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幸せを掴めると信じる兵士達の幸福※リヴァイ班

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  1. 1 : : 2014/04/05(土) 23:57:49
    リヴァイ班の皆が希望に燃えている話

    花言葉…キショウブ【幸せをつかむ、信じる者の幸福、私は燃えている、友情】をお題にしました。


  2. 2 : : 2014/04/05(土) 23:58:24
    期待♪
  3. 3 : : 2014/04/05(土) 23:59:55
    >>2
    syo-loveさん!
    期待コールありがとうございます!
    明日から…進行しますww
  4. 4 : : 2014/04/06(日) 00:57:30




    ある少女は、尊敬の眼差しで人類最強を眺めた。

    ある青年は、決意したように人類最強を見つめた。

    ある男性は、幸せへの期待を人類最強から見出した。

    ある青年は、信頼を胸に人類最強の背中に続いた。



  5. 5 : : 2014/04/06(日) 00:58:07
    あ、ログイン忘れた。失敬!
  6. 6 : : 2014/04/06(日) 08:40:15
    お!?期待!!
    あ、私も言ってくだされば、花言葉探しますよ!!
  7. 7 : : 2014/04/06(日) 12:23:26
    ありがとう!マイエンジェル!
    できれば次回作の花を決めてほしい!!もう知っているやつがなくて…(>o<)
    そのときはよろしくです!(^_^)ゞ
  8. 8 : : 2014/04/06(日) 12:44:20
    >>7
    誰を中心にして、どんな話にしますか?
    それによって、花決めます♪
  9. 9 : : 2014/04/06(日) 14:42:26
    今考えているのはエルヴィンか、エレンを中心に考えてます!
    アルアニも捨てがたい!
  10. 10 : : 2014/04/06(日) 14:44:12

    それは晴天のある日の日常と、若き頃の記憶のお話。


    口笛を吹きながらグンタは、窓の外で故郷からの手紙を眺めるエルドを見つけた。

    「お~い、エルド!何にやにやしてんだよ!まさか噂の美人な恋人さんか…?お熱いねぇ!」

    「ばっ…か野郎!そんなんじゃねぇよ!」

    頬を赤く染めた友人に、グンタは苦笑した。

    「嘘をつけ、丸分かりだっつーの!」

    グンタの言葉にエルドは照臭げに頭を掻いて、グンタのいる窓に近づいた。

    「顔、にやけているか?」

    「ばっちり」

    ニカッと笑う目の前の男にエルドは溜め息をついた。

    手に握りしめてある手紙の折り目から、押し花にされた黄色い花が覗いている。

    「なんだ?ソレ…?」

    「あぁ…恋人が贈ってくれたんだ。お前たちと兵長の話をしたら…俺達はこの花のようだってな」

    「夫婦揃ってロマンチックだねぇ…」

    「夫婦じゃねぇよ…まだ、…な//」

    「はいはい…で?なんて花なんだ?…ソレは、」

    「これか?…これの名前は…」

  11. 11 : : 2014/04/06(日) 14:49:24

    「エルド~!グンタ~!」

    部屋へと勢いよく入ってくる可愛らしい声によって、エルドの声はかき消されてしまう。

    声の方向に、二人は視線を送った。そこにはペトラの姿があった。

    「兵長が私達を呼んで…どうしたの?その黄色い花?」

    ペトラはエルドが持っている珍しい花に興味津々のようである。

    「エルドの奥さんが贈ってきたんだと!ペトラもそうゆうことが考え付くくらいには女らしくなってくれよ?」

    「グンタ…あんた…ぶっ飛ばすわよ」

    ペトラはグンタの足をグリグリと踏みつけてエルドに説明を求めた。エルドは苦笑いをしながら、

    「いや…な。この花が俺達にそっくりだって話を…」

    「おい、お前ら…兵長を待たせるんじゃねぇよ」
  12. 12 : : 2014/04/06(日) 14:51:52

    またもエルドの台詞は、かき消された。
    痺れるような声にエルドとグンタ、ペトラが振り返れば、思わず溜め息をつく。

    声の主のオルオは、なんだよ?と首をかしげた。

    「声だきゃあ…お前、良い男だよなぁ」

    「全くよね…顔はオルオなのに…」

    「グンタ、ペトラ…言ってやるな。オルオが人生でソレを何回言われて苦しんだか知らないが、
    本人のなかで、…コンプレックスになっているかもしれない…」

    三人が何を言いたいのか理解したオルオは、怒りのあまり叫んだ。

    「お前らに俺の顔の良さはわからねぇんだよ!!」


    「まぁまぁ、落ち着けって…」

    「イケメンに俺の気持ちがわかるか!!こっち見んじゃねえ!!」

    慰めようとしたエルドに対し、あんまりなオルオの対応だが、何故かエルド本人は微笑ましく感じたそうな。

    そうして思い出したようにペトラが、あっ!と声をあげる。

    「だから私達を兵長が呼んでるのよ!エルド、花の話はまた後で聞くわ!すぐに行きましょう!」

    「ふっ、ペトラよ…お前もまだまだだな…って!一人でさっさと行くなよ!」

    ペトラとオルオが部屋を慌ただしく、出ていった。

    「エルド、先いくぞ」

    「ああ、俺もすぐに行く」

    部屋を出ていったグンタの背中を見送れば、エルドは手紙を押し花とともに胸に仕舞い込み、中へと足を進めた。
  13. 13 : : 2014/04/06(日) 15:49:35


    彼ら四人の信頼関係は、ある男の存在によって構成されたものであった。

    人類最強、壁外で、巨人の項を見事一瞬にして削いだ彼を人々はそう呼んだ…


    第××回、壁外調査

    「なあ、ペトラ…俺は何があってもお前を護るからな!」

    「馬鹿じゃないの?オルオ。訓練兵時代、私より順位が上だったからって調子に乗らないでよ!」

    オルオ・ボザドは、幼馴染であるペトラ・ラルにそう強く叫んだのに対し、ペトラもまた嫌そうに叫び返した。

    初陣である今回の遠征で、二人は緊張から脱しようと必死に叫び声を上げている事に、一体誰が察してくれただろうか。

    「おい!お前ら!うるせえよ!」

    後ろで騒がしい二人にグンタ・シュルツは怒声を向けた。

    「まったく、…こんなときまでふざけやがって…」
  14. 14 : : 2014/04/06(日) 15:51:20
    はい。ログイン再びすいません!PCの調子が悪くて…あせあせ
  15. 15 : : 2014/04/06(日) 16:00:55
    期待してますねっ(^-^ゞ
  16. 16 : : 2014/04/06(日) 19:31:01
    >>9
    エルヴィン
    オダマキ:勝利の誓い
    ストレプトカーパス:主張、信頼に応える

    エレン
    ゼラニウム:決意、決心、真の友情
    スカエボラ:可能性

    アルミン
    ウルシ:頭脳明晰
    ウンリュウヤナギ:素早い対応

    アニ
    リンゴの花:選択
    ラベンダー:繊細、優美、沈黙、疑惑、私に応えて

    各キャラクターをイメージしてみました♪
  17. 17 : : 2014/04/06(日) 20:41:51
    ありがとございます!リオン様!
    新作に使わせていただきます!じゅるり…
  18. 18 : : 2014/04/06(日) 20:42:58
    >>15
    佐藤楽夢音さん!
    ありがとうございます(^_^)ゞ
  19. 19 : : 2014/04/06(日) 23:27:40

    「そう…カリカリするなよグンタ。あの二人は初めての遠征だ。もしかしたら…緊張しているだけなのかもしれないぞ?」

    グンタの隣でエルド・ジンは困ったように苦笑した。

    「俺達だって、初めての時は落ち着かなかっただろ?まぁ、俺は今も怖くて怖くて仕方ないけどな」

    「怖くないやつなんていねぇだろうよ!あの…幹部の人達はどうだか知らねぇけど…!」

    憎々しげにグンタは、門の前で愉快気に話をする二人を睨み付けた。

    「あ~あ~、奇行種に会えるといいなぁ~!」

    「はっ、嫌でも会うだろうよ」

    「ねぇねぇリヴァイ!私達で一匹くらい捕まえてみない!!?」

    「興味ねえ」

    とても死が飛び交う壁外に行くテンションではなくて、特にこの巨人狂いな分隊長を、グンタは好きになれなかった。
  20. 20 : : 2014/04/06(日) 23:28:47

    エルドは仕方ないと首を振る。

    「あの人達は長いからな…壁外になれちまったのかもしれんぞ?」

    「…そりゃあすげぇ…」

    グンタは開かれる門を見上げて嫌そうに言った。

    「死になれた人間は、もう人間じゃねぇよ…」

    そしてグンタにエルド、後ろのオルオにペトラは現れた地獄に向かって疾り出した。



  21. 21 : : 2014/04/07(月) 21:44:14
    安定のハンジ(*^^*)
  22. 22 : : 2014/04/08(火) 22:04:39
    こんばんは。
    わ~リヴァイ班のお話だ!ありがとうございます。
    やはり卿さんは、キャラの個性を引きだし、そこから深い物語に発展させていくのが、
    とても素晴らしいと思います(うまく言えなくて…すみません)
    これから先も、楽しみにしています。
  23. 23 : : 2014/04/08(火) 23:47:18
    >>21
    砂糖楽夢音さん!
    必ずこのシリーズには、ハンジさんと兵長がちょこちょこと出てきますw
    そして安定のお二人ですww

    >>22
    数珠繋ぎさん!
    あ…あんまり、褒めないで…////恥ずかしくて死にそうになりますから!
    数珠繋ぎさんに「良かったよ!」と言ってもらえる話に出来るよう頑張りやす!
  24. 24 : : 2014/04/09(水) 00:06:03
    がんばってくださいっ(^з^)-☆
  25. 25 : : 2014/04/09(水) 09:21:57
    リヴァイ班…切ないなあ…
    期待してます♪
  26. 26 : : 2014/04/09(水) 23:55:39
    >>24
    砂糖楽夢音さん!
    ありがとうございます!

    >>25
    ハニー!
    本当に…みんな可愛かった…うっく。
    そして期待コールに感謝!
  27. 27 : : 2014/04/10(木) 00:05:07

    壁外でのペトラの気持ちは恐怖と悲しみに彩られた。
    助けを求める仲間に何も出来ず、向かってくる巨人のいやらしい笑みは醜悪で、

    「いや…怖い」

    がたがたと震える足に鞭打って、どうにか生き延びようと飛ぶ。

    「オルオ…!オルオ…」

    紛らわせるために発するのは、付き合いが長い、男の名前。

    「怖い…怖いよ…」

    後ろで聞こえる悲鳴に耳を塞ぎたくなった。


    「ペトラ!!!!」


    前の方で聞こえたのは、オルオの声でなく、優しげな顔をした、同じ班の顔見知りの男の声だった。

    「え…エルドさん!!!」

    「他の班員は?」

    「皆…皆…っ!」

    「わかった!わかったから泣くな!こっちの木に来い!そこよりは安全だ!」

    エルドの助言にペトラは必死に頷いて、エルドのいる木へと乗り移った。
    今すぐにでも泣きたい衝動を堪えて、冷静に頭を動かす。
  28. 28 : : 2014/04/10(木) 00:09:50

    「まず、俺達は他の班と結構離されちまったのは分かるな?」

    「はい…っ!」

    「幸い、巨人の足音は近くにはないから、落ち着こう」

    「…はいっ!」

    壁外の恐ろしさを初めて肌で感じたペトラの姿に、数年前の自分思いだしたエルドは彼女の背中を叩いた。

    「泣くなよ、ペトラ」

    「…、…あい!」

    ペトラは震えながら叫ぶように返事をした。
  29. 29 : : 2014/04/10(木) 00:19:10

    「しかし…なんつーか、運が悪いな…」

    「…」

    ペトラが落ち着きを取り戻した頃には、大きな足音が此方に向かってくることが伺えた。

    もし、奇行種が出てきた場合、二人での討伐は不可能。
    通常種ならば、ギリギリなんとか…、そう考えたエルドは首を横に振った。

    「弱気になるな…エルド。お前には帰りを待っている女がいるだろう!」

    小声で自分に言い聞かせたエルドは、ペトラの頭をわしわしと撫でる。

    「調子はどうだ?…落ち着いたか?」

    「だいぶ…」

    「そうか。この足音だと、いても一体だ、いけるか?」

    「…怖いです!でも、死にたく無いです!」

    「…そうだよな!」

    ペトラの言葉にエルドは満足げに笑うと、意を決して、足音の方向を睨んだ。
  30. 30 : : 2014/04/10(木) 08:08:55
    大期待です‼︎これも神ss…
    いや‼︎きょうさんのssは全て神ssです‼︎
  31. 31 : : 2014/04/10(木) 23:38:08
    >>30
    はわわわわわ///ああああ、ありがとうございます!
    でも言いすぎです!!期待に応えられるように頑張ります!
  32. 32 : : 2014/04/11(金) 00:56:29

    木の陰から覗く巨人の数は、エルドの予想通りの一匹。しかし、残念なことに、奇行種であった。

    本当に運が悪いな、とエルドはぼやく。

    「ペトラ、俺の作戦に乗ってくれるか?」

    「…作戦?」

    「ああ、危険な賭けだ」

    エルドは冷や汗を流して、ペトラの肩に手を置いた。

    「俺達は、たったの二人。だが、二人もいるという言い方ができる」

    「…は、はい」

    「俺があいつの目の前に飛び降りる」

    エルドの言葉に、ペトラは驚きと何か複雑な感情により、言葉を失った。

    「俺があいつをひきつけるから、お前があいつの項を削げ」

    「な!?む、無理です!だったら、経験豊富で実力のあるエルドさんが削いでください!!私が囮になります!」

    本当は怖くて怖くて仕方がないけれど、ペトラは正論とその場のノリを盾に、エルドに反発した。

    「馬鹿言うな。いいか?この作戦は決定的に役割の生存確率が違うんだ。
    囮は失敗したら確実に死ぬが、削ぐ奴は失敗しても、全力で逃げれば助かるかもしれない」

    「だ、だったら!余計に!」

    「簡単に言うんじゃねえ!俺だって死ぬ気はない!でもな、もし死ぬんだったら俺は、一人でも多くの人類を救って死んでやる!
    生きるにしても仲間を見殺しにするなんてごめんだ!だからな?これはお前のためじゃない。
    俺のエゴのために言っていることなんだ。お前が気に病むことじゃなねえの!わかったか?」

    エルドの言葉にペトラはなおも、首を振る。
    どんな気持ちにせよ、自分を囮にしろと言っているのだ。

    そんな残酷な真似、ペトラには出来ない。
  33. 33 : : 2014/04/11(金) 21:44:35
    ペトラぁ(泣)
  34. 34 : : 2014/04/11(金) 22:47:05
    >>33
    ペトラちゃんを生かそうとするエルド兄さんと、兄さんを囮にできないペトラっちです。
  35. 35 : : 2014/04/11(金) 22:54:17

    エルドはペトラが決意しないことに表情を歪ませた。

    「ペトラ…大丈夫だ。もし、怖くなったら、俺が食われている最中に逃げればいい」

    「な!…っそんなこと!出来るわけないじゃないですかっ!」

    「ははは、お前ならそう言うと思ったよ。じゃあ、後は、まかせたぜ!」

    エルドはペトラの返事を待たずに飛び出していった。
    この行動にて、ペトラは決心する意外に選択の余地はなくなったのだ。

    エルドの優しげな笑顔は、今のペトラにとっては、憎たらしい以外の何ものでもなかった。

    「もう!!!…っやるしかないじゃないっ!!!」

    そう苛立ちを込めて叫ぶと、彼女は一気に飛んだ。
  36. 36 : : 2014/04/12(土) 18:30:42
    ペトラ行けっ!!
    そしてエルドがかっこよすぎる!!
  37. 37 : : 2014/04/13(日) 01:11:51
    >>36
    リオン様!
    マイエンジェル!二人へのコメントありがとう♪
    次はオルオとグンタのかっこいいところを書こうと思うよ!
    応援よろしく!
  38. 38 : : 2014/04/13(日) 01:14:31

    少し時間を遡り、順調に目的地へと向かっていたオルオはふと、集まってくる他班を見渡して、大切な少女の姿を探した。

    「ペトラ…!?」

    どこを見てもいない彼女の安否にオルオはどうしょうもない不安を覚える。

    「…くそっ…まさかっ!」

    オルオは自分の行動は間違いだと分かっていても、目的地と逆の方向に飛ぼうと、木に乗り移って、体制を建て直した。

    「おいっ、オルオ!何をしてやがる!?」

    「ペトラ…あいつがいないんです!」

    班と別行動をとろうとするオルオにグンタは叫ぶが、彼の返答に怒りが先に込み上げる。

    「ふざけるな!!」

    と言って、オルオの横に飛び移った。
  39. 39 : : 2014/04/13(日) 01:15:50

    辛そうなオルオの表情に、心が痛むが、気にしてはいられない。

    「自殺行為だ!ペトラを見つける前に食われちまうかもしれねぇんだぞ!」

    「だからなんすか!!?あいつが…ペトラが、もしかしたら危ねえ目にあってっかもしれねえのに、前に進めって言うんすか!?
    ざけんじゃねえ!俺はアイツを守るためにここにいんだ!」

    オルオの頬をグンタは勢いよく殴り付けた。

    「うるせえよ!ガキが!てめぇだけが辛いのか?てめぇだけが我慢してんのか?てめぇだけが怒りてえのか?

    みんな同じなんだよ!俺だって…っ」

    ペトラがいないと言うことは、彼女と同じ班である友人のエルドもいないと言うことだ。

    事実、彼を目で探してみたが、その姿はなかった。

    しかしグンタはそれを探さない。立ち止まらない、それは彼が兵士であるからだ。

    自分は人類のために、前へ進まねばならないからだ。
  40. 40 : : 2014/04/13(日) 01:16:57

    グンタは情けない気持ちでたくさんになった。
    目の前の後輩の力になるどころか、手を掴んで止めることしかできない。

    「そう…すか、そういえばエルドさんも…」

    オルオは下を向いて呟いた。
    分かってくれたのか、とグンタは息をつく、が、しかし、

    「…で?アンタが行けないから俺も我慢しろって?はははっ、笑えんじゃねえか!」

    「なに?」

    「他人なんか関係ねえし、…ようはアンタは怖いんだよ!戻るのが、一人で行く勇気がねえんだ!
    仲間より自分の命が大切なんだよ!」

    「オルオ…お前っ…!!」

    「アンタの情けなさの理由にダチを使うなよ」

    オルオはそう言うと、勢いよくガスを放出させて、飛んでいった。
  41. 41 : : 2014/04/13(日) 01:18:02

    残されたグンタは下を向いて拳を握りしめる。

    否定ができなかった自分に嫌気が差した。
    あの若い後輩の言った通りなのかもしれないと唇を噛む。

    「くっそ…オルオの野郎…好き勝手言いやがって…」

    「どうした…グンタ」

    その声にはっとして振り向けば、グンタの班長である兵士長のリヴァイがいる。

    「いえ…」

    うつむくグンタにリヴァイは怪訝に目を細めた。

    「兵長…」

    「なんだ…?」

    「兵長は…仲間を…見捨てるのに抵抗とか、ありますか?」

    「…」

    無愛想な顔で見つめてくる男に、グンタは顔を上げれない。
  42. 42 : : 2014/04/13(日) 01:19:19

    「グンタよ…」

    「はい」

    「何が言いたいのか知らんが、手前の選択しだいだ。自分が選んだ答えならば、抵抗など、あるはずがない」

    「…っ」

    グンタはその言葉に息を呑んだ。

    今自分が出そうとしている選択は…

    「兵長…すんません。俺は一時、班を抜けます」

    「…」

    「すんません!」

    グンタはもう一度謝ると、急いでオルオの後を追った。

    全力で飛べば、新兵のオルオの早さに、追い付けないわけがなかった。

    「オルオ!!」

    追ってきたグンタに驚いたのか、オルオは目を見開いた。

    「グンタさっ…」

    「よくも好き勝手言ってくれたな…っ、俺がお前の言う情けないやつか、そうでないか、ちゃんと見ておけよ!」

    そう言われたオルオはニヤリと笑って大きく頷いた。
  43. 43 : : 2014/04/13(日) 01:44:57

    「でも…そこを探したら…」

    「考え無しで動いてたのかよ…アホオルオ」

    「…うう…否定はしませんよ!」

    開き直るオルオに、グンタはほのかな笑みを浮かべた。

    「エルドの班が通る経路と、攻撃を受けた前提で移動するとすれば…」

    「なんか、グンタさんが頭が良く見える…」

    「ぶん殴るぞ」

    脅しを仕掛けながらも、グンタは的確に方向を見極めた。

    その背中について行きながら、オルオはペトラの無事を祈った。
  44. 44 : : 2014/04/13(日) 01:46:04
    すいません!誤字です!
    「でも…そこを探したら…」

    「でも…どこを探したら…?」にしてください!!
    お騒がせしました!
  45. 45 : : 2014/04/13(日) 13:16:33



    囮になるエルドは、激しくなる心臓を押さえて、肺の空気を出しきろうと、息を吐いた。

    大きな足音ともに巨人の顔を近付くのを黙って睨み、木から飛び降りる。

    15メートル級の巨人は、エルドに気付くと、ニヤリと醜く微笑む。

    並の兵士ならば、ゾッとして動けなくなるような笑みだが、
    何回も見た巨人供の顔に、今さら反応を見せるようなエルドではない。

    無論、心のなかでは震えが止まらないが、

    「…さて、と…」

    エルドは物陰に隠れるペトラが削ぎやすいように、誘導しようと、地面を蹴って走り出す。
  46. 46 : : 2014/04/13(日) 13:23:58

    足が遅いのか、ゆっくりとついてくる巨人に、エルドは少しでもこちらに気が行くように、語りかけた。

    「なあ、お前らはよう…なんで人間を食うんだ?なんで吐き出すんだ?」

    巨人は虚ろな瞳で見下してくる。

    「俺はさ…人間を食うお前らが嫌いだけど、腹が減ってんなら俺達と同じだと思ったんだよ」

    エルドの声は、巨人の項に集中しているペトラには聞こえていないだろう。

    「だけどよ、消化して出すんならまだしも、腹ふくれて吐き出すっていうのは…あまりにも有り難みがねえんじゃねえか?…」

    ついにエルドに向かって巨人は腕を伸ばした。
    下を向く巨人の項は削いでくれと言わんばかりにがら空きだ。
  47. 47 : : 2014/04/13(日) 13:26:04

    ペトラは今だ!、と影から顔を出して、勢いよく項を削ぐ。
    倒れた巨人を見て、息を乱すペトラは嬉しそうに拳を構えてへなへなと座り込んだ。

    「ゃっ…た…やった…」

    震える身体を押さえつける。
    勝手ににやける口を上に向けて、これでもかと言うほどに息を吸い込んだ。

    「はっ…はっ…はっ…!」

    吸い込んだ空気を少しずつ吐き出して、酸欠状態の頭を無理矢理動かせば、エルドの姿を探した。

    「エルドっ…さっ…」

    蒸発する巨人の身体の向こうで、エルドが倒れているのが見えると、急いでペトラは駆け寄った。
  48. 48 : : 2014/04/13(日) 13:28:33

    「だっ、大丈夫ですか!?エルドさっ…エルドっ…さんっ」

    ぱしぱしと頬を叩くと、エルドは弱々しく目を開ける。

    「ペ…トラ…」

    「もしかしてどこか怪我でも…!?」

    「いや、…ははは…ははは!!!」

    苦笑いを浮かべるエルドは、自分の腕にたまった汗を見て、笑い声を上げた。

    「生きてる…生きてる!!!」

    「はい!!…っはい!!!」

    二人は嬉し涙を流しながら、立ち上がった。
  49. 49 : : 2014/04/13(日) 13:45:22

    しかし、安心するのも束の間、悲しいことに、二人のガスの量が大幅に減少していた。
    これでは本体を探すのに無駄な道を通らず、ピンポイントで到着しなければならない。

    エルドは悔しげに舌を打つ。

    生き延びたい、という気持ちが、彼とペトラの中で増幅するばかりだ。

    「どうしましょう…」

    「ああ…………!!?」

    「エルドさん?」

    「何か今、聞こえなかったか?」

    「―――――え?」

    耳を澄ませば、自分達の名を呼ぶ声。

    「ペトラああああああああ!!!」

    確かに聞こえた声は、彼女がずっと助けを求めていた男の声だった。

    「オルオ…っ!!」
  50. 50 : : 2014/04/13(日) 13:51:15

    あんなに大きな声で自分達を探せば、群がる巨人も多くなるだろう。
    なのに、来てくれた!呼んでくれた!

    『なあ、ペトラ…俺は何があってもお前を護るからな!』

    最初に言われて言葉を思い出して、

    この壁外で、こんなにも喜びを感じていいのだろうか!?
    と、ペトラは涙が零れ落ちる顔を抑えながらも思った。

    「オルオ…っ!オルオっ!」

    「ペトラ、呼べ!オルオに聞こえるように大きな声で!」

    「…!はい!」
  51. 51 : : 2014/04/13(日) 13:56:55

    「オルオ!!!!!!」

    その声が、オルオの耳に入った。

    「ペトラ!!?」

    愛しい少女の声の方に、オルオは急いで飛んだ。

    「お、おい!オルオ!!」

    それをグンタは追いかける、が、ふと、多数の大きな足音が聞こえると、振り返り、そして青ざめた。

    「まずいな…群がって来やがったか?」

    そう呟くと、この後のことを考えながら、今度こそ、オルオの後を追った。
  52. 52 : : 2014/04/13(日) 13:58:29
    なんか…オルペト要素…強くね?

    あれ?なんか趣旨のズレが…すいません!
    意味が分からん話になってきましたが、それでも大丈夫な方は続きを是非是非読んでください!
  53. 53 : : 2014/04/13(日) 14:19:57

    オルオが、ペトラとエルドを見つけるのに、さほど時間は掛からなかった。

    「オルオ!!」

    彼の姿に安心したのか、彼女はオルオへと駆け寄る。
    自然な流れで抱きつこうと、両手を広げるオルオだが、まあ、そんなことを許すわけがなく。

    ペトラはその腕を叩き落した。

    「調子に乗んないでよね!馬鹿オルオ!」

    「おまえ…さっきまで俺のこと涙声で呼んでたくせに!!」

    「誰が涙声よ!だいたい来るのが遅いのよ!エルドさんが大変だったんだから!」

    いきなりの振られた会話に、エルドは「俺かよ!」と反論する。

    が、しかし、調子を取り戻したペトラに、エルドはほっと息をついた。

    「お前ら…痴話げんかは後にしろよ…」

    「ち、違います!!!」

    「そ、そうっすよ!!」

    頬を赤く染める二人に、知らずエルドは微笑んだ。
  54. 54 : : 2014/04/14(月) 23:25:00

    やんややんやと騒いでいると、グンタの必死な叫びが3人の耳に響いた。

    「おい!お前ら!!ちとヤベェことになってんぞ!」

    「グンタ!お前も来てたのか!」

    「ああ、エルド。とにかくヤバイ。巨人が少なくても5匹はこっちに近付いてやがる!急いで逃げんぞ!」

    「!!?」

    グンタの言葉に、3人は驚きと恐怖とで声がでなかった。

    ドシンッ!ドシンッと響く足音は、自分達の体を震わせるには十分なものだった。
  55. 55 : : 2014/04/15(火) 22:37:58
    こんばんは。
    オルペトOKですよ~(^_^)
    すっごい臨場感伝わってきて引き込まれちゃいます。
    やっぱりリヴァイ班……最高です!
    続き、楽しみにしてます。
  56. 56 : : 2014/04/16(水) 00:12:12
    >>55
    数珠繋ぎさん!
    オルペトOKですか…よかった!ほっ。
    ありがとうございます!原作ほどの緊迫感はあまり表現できませんが、リヴァイ班の友情とかを頑張って伝えたいと思います!
    応援コールありがとうございました!
  57. 57 : : 2014/04/16(水) 22:47:57

    ペトラはその足音が聞こえないように、耳を塞ごうとしたが駄目だと首を振る。

    音の量や響きなどで距離をおおよそ理解しなければならない。

    そうと分かっていても、所詮は、まだ成人していない少女。
    恐怖の対象に怯えるなと言う方が無理な話だ。

    そんな彼女の肩を掴んで、安心させるようにポンポンと叩いたのはオルオだ。

    「逃げまくるしかないっすね」

    「ああ…、だが…俺とペトラはガスが少ない。巨人から逃げて、逃げる途中でガスが切れることがあり得る」

    顎に手を当てて、溜め息に似たものを吐き出すエルドの顔に、余裕や希望は無に等しかった。
  58. 58 : : 2014/04/16(水) 22:48:42

    「…なあ、俺の作戦に乗ってくれるか?」

    「…なんだ?」

    グンタの声に全員は顔をあげた。

    「作戦とは言えねえけどよ…本隊に戻るんだ。それくらいのガスは残ってんだろ?」

    「まあな…、だけどそれは…」

    「俺達が複数と戦って勝てる見込みはない。だったら利用するんだよ、幹部たちの力をな!」

    もしかしたら、その行動で本隊の誰かが死んでしまうやもしれない。

    恨みを買うかもしれない、
    しかし、四人は生き残りたいという気持ちが何よりも、何よりも強かった。


    「行くぞ!いいな!」

    グンタの掛け声に、3人は強く頷いた。
  59. 59 : : 2014/04/16(水) 22:49:45



    動いてすぐに、2匹ほど巨人と遭遇し、すばやく避けながら全力で飛んだ。
    通常種か奇行種かわからないが、その2匹は真っ先に4人を追いかける。

    「お前ら…!必ず逃げ切るぞ!」

    「はい!」

    前を飛ぶエルドの言葉と、後ろの巨人の顔はまるで天国と地獄だ。
    オルオは心中でそう言うと、隣で必死に前を見るペトラの背中についた。

    「安心しろよ、ペトラ。お前の背中には俺がいるからよ!」

    「バカ!追い付かれるでしょ!」

    「うるせえ!」

    遮った声は刺すほどに鋭い。
  60. 60 : : 2014/04/16(水) 22:51:05

    あと少しというところで、巨人がまた一匹増えた。

    本隊まで行くまでに追い付かれてしまうだろうとオルオは察した。

    「俺が囮になります!」

    オルオの前を飛んでいたグンタが振り返り、

    「ふざけんな!あと少しだろうが!あと少しなんだぞ!」

    「つく前に追い付かれます!だったら俺が囮になって少しでも多く…生き残りましょうよ」

    ペトラもまた、グンタに続き文句を言おうと口を開いたが、オルオの顔により冗談でないことを、嫌でも思い知らされてしまう。

    「オルオっ、お願い!止めて!大丈夫だからっ」




    「ペトラ…」



  61. 61 : : 2014/04/16(水) 22:52:36


    ペトラの泣きそうな表情に、皮肉にもオルオの覚悟は固くなってゆく。




    「お前だけは、絶対に…」

    エルドはオルオが陣を離脱する前に腕を掴もうとするが、すんでで届かず、




    「…護るんだ………わりっ、」

    そう笑うと、後ろへと、巨人へと――――飛んだ。



    「オルオ!!!!!」








    ひゅっ、と風を切る音に、ペトラは驚きから目を見開いた。


    「―――――え?」

  62. 62 : : 2014/04/16(水) 23:31:08

    オルオの横を通り過ぎて、信じられない速さで巨人に向かうのは、

    「兵長!」

    グンタがその者の正体を口にすれば、ペトラは「へ?」と振り向く。
    回転しながら巨人の腕を削いでゆき、2匹同時に倒した人類最強は、残りの一匹に背を向ける。

    もう、眼中にはないと言いたげに、

    「危ない!!」

    残りの一匹はリヴァイの背中へと腕を伸ばす、が、

    「ひゃっほおおおおおおおお!!!」

    という奇声とともに現れたハンジによって、最後の1匹の項は削がれた。
  63. 63 : : 2014/04/16(水) 23:44:18

    あまりにもあっさりと、その場の緊迫した状況は改善された。
    無用心にもペトラは地面に降りると、へたりと力が抜けたように座り込み、息を大きく吐いた。

    グンタとエルドは自分達の上司の姿を見て、背中をぴんと張った。

    「ありがとうございます!!兵長!分隊長!」

    エルドは頭を勢い良く下げて、礼を言った。

    「ああ、いいよいいよ!」

    そんな彼に、ハンジは気にしないでと手を振った。
    彼女の横を通り抜けて、グンタの目の前へと向かったのはリヴァイだ。

    「グンタ、お前はこいつらを助けるために陣から離脱したのか?」

    「…はい」

    「もし、こいつらが死んでいたら、確実にお前は無駄死にだ。それを承知の上で行ったのか?」

    まるで責めているかのような口調に、グンタは思わず項垂れた。
    その光景に、黙っていられないといった風に、オルオはリヴァイに頭を下げた。

    「すいません!自分が無理やり頼み込みました!」

    「…お前は?」

    「オルオ・ボザドです!」

    リヴァイはじっとオルオを眺めていた。

    「…何故、勝手な行動をした?」

    静かだが押しつぶされそうな威圧感の中でオルオは口を開く。

    「助けたいと思ったからです!」

    「誰を?」

    「護ると誓った女を、です!」

    「用は私情でか…?」

    「はい!!!」

    いっそ清清しいまでに正直に答えたオルオに、後ろのペトラは内心で気が気でなかった。
  64. 64 : : 2014/04/17(木) 00:01:01

    「…ぶふう!!」

    重い沈黙が流れた後に、ハンジは噴出すように笑った。

    「ぶはははは!!!ちょ!君、!」

    ハンジはオルオの下半身を指差すと、ニヤリと笑った。

    「よほど怖かったんだね!」

    全員がオルオの下半身へと眼を向ければ、顔を赤く染めるなど、笑いが込み上げるだの、反応はさまざま。
    最初にグンタが腹を押さえながら、

    「お前…俺が囮になる!とか言ってた割には、…ぶくくく…ビビッてたんだな…!」

    「なななな…ちょ、まって、ペトラ!見ないでくれ!!てか分隊長、あんたが言わなきゃ誰も気づかなかったのに!」

    「だって~、ね?」

    ここで一番に貶す人間は普段ならばペトラだったはずだが、何も突き刺さるような言葉が向かってこない。
    それが気になって、エルドが様子を見ようと振り返れば、

    オルオと同じ状態になっているズボンをはいたペトラの姿。
    見られた彼女は赤く頬を染めて、

    「いやあああああああああああああああ!!!」

    と叫んだ。
  65. 65 : : 2014/04/17(木) 20:56:29
    ハンジ来たっ!!←そこか
    ペトラカワゆす♪
  66. 66 : : 2014/04/17(木) 21:35:07
    こんばんは。
    オルオもかっこいいですね。
    オルオとペトラがこの先どうなるのか…ドキドキ期待です!!!
  67. 67 : : 2014/04/18(金) 11:21:05
    オルペト良い。リヴァイ班の個性が出ていて面白い。
    本当に過去にありそうだな
  68. 68 : : 2014/04/18(金) 12:43:27
    ぺとらさんかわいいいいいいいいいいい♥
  69. 69 : : 2014/04/18(金) 16:31:43
    >>65
    リオン様!
    いやあ…やっと来ましたハンジさんw
    ペトラちゃんはちょっと今回は女の子らしさを極限にアピールしてみました(^_^)v
    もう…女子勢に萌えてつらいだよ。
  70. 70 : : 2014/04/18(金) 16:36:37
    >>66
    数珠繋ぎさん!
    オルオは私の中だと真っ直ぐな男っていう印象で、ペトラの為なら命をも投げ出すような古風な人なんですよね~(*^_^*)
    この話ではもうオルペトは無いのですが、いつかオルペトssを書きたいと思います!そのときは是非読んでくださいね♪
  71. 71 : : 2014/04/18(金) 16:39:07
    >>67
    gjさん!
    そこまで褒めてくださるなんて!感激です!
    gjさんに褒めていただけるようなssを頑張って仕上げたいと思います!
  72. 72 : : 2014/04/18(金) 16:41:27
    >>68
    オルペト大好物さん!
    ペトラさんは良いですよね~♪進撃で一番女の子らしいなって思いますw
  73. 73 : : 2014/04/18(金) 16:50:59
    オルオwww
    いかん、ツボってしまいましたw
    やっぱりオルオ可愛いですw
    顔はアレですが…
    続き期待!!
  74. 74 : : 2014/04/18(金) 16:57:44
    >>73
    ハニー☆
    期待コールありがとう!
    オルオの顔は…触れてはならん!!(^^;)でも声がすっごくカッコいいよね!
    性格も原作見たとき悶えた!続き頑張るぜ!
  75. 75 : : 2014/04/19(土) 15:31:15

    本隊へと戻るまでの道、圧倒的な力を見せたリヴァイがいることによって、4人は緊張の糸を解いた。

    「最悪…もうお嫁に行けない…」

    「…忘れようぜ。もう…な」

    後ろでオルオとペトラは、醜態を晒したショックからそんなことをブツブツと呟く。
    2人を慰めようと、エルドは言葉を探すが、いかんせん。出た言葉は火種を生むものだった。

    「まあまあ…グンタだって、初めはチビってたからお前らだけじゃないぞ」

    「エルド!てめえええぇええ!」

    「確かにな、盛大なもんだった」

    同意をしたのは無表情のリヴァイ、隣のハンジも思い出したように笑った。
    怒りやら恥ずかしさやらでピクピクと血管を浮かばせるグンタをオルオはニヤニヤと見つめる。

    「てめっ、オルオ!なにニヤニヤしてやがる!」

    「気のせいっすよ!」

    二人の言い合いを余所に、争いの種であるエルドはある疑問を口にする。

    「あの…兵長と分隊長はどうして俺達を助けに来てくれたんですか?」

  76. 76 : : 2014/04/19(土) 15:32:27

    「ん~?」

    何も言わないリヴァイの代わりにハンジがにこりと笑った。

    「だって、本隊の方はガスの補給で何もすることないし、何よりもグンタが、なにか神妙な顔をして離脱した。
    それが気になったリヴァイがエルヴィンに様子を見に行くって言い出したのが始まりさ!」

    軽く言ってくるハンジに4人は言葉を失う。

    え?それって独断行動…ってこと?

    ふと、リヴァイを見れば、彼は視線に気づいて舌打ちをした。

    「死にたがりなんざ助ける義理はねえ…が、生きてえと思うなら俺は生かす。
    グンタ、てめえの顔は死を覚悟していたかに見えたが、死ぬ気はさらさらねえって面だった」

    「…はい」

    「エルドも、そして新兵、テメエ等も生きようとする意思があった。だから俺は助けた」

    「…」





    「俺はお前達の鋼の意思を誇りに思う。その意思を曲げるな、貫け、生きろ」

    「はい!」

    その声は4人同時に発せられた。

    そんな、いつの間にか一つの塊のようになっている、後のリヴァイ班にハンジは満足気にふっ、と微笑むのだった。

  77. 77 : : 2014/04/19(土) 15:37:20



    そして、時が経ち、

    グンタ、エルド、オルオ、ペトラはソレを境に何度となく人類最強・リヴァイ兵士長とともに戦い、
    それぞれが、その絶対的な存在に強い思いを向けることになった。


    ペトラ・ラルは人類最強の姿に尊敬の念を向け、彼の傍らで尽くした。

    「兵長、珈琲です」

    「ああ…、!」

    「あの…どう、ですか?」

    「悪くない」

    心の中でガッツポーズ!


    オルオ・ボザドは人類最強の強さに惹かれて彼のようになると決意する。

    「ペトラよ…」

    「ちょっと、何よその話し方!まさか兵長の真似?似合わなっ」

    「るせえよ!」

    まずは発言や行動から!


    エルド・ジンは人類最強の強さに、幸せという希望を生み出した。

    「俺は大丈夫、だって人類最強が俺の上司だぜ?」

    にかっと笑う彼の先には恋人の笑顔がそこにはあった。

    「きっと、あの人がいれば…!」

    人類の勝利が先にあるはずだ!


    グンタ・シュルツは人類最強の背中に必ず続くと誓った。

    「兵長、二班、三班、全滅です。四班は現在戦闘中」

    「そうか、四班の加勢に向かう。行くぞ、グンタ!」

    「はい!」

    何処までも、ついていきます!


    そうして絆が生まれ、そして4人はリヴァイ兵士長という交わりに集った。

  78. 78 : : 2014/04/19(土) 15:39:25

    それは晴天のある日の日常と、若き頃の記憶のお話。


    「いいか、次の壁外調査の概要を説明する」

    壁外の言葉が出た瞬間に、それぞれは気を引き絞めた。
    しかしながら、全員の目には確かな希望と強い意思。

    「…良い眼だ。…俺達は死にに行くんじゃない。自分が生きるために行くんだ、分かっているな」

    「はい!」


    会議が終わった矢先で、エルドの恋人がまるでリヴァイ班のようだと評した花をエルドは全員に見せた。

    押し花にされた花をまじまじと見つめる一同

    「そういえば、これの花言葉はなんだったの?」

    ペトラの質問にエルドはにこりと微笑む。

    「俺達の兵長にもらった思いだよ」

    その言葉に首をかしげたのは誰だったか、

    花言葉を聞いた瞬間に、照れ臭く舌打ちをするリヴァイに4人は思わず笑った。

  79. 79 : : 2014/04/19(土) 15:41:10



    そこは4つの墓地の前

    墓地にはたくさんの花があるでなく、何もない、何もないただの墓地。

    誰も埋まってはないない、ただの墓だ。

    リヴァイはそれらの目の前でたたずむ。

    「あのとき…お前たちのようだと評した花は俺のもとにある」

    壁外に行く前にエルドに渡された押し花。

    「俺達の意思は貴方に…」

    そう言って全員が俺に笑いかけた。

    その時を思い出しながら、それを胸ポケットから出して握り締めた。

    「これはお前達の強い意思を表したただ一つの品だろう。これを俺は持ち続けよう、」

    「俺は、お前達の意思とともに…」

    押し花にされたその花は一生枯れることなく、その姿のまま永遠にあるだろう。


    リヴァイ兵士長の心の中で幸福という希望に微笑む、名誉な死を遂げた、4人の兵士のように…


    ただただ美しく




    END
  80. 80 : : 2014/04/19(土) 15:43:16
    はい!!長くなりましたが、この話は終わりです!

    ここまで読んでくれた方、ありがとうございました!!
  81. 81 : : 2014/04/19(土) 15:53:32
    できれば感想がほしいです(>_<)ゞ
  82. 82 : : 2014/04/19(土) 20:20:00
    感動した。
    卿はやはり素晴らしい
  83. 83 : : 2014/04/19(土) 20:38:18
    うう...
    リヴァイ班死んでほしくなかったなぁ...

    最初は楽しい文で、そのあと悲しくて美しい文に変わるのでそのギャップでまた泣けました
    神様ですね!!
  84. 84 : : 2014/04/19(土) 20:40:08

    感動した(´;ω;`)
  85. 85 : : 2014/04/19(土) 21:57:55
    こんばんは。
    う~んと、リヴァイ班については、個々に強い個性をもちながらも、
    原作ではほとんど背景等は描かれていませんでしたが、
    今回の卿さんのSSでその足りない部分が補強できそうです。
    え~つまりは、本当にありそうなお話でしたし、キャラクターの個性も原作のままで、
    卿さん自身も、リヴァイ班を、そして進撃の巨人を愛してやまないであろうことが、すごく伝わりました。
    オルペトのSSも、ぜひまた読ませてください。楽しみにしています。長文失礼しましたm(__)m
  86. 86 : : 2014/04/19(土) 23:24:59
    >>82
    gjさん!
    ありがとうございます!!
    あまりひねりがなくて反省していたのですが、その言葉だけで元気が出ました!

    >>83
    リオン様!
    かかかかk…妹よ、兄にそんなお世辞は効きません!!//
    でも、ありがとうございます…!!!(//∇//)

    >>84
    syo-loveさん!
    応援ありがとうございました!!
    感動させることができて凄く嬉しいです!!

    >>85
    数珠繋ぎさん!
    こんばんは!数珠繋ぎさんのお役に立てられたら嬉しいです!
    そして私は確かにキャラが好きすぎて死にそうです!!//
    なんか溺愛しすぎで話があさっての方向に行ってしまいましたが、少しでも楽しんでいただけたらなと思います!!
    読んでくださり、ありがとうございました!!
  87. 87 : : 2014/04/20(日) 20:26:06
    兄さん謙遜しちゃダメだよ!!
    私には神兄と神姉がいるのだ!!ドヤ
  88. 88 : : 2014/09/27(土) 20:22:10
    良かったです!
  89. 89 : : 2014/09/28(日) 00:06:48
    >>88
    ありがとうございます!
  90. 90 : : 2020/10/04(日) 12:15:18
    高身長イケメン偏差値70代の生まれた時からnote民とは格が違って、黒帯で力も強くて身体能力も高いが、noteに個人情報を公開して引退まで追い込まれたラーメンマンの冒険
    http://www.ssnote.net/archives/80410

    恋中騒動 提督 みかぱん 絶賛恋仲 神威団
    http://www.ssnote.net/archives/86931

    害悪ユーザーカグラ
    http://www.ssnote.net/archives/78041

    害悪ユーザースルメ わたあめ
    http://www.ssnote.net/archives/78042

    害悪ユーザーエルドカエサル (カエサル)
    http://www.ssnote.net/archives/80906

    害悪ユーザー提督、にゃる、墓場
    http://www.ssnote.net/archives/81672

    害悪ユーザー墓場、提督の別アカ
    http://www.ssnote.net/archives/81774

    害悪ユーザー筋力
    http://www.ssnote.net/archives/84057

    害悪ユーザースルメ、カグラ、提督謝罪
    http://www.ssnote.net/archives/85091

    害悪ユーザー空山
    http://www.ssnote.net/archives/81038

    【キャロル様教団】
    http://www.ssnote.net/archives/86972

    何故、登録ユーザーは自演をするのだろうか??
    コソコソ隠れて見てるのも知ってるぞ?
    http://www.ssnote.net/archives/86986
  91. 91 : : 2020/10/27(火) 10:30:54
    http://www.ssnote.net/users/homo
    ↑害悪登録ユーザー・提督のアカウント⚠️

    http://www.ssnote.net/groups/2536/archives/8
    ↑⚠️神威団・恋中騒動⚠️
    ⚠️提督とみかぱん謝罪⚠️

    ⚠️害悪登録ユーザー提督・にゃる・墓場⚠️
    ⚠️害悪グループ・神威団メンバー主犯格⚠️
    10 : 提督 : 2018/02/02(金) 13:30:50 このユーザーのレスのみ表示する
    みかぱん氏に代わり私が謝罪させていただきます
    今回は誠にすみませんでした。


    13 : 提督 : 2018/02/02(金) 13:59:46 このユーザーのレスのみ表示する
    >>12
    みかぱん氏がしくんだことに対しての謝罪でしたので
    現在みかぱん氏は謹慎中であり、代わりに謝罪をさせていただきました

    私自身の謝罪を忘れていました。すいません

    改めまして、今回は多大なるご迷惑をおかけし、誠にすみませんでした。
    今回の事に対し、カムイ団を解散したのも貴方への謝罪を含めてです
    あなたの心に深い傷を負わせてしまった事、本当にすみませんでした
    SS活動、頑張ってください。応援できるという立場ではございませんが、貴方のSSを陰ながら応援しています
    本当に今回はすみませんでした。




    ⚠️提督のサブ垢・墓場⚠️

    http://www.ssnote.net/users/taiyouakiyosi

    ⚠️害悪グループ・神威団メンバー主犯格⚠️

    56 : 墓場 : 2018/12/01(土) 23:53:40 このユーザーのレスのみ表示するこの書き込みをブックマークする
    ごめんなさい。


    58 : 墓場 : 2018/12/01(土) 23:54:10 このユーザーのレスのみ表示するこの書き込みをブックマークする
    ずっとここ見てました。
    怖くて怖くてたまらないんです。


    61 : 墓場 : 2018/12/01(土) 23:55:00 このユーザーのレスのみ表示するこの書き込みをブックマークする
    今までにしたことは謝りますし、近々このサイトからも消える予定なんです。
    お願いです、やめてください。


    65 : 墓場 : 2018/12/01(土) 23:56:26 このユーザーのレスのみ表示するこの書き込みをブックマークする
    元はといえば私の責任なんです。
    お願いです、許してください


    67 : 墓場 : 2018/12/01(土) 23:57:18 このユーザーのレスのみ表示するこの書き込みをブックマークする
    アカウントは消します。サブ垢もです。
    もう金輪際このサイトには関わりませんし、貴方に対しても何もいたしません。
    どうかお許しください…


    68 : 墓場 : 2018/12/01(土) 23:57:42 このユーザーのレスのみ表示するこの書き込みをブックマークする
    これは嘘じゃないです。
    本当にお願いします…



    79 : 墓場 : 2018/12/02(日) 00:01:54 このユーザーのレスのみ表示するこの書き込みをブックマークする
    ホントにやめてください…お願いします…


    85 : 墓場 : 2018/12/02(日) 00:04:18 このユーザーのレスのみ表示するこの書き込みをブックマークする
    それに関しては本当に申し訳ありません。
    若気の至りで、謎の万能感がそのころにはあったんです。
    お願いですから今回だけはお慈悲をください


    89 : 墓場 : 2018/12/02(日) 00:05:34 このユーザーのレスのみ表示するこの書き込みをブックマークする
    もう二度としませんから…
    お願いです、許してください…

    5 : 墓場 : 2018/12/02(日) 10:28:43 このユーザーのレスのみ表示する
    ストレス発散とは言え、他ユーザーを巻き込みストレス発散に利用したこと、それに加えて荒らしをしてしまったこと、皆様にご迷惑をおかけししたことを謝罪します。
    本当に申し訳ございませんでした。
    元はと言えば、私が方々に火種を撒き散らしたのが原因であり、自制の効かない状態であったのは否定できません。
    私としましては、今後このようなことがないようにアカウントを消し、そのままこのnoteを去ろうと思います。
    今までご迷惑をおかけした皆様、改めまして誠に申し訳ございませんでした。
  92. 92 : : 2023/07/04(火) 09:24:12
    http://www.ssnote.net/archives/90995
    ●トロのフリーアカウント(^ω^)●
    http://www.ssnote.net/archives/90991
    http://www.ssnote.net/groups/633/archives/3655
    http://www.ssnote.net/users/mikasaanti
    2 : 2021年11月6日 : 2021/10/31(日) 16:43:56 このユーザーのレスのみ表示する
    sex_shitai
    toyama3190

    oppai_jirou
    catlinlove

    sukebe_erotarou
    errenlove

    cherryboy
    momoyamanaoki
    16 : 2021年11月6日 : 2021/10/31(日) 19:01:59 このユーザーのレスのみ表示する
    ちょっと時間あったから3つだけ作った

    unko_chinchin
    shoheikingdom

    mikasatosex
    unko

    pantie_ero_sex
    unko

    http://www.ssnote.net/archives/90992
    アカウントの譲渡について
    http://www.ssnote.net/groups/633/archives/3654

    36 : 2021年11月6日 : 2021/10/13(水) 19:43:59 このユーザーのレスのみ表示する
    理想は登録ユーザーが20人ぐらい増えて、noteをカオスにしてくれて、管理人の手に負えなくなって最悪閉鎖に追い込まれたら嬉しいな

    22 : 2021年11月6日 : 2021/10/04(月) 20:37:51 このユーザーのレスのみ表示する
    以前未登録に垢あげた時は複数の他のユーザーに乗っ取られたりで面倒だったからね。

    46 : 2021年11月6日 : 2021/10/04(月) 20:45:59 このユーザーのレスのみ表示する
    ぶっちゃけグループ二個ぐらい潰した事あるからね

    52 : 2021年11月6日 : 2021/10/04(月) 20:48:34 このユーザーのレスのみ表示する
    一応、自分で名前つけてる未登録で、かつ「あ、コイツならもしかしたらnoteぶっ壊せるかも」て思った奴笑

    89 : 2021年11月6日 : 2021/10/04(月) 21:17:27 このユーザーのレスのみ表示する
    noteがよりカオスにって運営側の手に負えなくなって閉鎖されたら万々歳だからな、俺のning依存症を終わらせてくれ

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