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エレン「褪せぬ笑顔、満開の春雪の下で……」

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  1. 1 : : 2014/03/25(火) 19:09:21
    初めまして!

    玲真といいます

    更新遅くなりますが、もしよろしければ読んでやってください(笑)
  2. 2 : : 2014/03/25(火) 19:14:17
    設定は…

    現パロ

    ミカサ→エレン→アニ→???? 

    ある曲にそった内容+αな展開になります!
  3. 3 : : 2014/03/25(火) 19:14:46
    期待します。
  4. 4 : : 2014/03/25(火) 19:16:57
    もう間もなく3月

    2月下旬の気持ち暖かい、ポカポカした気候に包まれ始める




    エレン「もう3月か…」


    換気のため教室の開け放たれた窓から、外で体育をする他のクラスを見る


    サッカーか…


    俺もやりてーな


    眺めボーっとしていると、脇腹を小突かれた


    ミカサ「エレン…
        授業に集中しなさい」


    幼馴染みの女の子、ミカサが言ってくる

    綺麗になびく黒髪、整った容姿

    落ち着いた雰囲気

    他の女子と違って大人びたものを感じる


    エレン「ん、わりぃ」


    ミカサ「そんなんじゃ追試を受けることになる
        そうでなくてもエレンは勉強が出来ないんだから…」ハァ…

    エレン「う、うっせー!
        お前は俺の親か姉か!!」プンプン


    向き直り授業を聞いた

    だが殆ど聞いて無く、授業終わりに行なわれた抜き打ち小テストで、
    再テストを受けることになったのは言うまでもない
  5. 5 : : 2014/03/25(火) 19:18:14
    オレたちは2年、4月からは3年だ

    2年に上がる前の生徒会選挙で、ミカサは副会長になった

    まあしっかりしてるしな…

    それで遅くまである生徒会のせいで、一緒に下校することが少なくなった

    そんなオレが何で校門前で突っ立っているかというと…


    エレン「遅いな…」フゥ…


    日中の暖かい気温は下がり、防寒具なしだと少し寒い

    手を擦って温めていると待っている人が来た


    アニ「悪いね、待たせたよ」


    金髪で小柄な可愛らしい人、だけどそれは後ろから見たらの話

    正面はいつもおっかない顔をしている…


    アニ「何?
       何かついてる??」アセッ


    って思ったけど、普通にしてたら結構美形なんだよな

    ちなみにオレの一個上



    3年生だ…




    ゲシッゲシッ!!


    アニ「何か文句があるの?
       謝ったじゃないか」プンプン


    痛っ…見とれてた


    でも…


    マフラーに顔を埋めて蹴ってくる彼女が、いつもより可愛く見えた
  6. 6 : : 2014/03/25(火) 19:19:56
    総統さん!

    ありがとうございます(笑)
  7. 7 : : 2014/03/25(火) 19:21:03
    帰り道で進路の話になった

    彼女…アニ・レオンハートは、都会の進学校に合格したようだ


    アニ「あんたは高校どこにするの?」


    もちろんアニと同じところ…

    なんて言えるわけねえ…


    エレン「いや…
        まだ決めてねえ」


    言うと…



    アニ「だろうね…
       あんたらしいよ」フフッ

    不意に見せた笑顔がたまらなく可愛い!

    不覚にもドキッとした

    そうこう考えながら、歩き慣れた帰りの坂道を二人で登った
  8. 8 : : 2014/03/25(火) 19:22:14
    アニ「この坂道もあと一週間でお別れだね」クスッ


    小さく笑いながら彼女が言う

    いつも二人で歩いたこの帰り道も、あと一週間で一人の帰り道になる

    彼女の笑みに柄にもなく笑い返すと、彼女は少し困った顔を浮かべる


    アニ「らしくないね…
       気持ち悪い」フフッ


    エレン「なっ!
        う、うっせー!///」


    時間が止まってしまえばいいのに…

    そう思った


    エレン「あの……さ…」


    アニ「何?」


    ダメだ言葉が出ない…


    エレン「いや…なんでもない」


    「また明日」とだけ言って別れた

    言い出せない言葉にモヤモヤする

    本当はずっとずっと想ってた

    初めて会った時からずっと


    また今日も伝えれなかった…


    立ち止まり、小さくなっていく彼女の背中をいつもより長く見届ける

    歩き慣れたこの帰り道がいつもより短く感じた



    エレン「雪か…」


    ちらつく白い粒で、寒さの理由がわかった


    エレン「寒いな…」ブルッ


    少し震えながら、首に巻いた赤いマフラーに顔を埋め、家を目指して歩いた
  9. 9 : : 2014/03/25(火) 19:23:24
    エレン「寒い日の風呂は格別だな!」ニカッ


    外で冷えた身体を暖かい湯で温める

    一人だけの落ち着いた空間

    色々考えてしまう


    当たり前のように思ってたあの時間は…もう無くなってしまう

    今更その儚さに気づき、涙がこぼれそうになる…


    ほんと…


    柄にも無いな…


    また笑われるよ


    風呂から上がり、ストーブの効いた暖かい自室で布団にくるまる




    明日こそ…



    布団に潜り言い聞かせていると、眠くなってそのまま寝てしまった
  10. 10 : : 2014/03/25(火) 19:24:27
    アニとの出会いは入学まで遡る


    エレン「ここが屋上か!!
        中学は開放されてるんだな!」ニカッ



    ミカサ「エレン…
        はしゃぎ過ぎ」クスッ



    はしゃいでいると声をかけられた


    アニ「あんたらさ…
       もうちょっと静かに出来ないの?」ギロ


    ものすごい顔で睨まれる


    ミカサ「ほら…
        すみませんでした
        2年生ですよね」


    アニ「だったら何?
       どうでもいいからどっか行ってよ
       あんたらが居たら寝れないよ」ハァ


    それは言い過ぎじゃないか?

    エレン「黙って聞いてたら…
        そんな言い方はないんじゃないか!?」ギロ


    詰め寄った


    だけど気づいたら空を見てた


    ミカサ「エレン!!」


    エレン「えっ…?」


    アニ「もういい
       私が消えるよ」


    なんだ…


    何が起こったんだ?


    すげえ…


    エレン「待てよ!」


    アニ「何?
       まだ何かあるの??」ギロ


    エレン「さっきのどうやったんだ??」キラキラ


    興奮の余りまた詰め寄る


    クルッ!ドザァ!!!!


    エレン「」


    アニ「そんなにこの技が気に入ったんだったら…
       手とり足とり教えてあげようか?」フフッ


    エレン「いや
        痛いからやっぱいい」キッパリ



    クルル!!!ドシャ!!!!!



    酷い出会いだった

    だけど格闘技の話をしている彼女の笑顔に、自分でも気づかないうちに惹かれていった

    クールな印象だったけど時折見せる笑顔がなんかこう…
  11. 11 : : 2014/03/25(火) 19:27:38
    それから数年



    来てほしくない日が来た













    卒業式…












    滞り無く式が終わった


    ミカサ「生徒会があるから一緒に帰れない
        ので、ごめんなさい」ウツムキ


    エレン「別にいいよ
        生徒会がんばっ」ニカッ


    そう言って教室から下駄箱を目指す




    途中3年生の廊下から歩いてくる二人が目に入った





    一人は金髪の可愛らしい顔をした男…?





    ああ…




    ずば抜けて成績優秀で有名な進学校に合格決めたやつか



    確かアニと同じ…


    あれ

    もう一人は…















    アニ!!















    走って近寄ろうとする

    だけど違和感を感じた















    そう…


















    二人の手はしっかりと握られていた


    まるで恋人のように…

























    胸が痛い



    苦しい



    身体に何か重い物が乗っかるような重量感



    足が震える


    だけどオレは走って帰り道に向かった


    途中アニの声が聞こえた


    だけど走った


    振り返らずに








    なんで……








    頬を伝う悲しみ

    止まぬ雨のよう

    舞い散る春雪の中で…
  12. 12 : : 2014/03/26(水) 01:28:14
    辺りはすっかり桃色に染まっていた

    自室から見下ろした景色だ

    満開の桜の木

    家の前に沢山咲いている


    あれ以来オレは彼女と会ってないし連絡も取っていない


    というより連絡先が変わっていて取ろうにも取れないのが本音だった

    だから彼女がどこに引っ越したのかも知らない

    数日前街を歩いていると、見慣れた金髪があの時の男を連れて歩いているのを見た


    あの時以上にしっかりと繋がれた手と手


    悲しかったはずなのに…

    何故かその時は嬉しかった

    少し大人びた顔

    だけどあの時のままの大好きだった笑顔

    声もかけれないまま信号の先を歩いて行く二人

    元気そうでよかったとカッコつけて……
  13. 13 : : 2014/03/26(水) 01:29:08
    そして手元にあるのは、満開の春雪の下で…


    二人だけで撮った卒業写真


    写真の中の二人は笑っている




    最高の笑顔で…




    見ていると頬が少し緩む


    あれ…


    でもおかしいな


    涙がまた溢れてくる






    だらしないってまた笑って欲しかった

    くだらない話をして笑いたかった

    寂しかった

    だけど今はアニ…

    お前の幸せを願うよ




    泣いていたせいで、部屋に誰か入ってきたことに気付かなかった

    後ろから抱きしめられる

    ふわりと香る優しい女性らしい香り

    それは想い人のものじゃなかった





    だけど…


















    ミカサ「エレン…
        泣いているの?」


    答えずにいると、ぎゅっとまた抱きしめてきた














    暖かい…











    思わず嗚咽を漏らしながら一層泣いてしまう

    彼女は優しく抱きしめ、頭を撫でてくれた



    エレン「わるい…ミカサ」


    ミカサ「ふふっ…
        ちょっとは落ち着いたかしら?」


    二人で話す

    こうしてゆっくり話すのは久しぶりだな

    落ち着く



    他愛のない話をして、夕方になると彼女は帰っていった











    寂しい…















    どうか忘れないで欲しい

    記憶の欠片になってしまうのはあまりにも寂しい


    ずっと変わらないモノなんてないと理解っている


    アルバムを開き懐かしむ…

    その1ページになってしまった





    エレン「悲しんでばっかりなんて…
        らしくねえよな!」ニカッ


    立ち上がり部屋をあとにする

    どこに行くのか?

    写真の場所だ…





    机に飾られている写真


    満開の春雪の下


    そこには…

    今も褪せない笑顔の二人がいつまでも写っている





    そして明日はオレたちの…






    …… the day of blue graduation ……





  14. 14 : : 2014/03/26(水) 01:32:45
    以上です!

    シリアス?な内容でしたが、楽しんで頂けたら幸いです
  15. 15 : : 2014/03/28(金) 23:13:51
    遅れたが良かった…

    アニハピ「アニ…君は間違っている!エレアニ最高級だぁ!」

    ↑病んでます…はい…
  16. 16 : : 2014/03/28(金) 23:14:29
    ごめんなさい!遅れたのは俺のこと!

    良かったのはこの作品!
  17. 17 : : 2014/03/28(金) 23:57:59
    >>16

    ほんとですか!?
    ありがとうございます!!

    次回作にご期待下さい(笑)

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