本機の心臓部には、メゾンの比類なき修復技術によって現代に蘇った1920年代製のミニッツリピーターキャリバーが搭載される。ジュネーブの時計製造史において最も崇敬されたメゾンの一つ、エドゥアール・コーエンの工房で生み出された同ムーブメントは、ミシェル・パルミジャーニが長年、プライベートコレクションとして大切に保管してきたアンティークムーブメントの一つであり、今回、再び生命を吹き込まれることになった。歴史的な芸術性とレガシーから誕生した世界で唯一ともいえるこの懐中時計は、世界中の愛好家の羨望の対象となることに疑いの余地はない。
ロシアの独立時計師 コンスタンチン・チャイキンは、その革新的な創造性を遺憾なく発揮した「ホワイトラビット」を発表した。本機は2023年のウサギ年を祝して構想され、ルイス・キャロルの童話『不思議の国のアリス』に登場する白ウサギの世界観を、懐中時計というキャンバスの上に具現化。『不思議の国のアリス』の第7章で描かれる“日にちだけを示す時計”という描写は、チャイキンに複雑な永久カレンダーの搭載へと駆り立て、ケース裏側の第2ダイヤルに忍び込ませた。また、設計の途中で追加された“狂ったお茶会”という機能は、帽子屋の世界の時間が6時で止まった描写を機械的に再現したもの。ケース側面のボタンを一度押すだけで、時刻表示を担うウサギの両目が正確に6:00の位置に揃うユニークなギミックが仕込まれている。これらの目玉となる機能に加え、月齢表示、昼夜の長さ、日の出・日の入り表示、ゾディアック表示など、合計16もの複雑機構を搭載している点は、まさに天才の所業といえるだろう。
本機は芸術作品としての完成度にも徹底的にこだわり抜き、手仕上げによる精緻な装飾、透明性を誇る両面サファイアクリスタル、リバーシブルケースといった細部に至るまで美と技術の極限を追求。内部には、691の部品と86の人工ルビー(石)からなる超複雑な自社製ムーブメント「キャリバー K.34‑1」を搭載する。これほどの高度な技術が注ぎ込まれた「ホワイトラビット」は、わずか6本のみの限定製造となるが、世界でも類を見ない本格グランドコンプリケーションの作品として必然の結果といえるだろう。


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