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終わらない恋-ベルアニ・エレヒス-

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  1. 1 : : 2015/03/02(月) 20:22:17
    7作目です。

    冬がくれた予感-エレアニ・ベルアニ・エレヒス・104期-
    http://www.ssnote.net/archives/31762
    の続きでベルアニ、エレヒスルートになります。

    誤字や脱字などあればご指摘お願いします。
  2. 2 : : 2015/03/02(月) 20:30:23
    「……やめて」

    小さく呟いたアニの目はさっきと違い、恐怖と悲しみに染まっていた。

    「ごめん……」

    エレンもまた、小さく謝ることしかできなかった。

    「あんたの気持ちには応えられない……私はそっちへ行けない」

    「なんでだよ、もう関係ないだろ!? お前は生まれ変わったんだ!」

    「そうだね。それなら何でこの世界で初めて会った奴に執着するの?」

    「それは……」

    「あんたが愛してるのは戦士になりきれなかった『アニ・レオンハート』だよ」
  3. 5 : : 2015/03/03(火) 19:05:15
    「私はもう『アニ』にもなれないし、普通の幸せを手に入れることも許されない」

    「なんで、そんなに、自分を追い詰めるんだよ……」

    アニは涙目ながらに叫んだ。

    「……あんたにわかる? あの人生の最初から最後まで、記憶を持って生まれた私の気持ちが。一生分の人殺しを覚えてる気持ちが!!」

    「わかんねえよ……けど、お前がいなきゃいけねえんだよ!」

    「は、あんたも学習しないね。女の子との話し方。あんたの思いだけじゃ駄目なんだよ」

    彼女はとても低い声で、とても冷たい視線で、囁いた。

    「エレン、あんたが邪魔なんだ」


    「私はこの気持ちを理解し合える人達がいる。私が愛せるのはベルトルトとライナーだけ。あんたのおかげで気づいたよ」


    エレンの想いが過去に変わっていく。
  4. 6 : : 2015/03/03(火) 19:28:43
    「はは、そうかよ……また、俺は、見えないものに気付かないで追いかけてばかりで……」

    「この運命に逆らうことなんてできない。これでいいんだよ」

    「……お前は、捨てる道を選んだんだな」

    「変えるためには……捨てなきゃいけなかったんだよ」

    「黙っといてあげるからあんたも進みな。自分の人生を」

    アニはそう言い捨てて建物の中へ戻っていった。
  5. 7 : : 2015/03/03(火) 20:15:53
    「お待たせ! あれ、まだこんなに並んでるんだね」

    「……ああ、たまたま知り合いに会って話しこんでたら並ぶの遅れちゃってさ」

    エレンの顔を覗く。

    「吹っ切れたって顔だね、エレン」

    「『二度目の別れ』をしてきたんだ」

    ヒストリアは、ふぅんと頷くと慈愛に満ちた笑顔を見せた。

    「これからよろしくお願いします!」

    「おう、こちらこそ!!」
  6. 8 : : 2015/03/03(火) 20:43:41
    「んーやっぱり有名なところだけあって美味いな」

    ライナー、ベルトルト、アニが一緒に住むマンションの一室。

    ご飯の後、買ってきたプリンとケーキを食べていた。

    「だね! 並んだ甲斐があったよ」

    「ねえ」

    アニは突然、今までの雰囲気とは全く違う真剣な顔になる。


    「これからも愛してる」


    「2人に好きな人ができて、結婚して、子供ができて、幸せに暮らしてても、2人だけを愛してる」

    アニの発言と笑顔に、ライナーとベルトルトは驚いた。

    「俺もお前ら2人をずっと愛してるぞ。そういう運命のもと生まれたようなもんだからな!」

    「僕にはアニとライナーがいるのに他の人を愛せると思う?」

    そしてすぐ、3人全員が笑顔になった。
  7. 9 : : 2015/03/03(火) 21:13:56
    「エレン」

    昼休み、教室の机で珍しく1人呆けていたエレン。

    そんなエレンを心配してかアルミンが話しかけてきた。

    「……よう、アルミン」

    「大丈夫? 今日はずっとそんな感じだけど」

    「……昨日、アニに会ったんだ」

    「えっ! アニに!?」

    アルミンは信じられないといったように一歩後ろへ下がった。
  8. 10 : : 2015/03/03(火) 21:37:12
    「そうだ。でも、俺がずっと追いかけてた『アニ』じゃなかった。あいつはもう、この世界での生き方を決めてた」

    「なあアルミン、お前さ『昔』何かを変えるにはどうするって言ったっけ」

    「えっと……何かを変えることのできる人は、大事なものを捨てることができる人、かな」

    するとエレンは心が晴れたように笑う。

    「ふ、だよな。俺ももう過去の大事な想い出は捨てる。この世界のエレン・イェーガーとして生きていくよ」

    「エレン……よかったよ。でもどうして急に?」

    「ああ。わかったんだ……あいつもあの時過ごしていた時間を、大事だと思っていてくれたことが」

    「そっか。アニに、会えてよかったね。」

    「おう。あ、このこと他の奴に言うなよ!」

    「言わないよ!」

    「はは、悪い。それじゃあアルミン、行くか」

    「ああ、行こうか。本当の壁の外へ!」

    エレン達もまた、新たな人生を歩みはじめた。
  9. 11 : : 2015/03/04(水) 18:02:52
    「ジャン、マルコ! おはよー!」

    「ミーナ朝からうるさいよ。おはよう」

    朝の教室に、明るいミーナと気怠そうなアニが入ってきた。

    「えー朝の挨拶は元気よく、だよ!」

    「おはよう、ミーナ、アニ。ベルトルトはいないの?」

    「なんかライナーと花屋行った」

    「おはよーさん。朝からあの大男2人が花屋……」

    先に来ていたマルコとジャンは、想像して顔色を悪くさせていた。
  10. 12 : : 2015/03/04(水) 18:20:25
    「っていうかアニ、なんか今日ちっちゃくねえ?」

    そしていつも通り、冷やかす。

    「ジャン……またそうやって自分から……」

    「そりゃあ男のあんたたちと比べたら小さいのは当たり前でしょ」

    「……えっ」

    「は……?」

    普段ならすぐに蹴って喧嘩勃発となるところが、正論により何も起こらなかった。
  11. 13 : : 2015/03/04(水) 22:42:30
    今までにない出来事に男2人は驚きを隠せないでいる。

    「アニ、偉い! ついにくだらない喧嘩にのらなくなった! いいこいいこー!!」

    「ミーナ、さっきも言ったけどうるさいよ」

    「なんだよーつまんねえな。急にどうしたんだよ?」

    よくぞ聞いてくれました、と言わんばかりのドヤアニ。

    「昨日、私は大人になった!」

    「はあ?」

    「身長なんて関係ない。私の中身はあんたたちより大きいのさ!」

    「お前頭大丈夫か?」

    「は? 馬に言われたくないけど?」

    マルコとミーナは優しく微笑んで2人を見守る。

    「はは、ジャンも大人になってくれればいいんだけど」

    「やっぱり、この2人はこうじゃなくちゃね!」

    彼らの日常は『あの頃』からは想像もできないほど、平和で楽しいものになっていった。
  12. 16 : : 2015/03/05(木) 23:16:08
    「ただいま」

    アニは靴を脱ぎリビングへ入る。

    今日、ベルトルトは学校に来なかった。

    ライナーはよくわからないが。

    「おかしい……」

    ライナーとベルトルトの靴はあったはず。

    なのに、姿が見当たらない。

    それぞれの自室にいるなら、リビングより玄関に近いのだから迎えの言葉くらいはあってもいいものだろう。

    「……はぁ」

    アニは寂しさを覚えながらも自分の部屋へ着替えに向かった。
  13. 17 : : 2015/03/06(金) 23:58:04
    『おかえりなさい、アニ!』

    自室のドアを開けると、綺麗な紅、白、ピンクの花で埋まっていた。

    「な、にこれ……」

    「今日ね、街中の花屋さんを巡って来たんだ」

    「アザレアって花だ」

    素晴らしく可愛らしい色の中にいる金と黒のごつい男。

    ドアからその2人の場所までだけ、花がない。

    ただのフローリングだが、アニには輝く未来への道へ見えた。

    「花言葉は……」


    『あなたに愛される幸せ』


    「……っ」

    アニは2人のもとへ飛び込んだ。

    「これからもずっと一緒にいて……!」

    「もちろん、何度死んでも、何度生き返っても傍にいてやる」

    「一蓮托生、だね」
  14. 20 : : 2015/03/07(土) 22:05:39
    「じゃ、行ってくるよ」

    「行ってきます!」

    「お前らがデートなのに俺は仕事か……うん……悲しくなんかないぞ……」

    「ったく、夜ご飯作って待ってるからあんたもさっさと支度してきな」

    「本当か! わかった、それじゃあ気をつけて行ってこいよ!」
  15. 21 : : 2015/03/07(土) 23:20:24
    「アニ」

    ベルトルトはアニの手をしっかりと握った。

    「っ、何?」

    いつもより強気な彼に、ドキドキする彼女。

    「アニといれて幸せ」

    彼女は忘我の表情を顔に浮かべる。

    「ぁ、ありがとうっ……!」

    「っ! ……僕の知らない顔をするんだね」

    「ベルトルトだって、今まで見たことないくらい意地悪な顔してるよ」

    「もっともっとアニを知りたい」

    「きっと何千年たっても知り尽くせ無いよ。お互いにね」

    「じゃあ、ずっと恋できるってことだね」

    「……や、やっぱり私の知らないベルトルトだっ!」


    2人が離れる日は永遠に来ない。


    〔か弱い乙女とずるい男〕

    -Another route?-
  16. 22 : : 2015/03/07(土) 23:49:34
    お疲れ様(^○^)よかったです!
  17. 23 : : 2015/03/08(日) 00:40:43
    ここまで読んでいただきありがとうございます。

    エレアニルートに比べて文量が少なくなってしまったのでベルアニもっと書きたいと思います(*´ω`*)

    期待などの応援、とっても励みになりました!
    完結したので本文中のものは非表示にしますが、モチベーションがとってもあがるのでよろしければこれからもよろしくお願いします。

    もう1つ、別ルートを用意しているのでもし機会があればご覧下さい!
  18. 24 : : 2015/03/08(日) 00:41:40
    >>22
    anianiさん

    ありがとうございます!
    そう言って貰えて嬉しいですっ
  19. 25 : : 2015/03/08(日) 11:16:40
    お疲れ様でした!
    次の作品も期待しています!
  20. 26 : : 2015/03/08(日) 12:56:52
    >>25
    惚夏さん

    いつもありがとうございます!
    そんなこと言っていただけるなんて、書いてる甲斐があります!
  21. 27 : : 2015/03/08(日) 13:39:38
    咲*さんの作品には毎回ドキドキさせられてます!すっごくいい話でした♪
  22. 28 : : 2015/03/08(日) 14:11:48
    >>27
    雛莉華さん

    本当に毎回見てもらえて、そんなこと言ってもらえて嬉しいです。
    いつもコメントもありがとうございます♪
    これらかもよろしくお願いしますね

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著者情報
Liebeschon1104

咲*

@Liebeschon1104

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2000年後の記憶 シリーズ

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