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空舞う道化-黒 【56話ネタバレ有】
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                  - 1 : : 2014/04/18(金) 13:54:45
- 56話を妄想・考察した小説シリーズ「空舞う道化」の2作目です。
 
 
 タイトルにもありますが、56話のネタバレにとにかく注意です。
 
 「黒」は、「白」と同じ時間軸ですが、ある部分が決定的に違ってます。
 
 更新遅いかもですが、よろしくお願いします!
 
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                  - 2 : : 2014/04/18(金) 13:56:18
- 木の下に佇むリヴァイの頬を、風が掠める。
 空を見上げれば、フードで隠していた顔に、木漏れ日が当たる。
 長閑な風景とは裏腹に、現実は残酷で、切迫している。
 エレンとヒストリア、リーブス達はそろそろ連中と接触したはずだ。
 そうなれば、リーブス達の仕事は終わりだ。
 ここからは、俺が引き継ぐ。
 森の中を高速で移動していると、倒れているリーブスが見えた。
 少し高度を下げ、生体反応を見る。
 死んでいる。
 やはりか。
 これといって感じるものはない。
 今まで、死体など飽きるほど見てきた。
 だが、それは別にリーブスの命を軽く見ているわけではない。むしろ、リーブスのような人間がこんなところで命を落とすのは惜しい、と思う。
 しかし、仕方が無いのだ。
 生きるとは、戦うとは、世界とはそういうものだ。
 リーブス……お前は最後まで立派だった。
 やるべき仕事を、その命と引き換えにやり遂げた。
 本人には届かないとわかっているが、追悼のつもりで呟く。
 ここからは俺が引き受けよう。
 エレンとヒストリアを親父に引き渡すという仕事を。
 馬車にエレンとヒストリアが乗せられるのを確認して、馬車のすぐ側に降り立つ。
 何年ぶりかに会う。
 少し、老けたような気がする。
 「久しぶりだな、リヴァイ」
 「上手く行ったようだな」
 「ああ。お前が、連中を上手く操ってくれたおかげだ」
 「そうか」
 そう答えて目を伏せたリヴァイの頬に、アッカーマン隊長の手が触れる。
 「どうした?浮かない顔だが?」
 「リーブスは、いい奴だった。正しい奴だったかは知らないが……自分の考えを持った人間だった」
 「リヴァイ、お前は優しいな。俺には無い部分だから、亡くなった母さんに貰った感情なのかもしれないが」
 「……これが、正しいんだな?」
 「ああ、これが正しい。リヴァイ、これがお前の運命だ」
 「了解だ……」
 馬車の中に入ると、エレンとヒストリアが拘束されて座っている。
 口を閉じられないような口枷を嵌められたせいで、2人とも、飲み込めない唾液が垂れてしまっている。
 少しかわいそうではあるが、まぁ、これくらい徹底してちょうどいいか。
 汚ねえけどな……。
 エレンの傍の席に座り、ため息をついた。
 馬車の扉が開いて、親父の仲間達が乗り込んでくる。
 声は一切出さず、唇だけを動かして会話する。
 
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                  - 3 : : 2014/04/18(金) 13:56:52
 『おかえりなさい、リヴァイ坊っちゃま』
 『坊っちゃまはやめろ…リヴァイでいい』
 『お父様が、あなたのことは誇りだと仰っていました…』
 『…そうか』
 再び扉が開いて、親父が乗って来る。
 頷いて、御者に指示を出す。
 動き出した馬車の中で、俺はぼんやりと考え事をしていた。
 側にいた白服の女性の手が、目の前に差し出される。
 手の平には、小さな焼き菓子が乗っていた。
 潔癖な俺の性格を知ってか、白いハンカチを敷いている。
 『お父様からです』
 驚いて親父の方を見ると、こちらを見て微笑んでいる。
 『昔、好きだっただろう』
 『もうガキじゃねえんだ……』
 そう答えながらも、口に運ぶ。
 懐かしい味だ。
 訓練の後の、親父と一緒にこの茶菓子と紅茶を一緒に楽しむ時間が、一日で一番好きな時間だった。
 「紅茶」と「茶菓子」、親父と俺。
 リーブスと、その息子のフレーゲルの姿が浮かぶ。
 彼らにも、そんな風に過ごした幸せな時間があったのだろうか。
 待てよ。
 さっきの遺体の中に、フレーゲルの遺体はあったか?
 あんな未熟者が生き残るわけがないと思っていたが、まさか…。
 『親父』
 親父が不思議そうにこちらを見る。
 『連中は何人だった?』
 『3人だ』
 やはりそうか。
 『親父、しくじったな』
 親父の目が鋭くなる。
 『一匹、逃がしたぞ』
 俺の言葉を裏付けるように、突然、馬車の窓に矢が当たってガラスが飛び散る。
 矢はエレンの傍の床に刺さる。
 「おおっ!窓に当たったぞ!」
 「ちょっとサシャ!エレンに当たったらどうするつもり…!!」
 「ミカサの言う通りだ!ったくお前は…」
 「エレンは回復するからいいけど…ヒストリアに当たって何かあったら大変だよ!」
 「おい…アルミン…お前意外に酷いな…」
 割れた窓ガラスの向こうから、聞こえて来る声。
 あいつら……。
 『どうする?』
 俺の問いに、親父はにやりと笑う。
 『対人制圧部隊の出番だ』
 アッカーマンの言葉を聞いたリヴァイの眼に、影が差す。
 ******
 
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                  - 4 : : 2014/04/20(日) 16:03:50
- おお…これはこれは…期待ですな…
 
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                  - 5 : : 2014/04/20(日) 16:24:05
- もう期待しかないです!
 
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                  - 6 : : 2014/04/20(日) 17:03:25
 馬車の中からアッカーマン達が飛び出す。
 「出て来た…4人か……」
 「立体機動装置を着けてますね……」
 「そりゃ、『憲兵』なんだから、装置くらい使えんだろ…」
 「あいつらがエレンを…!!削いでやる……っ!!」
 「ミカサ、あくまでも僕達の作戦はエレンとヒストリアの奪還と、行方不明の兵長の安否確認だ……作戦の本質を見失わないでね…?」
 「ええ……わかってる……!!」
 馬車の外で激しく斬り合う音がする。
 この様子では、ニファ達は来ていないようだ。
 もしニファ達だったら、尾行に徹しているはずだからだ。
 さてはこいつら、勝手に来たな……。
 大方、フレーゲルから色々聞いたんだろう。
 ったく、あれだけ上官の指示には従えと言ったのに………あの奇行種共が…これじゃ、俺達の計画もエルヴィンの計画も滅茶苦茶になるじゃねぇか………今度、徹底的に躾てやろうか……
 そこまで考えて、思わず笑ってしまった。
 『今度』など、もう無いのだ。
 もう、上官ですらない。
 彼らにとって、今の俺はただの裏切り者だ。
 ミカサは、喜ぶだろうな。
 俺を削ぐ、まっとうな理由が出来たんだからな。
 ミカサ・アッカーマンか……。
 最初、名字を聞いた時は凍りついたが……なるほど、最初からこうなる運命だったのかもしれない。
 馬車の外では相変わらず金属音が鳴りやまない。
 善戦しているようだが、恐らくあいつらに勝ち目は無い。
 ミカサがいくら強いと言っても、所詮は経験の浅いガキだ。
 しかも、アルミンに戦闘は期待できないし、コニーやサシャ、ジャンも凡人の域を出ない。
 くそ…早く諦めて戻れ……。
 親父達がどう思っているかは知らないが、俺としては、まだ未来のあるあいつらをこんなところで無駄死にさせたくない。
 とはいえ、親父達が顔を見られた相手を生かしておくとは考えにくいが……。
 
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                  - 7 : : 2014/04/20(日) 17:03:50
 その時、窓を破って人が飛び込んできた。
 元々抜いていた剣を突きつけようとして、やめた。
 『親父……』
 「リヴァイ、お前の仲間が随分としつこく追いかけて来る。さすが調査兵団だな」
 声を出さずに話した俺に対して、声をはっきりと出して親父が答える。
 それに合わせ、俺も声を出す。
 「あぁ……特に、あいつらは俺の班員だからな……簡単には殺れねぇだろ…」
 「よく教育が行き届いている…さすが、俺の息子だ……お前は、ただ強いだけではなく、後進を育てるのも一流だな」
 親父、何を考えている?
 俺は、エレン達を助けに来て拉致された、という体で、エレン達を従わせる役を担う予定だったはずだ。
 今、エレンとヒストリアの耳は塞いでいない。
 ここで声を聞かれたら、万が一エレン達が逃げた場合、俺の裏切りがばれてしまう。
 しかも、親子だということまで…。
 「ああ、本当に……お前だけでも先に捕まえておいてよかったよ」
 その言葉と同時に、容赦ない蹴りが腹に入る。
 「がっ!!!」
 本当なら後ろに吹っ飛んだだろうが、襟首を同時に掴まれ、その場に崩れ落ちる。
 続けざまに、顔に数発拳が飛んでくる。
 「ぐぁっ………っ……うっ……っ……っ………ぁっ……」
 1撃目はまともに食らってしまったが、2発目以降は、ダメージをうまく逃がすよう受け身を取る。
 鼻血は出ていないようだが、口の中は切ってしまったらしく、口の端に血が伝う。
 「どうやったのか知らないが、嵌めておいたはずの猿轡も外れてやがるし……全く、油断も隙もならん奴だ……」
 腕を後ろに回され、音を立てずに手錠がつけられる。
 脚にも鎖が繋がれた。
 手足をもぞもぞと動かして、違和感に気付く。
 ちっ、親父、そういうことかよ……。
 前髪を掴んで乱暴に引き起こされ、うっ、と呻き声が口を突く。
 無理やり親父の顔を見させられる。
 「お前を人質にしたら、あいつらは大人しく退くか?」
 「退かねえだろ……むしろ、遠慮なくお前らごと俺を削いでくる野郎が約1名居るからな……仮にも俺を息子と思ってんなら、この状態であの黒髪根暗女の前にだけは出さないで欲しいもんだ…」
 「は、育てるのは上手いが懐かせるのは下手だったか……お前らしいな……」
 「うるせぇな…てめぇに似たん…!!」
 親父が脚を振り上げているのが目に映り、慌てて口を噤む。
 話している時に蹴られると、舌を噛む恐れがあるからだ。
 生憎、オルオのような強靱な舌は持ち合わせていない。
 すかさず、背中に3発蹴りが入り、跪くような姿勢になる。
 肩を踏みつけられ、ぐぅ、と声が漏れる。
 関節が外れたらどうするんだクソ親父…。
 内心悪態をつきながらも、審議所でエレンをボコボコにしたツケが回ってきたか、と笑いたくなる。
 親父がナイフを取り出し、俺のベルトをブチブチと切っていく。
 身に着けていた装置がベルトごと外れる。
 これで俺も、拉致された人間の一人にしか見えないはずだ。
 
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                  - 8 : : 2014/04/20(日) 17:04:53
 肩を踏みつけられた状態で、視線だけを窓の外に向けると、ちょうどミカサと目が合う。
 『来い』
 そう合図すると、ミカサは破れた窓から馬車の中に入ってきた。
 俺には目もくれず、あいつがこの世で最も愛しいと思っている人間の元へ直進する。
 「エレン!!」
 ミカサがエレンに手を伸ばした瞬間、親父が剣を振り抜いた。ミカサは慌てて下がる。
 肩を踏みつける脚が外れたのを感じて、俺は静かに身を起こす。
 思い切り手を広げると、細工の施された鎖は容易く切れた。
 「ミカサ、お前はエレンを!!」
 言われずとも、という表情でミカサはエレンに再び向かう。
 親父はそれを余裕の表情で防ぐ。
 「くそ…どけ……エレンを返せ…!!」
 ミカサの鋭い眼を見て、親父がにやりと笑う。
 その一瞬の隙を突いて、俺は手加減せずに思い切り親父の脚を蹴る。
 「っぐ……」
 痛そうにしているが、さっきのお返しだ、我慢しろ。
 「ミカサ、早くしろ!」
 そう叫んだ瞬間、親父がエレンの脚に手錠を掛け、それを自分の手に繋ぐのが見えた。
 これでは、エレン奪還は不可能だ。
 親父が懐に手を入れる。
 銃を抜く気か。
 「ミカサ、逃げるぞ!」
 親父が蹲っている間に片手でヒストリアを抱きかかえる。
 ところが、ミカサはエレンを置いて逃げる気は無いらしい。
 仕方なく、もう片方の手でミカサの襟首を引っ張り、思い切って馬車から飛び降りる。
 ヒストリアをしっかりと抱いたまま地面を転がり、暫くして止まる。
 ゆっくりと身を起こし、目の前のヒストリアの目隠しと口枷を外してやる。
 「ヒストリア、怪我はないか」
 「は、はい……兵長は、平気ですか…!?」
 「ああ……体は頑丈な方だ……」
 体中傷だらけで痛むが、どれも浅い。
 俺のすぐ傍に着地したミカサは、遠ざかっていく馬車に向かって飛ぼうとする。
 慌ててマフラーを掴んで引き止める。
 「放してください…!!エレンが……」
 「ダメだ、深追いするな……女型の時に学んだだろう……!!」
 『女型』、という言葉に、ミカサが大人しくなる。
 そこに、アルミン達が走って来た。
 「兵長!」
 「指示を……!!」
 これだけ勝手に動いておいて、何が「指示を……!!」だ。
 だが、今はとにかく時間が惜しい。
 「……とりあえず、ずらかるぞ…馬はあるか?」
 「はい、サシャが連れています!」
 「よし、行くぞ…」
 「……待ってください、エレンは…!?」
 虚ろな眼をしたミカサが叫ぶ。
 「…あいつらは、エレンを殺す気はないようだ。このまま泳がせて、ロッド・レイスの所まで案内してもらう」
 「殺す気はないようだ、って…そんな確証、どこにあるんですか?」
 「冷静になれ…殺すつもりならとっくに殺されてるはずだろうが。…いいか、冷静になれないんなら、黙って従え…時間がねぇって言ってんだろ…!!」
 サシャの馬にヒストリアと共に跨がる。
 
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                  - 9 : : 2014/04/20(日) 17:05:19
 森の中を駆けて行く。
 頭上を、ミカサ達が立体機動で移動していく。
 ヒストリアは、馬を駆る俺の背中にしがみついている。
 「兵長、さっき、あの人…兵長のことを息子って……」
 ヒストリアが怯えた目で聞いてくる。
 やはり、聞かれていたか。
 「ああ、気に喰わねぇが、あいつは俺の父親だ……恐らく、お互いに家族とは思っていないがな……ったくあの野郎、都合のいい時だけ父親面しやがる…」
 「……兵長も、本当の名前、隠してたんですね」
 「…ああ、そうだ。お前と同じだ。俺にも、捨てたい過去がある……だが、誰が何と言おうと、俺は俺だ。俺の生き方は俺が決める」
 ヒストリアは、一瞬何かを思い出したような顔をしてから、目を見開いて、頷いた。
 「私、きちんと女王役を務めます…拐われて、わかりました…あんな人達に、権力を持たせてはいけない、って…」
 「……あぁ、そうだな。俺も…お前達を命懸けで守る。お前達がどこに行こうと、必ず探し出して、守ってみせる」
 ヒストリアが、俺に初めて笑顔を見せた。
 104期の間で「天使」と呼ばれていた所以が、少しわかったような気がした。
 ***
 
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                  - 10 : : 2014/04/20(日) 17:05:48
 隠れ家に着くと、まさに出掛けようとしているニファ達とぶつかった。
 「あなた達…!!こんな大変な時に、一体どこに…!!…って、兵長!?どうされたんですか…その傷…!?それに手足に鎖が……」
 「色々あってな……移動しながら話す。とにかく、エルヴィンの作戦は白紙になった。ヒストリアは奪還したが、エレンは未だ敵の手中にある。」
 「なっ………そ、そうですか……あの、この子達は……」
 「ああ、こいつらは独断で動きやがった…こうして俺たちの指示に背いてくれたおかげで、あっちもこっちも計画が滅茶苦茶だ……ったく、どうしてくれるんだ、このクソガキ共……」
 「計画…?」
 「向こうは奇襲を掛けられるとは思っていなかったらしい……随分慌てていたよ……フレーゲルの生存に加え、ヒストリアと俺が逃げ出したのは、間違いなくあいつらの想定外の出来事だったはずだ」
 「へへ……」
 コニーが嬉しそうに頭を掻いている。
 なるほど、こいつらは状況が全く分かっていない。
 その甘い思考を打ち砕くべく、話を続ける。
 「だが……おかげで、エルヴィンが立てた当初の計画は水の泡だ。親父が敵と知って、俺も拉致されることで敵側に潜り込もうと思っていたのに…お前らは……」
 「す、すいません……」
 全員が項垂れる。
 全く、良くも悪くも本当に素直な連中だ。
 「…こうなっちまった以上、今更文句を言っても仕方がねぇ…エルヴィン達と合流するぞ」
 「…はい…!!」
 ガキ共相手なら、この程度の演技でも簡単に騙せる。
 アルミンが気づかないか心配だったが、この様子だと、一応は信じているようだ。
 ここまでは、とりあえず計画通り、か……。
 あとは、エルヴィン達だな……。
 ***
 
- 
                  - 11 : : 2014/04/20(日) 17:06:27
 ニファ達と合流した俺達は、そのまま別の隠れ家に移動した。
 エルヴィン達も遅れて到着し、すぐに情報の共有が行われた。
 「情報を整理すると…リヴァイの親父さんが敵で、リヴァイも拉致されかけたけどヒストリアを奪還した、と……リヴァイ、名字あったんだ?」
 「それは、今はどうでもいいだろうが……」
 「リヴァイの言う通りだ。無論、大変気になるがな…何せ、ミカサの名字と『偶然』同じだからな……」
 「…ちっ……また、落ち着いたら話す……俺にとっても、あまりいい思い出じゃねぇんだよ…」
 「まぁ、実の息子をこんだけボコボコにするんだもん、仲が良いとは思えないよねぇ」
 「痛っ……触んな、クソメガネ…」
 「触らなきゃ手当できないでしょー。ホラ、ちょっとしみるけど効く薬だから、我慢我慢」
 ハンジが楽しそうに傷口に薬を塗る。
 ハンジのことだ、薬に変なものが入っていないか、かなり心配だが…今は気にしている場合ではない。
 はぁ、と深くため息をついていると、ドアをノックする音が響いた。
 「失礼します」
 モブリットとミカサが入って来る。
 「1時間ほど前、エレン達を載せていると思われる馬車がシーナに近い町で目撃されたそうです。今、3班が尾行しています」
 「そうか…よし、すぐに、我々も動くぞ。ハンジ、準備を」
 「うん!」
 救急箱を持ったハンジが立ち上がったのに合わせて、俺も立ち上がる。
 「待て、リヴァイ。お前はここで待機だ」
 予想外のエルヴィンの言葉に、ばっ、と振り返る。
 いつも通りの冷静な表情がこちらを見ている。
 「あ?……エルヴィン、お前何言ってる?」
 「お前は動くな、と言っているんだ」
 「…傷を気遣ってるのか、親父とのことを気遣ってるのかは知らねぇが…余計なお世話だ。親父は俺が殺す。これは、俺の戦いだ…それに、こうなったのは俺の班のせいだ…その責任は俺にある」
 「…どうしても、行きたいんだな」
 「ああ。行かせてほしい……ダメか?」
 かなり長い沈黙の後、エルヴィンがそれを破った。
 「…わかった。リヴァイにも行ってもらう」
 エルヴィンの返答を聞いて、安堵のため息をつく。
 ここで待機させられてしまったら、作戦どころではない。
 周りが忙しく出発の準備を始める中で、自分の装備の点検をしながら作戦を反芻する。
 ヒストリアは、この隠れ家に着いてすぐにどこかに隠されてしまったが、俺ならその場所を知ることも許されるだろう。
 ヒストリアの居場所を聞き出し、身柄を拘束したら、エルヴィンとハンジを始末して親父の下に向かう。
 
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                  - 12 : : 2014/04/20(日) 17:07:08
 俺の名は、リヴァイ・アッカーマン。
 現在中央第1憲兵の隊長を務める男を父親に持ち、幼少の頃から戦う術を叩き込まれ、彼の跡継ぎとして育てられた。
 今から10年以上前、いつか下されるであろう任務のためにアッカーマン姓を捨て、王都の地下街にやって来た。
 それからは、ゴロツキとして気ままに暮らしていた。
 一応任務を与えられるのを待つ身ではあったが、俺にとっては、人生で初めて得た自由な時間だった。
 無論、気ままと言っても、毎日、いや、毎秒毎秒が命懸けの、危険で荒んだ生活だったが…それ故に、仲間という存在を得ることが出来た。
 アッカーマン家では、心のどこかではいつも孤独で、「戦うこと」、突き詰めれば「殺すこと」ばかりを極めていた。
 そんな俺が、「守ること」を学んだのは、紛れもなく地下街に居た時だ。
 そして、ついにその時がやって来たかに見えた。
 ニコラス・ロヴォフ。
 彼の言う「ある人物」からの指令。
 その意味を、俺は仲間に言えなかった。
 自分だけが背負えばいいと思ったからだ。
 だが、賢く冷静でありながら強い野心を燃やすファーランを、純粋で自由に憧れる心優しいイザベルを、結局は巻き込んでしまった。
 地下に居た頃は、他の誰でもない、本当の自分としていられた時だったが、同時に、人生で一番弱かった時でもあった。
 仲間を失い、任務にも失敗し、調査兵としても残酷な現実を知って、ただ、後悔だけが残って。
 もう何もかもが終わったと思ったのに、あいつだけは違った。
 エルヴィン。
 お前が、俺を生き返らせたんだ。
 「リヴァイ・アッカーマン」として。
 俺が全てを失ったと感じた、あの地獄のような壁外調査で、俺は調査兵団内の厚い信頼と実力者としての地位を勝ち得た。
 これを利用しない手はなかった。
 調査兵として生きながら、再び任務を与えられる時を待つ。
 そういう運命なのだと思った。
 地下に居た頃と同じ繰り返しのようだったが、その実は酷い矛盾を孕んだ日々だった。
 もちろん、見た目にはとても充実していた。
 アッカーマン家で学んだ技術で巨人を殺し、地下で知ったように仲間を守る。
 これまで学んできたことが、自分の中で調和した、生き生きとした時間だった。
 
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                  - 13 : : 2014/04/20(日) 17:07:26
 だが、内面は不調和の塊だった。
 巨人を殺せば殺すほど、兵団内での地位は上がり仲間の信頼も厚くなる。
 「リヴァイ・アッカーマン」として任務をこなすのに完璧な環境が整っていく。
 その一方で、仲間を守れば守るほど絆は深まり、「リヴァイ兵士長」が大切になっていく。
 地下に居た頃のように、ただの「リヴァイ」で居たい、と何度も思った。
 5年前、超大型巨人の出現により壁が破壊された影響か、任務はずっと凍結されたままだった。
 下手に長引いたせいで、随分と演技のうまい道化になってしまった。
 だが。
 調査兵団が王に背くことを決めた瞬間に、俺の中でも、「リヴァイ兵士長」の仮面を外すことが決まった。
 その最初の仕事が、これだ。
 『エレン・イェーガーとヒストリアと共に拉致されたふりをし、2人を王都まで護送せよ』
 それは、エルヴィンとハンジが予想外の動きをしたことで、『2人の暗殺とヒストリアの拉致』に書き換えられたが、今となってはもう迷いはなかった。
 俺は、リヴァイ・アッカーマンだ。
 
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                  - 14 : : 2014/04/20(日) 17:08:19
 自分に言い聞かせるように、頭を整理していると、エルヴィンが俺の名を呼んだ。
 「何だ」
 そう答えた俺の喉元に、冷たいものがあてがわれる。
 これは一体どういう状況だ?
 そう、混乱する自分と。
 ばれたか。
 と、おどけてみせる自分が居る。
 首筋に剣が突きつけられている。
 それを片手で握りしめているのはエルヴィンだ。
 「リヴァイ、動くな」
 エルヴィンの目はどこまでも冷ややかだ。
 ハンジも、ミカサ達も同じように剣を構えている。
 流石だ、エルヴィン。
 全てお見通しと言うわけか。
 だが、すぐに命を奪わないということは、まだ確信があるわけではないのだろう…いや、違うか、俺の持つ情報が欲しいのか。
 まぁ、どっちだっていい。
 俺は「演技」を続ける。
 「何だ、エルヴィン……俺の体に、お前の父親を殺した連中と同じ血が流れてると知って急に憎くなったか?」
 「いや…人の生まれは気にしない性格だ」
 「だろうな。じゃあ何だ、今まで親父のことを言わないで来たことを怒ってんのか?」
 「…それは少しある。重要なことだ…何故話してくれなかった?」
 「そりゃ、言ったらこうなるからだろうが…俺の親父達はお前らから憎まれるようなことを沢山やってるからな……まぁ、まさか剣を突きつけられるとは思わなかったが…」
 「今、こうしているのは、お前の親ではなく、お前自身の行動に対してなのだが……それにしても、信頼できなかったか。私達は…」
 「さぁな………ただ、お前が一番良く分かっているだろうが、俺はもともと、好きで兵団に入ったわけじゃない……だから、忠誠心は無ぇよ。あるのは、ただ人類の為に、という気持ちだけだ」
 「人類の為に、か……ならば何故我々に背く?お前は、王政の方が正しいと考えるのか?」
 「だから、俺はお前達の……」
 「下手な芝居はもうやめろ、リヴァイ・アッカーマン」
 何を言われようと、味方のふりをし続けようと思っていたのに。
 エルヴィンがその名を口にした途端、俺の中で、「リヴァイ兵士長」の仮面は砕け散った。
 もう、舞台も台本も滅茶苦茶だ。
 ここに来て、筋書きが次々と狂っていく。
 なら、好き勝手に踊ってやろう。
 このふざけた劇に、幕が降りるまで。
 「…俺は、王政を守る」
 はっきりと言い切った俺を、エルヴィンが苦しそうに見る。
 だが、すぐに鋭い眼に戻り、詰問する。
 「それは何故だ?教えて欲しい…いや、教えろ…その理由が妥当なものなら、我々だってすぐにでもこんな茶番は終わらせたいのだから…!!」
 エルヴィンの表情は必死そのものだ。
 真っ直ぐな奴。
 お前はいつだって正しいよ。
 何故だろう、胸に熱いものが込み上げてくる。
 
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                  - 15 : : 2014/04/20(日) 17:08:49
 「エルヴィン……俺はな……お前の、」
 言葉に詰まった俺は、エルヴィンの顔を真っ直ぐ見据える。
 「お前の、そういうところが大っ嫌いなんだよ!!!!」
 普段、滅多に感情を表に出さないリヴァイの怒鳴り声に、ハンジですらも驚いた。
 一度叫んでしまえば、あとは吐き出すだけだ。
 穴が開いた水筒から水が流れ出すように、自分でも意識していなかった思いが言葉になっていく。
 「お前は……俺を何だと思ってやがる……何の感情も持たない兵器とでも思ってんのか……悪いがな、俺はお前ほど人間が出来ちゃいねぇんだよ………俺が、自分の意志で制御できんのは肉体だけだ、心じゃねぇ……巨人や人や痛みや表情は殺せても、自分の感情までは殺せねぇんだよ…本当の俺は…どっちつかずで…不完全なんだよ……お前、頭いいんだから…いい加減わかれよ…!!この馬鹿野郎が……!!」
 最後はもう聞き取れないくらい、声が震えていた。
 今抱きしめられたら、そのまま泣いてしまうかもしれないくらい、心が激しい感情の波に揺れていた。
 「す、すまない…そんなつもりは……」
 動揺したのはエルヴィンも同じらしく、珍しく慌てている。
 リヴァイの独白は止まらない。
 「俺だってわかってんだよ……正しいのはお前らの方だ。王政は自分達のことしか考えていない。こうしている今だって、飢え死ぬ連中は溢れるほど居るのに、連中は『真実』を隠すことに夢中だ……そんなこと、お前らよりもずっと前から知ってる……けど………俺は、俺はリヴァイ・アッカーマンなんだよ。王政を守り、秘密を守り、人類を守るために生まれてきたんだ。エレンが巨人化能力者として生きるように、ヒストリアがレイス家の末裔として生きるように、俺もまた、この運命から逃げられない」
 黙って聞いていたハンジが口を挟む。
 「何だよそれ………リヴァイ、親父さんが大切なのはわかるよ…けど、冷静になりなよ……このままだと、間違いなく人類は絶滅する。巨人によって……そうしたら、親父さんだって、あんただって死ぬ。どっちが本当に親父さんのためになるか、あんたならわかるだろ…ねぇ、エルヴィンも何か言ってよ…!」
 「……それも承知の上で、それでも王政を選ぶということか?リヴァイ」
 リヴァイは、こくりと頷く。
 「そうだ……」
 
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                  - 16 : : 2014/04/20(日) 17:09:57
 その言葉に、ハンジは泣きそうな顔をする。
 それと対照的なのがミカサだった。
 「団長、これ以上の話し合いは不毛かと思います……兵長は……いえ、この男は、エレンがどこに向かい、どうなるか知っています……すぐにでも捕えて情報を聞き出すべきです……」
 ハンジがミカサの言葉に、絶望的な表情を浮かべる。
 「ミカサ……もう少し、もう少し待ってくれ…まだ…きっと、話せばわかるはずなんだ……リヴァイ、頼むから私達にあなたを斬らせないでよ……」
 「しつこいぞ、クソメガネ……それより…おい、ミカサ……てめぇ、俺に聞かなくていいのか?アッカーマンという名が、何を意味するのか」
 ミカサが一瞬目を見開く。が、すぐに憎しみのこもった目に戻る。
 「聞く必要はない……お前とは違う……私は自由だ…私はエレンが居れば何でもできる」
 エレンが居れば、か。
 悪くない答えだ。
 「…そうか。ならいい………さぁ、来いよ、ミカサ。お前、審議所でのことをまだ引き摺っているんだろう?今なら、合法的に俺を削げる上に、裏切り者を処刑した英雄になれる…」
 「リヴァイ…!!お前はどうしてそうやって、自分を追い詰めるんだ……!?」
 「事実を述べたまでだ……こっちもそろそろ時間が無ぇ……お喋りは終わりだ、エルヴィン……」
 リヴァイは素早く抜刀する。
 そのまま剣先でエルヴィンの剣を払って、数歩後ろに下がって距離を取る。
 流れるような鮮やかな動き。
 それを見た、リヴァイを包囲する一同に、緊張が走る。
 「リヴァイ、ここから逃げられると思っているのか?」
 「もちろんだ。必要なら、あの世にだって逃げてやる」
 自決を仄めかすリヴァイの言葉に、エルヴィンの表情が凍りつく。
 「そうはさせるか…!!」
 双眸に強い光を宿したエルヴィンの剣を、躱す。
 「兵士長…!!」
 青ざめた表情のモブリットの剣を、弾く。
 「リヴァイ!!!あんたは…っ!!!」
 ゴーグルの中を水浸しにしているハンジの剣を、受け流す。
 「この…裏切り者…!!」
 憎しみと、ほんの少しの悲しみを湛えた瞳で叫ぶミカサの剣を、受け止める。
 なぁ、お前達。
 死んで、俺達が行くところには…きっとそこには壁も巨人も王政も無いだろ。
 きっと、そこでは俺はただのリヴァイだろ。
 その時はよろしく頼む。
 だから、その時まではさよならだ。
 俺は、ゆっくりと目を見開く。
 3秒後、「4体の標的」に向かって、俺は剣を手に、走り出した。
 (完)
 
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                  - 17 : : 2014/04/20(日) 17:11:19
 【あとがき】
 最後までお読みくださり、ありがとうございました。
 56話以降の物語の妄想小説、「空舞う道化」の第2作目、「黒」は以上で完結となります。
 「黒」では、兵長はアッカーマン隊長の実子で、完全に隊長側の人間、という設定です。
 前半部分では、「役者」な兵長をイメージしています。
 隊長との関係も決して悪くはなく、普通の親子として描きました。
 兵長って、とにかく「特殊」なイメージがありますが、「自分は異常だ」と認識できる程度には普通(?)の人間ですよね。
 完全に頭のネジが飛んだキチガイではないし、かといって普通の平凡な育ち方はしていない。
 だから、課せられた使命や、人の死を多く見てきた生い立ちなどが異常な分、家族関係は普通で、常識や人間らしさはここで養われた、ということにしました。
 ちなみにお母様に関しては妄想が膨らみまくってやばいのですが、話の展開をブレさせたくないので「亡くなった」ということにさせて戴きました。
 「母さん、俺、今日父さんに褒められたよ!」なショタ兵長、「お袋、止めないでくれ!」な反抗期兵長、「お袋……俺は……」な三十路兵長、ただひたすら見たい、愛でたい、抱きしめた(規制
 リヴァイ班のメンバーが独断で動くのは、地味にアリかな、と思っています。
 56話の、ヒストリア説得(恐喝?)のシーンで、104期のメンバーは多少なりとも兵長のやり方に抵抗を感じているのではないか、と思いました。
 その直前にも、リーブス達には「信頼」といいながら「俺の班には言い忘れていた」、など、104期の若い皆には、兵長の意図がわからない、いわば「女型と追いかけっこの時のエレン」状態に陥っても仕方が無いような言動がみられますしね。
 アルミンはどちらかというと調査兵団の考え方、突き詰めていえば団長の考え方に近いところがあるので、全力で止めそうですが……。
 兵長に一旦兵団に帰還するルートを辿ってもらいたいのもあって、こういう展開にしてみました。
 隊長の兵長プチリンチ事件は、審議所でのエレンリンチと重ねています。
 これも、「役者」な兵長と隊長の一面を際立たせたくて入れました。
 兵長の過去回想シーンは、是非とも原作で来てほしいところです!
 ショタでなくてもいい……若ヴァイでもゴロツキヴァイでも新兵ヴァイでも何でもいいんで入れて欲しいですね。
 後半部分は、「役者」を通り越して、自分を自分でも見失いつつある哀れな「道化」な兵長をイメージしてます。
 地下街時代に関しては、「白」と重複するのですが、悔いなき選択の最新話に出てきた「ある人物」について触れました。
 今回は隊長のつもりで書いてます。
 ライナーとちょっと被るかな、と思いつつも、2重生活に苦しむ兵長の葛藤を勝手に妄想して織り込みました。
 
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                  - 18 : : 2014/04/20(日) 17:12:16
 兵長の独白部分、ここはすごく悩みました。
 何の迷いもなく、王政を守ることを信じる兵長もアリかな、とは思いましたが……。
 ただ、ほんの少しだけ弱い所を見せて、それでも王政を守ることを選ぶ、という方が、人間らしい面が描けるかな、と思いました。
 諌山先生の、兵長の細やかな表情の付け方を拝見する限りでは、兵団に対して何の感情も湧かないような、無感動な人間には見えないので……。
 そうした一面は、前半部分の、亡くなったリーブス、囚われたエレン・ヒストリア、そしてリヴァイ班の戦闘を見守る兵長の心境にも少し出してみました。
 団長に向かって、「お前のそういうところが大嫌いだ!」って、一回は言って欲しかっただけだという泪飴の思惑もありますが(殴
 この部分で、完全に「人類最強のリヴァイ兵士長」の仮面を外した、という表現ができれば、と思いました。
 壁の中の空気はドブだと言い切り、巨人に喰われる地獄よりは人が殺し合う地獄を選ぶ、と語る兵長は、本当に人類の為に心臓を捧げているのだと思います、いや思いたい(汗
 その思いの熱さは、兵長がどんな「役」を選択しようと、変わらないと思います。
 ただ、それ故に、一度決意した兵長は、兵団にとっては最大の脅威ですね。
 一度決断したら、どこまでもやり抜きそうですから……。
 もし、原作に、兵長裏切り展開が来るなら、かなり厳しい展開になることは間違いなしだということを、改めて強く感じました><
 そういう展開が来てしまった場合は、MMD作れるお方に、是非とも「兵長と調査兵団生存組でうそつき」なる動画を作って戴きたい所存でございまs(蹴
 あと、私は兵長と隊長の関係に重点を置きがちなんですが、ミカサちゃんと兵長・隊長の関係はかなり謎ですよね。
 わからないのではぐらかしてしまいましたが←
 私なりに考えているのは、ミカサのお父さんは隊長・兵長の親戚で、家を抜け出して来たのではないか、というものです。
 最初は、貴重な東洋人の血を保護するために、任務を帯びてミカサ母に近づいたのではないか、と思ったのですが、幼エレン・ミカサが倒せる程度の悪漢に、ああも簡単に殺されてしまったところを見ると、そうは思えず……。
 逆に、ミカサのお母さんの方がアッカーマン家の養子とかで、幼ヒストリアのように雲隠れ中だった、というのも考えたんですが…うーん、わからない笑
 そして、最後の終わり方、あんな感じですいません。
 決着が着くパターンを色々考えたんですが、どのルートにしても、書いてて辛くなる展開になってしまって(汗)
 そのうち、良いエンドを思いついたら加筆するかもしれません←
 さて、次が、「空舞う道化」シリーズ最後の作品です。
 タイトルを明かしてしまうと、「灰」になります。
 察しの良い方は、「灰」というタイトルから、なんとなく展開が分かってしまうかもしれませんが…笑
 相変わらずの亀更新ですが、お許しください。
 貴重な時間を割き、最後までお読み下さいまして、本当にありがとうございました。
 
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                  - 19 : : 2014/04/23(水) 07:35:48
- 良かったです。仲間ってやはり大切ですね!
 
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                空舞う道化 シリーズ 
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