ら以外に誰がいるって言うんだ!!」


    リヴァイ「信用しろという方が無理な話だ。狂言ならもっとマシなのを用意しとくべきだったな」


    ライナー「本当なんだ!!5年前の超大型と先日の超大型、両方を目撃した奴はいるか!?」


    アルミン「確かエレンは、どちらも見ているはずだけど…」


    エレン「あぁ、忘れもしねぇよ。どっちも堀の下から出現して、馬鹿デカい体で堀を登って…」













    エレン「…イヤ、待てよ!?」


    アルミン「エレン!?」

  86. 89 : : 2014/06/21(土) 20:45:09

    エレン「5年前は、堀の底に立って顔をのぞかせていたはずだ。そうだよな、アルミン?」


    アルミン「うん。50メートルの深さを誇る堀から顔を出したんだ、きっと60メートルはあったと思う」


    エレン「トロスト区に出た巨人も、同じように堀の底から出現した。だけど…」







    エレン「…そいつは顔なんか出しちゃいなかった。堀の深さとほとんど同じ身長だったんだよ!!」


    ジャン「何だと!?」


    サシャ「少し足を曲げてたとか、そう言う事じゃないんですかね?」


    エレン「イヤ、奴はしっかり両足で直立していた。それでも顔なんか出ちゃいなかった!」


    ライナー「超大型巨人と…イヤ、ベルトルトの巨人と約10メートルの差があるトロスト区の巨人」


    ライナー「俺達の意思でそこまでサイズをコントロールできない事は、お前も知ってるだろ?」


    エレン「あぁ…その通りだ…」
  87. 90 : : 2014/06/21(土) 21:00:13

    アルミン「エレンはできなくても、ベルトルトには可能って言う線はないの?」


    ライナー「他に目的があるならまだしも、堀から這い上がるのにわざわざ縮む必要があるか?」


    アルミン「それもそうか…」





    ミカサ「だからこそ、ではないの?自分達がやった事を否定するための理由として」


    ライナー「いい加減にしてくれ!!そう言った類のセリフは、目的を終えた後に何度でも聞いてやる!!」


    ライナー「今は他に優先すべき事があるだろう!!こんな事をしている間も時間が惜しいんだ!!」


    エレン「そうだな。オレには今、ここでやるべき事があるんだった」


    ライナー「分かってくれたか。そうと決まれば早速…」
















    ズバアァァァァァァァァァァァァァァァッ!!!!

  88. 91 : : 2014/06/21(土) 21:15:17

    ライナー「なっ…」


    アルミン「エレンっ!?」


    ベルトルト「あ…ライナー…」







    ライナー「ぐあぁぁぁっ!!!エレン貴様っ!!」


    エレン「話はまだ終わってねぇよ、クソ野郎が。オレがいつ、お前らを許した?」


    エレン「お前らが散々言って来た“素質”ってヤツがさっきのアレなら、もうお前らは要らねぇだろ」


    エレン「じゃあとっとと消えろ。安心しろ、出来るだけ苦しんで死ねるように努力してやるからさ…」


    ライナー「ぐ…お…」







    ベルトルト「ライナー!!ここは退くべきだ!!今のエレンには何の話も通じないっ!!」


    ライナー「そうらしいな…。このままでは、地獄を見届ける前に地獄送りにされそうだ…」


    エレン「逃げられると思うな…どこへ行こうと地の果てまで追いかけて、必ずお前らを…」


    ユミル「まぁエレン、そうイキるな。そんなガキみたいなこと言って、私達の期待を裏切らないでくれよ」


    ユミル「今この世界に存在する希望はあんたしかいねぇんだ。こんな奴らに執着してるヒマはない」


    エレン「何を言ってやがる…」

  89. 92 : : 2014/06/21(土) 21:30:12

    ライナー「今だっ!!」ダッ!


    ベルトルト「」ダッ!











    エレン「しまった!!待ちやがれっ!!」


    リヴァイ「もういい、奴らは追うな。優先すべきことが他にある」


    エレン「あいつらを殺す事以外に優先する事って何ですか!?人類の敵を見逃してまでやる事って!!」


    ニック「何度も言わせるな。お前のその“素質”こそが、この世界の地獄を阻止できる唯一の手段」





    ニック「どうやらそちらのお嬢さんが色々と知っていたようだな」


    ユミル「まぁな。これでも人より長く生きてんだ、多少博識でも不思議はねぇさ」


    リヴァイ「エレン、お前は知る義務がある。お前が攫われてから、こっちで起こった出来事についてな」


    リヴァイ「目を背けたくなるような、胸糞悪ぃ話だとしても最後まで聞け。命令だ」


    エレン「一体、何が起きたって言うんですか…」







    ユミル「お前がライナー達から聞いた話と同じ話を私は知ってる。それをこいつらに教えた」


    ユミル「後は…」


    リヴァイ「…」

  90. 94 : : 2014/06/21(土) 21:45:06

    ~回想・エレン拉致後の調査兵団本部~


    ハンジ「…ヒストリア・レイス?」


    クリスタ「!!」








    エルヴィン「レイスというと、内地の貴族家か?」


    ハンジ「そのヒストリア・レイスが、レイスの叫びと直接関わってくると言うのかい?」


    ユミル「関わるも何も、次のレイスの叫びを実行するのがそいつ」


    ユミル「要はそいつさえ消してしまえば、レイスの叫びは実行されない。記憶の改ざんは不発ってワケだ」











    クリスタ「」ガタガタ…


    ユミル「…」

  91. 95 : : 2014/06/21(土) 22:00:05

    アルミン「そもそもレイスの叫びとはどういうものなの?実行方法は?」


    ユミル「簡単だ。巨人化したレイスが、女型に似た大声を張り上げる」


    ユミル「その声はこの堀の内側全域に響き渡り、人間達の脳に直接干渉する」


    ハンジ「巨人化!?つまりレイスは、エレン達と同じように巨人化を操る事が出来るってのか!?」


    ユミル「そう言う事です。奴らは日食の力を応用した薬を開発し、それをレイスに投与する」


    ユミル「巨人の力を得たレイスが内地の特異点共の命令に従い、巨人化する」


    ユミル「んでもって例の叫びを発すれば、見事に人類の記憶は消される」


    ユミル「後は特異点の連中の都合の良いように触れ回れば、たちまち歴史のねつ造の完了ってワケだ」







    ジャン「なるほどな。そうやって今までずっと108年の歴史を繰り返してきたのか」


    アルミン「僕らが何も知らないまま、ずっと108年を…」

  92. 96 : : 2014/06/21(土) 22:15:10

    リヴァイ「レイスの叫びの止め方は分かった。だが、肝心の人類巨人化はどうする気だ?」


    リヴァイ「まさかお前が言ったように、人類全員で堀の底に移住するワケでもあるまいし」


    ミカサ「現時点では、人類は詰んだように見えるけど…」


    ユミル「ところがどっこい、一つだけ方法があるんだな」


    ユミル「人類巨人化も止められて、さらにレイスの叫び求められる唯一の方法が」


    一同「!?」







    ハンジ「それは本当なの!?本当にそんな方法が!?」


    ユミル「巨人達の支配者となる事が出来る“素質”を持つ者が、この世には存在する」


    ユミル「そいつの能力を得たレイスが発する叫び、それこそが地獄を止められる唯一の手段」


    ハンジ「能力を得るって…?まさか人から人へ伝染するワケじゃあるまいし」


    ユミル「しますよ。伝染というよりかは、継承と言った方が正しいですかね」

  93. 97 : : 2014/06/21(土) 22:30:13


    エルヴィン「継承とは…?」


    ユミル「食うんですよ。その“素質”を持った奴を、巨人化したレイスが食う」


    ユミル「そうすることによって能力は、そいつからレイスへと継承されます」


    ハンジ「馬鹿な!そんなことがあるはずが!!」


    ユミル「あり得ない、何てことはあり得ない。このご時世じゃ、何が起ころうと事実を疑ってはいけない」


    ユミル「現に巨人なんてのが存在してるんです。この程度の事なんてかわいいもんでしょう」


    ハンジ「なるほど、君の言う通りだ。『事実は小説よりも奇なり』なんて言葉もあるくらいだしね」






    エルヴィン「それで、“素質”を食ったレイスが何故地獄の阻止へとつながるのかな?」


    ユミル「巨人の支配。即ち、自他の巨人の力を完全に掌握する力」


    ユミル「この能力を用いれば、巨人共を自在に従わせることが可能になります。そして何より…」


    ユミル「…巨人の力を持つ紫外線、この効力をも抑制し、人類を巨人化から守る事が出来ます」


    ユミル「つまり“素質”を持った叫びを発し続けることで、巨人化から人間達を守る事が出来るんです」


    ハンジ「なんと…!!」

  94. 98 : : 2014/06/21(土) 22:45:15

    エルヴィン「“素質”とレイスの巨人、人類を救うために必要なピースは二つか…」


    リヴァイ「だがそれには、“素質”はともかくレイスがこちらの味方であることが前提だな」


    ハンジ「確かに…。元々レイスは特異点側の人間、こちらの味方である可能性はほぼ0だ…」


    ユミル「いや」


    ハンジ「?」







    ユミル「他のレイスはともかく、ヒストリア・レイスは私達の味方になる可能性が高い」


    ユミル「人類を救うためのピースの一つは、すでに私達が手中に収めたと言っても過言ではありません」


    ユミル「尤も…そいつが自分を投げ打ってでも人類を救う覚悟を決めたら、の話ですがね」


    クリスタ「…」

  95. 99 : : 2014/06/21(土) 23:03:56

    ハンジ「ヒストリア・レイスが何者かは知らないけど、君がそこまで言う程の確証があるんだね?」


    ユミル「えぇ、一応は。じきにヒストリアとは出会う事になるでしょう。な、クリスタ?」


    クリスタ「え…あ…」


    ユミル「…」







    ミカサ「あなたの話で大体分かった。この世界は、腐りきった人間達によって操作されている事が」


    ミカサ「ライナー達が起こした事件は、結果的には奴らの目論見の半分を阻止することに繋がった」


    アルミン「大方、巨人を増殖させないために人類を滅ぼそうとしたってところかな」


    アルミン「だけど…やっぱりそれじゃ誰も救われない。僕らも、ライナー達も…」


    アルミン「何としてもヒストリアと“素質”を探し出さないと!」


    ユミル「まぁ言うのは簡単だがな。ぶっちゃけ、その“素質”が発見されたと言うのは聞いたことが無い」


    ユミル「さらに巨人化したレイスがそいつを食うんだ。もし“素質”がお前らの大切な人間だったら…」











    ユミル「…お前らは、人類のためにその大切な一人を差し出す覚悟はあるか?」


    アルミン「それは…」

  96. 100 : : 2014/06/21(土) 23:18:01

    ユミル「レイスの方だってそうだ。本来なら、叫びの役目はヒストリアじゃなかった」


    ユミル「だがそいつは5年前、シガンシナに巨人が襲撃した際にペシャンコに踏みつぶされたんだ」


    ユミル「そいつが死んだことによって、叫びの役目はヒストリアになるはずだった」


    ユミル「だが、そいつの身を案じる父親の手によって、ヒストリアは身分を偽りドロンする事が出来た」


    クリスタ「!?」







    ユミル「当の本人はその事を知らないようだがな。大方、クソ親父に見捨てられたと思ってるはずだ」


    ユミル「ヒストリアは正妻の娘じゃなかったからな。奴らの監視の目からも抜けやすかった」


    ユミル「父親に捨てられたんじゃなく、愛されていたという事にヒストリアが気付けば…」


    ユミル「…あいつも少しは考えが変わるんじゃねぇかと、淡い期待を抱いてるよ」


    クリスタ「…」

  97. 101 : : 2014/06/21(土) 23:33:14

    ユミル「だが内地の連中もバカじゃない。正妻の娘が死んでいることも、ヒストリアの存在も気付いてるはずだ」


    ユミル「そうなると奴らの狙いは一つ…」


    ハンジ「ヒストリアの奪還と、“素質”の抹殺か!!」


    ユミル「奴ら、血眼になって探しているはずです。最近だいぶキナ臭くなってきましたからね」






    エルヴィン「エレンの巨人化能力が発覚した頃から騒がしくなった。“素質”と巨人化は関係があるのか?」


    ユミル「“素質”は基本的に巨人化能力者しか得られません。エレンも候補の一人です」


    ハンジ「内地の連中がエレンや捕えたアニを異様なまでに欲しがっていたのは、そう言う理由だったのか」


    ユミル「“素質”は奴らにとって邪魔でしかありません。しかし、巨人の支配は奴らが最も欲しい力」


    ユミル「もしかしたら、抹殺よりもその能力を手中に収める事を優先してくるかもしれませんね」


    ハンジ「奴らにとって最も邪魔であり、且つ最も欲しい力。それの在処さえ分かれば…」















    バタンッ!!
  98. 102 : : 2014/06/21(土) 23:50:40

    モブリット「大変ですっ!!」


    ハンジ「どうしたの!?そんなに慌てて!!」


    モブリット「今すぐここから逃げてください!!さもないと…」


    「どいてくれるかい、兄ちゃん」

















    バァンッ!!
















    ハンジ「は…?」


    モブリット「」バタッ…

  99. 103 : : 2014/06/22(日) 18:36:19


    アルミン「何だ!?」


    ミカサ「気を付けて!!銃撃っ!!!」







    バァンバァンッ!!!







    ハンジ「」バタッ…


    エルヴィン「」バタッ…







    ユミル「なっ…」


    「はっはっは!!憲兵様が王政に仇なす悪党共をぶっ殺しに来てやったぜ!!」


    女部下「無闇に撃ち殺さないでください、隊長。どれが目的の奴かも分からないのに」


    リヴァイ「オイ…こいつは一体何の冗談だ…」
















    リヴァイ「…ケニーっ!!!!!!!!」


    ケニー「久しぶりだな、リヴァイ。随分とデカくなったじゃねぇか」

  100. 104 : : 2014/06/22(日) 18:50:35


    アルミン「団長…分隊長…そんな…」


    アルミン「僕は…悪い夢でも見ているのか…」


    ジャン「気を確かに持て!!ボケっとしてるヒマはねぇぞ!!」


    ケニー「おっと、逃がさねぇぜ。エレンってのはどいつだ?」ジャキッ


    女部下「ついでにヒストリアも差し出してもらおうか」ジャキッ


    部下達「」ジャキッ







    ジャン「何だありゃ…立体機動装置なのか?」


    ユミル「だが、私らが使ってるのとはだいぶ違うな。武器も刃じゃなく一発装填式の散弾銃」


    ミカサ「この狭い室内では回避は困難…」

  101. 105 : : 2014/06/22(日) 19:05:11


    ケニー「こっちも時間が無いんでな。とっとと目的の奴を連れて帰られねぇと上がうるせぇんだ」


    ケニー「まさか、しらばっくれるつもりじゃねぇよな?」


    クリスタ「こうなったら…」


    ユミル「まだだクリスタ。お前がハラ括るのはここじゃない」


    クリスタ「ユミル…やはりあなたは私を…」






    リヴァイ「お前ら」ボソッ…


    アルミン「兵長…」


    リヴァイ「俺が隙を作る。その間に裏の扉から逃げろ」


    リヴァイ「道中で調査兵を見つけたら拾え。無論、生きてる奴に限るがな」


    アルミン「まさか…他の人達もあいつらにやられたなんてことは…」


    リヴァイ「あり得る。むしろそっちの可能性のほうがデカい」






    リヴァイ「奴は数年前に内地を震撼させた殺人鬼。殺す事そのものに快楽を感じるイカれた奴だ」


    リヴァイ「ワケは知らんが、どうやら政府の命でエレンとヒストリアを回収に来たらしい」


    ミカサ「どいつもこいつもエレンを狙って…」ギリッ!
  102. 106 : : 2014/06/22(日) 19:20:05

    リヴァイ「さっきのユミルの話通り、奴らはこの二つを手中に収めることが目的だ」


    リヴァイ「そのために最も邪魔な調査兵団を実力行使で消しに来た。実に妥当な判断だ」


    リヴァイ「あんなイカれた奴のために、こいつらのこんな様まで見せつけられる羽目になっちまった…」






    エルヴィン「」


    ハンジ「」


    モブリット「」






    アルミン「まさか…こんなことになるなんて…」


    リヴァイ「俺が合図を出したら一斉に走れ。俺も後から合流する」


    ジャン「そんな!兵長一人を置いてはいけません!!」


    リヴァイ「一人じゃねぇ」チラッ…


    ジャン「え…?」

  103. 107 : : 2014/06/22(日) 19:35:21

    リヴァイ「合図は10秒後。備えろ」







    ケニー「おいおい、久しぶりの再会だってのにつれねぇな。俺も話に混ぜてくれよ」


    ケニー「ヒストリアとエレンはどいつだ?ここにはいねぇのか?全員殺していいのか?」


    リヴァイ「時間だ」


    ケニー「は?」







    リヴァイ「…ニファっ!!!!」


    ニファ「はっ!!!」バッ!


    女部下「こいつどこからっ!?」


    ケニー「女が潜んでやがったのか!!」







    ユミル「今だお前ら!!走れっ!!」


    アルミン「兵長…ご武運をっ!!」ダッ!


    ミカサ「然るべき報いを受けさせるまで、死んでもらっては困る」ダッ!













    一同「」ダッ!

  104. 108 : : 2014/06/22(日) 19:50:28

    ケニー「待ちやがれクソッ!!」


    リヴァイ「おいおい、せっかくの再会なんだ、俺と遊んで行けよ」







    女部下「こいつ…!」


    ニファ「分隊長を殺した恨み…ここで晴らさせてもらうっ!!」
















    リヴァイ&ニファ「はあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!!!!!」
  105. 113 : : 2014/06/22(日) 20:05:11

    ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~



    ユミル「これがさっきまでの出来事だ。私らは命からがらここまで逃げて来たのさ」


    エレン「エルヴィン団長とハンジ分隊長が…嘘だろ…」


    ミカサ「残念だけど…。事実上、調査兵団は解体したと言っても過言ではない」


    ジャン「団長と幹部クラスに加え、兵士もほぼ皆殺しだ。まさか巨人じゃなく人間に殺されるなんてな」


    リヴァイ「全く…今日はなんて日だ。唐突にいろんな出来事がありすぎて、泣き笑いの暇すらねぇ」


    エレン「兵長は無事に切り抜けてここまで来られたんですね…」


    ニファ「私もいますよ」ヒョコッ


    アルミン「うわあぁっ!!びっくりした!!」


    ニファ「兵長の的確な判断で、何とか生き延びられました。ありがとうございました」


    リヴァイ「あいつらの二の舞にはなってほしくねぇからな。本当にキツいのはこれからだ、覚悟しろ」


    ニファ「はい」
  106. 115 : : 2014/06/22(日) 20:15:04


    エレン「調査兵団本部を襲った奴等、一体何者なんですか?」


    リヴァイ「奴らはおそらく憲兵の中のエリート部隊だ。他の奴らとは格が違う」


    リヴァイ「対巨人というより、対人を想定された訓練を仕込まれている印象を受けた」


    ユミル「さしずめ『対人制圧部隊』ってところですかね。あの立体機動装置も、それが目的でしょう」






    ニック「奴等、だいぶ焦っているようだな。今までそんな組織が動いたことは無かった」


    ニック「どうやら5年前にレイスが死んだことによって、計画の歯車が狂ったようだな」


    ニック「当初、叫びを発する予定だったレイスが死んだから、奴らがその子を狙い始めたという事か」


    クリスタ「え…!?」






    アルミン「あの、一体何を?この子はレイスとは無関係ですけど」


    ニック「私には分かる。その子はレイスの血を引いている。そうだろう?」


    クリスタ「あ…」


    ユミル「…白状しちまいな。このおっさんには隠し通せねぇよ」

  107. 116 : : 2014/06/22(日) 20:25:15

    ニック「我々特異点にはレイスの気配が分かるのだ。無論、内地の連中も然り」


    ニック「奴らが確証を持って本部を襲撃したのも、そこにレイスの気配を感じたからだろう」


    エレン「クリスタが…レイス?」


    リヴァイ「それが本当なら、この場に必要なピースが揃ってることになるが?」


    ミカサ「理由のある襲撃だったという事…?」






    クリスタ「つまり…私があの場に居たせいで、皆が殺されて…」


    ユミル「違う。悪いのはお前じゃない。悪いのは、レイスにクソみてぇな役割を担わせたヤツら」


    ユミル「どこの誰だかハッキリ分かんねぇが、人間をおもちゃとしか思ってねぇクソ野郎だよ!!」


    クリスタ「ユミル…私…」


    ユミル「…」コクン…







    クリスタ「…」グッ!











    クリスタ「…皆さん、聞いてください」


    クリスタ「私の真の名は、ヒストリア・レイス。内地の人達が狙っているのは、紛れもない私自身」

  108. 117 : : 2014/06/22(日) 20:35:20

    クリスタ「私は5年前、突如として父に生家を追い出され、開拓地へと送られました」


    クリスタ「その際言われた事は二つ」


    クリスタ「今後は『クリスタ・レンズ』として生き、レイス家としての身分は絶対に明かさない事」


    クリスタ「そして二度とレイス家に近付かない事。この二つを約束させられました」






    クリスタ「その日以来、私はずっと父に捨てられたものだと思っていました」


    クリスタ「だって家を追い出されて、二度と近付くなと言われたら、誰でもそう思いますよね」


    クリスタ「それ以来私は自分を押し殺し、クリスタという別の人間を自身の中に作り上げました」


    クリスタ「そう。今日、この日まで…」







    リヴァイ「それで、これからはどうする気だ?まだクリスタを続けるか?」


    クリスタ「いえ…もうクリスタ・レンズはこの世に居ません」







    ヒストリア「…私は『ヒストリア・レイス』!堀の中の地獄を阻止するために、この身を捧げます!!」


    ユミル「よく言ったクリ…いや、ヒストリア。それでこそ私の嫁にふさわしい」


    ヒストリア「ありがとうユミル。ありがとう…」
  109. 118 : : 2014/06/22(日) 20:45:20

    ニック「これで二つのピースが揃った。しかし…」


    アルミン「これで万事解決、というワケではありませんよね…」


    ジャン「さっきの話が本当なら、ヒストリアが巨人になってエレンを食わなきゃならねぇ」


    コニー「そんなことが簡単に許されるはずが…」


    ミカサ「」ギロッ!


    コニー「…ねぇよな」






    ヒストリア「私はもう覚悟は決めました。巨人になろうが誰かを食べようが、問題はありません」


    ユミル「お前はどうだ、エレン?」


    エレン「オレは…」チラッ…






    ミカサ「…」


    アルミン「…」

  110. 119 : : 2014/06/22(日) 20:55:09

    リヴァイ「とっとと腹を括れ。お前がいつまでもウジウジしてるようじゃ、誰も救えねぇぞ」


    エレン「オレ自身、こいつらを守るために死ぬことは怖くありません。ただ…」






    エレン「こいつらを…オレの仲間達をここに残して死ぬことが怖い!」


    エレン「今までオレの傍で支えてくれた奴!オレを巨人だと認識しても離れずにいてくれた奴!」


    エレン「そんな奴らを…オレは残して死にたくないっ!!」


    リヴァイ「今まで死んでいった奴らも皆そうだ。お前だけじゃない」


    リヴァイ「奴らとお前の違う点は、その世話になった連中に感謝する時間があることだ」


    リヴァイ「何も伝えられずに逝っちまうよりは、猶予があるだけまだマシだとは思わねぇか?」


    エレン「確かにそうかもしれませんが…」







    エレン「…とても割り切れませんよ!どんだけ理屈を並べても、オレにはとても割り切れないっ!!」


    リヴァイ「てめぇが決断を躊躇うのも勝手。ガキみてぇにウジウジ悩むのも勝手。だがな…」


    リヴァイ「…俺達には時間がねぇんだ!!今すぐここで決めろっ!!」


    エレン「無理ですっ!!少なくともオレには今死ぬための覚悟がありませんっ!!」

  111. 120 : : 2014/06/22(日) 21:05:35

    ニック「この愚か者めがっ!!」


    ミカサ「エレンは私達の事を想って決断を迷っている。あなたに愚か者呼ばわりされる筋合いは無い」


    アルミン「ミカサ落ち着いて!」





    ユミル「この腰抜けがっ!!ヒストリアの覚悟を無駄にする気か!?」


    ヒストリア「ユミルもだよ!!死ぬなんて決断がそう簡単にできるはずがないよっ!!」


    ニファ「まずい…こんなところで仲間割れしてる場合じゃ…」


    コニー「あれ…もしかして…」







    エレン「こんな事なら…仲間なんて作るんじゃなかった…」


    ミカサ「エレン?」







    エレン「誰からも愛されず、一人で生きてくればよかった」


    エレン「親からも捨てられ、仲間からも見放され、誰も助けてくれない場所でたった一人」


    エレン「そうすれば、命の一つや二つ、簡単に捨てられたのに…」


    エレン「…こんなところで決断が鈍ることは無かったのによっ!!」


    ユミル「…エレンてめぇっ!!」ビュッ!








    バキッ!!

  112. 121 : : 2014/06/22(日) 21:15:37

    エレン「ぐあっ!!」


    ミカサ「ユミル!何をするのっ!?」


    ユミル「そんな台詞、二度とヒストリアの前で吐くんじゃねぇ!!今度言ったらぶっ殺すぞ!!」


    コニー「おいお前ら!こんなところで喧嘩はよせ!!」


    ユミル「これは喧嘩じゃなく教育だ。この分からず屋に、言っていい事と悪い事の分別を付けてんだよ」


    コニー「お前が何言ってんのかはよく分かんねぇけどよ、別にエレンを食う必要なんてないんじゃねぇか?」


    ユミル「はぁ?お前、さっきの話聞いてたのか?」


    アルミン「“素質”を持つ者を食べたレイスの巨人が叫びを発することで、初めて巨人化から人類を救えるんだ」


    アルミン「エレン以外に“素質”を持つ者がいない以上、この方法を実行するにはエレンを…」






    コニー「だからよ、そんな方法じゃなくても人類を救えるだろ?」


    サシャ「私も一つ思ったことがあります。おそらくコニーと同じ事だと…」


    ジャン「まぁ期待はしねぇが…言うだけ言ってみろ」
  113. 122 : : 2014/06/22(日) 21:25:03

    コニー「簡単な話だよ。エレンは巨人共を支配し、行動を操作できるんだろ?」


    コニー「だったら堀の外に居る巨人達を、人間達に近付けさせないようにすればいい」


    サシャ「そして日食の紫外線が届かない堀の外へ移住する」


    サシャ「これなら誰も食べなくて済むし、誰も巨人化せずに済みますよ?」


    一同「」ポカン…









    コニー「俺達、なんか変なこと言ったか?」


    ニック「何と…何故そんな単純な事に気が付かなかっただろうか…」


    ニック「レイスの叫びと絡めた阻止方法しか考えていなかったために、“素質”本来の力を忘れていた…」


    ユミル「はっはっは!何てこった、でかしたぜ馬鹿共!!」


    ジャン「脳ミソが単純だからこそ、そう言う思考に至ったってワケか…」


    ニファ「これならば、『終わらない108年』に終止符を打つことも…」


    リヴァイ「…お前ら構えろっ!!」
















    ケニー「見ぃつけた…」





















    バァンバァンッ!!
  114. 123 : : 2014/06/22(日) 21:35:16

    コニー「がっ…」


    サシャ「あぁっ…」


    ミカサ「見つかった!?」


    ジャン「サシャとコニーがっ!!しっかりしろ!!」






    サシャ「」


    コニー「うぅ…」






    ジャン「嘘だろ…サシャは即死、コニーも尋常じゃねぇ出血だ…」


    ケニー「あんま手間かけさせんなよ。ここまで来るのは年寄りには大変だったぜ」






    ニック「何者だこいつら…」


    アルミン「ニックさん!逃げてくださいっ!!」


    リヴァイ「お前らも全員散れっ!!」


    ケニー「おっ?」


    ジャン「でもコニーがっ!!」


    リヴァイ「死に損ないに構って死人を増やす気か!!早くしろっ!!」


    ジャン「そんな言い方…」

  115. 124 : : 2014/06/22(日) 21:50:40

    ケニー「ようやくエレンとヒストリアがどいつか分かった。それ以外は全員死ね」ジャキッ!


    リヴァイ「来いケニー!あんたの相手は俺だ!!」パシュッ!


    ケニー「おーおー、イキがいいなぁ。いいだろう、さっきの続きと行こうぜ」パシュッ!


    リヴァイ「これ以上死体を増やすな!!どんな手を使ってでも生き延びろ!!以上だっ!!」


    ニファ「了解っ!!皆、こっちへ!!」


    女部下「逃がさんっ!!」


    ニファ「しつこいな…!こっちはあなたに構ってるヒマはないのに!!」パシュッ!


    女部下「こっちにはある。これ以上邪魔をされると困るんだよっ!!」パシュッ!









    ヒストリア「兵長もニファさんも行っちゃった…」


    ニック「私が居ても足手まといにしかならなそうだ。済まぬが…」


    ユミル「それがいい。あんたを巻き込むのは少々心苦しい」

  116. 125 : : 2014/06/22(日) 22:06:18

    アルミン「奴らの仲間がいつこっちに来るか分からない。僕らも早く逃げよう」


    ジャン「…」








    コニー「ジャン…ジャン居るか…」


    ジャン「お…おう!ここにいるぞ!大丈夫、助けてやるからな!!」


    コニー「いや…いいよ…どうせ俺はもう助からねぇ…」


    ジャン「馬鹿野郎!泣き言言ってんじゃねぇ!お前はこんな所でくたばるタマじゃねぇだろ!!」


    コニー「無茶言うな…腹に風穴開いてんだぞ…」







    コニー「お前らは早く逃げろ…でないと…俺みたいになっちまうぞ…」


    ジャン「逃げるさ!ただし、お前も連れてな!!こんな場所に置いてったりは…」


    コニー「ジャンっ!!!!!」


    ジャン「!?」

  117. 126 : : 2014/06/22(日) 22:21:21

    コニー「ちゃんと…やれよ…」


    コニー「お前が今すべき事は…俺なんかに構う事じゃねぇだろ…」


    コニー「大丈夫だ…お前にはそれがちゃんと分かってる…」


    コニー「…さっさと行け!!死んだら許さねぇぞ!!」


    ジャン「…馬鹿のくせに、偉そうに指図すんな!!」







    コニー「頼むぞ…」









    ジャン「…行くぞお前ら!!」


    エレン「ジャン…」











    ジャン「後で必ず…必ず迎えに来てやる」


    コニー「待ってるぜ…いつまででもな…」


    ジャン「…あばよ」











    パシュッ!

  118. 127 : : 2014/06/22(日) 22:42:51


    コニー「…」







    コニー「あーあ、皆行っちまったな…」


    コニー「あいつら、最後まで無事だといいな…な、サシャ…」







    サシャ「」







    コニー「ちぇっ、何とか言えよ…」







    コニー「…」







    コニー「ごめんよ母ちゃん、結局親孝行らしいこと何もできなかったな…」


    コニー「せめて…生きて帰れば喜ぶかと思ったけど…それも叶わねぇんだな…」


    コニー「何で…何でこんなことになっちまったんだろうなぁ…」







    コニー「…」







    コニー「あぁ…そろそろ…限界みたい…だな…」


    コニー「先に向こうで…待ってる…ぜ…母ちゃんは…まだ来るんじゃ…ねぇぞ…」


    コニー「父ちゃん…サニー…マーティン…母ちゃんを…頼んだぞ…」































    コニー「」

  119. 129 : : 2014/06/23(月) 20:19:34

    ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~


    ケニー「…バキューンっ!!!!」






    ドオォンッ!!






    リヴァイ「チッ…」


    住民「何だ!?」


    住民「兵士が空中で戦ってる!!」


    住民「オイ…あいつはリヴァイじゃないのか!?調査兵団の!!」







    リヴァイ(街中じゃ余計な被害が出るな…。かと言って、立体機動が使えない場所じゃ分が悪い)


    リヴァイ(おまけに、このまま逃げ続けてもおそらく行く末は決まってる。ならば…)
  120. 130 : : 2014/06/23(月) 20:35:58

    ケニー「オイオイオイオイオイッ!!逃げてばっかじゃちっとも面白くねぇぞ!!」


    ケニー「お前のチビっこい体に銃弾を当てるのは至難の業だ!だからそこらでおとなしくしてろ!」







    バァンバァンッ!!







    ガラガラッ!!







    住民「うわあぁぁぁっ!!」


    住民「ひいぃぃぃぃっ!!」







    リヴァイ「あの野郎…」


    ケニー「ホントに当たらねぇな。そらっ、バンバンッ!!」







    バァンバァンッ!!







    住民「ぐぁっ…」バタッ…


    住民「いやあぁぁぁぁぁぁっ!!」







    ケニー「違うのに当たっちまった!!死んだかなアレは!?ふはははははっ!!!」


    リヴァイ「とことんイカれた野郎だな…」
  121. 131 : : 2014/06/23(月) 20:57:02

    ケニー「気を付けな!!その辺は俺の仲間が潜んでるかもしれないぜ!!」







    部下達「」ザッ!


    リヴァイ「…どきやがれっ!!」ビュッ!!







    グサアァッ!!







    部下「ぐあぁぁぁっ!!!」


    部下「あいつ!!刃を投げつけやがった!!」


    ケニー「あの野郎、俺の大事な部下を…」











    リヴァイ「」ヒュウゥゥゥン…











    ケニー「向こうの路地に入ったぞ!!あの先は行き止まりだ!!追えっ!!」


    部下達「はっ!!」
  122. 132 : : 2014/06/23(月) 21:25:11

    ケニー「この道の角を曲がると…」ヒュゥゥゥ…







    ケニー「…そこは地獄の入り口でしたとさ!!死ねっ!!」ジャキッ!!


    部下達「」ジャキッ!!







    バァンバァンッ!!







    ケニー「はははははっ!!殺ったか!?」


    部下1「があっ…」


    リヴァイ「チッ…汚ぇ血だ…」


    ケニー「なっ…」


    リヴァイ「馬鹿め。自分達の仲間をハチの巣にするとはな」


    ケニー「あの野郎…部下を盾にしやがった!!」
  123. 133 : : 2014/06/23(月) 21:45:09

    リヴァイ「てめぇらの銃は連射が効かねぇ。一度ぶっ放せばしばらく隙ができる」


    リヴァイ「こいつに馬鹿みてぇに銃弾ブチ込んだせいで、てめぇらは今何ができる…?」


    ケニー「しまっ…」


    リヴァイ「」パシュッ!!







    ザクッ!!







    部下2「ぐあぁっ!!」


    ケニー「直接アンカーを刺しやがった!?」


    リヴァイ「」グイッ!


    部下2「うあぁぁっ…」









    ズバアァァァァァァァァァァァァァァァッ!!!!









    部下2「」ドサッ…


    ケニー「あの野郎っ!!」

  124. 134 : : 2014/06/23(月) 22:04:55

    リヴァイ「」ギロッ!


    部下3「ひっ…」







    リヴァイ「あんたが何のために内地の連中の手先になってるのかは知らねぇが…」


    リヴァイ「…これ以上、俺達に干渉するな。エレンもヒストリアも手出しはさせん」


    ケニー「そこまでして、何であの二人を守る?何かお前にメリットでもあるのか?」


    リヴァイ「ここまで来ると、行動理由は損得勘定では語れない。ただ、やるのみ…」


    リヴァイ「仲間の死を無駄にしないためにも、俺達はやらなければならない事があるんだ」


    ケニー「お前の口からそんな台詞を聞くとはな。調査兵団に入って、だいぶ丸くなったらしい」







    ケニー「だが!やらなきゃねぇのは俺達も同じだ!!おとなしく二人を差し出せ!!」


    リヴァイ「断る。エルヴィンが逝った今、俺は誰の指図も受けん」


    女部下「これを見ても同じことが言えるか?」グイッ


    ニファ「くっ…離せ…」


    ケニー「おぉ…よくやった…」


    リヴァイ「ニファ…」

  125. 135 : : 2014/06/23(月) 22:18:16


    ニファ「兵長…私に構わずこいつらを…」


    女部下「勝手に喋るな」ギュッ!


    ニファ「あぁぁっ!!」





    リヴァイ「オイ!そいつを解放しろ!!」


    ケニー「するさ。おとなしく二人を渡せばな」


    ニファ「ダメです兵長っ!!こいつらに渡しては…」


    女部下「喋るなと言ってるだろう!!」






    バキッ!!






    ニファ「ぐっ…」


    リヴァイ「」ブチッ…


    ケニー「ん?」







    リヴァイ「…その汚ぇ手を離しやがれっ!!クズ共があぁぁっ!!!!」ダッ!


    ユミル「待て兵長さんっ!!」


    リヴァイ「!?」

  126. 136 : : 2014/06/23(月) 22:33:53

    ユミル「あんたがここで暴れても、この状況はどうにもならねぇよ…」


    リヴァイ「オイ…てめぇら一体何してやがった…」











    リヴァイ「俺はてめぇらに逃げ延びろと言った!何だそのザマは!!」


    エレン「…」


    ミカサ「…」


    アルミン「…」


    ヒストリア「…」


    ジャン「…」


    ユミル「すまねぇ、ヘマこいた。ヒストリアを人質に取られちゃ、手が出せねぇよ…」

  127. 137 : : 2014/06/23(月) 22:48:35

    部下「隊長、こいつらを捕えることに成功しました。後はどうしましょうか?」


    ケニー「よくやった。エレンとヒストリア以外は殺せ」


    ヒストリア「やめて!!誰も殺さないで!!でないと、私は今ここで舌を噛み切って死ぬ!!」


    ケニー「ゲッ!んなことされたら大目玉だ!!お前ら、そいつらは殺すなよ!」


    部下「はっ!!」


    ヒストリア「…」


    ユミル「ありがとよ、ヒストリア。お前のおかげで、余計な死人が出るのを防げた」


    ヒストリア「私こそ…ごめん。鈍臭いばっかりに真っ先に捕まって…」







    ケニー「リヴァイも捕えろ。内地へ連れて行く。抵抗したら…分かってるな?」


    リヴァイ「チッ…!」
















    ケニー「さて…必要なモンは揃ったな」
  128. 139 : : 2014/06/24(火) 20:21:16

    ~3日後・内地某所の地下牢~



    ミカサ「…」


    アルミン「…」


    ジャン「…」


    ユミル「…」


    ニファ「…」


    リヴァイ「…オイ、いつまでこんな場所に閉じ込めておくつもりだ?」


    憲兵「口を慎め。貴様らはいつでも殺せるんだぞ」


    リヴァイ「だいたいにして、ここはどこなんだ?兵団組織の建物ではないようだが?」


    憲兵「口を慎めと言っている。それに、我々がその事に関して答える義理は無い」


    リヴァイ「チッ…クズの分際が」


    憲兵「何だと!?言わせておけば!!」









    ケニー「まーまー、その辺にしとけや。小汚ぇ場所に閉じ込められて、リヴァイもイラついてんだ」

  129. 140 : : 2014/06/24(火) 22:38:23

    リヴァイ「ケニー…何の用だ?」


    ケニー「出ろ。お偉いさんが会いたいそうだ」


    リヴァイ「あんたらの依頼主か?丁度よかった、一度ツラを見ておきてぇと思ってた」


    リヴァイ「ついでに、10発くらい殴らせてもらえるんだろうな?」


    ケニー「そう言う類の頼みなら直接してくれ。俺には何とも言えん」


    リヴァイ「…」
















    ケニー「面白いモンが見られると思うぜ。へっへっへ…」
  130. 142 : : 2014/06/25(水) 19:40:15
    ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~


    エレン「…」


    ヒストリア「…」






    ミカサ「エレンっ!!」


    エレン「ミカサ!!それに皆!!無事だったんだな!!」


    アルミン「エレンとヒストリアも!!よかった、心配したんだよ!!」


    エレン「それはこっちのセリフだ!真っ先に殺されるとしたらお前らの方だからな!!」


    ジャン「ケッ、お気楽でいいなぁ、“素質”様はよ。まだ殺される心配はねぇんだからな」


    エレン「んだと!?オレは本気でお前らを心配して…」


    ケニー「おーおー、仲間割れはその辺にしてくんな。うるさくて仕方ねぇ」

  131. 143 : : 2014/06/25(水) 19:55:53


    リヴァイ「同感だ。そんな元気があるなら、そこで突っ立ってる奴に一発ブチ込む位してみろ」






    ロッド「…」






    ニファ「あの男は…?」


    リヴァイ「あいつがあんたの依頼主か?どこのどいつだって言うんだ?」


    ヒストリア「父です」


    リヴァイ「あ?」







    ヒストリア「私の父です。5年前、私を密かに開拓地へ逃がした…」


    アルミン「じゃあこの人が…」


    ロッド「…いかにも。私の名はロッド・レイス。レイス家の現当主だ」


    ロッド「尤も…今となってはそんな肩書に力は残っていないがな」

  132. 144 : : 2014/06/25(水) 20:16:12

    ケニー「そんな寂しい事言わんで下さいよ。あんたの仕事はこれからでしょう」


    ロッド「大切な娘を内地の連中の私欲のために差し出すなど…私にはできん」


    ケニー「この期に及んでまだそんな事を。別にあんたの可愛い娘が死ぬワケじゃない」


    ケニー「ただ少し身長を伸ばして、美味しい食事にありついた後ちょっとだけ叫んでくれればいいんだ」


    ロッド「こんなのは間違っている!!我らレイス家は、こんな事のために存在するのではない!!」


    ケニー「そう言う事は俺じゃなく、そっちの方に言ってくんな」


    ロッド「あなたは間違っている…!巨人しか存在しない世界を支配して、一体何が楽しいのだ!?」









    ロッド「…フリッツ王よ!!」


    フリッツ「正確には、巨人と私の臣下達だ。それ以外の下等な人間など、私の理想郷に不要だ」


    アルミン「あれが…」


    ニファ「実物を見るのは初めて…」


    ジャン「王か…。この世界に下らねぇ108年を繰り返させる悪の元凶か!!」


    ケニー「2000年以上続くこの世界の実権を握り続けてきたフリッツ王だ。口を慎めよ、お坊ちゃん」
  133. 145 : : 2014/06/25(水) 20:31:14

    リヴァイ「ますます解せねぇな。あんたみたいな奴が、王の狗になるとは思ねぇんだが?」


    ケニー「理由はお前が考えてるほど複雑なもんじゃねぇよ。単純明快だ」


    ケニー「貴族でもなければ特異点でもない。そんな俺が何で王の命で動いているか。理由は一つ」


    ケニー「…命令を遂行するために“殺し”を許可されてるからだ」


    リヴァイ「なるほど、実に分かりやすいな」






    ケニー「かつて俺達は、ゴミ溜めの中で生きるしかなかった。その日、その日を必死にな」


    ケニー「世界はどうやら広いらしいってことを知った日は、そりゃ深く傷ついたもんだ」


    リヴァイ「…」


    ケニー「今までのチンケな自分と、そのチンケな人生には、何の意味もねぇって事を知っちまった」


    ケニー「だが…救いはあった」


    アルミン「救い…?」

  134. 146 : : 2014/06/25(水) 20:44:33

    ケニー「やりたい事が見つかった。正確には、やりたかった事をやらせてくれる人が現れた」


    ケニー「単純だろ。人生を豊かにしてくれるのはやりたい事、すなわち『趣味』ってところだな」


    リヴァイ「おおむね同意できる。俺の仲間を手に掛けたのもあんたの趣味ってところか?」


    ケニー「あぁそうさ。最高権力者の許可を得られなきゃ、到底続けられねぇ趣味さ。羨ましいだろ?」


    リヴァイ「権力の後ろ盾で、イカれた殺人犯がエリート暗殺部隊に名が変わったってワケだ」


    ケニー「目的のためなら殺しまくりだ。お前だって、手前のために殺す事だってあるだろう?」


    リヴァイ「違いはねぇが…あんたと一緒にされるのは気に食わねぇな」






    フリッツ「無駄話はそのくらいにしてもらおう」


    ロッド「王よ…どうか…どうかお見逃しください!ヒストリアにあんな真似はさせたくありません!」


    フリッツ「私もだ。だが、他に適任がいない。もう一人の娘は5年前に死んでしまったしな」


    フリッツ「愚かな男よ。辺境のシガンシナに逃がしたばかりに、巨人の餌食にされるとは」


    ロッド「くっ…!」

  135. 147 : : 2014/06/25(水) 21:00:41

    ユミル「なるほどな。あのおっさんは正妻の娘も逃がしていたのか」


    ジャン「だが運悪くシガンシナ陥落に巻き込まれて死んじまった。そのせいでヒストリアが…」


    ロッド「お前達…」


    エレン「何だよ…」





    ロッド「お前は巨人になれるのだろう?お前達も兵士ならば、それなりに強いのだろう?」


    リヴァイ「何が言いたい?」


    ロッド「ヒストリアを…守ってくれ!!こいつらの魔の手から守り通してくれ!!」


    ユミル「おっさん!!何する気だ!!」


    ロッド「最後までヒストリアが見つからない事を祈っておとなしくしてきたが、もはやここまで!!」


    ロッド「ならば刺し違えてでも、この愚かな独裁者をこの場で葬って…」


    ケニー「そうは問屋が卸さねぇよ」スッ…


    ロッド「なっ…」
















    ビュッ…

  136. 149 : : 2014/06/25(水) 21:16:05

    ロッド「ぐふっ…」


    ユミル「おっさん!!」


    ニファ「何て事を!!」


    エレン「首を掻っ切りやがった!!」







    ヒストリア「お…お父…さん…」







    ヒストリア「そん…な…嫌だ…嫌だお父さん…」











    ヒストリア「…嫌あぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!!!!!!」


    ユミル「落ち着けヒストリアっ!!」

  137. 151 : : 2014/06/25(水) 21:35:59


    ケニー「思えば、こんなおっさんは最初から必要なかったな」


    ケニー「少しでも手を貸してくれる気になれば、命だけは助けてやったってのによ」


    エレン「お前っ!!どうしたらそこまでクズに成り下がれるんだ!!答えろっ!!」


    ケニー「あぁ?俺が答えて何になる?お前も一緒にクズになるための方法が知りたいのか?」


    エレン「その口を閉じろ!!このクズ野郎がっ!!」


    ミカサ「エレン!ここで感情的になってもダメ!!落ち着いて!!」









    ヒストリア「いやあぁあぁぁぁあゃぁあっぁあぁああっぁぁっあああぁぁっ!!!!」









    ヒストリア「ああぁぁっははハァははハははっ!!ふふふぁぁああぁあぁっ!!!!」









    ヒストリア「お父さんんぁんんんあぁぁぁっははっははっぁあぁああぁあぁ!!!!」









    ユミル「やべぇ!!完全に錯乱状態だ!!」
  138. 152 : : 2014/06/25(水) 21:54:10

    フリッツ「ケニー、そろそろ始めても良いぞ」


    ケニー「了解。お前ら、約束の面白いモンを見せてやる」


    リヴァイ「一体何をする気だ…?」


    ケニー「こうすんのさ」







    ザクッ!


    一同「!!」







    ヒストリア「あぅっ…」


    ニファ「ひどいっ!!」


    エレン「野郎!!ヒストリアを斬り付けやがった!!」


    ユミル「ふざけんなコラ!!私の前でそんな事するとはいい度胸だ!!肉塊も残らねぇと思え!!」

  139. 153 : : 2014/06/25(水) 22:15:07

    ミカサ「待って!ヒストリアの様子が!!」


    ヒストリア「あぁ…痛い…痛いよぉ…」


    ヒストリア「何でこんな目に…痛い…誰か助けて…」







    シュウゥゥゥゥ…







    ヒストリア「…え?」


    ユミル「なっ…」


    エレン「傷口から蒸気…まさか!?」


    ケニー「お前らならよく知ってるよな。あの蒸気が一体何を意味するか」


    ジャン「何てこった…じゃあすでにヒストリアは!!」


    フリッツ「残念ながらとっくに投与済だ。巨人の力を、な」

  140. 154 : : 2014/06/25(水) 22:30:10


    フリッツ「さぁヒストリア、108年ぶりにレイスの巨人を見せておくれ」


    ヒストリア「私が…巨人…」







    ヒストリア「嫌っ!!もう嫌っ!!何もかも!!何でこんなことになるの!!」


    ユミル「おいヒストリアっ!!」


    ヒストリア「どうして!?誰か助けてよ!!何で私ばっかり!!」


    ユミル「ヒストリア落ち着け!!頼むから私の声を聞いてくれっ!!」


    フリッツ「無駄だ。今のその子の精神は崩壊寸前。貴様らの声など届かない」


    フリッツ「何故なら、貴様らに助けを乞うても何も救われない事を知っているからだ」


    ユミル「んな事はねぇ!ヒストリアを助けられるのは私達だけだっ!!」


    フリッツ「そいつはどうかな?」

  141. 155 : : 2014/06/25(水) 22:45:32


    ケニー「ヒストリア、助けてほしいか?」


    ヒストリア「あぁぁ…助けて…助けてよぉぉぉぉっ!!!!!」






    ケニー「それじゃ、もっと強く願え。助けてほしいと望め。そうすれば、きっと助けてもらえる」


    ヒストリア「あぁぁ…あぁぁぁぁぁ…」








    エレン「オイ…外傷を負った状態で何かを強く念じちまったら…」


    ユミル「やめろヒストリア!!その状態で強い意志を持つんじゃねぇ!!」


    フリッツ「手遅れだ。もうその子は…」


    ヒストリア「あぁぁぁぁ…」
















    ヒストリア「」フッ…

  142. 156 : : 2014/06/25(水) 23:04:07

    ケニー「さぁ…楽しいショーの時間だ…」











    カッッッッッッッッッッッッ!!!!!!!!!











    ドオォォォォォォォォォォォォォォンッ!!!!!!!!!!


    一同「!!」
















    ジャン「そんな…嘘だろ…」


    アルミン「何てことだ…」


    リヴァイ「これがあんたの言う面白ぇモンか…」





















    ヒストリア巨人「…アァァァァァァァァァァッ!!!!!!!」
  143. 157 : : 2014/06/26(木) 20:30:09


    ユミル「ヒストリア!!ヒストリア、返事をしろっ!!私が分かるか!!」


    ヒストリア巨人「アァァァァァァァァァァッ!!!!!!!」ブンッ!


    ユミル「どわあっ!!」バッ!


    アルミン「迂闊に近づいたら危険だ!!」





    フリッツ「ケニー、ここに居ては我々も危うい。奥の部屋へ」


    ケニー「こいつが居れば邪魔者の片付けとエレン食いの両方が達成される。せいぜい頑張れや」






    スタスタ…






    エレン「待ちやがれ!!」


    ミカサ「エレン危ないっ!!」










    ガシッ!!

  144. 158 : : 2014/06/26(木) 20:45:12

    エレン「しまった…」







    ヒストリア巨人「」グッ!


    エレン「ぐあぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!!!」メキメキッ!!


    ミカサ「エレン!!よくも…」


    アルミン「駄目だミカサ!!丸腰の状態の僕達じゃ勝ち目はないっ!!」


    ミカサ「でもこのままじゃエレンが!!」







    ヒストリア巨人「」アーン…


    エレン「」グッタリ…







    ジャン「このままじゃ本気でやべぇぞ…!エレンが食われちまったら、奴らの思うツボだ!!」

  145. 159 : : 2014/06/26(木) 21:00:48

    リヴァイ「俺が奴の気を引く。このままだとエレンが食われた上に、ヒストリアが奴らの手に渡る」ダッ!






    ヒストリア巨人「アァァ…?」チラッ…






    リヴァイ「こっちだ馬鹿野郎。ついてこい」タタタッ!


    アルミン「いいぞ、エレンから気が逸れた!」


    ミカサ「だけど、状況が絶望的なのには変わりない。せめて立体機動装置があれば…」


    ニファ「この状況を打破するための方法は…」











    ユミル「ある。一つだけな」


    ニファ「え!?」


    アルミン「一体どうすると言うんだ!?」


    ミカサ「どうにかして、うなじからヒストリアを取り出せると言うの?」


    ユミル「いや、そいつは無理だ。見たところ、ヒストリアが巨人化したの初めてだろう」


    ユミル「その状態じゃ、他の無知性と同じでうなじには誰もいない。削げば蒸発するだけだ」


    アルミン「あの巨人はエレン達とは違うのか?もうヒストリアは元には戻れないのか!?」


    ユミル「だからあるって言ってるだろう。一つだけ、な」

  146. 160 : : 2014/06/26(木) 21:15:51


    ユミル「巨人共が本能のままに人間を貪る理由を、お前らは知ってるか?」


    ジャン「イヤ…それが分からねぇからみんな苦労してるんじゃねぇか…」


    ユミル「別にそんな難しい理由じゃない。奴らは単純に、人間に戻るために人間を食うんだ」


    ニファ「人間に戻るため…?」


    アルミン「つまり?奴らが人間を食い続ければ、いつかは元に戻るとでも?」






    ユミル「ただがむしゃらに食えばいいってワケじゃない。特定の人間を食った時のみ、元に戻れる」


    アルミン「特定の人間…?」


    ユミル「すなわち、巨人化能力者。エレンやライナー、アニやベルトルさんみたいな人間の事だ」






    ユミル「巨人がそいつらを捕食すると、そいつらの持つ『巨人の力をコントロールする術』を得られる」


    ユミル「んでもって元に戻った後は、巨人化の力を自在に操れる。今のエレン達みたいにな」


    アルミン「つまり…エレンも最初は今のヒストリアと同じ状態で…」


    ミカサ「巨人化能力者を食べて、巨人の力を操れるようになったと言うの…?」


    ユミル「そう言う事になるな。誰を食ったか定かじゃないが、気持ちのいい話じゃねぇだろ?」

  147. 161 : : 2014/06/26(木) 21:30:55

    ジャン「確かにな…。自覚のあるなし問わず、人間一人をその身の中に取り込んじまってんだ…」


    ミカサ「巨人達の目的は分かった。つまりこの場でユミルが言いたいのは…」


    アルミン「…あのままエレンが喰われれば、ヒストリアが元に戻り“素質”も持てる」


    ジャン「俺達が成し遂げようとしている目的が、否が応でも達成されるって事だろう?」


    ニファ「でもそれじゃ、結局エレンを失う事に…」





    ユミル「そうはさせねぇさ。私がさっきから言いたいのは、そのための策だ」


    アルミン「でも君の言うとおりにするのなら、エレンをヒストリアに…」


    ジャン「それとも、ライナーやベルトルトを食わせようってのか?」


    ユミル「この場に居ねぇ奴をどうやって食わせるんだよ。そんな回りくどい事はしねぇさ」









    ユミル「もっと単純に…シンプルに行こうぜ…」


    ジャン「は…?」

  148. 162 : : 2014/06/26(木) 21:45:08

    ユミル「今から起こる事は、絶対にヒストリアには言うな。言ったら呪い殺すぞ」


    ミカサ「何をする気なの…?」


    ユミル「お前ら…」









    ユミル「…後の事は頼んだぜ。あんなクソ野郎共の思い通りになんざ、絶対にさせるなよ」


    アルミン「ユミル…?」









    ユミル「」ダッ!


    ジャン「オイ待ちやがれ!!何する気だ!?戻れっ!!」
















    ヒストリア巨人「アァァァァァァァァァァッ!!!!!!!」ブンッ!


    リヴァイ「チッ…!」ヒョイッ!


    リヴァイ(そろそろこいつの相手をするのも限界か…?)


    ユミル「待たせた兵長さん!後は下がっていいぜ!!」


    リヴァイ「何の真似だ…?」

  149. 163 : : 2014/06/26(木) 22:00:08


    ガシッ!







    リヴァイ「は…?」


    ヒストリア巨人「」アーン…


    アルミン「ユミルっ!!」


    ジャン「何してんだあいつ!!自分から食われに行った!?」











    ユミル「ヒストリア…」


    ヒストリア巨人「…」
















    ユミル「…心配すんな。私はお前の中にずっと居る。お前が死ぬまで、二度と離れはしねぇから」
















    ミカサ「ユミルっ!!」


    アルミン「そんな…駄目だあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!!!!!!!」































    パキッ…

  150. 164 : : 2014/06/26(木) 22:15:06

    ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~



    ヒストリア「」パチッ


    エレン「ヒストリア!」


    アルミン「良かった、目が醒めたんだね!」


    ヒストリア「私は一体…」チラッ…







    ロッド「」







    ヒストリア「お父さん…」


    ヒストリア「そうだお父さんっ!!嫌だ!!私を置いて行かないでっ!!」


    アルミン「また取り乱して…」









    ヒストリア「何で…何でお父さ…」ズキッ!


    ヒストリア「!?」

  151. 165 : : 2014/06/26(木) 22:30:25

    ジャン「おい!大丈夫か!?」


    ヒストリア「頭が…痛い…」









    ヒストリア「あ…れ…?」


    ミカサ「どうしたの?」


    ヒストリア「何だろう…これ…頭の中に…変な感じが…」


    ヒストリア「私…じゃない…これを知ってるのは…私じゃない…」


    ヒストリア「私の中に…何かが…誰かがいるような…」

















    ヒストリア「…ユミル?」


    一同「!!」

  152. 166 : : 2014/06/26(木) 22:45:24


    ヒストリア「そう言えばユミルはどこ…?何でユミルだけ居ないの…?」


    エレン「それは…」







    ヒストリア「答えてよ…!悪い人達に連れて行かれたの!?それとも、お父さんみたいに…」


    ヒストリア「答えてよ!エレン!ミカサ!アルミン!ジャン!ニファさんっ!!リヴァ…」


    リヴァイ「奴なら別行動中だ。ここから脱出するための作戦を遂行するためにな」


    エレン「兵長…」


    ヒストリア「そう…なんですか…」


    リヴァイ「案ずるな。作戦がうまくいけば、嫌でもツラを拝める。その時までは黙って俺に従え」


    ヒストリア「ならいいですけど…」

  153. 167 : : 2014/06/26(木) 23:00:53

    ニファ「兵長…」ボソッ…


    リヴァイ「言うな。今はこれが最善だ。後の事は、後で考えりゃいい」


    ニファ「…了解です」







    リヴァイ「ひとまず危機は去った。ヒストリアの巨人化能力も、とりあえずは手中に収めた」


    リヴァイ「後はいかにしてこの場所から脱出するか。奴らの本拠地である以上、ヘタなマネは打てない」


    ジャン「憲兵や役人が大勢いそうですからね。さっきの対人制圧部隊も居るでしょうし」


    ミカサ「問題ない。ねじ伏せるのみ」


    アルミン「素手同士ならまだしも、あの装備相手では無茶だよ…」


    エレン「狭い通路じゃ、巨人化して戦うワケにもいかねぇし…」







    リヴァイ「…ヤツら、この部屋に面白ぇモンを残していったようだ」


    エレン「え…?」


    リヴァイ「大方、俺達がここで全滅するとタカを括って片付け忘れたんだろう。間抜けな奴らだ」


    リヴァイ「アレを使える奴だけが付いて来い。出来なければ、ここに留まってくたばるだけだ」
















    エレン「あれは…!!」

  154. 169 : : 2014/06/27(金) 20:30:59

    ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~


    憲兵「ヤツらが逃げるぞ!!仕留めろ!!」


    憲兵「何故あいつらがアレを使っているんだ…」


    憲兵「…我々対人制圧部隊しか所持を許されない、『対人立体機動装置』を!!」






    ミカサ「」ヒュゥゥゥ…


    エレン「おわっ…まだ慣れねぇな」ヒュゥゥゥ…


    アルミン「僕は飛ぶのに精いっぱいだよ…」ヒュゥゥゥ…


    ジャン「ブレードじゃなく散弾銃ってのが何とも言えねぇな…」ヒュゥゥゥ…


    ヒストリア「私に…これが撃てるの…?」ヒュゥゥゥ…


    ニファ「やらなきゃ…いけない!!」ヒュゥゥゥ…

  155. 170 : : 2014/06/27(金) 20:45:18

    憲兵「止まれっ!!」バンッ!






    リヴァイ「」ヒョイッ






    憲兵「なっ…かわした!?」


    リヴァイ「目障りだ…」ジャキッ!







    バァンバァンッ!!







    憲兵達「があぁぁっ!!!」


    ジャン「殺した…」


    アルミン「くっ…!」


    ミカサ「…」チラッ…


    リヴァイ「敵は殺せるときに殺せ。でなきゃこっちが殺られるだけだ」


    リヴァイ「生き延びる気がねぇのなら、誰かの足を引っ張る前にここで死ね。以上だ」


    ジャン「無茶苦茶だ…」


    ニファ「了解ですっ!!」ジャキッ!!

  156. 171 : : 2014/06/27(金) 21:19:52


    バァンバァンッ!!







    憲兵達「ぐ…あぁっ!!」


    ジャン「また…」


    ニファ「ごめんなさいね…」









    女憲兵「はあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!!!!!!!!」


    アルミン「あっ…」


    ヒストリア「ひっ!」







    ドゴッ!!







    憲兵「うあっ!!」ドサッ!


    ミカサ「アルミンに手は出させない」


    ヒストリア「凄い蹴り…。慣れない立体機動装置を使ってるのに、もうあんなに動けるんだ…」


    アルミン「ありがとうミカサ!!」

  157. 172 : : 2014/06/27(金) 21:39:46

    ジャン「あ…」


    女憲兵「うぅ…」ヨロッ…


    リヴァイ「躊躇うな!さっさとそいつを殺せ!!」






    ジャン「う…動くなっ!!」ジャキッ!


    女憲兵「くっ…」フラッ…


    ジャン「動くなって言ってんだろ!!」


    リヴァイ「さっさと撃て!!そんなコケ脅しが通用する連中じゃねぇ!!」







    バァンッ!!







    ガキンッ!!







    ジャン「あっ…」


    アルミン「銃撃!?ジャンの銃が吹き飛ばされた!!」


    憲兵「今だ!!殺れっ!!」


    女憲兵「…」ジャキッ!!


    ジャン「しまっ…」















    ジャン(駄目だ…この距離じゃ回避できねぇ…)

  158. 173 : : 2014/06/27(金) 21:55:58

    エレン「誰か援護急げっ!!」


    ミカサ「ジャンっ!!」ヒュゥゥゥ…











    バァンバァンッ!!











    エレン「あ…」


    ミカサ「まさか…!」


    アルミン「う…あ…」


    リヴァイ「よくやった」
















    女憲兵「…ぐふっ!」バタッ…


    ヒストリア「…」


    ニファ「ヒストリアが撃ったの…?」

  159. 174 : : 2014/06/27(金) 22:10:24

    憲兵「おのれ…よくも!!」


    リヴァイ「目障りだ」







    バァンッ!!







    憲兵「がっ…」バタッ…








    ジャン「あ…お…俺は…」


    ヒストリア「ジャン、大丈夫?」


    ジャン「まさか…お前が人を撃ち殺すとは…」


    ヒストリア「撃てた。仲間を守るために撃てた。私にも撃てた。よかった…」


    リヴァイ「良いツラになったな。このクソみてぇな戦いに、本気で勝ちに行く奴のツラだ。」







    リヴァイ「それに引き換え…」チラッ…


    ジャン「…」
  160. 175 : : 2014/06/27(金) 22:24:47


    リヴァイ「俺は言ったよな。殺せるときに殺せ、と」


    ジャン「それは…」






    リヴァイ「おかげでてめぇに限らず、他の奴までもが危険に晒されるところだった」


    リヴァイ「もしこの場に奴らの仲間が大勢いたとしたら、てめぇのその愚行で死人が出ていた」


    ジャン「どうして…」


    リヴァイ「あ?」






    ジャン「どうして兵長達は、そう簡単に割り切れるんですか…」


    ジャン「そうやって割り切って人を殺す事が出来るんですかっ!!」


    リヴァイ「愚問だな。殺らなきゃ殺られる。それ以外に理由があると思うか?」


    ジャン「でも!同じ人間なんですよ!俺達がやろうとしているのは、人間を救う事じゃないですか!」


    ジャン「堀の中の人間を救うために、堀の中の人間同士で殺し合う意味が分かりません!!」
















    ジャン「俺は…人殺し集団に入った覚えはありませんっ!!」

  161. 176 : : 2014/06/27(金) 22:40:31

    ミカサ「ジャン、想像して。今この場に巨人が居て、あなたの大切な人を食べようとしている」


    ミカサ「その巨人は獲物に夢中で、あなたにうなじを向けている。仕留めるのには絶好の機会」


    ミカサ「そんな状況なら、あなたはどうするの?」


    ジャン「決まってるだろ!そのままうなじを削いでぶっ殺してやるよ!!」







    ミカサ「でもジャン、あなたも知ってるでしょ。巨人の正体が人間だと」


    ミカサ「巨人ならば殺せるのに、人間は殺せない。この違いは何?」


    ジャン「何って…。巨人と人間は別の…」







    ジャン「いや…別じゃねぇ…同じ人間…」


    ジャン「じゃあ…俺はもう巨人を殺せない…?殺せば、人間を殺す事と同じになっちまう…」


    ジャン「それじゃ俺は…これから一体どうすれば…」
















    ジャン「…うわあぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!!!!!!!!!!!!」
  162. 177 : : 2014/06/27(金) 22:55:15

    エレン「ジャン!落ち着けっ!!」


    ジャン「俺は…俺はぁぁぁぁぁぁっ!!!!!!!!!!」








    リヴァイ「チッ…。どうやらこいつは戦力外だな。“気が確かな奴”に、この任務は向かねぇようだ」


    ニファ「正直、この状況で私もいつおかしくなってしまうか…怖いですね」


    アルミン「ヒストリアは随分落ち着いてるね。悪いけど、真っ先に音を上げると思ってた」


    ヒストリア「私もそう思ってた。でも、不思議と冷静でいられる」


    ヒストリア「何でだろう…?以前の私なら、人を撃つなんてこと絶対できなかったはず」


    ヒストリア「でも今はそれができる。さっきの部屋で目を覚ました後から、何だか不思議な気分…」


    エレン「それって、やっぱり…」


    リヴァイ「エレン」


    エレン「…はい」











    エレン(やっぱ…ヒストリアの中に居るアイツがそうさせてるんだな…)

  163. 178 : : 2014/06/27(金) 23:10:19

    リヴァイ「無駄話はここまでだ。とっととずらかるぞ。さもないと…」











    ケニー「…最悪の敵が来ちまうからな。なんつってな」


    エレン「お前はっ!!」


    ケニー「まさかあの場から生きて出てくるとはな。しかもヒストリアも元に戻ったと来た」


    ケニー「おまけに対人立体機動装置まで使いこなすとは、やっぱりお前は俺の誇りだよ、リヴァイ」


    リヴァイ「チッ…!面倒な奴に会う前にさっさと退散するつもりだったが…」


    ケニー「そう事が易々と済むワケがねぇわな。俺がさせねぇよ」


    ケニー「トロスト区での遊びの続き、ちょっくら付き合ってもらおうか」


    リヴァイ「…後悔するな!!」











    リヴァイ&ケニー「はあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!!!!!」ダッ!

  164. 179 : : 2014/06/27(金) 23:25:16


    ニファ「私達は今の内にっ!!」







    バァンッ!!







    アルミン「うわっ!!」


    ヒストリア「あぁっ!!」


    エレン「ヒストリア!!」


    ニファ「またあなたね…!」


    女部下「悪あがきだけは一流だな、調査兵団。褒めてやろう」


    ニファ「要りませんっての!!」







    女部下「こっちだ。決着を付けよう…」ダッ!


    ニファ「望むところっ!!」ダッ!
  165. 180 : : 2014/06/27(金) 23:49:26

    エレン「二人共行っちまった…」


    ミカサ「今は一刻も早くここから脱出することが先決。急いで」


    アルミン「ヒストリア、立てる?」


    ヒストリア「うん、もう治りかけてるみたい。我ながら恐ろしいと思う、この体…」シュウゥゥ…


    エレン「分かるよ、その気持ち。オレだって今だに気味悪いからな」





    アルミン「ジャン…行くよ…」


    ジャン「あぁ…」


    ミカサ「道中もきっと敵が襲ってくるはず。覚悟を決めて、ジャン」


    ジャン「あぁ…善処するよ…」


    エレン「兵長達は、きっと大丈夫だよな…?」


    ミカサ「それは私達が心配することではない。ここで死んでしまっては、人類最強の名が廃る」








    アルミン「…よし!」


    ヒストリア「行こう、皆!」
  166. 181 : : 2014/06/28(土) 19:01:44

    ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~



    ニファ「くっ…」


    女部下「ふっ!!」







    バァンバァンッ!!







    ニファ「あぶなっ…!」フラッ…


    女部下「多少立体機動を心得た程度では、対人立体機動装置は使いこなせない」


    女部下「加えて、お前と私では練度が違う。お前は飛びながら撃つのがやっとだろう?」


    ニファ「くっ…うるさいっ!!」ジャキッ!







    バァンバァンッ!!







    女部下「どこを狙っている?」


    ニファ「飛びながら銃を使ったことなんてあるわけない…!全然狙いが定まらない!!」

  167. 182 : : 2014/06/28(土) 19:15:15


    女部下「空中での射撃のコツは、反動をいかに往なせるかにかかっている」


    女部下「普通に撃っては、反動で立体機動そのものが不安定になる。本末転倒というワケだ」


    ニファ「巨人も倒せないくせに、偉そうに語ってくれちゃって…!」ヒュウゥゥゥ…


    女部下「事実だ。現にお前が出来ずに、私が出来ている。このようにな」







    バァンッ!







    ニファ「ぐっ…あぁっ!!」ドサッ!


    女部下「その動きでかわせると思ったか?対人戦はやはりド素人だな」


    ニファ「う…右脚が…」


    女部下「片脚だけ痛むのではバランスが悪いだろう。それ」







    バァンッ!!







    ニファ「あぁぁっ!!!」

  168. 183 : : 2014/06/28(土) 19:32:04

    女部下「確かに巨人相手では、この装備も私の実力も討伐には至らない。だが、それがどうした」


    女部下「今この場で必要なのは、対人の制圧術。訓練兵時代に対人格闘くらいは経験があるだろう」


    ニファ「はぁ、はぁ、だから何だっての…?」


    女部下「それとも何か?ここで対巨人の戦術が有用であると言うなら、見せてもらいたいものだな」


    ニファ「く…言わせておけば…」








    女部下「最期にもう一度聞こう。エレンとヒストリアを差し出す気はあるか?」


    ニファ「…」








    女部下「聞こえなかったか?」


    ニファ「エレンとヒストリアを差し出すかって?答えは…」











    ニファ「…ノーだっ!!」ジャキッ!


    女部下「ならば死ねっ!」ジャキッ!








    バァンッ!!

  169. 184 : : 2014/06/28(土) 19:50:13
    シュウゥゥゥ…







    ニファ「…」


    女部下「うっ…」ヨロッ…









    女部下「う…あぁぁぁっ!!!何だコレは!?」


    ニファ「主に外界調査で使う『煙弾』。コレ、間違って目に入るとすごく沁みるんだよね」


    女部下「くっ…目が開けられない…どこだっ!!」


    ニファ「本当ならここであなたを仕留めるべきなんだろうけど、もう銃弾を使い果たした…」


    ニファ「なので、あなたの目が見えないうちにさっさと逃げさせてもらうから」


    女部下「くっ…待て!!逃がすと思うなっ!!」


    ニファ「決着をつけたいのならまた今度会いましょ。もう会いたくないけど」パシュッ!









    ヒュウゥゥゥゥゥン…









    女部下「待て!!クソッ!!逃げるなぁぁぁぁぁぁっ!!!!!!!!!!」
  170. 185 : : 2014/06/28(土) 20:06:43

    ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~



    リヴァイ「…」ヒュウゥゥゥン…


    ケニー「…そらっ!!」







    バァンッ!!







    リヴァイ「チッ…!」ヒョイッ


    ケニー「そろそろ逃げ回るのはやめにしようや。決着を付けようぜ、リヴァイ」


    リヴァイ「同感だ。奴らが逃げ切れるだけの時間は十分稼げた。後はお前の処理のみ」


    ケニー「言ってくれるじゃねぇか。親不孝モンの息子を持つってのは、こう言う気分なんだろうな」


    リヴァイ「あんたを親だと思ったことは一度もねぇ。恩着せがましい事を言うな」


    ケニー「…なぁリヴァイよ、今からでも遅くない。考え直してみる気はねぇか?」


    リヴァイ「どういう意味だ?」

  171. 186 : : 2014/06/28(土) 20:20:09

    ケニー「考えてみろよ。あんなガキ共とつるんで、お前に一体何の得がある?」


    ケニー「その点、こっちに来ればいい事尽くしだ。飯にも困らねぇし、綺麗な場所で寝られる」


    ケニー「綺麗好きなお前に取っちゃ、あんなウス汚れた組織に居るのも我慢ならねぇはずだろ?」






    リヴァイ「…言いたいことはそれだけか?」


    ケニー「お前は、こんなクソ狭い堀の内側で一生を終える気か?」


    ケニー「誰もが一度は夢見た事があるはずだ。堀の外側の世界に行く事を」


    ケニー「確かに王政の連中はイケ好かないが、あいつらについて行けば間違いなく叶う」


    ケニー「堀の外側へ進出し、俺のご先祖様の故郷へ足を踏み入れる夢が、な」


    リヴァイ「そいつは意外だな。あんたに殺し以外の夢があるなんてな」


    ケニー「そりゃあるさ。人間だからな。夢くらい見させてくれよ」

  172. 187 : : 2014/06/28(土) 20:41:18

    リヴァイ「堀の外への進出。王政の狗になったのは、それが真の目的だからか?」


    ケニー「まぁ、そう言う事だな。その目的のために人を殺せるってのもあるが、一番はそれだ」


    リヴァイ「特異点でもねぇあんたが何故だ?たかだか数十年の命で、何故そこまで外界にこだわる?」


    ケニー「馬鹿野郎、無駄にクソ長い刻を生きてたって一つも面白くねぇだろ」


    ケニー「限られた時間の中で成し遂げる夢にこそ、本当の価値があるってもんだ」


    ケニー「それをお前にも教えてやるべきだったかな…。俺の唯一の失敗だ」


    リヴァイ「安心しろ。必要な事は自分で学ぶ。誰の教えも乞わねぇ」


    ケニー「じゃあ…学んでもらおうか。この場から生きて帰る術を」


    ケニー「尤も、模範解答なんざ用意してねぇがな」


    リヴァイ「…はあっ!!」ジャキッ!







    バァンバァンッ!!







    ケニー「違う。そうじゃねぇ。こいつを撃つ時は、目で狙うんじゃねぇ…」


    ケニー「…こうだっ!!」









    バァンッ!!

  173. 188 : : 2014/06/28(土) 20:56:33


    リヴァイ「ぐあっ…!」


    ケニー「そら、当たった。もうお前はハチの巣になるのを待つのみだ…」


    ケニー「…はあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!!!!!」







    バァンバァンッ!!







    リヴァイ「くっ…」パシュッ!


    ケニー「逃がさねぇよ!!」シャキッ!


    リヴァイ(装填が早い…!さすがに練度が違うか…!)


    ケニー「お前がこの先どんな景色を見据えているのかは知らん」


    ケニー「だが、今この俺を相手にした時点で、もうその景色は見られねぇよ…」


    リヴァイ「!?」ゾクッ…


    リヴァイ(駄目だ…かわせる気がしねぇ…)
















    バァンッ!!

  174. 189 : : 2014/06/28(土) 21:10:46
    リヴァイ「がぁっ!!」


    ケニー「まずは右目…もらったぜ」







    バァンッ!!







    ケニー「ぐっ…!?」


    リヴァイ「はぁ、はぁ、右目をくれてやったんだ、代わりに右腕をもらうぞ…」


    ケニー「野郎…怯まずに反撃に転じるとは、やってくれるじゃねぇか…」


    ケニー「おかげで右腕がどっか行っちまった。明日からどうやってスプーンを持てばいいんだ、オイ」








    リヴァイ「はぁ、はぁ、クソッ…」


    リヴァイ(右目をブチ抜かれたダメージがデカいな…。意識が薄れてきやがった…)








    ケニー「さすがに限界か?俺もあまり余裕がねぇんでな、そろそろ終わりにさせてもらうぜ…」


    ケニー「お前が死ねば、残ったガキ共を始末するのは容易い。お前らの目論見もここまでだ」


    リヴァイ「チッ…!」
  175. 190 : : 2014/06/28(土) 21:35:04


    ケニー「最期に言い残すことはあるか?」


    リヴァイ「…気を付けろ」


    ケニー「あ?」








    リヴァイ「獲物は、仕留める寸前が一番危うい。息の根を止めるまで油断するなって言ってんだ」


    ケニー「ご忠告ありがとよ。その心配はあと数秒で無くなるけどな」チャキ…


    リヴァイ「それが油断なんだ。目先の獲物に囚われてる事自体がな…」











    ドォォォンッ!!











    ガラガラッ!!


    ケニー「!?」

  176. 191 : : 2014/06/28(土) 21:56:14

    ニファ「兵長っ!!」ヒュウゥゥゥン…


    ケニー「あの女!!石塊を投げつけてきただと!?」







    ガシッ!!







    ケニー「しまった!!」


    ニファ「逃げるが勝ちっ!!兵長、動かないでくださいね!!」ヒュウゥゥゥン…


    リヴァイ「」ガクッ…







    ニファ「兵長!?兵長、しっかりしてくださいっ!!」











    ヒュウゥゥゥン…

  177. 192 : : 2014/06/28(土) 22:07:48


    ケニー「…やられたな。女に抱えられてトンズラとは、お前もスミにおけねぇなぁ」


    ケニー「さすがに片腕じゃ立体機動で追跡もできねぇ。全く、あいつの言う通り油断してたぜ」


    ケニー「さて…奴らを逃がしちまったことで、きっと俺達は大目玉だ。嫌になるぜ」


    ケニー「だが…まだ諦めるわけにはいかねぇよな…」
















    ケニー「俺の夢のために、何としてもエレンの力を利用させてもらわねぇとな」

  178. 193 : : 2014/06/28(土) 22:36:23


    ~2週間後・トロスト区~



    エレン「…はっ!!」






    巨人達「」シーン…






    エレン「ダメか…」


    アルミン「堀の外の巨人達は、特にこれと言って反応を示さないね」


    ミカサ「何かが足りないという事…?」


    ニック「先日は確かに、巨人達がエレンに呼応するように怒りに震えていた」


    ニック「あの現象こそが、“素質”を持つ者の能力だと思ったのだが…」






    リヴァイ「何にせよ、これではっきりした。今のエレンには、巨人共を支配する力はねぇって事が」


    エレン「兵長、右目はもういいんですか?」


    リヴァイ「良くはない。てめぇらみたく再生するワケじゃないからな。一生隻眼だ」

  179. 194 : : 2014/06/28(土) 22:51:37

    アルミン「ニファさんは?足はもう大丈夫なんですか?」


    リヴァイ「ひとまず歩けるまでに回復した。問題はない」


    アルミン「ならばよかったです」





    リヴァイ「とりあえず今日は隠れ家に戻れ。もうじき日が暮れる」


    エレン「分かりました…」


    ミカサ「…」


    アルミン「…」














    ニック「やはり…神は我々に微笑んではくれぬのだろうか…」

  180. 195 : : 2014/06/28(土) 23:14:28

    ~隠れ家内~


    エレン「戻ったぜ」


    ヒストリア「お帰り。その顔はやっぱり…」


    エレン「悪いな。今日もサッパリだったよ」


    ヒストリア「そう…」







    ジャン「よぉ…相変わらず湿気たツラだな」


    エレン「お前ほどじゃねぇよ」


    ジャン「…」







    リヴァイ「どうだ?この2週間で考えは変わったか?」


    ジャン「それは…」


    リヴァイ「殺らなきゃねぇ時に殺れねぇのは構わねぇ。だが、仲間の足を引っ張る事だけは許さん」


    リヴァイ「その時は…」


    ジャン「分かってます。その時は…」


    アルミン「ま、まぁまぁ!今はそんな暗い話は置いといて!」


    ヒストリア「夕食の用意が出来てます。席についてください」


    リヴァイ「…」

  181. 196 : : 2014/06/29(日) 20:15:29

    ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~


    ニファ「それでは、ここ2週間の動向を整理します」


    ニファ「まず、現在の調査兵団の状態について」






    ニファ「2週間前の襲撃に置いて、本部の調査兵はほぼ全滅」


    ニファ「さらに私達が内地から逃げ出した後も、対人制圧部隊によって次々と殺されました」


    ニファ「現在の生き残りはここに居る7名と、各地に散らばった若干名だと思われます」


    ジャン「何で…何で殺されなきゃならねぇんだよ…」


    アルミン「今までは堀の外に進出して、勝手に死んでいった調査兵団が、今度は内地の邪魔を始めた」


    アルミン「そりゃ消したくなるよね。奴らの力なら、僕らを害悪に仕立て上げて殺すのも容易だろうし」






    ニファ「内地の連中は、執拗にエレンとヒストリアを追っています。我々とのニアミスも多々ありました」


    ミカサ「いずれ、奴らと鉢合わせになるのも時間の問題。その時は覚悟を決めないと」


    ジャン「また…殺すってのか…」

  182. 197 : : 2014/06/29(日) 20:30:08

    ニファ「そしてエレンの“素質”の有無について」


    ニファ「これは今のところ、発現及び掌握には至っていない。よろしいですね?」


    エレン「はい…」


    ニック「もしエレンに“素質”が備わっていないのだとすると、我々の計画は根本から改めねばならん」


    アルミン「巨人達を支配できないのでは、人類の外界移住計画は不可能です」


    ミカサ「となると…」







    ニファ「…ヒストリアにエレンを食べさせ、叫びで巨人化を食い止める手段も不可能です」


    リヴァイ「ヒストリアがこちらに居る以上、レイスの叫びは不発に終わる」


    リヴァイ「だが、どの道今いる人類はあとひと月強でみんな巨人になる」


    リヴァイ「顔も知らねぇどこぞのクソ親父だろうが、今隣に居る気心の知れた仲間だろうが、関係なしにな」

  183. 198 : : 2014/06/29(日) 20:46:13

    ニック「内地の特異点共は、堀の底の鉱石を何らかの方法で流用し、巨人化から逃れている」


    ニック「我々もその鉱石の力を利用すれば、巨人化せずに済むが…」


    アルミン「その方法さえ分かれば、皆の巨人化を食い止められるのに…」


    エレン「そう言えば、ニックさんは2000年以上生きてるんですよね?」


    ニック「あぁ、そうだ。長い間、ずっとこの『終わらない108年』を見続けてきた」


    エレン「ニックさんはどうやって巨人化を免れていたんですか?」


    ニック「これだ」ジャラ







    エレン「これは…?」


    ニック「鉱石を削り出し、装飾品として加工したものだ。これを身に付ける事で巨人化を免れてきた」


    アルミン「これで巨人化を…!?なら、これを量産してみんなに配れば…」


    ニック「深さ50メートルの堀の底で、鉱石を採掘する事がどれほど過酷か知らぬのか」


    ニック「昼は灼熱、夜は極寒、その上鉱石は尋常じゃなく硬い」


    ニック「堀の中の人間全員に行き渡るほどの鉱石を採掘するのは、まず不可能だ」

  184. 199 : : 2014/06/29(日) 21:00:43

    エレン「じゃあ、大人数で頑張れば何とかなりませんか?」


    ニック「なるかもしれんな。内地の連中の邪魔が入らなければ、な」


    エレン「そうか…奴らが黙って見てる保証はどこにもないもんな…」


    リヴァイ「これ以上議論する意味はねぇ。現状を真正面から受け止めろ」


    リヴァイ「俺達は…堀の中の人類は無数の巨人と化す。これを止める術はねぇ」


    アルミン「くっ…!」


    ミカサ「手詰まり、という事…」


    ジャン「冗談じゃねぇよ…」


    アルミン「ジャン?」











    ジャン「おいエレンっ!!」

  185. 200 : : 2014/06/29(日) 21:15:41

    エレン「何だよ…」


    ジャン「お前、散々期待させといて『できませんでした』じゃねぇだろ!!」


    エレン「じゃあどうしろってんだよ!!オレだって好きで出来ねぇワケじゃねぇんだ!!」


    ジャン「好きでも嫌いでもやれ!!出ないと、お前のために死んでいった奴らが報われねぇ!!」


    ジャン「コニーもサシャもユミルも、みんなお前の“素質”に期待していた!他の調査兵もそうだ!」


    ジャン「それを今更『出来ねぇ』で片付けて、そいつらに会わす顔がねぇだろうが!!」


    エレン「大義のために人も殺せねぇような甘ちゃんに、んな事言われたくねぇ!!」


    ジャン「人を殺せなくて何が悪い!?じゃあお前は殺せんのか!?」


    エレン「当たり前だ!!現に昔、ミカサを守るために殺してる!!」







    ジャン「なら…お前はやはりバケモンだ。人類の希望でもなんでもなく、ただの巨人…」


    ジャン「お前のために死んだ奴らも、実質お前に殺されたのと一緒だよ…」


    エレン「お前、言わせておけば…」

  186. 201 : : 2014/06/29(日) 21:30:03

    リヴァイ「その辺にしておけ。ガキがギャーギャー騒ぐと喧しくて敵わねぇ」


    リヴァイ「それに、今隣に居る奴が明日も隣に居るとは限らねぇ。せいぜい仲良くしておく事だ」


    エレン「…」


    ジャン「…」







    ニファ「私達は、これから何をするべきでしょうか…」


    ニック「もう少しだけ、エレンの“素質”について探るべきだ。まだわずかだが時間はある」


    ニック「それでダメなら…」


    リヴァイ「お前ら、巨人にしたくねぇ奴らがいるなら見繕っておけ」


    エレン「どういう事ですか…?」

  187. 202 : : 2014/06/29(日) 21:45:04

    リヴァイ「堀の中の奴ら全員は無理だ。せめてお前らの大事な奴らだけでも、巨人化を阻止しろ」


    エレン「つまり…大勢を見捨てて、自分達の大切な人間だけ助けようと…?」


    リヴァイ「小人数分ならば、鉱石を用意するのも可能。そうだろう?」


    ニック「まぁ…そうだな」


    リヴァイ「そう言う事だ。今回は諦めて、ニックには次の108年で頑張ってもらおうじゃねぇか」


    アルミン「つまりそれは、事実上の降伏だと…?」


    リヴァイ「どうにもならねぇもんはどうにもならん。阻止するためのピースがねぇんだからな」




    リヴァイ「まぁレイスの叫びが無けりゃ、次に入ってくる奴らの記憶を操作するのは不可能だ」


    リヴァイ「今度の108年は、今より多少はマシなモンになるかもな」


    ニファ「そうかもしれませんね…」


    リヴァイ「まぁ…俺がもし生きてたら、その時は手伝ってやる」


    ニック「最近思っていたのだが、リヴァイ、もしやお主は…」


    リヴァイ「…」







    ニック「…いや、何でもない。忘れてくれ」

  188. 203 : : 2014/06/29(日) 22:01:37


    ニファ「当面は、エレンの実験の継続という事でよろしいですか?」


    リヴァイ「あぁ。だがそれも2週間が限度だ。奴らに見つからない前提でな」


    リヴァイ「同時進行で、内地の安全な場所を確保する。巨人が大量発生しても、身を隠せる場所をな」


    ニファ「了解です…」







    リヴァイ「ここからが正念場だ。最後に笑うのは俺達か奴らか。はたまた皆無か」


    リヴァイ「残りの一か月…悔いの残らねぇ戦いができるといいな」

  189. 204 : : 2014/06/29(日) 22:14:52

    ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~


    ジャン「…よぉお前ら、元気にしてたか?」







    墓石「」







    ジャン「すまねぇな、こんなチンケな墓しか作ってやれなくて」


    ジャン「もしこの騒ぎがひと段落して、俺がまだ生きていられるようだったら…」


    ジャン「…その時は、もっと立派な墓を作ってやるからよ」







    ジャン「…」







    ジャン「聞いてくれよ。エレンの奴、結局“素質”があるか無いかもハッキリしねぇんだとさ」


    ジャン「お前ら馬鹿二人が考えてくれた案も、どうやら無駄になりそうだ」


    ジャン「そうなると、お前が身を挺して救ったヒストリアの存在も意味が無くなっちまうな」


    ジャン「…馬鹿だよなぁ。俺もお前ら3人も。救いを求めて縋った物に、ことごとく肩すかし喰らってさ」

  190. 205 : : 2014/06/29(日) 22:30:08

    ジャン「おまけに、今は調査兵団なんてものは存在しねぇ。ただの人殺し集団だ」


    ジャン「人類を守ろうとしてる筈なのに、その計画に邪魔な人間を殺すんだとさ」


    ジャン「あれじゃ人類を救う方法を見つけても、自分達で人類皆殺しにする勢いだな」







    ジャン「…」







    ジャン「…俺は一体どうすりゃいいんだろうな。分かんねぇよ」


    ジャン「現状を正しく認識できてはいるつもりだ。だが、とても俺の中で割り切れない」


    ジャン「俺はこのまま、ワケも分からずに死ぬのか?それとも…」

















    「探したぞ」


    ジャン「!?」


    ジャン(しまった!ここが見つかっちまった…!!)

  191. 206 : : 2014/06/29(日) 22:45:57


    「そう構えるな。別にお前達に危害を加えに来たわけではない」


    ジャン「あ…あぁ…!!」









    「久しぶりだな」


    ジャン「…教官っ!!」


    キース「逞しくなったな、キルシュタイン。見違えたぞ」


    ジャン「どうして教官がここに!?」


    キース「愚問だな。私とて、かつては調査兵団を率いた男だ。古巣の窮地を黙って見過ごすようなマネはできん」


    ジャン「教官、今俺達は…」


    キース「皆まで言わずともよい。お前達の状況は把握している。こう言っては何だが…」









    キース「…大変だったな。今まで」


    ジャン「…教官っ!!」ブワッ!

  192. 207 : : 2014/06/29(日) 23:03:09

    キース「後ろの墓石は誰のものだ?」


    ジャン「コニーと…サシャと…ユミルです…」


    キース「そうか…。一癖も二癖もある奴らだったが、間違いなく優秀な兵になったであろう連中だ」


    キース「ここ数週間で大勢の人間が死傷したと聞く。誠に残念でならない」


    ジャン「調査兵団は…もうかつての姿はありません。殺す対象を巨人から人間に鞍替えしてしまいました」


    ジャン「俺は…俺達は…一体どこへ向かっているんでしょうか…」


    キース「無責任な返答かもしれんが、私にも分からん。いや、きっと誰にもな」





    キース「お前は今、自分の中に正しいと思える答えを持っているか?」


    ジャン「正しい答え…」


    キース「その正確なビジョンが見えているのなら、その答えを導き出すために信じる道を進めばよい」


    キース「ただし、それが自分にとって決して不都合な結果となっても、決して後悔してはならん」


    ジャン「…」






    キース「立ち話もなんだ。お前達の隠れ家に案内してくれ。他の連中の顔も見たいしな」


    ジャン「分かりました」







    スタスタ…
















    ジャン(俺が正しいと思う事…)
  193. 210 : : 2014/06/30(月) 19:43:35

    ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~


    ニファ「…これが今の状況です」


    キース「一度に色々な事を頭に詰め込んだせいで、整理するのに時間がかかっているが…」


    キース「状況は、私が想像していたよりはるかに悪いようだ。まさか内地の連中がそこまで…」


    リヴァイ「正直、今までここが見つからなかったのが奇跡に等しい。その割には得られた物は皆無だがな」


    エレン「すみません…」


    リヴァイ「気にするな、お前が悪いワケじゃない。無い物は無い。ハナからお前には何も無かったんだ」





    キース「少しでもお前達の助けになれるかも知れぬと思ったが、どうやら私にできることは無さそうだ」


    ニック「いや、我々の味方が居てくれただけでもありがたい。最近は誰も信用できなかったのでな」


    キース「すまない…」


    リヴァイ「いっそ、ウチに復帰したらどうだ?団長職は空席になってるが?」


    キース「馬鹿を言え、今更私に何ができると言うのだ。今はしがない教官でしかないのだからな」


    リヴァイ「そうか。残念だな」


    キース「ふっ、よく言う。心にも無い事を」

  194. 211 : : 2014/06/30(月) 20:00:06

    リヴァイ「エレンの実験は引き続き行う事になっている。あんたには、見張りの協力を頼みたい」


    キース「任せてくれ。お前達のためならどんなことだってさせてもらおう」


    リヴァイ「感謝する」









    ジャン「…」


    アルミン「ジャン」


    ジャン「…あぁ」


    アルミン「何だか、すっきりしたみたいだね。教官に何か言われたの?」


    ジャン「まぁ、な。少しだけ俺の進むべき道が分かった気がする」


    アルミン「それはよかった。ずっと心配してたんだよ。エレンもミカサも兵長も」


    ジャン「どうだかな。俺を切り捨てるだの、殺すだの言ってた連中が心配するかね?」


    アルミン「皆の前ではああ言ったけど、本当に殺すワケがない。もう僕らしか残ってないんだから」


    ジャン「俺達以外に残ってたら殺すのかもな」


    アルミン「ちょっとジャン…!」







    ジャン「冗談だよ。別に俺もそこまでひねくれてるつもりはねぇさ」


    アルミン「ならいいんだけど…」


    ジャン「…」

  195. 212 : : 2014/06/30(月) 20:15:21

    ~1週間後~


    エレン「…はぁぁぁぁぁぁっ!!!!!!!!!!」






    巨人達「」シーン…






    エレン「クソ…やっぱりダメなのかよ!!」


    ミカサ「エレン…」


    リヴァイ「この分だと、2週間も必要ねぇな。むしろ後々の作戦に遅延をもたらすだけだ」


    リヴァイ「エレンの“素質”の可能性については諦める。これ以上は無理だ」


    アルミン「どうして…どうして駄目なんだ…」


    ニック「あの時巨人達を奮い立たせた力は、エレンの物ではなかったと言うのか…?」

  196. 213 : : 2014/06/30(月) 20:30:17

    リヴァイ「何だっていい。もう手段がねぇ。後は俺達の身を守る方法の模索に専念する」


    リヴァイ「ニファが内地で安全な場所を探してる。そこに身を隠し、紫外線の降り注ぐ期間をやり過ごす」


    エレン「クッ…!オレ達は…人類を守れないのか!!」


    ニック「そう悲観するな。私にとっては、今に始まったことではない」


    ニック「過去にお前達のように、108年のループに抗おうとした者達はたくさんいた」


    ニック「しかし、誰一人成し遂げた者は居なかった。お前達もそれと一緒だ。誰にも罪は無い」


    エレン「クソ…クソォォォォォォォォッ!!!!!!」


    ミカサ「エレン…」


    リヴァイ「喚くのは控えろ。いつここが奴らに見つかってもおかしくねぇんだ」







    ニファ「兵長…」ザッ


    リヴァイ「ご苦労だったな、ニファ。成果はどうだ?」
















    ニファ「もう…手遅れです…」

  197. 214 : : 2014/06/30(月) 20:45:05

    リヴァイ「あ?」






    ザッ






    リヴァイ「…野郎!」


    ケニー「よぉリヴァイ、逢いたかったぜ。こんな場所に雲隠れとは、寂しいじゃねぇかよ」


    ヒストリア「うぅ…」


    キース「私としたことが…」


    エレン「お前ら…!ヒストリアと教官を離せっ!!」


    ケニー「実験は順調か、お前ら?エレンの“素質”は俺達も欲しいんだ、大切に扱ってくれよ」


    リヴァイ「残念だが、コイツはただのハリボテだったようだ。今、俺達も落胆してるとこだ」


    ケニー「あ?」


    リヴァイ「右腕と一緒に耳まで失くしたか?こいつに“素質”は無かったって言ってんだ」


    ケニー「んだと!?それじゃ、俺様の外界進出の夢は…」


    リヴァイ「お前にはこのチンケな堀の内側がお似合いって事なんだろう。よかったな」
  198. 215 : : 2014/06/30(月) 20:59:59

    ケニー「ふざけんな…!」


    ケニー「お前はこの事を知ってたんだろう!?何で黙ってた!!」







    ザッ…







    エレン「なっ…」


    ミカサ「まさか…」


    アルミン「どうして…」


    リヴァイ「解せねぇな。何故お前がそこに居る…」
















    リヴァイ「…ジャン」

  199. 216 : : 2014/06/30(月) 21:15:17

    ジャン「黙ってたつもりはねぇ。聞かれなかったから答えなかっただけだ」


    ケニー「馬鹿野郎、そこが一番重要なとこだろうが!そのためにお前の口車に乗ってやったんだぞ!!」


    ジャン「乗せたつもりはねぇよ。俺にしてみりゃ、もう誰も殺し合わずに済めばそれでいいんだ」


    エレン「ジャン!!どう言う事だ!?何でそいつらと一緒にいる!?」


    ジャン「安心しろ、お前らがおとなしく捕まる代わりに誰も殺させねぇと約束してもらった」


    エレン「そう言う事を聞いてんじゃねぇ!!何でオレ達を裏切った!?」


    ジャン「裏切った?馬鹿言うなよ。俺は“調査兵団”に入ったんだ。こんな人殺し集団じゃねぇ」


    ジャン「組織の目的が本来の物から離れた時点で、裏切られたのはむしろ俺の方だ」







    エレン「お前…ふざけんなぁぁぁぁっ!!!!!」


    ジャン「ふざけたつもりはない。お前らがこんな事を続けるのなら、俺は調査兵団を退団する」

  200. 217 : : 2014/06/30(月) 21:36:00

    ケニー「まぁ、アレだ。お前らが大人しく捕まれば、俺達は誰も殺さずに済む。そう言う約束だ」


    ケニー「俺だってなぁ、本当は誰も殺したくねぇんだ。血を流さず穏便に済ませるのが一番だろ」


    リヴァイ「心にもねぇことをペラペラと。結局、俺達を捕えてどうする気だ?」


    ケニー「さぁな。ヒストリアは叫びの準備をさせられるだろうが、他の連中は知らん」


    リヴァイ「どうあっても、特異点共の好き勝手なマネに手を貸すつもりなんだな」


    ケニー「まぁそうイキるなよ。勇気ある少年のおかげで、俺達はもう敵同士じゃなくなったんだ」


    ケニー「うまくすれば、お前らも特異点達と一緒に外界へ連れて行ってもらえるかもしれねぇぞ」


    ジャン「そう言う事です。もう殺し合いは終わりにしましょう、兵長」


    ケニー「いいこと言うなぁ、少年君。君の勇気には感服したぜ。どうだ、ウチに来ねぇか?」


    ジャン「いや…俺は…」

  201. 219 : : 2014/06/30(月) 21:55:40

    ケニー「聞くところによれば、訓練兵を6位で卒業したらしいじゃねぇか。何で憲兵にならなかった?」


    ジャン「あんたには関係ねぇだろ」


    ケニー「冷てぇなぁ。お前みたいに、現状を正しく認識し、行動に移せる奴は貴重なんだがな」


    ジャン「…」





    ケニー「そう。だからこそ、こうやって身内を見捨ててでも正しいと思うほうに身を傾ける」


    ジャン「別に!俺は調査兵団を見捨てたワケじゃねぇ!誰も死なずに済む方法を…」


    ケニー「誰も死なずに?そうだな…」











    ケニー「…お前が生きてるうちは、な」ジャキッ


    ジャン「なっ…」

  202. 220 : : 2014/06/30(月) 22:15:43


    アルミン「そんな!ジャンとの約束を破る気か!?」


    ケニー「勘違いするなよ。こいつとの協定の内容はこうだ」


    ケニー「『調査兵団7名が大人しく捕まることを条件に、我々は調査兵の命を見逃す』」


    ケニー「だが、こいつはさっき何て言った?」


    ジャン「あっ…」




    ケニー「高らかに宣言したよな。『俺は調査兵団を退団する』ってな」


    ケニー「つまり、今のこいつは調査兵ではない。俺達の協定の範囲外ってワケだ」


    エレン「お前!卑怯だぞ!!ジャンはお前らの言う事を聞いてたじゃねぇか!!」


    ケニー「オイオイ、話はまだ終わってねぇよ。面白ぇのはこの先だ」


    ケニー「調査兵でなくなったこいつはここで死ぬ。すると、一体何が起きるか」





    リヴァイ「協定を結んだ本人が居なくなるんだ。当然、協定は無効になる」


    アルミン「なっ…!」

  203. 221 : : 2014/06/30(月) 22:36:03

    ケニー「ハッハッハ、さすがリヴァイ、完璧回答100点満点花丸付きだ!!つまり…」


    ケニー「…この場において、俺達はお前らを見逃す事が出来なくなっちまうってワケだな」




    憲兵達「」ザッ!




    ミカサ「すでに囲まれている…!」


    アルミン「あいつら、最初からこうする事が目的だったのか!」


    ジャン「おいふざけんな!!俺はこんな事のために…」


    ケニー「困るんだよなぁ。お前みたいに正しい事を正しいと思って実践する奴は」


    ケニー「お前は調査兵団を裏切った。そして自分の考えを信じ、俺達に身を委ねた」


    ケニー「それは逆に、俺達が間違ってると思えばいずれ俺達も裏切る。そう言う事にもなりかねない」


    ケニー「まぁ、“組織”や“仲間”の情に流されずに、最善とも取れる行動をした点は評価できる」






    ケニー「そうだろう、教官殿?」


    キース「それは…」

  204. 222 : : 2014/06/30(月) 22:59:45

    ケニー「だがなお坊ちゃん、よく覚えておけ。交渉ってのは、常識が通じる奴とだけやるもんだ」


    ジャン「あ…あぁ…」





    ケニー「これから出会う奴らにも、その事をちゃんと教えてやるんだぞ」


    ケニー「尤も、お前がこれから出会う奴らは、皆お空の上の住人だろうがな」


    ヒストリア「やめてっ!!」


    ニファ「銃を降ろせ!!」


    ニック「卑怯な…!」


    キース「やめろ!殺すなら私を殺せ!!」


    ケニー「これからは、ちゃんと世渡りの方法を学ぶんだぜ…」











    ケニー「…来世でな」


    エレン「やめろぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉっ!!!!!!!!!!」





















    バァン…

  205. 223 : : 2014/07/02(水) 20:29:51

    エレン「あっ…」







    ジャン「」ドサッ…







    ミカサ「ジャンっ!!」


    ケニー「さて…お前ら、今のが開始の合図だ。好きなだけやれ」



    憲兵達「うおぉぉぉぉぉぉぉぉぉっ!!!」







    アルミン「来たっ!!」


    ヒストリア「みんなっ!!」


    リヴァイ「…あぁぁぁっ!!!」ビュンッ!!


    ケニー「うおっ!!危ねぇっ!!」サッ


    リヴァイ「こっちだケニー!!今度こそ…今度こそ俺の手で引導を渡してやる!!」


    ケニー「ようやくお前と決着を…望むところだ!!」

  206. 224 : : 2014/07/02(水) 20:50:20

    ニファ「兵長…」


    憲兵「動くな、女」


    女部下「そいつを離せ。私の獲物だ」


    憲兵「は、はぁ…」パッ


    ニファ「お前は…!」


    女部下「このままでは、お前も納得しないだろう?我々も白黒はっきりさせようじゃないか」


    ニファ「いいけど…今の私は手加減ができないよ?」


    女部下「それは丁度いい。私も手加減というものを知らずに育ったのでな」







    ニファ「…行くぞっ!!」パシュッ!


    女部下「…来いっ!!」パシュッ!

  207. 225 : : 2014/07/02(水) 21:10:11

    ニック「二人とも行ってしまった…」


    憲兵「他人の心配してる場合じゃないぜ、おっさん」


    ニック「ぬっ…!」


    憲兵「ようやくお前達を皆殺しにできる。このバカが寂しくねぇように、お友達全員で送ってやるぜ」






    ジャン「」






    ミカサ「くっ…!」


    エレン「ふっ…」


    憲兵「あ?」







    エレン「ふ…ははは…」









    エレン「ははははははははははははっ!!!」


    憲兵「何笑ってやがる!?気でも振れたか!?」


    エレン「ようやく皆殺しにできるって?それはこっちのセリフだ…」


    憲兵「自分の置かれた状況が分かってねぇのか?」


    エレン「お前らがオレに勝てるわけねぇだろうが…」


    憲兵「は…?」

  208. 226 : : 2014/07/02(水) 21:30:59

    エレン「オレがあいつを理解しきれなかったばっかりに…あいつに辛い思いをさせ…最悪の結果を…」


    エレン「オレがしっかりしてれば…もっとあいつのことを見てやれていれば…」







    エレン「…もう!オレの目の前で!!誰も死なせねぇ!!」


    憲兵「残念ながらそいつは叶わん願いだ!!何故ならお前らは…」


    エレン「忘れたか…?オレがどういう存在だったかを…」


    憲兵「何を言って…」






    憲兵「…まさか!!」ゾワッ…


    エレン「駆逐してやる…お前らみたいなクズ野郎共を…」


    エレン「…一匹残らずっ!!!!!」









    ガリッッッッッッッッ!!!











    カッッッッッッッッッッッッ!!!!!!!!!

  209. 227 : : 2014/07/02(水) 21:48:59


    エレン巨人「」ドォォォォンッ!!









    ミカサ「エレンっ!!」


    アルミン「まさか…巨人態で対人制圧部隊を蹴散らすつもりか!!」









    エレン巨人「ウ…ウオォォォォォォォォォォォォォォォォォッ!!!!!!」


    憲兵「あ…あぁ…」


    女憲兵「怯むな…かかれっ!!!」






    憲兵達「うおぉぉぉぉぉぉぉぉぉっ!!!!!!」

  210. 228 : : 2014/07/02(水) 22:10:48

    ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~


    ドオォォォォォォォォォォォォォォンッ!!!!!!!!!!






    キース「向こうで始まったようだな」


    ジャン「きょう…かん…」


    キース「キルシュタイン!!よかった、まだ意識が!!」






    ジャン「おれ…は…間違ってたん…でしょう…か…」


    キース「間違ってなどいるものか!お前は正しい事をした!ただ、今回は相手が悪かったのだ!!」







    ジャン「おれは…人殺し集団の…一員として…死なずに済みまし…た…でも…で…も…」


    キース「馬鹿を言うな!!お前が死ぬワケが無かろう!!気を確かに持て!!」








    ジャン「おれ…おれは…調査兵…団として…最期を迎えられ…な…かっ…た…」


    ジャン「きょうかん…きょうかんの言う…ように…自分の選択を…信じ…て…」









    ジャン「おれは…俺はっ!!」


    キース「もう喋るな!!今、血を止めてやる!!必ず助けるっ!!」

  211. 229 : : 2014/07/02(水) 22:30:06

    ジャン「自分を信じるなら…後悔するなと…言いましたよね…!」


    キース「力を抜け!!これ以上体に負担をかけるな!!」










    ジャン「無理ですよ…無理でしたよ…結局…後悔以外の何物でもないっ!!」


    ジャン「やらなきゃ…よかった…こんなことなら…」











    ジャン「一体俺は…何を信じて…どうすればよかった…ん…ですか…!」


    キース「済まない…キルシュタイン…済まない…済まない…!」












    ジャン「あぁ…いやだ…死にたくねぇ…」
















    ジャン「母ちゃん残して…死にたくねぇよ…」


    キース「あぁそうだ!お前を死なせはしない!!」

















    ジャン「あぁ…あぁぁぁ…」


    ジャン「身の程をわきまえて…憲兵団に入ってれば…こんなことにはならなかったのかも…な…」





















    ジャン「なぁ…マルコ…」

  212. 230 : : 2014/07/02(水) 22:53:28


    キース「オイ!しっかりしろ!!しっかりしろキルシュタインっ!!!!」









    ジャン「」









    キース「キルシュタイン…」


    キース「返事をしろ!!こんな場所で死ぬような奴に育てた覚えはないぞ!!」









    ジャン「」









    キース「何という事だ…こんな最期が…最期があってたまるか!!」


    キース「何故だ!!何故こやつがこんな死に方をせねばならぬのだ!!」


    キース「神は!!慈悲は!!救いというものは!!この世界には存在しないと言うのか!!」











    キース「何故だ!!何故なのだ!!クソォォォォォォォォッ!!!!!!!!!!!」

  213. 231 : : 2014/07/03(木) 20:02:51

    ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~


    ニファ「…はあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!!!!!」ブンッ!


    女部下「くっ!」ヒョイッ!




    ニファ「この近距離なら、その銃も使えないでしょっ!!」ビュンッ!


    女部下「小賢しいっ!!」パシュッ!


    ニファ「逃げる気!?待てっ!!」







    ドオォォォォォォォォォォォォォォンッ!!!!!!!!!!







    ニファ「今の音は!?」







    「ウオォォォォォォォォォォォォォォォォォッ!!!!!!!!!!」







    ニファ「この声…エレン!?」


    女部下「隙アリっ!」ジャキッ!


    ニファ「しまっ…」











    バァンッ!!

  214. 232 : : 2014/07/03(木) 20:15:47

    ニファ「あうっ…」







    ドサッ…







    女部下「ふっ、戦闘中に余所見とは愚かな女だ」




    ニファ「」




    女部下「さて、隊長の方もカタが付いただろうか…」





    ガサッ





    女部下「!?」ジャキッ!


    鹿「」テクテク…


    女部下「鹿か。死人が動くはずはないのだから当然か…」


    女部下「さっさと隊長に加勢して、この戦いを終わらせ…」


    ニファ「」ギュンッ!


    女部下「!?」







    ニファ「はあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!!!!!」











    ガキンッ!!

  215. 233 : : 2014/07/03(木) 20:32:11

    女部下「くっ…!何故…」グググ…


    ニファ「うまく銃身でガードしたようね…」グググ…


    女部下「何故お前が生きている!?私の銃は確かに命中したはず…!」


    ニファ「えぇ当たった。でも急所は免れた。運がよく、ね」






    ニファ「あなたのミスは、私の生死の確認を怠ったこと。随分と自分の腕に自信があるのね」


    女部下「小癪な…!そんな三文芝居で私を出し抜いたつもりか!?」


    ニファ「現にあなたは騙され、こうして窮地に追い詰められている」


    ニファ「油断は慢心を生み、過信は破滅を招く。堀の外でも内でも、これは鉄則…」


    女部下「調査兵団風情が…生意気な!!」


    ニファ「これ以上、誰かを死なせるわけにはいかないの。私も含めてね」

  216. 234 : : 2014/07/03(木) 20:39:02

    ニファ「コニー、サシャ、ユミル、ハンジさん、エルヴィン団長…」


    女部下「何を…?」






    ニファ「ナナバさん、ゲルガーさん、ジャン、おそらくミケ分隊長も…」


    ニファ「まさか人間相手に殺されるなんて思いもしなかったでしょうに、きっと無念だったはず」


    ニファ「その人達のためにも…そしてこれ以上、兵長の周りから誰もいなくならないためにも…」


    ニファ「…これ以上、誰も死ぬわけにはいかないのっ!!」


    女部下「それがどうした!?お前に何ができる!!」


    ニファ「はあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!!!!!」







    ジャキンッ!!!


    銃身「」ボロッ…







    女部下「馬鹿な!!銃身が…」

  217. 235 : : 2014/07/03(木) 20:46:29

    ニファ「動かないで。動くと首と胴体が泣き別れする事になるけど?」チャッ…


    女部下「くっ…殺すなら殺せ!」


    ニファ「武器を失ったあなたはもう何も出来ない。降伏してくれる?」


    女部下「…殺さないのか?」


    ニファ「最初はあなたが憎くて仕方なかったけど…ここまで来たらもうどうでもいいかな」


    ニファ「何度か闘ってるうちに、あなたに変な情が湧いちゃったみたい。もう殺せそうにないね」


    女部下「…」





    ニファ「おとなしくここで降伏し、私達にこれ以上危害を加えないって言うなら、見逃してあげる」


    女部下「馬鹿か?私が大人しくお前との約束を守ると思うか?」


    ニファ「今、この場を支配しているのは私。選択肢を提示しているのも私」


    ニファ「それにこれは約束じゃない。命令。受け入れて生き延びるか、拒否して死ぬか。選んで」

  218. 236 : : 2014/07/03(木) 20:53:25

    女部下「…分かった。受け入れよう」


    ニファ「…よし!」スチャ


    女部下「…行くのか?」


    ニファ「もちろん。兵長を助けに行かないと。この間みたいにやられそうになってたら大変だから」





    スタスタ…





    女部下「…馬鹿な奴め」ボソッ…


    女部下(敵である私に下らん約束をし、その上背を向けるとは。この女、本物のバカだな)


    女部下(所詮は無能な巨人共しか相手にしてこなかった調査兵団。対人戦のノウハウを分かっていない)


    女部下(我々の武器は散弾銃だけではない。この接近戦用のナイフ…)シャキンッ


    女部下「…悪いがこの勝負、私の勝ちだっ!!」ダッ!









    ニファ「」スタスタ…


    女部下「…死ねっ!!」ビュッ!













    ズバアァァァァッ!!!!!!!!

  219. 237 : : 2014/07/03(木) 20:58:26

    ニファ「…」


    女部下「は…ははは…」
















    女部下「馬鹿…な…」バタッ…


    ニファ「…ふぅ、私が背を向ければ、あなたがそんな行動に出るなんてお見通し」


    ニファ「案の定、あなたは馬鹿みたいに背後から襲い掛かってきた。私が構えているとも知らず」






    女部下「」






    ニファ「あなたに情が湧いた?馬鹿じゃないの?」


    ニファ「悪いけど、こう見えても私は甘くないの。目的のためなら、どこまでも非情になれるんだから」

  220. 238 : : 2014/07/03(木) 21:08:03

    ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~


    リヴァイ「…」


    ケニー「…リヴァイ、こうしてお前と対峙するのはもう4度目か?」


    ケニー「最初は調査兵団本部、次がトロスト区、そして内地、んでもってここだ」


    ケニー「ガキの頃にお前とやり合ったのは…ノーカウントでいいか?」


    リヴァイ「…」






    ケニー「強くなったよな、リヴァイ。本当に強くなった」


    ケニー「お前がそうやって人類最強と持て囃されてると、俺も鼻が高いぜ」


    リヴァイ「…」

  221. 239 : : 2014/07/03(木) 21:18:32

    ケニー「感謝してほしいもんだぜ。お前が俺の教えを忠実に守ったから、今の地位があるんだ」


    ケニー「今までの指導料、そして謝礼金、んでもって違約金、耳揃えて払ってもらいてぇもんだな」


    リヴァイ「…いくらだ?」


    ケニー「なぁに、別に現金払いを求めてるわけじゃねぇ。そうだな…」







    ケニー「…お前のタマで払ってもらおう」ジャキッ!


    リヴァイ「…断るっ!」パシュッ!


    ケニー「おっと、逃がさねぇぜ!!」パシュッ!





    バァンッ!!





    リヴァイ「馬鹿の一つ覚えみたく、攻撃手段はその散弾だけか?」


    ケニー「簡単に言うなよ。片手で立体機動を操りつつ、散弾をぶっ放す。どれだけ大変か分かるか?」


    ケニー「この数日間、俺は必死で特訓したぜ。遥か昔の訓練兵時代の如く、地獄の特訓だ」


    ケニー「俺は誰かさんみたいに天才じゃねぇからな。強いて言うなら、俺は努力の天才か!?」


    リヴァイ「そいつはご苦労だったな。俺としては隠居を勧めるつもりだったが?」


    ケニー「冗談きついぜ、リヴァイ。俺がそんなクチじゃねぇ事は、お前が一番知ってるだろ」

  222. 240 : : 2014/07/03(木) 21:28:09

    リヴァイ「…はああっ!!」ビュッ!


    ケニー「おっと!!」






    ガキィンッ!!






    ケニー「危ねぇ危ねぇ、もう数センチズレてたら頭がふっ飛ばされてたな」


    ケニー「尤も…片目の戦闘に慣れてなくて、距離感を誤ったか?」


    リヴァイ「片腕のあんたじゃ、この状況から抜け出す術はねぇだろう?」


    ケニー「あぁ。だから…ちょっと小細工させてもらうぜ…」ポロッ…


    リヴァイ(服の中から何かが…?)






    コロッ…







    カッッッッッッッッッッッッ!!!!!


    リヴァイ「!?」


    リヴァイ(閃光弾かっ!?)

  223. 241 : : 2014/07/03(木) 21:38:03

    ケニー「こいつを隠し持ってて正解だったぜ。これでお前はしばらく視界が効かねぇな」


    リヴァイ「クソ…セコいマネを…」


    ケニー「正攻法だけが戦闘じゃねぇよ。お前の部下も煙弾を面白ぇ使い方したらしいじゃねぇか」


    リヴァイ「チッ…」サッ


    ケニー「樹の陰に隠れても無駄だぜ。こっちはお前の居場所がバッチリ見えてんだからよ」


    ケニー「それに…ちゃんと隠れ切れてるか、視界が効かねぇ状態じゃ判断できねぇよな?」


    リヴァイ「…」






    ケニー「そう言うのはな、頭隠して尻隠さず。お尻を出した子一等賞。んでもって…死ねっ!!」


    リヴァイ「くっ!」バッ!


    ケニー「あぁ!?何でかわしやがるんだ畜生っ!!」

  224. 242 : : 2014/07/03(木) 21:50:10

    リヴァイ「あんたが馬鹿みたいにベラベラ喋ってくれるおかげで、発砲のタイミングが丸分かりだ」


    リヴァイ「おまけに連射の効かねぇ銃に加え、片腕しか使えねぇなら、次を撃つまで相当時間を要す」


    リヴァイ「余裕ブッこいて敵に猶予を与える事が、戦場でどれほど命取りになるか…」


    ケニー「チッ…ちょっと待ってろよ!」カシャッ…


    リヴァイ「遅い」ギュンッ!


    ケニー「くっ…!」ザッ






    リヴァイ「目が見えずとも、お喋りなあんたの口が勝手に居場所を教えてくれる」ビュッ!


    ケニー「危ねぇっ!!」ヒョイッ


    リヴァイ「こうしている間にも…俺の目は回復し続ける」ビュッ!


    ケニー「チッ!だが、闇雲に刃を振るえばいいってもんじゃないぜ!!」ヒョイッ

  225. 243 : : 2014/07/03(木) 21:58:10

    リヴァイ「闇雲じゃねぇさ…俺が欲しいのは…」


    リヴァイ「…はぁっ!!」






    ズバアァァァァッ!!






    ケニー「へっ!どこを狙って…」







    ケニー「…やってくれたな」


    リヴァイ「どうやらビンゴのようだな」


    ケニー「トリガーと機動装置の接合ワイヤーを斬るとは。最初からそれが狙いか」


    リヴァイ「これであんたはもう飛べねぇ」パシュッ!


    ケニー「野郎…俺を差し置いて自分だけヒュンヒュン飛び回るってのか!?」


    リヴァイ「」ビュンッ!






    ケニー「…なら、気を付けろよ。自由に飛び回れるその翼が捥がれれば、お前はどうなるか…」


    リヴァイ「何を言ってやがる?」ヒュウゥゥゥン…

  226. 244 : : 2014/07/03(木) 22:10:26

    ケニー「」ジャキッ


    リヴァイ「んなモンが当たるとでも思ってるのか?」






    ケニー「…」


    リヴァイ「そっちが来ねぇなら…はあっ!!」ビュッ!


    ケニー「今だっ!!」






    バァンッ!!






    メキメキッ!


    リヴァイ「っ!?」


    リヴァイ(こいつ!俺じゃなく、アンカーを刺している樹を狙った!最初からそれが狙いか!)






    リヴァイ「くっ…」パシュッ!


    ケニー「他の樹に飛び移ろうってか!?させるかよ!!」






    バァンッ!!






    ボキッ!






    リヴァイ「チッ!!」


    リヴァイ(外された…!このままでは…)
















    ドサッ!

  227. 245 : : 2014/07/03(木) 22:25:51

    リヴァイ「ぐっ…!」


    ケニー「ようやく降りてきてくれたな。立体機動中に落下するなんて久しぶりだろ?」


    ケニー「プロでも失敗する事もある。『リヴァイも樹から落ちる』なんて格言なんかいいんじゃねぇか?」


    リヴァイ「ほざ…け…」ズキッ!


    ケニー「おぉ?どこか痛めたか?ま、あの高さから落下して痛めねぇほうが不思議だわな」


    リヴァイ「くっ…!」フラ…


    ケニー「脚か?まぁどこだっていいさ。ようやく…ようやくお前をこの手で葬れる」ジャキッ





    ケニー「この近距離で、さらに脚を痛めて満足に動けねぇ。どう足掻いたって俺の勝ちだわな」


    リヴァイ「どうだかな…」


    ケニー「強がっても無駄だぜ。ハッタリかましたところで、かえって自分自身が惨めになるだけだ」


    ケニー「男の散り際ってのは呆気なく、潔く、そして静かに。俺が殺した奴は皆そうだったぜ」


    ケニー「尤も…そうせざるを得ねぇような殺し方ばっかりしてきたんだけどな」
















    リヴァイ「あんたは何も学ばねぇな」

  228. 246 : : 2014/07/03(木) 22:36:51

    ケニー「あぁん?」


    リヴァイ「獲物を目の前にして、とどめも刺さずベラベラと喋り散らす始末」


    リヴァイ「さっさとその散弾を俺にぶっ放せば、間違いなくお前の勝ちだっただろう」


    リヴァイ「だがこの間、何で俺に逃げられたかもう忘れちまったのか?」


    ケニー「…まさか!?」







    リヴァイ「今だ!!やれ、ニファっ!!」


    ケニー「チッ!またあの女が隠れてるってのか!?」バッ!

  229. 247 : : 2014/07/03(木) 22:45:26

    シーン…







    ケニー「…あ?」


    リヴァイ「もらった」ビュッ!


    ケニー「しまっ…」







    グサッ!!!







    ケニー「ぐふっ…」











    バタッ…

  230. 248 : : 2014/07/03(木) 22:54:45

    リヴァイ「…ふぅ」


    ケニー「やってくれたな、リヴァイ…。騙し討ちとは恐れ入ったぜ…」


    リヴァイ「まだ息があるのか。心臓を突いたんだ、とっととくたばれ」


    ケニー「俺も老いたなぁ…。昔ならこの程度の騙し討ちでやられたりしなかったんだがな…」


    ケニー「寄る年波には勝てねぇか。リヴァイ、もうじきお前も分かる日が来るさ…」


    リヴァイ「残念だが…どうやら俺にはまだしばらく無縁そうだ。まだまだ、この先もずっと…」


    ケニー「あ…?」






    リヴァイ「いい加減くたばれ。男の散り際は何とやら、と言ったのはどこのどいつだ?」


    ケニー「あぁ…そうだったな…男の散り際は呆気なく…潔く…そして…」







    ケニー「しず…か…に…」


    リヴァイ「…終わったか」
















    バァンッ!!

  231. 249 : : 2014/07/03(木) 23:03:53


    リヴァイ「ぐっ…!!」


    ケニー「ははは、油断したな…。右肩いただきだ…冥土の土産に持ってくぜ…」







    ケニー「」ガクッ…


    リヴァイ「野郎…最期の最期まで…やってくれる…」フラ…









    バタンッ









    リヴァイ「…」


    リヴァイ(しばらく動けそうにねぇな…。ひとまずはこのまま休ませてもらうか…)

  232. 250 : : 2014/07/05(土) 19:30:01

    ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~


    エレン巨人「…」


    憲兵達「」シーン…







    アルミン「エレン一人で憲兵達をやっつけてしまった…」


    ニック「さすがの対人制圧部隊も、知性を持った巨人相手では赤子同然か」


    ミカサ「エレン…」







    エレン(はぁ、はぁ、殺っちまった…)


    エレン(ジャンに大ミエ切っちまったのに加え、怒りに任せてこいつらを…)


    エレン(やっぱ…こうするしかないのかもしれねぇけど…気持ちいいもんじゃねぇな…)


    エレン(ジャンはこれが出来ずに苦しんだ。でもオレは、疑問に思いながらも実践できた)


    エレン(オレとジャンの違いはそこなんだな。やっぱりオレは、あいつの言うようにバケモノ…)

  233. 251 : : 2014/07/05(土) 19:45:04

    ニック「」チラッ…


    巨人達「ウゥゥ…」






    ニック(何だ?堀の外の巨人達の目に、怒りの感情が映って見える…?)


    ニック「…もしやこれは?」







    ザッ


    一同「!!」







    リヴァイ「お前ら…こっちは終わったようだな」


    アルミン「兵長っ!無事で何よりです!」


    ヒストリア「でもひどい怪我…」


    リヴァイ「見た目ほど深い傷じゃない。ニファの手当てで何とか動けるようになった」


    ニファ「よかった、みんな無事だね!」


    アルミン「ニファさんも!本当によかったです!」

  234. 252 : : 2014/07/05(土) 20:01:13

    ニック「これで、あいつが無事ならどれほど喜ばしかっただろうな…」


    キース「全くだ」ザッ


    ミカサ「教官…」


    ジャン「」






    キース「私はこれまで数多くの兵の死に逝く様を目にしてきた。勿論、巨人の犠牲になった兵だ」


    キース「だが、人の手によってここまで無残に殺された兵は初めてだ。何故こいつが…!」


    ニック「悔しい気持ちは痛いほど分かる。何度繰り返そうと、その胸の痛みに慣れる事は無い」


    キース「おのれ…おのれっ!!」


    リヴァイ「だが、とりあえずこれで対人制圧部隊は崩壊した。俺達の邪魔をする勢力は消える」


    リヴァイ「後は王政がどんな手段を残しているか。それによって俺達の今後の動きも変わる」


    ニック「ヤツら、レイスを手に入れる事を諦めたとは思えん。まだ何か恐ろしい策を…」


    エレン巨人「…」


    リヴァイ「エレン、とりあえずお前はその目障りな巨人化を解け。もうこの場にそれは必要ねぇ」













    「ありますっ!!」


    一同「!?」
  235. 253 : : 2014/07/05(土) 20:16:34

    ニック「誰だ!?」


    ニファ「あれは…馬!?」







    ドドドドド…!







    キース「…トーマ!!」


    トーマ「ようやく見つけました!ここに居たんですね!!無事で何よりです!!」


    リヴァイ「お前もな、トーマ。よく生きてた」


    トーマ「他の兵団に紛れながら何とか…って、こんな悠長な事を言ってる場合ではありません!」


    キース「一体、そんなに慌ててどうしたと言うのだ…?」









    トーマ「カラネス区に…超大型巨人が出現しました!!」


    一同「!?」

  236. 254 : : 2014/07/05(土) 20:30:04

    アルミン「超大型!?まさかベルトルトとライナー…!?」


    トーマ「トロスト区の時と同じように、マリア領との架け橋を作って巨人を呼び込んでいます!!」


    ミカサ「何故今になってそんな事を!?」


    ニック「もしや、エレンの状態がどこからか彼らの耳に入ったのかもしれん」


    ニック「“素質”の操作…すなわち人類巨人化を止める術がないのなら、奴らが取る行動は一つ」


    リヴァイ「巨人の元となる人間共を、巨人化する前に滅ぼす事」


    ニファ「方法は違えど、人類の巨人化を防ぐと言う目的は一貫してますね」


    アルミン「そうと分かれば、こんなところでゆっくりしていられない!早くカラネス区に行かないと!」


    トーマ「カラネス区は現在、憲兵団と駐屯兵団が戦闘を行っている。巨人の進行を食い止めるために」


    トーマ「しかし…絶対的な戦力が足りない。かと言って、調査兵団の手練れはほぼ全滅…」


    ミカサ「居なくてもやるしかない。それに、こちらにはエレンが居る」


    エレン巨人「」コクンッ


    エレン(そうだ!オレがやってやる!!)








    ニック「エレンに乗って移動すれば速いだろう。リヴァイ、ニファ、お前達も」


    リヴァイ「俺達は行かねぇ。お前らだけでやって来い」

  237. 255 : : 2014/07/05(土) 20:45:02

    ニック「なっ!?何を言っているのだ!?人類最強とも謳われるお前が行かずしてどうする!?」


    リヴァイ「お前にはこの怪我が見えねぇか?ニファもそうだ」


    ニファ「…」




    リヴァイ「この満身創痍と言っても過言じゃねぇ状態で行ったところで、お前らの足を引っ張るだけだ」


    リヴァイ「それに、俺達がいつまでお前らと居られるかも分からん。明日も生きてる保証はない」


    リヴァイ「俺達抜きでも、お前らだけで巨人共から人類を守れる事を証明して見せろ。これは命令だ」


    トーマ「兵長…」


    ヒストリア「…やろう」


    アルミン「ヒストリア?」





    ヒストリア「ライナー達の方法は間違ってる。巨人化を阻止するために、人類を滅ぼしていい筈がない」


    ヒストリア「それに…ここで人類が滅んでしまったら、私達が今日までやって来た事に意味が無くなる」


    ヒストリア「人類を巨人化から救う方法を私達でどうにかするから…」


    ヒストリア「…今は、そのために人類を守ろう。私も戦うよ」

  238. 256 : : 2014/07/05(土) 20:58:24

    アルミン「ヒストリア…やはり君は変わったね。以前の君とは別人のようだ」


    アルミン「“クリスタ”から解き放たれたと言うより…別の人間に生まれ変わったような」


    ヒストリア「それは私自身が一番感じてる。不思議な気分」


    ヒストリア「これから恐ろしい戦いに行くと言うのに、なぜか冷静でいられる」


    アルミン「…」


    アルミン(ありがとうユミル。君のおかげで、ヒストリアはこんなにも逞しく…)






    リヴァイ「無駄話はそこまでだ。さっさと準備を整えろ」


    アルミン「行くのはエレン、ミカサ、ヒストリア、僕、ニックさん…」


    キース「私も行こう」


    アルミン「教官っ!?」


    キース「兵士とはいえ、女子供だけでは荷が重い。指揮役も必要だろう?」


    リヴァイ「ほう、案外団長職復帰もあり得ねぇ話じゃなさそうだな」


    キース「それとこれとは別の話だ。一度身を引いた私がおいそれと団長に戻るワケにもいくまい」






    リヴァイ「…ガキ共を頼んだ」


    キース「任せておけっ!教え子達を死なせるワケにはいかんっ!!」

  239. 257 : : 2014/07/05(土) 21:08:01

    ニック「行くぞ!皆、エレンに乗れ!」


    アルミン「」パシュッ!


    ミカサ「」パシュッ!


    ヒストリア「」パシュッ!


    トーマ「」パシュッ!


    サクッ






    スタッ






    エレン(…よし、みんな乗ったな!行くぞ!!)


    エレン巨人「ウオォォォォォォォォォォォォォォォォォッ!!!!!!」











    ドシンドシンッ!!

  240. 258 : : 2014/07/05(土) 21:15:26

    リヴァイ「…」


    ニファ「珍しいですね、兵長。負傷しているとはいえ、他人にここまで任せ切るなんて」


    リヴァイ「任せたところで、楽なんざ出来やしねぇ。奴らが仮に全滅しようモンなら、この先どうする?」


    ニファ「ははは…それは厳しいですね…」


    リヴァイ「人類の命運を握るのが、よりによってあのガキ共とはな。世も末だ」


    リヴァイ「俺がこの景色を見るのは今回が最後か、はたまた未来永劫見続けるのか」


    ニファ「…兵長?」
















    リヴァイ「これはまだ誰にも言ってねぇが、この際だから一つ教えてやる。俺は…」
  241. 259 : : 2014/07/05(土) 21:30:25

    ~カラネス区~


    巨人「アァァァァ…」ノシッ





    住民「うわあぁぁぁぁっ!!ここにも巨人がっ!!」


    住民「もうお仕舞だっ!!」


    住民「早く逃げろっ!!」





    キッツ「住民の避難誘導を急げっ!!」


    駐屯兵「ハッ!!」


    ピクシス「何と酷い有様じゃ。何故今になって、再び超大型が襲撃してきたのじゃ…?」


    リコ「超大型もさることながら、一番厄介なのはあいつですね」






    鎧の巨人「」ズーン…






    リコ「今はまだ何もせず、じっと戦況を伺っていると言ったところでしょうか」

  242. 260 : : 2014/07/05(土) 21:45:36

    ピクシス「5年前のように、避難が完了した後に跳ね橋を操作するつもりじゃろうか?」


    リコ「今はまだ何とも…。とにかく、住民の避難が完了しない事には何も始まりません」


    ピクシス「我々駐屯兵だけでどこまでやれるか。頼みの綱の調査兵団も、今は解体状態じゃからな」


    リコ「くっ…!何故こんな事に…」


    ナイル「調査兵団がここまで追いつめられる原因になったのは、紛れもなく王政の差し金だ」


    リコ「ナイル師団長っ!」


    ピクシス「こんな場所でお主に会えるとは。一体どうしたのじゃ?」


    ナイル「巨人と人類の領土の境界は、何としても死守せねばなりません」


    ナイル「いくら憲兵団と言えど、ここが突破されようものなら明日は我が身。黙ってはいられません」


    ナイル「我々憲兵団も、全力を挙げてカラネス区の護衛に当たります」


    ピクシス「それは頼もしい。ぜひ協力を仰ごう」


    リコ「しかし…だとしてもこの地獄を切り抜けられるかどうか…」









    巨人達「アァァァァッ…」ドシン…

  243. 261 : : 2014/07/05(土) 21:53:46

    ナイル「こうなる事が分かっていて、何故内地の連中は調査兵団にあんな真似を…!」


    「簡単だ。調査兵団は、内地の連中の目論見の邪魔になる。それだけだ」





    ナイル「あなたは…!!」


    キース「久しぶりだな、ナイル」


    ナイル「ご無沙汰してます!何故前団長がこのような場所に!?」


    キース「理由はお前と一緒だ。人類の窮地を黙って見過ごすワケにはいかん」


    キース「それに…巨人との戦闘なら、ウチの専門分野だからな」


    リコ「あれは…!」






    ミカサ「…ふっ!」ビュッ!






    ズバアァァァァッ!!!






    巨人「」バターンッ!






    ナイル「彼女は確か…!何故ここに!?」

  244. 262 : : 2014/07/05(土) 22:05:13

    アルミン「やあぁぁぁっ!!」ズバッ!






    巨人「」バタンッ!






    アルミン「脚を削いだよ!ヒストリア、今だっ!!」


    ヒストリア「…はあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!!!!!」






    ズバアァァァァッ!!!!!!






    巨人「」シュウゥゥゥ…






    ヒストリア「やった…初めて倒せた…」


    ピクシス「ほう、他の連中もおったか。よくぞ来てくれた」


    キース「ワケあって動ける調査兵はこのメンバーだけだ。だが、少なくとも憲兵よりは頼りになるぞ」


    ナイル「返す言葉もございません…」

  245. 263 : : 2014/07/05(土) 22:20:20

    キース「さらに…」


    リコ「あぁ…あいつはっ!!」


    ナイル「ヤツも来てくれたと言うのか…!!」







    ドシンドシンッ!







    キース「今この場で、最も人類を救う可能性を秘めた存在…」











    エレン巨人「ウ…ウオォォォォォォォォォォォォォォォォォッ!!!!!!!!!!」











    ピクシス「巨人との戦闘に置いて、誰よりも頼りになる男じゃ。お前達も良く知っているだろう」


    ナイル「えぇ、悔しいですがストヘス区での女型戦は、奴が居なければもっと甚大な被害が出ていました」


    リコ「トロスト区に置いても、奴が居なければ取り返すことはできなかった」


    ピクシス「ふむ、どうやらエレンにはもう戦うべき相手がいるようじゃな」







    エレン巨人「…」


    鎧の巨人「…」

  246. 265 : : 2014/07/05(土) 22:41:06

    アルミン「エレン」スタッ


    ミカサ「やはりこいつらの仕業…」スタッ


    ヒストリア「そこにいるんだね…ベルトルト」


    ベルトルト「」ザッ






    アルミン「見ないと思ったら、ライナーの手に守られてたんだね」


    ミカサ「何故今になってこんな事を?理由次第では…いや、いかなる理由があろうと許す気は無いけど」


    ベルトルト「僕らはずっと君達を見ていた。そして知った。エレンに“素質”が備わってない事を」


    ベルトルト「つまり、この堀の内側の人間達は巨人化を回避することはできなくなる」


    ベルトルト「このまま放っておけば、増殖した巨人達によって僕らの故郷はいずれ滅ぼされる」


    ベルトルト「そうなってしまう前に、僕達が取る行動は一つ…」


    ヒストリア「人間達の…殲滅…」


    ベルトルト「僕らの作戦は、当初の動きに戻るだけだ。何も支障は無い」

  247. 266 : : 2014/07/05(土) 22:49:00

    アルミン「確かにエレンはいまだに巨人を支配できていないけど…」


    アルミン「だからって、人間達を滅ぼして良い理由にはならない!必ず他に方法が…」


    ベルトルト「無い。少なくとも今は。それに今は時間がない。だから、今実行するしかないんだ」


    ベルトルト「もし何としても巨人化を回避させたいのなら、次の108年で頑張ってくれ。今回は無理だ」


    ベルトルト「当初の予定通り…僕らは人類を殲滅するっ!!」


    アルミン「そんな…」


    ミカサ「来る!構えてっ!!」







    ベルトルト「君達もここで死んでもらう!もうこれ以上巨人を増やさないために!!」


    ベルトルト「頼んだ、ライナーっ!!」


    ライナー(任せろ…俺はもう迷わないっ!!)









    鎧の巨人「グオォォォォォォォォォォォォォォォッ!!!!!!!」

  248. 267 : : 2014/07/05(土) 23:24:00

    ヒストリア「戦うしかない…!」


    ミカサ「削ぐっ!!」


    キース「待てお前達!!ここは闇雲に戦ってはいけないっ!!」


    アルミン「教官!?」


    キース「こいつらを食い止めることも大事だが、それ以上に住民の安全確保が第一だ!!」


    キース「アッカーマン、アルレルト、レイスは駐屯兵と共に巨人達の討伐及び足止め!」


    キース「鎧はイェーガーで食い止めよ!!出来ぬとは言わせんぞ!!」


    アルミン「もちろん!任せてくださいっ!!」


    ミカサ「エレン、負けないで」


    エレン巨人「」コクンッ


    エレン(心配すんな!オレは何があろうとこいつらを食い止めるっ!!)









    エレン巨人「ウオォォォォォォォォォォォォォォォォォッ!!!!!!!」

  249. 269 : : 2014/07/05(土) 23:40:50

    キース「今聞こえたとおりだ、駐屯兵諸君!新兵と言えど立派な調査兵、大きな戦力となるはずだ!」


    キース「無理な討伐は控えよ!住民に近付く巨人から優先して討伐していけっ!!」


    キース「憲兵諸君は引き続き避難誘導!内地への退避が間に合わぬ時は、立体機動で高所へ避難させよ!」


    キース「一にも二にも人命優先!己の心臓を全て捧げてでも、何としても民を守れっ!!」







    ナイル「おいおい、前団長が憲兵まで仕切ってるじゃないか…」


    ピクシス「あの男、やるのう。まだまだ兵を束ねる能力は衰えてはおらんようじゃ」


    ナイル「この分だと、再び団長職に就く可能性も無きにしも非ずですな」


    ピクシス「さて、我々も動くとしよう。今この現場の最高指揮官は、キース教官殿じゃ」


    ナイル「…異論はありません。ただちにっ!」
















    「ようやく見つけたぞ、レイスの女。それに我らを邪魔立てする連中もな」


    ピクシス「…誰じゃ、お主らは?」


    「駐屯兵の長よ、命が惜しければ首を突っ込むな。そちらの師団長もな」


    ナイル「あなた方はまさか…!」

  250. 271 : : 2014/07/06(日) 20:00:05

    ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~



    エレン巨人「」グググ…


    鎧の巨人「」グググ…






    エレン(さすが…純粋な力勝負じゃ敵う気はしねぇな…)


    エレン(だがな…オレはこんな場所で負けるわけにはいかねぇんだ…)


    エレン(何としても!人類を救わなきゃならねぇんだよっ!!)


    エレン巨人「ウオォォォォォォォォォォォォォォォォォッ!!!!!!」












    「やれやれ、喧しいことこの上ないな。実に下品な巨人態だ」


    エレン(!?)


    ライナー(誰だ、こいつら…?)


    キース「こやつら、どこかで…」

  251. 272 : : 2014/07/06(日) 20:15:22

    ニック「気を付けろ!!そいつらは政府の役人と王の側近だ!!」


    役人「やはり現れたな、ニックよ。我らの邪魔をする忌まわしき男め」


    側近「今まで散々邪魔立てを企てていたようだが、それも今日までだ」


    ニック「だが貴様ら二人で何ができる!?この状況を分かっているのか!?」


    役人「あぁ、ひどい有様だ。巨人共がたむろし、おまけに貴様らに味方する巨人までいる」


    側近「どうすれば我々に勝機が生まれるか。答えは簡単だ」


    役人&側近「こうするのさ…」スッ…


    アルミン「あの構え…何を!?」


    ベルトルト「まさか…!!」







    ガリッッッッッッッッ!!!!!!!








    カッッッッッッッッッッッッ!!!!!!!!1


    ライナー(何だと…!?)


    エレン(嘘…だろっ!?)











    ドオォォォォォォォォォォォォォォンッ!!!!!!!!!!











    役人巨人&側近巨人「ガアァァァァァァァァァァァァッ!!!!!!!!!!」

  252. 273 : : 2014/07/06(日) 20:30:44

    ニック「巨人化だと…!?こいつらが巨人の力を持っているなど聞いたことが無いぞ!!」


    ミカサ「しかも大きい!50メートルはある!!」


    役人巨人「我々特異点の巨人態は、皆このサイズだ。貴様らのようなチンケな巨人態とは違う」


    ヒストリア「喋った!?」


    側近巨人「それに、我々の姿を見たのは初めてではない奴もいるようだが?」


    エレン(待てよ…50メートル…まさか!?)






    ベルトルト「もしかして、そう言う事なのか…!」


    役人巨人「感がいいな、超大型。お前の思った通りさ」


    側近巨人「先日トロスト区を襲撃した超大型の正体は、他でもない我々だ」


    役人巨人「我々のこのサイズを目の当たりにすれば、否が応でも超大型巨人だと認識せざるを得ない」


    役人巨人「つまりはこいつらに罪を擦り付け、内地に巨人を呼び込むことができたというワケだ」

  253. 274 : : 2014/07/06(日) 20:44:29

    ニック「何故そんな事をする!?お前らにとって、人類を減らすことに意味は無い筈だろう!!」


    側近巨人「その通りだ。我々の邪魔をしない人間ならな」


    側近巨人「少々小耳に挟んだのだ。我々の妨害を企てる連中が、トロスト区周辺に潜んでいると」


    側近巨人「巨人を招き入れる事でそいつらを炙り出し、あわよくばエサにしてやるつもりだった」


    アルミン「そんな事のために…意味もなく架け橋を作って巨人を呼び込んだって言うのか!!」


    ベルトルト「しかも、全部僕らのせいにするつもりで。なんて卑怯な連中だ…」


    役人巨人「お前だって、今日この日に5年前と同じく架け橋を作ったじゃないか」


    ベルトルト「それは…」


    役人巨人「我らがやろうとお前らがやろうと、結果はさほど違わないという事だよ」


    ベルトルト「くっ…!」





    キース「臆するな!今は余計な事を考えている場合ではないっ!!」


    キース「今最優先すべきは、このデカブツを仕留める事だ!余計な思考は捨てろ!!」

  254. 275 : : 2014/07/06(日) 21:00:51

    アルミン「そうだ…!」


    ミカサ「とりあえず、鎧の相手をしている場合ではない」


    ヒストリア「この人達が…敵っ!!」


    ベルトルト「ライナーっ!!」


    ライナー(今は争っている場合ではなさそうだ。濡れ衣を着せられて、こちらとしても胸糞が悪い!)


    エレン(この堀の中の人間達で遊んでるような連中を、放っておくわけにはいかねぇ…)


    エレン(…今!この場で!!まとめて駆逐してやるっ!!)









    エレン巨人「ウオォォォォォォォォォォォォォォォォォッ!!!!!!」ダッ!


    鎧の巨人「グオォォォォォォォォォォォォォォォォォォッ!!!!!!」ダッ!

  255. 276 : : 2014/07/06(日) 21:15:24

    ニック「エレン!ライナー!」


    役人巨人「やれやれ、その体躯で何ができると言うのだ?」


    エレン(まずはお前からだっ!)


    ライナー(両足を崩してやるっ!)






    ドゴッ!!






    アルミン「あぁっ!!」


    役人巨人「…ふっ」


    ヒストリア「そんな…無傷!?」






    エレン巨人「」ガクンッ!


    エレン(なんて硬さだ…!)






    鎧の巨人「」ボロッ…


    ライナー(俺の拳が硬さで負けた…?どうなってやがる!!)


    役人巨人「私の硬質の皮膚には、いかなる攻撃も通らぬぞ」

  256. 277 : : 2014/07/06(日) 21:29:59

    側近巨人「さらに…」ダッ!


    キース「ぬっ!?速いっ!!あの体格であの速度だと!?」


    側近巨人「この速度についてこれるかっ!?」ダダダッ!


    ヒストリア「凄い振動!まともに立っていられないっ!!」


    アルミン「それに速すぎて狙いが絞れないっ!!」


    ミカサ「エレン、危ないっ!!」






    側近巨人「死ねっ!!」ビュッ!


    エレン(やべ…)






    ドッゴォォォォォォォォッ!!!!!!!






    エレン(あ…)


    鎧の巨人「」ボロボロッ…


    ベルトルト「ライナーっ!!そんな、表皮がボロボロに…」


    アルミン「エレンを庇ったのか…?」


    ライナー(とんでもねぇ一撃だ…)









    鎧の巨人「」ガクッ…

  257. 278 : : 2014/07/06(日) 21:46:18

    ベルトルト「ライナーっ!!しっかりしろっ!!」


    役人巨人「馬鹿め、庇ったところで意味はない。お前も死ねっ!!」






    ドッゴォォォォォォォォッ!!!!!!






    エレン巨人「ガアァァァァァァァァァァァァッ!!!!!」


    エレン(う…あ…)








    ドサッ…








    エレン巨人「」


    鎧の巨人「」








    ミカサ「エレンっ!!」


    アルミン「そんな…あの二人が一撃で…」


    ベルトルト「何て奴だ…。あのサイズで鎧以上の硬度、さらにアニ以上の機敏さを持つなんて…」

  258. 279 : : 2014/07/06(日) 22:01:13

    シュウゥゥゥ…


    一同「!?」







    エレン「くっ…」ゴロンッ


    アルミン「エレンっ!」


    ニック「時間切れだ!エレンは向こうで巨人化してから、ずっと巨人態だった!リミットが来たのだ!」


    ヒストリア「あんな場所で生身でいたら…」


    ミカサ「殺されてしまう!エレン、早く逃げてっ!!」


    エレン「んな事言われても…体がうまく…」ヨロッ


    役人巨人「はははっ!!どうやらここまでのようだな、エセ“素質”くんっ!!」


    側近巨人「安心しろ、後からちゃんと仲間も送ってやる!先に逝ってろ!!」スッ…


    エレン「あ…」


    ミカサ「エレンっ!!」













    ドシンドシンッ!


    側近巨人「ん?」

  259. 280 : : 2014/07/06(日) 22:16:02

    ドシンドシンッ!


    側近巨人「何だあいつは!?」






    ビュッ!







    ドッゴォォォォォォォォッ!!!







    側近巨人「くっ!脚を…」フラッ…







    ドゴッ!ゲシッ!







    側近巨人「くっ…バランスが…」ヨロッ…


    キース「なっ…」


    ニック「馬鹿な!あやつ…あの巨人はっ!!」


    ミカサ「何故ここに居るの…?」







    ビュッ!ドゴッ!







    側近巨人「チマチマ脚ばかり狙い追って!死ねっ!」ビュッ!







    ヒョイッ







    側近巨人「ちょこまかと…!」

  260. 281 : : 2014/07/06(日) 22:30:33

    ライナー(どうして…こいつが居るんだ!?)


    ベルトルト「僕は…夢でも見ているのか…?」







    ゲシゲシッ!ドゴッ!







    側近巨人「マズい…体が安定しない…」フラフラ


    役人巨人「オイ!それ以上そっちに行くと…」






    ビュッ…


    側近巨人「しまっ…」








    ドッゴォォォォォォォォォォォッ!!!!!!!!!!








    側近巨人「う…あぁぁぁぁぁぁっ!!!!!!」











    ドシーンッ!

  261. 282 : : 2014/07/06(日) 22:45:39

    役人巨人「マズい!堀に落ちた!早く登れっ!!」


    側近巨人「そんなこと言ったって…体が…あぁぁ…」ピキピキ…






    側近巨人「あぁ…あ…」ピキピキ…


    ベルトルト「硬質化…あいつ、堀に落ちたから…」








    側近巨人「」








    役人巨人「うあぁぁぁぁぁっ!!!!何と言う事だっ!!!!!」


    アルミン「すごい、一瞬で石像になってしまった…」


    ヒストリア「それより、どうしてここに居るの…」
















    エレン「アニ…いや、女型の巨人っ!」


    女型の巨人「…」

  262. 283 : : 2014/07/06(日) 23:05:00

    ベルトルト「まさか、ここに駆けつけてくれるなんて。一体どうして?」











    「彼女にも戦う理由を与えた。それだけよ」











    ミカサ「えっ…!?」


    アルミン「そんな、まさかっ!!」


    キース「なぜ彼女が…」


    ライナー(似ている…)
































    エレン「…母さんっ!?」


    カルラ「久しぶりね、エレン。見違えたわ。ミカサもアルミンも、逞しくなった」

  263. 285 : : 2014/07/09(水) 21:44:57

    エレン「何で母さんが…だって母さんは…5年前にライナーに踏みつぶされて…」


    カルラ「何を勘違いしたのかは知らないけど、それは私じゃない」


    ライナー(確かに…。5年前に俺が踏み潰してしまった人とは似ているが異なる)




    カルラ「私は5年前、巨人達がシガンシナを突破したタイミングであなた達の前から姿を消した」


    カルラ「突然いなくなってしまってごめんなさい。どうしてもやり遂げなければならない使命があったから」


    エレン「使命って…?それに、何も言わずにいきなりいなくなるなんてひどいじゃないか!!」


    カルラ「私は知っていたから。内地の連中が何を企んでいるか。そしてそれを止められる可能性を」





    ニック「久しぶりだな、カルラ。前回の日食以来か?」


    カルラ「お久しぶり、ニックさん。少し老けたんじゃない?」


    ニック「馬鹿を言え。それにしてもお前がエレンの母親だとは知らなかったぞ」


    カルラ「それは当然よ。だって言ってないもの」

  264. 286 : : 2014/07/09(水) 21:58:21

    エレン「二人が会ったのが前回の日食…って事は!?」


    アルミン「まさか、カルラさんは…」


    カルラ「そう、私も特異点。ニックさんより100年ほど後に生まれた特異点なの」





    役人巨人「貴様、とうとう姿を見せたな!幾度となく我らの邪魔をしてきた忌々しい女め!」


    カルラ「ここで会ったが100年目…いや、もう2000年目になるかしら?」


    役人巨人「黙れ!貴様らが何をしようと我らの計画は止められない!今までも、これからもだ!」


    カルラ「確かに。なんだかんだで結局あなた達の計画を一度も止められなかったけど…」


    カルラ「…今回は違う。こっちには、最後の希望が残っているから」


    エレン「それって…」











    カルラ「それはあなたよ、エレン」

  265. 287 : : 2014/07/09(水) 22:20:20

    エレン「でも…オレはダメなんだ…巨人を支配する力は無いんだよ…」


    カルラ「そんな事はない。あなたの中には間違いなく“素質”が眠っている」


    カルラ「そうでなければ、あの子にあんな無茶なマネはさせてない」


    エレン「あの子って…」






    女型の巨人「…」






    カルラ「そう。この間の外界調査、アニにはあなたの護衛を任せていたの」


    エレン「護衛だって!?ふざけんな!何人もオレの仲間を殺しておいて!!」


    カルラ「それは…仕方が無かったのよ。そうでなければ、アニは調査兵団に殺されていたから…」


    エレン「だったら何で言ってくれなかったんだ!!一言言ってくれればよかったじゃないか!」


    カルラ「言えるはずがない。内地のスパイが調査兵に紛れ込んでる可能性もあったから」


    カルラ「それに…アニが居なければ、内地の連中の巨人態があなたを攫うべく動いていたはずだから」
  266. 288 : : 2014/07/09(水) 22:40:36

    役人巨人「その通りだ。我らは外界調査のタイミングでエレンを奪うべく準備を進めていた」


    役人巨人「しかし、あの女巨人の出現によってそれを諦めざるを得なかった」


    カルラ「アニにはあなた達の情報を与えておいたから。ヘタに出てこようものなら、返り討ちにしていたわ」


    エレン「だとしても納得いかねぇよ…。いくらオレを守るためとはいえ、仲間を殺すなんて…」


    カルラ「仮に、堀の中の人間全員と調査兵数名、2つの命を天秤にかけるとしたら、どちらを選ぶ?」


    エレン「どちらって、選べるわけねぇだろ!どっちも人の命なんだぞ!」


    カルラ「選ばなければいけない。さもなくば、待つのは両方の破滅」






    カルラ「アニにとっては辛い選択だったろうけど、彼女は選んだ。堀の中の人間達を救う方を」


    エレン「…」






    カルラ「分かってちょうだい、エレン。最善策を選んでいては、奴らに勝つことはできないの」


    カルラ「いかなる犠牲を払ったとしても、今度こそ奴らの計画を止めなければいけないのよ」


    エレン「そんな…そこまで…」
  267. 289 : : 2014/07/09(水) 23:00:05

    役人巨人「小賢しい女だ。5年前に死んだとの噂が流れていたが、やはりガセだったか」


    カルラ「どうやらそのようね。どういういきさつでそんな噂が流れたのかは知らないけど」


    ベルトルト「ライナーが踏み潰したのが、あなたにそっくりな女の人だったからじゃないのか?」


    カルラ「私にそっくり?」


    役人巨人「いや待てよ。その大きな瞳に黒髪の長髪、どこかで見たことがあると思ったら…」






    役人巨人「…奴か。レイスの正妻の娘にそっくりだ。奴も5年前にシガンシナで死んだらしいしな」


    一同「!?」







    ヒストリア「そう言えばフリッツ王が言ってた。シガンシナに逃げたせいで踏みつぶされて死んだって」


    エレン「じゃあつまり、5年前ライナーに踏まれたのは母さんじゃなく、そのレイスって事か!?」


    カルラ「なるほど。それで私が死んだ事にもなっていたのね。かえって動きやすくて好都合だったけど」


    カルラ「私に似て容姿端麗で美しい黒髪で美人だとはいえ、私と間違うなんて間抜けな人達ね」


    エレン「イヤそこまでは言ってねぇ」

  268. 290 : : 2014/07/10(木) 20:58:58

    役人巨人「何にせよ、この場から逃げ切れると思うな。逃がしはせんぞっ!」ダッ!


    ミカサ「来たっ!」


    アルミン「エレンっ!カルラさんっ!」


    エレン「身体が…マズいっ!」


    役人巨人「死ねっ!!」ビュッ!






    ガシッ!!


    役人巨人「あ?」






    鎧の巨人「」グググ…






    アルミン「ライナーが受け止めた!?」


    ベルトルト「ライナーっ!!」






    ライナー(勘違いが原因とはいえ、俺はエレンの母親を殺したワケではなかった)


    ライナー(レイスの女には気の毒だが…何故だか今は心がとても晴れやかだ)


    ライナー(もう誰にも!今の俺は止められないっ!!)

  269. 291 : : 2014/07/10(木) 21:26:15

    鎧の巨人「グオォォォォォォォォォォォォォォォッ!!!!!!!!」ブンッ!


    役人巨人「うわっ!?」






    ドシーンッ!






    役人巨人「こいつ…どこからこんな力が!?」


    ベルトルト「すごい、さっきまでとは別人だ。これなら勝てる…」


    エレン「よし、オレも…ってうわっ」フラッ


    カルラ「エレン、無理しないで。今のあなたでは戦力にはならないわ」


    エレン「クソ…さすがに厳しいな…」


    役人巨人「このまますんなり貴様らが勝てると思うなっ!!」






    巨人達「アァァァッ!」ウジャウジャ


    ライナー(チッ、こいつらも居たか!邪魔くさいっ!!)

  270. 292 : : 2014/07/10(木) 21:47:41

    巨人達「」ワラワラ


    鎧の巨人「」ブンブンッ!






    ベルトルト「クソ、巨人達に囲まれて身動きが取れないのか!!」


    エレン「このままじゃライナーがやべぇぞ!!」


    カルラ「アニ、援護を!!」


    女型の巨人「」コクン







    ヒストリア「任せて」


    エレン「ヒストリア?」







    ヒストリア「ここ数日間、巨人化の力をコントロールするために秘密で特訓していたの」


    ヒストリア「少しでもみんなの力になりたくて。いつまでも足手まといでは居たくなくて」


    エレン「ヒストリア…」

  271. 293 : : 2014/07/10(木) 22:10:19

    ヒストリア「不思議と、力の使い方が分かったの。頭の中に、最初から入っていたみたいにすんなりと」


    ヒストリア「懐かしい声が頭の中で響くの。私はその人を知っているような、知らないような…」


    エレン(ユミルか…)


    ヒストリア「見ててね。これが私の、みんなを守れる力…」









    ヒストリア「…はあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!!!!!」









    ガリッッッッッッッッ!!!!!









    カッッッッッッッッッッッッ!!!!!!!!!!









    アルミン「ヒストリアっ!!」


    キース「何と…!」









    ヒストリア巨人「」ドオォォォォォォォォォォォォォォンッ!!!!!!!!!!


    女型の巨人「!?」









    ベルトルト「ヒストリアが!?」


    ライナー(これは…心強い女神様だな!!)

  272. 294 : : 2014/07/10(木) 22:31:17

    カルラ「驚いた、まさかあの子まで巨人化の力を持ってるなんて」


    エレン「一番驚いたのはオレ達だよ。あいつがあんな風に自分から闘おうとするなんて」


    エレン「やっぱ…あいつの中の“アイツ”がそうさせてるんだな」






    ヒストリア巨人「」ダッ!


    役人巨人「無駄だ!貴様に何ができる!!」






    ヒストリア巨人「」ビュッ!






    ドゴッ!!






    巨人達「」バターンッ!






    役人巨人「なっ!?巨人達を退けただと!?」


    ライナー(助かった。邪魔者さえいなくなれば、あとはこっちのモンだ!!)






    鎧の巨人「」ガシッ!


    役人巨人「くっ…離せっ!!」

  273. 295 : : 2014/07/10(木) 23:07:24

    女型の巨人「」ダッ!


    ヒストリア巨人「」ダッ!


    アルミン「行っけぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇっ!!!!!!」


    役人巨人「や…離せ…やめろぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉっ!!!!!!!!!!」







    ドッゴォォォォォォォォォォォッ!!!!!!!!!







    役人巨人「あっ…」フラッ…







    ドスーンッ!!!







    役人巨人「あ…あぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!!!!!!!!!」ピキピキ…







    エレン「やった!やっとあいつを!!」









    役人巨人「」









    カルラ「ひとまず終わったわね。後は残りの巨人達を…」


    「あーあー、やってくれたね人間達。貴重な特異点達をダメにしてくれちゃって」


    一同「!?」













    エレン「誰だ!?」


    ベルトルト「何だあいつは…」


    アルミン「あれも巨人なのか…?何というか、獣のような姿だ…」


    カルラ「出たわね…『原始の巨人』!!」

  274. 296 : : 2014/07/11(金) 20:35:59

    原始の巨人「お前らも居たのか。困るんだよね、そうやって邪魔してくれちゃ」


    カルラ「何度でも邪魔してあげるわ!人類を、あんたみたいな奴の好きにはさせないっ!」


    ニック「貴様さえ…貴様さえ葬れれば、これ以上堀の中に人間が逃げ込むことも無くなる!」


    カルラ「皆!力を合わせてこいつをここで倒すの!こいつこそが、『終わらない108年』を作った元凶よ!」


    エレン「こいつが…」


    ミカサ「内地の連中をけしかけ、堀の外から人間を集め…」


    アルミン「自分達の世界を創ろうと企む奴らの親玉!!」


    ライナー(こいつのせいで、俺達の故郷も危機に晒されている!)


    ベルトルト「もうこれ以上、誰も巨人にしてたまるか!」


    ヒストリア(みんなで力を合わせれば、きっと勝てる!)






    原始の巨人「どいつもこいつもいきがってるね。やれやれ、やっぱりお前らは面倒だよ」


    ニック「…」


    カルラ「…」

  275. 297 : : 2014/07/11(金) 20:47:11

    エレン「お前さえ倒せば…!」


    原始の巨人「ん?」


    エレン「あ?」


    原始の巨人「お前、何だか似てるなぁ。ずっと昔に、お前に似た奴に殺されかけたような…」


    エレン「何言ってんだ?」


    カルラ「…」






    原始の巨人「まぁいいや。今はそんな事どうでもいいしね」


    原始の巨人「それにしてもワラワラと邪魔者が集まってさ。放っとくんじゃなかったね」


    原始の巨人「今までは消そうと思えばいつでも消せた。でも何故そうしなかったか分かるか?」


    ニック「さぁな」






    原始の巨人「お前らが消す価値もないゴミ同然だったからだ」


    原始の巨人「こちらの目的を知ったところで、止める手立てなど無かっただろ?」


    ニック「確かにその通りだ。我々には、お前達の目論見を止められるだけの力が不足していた」


    ニック「だが今回は違う!レイスを手中に収め、“素質”の可能性もこちらにある!」


    ニック「いくらお前とて、これでは勝ち目はあるまい!おとなしく負けを…」











    巨人達「アァァァッ…」ヌッ


    ニック「しまっ…」

  276. 298 : : 2014/07/11(金) 21:00:50

    アルミン「ニックさん、危ないっ!!」


    原始の巨人「うるさい」スッ







    バリバリバリバリバリッ!!!!!


    一同「!?」







    巨人達「」ピタッ…








    巨人達「」ダダダダダッ


    エレン「何だ?巨人達が一斉に堀のほうに行ったぞ?」








    巨人達「」ピョンッ


    ミカサ「飛び降りた!?何で!?」


    原始の巨人「今こっちは大事な話してんの。邪魔するなら、そこでおとなしく固まってろ」


    アルミン「どういう事だ?まさか、あいつが巨人達を堀まで誘導したと言うのか!?」


    ベルトルト「巨人を支配する能力…。僕らが知っているのはただ一つ…」


    ニック「我々が“素質”と呼んでいる能力!奴にはそれが備わっている!?」

  277. 299 : : 2014/07/11(金) 21:12:13

    原始の巨人「『にも』?って事は、いよいよお前らの中にも現れたんだね」


    カルラ「そうよ!まだ覚醒する前の段階だけど、今後は確実にあんた達の脅威となるわ!」


    原始の巨人「教えてくれてありがとう。おかげで、今ここでその芽を摘む事が出来るよ」


    鎧の巨人「」ザッ


    ヒストリア巨人「」ザッ


    女型の巨人「」ザッ


    原始の巨人「ん?」






    ライナー(ようやく…ようやくお目にかかれたぜ)


    ヒストリア(ここであなたを倒して、この世界の正しい方向へ導く!)






    原始の巨人「やれやれ、今回は邪魔が多いなぁ。これだけ邪魔が多いのは大体2000年ぶりだね」


    原始の巨人「あの時もそこの女とオッサンと、あともう一人ガキが邪魔してくれたなぁ」


    原始の巨人「忌々しいガキだったね。危うく殺されるところだったよ。屈辱だったね」


    カルラ「そう…もうあれから2000年以上経つのね…」


    ニック「そうだな。あの少年と共に戦ってから2000年。長いようで短かったな」


    カルラ「あの子はもうここにはいないけど、意思を継ぐ者ならここに居る」チラッ


    エレン「え…?」

  278. 300 : : 2014/07/11(金) 21:24:53

    カルラ「…何としてもここでこいつを!!」


    キース「細かい事情は知らんが、こいつを倒せばよいのだな!?」


    ニック「そうだ!全てを終わらせるために、ここでこいつを!!」






    鎧の巨人「グオォォォォォォォォォォォォォォォッ!!!!!!」ダッ!


    ヒストリア巨人「アァァァァァァァァァァァァァッ!!!!!!」ダッ!


    女型の巨人「」ダッ!


    エレン「みんなっ!」






    女型の巨人「」ダキッ!


    原始の巨人「うおっ、何だこいつ、いきなり抱き付いて気持ち悪いな」






    女型の巨人「」スゥゥ…


    原始の巨人「ん?」











    女型の巨人「キィアァァァァァァァァァァァァァァァッ!!!!!!!!!!」


    エレン「うっ!?」


    ミカサ「耳が…!」


    アルミン「くぅ…!」


    原始の巨人「うっさいな…。一体何を…」














    ドドドドドドドドドドッ!


    一同「!?」

  279. 301 : : 2014/07/11(金) 21:37:13

    巨人達「」ドドドドドドドドドドッ!







    キース「カラネス区の巨人達が、一斉に奴に向かって行くぞ!」


    カルラ「アニよ。あの叫び声で巨人を呼び寄せたの!」


    ニック「巨人の攻撃目標はアニ。だが、アニは今ヤツに抱き付いている。これが何を意味するか」


    アルミン「つまり…巨人はアニに…奴に向かって群がるっ!!」






    巨人達「」ワラワラ






    巨人達「」ガジガジ






    原始の巨人「いってぇな。雑魚の分際で歯向かう気?邪魔だし、向こう行けよ」






    バリバリバリバリバリッ!!!






    巨人達「」ピタッ


    エレン「またアレだ!」







    巨人達「」ドドドドドドドドドドッ!







    巨人達「」ピョーンッ!











    ドスーンッ!

  280. 302 : : 2014/07/11(金) 21:49:20

    キース「さっきと同じだ。巨人達が自分から堀に飛びこんだ」


    原始の巨人「お前、面白い事するじゃんか。でも、そんなんじゃ勝てないよ」


    女型の巨人「…」






    原始の巨人「…お前、気に食わないな。最初からずっとだんまり決め込んでてムカつくよ」


    原始の巨人「他の馬鹿共みたく、怒りのままに喚き散らすとかすればまだ可愛げが…」


    女型の巨人「」ビュッ!


    原始の巨人「おっと、危ない」ガシッ!






    女型の巨人「」ジタバタ


    原始の巨人「離さないよ。よくもこんな汚い脚を向けてくれたね。キツめの罰が必要だ」


    原始の巨人「例えば…堀の底で一生石像として過ごす、ってのはどうかな?」


    女型の巨人「!!」






    鎧の巨人「」ダダダッ!


    ライナー(んな事させるかっ!アニを離せっ!!)

  281. 303 : : 2014/07/11(金) 22:00:49

    原始の巨人「間に合わないよ。お前らじゃこいつを救えない」


    原始の巨人「この腕をほうり上げるだけで、こいつの体は宙を舞い、やがて暗い堀の底へ…」


    ライナー(や…)


    アルミン「や…」


    エレン「やめろぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉっ!!!!!!!!!!」









    原始の巨人「バイバイ…」ブンッ!


    エレン「あっ…」









    女型の巨人「」ヒュウゥゥゥゥゥ…













    ドスーンッ!












    ベルトルト「アニィィィィィィィィィィィィィィッ!!!!!!!」


    原始の巨人「さて、まず一匹。ゴミにしては頑張ったね」


    ベルトルト「貴様ぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!!!!!!!」


    鎧の巨人「」ダッ!


    ライナー(よくもアニを…許さんっ!!!)

  282. 304 : : 2014/07/11(金) 22:10:38

    原始の巨人「お?お前も来るの?」


    ニック「駄目だ!迂闊に近づくな!アニの二の舞になるぞ!!」


    原始の巨人「望み通り、後を追わせてやるよ」






    バリバリバリバリバリッ!!






    鎧の巨人「!?」ピタッ


    ライナー(何だ…?急に体の自由が…)






    原始の巨人「お前みたいな奴を蹴飛ばしたら、一体どれ位飛ぶのかな?気持ちいいだろうなぁ」


    原始の巨人「そうだな…ちょうど堀まで飛べばいいな。そしたら、さっきの奴と一緒になれるよ」


    鎧の巨人「」グググ…


    ライナー(ぐっ…動け…)






    ニック「ライナーの奴、どうしたと言うのだ!?何故動きを止めた!?」


    カルラ「まさかあの能力は、巨人化能力者にまで影響を及ぼすと言うの!?」


    アルミン「このままじゃライナーもやられてしまうっ!!」


    ミカサ「何か止める手立ては…!」

  283. 305 : : 2014/07/11(金) 22:20:09

    原始の巨人「二人目…」スッ


    ベルトルト「ライナーっ!!」


    ライナー(ここまでか…)


    ヒストリア(ダメぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇっ!!!!!!)







    ドッゴォォォォォォォォォォォッ!!!!!!!!!!







    エレン「え!?」


    ベルトルト「あっ!!」


    原始の巨人「あれ?」







    ヒストリア巨人「」ヒュゥゥゥ…







    ライナー(クリスタ!?まさか俺を庇って!?)


    アルミン「あのままじゃ、ヒストリアまで堀に落ちてしまうっ!!」


    原始の巨人「馬鹿だな、先走らなくたってちゃんと順番に葬ってやるのにさ」


    鎧の巨人「!!」


    ライナー(動けるっ!!これなら…)

  284. 306 : : 2014/07/11(金) 22:30:20

    ヒストリア巨人「」ヒュゥゥゥ…






    ヒストリア(すごい衝撃…意識が飛びそう…)


    ヒストリア(私、堀に向かって落ちてる。きっと、もう駄目なんだね…)


    ヒストリア(私、みんなの役に立ったかな…?ちゃんと戦えていたかな…?)


    ヒストリア(ねぇ、ユミル…)









    ヒストリア(…)









    ヒストリア(…ふふっ、何だユミル、そんなところに居たの。道理で探しても見つからない筈だよね)


    ヒストリア(ずっとそこから…私を見てくれてたんだ。ありがとう…)


    ヒストリア(これからもずっと一緒に…)













    ヒストリア(…え!?)


    鎧の巨人「」ダダダッ!


    ベルトルト「ライナー!?ヒストリアを助ける気か!?」


    アルミン「この距離ならまだ間に合うっ!!」

  285. 307 : : 2014/07/11(金) 22:39:45

    ライナー(うおぉぉぉぉぉぉぉぉぉっ!!!!!!!!)


    鎧の巨人「」ダッ!







    鎧の巨人「」ピョーンッ!


    エレン「跳んだ!!」


    ライナー(かつてマリアの堀を跳び越えた跳躍力を舐めるんじゃねぇっ!!)







    ガシッ!







    ヒストリア(ライナー…)


    ライナー(届いたっ!後は向こう岸に捕まれば…)







    バリバリバリバリバリッ!!!







    鎧の巨人「!?」


    ライナー(またこれか…!?身体が…動かん…)

  286. 308 : : 2014/07/11(金) 22:48:38

    鎧の巨人&ヒストリア巨人「」ヒュウゥゥゥゥゥ…






    ベルトルト「またライナーの動きが止まった!あのままじゃ…」


    アルミン「駄目だぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!!!!!!!」









    ドスーンッ…









    アルミン「あっ…」


    鎧の巨人「」ピキピキ…


    ヒストリア巨人「」ピキピキ…









    エレン「そんな…あいつらまで…」


    原始の巨人「ふぅ、案外大した事なかったね、あいつら。所詮巨人なんて、堀に落とせばイチコロさ」


    ベルトルト「それじゃ…お前も突き落としてやればお仕舞ってことだよね…」


    原始の巨人「お?やる気?」


    ベルトルト「アニだけに飽き足らず、ライナーまで…。お前だけは…お前だけはっ!!」

  287. 309 : : 2014/07/11(金) 23:00:11

    カルラ「やめなさいベルトルト!!」


    ニック「そうだ!お前の巨人態では奴には歯が立たんぞ!!」


    原始の巨人「その通り。お前みたいにただデカいだけの鈍ガメ巨人が相手になるとでも?」


    ベルトルト「くっ…!」


    原始の巨人「そうそう、そうやっておとなしくしてるのが得策だよ」






    原始の巨人「…っと、ちょっと2つ思い出したよ。君達に取っていい事と悪い事、一つずつだ」


    原始の巨人「特別に教えてあげようか?どっちから聞きたい?」


    エレン「野郎…舐めやがって…」


    カルラ「それじゃ、良い事から聞かせてもらおうかしら?」


    エレン「母さんっ!!」


    原始の巨人「いいよ。教えてあげる」







    原始の巨人「本当は今ここでお前らを葬るつもりだったけど、状況が変わった」


    原始の巨人「ちょっと急用を思い出してね。これから外へ行かなきゃならなくなった」


    原始の巨人「つまり戦いはいったん終わり。お前らを見逃してあげるよ」


    ベルトルト「ふざけるな!僕らはまだ終わるつもりはないぞ!!」


    ニック「やめろベルトルト!これ以上続けても、こちらに勝ち目はない!」


    カルラ「悔しいけれど…見逃してもらえるのはありがたいとしか言いようがない…」


    キース「確かに、今の我々にとって良い事であるのには間違いないようだ」

  288. 310 : : 2014/07/11(金) 23:13:40

    アルミン「それじゃ、悪い事って言うのは?」


    原始の巨人「108年周期で発生する日食の中には、たまに猛烈な紫外線を発生させる時があるんだ」


    原始の巨人「通称『大日食』って言うんだけどね。今回がまさにその時」


    原始の巨人「大日食ってのは本当に強い紫外線でね。日食前でも、微量ながら紫外線が降り注ぐ」


    原始の巨人「その影響で、人によっては体の一部分が巨人化してしまう現象も起きているんだ」


    エレン「何だって!?」


    原始の巨人「まぁ、ホントにわずかな影響だけどね。それよりも厄介な事があるんだ」


    キース「厄介だと?今の話以上に厄介な事があると言うのか?」


    原始の巨人「日食の紫外線は普通、堀の底にある鉱石を身に付けることで防げる」







    原始の巨人「だけど大日食は違う。鉱石を身に付けた程度では、紫外線を防ぎきる事はできない」


    キース「何だと!?」

  289. 311 : : 2014/07/11(金) 23:25:49

    アルミン「それじゃ、人類を巨人化から守る最終手段は…」


    アルミン「…『堀の底の鉱石』という頼みの綱は、意味がないって事なのか!?」


    原始の巨人「そう言う事になるね。それに残念なのは君達だけじゃない」


    原始の巨人「必死にかき集めた内地の特異点共も、例外なく巨人化してしまう」


    原始の巨人「これから外に行くのはそのためさ。奴らを巨人化から守るために、安全な場所を確保する」


    原始の巨人「また一から特異点を集めるのは大変だからね。その位はしてあげないと」


    原始の巨人「とにかくこっちは忙しいんだ。もうこれ以上相手をしていられない」


    原始の巨人「レイスの叫びは…まぁ、どうにか代用品を探すしかないか。面倒だけど」


    原始の巨人「日食まで残り数日。せいぜい余生を楽しむんだよ」











    ドシンドシンッ…

  290. 312 : : 2014/07/11(金) 23:38:51

    エレン「オイ待てっ!!」


    カルラ「エレン」


    エレン「…っ!」






    カルラ「今はあいつを追いかけるより、自分達の置かれた状況を整理するのが先決よ」


    エレン「状況ったって…」


    アルミン「終わりだ」


    ミカサ「アルミンっ!?」


    アルミン「もう…終わりだよ…」






    アルミン「仲間が次々に消えていくし…エレンの“素質”だって在るか無いか分からない…」


    アルミン「おまけにヒストリアまで居なくなって、さらに唯一の希望だった鉱石も使えない…」


    アルミン「もう…絶望しかない…」


    アルミン「やはり人類は…どうやっても…巨人には勝てないんだ…」


    エレン「アルミン…」

  291. 313 : : 2014/07/11(金) 23:52:53

    ベルトルト「ライナー…」






    鎧の巨人「」


    ヒストリア巨人「」






    キース「奴の妨害さえなければ、ブラウンがレイスを救っていたかもしれんのにな…」


    ベルトルト「ははっ、二人で抱き合ってる。望みが叶ってよかったね、ライナー…」


    ベルトルト「そしてアニ、ごめんね。結局僕らは、君を守る事が…」






    女型の巨人「」ピシッ…


    ベルトルト「え…?」






    女型の巨人「」ピシピシッ


    キース「何だ!?うなじにヒビが!?」









    バリーンッ!









    アニ「うっ…ゲホゲホッ!!」


    ベルトルト「アニっ!!」

  292. 314 : : 2014/07/12(土) 00:07:28

    エレン「どうしたベルトルト!?」


    ベルトルト「アニが自力で出て来た!!石化してしまったのに、どうして!?」


    カルラ「理由は簡単よ。あなた達にはそれが分かるんじゃない?」


    エレン「あ…もしかして…」


    ミカサ「水晶化?」


    カルラ「その通り。彼女は自身に水晶を纏わせて身を守る事が出来る」





    カルラ「最初にストヘス区で落とされた時も、水晶化で自身を石化から守っていたのよ」


    アニ「そう言う事。まさか二回もこの手を使う羽目になるとは思わなかったけど」


    ベルトルト「アニ…アニよかった…!」


    アニ「とりあえず、さっさと立体機動で迎えに来てくれるとありがたいんだけど?」


    ベルトルト「ご、ごめん!今行くよ!」パシュッ!






    エレン「アニが無事なら…ライナーとヒストリアも、同じようにして!」


    カルラ「残念だけど、あの能力はアニしか持っていない。彼らは巨人態と共に石化してしまったはず」


    エレン「そんな…」

  293. 315 : : 2014/07/12(土) 15:14:12

    ~翌日・隠れ家内~


    カルラ「へぇ、ここが?」


    ニック「ここ数日、我々が活動拠点としていた。尤も、内地の連中に見つかって襲撃を受けたがな」


    キース「いつまでここが安全かも分からぬ。早急に移動するべきではないか?」


    カルラ「いや、内地の連中もそれどころではない筈。自分達が巨人化してしまうかもしれないから」


    ミカサ「でも逆に、何か行動を起こすなら今」


    カルラ「そうね。だけど、アルミンの状態も心配だし…」


    ミカサ「昨日からずっと塞ぎ込んでしまっている。絶望感に打ちひしがれてしまっているみたい…」


    カルラ「無理もないわね。こんな状況下で冷静でいられる方が不思議なんだもの」


    ミカサ「…」

  294. 316 : : 2014/07/12(土) 15:23:10

    リヴァイ「何てザマだ、お前ら。仲間をさらに失った上に、人類を守れそうにありません、だと?」


    エレン「すみません…」


    リヴァイ「これからどうするつもりだ?みんなで仲良く、あのアホ面共と同じになれと?」


    エレン「それは…」


    ミカサ「これ以上エレンを責めても何にもなりません。幼稚な八つ当たりはやめてください」


    リヴァイ「元はと言えば、こいつに希望を抱いちまったのが悪い。その結果何も得られず、失ったもの数多だ」


    ニファ「そうは言っても、エレンの“素質”は最初から不確定要素だったじゃないですか」


    ベルトルト「確かにあの時、僕らの前で見せたエレンの力はそれだと思ったんですが…」


    アニ「ここまで来たら、もう何だっていいよ。どうせこの堀の中はお仕舞なんでしょ?」


    カルラ「えぇ、そうね。ハッキリ言って、人類を救う手立ては無い」


    エレン「そんな…」

  295. 317 : : 2014/07/12(土) 15:33:23

    カルラ「でも…ここに居る人だけなら救う手立てならあるわ」


    キース「それは本当か!?」


    カルラ「えぇ。残念だけど、もう時間がない。エレンの覚醒を待つ時間もないしね」


    カルラ「これから私達はある場所に向かう。そこで大日食をやり過ごす。それしか助かる方法は無いの」


    キース「ある場所とは?」


    カルラ「エレン、覚えてる?あの日、父さんから預かった物の事を」


    エレン「あの日?父さんから?」


    カルラ「あなたが肌身離さず持っていた物の事よ」







    エレン「…この鍵か?」キラッ


    ミカサ「鍵…確か地下室の鍵だと言って預かったはず」


    カルラ「そう。その地下室こそが、私達を巨人化から守ってくれる場所」


    カルラ「そこは、堀の底にある鉱石と同系統の石で部屋が作られているの」


    ニック「つまり、その部屋の中に居れば巨人化を避けられ、さらに巨人に襲われることもない」

  296. 318 : : 2014/07/12(土) 15:43:27

    エレン「同系統って事は、堀の底の鉱石とは全く同じってわけじゃねぇのか?」


    カルラ「似たような石だけど、ちょっと違う。外界に存在する山に、その石が眠っていたの」


    カルラ「その石を何百年もかけて少しずつ集め、私達の家の地下に部屋を作り上げたのよ」


    エレン「そんな事が…全然知らなかった」


    カルラ「大日食の前に紫外線が降り注ぐのであれば、早めにそこへ行って身を潜めるのが得策よ」






    エレン「でも、そこならみんな助かるじゃねぇか!他にも連れて行く人を…」


    カルラ「エレン、あんな小さな家の地下室に一体何人入れると思ってるの?」


    エレン「それは…」


    カルラ「それに、ここに居る人間以外にその事を教えたら、どうなるか分かるでしょ」


    エレン「…」






    カルラ「噂は噂を呼び、たちまちそこら中に話が広まるでしょう」


    カルラ「当然誰もが助かりたいと願う。そうなった場合、大混乱は避けられない」


    カルラ「そうなってしまった場合、大日食を迎えるより先に、人間達の滅ぼし合いが始まるでしょうね」


    カルラ「残念だけど、救える人数には限りがある。この場に居る10人程度が限界よ」

  297. 319 : : 2014/07/12(土) 15:52:01

    エレン「でも…オレの世話になった人達がまだまだ向こうにたくさんいる…」


    エレン「その人達も全員見捨てて、オレ達だけで助かって、その後に何が残るってんだよ…」


    カルラ「その考え、私のも分かるわ。もう何十回とその葛藤に悩んできた。ニックさんもね」


    ニック「…」





    カルラ「慣れるなんて事は絶対にないけれど、割り切れるようにならないと、奴らには勝てない」


    カルラ「今は辛いだろうけど…巨人化した人達を救う方法が無いわけではないわ」


    エレン「え!?それは本当か!?」


    カルラ「あくまで可能性の話だけどね。まぁ、その話はおいおい…」


    カルラ「早めに動かないと、すでに降り注いでいる紫外線で誰が影響を受けるかも分からないし」


    ベルトルト「確かに。モタモタしていたら、僕らもいつ影響を受けるか分からないからね」






    エレン「おいちょっと待て、まさかお前らも一緒に来るつもりじゃねぇだろうな?」


    ベルトルト「え…あ…それは…」


    アニ「…」

  298. 320 : : 2014/07/12(土) 15:59:38

    エレン「今はこうして仕方なく一緒に居るけど、だからってお前らの事を許したワケじゃねぇんだぞ」


    エレン「むしろお前らには、ライナーの後を追って一緒に石化してもらいたいくらいなんだが…?」


    カルラ「エレン、今はそんな子供染みたことを言ってる場合じゃないでしょ」


    エレン「でもよ!」





    カルラ「私がもしベルトルトの立場なら、同じように巨人を招き入れて人類を滅ぼそうとした」


    カルラ「アニだって、私の指示で動いた。この子達はこの子達なりの理由があるのよ」


    エレン「…」





    カルラ「それに、今は他に別の敵が居るでしょ。そいつを倒すまでは、ここで争っている場合じゃない」


    エレン「共通の敵が現れただけで協力し合えるなら、巨人が存在する時点で人間同士がそうなってるはずだ」


    エレン「でも実際はそうじゃない。実際は堀の中の狭い世界で、下らねぇ争いばっかりじゃねぇか」


    カルラ「エレン…」


    エレン「だからよ、オレの故郷と仲間を奪ったこいつらと手を組むなんてマネ、オレにはできねぇ」

  299. 321 : : 2014/07/12(土) 16:09:02

    ベルトルト「…君の意見も尤もだね。少なくとも僕らは、君から恨まれるだけの事をやってる」


    アニ「あんたの母親の指示とはいえ、殺す必要の無かった人を殺めたのは確か。悪かったよ」


    エレン「今更謝って許されると思うな…何ならオレが今ここで…」


    リヴァイ「お前らも来い。俺が許可する」


    エレン「兵長!?何で!?」





    リヴァイ「今この場における最上官は俺だ。俺が許可したのなら、誰も俺には逆らえねぇ。以上だ」


    エレン「冗談じゃないですよ!何でこいつらなんかと…」


    リヴァイ「但し」


    エレン「っ!?」





    リヴァイ「こいつらはあくまで“捕虜”だ。人類の仇敵として連行する」


    リヴァイ「俺達の身に危険が…例えば内地の連中や原始の巨人が出現した場合」


    リヴァイ「真っ先に交戦し、俺達を守る壁となる事。それが条件だ」


    リヴァイ「この条件が飲めねぇのなら、エレン、お前はこの場に置いて行く」

  300. 322 : : 2014/07/12(土) 16:17:24

    ベルトルト「僕は問題ありません。むしろ厚遇されてるくらいです」


    アニ「私もいいですよ。どの道、その位しかやれる事は無いですからね」


    リヴァイ「だ、そうだ。お前はどうだ?」


    エレン「まぁ…そう言う事なら…」


    リヴァイ「決まりだな。話の分かる連中で助かる」





    ニファ「そうと決まれば、早速シガンシナを目指すためのルートを選定しなければ」


    キース「シガンシナとはいえ、すでに巨人の領土。辿り着くのは容易ではないぞ」


    リヴァイ「別に大荷物抱えて動くワケじゃない。この人数なら、夜に馬を駆っていけば問題ない」


    リヴァイ「道中にある巨大樹の森で休みを挟みつつ移動すれば、さほど難しくはない筈だ」


    キース「確かに。現状はその方法が最善と言えよう」


    ニック「ならば今すぐにでも出発の準備を。10人分の馬を確保せねばな」


    ニファ「それは私が。兵団本部から優秀な馬を見繕ってきます」


    キース「私も行こう。フーバー、レオンハート、お前達も来てくれるか?」


    ベルトルト「分かりました」


    アニ「いいですよ」

  301. 323 : : 2014/07/12(土) 16:24:32

    カルラ「…」


    リヴァイ「…何だ?俺に何か用か?」


    カルラ「ここへ来た時から気になっていたのだけど、あなたってもしかして…」


    リヴァイ「…」


    エレン「?」


    ニファ「あっ…」
















    カルラ「…もしかして、特異点じゃない?」


    一同「!?」

  302. 324 : : 2014/07/12(土) 16:32:54

    エレン「兵長が特異点!?」


    キース「長い刻を生き、レイスによる記憶の干渉を受けない特殊な人間の事か!?」


    ニック「やはり私が思っていた通りか!」


    ニファ「私は知っていました。正確には、昨日二人でいる時に知らされたばかりですが」


    リヴァイ「確かに、俺はその特異点とやららしい」


    エレン「じゃあ兵長も、母さん達と同じようにずっと生きて来たって事ですか!?」


    リヴァイ「イヤ、気付いたのはここ数週間の間だ。それに俺はまだ30年そこらしか生きてねぇ」





    カルラ「ここ30年ほどの間に新たな特異点が生まれたとは聞いていたけど、あなただったのね」


    ミカサ「もしかして、早々に堀の中の人類を諦めるような発言をしていたのも…」


    リヴァイ「確かに俺は諦めた。今回はな」


    リヴァイ「だが、もうこれ以上負けるつもりはねぇ。次の108年で確実にケリを付けるつもりだ」
















    エレン「次、じゃありませんよ」


    リヴァイ「あ?」
  303. 325 : : 2014/07/12(土) 16:42:16

    エレン「兵長はすでに次を見据えているかも知れませんが、特異点じゃないオレ達に次はありません」


    エレン「今回で決着をつけるんです!まだわずかですが時間がある!それまでに“素質”を操れれば!」


    カルラ「…」


    カルラ(この子はまだ諦めていない…。私達と違って、最期の最期まで戦うつもりなのね…)


    カルラ(ならば私も、その日が来るまで足掻いて見せようじゃない!)






    リヴァイ「なら、大日食を迎えるまでに各々やることは決まったな」


    リヴァイ「エレンは最期の最期まで“素質”の習得に尽力しろ」


    リヴァイ「俺達特異点は、次以降の戦いに備えて作戦を一から練り直す」


    リヴァイ「残りの連中は生き残ることを優先するもよし。原始の巨人を討伐する方法を考えるもよし」


    リヴァイ「各自、残された時間を有効に使え。幸い、残り時間だけは向こうもこちらも平等だ」
















    キース「シガンシナまで…全員、生きて辿り着くぞ!!」


    一同「おぉぉぉぉっ!!!!!!!!」

  304. 326 : : 2014/07/12(土) 17:58:16

    ~王都~


    フリッツ「それで、奴らはまだ捕えられないのか?」


    役人「申し訳ありません、全力を挙げて捜索しているのですが…」


    フリッツ「ケニーが殺られ、カラネス区でも取り逃がしたらしいじゃないか」


    役人「奴らだけなら捕えられたはずなのですが、思わぬ邪魔が入りまして…」


    フリッツ「カルラか。ここ数百年はおとなしいと思っていたが、ここで邪魔をしてくるとは」


    役人「その上、例の新しい特異点が、どうやら連中の中に存在しているようでして…」


    フリッツ「向こうに3人か。面倒な事になったなぁ」





    役人「しかし、何故今になってカルラが姿を見せたのでしょうか?」


    フリッツ「あのエレンという少年、どこかで見覚えがあると思っていたが」


    役人「え…?」


    フリッツ「お前が生まれたのは800年ほど前だったな。ならば、見覚えはあるまい」

  305. 327 : : 2014/07/12(土) 18:08:38

    フリッツ「私の記憶では…そう、2000年前、連中の妨害が最も酷かった時だ」


    フリッツ「ニックと、カルラと、特異点でもない少年の3人が中心となって我らの妨害を企てた」


    フリッツ「その少年はエレンと同じく、巨人化の力を操っていた」


    役人「何と…!そんな昔にも巨人化を操る一般人が居たのですか!?」


    フリッツ「あぁ。そいつに“素質”は備わっていなかったが、高い戦闘能力と知能を持っていた」


    フリッツ「厄介な相手だった。原始の巨人も、瀕死の重傷を負ったと聞く」


    役人「あの原始の巨人が!?」


    フリッツ「辛うじてそいつを堀に突き落とし、石化させて勝利を収めたと聞く」





    フリッツ「もしそいつに原始の巨人が負けていたとしたら…」


    役人「ゾっとしますね。当然、我々の今の地位は無いでしょう」


    フリッツ「全くだ。ところでお前、あの話を知っているか?」


    役人「話…?」

  306. 328 : : 2014/07/12(土) 18:13:32

    フリッツ「石化した巨人がその後どうなるか。あくまで都市伝説レベルの話だがな」


    役人「聞いたことはありますが、迷信でしょう。そもそも、確かめようがありません」


    フリッツ「確かにな。だが、私はあのエレンという少年を見て、もしやと思ってしまった…」
















    フリッツ「…そう、『2000年後の転生』伝説をな」
  307. 329 : : 2014/07/12(土) 19:06:54

    ~二週間後・シガンシナ区~


    ガチャ





    カルラ「お帰り」


    エレン「ただいま…」


    ミカサ「ただいま」


    カルラ「その顔は…」


    エレン「ダメだったよ。もう…何度も何度も試したのに…何で出来ないんだ…」


    カルラ「それは今に始まった事じゃないでしょう。それだけ続けられる根気に、むしろ感服するわ」


    エレン「…」

  308. 330 : : 2014/07/12(土) 19:15:28

    カルラ「ご飯、できてるわよ。地下でみんなが待ってる」


    エレン「…ふっ」


    カルラ「どうしたの?」


    エレン「イヤ、なんだか懐かしいなと思ってさ。こうして母さんが出迎えてくれて」


    カルラ「そうね。5年前までは当たり前だったのにね。ね、ミカサ」


    ミカサ「うん、すごく懐かしくて、すごくうれしい」


    カルラ「ふふふ。ほら、早く下に行きなさい。今、スープを運ぶから」


    エレン「うわ、デカい鍋!オレが運ぶよ、力仕事なら任せてくれ!」


    カルラ「まぁまぁ。それじゃ、お願いしようかしら」


    エレン「よし、それっ!」ガッ!


    カルラ「落とさないでよー」


    エレン「分かってるって!」







    ダンダンッ!

  309. 331 : : 2014/07/12(土) 19:22:30

    カルラ「全く、あの子ったら」


    ミカサ「今までと状況は変わらないけど、エレンが明るくなった気がする」


    ミカサ「きっとおばさんにまた会えたから。前みたいに、悲しい顔をしなくなった」




    カルラ「ミカサはどうなの?」


    ミカサ「私は…」





    ミカサ「…私も。きっとそう…だと思う」


    カルラ「ふふっ、後でミカサも撫で撫でしてあげる」


    ミカサ「わっ…私はもう…そんな歳じゃ…ない…からっ!」


    カルラ「かわいいわね」


    ミカサ「わ、私も手伝う。これを切ればいいの?」


    カルラ「あ、そうね。手を切らないように気を付けて」

  310. 332 : : 2014/07/12(土) 19:30:23

    ミカサ「分かってる。これでも少しは包丁の使い方を覚えたつもり…」トントン…






    ミカサ「…あっ!」ザクッ


    カルラ「ちょっと、言わんこっちゃない!手を見せて!」


    ミカサ「大丈夫、こんなのかすり傷…」


    カルラ「かすり傷でもちゃんと処置をしないと。化膿したら大変」


    ミカサ「大丈夫、この程度じゃ…」シュウゥゥゥ…


    ミカサ&カルラ「!?」









    カルラ「ちょっと…傷口から蒸気…これって!?」


    ミカサ「」バッ!


    カルラ「見せなさいミカサ!あなたもしかして…」


    ミカサ「大丈夫…大丈夫だから…」


    カルラ「あなた、やはり紫外線の影響が身体に出始めてる。それは巨人化の初期段階よ」


    ミカサ「皆には言わないで…大丈夫だから…」







    カルラ「エレンが心配なのは分かるけど、これ以上外に出てはダメ。でないと、あなたが…」


    ミカサ「気を付ける。気を付けるから…」


    カルラ「…分かったわ。ミカサも下に行ってなさい。こっちはやっておくから」


    ミカサ「…うん」






    スタスタ…






    カルラ「…せめて、あの子達だけは守り通さないと」

  311. 333 : : 2014/07/12(土) 19:38:15

    ~地下室~


    リヴァイ「それで、今日も平常運転か、エレン?」


    エレン「えぇ、残念ながら…」


    リヴァイ「もう誰もお前には期待していない。見ろ、みんなの失望の眼差しを」


    ニファ「兵長、そんな!エレン、誰も失望なんてしてないから!安心して!」


    エレン「は、はい…」





    ベルトルト「トロスト区でエレンが見せた力の一端は、“素質”ではなかったと言うのか…」


    アニ「一つ、試してみたいことがあるんだけど?」


    ベルトルト「何を?」


    アニ「そいつの“素質”の覚醒について。もしかしたら、と思う事があってね」


    エレン「本当か!?一体何だ!?」





    アニ「ちょっと刃物か何かを貸してもらえる?」


    カルラ「何をするの?さっき、料理で使った包丁でよければ」スッ


    アニ「包丁…まぁ、十分だね」


    ベルトルト「包丁なんて、一体何に使うんだい?」

  312. 334 : : 2014/07/12(土) 19:46:53

    アニ「…こうするのさっ!!」ビュッ!


    カルラ「きゃっ!?」






    ガシッ!






    ミカサ「アニ…おばさんに何をするの!?」グググ…


    アニ「見てわかるでしょ…この包丁で殺すんだよ…」グググ…


    エレン「アニてめぇ!!ふざけんなよ!!」


    ベルトルト「何を考えているんだ!!今そんな事をして何になるって言うんだよ!!」


    エレン「そこから少しでも動いてみろ…オレがお前をぶっ殺す!!」


    ニファ「エレン落ち着いて!アニも!どうして突然そんな事をするの!?」


    キース「包丁を降ろせレオンハート!」


    アニ「悪いけど…やめるつもりは微塵もないよ」グググ…


    ミカサ「どうやら…痛い目を見ないと分からないらしい…」グググ…







    バキッ!

  313. 335 : : 2014/07/12(土) 19:52:36

    アニ「…っ!」ドサッ





    リヴァイ「要らん騒ぎを起こすな。外でやる分には勝手だが、ここでやられると耳障りだ」


    ベルトルト「アニっ!」


    アニ「乙女に容赦なく拳を振り下ろすんだね」


    リヴァイ「包丁を持たせた途端に人斬りにかかる、気が振れた奴を乙女とは呼ばねぇ」


    エレン「アニ…どういうつもりだ…死にたいか…?」


    ベルトルト「どうして突然あんな事を!?」


    アニ「あんた、身体に何か変化はあった?」


    ベルトルト「え、僕…?特には何も?」


    アニ「そう。じゃあ、私の見立ては違ったようだね」


    カルラ「見立て?」





    アニ「ライナー達の話では、最初に“素質”らしき力が発動した時、そいつが怒り狂っていたらしいね」


    エレン「あ…?」


    ニック「確かに。あの時は母親をライナーに踏み殺されたと思い込み、激しく憤っていた」

  314. 336 : : 2014/07/12(土) 19:58:09

    アニ「そして次はジャンが殺された時。その時も激しい怒りのままに暴れたと聞いたよ」


    エレン「それが何だってんだよ…」


    アニ「ニックさんから聞いたんだけど、その時堀の外の巨人達の目に、怒りの感情が灯っていたらしいね」


    ニック「あぁ、確かにそう見えた。気のせいかもしれんが、まるでエレンに呼応するように」


    ニック「その現象を見て、私はエレンの中に可能性を見出したのだ」


    ベルトルト「そう言えば最初に“素質”らしき力が発動したとき、僕とライナーはハッキリと感じた」


    ベルトルト「頭の中に流れ込む…電流のような衝撃を。エレンの怒りが、直接頭に流し込まれたような…」


    エレン「お前ら、そんな事になってたのか?」


    アニ「だから、こうしてあんたをけしかけてみたワケ。まぁ、どうやら空振りみたいだけど」


    アニ「それとも?本当にここで母親を殺せば、そのまま“素質”が覚醒する可能性もゼロじゃないかもね」


    エレン「んな事してみろ…。生まれて来た事を後悔するほど、地獄の苦しみを与えて殺してやる…」


    カルラ「まぁまぁ落ち着いて。仮に私の命一つで事が済むなら安い物よ」


    エレン「馬鹿言ってんじゃねぇ!絶対にそんなふざけた事はさせねぇからな!」


    ミカサ「アニはもうおばさんに近付かないで。今度ヘタな動きを見せたら、容赦なく削ぐから」


    アニ「分かったよ」


    ベルトルト「…」

  315. 337 : : 2014/07/12(土) 20:04:23

    リヴァイ「ところで、例の日食までは後何日だ?」


    ニック「さぁな。正確な部分は不明だが、もう一週間を切っているとみていいだろう」


    ニック「今後は外出も控えるべきだ。おそらく、紫外線の影響が以前にも増して強まってると思われる」


    ミカサ「…」


    カルラ「」チラッ…





    キース「やはり…他の者達に内緒で我々だけ助かろうなど、心苦しいな…」


    ニック「仕方がないのだ。我々からしてみれば、ここに居る数名が助かるだけでもまだ良い方なのだ」


    カルラ「何度、全人類が巨人化する光景を見て来た事か。それに比べれば…」


    エレン「日食までに、何としてもオレが…」


    ミカサ「そう言えば」


    エレン「ん?」





    ミカサ「アルミンの姿が見えない。まだ別室に籠っているの?」


    エレン「あぁ。すっかり絶望に打ちひしがれちまってるよ。無理もねぇな」


    キース「実質、我々は万策尽きたも同然。常人なら通常の精神でいられないのも無理はない」


    リヴァイ「そう言えば、ウチの仲間はマトモな奴から順に死んでいったな。この分だと、次に死ぬのは…」


    エレン「兵長っ!!」


    リヴァイ「…」







    エレン「…早く食べましょう。冷めてしまう前に」


    リヴァイ「…そうだな」

  316. 338 : : 2014/07/12(土) 20:09:08

    ガチャ


    一同「!!」







    アルミン「…」


    エレン「アルミン、大丈夫か?飯、食えるか?」


    アルミン「一つ、思った事があるんだけど…」


    エレン「何だ?」






    アルミン「原始の巨人は言ったよね。内地の特異点達を、安全な場所に移動させるって」


    エレン「あぁ、言ってたな。それがどうかしたか?」


    アルミン「安全な場所ってどこだろう?」


    ミカサ「それはやはり…紫外線の届かない外界では?」


    アルミン「外界は確かに降り注ぐ紫外線は弱いらしいけど、完全ではない」


    アルミン「それに、外界には巨人が大量に存在する」


    アルミン「奴が“素質”みたいなのを使えるとしても、とても安全とは言えないよ」

  317. 339 : : 2014/07/12(土) 20:16:23

    エレン「でもよ、奴はあの時『外に行く』って言ったんだぜ?それって外界の事じゃねぇのか?」


    アルミン「僕達が交戦したのはカラネス区。そしてここはシガンシナ区」


    アルミン「カラネス区から見れば、ここも『外』に当たる…」


    ニファ「まさか…!?」











    ドオォォォォォォォォォォォォォォンッ!!!!!!!!!!!!!!


    一同「!?」











    キース「何だこの音は!?」


    ベルトルト「地上からだ!」











    ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ…











    ニック「この揺れ…まさか!!」


    アルミン「やはりだ…僕の予想が…最悪の形で的中してしまったんだ…」


    エレン「」ダッ!


    ミカサ「エレンっ!」


    カルラ「待ちなさいエレン!外に出てはダメっ!!」


    リヴァイ「俺も行く。こっちから奴らを迎えに行ってやろうじゃねぇか」


    ニック「むぅ…最後の正念場か…」

  318. 340 : : 2014/07/12(土) 20:22:17

    ~地上~


    エレン「…野郎っ!!」


    リヴァイ「やはりてめぇらか」





    役人&憲兵達「」ズラッ





    原始の巨人「へぇ、お前達もここに居たの。意外…でもないか。カルラもいるしね」


    カルラ「何故ここに?って、理由を聞くまでもないかしら?」


    原始の巨人「こちらの要求はただ一つ。お前達のいる、その地下室を明け渡してもらう事」


    原始の巨人「さすがに内地の連中全員を助けるのは無理があったからね。一部を厳選して連れて来た」


    原始の巨人「こいつらを日食から守るには、お前達のいるその地下室が必要なんだ」


    原始の巨人「今まではそんな物無くても、鉱石だけで十分に日食から身を守れた。だから放っておいた」


    原始の巨人「だけど、今回はそうはいかないからね。こいつらを守るために、そこを渡してもらうよ」


    ニック「我々がお前らの要求を、そう易々と飲むと思うか?」


    原始の巨人「思わない。だからこうして、準備万端で来てあげたんじゃないか」


    憲兵「この人数相手に、勝てると思わない事だな」


    役人「お前らに残された道は二つ。おとなしく地下室を明け渡すか、強制的に明け渡す羽目になるかだ」

  319. 341 : : 2014/07/12(土) 20:28:13

    リヴァイ「選択肢はその二つだけでいいのか?」


    役人「あ?」




    リヴァイ「…選択肢に加えておけ。『てめぇらが全滅し、地下室の強奪に失敗する』とな」


    役人「ほざけ!調査兵団風情が!!今に見ておれ!!」


    ミカサ「来るっ!!」


    役人&憲兵達「我らに仇なす愚か者共に…死をっ!!」






    ガリッッッッッッッッ!!!!!







    カッッッッッッッッッッッッ!!!!!!!







    アルミン「お仕舞だ…」








    ドオォォォォォォォォォォォォォォンッ!!!!!!!!!!








    役人&憲兵巨人達「ふははははははははははっ!!!!!!!」


    ベルトルト「50メートルクラスが何体も…!」


    アニ「堀に突き落とそうにも、あの距離じゃ厳しいね…」

  320. 342 : : 2014/07/12(土) 20:34:10

    原始の巨人「さぁ、どうする?この光景を見て尚、戦意を保っていられるかい?」


    原始の巨人「尤も、そっちで戦力になりそうなのは巨人化できる3人だけだろうけどね」


    カルラ「確かに。通常の巨人とはパワーもスピードも桁違いな奴ら相手じゃ、立体機動はほぼ無意味」


    ニック「我らの勝ち目はほぼない…」


    エレン「諦めてたまるか!ここでオレ達が負けちまったら、誰がこいつらの企みを止められるんだ!」


    エレン「絶対…絶対に負けねぇっ!!何が何でもここを守り通してやるっ!!」


    役人巨人「まとめて叩き潰してくれる!はあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!!!!!」







    ドオォォォォォォォォォォォォォォンッ!!!!!!!!!!


    一同「うわあぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!!!!!!!!!!!!」











    ドサッ…

  321. 343 : : 2014/07/12(土) 20:38:05

    キース「ぐ…」


    カルラ「凄い衝撃…みんな、大丈夫?」


    リヴァイ「ニファ、怪我はねぇか?」


    ニファ「少し擦りむいてしまいましたが、大丈夫です」




    エレン「アルミン、しっかりしろ!」


    アルミン「うぅ…」


    ミカサ「アルミンは地下室に避難していて。ここは危険だから」


    アルミン「このくらい、どうってことないよ…。どうせ今更どこへ逃げようと…」シュウゥゥゥ…








    アルミン「え!?」


    エレン「アルミン!?その蒸気、もしかして!!」


    ミカサ「そんな…アルミンまで…」


    アルミン「な…なんだよ…これは…僕は…僕の体は一体…」シュウゥゥゥ…








    アルミン「…うわあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!!!!!!!!!!」


    ニファ「落ち着いてアルミンっ!!早く地下室に…」シュウゥゥゥ…


    リヴァイ「ニファっ!!」


    ニファ「ウソ…私も…?」シュウゥゥゥ…

  322. 344 : : 2014/07/12(土) 20:46:44

    カルラ「マズい、思った以上に紫外線の影響を受けてる!これ以上外にいては危ないっ!!」


    キース「今までほとんど外に出ていなかったアルミンとニファに症状が現れたという事は…」


    カルラ「紫外線がだいぶ強く降り注いでいる!もう日食が起きる寸前という事よ!」






    役人巨人「う…うあぁぁぁぁぁっ!!!!」


    原始の巨人「どうした?」







    役人巨人「うあ…あ…あぁ…」


    エレン「何だ…?連中の一人の様子が変だぞ?」


    原始の巨人「しっかりしろ。目的の地下室は目の前だぞ」


    役人巨人「…」


    憲兵巨人「おい、何黙ってるんだよ…」











    役人巨人「…ウガァァァァッ!!!!!」ブンッ!


    憲兵巨人「うわっ!?何をする!?」ヒョイッ


    ミカサ「仲間割れっ!?」


    カルラ「いや違う!突然理性を無くした!!あれは…」


    ニック「見紛う筈がない。あれこそ、我々がこれまでに幾度となく見て来た姿…」


    ニック「…人間が、巨人へと姿を変えた瞬間だ」

  323. 345 : : 2014/07/12(土) 20:51:23

    役人巨人「ウガアァァァァァッ!!!!!!」ブンブンッ!


    憲兵巨人「やめろっ!!私が分からぬのか!?」






    原始の巨人「あーあ、勿体ない。貴重な特異点が巨人になっちゃったよ」


    原始の巨人「こうなると、このデカブツは邪魔でしかなくなるね。どうしたもんか」


    原始の巨人「時間が無いのは分かってたけど、どうやら潮時かな」


    エレン「潮時って…?」


    原始の巨人「空を見てごらん」


    エレン「空…」







    スゥゥゥゥ…


    一同「!?」







    キース「何だ!?突然辺りが薄暗くなった!?」


    ニファ「まだ昼間だってのに、この暗さは異常じゃない!?」


    リヴァイ「ついに始まっちまったのか…」


    ミカサ「あれを見てっ!!」


    ベルトルト「何て事だ…太陽が…」


    アニ「どんどん欠けていく。闇に浸食されて行くように」


    アルミン「あぁ…これが…もう終わりだ…」


    エレン「これが…これが『大日食』なのかよっ!!」











    原始の巨人「さぁ…地獄の窯の蓋が開いたよ…」





















    カッッッッッッッッッッッッ!!!!!!!!!!!!!

  324. 346 : : 2014/07/12(土) 21:08:31

    エレン「辺りが真っ暗だ…まるで夜みたいに!」


    ミカサ「冬でもないのに、この薄ら寒い空気は何…?」


    アルミン「あぁ…終わりだよ…あぁぁぁ…」


    憲兵巨人「う…うあぁぁぁぁぁっ!!!!」


    一同「!?」







    憲兵巨人「あ…アァッ!!意識が…アぁぁァぁァッ!!!!」


    エレン「あ…あいつもおかしくなってやがる…」


    カルラ「ボケっとしないで!この隙に地下室へ逃げ込むのっ!!」


    原始の巨人「そうはさせるか。お前らも皆道連れだ。それ」スッ


    役人巨人「ウアァァッ!!」ダッ!







    ニック「ヤツめ!無知性となった役人共を操っているのか!!」


    カルラ「地下に逃げ込めばこっちの物よ!巨人共では、地下に入っても生きていられないっ!!」


    キース「お前ら急げっ!!」


    ベルトルト「アニ早くっ!!」
















    アニ「あんたはそれでいいの?」


    ベルトルト「アニ…何を?」

  325. 347 : : 2014/07/12(土) 21:19:35

    リヴァイ「ニファ、先に行け!俺が時間を稼ぐ!」


    ミカサ「アルミンも!今この場では、あなた達が巨人に最も近い!」


    ニファ「兵長…」


    アルミン「終わりだ…終わりだよ…あははははははっ!!!!!!」







    憲兵巨人「ガァァァッ!!!!」ブンッ!


    エレン「アルミンっ!!避けろっ!!!」







    ガシッ!


    エレン「…え!?」


    キース「ぬ…おぉぉぉぉっ!!!!!!!!」グググ…


    ミカサ「教官っ!!」


    エレン「巨人の攻撃を受け止めた…って!?」


    アルミン「あ…あぁ…教官…それは…」













    アルミン「…その腕はっ!?」

  326. 348 : : 2014/07/12(土) 21:30:30

    キース「どうやら…私が自信を保っていられるのはあと数秒が限度のようだ…」


    キース「体躯に似合わぬこの巨大な腕。これから、この腕に見合うだけの肉体に変化するだろう…」


    キース「早く行けっ!!お前達は私の大切な教え子達だっ!!」


    アルミン「教官っ!!」


    ミカサ「アルミン早くっ!!」






    キース「巨人のエサになる事も、ましてや巨人になる事も許さんっ!!」


    キース「これを守れぬ愚か者は、罰走100週だ!!覚悟しろっ!!」


    キース「ぬ…ぐ…あぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!!!!!!!!!」シュウゥゥゥッ!!








    メキメキメキメキメキメキッ!!!!!!!








    キース「あぁぁぁ…アぁぁッ…アァァァァァァァ…」


    原始の巨人「ふっふっふ、仲間が一匹増えたねぇ」


    エレン「教かぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁんっ!!!!!!!!」





















    キース巨人「…アァァァァァッ!!」

  327. 349 : : 2014/07/12(土) 21:42:09

    カルラ「キースさんの犠牲を無駄にしちゃ駄目!走って皆っ!!」







    ドスーンッ!!


    一同「!?」







    役人巨人「」ズゥゥンッ…







    ニック「こいつ!家の入り口を封鎖しおった!!」


    エレン「どけよ馬鹿野郎っ!!」


    原始の巨人「どくわけないだろ馬鹿野郎。そいつをどかしてる間に、お前らはみんな巨人化するさ」


    カルラ「確かに、もう時間が無い…。このデカブツをどかした頃には、きっとみんなは…」











    アニ「問題ないよ、この程度。私達に任せな」


    ベルトルト「そうだね。僕らの力を持ってすれば、この程度なんの弊害もないよ」


    エレン「お前ら、何する気だ!?」


    アニ「兵長との協定を守るだけだよ」


    ベルトルト「内地の連中や原始の巨人が現れたとき、君達を守る壁となる事」


    アニ「悪いけど、私達はハナから生き残ろうなんて考えちゃいない」


    ベルトルト「君達の壁になって死ねるのなら本望だ。それが僕らの償いだ」


    アルミン「そんな…二人とも…」

  328. 350 : : 2014/07/12(土) 21:53:26

    役人巨人「ウアァァァッ…」


    ベルトルト「…そこをどけっ!!」


    アニ「…こいつらの歩く道だよっ!!」







    ガリッッッッッッッッ!!!!!!







    カッッッッッッッッッッッッ!!!!!!!


    原始の巨人「ほう」









    女型の巨人「」ズゥゥゥンッ!


    超大型巨人「」ズゥゥゥンッ!









    ニック「お前達っ!!なんて馬鹿なマネを!!」







    女型の巨人「」ビュッ!!







    ドゴッ!!







    役人巨人「ウウゥゥッ!!!」グラッ…


    超大型巨人「オォォォォォォォォォォォォォォッ!!!!!!」ブオンッ!!







    ドッゴォォォォォォォォォォォッ!!!!!!







    役人巨人「ガァァァァァッ!!!!!」ドシーンッ!!

  329. 351 : : 2014/07/12(土) 22:03:55

    リヴァイ「道が開けた!急げっ!!」ダッ!


    ニック「もう本当に時間が無いっ!!急がねば巨人化してしまうぞ!!」


    カルラ「エレンっ!ミカサっ!アルミンっ!早くっ!!!」ダッ!






    ニファ「うっ…」ガクンッ!


    リヴァイ「ニファ!?」







    ニファ「兵長…私…わた…し…もう…駄目みたい…です…」


    リヴァイ「走れニファっ!まだ間に合うっ!!」










    ニファ「あ…あぅ…」シュウゥゥゥ…


    リヴァイ「なっ…」









    メキメキメキメキメキメキッ!!!!!!!









    ニファ「あぁ…腕が…脚が…あぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!!!!!」メキメキメキメキメキメキッ!!!


    リヴァイ「ニファぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!!!!!!!」





















    ニファ巨人「…アァァァァァッ!!」

  330. 352 : : 2014/07/12(土) 22:15:42

    リヴァイ「クソ…何て事だ…」


    カルラ「くっ…また一人!!」






    アルミン「くそっ…」ダッ!


    ミカサ「もう少し…」ダッ!






    エレン「うおぉぉぉぉぉぉぉぉぉっ!!!」ズザザザザッ!


    カルラ「エレンは間に合った!!後の二人も早くっ!!」


    原始の巨人「クソ、逃がすなお前達!」







    ドオォォォォォォォォォォォォォォンッ!!!!!!!!!!







    カルラ「何事っ!?」







    超大型巨人「」ズゥゥンッ







    ミカサ「進路を断たれた!!」


    アルミン「この巨大な腕…回り込んで向こう側に行かないと!!」


    エレン「ベルトルト!お前何してんだよっ!!」






    超大型巨人「オ…オォォォォォォォォォォォォォォッ!!!!!!」


    女型の巨人「アァァァァァァァァァァァァァァァァッ!!!!!!」






    ニック「何だ!?二体の様子がおかしいぞ!!」


    カルラ「まさか…彼らはすでに…」

  331. 353 : : 2014/07/12(土) 22:26:22

    リヴァイ「走れっ!!早く回り込んでこっちに来い!!」





    アルミン「あれ…なんだか体がおかしい…」シュウゥゥゥ…


    ミカサ「くっ…!」シュウゥゥゥ…


    エレン「お前ら…それは…」





    エレン「早く来いっ!オレの手に掴まれっ!!」


    カルラ「エレン!身を乗り出してはダメ!!あなたも巨人化してしまう!!」


    エレン「構うかよ!早くあいつらをこっちに来させないと、手遅れになっちまう!!」シュウゥゥゥ…


    カルラ「下がりなさいっ!!あなたにも影響が出てるっ!!これ以上はダメっ!!」






    アルミン「はぁ、はぁ、もう少し…」シュウゥゥゥ…


    ミカサ「エレン…おばさん…」シュウゥゥゥ…


    エレン「お前ら…腕を伸ばせぇぇぇぇぇぇっ!!!!!」









    アルミン「エレン…」グッ!


    ミカサ「エレンっ!!」グッ!













    ガッ!

















    グイッ!

  332. 354 : : 2014/07/12(土) 22:41:22

    エレン「…えっ!?」


    リヴァイ「…潮時だ」






    スカッ…






    アルミン「あっ…」シュウゥゥゥ…


    ミカサ「エレン…」シュウゥゥゥ…







    ドサッ…







    エレン「ミカサっ!!アルミンっ!!」


    ニック「お前!何故エレンを引いた!?もう少しで手が届いただろうが!!」


    リヴァイ「時間切れだ」


    ニック「え?」









    ミカサ「く…あ…体が…」シュウゥゥゥゥゥゥ…


    アルミン「駄目…だ…自由が効かない…あぁぁ…」シュウゥゥゥゥゥゥ…













    ミカサ「アァぁぁうぅあぅぁァアあぅウうううあぁウッァあうあァぁ…!!!!」


    アルミン「うあァっあぁあアッうウアぁうぅゥァアあぁっウアぁぁう…!!!!」













    メキメキメキメキメキメキッ!!!!!!!













    ミカサ&アルミン「あぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!!!!!!!!」
















    メキメキメキメキメキメキッ!!!!!!!
















    エレン「嘘だろ…」





















    ミカサ巨人「アァァァァァァァァァァァァァァァァッ!!!!!!」


    アルミン巨人「アァァァァァァァァァァァァァァァッ!!!!!!」

  333. 355 : : 2014/07/12(土) 23:00:48

    カルラ「そんな…」


    リヴァイ「残ったのは、今この中に居る奴らだけか」


    ニック「ここも安全とは言えん!早く地下へっ!!」


    エレン「あ…ミカサ…アルミン…」









    エレン「うわあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!!!!!!!!!!!!」









    原始の巨人「ちぇっ、奴らを逃がしたか」


    原始の巨人「このまま奴らを深追いしたら、こっちが石化しちゃうからね。見逃すしかないな」


    原始の巨人「でもまぁ、こちらの目的は今回も達成された。今頃、中の連中も皆巨人化してるだろう」


    原始の巨人「バイバイ。またいつか会う日まで。その時こそ、お前らを殺してやるけどね」











    ドシンドシン…

  334. 356 : : 2014/07/12(土) 23:16:07

    エレン「ミカサっ!!アルミンっ!!あぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!!!!」


    リヴァイ「出るな馬鹿野郎。お前もあぁなりたいか?」






    ミカサ巨人「…」


    アルミン巨人「…」


    キース巨人「…」


    ニファ巨人「…」


    超大型巨人「…」


    女型の巨人「…」






    エレン「離してくださいっ!!オレが…オレが…あぁぁぁっ!!!!!!」











    カルラ「今回は…いえ、今回も私達の負け…」


    ニック「またしても…何度味わっても…この気持ちは慣れる事など無いな」


    リヴァイ「俺もこの先未来永劫、お前らと共にこの光景を見る羽目になるのか」








    エレン「あぁぁ…あぁぁぁぁぁ…」































    バリッ…

  335. 357 : : 2014/07/12(土) 23:16:38







































































  336. 358 : : 2014/07/12(土) 23:23:46


    こうして、堀の中から全ての人類が消えた。エレン達一部の人間を除いて。




    同時に、消えた人類と同数の巨人が発生したという事は言うまでもない。







    日食が終了し、一か月に及ぶ紫外線の降り注ぐ期間も終え、エレン達残存人類は
    地下室での生活を後にした……

  337. 359 : : 2014/07/13(日) 12:35:18







































































  338. 360 : : 2014/07/13(日) 12:42:52

    ~シガンシナ区~


    ニック「ようやく終わったか。今回は、我々とて無事で済んだのが奇跡に等しいな」


    カルラ「全くね。私自身、大日食は初めての経験だったから。恐ろしいものだわ」


    リヴァイ「しかしまぁ、あのクソ野郎にしてやられたのは腹立たしいな。エレンもそう思うだろ?」


    エレン「えぇ、本当ですね。オレだけじゃなく、こいつらもそう思ってますよ」







    エレン「…なぁミカサ、アルミン」


    ミカサ巨人「…」


    アルミン巨人「…」


    エレン「…返事位しろよ。聞こえてんだろ、冷てぇなぁ」


    ニック「…」







    ニック(皮肉なものだな。大切な仲間を失ったあの瞬間、エレンの“素質”が覚醒するとは)


    ニック(やはり必要だったのは、急激な負の感情の増幅)


    ニック(エレンが覚醒の兆候を見せた時は、強い憤りを抱いていた)


    ニック(そして覚醒した際は、仲間を失った悲しみと不甲斐ない自分に対する怒り)


    ニック(これら二つの負の感情の爆発によって、ついにエレンの“素質”が覚醒した)


    ニック(つまりあの時のアニの見立ては間違っていなかった。そこまで分かっていながら、我々は…)

  339. 361 : : 2014/07/13(日) 12:52:41

    エレン「…なぁ、母さん」


    カルラ「なに?」


    エレン「どうにかして、こいつらを元に戻す方法はねぇのかな?」


    カルラ「残念だけど…。あったとしても、私達は知らない」


    エレン「そうか…」


    ミカサ巨人「…」


    アルミン巨人「…」






    カルラ「元に戻す方法は無いけど…」


    カルラ「…巨人化してしまった人達の、魂を救う方法ならあるわ」


    エレン「え!?」

  340. 362 : : 2014/07/13(日) 13:02:07

    ニック「あるにはあるが…その方法は必ずしも、お前を救うとは限らん。どうするかはお前次第だ」


    エレン「教えてくれっ!!こいつらが一生このまま、ヘタすりゃいつか殺されちまうかもしれないんだ!」


    エレン「何でもいい!こいつらが救われるなら、何だっていいから教えてくれっ!!」


    カルラ「簡単よ。堀に落とせばいいの」


    エレン「は…?」






    カルラ「堀に落として、石化させればいいの。今のエレンなら、巨人を堀まで誘導するのは容易いでしょ」


    エレン「何言ってんだよ!そんなことしたらこいつらが死んじまう!!」


    カルラ「石化した巨人は確かに動きを止める。でも、それがすなわち死とは限らない」


    カルラ「一つ、話してあげましょう。大昔から伝わる、堀の言い伝えを」


    エレン「言い伝え…?」


    カルラ「堀に落ちた巨人が何故石化してしまうのか。原因はいまだ誰も知らない」


    カルラ「でも、生物が理由もなく無生物になるなんてあり得ない。だから、こう言われているの…」







    カルラ「巨人の肉体と魂が分離し、魂が抜けて抜け殻になった肉体が石化するとね」


    エレン「抜け殻…?」

  341. 363 : : 2014/07/13(日) 13:12:25

    カルラ「そう。だから堀に落ちた時点で、巨人化してしまった人の魂はすでにそこには存在しないの」


    カルラ「そして抜けた魂は、2000年の時を経て同じ人間へと転生すると言われているの」


    エレン「2000年…?」


    カルラ「そう。それを私達は『2000年後の転生』伝説と呼んでいるの」


    エレン「転生って…そんなの迷信だろ。それに2000年なんて途方もない年数、確かめようがねぇ」


    カルラ「迷信…私達もそう思っていたわ。あなたが生まれるまではね」


    エレン「え?」


    カルラ「2000年前、私とニックさんと共に戦った少年の話は覚えてる?」


    エレン「あぁ、そう言えばそんなこと言ってたな。確か、原始の巨人を殺しかけたって言う?」


    カルラ「その少年の容姿はあなたにそっくり。巨人化能力も持っていた。そして名前は…」
















    カルラ&ニック「…エレン」


    エレン「!?」

  342. 364 : : 2014/07/13(日) 13:21:14

    リヴァイ「なるほどな。つまりそう言う事か」


    エレン「なっ…2000年前って…」


    リヴァイ「こいつらと共に戦った2000年前のエレンは、堀に落とされて死んだと言っていた」


    リヴァイ「その時点でそいつの魂が解放され、転生し、ここに居るエレンへと生まれ変わった」


    カルラ「そう言う事ね。これは偶然じゃない。生まれるべくして生まれた存在なのよ」


    カルラ「尤も、エレンという名は私が付けたんだけど。あの少年のようになってほしいという願いを込めて」


    カルラ「でもまさか本当にあの子の生まれ変わりだったとはね。気付いた時には心底驚いたわ」


    カルラ「過去のエレンから、2000年後のあなたへ。魂が受け継がれたという事なのよ」







    ニック「だからこそ、今回は本当に期待した。今度こそ、『終わらない108年』を止められるのではないかと」


    リヴァイ「だが結局はこのザマだ。こいつが居たところで何も変わりはしなかった」


    カルラ「それは…」









    エレン「変わりましたよ。オレにはこの力がある」

  343. 365 : : 2014/07/13(日) 13:32:26

    エレン「そりゃ、もう少し早くこの力が覚醒していたら、違う結果になっていたかもしれない」


    エレン「でも、もう終わってしまった事は仕方がない。だったらこの先どうするか…」


    ミカサ巨人「…」


    アルミン巨人「…」







    エレン「さっきの転生の話を聞いて、一つ、考えた事があるんです」


    リヴァイ「何だ?」


    エレン「例えば…こうやって」スッ









    ミカサ巨人&アルミン巨人「」ダダダダダッ









    ミカサ巨人&アルミン巨人「」ピョーンッ


    ニック「ミカサとアルミンを!?堀に巨人を落としたのか!?」














    ミカサ巨人&アルミン巨人「」ピキピキ…

  344. 366 : : 2014/07/13(日) 13:40:13

    ニック「石化してゆく…」





    エレン「巨人になった人達を救う方法。オレがこの力で巨人を堀に誘導し、落とす」


    エレン「そうすれば巨人から魂を解放して、また2000年後に転生させることができる」


    エレン「なりたくもねぇ巨人になっちまって、心底辛かっただろ。ゆっくり休んでくれ」


    カルラ「エレン…」


    エレン「今のできっと、ミカサもアルミンも魂が解放されて、2000年後に…」


    ニック「なるほど。そんな使い方は思いつかなかったな」


    リヴァイ「だが、堀の内側にも外側にも巨人は腐るほどいる」


    カルラ「そうね。いくら堀が深いとはいえ、それだけの数を落としてしまったら、堀が埋まってしまうかも」


    エレン「この堀は、巨人と人間の領域を分断するためにあるんだろ?だったら、別に堀である必要はない」













    エレン「例えば巨人をたくさん積み上げて…『壁』にしたらどうだ?」

  345. 367 : : 2014/07/13(日) 13:56:12

    カルラ「壁に!?」


    エレン「あぁ。堀の外からも内からもひたすら巨人を集めて、堀に落とす」


    エレン「堀が埋まったら、今度は上に積み上げるんだ。鉱石に触れてれば、堀の外側でも石になるしな」


    エレン「あのバカでかい特異点巨人は、とりあえず埋め立てた上に並べてみよう。堀を囲むように」


    エレン「そうすれば『壁』は人類を守ると同時に、たくさんの魂を救い、弔うための『墓石』になる」


    ニック「なるほど…」






    カルラ「でも、堀と違って壁は破壊しようと思えば出来てしまう。大丈夫かしら」


    リヴァイ「敵の連中に限らず、後から入って来た人間共が破壊しちまう可能性もある」


    ニック「ならば壁を神格化し、守り、崇める宗教的なものを立ち上げればよいのではないか?」


    ニック「トチ狂った教徒達を用いて壁を必要以上に崇め続ければ、ヘタに近づく人間は居なくなる」


    カルラ「宗教ね…。さしずめ『ウォール教』と言ったところかしら」


    リヴァイ「そんなモンが浸透するアテはねぇがな。その手の仕事はお前らに任せる」


    ニック「任せてくれ。次の108年こそ、奴と雌雄を決する!」







    カルラ「いや、待って。確かに私達3人は次の108年があるけど、エレンは…」


    ニック「そうか、こやつは特異点ではない。つまり…」


    リヴァイ「108年後はクソジジイか、ホトケになってるかって事だな」

  346. 368 : : 2014/07/13(日) 14:05:20

    エレン「確かに、オレはきっと108年後にはどうなっているか分からない。けど…」





    エレン「…2000年後なら、再び『オレ』としてみんなと一緒に戦う事が出来る!」


    カルラ「それって!?」


    ニック「まさか貴様…」


    エレン「オレだって巨人だ。堀の鉱石に触れれば、みんなと同じように石化し、転生する」


    エレン「皆にはもう少し待っててもらう事になっちまうけど…」


    エレン「…次こそ。今度こそ奴らに勝とう!絶対に!!」


    カルラ「エレン…」


    ニック「考えてみれば、奴らも仲間を巨人化によって失っている。すぐには行動に移らないかもしれん」


    リヴァイ「2000年か。途方もねぇ年数だ」











    エレン「オレのこの力で皆を救った後、オレも皆と一緒に…」
















    エレン「…行ってくる!」ダッ!

  347. 369 : : 2014/07/13(日) 14:10:44

    ニック「おいエレンっ!」


    リヴァイ「行かせてやれ。どうせ止められるような奴じゃねぇ」


    カルラ「頑張ってね、エレン。いつまででもあなたを待っているわ」


    カルラ「あなたのその力がいつか私達に勝利をもたらし、皆を救う標、『座標点』となる」































    カルラ「…行ってらっしゃい、エレン」































    バリッ…


  348. 370 : : 2014/07/13(日) 14:11:08






































































  349. 371 : : 2014/07/13(日) 14:15:07

    今から100年程前、人間を捕食する巨人が突如として出現した。


    巨人の脅威から逃れるため、人類は高さ50メートルの巨大な「壁」を作り上げた。


    壁の内側へと逃げ込んだ人類は、巨人の脅威から逃れることに成功した。

















    この世界では、当時からそう言い伝えられているのだった……

  350. 372 : : 2014/07/13(日) 14:15:34






































































  351. 373 : : 2014/07/13(日) 14:25:40

    ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~


    エレン「…はっ!」ガバッ!







    ミカサ「やっと起きたの、エレン」


    アルミン「なかなか起きないから心配したんだよ」


    エレン「あ、悪い。なんだか、スッゲー長い夢を見てたような…」


    エレン「あれ…思い出せねぇ…」











    エレン「…壁?」


    アルミン「壁がどうかしたの?」


    エレン「壁…なんかあったかな、この世界に…」


    ミカサ「そんなに寝ぼけるまで熟睡していたの?」


    エレン「あれ…?」
















    「ようやく見つけたぞ」


    「手間かけさせやがって」


    「やはりシガンシナに生を受けていたのね、エレン」

  352. 374 : : 2014/07/13(日) 14:35:33

    エレン「え!?」


    ミカサ「エレン、知り合い?」


    エレン「イヤ、オレはこんな人達なんて知らな…」










    エレン「…母さん?」


    カルラ「久しぶりね、エレン。長かった…本当に長い2000年だったわ」


    アルミン「お母さんだって!?馬鹿な、エレンにはちゃんと母親が居るじゃないか!」


    ミカサ「それに、2000年って!?」









    エレン「リヴァイ兵長…ニックさん…」


    リヴァイ「やはり記憶が断片的か。おいニック、カルラ、やるぞ」


    ニック「そうだな。エレン、手を出すんだ」


    エレン「え?」







    リヴァイ「」ギュッ


    ニック「」ギュッ


    カルラ「エレン」ギュッ


    エレン「一体何を…?」ギュッ
















    バリバリバリバリバリッ!!!!!!

  353. 375 : : 2014/07/13(日) 14:42:46

    エレン「あっ…」









    エレン「あぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!!!!!!!!」


    アルミン「エレンっ!?」


    ミカサ「エレンに何をしたの!?」ギロッ!


    リヴァイ「その眼…思い出したか?」







    エレン「…はい。全部思い出しました。何もかも」


    ミカサ「エレン!?」


    アルミン「一体何を言ってるんだ!?」


    エレン「皆さん、お久しぶりです。そして母さん…」







    エレン「…ただいまっ!!」


    カルラ「お帰り、ってのも変ね。でも言わせてもらうわ」







    カルラ「…お帰りっ!!」

  354. 376 : : 2014/07/13(日) 14:50:03

    アルミン「何がどうなってるんだ…?」


    ニック「転生以前の姿を知る複数の特異点が触れることで、転生前の記憶を呼び起こす」


    リヴァイ「半信半疑だったが、どうやら本当だったな」


    ニック「ミカサとアルミンも、この方法で過去の記憶を呼び起こせるが、どうする?」


    エレン「イヤ…」チラッ…


    ミカサ「?」


    アルミン「エレン?」







    エレン「…こいつらはこのままでいい。もう、巻き込みたくねぇんだ」


    ニック「分かった。ならばお前だけ連れて行こう」


    エレン「それで、この2000年の間に何かありましたか?」


    リヴァイ「最初の1000年程は特に何もなかった。きっと連中が特異点を集めていたんだろう」


    ニック「日食も発生したが、特に問題なくやり過ごす事が出来た」


    カルラ「でも残りの1000年のうちに5度、奴らは巨人を増やす事に成功したわ」


    カルラ「あなたの他に『座標点』が現れなかったから、止める手立ては無かったけど…」


    エレン「そうか…」

  355. 377 : : 2014/07/13(日) 14:57:11

    リヴァイ「ところでエレン、お前の力はちゃんとあるのか?転生して消えたりしてねぇか?」


    エレン「大丈夫です、記憶が戻ってハッキリと分かります。自分の中に、ちゃんと力が存在する事が」


    リヴァイ「ならいい。俺が心配だったのはそれだけだ」


    ニック「あれからたくさん仲間も増えた。特異点も、そうでない奴も」


    ニック「そして我々に必要な最後のピースであるエレン。これで我々は…」






    ニック「…勝てる。奴らに勝てるっ!!」


    カルラ「行きましょうエレン。私達の拠点はローゼ内地にあるわ」


    エレン「よし、今すぐにでも行くよ」






    エレン「そう言うワケだ、お前ら。“こっち”の母さんと父さんによろしく言っておいてくれ」


    ミカサ「待ってエレン!何が何だかさっぱり分からないっ!!」


    アルミン「そうだよっ!!どうしてエレンが行かなきゃならないのっ!?」


    エレン「悪い、今はそれを詳しく説明してるヒマはない」


    エレン「オレが奴らとの戦いに勝って、無事にここへ戻って来た時には…」







    エレン「…包み隠さずすべてを離すよ。勿論、お前らの記憶を呼び戻した後でな」

  356. 378 : : 2014/07/13(日) 15:03:18

    ミカサ「そんな!嫌だ!行かないでエレンっ!!」


    アルミン「エレンが行くなら僕達も行くっ!!」






    ドスッ!






    ミカサ「あう…」


    アルミン「ぐ…」






    バタッ…






    リヴァイ「これでいいか?」


    エレン「ありがとうございます」


    ミカサ「」


    アルミン「」







    エレン「…ごめんな、お前ら」


    リヴァイ「行くぞ」


    エレン「はい」ザッ

  357. 379 : : 2014/07/13(日) 15:07:13

    カルラ「2000年越しの決着を…!」


    ニック「今まで巨人にされていった人間達の仇を!」


    リヴァイ「このクソみてぇな世界を創り出したクソ野郎に報いを」


    エレン「そして、全てを終わらせて、全人類に未来を!!」







    エレン「見てろよ原始の巨人。そしてその仲間共。お前らまとめて、この世から駆逐してやる…」































    エレン「…オレ達の反撃は、これからだっ!!!!!!!!」



































  358. 380 : : 2014/07/13(日) 15:07:35
    終わり。疲れました。


    最後まで支援くださった方々、ありがとうございました。
  359. 381 : : 2014/07/13(日) 16:47:55
  360. 382 : : 2014/07/13(日) 20:39:59
    めちゃくちゃ面白かったです!
    つぎの作品も頑張ってください!
  361. 383 : : 2014/07/13(日) 20:42:03
    お疲れ様です♪
  362. 384 : : 2014/07/15(火) 18:11:34
    この最後にでできた時代は今の進撃の巨人の時代ですか?過去それとも未来ですか?

    もし過去で原始の巨人が獣の巨人なら、原作で獣の巨人がミケを捕まえたとき立体起動装置を初めて見たようなことを言ってました
    もし未来であればエレン達は最低二回は転生していることになりますね
    もし原作と同じようにエレン二千年後の君えだったらいろいろ改造していることにな?りますね

  363. 385 : : 2014/07/15(火) 23:00:17
    すごい…
  364. 386 : : 2014/07/15(火) 23:15:20
    「堀」から「壁」へ。

    ちゃんと原作に繋がっているのが凄いと思います。


    神宮の燕さんの作品は、アイデアが面白くて素晴らしいものばかりですよね。本当に溜息が出ちゃいそうですw

    執筆お疲れ様でした、次作も頑張って下さい!
  365. 387 : : 2014/07/16(水) 18:00:34
    続キみたいです
  366. 388 : : 2014/07/17(木) 18:20:23
    最高でした!!
    また続き期待してます
  367. 389 : : 2014/08/17(日) 13:30:53
    凄い……(;OдO)
    原作と繋がってる……うますぎる…
    才能ありますよ?!(笑)
    お疲れ様でした!
  368. 390 : : 2014/08/19(火) 12:28:28
    すごく楽しめました
  369. 391 : : 2014/08/19(火) 13:00:19
    なんか、続きみたいなんありますか?

    いやwマジですごい…

    お疲れ様です!!
  370. 392 : : 2014/08/21(木) 13:00:48
    やべぇ鳥肌たった
    設定がしっかりしていて
    とても面白かった
  371. 393 : : 2014/08/21(木) 23:44:58
    すごいの一言しか出ない
    伏線という伏線を張りつつすべて回収出来ているし感服です
    これからも頑張ってください
  372. 394 : : 2014/08/22(金) 14:34:43
    合計23回くらい泣いたかな?
  373. 395 : : 2014/08/22(金) 15:08:03
    素晴らしい
    ありがとうございます
    最初のは、ただの壁を掘に変えた
    パクリ作品だと読み始めました
    でも、原作にちゃんと繋がる
    もう、涙と、ドキドキワクワクが
    止まりませんでした。
    面白かったし素晴らしい
    普段厳しいキース教官
    あんなに優しく助けてくれる
    教官に、なみだを、流しました
    本当に、ありがとうございました
  374. 396 : : 2014/08/25(月) 14:41:55
    その才能下さい……
    乙です!
  375. 397 : : 2014/08/26(火) 10:31:13
    最高だった!
  376. 398 : : 2014/08/26(火) 15:47:29
    凄いですね
  377. 399 : : 2014/08/28(木) 01:43:13
    “堀”を“壁”に...

    凄いの一言です!まさかこう来るとは...
  378. 400 : : 2014/08/29(金) 14:44:14
    これの続き書け
  379. 401 : : 2014/08/29(金) 14:44:33
    書いてください
  380. 402 : : 2014/08/30(土) 20:52:15
    続きかけ
    はよはよ
  381. 403 : : 2014/09/01(月) 01:57:59
    いや…これは…とにかくすごすぎて呆気にとられてたわ…w

    続編を強く願います!お願いします!
  382. 404 : : 2014/09/01(月) 14:17:09
    僕はアニメで見てるのでネタバレはしないでください。あなたのせいで楽しみがなくなりました。ネタバレ注意とかかいて欲しかった。
  383. 405 : : 2014/09/01(月) 19:25:43
    49

    SS見てるんだからそれ位察した方が良いよ

    筆者に失礼じゃないかな?
  384. 406 : : 2014/09/02(火) 17:53:15
    確かにネタバレするならネタバレ注意ってかいて欲しいよね。僕もアニメで見てるから楽しみ消されたわ。せっかく二期来て喜んでたのに最悪。
  385. 407 : : 2014/09/12(金) 21:53:34
    これネタバレじゃなくてオモシロ個人創作だろ・・・
  386. 408 : : 2014/09/14(日) 17:08:00
    ネタバレネタバレいってるやつ馬鹿すぎだろ......
  387. 409 : : 2014/09/22(月) 17:29:20
    >>407.408
    実際ネタバレしてるしてるだろ、面白かったけど
  388. 410 : : 2014/10/06(月) 05:34:20
    このSSは僕が見た中で一番面白かったですこれからも、面白いssを書いていってください。
  389. 411 : : 2014/10/13(月) 06:08:44
    知らんがなw
    まずネタバレちゃうしな
  390. 412 : : 2014/11/22(土) 21:44:49
    やばい、鳥肌が。。。。
    素晴らしすぎです。こんなのあってもいいね、本編にも。
    続き期待
  391. 413 : : 2015/04/05(日) 15:56:19
    良い作品だね〜 まぁ「ネタバレ注意」付ければ、サイコーなのにwww
  392. 414 : : 2015/05/06(水) 19:19:47
    面白かった
  393. 415 : : 2015/10/23(金) 19:51:20
    1 : ニーコン : 2015/03/13(金) 20:04:47
    諸君 私はサシャが好きだ
    諸君 私はサシャが好きだ
    諸君 私はサシャが大好きだ

    頑張る姿が好きだ
    芋を食べている姿が好きだ
    笑ってる所が好きだ
    寝てる姿が好きだ
    困ってる顔が好きだ
    絶望する顔が好きだ
    パァンに飛びつく姿が好きだ
    真顔が好きだ
    髪型が好きだ

    平原で 街道で
    城壁で 草原で
    凍土で 屋根で
    草むらで 空中で
    室内で 暗闇で

    この地上で存在するありとあらゆるサシャの行動が大好きだ

    戦列をならべた同志のサシャSSが 更新と共に他厨の心を吹き飛ばすのが好きだ
    結構高く浮き上がったユーザーが サシャSSを見て心がでばらばらになった時など心がおどる

    同志が操作するパソコンのサシャの萌え画像が他厨の心を撃破するのが好きだ
    奇声を上げて燃えさかる激論から飛び出してきた奴を容赦ない罵倒でなぎ倒した時など胸がすくような気持ちだった

    攻撃先をそろえた同志の行列が他厨の心意気を蹂躙してから洗脳するのが好きだ
    恐慌状態の新参者が既に意気消沈してる他厨を何度も何度も攻撃している様など感動すら覚える

    敗北主義の裏切り厨を吊るし上げていく様などはもうたまらない
    発狂している他厨共が私の振り下ろした指がスマホとともに喘ぎ声を上げるR18のサシャのSSにばたばたと薙ぎ倒されるのも最高だ

    哀れな他厨共(レジスタンス)が雑多な反論で健気にも立ち上がってきたの完璧な理論で他厨共の心ごと木端微塵に粉砕した時など絶頂すら覚える

    クリスタLOVEのクリスタ厨に滅茶苦茶にされるのが好きだ
    必死に守るはずだったサシャ愛が蹂躙されクリスタLOVEに書き換える様はとてもとても悲しいものだ

    エレン厨の物量に押し潰されて殲滅されるのが好きだ
    エレンのエロSSに惑わされ害虫の様に地べたを這い回りながら興奮しながら読む時など屈辱の極みだ

    諸君 私は討論を地獄の様な討論を望んでいる
    諸君 私に付き従うサシャ親衛隊同士諸君
    君達は一体何を望んでいる?

    更なる討論を望むか?
    基地外ばっかの糞の様な討論を望むか?
    鉄風雷火の限りを尽くし三千人ほどの閲覧者の心を殺す嵐の様な討論を望むか?
     
    『討論! 討論! 討論!』
     
    よろしい ならば討論(クリーク)だ

    我々は渾身の力をこめて今まさにサシャSSを書かんとする親指だ
    だがこの暗い闇の底で半年もの間堪え続けてきた我々にただの討論ではもはや足りない!

    嫁争奪戦を!!
    一心不乱の嫁争奪戦を!!

    我らはわずかに 進撃ファンの千分の一に満たない敗残ニートに過ぎない
    だが諸君は一騎当千の古強者だと私は信仰している
    ならば我らは諸君と私で総力100万と1人の軍集団となる

    サシャの可愛さを忘却の彼方へと追いやり眠りこけている連中を叩き起こそう
    髪の毛をつかんで引きずり降ろし眼を開けさせ思い出させよう
    連中にサシャの素晴らしさを思い出させてやる
    連中に我々のサシャの愛を思い出させてやる

    天と地のはざまには奴らの哲学では思いもよらない事があることを思い出させてやる
    一千人と一人のニートの戦闘団で
    世界を燃やし尽くしてやる


    さぁ……諸君




    サシャSSを作るぞ

    http://www.ssnote.net/groups/633/archives/631より
  394. 416 : : 2016/05/08(日) 19:58:26
    あ、そっか!
    原作の地下街を堀に見立てたんだね!
    ……ネ申や!!



      ネ申や!



      ネ申や…



    期待過ぎる
  395. 417 : : 2016/08/17(水) 07:36:19
    (´^ω^`)ヤマタノクソワロチ
  396. 425 : : 2016/10/27(木) 14:48:14
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  398. 433 : : 2017/10/04(水) 14:14:09
    キースの巨人ハゲーwwww

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