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この作品は執筆を終了しています。

リヴァペト テン・カウントの絆

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  1. 1 : : 2014/07/13(日) 16:50:20
    真夏の暑さが肌をジリジリと焦がす。


    リヴァイ「………チッ」

    クーラが切れてしまい、部屋の中は蒸し暑い、その部屋の主は不機嫌さを隠さずにベットから立ち上がった。


    リヴァイ「…」


    リヴァイ「……最悪な野郎の夢を見ちまった」


    暑さが頭を狂わす時期に、少しだけ昔を思い出してしまった。



    文化祭編を書く時間がないので、リヴァペトの番外編を先に書かせて頂きます!


    http://www.ssnote.net/archives/17657
    エレアニ 皆で夏祭り
    こちらで触れる事が出来なかった、リヴァイとペトラのお話です。


    SSを読者の皆様に気持ちよく読んで貰うために、作品が終了するまでコメントを制限させて頂きます。

    コメントを貰えると本当に嬉しいです
    しかし、途中で貰ったコメントを非表示にするのは心が痛みます。

    ですので、作品が終了するまではこちらにコメントを頂けると嬉しいです!

    http://www.ssnote.net/groups/347/archives/5
    作品の感想
    好きな漫画のストーリーを参考にしてます
  2. 2 : : 2014/07/13(日) 16:51:45
    ピリリリリリリリ


    リヴァイ「ペトラ?」ピッ


    ペトラ『あ!おはよう!!』


    リヴァイ「どうした?こんな朝、早くから?」


    ペトラ『起こしちゃった?ごめんね?』


    リヴァイ「起きてたから気にするな……それで?どうした?」


    ペトラ『そうそう!夏祭り!夏祭り一緒に行こうよ!!』


    リヴァイ「あぁ、もちろんだ」



    夏の暑さも彼女の笑顔を見れば元気になれると思っている。

    自分らしくないことを考えてしまって無意識に笑ってしまった。
  3. 3 : : 2014/07/13(日) 16:52:21
    電話でデートしようと誘われたから、約束した喫茶店に行くために家を出た。


    リヴァイ「……」


    リヴァイ「……暑いな」


    文句を一言だけこぼしてその場を後にする。

    セミが鳴り響くこの季節にセミの声が耳障りだと感じてしまう。

    夏の猛暑から少しでも早く避難しようと歩くスピードをあげる。



    カラン



    「いらっしゃいませ!」


    リヴァイ「まだ来てないか」


    「お一人様で…」


    リヴァイ「今から連れが来る……悪いが待たせて貰いたい」


    「あ!はい!では、こちらへどうぞ」


    案内された席に座り、彼女が来るのを待っていた。
  4. 4 : : 2014/07/13(日) 20:58:11
    リヴァイ「…ズッ」


    リヴァイ「まぁまぁの味だな」


    頼んだコーヒを飲みながら、目線を祖とに向けた。


    リヴァイ「………」


    自分に気が付いていない彼女の姿が見えた。


    リヴァイ「(気付いてないな)」


    喫茶店の外で、ガラスに写った自分を見ながら格好を気にする彼女の姿があった。
  5. 5 : : 2014/07/13(日) 20:58:32
    ペトラ「よし、髪型も問題ないね…服も変じゃないよね?」


    リヴァイ「…」


    ペトラ「あ、汗で服が…ハンカチで…」


    リヴァイ「…」


    ペトラ「?」


    リヴァイ「…………フッ」


    ペトラ「…///」


    顔を真っ赤にして店に入ってきたペトラを見て、顔がにやけてしまうリヴァイ

    それを見ていた店員さん、他のお客さんがクスクスと微笑んでいた。


    ペトラ「…はぁ///」ガタン


    リヴァイ「…お前は面白いな」


    ペトラ「気付いてたなら教えてよ!」


    リヴァイ「悪いな」


    ペトラ「意地悪だね!リヴァイは!」

    頬を膨らませる怒る彼女を見ていたら笑ってしまった。

    それを見て「笑うな」って怒ってくる。こんなやり取りが嫌なことを忘れさせてくれる。
  6. 6 : : 2014/07/14(月) 23:08:03
    リヴァイ「で?何処に行きたい?」


    ペトラ「あ!どうしようね」


    リヴァイ「(考えてなかったのか)」


    ペトラ「夏祭りはまだ先だしね、今日は涼しい所に行かない?」


    リヴァイ「………またか?」


    ペトラ「服とか見たいし!」


    リヴァイ「仕方ねぇな」

    ペトラの頭の中は涼しい所=デパートっていう変な方程式が出来てやがる

    リヴァイ「(俺はこいつには甘いな)」


    そんなことを考えながら喫茶店を後にしたんだ。
  7. 7 : : 2014/07/14(月) 23:08:35

    外は喫茶店の中と違って暑い。


    ペトラ「あ~焼けちゃう……焼けちゃう」


    リヴァイ「…」


    ペトラ「私さ、最近ね!」


    リヴァイ「?」


    ペトラ「ダイエットに成功したんだ!凄いでしょ?」


    リヴァイ「ダイエット必要なのか?」


    ペトラ「……アイス食べ過ぎてね」


    リヴァイ「お前がダイエットか……世界中のダイエットをしてる女を敵にしたな」


    ペトラ「へ?」


    リヴァイ「お前は……そのままで十分綺麗だ」


    ペトラ「え?///」


    その発言に照れたのか、頬を赤く染め、下を向いてしまたったペトラの手をリヴァイは無理矢理つかんだ。

    その行動にまた照れたペトラは言葉を失っていた。
  8. 8 : : 2014/07/14(月) 23:09:02
    リヴァイ「…何を買いたいんだ?」


    ペトラ「え、え~とね!まだ決まってないけど服とか見たいかなって」


    リヴァイ「なるほどな」


    ペトラ「リヴァイは?何か見たい物とかないの?」


    リヴァイ「見たい物……か」


    リヴァイ「今はこれといって必要な物はないな」


    ペトラ「たまには無駄遣いしようよ?」


    リヴァイ「無駄遣いか」


    ペトラ「うん、無駄遣い!」


    仕方ないから気に入った服でも買ってやるか


    リヴァイ「そうだな」


    そう言ったら、驚いた顔を見せてくる
    無駄遣いしようと言い出したのはお前だろ?


    そんなことを考えながら歩いていくんだ。
    デパートが見えてきたら子供のようにイキイキしてるのが見てて感じられた


    ペトラ「似合う服あるかな~」


    リヴァイ「さっさと中に入るぞ」


    ペトラ「暑いもんね!」


    何気ない会話をしながらデパートの中へ入っていった。
  9. 9 : : 2014/07/14(月) 23:11:35
    ウィーーーン


    ペトラ「涼しいね、生き返る気がする」


    リヴァイ「あぁ、最初は服屋か?」


    ペトラ「う~ん、そうだね!いいの買われたらショックだしね!」


    リヴァイ「服屋は2階だ……行くぞ」


    ペトラ「りょーかい!」


    手を繋いでるのには慣れてきたのか?いつも通りのペトラだな

    ペトラは可愛くて、面白い奴だ…
    普段から手を繋いだりするのに急に手を繋ぐと照れるらしい


    リヴァイ「いい匂いだな」


    ペトラ「え?あ…シャワー浴びたからね///」


    リヴァイ「そうか」


    ペトラ「ふふふっ!」


    リヴァイ「ペトラ?さっさと行くぞ」


    ペトラ「うん!わかってますよ!」
  10. 10 : : 2014/07/14(月) 23:12:11
    服屋につくとペトラはなん着もカゴに入れる…


    ペトラ「あ!これも良いね」


    リヴァイ「…」


    ペトラ「これも、これも!」


    リヴァイ「ペトラ」


    ペトラ「何?」


    リヴァイ「お前はなん着、買う気なんだ?」


    ペトラ「え?あぁ!こんなに沢山は買えないよ!試着するの!」


    リヴァイ「…」


    ペトラ「よし!着てくるね!」


    リヴァイ「………あぁ」


    そんなに試着するものか?
    一度、試着したら全部欲しくなるんじゃないか?


    リヴァイはそんなことを思いながらペトラを見つめていた。
  11. 11 : : 2014/07/15(火) 20:18:43
    俺はさっきから同じ行動をしている
    さっきから似たような発言をしてる

    勘違いするなよ?

    似たような発言をしてるのは面倒という訳じゃねぇ

    本当にそう思っている




    シャァーー


    ペトラ「どう?似合ってる?」


    リヴァイ「似合うな……だか、俺と一緒の時にしか着るなよ」


    ペトラ「何で?」


    リヴァイ「肩が出てる……他の男に話し掛けられたらどうするつもりだ?」


    ペトラ「心配してるの?」


    リヴァイ「………チッ」


    ペトラ「あはは!ごめんね!冗談だよ!」


    リヴァイ「テンションが高いな……糞眼鏡みたいだな」


    ペトラ「糞眼鏡?もしかしてエルヴィンさんと同じ警察の女の人?」


    リヴァイ「あぁ、その糞眼鏡だ」


    ペトラ「酷いアダ名だね」


    リヴァイ「他の服は着なくていいのか?」


    ペトラ「ちゃんと着るよ!似合うか教えてよ!」


    リヴァイ「ふっ…さっさと着ろ」


    ペトラ「待っててね!覗いちゃダメだよ!」


    リヴァイ「(今日は本当に機嫌が良いな)」
  12. 12 : : 2014/07/15(火) 20:19:03
    結局、ペトラは着ていた服のほとんどが気に入ったらしく


    ペトラ「悩む…悩むなぁ」


    リヴァイ「…」


    ペトラ「う~ん」


    ペトラ「………リヴァイはさ?」


    リヴァイ「あ?」


    ペトラ「どれ着てほしい?どの服を着た私とデートしたい?」


    リヴァイ「…」


    リヴァイ「俺の趣味でいいのか?」


    ペトラ「うん!リヴァイの趣味でいいよ!」


    リヴァイ「…………」スッ



    黙って着てほしい服を手にとって渡した。



    ペトラ「キャミソールか!これにしよ!」


    リヴァイ「…」グイ


    ペトラ「え、ちょっと?」


    リヴァイ「俺が買ってやる……ついでに白のワンピースも買ってやる」


    ペトラ「え、え!?いいよ!自分で買うから!」


    ペトラが気に入ってたワンピースもついでに買ってやった。

    ……………無駄遣い、何かじゃねぇな
    自分の女だ、一番みたいのは笑ってる顔だ。
  13. 13 : : 2014/07/15(火) 20:19:33
    服を買った後は、昼飯を食べにデパートの中にあるレストランに足を運んだ。


    ペトラ「…」ムスーー


    リヴァイ「何を怒ってやがる?」


    ペトラ「別に~」


    リヴァイ「服を俺が買ったのが気に入らなかったのか?」


    ペトラ「…リヴァイはいつもさ」


    リヴァイ「あ?」


    ペトラ「私に優しくしてくれるよね?」


    リヴァイ「?」


    ペトラ「それなのにさ…私はリヴァイに何かしてあげれてない気がしてね」


    リヴァイ「馬鹿な事を言うな」


    ペトラ「馬鹿って!確かにテスト順位はリヴァイに勝てないけど!!」


    リヴァイ「馬鹿だからな」


    ペトラ「も、もう!酷い!!」


    リヴァイ「…フッ」


    ペトラ「あ~!!昼ごはんは私の奢りね!!」


    反応が面白くて、ついつい意地悪してしまう。

    昼ごはんにオムライスを美味しそうに食べてる姿を見てると微笑んでしまう。




    「お水お入れ……リヴァイさん」


    急に名前を呼ばれて誰だと思ったら…


    リヴァイ「………ニファか?」


    昔の友達に出会った。
  14. 14 : : 2014/07/15(火) 21:51:26
    ペトラ「友達?」


    リヴァイ「…」


    ニファ「初めまして!ニファです!」


    ペトラ「は、初めまして!ペトラって言います!」


    ニファ「ふふふっ!リヴァイさん、可愛いらしい彼女さんですね!」


    ペトラ「へ?///」


    リヴァイ「ニファ……何でお前がこっちに来てる?」


    ニファ「…色々と…あるんですよ」


    ペトラ「?」


    リヴァイ「………その色々って言うのは俺が…」


    ニファ「リヴァイさん!」


    リヴァイ「あぁ?」


    ニファ「デートが終わってからで良いです!少しだけ、少しだけお時間を!」


    リヴァイ「…」


    ペトラ「あ、え~と……お昼食べたら帰るから大丈夫ですよ?」


    リヴァイ「ペトラ?」


    ペトラ「ほら!早く食べるよ!」


    リヴァイ「…」


    気を使いやがって…
    別に気を使わなくて良いだろ
  15. 15 : : 2014/07/16(水) 13:23:18
    ペトラは変な気を使って1人で帰って行ってしまった。

    名前を呼んだか、振り返らずに歩いて行ってしまう。


    リヴァイ「…」


    リヴァイはペトラの後ろ姿を寂しそうに見つめることしか出来なかった。



    デパートの外にある公園でリヴァイはニファの話を聞こうとした。


    リヴァイ「ニファ…何があった?」


    ニファ「リヴァイさん、ケニーを覚えてますか?」


    リヴァイ「…お前がこっちに来た理由はケニーが問題か?」


    ニファ「ケニーは……市のボクシング大会で自分が鍛えた選手を試合に出したんです」


    リヴァイ「その相手は悲惨だな」


    ニファ「……」


    リヴァイ「誰だ?俺の知ってる奴か?」


    ニファ「エルドさんです」


    リヴァイ「……チッ」


    ニファ「リヴァイさん……お願いが…」


    リヴァイ「悪いが、俺には関係ない」


    ニファ「皆、あなたに憧れて始めたんですよ?オルオさんだって…」


    リヴァイ「…オルオは謹慎中だ……夏休みが終われば学校に戻れるだろう」


    ニファ「リヴァイさん!」


    リヴァイ「…」



    自分を引き止めようとする彼女に背を向けて、黙ってその場を過ぎ去った。

    後ろから聞こえる女の声が心に響いて苦しかった。
  16. 16 : : 2014/07/16(水) 13:23:38
    1人でなれた道を歩く。
    空を見上げたら、夜空が見えた。


    リヴァイ「…」


    誰にも伝えていないこと。
    転校する前の自分がどんな生活を送っていたのか。

    昔の自分の事は、ここで生活するなら知らなくても良いはずだ。


    リヴァイ「…チッ」

    スマートフォンを手に取り、ペトラに連絡をした。


    ペトラ『もしもし?』


    リヴァイ「ペトラ…すまなかった」


    ペトラ『あ、あのさ!何の話をしてたの?』


    リヴァイ「………今から会えるか?」


    隠していたことを謝るべきと判断し、自分の彼女と待ち合わせをした。
  17. 17 : : 2014/07/16(水) 13:24:06
    彼女の家の近くに来てもらうことにした。

    リヴァイ「…」


    ペトラ「あ!こっちだよ!」


    リヴァイ「ペトラ……俺はお前に謝ることがある」


    ペトラ「…」


    リヴァイ「さっきの女は俺の昔の友達だ」


    ペトラ「友達?うん、それは聞いたよ?」


    リヴァイ「俺が転校した時の事を覚えているか?」


    ペトラ「もちろん!覚えてるに決まってるよ!」

    いつもと同じ様な態度で話してくれているけど、不安そうな顔をしてるペトラ。

    リヴァイは自分の昔の話を説明し出した。
  18. 18 : : 2014/07/16(水) 13:24:34
    リヴァイ「昔、ボクシングをしていたんだ」


    ペトラ「……はじめて聞いたよ」


    リヴァイ「………ニファはその時のマネージャーだ」


    リヴァイ「オルオも俺と同じでボクシングをやっていた」


    ペトラ「オルオも?」


    リヴァイ「エレンを怪我させた理由は俺にも責任があるかもしれない」


    ペトラ「あれはオルオ達が…」


    リヴァイ「あいつは俺とボクシングを続けるために、こっちに転校してきたんだ」


    ペトラ「…」


    リヴァイ「その俺がボクシングを辞めていた……それでイライラしてたんだろうな」


    リヴァイ「そしてエレン達が入学してきた時に目立ってたエレンに…」


    ペトラ「ね、ねぇ?」


    リヴァイ「…」


    ペトラ「関係ないよね?あの女の子もオルオも今のリヴァイに関係ないよね?」


    リヴァイ「俺に……ボクシングを教えてくれた奴がいたんだ」


    ペトラ「?」


    リヴァイ「そいつのボクシングは俺に合っていた、ムカつくこと全部忘れれるぐらい強くなれた…」


    ペトラ「リヴァイ?」


    リヴァイ「そいつの名前はケニー」


    ペトラ「ケニー?」


    リヴァイ「そいつが鍛えた野郎が俺の連れを怪我させた……まともなボクシングじゃねぇ方法でな」


    ペトラ「…」


    リヴァイ「…ペトラ……悪いが…」


    ペトラ「はぁ」

    ペトラは最初からこうなることを知っていたかのようにため息をした。

    リヴァイは少しだけ驚いた表情を見せた。

    そんなリヴァイの表情を見てペトラは1つだけ約束をさせた。


    ペトラ「夏祭りは絶対、一緒に行くんだからね!」


    リヴァイ「ああ、約束しよう」


    不安そうな顔をしてるペトラと手を繋ぎ歩き出す。

    しばらくはデートが出来ないことを少しだけ悔やんでるリヴァイだった。
  19. 19 : : 2014/07/16(水) 13:24:57
    ペトラを家まで送った後、自分の家を目指して歩き出した。


    リヴァイ「…」


    ニファがこっちに来てる理由は分からないが、取り合えずケニーの問題は俺も気になる事がある。

    黙って歩いてると目の前に金髪の少年が歩いていた。


    アルミン「あ!リヴァイ先輩!」


    リヴァイ「エレンの連れか」


    アルミン「?」


    リヴァイ「お前は何してるんだ?」


    アルミン「あ…ははっ…」


    少しだけ話を聞いてやったら、夏祭りの花火を綺麗に見える場所を探していたらしい。

    リヴァイ「あそこの神社に行ってみろ……花火ぐらい綺麗に見える」

    後輩に優しくしてしまうのは、俺の悪い癖かもしれない。

    お礼をいってくるアルミンに軽く手を振って歩き始めた。
  20. 20 : : 2014/07/16(水) 13:25:20
    バタン


    リヴァイ「…」


    家に帰ってきてからすぐに、押し入れを開けて【ある物】を探した。


    リヴァイ「チッ……次からはここも掃除しねぇとな」

    ホコリを被ってるダンボールを開けてみた。

    リヴァイ「………久し振りだな」

    ダンボールの中から出てきたのは彼が昔使っていた思いでの品が出てきた。



    【黒いボクシンググローブ】


    リヴァイ「明日にでも顔を出しに行くか」


    机の上にグローブを置いて就寝の準備をした。

    机の上に置いてある写真に目が留まった。

    リヴァイ「ペトラ…すまないな」

    少しだけ時間が欲しい、昔を引きずって生きるのは性に合わない。

    リヴァイは無意識に拳を握っていた。
  21. 21 : : 2014/07/16(水) 18:20:19
    リヴァイ「ふっ!」


    バンバンとミットを殴る音がする


    ケニー「リヴァイ!中心を殴れ!」

    自分の方に攻撃を仕掛けてくるケニーのパンチを避けきれずに当たってしまう。

    リヴァイ「チッ」

    舌打ちをしても意味がなかった
    ボクシングは弱かったら負ける…

    ケニー「わるがき野郎、舌打ちする余裕があるなら立て」

    とれだけリヴァイが拳をいれた所で、ケニーはリヴァイの拳を押し返してくる。


    リヴァイ「糞が」


    ケニー「ミット打ちで息があがってるのか?俺の見込み違いか?」


    リヴァイ「黙れ」


    何度も何度も殴った
    そして、何度も何度も倒された

    それでもボクシングを辞めなかった理由は簡単だった


    ボクシングというスポーツが自分に合っていたから


    街中で喧嘩をしたらバカ者扱いだ


    ただ、ボクシングは違う


    リングの上で殴りあって、試合に勝つことが出来たら


    その時点で……英雄だ…




    ピリリリリリリリリリ



    いつもと同じで目覚ましが鳴り響いた

    リヴァイ「………」スッ

    大荷物をスポーツバッグに入れる。
    少しの間、こっちには帰ってこれないだろうと思っている。

    向こうで迷惑をかけないように持っていける日常用品は持参しておく。


    リヴァイ「…」スッ


    ロケットペンダントを首にかける。
    帰ってきたら抱き締めて離せなくなりそうな自分が怖いと感じた。
  22. 22 : : 2014/07/17(木) 21:47:17
    外に出ると夏の猛暑が襲ってくる。
    そんな中をリヴァイは歩いて駅に向かう。


    リヴァイ「(エルドが怪我か……ケニーの野郎…よっぽど強い野郎を見つけたな)」


    頭の中は怪我をしたという昔の友の安否と、自分の彼女の事で一杯だった。


    リヴァイ「…」


    リヴァイ「(ペトラは優しい女だ……だから心配しちまう)」


    俺が側にいない時に誰かに絡まれたら…


    リヴァイ「…チッ」


    俺は心配性なのかもしれないな



    蝉がうるさく鳴く
    夏の猛暑が襲ってくる

    夏はボクシングをもう一度するのではなく、彼女と少しでも一緒に過ごしたかった。


    駅について切符を買ってホームに入っていく。

    ホームには沢山の人で溢れていた
    仕事に行くであろう社会人に紛れて電車に乗り込んだ。

    リヴァイは電車の隅で壁にもたれて目を閉じた。


    少しだけ眠っていた。
    夢の中で泣いてるペトラを抱き締めていた。


    リヴァイ「………」


    その瞬間に目を覚ました
    心苦しさに襲われていたが、目的地についた。


    電車から降りると懐かしい風景が見えてくる

    リヴァイはそんな感情を殺しながら怪我をしたという友の家に向かって歩き出した。
  23. 23 : : 2014/07/17(木) 21:47:36
    エルドの家につくのに時間はかからなかった。


    ピンポーーーン


    リヴァイ「…」


    ガチャッ


    「はい?どちら様ですか?」


    リヴァイ「エルドの友達のリヴァイと言う者だが…エルドに会うことは出来るか?」


    「あ、その彼は今……」


    リヴァイ「エルドに伝えてくれ…リヴァイという男が訪ねてきたと」


    エルドの家には見知らぬ女性がいて少しだけ驚いた。

    その女性は困ったような表情を見せたが、そんなことに気を使う余裕はなかった。



    「どうぞ、あがってください」


    リヴァイ「失礼する」


    案内された部屋に入ってみると…


    リヴァイ「久し振りだな」


    エルド「はははっ!急だな!」


    ベットの上で横になってるエルドの姿があった。

    よく見るとベットの近くにリンゴが置いてあるのが見えた


    リヴァイ「邪魔者らしいな……用件だけ話に来た」


    エルド「…」


    エルドはリヴァイの話を聞くときに目線をそらした。
  24. 24 : : 2014/07/17(木) 21:47:58
    リヴァイ「この時期に試合があるのは知っていた……俺はその試合に出る」


    エルド「…リヴァイ、ボクシングを舐めると怪我をするぞ」


    リヴァイ「テメェみたいにか?」


    その発言に怒った表情をみせる女性をエルドが目線で落ち着かせた。

    その女性はそれでもリヴァイを睨むことを辞めない



    エルド「試合は1週間後だ……俺にはお前が1週間で昔のように動けるとは思えない」


    リヴァイ「それでも、俺はやるって決めたんだ」


    エルド「ボクシングを舐めるのもいい加減にしろ……ドロップアウトした奴が…」


    リヴァイ「結果は誰にもわからない」


    エルド「…頑固だな」


    エルドはリヴァイに鍵を投げつけた
    その鍵はリヴァイ達が昔、練習をしていたボクシングジムの鍵である。

    エルド「今は誰も使ってない……お前がいなくなった後は掃除は適当だったから汚いが風呂も使える……後は勝手にしろ」


    リヴァイ「上等だ」



    リヴァイはその鍵を握り締めてエルドの家を出て行く

    そして、ボクシングジムを目指して走り出した。
  25. 25 : : 2014/07/17(木) 23:51:27
    ボクシングジムむついて思ったことが声に出てしまった。


    リヴァイ「だいぶボロくなってやがる」


    裏口に回って中に入った
    中はカビ臭さと汗臭さで溢れていた。


    リヴァイ「きたねぇな」


    さっそく練習をしようと思っていたが1日目は掃除で終わってしまった。


    掃除が終わったのは夜の11時だった
    リヴァイは疲れてしまいリングにもたれて眠ってしまった。

    どれだけ寝ていたか覚えていない

    誰かが自分を呼ぶ声で目を覚ました。


    「リヴァイさん!リヴァイさん!!」


    リヴァイ「ペトラ?」


    ニファ「違いますよ?ニファです」


    リヴァイ「神出鬼没だな……お前は…戻ってきたのか?」


    ニファ「エルドさんから連絡をもらいました……試合に出てくれるんですね」


    涙目になるニファを見て、勝手にニファが自分の住んでる所に来た理由を決めてしまった。


    自分に試合に出て欲しかった


    それをお願いするために来たんだと思っていたんだ。
  26. 26 : : 2014/07/17(木) 23:51:50
    リヴァイは久し振りにボクシングの練習始めた

    ボクシングのトレーニングは3分トレーニングで1分休むのが普通である


    リヴァイ「くっ」


    30秒間、縄跳びを普通に跳ぶ
    次の30秒間は二重跳び

    それを繰り返し足腰と体力面を補おうとしていた……が





    リヴァイ「ツ…」




    すぐに足が重くなってしまう
    自分の足でないような気がしてしまう


    ニファ「リヴァイさん!水です!」

    リヴァイ「悪い」


    ここまで体力が落ちているとは思っていなかったのが事実だった

    エルドが言っていた言葉が身に染みる
    自分の考えが甘かったと本気で後悔してしまうぐらいに…




    リヴァイ「はぁ…はぁはぁ…」



    昔、自分がしていた練習が出来なくなっている怒りと焦りで頭に血が登ってしまった。


    リヴァイ「…はぁ…はぁ」


    ニファ「リヴァイさん……休憩しましょう、ゆっくり勘を取り戻しましょうよ!」


    リヴァイ「チッ!」


    舌打ちをして隅に腰を下ろした。


    リヴァイ「(まさかな……ここまで落ちぶれてやがったか)」



    多少は仕方ないと思っていたが、ここまで感覚が鈍っている事は想定外だ
  27. 27 : : 2014/07/17(木) 23:52:14
    リヴァイ「ニファ……悪いが走ってくる」


    ニファ「先輩!オーバーワークです!体が壊れちゃいますよ!」


    リヴァイ「時間がない」


    ニファ「ダメですよ!」


    リヴァイ「ニファ…お前は俺が帰ってくるまでに今回の大会に出てきそうな奴等をチェックしておけ」


    ニファ「リヴァイさん!」


    ガチャン


    ニファ「昔から変わりませんね…あなたは…」
  28. 28 : : 2014/07/17(木) 23:52:33
    ミーーンミーンミーーーンミーーンミーンミーーーンミーーンミーンミーーーン


    リヴァイ「はぁ…はぁ」


    考えが甘かった

    完全に舐めてた


    リヴァイ「はぁはぁ…ふぅ…くっ」


    すぐに足が止まってしまう
    既に足が石のように重くなってしまっている。


    リヴァイ「………チッ」


    また走り出す、昔やっていた練習をするだけ

    それなのに足がついていかない…


    リヴァイ「…」


    結果は誰にもわからない?


    エルドには強気に言ってしまったが…



    リヴァイ「…」


    このままじゃ、試合は絶対に負ける

    そんな事を考えてる時に…




    ケニー「おいおい…誰かと思えば……」


    リヴァイ「…ケニー」


    ケニー「何でお前がこっちに来てる?」


    リヴァイ「…」


    ケニー「試合に出るつもりか?」


    リヴァイ「…」


    ケニー「辞めとけ、辞めとけ!お前みたいなチビには無理だな!」


    リヴァイ「よっぽど、てめぇの鍛えた選手は強いんだろうな」


    ケニー「今のお前じゃ勝てねぇな」


    その言葉に言い返す勇気がなかった
    ケニーはリヴァイに語りかける

    自分が鍛えた選手がリヴァイを潰すところが見たいと…


    ケニー「俺の夢を叶えるためにも…お前には潰れてもらう」


    リヴァイ「…」


    ケニーはリヴァイにそう言ってその場を去っていく…
  29. 29 : : 2014/07/17(木) 23:53:04
    ボクシングジムで…


    ニファ「…」チラッ


    ニファ「もう、3時間も…やっぱり探しに行かないと!」

    ニファは外に飛び出して行こうとした。
    その時、ジムの扉が開いた。


    リヴァイ「…」


    ニファ「リヴァイさん!」


    リヴァイ「…」


    ニファ「大丈夫ですか!?汗が凄いです!水分とってください!」

    慌ててスポーツドリンクを手渡すニファ

    それに対してリヴァイは無言で受け取ったが飲もうとしない。


    ニファ「どうしました?」


    リヴァイ「……何でもない」


    心配してくれるニファには悪い気がしたが…今は真面目に誰かの意見を聞くのが怖かった。
  30. 30 : : 2014/07/17(木) 23:53:24
    軽く晩御飯を食べて…


    リヴァイ「…」

    ベットの上で寝転がっている。
    考えてる事は自分の勘が鈍っている事に…


    ケニーに言われた言葉…



    リヴァイ「どうすればいい」


    リヴァイ「どうすれば勝てる」



    眠れなかったリヴァイはベットから立ち上がり1階に降りていく。


    ガチャッ


    リヴァイ「ニファ?」


    ニファ「zzz」


    机の上には自分がボクシングから離れている時に力をつけ始めた選手達の資料で溢れていた…


    リヴァイ「…」


    その資料に目を通してみた
    ケニーの資料を手に取り、眺めてみた。


    リヴァイ「実績もかなり上か」

    ケニーの選手の実績を見てみると、今の自分じゃ勝てないことが明白だ。


    ニファ「…勝て…るzzz」


    リヴァイ「…」


    俺は常に誰かの上にたって歩いている
    俺を慕ってくれる奴等は沢山いた…


    悪い気はしなかった…が


    それだけ責任を感じてしまう


    試合に負けた時の事を考えると怖い…


    それが本音だった。
  31. 31 : : 2014/07/18(金) 20:20:23
    それから試合まで何度も練習を繰り返した…


    リヴァイ「…」


    ニファ「(……リヴァイさん)」


    リヴァイ「ニファ、悪いが今日は遅い…これで終わりにしよう」


    ニファ「…お疲れ様です」


    リヴァイ「…」


    ニファ「今日のご飯は…」


    リヴァイ「………ニファ」


    ニファ「すみません…向こうで待ってますね」


    バタン


    ニファ「…」


    ニファ「はぁ」カチカチ


    ニファは誰かに電話を掛けた…
  32. 32 : : 2014/07/18(金) 20:20:41
    ニファが出ていった後に…



    リヴァイ「…ふっ!」


    サンドバッグをひたすら殴った…
    昔と違い、サンドバッグを叩く音が死んでいた


    リヴァイ「…チッ」


    何度も練習を繰り返したが、昔のように動くことは出来ない


    リヴァイ「…」


    辞めるなら今しかない…

    エルドに言われた通りの結果だ

    ボクシングを舐めてた

    1週間後の試合に間に合うはずがなかったんだ



    リヴァイ「…」


    リヴァイ「…格好つけすぎたな」


    ガチャッ


    リヴァイ「…!」


    ペトラ「替えのタオルと着替え……無駄になっちゃったかな?」
  33. 33 : : 2014/07/18(金) 20:21:01
    リヴァイ「ペトラ……何でお前が?」


    ペトラ「私だって独り暮らしぐらい出来ますよ~だ」


    リヴァイ「…」


    ペトラ「リヴァイさ…」


    ペトラ「いつも人の上に立ってたから疲れちゃったの?1人で頑張る事に疲れたのかな?」


    リヴァイ「いや…俺が試合に出ても勝てねぇ…結果は…」


    ペトラ「違うよ…………試合に負けることよりも…」


    ペトラ「試合に負けてケニーって言う人と、エルドって人に負い目を作ることが怖いんでしょ?」


    ペトラ「勘が戻らなくて…試合に出て1発でのびちゃったら、どうしよう?とか考えてるでしょ?」


    ペトラ「リヴァイが試合に出ることを馬鹿にしてる人達の思い通りになることが怖い……ううん…」


    ペトラ「馬鹿にしてる人達の思い通りになっちゃうと困るんだよね?」


    リヴァイ「…」


    ペトラ「結果はどうなるか誰にもわからない…でしょ?」


    ペトラ「皆がどう思うと関係ないよ!」


    リヴァイ「……ペトラ」


    ペトラ「最初に決めた気持ちの輝きを忘れたらダメだよ?リヴァイはいつでもリヴァイなんだから!」


    リヴァイ「…」


    ペトラ「試合が終わったら夏祭りだよ!夏祭りの前に優勝しちゃいなよ!」


    ペトラ「それじゃあ、おや……頑張ってね!!」


    自分がいる場所が何で彼女にバレたかはリヴァイは知らない…

    それでも何故か少しだけ



    気持ちが楽になった気がした
  34. 34 : : 2014/07/18(金) 20:21:53
    キュッ…キュッキュッ…キュッ


    リヴァイ「(…よし)」ブン


    リヴァイ「(パンチのスピードは落ちてねぇ)」ブンブン


    リヴァイ「(残りの日数で走り込んで…筋肉をほぐす)」


    リヴァイ「(そして…スウェーバックとダッキングでしのげば…)」ブン!!


    リヴァイ「(早いラウンドで決めちまえば……打ち負けることはねぇ)」


    キュッ…キュッ!!キュッキュッ!!キュッ…キュッキュッキュッ!!





    エルド「おいおい…いい動きし始めたな……」


    エルド「たいした野郎だよ……お前は…リヴァイ…」


    「勝てると思う?」


    エルド「さぁな……可能性はあると思うよ」


    「男って嫌だな」


    エルド「何で?」


    「彼氏が怪我するかもしれないスポーツを応援する彼女の気持ちを知りなよね?」


    エルド「………悪いな」


    「男って単純だよね」


    エルド「そこにロマンがあるんだよ」


    「ないよね?」


    ニファ「ないです」


    エルド「ニファ……お前な…」


    ニファ「ここの男は皆、女の子の気持ちをわかってませんからね」


    「本当に、それ……」


    エルド「(やれやれ……俺達は悪者だな…リヴァイ?)」



    キュッ……キュッキュッ!!キュッキュッキュッ!!キュッ!!!



    リヴァイ「(ケニー!首洗って待ってやがれ!)」


    ―――――
    ――――
    ―――
    ――


    運命の試合当日

    ミーーンミーンミーーーンミーーンミーンミーーーンミーーーン

    シャンシャンシャーーーンシャンシャンシャーーーンシャンシャンシャーーーン


    リヴァイ「…」


    ニファ「リヴァイさん……行きましょう」


    リヴァイ「あぁ」



    少し離れた会場に向かって歩き出す。
    試合会場はケニーが普段使ってるボクシングジムだった。
  35. 35 : : 2014/07/19(土) 15:20:25
    会場についてすぐに話し掛けてきた奴が…


    ケニー「よぉ、リヴァイ……逃げなかったんだな」


    リヴァイ「…」


    ケニー「相変わらず無愛想な奴だな」


    ケニー「だから背が小さいのか?」


    リヴァイ「俺はお前の冗談で笑えた事がねぇ」


    ケニー「うははははっ!」


    リヴァイ「…」


    ケニー「俺はお前の負けた姿を見れると思うと笑けちまうよ」



    こいつは昔から変わらない…
    それは俺にとっては好都合かもしれない



    心置きなく戦えるからな

    こいつが鍛えた野郎とな…
  36. 36 : : 2014/07/19(土) 15:21:01
    リヴァイ「…」


    ニファ「リヴァイさん?」


    リヴァイ「2回戦で当たるのは運がいいかもな」



    体力が他の選手よりも劣っている俺にとっては…

    2回戦で戦えるのは運が良かった




    試合は一方的に決まった
    相手選手も強かったけれど…



    ケニー「…復活しやがったか」


    ニファ「負けませんよ」


    ケニー「リヴァイの女か?」


    ニファ「残念なことに違いますよ」


    ケニー「ほぉ~」


    ニファ「何です?」


    ケニー「何でもねぇよ、それじゃあ次の試合でおたくのリヴァイ君が沈むところを見させて貰いますよ」


    ケニーはそう言って控え室に向かって歩き始めた…

    ニファは一言だけ…




    ニファ「絶対に負けませんから」


    一言だけ言い返した…
  37. 37 : : 2014/07/19(土) 15:21:35
    エルド「お!こっち、こっち!」


    オルオ「何で俺が…」


    エルド「憧れの人の試合だぞ?見たかっただろ?」


    オルオ「別に………ペトラ?」


    エルド「あの女の子か?」


    オルオ「あ~彼氏の応援か」


    エルド「誰の彼女なんだよ?」


    オルオ「誰って…リヴァイに決まってるだろ」


    エルド「そうか…彼女がいたのか」









    ニファの奴は知ってるのか?
  38. 38 : : 2014/07/19(土) 15:22:04
    「第二試合…選手はリングに上がってください」


    リヴァイ「…」


    懐かしい気持ちになる
    昔の自分の居場所だからか?




    「おいおい………リヴァイって聞いたことないか?」

    「当たり前だろ…えらい強い奴だよ」

    「ケニーさんが鍛えてたんだろ?」

    「でも、ブランクがあるらしいな………大丈夫だろ」



    リングの下から聞こえてくる声は自分の耳に筒抜けだ

    否定は出来ない

    ブランクがあって、試合に勝てるかどうかも難しい




    ペトラ「…」ギュッ


    ニファ「ペトラさん」


    ペトラ「あ…何?」


    ニファ「マネージャーとして私の近くに来ませんか?」


    ペトラ「行きます!」


    ニファ「はい!」
  39. 39 : : 2014/07/19(土) 15:22:54
    ケニー「…」


    リヴァイ「…」




    ………お前には感謝してるよ

    悪ガキだった俺にボクシングを教えてくれたのはお前だ

    俺はお前の夢を叶えることは出来ねぇ

    その夢を叶えるつもりもねぇよ





    リヴァイ「…」スッ




    俺がお前に出来ることは何もねぇ

    お前に投げてやる別れの言葉も出てこねぇ




    リヴァイ「(だけどな…)」





    最後に見ていけよ



    俺とお前の絆の輝きってやつをな






    リヴァイ「…」キュッキュッ


    タン、タンと音を出すようなステップは昔ほどではないけれど…


    オルオ「………いい動き」

    エルド「あぁ、1週間でここまで勘が戻ってるんだよ」



    相手のパンチは今大会で1番パンチが早いかもしれない

    そのパンチを食らわないようにステップを踏む


    リヴァイ「…チッ」


    攻撃にうつると向こうはカウンターを狙ってくる

    嫌になるほど自分と戦い方が似ている



    バン!!と大きな音が響く



    「ダウンニュートラルコーナ!」


    リヴァイ「…チッ」


    ニファ「リヴァイさん!立ってください!」

    エルド「おい、リヴァイ!!」


    自分の名前が叫ばれてる事は聞こえてる

    レフェリーの数えるカウントも聞こえてる



    「スリィッ!」

    「フォウ!」


    ここで立たないと負ける
    頭の中では理解しているのに

    体が動かないのは何故だろうな



    ケニー「…」ニッ



    ムカつく野郎の笑った顔が自分のイライラを増幅させたのが分かる。
  40. 40 : : 2014/07/19(土) 15:23:39
    リヴァイ「…」


    「…ファイト!」



    立ち上がり自分の戦意を見せ付ける
    戦意喪失してないことを判断したレフェリーが試合を再開させる…


    エルド「しっかり見ろ!」

    オルオ「(良いのが入ったな…俺だったら起きれなかったな)」


    何度も何度も殴りあう…
    想像以上に長い試合になってきてる



    リヴァイ「はぁ…はぁ」


    息が乱れてきている
    リズムが崩れてきてる



    ニファ「左に回り込んでください!」



    ニファの声が聞こえて無意識に左に回り込む

    スパン!と相手を叩く
    相手も自分と同じで息が乱れてる

    さっきと違ってリズムが崩れてきてる




    リヴァイ「!?」


    足元が滑り転んでしまった…


    「スリップダウン!!」



    リヴァイ「チッ!」

    ニファ「リヴァイさん!1発もらってから動きが乱れてます!」


    リヴァイ「あぁ」


    ニファ「…わかってるなら良いです、相手も同じですからね?」


    それでも有利なのは相手選手だ
    動きが良い選手で実際にリングの上で殴り合えば強いのが分かる…



    ペトラ「……リヴァイ」


    リヴァイ「心配しなくて良い」


    心配そうに声を掛けてきたペトラに答える

    きっと、これから心臓に悪い試合が始まるからな…




    「ファイト!!」


    その声と共に攻撃をしてくる
    何度も何度も…

    その攻撃を避けるために足を動かす…
    一瞬の隙を攻撃される



    エルド「うぁ」

    オルオ「勝てるか?」



    リングの下から不安に満ちてる奴等の声が聞こえてくる…

    相手選手が独特の卑怯技を使ってくると思っていた



    リヴァイ「はぁ…はぁはぁ」


    そんな事はなかった
    ケニーが教えたでボクシングは昔と同じ

    自分が教えて貰ったボクシングと同じだった



    リヴァイ「はっ…はっはっ…ふっ」

    息がお互い乱れてる
    お互いが思っていたよりもハードな試合になっている



    ニファ「入った!!」


    「ダウン!」



    リヴァイ「はぁ…はっはっ…はぁ」



    レフェリーがカウントを数え始める
    今の攻撃で決まってしまえば楽になるが…



    「いけるか?」


    レフェリーの問に頷く相手選手…
    お互いが負けたくない気持ちで溢れてる

    その感情が伝わってくる………



    「しんどい試合になってきたな」

    「もうお互いが体力の限界だろ」




    リヴァイ「はぁ…はっ…はっはっ…」

    目に染みる汗が普段忘れていた気持ちを甦らせる

    殴られた時の痛みは感じない



    エルド「リヴァイ!!負けんな!」

    オルオ「勝ってくれ!勝てますから!」



    リングの下からの声援が懐かしくて
    少しだけ、くすぐったくて…





    鼓動が高鳴るのが分かる…
  41. 41 : : 2014/07/19(土) 15:24:28
    そして……



    「テン!!」



    目の前に倒れてる選手…
    回りから聞こえる大きな歓声…




    リヴァイ「はぁはぁ…はっ…はぁ」


    乱れてる息が試合の辛さを会場にいた観客に伝わる


    ケニー「…」


    目に留まった男が見詰めてくる…



    何も言わないままリングを降りた
    次の試合に出ようと思ったが、そんな余裕がなくて…



    ――――
    ―――
    ――




    ペトラ「お疲れ様」


    リヴァイ「棄権したから優勝は無理だったな」


    ペトラ「うん、でも良いでしょ?」


    リヴァイ「あぁ」



    会場の外でペトラと2人で話してたらら後ろから誰かが歩いてくる音がして…



    リヴァイ「ペトラ…少し待っててくれ」


    ペトラ「うん」





    少しだけ離れた場所で話を聞くことにした…
  42. 42 : : 2014/07/19(土) 15:25:42
    ケニー「ふぁ~負けた、負けた」


    煙草を吸いながら答えてくる男の言葉に耳を傾けた


    試合に負けた時の感想を言ってくるケニーはどこか嬉しそうだった



    リヴァイ「負けたのに嬉しそうな面してやがるな」


    ケニー「………リヴァイ」


    リヴァイ「…」


    ケニー「高校は楽しいか?俺が教えてやったボクシングよりも」


    リヴァイ「…比べれるかよ」


    ケニー「そうか」


    リヴァイ「………ありがとな」


    そう言ってペトラの方に戻って行った
    戻ってみたらペトラとニファが話していた

    ニファの顔は少し悩んでる表情をペトラに見せていた…



    エルド「リヴァイ!」


    リヴァイ「…」


    エルド「どうだ?もう1度やってみないか?」


    リヴァイ「ふん」


    エルド「お前らしいな…オルオも応援に来てたぞ?」


    リヴァイ「あぁ、見えてた」


    エルド「あいつも馬鹿な事をしちまったって悔やんでたよ」


    リヴァイ「…」


    エルド「さ~て!飯食いに行くぞ!俺の奢りだからよ!」


    リヴァイ「俺の仲間に大食い女がいるが……いなくて良かったな」




    その後はエルドの奢りで飯を食いに行ったんだ

    エルドの財布を空にする勢いで飯を口に運んでやった

    そんなやり取りが懐かしくて笑ってしまう
  43. 43 : : 2014/07/19(土) 15:26:01
    ニファ「リヴァイさん?後で…」


    リヴァイ「あ?」


    ニファ「少しだけお時間くれませんか?」


    リヴァイ「あぁ…わかった」



    気付いてはいた
    気付いていないふりをしていたんだ

    そして今の俺には心から好きな女がいるんだ

    きっと、ニファも気付いてるだろうな




    2人で話をしてくると伝えて店を出ていった

    ペトラはいつもと同じ様な素振りを見せていたが、その顔にはどこか不安が感じ取れる

    夕方の空の下を2人で歩いてる
    昔よく練習していた場所に足を運んだ





    ニファ「すみません……彼女さんが来てるのに」


    リヴァイ「………問題はない」


    ニファ「今のリヴァイさんは、私の知ってるリヴァイさんですね」


    リヴァイ「…そうだろうな」


    ニファ「リヴァイさんの……話…聞かせてくれませんか?」


    リヴァイ「…向こうの学校で生徒会長をしてる………生意気な後輩達と…」


    ニファ「………今は…今だけは…リヴァイさん個人になって話してくれませんか?」


    リヴァイ「…」


    リヴァイ「1人は嫌いだ……俺は元々よく喋るからな」


    ニファ「小さい時の……子供の頃からの夢ってありますか?」


    リヴァイ「…」


    リヴァイ「…そうだな」


    ニファ「…」


    リヴァイ「ガキの頃はウルトラマンになりたかった」


    ニファ「………私にも…夢があるんです」


    ニファ「わた……し…私は……」


    リヴァイ「…」


    ニファ「大好きな人の胸の中でないで大声で泣いてみたいです……良いですか!?」


    リヴァイ「俺には……」


    ニファ「知ってます!ペトラさんが大好きだってことも!」


    ニファ「全部知ってますから!」


    リヴァイ「…」


    大声で泣き出して、胸に飛び込んできた彼女を優しく抱き締めた…



    ニファ「リヴァイさんは…私とデートする時に!必ず待ち合わせ時間の前に来てくれてて!」


    ニファ「私が外で服とか……髪型を気にしてるのを中から見てるんです!」


    リヴァイ「…」


    ニファ「私が気付いてるなら教えてよって怒ってるのに…可愛いって言って誤魔化すんです!」


    ニファ「大好きって私が言っても…言っても…あなたは照れて言ってくれないのに…」


    ニファ「わ……私は!何度も何度も…大好きって言うんです!」


    リヴァイ「………ニファ」


    ニファ「でも…でも!帰り際に必ず!必ず…大好きって…小さな声で……」


    リヴァイ「…」


    ニファ「うわぁ…あっ…あぁ!!」


    リヴァイ「…すまない」


    ニファ「わぁ…うっ…わぁぁ」



    声を出して泣いてる彼女が泣き止むまで優しく抱き締めていた。


    女の子が泣き止むまで男の子は黙って抱き締めていました。
  44. 44 : : 2014/07/19(土) 15:26:24
    そして……




    ペトラ「リヴァイ!焼きそば!」


    リヴァイ「今日は、よく食うな」


    ペトラ「リヴァイもでしょ?たこ焼も食べるからね!」


    地元に帰ってきてからすぐに夏祭りに向かったんだ

    どこかで聞いたことのある奴等の声が聞こえてる



    アニ「ライナー顔が真っ赤だね…似合わない」


    エレン「似合うかどうかは…知らないけどよ」


    アニ「うん、良い感じだね…デートぐらい誘いなよね」


    エレン「もうすぐ花火始まるぞ?ライナー達に教えてやるか?」


    アニ「そうだね…やっぱり2人だけにしてあげよ?」ニコ


    エレン「半分楽しんでるよな?」


    アニ「なんの事だろうね?」クス


    エレン「まぁ、見てて面白いけどな」


    アニ「でもミカサ達も心配してるだろうし…戻ろうか?」


    エレン「そうだな、よし!行くぞ」ギュウ


    アニ「早く歩くの無しだからね」


    エレン「なるべく気を付けます」


    アニ「はいはい」クス



    リヴァイ「相変わらずだな」


    ペトラ「ふふふっ!」


    リヴァイ「…ペトラ」


    ペトラ「何?どうかした?」


    リヴァイ「食うもの買いに行くぞ」


    ペトラ「良いけど?」



    焼きそば、たこ焼、リンゴ飴…家に持ち帰れる料理をたくさん買った

    ペトラは食べないの?と尋ねてきたが、俺はそんなペトラの手を握って自分の家にペトラを連れていくことにした…





    ペトラ「え?え?」


    リヴァイ「遠慮するな」


    ペトラ「あ…え?えっと?」


    リヴァイ「ここのマンションは高いからな………花火を見るなら良い場所だろ」


    ペトラ「あ!う、うん!花火ね!」




    何を考えていたのか…
    俺は鈍感じゃねぇから分かった



    リヴァイ「…」ギュッ


    ペトラ「ちょっ……リヴァイ!?」



    顔を真っ赤にして俺の顔を見てくるペトラを強く抱き締めた…


    外から花火を打ち上げる音がする
    ペトラは花火を見ようと窓の方を見たが…



    リヴァイ「お前を誰よりも愛してる」



    そう伝えたら



    ペトラ「私もだよ」





    外から花火を打ち上げる音がする
    2人の男女は花火を見ずに口づけを交わした。
  45. 45 : : 2014/07/19(土) 15:27:17
    ――――――
    ―――――
    ――――
    ―――
    ――










    「ねぇ!ニファ?」


    ニファ「ん?何?」


    「憧れの人に会えたの?」



    夏休みも終わり、また高校生活が始まりました

    私は仲の良い友達と2人で登校しているのです



    ニファ「忘れちゃったよ………だって私、別に好きな人ができたもん」


    「え!?誰々!?」


    ニファ「新しく入ってきた後輩君だよ!凄く努力家な子だよ!」


    「へぇ~長い片想いだったね」



    長い片想いだったよ
    だけどね?



    最高の片想いだったよ








    あの人との『絆』は一生忘れる事がありません



    私の人生の中で1番大切な…











    『宝物』です














    テン・カウントの絆
    ――Fin――
  46. 46 : : 2014/07/19(土) 20:46:01
    リヴァイ凄すぎます!!
    前にボクシングやっていたとはいえ
    ケニーの教え子を倒すなんて!!!!
    EreAniさんのおかげで
    リヴァイの好感度が
    ぐーーーんと上がりました!
    流石です!!次の作品も期待してます!
    頑張ってください!d(⌒ー⌒) グッ!!
  47. 47 : : 2014/07/19(土) 21:20:15
    エレアニ大好き野郎☆(ジャンも好き)さん
    こちらにもコメントありがとうございます!!
    リヴァイは何故か強く書きたくなってしまうんですよね(笑)
    でも人間的には原作より弱いと思いますね(笑)
    そこをペトラが埋めてくれた感じに書けて満足です!!
    いつも暖かいコメントありがとうございます!!
    期待に応えれるように頑張っていきますね!
  48. 50 : : 2014/07/22(火) 00:31:04
    次書いたらぜーーーーー〜ーーーーーーー対貼ってくださいね!
    永遠に待ってます!
  49. 51 : : 2014/07/22(火) 10:02:11
    エレアニさん
    絶対に貼りますよ!!
    いつもコメントしてください本当にありがとうございます!!励みになってます!
    期待に応えれるように頑張っていきます!
    コメントありがとうございます!!
  50. 52 : : 2014/07/26(土) 10:24:25
    切ない…でも何か暖かい、そんなラブストーリー、満喫させて頂きました!!
    さすが師匠、失恋したのに、それをただ悲しいだけで終わらせない…それが凄いです
    何度も読み返したくなる話です!!
    またいろいろな作品を書いて下さい♪
    執筆お疲れ様でしたm(。≧Д≦。)m
  51. 53 : : 2014/07/27(日) 00:11:08
    87師匠(笑)
    ありがとうございます!!大好きな漫画を似せましたw
    いつもと違って切ない感じになりましたが、ニファも新しい恋を見つけていくって感じで書けて満足してます!!(笑)
    また頑張って師匠に気に入って貰えるように頑張るです!コメントありがとうございます!!
  52. 54 : : 2014/07/27(日) 23:08:50
    執筆お疲れ様です。

    タイトルのリヴァペトで簡単につられた私ですが、感動しました。
    切ないけど、それで終わんないぞ!ってのがもう最高です。(>_<)
    そして、やっぱりペトラ可愛い、大好きっ♪♪♪
    このssでEreAniさんのファンになりました、はい(笑)
    素敵な作品をありがとうございました。
    これからも応援していきたいです!
  53. 55 : : 2014/07/28(月) 07:44:23
    砂糖楽夢音@さん
    コメントありがとうございます!!
    ペトラが大好きな方にそう言って貰えると本当に嬉しいですよ!!
    ニファがこれから頑張って行くみたいな感じに書けて自分も満足です(笑)
    本当に暖かいコメントありがとうございます!!
    お互い執筆活動を頑張っていきましょう♪
    コメントありがとうございました!!
  54. 56 : : 2014/07/30(水) 14:15:28
    http://www.ssnote.net/archives/20744
    続きです!!
  55. 57 : : 2014/07/30(水) 18:48:50
    待ってました!
  56. 58 : : 2014/07/30(水) 21:30:34
    ばななおれさん
    ありがとうございます!!更新は遅いですが頑張っていきます!!
  57. 59 : : 2014/10/10(金) 20:55:01
    途中からリヴァニファになるかと心配だったけど、リヴァぺトで良かったです(^^♪
  58. 60 : : 2014/10/10(金) 22:28:18
    さっちさん
    気に入って貰えたのなら嬉しいです!
    コメントありがとうございます♪凄く嬉しいです!

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ani45

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