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このSSは性描写やグロテスクな表現を含みます。

やはり俺の終末世界暮らしは間違っている

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  1. 1 : : 2024/01/28(日) 00:39:18



     あの日…突如としてゾンビが世界を襲ったあの日から、何日が経っただろうか。

     時計も何もない今では、時間の感覚すらも分からない。その上地下であるが故に、太陽と月は影すらも見えない。

     俺が咄嗟に逃げ込んだ、臭く暗い下水道の中。

     俺は今日も、ぼっちで下水道を練り歩いている。


    「………誰もいない、か」

     長時間ぼっちでいると、ついつい思考が口に出てしまうのは何故だろうか。

     恐らく、誰かに気付いてもらいたいが為に、己から音を発して気付いて貰いたいのだと思う。例え誰も居なくとも、孤独を紛らわす為に。

     何度声を荒げただろうか、何度叫んだだろうか。来るのは数匹のゴキブリと、どこにいるか分からないネズミの鳴き声だけ。

     恐らく、俺が死ねばこいつらは俺の死体を食い漁るのだろう。

     それは…嫌だな。
  2. 2 : : 2024/01/28(日) 00:54:17


     それから三時間くらいか…暗かった俺の視界に、微かに光が見えた気がした。

     気の所為だと思いつつも進み続けると、徐々にその光は強くなっていく。

     俺は予想し、勘付いた。

    「…誰か、開けっ放しにしやがったか」

     だとすれば話は早い。急いで此処から離れて逃げるべきだ。

     マンホールがどれだけの間開けっぱなしだったのかは分からないが、少なくとも直近で開けられてはいない。

     下水道の意味の無い換気にはちょうど良いかもしれないが、いつ上からゾンビが降ってきたか分からない以上、この近くにいるのは危険だ。

     そう思い踵を返そうと、振り返る。

    「…ゔああ」

    「ッッッ!!???」

     驚いて尻餅を付いたのが幸いした。

     背後にいたゾンビの噛みつきを回避できた。その代わり初動が最悪になっているが、急いで立て直せば問題ないッ。

     ゆったりとした動きで動くゾンビから目を離さずに急いで立ち上がって、少しずつ音を立てないように後ろへ下がる。

     ゾンビ騒動の初日で分かったことだが、コイツらは音に敏感だ。このまま距離を取れば…。

     ___よし、いまだ。

    「っ!」

     バッと振り向き、俺は走り出す。

     恐らく俺が走っている方向は開いたマンホール側…つまり、ゾンビが高確率でいるかもしれないエリアだ。

     どうするか…走っていく先でゾンビがいた場合、武力行使で道を切り開けない限り万事休すだ。だがもし、このままマンホールまでゾンビがいなかった場合、俺は一旦外に出よう。

     今外の状況がどうなっているのか知りたいし、そろそろ食料や水の確保もしないといけない。今までは幸いチョコなどの携帯食料を持っていたが、もう残りは節約して後三日しか持たない。

     それに、あいつらの無事も確認したいしな…。
  3. 3 : : 2024/01/28(日) 22:02:46


     外に出れた。

     一見なんの変哲も無い住宅街だが…変だな。

     俺があの日に見た惨劇では、そこかしこで人が食われて、道路や家の塀や壁なんかには血がべっとりと付いていた。

     それなのに、俺の付近にはそんなものは一つとしてない。

     もしかして、既に事態は収まっていて、今は街の洗浄などが始まっているのだろうか?いや、そんな現実はない、今ある現実を見ろ。

     今この時に救いが来る筈が無いんだからな。

    「…バイオ的な思考をすれば、血肉を一つ残らず食っていく突然変異なんかもいそうだけどな」

     そしてそういう奴ほど速いし強いって相場がある。

     用心しねぇとな…。

    「…確かこの辺はららぽの近くだったか…まずは食料調達だな」

     ついでにゾンビに対抗する為の武器とか防具もあれば良いが…絶対ゾンビの巣窟になってるだろららぽ。

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Garia

うづき

@Garia

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