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  1. 1 : : 2014/04/25(金) 19:41:26

    SS初投稿者です。
    誤字・脱字・キャラ崩壊あるかと思いますがよろしくお願いします。

    投稿は一週間に一度はします。

    とりあえず今回はこれだけですが、頑張っていきたいです。

  2. 2 : : 2014/04/25(金) 21:43:27
    この投稿は削除されました。
  3. 3 : : 2014/04/25(金) 23:46:13
    「超能力」といえば誰もが一度は聞いたことのある言葉だろう。

    それは、例えば念力だったり、瞬間移動だったり、心を操ったり、何か放出するだったりと色々ある。
    しかし、そのどれにも共通している点があるという事を知っているだろうか?それは、

    「普通の人間には持つことができない。」という事である

    「普通」という言葉は、常日頃から使う言葉なので、特に意識はしないだろうが、人とは普通という枠組みに自分が入れらる事を嫌う。それはなぜか?それは自分という物を確たる物として確立させたいからである。

    「普通」というのは悪く言えば特に優れているところが何もないと言うことである。人は誰かに、何かに必要としてもらう、忘れないでいてもらうために他人とは違った自分らしさ、要するに「個性」を求める。

    つまり、「個性」を求めると言うことは、誰かに認めてもらいたい、必要としてほしい、自分を「その他」ではなく「個」として見てもらいたいという願望ではないだろうか?

    これはそんな、他人とは違った個性を求めてとある場所に集まった者たちの物語である。


  4. 4 : : 2014/04/25(金) 23:50:50
    とりあえずエピローグみたいな物を書いてみましたがどうでしょうか?

    見にくかったり、なにかご意見がありましたら言ってください。改善できるように頑張ります。

    次は、日曜日くらいに投稿できればしたいと思っているのでよろしくお願いします。

  5. 5 : : 2014/04/26(土) 18:46:43
    >>4
    期待してます、
    途中放棄はなるべくなしでお願いします
  6. 6 : : 2014/04/26(土) 20:06:19
    楽しみです応援してます。
  7. 7 : : 2014/04/26(土) 23:30:58
    夜中ですけど、第一話だけ完成したので投稿します。

    駄文ですし、短めですがご了承ください。
  8. 8 : : 2014/04/26(土) 23:33:15
    第一話・上条当麻は恐怖し、小萌先生は意外に酷い


    ??「上条ちゃん、この成績は一体全体どうゆうことなのですか~?いくら学園都市にいて能力が発現していないとしても、勉強を怠っていいわけではないのですよ。」

    とある高校の職員室で一人の生徒が一人の先生?に説教されている。それだけなら別に違和感はないだろう。しかし、「能力が発現しない」とはどうゆうことだろうか?

    「学園都市」とはそもそも、あらゆる教育機関・研究組織の集合体であり、学生が人口の8割を占める学生の街にして、外部より数十年進んだ最先端科学技術が研究・運用されている科学の街である。
     また、人為的な超能力開発が実用化され学生全員に実施されていて学生たちは日々、切磋琢磨し能力・学力の向上に努めている。まぁ、ようするに規模の大きな特殊なことをしている学園だ。

    しかし、学園都市に通えば必ずしも能力が発現するわけではなく。努力しても能力が発現しない、要するに「無能力者」は数多くいる。今、説教されている生徒も一般的には無能力者のカテゴリに当てはめられている生徒である。

    上条「いや~ぁ、あのですね、小萌先生。上条さんも好きでそんな成績を取っているわけではないのでしてね。ちゃんとした理由があるのですよ。」
     
    学生のよくある成績の低いときの言い訳を言おうとしているのは、上条当麻、という男子生徒である。
    体格は中肉中背だがやや筋肉質。ツンツンした短めの黒髪をしており、それ以外にはこれと言って特徴が無い平凡な容姿をしている。しかし、この生徒に説教をしている先生?は普通?ではない。

    身長135センチに加え小学生にしか見えない幼さから、学園都市の七不思議に指定されたり、ジェットコースターで身長制限に引っ掛かったり等の伝説を持つというなんともデンジャラスな先生なのである。

    小萌「上条ちゃんの不幸体質による成績低下の言い訳はもう聞き飽きたのですよ。今回からは新しい言い訳じゃないと納得しないのです!」

    上条「酷い!!上条さんにとっての死活問題であり、何とかしようと日々努力している不幸体質をそんなむげに扱うなんて!!」

    どうやらこの上条当麻という男子生徒は「不幸体質」というもののせいで成績がよくないらしいがそれによる言い訳はもはや聞き飽きるほど聞いたことがあるらしい。

    小萌「このままだと上条ちゃんは冗談抜きで留年しちゃうのですよ。」

    上条「留年!?まだ入学して2ヶ月もたっていないのにもうそんな事態に!?」

    ……どうやらかなりやばい状況らしい。

  9. 9 : : 2014/04/26(土) 23:36:26
    小萌「先生も先生としてですね、生徒のためにいくらでも補修をしたり課題を出したりして何とかしたいと考えているんですけどねぇ…、上条ちゃんの馬鹿を直そうとしたら一年じゃ絶対に足りないのですよ。」

    生徒に対して普通に馬鹿と言ったいるところからこの先生と生徒の心理的距離はかなり近いことがわかる。が、結構、酷めのことを言っている気がする。

    上条「入学して2ヶ月もしないうちに放課後と土日はほぼ毎日補習を受けたのにそれでもまだ足りないのか…」orz

    そんなにでてんのかよ…

    小萌「そもそも上条ちゃんは普通の日常を過ごしていないからこんなに成績が悪いんじゃないですか?}

    上条「そんなっ!補習を受けている回数が多いこと以外は普通の学生生活を過ごしている上条さんの日常が普通じゃないだなんて小萌先生でも言っていいことと悪いことがありますことですよ!」

    上条の「吠える」攻撃

    小萌「普通の学生はほぼ毎日補習を受けたりしませんし、武装集団(スキルアウト)と命を賭けたフルマラソンはしませんし、タイムセールの時だけにしか買い物をしない、なんてことはないんですよ?」

    小萌は「守る」をした。「吠える」はきかなかった。

    上条「俺が今まで普通だと思ってきたことは普通じゃなかったのか…」

    小萌「逆にそれが普通なんだとしたら上条ちゃんは普段どんなデンジャラスな日常を送っているのですか…」

    上条「仕方がないじゃないですか!小萌先生の言うところの普通の日常を過ごそうとしても、まわりがそうはさせてくれないんですよ!もっとこう静かで不幸なことが起きて上条さんの勉強の邪魔をすることがないような素敵素晴らし空間があるなら、上条さんの成績も少しはましになると思うんです。思わずにはいられない。思いたいんですよ三段活用(泣)。」シクシク

    なんかもう泣いてる…ものすごいかわいそうに泣いてる……

    上条「でもそんなユートピアなんて幻想は…小萌「あるんですよ」そうですよねぇ、あるわけあるんですよねぇ…ってあるんでせうか!!!?」

    まるで、目の前に女神が現れたような目つきで上条当麻は小萌先生を見る。

    小萌「要するに静かで周りに勉強を邪魔する物のないところなら上条ちゃんは何とかなるんだとしたらぴったりの場所があるのです!」

    小萌先生はない胸を張りながら…「あるんですよ」ゴゴゴゴゴ。すいませんあります、もう、もんのすごいくらいあります。力説する。

    上条「それはいったいどこなんでせうか?」

    小萌「それはですねぇ……」

    ??「失礼しまーす。小萌先生はいらっしゃいますか?」

    ついに上条当麻の言うところのユートピアの場所が明らかになろうとしたそのときに、ある男子生徒が生徒が職員室のドアを開けながら小萌先生の名を呼んだ。
  10. 10 : : 2014/04/26(土) 23:41:20
    小萌先生の名を呼んだ男子生徒は上条当麻には目もくれず小萌先生のところまで行きなにやら話し込み始めてしまった。

    上条当麻にとっては今まさに自分にとってのユートピアの場所が明らかになろうとした瞬間に邪魔をされた物だから、邪魔をした人物を多少なりとも敵意を持って見つめてしまう。

    (上条「背は上条さんとそんなに変わらないな…。聞いたことない声だったし上級生かな?」)

    と、その人物を観察していたが、その視線を感じ取ったのか、小萌先生との会話を中断したその上級生と目があった。瞬間!


    ゾクっ!!?


    上条当麻はそれなりに根性があるほうだ。伊達に武装集団(スキルアウト)誰かを守るためとはいえ喧嘩をしているし、過去の体験から相当なことがない限りは“恐怖”という物を感じない。しかし、目の前で小萌先生と何気なく会話していた男子生徒は上条当麻のその幻想をぶち殺すがごとくすさまじい目をしていた。

    一言で言うと「腐っていた。」例えるなら、魚の目玉を腐り落ちる直前まで腐らせていたような。または、墨汁をぐつぐつに煮

    詰めてそれを目の形に無理矢理固めたような目をしている。到底光が宿っているのかさえ怪しいその目で男子生徒は上条当麻を上から下までじっくりと観察した。観察されている間、瞬きの一回、呼吸の一度さえできなかった。しばらくすると興味がなくなったのか。何もなかったかのように小萌先生との会話を再開した。当初はその会話を聞き取ろうかと考えていたが、しかし、その会話を聞き取ることはできなかった。流れる冷や汗を、わき上がる恐怖の衝動を押さえ込むのにそれどころではなかったからだ。

    ??「小萌先生、……部の鍵を借りにきました。」

    男子生徒は、まるで、声から心をくりぬいたような声で、業務連絡をするように会話をしている。

    小萌「あわわわわ!八幡ちゃんの存在と約束をすっかり忘れていたのですよ。ごめんなさいなのです。」

    八幡「部室の鍵を取りに来ただけなのに存在を忘れられていると言うことを確認するなんてどんな罰ゲームですか…」

    どうやら男子生徒の名前は八幡と言うらしい。名前を知らない物、存在を証明できない物に対して人間は恐怖を抱くらしいが、名前を知り、存在を証明されたところでこの男に対する恐怖は全く消えず。未だ、交通事故の現場を目の前で目撃したかのような衝撃に支配され、身じろぎ一つできなかった。するとさすがに不審に思ったのか、ようやく小萌先生が上条当麻の状態の異常に気がつき声をかけてくれた。

    小萌「ずいぶんと静かになってますけど、上条ちゃんどうかしたって……ってうええぇぇ!?一体どうしたんですか!?上条ちゃん!!顔が八幡ちゃんみたいに今にも死にそうな人みたいになってるのですよ!?」

    八幡「ねえ、俺なんかした?何でそこの生徒を心配するついでにディスられてんの?それに、今にも死にそうな顔見たいってどういうこと?まだ俺、生きてるからね?死んでなんかいないよ?」

    必死?に自分の事をアピールする八幡。常日頃から言われ慣れているかのごとく反論をする。

    小萌「八幡ちゃんは一回黙ってるか、目玉を交換してきてください!先生は本当のことを言ったまでです!上条ちゃん生きてますか~?先生のことわかりますか~?上条ちゃんも八幡ちゃんも現実(留年)と鏡から目を背かずに前を向くのですよ~」

    上条・八幡「「酷い言われようだ…」」

    やっとの事で絞り出した言葉は偶然にも被ってしまった。
  11. 11 : : 2014/04/27(日) 09:30:43
    俺ガイルのクロスで2つの作品の主人公を出すと八幡が他の主人公のことを好かなかったりしてカオスになりがちだけど頑張れ
  12. 12 : : 2014/04/28(月) 19:24:34
    投稿します。

    投稿初心者なので文体がコロコロ変わるかと思いますが、お付き合いお願いします。
  13. 13 : : 2014/04/28(月) 19:25:26
    第二話・こうして上条当麻は奉仕部(ユートピア?)へと入部する。

    (気、気まずい…)

     比企谷八幡は冷静な顔をしながらデンジャラスミニマム教師である小萌先生に連れられて部室への廊下を上条当麻という後輩と一緒に歩いていた。表面上は冷静を保っている上級生を何とか演じられているが、内心はこの気まずい空気をどうするべきかとものすごく悩んでいるということは一見すると誰にもわからない。


     おそらく俺の顔を見て(正確には目だろうが)気分の悪くなった(←何それかなり失礼)人物と並んで歩くという、ぼっちである人間にしたら半端なく難緯度が高い任務をこなしている。これが並のぼっちなら裸足で逃げ出すレベル。まあ、俺クラスのぼっちになればどんな時でも冷静な顔をしていられるがな!  

    ……べ、別にコミュ力が低いせいで会話ができなくて、そのせいで空気が重くなった訳じゃないんだからね!

     っつうか小萌先生相変わらずスゲエな、今俺の隣を歩いてるこいつの顔色が元に戻ったとたんにろくな説明もしないまま俺たちを職員室から連れ出して、しかも並ばせて歩かせるとかマジ超人。これもうあれだよ、殺人者と被害者を
    一緒に歩かせているようなもんだよ!(←何それ被害者にしたらマジ拷問。)

    もう小萌先生一瞬でいいから後ろを見て!もう隣を歩いてるこいつに至ってはブツブツ「…不幸だ」って言い始めてるよ!もう、俺も個膣もHPはもうゼロだよ。鼻歌なんか楽しそうに歌ってないで!くそう、こうなれば今こそ目覚めよ俺の隠されたテレパシー能力ぅう!!!

    …………………………………

     通じないんだよね。知ってるよ。別に俺が他人との意思の疎通が苦手だとかは関係ないよ!だって俺テレパシーの能力者じゃないもん。

     結果、鼻歌を歌っている小萌先生を除いて、俺とこいつは終始無言のまま部室までの廊下を気まずい雰囲気の中歩いて行った。
  14. 14 : : 2014/04/28(月) 19:26:37
    そして、拷問にも似た苦行を超えて部室のドアまで何とか到着することがでた!

     ……何だろう。一応、高難易度の任務をこなしたはずなのにすがすがしい気分になるどころか、むしろ、俺の顔が他人をここまで恐怖させることができるという悲しい事実を知っただけの気がする…。そして、そんな俺の気持ちはつゆ知らず、小萌先生は部室の鍵を開け、俺たちを中に招き入れた。

    小萌「相変わらずキレイなのですね~。っと言っても別に汚れるようなことをするわけではないんですからキレイで当たりまねのですけど」

     部室に入ったなりこの教室をぐるっと一周見渡す小萌先生。

    上条「…ここが部室なのでせうか?」

    八幡「まあ、確かにこの教室を見て部活してるなんてすぐにはわかんねえよな」

     ようやく上条がしゃべり出したことで俺たちの沈黙が破られたわけだがこいつの疑問ももっともである。

     この部室にある物と言えば、積み上げられた机といすと、ティーセットと、部室のほぼ真ん中に設置されている長机と3脚のいすだけである。これだけでこの教室が何らかの部活動をしていると判断するのはほぼ不可能だろう。

    上条「っていうか小萌先生。上条さんは何の説明もないままこの部室?に連れてこられたわけなんですけど、そもそもこの部活は何部なのでせうか?」

     あれ?黙って付いてきてくれたからてっきり説明を受けたんだと思っていたが、どうやら何も聞いていないらしい。仕方ない、ここは怖がらせた?ことについての謝罪もかねて特別に説明してやろう。

    八幡・小萌「「ここは奉仕……」」

     どうやら気を利かせてくれた小萌先生が俺と同じように説明をしようとしたが、タイミングがよすぎて被ってしまった。それならもう仕方がない、ここは先生の顔を立てるために俺は黙り込んだのだが、小萌先生も同じ事を考えたらしく、上級生である俺の顔を立てるために黙り込んでしまった。

    小萌・八幡・上条「「「……………」」」

     部室内に先ほどとは違った何とも微妙な空気が立ちこめた。

     この静寂を破るのは誰だ!?

    小萌・上条「「……………」」

     上条も小萌先生も黙り込んでしまいこの静寂を打ち破る人間がいなくなってしまった。……?俺?できるわけないじゃんそんなこと。逆に俺にそんな会話力と勇気があると思ってんの?会話力はないけど勇気ならあるよ。だけどここはね、あえて堪えることで他人の成長をうながすべきなんだよ。なにこれ、他人の成長のために自分を犠牲にするとか俺マジいい人。

     結果3人が3人とも硬直したまま時間だけが過ぎてゆく。

    ??「一体あなたたちは何をしているのかしら?」

     意外にもこの静寂を打ち破る新たなる第三者である。
  15. 15 : : 2014/04/28(月) 19:29:24
    雪乃「ようするに、そこのゴミ…いえ屑ヶ谷君のせいで非行に走ってしまった上条君に普通の学生生活を送ることができるように導くというのが依頼内容でよろしいんでしょうか?」

    八幡「おい待ての雪ノ下。ゴミとか屑とか言ったことには目をつぶるが、なんで俺のせいでこいつが非行にが知るなんて結論を出したんだ?」

    小萌先生から上条の説明を聞いた雪ノ下はこう結論を出した。なんて酷いことを言うんだ、

    雪乃「あらそこにいたのねごめんなさい。粗大ゴミか趣味の悪いオブジェかと思ったわ」

    八幡「ねえ、さっき「そこの」とか言ったじゃん。それに答えになってねえし」

     俺のことをゴミとか屑とか罵倒しているのは雪ノ下雪乃。成績優秀、文武両道、才色兼備etc…という漫画かアニメキャラかよと突っ込みたくなるようなスーパースペックを持ってはいるが、性格が最悪でしかも毒舌なため、友達が全くいないぼっちである。

    雪乃「友達がいないのはあなたも同じじゃない」

    八幡「だから何で心の中が読めんの、プライバシーの保護とか人権とかって知ってる?それにおまえの能力って精神操作系じゃないはずだよなぁ、どうしてわかんの?」

     雪ノ下はこのとある高校の中で一番レベルの高いLV4の「温度操作」の大能力者のはずである。最高温度は5000度、最低温度はー200度という並の「火炎能力者」や「氷結能力者」を上回る操作能力を持ち、LV5のの超能力者に最も近いとされている大能力者である。

    雪乃「あなた程度の考えている事なんて小学生でもわかるわよ。それにプライバシー保護法や人権って言う物はあくまで「人間」にとって有効な物でゴミや虫には関係のない物なのよ」

     …もう突っ込む気力さえ失せた。もう体力って言うか精神力が限界に近い。小萌先生に至っては「いつも通りなのですね」って言ってにこにこしてるし。上条に至っては部室の中を見渡すことで俺と雪ノ下の会話を無視してるよ。

    雪乃「答えてほしいのなら答えてあげるのだけれど、あなたという存在がこの地球に存在しているだけで周りの物すべてに悪影響を及ぼすなんて事は全人類共通の知識よ。つまり、あなたが原因で間違いないわ」

     どうやら俺の知らないうちに俺の存在は悪影響であると全人類に認識されているらしい。もうなんかあれだな、自殺とかしちゃおうかな。

    雪乃「どうせ自殺するなら誰にも迷惑をかけないように海に飛び込むか。全身の血と内臓を抜いて誰かのために死になさい」

    八幡「もう普通に死ねって言ってんじゃん。先生ここにいじめが発生しています。被害者、俺、加害者はこいつです」

     いじめ駄目絶対。救助要請を申請!

    小萌「二人とも痴話喧嘩はそれくらいにしてそろそろ上条ちゃんを会話の輪に入れてあげてほしいのですよ。さっきから一人だけポツーンとかわいそうなのです。ほら上条ちゃんももっと自分をアピールしないとキャラが消えちゃうのですよ」

    八幡・雪乃「「痴話喧嘩なんかじゃありません!!」」

     雪ノ下と夫婦なんて絶対やだ、雪ノ下も顔を真っ赤にして反論してるよ。

    上条「え、この会話の流れの中に上条さんを投入しちゃうの?それにキャラが消えちゃうってどういうことなのでせうか!?」

    小萌「細かいことはとりあえずスルーです。さあ、3人でLet"s taikしちゃってください!」

     救助要請は無視された上、痴話喧嘩なんて言われたあげく、ぼっち×2のなかに子羊を一匹ぶち込まれた。
  16. 16 : : 2014/04/28(月) 19:32:27

    雪乃「上条当麻君でよかったわね。初めまして2年J組の雪ノ下雪乃です。この奉仕部の部長を務めています。よろしくお願いします。」

    上条「初めまして1年A組の上条当麻です。噂を何度か耳にしたことがありますので知っていましたが会うのは今日が初めてです。よろしくお願いします」
     
    八幡「2年F組、比企谷八幡だ。不本意ながらここの部活の部員だ。まあ、よろしく頼む」

     とりあえず自己紹介をしないことには何も始まらないので自己紹介を開始した。上条はどうらや雪ノ下のことを知っていたらしい、まあ、さっき言ったとおり雪ノ下はこの高校で一番LVの高い能力者だし、性格と毒舌さえ除けばかなり美人の部類に入るだろうから知っていてもさして不思議はない。

     追加説明しておくと奉仕部と言うのは小萌先生が作った生徒のお悩み相談部みたいな物である。

    雪乃「とりあえず上条君。となりいる不審者のことは忘れなさい、もし何かされたらすぐに私に教えて頂戴。すぐに対処してあげるから」

    八幡「おい不審者とはなんだ不審者とは。ちゃんとここの高校の在校生だぞ俺は。」

    上条「だ、大丈夫です。それにもし何かされたら真っ先に報告します」

    八幡「お前もお前で何約束してんだよ…。この学校に俺の味方はいないのか…」

     もういっそのこと転校しようかな。書類上は俺はLV3の念動力者だし。しようと思えばできるだろう。しかし、俺はこの学校を離れられない!なぜなら大天使トツカエルこと戸塚彩加がいるからな!!もう戸塚がいなかったら一日で不登校になるレベル。

    上条「冗談でせうよ比企谷先輩。そんなことするわけがないじゃないですか」

    八幡「今更そんなこと言ったって信用なんてできるか。それにもし報告しようなんてしたら俺の全能力を使っても邪魔するぞ」

     雪ノ下に何かされるくらいならアンチスキルに捕まる方がまだましだ

    上条「ん?能力を使って邪魔?比企谷先輩は能力者なんでせうか?」

    八幡「言ってなかったか?俺の能力はLV3の念動力で重さ100kgくらいまでなら自由自在に操作できるぞ」

     一応、書類上はな。

    雪乃「その能力を使って覗きとか盗撮をしているような男よ注意しなさい」

    八幡「しねえよ、っうかする気もねえよ」

     いくら俺とはいえさすがに捕まったりするのは嫌なのだ。ばれたくないような秘密も何個か持っているし、そして何より戸塚に会えなくなるからな!

    上条「ぇえ~!?比企谷先輩には男のロマンというものがないのでせうか?…もしかしてED?」

    八幡「いきなり失礼だなお前は!何?地上300mくらいから時速200kmくらいでパラシュートなしのスカイダイビングでもしたくなっちゃったの?全くシャイだなぁ、死たかったら死たかっていってくれればいいのに」

    上条「字が違う!?それにそれ死にますからね!?」

    八幡「大丈夫だ、これをやってまだ死んだやつはいない」

     そう、まだいない。

    上条「すでに何人か犠牲者に!?つうかそれやられて死なないとかどんな人たちせうか!?」

    八幡「あぁ、違う違う。言い方が悪かった。犠牲者なんてまだ誰もいない。なぜならまだやったことがないから」

    上条「何の気休めにもなんねえ!!」

     叫ぶ上条の訴えをよそに俺はどうやってスカイダイビングをさせようか真剣に悩んでいた。
  17. 17 : : 2014/04/28(月) 19:34:13
    雪乃「話を本筋に戻しましょう。とりあえずこの依頼を遂行するには上条君に普通の学生生活を送れるようにすればいいんでしょう?なら話は簡単だわ」

     しばらくすると小萌先生は仕事があると言って職員室に戻って行ってしまった。その後も上条と雑談似も似た話し合いをしているとをしていると唐突に雪ノ下から意見が飛んできた。

    上条「え、そんな事ができるんでせうか?」

     自分の悩んでいる問題に対して回答を知っている。そんなことを知れば希望を抱かずにはいられない。祈るような顔をして上条は雪ノ下を見る。

    八幡「おい雪ノ下、お前は偽言を吐かないことを自慢にしてきたんじゃないのか?こいつの話を聞く限りこいつが普通の学校生活を送れていないのは“不幸”ってゆう不確定要素が原因なんだぞ」

     流石のの雪ノ下といえど見えもしない触れもしない物相手に対策を講じることはできるはずがない。頭が悪いらしい上条も俺の意見を聞いてもっともだと思ったのか、とたんに落胆したような表情になる。

    雪乃「簡単よ。上条君がその不幸な目とやらに会わないよいうに私たちが彼をサポート…いえ、管理すればいいのよ」

     どこの世界に年下とはいえ人間を管理するなんていう台詞を言う高校生がいるのだろう。もしいたとしたらそいつはきっと人間ではないんだろう。…そうか、つまり雪ノ下は人間じゃなかったのか。どうしてこいつがこんなに怖いのか今日わかった、こいつは人間じゃないのだ。

    雪乃「今すぐその思考を停止させるか。私に焼かれるか凍らされるか嫌な物を選びなさい。嫌な方をしてあげるわ」

     ほらね、やっぱり雪ノ下は人間じゃないんだよ。精神系の能力者でもないのに読心術ができるし、なんか今にもスタンドを出しそうなくらいの気迫を出してるし。こんな恐ろしいこと普通にいえるし…いや、これ以上何か考えるのはまずい、このまま行くと生きたまま凍らされるか燃やされてしまう。そして俺は考えることを放棄す……ん?いやまてよ、一つだけ疑問があるぞ。

    八幡「なあ雪ノ下、お前さっき「私たち」って行ったけど、何で「たち」なんだ?べつにお前が上条を管理すればいいだけだろう?俺必要なくねえか?」

    雪ノ「馬鹿ね、やはりあなたの脳みそと目は腐っているのかしら?奉仕部に依頼されたことなのだから部員としてすごく残念であるれどもあなたにも手伝う義務があるのよ?」

     こいつがすごく残念がっているとしても一応は俺を奉仕部部員として認めてくれていることに若干驚いた。なんだよ意外と優しいじゃねえかよ。と、俺が雪ノ下に対する認識を改めようかと雪ノ下を見ると。

    雪乃「誰に許可をとって私のことを視界に入れているのかしら?その腐った目の卑しい目線を今すぐはずしなさい。じゃないと右目を消し炭にして、左目を氷漬けにするわよ」

     前言撤回。やっぱりこいつは最低だ。

    雪乃「とりあえず上条君には奉仕部へ仮入部してもらうわ。その方が色々と管理しやすいし、何より勉強を見てあげてと小萌先生から頼まれているからね」

    上条「おぉ、平和な空間を提供してくれるだけではなく、こんな美女な先輩に勉強を見てもらえるとか、これは久しぶりの幸せなんじゃないでしょうか?」

     すげえなこいつ。自分の思っていることを言うと同時におそらく無自覚で雪ノ下を口説きに行きやがった。

    雪乃「なら早速勉強を始めたいのだけれどいいかしら?無駄な時間を過ごすと言うことは人間の行動のうちでもっとも愚かなことなのよ」

     しかし、さすがは雪ノ下。さりげない上条の褒め言葉を普通に受け流しているまあ、言われ慣れているって言うのもあるだろうがな。だけど俺が綺麗とか可愛いとかって言うと必ず突っかかってくるんだよなあ。何でだろう?

    上条「よろしくお願いします!!」

    雪乃「では改めて…、ようこそ奉仕部へ仮入部といえど歓迎するわ」

     こうして上条当麻は奉仕部に入部した。




  18. 18 : : 2014/04/28(月) 23:10:38
    、が多いっぽい

    期待、がんばって下さい
  19. 19 : : 2014/04/29(火) 07:23:37
    この投稿は削除されました。
  20. 20 : : 2014/04/30(水) 23:47:00
    投稿します。

    コメありがとうございます。うれしいです。  

    リアルがそんなにい忙しくなかったら三日に一度は投稿できそうです。

    開けても一週間はあかないようにしたいです。

    キャラの口調にいまいち自信がないのでなにかアドバイスがあればよろしくお願いします。
  21. 21 : : 2014/04/30(水) 23:49:23
    第三話・上条当麻は彼の噂を耳にする。

    ??「最近カミやん元気そうやな~。なんかいいことでもあったん?」

    ??「どうせどっかの可愛い女の子とフラグでも建てたんじゃないかにゃ~…爆発しろ」

    ??「なんやて~~!!なんでカミやんだけそんなそんな羨ましイベントが起こるんやー!僕のモテ期はいや~!!?」


    上条「うるせえ青ピ!フラグなんか建ってねえよ!それに最後の台詞だけ妙に声が怖かったのですよ土御門さん!?」

     珍しく朝のHRに間に合った上条を出迎えたのは高校に入ってから親友になった変態エセ関西人こと青髪ピアス(別名青ピ)と、シスコンメイドラブ軍曹こと土御門元春であった。

     青ピ「おいカミやん。”変態エセ関西人”とは何や変態エセ関西人とは!僕ぁ自治とも認める「スーパー紳士チック関西人」やでぇ。そんな嘘言ったら女の子からひかれてしまうやろが!」

    土御門「もう十分にひかれてるんだから安心するといいんだぜぇ~。まあ俺は“シスコンメイドラブ軍曹”を否定するつもりなんかサラサラ無いがにゃ~」

     …土御門に至っては自分で認めているので何ともいえないが、どこの世界にストライクゾーンの女の子の種類が50を超える関西人もどきの男を”スーパー紳士チック関西人”なんていう世界があるんだろう。

     …少し怖いが行ってみたい気がする。

    青ピ「そんなことよりカミやんどうしてそんな元気なん?何時もなら「不幸だー」って言って騒いで疲れ果ててるのに」

    土御門「確かににゃ~。ここ最近かカミやんが騒いでんのをあんま見ないからにゃ~」

     先ほどとは一転。なんだかんだ言いながらも自分のことを心配してくれる親友二人の気持ちに感謝しつつ答える。

    上条「実は先日、上条さんはある部活の仮ですけど入部したのですよ。その部活に入ったおかげで不幸な目に遭う確率がグッと減りましてとても幸せなのですよ」

     奉仕部に仮入部だが入っていることはまだ誰にも言っていなかった。別に隠すと言うつもりは全くなくただ純粋に忘れていただけである。

    土御門「へぇーカミやんが部活?不幸の被害を受けるって理由でどの部活にも入部なんてできないと思ってたけどできてたんだにゃ~ビックリだぜい…グボハァア!?」

    青ピ「ツッチー。いくらカミやんでも部活くらいなら好きに入れるのとちゃいますの?それでそれで、どの部活に入ったんや?」

     失礼なことを言った土御門をとりあえずラリアットで吹っ飛ばし、青ピの質問に答える。

    上条「奉仕部っていう部活だよ。まぁほとんど部活動っぽい活動なんかしてないけどな」

     そもそも上条は”静かに不幸な目に遭うことなく勉強できる場所”を求めていたので部活動っぽい活動なんてしておらず。奉仕部での部活の時間はほぼ勉強タイムである。教師がいいお陰か成績も少しはましになってきている。

    青ピ「奉仕部!?なんやそのいかがわしい名前の部活は!?はぁ!ま、まさかカミやん部室という密室を利用して部員の女の子にあんな事やこんな事を…ってpはygbう゛ぁsfdきぇv!?」

     土御門はラリアットだったが青ピは男女平等顔面パンチでぶん殴ってやった。慎重180cm以上の男が顔面パンチで吹っ飛ぶという図はなんともシュールである。

    土御門「奉仕部?聞いたことない部活だぜぃ。どんな部活なんだ?」

     いつの間にかラリアットでぶっ飛ばしておいた土御門が復活している。なんてタフなんだろう。

    上条「部活内容としてはボランティアみたいなもんだなぁ…部員は上条さんも含めて3人で2年の比企谷八幡って人と、雪ノ下雪乃って人だ…おいどうした二人とも?いきなり立ち上がって拳なんか構えて。一体全体どうしたって言うんでせうかってグボハァア!!??」

     今度は上条が青ピと土御門に左右対称に殴られて吹っ飛んだ。
  22. 22 : : 2014/04/30(水) 23:50:08
    青ピ「カミやん…。よりにもよって雪ノ下先輩と同じ部活やとぉ~。この高校で一番の美女と言われる雪ノ下先輩と同じ部活に入ってイチャイチャしてるやとぉ~!なんてどんなコネを使ったんやぁ!!言え!正直に白状せんとしばくぞわれぇ!!」

    土御門「そうだぜぇカミやん。どうやってあの雪ノ下先輩と同じ部活に入ったのか詳しく教えてもらうぜよ」

    上条「青ピさんがかつて見たことがないほど荒ぶっていらっしゃる!?それにイチャイチャなんかしてねえよ!小萌先生に紹介してもらって入部して勉強見てもらってるだけだ」

     どうやらこの二人は俺が奉仕部に入ったことで雪ノ下先輩とイチャイチャしてると勘違いしたようだ。なのでどうゆう経緯で入部したのかと、部活でしていることを説明してみた。

    青ピ「美人先輩と部室という名の密室で勉強!?そんななんでカミやんばっかりいいことが起こるんや!神は死んだのか!?」

    土御門「デルタフォースの一員でありながらそんなリア充みたいなことをすることは許すことができないんだぜい」

     一応通じいてはいるようだがこの二人には何を言っても無駄らしい。

    上条「青ピ、お前はもう黙れ。そして土御門、例え俺がデルタフォースだとしてもリア充イベントを過ごす権利くらいあるはずだ!それに言っただろう。別に雪ノ下先輩と二人きりって訳なんかじゃなくてちゃんと男子部員の比企谷先輩もいるんでせうよ」

     これ以上青ピが社別と放送禁止用語が出てきそうなのでとりあえず黙らせ。土御門に対しては反論する。しかし上条が比企谷先輩の名を口にしたとたん二人の顔がまじめな者に変わる。

     青ピ「カミやんちょい待ち、比企谷先輩ってあの比企谷先輩なん?」

     上条「?たぶんその比企谷先輩で会ってると思うぞ。珍しい名字だしあんま聞いたことないから多分あってると思うけど…有名な先輩なんでせうか?」

    土御門「有名と言えば有名だぜぃ。カミやん補習ばっかで聞いたこと無いかもしれないけど雪ノ下先輩に負けず劣らず有名な先輩だぜぃ」

     雪ノ下先輩ならまだしも比企谷先輩まで実は有名人だったのかと知り少し驚く。
  23. 23 : : 2014/04/30(水) 23:51:40
    土御門「比企谷先輩は噂が一人歩きしてるっていう意味で有名なんだぜぃ。あの怖い目から実は死に神だったとか、危ない実験をされたせいで滅茶苦茶な能力を持ってるとかいろんな噂があるんだぜい」

    青ピ「そういえば実はLV5最強の第六位”架空兵器”って噂もあったんとちゃう?信憑性のない噂やったやったけど…」

    上条「LV5最強の第六位?最強は第一位ではないのでせうか?」

     学園都市には能力の強さによってLVが定められており、LV5とは学園都市の中でも最強の能力者である7人の能力者しか到達していない領域である。順位を上から

     第一位・一方通行
     第二位・未現物質
     第三位・超電磁砲
     第四位・原子崩し
     第五位・心理掌握
     第六位・架空兵器
     第七位・能力不明
     
     となっていて強さで言えば「一人で軍隊と戦えるほどの力を持っている」と評されている。 また、レベル5内の順位序列は「能力研究の応用が生み出す利益」が基準で決定されており、直接的な戦闘力だけに基づいて判断されているわけではないらしい。 だが、直接的な強さの序列もほぼ序列どうりと考えても間違いではない。つまり能力の詳細が不明な第七位を除けば、”序列が高いほど強く低いほど弱い”ということである。

     だが、”LV5最強の第六位”とはどうゆうことだろうか?

    青ピ「カミやんは、馬鹿やし噂とかにもあんまし興味ないかもしれんから知らんかもしれないけど、”強さ”っていう一点のみなら正体不明の第六位は第一位を上回るって噂があるんよ」

    土御門「学園都市で強さだけなら最強って事は世界レベルで考えればそれは“兵器”ってことになる。でも誰もその能力を知らないから正体不明。だから第六位は最強のLV5で”架空兵器”って呼ばれてるんだぜぃ」

     寡聞として知らなかった。強さだけなら第一位を上回る第六位の存在など。だが、

    上条「でも比企谷先輩は「俺はLV3の念動力者」っていってましたことですよ?」

    青ピ「そんならカミやん。比企谷先輩がその能力を使ってると込みたことあるん?あの先輩、能力検査の時は何時も休んでるからだれも能力を使ってるとこみたことないんよ」

     質問を質問で返しているが青ピの言っていることも一理ある。上条は奉仕部に入部してから雪ノ下先輩の能力は何度か見たが比企谷先輩の能力は一度も見たことがない事を思い出した。

    土御門「まぁあくまで噂だけどにゃ~。実際本当にLV5の第六位ならこんな高校にはいるはずがないからにゃ~」
  24. 24 : : 2014/04/30(水) 23:55:01
    土御門「っていうかそれ以前にあの先輩、半端無く“目”が怖いからにゃ~。変な噂がたつのも仕方がないと思うぜぃ」

    青ピ「そうそうあの目は怖いな~。僕ぁ一度だけ目があったことがあったけど全身が震えだして本当に怖かったで」

     とりあえず第六位の噂の話は置いておいて、親友二人は比企谷先輩の“目”について話し始めた。

    上条「上条さんも初めて目があった時なんてもう本当にやばかったのですよ。死を覚悟しましたもん」
     
     職員室であったときのことを思い出し思わず震え上がる上条。今では多少は耐えられるようにはなったがまだ直視することはできていない。

    青ピ「入学した手の頃は”比企谷先輩の目を見た”ってだけで倒れるやつが何人もおったしの~。面白半分で見に行ったやつなんか全員震えて保健室で寝込んでたしなあ」

    土御門「もうすんごかったんだぜぃ。“死の魔眼を持つ死に神”とか”悪魔の目を持つゾンビ”とかいろんな呼ばれ方をしてたんだぜぃ」

     自分が補習を受けている間にいろいろな噂がたっていたらしい。そのことに多少の疎外感を覚えつつもその中二病チックな呼称があまりにもピッタリだったため感動した。

    小萌「こらぁ~!そこのお馬鹿三人組!!人の悪口で盛り上がってんじゃないのです」

     デルタフォース三人組が比企谷先輩の目について盛り上がった会話をし始めると担任である小萌先生から注意を受けた。

    青ピ「あぁ~いいわぁ~。もっと叱って小萌先生!」

     ……若干一名変な反応をしているが残り二名はある疑問を口にする。

    上条「小萌先生は比企谷先輩の目が怖くはないんでせうか?」

    土御門「そういえばそうだにゃ~。小萌先生はこの学校では数少ない比企谷先輩の目を直視できる人だからにゃ~。なんか怖くなくなるこつとかがあるのかにゃ?」

     この学校で比企谷先輩の目を直視して動じないのは教員も含めて小萌先生、雪ノ下先輩、黄泉川先生、戸塚先輩くらいである。確かにそんなに大きな高校ではないが生徒の数は優に1000人を超える。そんな中で耐性?があるのはこの四人くらいだけなのだ。

    小萌「確かに八幡ちゃんの目は別に怖いものなんかじゃないんですよ。あれはそんな噂されているようなものじゃないんです。そうですねぇ…言うなればあの目は“鏡”みたいなもんですかねぇ…」

     小萌先生は普通に言う。この学校にいる九割以上の人間が怖いというものを怖くないと。

    上条「鏡?一体どうゆうことでせうか?」

     言うなれば、つまりは、例えばで“鏡”と小萌先生は表すが全く意味がわからず、再び問い直す。

    小萌「言葉の意味のままなのですよ。八幡ちゃんは
     ”悪意で見てくる人には悪意の目”。
     ”敵意で見てくる人には敵意の目”。
     ”好意で見てくる人には好意の目”。
      で見つめ返しているだけなのですよ」

     開いた口が塞がらない。小萌先生はあれだけ怖い目を持つ比企谷先輩を好意の目で見つめることができていると言うことに。隣の親友二人も口をぽかーんと開けている。

    青ピ「じゃあ小萌先生はあの比企谷先輩を全くの悪意も敵意もってへんの?」

     開いた口が塞がらない上条の代わりにいち早く回復した青ピが質問する。

    小萌「そんなの当たり前なのです!!例え先生とは生徒がどんなに怖かったとしても悪意か敵意とかを持っちゃいけないのです!!先生はそんな先生を目指しているのです!!」
     
     上条は改めて思い知った。小萌先生という教師はこの何人いるかもわからないような学園都市の中で最も先生らしい先生であるということを……見た目を除いてだが。

    小萌「上条ちゃん、なんか知る失礼なことを考えてる気がするので一人だけ課題追加です」

    上条「やっあぱり不幸だぁ~!!」

     …どうやら最高の先生には隠し事はできないらしい。
  25. 25 : : 2014/05/03(土) 21:44:12
    上条って自分の理想を押し付けるよな
    ああ、そこに反対する八幡が見たい
  26. 26 : : 2014/05/04(日) 22:42:38
    投稿します。

    GWはゴールデンウィークじゃなくガッデムウィークであることを初めて知りました。

    上条VS比企谷の対決はもうしばらくお待ちください。
    口論対決、バトル対決と一応頭の中でイメージはできていますがまだその場面にいってはいないので…

    今回の投稿は一部ある作家さんの表現をまねています。
    訴えられたりなんかしませんよねえ…

    コメントありがとうございます。どんどん書いてください。励みになります。
  27. 27 : : 2014/05/04(日) 22:45:40
    第四話・比企谷八幡は少女と出会い、物語は進み出す。

    八幡「はぁ~」

    ??「バクバクムシャムシャガツガツ!!」

     ため息をすると幸せが逃げていくと言うが俺の場合はため息と同時に何か別のものまで出て行っている気がする。俺こと比企谷八幡は学生の聖地「サイゼ○ア学園都市店」で今日何度目になるかわからない無いため息をはく。
     
     日付と時間で表すなら金曜日の午前9時半。当たり前だが学生なら学校に登校して授業を受けている時間である。ならばなぜ俺はこんな場所で朝食をとっているのか?その理由は至極単純明解だ。

    ”寝坊して遅刻したの諦めたの”である。

     ………………いや、ちょっと待ってほしい。俺にだって弁解の余地くらい残っているはずだ。そもそもである。警察は事件が起こってからじゃないと何もしないし、ヒーローは誰かが助けを求めるまで出動しない。そう考えると逆説的に“遅れる”ということはむしろ正しいのではないか?いや違うか?違うな。

     っつうかむしろ遅刻している事なんてどうでもいい。むしろ俺のため息の原因は目の前で大食いグランプリで余裕で優勝できるレベルで大食いしている少女だ。何でこんな事になってるんだっ?ぼっちである俺が誰かと飯を食うなんて、しかも女と!これはもはやモテ期の到来なのか!?  

     いや待てオーケー。落ち着け。何でこんな事になったのか一から思い出して考えるんだ。そして素数を数えて落ち着くん

    だ……0って素数だっけ?

    ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


     1・朝起きたら9時 
       ↓
     2・どうやっても遅刻は避けられないので諦める
       ↓
     3・朝食を食べてないのを思い出し店に向かう
       ↓
     4・途中。行き倒れの「"白い”少女」を見つける
       ↓
     5・旅は道ずれ精神で一緒に食べるかと誘う
       ↓ 
     6・現在
     
    ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

     ……うん…5が悪かったね。つうか俺も駄目だな~。「“白い”○○」っていうのにどうも弱い。やっぱまだひきずってんのかね~。過去を思い出して思わず苦しくなる。

    ??「ねえ。どうかしたの?顔色がとっても悪くて目がすごく腐ってるんだよ?」

    八幡「顔色が悪いのはしょうがねえが、初対面で飯を奢ってやった人に対して腐ってるとか失礼じゃねえのか?」

    ??「はわわ…失礼しましたなんだよ。つい本当のことを口に出しちゃったんだよ」

    八幡「謝罪にもフォローにもなってんえよ…」
  28. 28 : : 2014/05/04(日) 22:47:09
    八幡「インデックス?目次?何それ完璧偽名じゃん」

    イン「正しくは Index-Librorum-Prohibitorumなんだよ。魔法名は「Dedicatus545(献身的な子羊は強者の知識を守る)」だよ」

     ようやく満足したのか食事をやめて話し合いに応じてくれた少女はどうやらシスターであるらしく。自己紹介をしてくれた。多少よくわからないところがあったがあえてスルー。

    八幡「ふぅ~んインデックスねえ。まあどうでもいいや」

    イン「どうでもいいってなに!?聞いてきたのはそっちなんだよ!?」

     ぼっちとは基本人の名前を覚えるのが苦手なのである。だいたい第一印象で覚えるか覚えないかを勝手に判断して。覚える必要がないならすぐに忘れる。慣れること、忘れること明日を生きていくための必要なたった二つのことである。

    イン「つまり私の名前は忘れるき満々ってこと!?あんまりなんだよ!」

    八幡「心の中を読むな。流石のシスター(笑)でもプライバシー保護法くらい知ってんだろう?」

     プライバシー保護法って超大切。決めた人マジ神。

    イン「(笑)ってなに!?ちゃんとシスターなんだよ!」

    八幡「七大罪の暴食をここまで再現している人間をシスターとはいえねえよ」

     サ○ゼで一人で万単位の食事をするようなやつをどうしてシスターと信じれるんだろう。…無理だろう。

    イン「…こっこれは違うんだよ!久しぶりのご飯だから食べ過ぎただけなんだよ。何時もはもっとおしとやかなんだよ!」

    八幡「何時でもどこでもおしとやなのがシスターじゃねえの?」

    イン「う~そ、それは…」

     流石にいじめすぎたか涙を浮かべそうな表情をし出す。そろそろやめるか…。べ、別に定員とかほかの客の目が怖くなったんじゃないんだからね。

    八幡「まああれだ、とりあえずお前がシスターかどうかは置いといて、大切なのは何でお前みたいなのが学園都市で腹減って倒れてたかが重要だ」

     「シスターなんだよ…」消えるような声で何か言っている気がするが話が進まないのでここもスルー。

    イン「……今から私が言うこと誰にも言わないでくれる?」

     意を決したのか先とは違い、まじめな顔をして聞いてきた。よかったようやくシリアスな展開に突入か。ぶっちゃけ今みたいなテンションで会話するのはぼっちの俺にはきつい。

    八幡「安心しろ。ぼっちな俺に会話する相手なんていねえよ」

    イン「それはそれでどうかと思うんだよ…」

     かわいそうなやつを見る目で見られた。
  29. 29 : : 2014/05/04(日) 22:49:23
    イン「私はね、追われてるんだよ」

    八幡「追われてる?お前みたいなのが?」

     思っていたより数倍悲惨な状況であったらしい。正直なところ食い逃げでもして逃げ回ってるくらいにしか思っていなかったのですこし驚いた。

    八幡「何したんだ?研究資料でも盗んだのか?」

     学園都市で追われるなんてそうそうあることではない。たいていの場合は治安維持である警備員に匿ってもらえばいい。それができないと考えると重要な物な研究資料を盗むことくらいだろう。となると追っているのは科学者かそれとも…

    イン「違うんだよ。私を追ってる連中は私の持ってる10万3000冊の魔道書が狙いの魔術師なんだよ」

     ずっこけた。椅子から冗談無く、ずっこけた。重要だから2回言ったよ。テストに出るよ。
     
    八幡「魔道書ねえ。何それ研究資料の名前?まさかそのまんま魔法のことが載った本な訳じゃないよな」

     椅子に座り直しながら言う。もしそうだとしたらあれだあれ、この子は中2病か頭の痛い子だ。見た目はまだ10代前半なので十分中2病である可能性は高い。

    イン「そうだんだよ。その理解で合ってるんだよ」

     ……どうやら中2病で頭の痛い子らしい。

    八幡「へぇーそっかそっか10万3000冊の魔道書ねえ、じゃあお前魔法とつかえんの?」

     こうゆうのはあれだ、あえて追求しない。こうゆうのは追求してはいけないことなのだ。もし追求なんかしたりしたら痕で痛い目を見る。主に俺が。過去の黒歴史を思い出すから。

    イン「私は魔法は使えないんだよ。魔力がないから…」

    八幡「それでそれで、なんでお前はその魔術師に追われてんの?」

     そんな魔道書があるにに魔法が使えないなんてゆう欠陥だらけの詐欺師のような設定もスルー。

    イン「だから私の持ってる魔道書が科学の町に住むあなたみたいな人には解らないくらい危険な物だからそれを独占しようとする悪い魔術師に追われてるんだよ。一冊一冊があなたたち風にいうなら核兵器?くらい危ないんだから」
     
    八幡「結構凝ってる設定だけどどうせならもう少しくらい頑張れよ。そんな欠陥だらけの設定じゃいつかぼろが出るぞ」

    イン「設定なんかじゃないんだよ!ちゃんと魔法も魔道書もあるんだよ!」

     しまった!ミスった!思わず口に出してしまった。せっかく今までスルーしてきたのにこれじゃ台無しだ。

    八幡「いや信じるって言う方が無理だろ。何それ”魔法はあるけど使えないよ”って。信憑性が皆無だよ皆無。それにここがどこだかお前知らないの?学園都市だよ学園都市。世界一科学が進んでる町。そんな町で魔法なんてオカルトチックな話を信じるなんて無理だろ」

     もうあれだ、どうせ言っちゃったなら思ったこと全部言っちゃおう。その方が楽だ。

    イン「魔法はあるもん…魔術師もいるもん…」ヒックヒック

     俯いて泣きそうになりながら魔法の存在を訴えるインデックス。女の子を泣かせた糞野郎というレッテルは欲しくはないし、過去に席替えで隣になった女の子を泣かせてしまってみんなの前で土下座した記憶がよみがえり、慰めようとする。

    八幡「まああれだ悪かった。ここの飯代はおごってやるしいざとなったら助けてやるから許してくれ」

     柄にもなく“助けてやる”なんて台詞を言う。本当なら飯代を奢った手前、このくらいの小言は許して欲しいのだがあえてそんなことは言わない。そんなにがめつい男ではないんだよ俺は。本当だよ、ハチマンウソツカナイ。

    イン「本当?本当に助けてくれるの?」

     インデックスの助けを求める顔が過去のある記憶と一致し思わず言いようもない感情が渦巻くが、それを堪えていう。

    八幡「あぁ…お前が助けを求めるならな」

     俺がそう言い終わった後のインデックスの表情は嬉しさと悲しさを混ぜた複雑な表情をしていた……
  30. 30 : : 2014/05/04(日) 22:50:59
    イン「ハチマンはいい人なんだね」

     その後しばらくして落ち着いたインデックスが唐突にそんなことを言う。俺がいい人?

    八幡「馬鹿言え、本当にいい人ならこんな時間に学校バックれて飯なんか食ってねえよ」

     時計を見るともう11字。店に来てから1時間以上たっているがこんだけ大量に注文したんだそれくらいは許して欲しい。

    イン「だけどいい人じゃないなら見ず知らずの人にご飯もくれないし助けてくれるなんて約束しないんだよ」

     微笑むと言うよりはニヤニヤという表現が合いそうな顔でたたみかけてくるインデックス。

    八幡「ちげえよ、ただの気まぐれだ。それにもしバックれで怒られても見ず知らずの人を助けてたって言えば多少は印象が違うんだよ」

    イン「でもあなたみたいな目をした人の言うことを信じる人なんかいるの?」

    八幡「限りなく失礼だなお前は」

     全く持って失礼だ。俺の言うことを信じてくれる人なんて二人もいるぞ二人。

    イン「ふ、二人しかいないんだね…」

     二人いればいい方だろう。自分を信じてくれる人間なんて。むしろ一人もいないよりはましである。

    イン「それもそうだね」
     
     ここはたいした論議もせずにこの会話は終了する。考えてみれば今のインデックスは追われている身?で信じてくれる人どころか味方すらいないらしい状況である。そんな状況なら俺のような人間がいい人に見えるのもうなずける。

    イン「ところで聞いときたいんだけど、助けてもらいながらで悪いんだけど何で助けてくれたのかな?」

    八幡「だから気まぐれって言ってんだろ、気まぐれって。さっきから何度も言わすな」

     何度目になるか解らない会話をする。インデックスを助けたのは本当にただの気まぐれなのだ。

    イン「嘘。だって私を助けてくれたとき目が腐ってなかったんだよ」

    八幡「俺の嘘をついてるときの判断基準は目の腐り度合いなのか…」

     本人の俺ですら初めて知ったよ。腐り度合いで嘘付いてるのかどうか解るなら今度からサングラスかカラーレンズの眼鏡を掛けなければ。

    イン「むぅ~嘘だったら嘘なんだよ。さっさと白状するんだよ、私はすべてを知っているんだよ」
     
     ほほを膨らませリスのような顔で引き下がらずに聞いてくる。つうかなんだよ「私」ってそこは「神」だろ。

    八幡「はぁ~~しょうがねえな。わかったよ降参だ降参。教えてやるよ。長えからちゃんと聞けよ。あと、誰にも教えんじゃねえぞ」

    イン「わかったんだよ。神に誓うかも」

     これ以上戯れ言を述べてもこいつは納得しないだろう。ならば真実を教えて大人しくしてもらうのが得策だ。それにこいつに話したところで別に問題はないからな。

     そして俺は誰にも語ることがないと思っていた物語を語り出す
  31. 31 : : 2014/05/04(日) 22:55:27
    八幡「俺はな学園都市に自分で入ってきたんじゃねえんだよ拾って貰ったんだ、要するに孤児だ孤児。

      「まあ別にそれに関しちゃなんも思ってないけどな、会ったことも見たこともない両親なんて恨みようがないしな。

      「それでガキの頃から施設に預けられて過ごしてたわけだ。

      「似たような境遇のやつが何人もいたお陰で別に寂しくはなかったんだぜ、その頃は俺もまだぼっちじゃなかったし。
     
      「嘘とか言うなよ。んで、まあまあ楽しい施設暮らしをしてたんだけど、一定の年齢を超えると能力開発すんだよ

      「そこで能力者の開発の研究をさせられて見事俺は能力が発現したわけだ

      「能力が発現した子供はほかの施設に預けられて能力の調整と強化をさせられる

      「辛かったぜ~。最初は一緒に施設から来たやつとかと遊べたりしたのに途中から能力調整の邪魔になるって理由で孤立させられるんだ。

      「この頃からほぼぼっちの仲間入りだな。

      「おめでとうじゃねえ。そんで、施設から預けられて一年くらいたった頃かな~。
     
      「一人の新入りが来た。

      「一言で言うと真っ白なやつだった。

      「肌とか髪とかがもうシルクかよっ!ってくらいに白くて、目だけが真っ赤だった。

      「兎みたい?まあ兎みたいといえば兎みたいだったな。まあ最初はみんな珍しがって能力調整の間とかに喋りに行って仲良くしてたんだよ。

      「けどあるときを境にその態度が豹変した

      「特殊な物を排除しよう。むかつく物を消そう。調子のってるやつを馬鹿にしようっていうようになったんだ。

      「要するにイジメだよ。

      「寝ても起きても能力調整の日々でみんなストレスが貯まってたんだろな。

      「10歳以下の子供のイジメって結構悪質なんだぜ。無視したり殴ったり蹴ったりは当たり前。それで大人が近くにいるときだけいい子ぶる。大人は子供の遊びだって気にもとめない。

      「やられるほうはたまったもんじゃねえけどな。

      「助けも呼べない。そもそも助けがない。

      「しょうがないよな、そもそもいる人間全員が他人だし。

      「でも、その頃の俺はもう超いいやつでな。そいつを助けにいったわけだ。

      「だから嘘じゃねえって本当だって。それに助けたっていっても別にいじめてるやつをぶっ飛ばしたわけなんかじゃない。

      「ただ話し相手になっただけだ。

      「これが結構救われるんだよいじめられてるやつからすればな。

      「誰も味方がいない。そんな中一人だけ自分をわかってくれる人がいる。

      「シスター風に言うなら懺悔を聞く?てのに似てるな。

      「え、違うの?まあいいや。それでなんやかんやあって俺とそいつは友達になったわけだ。

      「まあ俺も被害を受けたけどな。イジメを庇うやつってのはいじめの対象に自分もなるって事だ。

      「別にそれについちゃあ辛くはなかったな。一人でいじめられるのと二人でいじめられるのは全然違う。

      「“支え”があるんだよ。自分は一人じゃないって言う支えがな。

      「それで友達になって少しはましになってイジメも落ち着いた頃事件が起きた。

      「そいつが少しの間ほかの施設に行ったんだ。

      「するとどうだ、落ち着いたはずの火が燃え上がってまたイジメが始まる。
     
      「“俺”に対するな。

      「あいつと“二人”なら耐えられた。だけど違った。俺は“一人”だった。

      「結果なすすべ無くボコられたり色々されてな。もう散々だった。

      「だけど俺は耐えられた。”あいつがきっと帰ってくる”って信じてたから。

      「そしてあいつが帰ってきた。

      「あいつもいった施設でイジメを受けてたみたいでな。しょぼくれて帰ってきた。

      「だから俺は言ったんだ「おかえり」って。

      「ズタボロの体でな。
  32. 32 : : 2014/05/04(日) 22:56:25

      「俺はあいつと違ってそんなにいい成績?いやこの場合は研究成果か?残せなかったからイジメを訴えても科学者たちはなんもしてくんなかった。

      「その結果がズタボロだ。

      「俺は別によかったんだ。怪我なんてすぐ治るしどうってこと無かった。そんなことより嬉しかった。

      「あいつがちゃんと帰ってきたことが。

      「帰ってこなかったらどうなってたのかな?自殺してたかもしんねえ。

      「だけどあいつは許せなかった。

      「自惚れかもしれないけどあいつにとって俺は大切な人間であり”友達”だった。

      「だからあいつは”キレた”。

      「プッツンてな。

      「次の瞬間にはもうなんもなくなってた。

      「?ん?比喩じゃねえよリアルになんもなくなった。

      「人間以上の衝撃には唖然とするしかねえってことを初めて知ったわ。

      「ンで、しばらくたって状況を把握すると酷かったもんだぜ。

      「まず最初に目に飛び込んだのは瓦礫の山だ。施設のだろうな。

      「次に聞こえたのは悲鳴だな。キャーとか言ってた気がする。

      「最後に見えたのがあいつだった。俺をいじめてたやつと施設の瓦礫の山の上に立ってた。

      「泣いてたよ。あいつは。
      
      「そのときのあいつの顔だけは今もしっかりと覚えてる。

      「多分俺ごとやっちまったんだと思ったんだろ。

      「わんわん泣いてたよ。人と瓦礫の山の上でな。

      「俺は奇跡的に生きてた。元々しょぼっちかった能力をとっさに何とか使ってな。

      「すぐ駆けつけてやりたかった。俺は生きてるってな。

      「だけどできなかった。

      「元々いじめられて体はぼろぼろだったし、そこになんとか能力を使ったが瓦礫のダメージだ。

      「動けなかったんだよ。

      「だったら声を出せばよかっただろう?

      「それもできなかった。

      「声が出なかったんだよ。これは別にダメージとかじゃなかった。

      「怖かったんだよ、あいつが。

      「俺は声も出せず動くこともできず、泣いているあいつを見ていることしかできなかった。

      「俺とあいつ以外にも何人か生きてたみたいだけど誰も何もできなかった。

      「それからしばらくすると救助隊と科学者たちが来た。

      「科学者たちはあいつを、救助隊はあいつ以外のやつをそれぞれ連れて行った。
      
      「それであいつと俺は別れた。

      「ようは見捨てたんだよ俺は。怖かったってだけで友達を。

      「それからは普通に暮らした。

      「普通に学校に行って普通に生活した。ぼっちだったけどな。

      「だけどあいつのことだけは忘れられなかった。

      「今でも覚えてる。

      「それからの俺は“白”って付く物を見るたびあいつのことを思い出して罪悪感にさいなまれた。

      「俺が救えるはずだった、俺が助けられるはずだった。

      「“白”が付く物すべてがあいつに見えるから“白”って付く物すべてに対して優しく接するようになった。

      「ようするにお前を助けたのはお前が“白い”修道服を着てたからだよ。

      「なんの変哲もないちんけな理由さ。

      「ただの罪悪感からくる罪滅ぼしにもならない馬鹿な行為だよ。

      「これがお前を助けた理由だ」
       
     そして俺は誰にも語らなかった物語を語り終えた。
  33. 33 : : 2014/05/04(日) 22:58:48
    八幡「どうだ?馬鹿な理由だろ。笑ってくれてい…い……ぜ?」

     流石に10代前半の女の子には重い話かと思って軽口を交えてっ話しかける。するとインデックスは涙を流していた。

    イン「ヒッグ…ヒッグ…。全然馬鹿な理由なんかじゃないんだよ」

    八幡「ど…どうした?そんなに重かったか?」

     女の子の泣き顔なんか久しぶりに見るので対処に困る。そもそも俺には女の子を泣かせたときの対処法は土下座しかないのだ。

    イン「ヒッグ…。重くなかった訳じゃないけどわかったんだよ。ハチマンが優しい理由が」

     今の話から俺のどこが優しいとわかるんだろう?友達を見捨てた人間である俺のどこがやさいんだろう?

    イン「そこなんだよ。ハチマンが優しい理由は」
       
    八幡「そこ?そこってどこ?」

     マジでわからねえ…俺の優しいところ?そんなところがあったらそれを全力でアピールするぞ俺は。戸塚に。

    イン「ハチマンはどんなときでも無意識に自分を悪役にしてるんだよ?例え相手が悪いときでも自分を悪く言って相手のことを守ってるんだよ?そんな自分を犠牲に相手を守ることができる人が優しい人じゃ無いわけがないんだよ」

    八幡「っつう!!」

     思わず俺も涙が出そうになる。俺ですら知らない俺を理解してくれる。それだけで心がいっぱいになる。いつ以来だろうこんなに嬉しいのは。

    イン「ふふっ。ハチマン顔が真っ赤かも」

    八幡「うるせえ。黙ってろ」

     恥ずかしくて顔が真っ赤になっていたらしい。照れ隠しのようにぶっきらぼうに言い放つ。やばい駄目だ、このままこい

    つと一緒にいると多分泣く。嬉しくて泣く。なんとかしようと考えると携帯が鳴り出す。表示されている画面を見ずに通話を始める。

    八幡「~あもしもし俺だ。誰だ?」

    ??「誰だ?じゃないよ八幡!僕だよ一体どうしたの?学校に来てないんでしょ?何かあったの?!」

    八幡「と、戸塚ぁ!?」

     なぜ戸塚から?そう考え始める俺にインデックスが聞いてくる。

    イン「ねえハチマン。戸塚って誰なんだよ?」

    八幡「うるせえな。天使だよ。天使!!」

     例えインデックスだろうと総理大臣だろうと戸塚とのトーキングタイムを邪魔することは許さん!

    戸塚「天使?何言ってるの八幡?」

    八幡「何でもない何でもない!気にするな。それに別に何もないぞ、ただ寝坊して学校に行くのが怠くなっただけだ」

    戸塚「よかった~。八幡が何か事件に巻き込まれたんじゃないかって心配してたんだからね」

     天使(戸塚)に心配して貰えただと…?もう今日この日を戸塚記念日にしていいんじゃないか?急いで政治家に掛け合わなければ。

    八幡「心配してくれてありがとうな。大丈夫だ。今から行くよ」

     戸塚に心配して貰った以上ぐずぐずはしてはいられない。急いでの学校に向かわなければ。

    イン「きゅ、急にどうしたんだよ!?っていうか天使って何?学園都市にも天使がいるの?」

    八幡「戸塚はなぁ。学園都市どころか世界の天使なんだよ。大天使トツカエルをしらんのか?」

    イン「聞いたこともないんだよ。聖書にも載っていないような天使がいるの!?」

     戸塚が聖書に載っていない?そんなことはあるはずがない。そんな聖書は偽物だ。だから新しくトツカエル教を作って聖書を作り直そう。

    八幡「悪いなイノケンティウス急用ができた。これでさよならだ」

    イン「イノケンティウスって何!?私の名前はインデックスなんだよ!」

    八幡「悪かった悪かったインデックス…わざとだ」 

    イン「わざと!?なおさら酷いんだよ!」

     奥歯をきらきらさせてインデックスが吠える。しかし今の俺にインデックスにかまっている余裕はない。

    八幡「心配すんな、ちゃんとここの飯代は奢っといてやるから。それからこれ俺の家の簡単な地図な。渡しとくからなんか会ったらこいよ」
     
     俺が住んでいる寮の場所と何号室かを書いた紙をインデックスに渡し伝票を持って立ち上がる。
     
    イン「うぅ~なんかよくわかんないけどわかったんだよ。またねハチマン!」

    八幡「おう、縁があったらまたな」

     そう言って俺はサ○ゼを飛び出しインデックスと別れた。次に会うときどんなことになるのかも知らずに…
  34. 34 : : 2014/05/09(金) 20:54:17

    投稿します.

    今回はあんまし話は進みませんが次回からはバトルが始まるのでご了承ください。

    学校が始まったので書くペースが最初より遅くなるとは思いますがよろしくお願いします。
  35. 35 : : 2014/05/09(金) 20:56:45

    第5話・幻想殺し。

     カリカリカリ……。ペラ…ペラ……。

    部室に入るオレンジの太陽光と色濃くできた影から今が放課後ということがわかる。

     上条当麻が奉仕部に仮入部して早1ヶ月。部室内では何時もどおりの光景が広がっていた。

     上条当麻は課題や宿題をこなしながら勉強をし。

     雪ノ下雪乃は読書をしながらたまに上条の勉強にアドバイスを出し。

     比企谷八幡は居ない…。

    上条「いやちょっと待って!待ちなさい!待ってください三段活用!!今のモノローグなんかおかしい所がありましたことですよ!」

    雪乃「静かにしなさい騒音条君。何もおかしな所なんて無かったわ、むしろおかしいのは今あなたが解いている問題よ.
    そこはx=1でx=3ではないのだけれど。これくらい中学生でもできるわよ」

    上条「な、何!?そんな馬鹿な…あ、本当だありがとうございます」

     カリカリカリ…ペラ…ペラ……。そしてまた静寂が訪れ…

    上条「だから待ってくださいって!上条さんや雪ノ下先輩はいいとしてなぜに比企谷先輩のモノローグは”比企谷八幡は居ない…。”なのでせうか!?」

     なかった。

    雪乃「はぁ、どうせあの男ならどこにいても居ないようなものだから別にいいのよ。おおかた今日の遅刻とまた変な作文
    でも書いて呼び出されてるんでしょう」

     「何時ものことよ…」と吐き捨てて雪ノ下は読書に戻る。確かに比企谷はこうしてしょっちゅう呼び出しをくらい部室
    に来るのが遅れることがある。

     一度、呼び出された原因である雪ノ下先輩曰く”変な作文”を見せて貰ったが。なんで「学園都市の能力者の役割」というテーマの作文を結論として“リア充は滅びろ”とか”専業主婦に俺はなる!”などになるんだろう?

    上条「ん?そういえば比企谷先輩が呼び出しくらうのは何時ものことですけど。どうして遅刻してるって事を知ってるん
    せうか?雪ノ下先輩と比企谷先輩は違うクラスでしたね?」

     上条がもっともなことを質問する。なぜ雪ノ下は違うクラスの比企谷の遅刻を知っているのだろう?

    雪乃「そ、そんなこと別にどうでもいいでしょう。別に私があの男のことを気に掛けているとか心配しているというわけ
    ではないのよ。ただ別に、そう誠に遺憾ながらあの男はこの部活の部員であり私は部長なのだから遅刻したかどうかなん
    てすぐにわかるのよ。決してあの男に発信器をつけているとか言うわけではなくて彼が何か問題を起こしたときすぐに対
    処できるよう彼の動向を把握しているだけなの」

     具体的になぜ遅刻しているという事実を知っているのかと言うことには答えていないし発信器などというおかしな単語

    も出てきているが上条にとっては。「へえ~部活動の部長ってすごいんだなあ~」位にしか伝わっていない。
  36. 36 : : 2014/05/09(金) 21:00:47

    なんかうまく投稿できない!?

    切り取りで貼り付けて投稿してるのでやり直しができないので読みにくいでしょうが勘弁してください。

  37. 37 : : 2014/05/09(金) 21:02:47

    上条「あ、そういえば雪ノ下先輩は比企谷先輩の噂とかって知ってるんでせうか?」

     集中が途切れたのか唐突に上条が雪ノ下に質問をする。

    雪乃「あの男に噂?他人に認識されることがまずないあの男に噂なんて物が存在するの?」

    上条「………」

     何とも悲しいことを言われているが事実なのでフォローのしようがない。下手にフォローしようとするとかえって傷つ
    けかねないので青ピや土御門と話しあって知った噂を話してみる。




  38. 38 : : 2014/05/09(金) 21:02:55
    雪乃「あの男がLV5の第六位?そんなわけ無いでしょう。噂は噂でしかないようね彼の能力は私が見たことあるから間違い

    ないわ。確かにLV3クラス念動力だったわよ。ほかのどれもこれもまともな噂はないわね」

     どうやらこれで比企谷先輩がLV5だとういう噂が嘘であることがわかった。

    雪乃「まあ、あの男がゾンビだという噂については本当だとしかいえないのだけれど」

    上条「………………」

     確かに上条は比企谷の噂で「ゾンビみたいな目を持つ男」とは言ったがゾンビとは言っていない。

    雪乃「ゾンビ谷君のことは置いといて勉強を再開しなさい上条君。このままだと上条ではなくて留年条になってしまうわ

    よ」

    八幡「誰がゾンビ谷だって?それに雪ノ下、そいつはもう上条じゃないぞ留年条で合ってる」

     奉仕部のドアを開けようやく比企谷が来た。

    上条「まだ俺は上条です!留年条じゃありません!!」

    八幡「いや今呼び出し食らったとき偶然ほかの先生の話を聞いちまって上条の留年が決まったことを知っちまったんだ」

    上条「な、なんだと…?もうすぐ夏休みだというのにもう留年が決まってしまったのか…?ここに入部してからは成績も

    ちゃんと上がってるし不幸な目にも遭いにくくなってるのに…」

    雪乃「落ち着きなさい上条君。普通に考えて一学期のこの時期に留年が決定する事なんてないし、上条君が留年すると言

    うことはつまり私が依頼を失敗したと言うことになるわ。私が依頼を失敗することなどあり得ないのだからそこの男が言

    っていることは嘘よ」

     たいした自信である。自分に絶対の自信がなかったらこんな台詞は言えない。

    上条「ほ、本当でせうか?本当に嘘なのでせうか?」

    八幡「あぁ、嘘だよ。至極残念だがお前はまだ留年条じゃない上条だよ。俺は別に職員室じゃお前の話なんか聞いちゃいない」

     うっしゃーよかったー!と言って騒ぎ出す上条。比企谷に嘘をつかれたことに関してはどうでもいいらしい。自分が留

    年しないという事実を知ったのでもう嬉しくなったのだろう思いっきり騒いでいる。

    雪乃「冗談でもそんなこというのはやめなさい嘘つき谷君。世の中には言っていい冗談といけない冗談があるのよ?}

    八幡「じゃあ知ってるか雪ノ下。世の中にはいっていいことと悪いことがあるんだぜ?お前が俺に言ってることは言って

    悪いことの部類に入るんじゃないか?」

    雪乃「私が言っているのは悪いことではなくて真実だけよ。真実を述べる分には何も問題なんて無いわ」

    八幡「さいですか…」
  39. 39 : : 2014/05/09(金) 21:05:40


    雪乃「ところで遅刻谷君。どうして今日は遅刻したのかしら?理由を言いなさい罵倒してあげるから」

    八幡「何で罵倒されることを前提に理由を言わなきゃならねえんだ?黙秘に期まってんだろ黙秘」

    別に俺はMではない。ある特殊な性癖を持つような人間と違ってノーマルなのだ。

    雪乃「おかしいわね。そこのM条君は私に罵倒されると肩を振るわせて喜ぶのだけれど…」

    上条「別に上条さんは喜んでなんかいません!至って普通なnomalなのです!ただ雪ノ先輩に罵倒に反論する言葉が思いつかなくて悲しくて震えてるんです!」

    八幡「”r”が抜けてるぞ”r”が。お前ほんとに高校生かよ?それなら雪ノ下、上条を思う存分罵倒してやれ、上条は喜ぶし俺は助かるし一石二鳥だぞ」

     Mなんかじゃないもん…といって上条はいじけ始めてしまう。

    雪乃「話がそれたわ、結局どうして遅刻したのかしら?何かいえないようなことでも…。いえ、言わなくていいわ、今すぐアンチスキルに通報をするから」

    八幡「そっちから聞いてきて勝手に自己完結して通報だとかお前何様だよ?道ばたで腹減りで倒れてたガキに飯を奢ってやってたら遅刻したんだよ」

     寝坊したことはあえて言わずその後の出来事だけを要点だけとって説明する。嘘はつくひつようがないため本当のことを言う。

    雪乃「何様と言われれば雪ノ下様よ。あなたが見ず知らずの人間に、しかも子供に何かを奢るなんてあるはずがないじゃない。いえ…違うわね。その恩を逆手に取ってその子の親から何かをせびったりするつもりなのでしょう?やっぱりここはアンチスキルに通報を…」

     本当に通報しそうになったので能力を使って雪ノ下の手元から携帯をとる。咄嗟のことで何が起きたのかわかっていない雪ノ下だが比企谷が自分の携帯をとったのだと状況を把握するとすぐさま臨戦態勢に入る。

    雪乃「比企谷君今すぐ私の携帯を返しなさい。さもなくばこの学校でゾンビの凍傷死体かできるのだけれど」

     雪ノ下の体からすさまじい冷気が放出される。雪ノ下の能力である「温度操作」が発動した。基本「温度操作」という能

    力は触れた物の温度を操作し、暖めたり冷やしたりする能力だが最高上昇温度5000度。最低下降温度-200度を扱う雪ノ下は物に触れずとも空気中の水分や浮遊物を利用して能力を発動させることができる。

     空気中の水分を氷結させダイヤモンドダストのような現象を起こし雪ノ下を中心として部室が凍っていく。水分ならま

    だしも部室といった物が凍るのはおかしいだろう。しかしー200度まで温度を操れる雪ノ下にとっては水分以外の物を凍らせるなど朝飯前だ。

    八幡「待った!降参だ!携帯は返す!だから命だけは!!…」

     比企谷が雪ノ下に携帯を投げ返し命乞いを始めたとたん


     パキィィーーーーン!!



     部室内を包んでいた冷気が消滅し、凍っていた椅子や机などが元に戻った。

    雪乃・八幡「「!!??」」

     最初に驚いたのは雪ノ下。自分の能力が一瞬にして解除されたという点に驚きを隠し得ない。次に驚くのは比企谷。今まさに自分を凍てつかせようと迫ってきた冷気が突如消えたことに安堵と同時に驚愕する。

    上条「あれ?なんか打ち消してしまったタイプですかせうか?」

     静寂に包まれる部室で声を発したのはいじけて座り込んでいた上条だった。


  40. 40 : : 2014/05/09(金) 21:09:58


    驚愕し、固まっていた二人は同時に声の発信源である彼を見る。

    八幡「…今のお前がやったのか?」

    雪乃「”打ち消した”って言ったわね。それがあなたの能力なのかしら?」

    上条「いやぁ…。能力と言いますかなんと言いますか…」

     上条は煮え切らない態度で言葉を濁そうとする。

    八幡「………」

     突如、比企谷が自らの能力を使い上条の頭の上まで机を持ち上げて能力を解除し落下させた。重力に従いそれはまっすぐ上条に向かって落ちていく。

    上条「っつう!!」

     間一髪立ち上がり、床を転げ回ることでそれを回避する上条。直後。激しい音を立てて机が床と衝突し破損した。

    上条「いきなりなにすんだ!」

     何時もなら年上に対しては基本敬語を使う上条だが、自分が攻撃されたとなってはそんなことも言ってられない。叫ぶように比企谷に向かっていく。

    雪乃「落ち着きなさい上条君」

     今度は落ち着けと言いながら雪ノ下が上条に向かって足下を凍らせると同時に空気中の浮遊物を加熱することで発生した炎を上条めがけて発動する。

    上条「っつう!!…オラァ!」

     足下が凍り付いているとわかった途端。その床に右手を当てることで床の凍結を無効化し滑ることを防ぎ、次いで自分めがけて飛んでくる炎を床に付いた右手を支点に回転してよけた後、またも右手で触り打ち消す。
     
    上条「一体何するんでせうか!?雪ノ下先輩も比企谷先輩も!危うく上条さんは大怪我するとこでしたことですよ!」

     炎を打ち消した後、体制を立て直し自分に向かい能力を発動した二人に向かって吠える。しかし、二人は上条の訴えなどどこ吹く風で。

    雪乃「私の能力を二つとも打ち消した?というところを見ると能力無効化の能力で間違いないようね。演算を妨害された

    ような感覚もないしほぼ間違いないでしょう」

    八幡「なおかつその無効化の能力はお前が触れた物、しかも右手限定で打ち消すことができる。能力による二次被害は無効化できないところを見ると本当に打ち消すだけなんだな」

     どうやら今の攻撃は上条の能力を解析するためにしてきたらしい。上条自身としては大怪我するかもしれなかったとい
    う問題があるが。二人にとってはそんなことどうでもいいようだ。

    上条「ちょっとお二方!冷静に解析なんてしてないで上条さんの話も聞いて!聞きなさい!聞いてください三段活用!何でいきなりこんなバイオレンスな事が起きたのか説明を要求します!」

    八幡「ブツブツ……あ、ああ悪かった。今度マッ缶奢るから許せ」

    雪乃「能力阻害?…言え違うわね。阻害および妨害の形跡はない。となると一体?…ブツブツ…。ああ、ごめんなさい上
    条君。今度私の代わりにこの男が何かごちそうするから許して頂戴」

     二人にとっては上条に攻撃したことはもはや過去のことになっているらしく上条の能力の解析に夢中になっていたようだ。

    八幡「おいちょっと待て雪ノ下。何で俺がお前の分まで上条に飯を奢らなきゃならないんだ?」

    雪乃「あら別にいいじゃない。どうせあなたのことだから漫画やゲームを買ったりすることくらいにしかお金を使わないでしょう?だったら恵まれない後輩にお情けをあげることくらいできるんじゃなくて?それに、部長の責任とは本来部員がとる物なのよ。とういわけで上条君にご飯を奢ってあげなさい」

     滅茶苦茶理論がここに完成した。部長に限らず自分の責任は自分でとる物だろう。

    上条「え?比企谷先輩が飯を覆ってくれるんでせうか?」

     上条にとっても先ほどのことはもはやどうでもいいらしくご飯を奢ってもらえるという点に対して過剰に反応する。

    八幡「お前こそ待て上条。今さりげなく雪ノ下がお前のことを蔑んだのが分かんないのか?それに俺が奢るのはマッ缶だけだ飯は奢らん」

     比企谷が奢られて嬉しい物ランキングナンバー1位は“マッ缶”なのだ。なので他人に何か恩があるときはとりあえずマッ缶を奢る。

    雪乃「ケチケチするんじゃないわよケチヶ谷君。それに別にあなた戸塚君以外に物を恵んでもらった事なんて無いじゃない」

    八幡「心の中ならまだしも地の文まで読むなよ雪ノ下。それに俺は戸塚から奢って貰ったマッ缶の缶なら全部家にとってあるんだぞ?」

    雪乃「そんなことは聞いてないのだけれど…」

    上条「とりあえずそれは捨てた方がいいんじゃないでしょうか?汚いし…」

    八幡「テメェコラ上条。戸塚からのもらい物で汚い物なんて無いんだよ。表出ろ、そして家にこいや、戸塚のすばらしさ
    を3日かけて語ってやるぜ」

     一応とっといてある缶はすべて綺麗に洗って保管してある。なので汚くはない。

  41. 41 : : 2014/05/09(金) 21:10:55

    上条「え~わたくしめの能力は”幻想殺し”といいまして右手で触れた異能の力なら何であれ問答無用で打ち消します、はい」
  42. 42 : : 2014/05/09(金) 21:16:53
    三者が少しして落ち着いた後上条自身による能力の説明が始まる。

    八幡「”幻想殺し”ねえ…初めて聞く能力だなあ。もしかして原石か?」

     世の中には学園都市製でない能力、つまり天然の能力者が存在する。そのことを総称して「原石」という。

    雪乃「おそらく原石でしょうね。そんな対能力者用みたいな能力聞いたことがないもの」

    上条「俺自身も詳しくはわからないんだけど多分原石で間違いないと思います。まあ、消すだけの能力なんでシステムスキャンじゃいつもLV0判定なんでせうけどね。能力の効果についてのいろいろは先輩たちの推測で合ってることですよ」
     
    腐ってもLV3の能力者。当たり前にこの高校最強のLV4の能力者。たったあれだけの検証で上条の能力を当ててしまった。そしえここからさらなる解析が始ま…

    八幡「ふーん。世の中にはいろんな能力者が居るんだなぁ…。ま、いっか」

    雪乃「ま。いいわね」

     …んなかった。

    上条「えぇー!?。先輩方もうちょっとこの議論を深めないんでせうか!?ちょっと期待してたんでせうけど」

    上条としては自分でもよく理解していないこの能力についてもしかしたらという願いもあったのだが。帰ってきた二人の返答は予想の斜め上を行く味気ない物だった。

    雪乃「使用者である上条君がわからないならほかの誰にもわからないんだからいいのよ」

    八幡「右に同じく」

    天然の能力だろうが学園都市製の能力だろうが使用者本人が理解していないならほかの誰にも理解できない。雪ノ下の指摘はもっともな物であった。

    上条「そんな~。じゃあせめて今日の夕飯だけでも恵んでくださいよ~」

    雪乃「よかったわね上条君。ちょうどここに夕飯を恵んでくれる腐ったゾンビがいるわよ」

    八幡「俺は飯を恵んでやるなんて一言もいってないし、腐ったゾンビになんか飯を恵んで貰いたいような変人なんかいねえよ」

    上条「はい!ここにいます!」

    八幡「なんでお前はそんなハイテンションなんだよ…」 

    上条「実は昨日の落雷で冷蔵庫か駄目になっちゃって中の物全滅してしちまったんですよ。仕送りも当分先なんで恵んで貰えると嬉しいかな~なんて…」

    ちなみに昨日の落雷。上条がどっか電撃姫とおっかけっこした事による被害で自業自得なのだがそこはあえて伏せておく。

    雪乃「そういえば昨日合ったわね落雷。上条君の所に落ちたの?」

    上条「正確には俺の住んでるとこの寮の近くに落ちたんですけど、不幸にも俺の部屋んとこだけ電気が通らなくなっちゃんたんです」

    八幡「そいつは何とも不幸だな…」

    雪乃「なんというかその…ご愁傷様」

     同情されてしまった。不幸に関しては何時ものことだがそこに食料が絡むと倍くらい不幸な感じがする。

    八幡「はぁ~わかったよ。今日の晩飯くらい奢ってやるよ、それでさっきのことはチャラだからな」

     どうやら比企谷は押しに弱いらしい。新事実発覚だ。

    上条「流石比企谷先輩!奢るなんて俺が使うことがないような言葉を平然と言ってのける!そこにしびれる!憧れるぅ~!」

    八幡「JOJOネタかよ…。うまくねえからやめろ気色悪い」

    雪乃「JOJOネタ?なにかしらそれは?聞いたことがないのだけれど?」

     雪ノ下はどうやらJOJOがわからないようだ。雪ノ下もJOJOを読めば黄金の精神を会得して少しは優しくなるのだろうか?いや、きっとならないだろう。っか無理だろう。

    雪乃「何かしら。今すごく失礼なことを言われた気がするのだけれど…」

     やはり雪ノ下は温度操作ではなく読心術系の能力ではないのだろうか?

     その後、なんやかんやあって結果比企谷家の夕飯に上条が招かれることになった。
















































  43. 43 : : 2014/05/09(金) 21:18:51
    ↑の空きはミスです

    すいません今回の投降はなんだか失敗ばっかりです。

    次回はこんな事が起きないように頑張ります。
  44. 44 : : 2014/05/11(日) 19:25:15
    続きを

  45. 45 : : 2014/05/12(月) 21:18:46
    すいません部活が思ったより忙しくて書き上がりません。

    今書き上がった文を投稿しても中途半端なので投稿できません。

    日曜日には投稿したいので待っていてください。
  46. 46 : : 2014/05/15(木) 12:25:35
    至極勝手ではありますが、書きためが消滅したことによるやる気消失と、リアルの忙しさが笑えないことびより投稿を終了します。

    読んででいただいていた方々には誠に申し訳ありませんがこれにて終了します。

    ありがとうございました。
  47. 47 : : 2014/05/16(金) 05:39:31
    中途半端な上に、学力の低さがちらついて苛立つ
  48. 48 : : 2015/01/29(木) 21:00:47
    書ける人がいたら続きを書いておいてください。
  49. 49 : : 2015/02/03(火) 22:37:32
          
  50. 50 : : 2015/02/12(木) 16:30:11
    誰か続きを書いてください。
  51. 51 : : 2016/01/08(金) 17:44:47
    おもしろかったです。
    素晴らしい作品ありがとうございました(^ ^)

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