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このSSは性描写やグロテスクな表現を含みます。

エレン「俺が助けねぇと他に誰が助けるんだ?」【番外編】

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  1. 1 : : 2019/07/16(火) 20:29:15
    本編
    エレン「俺が助けねぇと他に誰が助けるんだ?」
    http://www.ssnote.net/archives/56541

    の裏話(裏設定?)やエレミカの今後などを書こうと思ってます。

    就職活動のため超絶亀更新になると思います。
    気まぐれに書きます。

    申し訳ありませんが、コメントは制限させて頂きます。

    宜しければご閲覧下さい。
  2. 2 : : 2019/07/21(日) 22:23:01

    【運】

    決して運の良い人生とは呼べなかった。

    不幸の連続で、死にたくなるようなことばかり経験してきた。


    ミカサ「(あ……豚肉買うの忘れた)」


    そんな少女は今、スーパーでの買い忘れを思い出していた。


    ミカサ「(今日は生姜焼きだから、絶対に忘れてはいけない)」


    今度はしっかり豚肉を持った。ついでに足りなかった卵とトイレットペーパーも買おうとレジに向かった。


    「千円以上なので、レシートを持って出口付近のスタッフに渡してくじを引いてください」


    ミカサ「はい」


    さっきも引いたところだった。ハズレでポケットティッシュを貰ったのだった。

    エレンが学校に持って行くのに丁度いい。

    2回目のくじを引く。


    カランカランカランー♪


    「おめでとうございます!一等賞です!!」


    ミカサ「え?」


    「一等はペアでハワイ旅行チケットです、おめでとうございます」


    ミカサ「ハワイ?え、え?」


    「はい。これがチケットになります」


    手渡された紙には確かにハワイ旅行と書いてあった。

    両手が塞がっていたので、袋に入れて家に帰ってから確認することにした。


    ミカサ「本当に当たったんだ」


    自宅に帰りチケットを確認したところ、どう見ても本物が当たっていた。

    ハワイ旅行だ。


    ミカサ「別に行きたくないんだけどな」


    それよりも家事をしなければ、と洗濯に取り掛かった。


    エレン「ただいまー」


    ミカサ「おかえりなさい」


    エレン「今日も疲れたな」


    ミカサ「ご飯からにする?お風呂からにする?」


    エレン「(それとも、わ・た・し?)」


    ミカサ「エレン?」


    エレン「あ、いや。飯からで」


    カバンを置いて、食卓へつく。

    エレンはすぐさまそれを見つけた。


    エレン「これ何?ハワイ旅行って」


    ミカサ「今日買い物に行った時に当たった。ペアチケットだって」


    エレン「へぇ!凄いな」


    エレン「誰と行くんだ?」


    ミカサ「別に……私は行きたくない。エレンは誰かと行かない?」


    エレン「俺か?うーんミカサが当てたんだからミカサが行けよ」


    ミカサ「私はお家に居られるだけで良い。どこか行きたいとも思わない」


    エレン「アニとかサシャとかと行ってこいよ。あ。クリスタでも良いんだぞ」


    ミカサ「クリスタは絶対に襲ってくるから身の危険が及ぶ」


    エレン「だろうな」


    エレンは面白そうに意地悪な顔になった。


    ミカサ「アルミンと行ってくると良い。きっと楽しい旅になる」


    エレン「そうだな。アルミンに行ってみるわ」


    ガツガツと豚のしょうが焼きと白飯を食べ、エレンは満足した。


    翌日。


    ミカサ「(昨日はカルラおばさんにお小遣いを貰ってしまった)」


    ミカサ「(何か買っても良いだろうか)」


    ふと、目に付いた旗があった。


    ミカサ「(宝くじ。……ちょっとだけ買ってみようかな)」


    渡されたお小遣いは一万円。そのうちの九百円分だけを買おうと思った。

    三枚だけ買ってみた。

    一等は五千万円だ。何万分の一の確率だろう。当たったら相当の幸運だろうなと思い、コインで削っていく。


    ミカサ「ん?」


    ミカサ「あれ」


    「んー?姉ちゃんどうした?」


    ミカサ「こ、これ」


    「!!!!!、姉ちゃんこれ一等やないか!」


    ミカサ「現実でしょうか?」


    「ほっぺたつねってみ?」


    ギュウゥゥゥゥゥゥウッッッッ!!


    ミカサ「い、痛い」


    「やばいなあ!姉ちゃんやばいなあ!」


    ミカサ「こ、これはどうしたら」


    「ああそうだ。これ書類な。これを銀行に持って行って……」


    現実かと疑った。

    ここ二日で一気に一等が当選してしまった。


  3. 3 : : 2019/07/26(金) 18:32:39

    数日後


    ミカサ「これは悪いことが起きる予兆かもしれない」


    エレン「はあ?」


    真面目な顔でよく分からない言葉を発したミカサを、エレンは凝視した。

    何言ってるんだこいつと、呆れ顔だった。


    ミカサ「だっておかしい。くじ引きでハワイ旅行当たって、宝くじで五千万円だなんて」


    ミカサ「それだけじゃなくて特典付きの飲み物買ったらが当たったし、懸賞ハガキが当たった」


    エレン「そんなんハワイ旅行や五千万円に比べたら小さいことじゃねえか」


    ミカサ「今までこんなこと無かった」


    ミカサ「いきなり運が良すぎるのでは?」


    エレン「そりゃ今までが不運だらけだったからだろ」


    ミカサ「……ふ、不運?」


    エレン「おう」


    ミカサ「誰が?」


    エレン「お前に決まってんだろ」


    ミカサ「私って、不運だったの……?」


    エレン「お前あれだけ壮絶な人生歩んでてよく不運じゃないって言えるな」


    ミカサ「ええ……」


    ミカサは非常に困惑したのだった。

    眉間に皺を寄せて難しい顔をしている。


    エレン「ま、今更運がついてきたってことじゃねえの。良いことじゃん」


    ミカサ「うーん。後が怖いな」


    エレン「何でだよ」


    家を離れたくないというミカサの意思で、ハワイ旅行は結局ジャンとコニーの元へ譲り渡った。

    宝くじで当てた五千万円のうち、三千万円を孤児院へ寄付した。

    親のいない子どもたちの幸せの為に使って欲しいという願いがあった。

    残りの二千万円は、半分がイェーガー家へ半分がミカサのものとなったのだった。


    エレン「お前欲がねえなあ」


    ミカサ「欲しいものなんて無いから」


    エレン「変な奴」


    ミカサ「……たった一つだけあるけどエレンには言わない」


    エレン「俺には言わねえの?アルミンには言うのかよ」


    ミカサ「アルミンには言ってもいい」


    エレン「なんだよそれ!」


    ミカサ「(家族が欲しいなんて、言ったら笑われるし)」


    エレン「(家族とか欲しがってるのかと思ったけど……この反応は恋人とかか?)」


    かすりつつもすれ違っていく二人であった。


    【運】・ 終
  4. 4 : : 2019/07/28(日) 10:11:37

    【一年前】


    ミカサが高校に入学する一年前、エレンたちが高校一年生の時のことである。

    弱小バスケ部は今日もゆったりと練習に励んでいた。


    エルド「次レイアップなー」


    エレン「はーい!」


    この時にはまだ、顕在しているバスケット部員がいたのである。


    サシャ「ペトラさん!ペトラさんパスくだふぁい!」


    ペトラ「その前にパンを食べ終わりなさい!」


    そう、サシャ・ブラウス。彼女はかつてエレンたちと同じバスケ部に所属していたのだ。


    グンタ「ふぅ……また最後かぁ」


    ジャン「本当にバドミントン部とバレー部片付けしていかないよな」


    コニー「だよなーいつも俺らが片付けしてる気がするぞ」


    アルミン「僕達のことを舐めてるからね」


    サシャ「アルミン舐められるんですか!?美味しいですか?」


    エレン「馬鹿そっちじゃねえよ」


    サシャ「ば、馬鹿って酷い!」


    ペトラ「こーら!無駄口叩いてないで身体動かしない」


    オルオ「説教か?俺の嫁を語るにはまだ足りないがな」


    ペトラ「オルオ」


    オルオ「何だよ照れるじゃねえかよ」


    ペトラ「死ね」


    オルオ「ふ、ツンデレが……」


    いつものやり取りも安定していた。


    サシャ「お腹空きましたねえ」


    モップで床の拭き掃除をしながら、言葉を零した。


    ジャン「お前まだ食うのか。さっきも練習中にパン食ってたろ」


    サシャ「パンはお腹にたまりませんからねえ。好きですけど」


    ペトラ「あんなに食べてるのに体型変わらないのは本当に羨ましいわ」


    アルミン「ペトラさんだって十分細いじゃないですか」


    ペトラ「あのねえ!日々の努力によってこの体型を維持できてるの!」


    ペトラ「大好きなスイーツは誕生日とか以外は我慢して、夜は炭水化物食べないようにして……」


    アルミン「す、すみません大変ですね」


    ペトラ「良いよね、男子は脂肪あまりつかないし」


    エレン「女性だから仕方ないですよ」


    ペトラ「そうなのよねえ」


    オルオ「むしろ俺はもうちょっと肉つけた方が良いと思うがな」


    ペトラ「は?きも」


    オルオ「特にケツの肉が足りな……ふべしっ!」


    ペトラにバスケットボールを全力投球されて、瞬殺されるオルオであった。


    エルド「うし、片付けも終わったな。皆お疲れ様!」


    エルド「気を付けて帰れよ!」


    エレン「はい!お疲れ様です」


    帰る準備をして、帰宅しようとした時だった。


    サシャ「んー帰りに何買って帰りましょうか」


    ハンネス「おーい、サシャ、サシャ!」


    サシャ「?」
  5. 5 : : 2019/07/31(水) 19:08:12
    サシャ「はんねふひぇんひぇえ、なにでふか?」モグモグ


    ハンネス「まずは飲み込もうな」


    サシャ「…ゴクッ。どうしたんですか?」


    ハンネス「それがなぁ、サシャお前学年末テストの結果どうだったよ?」


    サシャ「家庭科以外は赤点でしたかね」


    ジャン「まじかよこいつ」


    アルミン「だから一緒に勉強しようって言ってたのに……」


    あちゃーと、アルミンは手を額にあてた。


    ペトラ「流石にほぼ赤点は酷い」


    エレン「お前そんなに成績悪くちゃ留年するんじゃねえか?」


    サシャ「えーそこまでですか?」


    ハンネス「……」


    アルミン「ハンネスさん?」


    ハンネス「それが、その通りなんだ……」


    ジャン「ゴフゥッ!ゲホッゲホッま、マジで!?」


    水分補給をしていたジャンは、思わずむせてしまった。

    それくらい衝撃的な出来事だったのだ。


    エルド「本当に留年するんですか?」


    ハンネス「ああ、さっきの職員会議で決まった」


    グンタ「俺そんな人初めて見たぞ…」


    サシャ「ちょっと待って下さい!じゃあなんでコニーは留年じゃないんですか?私と同じくらいなのにおかしいです!」


    ハンネス「コニーは授業中真面目に受けていたが理解出来なかっただけだ」


    エレン「あーそういうことか」


    アルミン「僕も分かっちゃったよ」


    コニー「どういうことだ?俺全然分かんねえぞ」


    オルオ「大方、授業中にパンでも食いまくって内申点が落ちたんだろう」


    ジャン「そんな訳ないじゃないすか」


    ハンネス「その通りだ」


    ジャン「はぁ!?」


    エレンとアルミンは激しく縦に首を振っていた。どうやら二人の予想も同じようだった。


    サシャ「あちゃー」


    ペトラ「あちゃーってよく言えたわね!?」


    サシャ「まあそうなってしまった以上仕方ないですよ」


    ハンネス「それともう一つ」


    ハンネス「成績悪くて留年するから、バスケ部は強制退部だそうだ」


    サシャ「え、ええっ!!」


    コニー「お前バスケ部やめんの?」


    サシャ「嫌ですよ!」


    ハンネス「強制なんだ……!」


    エレン「まあそうだろうよ」


    サシャ「酷い!なんでそんな冷たく言えるんですか〜!」


    エレン「だって本当のことだろ」


    サシャ「エレンの薄情者!」


    エルド「サシャが抜けるってことは、女子はペトラ一人になってしまうな」


    オルオ「性格は男だし問題ないだろう」


    ペトラ「オルオ死ね。私は一人でも頑張るつもりよ」


    グンタ「男子って言っても俺らだから大丈夫だろう」


    ペトラ「その通りね」


    サシャ「ペトラさんともう出来なくなるんですかね……」


    ペトラ「遊びに来たらいつでも空いてするわよ」


    サシャ「ありがとうございますぅぅ!!」


    エルド「よーし、今日はサシャとの送別会だな!どこか食いに行こう!」


    サシャ「わーーい!!」


    ハンネス「よし、俺の奢りだ!」


    エレン「よっしゃ。ハンネスさん腹減った高校生によくもそんなこと言えたな!」


    ジャン「俺ババアに飯いらねえって連絡しよ」


    ハンネス「……ちょっとは手加減してくれよ」


    サシャ「いいえ、最後なので遠慮なく食べさせてもらいます!」


    ハンネス「……足りなくなったら誰かよろしくな」


    アルミン「何食べに行きます?」


    エルド「そりゃ焼肉だろ!」


    ペトラ「焼肉って高いわよ。少しは遠慮した方が」


    全員の視線がハンネスに集まった。


    ハンネス「…焼肉、行くか」


    この日ほどバスケ部は騒いだ日は無いだろう。

    疲れたはずの身体が皆、一気に蘇った。

    食べ放題を選んで、本当に食べまくった。


    サシャ「おいひいでふぅ〜!!」


    ハンネス「バスケ部を抜けるんだ。何か最後に一言無いか?」


    サシャ「焼肉美味しいです!皆今までありがとうございました!」


    コニー「また暇な時とかバスケしよーなー」


    サシャ「はい!」


    サシャの満面の笑みは、皆の記憶の片隅に残ることとなった。

    これが、サシャが留年した真相だった。


    【一年前】・ 終
  6. 6 : : 2019/08/04(日) 12:32:33

    【僕の半分は、君で出来ている】


    アルミン「……ま、まだかなぁ」


    あの事件から三ヶ月ほど経った十一月。青年はドキドキしながら、待ち合わせ場所にいた。


    アルミン「(そわそわしちゃって二時間前に来ちゃった…)」


    まるでデートの約束をしているようだった。いや、アルミンにとってはそういう感覚で来ているのかもしれない。

    今日は夏休みに血を分けてもらった、命の恩人と会うことになっているのだ。

    待ち合わせの時間まではあと十五分ほどある。時間が近づいてくるにつれて、冷や汗が増えてくる。

    ファミレスの店員も、「こいつどれだけ一人でいるんだよ」と怪訝な表情になってきている。


    アルミン「…?」


    「……!」


    視線を感じたので、その方向を見てみると焦ったように二つの影は引っ込んだ。

    誰か見ていたのか、たまたま見ていたのか。

    しかし、アルミンはそんなことを考える余裕もなかった。


    アルミン「ううう…お腹痛くなってきた」


    お腹を押さえて苦痛の表情を浮かべた。


    「……あの。大丈夫?」


    アルミン「!」


    「ごめん、待った?」


    アルミン「ううん!僕も今来たところだよ」


    「そう。良かった」


    アルミン「何か頼みなよ、アニ!」


    アニ「奢りかい?」


    アルミン「そうそう、遠慮せずに頼んで」


    あの時分けてもらったA型の血。とっさに分けてくれた人物は、アニだったのだ。

    入院してからすぐ、輸血してくれた人物をグリシャ先生から教えてもらった。

    それからすぐにお礼を言いに行くと、ミカサの友達だと知って共通の友人となったのだ。


    アルミン「(言うぞ。今日は絶対に言ってやる)」


    それから何度か学校やLINEで連絡を取っていた。

    すると、次第に彼女に惚れていった。

    今日は特別な日になる。
  7. 7 : : 2019/08/04(日) 16:11:48

    アニ「やっぱり食後のデザートは格別においしいね」


    アルミン「そうだね」


    アニはいちごパフェを食べている。アルミンも同じものを頼んだが、一向に食べ終わる気配はない。

    緊張してスプーンが進まないのだ。


    アニ「先輩少食だね」


    アルミン「へ?い、いや寒いからかな」


    アニ「ふぅん。じゃあこれはいただくよ」


    アルミン「あっ!!」


    頂点に堂々とその存在を輝かせている大きないちごを、アニは容赦なく奪って口に放り込んだ。


    アルミン「ひどいよ。こんなのいちごパフェじゃなくてただのパフェだよ」


    アニ「食べないより食べてあげた方がいちごも喜ぶって」


    アルミン「これから食べるところだったんだよ」


    アルミン「そんなに食べたかったなら仕方はないけどさ」


    そういってアルミンは微笑んだ。

    いちごを取られたことに全く怒りは沸いていない。


    アニ「先輩って、無駄に優しいよね」


    アルミン「優しい?僕が?」


    アニ「うん。だからなんでもできるよ」


    アルミン「……それって舐められているってことかい?」


    アニ「いいようによってはそうだね」


    アルミン「完全にそれじゃないか」


    アニ「でもバスケットやってるときはしっかりキャプテンやってるなって思うよ」


    アルミン「本当!?」


    アニ「本当さ」


    アルミン「……あのさ、アニ」


    アニがパフェを食べ終わり、口を拭いたタイミングを見計らって、アルミンは勝負に出た。


    アニ「何?」


    アルミン「夏に色々あってからさ、僕たち知り合うことができたじゃない?」


    アニ「そうだね」


    アルミン「それからこうしてお礼としてご飯食べにきているうちに僕」


    アルミン「だんだんアニのことが好きになったんだ」


    アニ「……」


    アニはまっすぐにアルミンを見ていた。


    アルミン「頼りないかもしれないけど、僕は幸せにする自信はある。どうか、付き合ってください!」


    アルミン「(あ、だめだ)」


    アニはいつも通りの表情だった。

    自分の言葉で何一つ驚いていない。もしかしてうざがられている?、とまで悪い方向にしか考えられなかった。

    好きな人ができたのも初めてで、告白したのも初めてで、どうすればいいのか分からない。


    アルミン「……っ!」


    ぎゅっと目を瞑った。

    返事を聞くのがとても怖かった。
  8. 8 : : 2019/08/04(日) 18:27:29

    アニ「……」


    アニの息を吸う微かな音が聞こえた。


    アニ「……いいよ」


    アルミン「へ?ええっ!?」


    アルミン「いいの!?」


    アニ「自分で告白して来たくせになんでそんなに驚いているのさ」


    アルミン「だって、まさかOK貰えるとは思ってなくて」


    アニ「良かったね」


    アルミン「何で?何で良いの?」


    アニ「気まぐれかもね」


    アルミン「ええっじゃあ明日には振られるかもしれないってこと!?」


    アニ「そうだね」


    アニはいたずらっ子のように悪い笑顔で微笑んだ。


    「~~~っっ!アルミン!おめでとう!!」


    アルミン「うわっ!え、エレン?」


    エレン「話は全て聞いたぜ!本当におめでとう!」


    ミカサ「エレン、嬉しい気持ちは分かるけど抑えて」


    アルミン「ミカサまで……二人もここに来てたんだ」


    アニ「そりゃ学校から一番近いファミレスはここしかないからね。他の人も聞いてたりして」


    アルミン「そんな…」


    ミカサ「ごめんなさいアルミン。盗み聞きは良くないと注意したのだけど」


    エレン「だってアルミンが一人でファミレスに来るわけないのに、顔紅くして待ってるし」


    エレン「しかも結構前からよ」


    アルミン「え、エレンそれは言わないでよ」


    アニ「あんたがいつも早くから待ち合わせに来ていることは知ってたよ」


    アルミン「えっ」


    アニ「いつも先に着いてるんだよ。流石に不審に思うよ」


    アルミン「……僕本当にかっこ悪いな」


    ミカサ「でも女の子を待たせないでいるのだから良いことだ」


    アニ「その通り」


    エレン「……」


    エレンは我関せずと、知らんぷりをしている。

    いつも時間にルーズで、ミカサと出かける時にも約束の時間よりも遅くに準備が終わることが多いからだ。


    アルミン「エレン?」


    エレン「……とにかく!良かったな、アルミン!」


    アルミン「うん!エレンもミカサも、今まで相談に乗ってくれたりしてありがとう」


    エレン「役に立てたかは分からねえけど、いいってことよ」


    ミカサ「どういたしまして」


    エレン「いーなー俺にも彼女が欲しいわ」


    アルミン「えへへ……」


    ミカサ「アニ、アニ」


    アニ「ん?」


    ミカサ「良かったね」


    アニ「しっ」


    ミカサ「大丈夫。エレンと話しているから気付いていない」


    アニ「……そうだね」


    アニ「ミカサ、あんたも叶うといいね」


    ミカサ「……」


    ミカサはちらりとエレンを見た。


    エレン「んだよ」


    ミカサ「……まだまだ時間は掛かりそうだけど」


    アルミン「ミカサ、ファイトだよっ!」


    ミカサ「ええ」


    エレン「俺だけ知らない話しやがって」


    アニ「そんなんだからダメなんだよ」


    エレン「はあ?」


    アルミン「……アニ、これからもよろしくね!」


    アニ「こちらこそよろしく、アルミン」


    【僕の半分は、君で出来ている】・終
  9. 9 : : 2019/08/04(日) 22:26:20

    【僕の半分は、君で出来ている・2】


    アルミンが、エレンにミカサを追いかけろと叫んだ直後だった。


    アルミン「はぁ、はぁっ」


    グリシャ「しっかり。呼吸はいつも通りにだ」


    ハンネス「おい先生!A型が見つかったぜ!」


    グリシャ「すぐに輸血の準備を!」


    アルミン「……!、君は……」


    アニ「!、酷い怪我をしているというのはミカサの先輩だったんだ」


    ハンネス「アルミンを知っているなら話は早い。急いでくれ」


    アルミン「はあ……ごめんよ」


    アニ「怪我人は黙って輸血されてた方が良いと思うけど」


    アルミン「うん……」


    力尽きたように、アルミンは目を瞑ってそこから起きなくなった。

    _________________________________


    アルミン「ん……」


    目が覚めると病院のベッドの上にいた。

    眠った前に記憶はある。どうやら助かったようだとアルミンは思った。


    グリシャ「アルミン、目が覚めたようだね」


    アルミン「イェーガー先生、はい、起きました」


    グリシャ「君の手術は成功したよ。後遺症が残ることもないだろう。後は怪我を治すだけだ」


    アルミン「それって結構良い結果だったんじゃないですか」


    グリシャ「ああ。かなり良い状態だった。あれほどの重傷を負ってこれで済んだのは運が良かった」


    アルミン「バスケも続けられますよね?」


    グリシャ「怪我が完治したらできる。ただしそれまでは我慢が必要だ」


    アルミン「それなら良かったです。いくらでも待ちます」


    そこでアルミンは、あることを思い出した。


    アルミン「そういえば先生、僕に血を分けてくれた彼女はどうでしたか?」


    グリシャ「かなり血をいただいて貧血気味になっていたが、大丈夫。元気だ」


    アルミン「良かった」


    ほっ……と胸をなでおろした。


    グリシャ「お礼を言った方が良いな。彼女のおかげで助かった」


    グリシャ「ハンネスが野次馬にA型の血を分けてくれと頼みに行った際、大半は迷ったそうだ。しかし彼女が勇気を出して買って出てくれたからあんなに早く処置ができた」


    グリシャ「もう少し遅ければ危なかったからな」


    アルミン「そうだったんですね」


    あの時、少しの間だけ目が合った彼女を思い出した。

    ミカサから友達が出来たと教えてもらった時、遠目からだが以前に確認したことがある。

    正直、あの子で良かったと思った。ミカサを通して仲良くなれそうだと思ったから。


    グリシャ「じゃあ私はそろそろ戻るよ。エレンとミカサは無事だ。隣の個室に寝かせてある。起きたら遊びに行ってもいい」


    アルミン「はい。ありがとうございます」
  10. 10 : : 2019/08/06(火) 20:18:12

    病室に一人ぼっちになったアルミンは、ふと外を見た。

    雲が少しだけ浮かんでいた。


    アルミン「いてっ!」


    少し足を動かしただけで痛みが走る。激痛ではないが、なるべく歩きたくないなと思った。


    アルミン「エレンとミカサ、無事で良かった……」


    エレンをミカサのもとに追いやった後、足の痛みのことしか考えられなかった。

    グリシャに教えてもらってようやくエレンとミカサのことに気が付いた。


    アルミン「……ん?」


    アルミン「え!?二人も入院しているの!?」


    自弁のように怪我をしているのか?と、不安になってきた。

    もしかしたらあの男に傷つけられたのかもしれない。


    アルミン「でも先生が無事だって言ってたし、大丈夫だ」


    うんうん、と納得した。


    コンコンコン……


    アルミン「はーい」


    誰だろうとドアの方を見た。


    アニ「……ども」


    アルミン「き、君は」


    アニ「ミカサのお見舞いに来たらまだ目が覚めてないって聞いて次いでに来てみたんだけど」


    アルミン「あ、あ、あ、あの!血を分けてくれてありがとう」


    アニ「どういたしまして」


    アルミン「今度お礼をしたいんだ。何か欲しいものとかあるかな」


    アニ「……早く怪我を治してくれたらそれでいいよ」


    アルミン「そんなんじゃ駄目だよ。ちゃんとお礼をさせてくれ」


    アニ「……お礼かぁ」


    アルミン「悩むなら、一緒に食事でもどう?いくらでも奢るよ」


    アニ「そんなに言うならそれで良いよ。楽しみにしとく」


    アルミン「あ、怪我が治ってからね」


    アニ「そうそう。だから早く治しな」


    アルミン「ありがとう!」


    アルミン「連絡先の交換してもいいかな?」


    アニ「ああ。良いよ」


    アルミン「よい…しょっと」


    ベッドの隣にある小さな机には、事件の当時に所持していたスマホや財布が置いてある。

    そこからスマホを取ってLINEを開いた。


    アニ「これ、QRコードね」


    アルミン「うん、読み取るね」


    アニ「……アイコン、二年生の人たちの」


    アルミン「バスケ部の皆なんだ。仲が良いんだ」


    アニ「その話はミカサから聞いているよ。しかも良い人たちばっかりってね」


    アルミン「ミカサ、部活のことを友達にも話したりしてるんだね」


    アニ「エレンがうざいって言ってた」


    アルミン「あーたまにミカサにライバル心抱いて勝負仕掛けてたからね」


    アニ「ああそのこと言ってた」


    アルミン「ミカサは運動できるけど、初心者に勝負仕掛けるのも酷いよね」


    アニ「あの人太っ腹だけど精神的には子どもだよ」


    アルミン「エレンとも話したことあるの?」


    アニ「なんかこの間ミカサともう一人と集まった時、着いて来たんだ」


    アルミン「何してるんだよ……」


    エレンはたまに変な行動をする。

    それはいつも突拍子もなく、ハラハラしてしまうこともしばしばだ。


    アニ「先輩とエレンって、ミカサの幼馴染みなんだって?」


    アルミン「そうだよ。小学生の時にミカサが転校して、中学に上がる前に僕が転校したんだ」


    アルミン「高校生になって、三人が再会したの」


    アルミン「すごいでしょ、奇跡だと思った」


    アニ「確かにすごいね」


    アルミン「小学生の時からほとんど二人は変わってなくてさ、エレンにもミカサにも再会したとき本当に懐かしかった」


    アルミンは懐かしむように、遠く見つめた。





  11. 11 : : 2019/08/08(木) 14:41:02

    アニ「へえ、特別な存在なんだね」


    アルミン「うん!二人とも大好きだ」


    アニ「良いね、そういうの」


    アルミン「アニには幼馴染みはいないの?」


    アニ「……いるよ。でかい男が二人」


    アニ「一人は大きく変わっちゃったけどね。もう一人は昔のまま臆病だけど」


    アルミン「はは…辛辣だね」


    アニ「男っていざって時に役に立たないし」


    アルミン「う…傷付くな」


    アニ「でも先輩は犯人に立ち向かったり、頑張ったじゃないか」


    アルミン「脅されたからさ。エレンとミカサの安否について」


    アニ「二人を助けようとしたからだろう?」


    アルミン「そうなのかな。結局、二人の足手まといになっちゃったし。君にも迷惑かけたし」


    アニ「血ぐらいいくらでも分けてあげるよ。ま、元気出しな」


    アルミン「ありがとう。アニって優しいんだね」


    アルミン「あ、LINEに書いてあった名前で呼んじゃったけど、良かったかな」


    アニ「良いよ。先輩は……アルミンっていうんだね」


    アルミン「そうだよ。アニ、改めてよろしく」


    アニ「よろしく」


    アニ「そろそろ私は帰ろうかな」


    アルミン「ミカサのお見舞いだったのに急にごめんね」


    アニ「良いよ。話してて楽しかったし」


    アニ「じゃ、ばいばい」


    アルミン「ばいばい!」


    アニの帰る姿を見送り、一気に虚無感が襲ってきた。


    アルミン「(あの子の血が僕には流れてるんだ)」


    アルミン「(良い子だったな。またお喋りしたい)」


    色々考え事をしているうちに、検査へ呼ばれたのだった。


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eremika1

MARIA

@eremika1

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