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男「呪われたりするやつですか」

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  1. 1 : : 2018/01/20(土) 12:18:00
    こちら→http://www.ssnote.net/groups/835の企画に参加しています
  2. 2 : : 2018/01/20(土) 12:18:16
    *春は出会いの季節とか*


    大家「はい、荷物どうぞー……、はい、ここの鍵ね」

    男「あ、ありがとうございます」

    大家「運ぶの手伝おうか?」

    男「いえいえ、あと2箱なんで大丈夫です」

    大家「あら、最近の大学生ってそんな荷物少ないの?」

    男「いやー、結構実家に置いてきたんで、ホントに要るものだけだとこんなもんです」

    大家「そうなのね。ま、今は他に誰もいないから、友達呼んで騒いじゃっても大丈夫よ」

    男「そうなんですか、じゃあ早く友達作らないと、ですね」

    大家「素敵なガールフレンドが出来たら紹介してちょうだいね」

    男「あはは、まあそのうち……」

    引っ越し業者「荷物運び終わりました」

    男「どうも、ありがとうございました」

    引っ越し業者「ありがとうございました!」

    バタン ブロロロ……

    大家「あら、アタシもそろそろ行かなきゃ」

    男「やっぱこの時期多いんですか?」

    大家「そうね、新大学生に新社会人、もう大忙しよ」

    男「その割にここは入居者いないんですね」

    大家「ま……まあ、ちょっと駅から遠いし、ねぇ……とにかく、何か困ったことがあったらいつでも連絡ちょうだいね。それじゃ」

    男「どうもー……」

    男「ふう、荷解きするか」

    男「……誰もいないんだったな」

    ♪コーノーマーマーキーミーヲツーレテユクートー

    男「やっぱ荷物少ないな、1曲歌い終わらなかった」

    「こんにちは」

    男「わっ、うるさかったか……?って、まさかアパートの外に漏れてるなんて」ガチャ

    男「……あれ、誰もいないな。ピンポンダッシュか?」

    男「いや、チャイムは鳴ってなかったな……」

    「こーんーにーちーはー」

    男「どっかで選挙カーでも……?」

    「違います、後ろです」

    男「へっ?」クルッ

    ?「あ、結構はっきり聞こえてるんですね」

    男「…………」

    男「……もしもし、山雨荘の男ですけども、102号に先客って言うか前住民の方がいらっしゃるんですが」

    大家「あら、気付いちゃった?」

    男「え?いや、気付いちゃった?ってどういうことですか」

    大家「いや、ね?実は……たまーに、幽霊が見えたとかなんとか言ってすぐ引っ越しちゃう人がいるんだけど……」

    大家「全然見えないっていう人もいるし、アタシもさっぱりだから……。隠すつもりはなかったのよ?ただ、かなり安く貸して……」

    男「いや、幽霊とかじゃなくてはっきりそこにいるんですけど」

    大家「それはすぐ通報して」ブツッ

    男「……聞いてたと思いますけど、そういうことなんで。名前とか教えてもらえますか?」

    ?「名前はわかりません」

    男「あー、そうですか。まあどっちにしろ警察に来てもらうんで、その時はちゃんと答えてくださいよ」

    ?「待ってください!きっとそんなことしても無駄だと思います!」

    男「……どういうことですか?」

    ?「私、その……」

    ?「幽霊、なんです」

    男「……は?」

    幽霊「本当です!触ってみてください!」

    男「いやいや、なんでそんなリスク冒さなきゃいけないんですか」

    幽霊「そんなに警戒しなくてもいいじゃないですかー、っと、これでいいですか?」スッ

    男「うわっ!壁に入っ、半分……えぇ……?」

    幽霊「信じました?」

    男「どんなトリックが?」

    幽霊「種も仕掛けもありません!本当に幽霊なんですってば!」

    男「いや、幽霊にしては存在がはっきりしすぎでしょ」

    幽霊「みたいですね。たまに気付いてくれる人はいたんですけど、こうやってちゃんとお話しできたのはあなたが初めてです」

    男「へー……、霊感とか別に感じたことも無かったけどなあ」

    幽霊「まあ、そういうことで、今日からよろしくお願いします」

    男「えっいやちょっと、そういう訳にはいかないでしょう」

    幽霊「あれ、何か問題が?」

    男「あるに決まってるでしょ」

    幽霊「そうですか」

    男「そうですよ」
  3. 3 : : 2018/01/20(土) 12:18:19
    男「えっと、いくつか確認していいですか」

    幽霊「どうぞ」

    男「まず、本当に幽霊なんですよね」

    幽霊「そうです、さっき見せた通りです」

    男「あまりにも鮮明に見えるし聞こえるから、本当にそこにいるようにしか思えないんですけどね」

    幽霊「いるにはいますよ!死んじゃってるだけで」

    男「あーはい、とにかく幽霊だってことは分かったので、次いいですか」

    幽霊「どうぞ」

    男「あなたはここの地縛霊、ってやつですか?」

    幽霊「多分そうですね、部屋の行き来ぐらいはできるんですけど、アパートからは出られないみたいです」

    男「ってことは、やっぱここで亡くなったんですか?」

    幽霊「それは分かりません。気が付いたらここにいて、それまでのことは全然覚えてないんです」

    男「そうですか……、で、これ一番聞いておきたいんですけど」

    幽霊「はい、なんでしょう」

    男「あなたといると……呪われたりしますか?」

    幽霊「あー、そうですねー……」

    幽霊「するかも、しれませんね」

    男「!?」

    幽霊「……嘘です、多分そんなことないです」

    男「えぇ……、た、多分?」

    幽霊「私に気付いてすぐ出て行っちゃう人もいましたけど、気付かずに数年住んでる人ももちろんいましたし、特に何もなかったので大丈夫だと思いますよ」

    男「はあ……、まあ、それじゃあよろしくお願いします」

    幽霊「はーい、よろしくお願いします!」
  4. 4 : : 2018/01/20(土) 12:18:22
    *大雑把に言えばひとつ屋根の下*


    男「昼間って何やってんのかな」ピッ

    『ミテクダサイコノキュウインリョク!コレガタッタノ』ピッ

    『エランダノハナニイロノナニ!』ピッ

    『サテ、ホンジツノオキャクサマハ』ピッ

    男「……まあいいか」

    幽霊「いいともはやってないんですか?」

    男「わっ、まだいたんですか」

    幽霊「出られないって言ったじゃないですか」

    男「部屋の行き来はできるんですよね?」

    幽霊「いいじゃないですか、二十数年で初めてまともに話せる相手に出会えたんですし」

    男「にじゅ……!?よくないです、ここ俺の部屋なんで」

    幽霊「そんな寂しいこと言わないで、お喋りしましょうよー!」

    男「プライバシーってもんがあるでしょ、それといいともはとっくに終わってますさようなら」

    幽霊「えっいいとも終わってたんですか!?なんで!?」

    男「知りませんよそんなの、とにかく出て行……別の部屋に行ってください」

    幽霊「出て行けって言おうとして言い直すあたり、優しい人なんですね」

    男「そういうのいいんでホント出て行ってください」

    幽霊「わかりました!じゃあ風呂場にいるのでたまに話しかけていいですか?」

    男「そういう意味の部屋じゃない」

    幽霊「ついにタメ口に……!」

    男「もういいです、夜まではここにいていいですから」

    幽霊「やったー!いっぱいお話ししましょうね!」

    男「お好きにどうぞ」

    幽霊「じゃあ私も質問しますね!」

    男「どうぞ」

    幽霊「じゃ、お名前は?」

    男「男です」

    幽霊「男さんはどこ出身ですか?」

    男「すぐ名前呼ぶんですね、……京都です」

    幽霊「じゃあ結構遠くから来たんですね」

    男「まあ、大学がこっちのほうにあるんで」

    幽霊「なるほど、ってことは大学生ですか?」

    男「はい、この春から」

    幽霊「いいなあ、大学生活」

    男「お姉さんは大学には……あ、覚えてないんでしたっけ」

    幽霊「はい、……あ、そのお姉さんっていうのいいですね、是非これからもそう呼んでください」

    男「え、あー、まあいいですよ」

    幽霊「なんで不服そうなんですか、いいじゃないですか」

    男「そうですね、どうせ呼ぶこともそうないでしょうし」

    幽霊「もー、意地悪ですね」

    男「嫌なら話しかけなくていいんですよ」

    幽霊「じゃあまだまだお話ししましょうね!」

    男「……テンション高いですね」

    幽霊「そりゃあもう!」

    男「まあ、もうちょっとだけなら……」

    幽霊「やっぱり優しいんですね、男さん♡」

    男「じゃあそういう事にしといてください」
  5. 5 : : 2018/01/20(土) 12:18:24
    *幽霊なのか、もしくは*


    幽霊「おはようございます」

    男「おはようございます、今日も早いですね」

    幽霊「早寝早起きは得意なので」

    男「嫌味のつもりだったんですけどね、朝ぐらいダラダラさせて下さいよ」

    幽霊「ダラダラ、したらいいじゃないですか」

    男「あなたがいるから出来ないんです」

    幽霊「ん、お姉さん」

    男「……お姉さんがいるからダラダラ出来ないんです」

    幽霊「綺麗なお姉さんがいると緊張しちゃいますか?」

    男「そもそも他人が部屋にいる時点で緊張するでしょ」

    幽霊「とか言っちゃって、照れてるんですか?可愛いなあ男さん」

    男「そういうことは鏡見てから言ってください」

    幽霊「私、鏡に映らないんです」

    男「えっ、それは失礼しました……」

    幽霊「いいですよ、私が不細工だってのも男さんに会わなきゃ知れなかったんですし」

    男「違います、あれは冗談で……お姉さんは結構綺麗な方だと思います、よ」

    幽霊「別にお世辞はいいですって、……という訳でもない?」

    男「照れてません。着替えるので覗かないでくださいね」バタン

    幽霊「何も言ってないのに、やっぱ可愛いなあ」

    男「聞こえてますよ」

    幽霊「ふふっ、聞こえてますか」

    男「何で楽しそうなんですか」

    幽霊「そりゃ楽しいですよ!人と会話するなんて」

    男「二十数年で初めて、でしたっけ?じゃあお姉さんじゃなくておばさんですね」

    幽霊「あ、言ってはいけないことを……!呪いますよ!」

    男「あー怖い怖い、ちょっと出かけてきますね」

    幽霊「適当にかわされた……いってらっしゃい」

    男「いってきまーす」バタン

    幽霊「全く、照れ屋かと思ったらからかったりもするし……よくわかんない人ですね」

    ―――――――――――――――――――――――――――――

    男「ただいま」ガチャ

    男「……あれ、別の部屋か」

    幽霊「うーん、ないなあ……あ゛あっあれっ?おかえりなさい!?」パサ

    男「……何やってるんですか」

    幽霊「いや、何か面白いものないかなーって……」

    男「特にそういうのはないです」

    幽霊「ホントですかー?実はえっちな本とかビデオとか……」

    男「本当にないですから。ってかそういうの見つけたとしてどうするんですか」

    幽霊「そりゃあもう、男さんをいじり倒しますよ」

    男「呪いよりよっぽど質が悪い……」

    幽霊「それより、男さんはどこ行ってたんですか?」

    男「カウンセリングです」

    幽霊「何でまたそんな、悩みなら聞いてあげますよ?」

    男「いや、あなt……お姉さんには解決できないので」

    幽霊「どうしてですか?」

    男「あのですね、僕はまだあなたのことを認めた訳じゃないので」

    幽霊「えー?日中はお邪魔してもいいって言ってくれたじゃないですか!」

    男「そういう事じゃなくて、幽霊という存在を認められなかったんです」

    幽霊「で、なぜカウンセリングに?」

    男「都合のいい幻覚を見ちゃってるんじゃないかと思ったんです。ストレスかなんかのせいで」

    幽霊「失礼な!私はちゃんと存在してます!」

    男「そうは言われても証拠がないじゃないですk……あっ」

    幽霊「どうしました?」

    男「さっき、僕の荷物漁ってましたよね?」

    幽霊「さて、何のことでしょう……?」

    男「別に責めるわけじゃないんです。どうやって漁ってたんですか?」

    幽霊「漁ってたってそんな……こう、ぴらっと」

    男「ぴらっ、と出来るんですか……?」

    幽霊「軽いものなら、頑張ればちょっとは……」

    男「動画撮るんでもう一回やってください」

    幽霊「えー、あれ結構疲れるんですよ」

    男「いいから早く!」

    幽霊「は、はい」

    幽霊「ふーっ、……せーのっ!」ピラッ

    男「おおっ!ホントだ動いてる!」

    幽霊「撮れました?」

    男「えーっと……撮れてる撮れてる!」

    幽霊「見せてください!……あーやっぱ私は映ってないですね」

    男「でもほらここ!ここ動いてます!」

    幽霊「すごい!独りでに動いてるみたい!」

    男「つまり……妄想でも幻覚でもない?」

    幽霊「当たり前じゃないですか!お姉さんは実在します!」

    男「ですよね、大変失礼いたしました……」

    男(いよいよ認めざるを得なくなってしまった……なんだこのファンタジーキャンパスライフは)
  6. 6 : : 2018/01/20(土) 12:18:30
    *地縛霊なので*


    男「ただいま」

    男「……よし、書くか」

    男「…………」カタカタ

    『ツギノニュースデス、サクヤ……』ピッ

    男「突然テレビ点けるのやめてくださいよ」

    幽霊「脅かそうと思って」

    男「そういうのいいですから」

    幽霊「なんですかその適当な反応は……これ結構疲れるんですよ」

    男「疲れるなら無理にしなくても」

    幽霊「だって、暇なんですもん」

    男「寝てたらいいじゃないですか」

    幽霊「幽霊って寝る必要ないんですよ」

    男「でも毎晩寝るし、疲れたりもするんですね」

    幽霊「寝るのはなんとなく習慣で、疲れるのは……なんででしょうね?」

    男「やっぱり謎な存在だなあ」

    幽霊「都合のいい幻覚、ではないですからね」

    男「分かってますよ、何か月前の話ですかそれ」

    幽霊「あれ結構傷ついたんですからね?」

    男「その節は大変失礼致しました」

    幽霊「……でも、私のこと『都合のいい幻覚』だと思ったってことは、私みたいなお姉さんと同居したかったってことですか?」

    男「……黙秘します」

    幽霊「もー可愛いんだからー、素直になっていいんですよ?」

    男「面倒なおばさんだなあ……」ボソッ

    幽霊「聞こえてますよ」ジッ

    男「聞こえるように言いました」

    幽霊「呪ってやる……!」

    男「出来ないでしょうに」カタカタ

    幽霊「あっ、またパソコンに逃げた……」

    男「逃げた、って別に、ここ僕の部屋ですし」

    幽霊「男さんよりずっと前からここに住んでましたー」

    男「家賃払ってないでしょ」

    幽霊「うっ」

    男「…………」カタカタ

    幽霊「……あ、でも献立考えたりしてあげてるじゃないですか!」

    男「まあ、それについては結構助かってますけど」

    幽霊「ってことは、私はもはや必要不可欠な存在であって……」

    男「そう、なるんですかね……?」

    幽霊「つまり、私は立派な同居人です!って感じでどうでしょう?」

    男「どう……、まあ、そう言われればそうだと思います」

    幽霊「じゃあ同居人を無視しないでお話しましょ♡」

    男「はあ、いいですけど」

    幽霊「どうしようかな、あ、最近大学はどうですか?」

    男「それなりに楽しいですよ、授業も面白いし」

    幽霊「お友達は何人ぐらいできました?」

    男「……明日の予習でもしようかな」

    幽霊「えっ、私にはこんなに好き勝手言ってるのに」

    男「別に好き勝手言ってるつもりもないですけど、元々喋るの苦手なんですよ。お姉さんとは出会いがアレだったせいで馴染んじゃいましたけど」

    幽霊「そんなもんなんですか」

    男「まあ、全くいないって訳でもないんですけどね。友達と呼んでいいかどうかは……」

    幽霊「そんなの難しく考えなくていいんです、今度連れてきてくださいよ!」

    男「じゃあ誘ってみます。でも、霊感あったらびっくりしちゃうかもしれませんね」

    幽霊「気付かれないようにこっそり見てますね」

    男「その辺はご自由にどうぞ」

    幽霊「やったあ!楽しみだなあ」

    男「なんて言ってたらもう夜ですね」

    幽霊「えー、もうちょっとお話ししましょうよ」

    男「ダメです、ここのラインは大事にしないと」

    幽霊「私、面倒臭いですか?」

    男「いえ、別にそういう訳では……ってか、そんなに話すことありますか?」

    幽霊「ありますよ!ここから出られない以上、あなたを知るにはいっぱい話すしかないんですから!」

    男「そんなに知りたいですか……?」

    幽霊「私のこと質問攻めにして動画まで撮ったのはどこの誰でしたっけ?」

    男「あーはい、そうですね、よく分かりました。それではおやすみなさい」

    幽霊「都合が悪いとすぐ逃げるんだから……」スッ

    男「……あーやべ、勘違いして恥かくところだった」
  7. 7 : : 2018/01/20(土) 12:18:32
    *相当ヘビーな*


    男「えーと、本当に何もないけどまあ、いらっしゃい」ガチャ

    友「おじゃましまーす、わ、ホント何もないのな」

    女「おじゃまします」

    幽霊「わー、女の子いるじゃないですか!あんなこと言っておいて結構やるじゃないですか!」

    男「……とりあえず座って、麦茶かコーヒー、どっちがいい?」

    友「俺コーヒー、アイスで」

    女「私も、あと砂糖があると嬉しいな」

    男「了解、っつってもパックのだからアイスしかないんだけど」

    友「なあ、本棚見てもいい?」

    男「どうぞ」

    女「じゃあ私も」

    幽霊「2人とも同級生ですか?」

    男「はい、しかもあの2人は高校から同じだって」ヒソヒソ

    幽霊「あら、それじゃあカップルだったり?」

    男「さあ、それは……」ヒソヒソ

    友「おーい、男ー?」

    男「あ、ごめんごめん今行く」カチャカチャ

    男「はい、これ女さんの」

    女「ありがとう」

    男「で、あとはブラック」

    友「サンキュー」

    男「……さて、何する?うちホント何もなくて悪いんだけど」

    女「そんな、私が来たかったから来たわけだし」

    友「そうそう、にしてもまあ悪くない部屋だな。トイレと風呂が別になってるし」

    男「いつの間に見てんだよ」

    友「それに、外観の割に中は綺麗じゃん」

    男「20年ぐらい前にちょっとリニューアルしたって、でもアパート自体は築50年ぐらいらしい」

    友「へー、結構古いんだな」

    女「他には誰か住んでるの?」

    男「いや、自分だけ」

    友「すげえ、貸し切りじゃん」

    男「まあ、そうなるのかな、だから多少騒いでも大丈夫だって」

    友「騒ぐ、ねえ……なんかある?」

    男「ゲームならあるけど、1人用ばっかだしなあ」

    女「あ、これなら2人でできるよ」

    男「え、女さんこれ知ってる?」

    女「弟の借りてちょっとやったことある」

    男「マジで?じゃあ友は?」

    友「俺ゲーム下手だからなあ……でもそれ2人用ならやればいいじゃん、俺応援しとくし」

    男「じゃあそれでいい?」

    女「いいよ、やろう!」

    ―――――――――――――――――――――――――――――

    男「回復いる?」カカカカッ

    女「いや、倒せる」カッカタカタッ

    男「了解」ガガガッカタン

    友「お前らすげーな、もう夜だぞ」

    女「帰りたきゃ帰れば?あ、後ろ」カッカシャカシャ

    男「ホントだ、サンキュー」カッカッカッ

    友「いや、あのなあ……別にもうちょっと見てるけど」ピロロロ

    友「ん……?もしもし、あーはいはい、そうだけど、……」

    友「ごめん、やっぱ帰るわ」

    男「え、どうしたん?」カカッ

    友「彼女に呼び出された」

    男「えっ彼女いたの!?」

    友「おう、英語科の」

    女「うそ、それは初耳なんだけど」カタカタ

    友「いや、イジられるかなーと思って」

    男「そりゃイジるわ、英語科ってお前」

    友「おいおい、別に英語科の女子が全員派手なわけじゃないからな、それじゃ」

    男「わ、あいつイジられる前に逃げ去りやがった」

    女「ちょっと、手止まってる」カカカカカッ

    男「ああ、ごめん」カタ

    女「男くんって2つのこと同時にできないよね」カシャカシャッ

    男「あー、苦手かも」ガッカカカッ

    ―――――――――――――――――――――――――――――

    男「うわ!もう12時回ってるじゃん」

    女「結構やってたねー……」

    男「どうする?送ろうか?」

    女「うーん、明日も暇だしなあ……もしよかったら泊めてくれない?」

    男「えっ、いやそれは……」

    女「ダメ?」

    男「いや、来客用の布団とかないし」

    女「私、クッションでも寝られるよ?」

    男「あー、それなら……嫌じゃなければ布団使ってもいいけど」

    女「いいの?じゃあお言葉に甘えて」

    男「お、そう……?じゃあもう寝る?」

    女「うん、もう疲れた」

    男「じゃあちょっと待ってて、布団敷くから」

    女「はーい、机除けとくね」

    男「ありがと、じゃあこの辺に」バサッ

    女「どうもどうも、んじゃおやすみ」

    男「おやすみ」カチッ

    男「…………」

    男「……トイレ」
  8. 8 : : 2018/01/20(土) 12:18:34
    男「……何でいるんですか」

    幽霊「あっすいません、盛り上がってたのでつい」

    男「つい、じゃないですよ。約束でしょ」

    幽霊「もう、いいじゃないですか1日ぐらい」

    男「ダメです、と言いたいところなんですけど、なんか流れでこんなことになっちゃって困ってるんで……」

    幽霊「えっ、まさかいやらしいことでも始めるんですか?」

    男「違いますよ、そういう間違いが起こらないように見張っててください」

    幽霊「見張る……?私寝たいんですけど」

    男「約束を破った罰です、おじさん」

    幽霊「おじさんって!性別すら違うじゃないですか!」

    男「いや、『いやらしいこと』とか言っちゃうの、おっさん臭いなと」

    幽霊「でも男ってそういうもんじゃないんですか?」

    男「偏見です、じゃあお願いしますよ」

    幽霊「はいはい、おやすみなさい」

    男(いつの間にかこんな状況になった訳だけど……相当ハードだなあ)

    ―――――――――――――――――――――――――――――

    男「もう朝か……」

    女「あ、おはよう」

    男「おはよう、いつ起きた?」

    女「ついさっき」

    幽霊「……」

    男「どうする?何か食べる?」

    女「じゃあ、友が食べてたやつの残りあるけど食べていい?」

    男「それならお好み焼きは温めるけど……ポテチは湿気てない?」

    女「どうだろ、……うん、あんまりおいしくない」

    男「じゃあそれはやめとこう、他の温めるから待ってて」

    女「はーい」

    …………

    女「ごちそうさま、じゃあそろそろ帰るね。お風呂入りたいし」

    男「そっか、そういや風呂行ってないな」

    女「急に泊まらせてなんて言ってごめんね。今度はウチに来てよ」

    男「実家だっけ、迷惑じゃない?」

    女「大丈夫、弟なんかしょっちゅう友達呼んで騒いでるし」

    男「そうなんだ、じゃあ友が空いてる時に一緒に行こうかな」

    女「アイツは彼女がいるから無理そうじゃない?」

    男「それもそうか、じゃあゲームでも持って行くよ」

    女「その時は弟とも相手してやってね」

    男「いいよ、ボコボコにしてやる!っつって」

    女「あはは、期待してるよ!じゃあね」

    男「ん、じゃあまた」バタン

    男「……なんかやたらと疲れたなあ、片づけたら寝よ」

    幽霊「お疲れさまです、本当に……私もお疲れ様」

    男「……?」
  9. 9 : : 2018/01/20(土) 12:18:37
    *それは終わりを告げるのか*


    男「もう結構暗いですよ」

    幽霊「まだ5時半ですけど」

    男「時間って指定してましたっけ」

    幽霊「でも、5時って夜とは言わないんじゃないですか?」

    男「じゃあ分かりました、6時をラインにしましょう」

    幽霊「8時ですか?」

    男「そうですね、18時とも言えますね」

    幽霊「20時でお願いします」

    男「18時です」

    幽霊「……19時半!」

    男「18時」

    幽霊「……19時!これ以上は譲れません!」

    男「……いいでしょう、19時まででお願いします」

    幽霊「とか言って、最初からそのつもりだったんじゃないですか」

    男「急に鋭くなるのやめましょうよ」

    幽霊「何か月同棲してると思ってるんですか」

    男「その言い方はやめてください……」プルルル

    男「……はい、もしもし」

    男「はい、そうなんですか……分かりました」プツッ

    幽霊「誰からですか?」

    男「大家さんです、ここ取り壊すことになったって」

    幽霊「えっ……ええっ!?」

    男「って言ってももうしばらく先なんですけどね、僕が大学卒業するまで待つって……それに、就職先の近くに大家さんが持ってる物件があれば安く貸してくれるらしいです」

    幽霊「へー……そうなんですか……」

    幽霊「……ここはどうなるとか聞きました?」

    男「更地にして売るつもりらしいです」

    幽霊「その場合、地縛霊?の私はどうなっちゃうんですかね」

    男「それは……どうなんでしょう、全然詳しくないので」

    幽霊「それに、男さんともお別れになってしまうんですね」

    男「そりゃあまあ……元からそのつもりだったんで……」

    幽霊「せっかくお話しできる人に会えたのに……」

    男「分かりました、今日だけは7時……20時までいてもいいですから、とことんお話ししましょう」

    幽霊「いいんですか!?」

    男「今日だけですよ」

    幽霊「やった!」
  10. 10 : : 2018/01/20(土) 12:18:39
    *私がいると思うなら*


    幽霊「ここが取り壊されることになった以上、本質的な話をしなきゃいけないと思うんです」

    男「と言うと?」

    幽霊「私と言う存在について、です」

    男「何だか哲学的ですね」

    幽霊「哲学……というかもっと現実的なところでの私について話させてください」

    男「現実的……僕が今まで見てきたものの中では一番非現実的な存在ですけどね」

    幽霊「そりゃそうだとは思いますけど、こうやってあなたとお話しできたり、物を動かしたりできる以上、私は現実に存在すると言えるでしょう?」

    男「まあ、その点については認めざるを得ないと思いますし、動画を撮った辺りからそういうことだとある程度了承してます」

    幽霊「……で、ここで根本的な疑問になるんですけど、私はどういう存在として実在しているんですかね?」

    男「それは…………霊的ななんかじゃないですか」

    幽霊「そこをはっきりさせたいんです!じゃないと……」

    男「呪いますか?」

    幽霊「そういうことじゃないです!ほら、私って今のところ、地縛霊的な認識じゃないですか」

    男「まあ、一般的な地縛霊のイメージが一番近いかなあとは思いますけど」

    幽霊「だとしたら、ここが取り壊されちゃった時、私はどうなるんでしょう?」

    男「あー……、どうなるんですかね」

    幽霊「ちょっと調べてみてくださいよ」

    男「いいですけど……」カタカタ

    男「……そもそも非現実的なものの話なので何が正しいとかは分かりませんが、主な説を挙げると……その場所への未練からより凶悪な霊になる、とか」

    幽霊「それじゃあ私、とんでもない悪霊みたいじゃないですか!それに、この場所に未練なんて心当たりもありませんし……」

    男「ですよね、色々読んでみると、一般的に言われてる地縛霊とお姉さんとではちょっと違うかなあと」

    幽霊「話が振り出しに……」

    男「ですね……。じゃあちょっと視点を変えてみますけど」

    幽霊「はい」

    男「ここは個人差があるところだとは思うんですけど、少なくとも僕にははっきりお姉さんが見えるし、声も聞こえるんです」

    幽霊「つまり……?」

    男「僕は文系なのであんまり偉そうなことは言えないんですけど、お姉さんはこう……『波』で出来てるんじゃないですかね」

    幽霊「波、ですか?」

    男「はい、光や音が一部の人しか感じ取れない波長で出てて、それがお姉さんを作ってるんじゃないかと思ったんですけど……いや、正確な根拠なんてないんですけどね」

    幽霊「いいですね、それ!」

    男「……え?」

    幽霊「波で出来てるだなんて、何だかロマンチックでいいじゃないですか!」

    男「そういう問題ですか?」

    幽霊「よくよく考えたら、私が何者であろうと『私』だと思えば『私』なんですよ!だったらロマンチックなもので出来てると思った方がお得じゃないですか?」

    男「はは、そうかもしれませんね……?」

    幽霊「ありがとうございます!やっぱり男さんと出会えてよかった!」

    男「そういうこと、嬉しそうに言わないでくださいよ……」

    幽霊「あれ、照れてます?」

    男「照れてません、それとそろそろ20時ですよ」

    幽霊「もー、仕方ない男さんですねー」シュン


    男「……もー、って何だよ、もーって」
  11. 11 : : 2018/02/05(月) 07:05:22
    *悪霊?*


    男「Zz……」

    ?「オ……ク、ン……」スーッ

    男「……っ、ん…………」

    ?「カワ、イ……アハハ……」サワサワ

    男「お姉さん…………?」ゴシゴシ

    ?「ワ、タ、シ……ダヨ……」ナデナデ

    男「あれ……なんで女さん……」

    男「ええっ!?何で!?何で女さんがいんの!?」

    幽霊「何ですか男さん夜中にこんな大声出して!」シュバッ

    男「お姉さん!!助けてください!!」

    女?「アハハ……」ツンツン

    幽霊「これはこれは大変失礼致しました」シュバ

    男「違います、誤解です!」

    …………

    幽霊「女ちゃんにそっくりですね」

    女?「そうですけど……あなたは?」ベタベタ

    男「この女さん(?)にはお姉さんが見えてるのか……」

    幽霊「にしても、しばらく喋ってるうちに普通に話せるようになりましたね」

    女?「男くんのお姉さんなの?じゃあ挨拶しなきゃ、こんばんは」ベタベタ

    幽霊「こんばんは」

    男「のんきに返事してないで、ちょっと状況を整理しましょうよ」

    幽霊「いいですけど、女ちゃんにベタベタされてるのについては何も思わないんですか」

    男「いや、パニックのあまり何も感じないですね」

    幽霊「そうですか」

    男「そうです、で、とりあえず戸締り出来てるか確認してきて欲しいんですけど」

    幽霊「それなら男さんが帰ってきた時に確認済みです」

    男「そりゃどうも」

    幽霊「次はどうしましょう」

    男「女さん(?)に触ってみてください、あ、特に意識はせずに」

    幽霊「分かりました、……とお!」スカッ

    幽霊「ダメみたいですね」

    男「なるほど……」

    女?「さっきからどうしたの?ゲームでもする?」ベタベタ

    幽霊「何か分かったんですか?」

    男「はい、まあなんとなく」ブンッ

    女?「きゃっ!?」スカッ

    幽霊「ちょっと、暴力はダメ……あれ?」

    男「これ、お姉さんと似たような存在じゃないですかね」

    幽霊「え、じゃあ女ちゃんが幽霊になっちゃったってことですか!?」

    男「分からないですけど、多分違うと思います」

    幽霊「どうして?」

    男「……勘です、そうだ、お姉さんって他の幽霊と出会ったことがあるんでしたよね?」

    幽霊「ええ、何人かあったことあります。私は動けないので滅多にないですけど」

    男「その時に、相手に触れたことはありますか?」

    幽霊「あります、小柄なおばあちゃんに『早く成仏できるといいねえ』って頭ポンポンされました」

    男「やっぱり、じゃああとは……」

    幽霊「ちょっと、何がやっぱりなんですか!」

    男「他の幽霊と会った時、近くで煙が上がってたりしましたか?」

    幽霊「煙ですか?うーん、そう言われると上がってたような気もしますけど……」

    男「まあこの程度で確定は出来ないか……」

    幽霊「もう!だから何なんですか!」

    男「それについてはまた説明します。とにかく眠いのでやることやって寝ます」

    幽霊「そう言えば今3時ですもんね、分かりました、お昼にでも聞きましょう」

    男「はい、じゃあおやすみなさい」

    幽霊「おやすみなさい」

    女?「一緒に寝る?」ベタベタ

    男「寝ない」
  12. 12 : : 2018/02/05(月) 07:05:25
    …………

    女「おーい、女だけどー」ピンポーン

    男「はーい、あっごめん着替えるから待ってて」

    女「いいよ、パジャマなんでしょ」ガチャ

    男「うわ、まあいいけど」

    女「呼んでおいて着替えてなかったの?ってか鍵開いてたし不用心だよ」

    男「あー、まあ色々あって」

    女「そう、でも用事って何?」

    男「えっとね、はいこれ。女さんのお守りでしょ?」

    女「あっ、これ最近失くしてずっと探してたの!ここにあったんだ」

    男「昨日掃除してたら見つけてさ、そうかなって」

    女「でもさ、わざわざ呼び出さなくても月曜とかに渡してくれたらいいじゃん」

    男「いや、まあちょっと事情があってね」

    女「事情って、言いにくいこと?」

    男「そういう訳でもないんだけどね、言っても信じないかなって」

    女「何よそれ、気になるじゃん」

    男「いやー……、笑わないで欲しいんだけど、女さんが幽霊になって出てくる夢見て目が覚めて、何か嫌な予感がしたんだけど夜中だから確かめられないし、とにかく会って生存確認したかったって感じかな……」

    女「あはは、何そのメチャクチャな動機」

    男「やっぱおかしいよね」

    女「別に会いたいならそう言えばいいのに」

    男「あ、いや、本当にそれだけの理由で呼んだんだけど」

    女「ホントにー?ちょっと期待したじゃん」

    男「うん……?えっと、呼び出しておいて悪いんだけど、このあと用事があるからそろそろ……」

    女「……そうなんだ、じゃあまた月曜に。お守りありがとね」

    男「うん、じゃあ」バタン

    幽霊「で、用事ってのは嘘ですか?」

    男「強いて言えば、これからお姉さんに説明するくらいですかね」

    幽霊「ま、悪い人」

    男「びっくりさせられたんだからこれぐらいの仕返しはいいでしょう?」

    幽霊「やっぱあれは女ちゃんってことですか?」

    男「半分そうで、半分違うといったところですかね」

    幽霊「では詳しくお願いします」

    男「はい、まず、昨日の深夜……というか今日というか、とにかくあの幽霊っぽい女さんはいわゆる生霊ってやつです」

    幽霊「生霊…?」

    男「多分、最近ウチに来た時にあのお守りを落として、そこに宿ってた念的なものが生霊として現れたんだと思います」

    幽霊「なるほど、それでずっとべったりだったんですね」

    男「……それ、お姉さんが散々言うから、女さんに好かれてると思い込んで喋ってたんですけど、ホントに自意識過剰じゃなくて好かれてるのかも……」

    幽霊「絶対そうですって!男さんはどうなんですか?」

    男「女さんはやっぱ友達だと思ってますし……それに、好きだからって生霊を寄越されるのは流石にちょっと怖いなあって」

    幽霊「逆に言えば、あんなに男さんを好きな人もそういないと思いますよ?」

    男「よく言えばそうなるかもしれないですけど、そもそも僕は……」

    幽霊「心に決めた人でもいるんですか?」

    男「ふふっ、『心に決めた人』って」

    幽霊「何で笑うんですか!?言いません?」

    男「いや、妙にクサい台詞だなって」

    幽霊「そうですか?」

    男「僕ならちょっと躊躇っちゃいますよ」

    幽霊「それは言いすぎでしょう!もう!」

    男「あはは、ごめんなさーい!……まあ、いますよ、『心に決めた人』」

    幽霊「えっ、どんな人なんですか!?」

    男「さあ……当ててみてくださいよ」

    幽霊「そんな、男さんの交友関係なんてここからじゃほとんど分からないじゃないですか!」

    男「ま、そういうことですよ」

    幽霊「うーん……いつか分かる時が来ますかね……?」

    男「それはお姉さん次第です」

    幽霊「そう言われたら当てない訳には……ダメだったら呪ってでも吐かせますから」

    男「それはこわいですねー」

    幽霊「棒読みじゃないですか!」
  13. 13 : : 2018/02/05(月) 07:05:28
    *春は別れの季節でもあったり*


    友「今日は俺の失恋パーティへようこそ!イェイ!」

    男「ここお前の部屋じゃないけどな」

    女「まあ飲みなよ」

    友「ありがとう……やっぱ持つべきものは友だよな!」ゴクゴク

    男「そりゃよかった、で、卒論終わった?」

    友「当ったり前だろ?何なら全部英語で書けるぜ!」

    女「引きずってるなあ」

    友「違う違う、アイツから吸収して俺のものにしてやったんだよ!なんてったって学生の本分は勉強だからな!」

    男「そのポジティブさは誇っていいよ、うん」

    女「黙ってたら結構優秀だよね」

    友「あぁん!?喋っても優秀だっつーの!英語でスピーチしてやろうか!」

    男「うわ、酒よわ……」

    女「飲めとは言ったけど、もうやめとく?」

    友「いーや、飲むね!お前らはゲームでもしてろ!英語で実況してやる!」

    女「じゃあ期待してるよ」ピッ

    男「ゲーム実況ってそもそも結構難しいぞ?」ピッピッ

    友「おう!どんと来い!」

    …………

    男「はー、飲んだ」

    幽霊「3人で集まったのってかなり久し振りじゃないですか?」

    男「そうですね、友は彼女に振り回されてて、女さんはなんとなくウチには呼ばないようにしてたので」

    幽霊「女ちゃんとはあれからどうなんですか?」

    男「特には……それとなく『友達だよね?』って確認してます」

    幽霊「何かそれはかわいそうですよ、男らしくはっきり言わなきゃ」

    男「はっきり言う事だけが男らしさでもないと思いますよ、言わないという男の優しさ、とか」

    幽霊「ものは言いようですね」

    男「……まあ、いつか決着はつけますよ」

    幽霊「そうしてください」

    男「……にしても、そろそろ冬が終わりますね」

    幽霊「終わるなんて言わないでください、春のはじまりですよ」

    男「すみません、そうですね……もう4年ですか」

    幽霊「4年って言うと、男さんの人生の1/5ぐらいは一緒にいたことになりますかね」

    男「そう考えるとすごいですね、20%弱をお姉さんが占めてるって」

    幽霊「占めてる、ってのは大袈裟ですよ!……初めて会った時よりも大きくなりました?」

    男「いやー、ほとんど変わらないと思いますけど」

    幽霊「大きくなったというか、大人っぽくなったんですかね」

    男「まあ、成人しましたし」

    幽霊「それだけじゃないですよ、なんていうかこう……大物のオーラを纏っているというか……」

    男「オーラはないでしょ、そんなこと言ったらお姉さんだってより大人っぽくなった気がします」

    幽霊「私ですか?幽霊なのに?」

    男「はい、よく見たら髪も伸びたんじゃないですか?」

    幽霊「えー、ちょっと酔いすぎなんじゃないですか?」

    男「そんなことないですよー、あはは」

    幽霊「はいはい、寝るならちゃんと布団被ってくださいね」

    男「はー……い……」

    幽霊「まったくもう……。これもあとちょっと、かあ」
  14. 14 : : 2018/02/05(月) 07:05:30
    ―――――――――――――――――――――――――――――

    男「……はい、見つかったら送ってください。それでは」プツッ

    男「桜が咲くにはまだ早い、か」

    幽霊「荷物、やっぱり少ないですね」

    男「本はそこそこあったんですけどね、先に送ってたんで今日はちょっとだけです」

    幽霊「……寂しくなります」

    男「僕も、結局1日も1人暮らしを経験してないので」

    幽霊「このアパートがなくなったら、私はどうなるんでしょう」

    男「貸しコンテナ置き場になるって聞きました。案外住み心地いいかもしれませんよ?」

    幽霊「そうかも、しれませんね。楽しみにしておきます」

    男「……楽しみにしてるなら、泣かないでくださいよ」

    幽霊「男さんだって泣いてるじゃないですか」

    男「ホント困りますよ、傍から見たらただの引っ越しで泣いてる成人男性なんですから」

    幽霊「ふふ、それは面白いですね」

    男「意地悪だなあ……ホント、意地悪でおっさんみたいでしつこくて、……可愛いひとだなあ」

    幽霊「それ、口説いてるつもりですか?」

    男「いっいや、ちゃんと言います」


    男「お姉さん、好きです。ずっと一緒にいたいです」

    幽霊「……そんな、本気ですか?私死んでるんですよ?」

    男「生きてるか死んでるかなんて大した問題じゃないです。あなたがそこにいれば、それはあなたなんです。そして、僕はあなたが好きなんです」

    幽霊「男さんったら、傍から見れば虚空に向かって大声で告白してる変な人ですよ?おばかな人……」

    男「うっ……」

    幽霊「そんなの、ずるいじゃないですか!あなたが今していることを理解できるのは私だけ……!」


    幽霊「でもやっぱりダメです、愚かな男さんは呪うことにしました」

    男「え、出来るんですか?」

    幽霊「出来ますよ、とっておきの呪い」


    幽霊「今日でお別れの人なんて好きになれません!だから……」

    幽霊「男さんが、いつかここに戻ってくるまで、お返事はしません!男さんの一世一代の告白がふいになっちゃうかもしれない呪いですよ!恐ろしいでしょう!」

    男「……確かに、そんなことになったら一生悲しい過去を背負わなきゃいけなくなりますね、怖いなあ」

    幽霊「だったら、ちゃんとここに戻ってきてくれますよね?」

    男「ええ、もちろんです。だから今日は」

    幽霊「お別れじゃないです、よね?」

    男「ええ、またいつか」

    幽霊「はい!またいつか!絶対ですよ!」
  15. 15 : : 2018/02/05(月) 07:05:32




































    「はい、荷物はこれだけです」

    「印税が見事に吹っ飛びましたね」

    「いいんですよ、これを目標に書いてたんですから」

    「そうでしたね、おめでとうございます」

    「ありがとうございます」

    「でも、原稿はいつも通りお願いしますよ?」

    「はいはい、分かってますよ」

    …………

    「結局、アパートそっくりに作っちゃったなあ」

    「……ただいま」ガチャ


    幽霊「おかえりなさい!広いおうちありがとうございます!」ギュッ

    男「一言目がそれですか、はは……あったかい」ギュッ

    幽霊「凄く疲れるんですからね、これ」ギュッ

    男「ですよね、ありがとうございます」ギュッ

    幽霊「こちらこそ……」


    幽霊「ちゃんと戻ってきてくれて、ありがとうございますっ!」

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