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来てほしかった日常:不二咲 千尋編

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  1. 1 : : 2014/06/01(日) 07:30:46
    どうもみなさんおはようございます

    今回は恋愛ものを書きたいと思います

    いやー思い出します数年前僕がまだ高校生だった頃

    あー…野球が恋人で彼女が愛人みたいな生活でした><


    と、僕の話はこれくらいにしておいて

    今回の主人公は不二咲 千尋君です

    みなさんも知ってのとおり彼には大きな秘密があります


    でも彼も男の子

    恋をしてしまうのです


    それではどうぞ!

    ※この物語は作者が勝手に想像した話でありダンガンロンパでのネタバレを含みますご了承ください
    そしてこの話は完結させますので どーせUt4m4r0の作品は途中でおわっちまうとお思いの方安心してください
  2. 2 : : 2014/06/01(日) 07:31:25
    「ふぅ…」

    僕は背もたれに全身を預け時計を見る

    深夜1時を回ったところ

    そして今まで見ていたPCのディスプレイを確認する

    問題は無いだろう

    「よしっ!」


    立ち上がりシャワールームへと向かう

  3. 3 : : 2014/06/01(日) 07:31:45
    鏡に映る僕

    女性の制服を着ている…

    『おい、お前男のくせに女みてーだな』

    『気持ちわりーんだよ 近寄んなよ』

    「・・・っ!」

    聞こえるはずもない言葉

    過去に言われた僕に対する言葉


    僕は、その言葉で折られてしまったのかもしれない…
    心を…


    真っ暗な部屋の中で明るく光るPCを見る

    僕は見返したかった

    僕のことを馬鹿にした人たちを見返したかったんだ
  4. 4 : : 2014/06/01(日) 07:32:08
    生まれつき体が弱く運動も苦手で身長も平均的な女子の身長にも届かなかった

    そんな僕にはパソコンしかなかった

    学校にも通わず家に引きこもり毎日プログラミングの勉強をした

    嫌だった、正直 途中で投げ出したくなる時もあった

    でも、投げ出せば 本来学校に通わなくてはいけない年齢

    通学はもっと嫌だった


    そして、プログラミングの力で僕はこの希望ヶ峰学園へ入学した


    変わるきっかけになるかもしれない

    心ではそう期待してた


    でも僕は


    自分を変えることができなかった
  5. 5 : : 2014/06/01(日) 07:32:23
    鏡に目を向ける

    女装をしている僕

    目が熱くなる

    悔しい・・・結局 僕は…何も変われなかった


    「…シャワー浴びないと…」

    僕は、願っていたのかもしれない

    誰かが僕を変えてくれるのではないかと


    シャワーを全身に浴びる

    「強くなりたい…もっと…」

    今までに何回繰り返しただろう

    シャワーの水と違う水が頬を伝う
  6. 6 : : 2014/06/01(日) 07:32:49
    ==========================================

    「おはよぉ」

    教室に入り挨拶をする

    桑田「おう!不二咲ちゃん!おはー」

    石丸「おはようございます!不二咲クン!」

    僕は席に着き

    彼らの後ろ姿を見る

    たくましい背中 僕とは違う…

    そんな風に見ていると後ろから声をかけられた

    「不二咲さんおはようございます」

    振り返るとそこには超高校級のアイドルである舞園 さやかさんがいた

    「おっおはよぉ…」

    舞園「どうしました?不二咲さん 目の下にクマができてますよ」

    「えへへ…昨日ちょっと夜更かししちゃって…」

    舞園「大変ですよねー!頑張ってください!応援してます!」

    向日葵のような笑顔を僕に向けて舞園さんは自分の席に向かった
  7. 7 : : 2014/06/01(日) 07:33:00
    「ふぅ…」

    ドキドキする…運動が苦手だからと言って席に座るだけで動悸が来るわけじゃない

    ばれていないか…それが心配だった

    大和田「おい、不二咲なんだ?ため息なんてつきやがってよ」

    前の席の超高校級の暴走族の大和田 紋土君が振り返り僕に問いかける

    大和田 紋土君…僕の憧れの人

    強さをもっている大和田君は僕にとってはとても憧れる存在

    大和田「なんだ?また遅くまでピコピコしてたんか?」

    「…うん」

    ちなみにピコピコはゲームの事じゃなくてパソコンのことだよ

    大和田「まっ…ため息もでるわなー授業かったりーしなぁ…」

    前に向き直りだるそうに呟く大和田君
  8. 8 : : 2014/06/01(日) 07:33:17
    ================================================================================================

    大和田「俺は強ぇ…」

    「おっ…大和田君?」

    僕の部屋で大和田君は呟く

    大和田「誰よりも…お前よりも…」

    青い顔して呟く大和田君

    「…」

    大和田「誰よりもだあああああああああああ!!!!!!!!」
  9. 9 : : 2014/06/01(日) 07:33:53
    「えいっ」

    オオワダモンドに420のダメージ
    オオワダモンドは力尽きた

    大和田「あああああああああああああああああああああああああっっっ!!!!!!!!!!!!」

    悔しそうに部屋を転がる大和田君

    大和田「ったく、手も足もでねーよ んで?」

    と僕に聞いてくる大和田君

    そう、このゲーム対決には1つの罰ゲームがあった

    何でも1つ質問できるという罰ゲーム

    「うーんとね…」

    やっぱり強くなるためにはどうすればいいかが知りたい

    でも、そんなこと聞いたらきっと不思議がるよね

    大和田君からしたら僕は女子なんだから

    大和田「はやくいわねーと無しだかんな!」

    「待ってよぉ…」

    えーっと…えーっと

    「大和田君には好きな人いる?」

    完璧!きっとこの質問は絶対に間違ってない!

    間違ってな…

    大和田「・・・・・・・・。」

    赤い顔をしてる大和田君

    「え?」

    大和田「いねーよ・・・でも守らなきゃいけないやつはいる」

    どこか遠い目をする大和田君

    「好きな人じゃなくて?」

    大和田「あぁ…兄貴の女だよ」

    大和田君から聞いたことのあるお兄さんの話
    とても強くて目標にしてた人

    自分の過ちで死なせてしまった家族の話

    きっと、大和田君は僕と同い年でありながらとても大きいものを背負っているんだ…
  10. 10 : : 2014/06/01(日) 07:34:30
    葉隠「ういーっす!大和田っち不二咲っち腹減らないか?」

    部屋にビニール袋を下げていきなり入ってくる葉隠くん

    大和田「確かにへったなー」

    葉隠「じゃーこれでも食うべ!舞園 さやかっちからだべ!」

    「いいの?」

    大和田「わりーな」

    そういうと大和田君は袋の中からエンゼルパイを1つとり食べ始めた

    あれ?葉隠くんが笑ってる?

    葉隠「大和田っち食べたな?」

    大和田「なんだ?金なら払わねーぞ」

    葉隠「ちげーって!そんな怖い顔で睨まないでくれって」

    「どういうこと?」
  11. 11 : : 2014/06/01(日) 07:35:00
    葉隠「こりゃ…舞園っちの楽屋から盗んできた何て言ったらぶっ飛ばされるべ…(なんでもねーって)」

    「・・・・・・・・・・・。」

    大和田「・・・・・・・・。」

    葉隠「何だべ?不二咲っちも食うか?」

    「いや…」

    僕は無言で大和田君の顔を見るように葉隠君に伝える

    葉隠「なんだべ?大和田っち……なんでそんな般若みたいな顔して青ざめて目に涙浮かべてんだ?」

    なんとも的確な表現

    大和田「てめぇ…それ…」

    葉隠「そんな気にすることじゃねーべ!なんでそんな犯罪者を見るような目で見るんだべ」

    大和田・僕「犯罪者じゃねーか(じゃんか!)!!!!」
  12. 12 : : 2014/06/01(日) 07:35:14
    結局、僕たちは舞園さんに謝りに行った

    舞園さんは笑って許してくれて

    だったら4人で遊びましょうと言い

    4人で楽しく遊んだ

    こんな日々が続くなら

    こんなに楽しい日々なら

    僕は このまま隠していければいいのかな?って思った


    そして気が付いてしまったんだ


    僕のこのドキドキが

    秘密がばれるかバレないかでの動悸ではなく


    恋をしていたってことを…
  13. 13 : : 2014/06/01(日) 07:36:37
    という感じで一旦切らせていただきます

    ちょっと寝てないので寝てきます

    おやすみなさい
  14. 14 : : 2014/06/01(日) 10:43:31
    期待です!

    あまり無理しないでくださいね!(笑)
  15. 15 : : 2014/06/02(月) 02:49:14
    >>ベータさん ありがとうございます!
    まだ若いので(若いと信じたい)大丈夫です
    バリバリ頑張っていきます!
  16. 16 : : 2014/06/02(月) 02:49:48
    =========================================

    大和田「俺たちを騙してたのかよ」

    葉隠「そりゃねーべ…不二咲っち」

    僕の前から消えていく2人


    そして

    舞園「不二咲さん…最低です」

    目に涙を浮かべながら去っていく舞園さん

    「待って…」
  17. 17 : : 2014/06/02(月) 02:50:07
    「待ってよぉ」ガバッ

    ベッドの上…

    時計は朝の5時をまわったところ


    「夢?…」

    体が震える…9月なのに体から体温が奪われている

    視界がぼやける

    「そうだよね…最低だよね…」

    今日は日曜日

    特にすることもない、普段ならもう少し寝ていたいところだったけど

    寝るのが怖い

    また、夢を見てしまうのが怖かった

    「そうだ…プログラミングの続き…」

    僕はパソコンの前に座り途中だったプログラムの構成を始めた
  18. 18 : : 2014/06/02(月) 02:50:30
    3時間ほど経過した時
    ピンポーン

    「誰だろう?」

    インターホンが鳴ったので扉の前に行き扉を開けた

    大和田「おう!不二咲」

    葉隠「不二咲っち!おはようだべ!」

    舞園「おはようございます!不二咲さん」

    「みんなおはよう」

    いつものメンバーだった

    今まで人と接するのが苦手だった僕は友達がいなかった…

    でもこの3人はいつも遊ぶときに声をかけてくれる

    そんな3人のことが僕は大好きで

    怖かった


    大和田「おめー目が真っ赤じゃねーか まさか寝ないでピコピコしてたんか?」

    心配そうに大和田君が僕に言う

    「そんなことないよぉ…ちゃんと寝たよ」

    葉隠「大和田っちピコピコはねーべ…流石に…」

    大和田「んだよ!文句あんのかよ」

    「それで今日はなにするの?」

    大和田くんが葉隠君をヘッドロックしているので舞園さんに聞いてみる

    舞園「今日は葉隠君が無料で占ってくれるらしいですよ!」

    「・・・・。」

    不安だ…

    とてつもなく不安だ
  19. 19 : : 2014/06/02(月) 02:50:50
    ================================================

    葉隠「まずは大和田っちからだな」

    大和田「おう!」

    水晶玉に目を向ける葉隠君

    葉隠「見えたべ!大和田っちがわたあめをお墓に供えている姿が…」

    大和田「なっ…」

    舞園「ふふふっ」

    「あははは…」

    きっと大和田君は怒りだして葉隠君にヘッドロックを決めるだろう

    大和田「ほらよ」

    大和田君は財布から10万円を出し 葉隠君に渡す

    「え?…」

    葉隠「大和田っち今日は無料の日だべ」

    少し困惑した顔で葉隠君が言う

    大和田「じゃあ、今度無料じゃないときの占いの前払いだ」

    やけに真剣な顔の大和田君

    葉隠「そっか、なら遠慮なくもらっとくべ…」

    少し悲しい目をして でも素早くお金をもらう葉隠君
  20. 20 : : 2014/06/02(月) 02:51:09
    「次は僕の番だね!」

    葉隠「不二咲っち…」

    先ほどよりも長い間…

    葉隠「見えたべ!どんなに困難な壁であろうと行動しなくちゃ解決しねーべ 行動あるのみ!」

    大和田「具体的なこと何も言ってねーな…」

    舞園「基本的に占いをしたがる人は何かしら行動しなければならないと思ってる人ですからね…」

    2人は侮蔑の目を葉隠君に向ける

    でも僕は…
    「ありがとう…」

    葉隠「いつでも力になるべ…頑張れよ」

    葉隠君の目はとても優しかった
  21. 21 : : 2014/06/02(月) 02:51:27
    舞園「最後は私ですね!」

    葉隠「おう、どれどれ…」

    険しい顔になる葉隠君

    葉隠「舞園っち来月にコンサートがあるって言ってたよな それ、いつだ?」

    舞園「えっと…17日です」

    恐る恐ると言った様子で舞園さんが話す

    あと20日後の話だ僕も知っている

    葉隠「コンサートに参加するのはやめておけ…」

    真面目な顔で話す葉隠君

    大和田「おいおいどうしてだよ…」

    大和田君が身を乗り出して葉隠君に聞くが葉隠君は続ける

    葉隠「舞園っち、誰かにストーカーされてねーか?」

    その言葉で舞園さんが顔を青くする

    トップアイドルなんだからストーカーくらいいてもおかしくない…でも舞園さんの様子を見ただけで

    ただのストーカーじゃないことがわかる

    葉隠「いいか、やめておくんだ…」

    舞園「…ゃ…です…」

    葉隠「ん?」

    舞園「嫌です このコンサートは私の…皆の…夢だから」

    そう、次のコンサートはアイドルのコンサートでは初の舞台の場所で夢と語っていたのだ

    そしてこの前うれし涙を流しながら喜んでいた


    大和田「葉隠…おめーの占いは3割当たるんだよな…」

    そう、葉隠君の占いは3割当たるという計算

    葉隠「7割外れるって思いたいんだべ?でもな3割って言うのは確立としてはかなりのもんだぞ」

    真剣な顔で大和田君に言う

    俯いていた舞園さんが話し出す

    舞園「もし…3割の結果になったとしても…それでも…それでも私は…」

    涙を流し訴えるように話す舞園さん

    葉隠「そうか…わかった。」

    葉隠君は僕の顔を見る、そして大和田君の顔も

    大和田「過去は消せないけど未来は作れるってか」

    葉隠「そうだべ、そうと決まれば明日から行動開始だべ」

    舞園「みなさん、ありがとうございます…ありがとう…」

    こうして僕らの戦いは始まった

    シナリオ:大和田 紋土 『墓参り』が追加されました
    シナリオ:葉隠 康比呂 『俺占3割』が追加されました
    シナリオ:舞園 さやか  『夢と現実』が追加されました
  22. 22 : : 2014/06/02(月) 02:55:26
    作者からの質問
    追加シナリオを見ますか?
    ※追加シナリオはこの占いの後の1日の様子です
    見なくても物語は進んでいきます?どうしますか?

    1:大和田 紋土のシナリオを見る
    2:葉隠 康比呂のシナリオを見る
    3:舞園 さやかのシナリオを見る
    4:全部見る
    5:しらねーよ そんなのいらねーからさっさと続きかけよ

    お願いします
  23. 23 : : 2014/06/02(月) 18:17:31
    どれも気になっちゃうので4番!
    全部お願いします(笑)
  24. 24 : : 2014/06/02(月) 18:36:15
    >>23 シーマさん ありがとうございます

    追加シナリオをすべて見るという選択ということで
    これから追加シナリオのお話になります
  25. 25 : : 2014/06/02(月) 18:36:28
    追加シナリオ 『墓参り』

    「兄貴…来たぜ…」

    わたあめを持ち兄貴の墓の前に行く俺

    兄貴の墓参りは初めてだった

    行けなかった理由…それは罪悪感以外の何物でもなかった

    正直、行くかどうかも迷っていた

    右手に持っているわたあめを見る

    そう、俺と兄貴の思い出の食べ物

    子供の頃 両親がいなかった俺たちはお世辞にも裕福と言える暮らしはできなかった
  26. 26 : : 2014/06/02(月) 18:36:50
    夏祭りの日

    俺たちは周りの屋台で何も買うこともなく帰ってきたのだ

    正直食べたいものはあった、それがわたあめ

    兄貴はそんな俺を見ていたのかもしれない

    そのあと何も言ってないのに兄貴は1人でもう一度祭りの会場に向かい

    返ってきたときにはわたあめが握られていた


    兄貴も何か食べたいものがあっただろう…

    でも、兄貴は俺のことを考えてくれた


    いつだって、どんな時だって 兄貴は俺のことを見ていてくれた
  27. 27 : : 2014/06/02(月) 18:37:01
    それなのに俺は…

    空を見上げる

    雲一つない青空

    「3割か…」

    当たるんだよな、あいつの3割は…


    わたあめを置き墓から帰ろうとした時だった…
  28. 28 : : 2014/06/02(月) 18:37:28
    「紋土ちゃん?」

    聞きなれた声だった…

    兄貴の嫁になるはずだった女性

    「来てくれたんだね…ありがとう…大亜も喜ぶよ」

    振り返ることができずそのまま聞く…

    俺の弱さ故の過ち…


    今まで言うことができなかった言葉…

    「俺…本当は…」


    「いいのよ、紋土ちゃん…」

    俺の言葉を遮る

    「大亜が言ってたもの…その日に…こうなるかもしれないってこと」

    そんな…まさか兄貴が…

    空を見上げる

    さっきまで青空だった空が滲んで見える…
  29. 29 : : 2014/06/02(月) 18:38:05
    「紋土ちゃん……」



    「強くなったね」



    頬に涙が伝う

    泣かないと決めていたが無理だった…


    「当たり前っすよ…俺 最強の兄貴の…大亜の弟ですから…」



    俺は歩き出す

    俺がしたことは許されることではない

    それでも立ち止まれない

    立ち止まってはいけない

    一歩一歩 進む

    それがどんなに遅くても

    それがどんなに辛くても


    俺は歩き出す

    「そうだろ、兄貴」

    風が後ろからふいてくる

    それはまるで兄貴から
    『当たり前だろ、俺が背中を守ってんだから前に進め』

    と言われているようだった


    追加シナリオ:『墓参り』  完
  30. 30 : : 2014/06/02(月) 18:39:34
    追加シナリオ:『俺占3割』

    「ふぅ…」

    柄にも無いことしちまったかな…

    自嘲気味に笑う俺


    俺は占い師だ

    今まで色々な人を占ってきた

    会社の社長、御曹司、ギャンブラー…
  31. 31 : : 2014/06/02(月) 18:40:10
    俺には色々見えていた

    そして今までそれが外れたことなんて…

    「無かったんだよな…」


    そうなんだ、俺は3割と言っているが実際は見えるんだ

    その人のその先が


    言うか言わないかで半分になり50%

    そして、その人の行動次第でそれが現実になるかならないかで50%

    25%で四捨五入で30%

    「俺の占いは3割当たる…か…」

    今まで言ったことを覆した人間を見たことは無い

    だから本当は5割なんだ


    占いをしようと思っている人は希望を持っている

    それを打ち砕くような事はしたくない
  32. 32 : : 2014/06/02(月) 18:40:38
    だから俺は3割という7割外れるという安心感を先に言う

    どんなことを言ったとしても進む人は進む

    後ろに下がる人は俺に何と言われても下がるんだ



    「頼む…俺たちの力で俺の3割という発言を本物にしてくれ…」

    占い師がそんなこというのは傍から見れば馬鹿らしいと思うが俺は本気だった




    それにしても、不二咲っち…

    まぁ…彼がキーマンになるのは間違いないだろう


    見守ることしかできない歯がゆさはあるが、きっと…

    弱さを打ち破ることができるんじゃないだろうか



    できる限りのことはする

    大切な仲間の為に

    そして俺の発言を本当にするために…


    「何言ってんだべな…俺は…」

    自分の心境の変化に戸惑いつつ

    俺は決心をした


    追加シナリオ:『俺占3割』  完
  33. 33 : : 2014/06/02(月) 18:41:23
    『夢と現実』


    私は小さいころから歌うことが好きだった

    将来の夢は歌手だった

    両親も応援してくれ いろいろなオーディションを受けた


    結果は落選続きだった

    そんな時に 落選の通知と同時にアイドルのスカウトをされた


    私はアイドルの道へ進んだ


    進んだ先は地獄だった


    毎日の過酷な練習

    先輩からのいじめ、偉い人達からのセクハラ


    歌うことができず ずっと先輩たちのバックダンサーを務めていた


    そんな状況に耐えられずにやめていく仲間たち

    最初にいた20人のアイドルの卵は気が付けば5人になっていた

    かけがえのない仲間たちと共に歩んだアイドル生活

    その集大成ともいえるコンサート


    危険があったとしても私は・・・・
  34. 34 : : 2014/06/02(月) 18:41:50
    でも、1つだけ

    そのこととは関係なく 私のアイドル生命が消えてしまう危険な人がいた


    「不二咲 千尋…」

    いつも4人で行動していて

    彼女が女性だとわかっているのに

    たまに見せる凛々しい顔つきに惹かれている自分がいた


    もちろん、アイドルは恋愛はご法度だ…

    それでも、彼女といると安心する


    それは友人だからだろうか…それとも…


    「恋…なんでしょうか…」




    追加シナリオ:『夢と現実』  完
  35. 35 : : 2014/06/03(火) 09:11:02
    「困難な壁か…」

    葉隠君の言葉を復唱する僕

    僕は変わることができるのだろうか…

    今までの人生で変わることができなかった僕が…

    あの後すぐに解散になって1人だけになった部屋

    外からは明るい陽射しが差し込んでくる

    そして葉隠君が舞園さんに言った言葉…

    舞園さんの表情…


    今、僕にできること…
  36. 36 : : 2014/06/03(火) 09:11:58
    ===========================================

    葉隠「というわけで、何かみんな考え付いたことはあるか?」

    次の日の放課後4人で集まって話し合う

    大和田「んー、正直なんにも思いついてねぇんだよな…わりぃな…」

    舞園「謝らないでください…」

    重い雰囲気が場を包む


    葉隠「うーん…とりあえず何か案が出るまで考えることにするべ」



    「あの…さ 葉隠君…」


    思い切って声をかける

    葉隠「なんだべ?不二咲っち?なんか思いついたんか?」


    昨日から考えてた案


    「みんなでボディーガードをするってのはどうかな?」

    大和田「ボディーガード…な」

    考え込む大和田君

    きっとみんなも同じようなことを考えていたのかもしれない

    でもきっとその案は無かったことになってしまったと思う

    それは僕がいるから…


    僕に危険な目に合わせたくないという大和田君の優しさから


    「僕は機械室で監視カメラをつかって怪しい人がいるかどうか見るからさ」

    皆の沈黙を破るように話す僕


    「どうかな?…」

    正直僕も舞園 さんを守るために動きたいけど

    足手まといになることは目に見えていた…悔しいけど

    これが一番の方法…

    葉隠「ってもなぁ…何万人も来るコンサートだぞ俺らだけでってのは…」


    「皆に頼んでみるよ!当日、あまり役に立たないかもしれないからそれは僕に任せて!」


    舞園「不二咲さん…」

    大和田「うっしわかった!やれることはやってみんぞ!」

    コンサートまで後19日
  37. 37 : : 2014/06/09(月) 11:10:18
    =========================================

    「頼まれてくれるかなぁ…?」

    早速次の日に桑田君に声をかけてみる

    桑田「舞園ちゃんが危険って言うなら駆けつけてやりてーのは山々なんだけどなぁ…」

    桑田「わりぃ…その日大事な試合なんだわ…」

    申し訳なさそうに呟く桑田君

    十神「フン、愚民共が集まる場所に俺が行くだと?馬鹿馬鹿しい」

    大神「我も行きたい気持ちはあるのだが…友人の手術があるのでな…」




    その後 他の人にも声をかけたが

    答えはNOだった…



    僕は自分の無力さと

    弱さを呪った…

    コンサートまで後18日



    =========================================
  38. 38 : : 2014/06/09(月) 11:16:48
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    葉隠「そいや大和田っちは暴走族の総長だよな?」

    大和田「おう」

    葉隠「当日呼んだら来てくれるんじゃねーか?」

    大和田君は少し考えた後頷く

    大和田「そうだな」



    葉隠「流石だな大和田っち」

    「僕は…」

    葉隠「いーんだよ不二咲っち!気にするな」

    優しく声をかけてくれる葉隠君

    大和田「そうだな、オメーは頑張った、当日の方が大変だからな」

    その時 僕たち3人しかいない教室の扉が開く音がした


    「苗木君」

    苗木「あ、みんな」

    苗木君は僕の顔を見ようとはせずに自分の席に向かい携帯電話を取り出す

    苗木「忘れ物しちゃってさ…あはは」

    大和田「おう!またな」


    教室を出ようとする苗木君


    そして扉の前で立ち止まり僕たちの方を振り返る


    苗木「…不二咲さん昨日はごめんね…」

    申し訳なさそうに呟く苗木君

    「いいよ…大丈夫だよ」

    苗木「当日、僕参加するよ」

    「え?」

    大和田「マジかよ苗木」

    葉隠「マジか!苗木っち」


    僕たちは驚きの声をあげる


    苗木「昨日断った理由がさ、僕なんかが行っても足手まといになるんじゃないかって思っちゃったからなんだ」


    チクリと胸が痛んだ

    苗木「恥ずかしい話だけどさ、昨日頼まれたことを妹に言ったんだ」

    あははと苦笑いしながら続ける苗木君

    苗木「そしたら怒られちゃってさお兄ちゃんは本当に男なの?って」

    男…

    苗木「妹に怒られて入るような情けない僕でよかったらいつでも力になるからね!それじゃ」

    教室を出る苗木君


    大和田「まぁ、妹に言われたって言ってもお前の成果だろ」

    大和田君が僕に言う

    葉隠「胸をはっていいんだぞ不二咲っち」



    男なら…

    僕の頭はそのことしか無かった

    コンサートまで後17日

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  39. 39 : : 2014/06/09(月) 17:59:27
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    「舞園さん!そこ、振り付け間違ってるよ!」

    振付師からの注意が飛ぶ

    「すっ…すみません」

    今日だけで5回もミスをしてしまった…

    今までミスを犯さないことそれが私が超高校生でいるための一つのカギだった

    「コンサートまで後3週間切ってるんだからね、体調が悪いんだったら休んでなさい」

    振付師から心配されてしまった

    「大丈夫です、私できます!」

    額に浮かぶ汗を拭い ダンスを再開する

    私に手紙が届き始めたのは3か月前

    『絶望させてあげる』

    その一文だけの手紙


    あるときは下駄箱に

    あるときは机の中


    そして今日は

    レッスンルームのロッカーの中…

    絶望


    その二文字が頭の中でぐるぐると動いていた

    コンサートまで残り15日
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  40. 40 : : 2014/06/09(月) 18:00:16
    ============================================

    「すみません…ここの監視カメラの操作をやらせていただけませんか?」

    職員「また君か…」

    ここに通うのも10日目

    僕はコンサート会場の監視カメラの操作を頼んでいた

    ずっと僕の話など聞いてくれなかった職員の人達だったが

    今日は違った

    職員「なら、その日だけうちの職員として働くってのはどうだろうか」

    願ってもいない話だった

    「はい!よろしくお願いします!」

    僕も大切な人を守るために頑張ることができる

    その嬉しさでいっぱいだった


    コンサートまで後7日

    =========================================
  41. 41 : : 2014/06/09(月) 18:01:57
    葉隠「結構頑張ってるみてーだな 不二咲っち」

    コンサートまで後3日と迫ったある日

    葉隠君は僕の部屋にやってきて話し始める

    葉隠「それ、監視カメラの作動位置か?」

    山積みになった紙のうち1枚を手に取り見る

    「そうだよ…監視カメラの台数を増やすことはできなかったからなるべく死角をなくすようにプログラムしてたんだ」

    そうここ4日間僕はその作業に追われていた

    葉隠「手を止めなくていいから、話だけでも聞いてくれたらいいべ…」

    葉隠「つっても俺の独り言なんだけどな」


    葉隠君は話し出す

    葉隠「あるときな、1人の少年がいたんだ」

    葉隠「その少年は物心ついた時から人の未来を見ることができた」

    人の未来…

    葉隠「最初は自分でも信じられなかったんだがな」

    フッと少しだけ笑う葉隠君

    葉隠「子供の時に一番一緒にいるのは誰だかわかるか?」

    一緒にいる人?両親かな?

    葉隠「そう、両親だ その少年は両親の未来を見た」

    葉隠「まぁその頃はそれが未来ってのもわかんなかったんだけどな」

    葉隠「そいつが見た未来っつーのは、両親が知らない人に殺される未来」

    殺される…未来…?

    葉隠「でもな、少年はただの妄想としか思わなかったんだ絶対にありえないとたかをくくっていた」

    葉隠「だが…」

    まさか…

    葉隠「現実に起っちまったんだ」

    そんな…

    葉隠「何の変哲もない普通の日だったんだ…学校から帰ってきた少年が見たのは両親の死だった」

    葉隠「そして気が付いたんだ、自分が未来を見ていたことに」

    息を大きく吐き葉隠君は続ける

    葉隠「それから少年は人と深いかかわりを持つことをやめた」

    葉隠「いつか、また死を見てしまいそうだからだ」

    葉隠「何もできずに死だけを見てしまいそうだったから」

    声が震える葉隠君

    葉隠「年上の俺がいうのも何なんだけどよ…」


    葉隠「そいつを救ってくれないか?」


    嗚咽を上げながら僕に問いかける葉隠君

    いつも、みんなを見守って 時にはみんなを導いて

    暗い雰囲気の時は明るくなるように努めていた葉隠君

    「当たり前だよ…葉隠君…」


    葉隠君は変わろうとしている


    僕だって…変わらないと…


    コンサートまで後3日


    ==========================================
  42. 42 : : 2014/06/09(月) 18:02:32
    「みんな!」

    放課後舞園さんはコンサートまで学校を休むことになっていたため舞園さん以外の皆に声をかける


    「明日の放課後時間を少しくれないかな…?」

    頭を下げる僕


    十神「ふん、どうせまた護衛に参加してほしいなどと言うくだらないことを言い出すんだろう」

    呆れた様子で十神君は僕を見下ろす


    大和田「俺からも頼む…少しの時間だけでいいんだ」

    大和田君は僕の様子を見て頭を下げてくれる

    葉隠「俺からも頼むべ…この通りだ…」

    葉隠君も同じように頭を下げる


    十神「何度も同じことを言わせるな!」

    苗木「僕からも頼むよ、何するかはわかんないけど話だけでも聞いてあげてほしい」

    苗木君も頭を下げる


    十神「まぁ、そこまで頭を下げるなら聞いてやらないこともない」

    石丸「そうだな、話だけでも聞くことにしよう!」


    「みんな…ありがとう…」

    十神「勘違いするな、聞くだけだ」


    コンサートまで後2日


    =========================================
  43. 43 : : 2014/06/13(金) 23:05:32
    僕は少ない時間の中

    監視カメラのプログラミングを続けていた

    頭の中はパンク寸前だった…

    そして、聞こえる声


    『お前女みてーだな』
    『気持ちわりー 近寄んなよ』

    耳を塞ぎたくなる

    でも、両手を止めることはあの人を危険にさらす可能性が大きくなる

    「…うっ……」

    視界がぼやける

    頬が涙で濡れる


    「…やるんだ…僕は」

    今まで逃げ続ける人生だった

    涙はとまらない

    声が大きくなってくる


    何故か思考が遅くなる


    視界が…暗くなる


    何だろう…この感じ


    聞いたことあるかも…


    そうだ…あの時…
  44. 44 : : 2014/06/14(土) 03:28:27
    =============================================

    「ねぇ不二咲」

    移動教室で物理室へ行く時江ノ島さんから声をかけられる

    「なに?江ノ島さん」

    江ノ島さんはいつも通りにこやかな笑顔で話し始める

    江ノ島「絶望って素敵よね」

    絶望?素敵?

    どういう意味なんだろう

    絶望が素敵?

    江ノ島「あーまだわかんないか?」

    少し残念そうな江ノ島さん

    「じゃぁ…江ノ島さんは…」

    江ノ島「してるよ」

    「え?」

    即答だった

    江ノ島「私は絶望している、というより産まれた時からずっと」
  45. 45 : : 2014/06/14(土) 03:28:51
    何も言えない僕に江ノ島さんは続ける

    江ノ島「絶望に心が染まるときは五感が全部感じなくなってきてすぅーっと入ってくる感じ」

    江ノ島「それはそれは何よりも気持ちよくて…」

    江ノ島「その後は絶望しか待ってないんだよ」



    「戻らないの?」

    僕は質問を投げかけてみる

    江ノ島「え?」

    思ってもみなかった質問だったのだろうか江ノ島さんの驚いた顔を始めてみた気がした

    江ノ島「面白いこと言うね」

    江ノ島「結論から言うとあり得ない話じゃない」

    真剣な顔の江ノ島さん

    江ノ島「ほんの稀に更生する人はいるよ」

    江ノ島「闇の中から一筋の光が見えてくるんだってさ」

    ふっと息を吐く江ノ島さん

    江ノ島「まー実体験ってやつ?私はその光を掴めなかっただけだけどね」

    江ノ島「なんか変なこと言っちゃったなーはやく教室行かなきゃ」


    小走りで僕を抜き去る江ノ島さん


    数メートルまで進んだところで立ち止まる


    江ノ島「不二咲」


    江ノ島「絶望は伝染するんだよ」

    ===========================================
  46. 46 : : 2014/06/17(火) 13:29:27
    そうか、これが絶望だったんだ

    「もう、どうでもいいよ」

    背もたれに寄り掛かり目を閉じる


    『俺を救ってくれないか?』

    『私の夢なんです』


    どうでもいい

    全てがどうでもいいんだ

    甲高い音が頭に響く

    うるさいなぁ・・・


    何だっていうんだ


    電話か


    今 いい気持ちなのに 邪魔しないでよ


    「もしもし」

    『あっ やっとつながった 不二咲くん もしかして寝てましたか?』

    舞園 さやかか 

    「何の用?」

    『いや、特に用なんて無いんですけど 急に不二咲さんの声が聞きたくなっちゃいまして』

    そんなことで

    そんなことで邪魔したのか

    ふざけんな

    僕の


    僕の…

    『あの?どうしました不二咲さん』
  47. 47 : : 2014/07/18(金) 16:39:35
    あ、不二咲くんって言っちゃってる

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