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アニ「記憶の彼方のあの人」

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  1. 1 : : 2014/03/19(水) 21:07:09
    Baby Pink改め、chafer.です꒰✩⌯௰⌯꒱◞

    アニちゃんのゆるゆる日記。
    でも書いてみたいな。
    駄作ですがよろしく(¦3ꇤ[▓▓]
  2. 2 : : 2014/03/19(水) 21:07:58
    あっ現パロです。
  3. 3 : : 2014/03/19(水) 21:14:25


    プルルルルルルル…



    「………電話…?」


    携帯の着信音が鳴る。


    起き上がるのが、怠い。


    カーテンの隙間から
    漏れる光が、眩しい。


    今、何時だろう。

    昨日の夜、何してたっけ?

    何時まで起きてたっけ?


    もう少し寝たいのに。


    …………………。


    「あぁっ!もう!誰だよ。」


    携帯を手に取る。






    「ベルトルト…。」
  4. 4 : : 2014/03/19(水) 22:58:32
    期待です!
    ベルアニですか?
  5. 5 : : 2014/03/19(水) 23:59:31
    >>4 ベルアニもしくはライアニ、
    もしくはまた別の何かで考えてます!
    コメントありがとうございます!

    でも今日はもう寝落ちします。
  6. 6 : : 2014/03/20(木) 13:17:04


    ピッ


    「……………」


    「もしもし?」


    「……なに?」


    「アニ。無言で出るのは
    やめてって何回も言ったよね。」


    「うん。で、なに?」


    「ライナーが、
    アニがまだ来てないから
    電話しろって。」

    「あぁ。」

    「あぁ。じゃないよ。
    早く来てよ。」

    「今、何時?」

    「もう10時すぎだよ!」

    「……そう。」

    「11時には来れるよね?」

    「……多分。じゃあ。」

    「あ、アニ!」


    プチッ


    ベルトルトが何か言いかけてた
    けど電話を切った。
  7. 7 : : 2014/03/20(木) 21:33:00


    コポコポコポ…


    朝起きたら必ずコーヒーを飲む。

    心が温まってホッとする。

    換気扇の音だけが部屋に響く。

    もう昼前なのに、とても静か。


    あぁ。ライナーが
    早く来いって
    言ってたんだっけ。

    面倒くさいな…。


    そういえば今日って、

    何年の何月何日なの?

    あれ、何か忘れてない?

    何だったっけ。

    まぁ、いいか。



    あ。外出するなら

    シャワーでも浴びようかな。
  8. 8 : : 2014/03/20(木) 21:46:07
    すいません。タイトル変更しました。
    ゆるゆると言っておきながら
    シリアスになりそうな予感。
    ……フッ、いつもの事だ。

    コメントお待ちしてます♡
  9. 9 : : 2014/03/20(木) 21:48:10


    ただひたすらに、
    シャワーを浴びる。

    ボーッとして。
    何も考えないで。

    水と一体化してる気分。

    ちゃんと目が覚めてるのか
    覚めてないのか
    わからないくらいに。

    このまままた
    寝てしまいそうで。


    目を瞑ると、

    記憶の彼方に残る

    あの人の姿は、

    あれは、あれは、


    誰…だった?
  10. 10 : : 2014/03/20(木) 22:04:49
    期待!                 はっきり言うとエレアニはあまり好きじゃないのに一番多いし、他は少なかったので嬉しいです
  11. 11 : : 2014/03/20(木) 22:16:12
    >>10コメントありがとうございます!
    はっきり言うと、
    ノンエレアニ予定ですよ!!!
  12. 12 : : 2014/03/21(金) 06:55:00

    「……かったるい。」


    髪を拭きながら呟いた。

    時刻を見ると、
    10時40分。

    メールが来てた。

    「今、どこ?」
    「起きてるよね?」
    「皆、待ってるよ。」
    「ねぇ、アニ。」

    ベルトルトも大変なんだね。
    きっとライナーに
    急かされてるんだろうな。


    「……行けばいいんでしょ、

    行けば……。」


    白く細い脚をタイツに通した。
    動きやすいショーパン、
    肌触りのいいパーカー。

    簡単に髪を結い、
    薄く口紅を付けた。

    ブーツを選んでいると
    携帯が鳴った。

    ライナー……。


    ピッ

    「………。」

    「アニ。早く来いよ!」

    「わかってるよ。

    行けばいいんでしょ。」

    「こんな日に寝坊なんて。」

    「別に、いいじゃない。」

    「何言ってんだよ。
    お前、今日…


    誕生日だろ。」
  13. 13 : : 2014/03/21(金) 07:18:43

    誕生日、ねぇ……。

    祝ってもらう年齢でもないし、
    必要なんてあるのかな。
    別に、どうでもいいのに。

    私は、1人だから…。


    「ニャァ」

    飼い猫が寄ってきた。
    まるで見送りに来たように。

    頭を軽く撫でてやった。

    「……行ってくるね。」


    ガチャ

    バタン


    こんな私には似合わない、
    暑いくらいにいい天気。

    「何でこんな暑いのよ。」

    家から少し離れた
    河川敷を目指す。

    欠伸が出る。

    「11時になんて無理だよ。」

    時間を大幅に過ぎるであろうに
    アニは急ぐ様子も無かった。

    それに…

    「皆って、誰?」

    河川敷と言っても
    川はどこまでも続くのよ
    ライナーさん。

    プルルルルル

    ピッ

    「アニ。来ないなんて
    言わないよな?」

    「失礼ね。もう着くわよ。

    で、どこ?」

    「アニはどこなんだ?」

    「えっと…シガンシナ通り。」

    「あぁ。じゃあすぐ近くだ。
    一本奥のトロスト通りの
    すぐ下にいる。
    一本と言っても歩くと遠いが…」

    「わかったよ。」

    「おいアニ!」

    ピッ

    長話は好きじゃない。

    ゆっくりでいいなら、
    歩くわよ。

    ところでライナー達は
    私の誕生日なんかに
    こんなところで
    何をするつもりなの?


    ハッと顔を上げると

    ベルトルトが立っていた。

    「もう、アニ!遅いよ!」

    「……悪かったわね。」

    11時20分。

    「皆8時から集まってるんだよ!」

    「ご苦労様な事ね。」

    「アニ!」

    「で?ライナーはどこ?」

    起こされるのは好きじゃない。
    おまけに早く来いと命令された。
    一発蹴ってやんなきゃ
    気が済まない。

    「あそこだよ。」

    丁寧にも答えを教えて
    くれたベルトルトを置いて
    土手から河川敷へ降りた。

    ガヤガヤとしていた空気は

    やはり、私が来る場所じゃない。
  14. 14 : : 2014/03/21(金) 09:10:10

    「ライナー。」

    「おぉ、アニ!やっと来たか。

    って、うおっ?!」

    私の蹴りを腕で止めようと
    するなんて…

    きっと、ライナーだけだろう。

    「何するんだ、アニ!」

    腕を摩りながら言う。

    「別に。」

    大きく溜息をした。

    「ちょっとアニ!
    ケンカしないでよ!」

    「それで、何の用なの?」

    「は?アニ、忘れたのか?」

    「……?」

    「今日はアニの

    誕生日パーティーだよ。」

    「……くだらない。」

    「アニ!」

    「はいはい。

    言いすぎたわね。

    で、あれは何?」

    「BBQでもしようと思ってな。」

    「……は?」

    「いいじゃん。アニ。
    たまには、楽しくやろう?」

    「アルミン。着火剤を。」

    「ミカサ、うちわであおいで。」

    「サシャ!それ生肉だぞ!」

    「エレン、それお願いね。」


    「…………。」

    「どう?皆、アニの為に
    集まったんだよ。」

    「……そう。」


    きっと皆は覚えてないのだろう。

    私と会うのが


    二度目だという事を。
  15. 15 : : 2014/03/21(金) 12:16:10

    「……二?

    アニ?!」


    「ーーハッ?!」

    「どうしたの?」

    「…ベルトルト。」

    「ん?」

    「なんでも、ない。」

    「そ?じゃあ、アニにも
    手伝って貰うよ!
    皆でやった方が楽しいからね!」

    「うん…。」

    「ねぇアニ。私、肉と野菜を
    削ぐから、炭を砕いてくれない?」

    「わかったよ。ミカサ。」

    「アルミン、シート広げようぜ!」

    「エレン、そこ引っ張って!」

    「箸と皿、人数分あるか?」


    ワイワイ、ガヤガヤ。

    何処かで見た事あるような光景。

    皆で協力して何かをする。
    って言う人生の課題。

    こういうの、ハッキリ言って
    好きじゃない。

    馴れ合いするのなんて得意じゃない。

    友達、なんて言葉

    大嫌い。
  16. 16 : : 2014/03/21(金) 15:12:51

    それでもやらないと
    いけない時ってあるもんだね。


    パァンッッ!

    「おうアニ!
    炭砕きはどうだ?」

    「粗方終わったけど。」

    「そうか。お。いい感じだな。」

    「どうも。」

    「今日はよぉ。皆誘ったんだが、
    ユミルとクリスタは映画、
    ジャンはバイト、
    マルコは帰省。
    コニーは草野球だってよ!」

    「ふぅん。」

    「だから俺とベルトルト。
    エレン、ミカサ、アルミンに
    サシャは…肉目当てだな。」

    「でしょうね。」

    「サシャの家は精肉店だから
    おまけしてもらったしな!

    集まったのはアニ合わせて
    7人だな。」

    「見ればわかるよ。」

    「そうか。
    じゃあ、炭貰ってくな!」

    「どうぞ。」


    ……BBQするなら
    もっと早く言って欲しかった。

    タイツなんてやめて
    パンツでも履いてこれば
    よかったかもしれない。
    パーカーも白色だし。

    ……草むらみたいなのもあるし。
    …油飛んだら汚れるよね?

    …皆、ちゃんとした
    格好してるのに。

    皆はサプライズのつもり
    なんだろうけど、
    少し仲間外れみたいで



    急に、帰りたくなった。

  17. 17 : : 2014/03/21(金) 15:52:16

    皆が必死に火を付けようとしたり
    お皿を並べたり
    思い出の写真を撮ったり。

    しばらくボーッと眺めていた。


    ほらね、あたしがいなくても
    別によかったじゃない。

    誕生日パーティーを口実に
    しなくても
    皆集まるんだからさ。


    勝手に…やればよかったのに。


    「アニ。何突っ立ってるの?」

    「……別に。」

    「もうお昼だね。
    お腹、空いちゃったな。」

    「うん…。

    ねぇ、アルミン。」

    「どうしたの?」

    「……………。」

    「うん、もちろん。」

    「……そう。」

    「でも皆は、

    多分………。」

    「私、帰っていいかな。」

    「どうして?」

    「だって、こんな場所に
    相応しくない。」

    「でもアニの為のBBQだよ?」

    「そうかも、しれないけど。」

    「………アニ、笑って?」

    「……は?」

    「笑いなよ、アニ。
    何もかも忘れて。」


    「……嫌よ。」


    私に笑顔なんて、

    似合わないもの。
  18. 18 : : 2014/03/21(金) 18:20:45

    居心地が悪くなって
    その場を離れた。

    アルミンは頭が良すぎる。


    「アニ…!」

    私は振り返らなかった。

    いや、振り返りたくなかった。


    「……ミカサ。」

    「アニ。あなたが話しかけて
    くるなんて、珍しい。」

    「その…やることは
    もう無いのかい?」

    「無いわ。
    お腹が空いたのなら
    もうお肉を焼いていきましょう。」

    「ライナー、僕もだよ。
    お腹空いちゃった!」

    「皆さん、先に食べましょう。」

    「サシャ、あなたが言うと
    先に食べ切りましょう。に、
    聞こえるからやめて。」

    「……ライナーは?」

    「エレンと、釣りしてるよ。」

    「あっ、そう。」

    「アニ。アルミンは?」

    「………知らない。」


    そう言ってシートに座り込んだ。

    …来るだけで疲れると言うのに
    この有様…

    「エレン。早くして。」

    「何だよミカサ!」

    「ヒソヒソ」
    (アニがお腹空いて機嫌が悪いの)

    「あぁ。悪りぃ。
    ライナー、また後でやろうぜ!」

    「おう、そうだな!」


    あぁ、怠い。

    やっぱり苦手だ、
    こんなところ。

    ライナーとベルトルトが
    先週からどうしても
    この日は開けておけって
    言ってたから来ただけで、

    こんなことするなんて

    聞いてないのに。


    放っておいてくれて、

    構わないのに。
  19. 19 : : 2014/03/21(金) 18:29:02
    超期待!!               いや~エレアニは多くて飽きたね     ベルアニは大好きです
  20. 20 : : 2014/03/21(金) 18:39:38


    パァーンッ!!

    「?!!」

    何?今の音。


    「アニ、誕生日おめでとう!」

    「……は?

    いや、わかんない。」

    「びっくりした?
    クラッカーだよ。」

    「本当は会ってすぐ
    言いたかったよね。」

    「肉焼こうぜ!」

    「シャンパン、持ってきたの。」


    え……何?

    こんな事までするなんて。

    いや、

    こんな事まで

    してくれるなんて。


    「アニ、プレゼントは
    後で渡すからね!」

    「……アルミン。」

    「とにかく腹ごしらえしよう!」

    「アルミン。さっきは、

    ごめ…」

    「いいって!やめて。

    誰も怒ったりしてないよ。

    ほら、アニ。」


    「…………。」


    渡されたお箸と皿。

    触れた指先から

    想いが溢れ出しそうだった。


    "ありがとう…。"


    そして



    "ごめんなさい"
  21. 21 : : 2014/03/21(金) 18:40:52
    >>19コメントありがとうございます!!
    エレアニそんなに多いですか?
    基本リヴァペトなので(笑)
    皆ベルアニ好きなんですね☆
  22. 22 : : 2014/03/21(金) 19:20:42

    「アニ。

    今日は貴女の誕生日。」

    「えっ、うん?
    知ってるけど…」

    「貴女が1番最初に
    食べなくてはならない。」

    「……は?」

    「ほら。お皿貸して。」

    「ちょっ、
    そんないっぱいいいって!」

    「ダメ。」ヒョイヒョイ

    「………。」唖然

    「シャンパンも入りましたよ。」

    「乾杯しようぜ!」

    「エレン、ダメ。

    それもアニがやるの。」

    「あ、悪い。アニ頼むぜ!」

    「えっ……ちょ?!」

    「アニ、恥ずかしいの?」

    「恥ずかしいとか、
    そういうのじゃ……。」

    「アニ。
    じゃあ皆で一緒にしよう?

    ね?」

    「ベルトルト…。」

    「それはいい案。そうしよう。」

    「じゃ、じゃあ…。」


    「「「 乾 杯 ! ! 」」」
  23. 23 : : 2014/03/22(土) 06:49:31

    「いただきます…

    あ……。」

    「どうです?
    美味しいでしょう?」

    「BBQには勿体無いくらい
    美味いな!」

    「そりゃぁ、1番良いお肉を
    盗って来ましたからね!!」

    「盗ってきたのかよ!!」

    「エヘヘ、アニの誕生日ですから!」

    「そうなんだ…。

    何か、悪いね。」

    「何言ってるんですか!

    皆さん友達でしょう?」

    「友達……。」

    「だから、父に怒られても
    平気ですよ!!」

    「サシャ、自分が
    食べたかっただけじゃねーのか?」


    いや、違う。


    皆、本当に……。

    私の事……。


    「ミカサ。

    ピーマンちょうだい。」

    「食べて、アニ。

    私が削いだの。」

    「……キレイな切り口ね。」


    「何の話してんだよお前ら。」

    「エレン。女の話よ。」

    「ベルトルト!

    ジャンとは連絡取れたか?」

    「あぁライナー。
    バイト終わったら
    来るって言ってたよ。」

    「何だジャンの奴
    やっぱ来るのかよ。」

    「ヒソヒソ」

    「あーなるほどな。」

    「エレン、アニには
    黙っておくんだよ。」

    「わかってるって!」

    「エレン。何の話?」

    「うるせーなミカサ。

    男の話だよ。」
  24. 24 : : 2014/03/22(土) 09:02:47


    「もう夕方になっちゃったね。」

    「どうする?BBQのだけでも
    片付けるか?」

    「お前やれよライナー。」

    「エレンも手伝えよ。」

    「ちょっと川から水取ってくる。」

    「私やるわ。」

    「いいってアニ!

    気にしないで!!」


    "気にしないで…。"


    「ねぇアニ。

    僕とミカサで少し話そう?」

    「ゴミの片付けは
    私とサシャでやったから。」


    「あ…うん。悪いね。」


    「でさっ!

    すっごく遠い話だけどこの世界には

    巨人がいたんだって!」


    「アルミンはその話が好きね。」

    「うん、でも……

    記述ばかりで証拠とか
    そういうのは残ってないんだって。」

    「どうして?」

    「蒸発して無くなるんだってさ!」

    「……………。」

    ズキッ


    「うっ……。」

    「アニ?どうしたの?」

    「頭が……急に…。」

    「おいどうしたんだ?」

    「アニが…気分悪いって。」

    「大丈夫か?」

    「……うん。」

    「アルミン、もうその話は
    やめようよ。」


    「そういえばジャンまだか?」

    「エレン電話しろよ。

    もう17時過ぎてんだろ。

    暗くなるぜ。」


    「アニ。

    お茶でも飲む?」


    「うん……。」

  25. 25 : : 2014/03/22(土) 17:10:17


    「はい、アニ。」

    「ベルトルト……

    あんた、知ってたんだね。」

    「………え?」

    「とぼけんじゃないよ。」

    「アルミンに歴史だか物語だか
    話させるのやめさせたでしょう。」

    「……アニ、これは…」

    「知ってて、黙ってたんだ?」

    「違うんだ、アニ。」

    「ベルトルト……
    あんたいつから、


    私を哀れに見てたの?」


    「アニ………。」

    「それと、

    ライナー。」

    「…………。」

    「ベルトルトがそうなら、
    あんたも

    知ってたんでしょう?」

    「あぁ、そうだ。」

    「なら、どうして?」

    「アニ、もう忘れろ。」

    「……は?」

    「俺達はもう戦士でも
    兵士でもないんだ。

    ただ普通の人間なんだ。」

    「知性巨人の知性度数を
    なめていたようだ。
    まさか……

    まだ覚えているなんてな。」

    「アニ……僕も、

    なんとなく覚えているよ。」


    「じゃあ……なんで、

    言ってくれなかったの?」



    また、私だけ仲間はずれ。

    また、私は一人ぼっち。

    まだ、私は…



    籠の中の鳥。
  26. 26 : : 2014/03/23(日) 01:56:17

    「アニ……。」




    「おぉ~い!」チリリン

    「あれ、ジャンじゃね?」

    「悪りぃな、遅れて!」

    「自転車で来たのか。」

    「あぁ。BBQ終わったのか。」

    「とっくに終わってるよ。

    あれ、ジャン、それ何?」

    「これか? ガサ

    これは……


    アニの誕生日ケーキだ!」

    「ジャン。
    どうしてあなたがケーキを?」

    「おぉミカサ。
    俺、バイト先コンビニなんだよ。」

    「わからない。
    コンビニとホールケーキに
    どんな関係があるの。」

    「ケーキ予約してたんだよ。
    BBQ終わった後に
    持って来ないと、
    腐ったりしちゃうだろ。」

    「なるほど。とても良い。」

    「ジャンのくせに頭使ったな。」

    「コンビニなめんなよエレン。」

    「今コンビニって何でも
    できるもんなー。」

    「おいエレン聞けよ。」

    「あぁ、アニ。

    ケーキ好きか?」

    「…………。」

    「アニ?」

    「うん……

    好き…。」
  27. 27 : : 2014/03/23(日) 11:54:17


    「シャンパンもう1本開けようか。」

    「あぁー全力で来たから
    喉乾いた。くれよ。」

    「ところでジャン…
    ケーキを切り分けるナイフは
    持ってきたの?」

    「あ……。」

    「ミカサ削げばいいじゃん。」

    「…洗ってくる。」

    「なぁ…もう暗くなってくるぜ。」

    「焚き火でもするか?」

    「そうだな。小さめに。」

    「サシャ。涎垂れてる。」

    「お前まだ食うのかよ」


    「アニ…。」

    「ごめん、向こう行く。」

    「ライナーどうしよう…。」

    「アニは多分、
    まだ苦しんでるんだろうな。
    でももう…

    いいだろ?」

    「そうだね…
    何に、しがみ付いてるんだろう。」



    「ミカサ、綺麗に切ったな。」

    「当たり前。」

    「あ、フォークはあるぞ!」

    「アルミン。」

    「うん、ちょっと待って!

    アニ、こっちおいでよ!

    ライナーとベルトルトも!」

    「あ、あぁ…。」
  28. 28 : : 2014/03/23(日) 12:44:31

    「アニ。改めて誕生日おめでとう!

    俺からはケーキだけだけど…。」

    「そんな事無い…

    ケーキ、好きだし。」

    「僕とミカサとエレンからは
    これ!」

    「アニに似合うと思ったの。
    開けてみて。」

    ガサガサ

    「髪のゴム…
    紫の蝶が付いてる。」

    「アニっぽいよな。」

    「綺麗…。」

    「アニ。私からはこれです。」スッ

    「封筒…?」ピラッ

    「フフフ…。」

    「高級焼肉食べ放題割引券…。」

    「おいサシャ…。」

    「肉ばっかだな!」

    「いえ!アニは細すぎます!」

    「あんたらしいわ。
    貰っとくね。」


    「ライナーとベルトルトは?」

    「あ、アニ…。」

    「…………。」

    「これ、2人で1つずつ選んだんだ。」

    ガサガサ

    「?!」

    「えーこれお前ら買ってきたの?」

    「ププッ」

    「笑うなよ!」

    「……ライナー。

    私、こんなに乙女じゃないよ。」

    「いや、十分乙女だろ。」

    「口紅と…

    写真立て…?」

    「ね、アニ。
    写真撮ろう。」

    「……は?」

  29. 29 : : 2014/03/23(日) 12:46:24

    「写真なんて…。」

    「アニ。もうやめよう。」

    「……何が?」

    「もう忘れよう。」

    「……何を?」

    「アニ……。

    お父さん、だろう?」

    「!!」

    「もう強がらないで。
    本当のアニを見せて。」

    「アニ…私はあなたと
    仲良くなりたい。」

    「ミカサ…。」

    「遠い昔に何があったのか
    知らない。知らなくていい。
    そんな事より、今が大事。」

    「俺もそう思うぞ。」

    「エレン…。」

    「過去を振り返るな。
    前に進もうぜ。」

    「皆の言う通りだよアニ。」

    「アニ。皆、
    君の笑った顔が見たいんだ。」

    「帰ってこいよ、アニ。」


    何で、皆そこまでするのかな。
    私は皆を見ようとしなかった。

    皆は私を見てくれていたのに。

    このまま身を委ねてもいいのかな。

    本当は苦しかったのかもしれない。

    私は上手く笑えるだろうか。

    ねぇお父さん。

    肩の荷物下ろしてもいい?
  30. 30 : : 2014/03/23(日) 12:48:01

    あの時お父さんが言ってた。

    すまない、許してくれ、と。


    記憶の彼方に残るお父さんは

    とても悲しそうだった。


    許さない、なんて思った事ないよ。

    ただ過ちをずっと覚えてて

    罪と罪と罪を

    引きずっていただけ。

    私は少しお父さんに

    しがみ付いていたのかもしれない。


    私はあの時戦士にも

    兵士にもなれなかった。

    私に今、できることは

    少ないけれど

    皆と少しずつ歩んで

    前に進もうと思うよ。



    お父さん、ありがとう。

    今の私には、

    大事な友達がたくさんいるの。


    「アニ、おかえり。」



    私は今日、

    初めて笑った。



    「ただいま。」



    ーfinー
  31. 31 : : 2014/03/23(日) 13:18:53
    作者が不能なばかりに…!
    アニちゃんが心を開く事ばかり考え!
    ベルアニにもライアニにもすることが
    出来ませんでした!!(泣)
  32. 32 : : 2014/03/24(月) 02:19:09
    こういうアニの方が好きです。多分、作品中のアニは皆が書いているssのような恋愛はしていないような気がする。私的にアニはもっと、孤独感が漂っている感じがします。こういうのがもっと増えればいいなあ、と。
  33. 33 : : 2014/03/24(月) 07:03:22
    >>32コメントありがとうございます!
    孤独感漂ってそうですよね(^^)

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