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箱庭の人魚姫と海

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  1. 1 : : 2016/04/25(月) 02:51:05



    かなしい人魚と男の子のはなし
  2. 2 : : 2016/04/25(月) 03:10:53






    僕の幼馴染が病気だって聞いたのは三日前のことだった。

    どうやら戦争のストレスからの記憶障害だったり知的障害……色々な障害にかかってしまった。

    その事実は僕にとって衝撃的な話だったけど僕にとってそれは重要な事ではなかった。
    それは彼女が幼馴染とはいえ親同士の仲で小さい頃よく一緒に家に遊びに行っていたからだ。
    今となっては戦争のため、強い兵士になる為訓練を受けている。

    悲しくなかった訳じゃない。

    小さい頃に良くしてもらって、自分はいじめられっ子の弱い男でいつも彼女に助けてもらって。
    それは元気な幼馴染だった。

    自分の認識は勝手に彼女が助けてくれた。だったけどその彼女がおかしくなったなんて言われちゃ『あんなに元気な子だったのに』なんて思ってしまう。それほど元気な女の子だ。

    名前は翡翠(ひすい)といい、綺麗な名前だ。



    僕の親が病院にお見舞いに行けと言うから

    「なんで?僕そんなにその翡翠ちゃん?って子と仲良くなかったよ?ていうか時々助けてくれるぐらいだったし……」

    「もう何言ってるんだ?お前、ずっと前から翡翠ちゃんの家に毎日行って遊んでただろ?覚えてないのか?」

    「……覚えてない。」

    親が溜息吐くのを見て少し苛立ち感じる。

    だって覚えてないのだ。最近訓練が厳しくなってきてそんな過去の思い出に浸る時間の余裕はないし。

    そもそも僕は17歳で彼女は15歳。

    記憶違いなんてあるさ。

    「まぁ覚えてなくてもお世話になってるんだから顔ぐらい出しなさい。」

    「わかったよ。」


    と、特に否定できず非番の今日。

    彼女の病院にお見舞いに行くことになったのだ。
  3. 3 : : 2016/04/25(月) 03:27:58
    僕は町の外れにある病院に重い足を運んだ。
    初めて行く病院だったが景色が綺麗だ。
    海が見えるのだ。
    僕は将来的に海軍に入ろうと思っている。
    この綺麗な海の上を漆黒の大きな軍艦が自分の手で走ると思うと心が踊る。

    まぁ今回は海を眺める前にお見舞いに来たのだからそっちを優先しなければならない。

    また重い足を運び病院の受け付けに彼女の病室を聞く。


    「翡翠ちゃんのお部屋は二階の203号室です。」


    告げられた通りに僕は木の階段を上り二階に行く。どうやら一階に三室病室があるらしい。203号室は一番廊下奥。つまり先程の美しい海が見えるのだ。きっと地面で見たより二階の方がもっとよく見えるだろう。そういう点では時間潰しで海を眺めとけばいいから良かった。

    そんなことを思いながら気づけば203号室前。

    記憶にはあんまりないけど最後に会ったのは小学生低学年。小学生高学年になってからはいじめられることはなかったから多分その時期だ。

    もしかしたら顔を見たら思い出すかもしれない。


    僕は203号室のドアノブを回した。
  4. 4 : : 2016/04/25(月) 15:29:44


    「失礼します。」

    「あぁ久しぶり奏祐くん。」

    僕の名前を呼んだのは翡翠ちゃんではなくそのお母さん。顔を合わせるのは随分久しい。

    「あっこんにちは。」

    挨拶をし、チラリとベッドを見ると懐かしの顔が寝ている。

    「声かけてやって?」

    翡翠のお母さんの要望に応えるよう僕はベッドの翡翠ちゃんに「久しぶり翡翠ちゃん。来たよ。」とだけ声をかけてみる。


    「そーちゃん?」


    「うん。そうすけ。」


    「えへへ、そーちゃん♪」


    僕が声をかけるだけで幸せそうに微笑む彼女に何か惹かれるものがあった。

    「あのね奏祐くん。」

    「はい。」

    翡翠のお母さんが語りかけてくる。

    「翡翠はあまり記憶がないの。だから声をかけに来るだけでも来てやって?新しい思い出を作れば記憶のない翡翠も喜ぶわ。」

    「分かりました。」

    思わず了承していた。
    だが後悔はしなかった。
  5. 5 : : 2016/04/25(月) 15:55:45



    次の非番の日。また僕は病院へ足を運んだ。
    今日は麦わら帽子というのを持ってきてみた。特に意味はないが窓辺から海が見えるし雰囲気作り程度に…………。もしかしたら自分が思い出すかもしれないというのも二割ある。

    「失礼します。翡翠ちゃん来たよ。」

    病室にはベッドで昼食を食べている翡翠ちゃんだけがいた。

    「あぅー?そーちゃん?」

    「あっごめんお昼ご飯食べてたね。ゆっくり食べてていいよ。」

    「そーちゃん!」

    そう僕の渾名を呼んで手にはスプーンが握られてる。

    「あーんして?」

    「えっ」

    顔がぽしゅっと紅くなったきがする。
    皿の中にはカニ玉炒飯がありほかほかと湯気が出ている。もしかしたら僕の顔からも湯気が出ているのかもしれない。

    「そーちゃん?」

    「え、あいいよ!ごめんちょっと吃驚してた。」

    「うん!」

    彼女は笑顔で「あー」と口を開けて待ってる。僕はカニ玉炒飯をスプーンで適当にすくい口に入れる。と、もぐもぐと美味しそうに食べる彼女が目の前にいる。

    「!……。」

    「?」







    『そーちゃんあーんして!』

    『いいよー。はい。』

    『ふふ、そーちゃんもはい。』

    『はいどーぞ!』






    そうだ。
    僕は小さい頃。彼女と遊んだ時こんな会話があった。そして今のそれは酷似してる。偶然とは思えなかった。


    「そーちゃんどうしたのー?」

    「な、なんでもないよ。」

    僕は持ってきた麦わら帽子を窓辺に置いた。
    女の子だったらカンカン帽子が良かったのかもしれないけど……






    『そーちゃんありがと!』

    『うん。こんなのでごめんね僕あまり……』

    『私そーちゃんのくれるものならなんでも好き!』





    ……なんで僕が持ってるんだろう。
    今日は疲れてしまった。明日はまた厳しい訓練がある。僕は翡翠ちゃんに「ばいばい」と手を振った。彼女も「ばいばい」してくれた。
  6. 6 : : 2016/04/26(火) 10:57:27
    こう、なんかもやもやする気持ちを抱えまた非番の日病室を訪れる。
    3日目の今日も翡翠ちゃんの親はいないのでいつも僕が来る時間を空けてくれているのだろう。

    「翡翠ちゃん今日も来たよ。」

    「そーちゃん!おーはーよー!」

    「うん、おはよう。」

    今日は前回より遅れているのでもう彼女は昼食は食べていた。

    「そーちゃん」

    「ん?」

    「ひすいね、人魚姫になるの!」

    「……ッ!?」

    ズキズキと頭痛が迸る。
    何処かで見たことがある光景で……デジャヴというヤツか?

    「ひすい、そーちゃん好きだよ!大きくなったら結婚しよーね!」

    「あ、あぁぁぁあっぁあああああ」


    気づいてしまった。



    彼女は……彼女は………翡翠は!

    過去を繰り返している……
  7. 7 : : 2016/04/28(木) 02:50:58


    きっとこれは彼女の思い出なのだろう。
    彼女の発言。記憶の欠片がぼとりと無残に転がる。




    『ひすいね、人魚姫になるの!』

    『えぇ!?ひーちゃん人魚姫になっちゃうの……?じゃあ僕は王子様になる!』

    『ひすい、そーちゃん好きだよ!大きくなったら結婚しよーね!』

    『うん!結婚式は綺麗な海でしようね!』




    声が震える。

    「ひーちゃん。」

    ぽたぽたと頬を伝っていく液体は僕の感情を表しているのか止まらない。

    「えへへ、結婚楽しみだなぁ」

    彼女の繰り返す言葉全てが僕らの十年前のセリフだなんて。
    彼女の言葉は彼女の思い出だったなんて。


    頬を伝っていく液体は僕が必死に感情を抑えてもそれに反して溢れてくる。
    体というものはそうそう思うようにいかないようだ。
  8. 8 : : 2016/04/28(木) 03:06:56
    病室を出て僕は惨めにとぼとぼと海辺に行ってみる。ちらちらと看護師からの視線がきつい。多分泣きたくない泣きたくないと無駄に堪えて拭ったから目が赤く腫れてるんだろう。
    そんなこと知ったことか僕は今、これから彼女にどう接すればいいのか。


    海辺の石を拾いポイッと海へ投げる。
    あっけなくポチャンと間抜けな音を出して沈む。

    僕は海に行きたい。
    戦死するなら海だ。
    あの大きな戦艦に乗り、大海原を駆ける。


    …………僕の海へのこだわりも彼女が関係してるじゃないか。


    「はぁ……」

    ため息が出る。それは自分自身への呆れだ。
    僕は海が好きだと思っていたから今も海が好きだなんて言っているのだ。
    なんで?って言われたらきっと海軍試験に受からない。…………。


    馬鹿だよなぁ僕。
    彼女が理由なんて言ったら笑われてしまうよ。
    そんな理由でお前は海で散るのかと言われてしまうんだろう。

    彼女に贈った麦わら帽子は僕の宝物だった。
    それは彼女にもらったからだ。

    彼女は『熱中症になっちゃうよ?』なんて顔を赤らめて自分の麦わら帽子を取り、僕の頭に被せたんだ。

    まだ返せずにいる。


  9. 9 : : 2016/04/28(木) 03:11:16



    世の中は厳しい。

    それはどの時代にでも通用する言葉だ。


    第三次世界大戦。


    たった七文字の地獄はお国を苦しめた。
  10. 10 : : 2016/04/28(木) 03:30:58



    訓練所の大広間で兵士がわらわらと居るので何事かと思えば皆集まっているのはテレビ前だった。

    訓練所にはテレビは1つしかないので集まるのはしょうがないだろう。だが二十年前に活動していた大手テレビ局は潰れ、今テレビに流れているのは1局だけで内容は淡々と喋るニュースキャスターが戦時の情報を伝えるだけ。
    二十年前は面白いバラエティ番組というものや人の演じるドラマ。絵が動くアニメというものがあり、僕は二十年前は産まれてなかったから不便はなかったけど、僕の親も世代は物足りないんだろう。

    とはいえ今は目の前の状況だ。


    人を掻き分けテレビを見る……なんてできないから僕は近くの友人に話しかける。

    彼は何故か顔面蒼白だ。

    よく見るとテレビを見る兵士達は顔を白くしまるでそこから動けないようだった。

    「ど、どうしたの?」


    「奏祐ぇ!奏祐ぇ!俺達もうすぐ死ぬのかなぁ。俺まだ生きたいよ。」


    生きたい生きたいという彼はそういえば自ら志願した志願兵ではないと思い出した。彼は赤紙をもらった男だ。


    「もっと訓練頑張れば生き残れるよ。何があったの?」




    「原爆が落とされた。」





    僕はポチャンと間抜けな音を出して落ちた石を思い出す。



    …………。




    ……………………。
  11. 11 : : 2016/04/28(木) 14:52:56


    「……ひーちゃん。また僕を守って欲しいよ。こんな弱い僕はただ上司に従って戦うしか能がない捨て駒なんだ。」


    夜に来たから彼女はすぅすぅと寝ている。
    彼女は十年前の思い出を見ているのだからお国の現状なんて全然知らない。


    「……ひいちゃん。僕ね、海軍行くの辞めちゃった。」

    「だってね、遠くに行っちゃうとひーちゃんに直ぐ会えないからね。」

    「…………。」


    「っうぅ…僕まだ生きたいよぉ…!もっとひーちゃんと仲良くなりたかった!やっと思い出したんだよ!だから……」


    だから……


    「ごめんね、僕いつも君に守ってもらって。我が儘だよね。」

    「そんなことないよ。」

    「え?」


    喋った?

    「ひーちゃん?」

    偶然なのか、彼女はまたすぅすぅと寝ている。


    「僕、頑張るよ。」

    「だから、…………。」




  12. 12 : : 2016/04/28(木) 15:03:53
    原爆が落ちてから3日目。
    敵国との戦争は酷なものになっていった。

    僕は海軍ではなく陸軍に入ることを決意した。一緒に海軍に行こうと思っていた友人には悪いけど 、僕の悔いのない選択のつもりだ。


    そして僕の初陣。
    この世の地獄を見たつもりだったが戦場は酷かった。殆どが脳天を貫かれ、中には爆死しこの人が誰なのか検討がつかない。


    僕は比較的敵の攻撃を受けない所で仲間の応急手当をした。

    腕が抉れている。


    死ぬ物狂いで帰ってきたのだろう。
    生きていてありがとう。
    僕は弱いから。足がすくんでこんな所で援助しか出来ないんだ。


    怖い。

    血の匂いが。


    悲鳴がBGMのように途絶えない。

    …………何やってるんだろう。
  13. 13 : : 2016/04/28(木) 15:13:28



    「あ゛ぁ……うぅ」


    集会が終わって僕はトイレに駆け込んだ。
    吐きそうだ。


    上司は

    「今回の戦いは成功した。」

    なんて言った。


    何がだ!どれだけの犠牲を払って……
    あの中には赤紙で嫌でも戦う事を強制された人間もいるんだ。嫁がいたり子供がいる人間だっていた。


    だけど僕に文句を言う権利はない。

    僕は戦って死んでいった彼らの様に勇敢に立ち向かえなかった。


    自覚してまた僕は吐瀉物を零していく。


    脅えて銃を手に出来なかった僕に勇敢に立ち向かった彼らを否定する事は出来ない。
  14. 14 : : 2016/05/01(日) 01:14:01




    「ひーちゃん来たよ。」


    深夜1時。兵舎を抜け出してきた僕は上官に見つからないよう死ぬ物狂いで走ってきた。
    同じ部屋の同僚は上手くやってくれてるだろうか?生きて帰ったら飯でも奢ろうかな。

    僕はあの後、戦場にまた行くことが決まった。
    1度交えた敵なのだから大丈夫、大丈夫と頭では思うが体はいうことが効かない。


    ベットで横たわる彼女は健康的な寝息を立てて幸せそうに寝ている。

    未だに彼女を何がどうしてこう変えてしまったのか。戦争が開戦された時はまだ正常だった。きっとストレスなんてそんなもの以上の苦痛があったのではないか?
    僕は残念ながら透視できるような人間じゃない為わからない。

    「あのねひーちゃん。明日また戦いに行くんだ。隣の隣町に焼夷弾が落とされるかもだって。そこで迎え撃つ。」

    「生きて帰ったら一人前なんて言われたけど僕じゃ無理だよ。」

    「銃も怖くててがふるえてさ。」

    「同僚は皆、敵に立ち向かって行くんだ。そこから行きえ帰ってくる人もいた。」

    「そうだなぁ。99%の確率で死ぬなんて言ったらどう思う?」

    「ごめんね、わからないよね。まだ十年前の記憶を生きてるんだ。」

    「お願いがあるんだ。」

    「この戦が終ったら。僕を待ってて欲しい。十年経ったら絶対会おうね。僕が迎えに行くから。」


    僕はまた薄らとした暗闇を駆け兵舎に走り込んだ。

  15. 15 : : 2016/05/01(日) 17:26:36



    銃の引き金を震える手で押し込む。
    パァンと乾いた音が敵兵貫く。
    バタリと顔面から倒れていく人形が確実に死んだと理解すると次に自分は人を殺したのだと自覚した。


    「奏祐!ここは引け!時期に此処は焼夷弾が落ちる。先にまだ逃げ遅れてる人間を救助しよう。」

    「わ、わかった。」


    伝達を聞き僕は急いで民家へ急いだ。足の悪い人や年寄りはまだ数人残っているよう。
    近くの同僚と瓦礫を退かしたりして被害の酷い所へ進んでいった。



    ふとブブブブブ……とエンジン音が聞こえたのだ。

    「敵……?」

    「そっちは……!?」

    敵国の一部隊の戦闘機が隣の隣町に。
    僕の故郷の方面に向かっていった。


    「ごめん、僕行かなきゃ!」

    「おい!てめぇ逃げる気か!重罪だぞ!」

    「罰なら受けるよ。勝手に死んだ事にしておいて。」


    近くに倒れているボロボロの自転車をかっさらい辛うじて瓦礫のない道のりをこいで向かった。
  16. 16 : : 2016/05/01(日) 23:07:27


    「翡翠!」

    僕が着いた頃にはもう町は火の海だった。
    ごうごうと炎の轟音は時間が経たない限り収まらないだろう。

    海の側。

    町の離れに彼女がいる。

    それでも行かなくては行けない彼女の元に。
    彼女を失ったら自ら交わした約束を破る事になる。


    全速力で病院に向かう。

    ひっそりとしたそこにある建物は無事だったがあと数分で火だるまだろう。


    僕は上へ駆け上がった。

    ナースなんていなかった。我が身我が身をと患者を残して行ったのだろう。患者の保護で共に死ぬより自身を大切にする方が懸命だからだ。

    最奥の廊下の突き当たり。

    「翡翠!」


    「奏祐……っ!!!」


    不幸中の幸い。これが奇跡なんて偉大な言葉では表せないだろう。

  17. 17 : : 2016/05/01(日) 23:17:42
    驚く事に彼女は自我を取り戻していた。
    が、それも一時的な事だと思う。
    翡翠の病気の場合、現在を見たくない思いで今を生きることを閉ざした。だが状況が状況。本能が炎は危険だといっているのだろう。

    「どうなってるの……怖いよぉ」

    「落ち着いて翡翠、逃げよう。立って。」

    そう優しく声をかけ肩を貸す。寝たきりだったからきっと歩けない。

    ならばもう手段は選べなかった。

    「窓から飛び降りるよ。」

    「死んじゃっ」

    「君は絶対に生かそう。心に決めたんだよ、必ず生きて会うって。」

    「そんな」

    彼女を抱っこし窓の縁に手をかけ足を乗せる。
    窓の縁を思いっきし蹴って海へ飛び込めば。僕が下敷きになればきっと落ちた衝撃は和らぐはず。


    後ろを振り返れば炎の手がもうそこに。床の板がパキリパキリと落ちていっている。

    もう振り返らない。

    彼女に有無を言わせず僕は全力で空を飛んだ。
  18. 18 : : 2016/05/03(火) 15:00:32





    気づいたら真っ白な部屋にいた。
  19. 19 : : 2016/05/03(火) 15:17:58


    「は、え?どこ。」

    「んん、奏祐?」

    目の前には幼馴染の翡翠がいる。
    周りを見渡すと正方形の箱のような一室で紙とひっそり扉がある。

    紙を拾い見る。


    『どちらか1人だけ出してあげよう。』

    『条件は片方の人間が死ぬ。』

    『その扉の先に空想世界がある。その世界で片方が死んだらこのゲームは終わりだ。生きた方は元いた世界に戻れる。が、片方はこの部屋から出られない。』

    『空想世界に佇むのもアリだが過酷な世界だろう。』

    『さあ殺しあえ。』

    『※この部屋では空想世界での事の記憶があるが空想世界ではここでの記憶は抹消されます。』


    「…………。失敗か。両方死んだんだな。」

    「海に飛び込めばそりゃ死ぬよ。」

    「はー、まぁどう考えてもあのまま生きててもお国は負けるし。僕はさっきの世界嫌いだなァ。」

    「なんで私キチガイ設定なのさ。許せないわー、優位合ってたの幼馴染設定だけじゃん。」

    紙を裏返せば数え切れない程の正の字。

    「どうする。もっかい行く?」

    「僕ね、次は君と結婚する世界がいいなァ。」

    「は、はぁ!?ちょっと冗談止めてくんない?」

    「好きなんでしょ?僕のこと。『翡翠、そーちゃんの事好き!』」

    「や、やめてよ」

    「はははっ、好きなの?僕の事?」

    「はいはい、好きですー、本当に何回目なのその言わせ方。今回は結婚する世界じゃなかったけど次結婚する世界だったらいいね。」



    僕達は立ち上がるとドアノブに手をかけ回した。



    ▶Continue?
    GAME OVER









    END
  20. 20 : : 2016/05/03(火) 15:20:26
    あとがき

    スタイリッシュ土下座orz

    片方が死ぬまで帰れま10!今回の第三次世界大戦の空想世界では彼らは溺死してしまいました。
    以上、空想世界が意外に楽しくて楽しんじゃう夫婦の依存物語でした


    次回も宜しくお願いします
  21. 21 : : 2016/05/03(火) 15:33:50
    乙、相変わらず面白かったです
  22. 22 : : 2016/05/03(火) 15:35:25
    >>21
    相変わらずありがとうございます!
    お気に入りありがとうございます。

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amemishu

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