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このSSは性描写やグロテスクな表現を含みます。

この作品はオリジナルキャラクターを含みます。

この作品は執筆を終了しています。

ちくわ大戦争 【A tube shaped fish paste cake wars】1本目“竹輪この街を走り抜け”

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  1. 1 : : 2014/10/20(月) 10:20:20
    思いつきのオリジナルです。
    自分の案を友達に審査してもらってgoサインが出たので投稿します。
    更新は例の如く亀ですがよろしくお願いします。
  2. 2 : : 2014/10/20(月) 10:34:18
    『竹輪を愛す全ての人へ』

    ちくわ。

    それは世代を越えて愛されているモノ。

    …しかし、それは夢だった。

    ちくわ「竹(ちく)ショー!」

    この世界は残酷だ。

    いつだって、ちくわは冷たい思いをして生きてきた。

    ちくわは許せなかった。

    「きゃーかまぼこさーん♡」

    かまぼこ「はいはい順番にね」イケボ

    おでん「はんぺんさーん!私に入れて♡」

    はんぺん「っしゃあ!いい出汁期待してるぜ!」

    ちくわ「……」

    自分だけが、こんな思いをしていることが。

    これは、そんなちくわが創り上げた、ちくわによる、ちくわのための、ちくわが主役の物語。



    ちくわ「復讐だぁぁぁああああああ!!!!」
  3. 3 : : 2014/10/20(月) 10:48:31
    ────────
    ─────

    ───

    ──



    【練物高校1年松組】

    キーンコーンカーンコーン

    ガヤガヤ ワイワイ

    授業が終わり、皆が放課後何をするかを話し合う中、俺…竹輪武光(ちくりん たけみつ)は暇をしていた。

    それを見透かしてか、隣のモブが話かけてきた。

    モブ「なぁ、ちくわバトルしねぇ?」

    ……またか。

    武光「ごめん、俺ちくわ持ってないんだよね」

    モブ「はー!?マジかよ…」

    今やちくわは、ケータイと同じくらいには当たり前の存在だ。

    持ってないことを言うと、皆同じような反応をする。
  4. 4 : : 2014/10/20(月) 14:03:47
    モブ「ちくわ持ってないって…ありえねーだろ!子供だって持ってるぜ!」

    武光「うーん…なんてゆーか、別に欲しくないんだよね」

    モブ「…変わってんな」

    ガラッ

    「武光ー!帰るわよ!」

    武光「ミチル!」

    モブ「あ、お前!彼女居るのかよ!」

    武光「いや…また明日な」

    俺を呼んだのは幼なじみの西園寺ミチル。度々勘違いされるけど、断じて彼女ではない。

    ミチル「ねぇ、誰が彼女だって?」

    武光「いや…もう慣れてるでしょ」

    ミチル「まぁね♪」

    ミチルはツインテールを揺らしながら悪戯っぽく笑った。

    武光「で、今日はなんかあったっけ?」

    ミチル「スーパーの特売!」

    武光「あぁ…」

    ミチル「ほら行くわよ!急がないと卵が逃げちゃう!」グイッ

    武光「ひ、引っ張るなよーっ!」

  5. 5 : : 2014/10/20(月) 18:09:05
    【校門】

    ミチル「ねぇ。ちくわ…やらないの?」

    武光「! 聞いてたのか…」

    ミチル「勿体無いわね。あなたなら…今からでも学校1くらい目指せそうじゃない?」

    武光「…俺はもうやらないよ」

    ミチル「ふぅん…」クスクス



    「…なんだあいつ。学校1がどうとか…」

    「1年っすね。魚練さんに報告だな…」
  6. 6 : : 2014/10/20(月) 18:14:26

    ミチル「……ねぇ、今日ちくわショップ行ってみる?」

    武光「はぁ!?だからやらないって!」

    ミチル「チラっと覗くだけ!」

    武光「スーパーはどうしたんだよ!」

    ミチル「武光はちくわショップに残っていいよ!私はすぐ出るから!」

    武光「え、えぇ!?」

    ミチル「ほーら!行くよ!」グイッ

    武光「っ、だから引っ張るなってー!」
  7. 7 : : 2014/10/20(月) 18:22:15

    【ちくわショップ:ちくわタウン】

    ミチル「こんにちはー!」

    カランカラン♪

    店長「いらっしゃい!」

    武光「……」

    店長「…武光君、久しぶりだね」

    武光「お久しぶりです、店長」

    店長「ちくわバトルの祭典、チクワンピックまで後半年だね…。出ないのかい?」

    武光「ちくわ、持ってないんで」

    ミチル「買っちゃいなさいよ!あ、私タイムセールがあるからこれで!」ピュー

    カランカラン♪

    武光(あいつ…)

    店長「…見るだけでもいいよ。新しいちくわ、入荷してるから」

    武光「…わかりました」

  8. 8 : : 2014/10/20(月) 18:52:07
    店長の案内で、ショウケースの中に並べられたちくわを見ることにした。

    最新のだとか、プロモデルだとか、レアな物だとか色々勧められたが、俺は全部断ってしまった。

    武光「…すみません、今日はもう帰ります」

    店長「そう…」

    店長は少し残念そうな顔をしながら、店を出る俺に手を振った。

    俺は少し後ろめたさを感じ、今日は早く帰ることにした。

    【自宅】

    ガチャ

    武光「ただいまー」

    母「あら、おかえりー」

    ミチル「えー!こんなに早く帰ってきたの!?」

    武光「…なんでいるんだよっ」

    ミチル「ふふん、卵のおすそわけ!ついでにお邪魔しちゃったの」

    母「ふふふ、ミチルちゃんありがとねー。今夜はオムライスを作るから、一緒にどう?」

    ミチル「わっ!ありがとうございます!」ペコッ

    ミチル「だって!一緒に夕飯なんて久しぶりー!」

    武光「だなー。とりあえず部屋行かせてよ」

    ミチル「あ、私も行く!」

    武光「いいけど…なんもないぞ?」

    ミチル「それでいいのよ。さっ、いこいこ!昔と変わってないかな?」グイッ

    武光「ちょ、引っ張るなよー!」




  9. 9 : : 2014/10/20(月) 19:04:23
    ガチャ!

    ミチル「とうちゃーく!」

    武光「なんで俺より早く入るのさ…」

    ミチル「いいじゃん!どれどれ~」ゴソゴソ

    武光「何ベッドの下見てんだよ!何も出ないって!」

    ミチル「そのわりには焦ってんじゃん」

    武光「もう…調子狂うなぁ」

    ミチル「って!これあの時のトロフィー!?」

    武光「!」

    ミチル「部屋に飾ってるんだ…へぇー」ニヤニヤ

    武光「別にいいだろっ…」

    ミチル「未練、やっぱりあるんじゃないの?」

    武光「ないよ、そんなの。ちくわはもうやめたんだから」
  10. 10 : : 2014/10/21(火) 00:15:48
    ミチル「また見たいけどな。武光のちくわさばき」

    武光「俺よりすごい奴なんていっぱいいるよ。現チャンピオンの…新月練(しんげつ れん)とか」

    ミチル「わかってないなー…武光のが見たいって言ってんの!」

    武光「……俺はもう、やらないよ」

    ミチル「………」

    母<2人ともー!できたわよー!

    ミチル「あっ、今行きまーす!」

    パッ

    武光「引っ張らなくてもいくから大丈夫だよ!」

    ミチル「…そっか♪」
  11. 11 : : 2014/10/21(火) 07:33:36

    ミチル「今日はごちそうさまでした!」

    母「いいのよ。また来てね」

    ミチル「はい!お邪魔しました!」

    バタン

    母「…ミチルちゃん、あなたにちくわやって欲しいみたいね」

    武光「……やらないよ、もう」

    母「…そう。やりたくなったらいつでも言ってちょうだい。父さんの遺したちくわが… 武光「父さんは関係ないだろ!!」

    母「…!」

    武光「……寝るよ。おやすみ」

    母(武光………)
  12. 12 : : 2014/10/21(火) 07:39:24


    ━━━━━━━━━━

    【校舎裏】

    モブ「う……うわぁ…!」ドサッ

    不良A「けっ!魚練さんに勝とうなんて百年はえぇんだよ!」

    不良B「ちょっと強いって聞いてたのに、さすが魚練さん!今回もノーダメージだ!」

    魚練「これじゃ、今年の地区予選も余裕だな」

    魚練&不良AB「ハッハッハッハッ!!」

    不良A「そう言えば、今日一年がなんかほざいてましたよ。学校1だとかどうとか」

    魚練「何!?どんな奴だ!」

    不良A「黒髪でいかにも普通って感じの男と、ツインテールの女です」

    モブ「!」

    魚練「リア充か?」

    不良A「一緒に帰ってました」

    魚練「うおおおおおおお!!!」

    不良B「ちょ、そんな大声出したらケーサツ来ちゃいますよ!」

    魚練「決めたぞ。次はその2人だ!この俺が学校で一番強いということをよーく思い知らせてやる!!」

    不良AB「はい!」

    モブ(逃げろ……武光…)ガクッ
  13. 13 : : 2014/10/21(火) 07:54:39

    翌日

    キーンコーンカーンコーン

    「今日モブの奴、休みだったな」

    「なんでも…魚練先輩とちくわバトルして負けたらしいぜ」

    武光「!」

    「こえー!魚練先輩に目つけられるとかあいつ運ねーな」

    武光「…」

    ガラッ

    ミチル「武光ー!帰るわよー!」

    武光「あ、あぁ!」ガタッ

  14. 14 : : 2014/10/21(火) 08:13:49

    【校門】

    不良A「あ、あいつらっす魚練さん!」

    魚練「クソォーッ!!」ダッ

    不良B「あ!」

    ズンズンズン!!

    魚練「よう!」

    武光・ミチル「!」

    魚練「俺は3年竹組の魚練洞(うおねり どう)!」

    武光(! こいつが…)

    魚練「あの…お名前は」

    ミチル「!」

    ミチル「…あ、私?」

    魚練「…」コクン

    ミチル「…西園寺ミチルです」

    魚練「西園寺さん…その…この男と…付き合ってるんでしょうか」

    ミチル「い、いえ…」

    魚練「!」パァーッ

    魚練「で、では………あの……///」 

    魚練「俺と付き合ってください!!!///」

    武光「!」

    不良B「魚練さん!そんな大きな声で!!」

    周辺の生徒達「………」ジーッ

    校舎の窓から覗く生徒達「………」ジーッ

    ミチル「………ごめんなさい」

    魚練「グフッ」ドサッ

    不良AB「魚練さーーん!!」

    不良A「てめぇ!理由くらい言いやがれ!」

    ミチル「……リーゼントは、ちょっと…」

    不良AB「!!」

    魚練「」ガクッ

    不良AB「魚練さーーーん!!!」

    ミチル「行きましょ、武光」

    武光「う、うん…」
  15. 15 : : 2014/10/21(火) 08:23:13


    武光とミチルが去った後…

    不良A「魚練さん、大丈夫ですか?」

    魚練「…一目惚れだった」

    不良B「魚練さん!」

    魚練「俺の全てをぶつけて告白した…」

    不良AB「…」

    魚練「だが振られたッ!」クワッ

    魚練「このリーゼントが悪いわけがねぇ!一体何がいけねぇんだ!!」

    不良A「……やっぱり、あいつら付き合ってるんじゃないですか?」

    魚練「!」

    不良B「魚練さん…」

    魚練「…そうか。やはり付き合っていたのか」

    魚練「クソ!!あの彼氏!!俺の西園寺さんをたぶらかしやがってぇ!!!」

    魚練「もう許さねぇ…潰す!!!」

    不良AB(魚練さん…本気だ)ゴクリ


  16. 16 : : 2014/10/21(火) 15:37:13

    【ちくわタウン】

    カランカラン♪

    店長「いらっしゃい!」

    武光「…何か用でもあるの?」

    ミチル「いや、たまにはゆっくりちくわでも見たいなーって」

    武光「そう…」

    ミチル「そうだ、武光のちくわ選んであげよっか?」

    武光「いらないよ!欲しくないって」

    ミチル「残念…。あっ!このちくわ欲しい~!」

    武光「ん、どれ?」

    ミチル「あれ?興味あるの?」ニヤニヤ

    武光「……」

    ミチル「黙らないでよ…。これよこれ。ちくわNAME『かぐや姫』!」

    店長「お、ミチルちゃんさすがだね。それは有名ちくわ制作者、星野明(ほしの あかり)の最新モデルなんだよ」

    ミチル「やっぱりー!なんかすっごい可愛いもん…!」キラキラ

    武光「ふーん…」

    ミチル「これ、買っちゃおうかな!」

    店長「僕が自信を持ってオススメするよ!」

    武光「ミチル、ちくわ持ってなかったっけ?」

    ミチル「もう何年も前のだから、そろそろ変えたかったの!」

    武光「ふーん」

    チャリーン♪

    店長「まいどありー!」

  17. 17 : : 2014/10/21(火) 15:53:00

    カランカラン♪

    武光「そもそも、ミチルちくわバトルやってたっけ」

    ミチル「私は見る専だよ!」

    武光「…なのに買ったの」

    ミチル「だって可愛かったし!」

    武光「ミチル、才能あると思うんだけどなぁ」

    ミチル「ちくわバトルの?…ないない。お兄ちゃんに何度負けたと思ってんの」

    ミチル「それに、そのお兄ちゃんだって武光には一度も勝てなかったんだよ?私じゃ無理無理」

    武光「そうかな?もったいない…」

    ミチル「…私が始めたら、武光もまた始める?」

    武光「……」

    ミチル「…ごめん。始めないんだよね」

    武光「…!」

    ミチル「じゃあね。今日はこっちに用事あるから、ここで」

    武光「そっか…。またな」

    ミチル「うん、また明日」クルッ

    そう言ったミチルの目は、少し悲しそうだった。





  18. 18 : : 2014/10/21(火) 16:02:04
    ちくわバトルが何なのか気になってしょうがない…

    ちくわを双剣のように振って闘うんでしょうか…?

    期待です!!
  19. 19 : : 2014/10/21(火) 16:06:07


    ミチル(…武光、まだお父さんのこと……)

    ミチル(………)

    ミチル(ちくわバトル…またして欲しいな)

    ミチル(………)グスッ

    ミチル(武光…無理してるのはわかるよ。幼なじみだもん)

    「おい!そこの女!」

    ミチル「!」

    「『かぐや姫』買った女だよな?アレ欲しいんだよ」

    ミチル「……誰?ここまで着いてきたの?」

    「そ。彼氏が邪魔だったから離れてくれてよかったぜ」

    ミチル「………」

    「それに、ここは人気もねぇ。わかるよな?そのちくわ、くれよ」

    ミチル「…嫌よ。絶対嫌」

    「ふーん…」

    その男はミチルに近づき、強引にバッグに手をかけた。

    ミチル「きゃっ!」

    「渡せよっ!」

    ミチル「嫌っ!」バッ

    「…んだよ。しゃーねーな…」ゴソ…

    ミチル「!」

    「…ちくわNAME『霧雨』」

    ミチル「こ、ここでちくわを使うつもり!?」

    ミチル(周りに人はいない…最悪)

    ミチル「……『かぐや姫』は渡さない…絶対!」

  20. 20 : : 2014/10/22(水) 01:10:33

    【自宅:自室】

    武光(………)

    ちくわは苦手だ。

    好きか嫌いかなら、たぶん好きなんだろうけど。

    俺のお父さん…竹輪武(ちくりん たけし)は、ちくわバトルの旅に出たっきり戻ってこない。

    もしかしたらどこかでちくわバトルをしているのかもしれないし、もうどこにもいないのかもしれない。

    お父さんは、俺とお母さんを捨ててちくわを取った。

    そう考えるようになってから、俺はちくわが苦手になったんだ…。

    武光(ミチルは…それに気づいたのかもしれない。その上で、不器用なあいつなりに色々考えて…)

    母<武光ーー!!大変よー!!

    武光「!」

    ただごとではない。一瞬でそう直感した。

    俺は大慌てでドアを開けて階段を駆け下りる。

    武光「何!?」

    母「ミチルちゃんが…」

    武光「……!」


  21. 21 : : 2014/10/22(水) 01:52:24

    【練物総合病院】

    ガラッ!!

    武光「ミチル!」

    ミチル「…ちょっと、病院では静かにしなさいよ」

    武光「っ!と、とにかく大丈夫か!?」

    ミチル「私は大丈夫……でも…」

    武光「…?」

    ミチル「『かぐや姫』が…」

    武光「……!盗まれたのか!?」

    ミチル「…」コクン

    武光「……誰にやられた?」

    ミチル「…よくわからなかったんだけど、ちくわNAMEは『霧雨』だったよ…」

    武光「『霧雨』…わかった」

    ミチル「わかったって…取り返すつもり!?」

    武光「うん」

    ミチル「…!でも、あいつはちくわを使うのよ…?」

    武光「昔の俺と、どっちが強かった?」

    ミチル「!」

    武光「……じゃあな。今日はもう帰るよ。ミチルも早く寝て、早くよくなれよ」

    ガラッ

    ミチル「………」

    ミチル(武光…!)
  22. 22 : : 2014/10/22(水) 01:58:44

    翌日

    キーンコーンカーンコーン

    不良A「魚練さん、あいつ今日来てませんよ」

    魚練「何!!?情報が漏れたか!!?」

    不良B「ちょ、そんな大きい声出したら怪しまれますって!」

    不良A「それと、西園寺さんも来てません…」

    魚練「!?」

    不良B「まさか…2人で」

    ほんわほんわ

    ミチル『キャー!武光~!』

    武光『ははは!ミチルのちくわ気持ちいい~!』

    ほんわほんわ

    魚練「ますます許せねぇえええ!!!!」

    周りの生徒「!」

    校内の生徒「!(また魚練先輩だ…)」

    モブ「!(武光…!逃げろ…!)」
  23. 23 : : 2014/10/22(水) 03:50:08
    【ちくわタウン】

    カランカラン♪

    店長「いらっしゃい!」

    武光「店長…聞きたいことがあるんです」

    店長「? どうしたの?」

    武光「『霧雨』ってちくわ使ってる人ここら辺で知りませんか?」

    店長「『霧雨』か!『霧雨』使いの子は確かあっちに…」

    武光「!」

    「…俺の話か?」

    店長「そうそう!『霧雨』使いの…羽水影広(うすい かげひろ)くん!」

    羽水「ふふっ。俺に何か用?」

    武光「…お前、『かぐや姫』を持ってるか?」

    羽水「『かぐや姫』…?もちろん持ってるよ。コレクターとしては当然だね」

    武光「…それは、お前の金で買ったのか?」

    羽水「……何が言いたいんだい?」

    店長「あれ?羽水くん『かぐや姫』はまだ持ってなかったような…」

    武光「!」

    羽水「もらったんですよ…昨日ね」

    武光「………」

    羽水「……どうしたの?何か言いたいことがあるなら言いな」

    武光「…俺がちくわバトルに勝ったら、『かぐや姫』を返してもらおう」

    店長「!」

    羽水「はぁ!?返すってなんだよ!」

    武光「お前が“もらった”人にだよ…!」

    羽水「……」

    店長「え…えーと、武光くん…ちくわ持ってないから、ちくわバトルできないんじゃ…」

    羽水「ハハハ!ちくわも無いのに勝負を挑んで来たのか!」

    武光「…あるよ」ゴソ…

    店長・羽水「!」

    店長「そ、それは…!」
  24. 24 : : 2014/10/22(水) 04:09:01

    店長「伝説のちくわ制作者竹輪武の!制作を発表するも世に出回らなかった最後の作品!『龍狩り』じゃないか!」

    羽水「!!」

    店長「………そうか。これは武光くんのためだけに彼が遺した、この世にたった一本しかないちくわだったのか…」

    武光「………」


    ━━━━━━━━━━


    1時間前

    【自宅】

    武光「…お母さん、俺、ちくわバトル始めるよ」

    母「!」

    武光「だから…お父さんの遺したちくわ、使わせて欲しい」

    母「……そう。ミチルちゃんの仇を取るのね」

    武光「…」コクン

    母「わかったわ。あれはあなたのために父さんが遺した物。…好きに使いなさい」


    ━━━━━━━━━━


    武光「お前が勝ったら…このちくわをやるよ」

    店長「えええええ!!」

    羽水「…ふふっ。そうか…それなら仕方ねーな。来いよ。奥の対戦ブースでやるぞ」

    店長「た、武光くん…!」

    武光「大丈夫です。心配しないでください」

    店長「…!わかった。今日はお客さんも2人だけだし、ここで店を閉めようか。審判に集中したいし」

    武光「…!」

    羽水「おい!早く来いよ!」

    羽水(ククク…!あいつ昨日の彼氏じゃねぇか!彼女のために健気なこったぜ。…それにしても、この世に一本しかないちくわをもらえるなんてラッキー♪!!)
  25. 25 : : 2014/10/22(水) 07:40:09

    【ちくわタウン:バトルブース】

    ちくわショッブの奥には、大抵、ちくわバトル専用のスベースがある。

    ボクシングのリング二個分くらいの、正方形のスペースの中で、お互いのちくわがぶつかり合う。

    店長「武光くんは久しぶりだから、ルールの確認をしておこう」


    ちくわバトル

    互いのちくわを使って戦闘を行う。

    ちくわは1人1本まで使用可能。

    フィールドの外に出る(出される)、10秒間倒れる、ちくわが破壊されるの内どれか一つでも満たされたらその場で敗北となる。

    反則

    ・ちくわを2本以上使用する。

    ・ドーピング。

    ・ちくわ以外の武具の持ち込み。


    店長「大丈夫?」

    武光「はい」

    羽水(しかも相当のブランク持ちか…こりゃ楽勝だな)
  26. 26 : : 2014/10/22(水) 07:54:58

    店長「それでは両者、ちくわ大明神に公平を誓ってください」

    羽水「誓うぜ」

    武光「誓います」

    店長「それでは!ちくわバトル…開始!!」
  27. 27 : : 2014/10/22(水) 08:33:03

    カーーン!!

    羽水「来いよ!」

    《『霧雨』→攻撃形態へチェンジ!》

    ガチャン!!

    武光(……ちくわには二つの形態がある)

    武光(バット程の大きさになり、攻撃力のアップする攻撃形態は基本…)

    《『龍狩り』→攻撃形態へチェンジ!》

    ガチャン!!

    武光(そして、積極的に仕掛ける!)ダッ!!

    地を蹴り、一気に間合いを詰めながら、しなやかにちくわが襲いかかる。

    ガッ!!

    羽水「ッ!(こいつ…片手でちくわを扱いやがるのか!)」

    武光(追撃!)

    受け止められたちくわを蹴り、空中で後転。相手のちくわが届かない位置に着地したら、すかさずダッシュでもう一撃!

    キィン!!

    店長(…やっぱり、ブランクが大きい…あの時よりも遅く感じる…)

    羽水(な、こいつ!本当にちくわを持ってなかったような奴か!?)

    グラッ…

    武光(! 体勢が崩れた…!)

    バッ

    その場で左脚を軸に回転。羽水の脚を払う。

    羽水「うわっ!」

    武光(もらった!)

    回転の勢いを殺し、『龍狩り』を羽水に向かって突き落とす!

    羽水「くっ!」

    《『霧雨』→防御形態にチェンジ!》

    バッ!!

    武光「!」

    内側から開いたちくわが、

    ボンッ!

    相手の攻撃を受け止める、防御形態!
  28. 28 : : 2014/10/22(水) 12:42:38

    武光「チッ…!」

    羽水「お前……相当の経験者だな」

    武光「別に初心者ではないよ」

    羽水「正直侮ってたぜ……本気でやってやるよ」

    《『霧雨』→攻撃形態にチェンジ!》

    羽水「いくぜ『霧雨』ェ!!」

    パァッ!!

    武光「!!(ちくわが…自ら粉々に!?)」
  29. 29 : : 2014/10/22(水) 13:41:44

    ビビビッ!!

    武光「ッ!」

    武光「な、なんだこれ!小さい粒が…!」

    羽水「…気づくのが早いな。そう、『霧雨』は霧のように細かく!雨のような手数で攻撃するちくわだ!!」

    武光(なら…!)

    《『龍狩り』→防御形態にチェンジ!》

    羽水「無駄だぁ!」

    ビビビビッ!!

    武光「うあっ!」

    羽水「そんなガード…『霧雨』の前では無効!」

    武光(………でも、一撃は弱い!)

    ダッ!

    武光(肉を斬らせて、骨を…)

    ビッ!!ビビビッ!!

    武光(…断てる!)

    武光「うおおおおおっ!!」

    ブオン!!

  30. 30 : : 2014/10/22(水) 20:12:34
    ズガッ!!

    振り下ろされた『龍狩り』が、無防備な羽水の肩を捉えた。

    羽水「ッ……!」

    ドサッ…

    苦痛に顔を歪め、ダウン。

    店長「…1…2…」

    ムクッ

    武光「!」

    羽水「…効いたぜおい」

    武光(本気だったんだけどな…ブランクのせいかな?)

    店長「……(いや…今のは完全に決まっていた)」

    店長(確かに武光くんにブランクを感じるが、まだ何かある…)

    武光(…現状、『霧雨』を俺が破壊するのは不可能だ。となれば、本体である羽水を狙うしかない…)

    武光(……とにかく、何度も繰り返せば効果はあるはずだ)グッ
  31. 31 : : 2014/10/22(水) 20:16:50
    こういうの本当大好き
  32. 32 : : 2014/10/22(水) 21:17:58
    武光「ハッ!」ドガッ!!

    羽水「ぐっ…!」

    ドサッ

    店長「1…2…」

    羽水「…ふぅ」ムクッ

    武光「!」

    店長(…!)

    武光(なんで…なんで倒れないんだ?)

    羽水「ククッ…いい攻撃じゃねぇかぁ…!」

    羽水「でもなぁ、俺には効かねぇ!いけっ『霧雨』ぇええ!!」

    ブワーーーッ!!

    大量の粒が、武光に一斉に襲いかかる!!

    ビビビビビビビビビッ!!!

    武光「うぁーっ!!」

    ヨロ…

    羽水「ハハハ!どしたーどしたー!」

    ビビビッ!!

    武光「うっ!」

    ドサッ

    店長「! 1…2…」

    羽水「ククッ!起きあがるなよ~…!」

    店長「3…4…」

    武光「……っ…」ムクッ

    羽水「チッ」

    店長(…武光くん。どうしてちくわの能力を使わないんだ…!)
  33. 33 : : 2014/10/22(水) 21:29:51
    武光(……おかしい。二回も致命傷を与えたはずなのに…)

    武光(………まさか!)

    武光(ただ…そうだとしたら…!)

    ちくわバトルには、大きな前提がある。

    それは、至極単純で当たり前のこと、“お互いに不正はしない”ということである。

    試合前にお互いにその前提を確認し、誓い合うことでその信用は結ばれる。

    故、対戦者にとって、相手の不正が考慮されることはない。

    …不正を最も考慮するのは、審判である。

    店長(……明らかに不自然だ。羽水くん、もしかして…)

    店長「…羽水くん」

    武光「! (やっぱり…あれは!)」

    ちくわNAME『かぐや姫』の能力…使用者の回復!
  34. 34 : : 2014/10/22(水) 22:09:28

    「ちょっと待ったー!!」

    店長・羽水「!」

    武光「ミチル!」

    ミチル「店長!このまま続けさせましょう!」

    店長「! 試合、見てたの!?」

    ミチル「見てました!出るならここしかないと思って今出ました!」

    武光「も、もう大丈夫なのか!?」

    ミチル「当たり前よ!」クワッ

    ミチル「武光!あんた、『かぐや姫』壊したら私から怒られると思ってるんでしょ!」

    武光「!」

    ミチル「怒らないわよ!また買えばいいんだから…今は遠慮なく壊しちゃって!!」

    武光「ミチル…!」

    ミチル「それに…武光のちくわバトルが見れて、今最高に機嫌がいいの!!」

    武光「…そっか!」

    店長「…わかったよ。僕は急用を思い出したから、ちょっと作業をしなくちゃ。その間の審判は…ミチルちゃん!頼んだよ!」

    ミチル「任せて!」

    羽水「……ククッ。恋愛ってのは怖いなぁ。ここまで人を変えちまうんだから」

    武光「別に、付き合ってるわけじゃないよ」

    羽水「ハハッ!そうかいそうかい…」

    店長(それにしても、羽水くんはちくわバトルになると性格が変わるなぁ)

    ミチル「それじゃあ、試合再開!」

    カーーン!!

    羽水「…後悔するぜ……」

    武光「しないよ…俺は今最高に機嫌がいいんだ!」
  35. 35 : : 2014/10/22(水) 22:16:35
    こういうSSはマジ大好きだわ
    期待
  36. 36 : : 2014/10/22(水) 22:41:26

    羽水「くらぇぇええ『霧雨』ぇええ!!全軍突撃ぃいいいい!!!」

    ブワーーーッ!!!

    武光「……いくよ、『龍狩り』」

    《『龍狩り』→防御形態にチェンジ!》

    キィン!!

    羽水「なっ!?」

    武光「ちくわNAME『龍狩り』の能力…」

    武光「巨大化と超硬化!!」

    羽水「お、俺の『霧雨』が…!」

    『霧雨』は元々一つのちくわ。全体で攻撃を仕掛けても、攻撃力は一本のちくわと変わらない。

    超硬化した『龍狩り』が巨大化し、武光の周りをカバーした!

    量より質。超硬化した『龍狩り』に触れた『霧雨』は!

    《『霧雨』破壊!》

    羽水「んなっ!」

    武光「……そして」

    羽水「!」

    武光「そこだ!!」

    羽水のポケットの、僅かな膨らみ!

    羽水「や……やめてくれ!!」

    武光「うおおおおおおお!!!」

    《『龍狩り』→攻撃形態にチェンジ!》

    超硬化した『龍狩り』を、振り下ろす!!

    ドゴォオオン…!!

    羽水「………」ドサッ

    バリーーン!!

    《『かぐや姫』破壊!》

    ミチル「勝負あり!勝者、竹輪武光!!」

    店長「武光くん!」

    ミチル「あー…スッキリした。ありがとね!武光!」

    武光「…うん!」

  37. 37 : : 2014/10/22(水) 22:52:30

    店長「…それにしても、ブランクはやっぱり痛いみたいだね」

    武光「はい…全然動けなかったです」

    羽水「う……!」

    武光・ミチル・店長「!」

    羽水「……お前…あれで全然動けなかっただと?…何者だっ…」

    店長「……」クスッ

    ミチル「武光はね…ちくわバトルの元チャンピオンよ!子供の部のね」

    羽水「……!」

    武光「昔のことだよ…」

    羽水「…そんな…クソ……とんだアンラッキーだったぜ…」ガクッ

    店長「…気絶しちゃったか。とりあえず、彼はもう入店禁止にしておくよ」

    ミチル「はい♪」
  38. 38 : : 2014/10/22(水) 23:12:15
    ミチル「それにしても、相変わらず綺麗なちくわさばきだったわよ!」

    店長「そうだね。基本はしっかりとしてたよ」

    武光「いえ…そんな」

    ミチル「…ねぇ、今年のチクワンピック、出てみない?」

    武光「え!」

    店長「お、いいねぇ!店をあげて応援するよ!!」

    武光「えええ!!」

    ミチル「予選まで後半年もあるんだよ!?今からでも、武光なら間に合うよ!!」

    店長「日本一を目指そうよ!!」

    武光(…日本一……か)

    ミチル「…私、応援する」

    武光「………じゃあ…出てみよう…かな」

    ミチル「! やったー!!」

    店長「よーし!早速登録するよ!」

    武光「も、もう!?」

    ピッ

    ピーーーーー…

    【チクワンピック 予選 選手登録】

    店長「……僕はね、長年ちくわバトルを見てきたからわかるよ…」

    カタカタカタ

    店長「武光くんは…きっと歴史に名を残す!」

    カタカタカタ

    ミチル「当たり前よ!だって武光だもん!」

    カタンッ!!

    武光(……こうして、俺のちくわ使い日本一への挑戦が始まった)

    【竹輪武光 登録完了!】




    1本目“竹輪この街を走り抜け” 

    END.



    NOW LOADING……
  39. 39 : : 2014/10/22(水) 23:13:41
    はい、1本目はここで終了です。
    コメント、お気に入り等ありがとうございました!
  40. 40 : : 2014/10/22(水) 23:22:19

    【次回予告】

    ミチル「遂に始まった日本一への挑戦!長年のブランクを埋めることはできるのか!?まだまだ道のりは長い!」

    ミチル「次回、“ちくわ部に入ろう”!来週も、練物練物♡」

    http://www.ssnote.net/archives/25996
  41. 41 : : 2014/10/23(木) 19:44:12
    もっと評価されるべきss
  42. 42 : : 2014/12/23(火) 21:18:11
    俺の明日からちくわやるか…
  43. 43 : : 2015/08/07(金) 08:06:14
    ちくわかっけェ

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naoranaiyo

ふじやま

@naoranaiyo

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ちくわ大戦争 【A tube shaped fish paste cake wars】 シリーズ

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