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歌舞伎座の怪人

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  1. 1 : : 2019/08/08(木) 22:43:59





    ご無沙汰しております、進撃のMGSです。



    今回は鬼滅の刃のSSを執筆しようと思いまして、歌舞伎を題材にしようと思いましたら、何と公式が歌舞伎座とコラボするということになりまして、俄然やる気になりましたw

    なお、新しいスレを立てることが出来ませんでしたので、以前書いていた別作品のスレを編集しなおす羽目になりました(;^ω^)





    それでは、間もなく開幕でございます。




  2. 8 : : 2020/02/27(木) 13:51:54





    「松島屋ッ!」

    「十代目ッ!」





    威勢のいい掛け声と共に、花道を静かに歩いていく立役者は、紫色の衣を纏った色男。

    万雷の拍手に送られて、ゆっくりと役者は歩き去っていく。





    東京、東銀座、歌舞伎座―――――――――





    「オイオイオイ! 権八郎に紋逸! これのどこが面白いんだよ?!」



    伊之助は早くも退屈そうにしていた。トレードマークのイノシシの被り物をここでは被ることが出来ず、しかも服を着なければならないのも手伝って、大あくびをかましてる。

    着なれない着物がいかにも窮屈そうで、涙の出てきた目をこすっている。



    そもそも大入りの観客の中で、彼ら四人は確実に浮いていた。

    他の三人はというと、一人は額に大きな傷があり、一人は黄色の髪の毛、そしてもう一人はこの時代には似合わぬほどの大柄な男。



    善逸は得意そうな、妙に通ぶった笑みを浮かべて伊之助に言葉をぶつける。



    「分かってないよね伊之助はさ。」

    「あんだと!」

    「いい加減にするんだ二人とも! 喧嘩してる場合じゃ……――――」



    炭治郎が大声を上げたせいで、歌舞伎座中の視線という視線が彼らに刺さって、炭治郎はもう居たたまれないといった感じで赤面した。

    善逸も同じように赤面したのであるが、そこでさらに声を上げるのが伊之助である。



    「何見てんだよコ―――――」



    言い終わらないうちに鉄拳制裁を脳天に食らわせて卒倒した伊之助を気にも留めず、鬼殺隊最強の男――――岩柱、悲鳴嶼行冥は涙を流しながら呟いた。



    「あぁ、何と神々しいんだ……南無阿弥陀仏。」




  3. 9 : : 2020/02/27(木) 13:53:09





    ◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇




  4. 10 : : 2020/02/27(木) 13:54:02





    ――――――――数日前





    「そういうわけでね、君には歌舞伎座に潜入してほしいんだよ、行冥。」



    臨時の柱合会議が終わった後、悲鳴嶼は御館様に召し出されて彼の個室へと通された。



    ――――――
    ―――



    今日の柱合会議は柱を三人も欠いていた。



    本来柱はその字画に合わせて九人いるのであるが、今御館様の屋敷の庭に並んでいるのは七人しかいない。

    炎柱の煉獄杏寿郎が亡くなり、音柱の宇随天元が引退に追い込まれたのは周知であったが、あと一人の姿が見えないことに腹を立てている男がいた。



    「ったく、何やってやがんだ? 冨岡の奴はよォ。」

    「まぁまぁ、それも含めて御館様から話がありますから。」



    憤懣やるかたないといった風柱の不死川実弥を、どこか浮かない表情の蟲柱、胡蝶しのぶがやんわりとなだめていると、すぅっと屋敷の奥の襖が開いた。

    奥方に付き添われ、ふわりした着物を引きずるように御館様が縁側へと出てくるやいなや、七人の柱が片膝をついて横並びになった。



    水柱の不在に、何人かの柱が顔をしかめ、また何人かの柱が表情を曇らせる。

    「どうしたのかしら? 冨岡さんがまだ来ていないなんて。」と、恋柱の甘露寺蜜璃が考えていると、御館様が穏やかに口を開いた。



    「今日は、日が少し陰っているのかな。」

    「御館様におかれましては、お変りもなく。」



    霞柱の時透無一郎が何事もないかのようにすっと挨拶を済ませると、眼光鋭く不死川が疑問を口にする。



    「御館様、冨岡義勇の姿がありませんが?」

    「うん、そうだね。今日皆に集まってもらったのは、実はそのことだったんだよ。」



    含みのある御館様の言葉に、柱一同が凍り付いたのは言うまでもない。ただ一人を除いては。



    「義勇は今、昏睡状態にあるんだ。敵の血鬼術を喰らったようでね。大した外傷はないのだけれど、脈拍が弱くなってきている。そうだね、しのぶ?」

    「冨岡さんは今、生死の境を彷徨っています。それと、かなりうなされているようです。」



    蝶屋敷に運び込まれた冨岡のことを、胡蝶はつぶさに観察していた。



    「恐らく、冨岡さんは未だに血鬼術の中にあります。冨岡さんを救うには、その元凶となった鬼を討伐するしかありません。」

    「頭の痛くなる話だな。冨岡を救う? 考えられない考えられない。」



    しのぶの分析に被せるように、蛇柱の伊黒小芭内が毒づくようにネチネチと言葉を並べたてる。



    「冨岡程度の男でもいた方がまだましだ。こんな所で犬死なんて許さない。」



    伊黒としては嫌いな冨岡を、これでも思いやったつもりではある。

    そんな伊黒を優しく見つめながら、御館様は話を続けた。



    「義勇にはある場所に潜伏してもらっていたんだ。」




  5. 11 : : 2020/02/27(木) 14:02:20





    ◇◇◇◇◇◇



  6. 12 : : 2020/02/27(木) 14:04:08





    「失礼します。」





    暖簾をくぐって楽屋に入ってきたのは、彼の付き人でもある男であった。



    今日の公演は彼の十八番の中にあって、ひときわ難役とされているものの一つ。

    菅原伝授手習鑑(すがわらでんじゅてならいかがみ)菅丞相(かんしょうじょう)……―――――――



    大役を演じ終えてすっかり化粧を落とし終えた彼は、グラスを片手に飲み物を飲んでいた。



    少し酔っているのか、顔を紅潮させた彼は男にしきりに飲み物を勧めた。

    男はそれを断るも、直立不動の姿勢は崩さなかった。



    「それにしてもなぁ、今日の客の中に変わったのがおったけど、まぁ態度の悪い客でな。

    ほとほと呆れとったら、隣にいる図体のでかい……あれは破戒僧かなんかか、あれがおいおい泣きおってな。」



    杯を重ね、ますます饒舌になっていく彼は、ふと笑みをこぼした。



    「しかし、あんの客は随分と鍛えられた身体をしておったなぁ。あれはきっと鬼狩りやさかい、気を引き締めなあかんで。」



    グラスの中の飲み物……赤黒い稀血を一気に飲み干した彼―――……十代目片岡仁左衛門は付き人でもある二代目片岡我當にその鋭い眼光を投げかける。

    その右目には上弦、左目には弐の文字が浮かび上がっていた。



    呼応するかのように我當の目の瞳孔が縦に開く。

    今まで断っていた杯を受け取り、なみなみと注がれた血に目を落とす。





    二人の大名跡は、静かに血の盃を傾けた……。




  7. 13 : : 2020/02/27(木) 14:05:25





    ◇◇◇◇◇◇




  8. 14 : : 2020/03/04(水) 22:18:41





    行燈に灯る火が、次第に弱くなっていく……。





    御館様の個室へと通された悲鳴嶼は、今回の任務の内容についての詳細を聞き、ゆっくりと頷いた。



    御館様の表情は相変わらず穏やかだが、悲鳴嶼はその仮面の下に、どす黒い感情がとぐろを巻いているのを知っている。

    とはいえ、その憎しみにも近い感情を無差別に鬼へと振りまくような御館様ではないことも、悲鳴嶼には分かっていた。



    「今回の事件の裏には、恐らく上弦クラスの鬼がいるんだろうね。でも、この鬼はきっと、無惨の元にまでは導いてはくれないだろう。」

    「鬼舞辻無惨の支配を逃れた鬼が、他にもいると御館様はお考えなのでしょうか?」

    「珠世さんや禰豆子が無惨の支配を逃れたように、他の鬼が支配を逃れても不自然ではないと私は考えている。」



    尤もな仰せだと、悲鳴嶼は思った。


    鬼の始祖は確かに鬼舞辻無惨だが、彼の支配を逃れてどれだけの鬼が暗躍しているか知れたものではない。

    珠世や竃門禰豆子のような鬼が、こちらに牙を剥いてこない保証はないのだ。



    「しかもね、行冥。この鬼は義勇を戦闘不能にまで追い込んだ。彼ほどの手練れを戦闘不能にまで追い込んだ鬼なんだ。こちらとしても捨て置くわけにはいかない。

    そこでね、今回の任務は君のほかに、潜入をこなせるだろう隊士をつけることにしたんだよ。」

    「……お言葉ではございますが、彼ら四人を連れていくことには承服しかねる。それに……」


  9. 15 : : 2020/03/04(水) 22:19:25



    悲鳴嶼には御館様の考えが理解できた。


    確かにあの四人は実績を上げている。

    上弦の陸の討伐も、宇随一人では成し遂げられなかったに違いない。しかし……



    「私はまだ、竃門炭治郎や竃門禰豆子を信用しているわけではないのです。」

    「私はまだ、炭治郎や禰豆子とは言っていなかったよ、行冥。」



    ハッとして悲鳴嶼は口をつぐんだ。

    これでは彼ら四人が確かにこの任務にふさわしいと暗に認めたようなものだ。



    「それにね、彼ら四人を今回の任務に推薦したのは、ほかならぬ天元なんだよ。今回の任務では、天元にもサポートに回ってもらうつもりだ。」

    「……御館様がそこまでおっしゃるのなら。」

    「では、改めて任務を伝えるよ、悲鳴嶼行冥。

    君の任務は竃門炭治郎、竃門禰豆子、我妻善逸、嘴平伊之助、以上4名の隊士と協力して、歌舞伎座に巣食う鬼を退治してくることだ。」





    行燈の灯は、既に消えていた。




  10. 16 : : 2020/03/04(水) 22:24:43





    ◇◇◇◇◇◇




  11. 17 : : 2020/03/04(水) 22:26:46





    俺の名前は我妻善逸。





    何をどう間違えたかは知らないけれど、あの宇随天元が岩柱だかイカ柱だかへ俺たちを潜入任務に推薦したらしい。



    だからかもしれないけどさ、俺また三味線弾いてるんだよね……。

    今日からお前は竹本善太夫だって宇随さん笑ってたなぁ……。



    ふざけんなよチクショウ。



    「ねぇ今日入ってきたあの子、随分と筋がいいわねぇ。」

    「でもなんていうか、怨念めいているのよねぇ、あの子の演奏。」

    「面白れぇじゃねえか!」

    「おや、土佐太夫さんじゃないかね。やっぱりこの子が気になったのかい?」

    「あたぼうよ! こいつぁ耳もよければ音感もある! 磨きゃ光るってやつだ! よし、俺が稽古をつけてやる!!」





    俺の名前は竹本善太夫……今日から俺は、日の本一の太夫になってやる!!(※なれません)




  12. 18 : : 2020/03/04(水) 22:27:15





    ◇◇◇◇◇◇




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hymki8il

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